説明

撮像装置

【課題】一眼レフデジタルカメラカメラにおいて、液晶モニタ上に、本撮影の際の絞り値に即した画像を表示させることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】絞込みモードにおいては、反射ミラーを光路内から退避させて撮像素子に光を入射させる。そして、操作されることにより撮影光学系が実絞り状態へと制御され、撮影素子にて取得された画像データが液晶モニタに表示されるプレビュー操作手段を備えることにより、本撮影の際の絞り値に即した画像、つまり実絞りライブビュー画像を、液晶モニタに表示させることができるため、被写界深度の確認を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に一眼レフデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して出力可能な一眼レフデジタルカメラが、急速に普及している。この一眼レフデジタルカメラでは、撮影者等によるファインダを用いた被写体観察時には、撮影レンズに入射した光(すなわち被写体像)を、レンズの後の撮影用光路上に配置した反射ミラーで反射することにより光路を変更し、ペンタプリズム等を通して正像にして光学ファインダに導くことで、レンズを通した被写体像を光学ファインダから見ることができる。したがって通常は、ファインダ用光路を形成する位置が反射ミラーの定位置となっている。
【0003】
一方、レンズを撮影用として使用する場合は、反射ミラーが瞬時に位置を変え、撮影用光路から待避することで、ファインダ用光路を撮影用光路に切り換え、撮影が終了すると定位置に瞬時に戻る。この方式は、一眼レフ方式であれば、従来の銀塩カメラでも、デジタルカメラでも同様である。
【0004】
デジタルカメラの特徴の一つは、撮影時に表示装置(例えば、液晶モニタ)を見ながら撮影し、撮影後にすぐに撮影画像を確認できることが挙げられるが、これまでの一眼レフの反射ミラーの方式を用いると、撮影時に、液晶モニタを使用できないという課題があった。このように、液晶モニタを用いて撮影できないことにより、ファインダを覗いて撮影することになるため、とりわけ、デジタルカメラの撮影に不慣れな初心者にとっては、非常に使いにくくなっていた。従って、撮影時にも、液晶モニタを用いて撮影できる機能が求められている。
【特許文献1】特開2001−125173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の一眼レフ方式のデジタルカメラにおいては、被写界深度の確認は、ファインダを覗くことにより行っていたため、折角、液晶モニタを搭載した一眼レフ方式のデジタルカメラにおいても、液晶モニタを使用することができなかった。すなわち、液晶モニタを用いて、本撮影の際の絞り値にした画像、いわゆる実絞りライブビュー画像を確認できるようなシステムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、撮像光学系と撮像素子との間に配置された可動の反射ミラーを有し、反射ミラーによって反射された光を観察する観察光学系を備えた撮像装置であって、反射ミラーを駆動する反射ミラー駆動手段と、撮像光学系を通った光を反射ミラーで反射して、観察光学系に導くように、反射ミラーを第1の状態へ駆動して撮影を行う第1の撮影モードと、撮像光学系を通った光を撮像素子へ導くように、反射ミラーを第2の状態へ駆動して撮影を行う第2の撮影モードと、画像を表示する画像表示手段と、操作されることにより撮影光学系が実絞り状態へと制御され、第2の撮影モードへ移行すると共に、撮影素子にて取得された画像データが表示手段に表示されるプレビュー操作手段とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【0007】
さらに本発明は、撮像光学系の絞り値を設定する絞り値設定手段を設け、絞り値設定手段により、表示手段に表示する画像データの被写界深度を変更することを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記の本発明によれば、一眼レフデジタルカメラにおいて、液晶モニタを見ながら撮影することができ、さらには、本撮影の際の絞り値に即した実絞りライブビュー画像を液晶モニタにて表示させることが可能となり、被写界深度の確認を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る撮像装置について説明する。図1に示すデジタルカメラは、交換レンズ式の一眼レフデジタルカメラ1である。交換レンズ2は、レンズマウント21を有し、デジタルカメラ1のボディ前面に設けられたボディーマウント23に着脱可能に装着される。交換レンズ2を通過した被写体光は、クイックリターンミラー4のメインミラー4aにより2つの光束に分割され、反射光束はファインダ光学系19へ導かれる。一方、透過光束は、クイックリターンミラー4の背面側に設けられたサブミラー4bで反射されて、焦点検出用ユニット5のAF用光束として利用される。この焦点検出用ユニット5は、一般的には、位相差検出方式が使用される。
【0010】
メインミラー4aで反射された光束はファインダースクリーン6上に結像される。ファインダースクリーン6上に結像された被写体像は、ペンタプリズム7および接眼レンズ8を介してファインダ接眼窓9から観察することができる。
【0011】
このデジタルカメラ1は、2つの撮影モードを有する。1つ目は、撮影者等がファインダ接眼窓9を観察しながら撮影するファインダ撮影モードであり、従来の一眼レフカメラにおける通常の撮影モードである。
【0012】
このファインダ撮影モードにおいては、図2に示すように、クイックリターンミラー4は、光路X内の所定位置に配置されているため、撮影者等は、ファインダ接眼窓9から被写体像を観察することができる。実際の撮影時には、クイックリターンミラー4が光路X外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット10が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。
【0013】
一方、2つ目のモニタ撮影モードにおいては、図3に示すように、クイックリターンミラー4を光路X内から退避させる。よって、液晶モニタ16には、撮像センサ11を介して被写体の画像、いわゆるスルー画像が表示される。
【0014】
デジタルカメラ1内には、各種シーケンスをコントロールするボディーマイコン12が搭載されている。撮像センサ制御部13は、撮像センサ11の駆動制御を行う。シャッター制御部14は、シャッターユニット10の駆動制御を行う。画像表示用の画像表示制御部15は、撮像センサ11より画像データを読み出し、所定の画像処理後、液晶モニタ16へ撮影画像を表示するよう制御する。また、画像記録制御部17は、図示せぬSDカードなどの記録媒体に対して、画像読み出し/記録部18を介して、撮影画像の読み書きを行う。
【0015】
着脱可能な交換レンズ2は、デジタルカメラ1内の撮像センサ11に被写体像を結ぶための撮像光学系Lを有する。また交換レンズ2内の各種シーケンスをコントロールし、各種レンズ情報を内蔵したレンズマイコン20が搭載されている。交換レンズ2内には、フォーカスレンズ群25を駆動制御するフォーカス制御部26が搭載されている。さらに、絞りユニット28を制御する絞り制御部27が搭載されている。
【0016】
また、デジタルカメラ1と交換レンズ2とは、それぞれに設けられた交換レンズ2側のレンズマウント21の電気切片22(図示せず)、デジタルカメラ1側のボディーマウント23の電気切片24(図示せず)を介して、各種の制御信号の通信が行われる。
【0017】
図4は、本発明の実施の形態1に係る交換レンズ2を取り付けたデジタルカメラ1の上面図である。
【0018】
デジタルカメラ1本体は、被写体を撮影する際に撮影者等により支持される筐体である。このデジタルカメラ1は、レリーズボタン30と、シャッタースピード設定ダイヤル31とを含む。レリーズボタン30と、シャッタースピード設定ダイヤル31とは、デジタルカメラ本体1の上面の右側に設けられている。
【0019】
シャッタースピード設定ダイヤル31は、回転操作することにより、シャッタースピードの設定を行う操作部材である。また、シャッタースピード設定ダイヤル31は、シャッタースピードが自動設定されるオートの位置を有する。
また、デジタルカメラ1本体は、液晶モニタ16を含む。液晶モニタ16は、デジタルカメラ1本体の撮影者等側の面に設けられている。液晶モニタ16の作用については後述する。
【0020】
交換レンズ2は、最も被写体側に、フィルタマウント37を持つ。交換レンズ2は、フィルタマウント37からデジタルカメラ1本体側へ(Z軸の負の方向)向けて順に、ズームリング38と、フォーカスリング39と、絞りリング40とを有する。ズームリング38と、フォーカスリング39と、絞りリング40とは、いずれも円筒状の回転操作部材であり、交換レンズ2の外周面において回転可能に配置されている。
【0021】
図5は、本発明の実施の形態1に係るデジタルカメラ1の背面図である。デジタルカメラ1本体は、電源ボタン70、撮影/再生モード切り替えレバー71、MENUボタン72、十字操作キー73、及びSETボタン74、及び絞込みモードボタン76とを含む。
電源ボタン70は、デジタルカメラ1の電源のON/OFFを行う操作部材である。撮影/再生モード切り替えレバー71は、レバーの切り替えを行うことにより、撮影モードと再生モードとの切り替えを行う操作部材である。ここで、撮影モードとは、デジタルカメラ1において、被写体を新たに撮影して画像信号にするために設定されるモードである。また、再生モードとは、デジタルカメラ1において、既に撮影して格納されている画像信号を表示するために設定されるモードである。
【0022】
MENUボタン72は、液晶モニタ16に、各種操作メニューを表示させるための操作部材である。十字操作キー73は、上下、左右の矢印キーを有し、各種操作メニューの表示項目を選択するための操作部材である。SETボタン74は、各種操作メニューの表示項目を確定するための操作部材である。
【0023】
絞込みボタン76は、このボタンを押すことにより、後述する絞込みモードへと移行する。
【0024】
絞りリング40は、円筒形状である。図6(a)は、本発明の実施の形態1に係る絞りリングの外周面の展開図、図6(b)は、本発明の実施の形態1に係る絞りリングの内周面の展開図である。
【0025】
図4、図6(a)において、絞りリング40は、外周面に絞り値を表示する。絞り値の表示領域は2つの領域に分かれている。図6(a)中、[2]から[11]までの1AVごとの表示部分がマニュアル領域に対応する。また、図6(a)中、[A]の表示部分がオート領域に対応する。図4、図6(b)において、絞りリング40は、内周面に直線のカム溝42を持つ。
【0026】
また、交換レンズ2は、その内部に絞りユニット28を有する。絞りユニット28は、内部に絞り羽根28a(図示せず)を駆動するための絞り駆動モータ28bを含む。絞り駆動モータ28bは、後述する制御により、絞りリング40の回転角度に応じて絞り羽根28aを駆動する。この絞り羽根28aが駆動されることにより、撮影光学系Lの絞り値が変更される。
【0027】
図7は、本発明の実施の形態1に係る絞りリングと絞りリニアセンサの結合を示す断面図である。絞りリニアセンサ41は、外周方向に突出する円筒形状の摺動子41aを含む。絞りリング40に形成されたカム溝42は、絞りリニアセンサ41の摺動子41aと結合する。
【0028】
この絞りリニアセンサ41の回路構成は、図8(a)に示すように可変抵抗器であり、端子1,3間に所定の電圧を印可すると、絞りリニアセンサ41に設けられた円筒状の摺動子41aが、磁気抵抗体(図示せず)上をスライドすることにより、端子2の出力は図8(b)に示すようにリニアに変化する。
【0029】
図9は、本発明の実施の形態1に係る絞りリングの回転角度と絞りリニアセンサの出力値の関係を示すグラフである。図4、図6において、絞りリング40上に表示された文字[2]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のPの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、P‘となる。
【0030】
絞りリング40上に表示された文字[2.8]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のQの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、Q‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[4]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のRの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、R‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[5.6]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のSの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、S‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[8]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のTの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、T‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[11]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のUの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、U‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[A]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のVの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、V‘となる。
【0031】
このように、絞りリニアセンサ41は、絞りリング40の回転角度と一対一で対応する出力を示す。したがって、絞りリング40の回転角度を検出することができる。絞りリニアセンサ41は、回転角度に応じた絞り値信号を電圧変化として出力する。
【0032】
図10は、本発明の実施の形態1に係るデジタルカメラ1の制御システムを示すブロック図である。
【0033】
ボディーマイコン12は、レリーズボタン30と、シャッタースピード設定ダイヤル31と、撮影/再生モード切り替えレバー71と、MENUボタン72と、十字操作キー73と、SETボタン74と、撮影モード切り替えボタン75と、絞り込みモードボタン76から信号を受信可能である。また、ボディーマイコン12は、シャッター制御部14と、クイックリターンミラー制御部60へ信号を送信可能である。さらに、ボディーマイコン12は、画像記録制御部17と、画像表示制御部15と、デジタル信号処理部53との間で信号を相互に交信可能である。また、ボディーマイコン12は、信号を格納するメモリ68を持つ。
【0034】
シャッター制御部14は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ10a(図示せず)を駆動する。クイックリターンミラー制御部60は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づき、クイックリターンミラー駆動モータ61を駆動する。
【0035】
レリーズボタン30は、ボディーマイコン12へシャッタータイミングを送信する。シャッタースピード設定ダイヤル31は、設定されたシャッタースピード情報及びシャッターモード情報を送信する。
【0036】
撮像センサ11は、CCD(Charge Coupled Device)等である。撮像センサ11は、交換レンズ2の撮影光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な画像信号に変換する。撮像センサ11は、撮像センサ制御部13により駆動制御される。撮像センサ11から出力される画像信号は、アナログ信号処理部51と、A/D変換部52と、デジタル信号処理部53と、バッファメモリ54と、画像圧縮部56との順に処理される。
【0037】
画像信号は、撮像センサ11から、アナログ信号処理部51へ送信される。アナログ信号処理部51は、撮像センサ11が出力する画像信号に、ガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。画像信号は、アナログ信号処理部51から、A/D変換部52へ送信される。A/D変換部52は、アナログ信号処理部51から出力されたアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。
【0038】
画像信号は、A/D変換部52から、デジタル信号処理部53へ送信される。デジタル信号処理部53は、A/D変換部52によりデジタル信号に変換された画像信号のノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。画像信号は、デジタル信号処理部53から、バッファメモリ54へ送信される。バッファメモリ54は、デジタル信号処理部53により処理された画像信号を一旦記憶する。バッファメモリ54は、RAM(Random Access Memory)である。
【0039】
画像信号は、画像記録制御部17からの指令に従って、バッファメモリ54から、画像圧縮部56に送信される。画像圧縮部56は、画像記録制御部17の指令に従って画像信号のデータを所定の大きさに圧縮する。画像信号は、所定の比率でデータの圧縮を受け、元のデータより小さなデータサイズになる。例えばこの圧縮方式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。
【0040】
圧縮された画像信号は、画像圧縮部56から画像記録部18及び液晶モニタ16へ送信される。一方、ボディーマイコン12は、画像記録制御部17及び画像表示制御部15へ制御信号を送信する。画像記録制御部15は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいて画像記録部18を制御する。画像表示制御部15は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいて液晶モニタ16を制御する。
【0041】
画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、画像信号とともに記憶すべき情報を、内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像信号とともに記憶すべき情報は、画像を撮影した際の日時,焦点距離情報,シャッタースピード情報,絞り値情報,撮影モード情報を含む。
【0042】
液晶モニタ16は、画像表示制御部15の指令に基づいて、画像信号を可視画像として表示する。液晶モニタ16は、画像表示制御部15の指令に基づいて、画像信号とともに表示すべき情報を、表示する。画像信号とともに表示すべき情報は、焦点距離情報,シャッタースピード情報,絞り値情報,撮影モード情報,合焦状態情報の表示を含む。
また、液晶モニタ12は、画像表示制御部15の指令に基づいて、所定の撮影/再生モードにおいて、撮影者等により設定されるべき設定画面を表示する。
【0043】
撮影者等が撮影する場合には、電源ボタン70をONにし、撮影/再生モード切り替えレバー71を撮影モードに合わせる。これによりデジタルカメラ1本体の電源が入り、液晶モニタ16には、撮像センサ11により電気的な画像信号に変換された被写体が可視画像として、画像表示制御部15の指令に基づいて表示される。
【0044】
デジタルカメラ1が撮影モードにある状態において、撮影者等がMENUボタン72を押すと、液晶モニタ16は、画像表示制御部15の指令に基づき、撮影モードにおいて撮影者等により変更可能な設定の項目をアイコン化した設定メニュー画像を表示する。
【0045】
図11は、本発明の実施の形態1に係る交換レンズ2内の制御システムを示すブロック図である。
【0046】
レンズマイコン20は、ズーム制御部62と、フォーカス制御部26と、絞り制御部27との間で信号を相互に交信可能である。
【0047】
ズーム制御部62は、ズームリニアセンサ60から、A/D変換部61を介して、信号を受信可能である。ズーム制御部62は、ズームリニアセンサ60により検出されたズームリング38の回転量を撮影光学系Lの焦点距離情報に変換する。ズーム制御部62は、焦点距離情報をレンズマイコン20へ送信する。
【0048】
フォーカス制御部26は、フォーカスリニアセンサ63から信号を受信可能であり、A/D変換部64を介して、フォーカス駆動モータ65へ信号を送信可能である。フォーカス制御部26は、フォーカスリニアセンサ63により検出され、A/D変換部64によりデジタル化されたフォーカスリング39の回転角度より、フォーカスモードを判断する。フォーカス制御部26は、判断した結果をレンズマイコン20へ送信する。フォーカス制御部26は、レンズマイコン20からの指令に基づいてフォーカスリング39の回転角度より検出した物点距離情報を、レンズマイコン20へ送信する。フォーカス制御部26は、レンズマイコン20からの制御信号に基づいてフォーカス駆動モータ65を駆動する。
【0049】
絞り制御部27は、絞りリニアセンサ66ら信号を受信可能であり、A/D変換部67を介して、絞り駆動モータ28bへ信号を送信可能である。絞り制御部27は、絞りリニアセンサ66により検出され、A/D変換部67によりデジタル化された絞りリング40の回転角度により、絞りモードを判断する。絞り制御部27は、判断した結果をレンズマイコン20へ送信する。絞り制御部27は、レンズマイコン20からの指令に基づいて絞りリング40の回転角度より検出した絞り値情報を、レンズマイコン20に送信する。絞り制御部27は、レンズマイコン20からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ28bを駆動する。
【0050】
次に、デジタルカメラ1の撮影動作について説明する。
【0051】
まず図2に基づき、撮影者等が、ファインダ接眼窓9を覗いて撮影するファインダ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
【0052】
撮影者等のレリーズボタン30の半押し動作により、デジタルカメラ1内のボディーマイコン12および各種ユニットには、電源が供給される。電源供給により起動するデジタルカメラ1内のボディーマイコン12は、同じく電源供給で起動する交換レンズ2内のレンズマイコン20より、レンズマウント21、ボディーマウント23を介して、各種レンズデータを受け取り、内蔵するメモリ68に保存する。次に、ボディーマイコン12は、焦点検出用ユニット5より、焦点ずれ量(以後、Df量という)を取得し、そのDf量分、フォーカスレンズ群25を駆動するようレンズマイコン20に指示する。レンズマイコン20は、フォーカス制御部26をコントロールして、Df量分だけフォーカスレンズ群25を動作させる。このように焦点検出とフォーカスレンズ群25の駆動を繰り返すうち、Df量は小さくなり、所定量以下になった時に合焦と判断し、フォーカスレンズ群25の駆動を止める。
【0053】
この後、ボディーマイコン12は、レリーズボタン30の全押し動作により、レンズマイコン20に不図示の測光センサからの出力に基づいて計算された絞り値にするよう指示する。そして、レンズマイコン20は、絞り制御部27をコントロールし、指示された絞り値まで、絞りを絞り込む。絞り値の指示と同時にボディーマイコン12は、クイックリターンミラー制御部60により、クイックリターンミラー4の光路X内からの退避を行う。退避完了後、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11の駆動を指示し、シャッターユニット10の動作を指示する。なお、撮像センサ制御部13は、不図示の測光センサからの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
【0054】
露光完了後、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11より画像データを読み出し、所定の画像処理後、画像表示用液晶モニタ16へ撮影画像を表示するよう制御し、また、画像読み出し/記録部18を介して、記憶媒体に画像データを書き込む。また、露光終了後、クイックリターンミラー4とシャッターユニット10を初期位置にリセットする。ボディーマイコン12は、レンズマイコン20へ、絞りを開放位置にリセットするよう指示し、レンズマイコン20は、各ユニットにリセット命令を行う。リセット完了後、レンズマイコン20は、ボディーマイコン12にリセット完了を伝える。ボディーマイコン12は、レンズマイコン20からのリセット完了情報と露光後の一連処理の完了を待ち、その後、レリーズボタン30の状態が、押し込みされていないことを確認し、撮影シーケンスを終了する。
【0055】
次に図3に基づき、撮影者等が液晶モニタ16を用いて撮影するモニタ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
【0056】
液晶モニタ16を用いて撮影する際には、撮影モード切り替えボタン75を操作して、モニタ撮影モードにする。モニタ撮影モードに移行すると、ボディーマイコン12は、クイックリターンミラー4を光路X内から退避させる。よって、被写体像が撮像センサ11に達するので、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11より画像データを読み出し、所定の画像処理後、液晶モニタ16へ撮影画像を表示させる。このように、撮影画像を液晶モニタ16に表示させることにより、撮影者等は、ファインダ接眼窓9を覗くことなく、被写体を追いかけることが可能となる。
【0057】
次に、撮影者等のレリーズボタン30の半押し動作により、デジタルカメラ1のボディーマイコン12は、交換レンズ2内のレンズマイコン20より、レンズマウント21、ボディーマウント23を介して、各種レンズデータを受け取り、内蔵するメモリに保存する。次に、ボディーマイコン12は、クイックリターンミラー制御部60により、クイックリターンミラー4を光路X内の所定位置に戻し、焦点検出用ユニット5より、Df量を取得し、そのDf量分、フォーカスレンズ群25を駆動するようにレンズマイコン20に指示する。レンズマイコン20は、フォーカス制御部26をコントロールして、Df量分だけフォーカスレンズ群25を動作させる。このように焦点検出とフォーカスレンズ群25の駆動を繰り返すうち、Df量は小さくなり、所定量以下になったときに合焦と判断し、フォーカスレンズ群25の駆動を止める。
【0058】
この後、ボディーマイコン12は、レリーズボタン30の全押し動作により、レンズマイコン20に不図示の測光センサからの出力に基づいて計算された絞り値にするよう指示する。そして、レンズマイコン20は、絞り制御部27をコントロールし、指示された絞り値まで、絞りを絞り込む。絞り値の指示と同時にボディーマイコン12は、クイックリターンミラー制御部60により、クイックリターンミラー4の光路X内からの退避を行う。退避完了後、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11の駆動を指示し、シャッターユニット10の動作を指示する。なお、撮像センサ制御部13は、不図示の測光センサからの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
【0059】
露光完了後、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11より画像データを読み出し、所定の画像処理後、画像表示用液晶モニタ16へ撮影画像を表示するよう制御し、また、画像読み出し/記録部18を介して、記憶媒体に画像データを書き込む。また、露光終了後、クイックリターンミラー4は光路X内から退避させた状態に位置し、引き続き、モニタ撮影モードを継続することが可能となる。
【0060】
また、モニタ撮影モードを解除する場合には、撮影モード切り替えボタン75を操作して、通常の撮影モード、すなわち、ファインダ接眼窓9を覗いて撮影するファインダ撮影モードに移行する。この際には、クイックリターンミラー4を、光路X内の所定位置に戻す。また、デジタルカメラ1本体の電源を切断する際にも、クイックリターンミラー4を、光路X内の所定位置に戻す。
【0061】
次に、図4、図10を用いて、デジタルカメラ1の露出設定動作について説明する。デジタルカメラ1は、通常撮影領域に対して自動で露出設定を行うプログラム撮影モードと、シャッタースピードを手動で設定するシャッタースピード優先撮影モードと、絞り値を手動で設定する絞り優先撮影モードと、シャッタースピード及び絞り値を両方とも手動で設定するマニュアル撮影モードとの4つの露出設定モードを持つ。
【0062】
デジタルカメラ1の操作を行う撮影者等は、絞りリング40を所定の回転角度とシャッタースピード設定ダイヤル31の回転角度とを組み合わせて設定することにより、4つの露出設定モードを選択することができる。すなわち、撮影者等は、絞りリング40の文字[A]を指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31をオートの位置に合わせると、プログラム撮影モードに設定可能である。撮影者等は、絞りリング40の文字[A]を指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31をマニュアル設定可能な位置に合わせると、シャッタースピード優先撮影モードに設定可能である。撮影者等は、絞りリング40の文字[2]〜[11]のいずれかを指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31をオートの位置に合わせると、絞り優先撮影モードに設定可能である。撮影者等は、絞りリング40の文字[2]〜[11]のいずれかを指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル31をマニュアル設定可能な位置に合わせると、マニュアル撮影モードに設定可能である。
【0063】
以下、4つの露出設定モードの内、プログラム撮影モードと、シャッタースピード優先撮影モードとを総称してオート絞りモードという。また、以下、絞り優先撮影モードと、マニュアル撮影モードとを総称してマニュアル絞りモードという。
【0064】
絞りリニアセンサ41は、回転角度に応じた信号を絞り制御部27へ出力する。絞りリング40の文字[A]を指標33と一致させた状態にあるとき、レリーズボタン30が操作されると、絞り制御部27は、絞りリニアセンサ41から受信した信号に基づいて露出設定モードがオート絞りモードであることを判断する。判断した結果は、レンズマイコン20、ボディーマイコン12へ送信される。
【0065】
また、シャッタースピード設定ダイヤル31は、回転角度に応じた信号をボディーマイコン12へ出力する。ボディーマイコン12は、絞り制御部27から受信した判断結果と、シャッタースピード設定ダイヤル31からの信号とに基づいて、露出設定モードがオート絞りモードであることを認識する。
【0066】
ボディーマイコン12は、デジタル信号処理部53へ指令を送信する。デジタル信号処理部53は、受信した指令に基づいて所定のタイミングで画像信号をボディーマイコン12へ送信する。ボディーマイコン12は、受信した画像信号に基づいて露出値を演算する。ボディーマイコン12は、露出設定モードがプログラム撮影モードである場合、調整可能な絞り値とシャッタースピードとから適切な組み合わせを演算する。ボディーマイコン12は、露出設定モードがシャッタースピード優先撮影モードである場合、設定されたシャッタースピードに対する適切な絞り値を演算する。
【0067】
ボディーマイコン12は、演算結果に基づいて制御信号を生成する。ボディーマイコン12は、演算された絞り値に基づく制御信号を、交換レンズ2側のレンズマイコン20を介して絞り制御部27へ送信する。ボディーマイコン12は、露出設定モードがプログラム撮影モードである場合、演算されたシャッタースピードに基づく制御信号をシャッター制御部14へ送信する。ボディーマイコン12は、露出設定モードがシャッタースピード優先撮影モードである場合、シャッタースピード設定ダイヤル31により設定されたシャッタースピードの内容をシャッター制御部14へ送信する。
【0068】
併せて、ボディーマイコン12は、画像表示制御部15に制御信号を送信する。画像表示制御部15は、液晶モニタ16を駆動する。液晶モニタ16は、制御信号の内容がプログラム設定モードを指示するものであるとき、露出設定モードがプログラム撮影モードである旨の表示を行う。液晶モニタ16、制御信号の内容がシャッター優先モードを指示するものであるとき、露出設定モードがシャッタースピード優先モードである旨の表示を行う。
【0069】
絞り制御部27は、レンズマイコン20からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ28bを駆動するための駆動信号を生成する。絞り駆動モータ28bは、駆動信号に基づいて駆動される。絞り駆動モータ28bの駆動により、絞り羽根28aが駆動される。
シャッター制御部14は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ10aを駆動するための駆動信号を生成する。シャッター駆動モータ10aは、駆動信号に基づいて駆動される。シャッター駆動モータ10aの駆動により、シャッターユニット10が駆動される。
【0070】
以上のようにして、デジタルカメラ1のオート絞りモードによる露出設定が行われる。以上の動作は、撮影者等のレリーズボタン30の操作後、瞬時に実行される。
ボディーマイコン12は、撮影が終了すると、画像記録制御部15に制御信号を送信する。画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
【0071】
画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、制御信号の内容がプログラム設定モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードがプログラム撮影モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、制御信号の内容がシャッター優先モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードがシャッタースピード優先モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
【0072】
次に、絞りリング40の文字[2]〜[11]のいずれかの位置を指標33と一致させた状態にあるとき、レリーズボタン30が操作されると、絞り制御部27は、絞りリニアセンサ41から受信した信号に基づいて露出設定モードがマニュアル絞りモードであることを判断する。判断した結果は、レンズマイコン20へ送信される。また、シャッタースピード設定ダイヤル31は、回転角度に応じた信号をボディーマイコン12へ出力する。
【0073】
ボディーマイコン12は、絞り制御部27から受信した判断結果と、シャッタースピード設定ダイヤル31からの信号とに基づいて、露出設定モードがマニュアル絞りモードであることを認識する。
【0074】
レンズマイコン20は、絞り制御部27へ絞りリング40の回転角度より検出した絞り値情報を要求する。絞り制御部27は、レンズマイコン20からの指令に基づいて絞りリング40の回転角度より検出した絞り値情報を、レンズマイコン20、ボディーマイコン12へ送信する。ボディーマイコン12は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、デジタル信号処理部53へ指令を送信する。デジタル信号処理部53は、受信した指令に基づいて所定のタイミングで画像信号をボディーマイコン12へ送信する。
【0075】
ボディーマイコン12は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、受信した画像信号に基づいてシャッタースピードを演算する。ボディーマイコン12は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、検出された絞り値に対する適切なシャッタースピードを演算する。ボディーマイコン12は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、演算結果に基づいて制御信号を生成する。ボディーマイコン12は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、演算されたシャッタースピードに基づく制御信号をシャッター制御部14へ送信する。ボディーマイコン12は、露出設定モードがマニュアル撮影モードである場合、シャッタースピード設定ダイヤル31により設定されたシャッタースピードの内容をシャッター制御部14へ送信する。
【0076】
併せて、ボディーマイコン12は、画像表示制御部15に制御信号を送信する。画像表示制御部15は、液晶モニタ16を駆動する。液晶モニタ16は、制御信号の内容が絞り優先撮影モードを指示するものであるとき、露出設定モードが絞り優先撮影モードである旨の表示を行う。液晶モニタ16は、制御信号の内容がマニュアル撮影モードを指示するものであるとき、露出設定モードがマニュアル撮影モードである旨の表示を行う。
【0077】
絞り制御部27は、レンズマイコン20からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ22bを駆動するための駆動信号を生成する。絞り駆動モータ28bは、駆動信号に基づいて駆動される。絞り駆動モータ28bの駆動により、絞り羽根28aが駆動される。シャッター制御部14は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ10aを駆動するための駆動信号を生成する。シャッター駆動モータ10aは、駆動信号に基づいて駆動される。シャッター駆動モータ10aの駆動により、シャッターユニット10が駆動される。
【0078】
以上のようにして、デジタルカメラ1のマニュアル絞りモードによる露出設定が行われる。以上の動作は、撮影者等のレリーズボタン30の操作後、瞬時に実行される。
【0079】
ボディーマイコン12は、撮影が終了すると、画像記録制御部17に制御信号を送信する。画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
【0080】
画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、制御信号の内容が絞り優先モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードが絞り優先モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部18は、画像記録制御部17の指令に基づいて、制御信号の内容がマニュアル撮影モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードがマニュアル撮影モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
【0081】
次に、本発明の実施の形態1に係る絞込みモードについて説明する。
【0082】
デジタルカメラ1において被写界深度の確認は、液晶モニタ16を見ることにより行われる。このとき、液晶モニタ16には、絞りユニット28を本撮影の際の絞り値に即した画像(以下、実絞りライブビュー画像という)が表示される。この実絞りライブビュー画像を液晶モニタ16に表示させるため、絞込みモードボタン76を押すと、図3に示すように、自動的にモニタ撮影モードに移行する。このモニタ撮影モードに移行することにより、本撮影の際の絞り値に即した実絞りライブビュー画像を液晶モニタ16にて表示させることが可能となり、被写界深度の確認を容易に行うことができる。
【0083】
この絞込みモードにおいて、レンズマイコン20は、絞り制御部27へ絞りリング40の回転角度より検出した絞り値情報を要求する。絞り制御部27は、レンズマイコン20からの指令に基づいて絞りリング40の回転角度より検出した絞り値情報を、レンズマイコン20、ボディーマイコン12へ送信する。絞り制御部27は、レンズマイコン20からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ22bを駆動するための駆動信号を生成する。絞り駆動モータ28bは、駆動信号に基づいて駆動される。絞り駆動モータ28bの駆動により、絞り羽根28aが駆動される。
【0084】
次に、絞込みモードにおける具体的な動作について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0085】
デジタルカメラ1のボディーマイコン12は、絞込みモードボタン76が押されたかどうかを判断する(Step1)。絞り込みモードボタン76が押された場合には、絞込みモードに移行する(Step2)。絞り込みモードに移行すると、クイックリターンミラー制御部60により、図3に示すように、クイックリターンミラー4を光路X外に退避させ、撮像素子11の動作を開始させる(Step3)。次に、画像表示制御部15により、液晶モニタ16上には、撮像素子11により得られたライブビュー画像が表示される(Step4)。撮影者等が、絞りリング40を操作し、所定の絞り値に合わせると(Step5)、絞り制御部27は、レンズマイコン20からの指令に基づいて絞りリング40の回転角度より検出した絞り情報を検出する(Step6)。そして絞り制御部27は、レンズマイコン20からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ22bを駆動するための駆動信号を生成し、絞り駆動モータ28bの駆動により、絞り羽根28aが駆動され、所定の絞り値に変更される(Step7)。この時、液晶モニタ16に表示される画像は、実絞りライブビュー画像であり、撮影時の被写界深度の確認を容易に行うことができる。この時、液晶モニタ16の右上には、実絞り値が表示される。そして、絞込みモードボタン76が解除されると(Step8)、絞込みモードは終了し、図2に示すように、クイックリターンミラー4は、光路X内の所定位置に戻される(Step9)。
【0086】
以上のように本実施の形態1によれば、絞込みモードにおいて、自動的に、クイックリターンミラーを光路外に退避させた液晶モニタを用いたモニタ撮影モードに移行することにより、本撮影の際の絞り値に即した画像、つまり実絞りライブビュー画像を、液晶モニタに表示させることができるため、被写界深度の確認を容易に行うことができる。
また、本実施の形態1においては、絞り値に変更については、交換レンズに搭載された絞りリングを用いて行ったが、デジタルカメラ本体に搭載されたダイヤルなどを用いて操作してもよい。また、デジタルカメラ本体に搭載されたダイヤルは、絞り値変更の専用ダイヤルでなくとも、他の機能との兼用であってもよい。
【0087】
また、本実施の形態1においては、液晶モニタに表示する画像については、撮像センサを用いて行ったが、別途、第2の撮像センサをファインダ光学系内に配置し、その画像を液晶モニタに表示させる方式であっても良い。その場合は、クイックリターンミラーを、光路外へ退避させる必要がない。
【0088】
また、絞り込みモードについては、絞込みモードボタンを一回押せば移行し、もう一回押せば解除される方式を用いたが、絞込みモードボタンを押している間のみ、絞込みモードを継続させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、一眼レフデジタルカメラにおいて、液晶モニタを用いて実絞りライブビュー画像を表示させることができるシステムであり、撮像装置の利便性を拡大するものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態1に係る交換レンズとデジタルカメラ本体の制御システムを示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係るファインダ撮影モードを説明する概念図
【図3】本発明の実施の形態1に係るモニタ撮影モードを説明する概念図
【図4】本発明の実施の形態1に係るデジタルカメラの上面図
【図5】本発明の実施の形態1に係るデジタルカメラの背面図
【図6】(a)は、本発明の実施の形態1に係る絞りリングの外周面の展開図、(b)は、本発明の実施の形態1に係る絞りリングの内周面の展開図
【図7】本発明の実施の形態1に係る絞りリングと絞りリニアセンサの結合を示す断面図
【図8】(a)は、本発明の実施の形態1のレンズ鏡筒の絞りリニアセンサの回路図、(b)は、本発明の実施の形態1のレンズ鏡筒の絞りリニアセンサの出力を表すグラフ
【図9】本発明の実施の形態1に係る絞りリングの回転角度と絞りリニアセンサの出力値の関係を示すグラフ
【図10】本発明の実施の形態1に係るデジタルカメラ内の制御システムを示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態1に係る交換レンズ内の制御システムを示すブロック
【図12】本発明の実施の形態1に係る絞込みモードを説明するフローチャート
【図13】本発明の実施の形態1に係る液晶モニタに実絞りライブビュー画像を示す図
【符号の説明】
【0091】
L 撮像光学系
Df 焦点ずれ量
X 光路
1 デジタルカメラ
2 交換レンズ
4 クイックリターンミラー
9 ファインダ接眼窓
10 シャッターユニット
11 撮像センサ
12 ボディーマイコン
14 シャッター制御部
15 画像表示制御部
16 液晶モニタ
18 画像読み出し/記録部
20 レンズマイコン
21 レンズマウント
23 ボディーマウント
25 フォーカスレンズ群
27 絞り制御部
28 絞りユニット
28a 絞り羽根
28b 絞り駆動モータ
30 レリーズボタン
31 シャッタースピード設定ダイヤル
33 指標
38 ズームリング
39 フォーカスリング
40 絞りリング
41 絞りリニアセンサ
60 クイックリターンミラー制御部
61 クイックリターンミラー駆動モータ
62 ズーム制御部
65 フォーカス駆動モータ
71 撮影/再生モード切り替えレバー
72 MENUボタン
75 撮影モード切り替えボタン
76 絞込みモードボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系と撮像素子との間に配置された可動の反射ミラーを有し、前記反射ミラーによって反射された光を観察する観察光学系を備えた撮像装置であって、
前記反射ミラーを駆動する反射ミラー駆動手段と、
前記撮像光学系を通った光を前記反射ミラーで反射して、前記観察光学系に導くように、前記反射ミラーを第1の状態へ駆動して撮影を行う第1の撮影モードと、
前記撮像光学系を通った光を前記撮像素子へ導くように、前記反射ミラーを第2の状態へ駆動して撮影を行う第2の撮影モードと、
画像を表示する画像表示手段と、
操作されることにより前記撮影光学系が実絞り状態へと制御され、前記第2の撮影モードへ移行すると共に、前記撮影素子にて取得された画像データが前記表示手段に表示されるプレビュー操作手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮像光学系の絞り値を設定する絞り値設定手段を設け、前記絞り値設定手段により、表示手段に表示する画像データの被写界深度を変更することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−158878(P2007−158878A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352964(P2005−352964)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】