説明

携帯電話装置

【課題】電源部がオフの状態になった場合でも、外部の通信機に現在位置情報を送信することができる携帯電話装置を提供する。
【解決手段】GPS衛星からのGPSデータを受信するGPS受信部58と、GPS受信部58で受信されたGPSデータに基づいて現在位置情報を算出する制御部36と、現在位置情報を外部の通信機に送信するGPS送信部58と、オン・オフ操作が可能でありGPS受信部58、制御部36及びGPS送信部58に電力を供給する電源部60、62と、を有する携帯電話装置10であって、オフ操作された電源部60、62はGPS受信部58、制御部36及びGPS送信部58に電力を供給し続け、現在位置情報が制御部36により通信機に送信可能となる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS(Global Positioning System)機能や電子メール機能などを備えた携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からGPS機能を有する携帯電話装置が知られており、この種の携帯電話装置の中には、GPSにより現在位置情報を受信し、その現在位置情報を外部の通信機に送信するものがある(下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−335551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の携帯電話装置では、バッテリー部が外されたり、電源オフの操作がされると、現在位置情報を外部の通信機に送信することができなくなる。このため、例えば、ユーザが誘拐された場合などでは、外部の通信機に現在位置情報を送信したくても、誘拐犯がバッテリー部を外したり、あるいは電源オフ操作をすると、その機能を活用できなくなる問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、電源部がオフの状態になった場合でも、外部の通信機に現在位置情報を送信することができる携帯電話装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、GPS衛星からのGPSデータを受信するGPS受信部と、前記GPS受信部で受信されたGPSデータに基づいて現在位置情報を算出する制御部と、前記現在位置情報を外部の通信機に送信する送信部と、オン・オフ操作が可能であり前記GPS受信部、前記制御部及び前記送信部に電力を供給する電源部と、を有する携帯電話装置であって、電源オフ操作されると、前記電源部は、少なくとも前記GPS受信部、前記制御部及び前記送信部に電力を供給し続け、前記送信部により前記現在位置情報を送信可能となることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、オフ操作された電源部によりGPS受信部、制御部及びGPS送信部に電力が供給し続けられて、現在位置情報が制御部により外部の通信機に送信可能となる。これにより、例えば、ユーザが誘拐され、誘拐犯により携帯電話装置の電源部がオフ操作された場合でも、携帯電話装置の現在位置情報を外部の通信機に送信することができるため、携帯電話装置(ユーザ)の現在位置を外部の人間に知らせることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯電話装置において、前記現在位置情報が所定のタイミングで定期的に送信されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、現在位置情報が所定のタイミングで定期的に送信されることにより、携帯電話装置(ユーザ)の現在位置情報を外部の人間に確実に知らせることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、外部の通信機との通話を可能にする電話通信部と、前記通信機の電話番号を記憶する記憶部と、を有し、前記電源部は前記電話通信部に電力を供給し、オフ操作されると、前記電源部は前記電話通信部に電力を供給し続け、前記記憶部に記憶された前記電話番号へ自動的に発呼されることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、オフ操作された電源部により電話通信部に電力が供給し続けられて、記憶部に記憶された電話番号の通信機が制御部により発呼されるため、外部の送信機の所有者にユーザが事件に巻き込まれたことを知らせることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記現在位置情報を音声信号に変換する音声変換部を有し、前記音声変換部により変換された音声信号が前記送信部により送信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話装置である。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、音声変換部により変換された音声信号が制御部により通信機に送信されることにより、外部の人間は音声として聞くことができる。例えば、現在位置情報を音声変換部で緯度及び経度に関する音声信号に変換することにより、外部の人間は携帯電話装置(ユーザ)の現在位置を緯度及び経度の観点から特定することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記記憶部には所定の情報と所定のメールアドレスとが記憶されており、オフ操作された前記電源部は前記電話通信部に電力を供給し続け、前記記憶部に記憶された前記情報が前記メールアドレスの前記通信機に電子メールとして送信されることを特徴とする請求項1〜2又は4に記載の携帯電話装置である。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、オフ操作された電源部により電話通信部に電力が供給し続けられ、記憶部に記憶された情報が記憶部に記憶されたメールアドレスの通信機に制御部により電子メールとして送信されることにより、電子メールを用いて外部の人間にユーザが事件に巻き込まれたことを知らせることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記現在位置情報が前記電子メールのタイトル文又はメール本文、或いは前記電子メールの添付データとして送信されることを特徴とする請求項5に記載の携帯電話装置である。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、現在位置情報が電子メールのタイトル文又はメール本文、或いは電子メールの添付データとして送信されることにより、電子メールを受信した外部の人間に電子メールの内容を容易に知らせることができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記電源部は複数のバッテリー部で構成され、複数の前記バッテリー部のうち少なくとも一方の前記バッテリー部から前記GPS受信部、前記制御部、前記送信部或いは前記電話通信部に電力が供給されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯電話装置である。
【0018】
請求項8に記載の発明によれば、複数のバッテリー部のうち少なくとも一方のバッテリー部からGPS受信部、制御部、GPS送信部或いは電話通信部に電力が供給されるため、複数のバッテリー部のうち一部のバッテリー部が携帯電話装置から外された場合でも、他のバッテリー部によりGPS受信部、制御部、GPS送信部或いは電話通信部に電力を供給させることができる。特に、他のバッテリー部を確認困難な部位に設けておくことにより、例えば誘拐犯に他のバッテリー部の存在が気づかれてしまうことを防止できる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、所定の情報を表示する表示部を有し、前記現在位置情報の送信中には、前記表示部に所定の情報が表示されないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯電話装置である。
【0020】
請求項9に記載の発明によれば、現在位置情報の送信中には表示部に所定の情報が表示されないため、携帯電話装置の現在位置情報が送信されていることを例えば誘拐犯等に知られてしまうことがない。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電源部がオフの状態になった場合でも、外部の通信機に現在位置情報を送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の一実施形態に係る携帯電話装置について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された電話通信部12を備えている。この電話通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0024】
また、電話通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0025】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0026】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0027】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0028】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0029】
また、携帯電話装置10は、GPSアンテナ56と接続されたGPS通信部(GPS送信部、GPS受信部)58を備えている。GPS通信部58は、GPS受信部と、GPS送信部と、で構成されている。GPS受信部では、GPSアンテナ56がとらえた現在位置情報に関する電波(GPSデータ)を電気信号に変換処理して制御回路36に出力する。この制御回路36では、GPSデータに基づいて携帯電話装置10の現在位置情報が算出される。なお、制御回路36に出力された携帯電話装置10の現在位置情報は、RAM40に記憶される。また、GPS送信部では、制御回路36により算出された現在位置情報をデータとして、GPSアンテナ56を介して外部の通信機(例えば、別の携帯電話装置)に送信する。
【0030】
また、電話通信部12、ベースバンド部14、切替回路22及びGPS通信部58には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。また、制御回路36は、制御回路36の動作に必要な所定の情報が記憶されているRAM40と接続されている。また、制御回路36によりGPS通信部58又は電話通信部12を介して外部の通信機(例えば、携帯電話装置)に対して現在位置情報や電子メールを送信することができるようになっている。また、制御回路36にはタイマー(図示省略)が内蔵されており、外部の通信機(例えば、携帯電話装置)に対して現在位置情報や電子メールを所定のタイミングで定期的に送信することができるようになっている。
【0031】
ここで、RAM40には、所定の情報が記憶されている。具体的には、電話帳に登録されている友人・身内等の氏名及び電話番号、受信した電子メールの内容及び送信した電子メールの内容、事件に巻き込まれたことを他人に知らせるためのメッセージの内容、GPSアンテナ56を介してGPS通信部58で受信したGPSデータに基づいて制御回路36により算出された携帯電話装置10の現在位置情報などの文字情報が挙げられる。
【0032】
また、RAM40には、上記情報を送信するための相手先が記憶されている。具体的には、自宅のパソコンの電子メールアドレスや別の携帯電話装置の電子メールアドレス、外部の電話装置(携帯電話装置も含む)の電話番号などが挙げられる。さらに、RAM40には、制御回路36で算出された現在位置情報と緯度・経度との対応関係を示したテーブルが記憶されている。
【0033】
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、各種機能の設定を行う機能キー54と、後述の照明部46からディスプレイ42への照明を停止し携帯電話装置10が鳴動不可能な状態(電源オフの状態)にする電源キー64と、を有している。なお、この電源キー64を操作することにより、後述の第1バッテリー部60及び第2バッテリー部62のオン状態・オフ状態を、適宜、切り替えることができる。
【0034】
また、制御回路36には、所定の色のLED素子を備えた照明部46が接続されている。照明部46のLED素子の発光により、ディスプレイ42が所定の色に施される。
【0035】
また、制御回路36には、第1バッテリー部(電源部)60及び第2バッテリー部(電源部)62が接続されている。この第1バッテリー部60又は第2バッテリー部62の少なくとも一方により、GPS通信部58、電話通信部12、制御回路36に電力が供給されている。この第1バッテリー部60又は第2バッテリー部62は、充電電池で構成されている。第1バッテリー部60及び第2バッテリー部62は、携帯電話装置10の内部の別々の部位に設けられており、一方のバッテリー部は確認容易な部位(例えば、電池ボックスの内部)に設けられ、他方のバッテリー部は確認困難な部位(電池ボックスの内部ではなく半導体基板などに隠されており外部から視認不可能な部位)に設けられていることが好ましい。
【0036】
なお、本実施形態の携帯電話装置10では、2つのバッテリー部60、62を設けた構成を例にとり説明したが、この構成に限られることなく、3つ以上のバッテリー部を設けても良い。
【0037】
さらに、制御回路36には、音声変換部66が接続されている。この音声変換部66により、制御回路36で算出された現在位置情報と対応する緯度・経度が音声に変換される。なお、音声に変換された現在位置情報である緯度・経度は、ベースバンド部14及び電話通信部12を介して外部の通信機(例えば、携帯電話装置)に送信される。
【0038】
次に本実施携帯に係る携帯電話装置10の動作について説明する。
【0039】
図2は本実施例装置の動作を示すフロー図である。
図2のS10ステップにおいて、制御回路36は、電源キー64の押下による電源オフ操作があると判定すると、S11ステップへ処理を進める。
【0040】
S11ステップでは、制御回路36は、GPS通信部58、電話通信部12、ベースバンド部14に電力を供給し続け、ディスプレイの表示をオフし、切替回路22、アンプ24、28、32等への電源供給を遮断する。尚、このことは、GPS位置情報を受信する回路部分と、位置情報を送信する回路部分、制御回路36に電力を供給し、他の回路へは電源を供給しないことを意味している。
【0041】
S12ステップでは、制御回路36が有するタイマ(図示せず)の計時を開始する。この計時時間はユーザが設定しても良いし、端末の製造者が設定しても良い。
【0042】
S13ステップでは、制御回路36が第1バッテリー60が外されたか否かを判定し、外されたと判定するとS14ステップへ処理を進め、そうでなければS15ステップへ処理を進める。
【0043】
S14ステップでは、制御回路36が、第2バッテリ部62からの電源供給による駆動を開始する。
【0044】
S15ステップでは、制御回路36が、前記S12ステップで計時を開始したタイマが所定時間の計時を終了したと判定すると、S16ステップへ処理を進め、そうでなければS18ステップへ処理を進める。
【0045】
S16ステップでは、制御回路36が、GPS通信部58を制御することによりGPS位置情報を受信し、RAM40に一時的に記憶する。
続くS17ステップでは、制御回路36が、電話通信部12を制御することにより、RAM40に格納した位置情報をメールにて送信する。尚、この時、RAM40に格納した位置情報は、経度、緯度からなる位置情報を送信しても良いし、具体的な地名を送信しても良い。具体的な地名を送信する場合には、予めRAM40に格納した経度緯度の情報に対応する地名情報をRAM40から読み出し、送信することにより実現可能である。又、更に、位置情報を音声情報として送信することも可能である。この場合、位置情報を音声情報に変換して送信すればよい。例えば、制御回路40が電話通信部12を制御することにより、予めRAM40に格納されている相手先に発呼を行い、相手先が着信に応答すれば、音声情報に変換された位置情報を相手側に送信することも可能である。
S18ステップでは、制御回路36は、電源キー64の操作による電源オフ操作があると判定すると、S19ステップへ処理を進め、そうでなければ、S13ステップへ処理を戻す。
S19ステップでは、制御回路36は、ディスプレイ42に充電池の残量が足りないことを示す表示(例えば、「充電してください」)を表示し、S13ステップへ処理を戻す。
【0046】
次に、本実施形態に係る携帯電話装置10の作用について説明する。
【0047】
本実施形態の携帯電話装置10によれば、電源キー64によりオフ操作された状態で、第1バッテリー部60又は第2バッテリー部62の少なくとも一方からGPS通信部(GPS受信部、GPS送信部)58及び制御回路36に電力が供給し続けられる。これにより、携帯電話装置10の現在位置情報が制御回路36により制御されてGPS送信部から外部の通信機(例えば、携帯電話装置)に電子メールにより送信可能(以下、適宜「メール送信」と略す。)となる。この結果、例えば、ユーザが誘拐され、誘拐犯により携帯電話装置10の電源キー64によりオフ操作された場合でも、携帯電話装置10の現在位置情報を外部の通信機にメール送信することができるため、携帯電話装置(ユーザ)10の現在位置を外部の人間に知らせることができる。
【0048】
特に、現在位置情報が制御回路36により制御されて所定のタイミングで定期的に外部の通信機にメール送信されることにより、携帯電話装置(ユーザ)10の現在位置情報を外部の人間に確実に知らせることができる。
【0049】
また、電源キー64によりオフ操作された状態で、第1バッテリー部60又は第2バッテリー部62の少なくとも一方から電話通信部12及び制御回路36に電力が供給し続けられる。これにより、RAM40に記憶された電話番号の通信機(例えば、携帯電話装置)が制御回路36により発呼されるため、外部の送信機の所有者にユーザが事件に巻き込まれたことを知らせることができる。特に、現在位置情報をメール送信することに加え、外部の携帯電話装置を発呼させることにより、外部の人間にユーザが事件に巻き込まれたことを確実に知らせることができるとともに、ユーザ(携帯電話装置10)の現在位置情報を確実に知らせることができる。
【0050】
また、制御回路36のより算出された現在位置情報を音声変換部66により変換された音声信号が制御回路36により外部の通信機(例えば、携帯電話装置)に送信されることにより、外部の人間は音声として聞くことができる。例えば、現在位置情報を音声変換部66で緯度及び経度に関する音声信号に変換することにより、外部の人間は携帯電話装置(ユーザ)の現在位置を緯度及び経度の観点から特定することができる。
【0051】
また、電源キー64によりオフ操作された状態で、第1バッテリー部60又は第2バッテリー部62の少なくとも一方から電話通信部12及び制御回路36に電力が供給し続けられる。これにより、RAM40に記憶された情報(例えば、メッセージ)がRAM40に記憶された電子メールアドレスの通信機(例えば、携帯電話装置)に制御回路36により電子メールとして送信される。この結果、電子メールを用いて外部の人間にユーザが事件に巻き込まれたことを知らせることができる。特に、現在位置情報が電子メールのタイトル文又はメール本文、或いは電子メールの添付データとして送信されることにより、電子メールを受信した外部の人間に電子メールの内容を容易に知らせることができる。
【0052】
なお、ユーザがテンキー48などに所定の操作をすることにより、第1バッテリー部60又は第2バッテリー部62の少なくとも一方からからGPS通信部58(GPS受信部、GPS送信部)及び制御回路36、或いは電話通信部12への電力の供給を停止させることができるように設定してもよい。例えば、RAM40に、第1バッテリー部60又は第2バッテリー部62の少なくとも一方からからGPS通信部58(GPS受信部、GPS送信部)及び制御回路36、或いは電話通信部12への電力の供給を停止させるためのロックナンバを予め記憶させておくことにより可能となる。
【0053】
特に、複数のバッテリー部60、62のうち少なくとも一方のバッテリー部60(62)からGPS通信部(GPS受信部、GPS送信部)58、制御回路36、或いは電話通信部12に電力が供給されているため、複数のバッテリー部60、62のうち一方のバッテリー部60(62)が携帯電話装置10から外された場合でも、他のバッテリー部62(60)によりGPS通信部(GPS受信部、GPS送信部)58、制御回路36、或いは電話通信部12に電力を供給させることができる。このため、他のバッテリー部62(60)を予め確認困難な部位に設けておくことにより、例えば誘拐犯に他のバッテリー部62(60)の存在が気づかれてしまうことを防止できる。
【0054】
また、現在位置情報が外部の通信機(例えば、携帯電話装置)に送信されている状態では、ディスプレイ42に電力が供給されていない、即ち、ディスプレイ42に情報が何も表示されないため、携帯電話装置10の現在位置情報が送信されていることを、例えば誘拐犯等に知られてしまうことがない。
【0055】
また、電源キー64によりオフ操作された後、再度電源キー64によりオン操作された場合には、ディスプレイ42に「電池を補充してください」と表示するとともに、現在位置情報を外部の通信機(例えば、携帯電話装置)にメール送信するようにしてもよい。これにより、例えば誘拐犯がディスプレイ42を確認した場合に犯人に携帯電話装置10の電池がないものと思わせることができ、携帯電話装置10を用いて例えば身代金などの要求をさせることを防止できる。また同時に、現在位置情報を外部の通信機(例えば、携帯電話装置)にメール送信することによりユーザ(携帯電話装置10)の現在位置を外部の人間に確実に知らせることができる。なお、RAM40に通信・通話状態が維持できなくなるロックナンバを予め記憶させておき、ユーザがテンキー48などを操作してロックナンバを入力することにより、通信・通話状態を維持できなくなるようにしてもよい。また、この場合には、そのロックナンバを再度入力することにより、通信・通話機能を再度利用することができる。
【0056】
さらに、電源キー64によりオフ操作された後、再度電源キー64によりオン操作され、かつテンキー48などにより所定の操作が行われた後に、ディスプレイ42に「電池を補充してください」と表示するとともに、現在位置情報を外部の通信機(例えば、携帯電話装置)にメール送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 携帯電話装置
12 電話送信部
36 制御回路(制御部)
40 RAM(記憶部)
42 ディスプレイ(表示部)
58 GPS通信部(GPS送信部、GPS受信部)
60 第1バッテリー部(電源部)
62 第2バッテリー部(電源部)
66 音声変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS衛星からのGPSデータを受信するGPS受信部と、前記GPS受信部で受信されたGPSデータに基づいて現在位置情報を算出する制御部と、前記現在位置情報を外部の通信機に送信する送信部と、オン・オフ操作が可能であり前記GPS受信部、前記制御部及び前記送信部に電力を供給する電源部と、を有する携帯電話装置であって、
電源オフ操作されると、前記電源部は、少なくとも前記GPS受信部、前記制御部及び前記送信部に電力を供給し続け、前記送信部により前記現在位置情報を送信可能となることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
前記現在位置情報が所定のタイミングで定期的に送信されることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項3】
外部の通信機との通話を可能にする電話通信部と、前記通信機の電話番号を記憶する記憶部と、を有し、
前記電源部は前記電話通信部に電力を供給し、
オフ操作されると、前記電源部は前記電話通信部に電力を供給し続け、前記記憶部に記憶された前記電話番号へ自動的に発呼されることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
前記現在位置情報を音声信号に変換する音声変換部を有し、
前記音声変換部により変換された音声信号が前記送信部により送信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話装置。
【請求項5】
前記記憶部には所定の情報と所定のメールアドレスとが記憶されており、
オフ操作された前記電源部は前記電話通信部に電力を供給し続け、前記記憶部に記憶された前記情報が前記メールアドレスの前記通信機に電子メールとして送信されることを特徴とする請求項1〜2又は4に記載の携帯電話装置。
【請求項6】
前記現在位置情報が前記電子メールのタイトル文又はメール本文、或いは前記電子メールの添付データとして送信されることを特徴とする請求項5に記載の携帯電話装置。
【請求項7】
前記電源部は複数のバッテリー部で構成され、
複数の前記バッテリー部のうち少なくとも一方の前記バッテリー部から前記GPS受信部、前記制御部、前記送信部或いは前記電話通信部に電力が供給されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯電話装置。
【請求項8】
所定の情報を表示する表示部を有し、
前記現在位置情報の送信中には、前記表示部に所定の情報が表示されないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−217259(P2006−217259A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27855(P2005−27855)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】