説明

撚り合わされた導線を有する集積回路インダクター

【課題】集積回路インダクターを提供すること。
【解決手段】第1の端子と、第2の端子と、第1の端子と第2の端子との間に連結された伝導性経路とを備え、伝導性経路は、集積回路上に複数の撚り合わされた伝導性線を含む、インダクター。撚り合わされた伝導性線は、集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第1の伝導性線と、集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第2の伝導性線とを含む、インダクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年6月16日に出願された米国特許出願第13/161,893号に対する優先権を主張し、該特許出願は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
これは、集積回路に関し、より詳細には、集積回路インダクターに関する。
【0003】
集積回路にインダクターを形成することは、しばしば必要である。インダクターは、例えばオシレータ、フィルター、および他の回路を形成するために用いられ得る。
【0004】
比較的低い周波数において、集積回路インダクターは、固体の金属トレースから形成され得る。固体の金属トレースは、直線または螺旋形のインダクター形状で配置され得る。性能は、いくつかの状況において満足のいくものであり得るが、高い周波数における動作は、表皮効果および近接効果により課題を引き起こす。これらの課題は、満足のいくように機能する固体の金属トレースからインダクターを形成することを困難にし得るかまたは不可能にし得る。課題はまた、デバイス形状を縮ませるという継続するニーズによっても引き起こされる。半導体処理技術が進歩すると、半導体製作設計規則によって許容される最大線幅は減少する傾向があり、このことはデバイス上の金属線の最小抵抗を減少させる傾向がある。これは、集積回路インダクター性能に不利に影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
インダクターは、撚り合わされた伝導性線を含む伝導性経路から形成され得る。伝導性線は、誘電スタックに形成され得る。誘電スタックは、集積回路上に交互の金属層およびビア層から形成され得る。金属層は、パターン線を含む。ビア層は、隣接の金属層からのパターン線を相互に接続するビアを含む。伝導性線は、パターン金属層線およびビアから形成され得る。
【0006】
撚り合わされた伝導性線は、伝導性経路の長さに沿って互いに並列に延び得る。交差領域において、撚り合わされた伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差し得る。
【0007】
誘電スタックのビア層におけるビアは、撚り合わされた伝導性線におけるトレースを他の金属層における並列トレースに接続し、それによって、線抵抗を減少させるために用いられ得る。ビアはまた、1つの金属層におけるトレースを別の層における交差セグメントに接続するために用いられ得る。
【0008】
伝導性経路は、一対のインダクター端子間で直線に延びる線形形状を有し得るかまたはループ形状を有し得る。
【0009】
本発明のさらなる特徴、本発明の性質および様々な利点は、添付の図面および次に述べる好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになる。
【0010】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
第1の端子と、
第2の端子と、
該第1の端子と第2の端子との間に連結された伝導性経路と
を備え、該伝導性経路は、集積回路上に複数の撚り合わされた伝導性線を含む、インダクター。
(項目2)
上記撚り合わされた伝導性線は、上記集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第1の伝導性線と、該集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第2の伝導性線とを含む、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目3)
上記撚り合わされた伝導性線は、上記集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第3の伝導性線を含む、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目4)
上記撚り合わされた伝導性線は、上記集積回路上に金属層から形成された少なくとも第1の伝導性線と、第2の伝導性線と、第3の伝導性線とを含む、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目5)
上記撚り合わされた伝導性線は互いに並列に延びる第1の部分を含み、該撚り合わされた伝導性線は互いに交差する第2の部分を含み、該撚り合わされた伝導性線は上記第1の端子と上記第2の端子との間で複数回互いに交差する、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目6)
上記伝導性経路は、線形形状を有する、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目7)
上記伝導性経路は、ループ形状を有する、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目8)
上記撚り合わされた伝導性線は、該伝導性線が互いに並列に延びる複数のセグメントと、一対の伝導性線における第1の線が該撚り合わされた伝導性線において第2の線および第3の線と交差する複数の挿入された交差領域とを備えている、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目9)
上記撚り合わされた伝導性線は、金属層構造と、ビアとを備えている、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目10)
上記集積回路は、交互の金属層およびビア層から形成される誘電層を含み、上記撚り合わされた伝導性線は、該ビア層のうちの少なくとも1つに形成される少なくともいくつかの伝導性構造を含む、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目11)
撚り合わされた伝導性線は、該伝導性線が互いに交差する複数の交差領域を含む、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目12)
撚り合わされた伝導性線で形成される伝導性経路を備え、該撚り合わされた伝導性線は、少なくとも第1および第2の金属層に形成される少なくとも第1の線と、少なくとも該第1および第2の金属層に形成される少なくとも第2の線とを含み、該伝導性経路は、該第1および第2の線が互いに並列に延びるセグメントを含み、該第1および第2の線が互いに電気的に接続することなく互いに交差する交差領域を含む、インダクター。
(項目13)
少なくとも上記第1および第2の金属層に形成される少なくとも第3の線をさらに備え、上記第1、第2、および第3の線は上記セグメントにおいて互いに並列に延び、該第1、第2、および第3の線は、上記交差領域において互いに電気的に接続することなく互いに交差する、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目14)
上記撚り合わされた伝導性線は、上記交差領域においてビアと、伝導性交差線セグメントとを含む、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目15)
上記伝導性経路は、線形形状を有する、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目16)
第1のインダクター端子と、
第2のインダクター端子と、
該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に延びる伝導性経路と
を備え、該伝導性経路は、少なくとも第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を含む、インダクター。
(項目17)
上記伝導性経路は、集積回路上に金属層およびビア層から形成され、上記第1、第2、および第2の撚り合わされた伝導性線は、該金属層において少なくとも部分的に金属トレースから形成され、該伝導性経路は、該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に複数の交差領域を含み、該複数の交差領域において、該第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差する、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目18)
少なくとも上記第1の伝導性線は、誘電スタックにおける少なくとも3つの金属層において金属トレースから形成される、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目19)
上記伝導性経路は、上記第1のインダクター端子と上記第2のインダクター端子との間に線形形状を有する、上記項目のいずれかに記載のインダクター。
(項目20)
集積回路に第1のインダクター端子を提供することと、
該集積回路に第2のインダクター端子を提供することと、
該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に延びる該集積回路に伝導性経路を提供することと
を包含し、該伝導性経路は、少なくとも第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を包含する、方法。
(項目21)
項目20に記載の方法であって、上記伝導性経路を提供することは、上記集積回路上に金属層およびビア層から該伝導性経路を形成することを包含し、該方法は、
該金属層において少なくとも部分的に金属トレースから上記第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を形成することを包含する、方法。
(項目22)
上記伝導性経路を提供することは、上記第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間で該伝導性経路において複数の交差領域を形成することを包含し、該複数の交差領域において上記第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23)
上記伝導性経路を提供することは、上記ビア層において少なくとも部分的にビアから該伝導性経路を形成することを包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0011】
(開示の摘要)
インダクターは、撚り合わされた伝導性線を含む伝導性経路から形成され得る。伝導性経路に2つ、3つ、または4つ以上の撚り合わされた伝導性線があり得る。伝導性線は、集積回路の誘電スタックに伝導性構造から形成され得る。誘電スタックは、伝導性トレースを含む金属層を含み得、トレースを相互に接続するビアを含むビア層を含み得る。撚り合わされた伝導性線は、金属およびビア層に伝導性構造から形成され得る。交差領域において、伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差し得る。ビアは、トレースの複数の層を一緒に連結して、線抵抗を減少させるために用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従うインダクターの回路図である。
【図2】図2は、集積回路上に金属の固体ストリップから形成される従来の線形インダクターの上面図である。
【図3】図3は、集積回路上に金属の固体ストリップから形成される従来の螺旋形インダクターの上面図である。
【図4】図4は、導体の抵抗に影響を及ぼす断面積を有する導体のストリップの斜視図である。
【図5】図5は、導体が高い周波数で動作しているときに表皮効果が導体の実効抵抗に衝撃を有するような導体の断面図である。
【図6】図6は、表皮効果および近接効果が伝導性経路の抵抗に衝撃を有するような一対の並列の導体から形成される伝導性経路の断面側面図である。
【図7】図7は、表皮効果および近接効果が伝導性経路の抵抗に衝撃を有するような3つの並列の導体から形成される伝導性経路の断面側面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に従う伝導性経路の上面図であり、該伝導性経路は、互いに繰り返し交差し、インダクターを形成する際に用いられ得る一対の並列の撚り合わされた導体から形成されている。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に従う伝導性経路であり、該伝導性経路は、互いに繰り返し交差し、インダクターを形成する際に用いられ得る一組の3つの並列の撚り合わされた導体から形成されている。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に従う伝導性経路の斜視図であり、該伝導性経路は、集積回路上に誘電スタックの複数の層に伝導性トレースから形成された撚り合わされた導体を有する。
【図11】図11は、本発明の一実施形態に従う伝導性体経路の斜視図であり、該伝導性経路は、挿入されるビアを用いて一緒に短絡させられた誘電スタックの複数の層に並列のトレースから形成されている一対の撚り合わされた導体を有する。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に従うタイプの誘電スタックの断面側面図であり、該タイプは、複数の撚り合わされた導体を有する伝導性インダクター経路を形成するためにパターン金属トレースを含み得る。
【図13】図13は、本発明の一実施形態に従うグラフであり、該グラフにおいて、抵抗は、異なるタイプの伝導性経路を用いて形成されるインダクターに対する動作周波数の関数としてプロットされている。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に従うグラフであり、該グラフにおいて、インダクターQ係数は、異なるタイプの伝導性経路に対する動作周波数の関数としてプロットされている。
【図15】図15は、本発明の一実施形態に従う例示的線形インダクターの上面図であり、該線形インダクターは、撚り合わされた導体を有する導体経路から形成される。
【図16】図16は、本発明の一実施形態に従う例示的ループ形状のインダクターの上面図であり、該ループ形状のインダクターは、撚り合わされた導体を有する伝導性経路から形成される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
インダクターは、一般的に、集積回路上にフィルター、オシレータおよび他の回路を形成する際に用いられる集積回路に備え付けられる。図1に示されるように、集積回路インダクターは、第1の端子Aと、第2の端子Bとを有し得る。回路において、端子AおよびBは、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、および他の回路網に接続され得る。
【0014】
インダクターは、一般的に、金属の固体ストリップ(すなわち、集積回路上の誘電スタックにおける固体金属トレース)から形成される。図2は、金属の真直ぐな固体ストリップ(例えば、個体金属トレース)から形成される従来の線形インダクターの上面図である。図3は、金属の固体ストリップから螺旋形のパターンに形成される従来の線形インダクターの上面図である。
【0015】
インダクターの品質は、インダクターのQ(品質)係数によって定量化され得る。インダクターに対するQ係数は、インダクターのインダクタンスLとインダクターの抵抗Rとの比に比例している(端子AとBとの間で測定された場合)。従って、Qを最大にするために抵抗Rを最小にすることが望ましい。
【0016】
インダクターの抵抗を低下させる1つの方法は、インダクターを形成する際に用いられる金属トレースの幅を増加させることを伴う。図4に示されるように、金属トレース14は、幅W、高さHおよび長さLによって特徴付けられ得る。動作中、電流Iは、トレース14の長手方向寸法Lに沿って流れる。トレース14の断面積A(=高さH×幅W)は、トレース14の抵抗に反比例している。所与の半導体製作工程およびトレース厚(すなわち、所与の高さH)ならびに所与のトレース長さLに対して、抵抗Rは、幅Wの値に反比例している。Wのより大きい値は、結果としてRの値の対応する減少をもたらす。
【0017】
しかしながら、概して、金属トレース幅Wが増加させられ得る程度まで実際上の限度がある。これは、商業的に実際上、半導体製作工程がトレース幅を制限する設計規則を有するからである。
【0018】
抵抗Rに影響を与える別の要因は、表皮効果である。高い周波数において、図5における導体14の断面図において表面領域16によって例示されるように、信号は、伝導性トレースの外側表面においてのみ伝わる。電流を伝導する際に、より少ない断面積が関係するので、導体14の抵抗は増加する。
【0019】
導体14における信号が伝わる表面層の深さ(すなわち、導体14に対する表皮深さ)は、信号の周波数の関数である。低い周波数において、表皮効果は無視できるほどわずかであり、表皮深さは導体14の寸法と比較して大きく、電流は導体14の大部分を通って均等に流れる。高い周波数(例えば、約3GHz〜50GHzまたはそれ以上の周波数)において、表皮深さは導体14の横方向寸法より小さくなり得、従って、表皮効果は抵抗に対して有意な影響を有し得る。高い周波数における表皮効果による抵抗の増加は、導体を用いて形成されるインダクターのQ値に不利に影響を及ぼし得る。
【0020】
最大トレース幅に対する設計規則制限を克服し、高い周波数でインダクターを動作させる場合に表皮効果により生じる傾向のある抵抗の増加を最小限にする努力において、従来のインダクターは時々、長手方向スロットを含む。これらのスロットは、複数の並列のトレースにトレースを分離し、複数の並列のトレースの各々は、半導体製作設計規則によって指定される最大トレース幅よりも狭い。図6は、このようにして等しい幅の2つのトレース(14Aおよび14B)に分割された、図5の導体14などの導体の断面図である。
【0021】
図6に示されるように、全幅W(トレース14Aに対するW/2+トレース14Bに対するW/2)が一定に維持されている場合でさえ、トレース14Aによる場合よりも、トレース14Aおよび14Bを通って電流16が流れるのに利用可能なより大きい表面積となり得る。これは、抵抗Rを減少させる傾向がある。しかしながら、スロット18の導入によって図5の導体14を並列の導体14Aおよび14Bに分割することによって達成されるRの減少は、電磁界近接効果によって制限される。
【0022】
近接効果は、表皮効果を受けやすい単一の導体として別個のトレース14Aおよび14Bを機能させる。図6に示されるように、トレース14Bに最近接していないトレース14Aの表面部分(すなわち、トレース14Aの上部表面、左表面および下部表面)は、トレース14Bに最近接しているトレース14Aの表面(すなわち、トレース14Aの右表面であり、低電流Lのみを伝達する)よりも高いレベル(H)の電流が可能である。同様に、トレース14Bの上部表面、右表面および下部表面は、高い電流量Hを伝達し得、一方、トレース14Bの左表面は、低い電流量Lのみを伝達し得る。電流Lは近接効果により電流Hより少ないので、スロット18によって複数の並列のトレースに導体14を分割することによる抵抗の予期される減少は、十分には達成されない。
【0023】
図7に示されるように、複数のスロット18がある配置(例えば、導体14が3つの並列のトレース14−1、14−2、および14−3から形成される場合)において、近接効果は、同様にスロット18を形成する利益を減少させ得る。
【0024】
近接効果の影響を減少させ、それによって、高い動作周波数においてインダクター性能を高めるために、インダクターは、複数の撚り合わされた伝導性線を含む伝導性経路から形成され得る。伝導性経路は、一対の撚り合わされた伝導性線、3つの撚り合わされた伝導性線、4つの撚り合わされた伝導性線、または5つ以上の撚り合わされた伝導性線を含み得る。伝導性線は、集積回路上に誘電スタックにトレースから形成され得る。誘電スタックの2つ以上の金属層からのトレースが用いられ得る。挿入されるビア層におけるビアは、隣接した金属層においてトレースを相互に接続するために用いられ得る。
【0025】
図8は、例示的インダクター伝導性経路20の上面図であり、インダクター伝導性経路20は、一対の撚り合わされた並列の伝導性線24から形成されている。図8に示されるように、伝導性経路20(時々、導体または伝導性線と呼ばれる)は、一対の撚り合わされた伝導性線24−1および24−2を含み得る。伝導性線24−1および24−2(時々、導体または伝導性経路と呼ばれる)は、集積回路上の誘電スタックの層にトレースから形成され得る。例えば、伝導性線24は、誘電スタックのN番目金属層におけるトレースと、スタックのN−1金属層におけるトレースとを含み得る。スタックのN−1金属層におけるトレースは、例えば、セグメント24’などのセグメント下通過(pass−under segment)を形成する際に用いられ得る。ビア26は、N番目層およびN−1層においてトレースを相互に接続するために用いられ得る。
【0026】
このタイプの構成を用いて、伝導性線24−1および24−2は、コルク抜きの態様で互いの周りに巻きつき、互いに繰り返し交差する。伝導性経路24において一対のそれぞれのインダクター端子AとBとの間に任意の適切な数のセグメントがあり得る(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、20以上、100以上など)。図8の実施例において、3つのセグメント(セグメント28、30、および32)と、2つの関連する交差領域34および36とがある。交差領域34において、線24−2は、セグメント24’を用いて線24−1の下を通過する。交差領域36において、線24−1は、線24−2の下を通過するセグメント24’を含む。このパターンは、伝導性経路24に沿って繰り返し、その結果、線24−1および24−2は、互いに繰り返し交差する。
【0027】
伝導性線24−1および24−2の撚り合わされた性質のために、近接効果の影響が減少させられ、伝導性経路24の抵抗Rは減少させられる。これは、図8における伝導性線の縁に隣接したラベル「L」および「H」によって例示される。セグメント28において、線24−1および24−2の外縁は、「H」のラベルが付けられ、線24−1および24−2のこれらの部分が、少なくとも近接効果によって影響を及ぼされ、最大の量の電流を伝達することが可能である(すなわち、線のこれらの部分における表皮効果に関連する深さが比較的大きい)ことを示す。線24−1および24−2の内縁は、間隙22(例えば、誘電スタックにおいて酸化ケイ素などの誘電体で削られた間隙)を横切って互いに向かい合う。線24−1および24−2の内縁は、「L」のラベルが付けられ、線24−1および24−2のこれらの部分が、どのように近接効果によって不利に影響を及ぼされ、線の「H」部分よりも少ない電流を伝達することが可能であるか(すなわち、表皮効果に関連する深さが比較的浅いこと)を示す。
【0028】
伝導性経路24の連続するセグメント30において、交差領域34が存在することにより「H」および「L」の任務は、逆にされる。特に、セグメント28における線24−2の内側「L」縁は、セグメント30において線24−2の外側「H」縁になる。同様に、
セグメント28における線24−1の内側「L」縁は、セグメント30において線24−1の外側「H」縁になる。この変換処理は、セグメント32などのその後のセグメントにおいて繰り返され、伝導性経路24において近接効果の影響を減少させる。従って、高周波電流を伝達し得る経路24のトレースにおける導体の体積は増加させられ、抵抗Rは減少させられる。
【0029】
図9は、3線の伝導性経路の上面図である。図9に示されるように、図9の伝導性経路24は、伝導性線23−1と、24−2と、24−3とを含む。交差セグメント24’は、線24−1、24−2、および24−3が短絡することなく、互いの上および下で交差することを可能にするために用いられ得る。ビア26は、誘電スタックにおける異なる相互接続層においてトレースセグメントを相互に接続するために用いられ得る。図9におけるラベル「H」および「L」は、図9の3つの導体の撚り合う配置が、どのように近接効果を受けやすいトレースの部分を変換し、従って、伝導性経路24に対するRを減少させるかを示す。
【0030】
図10は、伝導性経路24の斜視図であり、伝導性線24−1および24−2がどのように集積回路上の誘電スタックにおいて異なる金属層におけるトレースから形成され得るかを示す。(通常、誘電スタックにおける金属層間に挿入される誘電体は、図10において示されていない)。図10に示されるように、線24−1は、誘電スタックの上部層(例えば、N番目金属層)における金属トレースから形成され得る。線24−2もまた、誘電スタックの上部金属層における金属トレースから形成され得る。線24−1および24−2が互いに電気的に短絡されることなく互いに交差することを可能にするために、線24−2は、交差領域34においてセグメント24’を含み得る。セグメント24’は、誘電スタックにおける下部金属層(例えば、スタックにおけるN−1金属層)に形成され得る。セグメント24’は、ビア26を用いて線24−2のための上部層トレースに接続され得る。このタイプの交差配置は、3つ以上の撚り合わされた伝導性線を含む、図9の経路24などの伝導性経路に用いられ得る。伝導性経路24が2つの撚り合わされた伝導性線を有する、図10の実施例は、単に例示である。
【0031】
所望により、誘電スタックにおける異なる金属層からの金属トレースは、線抵抗を減少させるために並列に接続され得る。伝導性経路24が2つの伝導線24−1および24−2を有する構成におけるこのタイプの配置の実施例は、図11に示される。図11に示されるように、伝導性線24−1は、上部トレース24−1Tと、下部トレース24−1Bとを含む。トレース24−1Tおよびトレース24−1Bは、線24−1の長さに沿って一連のビア26によって並列に接続される。線24−2は、同様にビアを用いて一緒に短絡される上部金属トレース24−2Tおよび下部金属トレース24−2Bから形成される。
【0032】
ビア26を用いて複数の金属層からの金属トレースを並列に接続することによって各伝導性線の抵抗は減少させられ得、伝導性経路24の全抵抗は減少させられ得る。交差領域34において、トレースは交差経路を形成するように構成され得る。例えば、トレース24−1Bは間隙を有し得、トレース24−2Bがその間隙を通過し得、トレース24−2Tは間隙を有し得、トレース24−1Tがその間隙を通過し得る。間隙は、伝導性線24−1および24−2が、交差領域において電気的に接続されることなく互いに交差することを可能にする。図11の実施例において、2線構成を用いて例示されているが、図9の経路24などの3つ以上の撚り合わされた導体を有する伝導性経路24はまた、所望により、複数の金属層からのトレースを並列に一緒にして短絡することによって形成される伝導性線が備え付けられ得る。
【0033】
図12は、集積回路上の誘電スタックの断面側面図である。図12の金属層およびビア層は、2つ、3つ、または4つ以上の撚り合わされた伝導性線を有する経路24などの伝導性経路を形成する際に用いられ得る。
【0034】
図12に示されるように、集積回路110は、回路網46を含み得る。回路網46は、集積回路基板44内に形成され得る。回路網46は、例えば金属酸化物半導体トランジスタおよび他の回路要素を含み得る。基板44は、ケイ素などの半導体から形成され得る(例えば、基板44は、シリコンウェハの一部であり得る)。
【0035】
誘電スタック42は、基板44の表面に形成され得る。誘電スタックは、金属層M(N)、M(N−1)、M(N−2)など、および挿入されたビア層V(N)、V(N−1)、V(N−2)などの層を含み得る。スタック42の最上部層(PAD)は、時々入力−出力パッドを形成する際に用いられ得、従って時々誘電スタック42のパッド層と呼ばれ得る。
【0036】
誘電スタック42の層の各々は、典型的には、主として二酸化ケイ素または他の誘電体52などの絶縁体から形成される。金属層Mは、誘電体52の領域によって互いに分離された金属線50などのパターン金属構造を含み得る。ビア層Vは、誘電体52の領域によって分離された伝導性ビア40を含み得る。パッド層PADは、構造48などの伝導性構造を含み得る(例えば、入力−出力パッドの一部、伝導性線の一部など)。(伝導性経路24において線24−1、24−2、および24−3として働き得る)金属線50は、銅などの金属から形成される。パッド層PADにおける構造は、アルミニウムなどの金属から形成され得る。(伝導性経路24においてビア26として働き得る)ビア40は、タングステンまたは他の金属から形成され得る。他の金属および伝導性材料はまた、所望により、金属構造50、ビア40、およびパッド層構造48を形成するために用いられ得る。
【0037】
例示的構造54によって示されるように、複数の金属層50およびパッド構造48は、挿入されたビア40の層を用いて互いに電気的に接続され得る。例示的構造56によって示されるように、パッド層構造48は、所望により省かれ得る。点58によって示されるように、構造54および56などの構造に任意の適切な数の金属層Mがあり得る。
【0038】
スタック42の層は、集積回路110上にインダクターに対して伝導性経路24を形成する際に用いられ得る。例えば、伝導性線24は、金属層M(N)、M(N−1)などに金属トレース50から形成され得る。特に、トレース24−1Tおよび24−2Tは、層M(N)に金属線50から形成され得、トレース24−1Bおよび24−2Bは、層M(N−1)に金属線から形成され得、これらのトレースは、ビア40によって相互に接続され得る(すなわち、図12の誘電スタック42のビア40は、伝導性経路24におけるビア26として働き得る)。所望により、層M(N−2)などの追加の金属層からのトレースは、抵抗をさらに減少させるために他のトレースと並行して接続され得る。
【0039】
図13は、シミュレーション結果のグラフであり、このグラフにおいて、インダクターに対する伝導性経路の抵抗Rは、伝導性経路の3つの異なる構成に対する動作信号周波数fの関数としてプロットされた。抵抗Rは、f1〜f2(例えば、約3GHz〜50GHz)の周波数範囲にわたりプロットされた。線204は、スロットのない固体(長方形)の伝導性経路の性能に対応する。線206は、表皮効果をなくすことを助ける長手方向スロットを有する伝導性経路の性能に対応する。図13のグラフが実証するように、伝導性経路にスロットを含めることは、高い動作周波数における表皮効果の影響のいくらかを軽減することによって、固体伝導性経路に対して抵抗Rを低下させることを助け得る。線200は、撚り合わされた導体を有する伝導性経路に対応する(例えば、3つの撚り合わされた伝導性線)。線200に対応する伝導性経路における伝導性線の撚り合わされた性質は、近接効果を減少させることを助け、従って、固体(線204)構成およびスロットのある(線202)構成の両方よりも多く抵抗Rを減少させる。
【0040】
図14は、シミュレーション結果のグラフであり、このグラフにおいて、インダクター品質係数Qは、図13に関連する3つの伝導性経路から形成されるインダクターに対する周波数の関数としてプロットされた。曲線206は、固体トレースに対する品質係数のプロットである。曲線208は、長手方向スロットを有する伝導性経路に対する品質係数Qのプロットである。曲線210は、撚り合わされた伝導性線を有する伝導性経路に対する品質係数Qのプロットである。図14のグラフが実証するように、Qの大きさは、固体の導体から形成されるインダクターに対して最低である(線206)。スロットのある導体から形成されるインダクター(線208)は、固体の導体インダクターよりも良いQ値を有する。線210は、撚り合わされた伝導性線から形成されるインダクターに対応するが、近接効果の減少により固体の導体およびスロットのある導体のいずれよりも良いQ値を示す。
【0041】
撚り合わされた伝導性線を有する伝導性経路24から形成されるインダクターは、任意の適切な形状で形成され得る。図15は、例示的線形インダクターの上面図であり、この上面図において、伝導性経路24は、インダクター端子Aとインダクター端子Bとの間に直線で形成される。図16は、伝導性経路24がループ形状を有する例示的螺旋形(ループ形状)インダクターの上面図である。図16の例示的インダクターは、単一のループを有するが、所望により、複数のループを有する螺旋形インダクター形状が用いられ得る。図15および図16の伝導性経路24における撚り合わされた伝導性線は、2つの撚り合わされた伝導性線、3つの撚り合わされた伝導性線、または4つ以上の撚り合わされた伝導性線を有するセグメントを含み得る。インダクターの部分はまた、他の構成の伝導性経路(例えば、固体線、スロットのある線など)を用い得る。図16に示されるタイプのループ形状の伝導性経路は、長方形ループ、円形ループ、八角形ループ、または湾曲したセグメントと真直ぐなセグメントとの他の組み合わせを有するループを有し得る。
【0042】
(追加の実施形態)
追加の実施形態1.第1の端子と、第2の端子と、該第1の端子と第2の端子との間に連結された伝導性経路とを備え、該伝導性経路は、集積回路上に複数の撚り合わされた伝導性線を含む、インダクター。
【0043】
追加の実施形態2.上記撚り合わされた伝導性線は、上記集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第1の伝導性線と、該集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第2の伝導性線とを含む、追加の実施形態1に規定されるインダクター。
【0044】
追加の実施形態3.上記撚り合わされた伝導性線は、上記集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第3の伝導性線を含む、追加の実施形態2に規定されるインダクター。
【0045】
追加の実施形態4.上記撚り合わされた伝導性線は、上記集積回路上に金属層から形成された少なくとも第1の伝導性線と、第2の伝導性線と、第3の伝導性線とを含む、追加の実施形態1に規定されるインダクター。
【0046】
追加の実施形態5.上記撚り合わされた伝導性線は互いに並列に延びる第1の部分を含み、該撚り合わされた伝導性線は互いに交差する第2の部分を含み、該撚り合わされた伝導性線は上記第1の端子と上記第2の端子との間で複数回互いに交差する、追加の実施形態1に規定されるインダクター。
【0047】
追加の実施形態6.上記伝導性経路は、線形形状を有する、追加の実施形態1に規定されるインダクター。
【0048】
追加の実施形態7.上記伝導性経路は、ループ形状を有する、追加の実施形態1に規定されるインダクター。
【0049】
追加の実施形態8.上記撚り合わされた伝導性線は、該伝導性線が互いに並列に延びる複数のセグメントと、一対の伝導性線における第1の線が該撚り合わされた伝導性線において第2の線および第3の線と交差する複数の挿入された交差領域とを備えている、追加の実施形態1に規定されるインダクター。
【0050】
追加の実施形態9.上記撚り合わされた伝導性線は、金属層構造と、ビアとを備えている、追加の実施形態8に規定されるインダクター。
【0051】
追加の実施形態10.上記集積回路は、交互の金属層およびビア層から形成される誘電層を含み、上記撚り合わされた伝導性線は、該ビア層のうちの少なくとも1つに形成される少なくともいくつかの伝導性構造を含む、追加の実施形態9に規定されるインダクター。
【0052】
追加の実施形態11.撚り合わされた伝導性線は、該伝導性線が互いに交差する複数の交差領域を含む、追加の実施形態1に規定されるインダクター。
【0053】
追加の実施形態12.撚り合わされた伝導性線で形成される伝導性経路を備え、該撚り合わされた伝導性線は、少なくとも第1および第2の金属層に形成される少なくとも第1の線と、
少なくとも該第1および第2の金属層に形成される少なくとも第2の線とを含み、該伝導性経路は、該第1および第2の線が互いに並列に延びるセグメントを含み、該第1および第2の線が互いに電気的に接続することなく互いに交差する交差領域を含む、インダクター。
【0054】
追加の実施形態13.少なくとも上記第1および第2の金属層に形成される少なくとも第3の線をさらに備え、上記第1、第2、および第3の線は上記セグメントにおいて互いに並列に延び、該第1、第2、および第3の線は、上記交差領域において互いに電気的に接続することなく互いに交差する、追加の実施形態12に規定されるインダクター。
【0055】
追加の実施形態14.上記撚り合わされた伝導性線は、上記交差領域においてビアと、伝導性交差線セグメントとを含む、追加の実施形態12に規定されるインダクター。
【0056】
追加の実施形態15.上記伝導性経路は、線形形状を有する、追加の実施形態12に規定されるインダクター。
【0057】
追加の実施形態16.第1のインダクター端子と、第2のインダクター端子と、該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に延びる伝導性経路とを備え、該伝導性経路は、少なくとも第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を含む、インダクター。
【0058】
追加の実施形態17.上記伝導性経路は、集積回路上に金属層およびビア層から形成され、上記第1、第2、および第2の撚り合わされた伝導性線は、該金属層において少なくとも部分的に金属トレースから形成され、該伝導性経路は、該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に複数の交差領域を含み、該複数の交差領域において、該第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差する、追加の実施形態16に規定されるインダクター。
【0059】
追加の実施形態18.少なくとも上記第1の伝導性線は、誘電スタックにおける少なくとも3つの金属層において金属トレースから形成される、追加の実施形態17に規定されるインダクター。
【0060】
追加の実施形態19.上記伝導性経路は、上記第1のインダクター端子と上記第2のインダクター端子との間に線形形状を有する、追加の実施形態17に規定される集積回路。
【0061】
追加の実施形態20.集積回路に第1のインダクター端子を提供することと、集積回路に第2のインダクター端子を提供することと、該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に延びる該集積回路に伝導性経路を提供することとを包含し、該伝導性経路は、少なくとも第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を包含する、方法。
【0062】
追加の実施形態21.追加の実施形態20に規定される方法であって、上記伝導性経路を提供することは、上記集積回路上に金属層およびビア層から該伝導性経路を形成することを包含し、該方法は、該金属層において少なくとも部分的に金属トレースから上記第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を形成することを包含する、方法。
【0063】
追加の実施形態22.上記伝導性経路を提供することは、上記第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間で該伝導性経路において複数の交差領域を形成することを包含し、該複数の交差領域において前記第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差する、追加の実施形態21に規定される方法。
【0064】
追加の実施形態23.上記伝導性経路を提供することは、上記ビア層において少なくとも部分的にビアから該伝導性経路を形成することを包含する、追加の実施形態21に記載の方法。
【0065】
上述のことは、本発明の原理の単なる例示であり、本発明の範囲および精神から逸脱することなく様々な修正が当業者によってなされ得る。
【符号の説明】
【0066】
14 金属トレース、導体
16 表面領域
18 スロット
24 伝導性経路
26 ビア
28 セグメント
34 交差領域
44 基板
46 回路網
48 パッド構造
54 構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子と、
第2の端子と、
該第1の端子と第2の端子との間に連結された伝導性経路と
を備え、該伝導性経路は、集積回路上に複数の撚り合わされた伝導性線を含む、インダクター。
【請求項2】
前記撚り合わされた伝導性線は、前記集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第1の伝導性線と、該集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第2の伝導性線とを含む、請求項1に記載のインダクター。
【請求項3】
前記撚り合わされた伝導性線は、前記集積回路上に少なくとも1つの金属層から形成された少なくとも第3の伝導性線を含む、請求項2に記載のインダクター。
【請求項4】
前記撚り合わされた伝導性線は、前記集積回路上に金属層から形成された少なくとも第1の伝導性線と、第2の伝導性線と、第3の伝導性線とを含む、請求項1に記載のインダクター。
【請求項5】
前記撚り合わされた伝導性線は互いに並列に延びる第1の部分を含み、該撚り合わされた伝導性線は互いに交差する第2の部分を含み、該撚り合わされた伝導性線は前記第1の端子と前記第2の端子との間で複数回互いに交差する、請求項1に記載のインダクター。
【請求項6】
前記伝導性経路は、線形形状を有する、請求項1に記載のインダクター。
【請求項7】
前記伝導性経路は、ループ形状を有する、請求項1に記載のインダクター。
【請求項8】
前記撚り合わされた伝導性線は、該伝導性線が互いに並列に延びる複数のセグメントと、一対の伝導性線における第1の線が該撚り合わされた伝導性線において第2の線および第3の線と交差する複数の挿入された交差領域とを備えている、請求項1に記載のインダクター。
【請求項9】
前記撚り合わされた伝導性線は、金属層構造と、ビアとを備えている、請求項8に記載のインダクター。
【請求項10】
前記集積回路は、交互の金属層およびビア層から形成される誘電層を含み、前記撚り合わされた伝導性線は、該ビア層のうちの少なくとも1つに形成される少なくともいくつかの伝導性構造を含む、請求項1に記載のインダクター。
【請求項11】
撚り合わされた伝導性線は、該伝導性線が互いに交差する複数の交差領域を含む、請求項1に記載のインダクター。
【請求項12】
撚り合わされた伝導性線で形成される伝導性経路を備え、該撚り合わされた伝導性線は、少なくとも第1および第2の金属層に形成される少なくとも第1の線と、少なくとも該第1および第2の金属層に形成される少なくとも第2の線とを含み、該伝導性経路は、該第1および第2の線が互いに並列に延びるセグメントを含み、該第1および第2の線が互いに電気的に接続することなく互いに交差する交差領域を含む、インダクター。
【請求項13】
少なくとも前記第1および第2の金属層に形成される少なくとも第3の線をさらに備え、前記第1、第2、および第3の線は前記セグメントにおいて互いに並列に延び、該第1、第2、および第3の線は、前記交差領域において互いに電気的に接続することなく互いに交差する、請求項12に記載のインダクター。
【請求項14】
前記撚り合わされた伝導性線は、前記交差領域においてビアと、伝導性交差線セグメントとを含む、請求項12に記載のインダクター。
【請求項15】
前記伝導性経路は、線形形状を有する、請求項12に記載のインダクター。
【請求項16】
第1のインダクター端子と、
第2のインダクター端子と、
該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に延びる伝導性経路と
を備え、該伝導性経路は、少なくとも第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を含む、インダクター。
【請求項17】
前記伝導性経路は、集積回路上に金属層およびビア層から形成され、前記第1、第2、および第2の撚り合わされた伝導性線は、該金属層において少なくとも部分的に金属トレースから形成され、該伝導性経路は、該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に複数の交差領域を含み、該複数の交差領域において、該第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差する、請求項16に記載のインダクター。
【請求項18】
少なくとも前記第1の伝導性線は、誘電スタックにおける少なくとも3つの金属層において金属トレースから形成される、請求項17に記載のインダクター。
【請求項19】
前記伝導性経路は、前記第1のインダクター端子と前記第2のインダクター端子との間に線形形状を有する、請求項17に記載のインダクター。
【請求項20】
集積回路に第1のインダクター端子を提供することと、
該集積回路に第2のインダクター端子を提供することと、
該第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間に延びる該集積回路に伝導性経路を提供することと
を包含し、該伝導性経路は、少なくとも第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を包含する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記伝導性経路を提供することは、前記集積回路上に金属層およびビア層から該伝導性経路を形成することを包含し、該方法は、
該金属層において少なくとも部分的に金属トレースから前記第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線を形成することを包含する、方法。
【請求項22】
前記伝導性経路を提供することは、前記第1のインダクター端子と第2のインダクター端子との間で該伝導性経路において複数の交差領域を形成することを包含し、該複数の交差領域において前記第1、第2、および第3の撚り合わされた伝導性線は、互いに電気的に接続することなく互いに交差する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記伝導性経路を提供することは、前記ビア層において少なくとも部分的にビアから該伝導性経路を形成することを包含する、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−4973(P2013−4973A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132691(P2012−132691)
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【出願人】(597154922)アルテラ コーポレイション (163)
【氏名又は名称原語表記】Altera Corporation
【Fターム(参考)】