説明

撮影装置

【課題】本発明は、レリーズボタンを備え、そのレリーズボタンの押下により静止画撮影を行なうデジタルカメラ等の撮影装置に関し、静止画用の測光を正しく行なうとともに半押しのタイミングから静止画撮影が可能となるタイミングまでの時間遅れを短縮する。
【解決手段】半押しに先立って表示用の動画であるスルー画を生成して表示するスルー画表示手段と、スルー画用の測光と静止画用の測光との双方を半押しに先立って行なう測光手段と、半押しに応じて測距を行なう測距手段と、全押しに応じて静止画撮影を行なう撮影手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レリーズボタンを備え、そのレリーズボタンの押下により静止画撮影を行なう、例えばデジタルカメラやカメラ内蔵の携帯電話機等の撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従前の写真フィルム上に写真撮影を行なうタイプのカメラに代わりCCD撮像素子等の撮像素子上に結像した被写体を表わす画像データを得るデジタルのカメラが広く普及してきており、さらに、そのようなタイプのカメラが内蔵された携帯電話機も広く普及してきている。ここでは、それらを総称あるいは代表させて、デジタルカメラという名称で説明を続ける。
【0003】
このようなデジタルカメラでの問題点の1つは、撮影者による撮影操作から実際に撮影が行なわれるまでの時間遅れである。現在市販されているデジタルカメラの多くはこの時間遅れが大きく、シャッタチャンスを逃がすことも多い。
【0004】
特許文献1,2には、この時間遅れを短縮化するために、動画撮影から静止画撮影に移行したときに静止画撮影のための測光を新たに行なうことを省略して動画撮影の測光結果を採用して静止画撮影の露出制御を行なうことが記載されている。
【特許文献1】特公平2−30633号公報
【特許文献2】特公平2−30634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、動画撮影では1フレームごとに測光が行なわれてその測光結果を次の(数フレーム後の)フレームの露光制御に用いるということが行なわれており、高速の測光が求められ、静止画撮影に適した広い被写界輝度範囲全域に亘る測光は行なわれていない。特に近年、1画素あたり面積の異なる複数の受光センサを持った広ダイナミックレンジの撮像素子が登場してきており、そのような広ダイナミックレンジの撮像素子を有効に駆使して適正露光の静止画撮影を行なおうとするときは、動画撮影用の測光結果をそのまま静止画撮影に流用するには無理がある。
【0006】
このため、静止画撮影用の測光をきちんと行なうシーケンスとしては、例えば半押しと全押しとの2段押下型のレリーズボタンを備え、半押し以前は表示用の動画であるスルー画を生成して表示しておき、半押し後に静止画用の詳細な測光を行ない、全押しに応じて静止画撮影を行なうというシーケンスが採用されている。
【0007】
しかしこの場合、半押し後、静止画用の測光が完了するまでに時間を要し、上述した時間遅れの問題を生じている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、静止画用の測光を正しく行なうとともに半押しのタイミングから静止画撮影が可能となるタイミングまでの時間遅れの短かい撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の撮影装置は、レリーズボタンを備えそのレリーズボタンの押下により静止画撮影を行なう撮影装置において、
そのレリーズボタンが半押し全押しとの2段押下型のレリーズボタンであって、
この撮影装置が、
半押しに先立って表示用の動画であるスルー画を生成して表示するスルー画表示手段と、
スルー画用の測光と、静止画用の、該スルー画用の測光よりも広輝度範囲にわたる測光との双方を半押しに先立って行なう測光手段と、
半押しに応じて合焦位置を検出する合焦位置検出手段と、
全押しに応じて静止画撮影を行なう撮影手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の撮影装置によれば、測光手段が、スルー画用の測光と静止画用の測光との双方を半押しに先立って行なうため、半押しのタイミングから静止画撮影が可能となるタイミングまでの時間遅れが短縮される。
【0011】
ここで、上記本発明の撮影装置において、上記測光手段は、スルー画用の測光と静止画用の測光との双方を半押しに先立って行なう第1の測光モードに加え、さらに、半押しに先立ってスルー画用の測光を行ない半押し後に静止画用の測光を行なう第2の測光モードを有するものであることが好ましい。
【0012】
従来と同様のシーケンス(第2の測光モード)によれば第1の測光モードと比べ低消費電力を実現でき、シャッタチャンスを大切にする場合と消費電力を抑えたい場合とで切り替えることができることが好ましい。
【0013】
また、上記本発明の撮影装置において、上記測光手段は、上記第1の測光モードにおいて、スルー画表示用のスルー画フレームどうしの間に循環的に異なる露光量の複数の測光用フレームを1フレームずつ配置した一連の画像フレームを生成しそれら一連の画像フレーム中の1つの測光用フレームに基づく単位測光の、一巡する複数の測光用フレームにわたる集合により、静止画用の測光を行なうものであってもよい。
【0014】
静止画用の高精度な測光を行なうには、異なる露光量での複数回の測光が必要となる。そこで、上記第1の測光モードでは、スルー画表示用のスルー画フレームどうしの間に循環的に異なる露光量の複数の測光用フレームを1フレームずつ配置することにより、スルー画の表示を妨げることなく、静止画用の測光が可能となる。
【0015】
また、上記本発明の撮影装置において、撮影光の光量を制限する絞り径可変な絞り部材を備え、上記測光手段は、第1の測光モードにおいて絞り径が変化した場合には、絞り径変化前の単位測光結果を破棄し絞り径変化後の測光用フレームのみに基づいて静止画用の測光を行なうものであることが好ましい。
【0016】
絞り径が変化するということは、被写界の輝度が安定していない、あるいは変化したことを意味し、一方静止画用の測定は複数回の単位測光に分けて行なう関係上、それら複数回の単位測光の間は被写界の輝度が安定していることが必要となる。そこで、絞り径が変化した場合には絞り径変化前の単位測光結果を破棄し絞り径変化後の測光用フレームのみに基づいて静止画用の測光を行なうことにより高精度な測光が可能となる。
【0017】
また、上記本発明の撮影装置において、上記測光手段は、第1の測光モードにおいて、上記一連の画像フレーム中のスルー画フレームに基づいてスルー画用の測光を行なうものであることが好ましい。
【0018】
スルー画は動画の一種であり、高速測光を必要とすること、および露光量を変化させた測光用フレームよりもスルー画フレームの方が露光量が安定していることから、スルー画用については、従来と同様、スルー画フレームに基づいて測光を行なうことが好ましい。
【0019】
さらに、上記本発明の撮影装置において、上記測光手段は、第1の測光モードにおいて、半押しに応じて静止画用の測光が終了しているか否かを判定して、未了の場合は半押し後に未了の単位測光のみを行なうものであることが好ましい。
【0020】
例えば絞り径変更等によってそれまでの測光結果がキャンセルされた場合や、電源オンから半押しまでの時間が短時間であって半押しのタイミングで静止画用の測光が完了していなかったときは、半押し後に未了の単位測光を行なうことにより、時間遅れが多少大きくはなるが、正しい測光の下での静止画撮影が行なわれる。
【0021】
ここで、半押し時に、単位測光が1つも終わっていなかったときは半押し後に全ての単位測光が行なわれることになる。
【0022】
また、上記本発明の撮影装置において、上記撮影手段は、測光用フレームに基づいては測光不能な低輝度範囲の測光を必要とする低輝度撮影モードを含む複数の撮影モードによる撮影が自在なものであって、
上記測光手段は、第1の測光モードであって、かつ、低輝度撮影モードにおいては、半押し後に上記の低輝度範囲の測光を行なうものであることが好ましい。
【0023】
例えば夜景モード等の低輝度撮影モードでは、暗い被写界の輝度を測光する必要があるが、この測光を行なうには長時間露光を必要とする。これに対し、半押し前のスルー画表示状態においては、一連の画像フレームのフレームレートを低下させると、スムーズな動きのスルー画表示の妨げとなる。そこで、長時間露光を必要とする測光については、半押し後に行なうことにより、この低輝度撮影モードにおいては時間遅れが若干増加するものの、半押し前のスルー画表示を妨げることが防止されるとともに、低輝度撮影モードに通した測光が行なわれ、トータルとしてバランスのとれたシーケンスとなる。
【0024】
さらに、上記本発明の撮影装置において、静止画撮影の感度とスルー画生成時の感度を連動して自動的に切り換える感度自動設定モードを有し、この感度自動設定モードは、第1の測光モードにおいては、一巡する複数の測光用フレームを生成する間は同一感度を維持するものであることが好ましい。
【0025】
従来のデジタルカメラには、撮像素子から得られた信号の増幅率を調整することなどにより感度を調整する機能を備えたものがあり、その感度を被写界の輝度等に応じて自動的に切り換える感度自動測光モードを有するものがある。一方、静止画用の測光を行なうには露光量を変えた複数の測光フレームを必要とし、それら複数の測光フレームどうしが感度が異なるものである場合に高精度な測光の妨げとなる場合がある。ここでは感度自動測光モードにおいても、第1の測光モードにおいては、一巡する複数の測光用フレームを生成する間は同一感度を維持するようにしたため、静止画用の高精度の測光が可能となる。
【0026】
さらに、本発明の撮影装置において、上記撮影手段は、半押し時の絞り径を維持したまま静止画撮影を行なう絞り維持撮影モードを有するものであることが好ましい。
【0027】
半押し時の絞り径は、静止画用の測光を行なったときの絞り径であり、この絞り径を維持したまま静止画撮影を行なうことにより一層高精度な露光調整が可能となる。ただし、撮影モードによっては、半押し時の絞り径とは異なる絞り径を採用し、それに応じて、例えばシャッタ秒時等を調整して、静止画撮影を行なってもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、静止画用の高精度の測光を行ない、しかも半押しから静止画撮影が可能となるまでの時間遅れが短かい撮影装置が実現し、シャッタチャンスを逃がすおそれが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明の撮影装置の一実施形態であるデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図である。
【0031】
図1に示すデジタルカメラ10の前面中央部には、光学ズームレンズを含む撮影レンズ11を内部に備えたズーム鏡胴12が備えられている。また、このデジタルカメラ10の前面上部には、撮影に同期してフラッシュ光を発するフラッシュ発光装置13と、光学式ファインダ対物窓14とが備えられている。
【0032】
また、このデジタルカメラ10の前面左側には、スライド式の電源スイッチ15が備えられている。
【0033】
さらに、このデジタルカメラ10の上面には、レリーズボタン16が備えられている。
【0034】
図2は、図1に示すデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【0035】
このデジタルカメラ10には、前述した撮影レンズ11を構成するズームレンズ21およびフォーカスレンズ22と、絞り径を多段階に調節可能なアイリス23と、撮影レンズ(ズームレンズ21およびフォーカスレンズ22)およびアイリス23を経由して結像された被写体像を受光してアナログ信号を生成するCCD撮像素子(以下、「CCD」と称する)24と、撮影レンズおよびアイリス23を経由して入射してきた被写体光の、CCD24への照射時間を制限する機械式シャッタ25が備えられている。
【0036】
また、このデジタルカメラ10には、CCD24での電子シャッタのタイミングや画像信号の読出し等のタイミングを制御するタイミングジェネレータとCCD24から読み出したアナログ信号をデジタルの画像信号を生成するA/D変換回路とからなる読出回路26と、その読出回路26からのデジタルの画像信号をバスライン50に伝達する画像入力コントローラ27と、バスライン50を介して入力されたデジタルの画像信号を輝度(Y)と色(C)とで表わされるYC信号に変換する画像信号処理回路28とが備えられている。
【0037】
さらに、このデジタルカメラ10には、バスライン50を介して入力されたYC信号を圧縮処理する圧縮処理回路29と、バスライン50を介して入力されたYC信号をNTSC(National TV Standards Committee)信号に変換するビデオエンコーダ30が備えられている。ビデオエンコーダ30から出力されたNTSC信号は、液晶モニタ(以下、「LCD」と称する)31に供給されてそのLCD31に画像が表示される。
【0038】
また、デジタルカメラ10には、このデジタルカメラ10全体の制御を行なうCPU32と、ズームレンズ21、アイリス23、フォーカスレンズ22、およびメカニカルシャッタ25をそれぞれ駆動する各モータドライバ33〜36と、図1に示すレリーズボタン16の押下によりオンとなる2つのスイッチS1,S2が備えられている。これら2つのスイッチS1,S2のうちの一方のスイッチS1は、レリーズボタン16が半押しされたときにオンとなるスイッチであり、もう一方のスイッチS2はレリーズボタン16が全押しされたときにオンとなるスイッチである。そこで、以下では、レリーズボタン16が半押しされている状態を「S1状態」、全押しされた後の状態を「S2状態」と称することがある。またデジタルカメラ10の電源がオンとなっており、かつ撮影モードとなっているが未だレリーズボタン16を押してない状態を「S0状態」と称することがある。
【0039】
さらに、このデジタルカメラ10には、各種時間を計測するためのタイマ37、デジタルの画像信号に基づくコントラスト検知により合焦位置を検出するAF検出回路38、デジタルの画像信号に基づいて被写界輝度およびホワイトバランスを検出するAE&AWB検出回路39、デジタルの画像信号が一時的に記憶されるメモリ(SDRAM)40、圧縮処理回路29で圧縮された後の画像信号を可搬型記録媒体である記録メディア100に記録するためのメディアコントローラ41が備えられている。
【0040】
さらに、このデジタルカメラ10には、レリーズボタン16の押下に応じて撮影を行なう撮影モードと記録メディア100に記録されている撮影済の画像を記録メディア100から読み出して液晶モニタ31に表示する再生モードとを切り替えたり、さらに撮影モードの中の各種モードや感度の切り替え、ズームレンズの繰出し等を行なうための各種スイッチからなるスイッチ群42、図1に示すも電源スイッチ15、その電源スイッチ15のオン/オフにより制御され各部に電力を供給する電源回路43、電源回路43へ電力を供給する電力源としてのバッテリ44、図2にも示す、撮影に同期して閃光を発光するフラッシュ発光装置13が備えられている。
【0041】
図3は、図1、図2に示すデジタルカメラの一般的な撮影シーケンスを示す図である。
【0042】
電源がオン(ON)されると、撮影レンズが繰り出されるとともにLCD31(図2参照)がオンとなり、その後、そのLCD31上に、表示用の動画であるスルー画が表示される。その後、レリーズボタンが半押しされてS1状態に移行すると、静止画用の露光を決めるための測光(AE)および合焦位置の検出(AF)が行なわれ、それらAEやAFが終了すると再びスルー画表示が行なわれる。その状態で今度はレリーズボタンが全押しされる(S2状態となる)と、図2に示すブロック図中の読出回路26による、CCD24に供給するタイミングクロックを静止画用のタイミングクロックに変更するなどの露光準備が行なわれ、露光準備の終了直後に露光が行なわれ、その後CCD24から画像信号が読み出され、読出し終了後に、CCD24に供給するタイミングクロックをスルー画用のタイミングクロックに変更するなどのスルー画表示のための準備が行なわれ、その後、次の撮影のためのレリーズボタンの押下が可能となる。
【0043】
図3に示す一般的な撮影シーケンスでは、ユーザが撮影をしようとしてレリーズボタンを半押し(S1状態)してから実際に撮影を行なうことができる状態(S2状態)に至るまでに時間を要し、シャッタチャンスを逃がすおそれがあることから、図1、図2に示すデジタルカメラ10では、図3のシーケンスに従う撮影モードのほか、クイック撮影モードを有し、クイック撮影モードではその間の時間が短縮されシャッタチャンスを逃がすおそれを低減している。
【0044】
図4は、クイック撮影モードオフ時(A)およびオン時(B)の、S1,S2同時押しシーケンスを示す図である。ここで、S1,S2同時押しとは、シャッタボタンを全押しの状態(S2状態)にまで一気に押下することをいう。
【0045】
図4(A)のクイック撮影モードオフ時は、スルー画を表示し、レリーズボタンが押された後に静止画用のAEおよびAFを行ない、それに引き続いて露光準備、露光、CCDからの画像信号の読み出しが行なわれる。
【0046】
これに対し、図4(B)のクイック撮影モードオン時は、レリーズボタン押下前のS0状態においてスルー画の生成・表示を行ないながら静止画用のAEが行なわれ、レリーズボタンが押されると、S0状態で行なったAEの結果に基づくプログラム線図の決定等、AEに関する多少の処理を行なうもののレリーズボタン押下後はAEについてはほとんどの処理が省かれて、AF、露光準備、露光、読出しが行なわれる。
【0047】
図4(A)と図4(B)とを比べると、クイック撮影モードオン(図4(B))では、S0状態でスルー画を生成・表示しながら静止画用のAEを行なっているためレリーズボタン押下後、実際に撮影(露光)が行なわれるまでの時間遅れが短縮され、シャッタチャンスを逃がすおそれが低減される。
【0048】
ここではレリーズボタンをS1,S2同時押しした場合について説明したが、半押し状態(S1状態)で暫く待機してから全押しする場合も、半押しのタイミングからAEおよびAFの処理が終了するまでの時間が短縮されることになる。
【0049】
尚、本実施形態では、クイック撮影モードオンの状態においては、レリーズボタン押下前のS0状態においてスルー画を生成・表示しながら静止画用のAEを行なうため、クイック撮影モードオフの状態と比べS0状態におけるフレームレートが2倍となっており、消費電力の点では若干不利の点もあり、本実施形態ではクイック撮影モードオンとオフとの切り替えを可能としている。
【0050】
図5は、クイック撮影モードオフ時のスルー画シーケンスを示す図である。
【0051】
図5(A)の(a)は垂直同期信号を示しており、隣接するパルスどうしの間隔(ここでは33ms)が1フレームあたりの時間である。
【0052】
露出設定を行ない(b)、露光を行ない(c)、CCDからの読出しを行ない(d)、スルー画を表示出力する(e)。このスルー画の表示出力にあたっては、ここでは、図5(B)に示すように、画像バッファメモリを3フレーム分用意しておき、それら3フレーム分の画像バッファメモリを使って、1フレームごとのスルー画用画像信号の格納と読出しが循環的に行なわれる。このとき、CCDからの読出しにより得られたスルー画用の画像信号の信号値が、被写界を複数の領域に分割したときの各領域ごとに積算されて積算バッファに格納され(f)、これらの積算バッファに格納された積算データに基づいてスルー画用のAE演算を行ない、そのAE演算結果が次の露光設定に用いられる。ここで、積算データ格納用として用いられる積算データバッファメモリは、スルー画AE用として2フレーム分(積算データAと積算データB)用意されており、交互に用いられる。また、ここではクイック撮影モードオフ時のスルー画シーケンスについて説明しているためここでは使われていないが、静止画AE用として4フレーム分の積算データの格納領域((1)積算データ、(2)積算データ、(3)積算データ、および(3)スミア積算データ)が用意されている。静止画AE用の積算データバッファメモリの使い方については後述する。
【0053】
クイック撮影モードオフ時のS0状態では、この図5に示すように33ms周期で1フレームずつのスルー画用画像信号が取り込まれ各1フレームずつについて表示に用いるとともにAE演算が行なわれて、数フレーム後の露出設定に用いられる。
【0054】
図6は、クイック撮影モードオフ時の半押し状態(S1状態)におけるAEのシーケンスを示す図である。
【0055】
ここでは、図6(A)に示すように、レリーズボタンが半押し(S1)されると垂直同期信号は25ms間隔となって25msごとに1フレームの画像信号が取り込まれ、先ず、(1)用(後述する)の露出設定が行なわれその露出に合わせるためにアイリス23(図2参照)の絞り径が調整され、アイリスが駆動されて絞り径が変化している途中で露光されたフレームは使えないためアイリスの駆動終了を待って次のフレームで(1)用の露光が行なわれ(b)、(1)用の読出しが行なわれ(c)、その間は半押し直前のスルー画がフリーズされた状態で表示され続け(d)、その(1)用の読出しにより得られた画像信号に基づいて(1)用の積算データバッファメモリに積算データが格納される。この(1)用に続くフレームでは(2)用、続いて(3)用、さらに(3)スミア用について同様の処理が行なわれる。(3)スミアというのは(3)と同一の露出を行なうが、この露出によってCCDに蓄積された電荷を転送路に転送せずに読出し動作を行なうことをいい、こうすることにより、いわゆるスミアと呼ばれる画質欠陥を知ってスミア補正が行われる。これら(1)〜(3)と(3)スミアの積算データが揃った後、それらの積算データに基づいて静止画用のAE積算が行なわれ、レリーズボタン全押し後の静止画の露出設定に用いられる。
【0056】
図7は、クイック撮影モードオフ時の静止画用の測光線図を示す図である。
【0057】
ここでは、先ず(1)用として、EV8で適正露出となるようにアイリスの絞り径や電子シャッタのシャッタスピード等が調整されて露光が行なわれ、被写界を複数(例えば128)の領域に分けたときの各領域のうちEV3〜EV9.5の範囲内にある領域について測光が行なわれ、次に(2)用としてEV12で適正露出となるようにアイリスの絞り径や電子シャッタのシャッタスピード等が調整されて露光が行なわれ、EV9.5〜EV13.5の範囲内にある領域について測光が行なわれ、さらに(3)用として、EV16で適正露出となるようにアイリスの絞り径や電子シャッタのシャッタスピード等が調整されて露光が行なわれ、EV13.5〜EV18の範囲内にある領域について測光が行なわれる。これにより被写界が特別に暗い場合を除き、全ての領域について測光が行なわれる。さらに、(3)と同じ条件で露光し、ただしその露光により蓄積した電荷を転送路に送ることなしに読出し処理を行なう(3)スミアが行なわれる。静止画用としては、このようにして4フレームに亘って分担して広い輝度範囲に亘る測定が行なわれ、これら4フレーム分の測光結果(積算データ)に基づいて静止画用AE演算が行なわれ、静止画撮影時の露出が決定される。ここで測光はEV3〜EV18の範囲について行なわれるが露出はEV4〜EV17の範囲で調節される。
【0058】
図8は、クイック撮影モードオン時のスルー画シーケンスを示す図である。
【0059】
ここでは、1フレームあたりの時間は16msに短縮されており(a)、露出設定は、スルー画用と静止画AE用とに交互に行なわれる。さらに静止画AE用としては、(2)用、(1)用、(3)用、(3)スミア用の設定が循環的に行なわれる。
【0060】
図7(e)の表示出力は、スルー画用として露光・読出しを行なったフレームのみに基づいて露光・読出しの1フレーム分の時間(16ms)の2倍の時間(33ms)(1/2のフレームレート)で繰り返される。
【0061】
この場合であっても、スルー画用のAE演算は、図5に示すクイック撮影モードオフ時と同様、スルー画用の画像信号に基づいて行なわれる。静止画用のAE演算は、スルー画のフレームに対し交互に配置された静止画AE用のフレーム((1)〜(3)用、および(3)スミア用)のうちの最新の4フレームに基づいて順次更新される。
【0062】
ここで、スルー画用のAEに基づく露出設定の結果、時刻t1においてアイリスの絞り径が変化したものとする。このときは、図に×印を付した、時刻t2の静止画用のAE演算結果は破棄され、時刻t1以降に露出設定および露光の行なわれた静止画用AEのフレームのみに基づく、時刻t3以降のAE演算結果のみが有効となる。
【0063】
図9は、クイック撮影モードオン時の「低輝度スルー画」の動作シーケンスである。
【0064】
所定の輝度以下の低輝度では、フレームレートが高いと1フレーム内で十分な露光時間を確保できず、適正な明るさのスルー画を表示することができない状況が生じる。このような状況のときには、低輝度スルー画モードに入り、クイック撮影モードオフ時には1フレームあたりの時間が50msに延長される。この図9はクイック撮影モードオン時の低輝度スルー画モードであるため、ここでは、1フレームあたりの時間は、クイック撮影モードオフ時の低輝度スルー画モードの1フレームあたりの時間50msの半分の時間25msとなり(a)、表示出力はクイック撮影モードオフ時の低輝度スルー画モードの時と同じく50msとなる。このように、クイック撮影モードオフ時とオン時とで表示出力のフレームレートを同一にすることで、クイック撮影モードオン/オフ切替時の違和感が解消される。
【0065】
尚、この図9におけるシーケンス自体は、1フレームあたりの時間が異なっていることを除き、図8に示すクイック撮影モードオン時の通常のスルー画表示のときと同一であり、図9についてのこれ以上の説明は省略する。
【0066】
図10は、クイック撮影モードオン時の測光線図である。
【0067】
クイック撮影モードオン時は、レリーズボタンを押す前のS0状態で、スルー画用のフレームと交互に静止画用の測光のフレームが配置されて静止画用の測光が行なわれるため、アイリスの絞り径はスルー画用のものがそのまま用いられる。このため、このS0状態で行なわれる静止画用の測光のための測光線図はスルー画中のアイリスの絞り径によって異なっている。この図10は、その絞り径がF8の場合の測光線図であり、絞り径をF8に固定したまま、シャッタスピード等の調整により、(1)ではEV7で適正露出となるように調整され露光が行なわれてEV6〜EV11.5の範囲について測光が行なわれ、(2)ではEV13で適正露出となるように調整され露光が行なわれてEV11.5〜EV14の範囲について測光が行なわれ、(3)ではEV16で適正露出となるように調整され露光が行なわれてEV14〜EV16の範囲について測定が行なわれ、(3)スミアでは(3)と同じ条件で露光が行なわれてスミア測光用の読み出しが行なわれる。スルー画で絞り径がF8であるということは被写界はある程度明るい状態にあるため、この図10に示すようにEV6以上について測光が行なわれる。
【0068】
図11は、クイック撮影モードオン時であってスルー画中のアイリスの絞り径がF2.8のときの測光線図である。
【0069】
スルー画中の絞り径がF2.8なので、被写界はかなり暗い状況にあり、この図11に示すように、低輝度側に寄ったEV3〜EV15の範囲の測光が行なわれる。
【0070】
図12は、クイック撮影モードオン時のスルー画表示用のプログラム線図である。
【0071】
この図12に示すように、被写界の明るさが変化しても、できるだけシャッタスピードにより露出が調整され、絞り径についてはヒステリシスを持たせてできるだけ変化しないようになっている。
【0072】
図8を参照して説明したように、絞り径が変化すると変化前の静止画用のフレームは使用されず、変化後のフレームのみに基づいて静止画用のAE演算が行なわれるため、図12に示すようなプログラム線図を採用して、S0状態ではできるだけ絞り径の変化を抑えている。
【0073】
この図12のプログラム線図によれば、F2.8でEV9よりも暗いときは、CCDから読み出した画像信号を増幅するアンプゲインの調節によりEV6まで対応している。
【0074】
図13は、クイック撮影モードオン時の、静止画用のプログラム線図である。
【0075】
ここでは、レリーズボタン半押し前(S0状態)におけるスルー画のときの絞り径ができる限り広い範囲に亘ってそのまま引き継ぐプログラム線図となっており、スルー画のときの絞り径がそのまま採用されて静止画撮影が行なわれる。こうすることにより、一層高精度な露出による静止画撮影を行なうことができる。
【0076】
図14はスポーツモードを採用したときの静止画撮影時のプログラム線図である。
【0077】
この実施形態のデジタルカメラには撮影モードの1つとしてスポーツモードがあり、このスポーツモードでは、広範な輝度範囲に亘ってTV9が採用されており、このような特殊なモードのときは、スルー画のときの絞り径に拘束されることなく、そのTV9に適合するように絞り径が変更される。
【0078】
図15は、クイック撮影モードオン時における感度自動切替モードの、静止画用のプログラム線図である。
【0079】
この実施形態のデジタルカメラは、静止画の感度とスルー画の感度が連動して自動的に切り替わる感度自動切替モードを有する。
【0080】
標準の感度は、静止画はISO200、スルー画はISO100に設定されている。
【0081】
被写界輝度が、F2.8、TV6でも適正露光に満たない程度に暗いとき(EV9未満のとき)は、アンプゲインを上げることによりISO400相当に感度アップされ、それでも暗いときはさらにアンプゲインを上げることによりISO800相当に感度アップされ、さらに暗いときはアンプゲインをさらに上げることによりISO1600相当に感度アップされる。
【0082】
S0状態におけるスルー画撮影中も同様にして感度の自動切替えが行なわれる。前述した(1)〜(3)および(3)スミアの4回の測光が一巡する間(ここでは(2)を先頭として「(2)の中輝度測光」→「(1)の低輝度測光」→「(3)の高輝度測光」→「(3)スミア用の測光」の4回の測光が一巡する間)は感度は一定に保たれ、感度を切り替える必要があるときはそれら4回の測光が一巡したときに感度切り替えが行なわれる。上記の4回の測光を同一の感度で行なうことにより、高精度の測定が可能となる。
【0083】
図16は、S0スルー画時の測定が安定していない場合の静止画用の測光処理を示すフローチャートである。
【0084】
ここでは、半押し前のS0状態においてスルー画用の測光(ステップS11)や静止画用の測光(ここでは静止画用の、S0状態における測光であるので、「S0測光」と称する)が行なわれ(ステップS12)、さらに静止画用のS0の測光結果が判定される(ステップS13)。ここでは、今回のS0測光が、絞り径が安定しているときの4回の測光に基づくものであるか否かが判定される。
【0085】
以上のシーケンスがレリーズボタンが半押しされるまで繰り返され(ステップS14)、レリーズボタンが半押しされると、最新のS0測光結果がOKか否か(上記のとおり、絞り径が安定していたときの測光か否か)が判定され、OKのときは静止画用の露出が計算される(ステップS19)。
【0086】
ステップS15でS0測光結果がOKではないと判定されたときは、次に、S0状態での4回の測光が全く出来なかったか、それとも一部は測光できたかが判定される。
【0087】
一部の測光が終わっているときはステップS17に進み、図17に示すようにして、S1押下後に残りの測光が行なわれる。
【0088】
図17は、半押しよりも前に静止画用の4回の測光のうちの一部が終了、一部が未了の状態の場合のシーケンスを示す図である。
【0089】
図17には、S1押下前よりもに絞り径が変化して静止画の測光が一旦リセットされ、その後(2)の測光のみが終了した時点でS1が押下されたときのシーケンスが示されている。この場合、S1押下後に(1)と(3)と(3)スミアの測光が行なわれ、S1押下前の(2)の測光と合わせた合計4回の測光に基づいて静止画用のAE演算が行なわれる(図16ステップS19)。
【0090】
また、図16のステップS16において、S0状態で4回の測光のいずれもが終了していないと判定されるとステップS18に進み、通常のS1測光が行なわれる。
【0091】
図18は、半押し時に静止画用の4回の測光の全てが未了の状態の場合のシーケンスを示す図である。
【0092】
図18には、S1押下前に絞り径が変化して静止画の測光が一旦リセットされ、その後静止画用の4回の測光が1回も行なわれないうちにS1が押下された状態が示されている。このときは、通常のS1測光、すなわち、図6を参照して説明した、クイック撮影モードオフ時と同じAE測光が行なわれ、その後、静止画用の露出が計算される(図16ステップS19)。
【0093】
図19は、夜景モード等、低輝度用の静止画用測光を必要とする場合の測光処理を示すフローチャートである。
【0094】
この実施形態のデジタルカメラには撮影モードの1つとして、夜景モード等、暗い被写界での静止画撮影を予定したモードが用意されており、その場合、S0状態ではアンプゲインアップや画素混合等の感度アップの処理を施しても1フレームの時間内では露光時間が短かすぎて測光できない低輝度範囲を測光する必要がある。図19は、そのような場合に対処するための測光処理を示している。
【0095】
ここでは、図16のステップS11〜S14と同様に、スルー画測光、S0測光、S0の測光結果判定が行なわれ(ステップS21〜S23)、これがS1が押下されるまで繰り返される(ステップS24)。
【0096】
ここでS1が押下されると、低輝度用フレームによる測光が必要か否かが判定される(ステップS25)。ここでの判定は、このときに設定されている撮影モードの種類(例えば夜景モード等であるか否か)により行なわれる。またここでいう低輝度用フレームによる測光とは、低輝度範囲について測光を行なうために特別に露光時間を長くした長時間秒時のフレームによる測光をいう。
【0097】
ステップS25において低輝度用フレーム測光が不要であると判定されるとステップS27に進んで静止画用の露出が計算される。
【0098】
一方、ステップS25において低輝度用フレーム測光が必要であると判定されるとステップS26に進んで低輝度用フレーム測光が行なわれ、その後、その低輝度用フレーム測光を含め合計5回の測光に基づいて静止画用露出が計算される(ステップ27)。
【0099】
図20は、低輝度用フレーム測光を含めたときの測光線図である。
【0100】
ここには絞りがF2.8のときの測光線図が示されており、(0)の測光線図が低輝度用フレーム測光の測光線図である。この低輝度用フレーム測光では、EV3.5で適正露光なるように露出が調整されて露光され、EV0〜EV5の範囲の測光が行なわれる。
【0101】
図21は、クイック撮影モードオン時における、夜景モード等、低輝度用フレーム測光が必要な撮影モードでの、スルー画シーケンスを示す図である。
【0102】
この図21に示すシーケンスは、図8に示すスルー画シーケンスと同じであり重複説明は省略するが、ここでは、図21(C)に示すように、静止画AE用の積算データバッファメモリとして、これまで説明してきた「(1)積算データ」、「(2)積算データ」、「(3)積算データ」、「(3)スミア積算データ」の4フレーム分の積算データの格納領域に加え、さらに低輝度用フレーム測光における積算データ(ここではこれを(0)積算データと称する)格納用の領域が確保されている。但し、この図21に示すスルー画シーケンスにおいては、その(0)積算データ格納領域は空のままである。
【0103】
図22は、クイック撮影モードオン時における、夜景モード等、低輝度用フレーム測光が必要な撮影モードでの、S1押下時のシーケンスを示す図である。
【0104】
S1押下後に低輝度用フレーム測光((0)の測光)を行なうための露出設定が行なわれ、50msにわたる、低輝度用フレーム測光のための長時間露光が行なわれ、その読出しが行なわれ、(0)積算データが求められて、S1押下前の、(3)スミア、(3)、(2)、(1)の4回の測光とS1押下後の(0)の測光との5回の測光による積算データに基づいて静止画用のAE演算が行なわれる。
【0105】
このように、S1押下後に低輝度用フレーム測光を行なうことによって、スルー画表示のフレームレートを崩すことを避けユーザに違和感を与えずに済むことになる。
【0106】
図23は、クイック撮影モードオン時における、夜景モード等、低輝度用フレーム測光を必要とする撮影モードであって、スルー画表示中に絞り径が変化し、S1押下時にS0測光が終了していなかった場合のシーケンスを示す図である。
【0107】
この図23には、絞り径変更により静止画用の測光が一旦リセツトされ、その後(2)と(1)の測光が行なわれた段階でS1が押下されたときのシーケンスが示されている。このときは、S1押下後に先ず低輝度用フレーム測光((0)の測光)が行なわれ、次いで(3)の測光、(3)スミアの測光が行なわれて、S1押下前の(2)、(1)とS1押下後の(0)、(3)、(3)スミアとの5回の測光(5回の積算データ)に基づいて静止画用のAE演算が行なわれる。
【0108】
このように、本実施形態では、S0状態(S1押下前)において静止画用のAE測光が行なわれ、S1押下時に静止画用のAE測光のうち未了の測光があったとき、あるいは夜景モード等特に低輝度の測光を必要とするモードが設定されていたときにはS1押下後に追加の測光が行なわれる。
【0109】
こうすることにより、シャッタチャンスを逃がすおそれを極力低減させつつ、スルー画表示と調和のとれたシーケンスが実現する。
【0110】
尚、ここでは図1に示す外観のデジタルカメラについて説明したが、本発明は、「カメラ」としての外観を有する撮影装置のみに適用されるものではなく、例えば携帯電話内蔵のカメラ等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の撮影装置の一実施形態であるデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図3】図1、図2に示すデジタルカメラの一般的な撮影シーケンスを示す図である。
【図4】クイック撮影モードオフ時(A)およびオン時の、S1,S2同時押しシーケンスを示す図である。
【図5】クイック撮影モードオフ時のスルー画シーケンスを示す図である。
【図6】クイック撮影モードオフ時の半押し状態(S1状態)におけるAEのシーケンスを示す図である。
【図7】クイック撮影モードオフ時の静止画用の測光線図を示す図である。
【図8】クイック撮影モードオン時のスルー画シーケンスを示す図である。
【図9】クイック撮影モードオン時の「低輝度スルー画」の動作シーケンスを示す図である。
【図10】クイック撮影モードオン時の測光線図である。
【図11】クイック撮影モードオン時であってスルー画中のアイリスの絞り径がF2.8のときの測光線図である。
【図12】クイック撮影モードオン時のスルー画表示用のプログラム線図である。
【図13】クイック撮影モードオン時の、静止画像的時のプログラム線図である。
【図14】スポーツモードを採用したときの静止画撮影時のプログラム線図である。
【図15】クイック撮影モードオン時における感度自動切替モードの、静止画用のプログラム線図である。
【図16】S0スルー画時の測定が安定していない場合の静止画用の測光処理を示すフローチャートである。
【図17】半押しよりも前に静止画用の4回の測光のうちの一部が終了、一部が未了の状態の場合のシーケンスを示す図である。
【図18】半押し時に静止画用の4回の測光の全てが未了の状態の場合のシーケンスを示す図である。
【図19】夜景モード等、低輝度用の静止画用測光を必要とする場合の測光処理を示すフローチャートである。
【図20】低輝度用フレーム測光を含めたときの測光線図である。
【図21】クイック撮影モードオン時における、夜景モード等低輝度用フレーム測光が必要な撮影モードでのスルー画シーケンスを示す図である。
【図22】クイック撮影モードオン時における、夜景モード等低輝度用フレーム測光が必要な撮影モードでのS1押下時のシーケンスを示す図である。
【図23】クイック撮影モードオン時における、夜景モード等低輝度用フレーム測光を必要とする撮影モードであってスルー画表示中に絞り径が変化しS1押下時にS0測光が終了していなかった場合のシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
【0112】
10 デジタルカメラ
11 撮影レンズ
12 ズーム鏡胴
13 フラッシュ発光装置
14 光学式ファインダ対物窓
15 電源スイッチ
16 シャッタボタン
21 ズームレンズ
22 フォーカスレンズ
23 アイリス
24 CCD
25 機械式シャッタ
26 読出回路
27 画像入力コントローラ
28 画像信号処理回路
29 圧縮処理回路
30 ビデオエンコーダ
31 LCD
32 CPU
33,34,35,36 モータドライバ
37 タイマ
38 AF検出回路
39 検出回路
40 メモリ(SDRAM)
41 メディアコントローラ
42 スイッチ群
50 バス
100 記録メディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レリーズボタンを備え該レリーズボタンの押下により静止画撮影を行なう撮影装置において、
前記レリーズボタンが半押しと全押しとの2段押下型のレリーズボタンであって、
この撮影装置が、
半押しに先立って表示用の動画であるスルー画を生成して表示するスルー画表示手段と、
スルー画用の測光と、静止画用の、該スルー画用の測光よりも広輝度範囲にわたる測光との双方を半押しに先立って行なう測光手段と、
半押しに応じて合焦位置を検出する合焦位置検出手段と、
全押しに応じて静止画撮影を行なう撮影手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記測光手段は、スルー画表示用の測光と静止画用の測光との双方を半押しに先立って行なう第1の測光モードに加え、さらに、半押しに先立ってスルー画用の測光を行ない半押し後に静止画用の測光を行なう第2の測光モードを有するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記測光手段は、前記第1の測光モードにおいて、スルー画表示用のスルー画フレームどうしの間に循環的に異なる露光量の複数の測光用フレームを1フレームずつ配置した一連の画像フレームを生成し該一連の画像フレーム中の1つの測光用フレームに基づく単位測光の、一巡する複数の測光用フレームにわたる集合により、静止画用の測光を行なうものであることを特徴とする請求項2記載の撮影装置。
【請求項4】
撮影光の光量を制限する絞り径可変な絞り部材を備え、前記測光手段は、前記第1の測光モードにおいて絞り径が変化した場合には、絞り径変化前の単位測光結果を破棄し絞り径変化後の測光用フレームのみに基づいて静止画用の測光を行なうものであることを特徴とする請求項2記載の撮影装置。
【請求項5】
前記測光手段は、前記第1の測光モードにおいて、前記一連の画像フレーム中のスルー画フレームに基づいてスルー用の測光を行なうものであることを特徴とする請求項2記載の撮影装置。
【請求項6】
前記測光手段は、前記第1の測光モードにおいて、半押しに応じて静止画用の測光が終了しているか否かを判定して、未了の場合は半押し後に未了の単位測光のみを行なうものであることを特徴とする請求項3記載の撮影装置。
【請求項7】
前記撮影手段は、前記測光用フレームに基づいては測光不能な低輝度範囲の測光を必要とする低輝度撮影モードを含む複数の撮影モードによる撮影が自在なものであって、
前記測光手段は、前記第1の測光モードであって、かつ、前記低輝度撮影モードにおいては、半押し後に前記低輝度範囲の測光を行なうものであることを特徴とする請求項3記載の撮影装置。
【請求項8】
静止画撮影の感度とスルー画生成時の感度を連動して自動的に切り換える感度自動設定モードを有し、該感度自動設定モードは、前記第1の測光モードにおいては、一巡する複数の測光用フレームを生成する間は同一感度を維持するものであることを特徴とする請求項3記載の撮影装置。
【請求項9】
前記撮影手段は、半押し時の絞り径を維持したまま静止画撮影を行なう絞り維持撮影モードを有するものであることを特徴とする請求項4記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−217255(P2006−217255A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27840(P2005−27840)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】