撮影装置およびその制御方法並びにプログラム
【課題】複数回の発光を行う際に、メインコンデンサ等の電源のエネルギーを測定することなく、適切な発光時間を算出できるようにする。
【解決手段】撮像部10により被写体を本撮影して被写体を表す本画像を取得する。フラッシュ4の発光を発光制御部19が制御する。フラッシュ4を用いた複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう、全体制御部32が撮像部10を制御する。複数回のフラッシュ発光を行うに際し、各発光時の発光量および発光時の残エネルギーに基づいて、予測部26が各発光後のメインコンデンサ25の残エネルギーを予測する。
【解決手段】撮像部10により被写体を本撮影して被写体を表す本画像を取得する。フラッシュ4の発光を発光制御部19が制御する。フラッシュ4を用いた複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう、全体制御部32が撮像部10を制御する。複数回のフラッシュ発光を行うに際し、各発光時の発光量および発光時の残エネルギーに基づいて、予測部26が各発光後のメインコンデンサ25の残エネルギーを予測する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続して撮影を行うことが可能なデジタルカメラ等の撮影装置およびその制御方法並びに制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラにおいて、撮影の前にフラッシュの発光を伴わない露光による画像およびフラッシュの発光を伴う露光による画像を取得し、2つの画像を用いて撮影時のフラッシュの発光量を制御する(すなわち調光する)手法が提案されている。なお、このようなフラッシュの発光を伴わない露光およびフラッシュの発光を伴う露光を調光露光、調光露光の結果を用いて発光量を演算する処理を調光演算と称する。このように調光露光および調光演算を行ってフラッシュの発光量を制御することにより、適切な明るさを有する画像を取得することができる。
【0003】
また、デジタルカメラにおいて連写を行う際に、各撮影時におけるISO感度、絞り、シャッタ速度およびフラッシュの有無等の露出を異なる設定値に設定する場合がある。また、この際に、複数回連続してフラッシュ発光を行う場合がある。ここで、連写時にフラッシュ発光を行う場合、1回発光するたびにメインコンデンサに充電をしなければならないため、フラッシュ発光を伴わない連写と比較して、連写コマ速度(単位時間あたりの連写コマ数)が低下してしまうという問題がある。
【0004】
このため、連写時におけるフラッシュの発光量、およびその発光量を実現するためのメインコンデンサの充電量を推定し、その充電量を得るための充電時間が連写コマ間隔より大きい場合には、発光量の低下を補うために、撮影時におけるゲインを増加させる手法が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−358988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された手法を用いた場合、発光量が足りないときにゲインを増加させるとノイズが増加するため、画像の画質が劣化してしまう。このため、フラッシュ発光を伴う連写時においては、充電を行うことなく連続してフラッシュを発光し、発光の都度メインコンデンサの残電圧を測定し、測定結果に応じて発光時間を長くすることにより発光量を確保することが考えられる。
【0006】
しかしながら、メインコンデンサの残電圧を測定するための手段をデジタルカメラに設けるためにはコストがかかり、さらに回路も複雑化してしまうため、カメラが大型化してしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、複数回の発光を行う際に、メインコンデンサ等の蓄電手段のエネルギーを測定することなく、適切な発光時間を算出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による撮影装置は、撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段と、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
なお、本発明による撮影装置においては、前記予測手段を、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段としてもよい。
【0010】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影制御手段を、前記発光量が最大となる撮影を、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影の最後の回に行う手段としてもよい。
【0011】
なお、最後の回の撮影より前の撮影については、発光量が小さい順に行うことが好ましいが、ランダムに行ってもよく、あらかじめ定められた順に行ってもよい。
【0012】
また、本発明による撮影装置においては、前記発光制御手段を、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時における前記フラッシュの発光量を抑制する手段としてもよい。
【0013】
「少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時」とは、少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影(以下その撮影とする)より前の少なくとも1回の撮影時、その撮影より前のすべての撮影時、その撮影を含むすべての撮影時のいずれであってもよい。なお、とくにその撮影が最後の回の撮影である場合には、その最後の回の撮影以外のすべての撮影時を含むものであってもよい。
【0014】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影制御手段を、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影を、前記フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行う手段としてもよい。
【0015】
なお、最後の回の撮影より前の撮影については、発光量が小さい順に行うことが好ましいが、ランダムに行ってもよく、あらかじめ定められた順に行ってもよい。
【0016】
また、本発明による撮影装置においては、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる場合に警告を行う警告手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0017】
また、本発明による撮影装置においては、前記発光制御手段を、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影時における前記フラッシュの発光量を算出する手段としてもよい。
【0018】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影により取得される画像に、前記発光量および前記残エネルギーの情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0019】
また、本発明による撮影装置においては、前記発光制御手段を、前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する手段としてもよい。
【0020】
また、本発明による撮影装置においては、前記予測手段および前記発光制御手段を、前記残エネルギーの予測および前記発光時間の算出を、前記発光量の算出後の少なくとも1の時点において行う手段としてもよい。
【0021】
「少なくとも1の時点」とは、発光量の算出後に残エネルギーの予測および発光時間の算出を一括して行う場合のみならず、残エネルギーの予測を行ってから他の処理を行った後に発光時間の算出を行う場合をも含む。
【0022】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影により取得される画像に、前記発光量、前記残エネルギーおよび前記発光時間の情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0023】
本発明による発光装置は、光を発する光源と、
該光源の発光のためのエネルギーを蓄える電源と、
前記発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記電源の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
なお、本発明による発光装置においては、前記予測手段を、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段としてもよい。
【0025】
また、本発明による発光装置においては、前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する発光制御手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0026】
本発明による撮影装置の制御方法は、撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを備えた撮影装置の制御方法であって、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測することを特徴とするものである。
【0027】
なお、本発明による撮影装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、フラッシュの発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および発光時の残エネルギーに基づいて、各発光後の蓄電手段の残エネルギーを予測するようにしたものである。このため、蓄電手段の残エネルギーを測定する手段を設けなくても、予測した残エネルギーに基づいて、発光時間を算出することができる。したがって、撮影装置のハード構成を複雑にすることなく、安価にフラッシュを用いた複数回の撮影を行う際の発光時間を算出することができる。
【0029】
また、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および各種発光量と第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、各発光後の残エネルギーを予測することにより、簡易な演算により残エネルギーを予測することができる。
【0030】
ここで、フラッシュの発光量が大きいほど蓄電手段の残エネルギーが少なくなるため、発光量が最大となる撮影を複数回の撮影の最初の方に行うと、それより後の撮影時において発光に必要な残エネルギーが不足するおそれがある。このため、発光量が最大となる撮影を、フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行うことにより、それより前の撮影において、フラッシュの発光に必要な残エネルギーが不足してしまう可能性を低減することができる。
【0031】
また、蓄電手段の残エネルギーが小さすぎるとフラッシュを発光できない場合がある。このため、予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時におけるフラッシュの発光量を抑制することにより、撮影時に蓄電手段の残エネルギーが所定値未満となることがなくなるため、複数回の撮影においてフラッシュを確実に発光させることができる。
【0032】
この場合、少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影を、フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行うことにより、すべてのフラッシュを用いた撮影においてフラッシュを確実に発光させることができる。
【0033】
また、予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、撮影開始前に警告を行うことにより、発光量が不足する可能性があることを撮影者に知らせることができる。
【0034】
また、撮影により取得される画像に、発光量、残エネルギーおよび発光時間の情報を含む連写情報を付与することにより、連写情報を用いて撮影時のフラッシュの発光の状況を知ることができるため、フラッシュの発光状況に応じた画像処理を画像に施すことができる。
【0035】
また、残エネルギーの予測および発光時間の算出を、発光量の算出後の1の時点において一括して行うことにより、予測した残エネルギーの時系列な移動が少なくなるため、処理を容易に行うことができる。一方、残エネルギーの予測および発光時間の算出を、発光量の算出後の複数の時点において分割して行うことにより、発光量の算出後から撮影までの間にすべての撮影における残エネルギーの予測および発光時間の算出を行う必要がなくなるため、残エネルギーの予測および発光時間の決定の演算を滞りなく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラと、そのデジタルカメラの制御方法を例示して説明する。
【0037】
図1は本発明の実施形態におけるデジタルカメラ1の外観を示す図である。図1に示すように、このデジタルカメラ1の上部には、レリーズボタン2、撮影モードの設定に利用されるモードダイヤル3、フラッシュ4および付属品の取付口であるホットシュー5が備えられている。
【0038】
レリーズボタン2は、2段階の押下により2種類の動作を指示できる構造となっている。例えば、自動露出調整機能(AE:Auto Exposure)、自動焦点調節機能(AF:Auto Focus)を利用した撮影では、デジタルカメラ1は、レリーズボタン2が軽く押下される第1の押下操作(半押しともいう)がなされたときに、AE処理およびAF処理により、露出調整および焦点合わせ等の撮影準備を行う。その状態で、レリーズボタン2が強く押下される第2の押下操作(全押しともいう)がなされると、デジタルカメラ1は露光を開始し、露光により得られた1画面分の画像データをメモリカードに記録する。
【0039】
フラッシュ4は、例えばキセノン管からなり、脇にあるフラッシュポップアップボタン6を押すことにより、図1に示すようにカメラ上部方向に開く(以下、ポップアップと称する)。また、一部の撮影モードでは、自動的にポップアップすることもある。
【0040】
なお、ポップアップ状態のフラッシュ4は、1回のみの撮影を行う場合には、レリーズボタン2の2段階目の押下操作と連動して2回発光する。1回目の発光は被写体からの反射光量を測定するための予備発光(プリ発光)であり、通常の発光に比べれば発光量は微小である。予備発光には反射光量の測定のほか、赤目を予防する目的もある。2回目の発光は被写体に対して撮影に十分な光を供給するための(適切な露光量を得るための)本発光であり、本発光の発光量が適正であれば、適切な明るさの画像を得ることができる。
【0041】
なお、フラッシュ4を使用して連写を行う場合には、フラッシュ4は、レリーズボタン2の2段階目の押下動作と連動して、予備発光の後、必要な回数発光する。
【0042】
続いて、図2を参照してデジタルカメラ1の内部構成について概要を説明する。図2に示すように、デジタルカメラ1は、レンズ11、レンズ駆動部16、絞り12、絞り駆動部17、CCD13およびタイミングジェネレータ(TG)18からなる撮像部10を備える。
【0043】
レンズ11は、被写体にピントを合わせるためのフォーカスレンズ、ズーム機能を実現するためのズームレンズ等の複数の機能別レンズにより構成される。レンズ駆動部16はステッピングモータ等小型のモータで、CCD13から各機能別レンズのまでの距離が目的に適った距離となるように各機能別レンズの位置を調整する。
【0044】
絞り12は複数の絞り羽根からなる。絞り駆動部17は、ステッピングモータ等小型のモータで、絞りの開口サイズが目的に適ったサイズになるように絞り羽根の位置を調整する。
【0045】
CCD13は原色カラーフィルタを伴う500〜1200万画素のCCDであり、タイミングジェネレータ18からの指示信号に応じて蓄積された電荷を放出する。タイミングジェネレータ18は、CCD13に所望の時間のみ電荷が蓄積されるようにCCD13に対して信号を送り、これによりシャッタ速度を調整する。
【0046】
また、デジタルカメラ1は、CCD13の出力信号に対して、ノイズを除去する処理、およびゲインを調節する処理(以下アナログ処理とする)を施すAFE(アナログフロントエンド)14と、AFE14によりアナログ処理が施された出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部15と、A/D変換部15が出力した画像データをシステムバス36を介して他の処理部に転送する画像入力制御部23と、画像入力制御部23から転送された画像データを一時記憶するSDRAM22とを備える。SDRAM22に記憶される画像データはRAWデータである。なお、AFE14のゲインは、AE処理等により設定されるISO感度により決定される。
【0047】
また、デジタルカメラ1は、フラッシュ4と、フラッシュ4の発光タイミングおよび発光量を制御する発光制御部19と、レンズ駆動部16にレンズの移動を指示して焦点合わせを行う焦点調節部20と、ISO感度、絞り値およびシャッタ速度を決定し、AFE14、絞り駆動部17およびタイミングジェネレータ18に指示信号を送出する露出調整部21と、デジタルカメラ1の各部の駆動源である電源24とを備える。
【0048】
発光制御部19は、フラッシュ4を発光させるために必要な電荷(エネルギー)をチャージするためのメインコンデンサ25に接続されている。また、後述するフラッシュ4の発光連写時において、発光制御部19は後述する調光処理により各撮影の発光量を設定する。
【0049】
また、デジタルカメラ1は、フラッシュ4の発光を伴う連写の際に、各発光後のメインコンデンサ25の残エネルギー(残電圧)を予測する予測部26を備える。また、発光制御部19は、予測部26が予測した残電圧に基づいて、各撮影時のフラッシュ4の発光時間を算出する。なお、調光処理、残電圧の予測および発光時間の算出については後述する。
【0050】
デジタルカメラ1は、この他、SDRAM22に記憶されている画像データに対して画像処理を施す画像処理部27を備える。画像処理部27は、画像を自然な色合い、明るさにするための色階調補正、明るさ補正、ホワイトバランス調整、また画像データが赤目を含むものであるときに赤目を黒目に修正する処理等、画像の見栄えを良くするための各種仕上げ処理を行った後、処理済み画像データを再度SDRAM22に記憶する。
【0051】
また、デジタルカメラ1は、SDRAM22に記憶されている画像データの液晶モニタ(LCD:Liquid Crystal Display)29への出力を制御する表示制御部28を備える。表示制御部28は、SDRAM22に記憶されている画像データの画素数を、表示に適した大きさとなるように間引きしてから液晶モニタ29に出力する。
【0052】
また、デジタルカメラ1は、SDRAM22に記憶されている画像データのメモリカード31への書込み、およびメモリカード31に記録されている画像データのSDRAM22へのロードを制御する記録読出制御部30を備える。記録読出制御部30は、ユーザの設定に応じてRAWデータをそのまま、もしくは圧縮符号化によりJPEGデータに変換してからメモリカード31に記録する。JPEGデータをロードするときは、その逆の変換を行ってからデータをSDRAM22にロードする。
【0053】
デジタルカメラ1は、この他、CPU(Central Processor Unit)33、操作/制御プログラムが格納されたRAM(Random Access Memory)34、各種設定値が記憶されているEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)35からなる全体制御部32を備える。全体制御部32は、モードダイヤルによる撮影モードの設定をはじめユーザが行う各種設定操作を検出し、設定された内容をEEPROM35に記憶せしめる。そして、その設定操作が行われたとき、もしくは撮影操作が行われたときに、EEPROM35に記憶された設定値にしたがって、前述した発光制御部19、焦点調節部20、露出調整部21、画像入力制御部23、予測部26、画像処理部27、表示制御部28、および記録読出制御部30に対し、システムバス36を介して、実行すべき処理や、その処理の実行タイミングを指示する信号を送出する。なお、EEPROM35には、後述する発光量と残電圧との関係を定めたテーブルおよび発光量と発光時間との関係とを定めたテーブルが記憶されている。
【0054】
なお、第1の実施形態においては、撮影の前に、撮影者が連写モードの設定をあらかじめ行うものとする。図3は液晶モニタ29に表示された連写モードの設定画面を示す図である。図3に示すように連写モードの設定画面40には、連写時における撮影枚数を設定するコマンド41と、各撮影コマに対する露出の設定事項(ISO感度、フラッシュ、露出補正、ホワイトバランス(WB)、絞り値およびシャッタ速度)を示すコマンド42と、ISO感度、フラッシュの有無、露出補正、ホワイトバランス(WB)、絞り値およびシャッタ速度を設定するコマンド43とが表示される。なお、ホワイトバランスは露出に影響を与える事項ではないが、ここでは便宜上、露出を設定するコマンドに含めるものとする。
【0055】
ここで、フラッシュについては、発光禁止、強制発光およびスローシンクロ等を設定可能であり、露出補正については、±0、±0.5、および±1等の値を設定可能である。また、ISO感度、ホワイトバランス、絞り値およびシャッタ速度については、撮影者が所望とする値の他、オート(AUTO)に設定することが可能である。なお、オートとは、AE処理により算出したISO感度、絞り値およびシャッタ速度をそのまま用いること、並びに画像処理部27が算出したホワイトバランスの調整値をそのまま用いることを意味する。なお、設定した値は、EEPROM35に記憶される。
【0056】
なお、図3においては、撮影枚数として4コマが指定され、4コマのうち1番目の撮影コマである「コマ1」が選択され、「コマ1」に対して、ISO感度を「400」、フラッシュを「強制発光」、露出補正、ホワイトバランス(WB)、絞り値およびシャッタ速度を「AUTO」に設定した状態を示している。
【0057】
また、第1の実施形態においては、発光連写を行う場合、メインコンデンサ25へのチャージは連写開始前に行われ、連写中はチャージはなされないものとする。
【0058】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図4は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、フラッシュ発光を複数回行うよう連写の設定がなされているものとする。また、連写の撮影コマ数をn(n=1〜N、N≧2)、フラッシュを発光する発光コマ数をm(m=1〜M、M≧2)とする。また、フラッシュ発光を伴う連写を設定した時点において、発光制御部19がメインコンデンサ25をフル充電しているものとする。ここで、本実施形態においては、メインコンデンサ25のフル充電の電圧を300Vとする。
【0059】
全体制御部32は、レリーズボタン2の第1の押下操作(半押し)を検出すると(ステップST1:肯定)、焦点調節部20および露出調整部21に第1の押下操作が検出されたことを通知する通知信号を送出する。通知信号を受けて、露出調整部21がAE処理を、焦点調節部20がAF処理を行う(AE/AF処理、ステップST2)。ここで、本実施形態においては、設定画面40によりコマごとに露出が設定可能であるため、撮影者によってISO感度、絞り値およびシャッタ速度がAUTOに設定されたコマについては、AE処理によりISO感度、絞り値およびシャッタ速度を設定する(ステップST3)。なお、ISO感度、絞り値およびシャッタ速度が撮影者により設定されているコマについては、設定された値により露出を設定する(ステップST3)。この際、設定画面40における設定が同一のコマについては、同一の設定値により露出を設定する。
【0060】
そして、全体制御部32が、レリーズボタン2の第2の押下操作(全押し)を検出すると(ステップST4:肯定)、撮影コマ数nおよび発光コマ数mを初期値(=1)に設定し、さらにメインコンデンサ25の残電圧Vmを初期値V1に設定する(ステップST5)。なお、残電圧Vmの初期値V1としては、メインコンデンサ25をフル充電した場合の残電圧である300Vから、後述する予備発光に必要な電圧を減算した値を用いるものとする。そして、全体制御部32は現在の撮影コマが最初のフラッシュ発光を伴うコマであるか否かを判定し(ステップST6)、ステップST6が肯定されると調光処理を行う(ステップST7)。
【0061】
図5は調光処理のフローチャートである。全体制御部32が調光処理の開始を指示する指示信号を発光制御部19に送出すると、発光制御部19が、非発光露光により撮影された画像、すなわち、SDRAM22に記憶されている最新の画像データ(非発光時画像データ)を取得する(ステップST21)。さらに、発光制御部19がフラッシュ4の予備発光を行って、予備発光露光により撮影されSDRAM22に記憶された画像データ(予備発光時画像データ)を取得する(ステップST22)。
【0062】
次いで、発光制御部19は、取得した非発光時画像データおよび予備発光時画像データを複数の領域ブロックに分割し、領域ごとの輝度情報の差分値を算出する(ステップST23)。図6は領域ブロックへの分割の一例を示す図であり、画像データ(非発光時画像データまたは予備発光時画像データ)により表される画像を、i×j(ここでは8×8)個の領域ブロックに分割したところを示している。以下の説明では、(1,1)、(i,j)といった符号により、位置が異なる領域ブロックを区別するものとする。
【0063】
そして、発光制御部19は、非発光時画像の領域ブロックごとの非発光輝度情報Ya(1,1)〜Ya(i,j)を取得する。例えば、非発光時画像データをRGB−YCC変換し、各画素の輝度値を求め、その画素輝度値の領域ごとの平均値を求め、非発光輝度情報Yaとする。予備発光時画像データについても、同様の手順により、各領域ブロックの予備発光の輝度情報Yb(1,1)〜Yb(i,j)を取得する。次いで発光制御部19は、領域ブロックごとに、非発光の輝度情報Ya(x,y)と予備発光の輝度情報Yb(x,y)との差分値Yd(x,y)(=Yb(x,y)−Ya(x,y))を算出する。なお、差分値Yd(x,y)が反射輝度情報となる。
【0064】
そして、全領域ブロックの差分Yd(1,1)〜Yd(i,j)に基づいて、発光コマmについてフラッシュ発光を伴う撮影時におけるフラッシュ発光量の予備発光に対する発光倍率Hmを算出する(ステップST24)。例えば、差分Yd(1,1)〜Yd(i,j)および非発光輝度情報Ya(1,1)〜Ya(i,j)の単純平均あるいは加重平均Ydh、Yahを算出し、目標輝度Yoを用いて下記の式(1)により、目標輝度を得るために必要な、予備発光の発光量に対する発光倍率Hmを算出する。
【0065】
発光倍率Hm=(Yo−Yah)/Ydh (1)
なお、加重平均を求める場合には、図7に示すように例えば画像の中央に近い領域ブロックの重み付けを大きくする重み付けを行う。
【0066】
さらに、発光制御部19はフラッシュ4の発光量Evsmを下記の式(2)により算出する(ステップST25)。
【0067】
Evsm=log2Hm (2)
なお、露出の設定値が同一のコマについては、再度の発光量の算出を行うことなく、算出した発光量を露出が同一のコマの発光量に設定することが好ましい。これにより、発光量算出のための演算時間を短縮できる。続いて、発光制御部19は発光時間演算処理を行う(ステップST26)。
【0068】
図8は発光時間演算処理のフローチャートである。発光制御部19は、まず発光量Evsmに対する仮の発光時間Tk1m,Tk2mを算出する(ステップST31)。図9は発光時間を算出するための、各種発光量と発光時間とを対応づけたテーブルLUT1,LUT2を示す図、図10は発光時間の算出を説明するための図である。テーブルLUT1は、各種発光量(2.0,1.0,0,−1.0,−2.0)と参照電圧Vr1に対応する発光時間との関係を規定したものであり、テーブルLUT2は、各種発光量と参照電圧Vr2に対応する発光時間との関係を規定したものである。なお、Vr1>Vr2であり、発光時間の単位はμsである。ここで、本実施形態においては参照電圧Vr1として、メインコンデンサ25をフル充電したときの残電圧である300Vを用いるものとする
発光制御部19は、発光量Evsmを用いてテーブルLUT1,LUT2を参照して線形補間演算により仮発光時間Tk1m,Tk2mを算出する。例えば、発光量Evsmが0.5である場合、仮の発光時間Tk1mは、テーブルLUT1を参照して発光量が0.0に対応する21.2μsと、発光量が1.0に対応する30.5μsとから25.9μsと算出する。また、仮の発光時間Tk2mは、テーブルLUT2を参照して発光量が0.0に対応する34.0μsと、発光量が1.0に対応する49.0μsとから41.5μsと算出する。なお、発光量EvsmがテーブルLUT1,LUT2に定められた値と同一の場合、補間演算を行うことなく、テーブルLUT1,LUT2に定められた値を仮の発光時間Tk1m,Tk2mとして算出する。
【0069】
次いで、発光制御部19は、残電圧Vmを用いて仮の発光時間Tk1m,Tk2mから下記の式(3)により線形補間を用いて発光時間Tmを算出する(ステップST32)。
【0070】
Tm={(Vm-Vr2)*Tk1m+(Vr1-Vm)*Tk2m}/(Vr1-Vr2) (3)
例えば、Vr1=300V、Vr2=250V、残電圧Vm=275Vであり、Tk1m=25.9μs、Tk2m=41.5μsの場合、Tm=33.7μsと算出される。
【0071】
次いで、予測部26が、発光量Evsmによる発光後のメインコンデンサ25の仮の残電圧Vk1m,Vk2mを算出する(ステップST33)。図11は残電圧を算出するための、各種発光量と残電圧とを対応づけたテーブルLUT3,LUT4を示す図、図12は残電圧の算出を説明するための図である。テーブルLUT3は、各種発光量(2.0,1.0,0,−1.0,−2.0)と参照電圧Vr1に対応する残電圧との関係を規定したものであり、テーブルLUT4は、各種発光量と参照電圧Vr2に対応する残電圧との関係を規定したものである。なお、Vr1>Vr2であり、残電圧の単位はVである。
【0072】
予測部26は、発光量Evsmを用いてテーブルLUT3,LUT4を参照して線形補間演算により仮残電圧Vk1m,Vk2mを算出する。例えば、発光量Evsmが0.5である場合、仮の残電圧Vk1mは、テーブルLUT3を参照して発光量が0.0に対応する267Vと、発光量が1.0に対応する260Vとから263.5Vと算出する。また、仮の残電圧Vk2mは、テーブルLUT4を参照して発光量が0.0に対応する222Vと、発光量が1.0に対応する215Vとから218.5Vと算出する。なお、発光量EvsmがテーブルLUT3,LUT4に定められた値と同一の場合、補間演算を行うことなく、テーブルLUT3,LUT4に規定された値を仮の残電圧Vk1m,Vk2mとして算出する。
【0073】
次いで、予測部26は、現在の残電圧Vmを用いて仮の残電圧Vk1m,Vk2mから下記の式(4)により発光後のメインコンデンサ25の残電圧(すなわち、次の発光コマm+1についてフラッシュ4を発光させるための残電圧)Vm+1を算出し(ステップST34)、発光時間演算処理を終了する。
【0074】
Vm+1={(Vm-Vr2)*Vk1m+(Vr1-Vm)*Vk2m}/(Vr1-Vr2) (4)
例えば、Vr1=300V、Vr2=250V、残電圧Vm=275Vであり、Vk1m=263.5V、Vk2m=218.5Vの場合、残電圧Vm+1=241Vと算出される。
【0075】
なお、発光時間演算処理においては、ステップST31,ST32の処理をステップST33,ST34の処理よりも先に行っているが、ステップST33,ST34の処理をステップST31,ST32の処理よりも先に行うようにしてもよい。
【0076】
図5に戻り、全体制御部32が現在の発光コマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST27)。ステップST27が否定されると、発光時間を算出する発光コマを次の発光コマに設定し(m=m+1,ステップST28)、ステップST24に戻る。なお、2回目以降の発光時間演算処理は、ステップST34において算出した残電圧を用いて発光時間Tmおよび発光後のメインコンデンサ25の残電圧Vm+1を算出する。
【0077】
図4に戻り、ステップST6が否定された場合およびステップST7に続いて、全体制御部32が、撮影コマの露出を設定する(ステップST8)。ステップST8の処理は、撮影コマが発光コマである場合は、ステップST3により設定された露出を使用するとともに、フラッシュ4の発光量をEvsm、発光時間をTmに設定することにより行う。
【0078】
そして、全体制御部32が本撮影を行う(ステップST9)。本撮影においては、フラッシュの発光(本発光)と画像の取得は、全体制御部32の指示の下、同期して行われる。発光制御部19は、全体制御部32から指示されたタイミングで、調光処理において決定された発光量Evsmおよび発光時間Tmにてフラッシュ4を発光させる。また、同じタイミングで、露出調整部21はステップST3において設定された絞り値およびシャッタ速度を、絞り駆動部17およびタイミングジェネレータ18に伝え、ISO感度をAFE14に伝える。また、画像入力制御部23はA/D変換部15から供給された画像データを画像処理部27に転送する。画像処理部27は画像データに対して画像処理を施す。
【0079】
なお、この際、画像処理には設定画面40により設定されたホワイトバランスの調整値(AUTOを含む)によるホワイトバランス調整処理を含む。ここで、露出およびフラッシュの発光の態様が同一であり、かつホワイトバランスがAUTOに設定された撮影により取得された画像データに対しては、同一のホワイトバランス調整値によるホワイトバランス調整処理を行う。これにより、ホワイトバランス調整のための演算時間を短縮できる。
【0080】
そして、画像処理部27は処理済み画像データを記録読出制御部30に転送し、記録読出制御部30はその画像データをメモリカード31に記録する。以上により、撮影が完了する。
【0081】
次いで、全体制御部32は、現在の撮影コマが最後の撮影コマであるか否かを判定し(n=N,ステップST10)、ステップST10が否定されると、撮影コマを次の撮影コマに設定し(n=n+1,ステップST11)、ステップST6に戻る。ステップST10が肯定されると処理を終了する。
【0082】
このように、第1の実施形態によれば、フラッシュ発光を伴う撮影を複数回連続して行うに際し、各発光時の発光量および発光時の残エネルギーに基づいて、各発光後のメインコンデンサ25の残電圧を予測するようにしたものである。このため、メインコンデンサ25の残電圧を測定する手段を設けなくても、予測した残電圧に基づいて発光時間Tmを算出することができる。したがって、デジタルカメラ1のハード構成を複雑にすることなく、安価にフラッシュ4を用いた複数回の撮影を行う際の発光時間Tmを算出することができる。
【0083】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第2の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、発光量を算出後、発光量が小さい順に撮影を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0084】
図13は第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。
【0085】
ステップST27に続いて、発光量Evsmを昇順に並べ替え(ステップST41)、並べ替えた発光量Evsmを新たな順序に設定し(ステップST42)、処理を終了する。これにより、撮影時には発光量が小さい順に撮影が行われることとなる。
【0086】
ここで、フラッシュ4は最低発光電圧が定められており、メインコンデンサ25に最低発光電圧以上チャージされていないとフラッシュ4を発光させることができない。第2の実施形態においては、発光量が小さい順に撮影を行うようにしたため、フラッシュ発光を伴う複数回の撮影の後半において、メインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となる可能性が低くなる。このため、フラッシュ発光を伴う複数回の撮影を行う際に、フラッシュ4が発光されなくなってしまうことを防止することができる。
【0087】
なお、第2の実施形態においては、発光量が小さい順に撮影を行っているが、フラッシュ発光を伴う撮影の最後の回においては、発光後にメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となってもよい。このため、フラッシュ発光を伴う最後の回の撮影において発光量が最大となる撮影を行い、それより前の回の撮影においては、発光量を考慮することなく、任意の順序にて撮影を行うようにしてもよい。
【0088】
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第3の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、残電圧が最低発光電圧未満となるコマがある場合に、フラッシュ発光を伴う撮影時における発光量を抑制するようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0089】
図14は第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図14に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。ステップST27に続いて、算出した残電圧Vmのうち、最低発光電圧未満となる残電圧Vmがあるか否かを判定する(ステップST51)。ステップST51が否定されると処理を終了する。ステップST51が肯定されると、すべての発光コマmについて算出した発光時間Tmから所定時間を減算し(ステップST52)、処理を終了する。なお、所定時間としては、すべての発光コマmについて、発光後の残電圧Vmが最低発光電圧以上となるような値を用いる。
【0090】
これにより、すべての発光コマmの発光時間が短くなり、発光量が抑制されることとなる。また、フラッシュ発光を伴うすべての撮影において発光量を抑制することにより、発光後のメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧以上となるため、フラッシュ発光を伴う複数回の撮影を行う際に、フラッシュ4が発光されなくなってしまうことを防止することができる。なお、このように撮影を行うことにより取得される画像は、光量が少ないために露出がアンダーとなってしまう。しかしながら、すべての発光量を一律に抑制しているため、フラッシュ発光を伴う撮影により取得された画像においては、露出の関係は維持することができるものである。
【0091】
なお、第3の実施形態においては、発光時間Tmを短くすることにより発光量を抑制しているが、先にすべての発光コマmについて発光量Evsmを算出し、各発光量Evsmから所定量を減算し、所定量減算した発光量Evsmを用いて発光時間Tmを算出することによっても、発光量を抑制することができる。
【0092】
また、上記第3の実施形態においては、フラッシュ発光を伴うすべての撮影において発光量を抑制しているが、フラッシュ発光を伴う撮影の最後の回においては、発光後にメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となってもよいため、フラッシュ発光を伴う最後の回の撮影においては、発光量を抑制しないようにしてもよい。
【0093】
また、上記第3の実施形態においては、すべてのコマにおいて発光量を抑制しているが、残電圧Vmが最低発光電圧未満となるコマよりも前に撮影されるコマについてのみ、発光量を抑制するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第3の実施形態においては、第1の実施形態において発光量を抑制しているが、第2の実施形態に第3の実施形態を適用し、発光量の小さい順に発光を行うとともに、発光量を抑制するようにしてもよい。
【0095】
次いで、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、第4の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第4の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影がある場合に、発光量が小さい順に撮影を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0096】
図15は第4の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。ステップST27に続いて、算出した残電圧Vmのうち、最低発光電圧未満となる残電圧Vmがあるか否かを判定する(ステップST61)。ステップST61が否定されると処理を終了する。ステップST61が肯定されると、発光量Evsmを昇順に並べ替え(ステップST62)、並べ替えた発光量Evsmを新たな順序に設定し(ステップST63)、処理を終了する。これにより、撮影時には発光量が小さい順に撮影が行われることとなる。
【0097】
なお、第4の実施形態においては、発光量が小さい順に撮影を行っているが、フラッシュ発光を伴う撮影の最後の回においては、発光後にメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となってもよい。このため、フラッシュ発光を伴う最後の回の撮影において発光量が最大となる撮影を行い、それより前の撮影においては、発光量を考慮することなく、任意の順序にて撮影を行うようにしてもよい。
【0098】
また、上記第4の実施形態においては、第1の実施形態において撮影順序を変更しているが、第3の実施形態に第4の実施形態を適用し、発光量の小さい順に発光を行うとともに、発光量を抑制するようにしてもよい。
【0099】
次いで、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、第5の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第5の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影がある場合に、警告動作を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0100】
図16は第5の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図16に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。ステップST27に続いて、算出した残電圧Vmのうち、最低発光電圧未満となる残電圧Vmがあるか否かを判定する(ステップST71)。ステップST71が否定されると処理を終了する。ステップST71が肯定されると全体制御部32が警告動作を行い(ステップST72)、処理を終了する。なお、警告動作を行った後は、第3または第4の実施形態の処理を行うようにすればよい。
【0101】
ここで、警告動作としては、液晶モニタ29への警告表示の他、音声による表示や、デジタルカメラ1に警告ランプを設け、警告ランプを点灯または点滅させることによるもの等、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影があることを撮影者に知らせることができれば、どのような態様であってもよい。
【0102】
このように、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影がある場合に警告動作を行うことにより、撮影者にその旨を知らせることができるため、撮影時に発光量を抑制したり、撮影順序を変更したりすることを撮影者が知ることができる。したがって、撮影者は撮影により取得した画像の明るさを大きくする等、後で適切な画像処理を施すことが可能となる。
【0103】
なお、上記第5の実施形態においては、警告動作の後に、第3または第4の実施形態の処理を行わないようにしてもよい。この場合、撮影者は警告動作により、フラッシュが発光されなくなる場合があることを事前に知ることができる。
【0104】
次いで、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、第6の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。上記第1の実施形態においては、ステップST26において発光時間Tmの算出の処理と残電圧Vm+1の算出の処理とを一括して行っているが、第6の実施形態においては、発光時間Tmの算出の処理と残電圧Vm+1の算出の処理とを分割して行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0105】
次いで、第6の実施形態において行われる処理について説明する。図17は第6の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図17に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST25の後に行われるものである。また、ここでは残電圧Vm+1の算出、発光時間Tmの算出の順に処理を行うものとする。
【0106】
ステップST25に続いて、残電圧を算出する発光コマを初期値m=1に設定し(ステップST81)、ステップST33,ST34と同様に、予測部26が、メインコンデンサ25の仮の残電圧Vk1m,Vk2mを算出し(ステップST82)、さらに発光後のメインコンデンサ25の残電圧Vm+1を算出する(ステップST83)。そして、全体制御部32が、現在の発光コマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST84)。ステップST84が否定されると、残電圧を算出する発光コマを次の発光コマに設定し(m=m+1,ステップST85)、ステップST82に戻る。なお、2回目以降の残電圧の算出は、ステップST83において算出した残電圧を用いて行う。
【0107】
すべての発光コマmについて残電圧を算出してステップST84が肯定されると、全体制御部32は、現在の撮影コマがフラッシュ発光コマであるか否かを判定する(ステップST86)。ステップST86が肯定されると、発光時間Tmを算出するコマを初期値m=1に設定し(ステップST87)、ステップST31,ST32と同様に、発光制御部19が、仮の発光時間Tk1m,Tk2mを算出し(ステップST88)、発光時間Tmを算出する(ステップST89)。なお、ステップST86が否定されると、後述するステップST92の処理に進む。続いて、全体制御部32は、現在のコマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST90)。ステップST90が否定されると、発光時間Tmを算出する発光コマを次の発光コマに設定する(m=m+1,ステップST91)。
【0108】
ステップST90が肯定された場合、およびステップST91に続いて、全体制御部32が、ステップST8,ST9と同様に撮影コマの露出を設定し(ステップST92)、本撮影を行う(ステップST93)。次いで、全体制御部32は、現在の撮影コマが最後の撮影コマであるか否かを判定し(n=N,ステップST94)、ステップST94が否定されると、撮影コマを次の撮影コマに設定し(n=n+1,ステップST95)、ステップST86に戻る。ステップST94が肯定されると処理を終了する。
【0109】
ここで、第1の実施形態のように、発光時間Tmの算出と残電圧Vm+1の算出を一括して行う場合、算出結果のデータの時系列的な移動が少ないため、処理を行うプログラムの構成を簡易なものとすることができる。しかしながら、演算時間が長くなるため、CPU33の性能によっては、本撮影までの時間に発光時間Tmおよび残電圧Vm+1の算出が間に合わなくなるおそれがある。第6の実施形態においては、発光時間Tmの算出と残電圧Vm+1の算出とを分割して行うようにしたため、演算を支障なく行うことができ、その結果、調光処理および本撮影を滞りなく行うことができる。
【0110】
なお、上記第2から第5の実施形態においても、発光時間Tmの算出の処理と残電圧Vm+1の算出の処理とを分割して行うようにしてもよい。
【0111】
次いで、本発明の第7の実施形態について説明する。なお、第7の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第7の実施形態においては、発光後のメインコンデンサ25の残電圧が最小発光電圧未満となる場合に、その発光の撮影後にメインコンデンサ25の充電を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0112】
図18は第7の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図18に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST25の後に行われるものである。また、ここでは、残電圧Vm+1の算出、発光時間Tmの算出の順に処理を行うものとする。
【0113】
ステップST25に続いて、残電圧を算出する発光コマを初期値m=1に設定し(ステップST101)、ステップST33,ST34と同様に、予測部26が、メインコンデンサ25の仮の残電圧Vk1m,Vk2mを算出し(ステップST102)、さらに発光後のメインコンデンサ25の残電圧Vm+1を算出する(ステップST103)。そして、全体制御部32が残電圧Vm+1が最小発光電圧未満であるか否かを判定し(ステップST104)、ステップST104が否定されると、mコマ目の発光コマを充電コマに設定し(ステップST105)、残電圧Vm+1を充電後の残電圧に設定する(ステップST106)。
【0114】
以下、充電後の残電圧の算出について説明する。図19はメインコンデンサ25の充電時間と充電後の残電圧との関係を示す図である。第7の実施形態においては、図19に示す関係についてのテーブルLUT5をEEPROM35に記憶してなるものである。予測部26は、ステップST103において算出した残電圧Vm+1に基づいて、テーブルLUT5を参照して充電開始時刻Tsを求める。そして、充電開始時刻Tsからあらかじめ定められた充電時間T0経過した後の充電終了時刻Te(=Ts+T0)の電圧VeをテーブルLUT5を参照して求める。予測部26はこのようにして求めた電圧Veを充電後の残電圧に設定する。なお、充電時間T0としては、例えば、撮影を終了してから次の撮影が可能となるまでの時間を用いることができる。
【0115】
なお、メインコンデンサ25の充電の際には、充電電流を変更することが可能であることから、テーブルLUT5は充電電流の種類に応じて用意してEEPROM35に記憶しておくことが好ましい。
【0116】
図18に戻り、ステップST104が肯定された場合およびステップST106に続いて、ステップST31,ST32と同様に、発光制御部19が、仮の発光時間Tk1m,Tk2mを算出し(ステップST107)、発光時間Tmを算出する(ステップST108)。そして全体制御部32が、現在の発光コマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST109)。ステップST109が否定されると、発光時間Tmを算出する発光コマを次の発光コマに設定し(m=m+1,ステップST110)、ステップST102に戻る。なお、2回目以降の残電圧Vm+1および発光時間Tmの算出は、ステップST103において算出した残電圧またはステップST106において設定した充電後の残電圧を用いて行う。
【0117】
ステップST109が肯定されると、全体制御部32はステップST8,ST9と同様に撮影コマの露出を設定し(ステップST111)、本撮影を行う(ステップST112)。そして撮影コマが充電コマであるか否かを判定し(ステップST113)、ステップST113が肯定されるとメインコンデンサ25の充電を行う(ステップST114)。ステップST113が肯定された場合およびステップST114に続いて、全体制御部32が、現在の撮影コマが最後の撮影コマであるか否かを判定する(n=N,ステップST115)。ステップST115が否定されると、撮影コマを次の撮影コマに設定し(n=n+1,ステップST116)、ステップST111に戻る。ステップST115が肯定されると、処理を終了する。
【0118】
このように、第7の実施形態においては、残電圧が最小発光電圧未満となる場合に、撮影後にメインコンデンサ25の充電を行うようにしたため、常に最適な発光量により撮影を行うことができる。
【0119】
なお、上記第7の実施形態においては、発光後の残電圧が最小発光電圧未満となる場合の充電を、メインコンデンサ25がフル充電されるまで行うようにしてもよい。
【0120】
また、上記第2から第6の実施形態においても、残電圧が最小発光電圧未満となる場合に充電を行うようにしてもよい。
【0121】
また、上記第1から第7の実施形態においては、各撮影時における残電圧、発光量および発光時間を連写情報として本撮影により取得された画像データに付与するようにしてもよい。この場合、露出の設定値(すなわち、ISO感度、絞り値およびシャッタ速度)を連写情報に含めることが好ましい。
【0122】
図20は連写情報の例を示す図である。図20に示すように連写情報としては、露出の設定値(ISO感度、絞り値およびシャッタ速度)、残電圧、発光量および発光時間の情報を含む。なお、図20には3コマ分の連写情報を示しているが、各コマの連写情報が対応するコマの画像データにそれぞれ付与されるものである。ここで、連写情報の付与の態様としては、画像データのタグに記述する態様の他、画像データと同一ファイル名のテキストデータに連写情報を記述して同一のフォルダに記録する等、画像データと連写情報とを一体不可分とする態様であれば、どのような態様であってもよい。
【0123】
このように連写情報を画像データに付与することにより、後で連写情報を参照して画像データに対して適切に画像処理を施すことができる。例えば、連写情報において、ISO感度が低いのに発光量が少ない場合には、画像が暗い可能性があるため、画像を明るくするような画像処理を施すことができる。また、ISO感度が高い場合には画像がざらつく可能性が高いため、ノイズを除去する処理を優先的に行うように画像処理を施すことができる。
【0124】
また、上記第1から第7の実施形態においては、調光処理により発光量を算出しているが、必ずしも調光処理を行う必要はなく、AF処理により算出した焦点距離、AE処理により算出したISO感度、絞り値およびシャッタ速度等に基づいて、発光量を算出するようにしてもよい。
【0125】
以上、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1について説明したが、コンピュータに図4,5,8,7,13〜18に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の実施形態におけるデジタルカメラの概観図
【図2】デジタルカメラの内部構成を示す図
【図3】連写モードの設定画面を示す図
【図4】第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図5】調光処理のフローチャート
【図6】領域ブロックへの分割の一例を示す図
【図7】各領域ブロックの重み係数を示す図
【図8】発光時間演算処理のフローチャート
【図9】各種発光量と発光時間とを対応づけたテーブルを示す図
【図10】発光時間の算出を説明するための図
【図11】各種発光量と残電圧とを対応づけたテーブルを示す図
【図12】残電圧の算出を説明するための図
【図13】第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図14】第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図15】第4の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図16】第5の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図17】第6の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図18】第7の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図19】メインコンデンサの充電時間と充電後の残電圧との関係を示す図
【図20】連続撮影情報の例を示す図
【符号の説明】
【0127】
1 デジタルカメラ
4 フラッシュ
11 レンズ
19 発光制御部
24 電源
25 メインコンデンサ
26 予測部
32 全体制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続して撮影を行うことが可能なデジタルカメラ等の撮影装置およびその制御方法並びに制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラにおいて、撮影の前にフラッシュの発光を伴わない露光による画像およびフラッシュの発光を伴う露光による画像を取得し、2つの画像を用いて撮影時のフラッシュの発光量を制御する(すなわち調光する)手法が提案されている。なお、このようなフラッシュの発光を伴わない露光およびフラッシュの発光を伴う露光を調光露光、調光露光の結果を用いて発光量を演算する処理を調光演算と称する。このように調光露光および調光演算を行ってフラッシュの発光量を制御することにより、適切な明るさを有する画像を取得することができる。
【0003】
また、デジタルカメラにおいて連写を行う際に、各撮影時におけるISO感度、絞り、シャッタ速度およびフラッシュの有無等の露出を異なる設定値に設定する場合がある。また、この際に、複数回連続してフラッシュ発光を行う場合がある。ここで、連写時にフラッシュ発光を行う場合、1回発光するたびにメインコンデンサに充電をしなければならないため、フラッシュ発光を伴わない連写と比較して、連写コマ速度(単位時間あたりの連写コマ数)が低下してしまうという問題がある。
【0004】
このため、連写時におけるフラッシュの発光量、およびその発光量を実現するためのメインコンデンサの充電量を推定し、その充電量を得るための充電時間が連写コマ間隔より大きい場合には、発光量の低下を補うために、撮影時におけるゲインを増加させる手法が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−358988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された手法を用いた場合、発光量が足りないときにゲインを増加させるとノイズが増加するため、画像の画質が劣化してしまう。このため、フラッシュ発光を伴う連写時においては、充電を行うことなく連続してフラッシュを発光し、発光の都度メインコンデンサの残電圧を測定し、測定結果に応じて発光時間を長くすることにより発光量を確保することが考えられる。
【0006】
しかしながら、メインコンデンサの残電圧を測定するための手段をデジタルカメラに設けるためにはコストがかかり、さらに回路も複雑化してしまうため、カメラが大型化してしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、複数回の発光を行う際に、メインコンデンサ等の蓄電手段のエネルギーを測定することなく、適切な発光時間を算出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による撮影装置は、撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段と、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
なお、本発明による撮影装置においては、前記予測手段を、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段としてもよい。
【0010】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影制御手段を、前記発光量が最大となる撮影を、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影の最後の回に行う手段としてもよい。
【0011】
なお、最後の回の撮影より前の撮影については、発光量が小さい順に行うことが好ましいが、ランダムに行ってもよく、あらかじめ定められた順に行ってもよい。
【0012】
また、本発明による撮影装置においては、前記発光制御手段を、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時における前記フラッシュの発光量を抑制する手段としてもよい。
【0013】
「少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時」とは、少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影(以下その撮影とする)より前の少なくとも1回の撮影時、その撮影より前のすべての撮影時、その撮影を含むすべての撮影時のいずれであってもよい。なお、とくにその撮影が最後の回の撮影である場合には、その最後の回の撮影以外のすべての撮影時を含むものであってもよい。
【0014】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影制御手段を、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影を、前記フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行う手段としてもよい。
【0015】
なお、最後の回の撮影より前の撮影については、発光量が小さい順に行うことが好ましいが、ランダムに行ってもよく、あらかじめ定められた順に行ってもよい。
【0016】
また、本発明による撮影装置においては、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる場合に警告を行う警告手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0017】
また、本発明による撮影装置においては、前記発光制御手段を、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影時における前記フラッシュの発光量を算出する手段としてもよい。
【0018】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影により取得される画像に、前記発光量および前記残エネルギーの情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0019】
また、本発明による撮影装置においては、前記発光制御手段を、前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する手段としてもよい。
【0020】
また、本発明による撮影装置においては、前記予測手段および前記発光制御手段を、前記残エネルギーの予測および前記発光時間の算出を、前記発光量の算出後の少なくとも1の時点において行う手段としてもよい。
【0021】
「少なくとも1の時点」とは、発光量の算出後に残エネルギーの予測および発光時間の算出を一括して行う場合のみならず、残エネルギーの予測を行ってから他の処理を行った後に発光時間の算出を行う場合をも含む。
【0022】
また、本発明による撮影装置においては、前記撮影により取得される画像に、前記発光量、前記残エネルギーおよび前記発光時間の情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0023】
本発明による発光装置は、光を発する光源と、
該光源の発光のためのエネルギーを蓄える電源と、
前記発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記電源の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
なお、本発明による発光装置においては、前記予測手段を、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段としてもよい。
【0025】
また、本発明による発光装置においては、前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する発光制御手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0026】
本発明による撮影装置の制御方法は、撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを備えた撮影装置の制御方法であって、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測することを特徴とするものである。
【0027】
なお、本発明による撮影装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、フラッシュの発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および発光時の残エネルギーに基づいて、各発光後の蓄電手段の残エネルギーを予測するようにしたものである。このため、蓄電手段の残エネルギーを測定する手段を設けなくても、予測した残エネルギーに基づいて、発光時間を算出することができる。したがって、撮影装置のハード構成を複雑にすることなく、安価にフラッシュを用いた複数回の撮影を行う際の発光時間を算出することができる。
【0029】
また、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および各種発光量と第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、各発光後の残エネルギーを予測することにより、簡易な演算により残エネルギーを予測することができる。
【0030】
ここで、フラッシュの発光量が大きいほど蓄電手段の残エネルギーが少なくなるため、発光量が最大となる撮影を複数回の撮影の最初の方に行うと、それより後の撮影時において発光に必要な残エネルギーが不足するおそれがある。このため、発光量が最大となる撮影を、フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行うことにより、それより前の撮影において、フラッシュの発光に必要な残エネルギーが不足してしまう可能性を低減することができる。
【0031】
また、蓄電手段の残エネルギーが小さすぎるとフラッシュを発光できない場合がある。このため、予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時におけるフラッシュの発光量を抑制することにより、撮影時に蓄電手段の残エネルギーが所定値未満となることがなくなるため、複数回の撮影においてフラッシュを確実に発光させることができる。
【0032】
この場合、少なくとも残エネルギーが所定値未満となる撮影を、フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行うことにより、すべてのフラッシュを用いた撮影においてフラッシュを確実に発光させることができる。
【0033】
また、予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、撮影開始前に警告を行うことにより、発光量が不足する可能性があることを撮影者に知らせることができる。
【0034】
また、撮影により取得される画像に、発光量、残エネルギーおよび発光時間の情報を含む連写情報を付与することにより、連写情報を用いて撮影時のフラッシュの発光の状況を知ることができるため、フラッシュの発光状況に応じた画像処理を画像に施すことができる。
【0035】
また、残エネルギーの予測および発光時間の算出を、発光量の算出後の1の時点において一括して行うことにより、予測した残エネルギーの時系列な移動が少なくなるため、処理を容易に行うことができる。一方、残エネルギーの予測および発光時間の算出を、発光量の算出後の複数の時点において分割して行うことにより、発光量の算出後から撮影までの間にすべての撮影における残エネルギーの予測および発光時間の算出を行う必要がなくなるため、残エネルギーの予測および発光時間の決定の演算を滞りなく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラと、そのデジタルカメラの制御方法を例示して説明する。
【0037】
図1は本発明の実施形態におけるデジタルカメラ1の外観を示す図である。図1に示すように、このデジタルカメラ1の上部には、レリーズボタン2、撮影モードの設定に利用されるモードダイヤル3、フラッシュ4および付属品の取付口であるホットシュー5が備えられている。
【0038】
レリーズボタン2は、2段階の押下により2種類の動作を指示できる構造となっている。例えば、自動露出調整機能(AE:Auto Exposure)、自動焦点調節機能(AF:Auto Focus)を利用した撮影では、デジタルカメラ1は、レリーズボタン2が軽く押下される第1の押下操作(半押しともいう)がなされたときに、AE処理およびAF処理により、露出調整および焦点合わせ等の撮影準備を行う。その状態で、レリーズボタン2が強く押下される第2の押下操作(全押しともいう)がなされると、デジタルカメラ1は露光を開始し、露光により得られた1画面分の画像データをメモリカードに記録する。
【0039】
フラッシュ4は、例えばキセノン管からなり、脇にあるフラッシュポップアップボタン6を押すことにより、図1に示すようにカメラ上部方向に開く(以下、ポップアップと称する)。また、一部の撮影モードでは、自動的にポップアップすることもある。
【0040】
なお、ポップアップ状態のフラッシュ4は、1回のみの撮影を行う場合には、レリーズボタン2の2段階目の押下操作と連動して2回発光する。1回目の発光は被写体からの反射光量を測定するための予備発光(プリ発光)であり、通常の発光に比べれば発光量は微小である。予備発光には反射光量の測定のほか、赤目を予防する目的もある。2回目の発光は被写体に対して撮影に十分な光を供給するための(適切な露光量を得るための)本発光であり、本発光の発光量が適正であれば、適切な明るさの画像を得ることができる。
【0041】
なお、フラッシュ4を使用して連写を行う場合には、フラッシュ4は、レリーズボタン2の2段階目の押下動作と連動して、予備発光の後、必要な回数発光する。
【0042】
続いて、図2を参照してデジタルカメラ1の内部構成について概要を説明する。図2に示すように、デジタルカメラ1は、レンズ11、レンズ駆動部16、絞り12、絞り駆動部17、CCD13およびタイミングジェネレータ(TG)18からなる撮像部10を備える。
【0043】
レンズ11は、被写体にピントを合わせるためのフォーカスレンズ、ズーム機能を実現するためのズームレンズ等の複数の機能別レンズにより構成される。レンズ駆動部16はステッピングモータ等小型のモータで、CCD13から各機能別レンズのまでの距離が目的に適った距離となるように各機能別レンズの位置を調整する。
【0044】
絞り12は複数の絞り羽根からなる。絞り駆動部17は、ステッピングモータ等小型のモータで、絞りの開口サイズが目的に適ったサイズになるように絞り羽根の位置を調整する。
【0045】
CCD13は原色カラーフィルタを伴う500〜1200万画素のCCDであり、タイミングジェネレータ18からの指示信号に応じて蓄積された電荷を放出する。タイミングジェネレータ18は、CCD13に所望の時間のみ電荷が蓄積されるようにCCD13に対して信号を送り、これによりシャッタ速度を調整する。
【0046】
また、デジタルカメラ1は、CCD13の出力信号に対して、ノイズを除去する処理、およびゲインを調節する処理(以下アナログ処理とする)を施すAFE(アナログフロントエンド)14と、AFE14によりアナログ処理が施された出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部15と、A/D変換部15が出力した画像データをシステムバス36を介して他の処理部に転送する画像入力制御部23と、画像入力制御部23から転送された画像データを一時記憶するSDRAM22とを備える。SDRAM22に記憶される画像データはRAWデータである。なお、AFE14のゲインは、AE処理等により設定されるISO感度により決定される。
【0047】
また、デジタルカメラ1は、フラッシュ4と、フラッシュ4の発光タイミングおよび発光量を制御する発光制御部19と、レンズ駆動部16にレンズの移動を指示して焦点合わせを行う焦点調節部20と、ISO感度、絞り値およびシャッタ速度を決定し、AFE14、絞り駆動部17およびタイミングジェネレータ18に指示信号を送出する露出調整部21と、デジタルカメラ1の各部の駆動源である電源24とを備える。
【0048】
発光制御部19は、フラッシュ4を発光させるために必要な電荷(エネルギー)をチャージするためのメインコンデンサ25に接続されている。また、後述するフラッシュ4の発光連写時において、発光制御部19は後述する調光処理により各撮影の発光量を設定する。
【0049】
また、デジタルカメラ1は、フラッシュ4の発光を伴う連写の際に、各発光後のメインコンデンサ25の残エネルギー(残電圧)を予測する予測部26を備える。また、発光制御部19は、予測部26が予測した残電圧に基づいて、各撮影時のフラッシュ4の発光時間を算出する。なお、調光処理、残電圧の予測および発光時間の算出については後述する。
【0050】
デジタルカメラ1は、この他、SDRAM22に記憶されている画像データに対して画像処理を施す画像処理部27を備える。画像処理部27は、画像を自然な色合い、明るさにするための色階調補正、明るさ補正、ホワイトバランス調整、また画像データが赤目を含むものであるときに赤目を黒目に修正する処理等、画像の見栄えを良くするための各種仕上げ処理を行った後、処理済み画像データを再度SDRAM22に記憶する。
【0051】
また、デジタルカメラ1は、SDRAM22に記憶されている画像データの液晶モニタ(LCD:Liquid Crystal Display)29への出力を制御する表示制御部28を備える。表示制御部28は、SDRAM22に記憶されている画像データの画素数を、表示に適した大きさとなるように間引きしてから液晶モニタ29に出力する。
【0052】
また、デジタルカメラ1は、SDRAM22に記憶されている画像データのメモリカード31への書込み、およびメモリカード31に記録されている画像データのSDRAM22へのロードを制御する記録読出制御部30を備える。記録読出制御部30は、ユーザの設定に応じてRAWデータをそのまま、もしくは圧縮符号化によりJPEGデータに変換してからメモリカード31に記録する。JPEGデータをロードするときは、その逆の変換を行ってからデータをSDRAM22にロードする。
【0053】
デジタルカメラ1は、この他、CPU(Central Processor Unit)33、操作/制御プログラムが格納されたRAM(Random Access Memory)34、各種設定値が記憶されているEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)35からなる全体制御部32を備える。全体制御部32は、モードダイヤルによる撮影モードの設定をはじめユーザが行う各種設定操作を検出し、設定された内容をEEPROM35に記憶せしめる。そして、その設定操作が行われたとき、もしくは撮影操作が行われたときに、EEPROM35に記憶された設定値にしたがって、前述した発光制御部19、焦点調節部20、露出調整部21、画像入力制御部23、予測部26、画像処理部27、表示制御部28、および記録読出制御部30に対し、システムバス36を介して、実行すべき処理や、その処理の実行タイミングを指示する信号を送出する。なお、EEPROM35には、後述する発光量と残電圧との関係を定めたテーブルおよび発光量と発光時間との関係とを定めたテーブルが記憶されている。
【0054】
なお、第1の実施形態においては、撮影の前に、撮影者が連写モードの設定をあらかじめ行うものとする。図3は液晶モニタ29に表示された連写モードの設定画面を示す図である。図3に示すように連写モードの設定画面40には、連写時における撮影枚数を設定するコマンド41と、各撮影コマに対する露出の設定事項(ISO感度、フラッシュ、露出補正、ホワイトバランス(WB)、絞り値およびシャッタ速度)を示すコマンド42と、ISO感度、フラッシュの有無、露出補正、ホワイトバランス(WB)、絞り値およびシャッタ速度を設定するコマンド43とが表示される。なお、ホワイトバランスは露出に影響を与える事項ではないが、ここでは便宜上、露出を設定するコマンドに含めるものとする。
【0055】
ここで、フラッシュについては、発光禁止、強制発光およびスローシンクロ等を設定可能であり、露出補正については、±0、±0.5、および±1等の値を設定可能である。また、ISO感度、ホワイトバランス、絞り値およびシャッタ速度については、撮影者が所望とする値の他、オート(AUTO)に設定することが可能である。なお、オートとは、AE処理により算出したISO感度、絞り値およびシャッタ速度をそのまま用いること、並びに画像処理部27が算出したホワイトバランスの調整値をそのまま用いることを意味する。なお、設定した値は、EEPROM35に記憶される。
【0056】
なお、図3においては、撮影枚数として4コマが指定され、4コマのうち1番目の撮影コマである「コマ1」が選択され、「コマ1」に対して、ISO感度を「400」、フラッシュを「強制発光」、露出補正、ホワイトバランス(WB)、絞り値およびシャッタ速度を「AUTO」に設定した状態を示している。
【0057】
また、第1の実施形態においては、発光連写を行う場合、メインコンデンサ25へのチャージは連写開始前に行われ、連写中はチャージはなされないものとする。
【0058】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図4は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、フラッシュ発光を複数回行うよう連写の設定がなされているものとする。また、連写の撮影コマ数をn(n=1〜N、N≧2)、フラッシュを発光する発光コマ数をm(m=1〜M、M≧2)とする。また、フラッシュ発光を伴う連写を設定した時点において、発光制御部19がメインコンデンサ25をフル充電しているものとする。ここで、本実施形態においては、メインコンデンサ25のフル充電の電圧を300Vとする。
【0059】
全体制御部32は、レリーズボタン2の第1の押下操作(半押し)を検出すると(ステップST1:肯定)、焦点調節部20および露出調整部21に第1の押下操作が検出されたことを通知する通知信号を送出する。通知信号を受けて、露出調整部21がAE処理を、焦点調節部20がAF処理を行う(AE/AF処理、ステップST2)。ここで、本実施形態においては、設定画面40によりコマごとに露出が設定可能であるため、撮影者によってISO感度、絞り値およびシャッタ速度がAUTOに設定されたコマについては、AE処理によりISO感度、絞り値およびシャッタ速度を設定する(ステップST3)。なお、ISO感度、絞り値およびシャッタ速度が撮影者により設定されているコマについては、設定された値により露出を設定する(ステップST3)。この際、設定画面40における設定が同一のコマについては、同一の設定値により露出を設定する。
【0060】
そして、全体制御部32が、レリーズボタン2の第2の押下操作(全押し)を検出すると(ステップST4:肯定)、撮影コマ数nおよび発光コマ数mを初期値(=1)に設定し、さらにメインコンデンサ25の残電圧Vmを初期値V1に設定する(ステップST5)。なお、残電圧Vmの初期値V1としては、メインコンデンサ25をフル充電した場合の残電圧である300Vから、後述する予備発光に必要な電圧を減算した値を用いるものとする。そして、全体制御部32は現在の撮影コマが最初のフラッシュ発光を伴うコマであるか否かを判定し(ステップST6)、ステップST6が肯定されると調光処理を行う(ステップST7)。
【0061】
図5は調光処理のフローチャートである。全体制御部32が調光処理の開始を指示する指示信号を発光制御部19に送出すると、発光制御部19が、非発光露光により撮影された画像、すなわち、SDRAM22に記憶されている最新の画像データ(非発光時画像データ)を取得する(ステップST21)。さらに、発光制御部19がフラッシュ4の予備発光を行って、予備発光露光により撮影されSDRAM22に記憶された画像データ(予備発光時画像データ)を取得する(ステップST22)。
【0062】
次いで、発光制御部19は、取得した非発光時画像データおよび予備発光時画像データを複数の領域ブロックに分割し、領域ごとの輝度情報の差分値を算出する(ステップST23)。図6は領域ブロックへの分割の一例を示す図であり、画像データ(非発光時画像データまたは予備発光時画像データ)により表される画像を、i×j(ここでは8×8)個の領域ブロックに分割したところを示している。以下の説明では、(1,1)、(i,j)といった符号により、位置が異なる領域ブロックを区別するものとする。
【0063】
そして、発光制御部19は、非発光時画像の領域ブロックごとの非発光輝度情報Ya(1,1)〜Ya(i,j)を取得する。例えば、非発光時画像データをRGB−YCC変換し、各画素の輝度値を求め、その画素輝度値の領域ごとの平均値を求め、非発光輝度情報Yaとする。予備発光時画像データについても、同様の手順により、各領域ブロックの予備発光の輝度情報Yb(1,1)〜Yb(i,j)を取得する。次いで発光制御部19は、領域ブロックごとに、非発光の輝度情報Ya(x,y)と予備発光の輝度情報Yb(x,y)との差分値Yd(x,y)(=Yb(x,y)−Ya(x,y))を算出する。なお、差分値Yd(x,y)が反射輝度情報となる。
【0064】
そして、全領域ブロックの差分Yd(1,1)〜Yd(i,j)に基づいて、発光コマmについてフラッシュ発光を伴う撮影時におけるフラッシュ発光量の予備発光に対する発光倍率Hmを算出する(ステップST24)。例えば、差分Yd(1,1)〜Yd(i,j)および非発光輝度情報Ya(1,1)〜Ya(i,j)の単純平均あるいは加重平均Ydh、Yahを算出し、目標輝度Yoを用いて下記の式(1)により、目標輝度を得るために必要な、予備発光の発光量に対する発光倍率Hmを算出する。
【0065】
発光倍率Hm=(Yo−Yah)/Ydh (1)
なお、加重平均を求める場合には、図7に示すように例えば画像の中央に近い領域ブロックの重み付けを大きくする重み付けを行う。
【0066】
さらに、発光制御部19はフラッシュ4の発光量Evsmを下記の式(2)により算出する(ステップST25)。
【0067】
Evsm=log2Hm (2)
なお、露出の設定値が同一のコマについては、再度の発光量の算出を行うことなく、算出した発光量を露出が同一のコマの発光量に設定することが好ましい。これにより、発光量算出のための演算時間を短縮できる。続いて、発光制御部19は発光時間演算処理を行う(ステップST26)。
【0068】
図8は発光時間演算処理のフローチャートである。発光制御部19は、まず発光量Evsmに対する仮の発光時間Tk1m,Tk2mを算出する(ステップST31)。図9は発光時間を算出するための、各種発光量と発光時間とを対応づけたテーブルLUT1,LUT2を示す図、図10は発光時間の算出を説明するための図である。テーブルLUT1は、各種発光量(2.0,1.0,0,−1.0,−2.0)と参照電圧Vr1に対応する発光時間との関係を規定したものであり、テーブルLUT2は、各種発光量と参照電圧Vr2に対応する発光時間との関係を規定したものである。なお、Vr1>Vr2であり、発光時間の単位はμsである。ここで、本実施形態においては参照電圧Vr1として、メインコンデンサ25をフル充電したときの残電圧である300Vを用いるものとする
発光制御部19は、発光量Evsmを用いてテーブルLUT1,LUT2を参照して線形補間演算により仮発光時間Tk1m,Tk2mを算出する。例えば、発光量Evsmが0.5である場合、仮の発光時間Tk1mは、テーブルLUT1を参照して発光量が0.0に対応する21.2μsと、発光量が1.0に対応する30.5μsとから25.9μsと算出する。また、仮の発光時間Tk2mは、テーブルLUT2を参照して発光量が0.0に対応する34.0μsと、発光量が1.0に対応する49.0μsとから41.5μsと算出する。なお、発光量EvsmがテーブルLUT1,LUT2に定められた値と同一の場合、補間演算を行うことなく、テーブルLUT1,LUT2に定められた値を仮の発光時間Tk1m,Tk2mとして算出する。
【0069】
次いで、発光制御部19は、残電圧Vmを用いて仮の発光時間Tk1m,Tk2mから下記の式(3)により線形補間を用いて発光時間Tmを算出する(ステップST32)。
【0070】
Tm={(Vm-Vr2)*Tk1m+(Vr1-Vm)*Tk2m}/(Vr1-Vr2) (3)
例えば、Vr1=300V、Vr2=250V、残電圧Vm=275Vであり、Tk1m=25.9μs、Tk2m=41.5μsの場合、Tm=33.7μsと算出される。
【0071】
次いで、予測部26が、発光量Evsmによる発光後のメインコンデンサ25の仮の残電圧Vk1m,Vk2mを算出する(ステップST33)。図11は残電圧を算出するための、各種発光量と残電圧とを対応づけたテーブルLUT3,LUT4を示す図、図12は残電圧の算出を説明するための図である。テーブルLUT3は、各種発光量(2.0,1.0,0,−1.0,−2.0)と参照電圧Vr1に対応する残電圧との関係を規定したものであり、テーブルLUT4は、各種発光量と参照電圧Vr2に対応する残電圧との関係を規定したものである。なお、Vr1>Vr2であり、残電圧の単位はVである。
【0072】
予測部26は、発光量Evsmを用いてテーブルLUT3,LUT4を参照して線形補間演算により仮残電圧Vk1m,Vk2mを算出する。例えば、発光量Evsmが0.5である場合、仮の残電圧Vk1mは、テーブルLUT3を参照して発光量が0.0に対応する267Vと、発光量が1.0に対応する260Vとから263.5Vと算出する。また、仮の残電圧Vk2mは、テーブルLUT4を参照して発光量が0.0に対応する222Vと、発光量が1.0に対応する215Vとから218.5Vと算出する。なお、発光量EvsmがテーブルLUT3,LUT4に定められた値と同一の場合、補間演算を行うことなく、テーブルLUT3,LUT4に規定された値を仮の残電圧Vk1m,Vk2mとして算出する。
【0073】
次いで、予測部26は、現在の残電圧Vmを用いて仮の残電圧Vk1m,Vk2mから下記の式(4)により発光後のメインコンデンサ25の残電圧(すなわち、次の発光コマm+1についてフラッシュ4を発光させるための残電圧)Vm+1を算出し(ステップST34)、発光時間演算処理を終了する。
【0074】
Vm+1={(Vm-Vr2)*Vk1m+(Vr1-Vm)*Vk2m}/(Vr1-Vr2) (4)
例えば、Vr1=300V、Vr2=250V、残電圧Vm=275Vであり、Vk1m=263.5V、Vk2m=218.5Vの場合、残電圧Vm+1=241Vと算出される。
【0075】
なお、発光時間演算処理においては、ステップST31,ST32の処理をステップST33,ST34の処理よりも先に行っているが、ステップST33,ST34の処理をステップST31,ST32の処理よりも先に行うようにしてもよい。
【0076】
図5に戻り、全体制御部32が現在の発光コマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST27)。ステップST27が否定されると、発光時間を算出する発光コマを次の発光コマに設定し(m=m+1,ステップST28)、ステップST24に戻る。なお、2回目以降の発光時間演算処理は、ステップST34において算出した残電圧を用いて発光時間Tmおよび発光後のメインコンデンサ25の残電圧Vm+1を算出する。
【0077】
図4に戻り、ステップST6が否定された場合およびステップST7に続いて、全体制御部32が、撮影コマの露出を設定する(ステップST8)。ステップST8の処理は、撮影コマが発光コマである場合は、ステップST3により設定された露出を使用するとともに、フラッシュ4の発光量をEvsm、発光時間をTmに設定することにより行う。
【0078】
そして、全体制御部32が本撮影を行う(ステップST9)。本撮影においては、フラッシュの発光(本発光)と画像の取得は、全体制御部32の指示の下、同期して行われる。発光制御部19は、全体制御部32から指示されたタイミングで、調光処理において決定された発光量Evsmおよび発光時間Tmにてフラッシュ4を発光させる。また、同じタイミングで、露出調整部21はステップST3において設定された絞り値およびシャッタ速度を、絞り駆動部17およびタイミングジェネレータ18に伝え、ISO感度をAFE14に伝える。また、画像入力制御部23はA/D変換部15から供給された画像データを画像処理部27に転送する。画像処理部27は画像データに対して画像処理を施す。
【0079】
なお、この際、画像処理には設定画面40により設定されたホワイトバランスの調整値(AUTOを含む)によるホワイトバランス調整処理を含む。ここで、露出およびフラッシュの発光の態様が同一であり、かつホワイトバランスがAUTOに設定された撮影により取得された画像データに対しては、同一のホワイトバランス調整値によるホワイトバランス調整処理を行う。これにより、ホワイトバランス調整のための演算時間を短縮できる。
【0080】
そして、画像処理部27は処理済み画像データを記録読出制御部30に転送し、記録読出制御部30はその画像データをメモリカード31に記録する。以上により、撮影が完了する。
【0081】
次いで、全体制御部32は、現在の撮影コマが最後の撮影コマであるか否かを判定し(n=N,ステップST10)、ステップST10が否定されると、撮影コマを次の撮影コマに設定し(n=n+1,ステップST11)、ステップST6に戻る。ステップST10が肯定されると処理を終了する。
【0082】
このように、第1の実施形態によれば、フラッシュ発光を伴う撮影を複数回連続して行うに際し、各発光時の発光量および発光時の残エネルギーに基づいて、各発光後のメインコンデンサ25の残電圧を予測するようにしたものである。このため、メインコンデンサ25の残電圧を測定する手段を設けなくても、予測した残電圧に基づいて発光時間Tmを算出することができる。したがって、デジタルカメラ1のハード構成を複雑にすることなく、安価にフラッシュ4を用いた複数回の撮影を行う際の発光時間Tmを算出することができる。
【0083】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第2の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、発光量を算出後、発光量が小さい順に撮影を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0084】
図13は第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。
【0085】
ステップST27に続いて、発光量Evsmを昇順に並べ替え(ステップST41)、並べ替えた発光量Evsmを新たな順序に設定し(ステップST42)、処理を終了する。これにより、撮影時には発光量が小さい順に撮影が行われることとなる。
【0086】
ここで、フラッシュ4は最低発光電圧が定められており、メインコンデンサ25に最低発光電圧以上チャージされていないとフラッシュ4を発光させることができない。第2の実施形態においては、発光量が小さい順に撮影を行うようにしたため、フラッシュ発光を伴う複数回の撮影の後半において、メインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となる可能性が低くなる。このため、フラッシュ発光を伴う複数回の撮影を行う際に、フラッシュ4が発光されなくなってしまうことを防止することができる。
【0087】
なお、第2の実施形態においては、発光量が小さい順に撮影を行っているが、フラッシュ発光を伴う撮影の最後の回においては、発光後にメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となってもよい。このため、フラッシュ発光を伴う最後の回の撮影において発光量が最大となる撮影を行い、それより前の回の撮影においては、発光量を考慮することなく、任意の順序にて撮影を行うようにしてもよい。
【0088】
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第3の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、残電圧が最低発光電圧未満となるコマがある場合に、フラッシュ発光を伴う撮影時における発光量を抑制するようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0089】
図14は第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図14に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。ステップST27に続いて、算出した残電圧Vmのうち、最低発光電圧未満となる残電圧Vmがあるか否かを判定する(ステップST51)。ステップST51が否定されると処理を終了する。ステップST51が肯定されると、すべての発光コマmについて算出した発光時間Tmから所定時間を減算し(ステップST52)、処理を終了する。なお、所定時間としては、すべての発光コマmについて、発光後の残電圧Vmが最低発光電圧以上となるような値を用いる。
【0090】
これにより、すべての発光コマmの発光時間が短くなり、発光量が抑制されることとなる。また、フラッシュ発光を伴うすべての撮影において発光量を抑制することにより、発光後のメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧以上となるため、フラッシュ発光を伴う複数回の撮影を行う際に、フラッシュ4が発光されなくなってしまうことを防止することができる。なお、このように撮影を行うことにより取得される画像は、光量が少ないために露出がアンダーとなってしまう。しかしながら、すべての発光量を一律に抑制しているため、フラッシュ発光を伴う撮影により取得された画像においては、露出の関係は維持することができるものである。
【0091】
なお、第3の実施形態においては、発光時間Tmを短くすることにより発光量を抑制しているが、先にすべての発光コマmについて発光量Evsmを算出し、各発光量Evsmから所定量を減算し、所定量減算した発光量Evsmを用いて発光時間Tmを算出することによっても、発光量を抑制することができる。
【0092】
また、上記第3の実施形態においては、フラッシュ発光を伴うすべての撮影において発光量を抑制しているが、フラッシュ発光を伴う撮影の最後の回においては、発光後にメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となってもよいため、フラッシュ発光を伴う最後の回の撮影においては、発光量を抑制しないようにしてもよい。
【0093】
また、上記第3の実施形態においては、すべてのコマにおいて発光量を抑制しているが、残電圧Vmが最低発光電圧未満となるコマよりも前に撮影されるコマについてのみ、発光量を抑制するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第3の実施形態においては、第1の実施形態において発光量を抑制しているが、第2の実施形態に第3の実施形態を適用し、発光量の小さい順に発光を行うとともに、発光量を抑制するようにしてもよい。
【0095】
次いで、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、第4の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第4の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影がある場合に、発光量が小さい順に撮影を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0096】
図15は第4の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。ステップST27に続いて、算出した残電圧Vmのうち、最低発光電圧未満となる残電圧Vmがあるか否かを判定する(ステップST61)。ステップST61が否定されると処理を終了する。ステップST61が肯定されると、発光量Evsmを昇順に並べ替え(ステップST62)、並べ替えた発光量Evsmを新たな順序に設定し(ステップST63)、処理を終了する。これにより、撮影時には発光量が小さい順に撮影が行われることとなる。
【0097】
なお、第4の実施形態においては、発光量が小さい順に撮影を行っているが、フラッシュ発光を伴う撮影の最後の回においては、発光後にメインコンデンサ25の残電圧が最低発光電圧未満となってもよい。このため、フラッシュ発光を伴う最後の回の撮影において発光量が最大となる撮影を行い、それより前の撮影においては、発光量を考慮することなく、任意の順序にて撮影を行うようにしてもよい。
【0098】
また、上記第4の実施形態においては、第1の実施形態において撮影順序を変更しているが、第3の実施形態に第4の実施形態を適用し、発光量の小さい順に発光を行うとともに、発光量を抑制するようにしてもよい。
【0099】
次いで、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、第5の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第5の実施形態においては、ストロボ発光を伴う複数回の撮影において、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影がある場合に、警告動作を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0100】
図16は第5の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図16に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST27の後に行われるものである。ステップST27に続いて、算出した残電圧Vmのうち、最低発光電圧未満となる残電圧Vmがあるか否かを判定する(ステップST71)。ステップST71が否定されると処理を終了する。ステップST71が肯定されると全体制御部32が警告動作を行い(ステップST72)、処理を終了する。なお、警告動作を行った後は、第3または第4の実施形態の処理を行うようにすればよい。
【0101】
ここで、警告動作としては、液晶モニタ29への警告表示の他、音声による表示や、デジタルカメラ1に警告ランプを設け、警告ランプを点灯または点滅させることによるもの等、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影があることを撮影者に知らせることができれば、どのような態様であってもよい。
【0102】
このように、残電圧が最低発光電圧未満となる撮影がある場合に警告動作を行うことにより、撮影者にその旨を知らせることができるため、撮影時に発光量を抑制したり、撮影順序を変更したりすることを撮影者が知ることができる。したがって、撮影者は撮影により取得した画像の明るさを大きくする等、後で適切な画像処理を施すことが可能となる。
【0103】
なお、上記第5の実施形態においては、警告動作の後に、第3または第4の実施形態の処理を行わないようにしてもよい。この場合、撮影者は警告動作により、フラッシュが発光されなくなる場合があることを事前に知ることができる。
【0104】
次いで、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、第6の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。上記第1の実施形態においては、ステップST26において発光時間Tmの算出の処理と残電圧Vm+1の算出の処理とを一括して行っているが、第6の実施形態においては、発光時間Tmの算出の処理と残電圧Vm+1の算出の処理とを分割して行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0105】
次いで、第6の実施形態において行われる処理について説明する。図17は第6の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図17に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST25の後に行われるものである。また、ここでは残電圧Vm+1の算出、発光時間Tmの算出の順に処理を行うものとする。
【0106】
ステップST25に続いて、残電圧を算出する発光コマを初期値m=1に設定し(ステップST81)、ステップST33,ST34と同様に、予測部26が、メインコンデンサ25の仮の残電圧Vk1m,Vk2mを算出し(ステップST82)、さらに発光後のメインコンデンサ25の残電圧Vm+1を算出する(ステップST83)。そして、全体制御部32が、現在の発光コマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST84)。ステップST84が否定されると、残電圧を算出する発光コマを次の発光コマに設定し(m=m+1,ステップST85)、ステップST82に戻る。なお、2回目以降の残電圧の算出は、ステップST83において算出した残電圧を用いて行う。
【0107】
すべての発光コマmについて残電圧を算出してステップST84が肯定されると、全体制御部32は、現在の撮影コマがフラッシュ発光コマであるか否かを判定する(ステップST86)。ステップST86が肯定されると、発光時間Tmを算出するコマを初期値m=1に設定し(ステップST87)、ステップST31,ST32と同様に、発光制御部19が、仮の発光時間Tk1m,Tk2mを算出し(ステップST88)、発光時間Tmを算出する(ステップST89)。なお、ステップST86が否定されると、後述するステップST92の処理に進む。続いて、全体制御部32は、現在のコマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST90)。ステップST90が否定されると、発光時間Tmを算出する発光コマを次の発光コマに設定する(m=m+1,ステップST91)。
【0108】
ステップST90が肯定された場合、およびステップST91に続いて、全体制御部32が、ステップST8,ST9と同様に撮影コマの露出を設定し(ステップST92)、本撮影を行う(ステップST93)。次いで、全体制御部32は、現在の撮影コマが最後の撮影コマであるか否かを判定し(n=N,ステップST94)、ステップST94が否定されると、撮影コマを次の撮影コマに設定し(n=n+1,ステップST95)、ステップST86に戻る。ステップST94が肯定されると処理を終了する。
【0109】
ここで、第1の実施形態のように、発光時間Tmの算出と残電圧Vm+1の算出を一括して行う場合、算出結果のデータの時系列的な移動が少ないため、処理を行うプログラムの構成を簡易なものとすることができる。しかしながら、演算時間が長くなるため、CPU33の性能によっては、本撮影までの時間に発光時間Tmおよび残電圧Vm+1の算出が間に合わなくなるおそれがある。第6の実施形態においては、発光時間Tmの算出と残電圧Vm+1の算出とを分割して行うようにしたため、演算を支障なく行うことができ、その結果、調光処理および本撮影を滞りなく行うことができる。
【0110】
なお、上記第2から第5の実施形態においても、発光時間Tmの算出の処理と残電圧Vm+1の算出の処理とを分割して行うようにしてもよい。
【0111】
次いで、本発明の第7の実施形態について説明する。なお、第7の実施形態によるデジタルカメラの構成は、第1の実施形態によるデジタルカメラ1の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第7の実施形態においては、発光後のメインコンデンサ25の残電圧が最小発光電圧未満となる場合に、その発光の撮影後にメインコンデンサ25の充電を行うようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0112】
図18は第7の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、図18に示すフローチャートは、第1の実施形態における調光処理のステップST25の後に行われるものである。また、ここでは、残電圧Vm+1の算出、発光時間Tmの算出の順に処理を行うものとする。
【0113】
ステップST25に続いて、残電圧を算出する発光コマを初期値m=1に設定し(ステップST101)、ステップST33,ST34と同様に、予測部26が、メインコンデンサ25の仮の残電圧Vk1m,Vk2mを算出し(ステップST102)、さらに発光後のメインコンデンサ25の残電圧Vm+1を算出する(ステップST103)。そして、全体制御部32が残電圧Vm+1が最小発光電圧未満であるか否かを判定し(ステップST104)、ステップST104が否定されると、mコマ目の発光コマを充電コマに設定し(ステップST105)、残電圧Vm+1を充電後の残電圧に設定する(ステップST106)。
【0114】
以下、充電後の残電圧の算出について説明する。図19はメインコンデンサ25の充電時間と充電後の残電圧との関係を示す図である。第7の実施形態においては、図19に示す関係についてのテーブルLUT5をEEPROM35に記憶してなるものである。予測部26は、ステップST103において算出した残電圧Vm+1に基づいて、テーブルLUT5を参照して充電開始時刻Tsを求める。そして、充電開始時刻Tsからあらかじめ定められた充電時間T0経過した後の充電終了時刻Te(=Ts+T0)の電圧VeをテーブルLUT5を参照して求める。予測部26はこのようにして求めた電圧Veを充電後の残電圧に設定する。なお、充電時間T0としては、例えば、撮影を終了してから次の撮影が可能となるまでの時間を用いることができる。
【0115】
なお、メインコンデンサ25の充電の際には、充電電流を変更することが可能であることから、テーブルLUT5は充電電流の種類に応じて用意してEEPROM35に記憶しておくことが好ましい。
【0116】
図18に戻り、ステップST104が肯定された場合およびステップST106に続いて、ステップST31,ST32と同様に、発光制御部19が、仮の発光時間Tk1m,Tk2mを算出し(ステップST107)、発光時間Tmを算出する(ステップST108)。そして全体制御部32が、現在の発光コマが最後の発光コマであるか否かを判定する(m=M,ステップST109)。ステップST109が否定されると、発光時間Tmを算出する発光コマを次の発光コマに設定し(m=m+1,ステップST110)、ステップST102に戻る。なお、2回目以降の残電圧Vm+1および発光時間Tmの算出は、ステップST103において算出した残電圧またはステップST106において設定した充電後の残電圧を用いて行う。
【0117】
ステップST109が肯定されると、全体制御部32はステップST8,ST9と同様に撮影コマの露出を設定し(ステップST111)、本撮影を行う(ステップST112)。そして撮影コマが充電コマであるか否かを判定し(ステップST113)、ステップST113が肯定されるとメインコンデンサ25の充電を行う(ステップST114)。ステップST113が肯定された場合およびステップST114に続いて、全体制御部32が、現在の撮影コマが最後の撮影コマであるか否かを判定する(n=N,ステップST115)。ステップST115が否定されると、撮影コマを次の撮影コマに設定し(n=n+1,ステップST116)、ステップST111に戻る。ステップST115が肯定されると、処理を終了する。
【0118】
このように、第7の実施形態においては、残電圧が最小発光電圧未満となる場合に、撮影後にメインコンデンサ25の充電を行うようにしたため、常に最適な発光量により撮影を行うことができる。
【0119】
なお、上記第7の実施形態においては、発光後の残電圧が最小発光電圧未満となる場合の充電を、メインコンデンサ25がフル充電されるまで行うようにしてもよい。
【0120】
また、上記第2から第6の実施形態においても、残電圧が最小発光電圧未満となる場合に充電を行うようにしてもよい。
【0121】
また、上記第1から第7の実施形態においては、各撮影時における残電圧、発光量および発光時間を連写情報として本撮影により取得された画像データに付与するようにしてもよい。この場合、露出の設定値(すなわち、ISO感度、絞り値およびシャッタ速度)を連写情報に含めることが好ましい。
【0122】
図20は連写情報の例を示す図である。図20に示すように連写情報としては、露出の設定値(ISO感度、絞り値およびシャッタ速度)、残電圧、発光量および発光時間の情報を含む。なお、図20には3コマ分の連写情報を示しているが、各コマの連写情報が対応するコマの画像データにそれぞれ付与されるものである。ここで、連写情報の付与の態様としては、画像データのタグに記述する態様の他、画像データと同一ファイル名のテキストデータに連写情報を記述して同一のフォルダに記録する等、画像データと連写情報とを一体不可分とする態様であれば、どのような態様であってもよい。
【0123】
このように連写情報を画像データに付与することにより、後で連写情報を参照して画像データに対して適切に画像処理を施すことができる。例えば、連写情報において、ISO感度が低いのに発光量が少ない場合には、画像が暗い可能性があるため、画像を明るくするような画像処理を施すことができる。また、ISO感度が高い場合には画像がざらつく可能性が高いため、ノイズを除去する処理を優先的に行うように画像処理を施すことができる。
【0124】
また、上記第1から第7の実施形態においては、調光処理により発光量を算出しているが、必ずしも調光処理を行う必要はなく、AF処理により算出した焦点距離、AE処理により算出したISO感度、絞り値およびシャッタ速度等に基づいて、発光量を算出するようにしてもよい。
【0125】
以上、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1について説明したが、コンピュータに図4,5,8,7,13〜18に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の実施形態におけるデジタルカメラの概観図
【図2】デジタルカメラの内部構成を示す図
【図3】連写モードの設定画面を示す図
【図4】第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図5】調光処理のフローチャート
【図6】領域ブロックへの分割の一例を示す図
【図7】各領域ブロックの重み係数を示す図
【図8】発光時間演算処理のフローチャート
【図9】各種発光量と発光時間とを対応づけたテーブルを示す図
【図10】発光時間の算出を説明するための図
【図11】各種発光量と残電圧とを対応づけたテーブルを示す図
【図12】残電圧の算出を説明するための図
【図13】第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図14】第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図15】第4の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図16】第5の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図17】第6の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図18】第7の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図19】メインコンデンサの充電時間と充電後の残電圧との関係を示す図
【図20】連続撮影情報の例を示す図
【符号の説明】
【0127】
1 デジタルカメラ
4 フラッシュ
11 レンズ
19 発光制御部
24 電源
25 メインコンデンサ
26 予測部
32 全体制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段と、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記予測手段は、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段であることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記撮影制御手段は、前記発光量が最大となる撮影を、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影の最後の回に行う手段であることを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記発光制御手段は、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時における前記フラッシュの発光量を抑制する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項5】
前記撮影制御手段は、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影を、前記フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行う手段であることを特徴とする請求項4記載の撮影装置。
【請求項6】
前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合に警告を行う警告手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項7】
前記発光制御手段は、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影時における前記フラッシュの発光量を算出する手段であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項8】
前記撮影により取得される画像に、前記発光量および前記残エネルギーの情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項9】
前記発光制御手段は、前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する手段であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項10】
前記予測手段および前記発光制御手段は、前記残エネルギーの予測および前記発光時間の算出を、前記発光量の算出後の少なくとも1の時点において行う手段であることを特徴とする請求項9記載の撮影装置。
【請求項11】
前記撮影により取得される画像に、前記発光量、前記残エネルギーおよび前記発光時間の情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9または10記載の撮影装置。
【請求項12】
光を発する光源と、
該光源の発光のためのエネルギーを蓄える電源と、
前記発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記電源の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項13】
前記予測手段は、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段であることを特徴とする請求項12記載の発光装置。
【請求項14】
前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する発光制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12または13記載の発光装置。
【請求項15】
撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを備えた撮影装置の制御方法であって、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項16】
撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを備えた撮影装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測する手順を有することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段と、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記予測手段は、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段であることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記撮影制御手段は、前記発光量が最大となる撮影を、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影の最後の回に行う手段であることを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記発光制御手段は、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影より前の撮影時における前記フラッシュの発光量を抑制する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項5】
前記撮影制御手段は、前記予測された残エネルギーが所定値未満となる場合、少なくとも該残エネルギーが所定値未満となる撮影を、前記フラッシュを用いた複数回の撮影の最後の回に行う手段であることを特徴とする請求項4記載の撮影装置。
【請求項6】
前記予測された残エネルギーが所定値未満となる撮影がある場合に警告を行う警告手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項7】
前記発光制御手段は、前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影時における前記フラッシュの発光量を算出する手段であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項8】
前記撮影により取得される画像に、前記発光量および前記残エネルギーの情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項9】
前記発光制御手段は、前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する手段であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項10】
前記予測手段および前記発光制御手段は、前記残エネルギーの予測および前記発光時間の算出を、前記発光量の算出後の少なくとも1の時点において行う手段であることを特徴とする請求項9記載の撮影装置。
【請求項11】
前記撮影により取得される画像に、前記発光量、前記残エネルギーおよび前記発光時間の情報を含む連写情報を付与する情報付与手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9または10記載の撮影装置。
【請求項12】
光を発する光源と、
該光源の発光のためのエネルギーを蓄える電源と、
前記発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記電源の残エネルギーを予測する予測手段とを備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項13】
前記予測手段は、各種発光量とあらかじめ定められた第1の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第1のテーブル、および前記各種発光量と前記第1の残エネルギーとは異なる第2の残エネルギーに対する発光後の残エネルギーとの関係を定めた第2のテーブルを参照して、前記各発光後の前記残エネルギーを予測する手段であることを特徴とする請求項12記載の発光装置。
【請求項14】
前記残エネルギーに基づいて、次の発光の発光時間を算出する発光制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12または13記載の発光装置。
【請求項15】
撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを備えた撮影装置の制御方法であって、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項16】
撮影の指示を受けることにより被写体を撮影して該被写体を表す画像を取得する撮像手段と、
フラッシュを発光する発光手段と、
該フラッシュの発光のためのエネルギーを蓄える蓄電手段と、
前記フラッシュの発光を伴う複数回の撮影を含む連続した撮影を行うよう前記撮像手段を制御する撮影制御手段と、
前記フラッシュの発光を伴う撮影時に前記フラッシュを発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを備えた撮影装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記フラッシュ発光を複数回行うに際し、各発光時の発光量および該各発光時の前記蓄電手段の残エネルギーに基づいて、該各発光後の前記蓄電手段の残エネルギーを予測する手順を有することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−169033(P2009−169033A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6367(P2008−6367)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]