撮像装置および撮像光学系
【課題】簡易な構成で高解像度のライトフィールドを取得可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、撮像素子と、被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、前記像側共役面と前記撮像素子が共役となるように配置されたレンズアレイとを有し、前記レンズアレイは所定の条件式を満たすように配置されている。
【解決手段】撮像装置は、撮像素子と、被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、前記像側共役面と前記撮像素子が共役となるように配置されたレンズアレイとを有し、前記レンズアレイは所定の条件式を満たすように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイを備えた撮像装置、および撮像光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像素子で取得されたデータから演算を行い、それに応じたデジタル画像処理を行うことで様々な画像の出力を行う撮像装置が提案されている。非特許文献1、2には、「Light Field Photography」を用いて、被写体面上での2次元的な光の強度分布と視差情報(合わせて「ライトフィールド」という。)を同時に取得する「Plenoptic 2.0 Camera」が開示されている。このような撮像装置によれば、ライトフィールドを取得して撮影後に画像処理を行うことにより、画像のピント位置や被写界深度等を変更することができる。
【0003】
しかし、このような撮像装置は、撮像素子の画素を光の2次元強度分布の保存に加え、視差情報の保存にも利用する必要がある。このため、光の2次元強度分布のみを記憶する撮像装置に対して、空間解像度が低下する。そこで非特許文献2には、主レンズ群によって形成された像面のある一点を、レンズアレイの各レンズが画素に対して異なる位置に結像させる構成が開示されている。そして、このようにして得られた複数の小画像を再構成することで、再構成画像を高解像度化する。このような高解像度化手法を「画素ずらし効果」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Todor Georgiev,et al.,“Full Resolution Light Field Rendering”,Adobe Technical Report January 2008
【非特許文献2】Todor Georgiev、et al.,“Superresolution with Plenoptic 2.0 Camera”,2009 Optical Society of America
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献2では、高い解像度を得るために必要となる具体的な構成については何ら開示されていない。
【0006】
そこで本発明は、簡易な構成で高解像度のライトフィールドを取得可能な撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像素子と、被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、前記像側共役面と前記撮像素子が共役となるように配置されたレンズアレイとを有し、前記レンズアレイは所定の条件式を満たすように配置されている。
【0008】
本発明の他の側面としての撮像光学系は、撮像素子に被写体からの光線を集光する撮像光学系であって、被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、前記像側共役面と前記撮像素子が共役になるように配置されたレンズアレイを有し、前記レンズアレイは所定の条件式を満たすように配置されている。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成で高解像度のライトフィールドを取得可能な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1、3、4における撮像光学系の概略構成図である。
【図2】実施例2における撮像光学系の概略構成図である。
【図3】本実施形態における撮像装置のブロック図である。
【図4】本実施形態における画素ずらし効果の説明図である。
【図5】本実施形態における撮像光学系の配置の説明図である。
【図6】本実施形態における撮像素子上の像の説明図である。
【図7】距離σ1に対する画素ずれ量を表わす図である。
【図8】距離σ1に対する画素ずれの割合を示す図である。
【図9】実施形態における小レンズのオーバーラップ数の説明図である。
【図10】本実施形態における画素ずらし効果を含めた空間解像度の説明図である。
【図11】距離σ1と空間解像度比の関係を示す図である。
【図12】実施例1における撮像光学系の断面図である。
【図13】実施例2における撮像光学系の断面図である。
【図14】実施例3、4における撮像光学系の断面図である。
【図15】実施例4における画像処理システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
本実施形態の撮像装置は、レンズアレイを用いてライトフィールドを取得するように構成されており、レンズアレイを適切な位置に配置して効率的な高解像度化を実現することができる。まず図1及び図2を参照して、撮像装置(および、撮像装置から少なくとも撮像素子を除いて構成される撮像光学系)の概略構成について説明する。図1は後述の実施例1、3、4における撮像光学系の概略構成図であり、図2は後述の実施例2における撮像光学系の概略構成図である。
【0014】
図1及び図2に示されるように、撮像光学系は、開口絞り(不図示)を備えた主レンズ群101(光学系)を有する。また図2では、その結像面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202)より後方(像側)にレンズアレイ102及び撮像素子103が配置されている。レンズアレイ102は、主レンズ群101の像側共役面202と撮像素子103とがレンズアレイ102の一対の共役面に対応するように配置されている。
【0015】
被写体面201からの光線は、主レンズ群101及びレンズアレイ102を介して撮像素子103へ入射する。このとき、主レンズ群101の結んだ(集光作用により形成された)実像はレンズアレイ102により再結像され、被写体面201上での光線の位置と角度に応じてその光線が撮像素子103の異なる複数の画素に入射する。この結果、撮像素子103は、撮影視点と撮影範囲の異なる複数の小画像が並んだ画像を取得する。一方、図1では、レンズアレイ102が主レンズ群101の結像面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202)よりも前方(物体側)に配置され、ライトフィールドが取得される。しかし、いずれの場合でも被写体面201に対する主レンズ群101の像を、レンズアレイ102が物体として見てその像を撮像素子103へ結ぶため、本質的には同じである。
【0016】
次に、図3を参照して、本実施形態における撮像装置の構成について説明する。図3は、本実施形態における撮像装置のブロック図である。撮像素子103は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などの2次元撮像素子である。主レンズ群101及びレンズアレイ102を介して撮像素子103に入射した光線のエネルギーは電気信号(アナログ信号)となり、A/Dコンバータ104でデジタル信号へ変換される。このデジタル信号は、画像処理部105にて所定の処理が行われ、半導体メモリなどの画像記録媒体110に所定のフォーマットで保存される。この際、同時に状態検知部108から得られた撮像装置の撮像条件情報も保存される。撮影条件情報とは、撮影距離や絞り、ズームレンズにおける焦点距離などである。状態検知部108は、システムコントローラ111から撮影条件情報を直接得てもよいし、撮像光学系に関する情報に関しては光学系制御部107から得ることもできる。
【0017】
画像記録媒体110に保存された画像を表示部106に表示する際には、画像処理部105で撮影条件情報に基いた再構成処理が施される。その結果、表示部106には所望の視点、ピント位置や被写界深度に再構成された画像が表示される。また高速化のため、所望の画像設定(視点、ピント、被写界深度など)を予め記憶部109に保存し、画像記録媒体110を介さずに再構成画像を表示部106に直接表示させてもよい。さらに、画像記録媒体110に記録する画像は、再構成後の画像でもよい。以上の一連の制御は、システムコントローラ111により行われ、撮像光学系の機械的な駆動はシステムコントローラ111の指示によって光学系制御部107で行われる。
【0018】
続いて、レンズアレイ102の適切な位置について説明する。初めにライトフィールド取得に伴う解像度の劣化について述べ、次に画素ずらし効果による高解像度化に最適な条件を求める。また、画素ずらし効果に対するレンズアレイ102の配置敏感度を抑制する条件についても説明する。説明を分かりやすくするため、以下の計算は1次元に対して行う。2次元に対しても同様の計算で求められる。
【0019】
まず、図4を参照して、ライトフィールドを取得する撮像光学系の解像度劣化について説明する。図4(a)〜(c)は、本実施形態における画素ずらし効果の説明図であり、図2の一部を抜き出した図である。図4中の破線は、レンズアレイ102の各小レンズ(レンズセル)に対する画角を表す。従来のように光の2次元強度分布のみを取得する撮像光学系では、主レンズ群の被写体面に対する像側共役面に撮像素子が配されて撮影が行われる。このとき、画像の解像度は撮像素子の画素数と等しい。一方、本実施形態のようにライトフィールドを取得する撮像装置では、撮像素子の画素数と比較して解像度は低下する。
【0020】
図4(b)は、図4(a)での画素の光の2次元強度分布のみを取得する場合の撮像面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面)202へ投影した図である。図2の撮像光学系では、この投影されて大きくなった画素ピッチで被写体を撮像した解像度となる。このときの空間解像度は、元の撮像素子103からレンズアレイ102の倍率|σ2/σ1|倍(2次元ではその二乗倍)された値になる。ここで、σ1はレンズアレイ102の物体側主平面から主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202までの距離、σ2はレンズアレイ102の像側主平面から撮像素子103までの距離である。同一の撮像素子103で光の2次元強度分布のみを撮影する従来の撮像光学系と同等の撮影画角を確保するには、レンズアレイ102は縮小系である必要がある。拡大系のレンズアレイに対して同一の撮像素子103を用いると、光線の位置と角度両方の情報が従来の撮像光学系よりも増大する。そのため画素数が不足し、撮影領域が従来の撮像光学系より小さくなる。本実施形態では、レンズアレイ102が縮小系であるため、|σ1/σ2|>1が成立し、画像の解像度は撮像素子の画素数より低下する。
【0021】
次に、画素ずらし効果による空間解像度の向上について説明する。図4(a)に示されるように、主レンズ群101の被写体面(物体面)に対する像側共役面202上で、レンズアレイ102の各小レンズが見る画角はオーバーラップしている。画角がオーバーラップする小レンズの数を、小レンズのオーバーラップ数と呼ぶ。図4(a)では、3つの小レンズが、像側共役面202の一部の領域を投影しており、小レンズのオーバーラップ数は3である。
【0022】
図4(b)は、各小レンズに対応する撮像素子103の画素セットを主レンズ群101の像側共役面202に投影した図である。図4(b)に示されるように、投影画素が各々ずれていれば、それらを合成することで画素サイズを見かけ上小さくすることができ、再構成画像の高解像度化を図ることができる。
【0023】
つまり、隣接するレンズセルによって、像側共役面202に投影された画素が、投影された画素のピッチの整数倍とは異なる長さだけ互いにずれるように、レンズアレイ102を配置すればよい。これにより、高解像度化を図ることができる。言い換えれば、隣接するレンズセルによって投影される画素セットを、それぞれ第1投影画素セット、第2投影画素セットとする。このとき、第1投影画素セットを構成する画素と第2投影画素セットを構成する画素の投影位置が、一致しないように、レンズアレイ102を配置すればよい。さらに言い換えれば、隣接するレンズアレイ102それぞれによって投影された画素のうち、互いに同じ位置に投影される画素がないように、レンズアレイ102を配置すればよい。
【0024】
逆に、図4(c)に示されるように投影画素が一致する場合、画素ずらし効果を得ることはできず、高解像度化が図れない。画素ずらし効果によって最も高解像度化が図れるのは、画素がずれている割合が小レンズのオーバーラップ数に対応している時である。具体的に言えば、図4では小レンズのオーバーラップ数が3のため、画素ずれの割合が1/3或いは2/3ならば最も高解像度にすることができる。画素ずれの割合と小レンズのオーバーラップ数の関係については、後により詳細な説明を行う。
【0025】
では、距離σ1と画素ずれの割合との関係を求める。隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量は、レンズアレイ102のピッチΔLAを主レンズ群101の像側共役面202上に投影された画素のピッチで割った比|ΔLAσ2/(Δσ1)|で表される。ここでΔは撮像素子103の画素ピッチである。レンズアレイの配置に対する前記の画素ずれ量の振舞いを知るために、図5を用いてσ1、σ2が満たすべき条件を説明する。
【0026】
図5は図1の詳細な構成を表したものであり、図2の構成に関しても同様の関係が成り立つ。図5中のFは主レンズ群101のF値、Pexは主レンズ群101の射出瞳(近軸射出瞳)と主レンズ群101の像側共役面202との間の距離である。Nは正の実数で、主レンズ群101の瞳面の分割数を表す。Pex/(NF)が撮像素子103が取得する角度情報のサンプリングピッチとなる。図5からΔLAとσ1には以下の式(1)の関係があることが分かる。
【0027】
【数1】
【0028】
ここでσ1は、レンズアレイ102の物体側主平面が像側共役面202に対して、前方(物体側)にいる場合は正の値を、後方(像側)にいる場合は負の値をとるとする。図5中の一点鎖線はレンズアレイ102の小レンズの中心と該小レンズに対応した画素セットの端を結んだ直線であり、その直線の瞳面上での交点と瞳中心との距離は以下の式(2)で与えられる。
【0029】
【数2】
【0030】
ここでlrは撮像素子上での不感帯とクロストークの度合いを表すパラメータである。図6を用いて不感帯とクロストークについて説明する。
【0031】
図6(a)はlrが負の値を持つ場合の撮像素子103上における像の様子を描いたものである。白い部分が光線の入射する領域で、灰色の部分が不感帯と呼ばれ、光線が入射しない領域である。lrが小さくなるほど、不感帯が広がる。それは情報を取得しない画素が増えることを意味するため、できる限り不感帯は小さくなることが望ましい。逆にlrが正の値を持つ場合の撮像素子103上における像の様子を描いたものが図6(b)である。異なる小レンズを介して形成された像が重なり合っていることが分かる。この重なり合った領域では、被写体面201上で異なる位置と角度を持つ光線が同一の画素に入射しており、この現象をクロストークと呼ぶ。lrが大きくなるほど、クロストークする領域が広がる。クロストークが発生している画素はライトフィールドを取得できていないため、再構成に使用すると正しい画像が生成できなくなる。
【0032】
クロストークの起きている画素を画像再構成に使用しない場合は、クロストークの領域が広いほど使用できない画素が増えてしまう。よってクロストークしている領域はできる限り小さいことが望ましい。lrが0の時、不感帯とクロストークの発生が最も抑えられる。ただし現実の系では、収差によるベストピント位置のずれや、主レンズ群101のヴィネッティング、周辺光量落ちなどの影響により、lrが0から少しずれていても不感帯やクロストークの発生が抑えられる場合がある。
【0033】
図5と式(2)から、以下の式(3)が成り立つことが分かる。
【0034】
【数3】
【0035】
よって、隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量は式(1)と式(3)を用いて、以下の式(4)で与えられる。
【0036】
【数4】
【0037】
式(4)は、距離σ1に対する隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量の振舞いを表す式である。
【0038】
では、距離σ1の画素ずらし効果に対する敏感度について説明する。以下は図1の構成を例にとって説明するが、図2の構成に関しても同様の議論が成り立つ。式(4)から距離σ1に対する画素ずれ量は、図7のように表される。図7中の菱形の点は、小レンズに対応する画素セットの画素数が整数個になる解を表す。この解以外の距離σ1では、前述のクロストークが生じる。ただし、ある小レンズに対応した画素セットへ異なる小レンズからの光線が入射しないように、撮像素子103に壁面を設置すれば、小レンズに対応する画素セットが整数でなくともクロストークを抑えることができる。ここで画素の整数倍のずれは図4(c)に示されるように意味がないため、式(4)の整数部分は落として考えてよい。よって画素ずれの割合δは、以下のように表される。
【0039】
【数5】
【0040】
ここでz=mod(x,y)は、zがxをyで割った時の剰余に等しいことを表す。
【0041】
図8は、所定のパラメータを用いた場合において、式(5)により得られた距離σ1に対する画素ずれの割合δを示した図である。図8で用いたパラメータは、後述の実施例3のものである。理想的には、最も解像度が高くなる画素ずれの割合が得られる距離σ1の位置にレンズアレイ102を配置することが望ましい。しかし現実の系では、レンズアレイ102の配置に誤差が存在し、その誤差分だけ画素ずらし効果は小さくなる。そこで、誤差が発生しても画素ずらし効果が変化しにくい距離σ1の位置にレンズアレイ102を配置することが望ましい。式(4)と図7から、画素ずれの割合は距離σ1の2次関数で表されることが分かる。このため、図7のグラフの両端の傾きが急な部分を避けることで、距離σ1の誤差による画素ずらし効果の低下を抑制できる。これによって距離σ1の敏感度を抑制して、高解像度化を得やすくなる条件が導かれる。
【0042】
本実施形態において、レンズアレイ102を配置する位置は、以下の条件式(6)を満たす。
【0043】
【数6】
【0044】
式(6)を満足することによって、図1及び図2に示した構成を有する撮像装置において、高解像な画像を得ることができる。条件式(6)の上限または下限を超えると、距離σ1の誤差による解像度の劣化が起こりやすくなる。
【0045】
より望ましくは、以下の条件式(6a)の範囲とすることで、距離σ1の敏感度を抑えて高解像度化を図りやすくなる。
【0046】
【数7】
【0047】
さらに望ましくは、以下の条件式(6b)、(6c)の範囲とすることで、さらに距離σ1の敏感度を抑えて高解像度化を図りやすくなる。
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
【0050】
ただし、条件式(6)及び(6a)〜(6c)の値が1に近付くと、レンズアレイの倍率|σ2/σ1|が小さくなるため、撮像素子103で得られる画像の解像度が減少してしまう。理想的には、1/nの画素ずれを起こした小レンズがn個オーバーラップしていれば、解像度はn倍される。ここでnは正の整数である。しかし現実の系では、ノイズや主レンズ群101の収差の影響によって、画素ずらし効果による解像度の上昇量は理想系より小さくなる。よって、撮像素子103で得られる画像の解像度はある程度確保されていることが望ましい。また、図1で示された構成では条件式(6)の値が1に近付くと、レンズアレイが主レンズ群101に干渉してしまう場合が存在する。よって、より望ましくは、条件式(6)及び(6a)〜(6c)の上限を0.1小さくすることで、敏感度を抑えてさらに高解像度なライトフィールドを取得できる。
【0051】
次に、画素ずらし効果が得られる条件を考える。前述の通り、式(4)で表される隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量が整数になると、図4(c)に示したように画素ずらし効果は得られない。よって、レンズアレイ102の各小レンズを介して、撮像素子103の画素を像側共役面202上へ投影した際、隣接する2つの小レンズの投影画素のずれが、投影画素の整数倍とならないようにレンズアレイ102を配置すればよい。
【0052】
では、さらに高い画素ずらし効果を得るための条件を求める。そのためにまず小レンズのオーバーラップ数を見積もる。図9は、図4(b)に示される小レンズの番号jを横軸、主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202上の座標yを縦軸に取ったグラフである。ここで、j=0はレンズアレイ102の任意の小レンズとしてよい。図9中のy軸に平行な直線は、それぞれj番目の小レンズに対応した画素セットを像側共役面202へ投影した場合の座標を表す。これらの直線の上限を結んだものが一点鎖線Aであり、下限を結んだものが一点鎖線Bである。一点鎖線Aはy=ΔLA{j+|σ1/(2σ2)|}で与えられ、また一点鎖線Bはy=ΔLA{j−|σ1/(2σ2)|}で与えられる。オーバーラップする小レンズの数は、一点鎖線Aと一点鎖線Bのj方向の間隔に対応しており、j=0の小レンズもカウントすると|σ1/σ2|+1個程度と見積もることができる。
【0053】
続いて、画素ずらし効果を含めた空間解像度を求める。先にも述べた通り、現実の系では画素ずらし効果による解像度の上昇量は理想系より小さくなる。しかし説明を簡単にするため、本実施形態では、理想系として解像度の上昇について説明する。最終的な解像度は、画素ずらし効果によって見かけ上小さくなった画素の中で、最も大きい画素によって決定されると定義する。またその画素サイズを見かけの画素の最大値と呼ぶこととする。
【0054】
例えば、小レンズのオーバーラップ数が8で、式(5)で表される隣接した小レンズの画素ずれの割合δが0.45の時、8つの小レンズのそれぞれの画素ずれは0、0.45、0.90、0.35、0.80、0.25、0.70、0.15となる。この場合、解像度を決める見かけの画素の最大値は0.70−0.45=0.25となる。次にオーバーラップ数が同じで、δが3/8の場合を考える。この時8つの小レンズのそれぞれの画素ずれは0、3/8、6/8、1/8、4/8、7/8、2/8、5/8となる。この場合、見かけの画素の最大値は1/8となり、小レンズのオーバーラップ数の逆数と一致する。よって、隣接した小レンズが投影する画素のずれの割合が、小レンズのオーバーラップ数の逆数と一致する場合、最も高い画素ずらし効果が得られていることとなる。これは式(5)で表されるδが、1/8、5/8、7/8の場合でも同じである。ただしδが2/8、4/8、6/8の場合は画素ずらし効果が低下する。例としてδが2/8の場合を考える。この時、オーバーラップした8つの小レンズのそれぞれの画素ずれは0、2/8、4/8、6/8、0、2/8、4/8、6/8となり、画素が互いに重なることで見かけの画素の最大値が2/8=1/4となる。よってδが1/8、3/8、5/8、7/8の時に対して、画素ずらし効果は半分になってしまう。
【0055】
このことから、式(5)で与えられるδがm0/M0に等しい時、最大の画素ずらし効果が得られると分かる。ここでM0は小レンズのオーバーラップ数であり、m0はM0より小さく、かつM0との最大公約数が1となる整数である。M0は前述したように|σ1/σ2|+1程度と見積もることができ、δがm0/M0に近いほど画素ずらし効果は高くなる。
【0056】
図10は、図8と同様のパラメータにおいて、距離σ1に対する見かけの画素の最大値と小レンズのオーバーラップ数の逆数の関係を示した図である。菱形の点で表される見かけの画素の最大値と、破線で表された小レンズのオーバーラップ数の逆数が近い距離σ1ほど、画素ずらし効果が高く、再構成画像の解像度が上昇する。逆に見かけの画素の最大値と、小レンズのオーバーラップ数の逆数が離れている距離σ1では、高い画素ずらし効果は得られない。図11は図8と同様のパラメータを用いた場合の、距離σ1と空間解像度比の関係である。縦軸の空間解像度比は、再構成画像の空間解像度を撮像素子の画素数で規格化したものである。図10で菱形の点と小レンズのオーバーラップ数の逆数が近い距離σ1ほど、画素ずらし効果を含めた解像度が高いことが分かる。逆に、図10で見かけの画素の最大値が1に近い距離σ1では、画素ずらし効果による解像度上昇がほとんどない。また前述の通り、距離|σ1|がPex/2に近いほど空間解像度比の振動が緩やかになり、レンズアレイの敏感度が抑制されていることが読み取れる。
【0057】
以上から、画素ずらし効果による解像度の上昇を効率的に得るための条件式(7)が求められる。
【0058】
【数10】
【0059】
ここでMは次の条件式(8)を満たす整数である。
【0060】
【数11】
【0061】
またmはMより小さく、かつMとの最大公約数が1となる整数である。条件式(7)と条件式(8)は、画素ずらし効果の大きさを表し、条件式(7)及び条件式(8)を満たすことで再構成画像の高解像度化を実現できる。条件式(7)及び条件式(8)の上限または下限を超えると、十分な画素ずらし効果が得られず、空間解像度の向上が不十分となる。
【0062】
より望ましくは、以下の条件式(7a)の範囲とすることで、より高解像度化を図ることができる。
【0063】
【数12】
【0064】
さらに望ましくは以下の条件式(7b)の範囲とすることで、更なる高解像度化を図ることができる。
【0065】
【数13】
【0066】
また望ましくは以下の条件式(8a)、更には条件式(8b)の範囲とすることで、より高い画素ずらし効果を得られる。
【0067】
【数14】
【0068】
【数15】
【0069】
また、レンズアレイ102を構成する小レンズの像側の面は、凸形状であることが望ましい。これにより、レンズアレイ102の非点収差を抑え、解像度に対する敏感度を下げることができる。逆に、像側面が凸形状でない場合は非点収差が大きくなり、各小レンズによって形成される画像の周辺部がぼけてしまう。この画像のぼけた部分を再構成処理に使用すると、再構成によって得られた画像が鮮鋭に形成されなくなる。また、レンズアレイ102を構成する小レンズの物体側の面は、平面又は凸形状であることがより望ましい。これにより、小レンズの曲率が緩まって収差が抑制され、更に敏感度を下げることができる。
【0070】
またレンズアレイ102は、主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202よりも物体側に位置していることが望ましい。図1、2の比較から分かるように、図1の場合は図2の場合よりも撮像光学系の全長を縮小化できるためである。また図1は、軸外光線がレンズアレイ102及び撮像素子103に入射する像高が図2に比べて小さい。以上のとおり、図1のように配置することで撮像光学系の小型化を図ることができる。
【0071】
本発明のその他の効果は、レンズアレイと撮像素子との関係が適切な条件を満足することによって、光学的に解像度を向上させた画像を得ることができる点にある。
【0072】
図1及び図2で示される撮像光学系において、撮像素子では撮影視点と撮影領域が異なる小画像が並んだ画像が得られる。これらの画像の全て又は一部の重み付けや、ずらして重ね合わせる方法(再構成方法)により、ピント位置やF値、視点を変更した画像を得ることができる。例えば、“Light Field Photography with a Hand−held Plenoptic Camera”(Ren Ng,et al.,Stanford Tech Report CTSR 2005−02)に記載されている。このため、ここでの説明は省略する。上記文献と本実施形態の構成は少し異なるが、主レンズ群の瞳を分割していることは同じであるため、本質的に差異はない。このため、同様の再構成法でピント位置や被写界深度、撮影視点を変更した画像を生成できる。この際にも、画素ずらし効果を使用することで、再構成後の画像の高解像度化が可能である。また、再構成処理は撮像装置とは別の画像処理装置で行ってもよい。
【0073】
なお、図1と図2に表された被写体面201上には、人物や物体が必ずしも存在していなくてよい。これは、再構成処理によって、被写体面201より奥、或いは手前に存在する人物や物体に、撮影後でもピントを合わせることができるためである。また、主レンズ群101は1枚のレンズからなるものも含む。
【実施例1】
【0074】
次に、図12を参照して、実施例1における撮像装置(撮像光学系)について説明する。図12は、本実施例における撮像光学系の断面図である。図12において、主レンズ群101は単焦点レンズであり、撮影時にF値を制御する開口絞りSPを備えている。ただし、より多くの視差情報を得るために、開口径は大きい方が望ましい。本実施例では、F値は撮影後に再構成によって変更できるため、開口径は固定でもよい。
【0075】
また、主レンズ群101は仕様に応じてフォーカス機構を有する。フォーカス機構を有する場合には、不図示のオートフォーカス(AF)機構やマニュアルフォーカス機構によりレンズ位置が制御される。本実施例では、画像処理によって撮影後にピント位置調整(リフォーカス)が可能であるが、開口径が有限のため撮像素子103で得られる視差情報は有限である。このため、リフォーカスが可能な範囲も有限となる。撮影時のフォーカス位置を変化することで、可能なリフォーカス範囲を深度方向にシフトさせることができる。
【0076】
レンズアレイ102は正の屈折力を有し、両面が凸形状の球面固体レンズで構成されている。レンズアレイ102の小レンズは表裏のいずれかは平面でもよく、また、非球面の曲面でもよい。また液体レンズ、液晶レンズ、回折光学素子などが並んで構成されていてもよい。レンズアレイ102は、主レンズ群101により形成された像を虚物体として見ることで、撮像素子103に像を結像する。
【0077】
本実施例において、主レンズ群101の射出瞳から主レンズ群101の像側共役面202までの距離Pex=66.4357(mm)、レンズアレイ102のピッチΔLA=4.3559(mm)、撮像素子103の画素ピッチΔ=0.0043(mm)である。また、レンズアレイ102は、距離σ1=37.7657(mm)、距離σ2=5.4325(mm)となるように配置されている。このような構成により、高い画素ずらし効果が得られ、画像の高解像度化を図ることができる。更に、レンズアレイ102の画素ずらし効果に対する配置敏感度も抑制される。また、F値やピント位置、被写界深度を変更した再構成画像に対しても、画素ずらし効果を用いて高解像度化することができる。画像の再構成時に、MAP(Maximum a posteriori)推定などの画像推定を併用して、更なる高解像度化を図ってもよい。
【実施例2】
【0078】
次に、図13を参照して、実施例2における撮像装置(撮像光学系)について説明する。図13は、本実施例における撮像光学系の断面図である。図13において、主レンズ群101は単焦点レンズである。レンズアレイ102は、物体側に平面状で像側に凸形状の面で構成され、主レンズ群101が形成した像を撮像素子103へ再結像する。
【0079】
本実施例において、主レンズ群101の射出瞳から主レンズ群101の像側共役面202までの距離Pex=66.4357(mm)、レンズアレイ102のピッチΔLA=0.3784(mm)、撮像素子103の画素ピッチΔ=0.0043(mm)である。レンズアレイ102は、距離σ1=−5.4679(mm)、距離σ2=1.0036(mm)となるように配置されている。レンズアレイ102の撮像素子103に対する共役面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202)がレンズアレイ102より物体側に存在するため、距離σ1は負の値となる。
【0080】
本実施例によれば、レンズアレイの配置敏感度を抑えつつ、画素ずらし効果による効率的な高解像度化を実現した撮像装置を提供することができる。
【実施例3】
【0081】
次に、図14を参照して、実施例3における撮像装置(撮像光学系)について説明する。図14は、本実施例における撮像光学系の断面図である。図14において、主レンズ群101はズームレンズであり、レンズアレイ102は両凸の正レンズで構成され、主レンズ群101が形成した像を虚物体として見ることで、撮像素子103へ像を結像している。
【0082】
主レンズ群101は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1、正の屈折力を有する第2レンズ群L2、負の屈折力を有する第3レンズ群L3、正の屈折力を有する第4レンズ群L4、及び、正の屈折力を有する第5レンズ群L5で構成されている。変倍時に第1レンズ群L2と第5レンズ群L5が固定され、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、及び、第4レンズ群L4が光軸上を移動する。
【0083】
本実施例において、主レンズ群101の広角端では、主レンズ群101の射出瞳から主レンズ群101の像側共役面202までの距離Pex =133.8129(mm)である。また、レンズアレイ102のピッチΔLA=1.9776(mm)、撮像素子103の画素ピッチΔ=0.0064(mm)である。これらのパラメータとN=7、lr=0.5を用いて、画像ずれ割合δと画素ずらし効果を含めた解像度を示したのが前述の図7及び図9である。レンズアレイ102の小レンズには開口絞り(不図示)が設置されているため、lr=0.5でもクロストークは起きない。またレンズアレイ102は、距離σ1=40.1453(mm)、距離σ2=4.0145(mm)となるように配置されている。
【0084】
本実施例によれば、レンズアレイの配置敏感度を抑えつつ、画素ずらし効果による効率的な高解像度化を実現した撮像装置を提供することができる。
【実施例4】
【0085】
次に、図15を参照して、実施例4における撮像装置について説明する。図15は、本実施例における画像処理システムの構成図である。図15に示されるように、画像処理システムは撮像装置301を備えている。撮像装置301は、図14で示される実施例3の撮像光学系を有する。画像処理装置302は、前述の画像再構成を行うコンピュータ機器である。撮像装置301で取得された画像は、画像処理装置302にて所定の再構成処理が行われ、出力機器305、表示機器304、記憶媒体303のいずれか又は複数に出力される。記憶媒体303は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク、ネットワーク上のサーバーなどである。出力機器305は、例えばプリンタである。画像処理装置302には表示機器304が接続され、再構成された画像が表示機器304へ入力される。ユーザーは、表示機器304を介して再構成された画像を確認しながら作業を行うことができる。
【0086】
画像処理ソフトウェア306は、前述の再構成処理の他に、必要に応じて現像処理やその他の画像処理を行う機能を有する。表示機器304は、例えば液晶ディスプレイやプロジェクタなどである。特に、表示機器304がDMD(Digital Micro−mirror Device)を使用したDLP(Digital Light Processor)タイプのプロジェクタの場合、プロジェクタ内の光学系は図14と同様の構成にしてもよい。このとき、プロジェクタ内の光学系は、図14の撮像素子103の代わりにDMDを配置した構成を採用することができる。この場合、表示機器304には再構成画像を入力するのではなく、撮像装置301の撮像素子103で得られた画像をそのまま入力すればよい。画像投射時に撮像時と逆の変換が行われるため、スクリーン上には自動的に再構成された画像が出力される。また、DMDのレンズアレイ102に対する共役面で画素ずらし効果が発生するため、出力画像を同様に高解像度化することが可能である。本実施例によれば、レンズアレイの配置敏感度を抑え、効率的な高解像度化を実現した撮像装置及び画像処理システムを提供することができる。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されたものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形、及び変更が可能である。例えば他の実施形態として、撮像素子を有する撮像装置に着脱可能な撮像光学系に対して本発明を適用しても、撮像光学系と撮像素子が上記説明の関係を満足することにより、簡易な構成で高解像度のライトフィールドを取得可能な撮像光学系を提供することができる。
【0088】
上記各実施例(実施例1〜4)における主レンズ群の数値データ(数値実施例)を以下に示す。iは物体側からの面の順序を示し、riは第i面の曲率半径、diは第i面と第i+1面間のレンズ肉厚或いは空気間隔、niとνiはそれぞれd線に対する屈折率とアッベ(Abbe)数を表す。また表1に、各数値実施例(実施例1〜4)における条件式(6)、(7)、(8)の値を示す。
[数値実施例]
(実施例1、実施例2)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 89.763 1.80 1.84666 23.8 40.57
2 35.283 9.50 1.58913 61.2 38.63
3 -104.031 0.15 38.18
4 45.845 3.80 1.77250 49.6 34.85
5 205.586 1.60 34.09
6 190.384 1.50 1.80010 35.0 32.16
7 57.059 3.26 30.16
8 -88.455 1.50 1.56873 63.2 30.22
9 23.683 3.50 1.84666 23.8 28.33
10 37.253 19.26 27.84
11 -380.953 3.00 1.84666 23.8 28.98
12 -70.178 10.00 29.11
13 ∞ 22.12 26.48
14 -37.638 1.20 1.78472 25.7 21.81
15 57.202 4.30 1.52249 59.8 22.35
16 -38.872 0.30 22.71
17 -249.784 2.50 1.77250 49.6 22.78
18 -59.162 0.20 22.89
19 56.254 3.50 1.80400 46.6 22.42
20 -100.510 1.50 21.91
21 -109.205 2.80 1.84666 23.8 20.71
22 -44.064 0.16 20.09
23 -42.571 1.20 1.60311 60.6 19.94
24 41.456 8.27 18.54
25 -84.040 7.29 1.62230 53.2 15.96
26 -19.904 0.15 15.00
27 -19.678 2.00 1.59270 35.3 14.85
28 -118.544 0.00 14.29
29 ∞ (可変) 14.22
像面 ∞
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 99.96
Fナンバー 2.89
画角 8.31
像高 14.60
レンズ全長 156.82
BF 40.46
d29 40.46
入射瞳位置 117.08
射出瞳位置 -25.97
前側主点位置 66.63
後側主点位置 -59.50
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 99.96 116.36 66.63 -59.50
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -69.72
2 2 45.88
3 4 75.59
4 6 -102.35
5 8 -32.69
6 9 68.67
7 11 101.16
8 14 -28.77
9 15 44.99
10 17 99.78
11 19 45.31
12 21 85.56
13 23 -34.64
14 25 40.16
15 27 -40.11
(実施例3、実施例4)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 124.447 2.80 1.74950 35.0 69.47
2 75.819 0.15 66.70
3 75.787 12.51 1.49700 81.6 66.68
4 -374.867 0.10 65.27
5 78.754 3.65 1.49700 81.6 62.96
6 102.655 (可変) 62.09
7 54.676 2.20 1.84666 23.8 49.13
8 47.526 1.22 47.37
9 55.346 7.65 1.48749 70.2 47.31
10 1833.147 (可変) 46.11
11 -401.208 1.40 1.80400 46.6 34.13
12 38.875 6.37 32.30
13 -92.113 1.34 1.48749 70.2 32.44
14 39.755 5.23 1.85026 32.3 33.61
15 292.638 4.06 33.53
16 -71.105 4.46 1.84666 23.8 33.56
17 -36.898 1.00 1.72000 46.0 34.09
18 311.857 (可変) 35.08
19 141.625 3.59 1.71300 53.9 35.92
20 -238.303 0.15 36.12
21 431.096 5.95 1.49700 81.6 36.23
22 -48.826 1.00 1.85026 32.3 36.30
23 -140.339 (可変) 36.87
24 81.141 3.98 1.80400 46.6 37.24
25 19006.920 1.15 36.96
26(絞り) ∞ 15.08 36.64
27 45.384 7.49 1.49700 81.6 31.66
28 -839.909 5.33 1.62588 35.7 29.72
29 39.178 23.47 26.68
30 139.400 5.78 1.50378 66.8 25.86
31 -105.607 7.43 26.94
32 -40.699 1.00 1.80100 35.0 28.35
33 -79.231 0.15 29.36
34 115.417 4.09 1.83400 37.2 30.71
35 -493.918 (可変) 31.15
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.67
広角 中間 望遠
焦点距離 72.49 99.90 193.91
Fナンバー 2.90 2.90 2.90
画角 16.59 12.20 6.36
像高 21.60 21.60 21.60
レンズ全長 243.50 243.51 243.49
BF 52.10 52.11 52.08
d 6 8.38 11.42 33.14
d10 1.59 10.49 16.84
d18 30.54 23.46 1.50
d23 11.11 6.25 0.15
d35 52.10 52.11 52.08
入射瞳位置 96.84 140.42 236.01
射出瞳位置 -81.71 -81.71 -81.71
前側主点位置 130.06 165.74 148.88
後側主点位置 -20.39 -47.79 -141.83
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 179.99 19.21 2.38 -10.26
2 7 155.92 11.07 -0.28 -7.84
3 11 -27.99 23.86 4.82 -11.76
4 19 124.89 10.69 0.62 -6.15
5 24 86.42 74.95 21.42 -59.06
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -265.43
2 3 128.02
3 5 647.74
4 7 -499.75
5 9 116.90
6 11 -44.02
7 13 -56.78
8 14 53.60
9 16 85.48
10 17 -45.77
11 19 125.08
12 21 88.61
13 22 -88.51
14 24 101.34
15 27 86.88
16 28 -59.67
17 30 120.22
18 32 -105.70
19 34 112.52
【0089】
【表1】
【符号の説明】
【0090】
101 主レンズ群
102 レンズアレイ
103 撮像素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイを備えた撮像装置、および撮像光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像素子で取得されたデータから演算を行い、それに応じたデジタル画像処理を行うことで様々な画像の出力を行う撮像装置が提案されている。非特許文献1、2には、「Light Field Photography」を用いて、被写体面上での2次元的な光の強度分布と視差情報(合わせて「ライトフィールド」という。)を同時に取得する「Plenoptic 2.0 Camera」が開示されている。このような撮像装置によれば、ライトフィールドを取得して撮影後に画像処理を行うことにより、画像のピント位置や被写界深度等を変更することができる。
【0003】
しかし、このような撮像装置は、撮像素子の画素を光の2次元強度分布の保存に加え、視差情報の保存にも利用する必要がある。このため、光の2次元強度分布のみを記憶する撮像装置に対して、空間解像度が低下する。そこで非特許文献2には、主レンズ群によって形成された像面のある一点を、レンズアレイの各レンズが画素に対して異なる位置に結像させる構成が開示されている。そして、このようにして得られた複数の小画像を再構成することで、再構成画像を高解像度化する。このような高解像度化手法を「画素ずらし効果」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Todor Georgiev,et al.,“Full Resolution Light Field Rendering”,Adobe Technical Report January 2008
【非特許文献2】Todor Georgiev、et al.,“Superresolution with Plenoptic 2.0 Camera”,2009 Optical Society of America
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献2では、高い解像度を得るために必要となる具体的な構成については何ら開示されていない。
【0006】
そこで本発明は、簡易な構成で高解像度のライトフィールドを取得可能な撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像素子と、被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、前記像側共役面と前記撮像素子が共役となるように配置されたレンズアレイとを有し、前記レンズアレイは所定の条件式を満たすように配置されている。
【0008】
本発明の他の側面としての撮像光学系は、撮像素子に被写体からの光線を集光する撮像光学系であって、被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、前記像側共役面と前記撮像素子が共役になるように配置されたレンズアレイを有し、前記レンズアレイは所定の条件式を満たすように配置されている。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成で高解像度のライトフィールドを取得可能な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1、3、4における撮像光学系の概略構成図である。
【図2】実施例2における撮像光学系の概略構成図である。
【図3】本実施形態における撮像装置のブロック図である。
【図4】本実施形態における画素ずらし効果の説明図である。
【図5】本実施形態における撮像光学系の配置の説明図である。
【図6】本実施形態における撮像素子上の像の説明図である。
【図7】距離σ1に対する画素ずれ量を表わす図である。
【図8】距離σ1に対する画素ずれの割合を示す図である。
【図9】実施形態における小レンズのオーバーラップ数の説明図である。
【図10】本実施形態における画素ずらし効果を含めた空間解像度の説明図である。
【図11】距離σ1と空間解像度比の関係を示す図である。
【図12】実施例1における撮像光学系の断面図である。
【図13】実施例2における撮像光学系の断面図である。
【図14】実施例3、4における撮像光学系の断面図である。
【図15】実施例4における画像処理システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
本実施形態の撮像装置は、レンズアレイを用いてライトフィールドを取得するように構成されており、レンズアレイを適切な位置に配置して効率的な高解像度化を実現することができる。まず図1及び図2を参照して、撮像装置(および、撮像装置から少なくとも撮像素子を除いて構成される撮像光学系)の概略構成について説明する。図1は後述の実施例1、3、4における撮像光学系の概略構成図であり、図2は後述の実施例2における撮像光学系の概略構成図である。
【0014】
図1及び図2に示されるように、撮像光学系は、開口絞り(不図示)を備えた主レンズ群101(光学系)を有する。また図2では、その結像面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202)より後方(像側)にレンズアレイ102及び撮像素子103が配置されている。レンズアレイ102は、主レンズ群101の像側共役面202と撮像素子103とがレンズアレイ102の一対の共役面に対応するように配置されている。
【0015】
被写体面201からの光線は、主レンズ群101及びレンズアレイ102を介して撮像素子103へ入射する。このとき、主レンズ群101の結んだ(集光作用により形成された)実像はレンズアレイ102により再結像され、被写体面201上での光線の位置と角度に応じてその光線が撮像素子103の異なる複数の画素に入射する。この結果、撮像素子103は、撮影視点と撮影範囲の異なる複数の小画像が並んだ画像を取得する。一方、図1では、レンズアレイ102が主レンズ群101の結像面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202)よりも前方(物体側)に配置され、ライトフィールドが取得される。しかし、いずれの場合でも被写体面201に対する主レンズ群101の像を、レンズアレイ102が物体として見てその像を撮像素子103へ結ぶため、本質的には同じである。
【0016】
次に、図3を参照して、本実施形態における撮像装置の構成について説明する。図3は、本実施形態における撮像装置のブロック図である。撮像素子103は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などの2次元撮像素子である。主レンズ群101及びレンズアレイ102を介して撮像素子103に入射した光線のエネルギーは電気信号(アナログ信号)となり、A/Dコンバータ104でデジタル信号へ変換される。このデジタル信号は、画像処理部105にて所定の処理が行われ、半導体メモリなどの画像記録媒体110に所定のフォーマットで保存される。この際、同時に状態検知部108から得られた撮像装置の撮像条件情報も保存される。撮影条件情報とは、撮影距離や絞り、ズームレンズにおける焦点距離などである。状態検知部108は、システムコントローラ111から撮影条件情報を直接得てもよいし、撮像光学系に関する情報に関しては光学系制御部107から得ることもできる。
【0017】
画像記録媒体110に保存された画像を表示部106に表示する際には、画像処理部105で撮影条件情報に基いた再構成処理が施される。その結果、表示部106には所望の視点、ピント位置や被写界深度に再構成された画像が表示される。また高速化のため、所望の画像設定(視点、ピント、被写界深度など)を予め記憶部109に保存し、画像記録媒体110を介さずに再構成画像を表示部106に直接表示させてもよい。さらに、画像記録媒体110に記録する画像は、再構成後の画像でもよい。以上の一連の制御は、システムコントローラ111により行われ、撮像光学系の機械的な駆動はシステムコントローラ111の指示によって光学系制御部107で行われる。
【0018】
続いて、レンズアレイ102の適切な位置について説明する。初めにライトフィールド取得に伴う解像度の劣化について述べ、次に画素ずらし効果による高解像度化に最適な条件を求める。また、画素ずらし効果に対するレンズアレイ102の配置敏感度を抑制する条件についても説明する。説明を分かりやすくするため、以下の計算は1次元に対して行う。2次元に対しても同様の計算で求められる。
【0019】
まず、図4を参照して、ライトフィールドを取得する撮像光学系の解像度劣化について説明する。図4(a)〜(c)は、本実施形態における画素ずらし効果の説明図であり、図2の一部を抜き出した図である。図4中の破線は、レンズアレイ102の各小レンズ(レンズセル)に対する画角を表す。従来のように光の2次元強度分布のみを取得する撮像光学系では、主レンズ群の被写体面に対する像側共役面に撮像素子が配されて撮影が行われる。このとき、画像の解像度は撮像素子の画素数と等しい。一方、本実施形態のようにライトフィールドを取得する撮像装置では、撮像素子の画素数と比較して解像度は低下する。
【0020】
図4(b)は、図4(a)での画素の光の2次元強度分布のみを取得する場合の撮像面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面)202へ投影した図である。図2の撮像光学系では、この投影されて大きくなった画素ピッチで被写体を撮像した解像度となる。このときの空間解像度は、元の撮像素子103からレンズアレイ102の倍率|σ2/σ1|倍(2次元ではその二乗倍)された値になる。ここで、σ1はレンズアレイ102の物体側主平面から主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202までの距離、σ2はレンズアレイ102の像側主平面から撮像素子103までの距離である。同一の撮像素子103で光の2次元強度分布のみを撮影する従来の撮像光学系と同等の撮影画角を確保するには、レンズアレイ102は縮小系である必要がある。拡大系のレンズアレイに対して同一の撮像素子103を用いると、光線の位置と角度両方の情報が従来の撮像光学系よりも増大する。そのため画素数が不足し、撮影領域が従来の撮像光学系より小さくなる。本実施形態では、レンズアレイ102が縮小系であるため、|σ1/σ2|>1が成立し、画像の解像度は撮像素子の画素数より低下する。
【0021】
次に、画素ずらし効果による空間解像度の向上について説明する。図4(a)に示されるように、主レンズ群101の被写体面(物体面)に対する像側共役面202上で、レンズアレイ102の各小レンズが見る画角はオーバーラップしている。画角がオーバーラップする小レンズの数を、小レンズのオーバーラップ数と呼ぶ。図4(a)では、3つの小レンズが、像側共役面202の一部の領域を投影しており、小レンズのオーバーラップ数は3である。
【0022】
図4(b)は、各小レンズに対応する撮像素子103の画素セットを主レンズ群101の像側共役面202に投影した図である。図4(b)に示されるように、投影画素が各々ずれていれば、それらを合成することで画素サイズを見かけ上小さくすることができ、再構成画像の高解像度化を図ることができる。
【0023】
つまり、隣接するレンズセルによって、像側共役面202に投影された画素が、投影された画素のピッチの整数倍とは異なる長さだけ互いにずれるように、レンズアレイ102を配置すればよい。これにより、高解像度化を図ることができる。言い換えれば、隣接するレンズセルによって投影される画素セットを、それぞれ第1投影画素セット、第2投影画素セットとする。このとき、第1投影画素セットを構成する画素と第2投影画素セットを構成する画素の投影位置が、一致しないように、レンズアレイ102を配置すればよい。さらに言い換えれば、隣接するレンズアレイ102それぞれによって投影された画素のうち、互いに同じ位置に投影される画素がないように、レンズアレイ102を配置すればよい。
【0024】
逆に、図4(c)に示されるように投影画素が一致する場合、画素ずらし効果を得ることはできず、高解像度化が図れない。画素ずらし効果によって最も高解像度化が図れるのは、画素がずれている割合が小レンズのオーバーラップ数に対応している時である。具体的に言えば、図4では小レンズのオーバーラップ数が3のため、画素ずれの割合が1/3或いは2/3ならば最も高解像度にすることができる。画素ずれの割合と小レンズのオーバーラップ数の関係については、後により詳細な説明を行う。
【0025】
では、距離σ1と画素ずれの割合との関係を求める。隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量は、レンズアレイ102のピッチΔLAを主レンズ群101の像側共役面202上に投影された画素のピッチで割った比|ΔLAσ2/(Δσ1)|で表される。ここでΔは撮像素子103の画素ピッチである。レンズアレイの配置に対する前記の画素ずれ量の振舞いを知るために、図5を用いてσ1、σ2が満たすべき条件を説明する。
【0026】
図5は図1の詳細な構成を表したものであり、図2の構成に関しても同様の関係が成り立つ。図5中のFは主レンズ群101のF値、Pexは主レンズ群101の射出瞳(近軸射出瞳)と主レンズ群101の像側共役面202との間の距離である。Nは正の実数で、主レンズ群101の瞳面の分割数を表す。Pex/(NF)が撮像素子103が取得する角度情報のサンプリングピッチとなる。図5からΔLAとσ1には以下の式(1)の関係があることが分かる。
【0027】
【数1】
【0028】
ここでσ1は、レンズアレイ102の物体側主平面が像側共役面202に対して、前方(物体側)にいる場合は正の値を、後方(像側)にいる場合は負の値をとるとする。図5中の一点鎖線はレンズアレイ102の小レンズの中心と該小レンズに対応した画素セットの端を結んだ直線であり、その直線の瞳面上での交点と瞳中心との距離は以下の式(2)で与えられる。
【0029】
【数2】
【0030】
ここでlrは撮像素子上での不感帯とクロストークの度合いを表すパラメータである。図6を用いて不感帯とクロストークについて説明する。
【0031】
図6(a)はlrが負の値を持つ場合の撮像素子103上における像の様子を描いたものである。白い部分が光線の入射する領域で、灰色の部分が不感帯と呼ばれ、光線が入射しない領域である。lrが小さくなるほど、不感帯が広がる。それは情報を取得しない画素が増えることを意味するため、できる限り不感帯は小さくなることが望ましい。逆にlrが正の値を持つ場合の撮像素子103上における像の様子を描いたものが図6(b)である。異なる小レンズを介して形成された像が重なり合っていることが分かる。この重なり合った領域では、被写体面201上で異なる位置と角度を持つ光線が同一の画素に入射しており、この現象をクロストークと呼ぶ。lrが大きくなるほど、クロストークする領域が広がる。クロストークが発生している画素はライトフィールドを取得できていないため、再構成に使用すると正しい画像が生成できなくなる。
【0032】
クロストークの起きている画素を画像再構成に使用しない場合は、クロストークの領域が広いほど使用できない画素が増えてしまう。よってクロストークしている領域はできる限り小さいことが望ましい。lrが0の時、不感帯とクロストークの発生が最も抑えられる。ただし現実の系では、収差によるベストピント位置のずれや、主レンズ群101のヴィネッティング、周辺光量落ちなどの影響により、lrが0から少しずれていても不感帯やクロストークの発生が抑えられる場合がある。
【0033】
図5と式(2)から、以下の式(3)が成り立つことが分かる。
【0034】
【数3】
【0035】
よって、隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量は式(1)と式(3)を用いて、以下の式(4)で与えられる。
【0036】
【数4】
【0037】
式(4)は、距離σ1に対する隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量の振舞いを表す式である。
【0038】
では、距離σ1の画素ずらし効果に対する敏感度について説明する。以下は図1の構成を例にとって説明するが、図2の構成に関しても同様の議論が成り立つ。式(4)から距離σ1に対する画素ずれ量は、図7のように表される。図7中の菱形の点は、小レンズに対応する画素セットの画素数が整数個になる解を表す。この解以外の距離σ1では、前述のクロストークが生じる。ただし、ある小レンズに対応した画素セットへ異なる小レンズからの光線が入射しないように、撮像素子103に壁面を設置すれば、小レンズに対応する画素セットが整数でなくともクロストークを抑えることができる。ここで画素の整数倍のずれは図4(c)に示されるように意味がないため、式(4)の整数部分は落として考えてよい。よって画素ずれの割合δは、以下のように表される。
【0039】
【数5】
【0040】
ここでz=mod(x,y)は、zがxをyで割った時の剰余に等しいことを表す。
【0041】
図8は、所定のパラメータを用いた場合において、式(5)により得られた距離σ1に対する画素ずれの割合δを示した図である。図8で用いたパラメータは、後述の実施例3のものである。理想的には、最も解像度が高くなる画素ずれの割合が得られる距離σ1の位置にレンズアレイ102を配置することが望ましい。しかし現実の系では、レンズアレイ102の配置に誤差が存在し、その誤差分だけ画素ずらし効果は小さくなる。そこで、誤差が発生しても画素ずらし効果が変化しにくい距離σ1の位置にレンズアレイ102を配置することが望ましい。式(4)と図7から、画素ずれの割合は距離σ1の2次関数で表されることが分かる。このため、図7のグラフの両端の傾きが急な部分を避けることで、距離σ1の誤差による画素ずらし効果の低下を抑制できる。これによって距離σ1の敏感度を抑制して、高解像度化を得やすくなる条件が導かれる。
【0042】
本実施形態において、レンズアレイ102を配置する位置は、以下の条件式(6)を満たす。
【0043】
【数6】
【0044】
式(6)を満足することによって、図1及び図2に示した構成を有する撮像装置において、高解像な画像を得ることができる。条件式(6)の上限または下限を超えると、距離σ1の誤差による解像度の劣化が起こりやすくなる。
【0045】
より望ましくは、以下の条件式(6a)の範囲とすることで、距離σ1の敏感度を抑えて高解像度化を図りやすくなる。
【0046】
【数7】
【0047】
さらに望ましくは、以下の条件式(6b)、(6c)の範囲とすることで、さらに距離σ1の敏感度を抑えて高解像度化を図りやすくなる。
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
【0050】
ただし、条件式(6)及び(6a)〜(6c)の値が1に近付くと、レンズアレイの倍率|σ2/σ1|が小さくなるため、撮像素子103で得られる画像の解像度が減少してしまう。理想的には、1/nの画素ずれを起こした小レンズがn個オーバーラップしていれば、解像度はn倍される。ここでnは正の整数である。しかし現実の系では、ノイズや主レンズ群101の収差の影響によって、画素ずらし効果による解像度の上昇量は理想系より小さくなる。よって、撮像素子103で得られる画像の解像度はある程度確保されていることが望ましい。また、図1で示された構成では条件式(6)の値が1に近付くと、レンズアレイが主レンズ群101に干渉してしまう場合が存在する。よって、より望ましくは、条件式(6)及び(6a)〜(6c)の上限を0.1小さくすることで、敏感度を抑えてさらに高解像度なライトフィールドを取得できる。
【0051】
次に、画素ずらし効果が得られる条件を考える。前述の通り、式(4)で表される隣り合う小レンズの相対的な画素ずれ量が整数になると、図4(c)に示したように画素ずらし効果は得られない。よって、レンズアレイ102の各小レンズを介して、撮像素子103の画素を像側共役面202上へ投影した際、隣接する2つの小レンズの投影画素のずれが、投影画素の整数倍とならないようにレンズアレイ102を配置すればよい。
【0052】
では、さらに高い画素ずらし効果を得るための条件を求める。そのためにまず小レンズのオーバーラップ数を見積もる。図9は、図4(b)に示される小レンズの番号jを横軸、主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202上の座標yを縦軸に取ったグラフである。ここで、j=0はレンズアレイ102の任意の小レンズとしてよい。図9中のy軸に平行な直線は、それぞれj番目の小レンズに対応した画素セットを像側共役面202へ投影した場合の座標を表す。これらの直線の上限を結んだものが一点鎖線Aであり、下限を結んだものが一点鎖線Bである。一点鎖線Aはy=ΔLA{j+|σ1/(2σ2)|}で与えられ、また一点鎖線Bはy=ΔLA{j−|σ1/(2σ2)|}で与えられる。オーバーラップする小レンズの数は、一点鎖線Aと一点鎖線Bのj方向の間隔に対応しており、j=0の小レンズもカウントすると|σ1/σ2|+1個程度と見積もることができる。
【0053】
続いて、画素ずらし効果を含めた空間解像度を求める。先にも述べた通り、現実の系では画素ずらし効果による解像度の上昇量は理想系より小さくなる。しかし説明を簡単にするため、本実施形態では、理想系として解像度の上昇について説明する。最終的な解像度は、画素ずらし効果によって見かけ上小さくなった画素の中で、最も大きい画素によって決定されると定義する。またその画素サイズを見かけの画素の最大値と呼ぶこととする。
【0054】
例えば、小レンズのオーバーラップ数が8で、式(5)で表される隣接した小レンズの画素ずれの割合δが0.45の時、8つの小レンズのそれぞれの画素ずれは0、0.45、0.90、0.35、0.80、0.25、0.70、0.15となる。この場合、解像度を決める見かけの画素の最大値は0.70−0.45=0.25となる。次にオーバーラップ数が同じで、δが3/8の場合を考える。この時8つの小レンズのそれぞれの画素ずれは0、3/8、6/8、1/8、4/8、7/8、2/8、5/8となる。この場合、見かけの画素の最大値は1/8となり、小レンズのオーバーラップ数の逆数と一致する。よって、隣接した小レンズが投影する画素のずれの割合が、小レンズのオーバーラップ数の逆数と一致する場合、最も高い画素ずらし効果が得られていることとなる。これは式(5)で表されるδが、1/8、5/8、7/8の場合でも同じである。ただしδが2/8、4/8、6/8の場合は画素ずらし効果が低下する。例としてδが2/8の場合を考える。この時、オーバーラップした8つの小レンズのそれぞれの画素ずれは0、2/8、4/8、6/8、0、2/8、4/8、6/8となり、画素が互いに重なることで見かけの画素の最大値が2/8=1/4となる。よってδが1/8、3/8、5/8、7/8の時に対して、画素ずらし効果は半分になってしまう。
【0055】
このことから、式(5)で与えられるδがm0/M0に等しい時、最大の画素ずらし効果が得られると分かる。ここでM0は小レンズのオーバーラップ数であり、m0はM0より小さく、かつM0との最大公約数が1となる整数である。M0は前述したように|σ1/σ2|+1程度と見積もることができ、δがm0/M0に近いほど画素ずらし効果は高くなる。
【0056】
図10は、図8と同様のパラメータにおいて、距離σ1に対する見かけの画素の最大値と小レンズのオーバーラップ数の逆数の関係を示した図である。菱形の点で表される見かけの画素の最大値と、破線で表された小レンズのオーバーラップ数の逆数が近い距離σ1ほど、画素ずらし効果が高く、再構成画像の解像度が上昇する。逆に見かけの画素の最大値と、小レンズのオーバーラップ数の逆数が離れている距離σ1では、高い画素ずらし効果は得られない。図11は図8と同様のパラメータを用いた場合の、距離σ1と空間解像度比の関係である。縦軸の空間解像度比は、再構成画像の空間解像度を撮像素子の画素数で規格化したものである。図10で菱形の点と小レンズのオーバーラップ数の逆数が近い距離σ1ほど、画素ずらし効果を含めた解像度が高いことが分かる。逆に、図10で見かけの画素の最大値が1に近い距離σ1では、画素ずらし効果による解像度上昇がほとんどない。また前述の通り、距離|σ1|がPex/2に近いほど空間解像度比の振動が緩やかになり、レンズアレイの敏感度が抑制されていることが読み取れる。
【0057】
以上から、画素ずらし効果による解像度の上昇を効率的に得るための条件式(7)が求められる。
【0058】
【数10】
【0059】
ここでMは次の条件式(8)を満たす整数である。
【0060】
【数11】
【0061】
またmはMより小さく、かつMとの最大公約数が1となる整数である。条件式(7)と条件式(8)は、画素ずらし効果の大きさを表し、条件式(7)及び条件式(8)を満たすことで再構成画像の高解像度化を実現できる。条件式(7)及び条件式(8)の上限または下限を超えると、十分な画素ずらし効果が得られず、空間解像度の向上が不十分となる。
【0062】
より望ましくは、以下の条件式(7a)の範囲とすることで、より高解像度化を図ることができる。
【0063】
【数12】
【0064】
さらに望ましくは以下の条件式(7b)の範囲とすることで、更なる高解像度化を図ることができる。
【0065】
【数13】
【0066】
また望ましくは以下の条件式(8a)、更には条件式(8b)の範囲とすることで、より高い画素ずらし効果を得られる。
【0067】
【数14】
【0068】
【数15】
【0069】
また、レンズアレイ102を構成する小レンズの像側の面は、凸形状であることが望ましい。これにより、レンズアレイ102の非点収差を抑え、解像度に対する敏感度を下げることができる。逆に、像側面が凸形状でない場合は非点収差が大きくなり、各小レンズによって形成される画像の周辺部がぼけてしまう。この画像のぼけた部分を再構成処理に使用すると、再構成によって得られた画像が鮮鋭に形成されなくなる。また、レンズアレイ102を構成する小レンズの物体側の面は、平面又は凸形状であることがより望ましい。これにより、小レンズの曲率が緩まって収差が抑制され、更に敏感度を下げることができる。
【0070】
またレンズアレイ102は、主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202よりも物体側に位置していることが望ましい。図1、2の比較から分かるように、図1の場合は図2の場合よりも撮像光学系の全長を縮小化できるためである。また図1は、軸外光線がレンズアレイ102及び撮像素子103に入射する像高が図2に比べて小さい。以上のとおり、図1のように配置することで撮像光学系の小型化を図ることができる。
【0071】
本発明のその他の効果は、レンズアレイと撮像素子との関係が適切な条件を満足することによって、光学的に解像度を向上させた画像を得ることができる点にある。
【0072】
図1及び図2で示される撮像光学系において、撮像素子では撮影視点と撮影領域が異なる小画像が並んだ画像が得られる。これらの画像の全て又は一部の重み付けや、ずらして重ね合わせる方法(再構成方法)により、ピント位置やF値、視点を変更した画像を得ることができる。例えば、“Light Field Photography with a Hand−held Plenoptic Camera”(Ren Ng,et al.,Stanford Tech Report CTSR 2005−02)に記載されている。このため、ここでの説明は省略する。上記文献と本実施形態の構成は少し異なるが、主レンズ群の瞳を分割していることは同じであるため、本質的に差異はない。このため、同様の再構成法でピント位置や被写界深度、撮影視点を変更した画像を生成できる。この際にも、画素ずらし効果を使用することで、再構成後の画像の高解像度化が可能である。また、再構成処理は撮像装置とは別の画像処理装置で行ってもよい。
【0073】
なお、図1と図2に表された被写体面201上には、人物や物体が必ずしも存在していなくてよい。これは、再構成処理によって、被写体面201より奥、或いは手前に存在する人物や物体に、撮影後でもピントを合わせることができるためである。また、主レンズ群101は1枚のレンズからなるものも含む。
【実施例1】
【0074】
次に、図12を参照して、実施例1における撮像装置(撮像光学系)について説明する。図12は、本実施例における撮像光学系の断面図である。図12において、主レンズ群101は単焦点レンズであり、撮影時にF値を制御する開口絞りSPを備えている。ただし、より多くの視差情報を得るために、開口径は大きい方が望ましい。本実施例では、F値は撮影後に再構成によって変更できるため、開口径は固定でもよい。
【0075】
また、主レンズ群101は仕様に応じてフォーカス機構を有する。フォーカス機構を有する場合には、不図示のオートフォーカス(AF)機構やマニュアルフォーカス機構によりレンズ位置が制御される。本実施例では、画像処理によって撮影後にピント位置調整(リフォーカス)が可能であるが、開口径が有限のため撮像素子103で得られる視差情報は有限である。このため、リフォーカスが可能な範囲も有限となる。撮影時のフォーカス位置を変化することで、可能なリフォーカス範囲を深度方向にシフトさせることができる。
【0076】
レンズアレイ102は正の屈折力を有し、両面が凸形状の球面固体レンズで構成されている。レンズアレイ102の小レンズは表裏のいずれかは平面でもよく、また、非球面の曲面でもよい。また液体レンズ、液晶レンズ、回折光学素子などが並んで構成されていてもよい。レンズアレイ102は、主レンズ群101により形成された像を虚物体として見ることで、撮像素子103に像を結像する。
【0077】
本実施例において、主レンズ群101の射出瞳から主レンズ群101の像側共役面202までの距離Pex=66.4357(mm)、レンズアレイ102のピッチΔLA=4.3559(mm)、撮像素子103の画素ピッチΔ=0.0043(mm)である。また、レンズアレイ102は、距離σ1=37.7657(mm)、距離σ2=5.4325(mm)となるように配置されている。このような構成により、高い画素ずらし効果が得られ、画像の高解像度化を図ることができる。更に、レンズアレイ102の画素ずらし効果に対する配置敏感度も抑制される。また、F値やピント位置、被写界深度を変更した再構成画像に対しても、画素ずらし効果を用いて高解像度化することができる。画像の再構成時に、MAP(Maximum a posteriori)推定などの画像推定を併用して、更なる高解像度化を図ってもよい。
【実施例2】
【0078】
次に、図13を参照して、実施例2における撮像装置(撮像光学系)について説明する。図13は、本実施例における撮像光学系の断面図である。図13において、主レンズ群101は単焦点レンズである。レンズアレイ102は、物体側に平面状で像側に凸形状の面で構成され、主レンズ群101が形成した像を撮像素子103へ再結像する。
【0079】
本実施例において、主レンズ群101の射出瞳から主レンズ群101の像側共役面202までの距離Pex=66.4357(mm)、レンズアレイ102のピッチΔLA=0.3784(mm)、撮像素子103の画素ピッチΔ=0.0043(mm)である。レンズアレイ102は、距離σ1=−5.4679(mm)、距離σ2=1.0036(mm)となるように配置されている。レンズアレイ102の撮像素子103に対する共役面(主レンズ群101の被写体面201に対する像側共役面202)がレンズアレイ102より物体側に存在するため、距離σ1は負の値となる。
【0080】
本実施例によれば、レンズアレイの配置敏感度を抑えつつ、画素ずらし効果による効率的な高解像度化を実現した撮像装置を提供することができる。
【実施例3】
【0081】
次に、図14を参照して、実施例3における撮像装置(撮像光学系)について説明する。図14は、本実施例における撮像光学系の断面図である。図14において、主レンズ群101はズームレンズであり、レンズアレイ102は両凸の正レンズで構成され、主レンズ群101が形成した像を虚物体として見ることで、撮像素子103へ像を結像している。
【0082】
主レンズ群101は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1、正の屈折力を有する第2レンズ群L2、負の屈折力を有する第3レンズ群L3、正の屈折力を有する第4レンズ群L4、及び、正の屈折力を有する第5レンズ群L5で構成されている。変倍時に第1レンズ群L2と第5レンズ群L5が固定され、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、及び、第4レンズ群L4が光軸上を移動する。
【0083】
本実施例において、主レンズ群101の広角端では、主レンズ群101の射出瞳から主レンズ群101の像側共役面202までの距離Pex =133.8129(mm)である。また、レンズアレイ102のピッチΔLA=1.9776(mm)、撮像素子103の画素ピッチΔ=0.0064(mm)である。これらのパラメータとN=7、lr=0.5を用いて、画像ずれ割合δと画素ずらし効果を含めた解像度を示したのが前述の図7及び図9である。レンズアレイ102の小レンズには開口絞り(不図示)が設置されているため、lr=0.5でもクロストークは起きない。またレンズアレイ102は、距離σ1=40.1453(mm)、距離σ2=4.0145(mm)となるように配置されている。
【0084】
本実施例によれば、レンズアレイの配置敏感度を抑えつつ、画素ずらし効果による効率的な高解像度化を実現した撮像装置を提供することができる。
【実施例4】
【0085】
次に、図15を参照して、実施例4における撮像装置について説明する。図15は、本実施例における画像処理システムの構成図である。図15に示されるように、画像処理システムは撮像装置301を備えている。撮像装置301は、図14で示される実施例3の撮像光学系を有する。画像処理装置302は、前述の画像再構成を行うコンピュータ機器である。撮像装置301で取得された画像は、画像処理装置302にて所定の再構成処理が行われ、出力機器305、表示機器304、記憶媒体303のいずれか又は複数に出力される。記憶媒体303は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク、ネットワーク上のサーバーなどである。出力機器305は、例えばプリンタである。画像処理装置302には表示機器304が接続され、再構成された画像が表示機器304へ入力される。ユーザーは、表示機器304を介して再構成された画像を確認しながら作業を行うことができる。
【0086】
画像処理ソフトウェア306は、前述の再構成処理の他に、必要に応じて現像処理やその他の画像処理を行う機能を有する。表示機器304は、例えば液晶ディスプレイやプロジェクタなどである。特に、表示機器304がDMD(Digital Micro−mirror Device)を使用したDLP(Digital Light Processor)タイプのプロジェクタの場合、プロジェクタ内の光学系は図14と同様の構成にしてもよい。このとき、プロジェクタ内の光学系は、図14の撮像素子103の代わりにDMDを配置した構成を採用することができる。この場合、表示機器304には再構成画像を入力するのではなく、撮像装置301の撮像素子103で得られた画像をそのまま入力すればよい。画像投射時に撮像時と逆の変換が行われるため、スクリーン上には自動的に再構成された画像が出力される。また、DMDのレンズアレイ102に対する共役面で画素ずらし効果が発生するため、出力画像を同様に高解像度化することが可能である。本実施例によれば、レンズアレイの配置敏感度を抑え、効率的な高解像度化を実現した撮像装置及び画像処理システムを提供することができる。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されたものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形、及び変更が可能である。例えば他の実施形態として、撮像素子を有する撮像装置に着脱可能な撮像光学系に対して本発明を適用しても、撮像光学系と撮像素子が上記説明の関係を満足することにより、簡易な構成で高解像度のライトフィールドを取得可能な撮像光学系を提供することができる。
【0088】
上記各実施例(実施例1〜4)における主レンズ群の数値データ(数値実施例)を以下に示す。iは物体側からの面の順序を示し、riは第i面の曲率半径、diは第i面と第i+1面間のレンズ肉厚或いは空気間隔、niとνiはそれぞれd線に対する屈折率とアッベ(Abbe)数を表す。また表1に、各数値実施例(実施例1〜4)における条件式(6)、(7)、(8)の値を示す。
[数値実施例]
(実施例1、実施例2)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 89.763 1.80 1.84666 23.8 40.57
2 35.283 9.50 1.58913 61.2 38.63
3 -104.031 0.15 38.18
4 45.845 3.80 1.77250 49.6 34.85
5 205.586 1.60 34.09
6 190.384 1.50 1.80010 35.0 32.16
7 57.059 3.26 30.16
8 -88.455 1.50 1.56873 63.2 30.22
9 23.683 3.50 1.84666 23.8 28.33
10 37.253 19.26 27.84
11 -380.953 3.00 1.84666 23.8 28.98
12 -70.178 10.00 29.11
13 ∞ 22.12 26.48
14 -37.638 1.20 1.78472 25.7 21.81
15 57.202 4.30 1.52249 59.8 22.35
16 -38.872 0.30 22.71
17 -249.784 2.50 1.77250 49.6 22.78
18 -59.162 0.20 22.89
19 56.254 3.50 1.80400 46.6 22.42
20 -100.510 1.50 21.91
21 -109.205 2.80 1.84666 23.8 20.71
22 -44.064 0.16 20.09
23 -42.571 1.20 1.60311 60.6 19.94
24 41.456 8.27 18.54
25 -84.040 7.29 1.62230 53.2 15.96
26 -19.904 0.15 15.00
27 -19.678 2.00 1.59270 35.3 14.85
28 -118.544 0.00 14.29
29 ∞ (可変) 14.22
像面 ∞
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 99.96
Fナンバー 2.89
画角 8.31
像高 14.60
レンズ全長 156.82
BF 40.46
d29 40.46
入射瞳位置 117.08
射出瞳位置 -25.97
前側主点位置 66.63
後側主点位置 -59.50
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 99.96 116.36 66.63 -59.50
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -69.72
2 2 45.88
3 4 75.59
4 6 -102.35
5 8 -32.69
6 9 68.67
7 11 101.16
8 14 -28.77
9 15 44.99
10 17 99.78
11 19 45.31
12 21 85.56
13 23 -34.64
14 25 40.16
15 27 -40.11
(実施例3、実施例4)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 124.447 2.80 1.74950 35.0 69.47
2 75.819 0.15 66.70
3 75.787 12.51 1.49700 81.6 66.68
4 -374.867 0.10 65.27
5 78.754 3.65 1.49700 81.6 62.96
6 102.655 (可変) 62.09
7 54.676 2.20 1.84666 23.8 49.13
8 47.526 1.22 47.37
9 55.346 7.65 1.48749 70.2 47.31
10 1833.147 (可変) 46.11
11 -401.208 1.40 1.80400 46.6 34.13
12 38.875 6.37 32.30
13 -92.113 1.34 1.48749 70.2 32.44
14 39.755 5.23 1.85026 32.3 33.61
15 292.638 4.06 33.53
16 -71.105 4.46 1.84666 23.8 33.56
17 -36.898 1.00 1.72000 46.0 34.09
18 311.857 (可変) 35.08
19 141.625 3.59 1.71300 53.9 35.92
20 -238.303 0.15 36.12
21 431.096 5.95 1.49700 81.6 36.23
22 -48.826 1.00 1.85026 32.3 36.30
23 -140.339 (可変) 36.87
24 81.141 3.98 1.80400 46.6 37.24
25 19006.920 1.15 36.96
26(絞り) ∞ 15.08 36.64
27 45.384 7.49 1.49700 81.6 31.66
28 -839.909 5.33 1.62588 35.7 29.72
29 39.178 23.47 26.68
30 139.400 5.78 1.50378 66.8 25.86
31 -105.607 7.43 26.94
32 -40.699 1.00 1.80100 35.0 28.35
33 -79.231 0.15 29.36
34 115.417 4.09 1.83400 37.2 30.71
35 -493.918 (可変) 31.15
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.67
広角 中間 望遠
焦点距離 72.49 99.90 193.91
Fナンバー 2.90 2.90 2.90
画角 16.59 12.20 6.36
像高 21.60 21.60 21.60
レンズ全長 243.50 243.51 243.49
BF 52.10 52.11 52.08
d 6 8.38 11.42 33.14
d10 1.59 10.49 16.84
d18 30.54 23.46 1.50
d23 11.11 6.25 0.15
d35 52.10 52.11 52.08
入射瞳位置 96.84 140.42 236.01
射出瞳位置 -81.71 -81.71 -81.71
前側主点位置 130.06 165.74 148.88
後側主点位置 -20.39 -47.79 -141.83
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 179.99 19.21 2.38 -10.26
2 7 155.92 11.07 -0.28 -7.84
3 11 -27.99 23.86 4.82 -11.76
4 19 124.89 10.69 0.62 -6.15
5 24 86.42 74.95 21.42 -59.06
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -265.43
2 3 128.02
3 5 647.74
4 7 -499.75
5 9 116.90
6 11 -44.02
7 13 -56.78
8 14 53.60
9 16 85.48
10 17 -45.77
11 19 125.08
12 21 88.61
13 22 -88.51
14 24 101.34
15 27 86.88
16 28 -59.67
17 30 120.22
18 32 -105.70
19 34 112.52
【0089】
【表1】
【符号の説明】
【0090】
101 主レンズ群
102 レンズアレイ
103 撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、
被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、
複数のレンズセルを有するレンズアレイを有し、
前記レンズアレイは、前記像側共役面と前記撮像素子が共役になるように配置され、
前記レンズアレイの物体側主平面から前記像側共役面までの距離をσ1、前記レンズ群の射出瞳から前記像側共役面までの距離をPexとしたとき、
を満足することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記レンズセルを介して、前記撮像素子の画素を前記像側共役面へ投影したとき、隣接するレンズセルによって、前記像側共役面に投影された画素が、前記投影された画素のピッチの整数倍とは異なる長さだけ互いにずれるように、前記レンズアレイを配置することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記レンズアレイの像側主平面から前記撮像素子までの距離をσ2、前記撮像素子の画素ピッチをΔ、前記レンズアレイのピッチをΔLA、
を満たす整数をM、Mよりも小さく、且つ、Mとの最大公約数が1となる整数をmとしたとき、
を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記レンズセルの像側の面は、凸形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記レンズセルの物体側の面は、平面又は凸形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記レンズアレイは、前記レンズ群の前記像側共役面よりも物体側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
撮像素子に被写体からの光線を集光する撮像光学系であって、
被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、
複数のレンズセルを有するレンズアレイを有し、
前記レンズアレイは、前記像側共役面と前記撮像素子が共役になるように配置され、
前記レンズアレイの物体側主平面から前記像側共役面までの距離をσ1、前記レンズ群の射出瞳から前記像側共役面までの距離をPexとしたとき、
を満足することを特徴とする撮像光学系。
【請求項1】
撮像素子と、
被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、
複数のレンズセルを有するレンズアレイを有し、
前記レンズアレイは、前記像側共役面と前記撮像素子が共役になるように配置され、
前記レンズアレイの物体側主平面から前記像側共役面までの距離をσ1、前記レンズ群の射出瞳から前記像側共役面までの距離をPexとしたとき、
を満足することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記レンズセルを介して、前記撮像素子の画素を前記像側共役面へ投影したとき、隣接するレンズセルによって、前記像側共役面に投影された画素が、前記投影された画素のピッチの整数倍とは異なる長さだけ互いにずれるように、前記レンズアレイを配置することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記レンズアレイの像側主平面から前記撮像素子までの距離をσ2、前記撮像素子の画素ピッチをΔ、前記レンズアレイのピッチをΔLA、
を満たす整数をM、Mよりも小さく、且つ、Mとの最大公約数が1となる整数をmとしたとき、
を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記レンズセルの像側の面は、凸形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記レンズセルの物体側の面は、平面又は凸形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記レンズアレイは、前記レンズ群の前記像側共役面よりも物体側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
撮像素子に被写体からの光線を集光する撮像光学系であって、
被写体からの光線を像側共役面に集光するレンズ群と、
複数のレンズセルを有するレンズアレイを有し、
前記レンズアレイは、前記像側共役面と前記撮像素子が共役になるように配置され、
前記レンズアレイの物体側主平面から前記像側共役面までの距離をσ1、前記レンズ群の射出瞳から前記像側共役面までの距離をPexとしたとき、
を満足することを特徴とする撮像光学系。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−191376(P2012−191376A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52352(P2011−52352)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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