説明

携帯電話機

【課題】 サブ液晶の代わりに他の発光素子を用いた場合においても、ユーザにより多くの情報を表示できる携帯電話機を提供することを目的とする。
【解決手段】 携帯電話機1にイベントが発生すると、セグメントLED21の表示に関連するイベントであった場合、制御部101は記憶部115に記憶された閉状態表示変換情報92に基づいて、セグメントLED21へ表示するために必要な情報を読み出す(ステップ204a)。その後、読み出した情報を他の情報に変換する必要があるか否かを判断する(ステップS205)。そして、読み出した情報を表示すべき情報(他の情報)へ変換する(ステップS206)。その後、発生したイベントを実行し、セグメントLED21へ表示すべき情報が表示される(ステップS207)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型の情報機器の進歩および普及にはめざましいものがある。また、技術的な進歩だけでなく、デザイン性を重視した携帯電話機も、数多く開発されるようになっている。
【0003】
また、従来、開いた時に主に表示されるメイン液晶と、閉じた時に主に表示されるサブ液晶を備えた折りたたみ式の携帯電話機において、着信があった場合、受信した電話番号をサブ液晶に表示する技術、あるいは、予め電話番号と名前を対応付けて電話帳に記憶しておき、着信があった場合には、受信した電話番号に対応付けられた名前をサブ液晶に表示する技術がある(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−320619号公報(4頁参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デザイン性を重視し、上記従来技術のサブ液晶の代わりに例えばLEDのような発光素子を用いた場合、デザイン性は大きく上がるものの、一度に表示できる情報は大きく減少する。例えば、着信があった場合、閉じた状態においてもどこからの着信かをユーザが知ることができなければ、デザイン性を高めたとしても、あまり意味のなさないものとなる。このように、デザイン性を高めた場合においても、ユーザの利便性を落とさないように、何らかの形でユーザに情報を表示させる必要がある。例えば、折りたたみ式の携帯電話機にサブ液晶を採用した場合において、音声着信があった場合にはサブ液晶に電話帳に登録された発信元の電話番号に対応する名前を表示すること(通常は漢字名)が一般的であるが、サブ液晶を採用せずに、セグメントLEDを用いた場合、表示する文字の数には限界があり、漢字によって表示するのは不可能である。
【0005】
本発明は上記問題点を解決したものであって、サブ液晶の代わりに他の発光素子を用いた場合においても、ユーザにより多くの情報を表示できる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電話機は、少なくとも受話部と第1の表示部と第2の表示部とを有する第1の筐体と、送話部とキーとを有する第2の筐体とからなる携帯電話機であって、少なくとも電話番号と名前情報と該名前情報に付随する情報とを関連付けた電話帳情報を複数記憶する記憶手段と、前記複数の電話帳情報の一つが選択されると、対応する電話番号と名前情報と該名前情報に付随する情報とを第1の表示部に表示する第1の制御手段と、前記第1の筐体の前記受話部が備えられた面と、前記第2の筐体の前記送話部が備えられた面とが重なり合っている状態で着信を検出し、かつ発信側から送信される電話番号情報と前記記憶手段に記憶されている電話番号とが一致する場合、前記第2の表示部に該一致する電話番号に関連付けられた名前情報に付随する情報を前記第1制御手段によって表示される前記付随する情報とは異なる文字形態によって表示する第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サブ液晶の代わりに他の発光素子を用いた場合においても、ユーザにより多くの情報を表示できる携帯電話機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例】
【0009】
以下に、本発明を携帯電話機に適用した場合における一つの実施の形態を、図面を用いて説明する。図1、図2は携帯電話機1の外観を示した図であり、また図4は携帯電話機1のブロック図を示したものである。
まず、携帯電話機1の構造を図1、図2を用いて説明する。図1は、携帯電話機1を約180度開いた時の外観図である。図1(A)は正面から見た図、図1(B)は側面から見た図である。
【0010】
次に、図2は携帯電話機1を閉じた時の図である。図2(A)は正面から見た図、図2(B)は側面から見た図である。
【0011】
携帯電話機1は上筐体部2と下筐体部4がヒンジ部3を介して接続されており、上筐体部2にはLCDなどのディスプレイ5、受信した音声を発声するレシーバ9、携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ11a、カメラ12、及び複数の16セグメントのLEDと単体のLEDからなるサブ表示部13を有している。また、下筐体部4には、数字、文字、携帯電話機1の操作等を入力するためのキー6、更には携帯電話機1の操作を行うサイドキー7a乃至7c、集音するためのマイク(送話口)8、及び携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ11bを有している。
【0012】
図4は、携帯電話機1の構成を簡潔に示したブロック図である。携帯電話機1の内部には、携帯電話機1全体の制御を行う制御部101と、RAM・NANDメモリなどで構成される記憶部115と、ディスプレイ5を表示制御する第1表示制御部105・サブ表示部13を表示制御する第2表示制御部113と、キー6及びサイドキー7の押下を認識する入力部106と、アンテナ117を用いて無線通信制御を行う通信部116とを備えており、制御部101によって全体が制御されている。また、マイク108はマイク8に対応し、スピーカ109はスピーカ9に対応する。
【0013】
記憶部115は、制御部101が実行するプログラム、各種の情報データなどが保存されている。また、記憶部115の内部は電話帳情報記憶部115a、文字変換テーブル記憶部115b、及びフォントマップ記憶部115cが存在する。電話帳情報記憶部115aは、予めユーザがキー6によって入力される名前・フリガナ・電話番号・Eメールアドレスなどが1組となったものが複数組記憶されている。また、文字変換テーブル記憶部115bは、カタカナ文字や記号をローマ字に変換するために必要なテーブルが記憶されている。また、フォントマップ記憶部115cには、サブ表示部13の16セグメントLEDにおいて、ある文字を表示する際にどのLEDを点灯させる必要があるかを対応付けたテーブルが記憶されている。
【0014】
第1表示制御部105・第2表示制御部113は、それぞれディスプレイ5及びサブ表示部13を表示制御するものであり、制御部101から出力命令される表示データを表示制御する。サブ表示部13に関しては、後ほど説明する。
【0015】
通信部116は、制御部101によって命令された情報を、無線通信によって送信したり、メールサーバより無線通信によって送られた情報を受信したりする機能を有する。また、電話機能による通話の際も、通信部116を通じて基地局からの信号を受信することにより、着信を通知したり、通話が行われたりする。
【0016】
入力部106は、キー6及びサイドキー7の押下を認識するものであって、数字キーや文字キー、メール編集の決定・中止などのファンクションキーを含む複数のキーの押下を
それぞれ認識することができ、利用者が入力操作したキー6の入力に応じて、キーを識別する識別信号を制御部101へ通知し、制御部101がその動作を開始する。
【0017】
図3は、本発明のディスプレイ5の表示例、およびキー6の配置の一例を示した図であり、図3(A)はディスプレイ5の表示例、図3(B)はキー6の配置の一例である。図3(A)に示されるように、携帯電話機1のディスプレイ5には、一番上の行(以下上ピクト行とする)には、現在のアンテナ117の感度のレベルを示したアンテナピクト51と、携帯電話機1の現在の電池残量を示した電池ピクト52と、現在の時刻を表示する時刻表示53とが表示されている。さらに、携帯電話機1のディスプレイ5の一番下の行(以下下ピクト行とする)には、現在表示されている機能において、ソフトキー左64・ソフトキー中65・ソフトキー右66を押下すると実行される機能の簡単な説明が、それぞれソフトキー左64については左下ピクト54、ソフトキー中65については中下ピクト55、ソフトキー右66については右下ピクト56になされている。たとえば、図3(A)のような表示がなされている場合、ソフトキー左64を押下すると、「戻る」という機能が実行され、ソフトキー中65を押下すると、図示していないが、現在フォーカスが当たっている機能を選択することができる。また、ソフトキー右66を押下すると、「サブメニュー」が表示される。なお、ソフトキー中65の操作は十字キー67の真ん中にある決定キーにおいても行うことができる。
【0018】
図3(B)に示されるように、下筐体4には、キー6として、数字キー61、「*」キー62、「#」キー63、ソフトキー左64、ソフトキー中65、ソフトキー右66、十字キー67、メールキー68、ブラウザキー69、通話キー70、電源キー71、及びクリアキー72を有する。数字キー61は、数字のほかに、かな文字、記号文字、アルファベット等が割り当てられており、例えば、「1」のキーには、数字「1」、「あ」「い」「う」「え」「お」のかな文字、及び「.」「@」の記号が割り当てられており、「2」のキーには、数字「2」、「か」「き」「く」「け」「こ」のかな文字、及び「A」「B」「C」「a」「b」「c」などのアルファベットが割り当てられている。
【0019】
十字キー67は、当てられたカーソルを上下左右方向に移動することができることに加え、真ん中にある部分(以下決定キーと呼ぶ)を押下すると、さまざまな機能を確定することができる。また、メールキー68はメールの送受信機能を呼び出すことができる。また、ブラウザキーは、Webなどに接続することができる。
【0020】
通話キー70は、電話を受ける際や、発信する際に用いるためのキーであり、電源キー71は、電源のON・OFF、終話の際、及び機能、編集を終了する際に用いる。更に、クリアキー72は、機能・編集をクリアする際、及び文字入力の際に文字を消去する際に用いる。また、クリアキー72は待ち受け画面において押下すると、メモ帳を呼び出すことができる。
【0021】
次に、図5を用いて電話帳情報記憶部115aに記憶されている情報について説明する。図5(A)は電話帳情報記憶部115aに記憶された、1つの組の電話帳情報の要素を説明する図である。1つの組の電話帳情報の要素としては、名前を記憶するエリア81、その名前のフリガナ(ユーザが任意の文字列を登録可能)を記憶するエリア82、第1の電話番号を記憶するエリア83a、第2の電話番号を記憶するエリア83b、第1のEメールアドレスを記憶するエリア84a、第2のEメールアドレスを記憶するエリア84b、当該電話帳情報をどのグループに属するかの情報をグループのマークに関連付けて記憶するエリア85、当該第1の電話番号及び第2の電話番号から着信があった場合に、ディスプレイ5に表示するための画像を登録するエリア(実際に画像が登録されているメモリのアドレスをこのエリアに登録し、必要に応じてリンクさせるようにしてもよい)86と、音声着信あるいはメール受信の際にユーザに報知するための着信音を登録するエリア(実際に音楽が登録されているメモリのアドレスをこのエリアに登録し、必要に応じてリンクさせるようにしてもよい)87などがある。
【0022】
電話帳情報記憶部115aに記憶された1つの組の電話帳情報は、待受画面からソフトキー中65を押下することによって、その一覧がディスプレイ5に表示される。更にディスプレイ5に表示された複数の電話帳情報の一覧から1つの電話帳情報が選択されると、制御部101は、図5(B)に示すように、名前を記憶するエリア81に記憶された名前、フリガナを記憶するエリア82に記憶されたフリガナ、第1の電話番号を記憶するエリア83aに記憶された第1の電話番号、第2の電話番号を記憶するエリア83bに記憶された第2の電話番号、第1のEメールアドレスを記憶するエリア84aに記憶された第1のEメールアドレス、第2のEメールアドレスを記憶するエリア84bに記憶されたEメールアドレスが表示され、更に、そのものが属するグループエリアに記憶されたグループアイコンが表示される。
【0023】
次に、サブ表示部13について図6乃至図8を用いて詳細を説明する。サブ表示部13は、第2表示制御部113によって表示制御されている。図6はサブ表示部13を説明するための図である。図16(a)に示されるように、サブ表示部13は、16セグメントのセグメントLED21とLED22からなる。LED22は、主に音声着信が発生した場合、メール着信が発生した場合などに点滅し、また携帯電話機1の充電を行っている際にも点灯する。
【0024】
また、セグメントLED21は、16セグメントのLEDが複数個並べられており、図6(B)や、図6(C)に示すように、時間や、受信電界強度、電池残量などを表示することができるようになっている。
【0025】
図7は、携帯電話機1におけるイベント発生時にセグメントLED21の表示例を示したものである。なお、携帯電話機1において予め記憶部115に、イベント情報91とシェル(上筐体2と下筐体4とを指す、以下同じ)が閉じられた時にどのような表示をすべきかの情報が記憶された閉状態表示変換情報92と、シェルが開かれている時にどのような表示をすべきかの情報が記憶された開状態表示変換情報93とが関連付けられて記憶されており、更に、該イベントに関連する関連情報94、非充電時タイムアウト情報95、及び充電時タイムアウト情報96もイベント情報91に関連付けられて記憶部115に記憶されている。
【0026】
まず、図7(1)において、時計表示はシェルが開いている状態から閉じられた状態に変化したことを磁気センサ11aと11bが検知すると、制御部101はサブ表示部13に時計表示を行う。また、サイドキー7cを押下した場合にも表示される。そして、表示から2秒後、サブ表示部13の表示が消える。また、図7(2)に示すように、充電中にも時計表示はシェルが閉じている状態においては、常に表示される。図7(1)・(2)における時計表示中にサイドキー7aまたは7bが押下されると、それぞれ輝度が調整できる。
【0027】
また、図7(3)に示したように、図7(1)・(2)の表示状態において、サイドキー7cを押下すると時計表示が月日曜日表示に変わる。シェルが閉じている時のみ表示され、シェルが開いている時には表示しない。また、月日曜日表示がなされた2秒後に表示が消える。また、充電中は2秒後に時計表示(図7(2))に変わる。
【0028】
また、図7(4)に示したように、図7(3)の月日曜日表示状態において、サイドキー7cを押下すると、月日曜日表示がアンテナ・電池残量表示に変わる。シェルが閉じている時のみ表示され、シェルが開いている時には表示しない。また、アンテナ・電池残量表示がなされた2秒後に表示が消える。また、充電中は2秒後に時計表示(図7(2))に変わる。
【0029】
また、図7(5)に示したように、シェルを閉じた状態において、通信部116を通じて未開封のEメールの受信があるか、または不在着信があった場合において、サイドキー7cが押下された場合の時計表示は図7(1)・(2)の表示に加え、「INFO」の文字が表示される。なお図7(1)・(2)同様、シェルを開いている際には時計表示がなされない。また、充電中は図7(5)に示された表示が継続される。
【0030】
次に、音声着信があった場合のサブ表示部12の表示態様について説明する。まず、シェルが開いている場合には原則として、サブ表示部13には何も表示されない。図7(6)に示されたように、シェルが閉じている時に、電話帳に登録されたメンバーからの音声着信があると、電話帳情報記憶部115aに記憶された電話番号に対応するフリガナがローマ字に変換されて表示される。ローマ字に変換された後の文字列のうち先頭8文字のみが表示され、その後の文字は切り捨てられる。なお、全てのフリガナ文字を所定秒ごとにスクロールするように表示させてもよい。なお音声着信があった場合の表示態様については後ほど詳細を説明する。
【0031】
また、図7(7)・(8)に示されたように、電話帳に登録されていないメンバーからの音声着信があった場合、着信番号表示なし機能を選択した場合、及び番号非通知の場合には、音声着信があった旨のみが表示される。
【0032】
また、図7(9)に示されたように、通話中には、シェルを閉じている時も、開いている時も所定時間の間、アニメーションがランダムに表示される。
【0033】
また、図7(10)・(11)に示したように、音声着信があり、所定時間内に着信に出なかった場合には、応答メッセージを再生し、相手方のメッセージを録音するが、その場合にはその旨の表示と、相手方の電話番号に対応するフリガナがローマ字にて表示される。
【0034】
また、図8(12)乃至(25)に示したように、それぞれの状況に応じた表示がサブ表示部13に表示される。なお、図8(14)において、予め電話帳登録されたメンバーからEメールを受信完了した場合には、Eメールを受信した旨と、電話帳に登録されたEメールアドレスに対応するローマ字が表示される。
【0035】
なお、以上の図7・図8の説明は一例であって、これに限定されるものではない。「2秒後」という記載はあくまで例であって、他の秒数でもかまわない。
【0036】
次に、携帯電話機1において、あるイベントが発生した場合のサブ表示部13のセグメントLED21の表示のための制御部101の制御について図9のフローチャートを用いて説明する。なお、ここで言うイベントとは、例えば、図7・図8で説明したイベント情報91や、通常の携帯電話機の動作(着信・メニュー呼出・機能設定など)などを指す。
【0037】
まず、携帯電話機1にイベントが発生すると(ステップ201「Yes」)、制御部101は、セグメントLED21の表示に関連するイベントであるか否かを判断する(ステップS202)。そして、セグメントLED21の表示に関連しないイベントであれば(ステップS202のNo)、そのままイベントを実行する(ステップ208)。
【0038】
また、セグメントLED21の表示に関連するイベントであった場合(ステップS202のYes)、シェルが開いている状態か、閉じている状態かを判断する(ステップS203)。そして、筐体が閉状態であれば、制御部101は記憶部115に記憶された閉状態表示変換情報92に基づいて、セグメントLED21へ表示するために必要な情報を読み出す(ステップ204a)。また、シェルが開状態であれば、制御部101は記憶部115に記憶された開状態表示変換情報93に基づいて、セグメントLED21へ表示するために必要な情報を読み出す(ステップ204b)。その後、読み出した情報を他の情報に変換する必要があるか否かを判断する(ステップS205)。そして、読み出した情報が他の情報に変換する必要があれば、読み出した情報を表示すべき情報(他の情報)へ変換する(ステップS206)。なお、他の情報へ変換する必要がなければ、ステップS207へ移行する。その後、発生したイベントを実行し、セグメントLED21へ表示すべき情報が表示される(ステップS207)。
【0039】
次に、具体的に携帯電話機1に着信があった場合において、セグメントLED21の表示に及び関連する動作に関して、図9のフローチャートで示したステップS206の変換する動作の詳細を含めて、図10乃至図13を用いて説明する。なお、図13(A)乃至図13(C)に示されたカタカナとローマ字の対応関係の情報、及び図13(D)に示された記号の情報に関しては、記憶部115の文字変換テーブル記憶部115bに記憶される。
【0040】
次に、図9で説明したイベント発生時のセグメントLED21の表示について、「着信が発生した」というイベント発生時の場合を例に図10を用いて説明する。
まず、制御部101は、携帯電話機1に着信があったか否かを判断し(ステップS301)、着信があったと判断された場合には、シェルが開いている状態か閉じている状態かを判断する(ステップS302)。そして、シェルが開いている状態である場合には(ステップS302のYes)、制御部101は、第2表示制御部113に対してサブ表示部13のセグメントLED21の表示を行わないように制御し、更に第1表示制御部105に対してディスプレイ5に着信があった旨を表示するように制御する。更には、着信音が鳴動するように制御する(ステップS310)。
【0041】
一方、ステップS302において、シェルが閉じている状態である場合には(ステップS302のNo)、通信網から送られてきた発信元の電話番号情報が、電話帳情報記憶部115aに記憶された電話番号と一致するか否か、つまり電話帳に登録された番号からの着信であるか否かを判断する(ステップS303)。そして、電話帳に登録された番号からの着信である場合には、セグメントLED21への名前表示設定が禁止されているか否かを判断する(ステップS304)。また、ステップS303において電話帳に登録された番号からの着信ではない場合にはステップS308へ移行する。
【0042】
ステップS304において、セグメントLED21への名前表示設定が禁止されている場合は(ステップS304のYes)、ステップS308へ移行する。また、ステップS304において、セグメントLED21への名前表示設定が禁止されていない場合には、当該着信があった電話番号に対応付けられたフリガナの情報を、フリガナを記憶するエリア82より読み出す(ステップS305)。そして、読み出したフリガナの情報を後述する図12に示したフローに基づいてローマ字情報への変換処理をフリガナ情報の文字列について行う(ステップS306・ステップS307)。その後ステップS308へ移行する。
【0043】
その後、ステップS308において、制御部101は、着信があった旨を知らせるセグメント表示情報をイベント情報91に対応付けられた閉状態表示変換情報92又は開状態表示変換情報93に基づいてセグメントLED21の表示変換情報を読み出し(図7参照・前述説明)、制御部101は、ローマ字変換した情報を表示するのであれば、ローマ字変換した情報をセグメントLED21へ読み出した情報とともに表示し、更に着信音を鳴動させる(ステップS309)。
【0044】
次に、図11を用いて、図10において、ステップS309におけるセグメント表示またはステップS310におけるディスプレイ表示後の動作について説明する。
まず、ステップS310において、ディスプレイ5に着信があった旨を表示されたのち(図10の(A))、制御部101は、シェルの状態が開状態から閉状態に変化したか否かを判断する(ステップS311)。そして、閉状態に変化したことが検出された場合は図10のステップS303に移行する(Yes方向、(C))。また、シェルの状態が開状態のままであると検出された場合は、通話開始操作がなされたか否かを判断する(ステップS312)。これは例えば通話キー70による操作などを指す。そして、通話開始操作がなされたと判断された場合(ステップS312のYes)、通話状態に移行する(ステップS313)。また、通話操作がなされていないと判断された場合は(ステップS312のNo)、次に着信が切断されたか否かを判断する(ステップS314)。着信(通信)が切断された場合として、発信者側から通信を切断された場合が考えられる。そして、着信が切断されず、継続されていると判断された場合は(ステップS314のNo方向、(F))、再度ステップS310に戻り、ディスプレイ5の表示及び着信音の鳴動が継続される。また、着信が切断されたと判断された場合は(ステップS314のYes)、ディスプレイ5の表示及び着信音鳴動を終了させる(ステップS315)。
【0045】
次に、ステップS309において、セグメントLED21の表示及び着信音が鳴動されたのち、制御部101はシェルの状態が閉状態から開状態に変化したか否かを判断する(ステップS316)。そして、開状態に変化したことが検出された場合は図10のステップS310に移行する(Yes方向、(D))。また、シェルの状態が閉状態のままであると検出された場合は、通話開始操作がなされたか否かを判断する(ステップS317)。これは例えば通話キー70による操作などを指す。そして、通話開始操作がなされたと判断された場合(ステップS317のYes)、通話状態に移行する(ステップS313)。また、通話操作がなされていないと判断された場合は(ステップS317のNo)、次に着信が切断されたか否かを判断する(ステップS318)。着信(通信)が切断された場合として、発信者側から通信を切断された場合が考えられる。そして、着信が切断されず、継続されていると判断された場合は(ステップS318のNo方向、(E))、再度ステップS309に戻り、セグメントLED21の表示及び着信音の鳴動が継続される。また、着信が切断されたと判断された場合は(ステップS318のYes)、ディスプレイ5の表示及び着信音鳴動を終了させる(ステップS319)。
【0046】
次に、図12を用いて、図10において説明したステップS306・S307のローマ字変換について詳細を説明する。
まず、制御部101は、電話帳情報記憶部115aのフリガナを記憶するエリア82に記憶されたフリガナの文字列データを読み出す(ステップS401)。その後、そのフリガナの文字列データの中から、カタカナ情報(図13(A)乃至(C)に記載されたカタカナ)及び図13(D)に示された表示可能記号一覧に示された記号に該当しない文字・記号については、その文字列から削除する(ステップS402)。
【0047】
次に制御部101は、変換する対象の文字とその後に続く2文字とを合わせた3文字(一番初めは文字列の初めの3文字)が文字変換テーブル記憶部115bに記憶されている3文字変換テーブル(図13(C))に該当する文字があるか否かを検索する(ステップS403)。その結果、3文字変換テーブルと一致した文字があった場合(ステップS404のYes)、その3文字を3文字変換テーブルに基づいて変換する(ステップS412)。その後ステップS413へ進む。
【0048】
一方、3文字変換テーブルと一致した文字がなかった場合(ステップS404のNo)、次に変換する対象の文字とその後に続く1文字とを合わせた2文字(一番初めは文字列の初めの2文字)が文字変換テーブル記憶部115bに記憶されている2文字変換テーブル(図13(B))に該当する文字があるか否かを検索する(ステップS405)。その結果、2文字変換テーブルと一致した文字があった場合(ステップS406のYes)、その2文字を2文字変換テーブルに基づいて変換する(ステップS412)。その後ステップS413へ進む。
【0049】
一方、2文字変換テーブルと一致した文字がなかった場合(ステップS406のNo)、次に変換する対象の文字(一番初めは文字列の初めの文字)が文字変換テーブル記憶部115bに記憶されている1文字変換テーブル(図13(A))に該当する文字があるか否かを検索する(ステップS407)。その結果、1文字変換テーブルと一致した文字があった場合(ステップS408のYes)、その1文字を1文字変換テーブルに基づいて変換する(ステップS412)。その後ステップS413へ進む。
【0050】
一方、1文字変換テーブルと一致した文字がなかった場合(ステップS408のNo)、変換する対象の文字が促音の「ッ」であるか否かを判断する(ステップS409)。そして、促音の「ッ」でない場合にはステップS410aへ進み、促音の「ッ」である場合にはステップS410bへ進む。
【0051】
ここで、ステップS409において、変換する対象の文字が、促音「ッ」ではない場合には、セグメント表示できない文字として扱い、当該文字を表示しないようにする(ステップS410a)。また、ステップS409において、変換する対象の文字が、促音「ッ」である場合には、現在変換対象の文字の次の変換対象の文字がセグメント表示できない文字であるか、又は変換対象の文字が文字列の末尾であるかのいずれかに該当するか否かを判断する(ステップS410b)。そして、現在変換対象の文字の次の変換対象の文字が、セグメント表示できない文字、又は変換対象の文字が文字列の末尾である場合には、当該促音「ッ」の文字を表示せず切り捨て、非表示とする(ステップS411b)。その後、ステップS413へ進む。
【0052】
また、ステップS410bにおいて、現在変換対象の文字の次の変換対象の文字が、セグメント表示できない文字であること、変換対象の文字が文字列の末尾であることのいずれにも該当しない場合には(ステップS410bのNo)、次に表示されるアルファベットの第1番目のアルファベットに変換するように制御する(ステップS411)。その後、ステップS413へ進む。
【0053】
次に、変換対象のフリガナが変換処理された場合は、該当文字列が全て変換終了したか否かを判断し(ステップS413)、全て変換終了していない場合には、次の変換対象の文字を次に切替えて、ステップS403より変換を行う(ステップS413のNo)。また、全ての変換対象の文字の変換処理がなされた場合には、変換処理を終了する。
【0054】
以上のように、本実施例において、サブ液晶の代わりに例えばセグメントLEDなどの他の発光素子を用いた場合においても、ユーザにより多くの情報を表示できる携帯電話機を提供することができる。
【0055】
なお、本発明は、この実施例に限定されるものではない。例えば、携帯電話機だけではなく、PDAやPHSなどの他の携帯端末にも適用可能である。また、フリガナからローマ字に変換する例を示したが、その他の文字からの変換や、その他の文字への変換でも応用可能である。また、着信発生の時に限定されることなく、メールの送受信、音声発信、TV電話の発着信にも適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】携帯電話機1を180度開いたときの構造を示した図。
【図2】携帯電話機1を閉じたときの構造を示した図。
【図3】携帯電話機1のディスプレイ5の表示例を示した図、及びキー6の配置の一例を示した図。
【図4】携帯電話機1の構成を簡潔に示したブロック図。
【図5】携帯電話機1のディスプレイ5に電話帳情報を表示した際の一例を示した図、及び電話帳情報の詳細を説明するための図。
【図6】携帯電話機1のサブ表示部13の詳細図、及びセグメントLED21の表示の一例。
【図7】携帯電話機1で発生するイベントと該イベント発生時にセグメントLED21に表示する一例を示した図。
【図8】携帯電話機1で発生するイベントと該イベント発生時にセグメントLED21に表示する一例を示した図。
【図9】イベントが発生した場合の制御部101の制御を示すフローチャート。
【図10】着信が発生した場合の制御部101の制御を示すフローチャート。
【図11】着信が発生した場合の制御部101の制御を示すフローチャートの続き。
【図12】フリガナ情報をローマ字情報に変換する制御のフローチャート。
【図13】フリガナ情報をローマ字情報に変換する制御に用いる変換テーブルの一例を示した図。
【符号の説明】
【0057】
1 携帯電話機
2 上筐体部
3 ヒンジ部
4 下筐体部
5 ディスプレイ
6 キー
7 サイドキー
8 マイク(送話口)
9 レシーバ(受話口)
11a、11b 磁気センサ
12 カメラ
13 サブ表示部
21 セグメントLED
22 単体LED
51 アンテナピクト
52 電池ピクト
53 時刻表示
54 左下ピクト
55 中下ピクト
56 右下ピクト
61 数字キー
62 「*」キー
63 「#」キー
64 ソフトキー左
65 ソフトキー中
66 ソフトキー右
67 十字キー
68 メールキー
69 ブラウザキー
70 通話キー
71 電源キー
72 クリアキー
101 制御部
105 第1表示制御部
106 入力部
108 マイク
109 スピーカ
112 カメラ
113 第2表示制御部
115 記憶部
116 通信部
117 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも受話部と第1の表示部と第2の表示部とを有する第1の筐体と、送話部とキーとを有する第2の筐体とからなる携帯電話機であって、
少なくとも電話番号と名前情報と該名前情報に付随する情報とを関連付けた電話帳情報を複数記憶する記憶手段と、
前記複数の電話帳情報の一つが選択されると、対応する電話番号と名前情報と該名前情報に付随する情報とを第1の表示部に表示する第1の制御手段と、
前記第1の筐体の前記受話部が備えられた面と、前記第2の筐体の前記送話部が備えられた面とが重なり合っている状態で着信を検出し、かつ発信側から送信される電話番号情報と前記記憶手段に記憶されている電話番号とが一致する場合、前記第2の表示部に該一致する電話番号に関連付けられた名前情報に付随する情報を前記第1制御手段によって表示される前記付随する情報とは異なる文字形態によって表示する第2の制御手段と
を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
少なくとも受話部と第1の表示部と第2の表示部とを有する第1の筐体と、送話部とキーとを有する第2の筐体とからなる携帯電話機であって、
少なくとも電話番号と名前情報と該名前情報に付随する情報とを関連付けた電話帳情報を複数記憶する記憶手段と、
前記複数の電話帳情報の一つが選択されると、対応する電話番号と名前情報と該名前情報に付随する情報とを第1の表示部に表示する第1の制御手段と、
前記第1の筐体の前記受話部が備えられた面と、前記第2の筐体の前記送話部が備えられた面とが重なり合っていない状態で着信を検出し、かつ発信側から送信される電話番号情報と前記記憶手段に記憶されている電話番号とが一致する場合、前記第1の表示部に該一致する電話番号に関連付けられた名前情報を表示する第2の制御手段と、
前記第1の筐体の前記受話部が備えられた面と、前記第2の筐体の前記送話部が備えられた面とが重なり合っている状態で着信を検出し、かつ発信側から送信される電話番号情報と前記記憶手段に記憶されている電話番号とが一致する場合、前記第2の表示部に該一致する電話番号に関連付けられた名前情報に付随する情報を前記第1制御手段によって表示される前記付随する情報とは異なる文字形態によって表示する第3の制御手段と
を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項3】
少なくとも受話部と第1の表示部と第2の表示部とを有する第1の筐体と、送話部とキーとを有する第2の筐体とからなる携帯電話機であって、
少なくともメールアドレス情報と名前情報と該名前情報に付随する情報とを関連付けた電話帳情報を複数記憶する記憶手段と、
前記複数の電話帳情報の一つが選択されると、対応するメールアドレス情報と名前情報と該名前情報に付随する情報とを第1の表示部に表示する第1の制御手段と、
前記第1の筐体の前記受話部が備えられた面と、前記第2の筐体の前記送話部が備えられた面とが重なり合っている状態でメール受信を検出し、かつメール送信側から送信されるメールアドレス情報と前記記憶手段に記憶されているメールアドレスとが一致する場合、前記第2の表示部に該一致するメールアドレスに関連付けられた名前情報に付随する情報を前記第1制御手段によって表示される前記付随する情報とは異なる文字形態によって表示する第2の制御手段と
を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
前記名前情報に付随する情報は前記名前情報に対応付けられたフリガナ情報であって、
前記第2の制御手段において表示される付随する情報はローマ字に変換されて表示されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯電話機。
【請求項5】
少なくとも受話部と第1の表示部と第2の表示部とを有する第1の筐体と、送話部とキーとを有する第2の筐体とからなる携帯電話機であって、
前記第1の筐体の前記受話部が備えられた面と、前記第2の筐体の前記送話部が備えられた面とが重なり合っていない状態で予め定められたイベントが検出された場合、前記第1の表示部に該イベントに関連付けられた情報を表示する第1の制御手段と、
前記第1の筐体の前記受話部が備えられた面と、前記第2の筐体の前記送話部が備えられた面とが重なり合っている状態で前記予め定められたイベントが検出された場合、前記第2の表示部に該イベントに関連付けられた情報を前記第1制御手段によって表示される前記イベントに関連付けられた情報とは異なる文字形態によって表示する第2の制御手段と
を有することを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−150746(P2007−150746A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342648(P2005−342648)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】