操縦支援装置
【課題】カメラの設置場所および/または移動体の形状によっては、カメラによって捉えられたものの表示画像には現れない死角が移動体の周辺に生まれ、これによって操縦性が低下するおそれがあるため、操縦性を向上させる。
【解決手段】カメラC_1〜C_4の各々は、船体の側面に下向きの姿勢で設けられて船舶の周辺を捉える。CPU12pは、船舶の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像をカメラC_1〜C_4の出力に基づいて作成する。CPU12pはまた、鳥瞰された船舶の少なくとも外延を表すグラフィック画像を全周鳥瞰図画像に透過的に多重する。CPU12pはさらに、鳥瞰された船舶の一部を表すグラフィック画像を全周鳥瞰図画像に非透過的に多重する。
【解決手段】カメラC_1〜C_4の各々は、船体の側面に下向きの姿勢で設けられて船舶の周辺を捉える。CPU12pは、船舶の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像をカメラC_1〜C_4の出力に基づいて作成する。CPU12pはまた、鳥瞰された船舶の少なくとも外延を表すグラフィック画像を全周鳥瞰図画像に透過的に多重する。CPU12pはさらに、鳥瞰された船舶の一部を表すグラフィック画像を全周鳥瞰図画像に非透過的に多重する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、操縦支援装置に関し、特に、移動体の鳥瞰図画像をモニタ画面に表示して移動体の操縦を支援する、操縦支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、複数のカメラが車両に設置され、車両上方を視点とする画像がこれらのカメラの出力に基づいて作成される。作成された画像は、モニタ画面に表示される。車両の四隅には、4つのコーナーセンサがそれぞれ設置される。車両に近接する障害物がこれらのコーナーセンサのいずれか1つによって検知されると、障害物を検知したコーナーセンサの設置位置に対応して既定のマークがモニタ画面に表示される。これによって、運転者は、モニタ画面を通して障害物の存在を認識することができる。
【特許文献1】特開2007−180622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、背景技術では、カメラの設置場所および/または移動体の形状によっては、カメラによって捉えられたものの表示画像には現れない死角が移動体の周辺に生まれ、これによって操縦性が低下するおそれがある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操縦性を向上させることができる、操縦支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従う操縦支援装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える撮像手段(C_1~C_4)、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する作成手段(S3~S5)、および鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を作成手段によって作成された周辺画像に透過的に多重する第1多重手段(S7, S41)を備える。
【0006】
撮像手段は、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える。作成手段は、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する。第1多重手段は、鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を、作成手段によって作成された周辺画像に透過的に多重する。
【0007】
鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像に多重することで、移動体とその周辺との位置関係が明確となる。また、第1移動体画像を透過的に多重することで、移動体の周辺の死角が低減される。この結果、移動体の操縦性が向上する。
【0008】
好ましくは、第1移動体画像は鳥瞰された移動体の全体を表す画像に相当する。
【0009】
好ましくは、鳥瞰された移動体の一部を表す第2移動体画像を作成手段によって作成された周辺画像に多重する第2多重手段(S9)がさらに備えられる。
【0010】
或る局面では、第2多重手段は非透過的に第2移動体画像を多重する。
【0011】
他の局面では、移動体は船舶に相当し、第2移動体画像によって表される移動体の一部の大きさは移動体を喫水線で切断して得られる切断面の大きさに相当する。
【0012】
その他の局面では、移動体の傾きおよび/または高度の変化を検出する検出手段(18, S25, S27)、および第2移動体画像によって表される移動体の一部の大きさを傾き検出手段の検出結果を参照して修正する修正手段(S31)がさらに備えられる。
【0013】
この発明に従う操縦支援プログラムは、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える撮像手段(C_1~C_4)を備える操縦支援装置(10)のプロセッサ(12p)に、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する作成ステップ (S3~S5)、および鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を作成ステップによって作成された周辺画像に透過的に多重する多重ステップ(S7, S41)を実行させるための、操縦支援プログラムである。
【0014】
この発明に従う操縦支援方法は、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える撮像手段(C_1~C_4)を備える操縦支援装置(10)によって実行される操縦支援方法であって、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する作成ステップ (S3~S5)、および鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を作成ステップによって作成された周辺画像に透過的に多重する多重ステップ(S7, S41)を備える。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像に多重することで、移動体とその周辺との位置関係が明確となる。また、第1移動体画像を透過的に多重することで、移動体の周辺の死角が低減される。この結果、移動体の操縦性が向上する。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示すこの実施例の操船支援装置10は、4個のカメラC_1〜C_4を含む。カメラC_1〜C_4はそれぞれ、共通のタイミング信号に同期して被写界像P_1〜P_4を1/30秒毎に出力する。出力された被写界像P_1〜P_4は、画像処理回路12によって取り込まれる。
【0018】
操船支援装置10は、図2(A)〜図2(B)および図3(A)〜図3(B)に示す船舶100に搭載される。船舶100は、大まかには、船体102,船室104および船橋106によって構成される。船体102を高さ方向に直交するように切断して得られる断面は、高度の増大に伴って増大する広さを有する。船室104は船体102の上面ほぼ中央に箱型に形成され、船橋106は船室104の上面中央に箱形に形成される。船室104の広さは船体102の上面の広さよりも小さく、船橋106の広さもまた船室104の広さよりも小さい。
【0019】
カメラC_1は船体102の先端つまり船首に設置され、カメラC_2は船体102の右舷上部の長さ方向ほぼ中央に設置される。また、カメラC_3は船体102の背面の上部中央に設置され、カメラC_4は船体102の左舷上部の長さ方向ほぼ中央に設置される。カメラC_1の光軸は船体102の前方向斜め下向きに延び、カメラC_2の光軸は船体102の右方向斜め下向きに延びる。また、カメラC_3の光軸は船体102の後方向斜め下向きに延び、カメラC_4の光軸は船体102の左方向斜め下向きに延びる。
【0020】
図4を参照して、カメラC_1は船体102の前方を捉える視野VW_1を有し、カメラC_2は船体102の右方を捉える視野VW_2を有し、カメラC_3は船体102の後方を捉える視野VW_3を有し、そしてカメラC_4は船体102の左方を捉える視野VW_4を有する。また、視野VW_1およびVW_2は共通視野VW_12を有し、視野VW_2およびVW_3は共通視野VW_23を有し、視野VW_3およびVW_4は共通視野VW_34を有し、そして視野VW_4およびVW_1は共通視野VW_41を有する。
【0021】
より具体的には、視野VW_1は、船体102の前部の喫水線DL(図3(B)参照)を跨いで、船体102の前部の外板と船体102の前方の水面(海面)WSの両方を捉える。また、視野VW_2は、船体102の右舷の喫水線DLを跨いで、船体102の右舷の外板と船体102の右方の水面WSの両方を捉える。さらに、視野VW_3は、船体102の後部の喫水線DLを跨いで、船体102の後部の外板と船体102の後方の水面WSの両方を捉える。さらにまた、視野VW_4は、船体102の左舷の喫水線DLを跨いで、船体102の左舷の外板と船体102の左方の水面WSの両方を捉える。つまり、船体102の喫水線DLの周辺の状況は、カメラC_1〜C_4によって把握される。
【0022】
図1に戻って、画像処理回路12に設けられたCPU12pは、カメラC_1から出力された被写界像P_1に基づいて図5(A)に示す鳥瞰図画像BEV_1を生成し、カメラC_2から出力された被写界像P_2に基づいて図5(B)に示す鳥瞰図画像BEV_2を生成する。CPU12pはまた、カメラC_3から出力された被写界像P_3に基づいて図5(C)に示す鳥瞰図画像BEV_3を生成し、カメラC_4から出力された被写界像P_4に基づいて図5(D)に示す鳥瞰図画像BEV_4を生成する。
【0023】
鳥瞰図画像BEV_1は視野VW_1を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当し、鳥瞰図画像BEV_2は視野VW_2を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当する。また、鳥瞰図画像BEV_3は視野VW_3を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当し、鳥瞰図画像BEV_4は視野VW_4を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当する。
【0024】
図5(A)〜図5(D)によれば、鳥瞰図画像BEV_1は鳥瞰図座標系X1・Y1を有し、鳥瞰図画像BEV_2は鳥瞰図座標系X2・Y2を有し、鳥瞰図画像BEV_3は鳥瞰図座標系X3・Y3を有し、そして鳥瞰図画像BEV_4は鳥瞰図座標系X4・Y4を有する。
【0025】
なお、鳥瞰図BEV_1〜BEV_4は、水面WSが高さ方向の原点であるとの想定の下で作成される。また、作成された鳥瞰図BEV_1〜BEV_4は、メモリ12mのワークエリアW1に保持される。
【0026】
CPU12pは続いて、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV4を座標変換によって互いに結合する。鳥瞰図画像BEV_2〜BEV_4は鳥瞰図画像BEV_1を基準として回転および/または移動し、この結果、図6に示す全周鳥瞰図画像がメモリ12mのワークエリアW2内に得られる。
【0027】
図6において、重複エリアOL_12が共通視野VW_12を再現するエリアに相当し、重複エリアOL_23が共通視野VW_23を再現するエリアに相当する。また、重複エリアOL_34が共通視野VW_34を再現するエリアに相当し、そして重複エリアOL_41が共通視野VW_41を再現するエリアに相当する。
【0028】
CPU12pはその後、図7に示す操船支援画像を船橋106内に設定された表示装置16のモニタ画面に表示するべく、船舶100の上部を模したグラフィック画像STまたはSCをワークエリアW2上の全周鳥瞰図画像の中央に多重し、重複エリアOL_12〜OL_41が四隅に位置する一部の画像を切り出し、そして切り出された一部の画像つまり操船支援画像を表示装置16に向けて出力する。
【0029】
ここで、グラフィック画像STは、鳥瞰された船舶100の全体を表す画像に相当し、全周鳥瞰図画像に透過的(半透明)に多重される。グラフィック画像STの輪郭は、太線を用いて強調的に描かれる。一方、グラフィック画像SCは、鳥瞰された船舶100の一部を表す画像に相当し、グラフィック画像STの上から全周鳥瞰図画像に非透過的に多重される。グラフィック画像GCによって表される船舶100の一部の大きさは、船舶100を喫水線DLで切断して得られる切断面の大きさに相当する。
【0030】
グラフィック画像STのような鳥瞰された船舶100の外延を認識できる画像を船舶100の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像に多重することで、船舶100とその周辺との位置関係が明確となる。また、グラフィック画像STを透過的に全周鳥瞰図画像に多重することで、船舶100の周辺(より具体的には、喫水線DLの周辺)の死角が低減される。この結果、船舶100の操縦性が向上する。さらに、船舶100を喫水線DLで切断して得られる切断面の大きさに相当するグラフィック画像SCを全周鳥瞰図画像に多重することで、見映えが向上する。
【0031】
鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4は、次の要領で作成される。なお、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4はいずれも同じ要領で作成されるため、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を代表して鳥瞰図画像BEV3の作成要領を説明する。
【0032】
図8を参照して、カメラC_3は、船体102の背面の上端中央に、後方斜め下向きに配置される。カメラC_3の俯角を“θd”とすると、図8に示す角度θは“180°−θd”に相当する。また、角度θは、90°<θ<180°の範囲で定義される。
【0033】
図9は、カメラ座標系X・Y・Zと、カメラC_3の撮像面Sの座標系Xp・Ypと、世界座標系Xw・Yw・Zwとの関係を示す。カメラ座標系X・Y・Zは、X軸,Y軸およびZ軸を座標軸とする三次元の座標系である。座標系Xp・Ypは、Xp軸およびYp軸を座標軸とする二次元の座標系である。世界座標系Xw・Yw・Zwは、Xw軸,Yw軸およびZw軸を座標軸とする三次元の座標系である。
【0034】
カメラ座標系X・Y・Zでは、カメラC3の光学的中心を原点Oとして、光軸方向にZ軸が定義され、Z軸に直交しかつ水面WSに平行な方向にX軸が定義され、そしてZ軸およびX軸に直交する方向にY軸が定義される。撮像面Sの座標系Xp・Ypでは、撮像面Sの中心を原点として、撮像面Sの横方向にXp軸が定義され、撮像面Sの縦方向にYp軸が定義される。
【0035】
世界座標系Xw・Yw・Zwでは、カメラ座標系XYZの原点Oを通る鉛直線と水面WSとの交点を原点Owとして、水面WSと垂直な方向にYw軸が定義され、カメラ座標系X・Y・ZのX軸と平行な方向にXw軸が定義され、そしてXw軸およびYw軸に直交する方向にZw軸が定義される。また、Xw軸からX軸までの距離は“h”であり、Zw軸およびZ軸によって形成される鈍角が上述の角度θに相当する。
【0036】
カメラ座標系X・Y・Zにおける座標を(x,y,z)と表記した場合、“x”,“y”および“z”はそれぞれ、カメラ座標系X・Y・ZにおけるX軸成分,Y軸成分およびZ軸成分を示す。撮像面Sの座標系Xp・Ypにおける座標を(xp,yp)と表記した場合、“xp”および“yp”はそれぞれ、撮像面Sの座標系Xp・YpにおけるXp軸成分およびYp軸成分を示す。世界座標系Xw・Yw・Zwにおける座標を(xw,yw,zw)と表記した場合、“xw”,“yw”および“zw”はそれぞれ、世界座標系Xw・Yw・ZwにおけるXw軸成分,Yw軸成分およびZw軸成分を示す。
【0037】
カメラ座標系X・Y・Zの座標(x,y,z)と世界座標系Xw・Yw・Zwの座標(xw,yw,zw)との間の変換式は、数1で表される。
【数1】
【0038】
ここで、カメラC_3の焦点距離を“f”とすると、撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)とカメラ座標系X・Y・Zの座標(x,y,z)との間の変換式は、数2で表される。
【数2】
【0039】
また、数1および数2に基づいて数3が得られる。数3は、撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)と二次元水面座標系Xw・Zwの座標(xw,zw)との間の変換式を示す。
【数3】
【0040】
また、図5(C)に示す鳥瞰図画像BEV_3の座標系である鳥瞰図座標系X3・Y3が定義される。鳥瞰図座標系X3・Y3は、X3軸及びY3軸を座標軸とする二次元の座標系である。鳥瞰図座標系X3・Y3における座標を(x3,y3)と表記した場合、鳥瞰図画像BEV_3を形成する各画素の位置は座標(x3,y3)によって表される。“x3”および“y3”はそれぞれ、鳥瞰図座標系X3・Y3におけるX3軸成分およびY3軸成分を示す。
【0041】
水面WSを表す二次元座標系Xw・Zwから鳥瞰図座標系X3・Y3への投影は、いわゆる平行投影に相当する。仮想カメラつまり仮想視点の高さを“H”とすると、二次元座標系Xw・Zwの座標(xw,zw)と鳥瞰図座標系X3・Y3の座標(x3,y3)との間の変換式は、数4で表される。仮想カメラの高さHは予め決められている。
【数4】
【0042】
さらに、数4に基づいて数5が得られ、数5および数3に基づいて数6が得られ、そして数6に基づいて数7が得られる。数7は、撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)を鳥瞰図座標系X3・Y3の座標(x3,y3)に変換するための変換式に相当する。
【数5】
【数6】
【数7】
【0043】
撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)は、カメラC_3によって捉えられた被写界像P_3の座標を表す。したがって、カメラC_3からの被写界像P_3は、数7を用いることによって鳥瞰図画像BEV_3に変換される。実際には、被写界像P_3はまずレンズ歪み補正などの画像処理を施され、その後に数7によって鳥瞰図画像BEV_3に変換される。
【0044】
CPU12pは、具体的には図10に示す画像処理タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ14(図1参照)に記憶される。
【0045】
まずステップS1でカメラC_1〜C_4から被写界像P_1〜P_4をそれぞれ取り込む。ステップS3では、取り込まれた被写界像P_1〜P_4に基づいて鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を作成し、作成された鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4をワークエリアW1に確保する。ステップS5では、ステップS3で作成された鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を合成して全周鳥瞰図画像を作成し、作成された全周鳥瞰図画像をワークエリアW2に確保する。
【0046】
ステップS7では、鳥瞰された船舶100の全体を表す半透明のグラフィック画像STを、ワークエリアW2に確保された全周鳥瞰図画像に多重する。ステップS9では、鳥瞰された船舶100の一部を表すグラフィック画像SGを、ワークエリアW2に確保された全周鳥瞰図画像に追加的に多重する。ステップS11では、グラフィック画像STおよびSGが多重された全周鳥瞰図画像の一部をワークエリアW2から切り出し、切り出された画像を操船支援画像として表示装置16に向けて出力する。ステップS11の処理が完了すると、ステップS1に戻る。
【0047】
以上の説明から分かるように、カメラC_1〜C_4の各々は、船体102の側面に下向きの姿勢で設けられて船舶100の周辺を捉える。CPU12pは、船舶100の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像(周辺画像)をカメラC_1〜C_4の出力に基づいて作成する(S3~S5)。CPU12pはまた、鳥瞰された船舶100の少なくとも外延を表すグラフィック画像STを全周鳥瞰図画像に透過的に多重する(S7)。
【0048】
鳥瞰された船舶100の少なくとも外延を表すグラフィック画像STを船舶100の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像に多重することで、船舶100とその周辺との位置関係が明確となる。また、グラフィック画像STを透過的に多重することで、船舶100の周辺の死角が低減される。この結果、船舶100の操縦性が向上する。
【0049】
なお、この実施例では、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を作成するために参照されるカメラC_1〜C_4の姿勢情報(具体的には、図9に示すXYZ軸の定義)は、船体102の揺れ(つまり船体102の傾きおよび/または高度の変化)に関係なく固定される。さらに、この実施例では、グラフィック画像SCの形状も固定的である。
【0050】
しかし、船体102の揺れを検知するジャイロセンサ20を図11に示すように追加し、カメラC_1〜C_4の姿勢情報やグラフィック画像SCの形状をジャイロセンサ20の出力に基づいて修正するようにしてもよい。
【0051】
カメラC_1〜C_4の姿勢情報を修正することで、船体102の揺れに起因する鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4の間のずれを抑制することができる。また、グラフィック画像SCの形状を修正することで、船体102の揺れに起因するグラフィック画像SCの形状と喫水線DLでの船体102の断面形状との間のずれを抑制することができる。
【0052】
参考までに、船体102の姿勢が図12(A)に示す姿勢と図12(B)に示す姿勢との間で変化した場合、グラフィック画像SCは、図12(A)に示す姿勢に対応して図13(A)に示す要領で再現され、図12(B)に示す姿勢に対応して図13(B)に示す要領で再現される。
【0053】
カメラC_1〜C_4の姿勢情報およびグラフィック画像SCの形状を上述のように修正するために、CPU12pは、図14に示すグラフィック画像修正タスクをさらに実行する。
【0054】
図14を参照して、ステップS21ではジャイロセンサ20の出力に基づいて船体102の傾きおよび高度を算出する。ステップS23では、カメラC_1〜C_4の各々に割り当てられたXYZ軸の定義を、ステップS21で算出された傾きおよび高度を参照して修正する。修正されたXYZ軸は図10に示すステップS3の処理に反映され、これによって鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4の間のずれが抑制される。
【0055】
ステップS25では船体102の傾きの基準値からのずれ量を“ΔSW”として算出し、ステップS27では船体102の高度の基準値からのずれ量を“ΔHT”として算出する。ステップS29では、算出されたずれ量ΔSWおよびΔHTに基づいて船体102の揺れが大きいが否かを判別する。具体的には、ずれ量ΔSWが閾値TH1を上回るか或いはずれ量ΔHTが閾値TH2を上回るときに揺れが大きいと判断し、ずれ量ΔSWが閾値TH1以下でかつずれ量ΔHTが閾値TH2以下のときに揺れが小さいと判断する。
【0056】
ステップS29でNOであれば、ステップS33でグラフィック画像SCの形状を初期化し、ステップS21に戻る。ステップS29でYESであればステップS31に進み、船体102の揺れを考慮してグラフィック画像SCの形状を修正する。修正されたグラフィック画像SCの形状は、揺れた船体102の喫水線DLで船体102を切断して得られる断面形状に相当する。これによってグラフィック画像SCの形状と喫水線DLでの船体102の断面形状との間のずれが抑制される。ステップS31の処理は、図10に示すステップS9の処理に反映される。ステップS31の処理が完了すると、ステップS21に戻る。
【0057】
さらに、この実施例では、鳥瞰された船舶100の全体を表すグラフィック画像STを全周鳥瞰図画像に透過的に多重するようにしているが(図7参照)、これに代えて鳥瞰された船舶100の外延(輪郭)を表す輪郭画像SLを図15に示す要領で全周鳥瞰図画像に多重するようにしてもよい。この場合、CPU12pは、好ましくは、図16に示すステップS41の処理(輪郭画像SLを全周鳥瞰図画像に多重する処理)を図10に示すステップS7の処理に代えて実行する。
【0058】
さらに、この実施例では、船舶100の全周を鳥瞰した全周鳥瞰図画像を表示するようにしているが、これに代えて一部の鳥瞰図画像のみを表示するようにし、表示すべき一部の鳥瞰図画像を船舶100の移動方向,移動速度,姿勢などに基づいて更新するようにしてもよい。
【0059】
また、この実施例では、移動体として船舶100を想定しているが、移動体としては、航空機や大型のダンプトラックを想定するようにしてもよい。航空機を想定した場合、複数のカメラは胴体や翼の下部に斜め下向きの姿勢で設置される。鳥瞰された航空機の全体を表すグラフィック画像または輪郭画像は、複数のカメラの出力に基づく鳥瞰図画像に透過的に多重される。これによって、離着陸時の操縦性が向上する。
【0060】
また、大型のダンプトラックを想定した場合、複数のカメラは車両本体とタイヤとの間に斜め下向きの姿勢で設置される。鳥瞰されたダンプトラックの全体を表すグラフィック画像または輪郭画像は、複数のカメラの出力に基づく鳥瞰図画像に透過的に多重される。これによって、作業時の操縦性が向上する。
【0061】
上述の実施例に関する注釈事項を以下に示す。この注釈事項は、矛盾がない限り、上述の実施例に任意に組み合わせることが可能である。
【0062】
実施例で述べたような撮影画像から鳥瞰図画像を生成する座標変換は、一般に透視投影変換と呼ばれる。この透視投影変換を用いるのではなく、公知の平面射影変換によって撮影画像から鳥瞰図画像を生成するようにしてもよい。平面射影変換を用いる場合、撮影画像上の各画素の座標値を鳥瞰図画像上の各画素の座標値に変換するためのホモグラフィ行列(座標変換行列)をカメラ校正処理の段階で予め求めておく。ホモグラフィ行列の求め方は公知である。そして、画像変換を行う際に、ホモグラフィ行列に基づいて撮影画像を鳥瞰図画像に変換すればよい。いずれにせよ、撮影画像を鳥瞰図画像上に投影することによって撮影画像が鳥瞰図画像に変換される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は船舶を前方から眺めた状態を示す図解図であり、(B)は船舶を後方から眺めた状態を示す図解図である。
【図3】(A)は船舶を側方から眺めた状態を示す図解図であり、(B)は船舶を上方から眺めた状態を示す図解図である。
【図4】船舶に取り付けられた複数のカメラによって捉えられる視野の一例を示す図解図である。
【図5】(A)は前カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図であり、(B)は右カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図であり、(C)は後カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図であり、(D)は左カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図である。
【図6】図5(A)〜図5(D)に示す鳥瞰図画像に基づく全周鳥瞰図画像の一例を示す図解図である。
【図7】表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図である。
【図8】船舶に取り付けられたカメラの角度を示す図解図である。
【図9】カメラ座標系と撮像面の座標系と世界座標系との関係を示す図解図である。
【図10】図1実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図11】他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図12】(A)は標準姿勢の船舶を左方から眺めた状態の一例を示す図解図であり、(B)は前後に傾斜した船舶を左方から眺めた状態の一例を示す図解図である。
【図13】(A)は図12(A)に示す姿勢に対応して表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図であり、(B)は図12(B)に示す姿勢に対応して表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図である。
【図14】図11実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図15】その他の実施例の表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図である。
【図16】その他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0064】
10 …操船支援装置
C1〜C4 …カメラ
12 …画像処理回路
12p …CPU
14 …フラシュメモリ
16 …表示装置
18 …ジャイロセンサ
100 …船舶
【技術分野】
【0001】
この発明は、操縦支援装置に関し、特に、移動体の鳥瞰図画像をモニタ画面に表示して移動体の操縦を支援する、操縦支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、複数のカメラが車両に設置され、車両上方を視点とする画像がこれらのカメラの出力に基づいて作成される。作成された画像は、モニタ画面に表示される。車両の四隅には、4つのコーナーセンサがそれぞれ設置される。車両に近接する障害物がこれらのコーナーセンサのいずれか1つによって検知されると、障害物を検知したコーナーセンサの設置位置に対応して既定のマークがモニタ画面に表示される。これによって、運転者は、モニタ画面を通して障害物の存在を認識することができる。
【特許文献1】特開2007−180622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、背景技術では、カメラの設置場所および/または移動体の形状によっては、カメラによって捉えられたものの表示画像には現れない死角が移動体の周辺に生まれ、これによって操縦性が低下するおそれがある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操縦性を向上させることができる、操縦支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従う操縦支援装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える撮像手段(C_1~C_4)、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する作成手段(S3~S5)、および鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を作成手段によって作成された周辺画像に透過的に多重する第1多重手段(S7, S41)を備える。
【0006】
撮像手段は、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える。作成手段は、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する。第1多重手段は、鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を、作成手段によって作成された周辺画像に透過的に多重する。
【0007】
鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像に多重することで、移動体とその周辺との位置関係が明確となる。また、第1移動体画像を透過的に多重することで、移動体の周辺の死角が低減される。この結果、移動体の操縦性が向上する。
【0008】
好ましくは、第1移動体画像は鳥瞰された移動体の全体を表す画像に相当する。
【0009】
好ましくは、鳥瞰された移動体の一部を表す第2移動体画像を作成手段によって作成された周辺画像に多重する第2多重手段(S9)がさらに備えられる。
【0010】
或る局面では、第2多重手段は非透過的に第2移動体画像を多重する。
【0011】
他の局面では、移動体は船舶に相当し、第2移動体画像によって表される移動体の一部の大きさは移動体を喫水線で切断して得られる切断面の大きさに相当する。
【0012】
その他の局面では、移動体の傾きおよび/または高度の変化を検出する検出手段(18, S25, S27)、および第2移動体画像によって表される移動体の一部の大きさを傾き検出手段の検出結果を参照して修正する修正手段(S31)がさらに備えられる。
【0013】
この発明に従う操縦支援プログラムは、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える撮像手段(C_1~C_4)を備える操縦支援装置(10)のプロセッサ(12p)に、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する作成ステップ (S3~S5)、および鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を作成ステップによって作成された周辺画像に透過的に多重する多重ステップ(S7, S41)を実行させるための、操縦支援プログラムである。
【0014】
この発明に従う操縦支援方法は、移動体に下向きの姿勢で設けられて移動体の周辺を捉える撮像手段(C_1~C_4)を備える操縦支援装置(10)によって実行される操縦支援方法であって、移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を撮像手段の出力に基づいて作成する作成ステップ (S3~S5)、および鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を作成ステップによって作成された周辺画像に透過的に多重する多重ステップ(S7, S41)を備える。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、鳥瞰された移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像に多重することで、移動体とその周辺との位置関係が明確となる。また、第1移動体画像を透過的に多重することで、移動体の周辺の死角が低減される。この結果、移動体の操縦性が向上する。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示すこの実施例の操船支援装置10は、4個のカメラC_1〜C_4を含む。カメラC_1〜C_4はそれぞれ、共通のタイミング信号に同期して被写界像P_1〜P_4を1/30秒毎に出力する。出力された被写界像P_1〜P_4は、画像処理回路12によって取り込まれる。
【0018】
操船支援装置10は、図2(A)〜図2(B)および図3(A)〜図3(B)に示す船舶100に搭載される。船舶100は、大まかには、船体102,船室104および船橋106によって構成される。船体102を高さ方向に直交するように切断して得られる断面は、高度の増大に伴って増大する広さを有する。船室104は船体102の上面ほぼ中央に箱型に形成され、船橋106は船室104の上面中央に箱形に形成される。船室104の広さは船体102の上面の広さよりも小さく、船橋106の広さもまた船室104の広さよりも小さい。
【0019】
カメラC_1は船体102の先端つまり船首に設置され、カメラC_2は船体102の右舷上部の長さ方向ほぼ中央に設置される。また、カメラC_3は船体102の背面の上部中央に設置され、カメラC_4は船体102の左舷上部の長さ方向ほぼ中央に設置される。カメラC_1の光軸は船体102の前方向斜め下向きに延び、カメラC_2の光軸は船体102の右方向斜め下向きに延びる。また、カメラC_3の光軸は船体102の後方向斜め下向きに延び、カメラC_4の光軸は船体102の左方向斜め下向きに延びる。
【0020】
図4を参照して、カメラC_1は船体102の前方を捉える視野VW_1を有し、カメラC_2は船体102の右方を捉える視野VW_2を有し、カメラC_3は船体102の後方を捉える視野VW_3を有し、そしてカメラC_4は船体102の左方を捉える視野VW_4を有する。また、視野VW_1およびVW_2は共通視野VW_12を有し、視野VW_2およびVW_3は共通視野VW_23を有し、視野VW_3およびVW_4は共通視野VW_34を有し、そして視野VW_4およびVW_1は共通視野VW_41を有する。
【0021】
より具体的には、視野VW_1は、船体102の前部の喫水線DL(図3(B)参照)を跨いで、船体102の前部の外板と船体102の前方の水面(海面)WSの両方を捉える。また、視野VW_2は、船体102の右舷の喫水線DLを跨いで、船体102の右舷の外板と船体102の右方の水面WSの両方を捉える。さらに、視野VW_3は、船体102の後部の喫水線DLを跨いで、船体102の後部の外板と船体102の後方の水面WSの両方を捉える。さらにまた、視野VW_4は、船体102の左舷の喫水線DLを跨いで、船体102の左舷の外板と船体102の左方の水面WSの両方を捉える。つまり、船体102の喫水線DLの周辺の状況は、カメラC_1〜C_4によって把握される。
【0022】
図1に戻って、画像処理回路12に設けられたCPU12pは、カメラC_1から出力された被写界像P_1に基づいて図5(A)に示す鳥瞰図画像BEV_1を生成し、カメラC_2から出力された被写界像P_2に基づいて図5(B)に示す鳥瞰図画像BEV_2を生成する。CPU12pはまた、カメラC_3から出力された被写界像P_3に基づいて図5(C)に示す鳥瞰図画像BEV_3を生成し、カメラC_4から出力された被写界像P_4に基づいて図5(D)に示す鳥瞰図画像BEV_4を生成する。
【0023】
鳥瞰図画像BEV_1は視野VW_1を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当し、鳥瞰図画像BEV_2は視野VW_2を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当する。また、鳥瞰図画像BEV_3は視野VW_3を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当し、鳥瞰図画像BEV_4は視野VW_4を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当する。
【0024】
図5(A)〜図5(D)によれば、鳥瞰図画像BEV_1は鳥瞰図座標系X1・Y1を有し、鳥瞰図画像BEV_2は鳥瞰図座標系X2・Y2を有し、鳥瞰図画像BEV_3は鳥瞰図座標系X3・Y3を有し、そして鳥瞰図画像BEV_4は鳥瞰図座標系X4・Y4を有する。
【0025】
なお、鳥瞰図BEV_1〜BEV_4は、水面WSが高さ方向の原点であるとの想定の下で作成される。また、作成された鳥瞰図BEV_1〜BEV_4は、メモリ12mのワークエリアW1に保持される。
【0026】
CPU12pは続いて、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV4を座標変換によって互いに結合する。鳥瞰図画像BEV_2〜BEV_4は鳥瞰図画像BEV_1を基準として回転および/または移動し、この結果、図6に示す全周鳥瞰図画像がメモリ12mのワークエリアW2内に得られる。
【0027】
図6において、重複エリアOL_12が共通視野VW_12を再現するエリアに相当し、重複エリアOL_23が共通視野VW_23を再現するエリアに相当する。また、重複エリアOL_34が共通視野VW_34を再現するエリアに相当し、そして重複エリアOL_41が共通視野VW_41を再現するエリアに相当する。
【0028】
CPU12pはその後、図7に示す操船支援画像を船橋106内に設定された表示装置16のモニタ画面に表示するべく、船舶100の上部を模したグラフィック画像STまたはSCをワークエリアW2上の全周鳥瞰図画像の中央に多重し、重複エリアOL_12〜OL_41が四隅に位置する一部の画像を切り出し、そして切り出された一部の画像つまり操船支援画像を表示装置16に向けて出力する。
【0029】
ここで、グラフィック画像STは、鳥瞰された船舶100の全体を表す画像に相当し、全周鳥瞰図画像に透過的(半透明)に多重される。グラフィック画像STの輪郭は、太線を用いて強調的に描かれる。一方、グラフィック画像SCは、鳥瞰された船舶100の一部を表す画像に相当し、グラフィック画像STの上から全周鳥瞰図画像に非透過的に多重される。グラフィック画像GCによって表される船舶100の一部の大きさは、船舶100を喫水線DLで切断して得られる切断面の大きさに相当する。
【0030】
グラフィック画像STのような鳥瞰された船舶100の外延を認識できる画像を船舶100の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像に多重することで、船舶100とその周辺との位置関係が明確となる。また、グラフィック画像STを透過的に全周鳥瞰図画像に多重することで、船舶100の周辺(より具体的には、喫水線DLの周辺)の死角が低減される。この結果、船舶100の操縦性が向上する。さらに、船舶100を喫水線DLで切断して得られる切断面の大きさに相当するグラフィック画像SCを全周鳥瞰図画像に多重することで、見映えが向上する。
【0031】
鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4は、次の要領で作成される。なお、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4はいずれも同じ要領で作成されるため、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を代表して鳥瞰図画像BEV3の作成要領を説明する。
【0032】
図8を参照して、カメラC_3は、船体102の背面の上端中央に、後方斜め下向きに配置される。カメラC_3の俯角を“θd”とすると、図8に示す角度θは“180°−θd”に相当する。また、角度θは、90°<θ<180°の範囲で定義される。
【0033】
図9は、カメラ座標系X・Y・Zと、カメラC_3の撮像面Sの座標系Xp・Ypと、世界座標系Xw・Yw・Zwとの関係を示す。カメラ座標系X・Y・Zは、X軸,Y軸およびZ軸を座標軸とする三次元の座標系である。座標系Xp・Ypは、Xp軸およびYp軸を座標軸とする二次元の座標系である。世界座標系Xw・Yw・Zwは、Xw軸,Yw軸およびZw軸を座標軸とする三次元の座標系である。
【0034】
カメラ座標系X・Y・Zでは、カメラC3の光学的中心を原点Oとして、光軸方向にZ軸が定義され、Z軸に直交しかつ水面WSに平行な方向にX軸が定義され、そしてZ軸およびX軸に直交する方向にY軸が定義される。撮像面Sの座標系Xp・Ypでは、撮像面Sの中心を原点として、撮像面Sの横方向にXp軸が定義され、撮像面Sの縦方向にYp軸が定義される。
【0035】
世界座標系Xw・Yw・Zwでは、カメラ座標系XYZの原点Oを通る鉛直線と水面WSとの交点を原点Owとして、水面WSと垂直な方向にYw軸が定義され、カメラ座標系X・Y・ZのX軸と平行な方向にXw軸が定義され、そしてXw軸およびYw軸に直交する方向にZw軸が定義される。また、Xw軸からX軸までの距離は“h”であり、Zw軸およびZ軸によって形成される鈍角が上述の角度θに相当する。
【0036】
カメラ座標系X・Y・Zにおける座標を(x,y,z)と表記した場合、“x”,“y”および“z”はそれぞれ、カメラ座標系X・Y・ZにおけるX軸成分,Y軸成分およびZ軸成分を示す。撮像面Sの座標系Xp・Ypにおける座標を(xp,yp)と表記した場合、“xp”および“yp”はそれぞれ、撮像面Sの座標系Xp・YpにおけるXp軸成分およびYp軸成分を示す。世界座標系Xw・Yw・Zwにおける座標を(xw,yw,zw)と表記した場合、“xw”,“yw”および“zw”はそれぞれ、世界座標系Xw・Yw・ZwにおけるXw軸成分,Yw軸成分およびZw軸成分を示す。
【0037】
カメラ座標系X・Y・Zの座標(x,y,z)と世界座標系Xw・Yw・Zwの座標(xw,yw,zw)との間の変換式は、数1で表される。
【数1】
【0038】
ここで、カメラC_3の焦点距離を“f”とすると、撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)とカメラ座標系X・Y・Zの座標(x,y,z)との間の変換式は、数2で表される。
【数2】
【0039】
また、数1および数2に基づいて数3が得られる。数3は、撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)と二次元水面座標系Xw・Zwの座標(xw,zw)との間の変換式を示す。
【数3】
【0040】
また、図5(C)に示す鳥瞰図画像BEV_3の座標系である鳥瞰図座標系X3・Y3が定義される。鳥瞰図座標系X3・Y3は、X3軸及びY3軸を座標軸とする二次元の座標系である。鳥瞰図座標系X3・Y3における座標を(x3,y3)と表記した場合、鳥瞰図画像BEV_3を形成する各画素の位置は座標(x3,y3)によって表される。“x3”および“y3”はそれぞれ、鳥瞰図座標系X3・Y3におけるX3軸成分およびY3軸成分を示す。
【0041】
水面WSを表す二次元座標系Xw・Zwから鳥瞰図座標系X3・Y3への投影は、いわゆる平行投影に相当する。仮想カメラつまり仮想視点の高さを“H”とすると、二次元座標系Xw・Zwの座標(xw,zw)と鳥瞰図座標系X3・Y3の座標(x3,y3)との間の変換式は、数4で表される。仮想カメラの高さHは予め決められている。
【数4】
【0042】
さらに、数4に基づいて数5が得られ、数5および数3に基づいて数6が得られ、そして数6に基づいて数7が得られる。数7は、撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)を鳥瞰図座標系X3・Y3の座標(x3,y3)に変換するための変換式に相当する。
【数5】
【数6】
【数7】
【0043】
撮像面Sの座標系Xp・Ypの座標(xp,yp)は、カメラC_3によって捉えられた被写界像P_3の座標を表す。したがって、カメラC_3からの被写界像P_3は、数7を用いることによって鳥瞰図画像BEV_3に変換される。実際には、被写界像P_3はまずレンズ歪み補正などの画像処理を施され、その後に数7によって鳥瞰図画像BEV_3に変換される。
【0044】
CPU12pは、具体的には図10に示す画像処理タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ14(図1参照)に記憶される。
【0045】
まずステップS1でカメラC_1〜C_4から被写界像P_1〜P_4をそれぞれ取り込む。ステップS3では、取り込まれた被写界像P_1〜P_4に基づいて鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を作成し、作成された鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4をワークエリアW1に確保する。ステップS5では、ステップS3で作成された鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を合成して全周鳥瞰図画像を作成し、作成された全周鳥瞰図画像をワークエリアW2に確保する。
【0046】
ステップS7では、鳥瞰された船舶100の全体を表す半透明のグラフィック画像STを、ワークエリアW2に確保された全周鳥瞰図画像に多重する。ステップS9では、鳥瞰された船舶100の一部を表すグラフィック画像SGを、ワークエリアW2に確保された全周鳥瞰図画像に追加的に多重する。ステップS11では、グラフィック画像STおよびSGが多重された全周鳥瞰図画像の一部をワークエリアW2から切り出し、切り出された画像を操船支援画像として表示装置16に向けて出力する。ステップS11の処理が完了すると、ステップS1に戻る。
【0047】
以上の説明から分かるように、カメラC_1〜C_4の各々は、船体102の側面に下向きの姿勢で設けられて船舶100の周辺を捉える。CPU12pは、船舶100の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像(周辺画像)をカメラC_1〜C_4の出力に基づいて作成する(S3~S5)。CPU12pはまた、鳥瞰された船舶100の少なくとも外延を表すグラフィック画像STを全周鳥瞰図画像に透過的に多重する(S7)。
【0048】
鳥瞰された船舶100の少なくとも外延を表すグラフィック画像STを船舶100の周辺を鳥瞰的に表す全周鳥瞰図画像に多重することで、船舶100とその周辺との位置関係が明確となる。また、グラフィック画像STを透過的に多重することで、船舶100の周辺の死角が低減される。この結果、船舶100の操縦性が向上する。
【0049】
なお、この実施例では、鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4を作成するために参照されるカメラC_1〜C_4の姿勢情報(具体的には、図9に示すXYZ軸の定義)は、船体102の揺れ(つまり船体102の傾きおよび/または高度の変化)に関係なく固定される。さらに、この実施例では、グラフィック画像SCの形状も固定的である。
【0050】
しかし、船体102の揺れを検知するジャイロセンサ20を図11に示すように追加し、カメラC_1〜C_4の姿勢情報やグラフィック画像SCの形状をジャイロセンサ20の出力に基づいて修正するようにしてもよい。
【0051】
カメラC_1〜C_4の姿勢情報を修正することで、船体102の揺れに起因する鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4の間のずれを抑制することができる。また、グラフィック画像SCの形状を修正することで、船体102の揺れに起因するグラフィック画像SCの形状と喫水線DLでの船体102の断面形状との間のずれを抑制することができる。
【0052】
参考までに、船体102の姿勢が図12(A)に示す姿勢と図12(B)に示す姿勢との間で変化した場合、グラフィック画像SCは、図12(A)に示す姿勢に対応して図13(A)に示す要領で再現され、図12(B)に示す姿勢に対応して図13(B)に示す要領で再現される。
【0053】
カメラC_1〜C_4の姿勢情報およびグラフィック画像SCの形状を上述のように修正するために、CPU12pは、図14に示すグラフィック画像修正タスクをさらに実行する。
【0054】
図14を参照して、ステップS21ではジャイロセンサ20の出力に基づいて船体102の傾きおよび高度を算出する。ステップS23では、カメラC_1〜C_4の各々に割り当てられたXYZ軸の定義を、ステップS21で算出された傾きおよび高度を参照して修正する。修正されたXYZ軸は図10に示すステップS3の処理に反映され、これによって鳥瞰図画像BEV_1〜BEV_4の間のずれが抑制される。
【0055】
ステップS25では船体102の傾きの基準値からのずれ量を“ΔSW”として算出し、ステップS27では船体102の高度の基準値からのずれ量を“ΔHT”として算出する。ステップS29では、算出されたずれ量ΔSWおよびΔHTに基づいて船体102の揺れが大きいが否かを判別する。具体的には、ずれ量ΔSWが閾値TH1を上回るか或いはずれ量ΔHTが閾値TH2を上回るときに揺れが大きいと判断し、ずれ量ΔSWが閾値TH1以下でかつずれ量ΔHTが閾値TH2以下のときに揺れが小さいと判断する。
【0056】
ステップS29でNOであれば、ステップS33でグラフィック画像SCの形状を初期化し、ステップS21に戻る。ステップS29でYESであればステップS31に進み、船体102の揺れを考慮してグラフィック画像SCの形状を修正する。修正されたグラフィック画像SCの形状は、揺れた船体102の喫水線DLで船体102を切断して得られる断面形状に相当する。これによってグラフィック画像SCの形状と喫水線DLでの船体102の断面形状との間のずれが抑制される。ステップS31の処理は、図10に示すステップS9の処理に反映される。ステップS31の処理が完了すると、ステップS21に戻る。
【0057】
さらに、この実施例では、鳥瞰された船舶100の全体を表すグラフィック画像STを全周鳥瞰図画像に透過的に多重するようにしているが(図7参照)、これに代えて鳥瞰された船舶100の外延(輪郭)を表す輪郭画像SLを図15に示す要領で全周鳥瞰図画像に多重するようにしてもよい。この場合、CPU12pは、好ましくは、図16に示すステップS41の処理(輪郭画像SLを全周鳥瞰図画像に多重する処理)を図10に示すステップS7の処理に代えて実行する。
【0058】
さらに、この実施例では、船舶100の全周を鳥瞰した全周鳥瞰図画像を表示するようにしているが、これに代えて一部の鳥瞰図画像のみを表示するようにし、表示すべき一部の鳥瞰図画像を船舶100の移動方向,移動速度,姿勢などに基づいて更新するようにしてもよい。
【0059】
また、この実施例では、移動体として船舶100を想定しているが、移動体としては、航空機や大型のダンプトラックを想定するようにしてもよい。航空機を想定した場合、複数のカメラは胴体や翼の下部に斜め下向きの姿勢で設置される。鳥瞰された航空機の全体を表すグラフィック画像または輪郭画像は、複数のカメラの出力に基づく鳥瞰図画像に透過的に多重される。これによって、離着陸時の操縦性が向上する。
【0060】
また、大型のダンプトラックを想定した場合、複数のカメラは車両本体とタイヤとの間に斜め下向きの姿勢で設置される。鳥瞰されたダンプトラックの全体を表すグラフィック画像または輪郭画像は、複数のカメラの出力に基づく鳥瞰図画像に透過的に多重される。これによって、作業時の操縦性が向上する。
【0061】
上述の実施例に関する注釈事項を以下に示す。この注釈事項は、矛盾がない限り、上述の実施例に任意に組み合わせることが可能である。
【0062】
実施例で述べたような撮影画像から鳥瞰図画像を生成する座標変換は、一般に透視投影変換と呼ばれる。この透視投影変換を用いるのではなく、公知の平面射影変換によって撮影画像から鳥瞰図画像を生成するようにしてもよい。平面射影変換を用いる場合、撮影画像上の各画素の座標値を鳥瞰図画像上の各画素の座標値に変換するためのホモグラフィ行列(座標変換行列)をカメラ校正処理の段階で予め求めておく。ホモグラフィ行列の求め方は公知である。そして、画像変換を行う際に、ホモグラフィ行列に基づいて撮影画像を鳥瞰図画像に変換すればよい。いずれにせよ、撮影画像を鳥瞰図画像上に投影することによって撮影画像が鳥瞰図画像に変換される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は船舶を前方から眺めた状態を示す図解図であり、(B)は船舶を後方から眺めた状態を示す図解図である。
【図3】(A)は船舶を側方から眺めた状態を示す図解図であり、(B)は船舶を上方から眺めた状態を示す図解図である。
【図4】船舶に取り付けられた複数のカメラによって捉えられる視野の一例を示す図解図である。
【図5】(A)は前カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図であり、(B)は右カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図であり、(C)は後カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図であり、(D)は左カメラの出力に基づく鳥瞰図画像の一例を示す図解図である。
【図6】図5(A)〜図5(D)に示す鳥瞰図画像に基づく全周鳥瞰図画像の一例を示す図解図である。
【図7】表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図である。
【図8】船舶に取り付けられたカメラの角度を示す図解図である。
【図9】カメラ座標系と撮像面の座標系と世界座標系との関係を示す図解図である。
【図10】図1実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図11】他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図12】(A)は標準姿勢の船舶を左方から眺めた状態の一例を示す図解図であり、(B)は前後に傾斜した船舶を左方から眺めた状態の一例を示す図解図である。
【図13】(A)は図12(A)に示す姿勢に対応して表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図であり、(B)は図12(B)に示す姿勢に対応して表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図である。
【図14】図11実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図15】その他の実施例の表示装置から出力される操船支援画像の一例を示す図解図である。
【図16】その他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0064】
10 …操船支援装置
C1〜C4 …カメラ
12 …画像処理回路
12p …CPU
14 …フラシュメモリ
16 …表示装置
18 …ジャイロセンサ
100 …船舶
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に下向きの姿勢で設けられて前記移動体の周辺を捉える撮像手段、
前記移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を前記撮像手段の出力に基づいて作成する作成手段、および
鳥瞰された前記移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を前記作成手段によって作成された周辺画像に透過的に多重する第1多重手段を備える、操縦支援装置。
【請求項2】
前記第1移動体画像は鳥瞰された前記移動体の全体を表す画像に相当する、請求項1記載の操縦支援装置。
【請求項3】
鳥瞰された前記移動体の一部を表す第2移動体画像を前記作成手段によって作成された周辺画像に多重する第2多重手段をさらに備える、請求項1または2記載の操縦支援装置。
【請求項4】
前記第2多重手段は非透過的に前記第2移動体画像を多重する、請求項3記載の操縦支援装置。
【請求項5】
前記移動体は船舶に相当し、
前記第2移動体画像によって表される前記移動体の一部の大きさは前記移動体を喫水線で切断して得られる切断面の大きさに相当する、請求項3または4記載の操縦支援装置。
【請求項6】
前記移動体の傾きおよび/または高度の変化を検出する検出手段、および
前記第2移動体画像によって表される前記移動体の一部の大きさを前記傾き検出手段の検出結果を参照して修正する修正手段をさらに備える、請求項3ないし5のいずれかに記載の操縦支援装置。
【請求項1】
移動体に下向きの姿勢で設けられて前記移動体の周辺を捉える撮像手段、
前記移動体の周辺を鳥瞰的に表す周辺画像を前記撮像手段の出力に基づいて作成する作成手段、および
鳥瞰された前記移動体の少なくとも外延を表す第1移動体画像を前記作成手段によって作成された周辺画像に透過的に多重する第1多重手段を備える、操縦支援装置。
【請求項2】
前記第1移動体画像は鳥瞰された前記移動体の全体を表す画像に相当する、請求項1記載の操縦支援装置。
【請求項3】
鳥瞰された前記移動体の一部を表す第2移動体画像を前記作成手段によって作成された周辺画像に多重する第2多重手段をさらに備える、請求項1または2記載の操縦支援装置。
【請求項4】
前記第2多重手段は非透過的に前記第2移動体画像を多重する、請求項3記載の操縦支援装置。
【請求項5】
前記移動体は船舶に相当し、
前記第2移動体画像によって表される前記移動体の一部の大きさは前記移動体を喫水線で切断して得られる切断面の大きさに相当する、請求項3または4記載の操縦支援装置。
【請求項6】
前記移動体の傾きおよび/または高度の変化を検出する検出手段、および
前記第2移動体画像によって表される前記移動体の一部の大きさを前記傾き検出手段の検出結果を参照して修正する修正手段をさらに備える、請求項3ないし5のいずれかに記載の操縦支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−93605(P2010−93605A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262451(P2008−262451)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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