説明

携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法

【課題】携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法を提供する。
【解決手段】複数の、ユーザに関連する携帯電話番号と支払データを含むデータ・レコードが、データ記憶装置に保存される。ユーザに関連する携帯電話機の電話番号を含むログイン・データが、ドキュメント処理装置に関連するユーザ・インターフェイス等を介して、受け取られる。受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードがデータ記憶装置に存在するか否かが判定され、存在すると判定された後、ドキュメント処理装置の操作の受け取りが開始される。次いで、含まれる電話番号に対応する携帯電話機に対して、データ・メッセージが送信される。送信したデータ・メッセージに対する応答として、携帯電話機から確認データが受信され、受信された確認データにしたがって、ドキュメント処理装置の動作が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ認証システムおよび方法に関し、特に、ドキュメント処理装置の利用におけるユーザ認証システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、ワークステーション、コピー機、プリンタ、ファクシミリ装置等の多くの装置、ならびに販売装置、サービス装置およびATM等の多くの共用装置は、セキュリティ面で安全な動作のために、ユーザが情報を入力することを必要とする。ユーザIDおよびパスワード等の情報は、多くの異なる機能を果たす。このような情報は、装置を使用可能な者を制限し、装置の使用を追跡するメカニズムを提供し、装置の使用に関連する料金の課金を可能とする。ユーザは、このような装置を使用するためのみならず、ウェブ・ベースのアカウントおよびオンライン購入等のデータベースにアクセスするために、多数のログイン・シーケンスを記憶しなければならない。ユーザの機密の、個人的な、または金銭的な情報にアクセスするサービスを要求する人物を認証するためには、さらに他のシーケンスを思い出さなければならない。
【0003】
文字列等のシーケンスを記憶しなければならない多数の状況は、通常使用されるユーザ名およびパスワード等の項目に対する様々な要件によって、さらに煩雑なものになる。場所に応じて変化する最小限の数の文字を必要とするサイトも存在する。サイトは、それぞれのユーザごとに一意的な識別子も要求する。このように、ユーザは、多くの状況において、アクセスするために同一の情報を常に使用することが困難であり、装置またはサービスにアクセスするために記憶しなければならないログイン・シーケンスの数を低減したシステムまたは方法が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のニーズに鑑みてなされたもので、携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法においては、複数のデータ・レコードがデータ記憶装置に保存される。ここで、それぞれのデータ・レコードは、携帯電話番号と、この携帯電話番号に関連付けられ予め設定された支払方法に対応する支払データとを含む。ユーザに関連する携帯電話機の電話番号を含むログイン・データが、ドキュメント処理装置に関連するユーザ・インターフェイスを介して、ユーザから受け取られる。受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードがデータ記憶装置内に存在するか否かがテストされ、受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードがデータ記憶装置内に存在すると判定された場合に、ドキュメント処理装置の操作の受取りが開始される。データ・メッセージが、ログイン・データに含まれる携帯電話番号に対応する携帯電話機に対して送信される。データ・メッセージに応答し、確認データが携帯電話機から受信され、受信された確認データにしたがって、ドキュメント処理装置における動作が実行される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による実施形態が適用されるシステム全体の構成例である。
【図2】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置のハードウェアの構成例である。
【図3】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置の機能ブロックの構成例である。
【図4】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラのハードウェアの構成例を説明するための図である。
【図5】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラの機能ブロックの構成例を説明するための図である。
【図6】本発明による実施形態によるシステムのブロック・ダイアグラムの一例である。
【図7】本発明による実施形態によるシステムの機能ブロック図の一例である。
【図8】本発明による実施形態における基本的な動作の一例を表すフローチャートである。
【図9】本発明による実施形態における動作の一例を詳細に表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜、図面を参照しながら一例としての実施の形態の説明を行う。図1は本実施の形態における携帯電話機ベースのユーザ認証システム全体の構成例である。システム100は、コンピュータ・ネットワーク102として表されている分散コンピューティング環境を利用して具体化することができる。
【0009】
コンピュータ・ネットワーク102は、複数の電子装置間におけるデータの交換を可能とする本技術分野で知られている任意の分散通信システムである。コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、仮想ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク、インターネット、イントラネット、またはこれらの任意の組合せを含む任意のコンピュータ・ネットワークである。
【0010】
また、コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、トークン・リング、IEEE802.11(x)、Ethernet(登録商標)またはその他の無線ベースまたは有線ベースのデータ通信メカニズム等の既存の多数のデータ転送メカニズムによって例示されるような物理レイヤおよびトランスポート・レイヤから構成される。尚、上記のようにコンピュータ・ネットワーク102を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、スタンドアローンの形態でも同様に実施可能である。
【0011】
また、システム100は、さらに、様々なドキュメント処理を実行するために適切な多機能周辺装置(Multi-Function Peripheral;以下、MFP)として図に表されているドキュメント処理装置104を有する。ここで、MFPはドキュメント処理装置の一形態であって、本発明におけるドキュメント処理装置がMFPに限定されるものではない。ドキュメント処理装置104は、例えば、ファクシミリ通信、画像走査、コピー、印刷、電子メール、ドキュメント管理、またはドキュメント保存等の処理を行う。また、例えば、ドキュメント処理装置104は、リモート・ドキュメント処理サービスを外部装置あるいはネットワークに接続された装置に対して提供する。ドキュメント処理装置104は、ユーザあるいはネットワークに接続された装置等とやり取りするように構成された、ハードウェア、ソフトウェアおよびこれらの任意の適切な組合せを含む。ドキュメント処理装置104の構成等については、後ほど図2および図3を参照しながら説明を行う。
【0012】
また、ドキュメント処理装置104は、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、多様なICメモリ・カード等の、複数のポータブル記憶媒体を受け入れるためのインターフェイスを備える。また、ドキュメント処理装置104は、例えば、タッチスクリーン、LCD、タッチパネル、または英数字キーパッド等のユーザ・インターフェイス106を備える。ユーザは、ユーザ・インターフェイス106を介してドキュメント処理装置104と直接やり取りすることができる。
【0013】
ユーザ・インターフェイス106は、ユーザに対して情報を伝達するとともに、ユーザから選択内容を受け取るために、有効に用いられる。ユーザ・インターフェイス106は、ユーザにデータを提供するために適切な種々のコンポーネントからなる。本発明における一実施形態において、ユーザ・インターフェイス106は、1または複数のグラフィック要素、テキスト・データ、または画像等をユーザに表示し、ユーザからの入力を受け取り、その入力を、後ほど説明するコントローラ108等のバックエンド・コンポーネントに伝達するディスプレイ装置を有する。
【0014】
また、ドキュメント処理装置104は、適切な通信リンク112を介して、コンピュータ・ネットワーク102に通信可能に接続される。通信リンク112としては、例えば、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、Bluetooth(登録商標)、公衆交換電話網、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続または他の適切な有線または無線のデータ通信チャネルを用いることができる。
【0015】
また、ドキュメント処理装置104は、ドキュメント処理装置104による処理動作を容易にする適切なバックエンド・コンポーネントとして、コントローラ108を内蔵する。
【0016】
コントローラ108は、ドキュメント処理装置104の動作を制御し、あるいはユーザ・インターフェイス106を介した画像の表示を制御し、あるいは、電子画像データの操作を指示する等の処理を容易にするように構成されたハードウェア、ソフトウェアあるいはこれらの適切な組合せによって実装される。以下の説明において、ドキュメント処理装置104に関連する任意の多数のコンポーネントは、後に述べる動作を実行し、もしくは実行させ、もしくは制御し、または指示するように機能するハードウェアのコントローラ、ソフトウェア、またはこれらの組合せを含むものとする。尚、図および上記の説明において、コントローラ108をドキュメント処理装置104に内蔵された形態としたが、これに限定されるものではなく、コントローラ108は、ドキュメント処理装置104に通信可能に接続された外部装置の形態であってもよい。コントローラ108との関連において説明を行う処理動作は、本技術分野において知られている任意の汎用コンピューティング・システムによって実行可能である。したがって、コントローラ108は、そのような汎用的なコンピューティング装置を表しており、以下の説明において使用する際にも、そのように意図されている。また、以下の説明においてはコントローラ108を使用しているが、これは実施形態の例にすぎず、その他の実施形態においても、本発明による携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法を利用することができる。コントローラ108の構成等については、後ほど図4と図5を参照しながら説明を行う。
【0017】
また、ドキュメント処理装置104にはデータ記憶装置110が通信可能に接続される。データ記憶装置110は、例えば、ハードディスク・ドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリまたはこれらの任意の組合せを含む記憶装置である。データ記憶装置110は、データ・レコード、ユーザ情報、携帯電話機のデータ、予め設定された支払データ、ドキュメント・データ、画像データ、電子データベースのデータ、ドキュメント処理インストラクション、使用データ、ユーザ・インターフェイスのデータ、ジョブ制御データ、コントローラの状態データ、コンポーネント実行データ、広告、ユーザ情報、場所情報、出力テンプレート、マッピング・データ、マルチメディア・データ・ファイル、またはフォント等を適切に保存する。データ記憶装置110は、システム100の独立したコンポーネントとして図1に例示されているが、例えば、内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104の内部記憶装置、あるいはコントローラ108に実装される記憶装置あるいはコンポーネントであってもよい。
【0018】
システム100は、ドキュメント処理装置104および実質的にコンピュータ・ネットワーク102に通信可能に接続されたキオスク114を、さらに、含む。キオスク114は、図に示したようにドキュメント処理装置104の独立したコンポーネントとして実装することができ、または対応するドキュメント処理装置104と一体のコンポーネントとして実装することもできる。キオスク114を使用することは実施形態の単なる例であり、本発明は、キオスク114を使用することなしに実施することもできる。キオスク114は、例えば、表示装置116と、ユーザ入力装置118とを備える。キオスク114は、タッチスクリーン・インターフェイス等の、ユーザ入力装置と表示装置との機能を組み合わせた装置を備えることもできる。キオスク114は、例えば、ユーザに指示を表示し、ユーザからドキュメント処理インストラクションを受け取り、ユーザから支払データを受け取り、およびユーザから選択データを受け取る等の機能を実行する。例えば、キオスク114は、クレジット・カード、クーポンまたはデビット・カード等から支払データを受け取り読み込むために適切な磁気カード・リーダまたはバーコード・リーダ等を含む。
【0019】
また、システム100は、キオスク114に接続され、無数の異なるポータブル記憶装置を受け入れアクセスするために適合したポータブル記憶装置の読取り装置120を含む。ポータブル記憶装置としては、例えば、本技術分野で知られているような、フラッシュ・メモリ・ベースの多様なICメモリ・カード、CD−ROM、DVD−ROM、USBインターフェイスを有するフラッシュ・メモリ・ドライブ、または他の磁気記憶装置または光学記憶装置等がある。
【0020】
システム100は、さらに、通信リンク124を介してキオスク114とデータ通信を行うモバイル通信装置122を含む。図においては、モバイル通信装置122を、携帯電話機として示しているが、これは例示を目的としたものにすぎない。携帯電話機は、例えば、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)、ウェブ適合(web-enabled)携帯電話、スマート・フォン、専用通信ネットワーク用の電子装置、またはその他のウェブ適合電子装置を含む本技術分野において知られている任意のモバイル・パーソナル通信装置の代表である。
【0021】
通信リンク124は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiMax、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、公衆交換電話網、または、その他の適切な無線または有線のデータ通信チャネルを用いることができる。
【0022】
モバイル通信装置122は、キオスク114もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネント、またはコンピュータ・ネットワーク102に接続された任意のその他の類似装置との間で、テキスト・メッセージを送受信し、ユーザ情報およびパスワード・データを伝達し、状態データまたはジョブ・データを受信し、またはこれらに類似する動作を実行する。
【0023】
システム100は、通信リンク130を介してコンピュータ・ネットワーク102とデータ通信を行うサーバ126として示すバックエンド・コンポーネントをさらに含む。図においては、サーバ126がシステム100のコンポーネントとして示されているが、本発明は、スタンドアローンのドキュメント処理装置104によっても具体化することができる。サーバ126は、1または複数のサービス、ウェブ・ベースのアプリケーション、およびストレージ・オプション等をネットワークに接続された装置に対して提供するために適切なハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組合せから構成される。例えば、サーバ126は、コンピュータ・ネットワーク102を介してアクセスされる、保護されたドキュメントおよびテキスト・データの保存の管理、検索と比較の実行、データ・レコードとアカウント情報の保守(maintaining)、支払データの受信、およびドキュメントの取得等を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せとして実装される様々なコンポーネントを含む。
【0024】
通信リンク130は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiMax、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、公衆交換電話網、または、その他の適切な無線または有線のデータ通信手段である。サーバ126との関連において記述されるコンポーネントは、例えば、コントローラ108等のコンピュータ・ネットワーク102に接続された任意の適切なコンピューティング装置に実装することができる。
【0025】
また、サーバ126にはデータ記憶装置128が通信可能に接続される。データ記憶装置128は、例えば、ハードディスク・ドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリまたはこれらの任意の組合せを含む記憶装置である。
【0026】
このような形態において、データ記憶装置128は、ソフトウェア更新、保護された電子ドキュメント、テキスト・データ、データ・ストリング、アカウント情報、およびポリシー情報等を適切に保存する。データ記憶装置128は、システム100の独立したコンポーネントとして図1に例示されているが、例えば、内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、サーバ126の内部記憶装置に実装される記憶装置あるいはコンポーネントであってもよい。
【0027】
次に、図2に、システム100の動作が実行され、図1においてはドキュメント処理装置104として示した、ドキュメント処理装置200のハードウェア・アーキテクチャの構成の一例を示す。ドキュメント処理装置200は、少なくとも1つのCPUから構成されるプロセッサ202を含む。プロセッサ202は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、ドキュメント処理装置200には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびドキュメント処理装置200の動作に使用するその他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)204が含まれている。
【0028】
また、ドキュメント処理装置200は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM206を含む。RAM206は、プロセッサ202によって処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0029】
ストレージ・インターフェイス208は、ドキュメント処理装置200に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存のためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス208は、参照符号216で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0030】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、ドキュメント処理装置200が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ドキュメント処理装置200の外部装置との1または複数のコネクションを確立する。図においては、一例として、Ethernet(登録商標)およびトークン・リング等といった固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも1つのネットワーク・インターフェイス・カード214と、WiFi(Wireless Fidelity)、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス218を示している。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図においては、ネットワーク・インターフェイス・カード214は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはこれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク220を介したデータ交換を行うために、相互接続されている。
【0031】
プロセッサ202、読出し専用メモリ(ROM)204、RAM206、ストレージ・インターフェイス208およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム210の間のデータ通信は、バス212によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0032】
ドキュメント処理装置200における実行可能なインストラクションは、ワークステーション、他のドキュメント処理装置、またはその他のサーバ等の複数の外部装置との通信を円滑に実行する。動作の際、代表的な装置は自立的に動作するが、しばしば、ローカル・ユーザによる直接的な制御が望ましい場合もある。ローカル・ユーザによる直接的な制御は、ユーザ入出力(I/O)パネル224へのオプションの入出力(I/O)インターフェイス222を介して実行することができる。
【0033】
また、1または複数のドキュメント処理エンジンへのインターフェイスも、バス212を介してデータ通信を行う。図に示した実施形態においては、印刷インターフェイス226、コピー・インターフェイス228、画像走査インターフェイス230およびファクシミリ・インターフェイス232は、それぞれ、印刷エンジン234、コピー・エンジン236、画像走査エンジン(スキャナ)238、およびファクシミリ・エンジン240との通信を容易にする。ドキュメント処理装置200は、1または複数のドキュメント処理機能を適切に実行する。複数のドキュメント処理動作を実行するシステムは、通常、多機能周辺装置(MFP)または多機能装置と呼ばれる。
【0034】
次に、システム100の動作が実行されるドキュメント処理装置300の機能ブロック構成の一例を示す。図3は、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図2に示したハードウェアの機能性を例示している。
【0035】
ドキュメント処理装置300は、1または複数のドキュメント処理動作を円滑に実行するドキュメント処理エンジン302を含む。ドキュメント処理エンジン302は、印刷エンジン304、ファクシミリ・エンジン306、画像走査エンジン(スキャナ)308およびコンソール・パネル310を含む。印刷エンジン304は、ドキュメント処理装置300に伝達される電子ドキュメントを、物理的なドキュメント、すなわちハードコピーの出力を可能とする。ファクシミリ・エンジン306は、ファクシミリ・モデム等の装置を介して、外部のファクシミリ装置との間で相互にファクシミリ通信を行う。
【0036】
画像走査エンジン(スキャナ)308は、ハードコピー・ドキュメントを受け取り、このハードコピー・ドキュメントに対応する画像データに変換するように機能する。コンソール・パネル310等のユーザ・インターフェイスは、ユーザからのインストラクションの入力と、ユーザへの情報の表示を可能にする。画像走査エンジン308は、有形のドキュメントの入力を、ビットマップ・フォーマット、ベクター・フォーマットまたはページ記述言語(PDL)フォーマットの電子的な形態へ変換し、さらに、光学文字認識のためにも構成されている。また、有形のドキュメントの画像走査は、ファクシミリ動作においても有効に機能する。
【0037】
図3に示したドキュメント処理エンジン302は、ドライバ326を介したネットワークとのインターフェイス316も備え、例えばネットワーク・インターフェイス・カードから構成されている。ネットワークは、有線、無線あるいは光によるデータ通信のような任意の適切な物理的レイヤおよび物理的でないレイヤによって、十分なやり取りを実現する。
【0038】
ドキュメント処理エンジン302は、1または複数のデバイス・ドライバ314と適切な通信を行う。デバイス・ドライバ314は、実際のドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理エンジン302と、1または複数の物理的装置との間のデータ交換を可能とする。このようなドキュメント処理動作には、ドライバ318による印刷、ドライバ320によるファクシミリ通信、ドライバ322による画像走査、およびドライバ324によるユーザ・インターフェイス機能の中の1または複数のものが含まれる。これらの多様な装置は、ドキュメント処理エンジン302と関連する1または複数の対応したエンジンと結合されている。本発明においては、ドキュメント処理動作の任意のセットまたはサブセットが想定されている。複数の利用可能なドキュメント処理オプションを含むドキュメント処理装置は、前述したようにMFP等と呼ばれる。
【0039】
次に、一例として、図4は、システム100の動作が実行されるバックエンド・コンポーネント、すなわち、図1においてはコントローラ108として示したコントローラ400のハードウェア・アーキテクチャの構成図の一例である。尚、図4では、コントローラのコンポーネントの意義をより明確にするため、参照符号432で表した、コントローラ以外のドキュメント処理装置のコンポーネントの一部を併せて示す。コントローラ400は、本明細書に記載する動作を円滑に実行する能力を有する、本技術分野において知られている任意の汎用的なコンピューティング装置を表す。コントローラ400には、少なくとも1つのCPUを含むプロセッサ402が含まれる。プロセッサ402は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、コントローラ400には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびコントローラ400の動作に使用する他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)404が含まれる。
【0040】
また、コントローラ400には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM406が含まれている。RAM406は、プロセッサ402により処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0041】
ストレージ・インターフェイス408は、コントローラ400に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存のためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス408は、参照符号416で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0042】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、コントローラ400が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、コントローラ400に対する外部装置との1または複数のコネクションのインターフェイスを適切にとる。例えば、図に示すように、Ethernet(登録商標)およびトークン・リング等の固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも1つのネットワーク・インターフェイス・カード414と、WiFi(Wireless Fidelity)、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス418が接続される。また、ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図に示すように、ネットワーク・インターフェイス・カード414は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはそれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク420を介したデータ交換を行うために、相互接続される。
【0043】
プロセッサ402、読出し専用メモリ(ROM)404、RAM406、ストレージ・インターフェイス408およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム410の間のデータ通信は、バス412によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0044】
また、ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス422もバス412を介してデータ通信を行う。ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス422は、様々なドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理ハードウェア432との接続を提供する。そのようなドキュメント処理動作には、コピー・ハードウェア424によって実行されるコピー、画像走査ハードウェア426によって実行される画像走査、印刷ハードウェア428によって実行される印刷、およびファクシミリ・ハードウェア430によって実行されるファクシミリ通信がある。コントローラ400は、これらのドキュメント処理動作のいずれかまたは全部を適切に動作させる。複数のドキュメント処理動作を実行可能なシステムは、前述したように、MFPまたは多機能装置と呼ばれる。システム100の機能は、ドキュメント処理装置と関連するインテリジェント・サブシステムとして図4に示したコントローラ400(図1においてはコントローラ108として示されている。)を含む、ドキュメント処理装置104等の適切なドキュメント処理装置において実行される。
【0045】
次に、一例として、システム100の動作が実行されるコントローラの機能ブロックと動作の概要を説明する。図5において、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図4に示したハードウェアの機能性を例示する。尚、図5においても、コントローラの機能要素の意義をより明確にするため、コントローラ以外のドキュメント処理装置の機能要素の一部を併せて示している。
【0046】
図5に示すように、コントローラ機能は、ドキュメント処理エンジン502を有する。ドキュメント処理エンジン502は、印刷動作、コピー動作、ファクシミリ通信動作および画像走査動作を可能にする。これらの機能は、産業界において一般に好まれるドキュメント処理周辺装置であるMFPと関連付けられることが多い。しかし、コントローラが上記のドキュメント処理動作のすべてを可能にする必要は必ずしもない。コントローラは、上記のドキュメント処理動作のサブセットである、専用のドキュメント処理装置、あるいはより限定した目的のドキュメント処理装置においても有効に用いられる。
【0047】
ドキュメント処理エンジン502はユーザ・インターフェイス・パネル510と適切にインターフェイスされており、ユーザまたは管理者は、このユーザ・インターフェイス・パネル510を介して、ドキュメント処理エンジン502によって制御される機能にアクセスすることができる。アクセスは、コントローラにローカル接続されたインターフェイスを介して行われるか、遠隔のシン・クライアント(thin client)またはシック・クライアント(thick client)によって遠隔から行われる。
【0048】
ドキュメント処理エンジン502は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506および画像走査機能部508とデータ通信を行う。これらの機能部504、506、508は、印刷、ファクシミリの送受信、およびドキュメント画像をコピーのために取得するか、またはドキュメント画像の電子バージョンを生成するための、ドキュメント画像走査の実際の処理動作を容易にする。
【0049】
ジョブ・キュー(job queue)512は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506および画像走査機能部508とデータ通信を行う。ビットマップ・フォーマット、ページ記述言語(PDL)フォーマットまたはベクター・フォーマット等の種々の画像形式は、画像走査機能部508からジョブ・キュー512を介して以降の処理のために中継される。
【0050】
ジョブ・キュー512は、また、ネットワーク・サービス機能部514ともデータ通信を行う。一実施形態において、ジョブ制御信号、状態データまたは電子ドキュメント・データが、ジョブ・キュー512とネットワーク・サービス機能部514との間で交換される。このように、クライアント側ネットワーク・サービス機能520を介したコントローラ機能へのネットワーク・ベースのアクセスに適切なインターフェイスが提供され、このインターフェイスは任意の適切なシン・クライアントまたはシック・クライアントである。また、ウェブ・サービス・アクセスは、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ユニフォーム・データ・ダイアグラム・プロトコルまたは他の任意の適切な交換メカニズムによって実行される。ネットワーク・サービス機能部514は、また、FTP、電子メール、またはテルネット(TELNET)等を介した通信のために、クライアント側ネットワーク・サービス機能520とのデータ交換も有効に提供する。このように、コントローラ機能は、種々のネットワーク・アクセス・メカニズムによって、電子ドキュメントおよびユーザ情報のやり取りを容易にする。
【0051】
ジョブ・キュー512は、また、画像プロセッサ516ともデータ通信を行う。画像プロセッサ516は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506または画像走査機能部508等の装置機能部と、電子ドキュメントを交換するために適したフォーマットに変換するラスタ画像処理(RIP)、ページ記述言語インタープリタまたは任意の適切な画像処理を行うメカニズムである。
【0052】
さらに、ジョブ・キュー512はジョブ解析部(job parser)518とデータ通信を行い、このジョブ解析部518はクライアント装置サービス部522等の外部装置からの印刷ジョブ言語ファイルを受け取る働きをする。クライアント装置サービス部522は、電子ドキュメントの印刷、ファクシミリ通信、またはコントローラ機能による処理が有効である他の適切な電子ドキュメントの入力を含む。ジョブ解析部518は、受け取った電子ドキュメント・ファイルを解析し、前述した機能およびコンポーネントと関連する処理のために、解析した電子ドキュメント・ファイル情報をジョブ・キュー512に中継する働きをする。
【0053】
次に図6に、本発明の一実施形態による携帯電話機ベースのユーザ認証システム600のブロック・ダイアグラムの一例を示す。システム600は、複数のデータ・レコード604を保存するデータ記憶部602を含む。データ記憶部602に保存されているデータ・レコードは、携帯電話番号と、その携帯電話番号に関連付けられ予め設定された支払方法に対応する支払データを含む。また、システム600は、ドキュメント処理装置104に関連するユーザ・インターフェイス106またはキオスク114等のユーザ・インターフェイス606をも含む。ユーザに関連する携帯電話番号を含むログイン・データ608は、ユーザ・インターフェイス606を介して、取得される。ユーザ・インターフェイス606を介して取得されたログイン・データ608に対応するデータ・レコード604の存在を求めて、比較器610がデータ記憶部602を検索する。例えば、比較器610は、取得されたログイン・データ608に関連する携帯電話番号に対応する携帯電話番号を含むデータ・レコード604について、データ記憶部602を検索する。
【0054】
比較器610が、ログイン・データ608に対応するデータ・レコード604がデータ記憶部内に存在すると判定した場合、比較器610の出力によってシステム開始メカニズム612が動作可能状態となる。システム600は、データ通信部614をさらに含み、データ通信部は、ログイン・データ608に含まれる携帯電話番号に対応する携帯電話機616へのデータ・メッセージを送信する。データ通信部614からのデータ・メッセージに応答して、確認データ618が携帯電話機616から受信される。受信された確認データ618にしたがって、ドキュメント処理部620は、関連するドキュメント処理装置104の動作を進行させるように動作する。
【0055】
次に図7に、本発明の一実施形態による携帯電話機ベースのユーザ認証システムの機能ブロック図の一例を示す。データ記憶部704は、複数のデータ・レコード702を保存する。複数のデータ・レコード702は、それぞれ、携帯電話番号と、その携帯電話番号に関連する予め設定された支払方法に対応する支払データを含む。図1においてはドキュメント処理装置104として示したドキュメント処理装置710に関連するユーザ・インターフェイス(図1においてはユーザ・インターフェイス106またはキオスク114として示した)を介して、ログイン・データ706が、ユーザから受け取られる。ログイン・データ706は、例えば、ユーザに関連する携帯電話機714の電話番号を含む。テスト部708は、受け取られたログイン・データ706と、データ記憶部704に保存されているデータ・レコード702についてテストを実行し、受け取られたログイン・データ706に含まれる携帯電話番号に対応する携帯電話番号を含むデータ・レコード702が、データ記憶部704に保存されているか否かが判定される。
【0056】
テスト部708によって、受け取られたログイン・データ706に対応するデータ・レコード702がデータ記憶部704内に存在すると判定されると、ドキュメント処理装置710の操作の受取りが開始される。また、データ・メッセージ712が、ログイン・データ706および対応するデータ・レコード702に含まれる電話番号に関連する携帯電話機714に対して伝達される。データ・メッセージ712を受信した携帯電話機714は、ドキュメント処理装置710に確認データ716を伝達し、ドキュメント処理装置710は、受信された確認データ716にしたがって、ドキュメント処理動作を実行する。
【0057】
次に、本発明における動作の概要の一例を、フローチャートを参照しながら説明する。図8は、本実施の形態における基本的な動作の一例を示すフローチャートである。先ず、S802において、複数のデータ・レコードが、例えば、ドキュメント処理装置104に関連するデータ記憶装置110、およびバックエンド・サーバ126に関連するデータ記憶装置128等のデータ記憶装置に保存される。例えば、それぞれのデータ・レコードは、ユーザに関連する携帯電話番号と、この電話番号に関連する予め設定された支払方法に対応する支払データを含む。
【0058】
S804において、ログイン・データが、ドキュメント処理装置104に関連するユーザ・インターフェイス106またはキオスク114等を介して、ユーザから受け取られる。一実施形態において、ログイン・データは、ユーザに関連する携帯電話機122の電話番号を含む。次いでS806において、ドキュメント処理装置104もしくはキオスク114等に関連するコントローラ108あるいは他の適切なコンポーネントは、ユーザから受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードがデータ記憶装置110に存在するか否かをテストする。一実施形態において、データ・レコードがコンピュータ・ネットワーク102を介してデータ記憶装置128に保存されている場合には、このようなテストはサーバ126によって実行することができる。
【0059】
受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードがデータ記憶装置110に存在するとテストにおいて判定された後、S808において、ドキュメント処理装置104の操作の受取りが開始される。次いでS810において、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントから、ログイン・データに含まれる電話番号に対応する携帯電話機122に対して、データ・メッセージが送信される。ドキュメント処理装置104から携帯電話機122に対する通信は、コンピュータ・ネットワーク102または公衆交換電話ネットワーク等を介して、実行することができる。一実施形態によれば、データ・メッセージは、本技術分野において知られているように、SMSテキスト・メッセージ、電子メール・メッセージ、またはその他の適切なメッセージ・フォーマットである。
【0060】
次いでS812において、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、S810で伝達したデータ・メッセージに対する応答として、携帯電話機122から確認データを受信する。確認データは、例えば、受信されたメッセージに対する携帯電話機122からの回答、ドキュメント処理装置104に関連する所定の電話番号に対する新たなメッセージ、またはドキュメント処理装置104に伝達される電子メール・メッセージ等を含む。次いでS814において、ドキュメント処理装置104は、受信された確認データにしたがって動作を実行する。
【0061】
さらに、本発明における動作の一例について図9のフローチャートを用いて詳述する。先ずS902において、携帯電話番号および予め設定された支払方法の情報をそれぞれ含む複数のデータ・レコードが、データ記憶装置110またはデータ記憶装置128等のデータ記憶装置に保存される。予め設定された支払方法の情報としては、例えば、クレジット・カード、デビット・カード、前払口座、および請求先口座等がある。S904において、ログイン・データが、ユーザ・インターフェイス106またはキオスク114等を介して、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって、ユーザから受け取られる。一実施形態において、ログイン・データは、ユーザに関連する携帯電話機122の電話番号を含む。
【0062】
S906において、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、受け取ったログイン・データに含まれる携帯電話番号と同一の携帯電話番号を含むデータ・レコードがデータ記憶装置110または128に保存されているか否かをテストする。データ・レコードがサーバ126に接続されたデータ記憶装置128に保存されている場合には、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、受け取ったログイン・データを、テストのために、サーバ126に伝達する。S908において、ログイン・データ含まれる携帯電話番号と同一の携帯電話番号を含むデータ・レコードが、データ記憶装置110または128に保存されているか否かに関する判定が実行される。
【0063】
整合するデータ・レコードが検出されない場合には、処理はS910に進み、エラーが、ユーザ・インターフェイス106またはキオスク114を介して、ユーザに表示される。次いでS912において、例えば、新たな携帯電話番号等を含む新しいログイン・データが、ユーザによって提供されたか否かに関する判定が行われる。更新されたログイン・データが受け取られていない場合には、S926においてドキュメント処理装置104の動作が拒絶された後、処理は終了する。
【0064】
S908において整合するデータ・レコードが検出されたと判定された場合には、処理はS914に進み、ドキュメント処理装置104の操作の受取りが開始される。すなわち、ユーザは、ドキュメント処理装置104によって実行される所望のドキュメント処理動作を選択することができる。ユーザによって所望のドキュメント処理動作が選択されると、S916において、選択されたドキュメント処理動作に関連する料金に対応するコスト・データが、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって生成される。次いでS918において、生成されたコスト・データを含むデータ・メッセージが、データ・レコードに含まれる携帯電話番号に対応する携帯電話機に対して伝達される。一実施形態によれば、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、選択されたドキュメント処理動作の詳細およびその処理動作の実行に関連する料金を含む、テキスト・メッセージを携帯電話機122に対して伝達する。
【0065】
次いでS920において、データ・メッセージに応答する確認データが携帯電話機122から受信される。すなわち、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、料金の確認を示す回答テキスト・メッセージ等を携帯電話機122から受信する。S922において、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、電話番号または確認データのデータ・コンテンツによって、受信された確認データの信憑性を検証する。次いでS924において、受信された確認データが検証されたか否かに関する判定が行われる。確認データが検証されない場合には、処理はS926に進み、ユーザのためのドキュメント処理装置104の動作が拒絶される。
【0066】
S924において確認データの信憑性が検証されたと判定されると、処理はS928に進む。S928において、ドキュメント処理装置104は、携帯電話機122から受信された確認データにしたがって、選択されたドキュメント処理動作を実行する。この後、S930において、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108もしくは他の適切なコンポーネント、あるいはサーバ126等は、例えば、クレジット・カード、デビット・カード、または前払口座等の、予め設定された支払方法にしたがって料金を課金する。
【0067】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法が提供される。上記の実施の形態によれば、ログイン・データとして携帯電話機の電話番号を用いるため、ドキュメント処理装置にアクセスするため、ユーザが記憶しなければならないログイン・シーケンスの数を低減することが可能となる。また、ドキュメント処理装置の動作に関連する支払に関して、携帯電話機を用いた確認を行うため、安全な決済が可能となる。この携帯電話機ベースのユーザ認証システムおよび方法の技術的思想は、製品またはサービスの販売のための任意の装置、特に、料金を必要とするシステムおよび方法に適用可能である。
【0068】
本発明の好ましい実施形態の以上の説明は、例示と説明のために行った。説明は網羅的ではなく、本発明を開示した形態に限定しようとするものでもない。以上の開示を鑑みて明らかな修正または変形が可能である。例えば、本発明による実施形態の説明に記したシステムおよび方法は、例えば、通信、汎用コンピューティング、データ処理、財務トランザクション、製品またはサービスの販売等を含む、ユーザ認証を利用する複数の様々な分野に対しても適用可能であり、本発明がドキュメント処理への適用に限定されるものではない。実施形態は、本発明の原理とその実際的な応用例を最もよく示し、それにより当業者が、本発明を、意図された特定の使用に適した様々な実施形態において様々な修正で使用できるように選択され説明された。そのようなすべての修正と変形は、特許請求の範囲の記載に明示されるとおりの本発明の原理および範囲内において、当業者によって行われ得ることは明らかであり、特許請求の範囲の記載によって定められる本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0069】
100 システム
102 コンピュータ・ネットワーク、分散通信システム
104 ドキュメント処理装置、MFP
106 ユーザ・インターフェイス
108 コントローラ
110、128 データ記憶装置
112、124、130 通信リンク
114 キオスク
116 表示装置
118 ユーザ入力装置
120 ポータブル記憶装置の読取り装置
122 モバイル通信装置、携帯電話機
126 サーバ、バックエンド・サーバ
200、300 ドキュメント処理装置
202、402 プロセッサ
204、404 読出し専用メモリ、ROM
206、406 RAM
208、408 ストレージ・インターフェイス
210、410 ネットワーク・インターフェイス・サブシステム
212、412 バス
214、316、414 ネットワーク・インターフェイス・カード
216、416 ディスク・ドライブ
218、418 無線インターフェイス
220、420 物理的ネットワーク
222 オプションの入出力インターフェイス
224 ユーザ入出力パネル
226 印刷インターフェイス
228 コピー・インターフェイス
230 画像走査インターフェイス
232 ファクシミリ・インターフェイス
234、304 印刷エンジン
236 コピー・エンジン
238、308 画像走査エンジン
240、306 ファクシミリ・エンジン
310 コンソール・パネル
314 デバイス・ドライバ
318、320、322、324、326 ドライバ
400 コントローラ
422 ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス
424 コピー・ハードウェア
426 画像走査ハードウェア
428 印刷ハードウェア
430 ファクシミリ・ハードウェア
432 ドキュメント処理ハードウェア
502、302 ドキュメント処理エンジン
504 印刷機能部
506 ファクシミリ通信機能部
508 画像走査機能部
510 ユーザ・インターフェイス・パネル
512 ジョブ・キュー
514 ネットワーク・サービス機能部
516 画像プロセッサ
518 ジョブ解析部
520 クライアント側ネットワーク・サービス機能
522 クライアント装置サービス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれのデータ・レコードが、携帯電話番号と、この携帯電話番号に関連付けられ予め設定された支払方法に対応する支払データとを含む、複数のデータ・レコードを保存するデータ記憶部と、
ドキュメント処理装置に関連し、ユーザに関連する携帯電話機の携帯電話番号を含むログイン・データを取得するユーザ・インターフェイスと、
このユーザ・インターフェイスによって取得されたログイン・データに対応するデータ・レコードの存在を求めて前記データ記憶部を検索する比較器と、
この比較器が前記ログイン・データに対応するデータ・レコードが前記データ記憶部内に存在すると判定した場合、前記比較器の出力によって動作可能状態となる開始メカニズムと、
前記ログイン・データに含まれる前記携帯電話番号に対応する前記携帯電話機に対するデータ・メッセージを送信するデータ通信部と、
前記データ・メッセージに応答して前記携帯電話機から受信される確認データにしたがって、関連するドキュメント処理装置の動作を進行させるドキュメント処理部と
を備えることを特徴とする携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項2】
前記ドキュメント処理動作に関連する料金に対応するコスト・データを生成するコスト・データ生成器を、さらに、備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項3】
前記携帯電話番号に関連する前記予め設定された支払方法にしたがって前記料金を課金する料金課金器を、さらに、備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項4】
受信された前記確認データに含まれる携帯電話番号または前記確認データの内容にしたがって、受信された前記確認データの信憑性を検証する信憑性検証器を、さらに、備えることを特徴とする請求項3に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項5】
前記データ・メッセージは、前記コスト・データを含むことを特徴とする請求項4に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項6】
前記予め設定された支払方法に対応する支払データは、クレジット・カード、またはデビット・カード、または前払口座の情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項7】
それぞれのデータ・レコードが、携帯電話番号と、この携帯電話番号に関連付けられ予め設定された支払方法に対応する支払データとを含む、複数のデータ・レコードをデータ記憶装置に保存するステップと、
ドキュメント処理装置に関連するユーザ・インターフェイスを介して、ユーザに関連する携帯電話機の電話番号を含むログイン・データを受け取るステップと、
受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードが前記データ記憶装置内に存在するか否かをテストするテスト・ステップと、
このテスト・ステップにおいて、前記受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードが前記データ記憶装置内に存在すると判定された場合に、前記ドキュメント処理装置の操作の受け取りを開始するステップと、
前記ログイン・データに含まれる前記携帯電話番号に対応する前記携帯電話機に対してデータ・メッセージを送信するステップと、
前記携帯電話機から前記データ・メッセージに対する応答として、確認データを受信するステップと、
受信された前記確認データにしたがって前記ドキュメント処理装置における動作を実行するステップと
を含むことを特徴とする携帯電話機ベースのユーザ認証方法。
【請求項8】
前記ドキュメント処理動作に関連する料金に対応するコスト・データを生成するステップを、さらに、含むことを特徴とする請求項7に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証方法。
【請求項9】
前記携帯電話番号に関連する前記予め設定された支払方法にしたがって前記料金を課金するステップを、さらに、含むことを特徴とする請求項8に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証方法。
【請求項10】
受信された前記確認データに含まれる携帯電話番号または前記確認データの内容にしたがって、受信された前記確認データの信憑性を検証するステップを、さらに、含むことを特徴とする請求項9に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証方法。
【請求項11】
前記データ・メッセージは、前記コスト・データを含むことを特徴とする請求項10に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証方法。
【請求項12】
前記予め設定された支払方法に対応する支払データは、クレジット・カード、またはデビット・カード、または前払口座の情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証方法。
【請求項13】
それぞれのデータ・レコードが、携帯電話番号と、この携帯電話番号に関連付けられ予め設定された支払方法に対応する支払データとを含む、複数のデータ・レコードを保存するデータ記憶手段と、
ドキュメント処理装置に関連するユーザ・インターフェイスと、
この前記ユーザ・インターフェイスを介して、ユーザに関連する携帯電話機の電話番号を含むログイン・データを受け取る手段と、
受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードが前記データ記憶手段内に存在するか否かをテストするテスト手段と、
このテスト手段によって、前記受け取られたログイン・データに対応するデータ・レコードが前記データ記憶手段内に存在すると判定された場合に、前記ドキュメント処理装置の操作の受け取りを開始する手段と、
前記ログイン・データに含まれる前記携帯電話番号に対応する前記携帯電話機に対してデータ・メッセージを送信する手段と、
前記携帯電話機から前記データ・メッセージに対する応答として、確認データを受信する手段と、
受信された前記確認データにしたがって前記ドキュメント処理装置における動作を実行する手段と、
を備えることを特徴とする携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項14】
前記ドキュメント処理動作に関連する料金に対応するコスト・データを生成する手段を、さらに、備えることを特徴とする請求項13に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項15】
前記携帯電話番号に関連する前記予め設定された支払方法にしたがって前記料金を課金する手段を、さらに、備えることを特徴とする請求項14に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項16】
受信された前記確認データに含まれる携帯電話番号または前記確認データの内容にしたがって、受信された前記確認データの信憑性を検証する手段を、さらに、備えることを特徴とする請求項15に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項17】
前記データ・メッセージは、前記コスト・データを含むことを特徴とする請求項16に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。
【請求項18】
前記予め設定された支払方法に対応する支払データは、クレジット・カード、またはデビット・カード、または前払口座の情報を含むことを特徴とする請求項17に記載の携帯電話機ベースのユーザ認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−44754(P2010−44754A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165762(P2009−165762)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】