説明

携帯電話

【課題】省電の程度、省電策適用の限界、および省電と高機能化との矛盾等に鑑み、機能を犠牲にせず広く適用可能で効果の高い省電策を施した携帯電話を提供する。
【解決手段】携帯電話は、電源と、不揮発レジスタを持つとともに前記電源からの給電に基づき前記不揮発レジスタへのデータ出し入れによって所定の処理を行う処理部と、前記電源からの給電により機能する待受け機能部と、前記処理部の処理状態が前記不揮発レジスタに記憶された状態で前記電源から前記待受け機能部への給電は維持しつつ前記電源から前記処理部への給電を遮断するとともに所定状況に応答して前記電源から前記処理部への給電を再開する給電制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器においては、その省電について種々の提案がなされている。特に電源を電池に頼る携帯電子機器(例えば携帯電話)においては、表示部の大画面化や高輝度化およびCPUの高速化などにより消費電力が増大しており、省電への要請が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−72698号公報
【特許文献2】特開2007−133804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、省電の程度、省電策適用の限界、および省電と高機能化との矛盾等、さらに検討すべき課題は多い。
【0005】
本発明の課題は、上記に鑑み、機能を犠牲にせず広く適用可能で効果の高い省電策を施した携帯電話を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る携帯電話は、電源と、不揮発レジスタを持つとともに前記電源からの給電に基づき前記不揮発レジスタへのデータ出し入れによって所定の処理を行う処理部と、前記電源からの給電により機能する待受け機能部と、前記処理部の処理状態が前記不揮発レジスタに記憶された状態で前記電源から前記待受け機能部への給電は維持しつつ前記電源から前記処理部への給電を遮断するとともに所定状況に応答して前記電源から前記処理部への給電を再開する給電制御部とを有する構成(第1の構成)とされている。
【0007】
なお、上記第1の構成から成る携帯電話において、前記所定状況は、前記待受け機能部が検知する電話の着信である構成(第2の構成)にするとよい。
【0008】
また、上記第1または第2の構成から成る携帯電話は、操作部を有し、前記給電制御部は、前記操作部による操作への応答性は維持しつつ前記電源から前記処理部への給電を遮断するとともに、前記所定状況は、前記操作部による発信操作である構成(第3の構成)にするとよい。
【0009】
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る携帯電話において、前記待ち受け機能部は、セルサーチ機能部を有する構成(第4の構成)にするとよい。
【0010】
また、上記第1〜第4いずれかの構成から成る携帯電話は、前記処理部によって作られる表示データを保持する表示レジスタと、前記表示レジスタが保持する表示データに基づいて表示を行う表示部と、を有し、前記給電制御部は、前記電源から前記表示レジスタへの給電は維持しつつ前記電源から前記処理部への給電を遮断する構成(第5の構成)にするとよい。
【0011】
また、上記第1〜第5いずれかの構成から成る携帯電話は、前記電源からの給電により発光する照明部と、前記処理部への給電が遮断されている状態において前記照明部への給電時間を制御する計時手段と、を有する構成(第6の構成)にするとよい。
【0012】
また、上記第1〜第6いずれかの構成から成る携帯電話にて、前記待受け機能部は、前記処理部への給電状態に関わらず機能する構成(第7の構成)にするとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、機能を犠牲にせず広く適用可能で効果の高い省電策を施した携帯電話を提案することが可能となる。具体的には、携帯電話を使用していない状態において、処理部への給電を遮断して、効果的な省電を行うとともに、着信や発信などの所定状況に即応して処理部の処理を再開することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例の詳細を示したブロック図である。
【図3】図1の実施例の命令処理部で実行される動作の基本フローチャートである。
【図4】図3のステップS40における入力応答処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS66における連続画像作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3のステップS56における省電処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図1の実施例の命令処理部において別モードで実行される動作の基本フローチャートである。
【図8】図2の実施例の命令処理部202において、第1携帯電話2が別モードで実行される動作の基本フローチャートである。
【図9】図2の実施例の命令処理部202において、第1携帯電話2がさらに別モードで実行される動作の基本フローチャートである。
【図10】立上げ処理に関連するタイミングチャートである。
【図11】携帯電話の発信があった場合のタイミングチャートである。
【図12】携帯電話の着信があった場合のタイミングチャートである。
【図13】動画処理に関連するタイミングチャートである。
【図14】動画処理中にキー操作があった場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の実施例を示すブロック図である。本実施例は第1携帯電話2および第2携帯電話102を含む通信システムを構成している。第2携帯電話102内部の構成の大半は第1携帯電話2と同一なので、対応する構成には下二桁が同じ番号を付与し、必要のない限り、第2携帯電話102の詳細な説明は省略する。
【0016】
第1携帯電話2は、携帯電話全体を制御するCPU4を有し、操作部6の操作に応じて電話機能部8などを制御する。電話機能部8は通常の電話機能に関する部分であり、音声の処理部や送話器、受話器を含む。CPU4の機能は記憶部10のROMに格納されたソフトウエアによって実行される。記憶部10は、また第1携帯電話2全体の制御に必要な種々のデータを一時的に格納するとともに、住所録データなど携帯電話に蓄積保持すべき情報を記憶するRAMを備えている。CPU4は、さらに表示部12を制御し、操作部6の操作と連携するGUI表示を行うとともに制御結果の表示を行う。CPU4は、発音部14の制御も行っている。この発音部14は音声出力部である受話器とは別に設けられており、表示部12とも連動して第1携帯電話2の種々の機能に関する通知音や警告音を発生するとともにテレビ電話モードなどにおけるスピーカーの役目も果たす。
【0017】
GPS部16は、GPSシステムに基づいて衛星または最寄の放送局より第1携帯電話2の絶対位置情報である緯度、経度、および高度の情報を得てCPU4に送る。この絶対位置情報は、CPU4の制御により地図とともに表示部12に表示され、ナビゲーション情報として提供される。第1携帯電話2は、電話機能部8および電話通信部18により通常の通話を含む電話回線を介した無線通信を行うことができる。なお、第1携帯電話2は主電源となる充電式の電源部20によって給電されていると共に、記憶部10はさらにリチウム電池などからなる補助電源22によりバックアップされている。これによって、電源部20の充電切れや交換の際に記憶部10に記憶されている情報が揮発するのを防ぐ。
【0018】
CPU4は、第1携帯電話2内部の各構成および外部と情報交換するための入出力インターフェース24と接続されている。外部との情報交換に関する入出力インターフェース24は、具体的には、ケーブルの接続端子などである。第1携帯電話2の機能は基本的にはCPU4が司ることができるが、画像処理などの重い処理は専用のDSP26に委ねられる。また、第1携帯電話2は操作部6と表示部12のGUIによってゲームを楽しむことができるよう構成されるが、そのためのソフトおよび処理機能を専用のゲーム処理部28に委ねている。
【0019】
第2携帯電話102は、既に述べたようにその構成の大半が第1携帯電話2と共通であるが、電話通信部118とは別に無線LAN、Bluetooth(商標)、微弱電波などによる近距離通信部130が備えられており、近距離通信圏内に存在する他の携帯電話等との無線通信が可能となっている。この近距離通信部130は法規制上問題のない規格に基づくものであって、通信圏は限られるが電話回線などのように料金が発生しないものである。この近距離通信機能によって第2携帯電話102は同様の機能を有する他の携帯電話との間で電子的に名刺情報などの交換をすることができる。また、図示は省略しているが第2携帯電話102もGPS部を持ち、GPS部で取得した絶対位置情報を同様の機能を有する他の機器のGPS部に送信すると共に、他の機器がそのGPS部で取得した絶対位置情報を受信することができる。これにより、表示部112において自分の位置だけでなく他の機器の位置についても同一の地図上で表示することが可能となり、両者の相対関係を地図上で確認できる。その詳細については、同一出願人による特許願2007−28393などに記載されている。また、近距離通信部130は微弱電波によりキーレスエントリー信号を車に発信することも可能である。
【0020】
また、第2携帯電102はカメラ部132を有し、撮影した画像を記憶部110に記憶することが可能であるとともに、電話通信部118によって画像を第1携帯電話2の電話通信部18に送信することができる。なお、図1では、簡単のため、電話通信部18および118が直接通信を行っているような概念的になっているが、実際の電話通信部18と電話通信部118との通信は、通信回線の基地局を介したインフラストラクチャー通信による。一方、近距離通信部130による通信は、他の機器との間の直接のアドホック通信となる。タッチパネルセンサ134は表示部112の表示面に設けられており、表示部112への指の接触などによるGUIを可能にするものである。
【0021】
以上のように図1において第1携帯電話2と第2携帯電話102は若干の構成が異なるように図示されているが、両者は異なった性質のものではないので、相互の構成が入れ替わってもよいし、第1携帯電話2が第2携帯電話102において説明した構成のすべてを備えるようにしてもよい。本発明においては、上記のような構成においてCPU4内の各部に配される総計2000個を超えるレジスタを不揮発レジスタで構成することにより、省電を目的として動作不要時にCPU4への給電を絶ってもその動作状態が記憶保持されるようにし、次回の給電時において速やかに動作が再開するよう構成している。その内容については、以下に詳述する。
【0022】
図2は図1の第1携帯電話2の要部の詳細を示したブロック図であり、同一の構成には同一の番号を付して必要がない限り説明は繰り返さない。なお、図2の構成は、図1の第2携帯電話102の要部の詳細として読み替えてもよい。その場合は、下二桁が同じ番号の構成がお互いに対応する。CPU4は時間を軸として機能し、命令処理部202の制御部204から制御入出力部206を介してCPU4のサイクルおよびステートがステータス情報・制御信号ライン208に出力されて携帯電話各部に伝達される。制御部204はまた、制御入出力部206を介し、ステータス情報・制御信号ライン208経由で各種の制御信号を携帯電話各部とやりとりする。
【0023】
制御部204は、不揮発レジスタ210の保持するアドレス信号をアドレス出力部212の不揮発レジスタ214に転送する。不揮発レジスタ210および不揮発レジスタ214は、強誘電体メモリ(FRAM:Ferroelectric Random Access Memory(FRAM:登録商標))からなり、その分極反転のヒステリシス特性を利用する不揮発モード(FRAM動作モード)と分極反転を伴わない単なる容量素子として利用する高速動作モード(DRAMモード)との間で切換可能となっている。そして不揮発モードでは不揮発レジスタへの給電が断たれても記憶データを長期間保持することができるとともに、高速動作モードでは給電中のリフレッシュがないと記憶データが失われるが高速動作が可能となっている。このような不揮発レジスタの特性および利用については、後出の各不揮発レジスタにおいても共通である。以下、特に断らない限り、給電中の携帯電話の各処理における不揮発レジスタは高速動作モードで動作しているものとする。上記の不揮発レジスタ210から不揮発レジスタ214へのアドレス信号の転送も高速動作モードによるものである。なお、簡単のため図示しないが、制御入出力部206にもステータス情報および制御信号を保持するために同様の不揮発レジスタが設けられている。また、図1では、各部に一つの不揮発レジスタしか図示していないが、これは簡単のため代表として図示しているだけであり、実際は各部には多数の不揮発レジスタが配されている。
【0024】
不揮発レジスタ214の保持するアドレス信号はアドレスバス216に出力され、記憶部10のROMにおける次の命令のアドレスが指定されるとそのアドレスの命令がデータバス218に出力され、これが入出力ゲート220の不揮発レジスタ222に取り込まれる。そしてこれが内部バス223を介して命令処理部202に取り込まれると制御部204でデコードされ、その実行のためにCPU4内の関連各部に指令される。例えば、指令がデータの演算であった場合、アドレスバス216を介して指定された記憶部10のRAMのアドレスからデータバス218に出力されたデータが不揮発レジスタ222に取り込まれる。取り込まれたデータは、演算処理部224内の不揮発レジスタ226を使って演算処理され、その演算結果として得られる演算結果データが内部バス223を介して演算結果記憶部228の不揮発レジスタ230に記憶される。そして、この演算結果データがCPU4の外部に出力すべきものであれば、入出力ゲート220の不揮発レジスタ222に転送され、これが所定のタイミングでデータバス218に出力される。データバス218に出力された演算結果データは、アドレスバス216によって指定されるアドレスの出力先によって取り込まれる。
【0025】
例えば、演算結果データの出力先が表示部12であれば、これが表示レジスタ232に取り込まれ、表示部12は表示レジスタ232に保持される表示データに応じた表示を行う。また、演算結果データの出力先が入出力インターフェース24であれば、これがインターフェースレジスタ234に取り込まれて保持され、外部からのアクセスに対処する。なお、演算結果データの出力先が記憶部10のRAMであれば、アドレスバス216経由で指定されたアドレスにこれが記憶される。また、演算結果データが電話機能に関するものであれば電話機機能部8に取り込まれて適宜処理される。
【0026】
次に、第1携帯電話2における給電制御と、給電を断った場合の不揮発レジスタによるCPU4の処理状態記憶について説明する。CPU4に対しては、電源部20から内部電源制御部236を介して各部への給電が行われる。内部電源制御部236は電源供給およびその遮断をCPU4全体に同時に行うことが可能であるが、CPU4の一部への給電のみを遮断し、他の部分への給電は維持するごとき制御も可能である。例えば、演算処理部224と演算結果記憶部228への給電を絶つとともに、入出力ゲート220、アドレス出力部212および制御入出力部206への給電は維持するような制御も可能である。なお、簡単のため矢印の図示を省略しているが、制御入出力部206も内部電源制御部236から給電を受けている。このように構成することにより、命令処理部202等への給電が行われていないにもかかわらず、動作が止まった時点の入出力ゲート220、アドレス出力部212および制御入出力部206の出力が、それぞれデータバス218、アドレスバス216およびステータス情報・制御信号ライン208に現れ続けており、CPU4外部から見れば、CPU4が所定の動作途中でフリーズしたように見える。従って、第1携帯電話2はCPU4の内部動作が止まった時点の状態を維持して機能し続けることができる。例えば、第1携帯電話2が待受け状態であれば、待受け画面を表示し続けることができる。
【0027】
内部電源制御部236は、命令制御部202自身の所定の指示に基づき命令処理部202等への給電を絶つが、命令制御部202は給電が断たれる前に、別途給電されて独立に機能するカウンタ238のカウントスタートを指示しておく。これによって、カウンタ238のカウント値が所定値に達した時、内部電源制御部236に給電信号を送り、命令処理部202等への給電を再開する。また、命令制御部202は、給電が断たれる前に各不揮発レジスタを不揮発モードに切換え、その時点の命令制御部202等の処理状態を記憶させる。これによって、各不揮発レジスタはCPU4への給電が断たれてもその動作状態を保持し、命令処理部202等に再給電が行われたときには 記憶された処理状態が不揮発レジスタから読み出されて速やかに動作が再開する。なお、処理状態の記憶が読み出された後、各不揮発レジスタは高速動作モードに戻される。上記において、カウンタ238のカウントアップ時間としては、CPU4が動作する必要がない時間が設定される。例えば、動画処理の場合、一つの画面を出力してから次の画面を出力するまでに動作が不要な時間帯があればその時間に設定される。また、ある手動操作に基づいて所定の処理をした後、予定される次の手動操作までに動作が不要な時間帯があればその時間に設定される。
【0028】
また、内部電源制御部236は、カウンタ236がカウントアップしていないときでもCPU4の外部からの信号に応答して命令処理部202等への給電を再開することができる。具体的には、電源制御部240からの給電信号により命令処理部202等への給電を再開する。電源制御部240は、例えば操作部6の操作がされたとき、又は入出力インターフェース24に第1携帯電話2外部または第1携帯電話2の内部構成からのデータが入力されたとき、又は電話機能部8が電話の着信を検出した時など、ステータス情報・制御信号ライン208を介してそれらを検知し、給電信号を内部電源制御部236に送る。上記における操作部6の操作には電源オン操作も含まれる。
【0029】
電源制御部240は、記憶部10、電話機能部8、表示部12および入出力インターフェース24への給電制御を行っている。そして、内部電源制御部236との連携によりCPU4への電源供給が遮断されているときでもこれらへの給電を継続する。この結果、例えば、CPU4が表示データを出力してこれが表示レジスタ232に転送された後にCPU4への給電が遮断された時でも、表示レジスタ232への給電を維持することにより、表示レジスタ232の保持する表示データにより表示を継続することができる。同様に、CPU4からのデータがインターフェースレジスタ234に転送された後にCPU4への給電が遮断された時でも、インターフェースレジスタ234への給電を維持することにより、インターフェースレジスタ234の保持するデータを外部からのアクセスに基づいて出力することが可能である。これらの動作は、電源供給の遮断がCPU4全体に同時に行われ、入出力ゲート220等の不揮発レジスタ222へのアクセスができないような場合においても可能である。
【0030】
電源制御部240は、表示部12のバックライト242への給電制御も行っている。バックライト242は、表示部12が表示レジスタ232の表示データに基づいて表示を行っているとき電源制御部240により給電され、表示の照明を行う。電源制御部240の省電タイマ244は、まず、操作部6の最後の操作の後、第1の省電タイマ時間がタイムアップすると給電電力を省電モードに切換え、さらに第2の省電タイマ時間が経過するとバックライト242への給電を遮断する。省電タイマ244のスタートはCPU4によって指示されるが、その後のカウントはCPU4への給電が遮断したり断続したりしても、CPU4の状態にかかわらず、CPU4と独立して継続的にタイムカウントを継続して実行可能である。
【0031】
図3は、図2の実施例におけるCPU4の命令処理部202において実行されるべき動作の基本フローチャートである。フローは電源制御部240またはカウンタ238からの給電信号が内部電源制御部236に入力され、CPU4への給電が開始されることによってスタートする。フローがスタートすると、まずステップS4で第1携帯電話2の立上処理が済んでいるかどうかがチェックされる。フローがスタートして立上処理が済んでいない場合とは、第1携帯電話2の最初の電源オンが行われた場合に相当するのでステップS6に進み、不揮発レジスタをすべて高速動作モードに設定する。次いで、ステップS8でCPU4が外部入力に応答可能な状態とする。具体的には、CPU4への給電が遮断されても、内部電源制御部236が外部の電源制御部240からの給電信号に応答してCPU4各部への給電を再開できるようにする。さらにステップS10でインターフェースレジスタ234への給電の指示を行うととともに、ステップS12で表示レジスタ232への給電の指示を行ってステップS14に移行する。
【0032】
ステップS14では、所定の携帯電話の立上処理が行われ、これが完了してCPU4で待受け画面表示用のデータが準備されると、ステップS16に至ってこれが表示レジスタ232に転送される。次いで、ステップS18では、電源制御部240からバックライト242に給電を行う旨の指示が出される。さらにステップS20では、省電モードでの給電に切換えるための省電タイマ244のスタートが指示される。
【0033】
以上の処理の後、ステップS22で各不揮発レジスタを高速動作モードから不揮発モードに切換え、ステップS24でその時点のCPU4の処理状態を各不揮発レジスタに記憶させる。そして、ステップS26で待受け画面が表示されている状態でCPU4に再給電を行うためのカウンタ238のカウントスタートを指示し、ステップS28でCPU4自身への給電を遮断する指示をしてフローを終了する。この状態では、ステップS8で指示された外部入力応答可能状態、ステップS10で指示されたインターフェースレジスタ234への給電、ステップS12で指示された表示レジスタ232への給電、およびステップS18で指示されたバックライト242への給電は継続され、CPU4への給電が遮断されてその活動を停止しているにもかかわらず、携帯電話4のユーザにとっては、第1携帯電話2が待受け状態で機能しているのと同等となる。また、ステップS20およびステップS26でそれぞれスタートした省電タイマ244およびカウンタ238のカウントはステップS28でのCPU4の給電遮断後も継続している。
【0034】
上記のようにしてCPU4への給電が遮断された後、再給電用のカウンタ238または電源制御部240から給電信号が内部電源制御部236に入力されてCPU4全体への給電が再開されると、図3のフローが再スタートし、ステップS4で第1携帯電話2の立上処理が済んでいるかどうかがチェックされる。この場合は、立上処理が済んでいるのでステップS30に進み、CPU4への給電を遮断するためのタイマをスタートさせる。このタイマ機能は命令処理部202内部でソフト的に実行される。そしてステップS32において各不揮発レジスタを不揮発モードとし、ステップS34で各不揮発レジスタに記憶されていた電源遮断前のCPU4の処理状態を読み出す。この読出しが完了すると、ステップS36で各不揮発レジスタは高速動作モードに切換られ、通常動作に入る。
【0035】
次いで、ステップS38では、図3のフローの立上が外部入力によるものかどうかチェックされる。具体的には、電源制御部240からの給電信号が内部電源制御部236に入力された結果として図3のフローがスタートしたのかどうかをチェックしていることになる。そして該当しなければステップS42に進み、操作部6によって電源オフ操作が行われたかどうかチェックする。これも該当しなければステップS46に進み、ステップS30でスタートしたCPU電源遮断タイマのカウントがタイムアップしているかどうかチェックする。タイムアップしていなければステップS48に進み、第1携帯電話2がセルラー方式におけるサービスエリアのどのセルにいるかをチェックするため基地局からの電波を受信してセルサーチを行う。ついでステップS50で電話が着信しているか否かチェックし、着信がなければステップS54に進む。
【0036】
ステップS54では、立上の際にステップS20でスタートしている省電タイマ244のカウントがタイムアップしているかどうかチェックする。そしてタイムアップでなければステップS38に戻り、以下、外部入力、電源オフ操作、CPU給電遮断タイムアップ、電話着信、および省電タイムアップのいずれかを待ちながら、ステップS38、ステップS42、ステップS46からステップS50およびステップS54のループを繰り返す。そしてこの繰返によって、定期的にステップS48のセルサーチが繰り返されることになる。以上の繰返しの中でステップS46のタイムアップが検出されるとステップS22に移行し、以下既に説明した処理を経てCPU4への給電を遮断してフローを終了する。このようにして、操作や電話着信がない限り、図3のフローが繰り返され、待受け画面の表示を継続しながらCPU4への給電は遮断と再開を繰返し、遮断中の省電を実現する。
【0037】
一方、ステップS38で外部入力が検出されるとステップS40に移行し、入力応答処理に入る。その詳細は後述する。また、ステップS42において電源オフ操作が検出されるとステップS44に移行し、終了処理に入る。これによって表示を含め、第1携帯電話2の機能は全てオフになる。さらに、ステップS50において電話着信が検出されるとステップS52の着信処理に入り、所定の通話機能を実行する。なお、立上の際にステップS20でスタートしていた省電タイマ244のカウントがタイムアップしていることがステップS54で検出された時は、ステップS56に移行し、省電処理に入る。その詳細は後述する。
【0038】
図4は、図3のステップS40における入力応答処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS62で外部入力がデータであるかどうかがチェックされる。そしてデータでなければなんらかの信号が外部から入力されたことを意味するのでステップS64に進み、入力された信号が連続画像の作成に関連する操作信号であるかどうかをチェックする。これに該当する信号とは、画面の連続スクロール操作や動画表示操作など、表示画面の連続的な変化を継続して行わせるための操作である。ステップS64において該当する操作の信号入力が検出された時はステップS66の連続画像作成処理に入る。その詳細は後述する。一方、ステップS64においてこのような操作の信号の入力が検出されなければ、入力信号はメニューの選択や文字の入力など、逐一の操作に応答して次の動作に移行するための信号であったことを意味するからステップS68に移行する。
【0039】
ステップS68では、行われた操作に対応する画面を作成し、ステップS70でこれを表示レジスタ232に転送する。一方、ステップS72では、行われた操作に対応する処理を実行し、ステップS74でこれをインターフェースレジスタ234に転送する。そしてステップS76では、CPU4への給電を遮断したあと入力応答動作において次に再給電を行うべき時間をカウンタ238にセットする。この時間は次の操作が予想される最短時間であって、CPU4はそれまでに再給電されている必要がある。また、ステップS78では、図3のステップS20でスタートしている省電モード給電用の省電タイマ244をリセットして再スタートさせる。
【0040】
以上の処理の後、ステップS80で各不揮発レジスタを高速動作モードから不揮発モードに切換え、ステップS82でその時点のCPU4の処理状態を各不揮発レジスタに記憶させる。次いで、ステップS84に進み、ステップS76でセットされたカウント時間にてカウンタ238のカウントスタートを指示する。そしてステップS84でCPU4自身への給電を遮断する指示をしてフローを終了する。この状態においても、図3のステップS8で指示された外部入力応答可能状態、ステップS10で指示されたインターフェースレジスタ234への給電、ステップS12で指示された表示レジスタ232への給電、およびステップS18で指示されたバックライト242への給電は継続されている。また、ステップS78およびステップS84でそれぞれスタートした省電タイマ244およびカウンタ238のカウントはステップS86でのCPU4の給電遮断後も継続している。なお、図4のフローが終了し給電信号によりCPU4への給電が再開された時は図3のフローからのスタートとなる。
【0041】
一方、ステップS62で外部入力がデータであることが検出された場合はステップS88に移行し、入出力ゲート220の不揮発レジスタ222のデータを読み取り、ステップS90でこれを命令処理部202の不揮発レジスタ210で保持する。そして、ステップS92で入力に対応する演算を行い、ステップS94で必要な演算が全て終了したか否かチェックする。ステップS94で演算終了が検出されない時はステップS92に戻り、以下ステップS94で演算の終了が検出されるまでステップS92およびステップS94を繰り返して演算を継続する。ステップS94で演算終了が検出されたときはステップS96に移行し、演算結果データをインターフェースレジスタ234に転送する。
【0042】
次いでステップS98に進み、次のデータが入出力ゲート220の不揮発レジスタ222に入力されているかどうかチェックする。ステップS98で次データ入力が検出されたときはステップS88に戻り、以下、ステップS98で次データ入力が検出されなくなるまでステップS88からステップS98を繰返し、ステップS96でのインターフェースレジスタ234の演算結果データを書き換えていく。一方、ステップS98で次データ入力が検出されないときはステップS76に移行し、以下、既に説明した処理を経てCPU4への給電を遮断してフローを終了する。この場合も、ステップS86でCPU4への給電が遮断されたあと給電信号によりCPU4への給電が再開された時は、上記と同様、図3のフローからのスタートとなる。
【0043】
図5は、図4のステップS66における連続画像作成処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS102で次画像データがあるかどうかがチェックされる。図5は、連続画像を作成するためのフローであるが、一つの画像の作成から次の画像の作成までの間にCPU4の動作を必要としない時間帯があることを前提とし、一つの画像を作成して表示レジスタ232に画像を送る度にCPU4への給電を遮断している。従って、一つの画像ごとに図5のフローを最初から実行して動作の終了に至る。従って、連続画像の最後のものを作成し終わった後図5のフローがスタートすることもあるのでこのような場合を検知するためステップS102が設けられている。
【0044】
ステップS102で次画像データがあることが検知されるとステップS104に進み、入出力ゲート220の不揮発レジスタ222のデータを読み取る。そして、ステップS108で次画像を作成し、ステップS110でこれを表示レジスタ232に転送する。次いで、ステップS112で連続画像用のCPU再給電時間をカウンタ238にセットする。また、ステップS114では省電モード給電用の省電タイマ244をリセットして再スタートさせる。
【0045】
以上の処理の後、ステップS116で各不揮発レジスタを高速動作モードから不揮発モードに切換え、ステップS118でその時点のCPU4の処理状態を各不揮発レジスタに記憶させる。次いで、ステップS120に進み、ステップS112でセットされたカウント時間にてカウンタ238のカウントスタートを指示する。そしてステップS122でCPU4自身への給電を遮断する指示をしてフローを終了する。この状態においても、図3のステップS8で指示された外部入力応答可能状態、ステップS10で指示されたインターフェースレジスタ234への給電、ステップS12で指示された表示レジスタ232への給電、およびステップS18で指示されたバックライト242への給電は継続されている。また、ステップS114およびステップS120でそれぞれスタートした省電タイマ244およびカウンタ238のカウントはステップS122でのCPU4の給電遮断後も継続している。なお、図4のフローが終了し給電信号によりCPU4への給電が再開された時は、上記のように図5のフローが再スタートする。
【0046】
一方、ステップS102で次画像データがなかったときにはステップS124に移行する。そして以後は画像の更新がないので待受画面用のCPU4への再給電を行うための時間をカウンタ238にセットしてステップS114に移行する。以下、既に説明した処理を経てステップS122に至り、CPU4への給電を遮断してフローを終了する。このようにしてステップS124経由でCPU4への給電が遮断され、その後、給電信号によりCPU4への給電が再開された時は、図3のフローからのスタートとなる。なお、この場合、テップS120では、ステップS124でセットされたカウント時間にてカウンタ238のカウントスタートを指示する。
【0047】
図6は、図3のステップS56における省電処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS132でバックライト242への給電を省電モードで行うよう電源制御部240に指示する。次いでステップS134に進み、今度はバックライト242を完全に消灯するためのタイマ時間をセットする。次いでステップS136では、このようなタイマ時間がセットされた省電タイマ244がタイムアップしたときバックライト242への給電を絶ち消灯するよう予定しておく指示を電源制御部240に行う。さらにステップS138では、給電信号によりCPU4に給電が開始されたときバックライト242に通常の給電を行うよう電源制御部240に指示する。
【0048】
以上の処理をした後、ステップS140に至り、ステップS134でセットされたバックライト消灯用のタイマ時間にて省電タイマ244のスタートを電源制御部240に指示する。そしてステップS142で各不揮発レジスタを高速動作モードから不揮発モードに切換え、ステップS144でその時点のCPU4の処理状態を各不揮発レジスタに記憶させる。次いで、ステップS146でCPU4自身への給電を遮断する指示をしてフローを終了する。このようにして、CPU4自身は活動を停止するが、これと独立に、ステップS140でスタートが指示された省電タイマ244がタイムカウントを続行し、ステップS134でセットされたタイム時間がタイムアップすると、ステップS136の指示に従って電源制御部240はバックライト242への給電を遮断する。図6の省電処理によってCPU4への給電が遮断された場合はカウンタ238によって給電信号が発生させられることはなく、操作部6などの操作を検出する電源制御部240からの給電信号により内部電源制御部236がCPU4への給電を再開する。このとき、ステップS138での指示に従い、バックライト242への通常給電も再開する。
【0049】
図7は、図1の実施例におけるCPU4の命令処理部202において実行されるべき別の動作モードでの動作の基本フローチャートである。図3の基本フローチャートにおける動作モードでは内部電源制御部236が電源供給およびその遮断をCPU4全体に同時に行うモードにて動作している。これに対し、図7の動作モードでは、演算処理部224と演算結果記憶部228への給電を絶つとともに入出力ゲート220、アドレス出力部212および制御入出力部206への給電は維持するような動作を行う。
【0050】
図3の場合と同様にして、電源制御部240またはカウンタ238からの給電信号が内部電源制御部236に入力され、CPU4の命令処理部202への給電が開始されることによって図7のフローがスタートする。そして、まずステップS154で第1携帯電話2の立上処理が済んでいるかどうかがチェックされる。図3と同様、フローがスタートして立上処理が済んでいない場合とは、第1携帯電話2の最初の電源オンが行われた場合に相当するので図3のステップS6に進む。図3のステップS6に進んだ以降の動作は、内部電源制御部236が電源供給およびその遮断をCPU4全体に同時に行うモードにて動作する場合と同様であるので説明は省略する。
【0051】
一方、図3のステップS6からステップS28の処理を経てCPU4への給電が遮断された後、再給電用のカウンタ238または電源制御部240から給電信号が内部電源制御部236に入力されてCPU4全体への給電が再開されると、図7のフローが再スタートし、ステップS154で第1携帯電話2の立上処理が済んでいるかどうかがチェックされる。この場合は、立上処理が済んでいるのでステップS156に進み、CPU4全体への給電を遮断するためのタイマをスタートさせる。図3と同様、このタイマ機能は命令処理部202内部でソフト的に実行される。そしてステップS158において、命令処理部202の不揮発レジスタ210、演算処理部224の不揮発レジスタ226、および演算結果記憶部228の不揮発レジスタ230を不揮発モードとし、ステップS160でこれら不揮発モードとなった各不揮発レジスタに記憶されていた電源遮断前のCPU4の処理状態を読み出す。この読出しが完了すると、ステップS162でこれら各不揮発レジスタは高速動作モードに切換えられ、通常動作に入る。
【0052】
次いで、ステップS164では、図3のフローの立上が外部入力によるものかどうかチェックされる。図3と同様、具体的には電源制御部240からの給電信号が内部電源制御部236に入力された結果として図3のフローがスタートしたのかどうかをチェックしていることになる。そして該当すればステップS166に進み、入力応答処理に入る。その詳細は図4と同様である。一方、外部入力でなければステップS168に進み、セルサーチを行う。次いでステップS170では、操作部6によって電源オフ操作が行われたか、又は電話着信があったか、または省電タイマ244のカウントがタイムアップしているかどうかチェックする。そしていずれかが検出されればステップS172に進み検出内容に該当する処理を行う。省電タイムアップのときの詳細は、図6と同様である。
【0053】
一方、ステップS170で該当する項目が検出されない場合にはステップS174に進み、部分給電モードに伴う所定の処理を行う。この処理は、例えば第1携帯電話2における次の操作待ちのための短い処理である。次いでステップS176に進み、CPU電源遮断タイマのカウントがタイムアップしているかどうかチェックする。タイムアップしていなければステップS164に戻り、以下、外部入力、電源オフ操作、電話着信、省電タイムアップおよびCPU給電遮断タイムアップのいずれかを待ちながら、ステップS164からステップS170、ステップS174およびステップS176のループを繰り返す。
【0054】
ステップS176で給電遮断タイムアップが検出された時には、ステップS178に進み、命令処理部202の不揮発レジスタ210、演算処理部224の不揮発レジスタ226、および演算結果記憶部228の不揮発レジスタ230を不揮発モードとし、ステップS180でその時点のCPU4の処理状態を各不揮発レジスタに記憶させる。ステップS182では、入出力ゲート220、アドレス出力部212および制御入出力部206への給電は維持する指示を行うとともに、ステップS184ではこれらの不揮発レジスタをそれぞれ高速動作モードに維持する指示を行う。そして、CPU4に再給電を行うためのカウンタ238のカウントスタートを指示し、命令処理部202、演算処理部224、および演算結果記憶部228への給電を遮断してフローを終了する。
【0055】
図3と同様、この状態では、ステップS8で指示された外部入力応答可能状態、ステップS10で指示されたインターフェースレジスタ234への給電、ステップS12で指示された表示レジスタ232への給電、およびステップS18で指示されたバックライト242への給電は継続され、CPU4への給電が遮断されてその活動を停止しているにもかかわらず、第1携帯電話2のユーザにとっては、第1携帯電話2が待受け状態で機能しているのと同等となる。また、ステップS20およびステップS26でそれぞれスタートした省電タイマ244およびカウンタ238のカウントはステップS28でのCPU4の給電遮断後も継続している。
【0056】
さらに、この状態では、命令処理部202等への給電が行われていないにも関わらず、動作が止まった時点の入出力ゲート220、アドレス出力部212および制御入出力部206の出力が、それぞれデータバス218、アドレスバス216およびステータス情報・制御信号ライン208に現れ続けており、CPU4外部から見れば、CPU4が所定の動作途中でフリーズしたように見える。従って、第1携帯電話2はCPU4の内部動作が止まった時点の状態を維持して機能し続けることができる。例えば、第1携帯電話2が待受け状態であれば、待ち受け画面を表示し続けることができる。このように、本発明において命令処理部202への給電を断ってもアクセス可能にデータを保持するためのレジスタは、表示レジスタ232やインターフェースレジスタ234などCPU4の外部のものだけでなく、入出力ゲート220、アドレス出力部212および制御入出力部206の各不揮発レジスタのように、CPU4の内部にあるものも該当する。
【0057】
なお、図7では、CPU4の一部への給電のみを遮断して他の部分への給電は維持する制御がステップS174における部分給電対応の所定処置を行う場合について説明した。しかし、本発明の実施はこれに限るものではなく、ステップS166やステップS172の該当処理においてもCPU4の一部への給電のみを遮断するモードでの動作が可能である。例えば図4のフローにおいて、ステップS80からステップS86を、図7のステップS178からステップS188に置き換えれば、入力応答処理においても、CPU4の一部への給電のみを遮断して他の部分への給電は維持するモードでの動作が可能となる。
【0058】
図8は、図2の実施例の命令処理部202において、第1携帯電話2が別モードで実行される動作の基本フローチャートである。図8は、図3と大部分が共通で、同一部分には同一ステップ番号を付す。図8が図3と違うのは、ステップS24とステップS26との間に、ステップS202が追加されていることである。ステップS202では、ステップS28におけるCPU4への給電遮断に先立って、第1携帯電話2の待受け機能部(電話機能部8に含まれる)に対する給電及びセルサーチスタートが指示される。これにより、ステップS28でCPU4への給電が遮断された状態でも、第1携帯電話2の待受け機能部への給電が継続し、所定のタイミング(インターバル)でセルサーチが行われる。
【0059】
図9は、図2の実施例の命令処理部202において、第1携帯電話2がさらに別モードで実行される動作の基本フローチャートである。図9は、図3と大部分が共通で、同一部分には同一ステップ番号を付す。図9が図3と違うのは、ステップS48〜ステップS52がないこと、並びに、ステップS14とステップS16との間にステップS302が追加されていることである。ステップS302では、ステップS14の立上処理に続いて第1携帯電話2の待受け機能部(電話機能部8に含まれる)に対する給電及びセルサーチスタートが指示される。これにより、一度第1携帯電話2が立ち上がると、以後、ステップS42による電源オフ操作の検知によってステップS44の終了処理が行われない限り、CPU4への給電如何に関わらず、第1携帯電話2の待受け機能部への給電が継続し、所定のタイミング(インターバル)でセルサーチが行われる。
【0060】
図10は、立上げ処理に関連するタイミングチャートであり、CPU4と他モジュール(記憶部10、表示部12、操作部6、及び、電話機能部8)とがどのように連携して動作しているかを説明するための図である。なお、図10(並びに後出の図11〜図14)において、CPU4は、図9の基本フローチャートに従って動作しているものとする。
【0061】
また、図10では、上から順に、第1携帯電話2の動作状態(システム全体の電源オン/オフ、クロック供給の有無、及び、リセット信号の論理)、CPU4の動作状態(CPU4の電源オン/オフ、動作シーケンス、及び、カウンタ238のカウント状態)、記憶部10の動作状態(記憶部10の電源オン/オフ、及び、アクセス領域)、表示部12の動作状態(表示部12の電源オン/オフ、動作シーケンス、バックライトの点消灯状態、及び、省電タイマ244のカウント状態)、操作部6の動作状態(操作部6による電源オン/オフ、及び、動作シーケンス)、並びに、電話機能部8の動作状態(電話機能部8の電源オン/オフ、及び、動作シーケンス)が示されている。なお、これらの項目については、後出の図11〜図14についても同様である。
【0062】
第1携帯電話2に電源が投入され、システム全体のリセット信号が立ち上がると、第1携帯電話2を形成する各モジュール(CPU2、記憶部10、表示部12、入出力インターフェース24、及び、電話機能部8)は、いずれも同一のタイミング(リセット信号の立上がりエッジ)でリセット状態から解除され、各々の立上げ処理が開始される。
【0063】
このとき、CPU4は、記憶部10のブート領域に格納されている立上げ処理用のプログラムを実行し、周辺回路の状況確認を行う。ここでの状況確認は、記憶部10、表示部12、入出力インターフェース24、及び、電話機能部8の立上げ処理がいずれも正常に完了し、各モジュールが処理待ちの状態に移行していること、すなわち、第1携帯電話2がシステムとして動作可能であることを確認するための処理である。
【0064】
その後、CPU4は、記憶部10から待受画面データを読み出し、表示部12に対して待受画面の表示を指示した後、データ待避処理(図9のステップS24を参照)を行い、自身への給電遮断(図9のステップS28に相当)を実行する。ただし、先にも説明した通り、CPU4の復帰動作に必要な回路部(内部電源制御部236やカウンタ238)への電源供給は継続される。
【0065】
CPU4から待受画面の表示指示を受けた表示部12は、バックライト242を点灯させて、待受画面の表示処理を行う。また、待受画面の表示開始と同時に、省電タイマ244のカウント値がリセットされ、カウントアップが開始される。省電タイマ244のカウント値が所定値に達すると、表示部12のバックライト242が消灯される。
【0066】
一方、電話機能部8は、CPU4からのセルサーチ起動指示(図9のステップS302を参照)に従い、CPU4への給電如何に関わらず、所定のタイミング(インターバル)で電波状況確認(セルサーチ)を実行する。図10の例では、CPU4の電源オフ中に、電話機能部8自らが電波状況確認(セルサーチ)を実行している様子が描写されている。
【0067】
図11は、図10の立上処理が行われた後、第1携帯電話2の発信が行われた場合のタイミングチャートである。CPU4への電源供給が遮断されている状態で、操作部6に番号キー入力(複数桁の電話番号入力だけでなく、短縮ダイヤルなどのショートカットキー入力も含む)が行われた場合、CPU4に対して処理要求が行われる。操作部6からの処理要求を受けたCPU4は、これをトリガとして自身への給電再開を行い、上記の外部入力に応答すべく、データ復帰処理(図9のステップS34を参照)を実行する。
【0068】
その後、CPU4は、操作部6に入力された番号キーに相当する番号表示データを記憶部10から読み出し、表示部12に対して番号表示を指示した後、データ待避処理(図9のステップS24を参照)を行い、自身への給電遮断(図9のステップS28に相当)を実行する。発信時には、番号キー入力に続き、後述の発信キー入力が行われるが、それまでの間は、このようにCPU4への給電を遮断して省電する。
【0069】
CPU4から番号表示の指示を受けた表示部12は、バックライト242を点灯させて番号表示処理を行う。また、番号表示の開始と同時に、省電タイマ244のカウント値がリセットされ、カウントアップが開始される。なお、省電タイマ244のカウント値と比較される所定値(バックライト242を消灯するための閾値)については、ユーザのキー押下毎にバックライト242の点消灯が繰り返されないように適切な値を設定することが望ましい。
【0070】
先の番号キー入力に次いで、CPU4への給電遮断中に、操作部6に発信キー入力が行われた場合、CPU4に対して処理要求が行われる。操作部6からの処理要求を受けたCPU4は、これをトリガとして自身への給電再開を行い、上記の外部入力に応答すべく、データ復帰処理(図9のステップS34を参照)を実行する。以上のように、操作者にとっては、一連の番号キー入力及び発信キー入力操作が行われた場合においても、CPU4を動作させる必要のない待ち時間の間は、こまめに給電遮断を行って省電を行う。
【0071】
上記のデータ復帰処理が行われたCPU4は、記憶部10から発信状況表示データを読み出し、表示部12に対して発信状況の表示(例えば、ユーザにコール中である旨を報知するための表示)を指示する。さらに、CPU4は、記憶部10に格納されている発信通話処理プログラムを実行し、発信処理並びに通話処理を行う。そして、発信通話処理が終了すれば、CPU4は、データ待避処理(図9のステップS24を参照)を行い、自身への給電遮断(図9のステップS28に相当)を実行する。
【0072】
CPU4から発信状況の表示指示を受けた表示部12は、バックライト242を点灯させて発信状況の表示処理を行う。また、発信状況の表示開始と同時に、省電タイマ244のカウント値がリセットされ、カウントアップが開始される。
【0073】
電話機能部8は、先にも述べた通り、CPU4への給電如何に関わらず、所定のタイミング(インターバル)で自発的に電波状況確認(セルサーチ)を実行しているが、操作部6で発信キーが押下されて以後は、CPU4からの指示に基づいて発信通話処理を行う。なお、図11では、CPU4への給電中に電波状況確認タイミングが到来した場合を図示している。
【0074】
また、図11では、説明を簡単とすべく、単一の番号キー(短縮ダイヤル)が押下されてから発信キーが押下されるまでの間に、CPU4の電源オフを行う動作を例に挙げて説明を行ったが、本発明の動作はこれに限定されるものではなく、例えば、複数桁の電話番号を入力してから発信キーを押下する場合には、ある桁の番号キーを押下してから次の桁の番号キーを押下するまでの間にも、CPU4の電源オン/オフ制御を行うことが可能である。ユーザのキー押下間隔は、短く見積もっても百〜数百[ms]であるのに対して、CPU4のデータ復帰処理及びデータ待避処理に要する時間は数百[μs]であるため、ユーザのキー押下間隔毎にCPU4の電源オン/オフ制御を行えば、大きな省電効果を享受することが可能となる。
【0075】
図12は、立上処理が行われた後、第1携帯電話2に着信があった場合のタイミングチャートである。CPU4への電源供給が遮断されている状態で、電話機能部8が着信要求を検出した場合、電話機能部8は、CPU4に対して処理要求を行う。電話機能部8からの処理要求を受けたCPU4は、これをトリガとして自身への給電再開を行い、上記の着信要求に応答すべく、データ復帰処理(図9のステップS34を参照)を実行する。
【0076】
データ復帰処理が行われたCPU4は、記憶部10から着信表示データを読み出し、表示部12に対して着信表示(例えば、ユーザに発信元の電話番号を報知するための表示)を指示する。さらに、CPU4は、記憶部10に格納されている着信通話処理プログラムを実行し、着信通話処理を行う。そして、着信通話処理が終了すれば、CPU4は、データ待避処理(図9のステップS24を参照)を行い、自身への給電遮断(図9のステップS28に相当)を実行する。
【0077】
CPU4から着信表示の指示を受けた表示部12は、バックライト242を点灯させて着信表示処理を行う。また、着信表示の開始と同時に、省電タイマ244のカウント値がリセットされ、カウントアップが開始される。
【0078】
電話機能部8は、先にも述べた通り、CPU4への給電如何に関わらず、所定のタイミング(インターバル)で自発的に電波状況確認(セルサーチ)を実行しているが、着信要求を受け付けて以後は、CPU4からの指示に基づいて着信通話処理を行う。図12ではCPU4への給電遮断中に電波状況確認タイミングが到来した場合を図示している。
【0079】
図13は、動画処理に関連するタイミングチャートである。CPU4への電源供給が遮断されている状態で、操作部6に動画選択入力(再生すべき動画ファイルの選択操作)が行われた場合、CPU4に対して処理要求が行われる。操作部6からの処理要求を受けたCPU4は、これをトリガとして自身への給電再開を行い、上記の動画選択入力に応答すべく、データ復帰処理(図9のステップS34を参照)を実行する。
【0080】
データ復帰処理が行われたCPU4は、1番目のフレームに相当するフレームデータを記憶部10から読み出し、表示部12に対してフレーム表示を指示する。次いで、CPU4は、記憶部10に格納されているカウンタ設定プログラムを実行し、再給電用のカウンタ238に対してカウント値のリセット並びにカウントアップを指示する。そして、CPU4は、データ待避処理(図9のステップS24を参照)を行い、自身への給電遮断(図9のステップS28に相当)を実行する。
【0081】
上記のようにCPU4への電源供給が遮断されている状態で、カウンタ238のカウント値が所定の閾値に達すると、CPU4はこれをトリガとして自身への給電再開を行い、2番目のフレーム表示を行うべく、データ復帰処理(図9のステップS34を参照)を実行する。このとき、CPU4は、カウンタ238のカウント動作を停止させる。
【0082】
その後、CPU4は、2番目のフレームに相当するフレームデータを記憶部10から読み出し、表示部12に対してフレーム表示を指示する。次いで、CPU4は、記憶部10に格納されているカウンタ設定プログラムを実行し、再給電用のカウンタ238に対してカウント値のリセット並びにカウントアップを指示する。そして、CPU4は、データ待避処理(図9のステップS24を参照)を行い、自身への給電遮断(図9のステップS28に相当)を実行する。
【0083】
以後も、動画再生処理が完了ないしは中断されるまで、上記したCPU4の電源オン/オフ制御が繰り返される。このように、動画再生処理中においては、フレームの表示間隔(例えば20[fps])が予め既知であるため、CPU4は、外部から給電信号を待つことなく、再給電用のカウンタ238を用いて、自発的に電源オン/オフ制御を行うことが可能である。
【0084】
CPU4からフレーム表示の指示を受けた表示部12は、バックライト242を点灯させてフレーム表示処理を行う。また、フレーム表示の開始と同時に、省電タイマ244のカウント値がリセットされ、カウントアップが開始される。なお、省電タイマ244のカウント値と比較される所定値(バックライト242を消灯するための閾値)については、フレーム毎にバックライト242の点消灯が繰り返されないように適切な値を設定することが望ましい。
【0085】
一方、電話機能部8は、先にも述べた通り、CPU4への給電如何に関わらず、所定のタイミング(インターバル)で電波状況確認(セルサーチ)を実行する。図13では、いずれもCPU4への給電中に電波状況確認タイミングが到来した場合を図示しているが、後続するフレームにおいては、CPU4への給電遮断中に電波状況確認タイミングが到来することもあり得る。
【0086】
図14は、動画処理中にキー操作が行われた場合のタイミングチャートであり、図13に示したタイミングチャートの続きに相当する。動画再生中にCPU4への電源供給が遮断されている状態(図14では、10番目のフレーム表示処理が行われた後に、CPU4への電源供給が遮断されている状態)で、操作部6に何らかの外部入力(図14では、番号キー入力)が行われた場合、CPU4に対して処理要求が行われる。操作部6からの処理要求を受けたCPU4は、カウンタ238のカウント値に依ることなく、入出力インターフェース24からの処理要求をトリガとして自身への給電再開を行い、上記の外部入力に応答すべく、データ復帰処理(図9のステップS34を参照)を実行する。このとき、CPU4は、カウンタ238のカウント動作を停止し、動画再生処理を強制終了させる。
【0087】
その後、CPU4は、操作部6に入力された番号キーに相当する番号表示データを記憶部10から読み出し、表示部12に対して番号表示を指示した後、データ待避処理(図9のステップS24を参照)を行い、自身への給電遮断(図9のステップS28に相当)を実行する。
【0088】
CPU4から番号表示の指示を受けた表示部12は、バックライト242を点灯させて番号表示処理を行う。また、番号表示の開始と同時に、省電タイマ244のカウント値がリセットされ、カウントアップが開始される。
【0089】
電話機能部8は、先にも述べた通り、CPU4への給電如何に関わらず、所定のタイミング(インターバル)で自発的に電波状況確認(セルサーチ)を実行する。図14では、CPU4への給電中及び給電遮断中の双方で電波状況確認タイミングが到来した場合を図示している。
【0090】
以上の説明では、図2において図1の構成の一部の図示を省略しているが、省略された構成についても本発明の特徴を実施できることは言うまでもない。例えば、図1の発音部14、GPS部16、電話通信部18、電話通信部118、DSP26、DSP126、ゲーム処理部28、近距離通信部130、カメラ部132、およびタッチパネルセンサ134等とCPU4、CPU104との関係についても本発明を実施できる。すなわち、これらの構成とCPU4、CPU104との連携において、例えばCPU4と電源制御部240またはCPU4と表示部12において説明したのと同様にして、CPU4、CPU104の全部または一部への給電を遮断しながらこれと連携する他の構成の機能を維持するごとき動作が可能である。この場合、必要に応じ、CPU4、CPU104のデータを転送して維持するためのレジスタを、CPU4、CPU104と連携する他の構成に設けることができる。
【0091】
上記の実施例では、不揮発レジスタとして強誘電体メモリからなるものを採用しているが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、スピントロニクス・デバイスとして知られるスピンMRAM(スピン注入磁化反転型MRAM)からなる不揮発レジスタも、本発明の種々の特徴を実施するために採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、例えば携帯電話に利用可能である。
【符号の説明】
【0093】
20 電源
210、226、230 不揮発レジスタ
202 224、228 処理部
220 外部信号入力部
236、240 給電制御部
6 手動操作部
232 表示レジスタ
12 表示部
240 外部信号入力部
214、222、234 出力レジスタ
222、234 入力レジスタ
222 232、234 保持レジスタ
238 計時手段
240 外部信号検知部
242 照明部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、不揮発レジスタを持つとともに前記電源からの給電に基づき前記不揮発レジスタへのデータ出し入れによって所定の処理を行う処理部と、前記電源からの給電により機能する待受け機能部と、前記処理部の処理状態が前記不揮発レジスタに記憶された状態で前記電源から前記待受け機能部への給電は維持しつつ前記電源から前記処理部への給電を遮断するとともに所定状況に応答して前記電源から前記処理部への給電を再開する給電制御部とを有することを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
前記所定状況は、前記待受け機能部が検知する電話の着信であることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
操作部を有し、前記給電制御部は、前記操作部による操作への応答性は維持しつつ前記電源から前記処理部への給電を遮断するとともに、前記所定状況は、前記操作部による発信操作であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯電話。
【請求項4】
前記待ち受け機能部は、セルサーチ機能部を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項5】
前記処理部によって作られる表示データを保持する表示レジスタと、前記表示レジスタが保持する表示データに基づいて表示を行う表示部と、を有し、前記給電制御部は、前記電源から前記表示レジスタへの給電は維持しつつ前記電源から前記処理部への給電を遮断することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項6】
前記電源からの給電により発光する照明部と、前記処理部への給電が遮断されている状態において前記照明部への給電時間を制御する計時手段と、を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項7】
前記待受け機能部は、前記処理部への給電状態に関わらず機能することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−171772(P2010−171772A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12794(P2009−12794)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】