説明

操舵角を求める方法

この発明は、サーボモーターによって制御されるオーバーライディング伝動部を備えた操舵システムでの操舵角を求める方法であって、この伝動部の出力側では、伝動部の入力側で設定されたハンドル角とサーボモーターを用いて調整された追加操舵角とを組み合わせた、ステアリングシャフトの伝動部の出力側の部分に対する合計操舵角を調整することが可能であり、サーボモーターは、操舵システムの停止状態ではロックされており、ハンドル角は、伝動部の入力側に配置されたハンドル角変換器により検出される方法に関する。この発明による方法は、伝動部の出力側のステアリングシャフト上に配置された増分測定式操舵角変換器(132)を用いて、初期値を出発点として合計操舵角(δT )を検出し、この初期値は、操舵システムの作動時に、その前に行われた操舵システムの停止とほぼ同時に検出、保存していたハンドル角(δH,0 )及び合計操舵角(δT,0 )の値と、操舵システムの作動とほぼ同時にハンドル角変換器(130)を用いて検出したハンドル角(δH )の値とから求めることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーボモーターによって制御されるオーバーライディング伝動部を備えた操舵システムでの操舵角を求める方法であって、この伝動部の出力側では、伝動部の入力側で設定されたハンドル角とサーボモーターを用いて調整された追加操舵角とを組み合わせた、ステアリングシャフトの伝動部の出力側の部分に対する合計操舵角を調整することが可能であり、サーボモーターは、操舵システムの停止状態ではロックされており、ハンドル角は、伝動部の入力側に配置されたハンドル角変換器により検出される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所謂オーバーライディング操舵部を用いて、自動車の操舵システムへの介入を行うことが知られている。その場合、サーボモーターが、オーバーライディング伝動部を介して、操舵系統に介入し、それにより、自動車の運転者により設定される操舵角に追加して、運転者の設定量と独立した追加操舵角を設定することが可能である。
【0003】
そのため、オーバーライディング操舵部を備えた操舵システムでは、車両の操縦可能な車輪での操舵角は、運転者により設定された操舵角とサーボモーターを用いて設定された追加操舵角の合計から得られ、従って、以下において合計操舵角と称する。
【0004】
追加操舵角は、例えば、電子コントローラによって計算することが可能であり、それにより、コースに沿った走行時に運転者を支援することができる。即ち、追加操舵角を用いて、ハンドル角と車輪操縦角の間の速度に依存した伝達を実現することができるか、或いは走行動特性コントローラを採用して、臨界的でない走行状態での車両の敏捷性と臨界的な走行状態での車両の安定性を改善するための目標操舵角を算出することができる。その場合、目標操舵角と操舵角変換器を用いて測定した運転者による操舵設定量との間の差分は、オーバーライディング操舵部を用いて操舵系統に組み込まれる追加操舵角を決めることとなる。
【0005】
この場合、操舵角測定の際の分解能は、運転者により設定されたハンドル角に追加操舵角を適合させるためのステップ幅を決定する。その分解能が大きすぎる場合、運転者は、運転者自身による操舵動作に対抗して作用する操舵トルクの段階的な変化を感じ取って、それを操舵部での走行の快適性を著しく損なう「ジャーク」と看做すこととなる。
【0006】
従って、追加操舵角を精密に、運転者が感じ取ることができない形で設定することが可能であるためには、所要の高い分解能と、更に、高い精度とを有する操舵角変換器を採用する必要がある。
【0007】
その場合、一方が、例えば、運転者により設定されたハンドル角を検出し、他方が、合計操舵角を検出する少なくとも二つの操舵角変換器が必要である。
【0008】
ハンドル及びステアリングシャフトの回転は、通常直進位置を始点として、時計周りと反時計回りに少なくとも二回全回転することが可能であるため、これらのセンサーは、更に「複数回転可能」でなければならない、即ち、特に、少なくとも−720°〜+720°の角度範囲内において操舵角を一義的に検出しなければならない。
【0009】
通常、同じく1回より多い全回転又は360°を上回る角度に対応する角度範囲内において、サーボモーターのモーターシャフトの回転角を求めるために、更に別の角度変換器が採用される。
【0010】
しかし、この場合、例えば、従来のESPシステムでハンドル角を検出するために採用されているような、大量生産により入手可能な絶対測定による複数回転可能な操舵角変換器では、現在のところ所要の精度と分解能が達成されないという問題が生じる。
【0011】
従って、所要の高い分解能と精度を有する非常にコストのかかる角度変換器に頼らなければならないが、そのことは、特に、大量生産に関して、経済的に非常に不利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上のことから、この発明の課題は、特に、大量生産により製造される車両でも、オーバーライディング操舵部における操舵角測定の精度を出来る限り簡単に向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、この発明にもとづき、請求項1の特徴を持つ方法によって解決される。
【0014】
この発明では、伝動部の出力側のステアリングシャフト上に配置された増分測定式操舵角変換器を用いて、初期値を出発点として合計操舵角を検出し、初期値は、操舵システムの作動時に、その前に行われた操舵システムの停止とほぼ同時に検出、保存していたハンドル角及び合計操舵角の値と、操舵システムの作動とほぼ同時にハンドル角変換器を用いて検出したハンドル角の値とから求める形で、冒頭に述べた形式の方法を実行するものと規定する。
【0015】
そのため、この発明は、合計操舵角を測定するために、増分測定式操舵角変換器を採用するとの考えをベースとする。このような高い分解能を持つ角度変換器は、既に大量生産により製造されており、そのため安価に入手することができる。それにより、大量生産により製造される車両の合計操舵角の高い分解能による測定が可能となる。通常合計操舵角の測定値と算出した目標値の間の差分として算出される追加操舵角は、このようにして、非常に小さいステップ幅で更新することが可能となり、そのため運転者がそれに気付くことなく設定される。
【0016】
しかし、増分測定式操舵角変換器を用いては、合計操舵角の絶対値を直接検出することができず、合計操舵角の値の変化しか検出することができないので、この発明は、有利には、操舵システムの作動時に早くも、ハンドル角及び合計操舵角の値と操舵システムの作動時に検出したハンドル角の値とから、合計操舵角を求めるための初期値を求めるものと規定する。この場合、サーボモーターは、停止状態ではロックされており、その結果追加操舵角は、サーボモーターの停止状態では変化することができないという状況を活用している。そのため、サーボモーターが停止されている間、合計操舵角の変化は、ハンドル角の変化によってのみ生じ、その結果操舵システムの作動時に存在する合計操舵角の値は、操舵システムを停止した時に存在していた合計操舵角とハンドル角の値並びにハンドル角の最新値から求めることができる。
【0017】
そして、このようにして算出した初期値を出発点として、増分測定式操舵角変換器の増分信号に従って、合計操舵角の絶対値を求めることができる。
【0018】
この発明の別の有利な実施構成では、増分測定式操舵角変換器を用いて求めた合計操舵角の値とハンドル角変換器を用いて測定したハンドル角の値とから、追加操舵角の値を求めるものと規定する。
【0019】
そのため、この発明のこの実施構成では、追加操舵角を検出するための追加的な角度変換器を不要とすることができる。
【0020】
この発明の同じく有利な実施構成では、追加操舵角から、サーボモーターのモーターシャフトにおけるゼロ位置を始点としてその時点の全回転している回数を求めるとともに、モーターシャフト上に配置されたモーター角変換器を用いて、ちょうど1回の全回転に対応する角度範囲内におけるモーターシャフトの角度位置を求めるものと規定する。
【0021】
このようにして、サーボモーターのモーターシャフトの角度位置を測定するために、複数回転可能でないモーター角変換器を採用することができ、その場合モーターシャフトにおけるゼロ位置を始点としてその時点の全回転している回数は、合計操舵角とハンドル角から求められる。この場合、ゼロ位置とは、モーターシャフトの所定の角度位置、特に、追加操舵角が0°の値となる角度位置であると解釈する。
【0022】
この場合、この発明の特に目的に適った実施構成では、求めた全回転している回数とモーター角変換器の信号から、モーターシャフトの角度位置を算出するものと規定する。
【0023】
この発明の有利な実施構成では、更に、ステアリングシャフトが伝動部の出力側において所定の複数の角度位置の中の一つを占める時に発動される基準信号が発生した場合、追加操舵角の値を所定の基準値に補正するものと規定する。
【0024】
この発明のこの実施構成では、特に、例えば、現在ESPシステムで一般的に採用されている標準的なハンドル角変換器のような精度が低いハンドル角変換器を採用することも可能となる。この場合、確かに低い精度しか持たないESPハンドル角変換器による増分測定式操舵角変換器を用いて、合計操舵角を求めるための初期値を測定することができるが、合計操舵角の値の補正を行って、それにもとづき、操舵角を検出する際の精度を高めるものである。
【0025】
この場合、基準信号は、有利には、基準マークセンサーを用いて、ステアリングシャフトの周囲の所定の位置に配置された少なくとも一つの基準マークを検出することによって発動される。
【0026】
この場合、この発明の有利な実施構成では、ステアリングシャフトが、伝動部の出力側において直進位置に来た時に、基準マークを検出するものと規定する。
【0027】
この場合、直進位置とは、車両の操縦可能な車輪が、車両の縦軸に対して平行な方向を向いた角度位置であると解釈する。この場合、この角度位置は、0°、±360°及び±720°の合計操舵角の値に対応する。
【0028】
ステアリングシャフトは、通常車両のエンジン始動後のほんの短い時間で直進位置に来ることが分かっているので、合計操舵角の値の補正も、通常エンジン始動後のほんの短い時間に行われる。
【0029】
この発明の別の有利な実施構成では、更に、複数の基準マークが、それぞれステアリングシャフトの周囲の一つの位置に配置されるものと規定する。
【0030】
この発明のこの実施構成では、合計操舵角に関して、多数の基準値が得られ、特に、ステアリングシャフトの直進位置に対応しない基準値も得られ、その結果例えば、運転者が、カーブ内で車両を操舵したために、ステアリングシャフトが、エンジン始動後最初に直進位置に来なかった場合にも、合計操舵角の値を直ぐに補正することが可能である。
【0031】
この場合、この発明の目的に適うこととして、合計操舵角の複数の基準値を予め定めておき、基準信号が発生した場合に、合計操舵角の検出した値に最も近い基準値への合計操舵角の補正を行うものと規定する。
【0032】
この発明の特に有利な実施構成では、更に、パラメータaが、区間[0,1]内の値を有するとして、増分測定式操舵角変換器を用いて検出した合計操舵角とモーター角変換器を用いて検出した追加操舵角とから、ハンドル角δH の第一の成分a・δH を求めるとともに、ハンドル角変換器を用いて、ハンドル角δH の第二の成分(1−a)・δH を求めるものと規定する。
【0033】
この場合、特に、高い分解能の増分測定式操舵角変換器を用いて検出した第一の成分にもとづき、ハンドル角を求める際の分解能をハンドル角変換器の分解能と比べて高めることができる。しかし、合計操舵角を求めるための増分測定式操舵角変換器が、オーバーライディング伝動部の出力側に配置されているので、第一の成分は、ハンドルの操舵動作時に、操舵系統、特に、オーバーライディング伝動部の慣性のために、並びに或る程度の遅延しか伴わない計算時間のために変化することとなる。このことは、ハンドルの領域内に配置された、ハンドル角を直接測定するハンドル角変換器を用いて求めた第二の成分にもとづき補正することができる。
【0034】
この場合、有利には、パラメータaの値を変更することが可能である。
【0035】
更に、有利には、パラメータaの値をハンドル角変換器の分解能に適合させるものと規定する。
【0036】
この発明の更なる利点、特徴及び目的に適った改善構成は、従属請求項及び以下の図面のもとづく有利な実施例の記述から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1に模式的に図示した車両の操舵設備は、全体として符号102を付与されている。この例示した実施形態では、操舵設備102は、ラックピニオン式舵取り装置として構成されており、ステアリングシャフトの下方部分106に配備されたピニオン104が、ラック108の側方に固定されたタイロッド110,112を操作するラック108と噛み合っており、それによって、車輪114,116の旋回を起こすことができる。しかし、この発明の枠組み内では、当然のことながら、例えば、サーキュレーティングボール式舵取り装置などの当業者に周知の別の操舵設備を採用することもできる。
【0038】
運転者により操作されるハンドル118は、ステアリングシャフトの上方部分120と直接又は別のシャフトを介して接続されており、ステアリングシャフトの上方部分120の角度位置は、以下においてδH で表すハンドル角に対応する。
【0039】
この場合、通常の習慣にもとづき、ハンドル118又はステアリングシャフト106,120の直進位置、即ち、車輪114,116が、(操舵設備102への外力による制御介入が無い場合に)車両の縦軸に対して平行な方向を向いた位置は、0°のハンドル角に対応する。ハンドル118又はステアリングシャフト106,120が反時計回りに回転した場合、ハンドル角δH は増大し、時計周りに回転した場合減少する。
【0040】
この場合、ハンドル118とステアリングシャフト106,120は、通常−720°〜+720°の角度範囲内で回転可能である、即ち、それらの回転は、直進位置を始点として、時計周りに2回の全回転と反時計回りに2回の全回転が可能である。
【0041】
ステアリングシャフトの上方部分120は、ステアリングシャフトに組み込まれた、オーバーライディング操舵部124の成分を生成するオーバーライディング伝動部122の入力と接続されている。オーバーライディング伝動部122の出力側は、ラック108と噛み合うピニオン104が配備された、ステアリングシャフトの下方部分106と接続されている。
【0042】
オーバーライディング伝動部122を用いて、外力により制御された形で、伝動部の入力側に存在する、運転者により設定されたハンドル角δH を重畳した追加操舵角Δδを操舵系統に取り込むことが可能である。この場合、伝動部の出力側には、ハンドル角δH と追加操舵角Δδの合計に対応した、従って、この場合合計操舵角とも称される操舵角δT が得られる。
【0043】
追加操舵角Δδは、有利には、電気整流式電動機であるサーボモーター126を用いて設定される。その場合、モーターシャフトの角度位置は、以下において、モーター角φM と表す。
【0044】
この場合、通常モーターシャフトの回転は、同じくモーター角φM =0°であり、追加操舵角Δδも0°の値を採るゼロ位置を始点として、時計周りと反時計回りに1回を上回る回数の全回転が可能であり、その結果モーター角φM の値も、360°を上回る範囲に対応する。
【0045】
この場合、ハンドルによりオーバーライディング伝動部を介して操舵部に伝えられる機械的な伝達比ν1 とサーボモーターが操舵部に伝える伝達比ν2 を考慮すると、入力量δH 及びφM と出力量δT の他に、乗算ブロック202と204にもとづき入力量に伝達比ν1 とν2 を乗算することが示されている図2に図示されたブロック図からも分かる通り、次の式の合計操舵角が得られる。この場合、追加操舵角は、Δδ=ν2 φM によって得られる。

δT =ν1 δH +ν2 φM (1)

ハンドル角δH を検出するために、オーバーライディング伝動部122の入力側でステアリングシャフトの上方部分120に配置された角度変換器130が配備されている。それは、例えば、ESPシステム(ESP:電子式安定化プログラム)の標準的なハンドル角変換器とすることができ、そのシステムでは、その変換器は、ESPシステムで使用されている車両参照モデルの入力量としての役割を果たす運転者の操舵要求を検出するために用いられている。
【0046】
ハンドル角変換器130は、当業者に周知の形式の電気機械式、磁気式又は光学式角度変換器として実現される。例えば、ホール効果によるハンドル角変換器であり、この変換器では、ステアリングシャフトの上方部分120に関して半径方向に配置されたホールセンサーが、ステアリングシャフトの上方部分120に同軸に固定された軟磁性体から作られたコーディングディスクにより変調される、隣接する磁石の磁界を検出する。
【0047】
そのような従来のESPシステムで現在採用されている角度変換器は、通常約4.5°の精度と約1.5°の分解能を有する。
【0048】
この発明の枠組み内では、合計操舵角δT を検出するために、オーバーライディング伝動部122の出力側でステアリングシャフトの下方部分106に取り付けられた増分測定式角度変換器132が配備されている。
【0049】
合計操舵角変換器132は、例えば、規則的な構造を持つ円環状の増分トラックを増分センサーにより走査する光学式又は磁気式角度変換器として実現することができる。この合計操舵角変換器は、更に、円環状のトラックの円周上の所定の位置、即ち、増分トラックの円周上の所定の位置に配置された少なくとも一つの基準マークを検出する基準マークセンサーを備えている。
【0050】
この場合、基準マークは、ステアリングシャフトの下方部分106が、有利には、特に、δT =0°の合計操舵角に対応する直進位置である所定の角度位置を占めた場合に、基準マークセンサーにより検出されるように、円環状のトラック上に配置されている。しかし、ここで、当然のことながら、直進位置以外の角度位置も予め定めることもできる。
【0051】
しかし、ステアリングシャフトの下方部分106の回転は(ハンドル118又はステアリングシャフトの上方部分120の回転も)、直進位置を始点として、時計周りと反時計回りに2回の全回転が可能であるので、基準マークは、合計操舵角δT の基準値に一義的に対応する訳ではなく、むしろステアリングシャフトの下方部分106の、それぞれ360°だけ相違する複数の角度位置で検出されることとなる。
【0052】
そのため、ステアリングシャフトの下方部分106の直進位置において、特に、合計操舵角δT の基準値が0°である時に、基準マークを検出した場合、同じくステアリングシャフトの下方部分106の直進位置に対応する可能性が有る−360°と+360°及び−720°と+720°の別の基準値が生じる。
【0053】
角度変換器132の増分トラック又は別のトラックの円周上の位置に配置された、直進位置で検出される基準マークの他に、それぞれ合計操舵角δT の360°だけ異なる複数の基準値にそれぞれ対応する、角度変換器132の増分トラック又は第二のトラックの円周上の所定の位置に、別の基準マークを更に配置することができる。
【0054】
以下において、増分信号と称する、角度変換器132の第一の出力信号は、増分センサーにより供給されるとともに、パルス列から構成され、その場合ステアリングシャフトの下方部分106は、二つのパルスが発生する間に所定の角度だけ回転する。回転方向は、増分信号から同様に読み取ることができる。
【0055】
角度変換器132の第二の出力信号は、基準マークセンサーが基準マークを通過した時に基準マークセンサーから供給される。
【0056】
増分測定式角度変換器132の実施形態は、例えば、図3に図示されている。この実施構成では、角度変換器132は、ステアリングシャフトの下方部分106に同軸に配置して固定された磁気車輪306の増分トラック304を走査する磁気抵抗式増分センサー(MRセンサー)302を有し、この磁気車輪は、それぞれ(黒い色の)N極と(灰色の)S極から成る、磁極の長さが同じであり、直接隣接する磁極対を有する。この場合、図3において、例として選び出した磁極対を符号308で表示している。
【0057】
この発明の有利な実施構成では、基準マークセンサー310は、同様に磁気車輪306の所定の角度セグメントに配置された、基準マークを構成する単一の磁極対314を有する、磁気車輪306の第二のトラック312を走査するMRセンサーとして実現される。複数の基準マークを使用する場合、それに対応して磁気車輪306の第二のトラック312上に所定の角度間隔で、或いは互いに所定の間隔を開けた角度セグメント内に複数の磁極対314が配置される。
【0058】
それに代わって、磁気車輪306の増分トラック304のランド上の磁気的な不規則性によって、基準マークを構成して、基準マークセンサー310により検出するものと規定することもできる。
【0059】
MRセンサーは、当業者に周知の手法で構成され、有利には、磁極対308,314を通過する際に、それぞれ正弦波又は余弦波形状の出力信号を供給する互いに45°だけ回転させた二つのセンサーブリッジを備え、これらの信号は、有利には、評価のために補間される。
【0060】
そのようなセンサーでは、互いの位相位置又は信号のエッジ位置を評価することによって、磁極対308,314に対応する角度範囲内における角度位置を一義的に求めるとともに、磁気車輪306が回転する回転方向を検出することができる。
【0061】
そのように構成された増分角度変換器は、今日では既に約1°の高い精度と約0.1°の高い分解能を持つ形で大きなロット数で安価に製造することができ、従って、大量生産品を採用しても、非常に精確で高い分解能の角度測定が可能となる。
【0062】
モーター角φM を検出するために、別のモーター角変換器134が配備される。有利な実施形態では、モーター角変換器134は、当業者に周知の形式で実現された整流式センサーである。モーター角変換器134を出来る限り簡単に構成するために、この変換器は、複数回転可能でない形で実現され、その結果360°に対応する角度範囲内でのみ一義的な角度測定が可能である。
【0063】
例えば、サーボモーター126を制御するためにも配備することができる、図面に図示されていない評価・制御ユニットが、信号に関して角度変換器130,132及び134と接続されている。
【0064】
初期値を出発点として、評価・制御ユニット又は合計操舵角変換器132と一体化された評価用電子回路は、増分信号にもとづき、ステアリングシャフトの下方部分106が回転する回転方向に応じて、測定ステップ毎に合計操舵角δT の値を増分又は減分することによって、合計操舵角変換器132の増分信号から、特に、ステアリングシャフトの下方部分106の角度位置を算出する。
【0065】
しかし、通常車両のエンジン始動時に行われる操舵システムの作動の際に、その前に設定されていた追加操舵角Δδが既に存在する可能性が有るので、この発明では、前に操舵システムを停止する直前に存在した合計操舵角δT の値とハンドル角δH にもとづき、合計操舵角δT を求めるための初期値を算出するものと規定する。
【0066】
そのために、操舵システムを停止する場合、特に、シャットダウンプロセスの枠組みにおいて操舵システムの電源を切る場合、評価・制御ユニットの不揮発性メモリに、ハンドル角δH の値δH,0 と合計操舵角δT の値δT,0 を保存する。この場合、例えば、EEPROM(電気消去可能プログラマブル読出し専用メモリー)としてメモリを実現することができる。
【0067】
操舵システムの停止時又はオーバーライディング操舵部124の停止状態において、オーバーライディング操舵部124のサーボモーター126はロックされており、その結果追加操舵角Δδは、電子回路の停止時のハンドル角δH に対して変化することはできない。サーボモーター126のロックは、例えば、自己ロック式伝動装置の使用及び/又は当業者に周知のその他のサーボモーター126用ロック機構の採用により実現される。
【0068】
操舵システムの作動時に、評価・制御ユニットは、操舵角δH とδT の保存していた値δH,0 とδT,0 を不揮発性メモリから読み出して、その時点に存在するハンドル角δH をハンドル角変換器130から入手する。次に、これらの量から、評価ユニットは、次の通り、合計操舵角δT を計算する。

δT =δT,0 +ν1 (δH −δH,0 ) (2)

この合計操舵角δT の値は、増分測定式操舵角変換器132を用いて合計操舵角δT を求めるための初期値として基準とされる。
【0069】
更に、電子回路の作動時において、サーボモーター126のシャフトにおけるゼロ位置を始点とする全回転している回数は、当初分からない。従って、操舵システムを作動している間の初期化時に、ハンドル角変換器130を用いて、その前に検出しておいたハンドル角δH の値と合計操舵角δT の検出値とから、次の式にもとづき追加操舵角Δδ又はモーター角φM を求めるものと規定する。

φM =(δT −ν1 δH )/ν2 (3)

次に、このモーター角φM の値から、操舵システムの作動時におけるモーターシャフトのゼロ位置を始点として、モーターシャフトが全回転している回数を算出することができる。
【0070】
合計操舵角δT を求めるための初期値の算出とモーターシャフトのその時点の全回転回数の決定により、操舵システムの初期化が完了する。
【0071】
そして、次に、算出したモーターシャフトの全回転回数とモーター角変換器134の信号にもとづきモーター角φM を算出し、これらの組み合わせから、モーター角φM の値が得られる。この場合、角度変換器134を用いて、特に、1回の全回転の360°に対応する角度範囲内におけるモーターシャフトの角度位置を求めて、全回転回数と組み合わせ、モーターシャフトが回転することが可能な角度範囲全体内におけるモーター角φM の値を求める。この場合、このモーター角φM の値は、特に、モーター制御のために活用される。
【0072】
操舵システムの初期化後に、評価・制御ユニットで基準信号を受信した場合、評価・制御ユニットは、先ずは最新の値に最も近い合計操舵角δT の基準値を算出して、次にその基準値を合計操舵角δT の新しい値として看做すことによって、合計操舵角δT の値の補正を行う。
【0073】
例えば、0°,±360°及び±720°の基準角度を予め定めておいて、評価・制御ユニットが、例えば、合計操舵角δT =358.7°である場合に基準信号を受信した時、基準信号を受信した場合の合計操舵角δT は、最新の値の358.7°に最も近い基準値であるδT =360°の値に設定される。それに対応して、合計操舵角δT =0.9°である際に基準信号を受信した場合、合計操舵角δT は、例えば、δT =0°に設定される。
【0074】
基準値を合計操舵角δT の最新の値として見做した後、合計操舵角変換器132の増分信号にもとづき、最終的に求めた値を増分又は減分することによって、合計操舵角を再度算出する。
【0075】
そのため、基準マークが最初に基準マークセンサー310の所に到達した場合、合計操舵角δT の値の適合が行われ、その結果その後合計操舵角を求める場合の精度は、合計操舵角変換器132の高い分解能に相当することとなる。
【0076】
この場合、経験的な調査によると、運転者は、通常エンジン始動後又は発進後の非常に短い時間にはもうハンドル9を直進位置に持って来ていることが判明しており、その結果ステアリングシャフトの下方部分106も、エンジン始動後の早い時期に直進位置を占めることとなり、そのため、短い時間後には早くも合計操舵角δT の当初不正確だった値の補正が可能である。
【0077】
しかし、前述した通り、ステアリングシャフトの下方部分106の複数の位置にそれぞれ一つの基準マークを割り当てるものと規定することもできる。この場合、例えば、規則的な角度間隔で、即ち、磁気車輪306の周囲に規則的な間隔を開けて、基準マークを配置することができる。この場合、角度間隔は、絶対測定式ハンドル角変換器130によるハンドル角測定時に生じる最大測定誤差と基準マークの位置の不正確さの合計よりも大きくなければならないだけであり、その結果基準信号が発生した際に、合計操舵角δT の実際に存在する基準値を一義的に算出することができる。
【0078】
複数の基準マークを使用する場合、合計操舵角δT を適合させるために、ステアリングシャフトの下方部分106が直進位置を占めるまで待つ必要はなく、その他の角度位置でも、適合を行うことができる。そうすることによって、特に、運転者が、エンジン始動後に車両の操縦可能な車輪114,116を直進位置に持って行くこと無く、カーブ内で車両を制御した場合でも、合計操舵角δT の値の早期の適合を行うことができる。
【0079】
この発明の有利な実施構成では、更に、評価・制御ユニットが、基準信号を受信する毎に、前述した手法で同様に実施される合計操舵角δT の値の補正を行うものと規定することができる。この合計操舵角変換器132の校正を繰り返すことによって、測定時間が長くなるにつれて、算出される合計操舵角δT の精度が低下することが防止される。
【0080】
更に、基準信号を受信する毎に、評価・制御ユニットが、合計操舵角δT のその時点で存在する値が、所定の許容範囲内で基準値と一致するか否かを検査し、一致しない場合、誤り通報を発出するものと規定することができる。
【0081】
合計操舵角δT の値と全ての得られた基準値の間の差分が、所定の閾値よりも大きい場合には、センサー機器内に誤りが存在するものと結論付けて、誤り信号を発出する。
【0082】
高い分解能の合計操舵角変換器132を用いて求めた合計操舵角δT は、特に、例えば、評価・制御ユニットと一体化された、サーボモーター126を制御する操舵角コントローラの制御量としての役割を果たすことができる。ここで、そのような操舵角コントローラを有する、オーバーライディング操舵部124を備えた操舵システムのブロック図が、図4に図示されている。
【0083】
図4から分かる通り、合計操舵角δT の目標値δT,CMD は、運転者により設定されるハンドル角δH と、例えば、走行動特性コントローラ402で求めた追加操舵角ΔδESP とから得られる。この場合、走行動特性コントローラ402は、特に、ヨーレイト制御又はヨーレイト補償を当業者に基本的に周知の手法で行うことができ、それにより、追加操舵角ΔδESP が、車両の安定性を向上させている。
【0084】
ここで、目標値δT,CMD は、追加操舵角ΔδESP と、図4で乗算ブロック404により図示されている通り、ハンドル角δH にオーバーライディング伝動部の伝達比ν1 を乗算することにより得られる、ステアリングシャフトの下方部分106に関するハンドル角δDRV,CMD との合計として与えられる。
【0085】
操舵角コントローラ406により調整すべき制御偏差は、合計操舵角δT の目標値δT,CMD と前述した手法で合計操舵角変換器132を用いて検出した実際値の間の偏差である。
【0086】
この制御偏差から、操舵角コントローラ406によって、追加操舵角Δδ又はモーター角φM が、調整量として計算されて、オーバーライディング操舵部124のサーボモーター126に設定される。この場合、モーター角φM は、ちょうど合計操舵角δT の制御偏差にサーボモーター126のシャフトとステアリングシャフトの下方部分106の間の伝達比ν2 を乗算したものと一致する。
【0087】
このようにして、合計操舵角δT の実際値と設定量δT,CMD の偏差を調整することによって、操舵角コントローラ406を用いて、走行動特性コントローラ402の設定量ΔδESP と一致する追加操舵角Δδが確実に設定される。
【0088】
標準的なESPハンドル角変換器を用いた場合、特に、走行動特性コントローラ402に関する入力量としての役割を果たすハンドル角δH を測定する際の分解能は、通常オーバーライディング操舵部124の介入を運転者に気付かれないように追加操舵角ΔδESP をハンドル角δH に適合することを可能とするためには低すぎる。
【0089】
従って、以下において、図5に図示したブロック図にもとづき説明する、この発明の特に有利な実施構成では、合計操舵角変換器132を用いて検出した合計操舵角δT とモータ角変換器134を用いて測定したモーター角φM とから、ハンドル角δH の少なくとも一つの成分を求めるものと規定する。このようにして、標準的なESPハンドル角変換器を用いて検出することが可能なものよりも高い精度と分解能で、ハンドル角δH を算出することができる。
【0090】
この場合、図5に図示された操舵システムは、基本的に図4に図示された操舵システムと同様の構造を有する、即ち、運転者がハンドル118を用いて設定した角度設定量δDRV,CMD に追加して、ステアリングシャフトの下方部分106に設定される追加操舵角ΔδESP を計算する走行動特性コントローラ502を有し、その場合操舵角設定量δDRV,CMD は、ブロック504により示されたハンドル角δH とオーバーライディング伝動部122の伝達比ν1 との乗算によって得られる。
【0091】
ここでも、合計操舵角δT に関する設定量δT,CMD の設定は、設定量δT,CMD と合計操舵角変換器132を用いて検出した合計操舵角δT の実際値の間の偏差が供給される操舵角コントローラ506を用いて行われる。この場合、この偏差を調整するために、既に図4と関連して前述した通り、操舵角コントローラ506によって、オーバーライディング操舵部124のサーボモーター126の相応の制御が行われる。
【0092】
この実施構成では、ハンドル角δH を求めるために、その角度は、ステアリングシャフトの上方部分120に関する合計操舵角δT と同じくステアリングシャフトの上方部分120に関するモーター角φM の間の差分によって与えられるという事実を出発点としている。そのため、ハンドル角δH に関する推定値δH,est は、それらの量から、次の関係式にもとづき求めることができる。

δH,est =(1/ν1 )・(δT −ν2 φM ) (4)

この場合、この推定値の計算は、乗算ブロック508と510から成るユニット512で行われ、そのユニットでは、合計操舵角変換器132を用いて検出した合計操舵角δT とモータ角変換器134を用いて求めたモーター角φM が、入力量としての役割を果たしている。
【0093】
特に、ブロック514と516から成るユニット518を用いて、ハンドル角変換器132を用いて検出した値と前述した手法で算出したハンドル角δH に関する推定値δH,est のどのような割合で、運転者による操舵設定量δDRV,CMD を算出するのかを規定することができる。
【0094】
この場合、このユニット518の出力信号として、次の量が得られる。

δDRV,CMD =aδH +(1−a)δH,est (5)

ここで、パラメータaに関して、区間[0,1]内の値を選定する。
【0095】
この場合、(1−a)δH,est の成分にもとづき、例えば、標準的なESPハンドル角変換器のような分解能の低いハンドル角変換器130を用いた場合における、運転者による操舵設定量δDRV,CMD に関する目標値を求める際の分解能を高めることができる。
【0096】
角度変換器132と134が、オーバーライディング伝動部122の領域とオーバーライディング伝動部122の出力側に配置されているので、運転者によるハンドル118での操舵動作時に、操舵系統の慣性、特に、オーバーライディング伝動部122の慣性のために、(1−a)δH,est の成分は変化する。この成分のユニット512での計算時間のために、操舵の動特性に対して無視することができる遅延も更に生じる。
【0097】
従って、有利には、運転者による操舵角の設定量を求める際に、分解能は確かに低いが、遅延無しに検出される、ハンドル角変換器130を用いて測定したハンドル角δH を比例配分することを考慮する。
【0098】
この場合、有利には、パラメータaの値は、ハンドル角変換器130の分解能に応じて設定され、その場合この値は、高い分解能のハンドル角変換器130を用いる場合には1に近く、より低い分解能のハンドル角変換器130を用いる場合には0に近いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】この発明の実施に適した車両の操舵システムの基本構成図
【図2】オーバーライディング伝動部のブロック図
【図3】増分測定式角度変換器の実施構成の模式図
【図4】この発明の枠組み内で規定される操舵システムの第一の実施構成のブロック図
【図5】この発明の枠組み内で規定される操舵システムの第二の実施構成のブロック図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモーターによって制御されるオーバーライディング伝動部を備えた操舵システムでの操舵角を求める方法であって、この伝動部の出力側では、伝動部の入力側で設定されたハンドル角とサーボモーターを用いて調整された追加操舵角とを組み合わせた、ステアリングシャフトの伝動部の出力側の部分に対する合計操舵角を調整することが可能であり、サーボモーターは、操舵システムの停止状態ではロックされており、ハンドル角は、伝動部の入力側に配置されたハンドル角変換器により検出される方法において、
伝動部の出力側のステアリングシャフト上に配置された増分測定式操舵角変換器(132)を用いて、初期値を出発点として合計操舵角(δT )を算出し、この初期値は、操舵システムの作動時に、その前に行われた操舵システムの停止とほぼ同時に検出、保存していたハンドル角(δH )及び合計操舵角(δT )の値(δH,0 ;δT,0 )と、操舵システムの作動とほぼ同時にハンドル角変換器(130)を用いて検出したハンドル角(δH )の値とから求めることを特徴とする方法。
【請求項2】
増分測定式操舵角変換器(132)を用いて求めた合計操舵角(δT )の値と、ハンドル角変換器(130)を用いて測定したハンドル角(δH )の値とから、追加操舵角(Δδ)の値を求めることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
追加操舵角(Δδ)から、サーボモーター(126)のモーターシャフトがその時点でゼロ位置から全回転している回数を求めることと、モーターシャフト上に配置されたモータ角変換器(134)を用いて、ちょうど1回の全回転に対応する角度範囲内におけるモーターシャフトの角度位置を求めることとを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
求めた全回転している回数とモータ角変換器(134)の信号とから、モーターシャフトの角度位置(φM )を算出することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
ステアリングシャフト(106,120)が伝動部の出力側で所定の複数の角度位置の中の一つを占めた時に発動される基準信号が発生した場合に、合計操舵角(δT )の値を所定の基準値に補正することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
基準マークセンサーを用いて、ステアリングシャフト(106,120)の周囲の所定の位置に配置された少なくとも一つの基準マーク(314)を検出することにより、基準信号を発動することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
ステアリングシャフト(106,120)の伝動部の出力側の部分(106)が直進位置に来た時に、基準マーク(314)を検出することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
複数の基準マーク(314)が、それぞれステアリングシャフト(106,120)の周囲の一つの位置に配置されていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
合計操舵角(δT )の複数の基準値が予め定められており、基準信号が発生した時に、合計操舵角(δT )の検出値に最も近い基準値への合計操舵角(δT )の補正を行うことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
増分測定式操舵角変換器(132)を用いて検出した合計操舵角(δT )とモータ角変換器(134)を用いて検出した追加操舵角(Δδ)とから、ハンドル角(δH )の第一の成分a・δH を求めるとともに、ハンドル角変換器(130)を用いてハンドル角(δH )の第二の成分(1−a)・δH を求め、その場合パラメータaが、区間[0,1]内の値を有することを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
パラメータaの値を変更することが可能であることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
ハンドル角変換器(130)の分解能に、パラメータaの値を適合させることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−514476(P2008−514476A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532903(P2007−532903)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054817
【国際公開番号】WO2006/035016
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】