説明

支持部品、トナー補給装置、トナー供給装置および画像形成装置

【課題】トナーボトルからのトナーの流入量を増大させるとともに、モータ等の駆動手段からの回転力をコイルスプリングに効率的に伝えることが可能なコイルスプリングの支持部品を実現する。
【解決手段】支持部品105は、回転することでトナーを搬送する第1のコイルスプリング103を支持するとともに、モータ120による回転力を第1のコイルスプリング103に伝えるためのものである。そして、支持部品105は、第1のコイルスプリング103の端部が差し込まれる凹部を有する端部挿入部材53と、第1のコイルスプリング103の端部以外を複数の箇所の各々を支持する、第1の支持部材54、突起部55bを有する第2の支持部材、第3の支持部材57および第4の支持部材56と、これら端部挿入部材53および複数の支持部材を連結するための連結部材58・59とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを搬送するためのコイルスプリングを支持するとともに、該コイルスプリングを回転させる支持部品、当該支持部品により支持されたコイルスプリングを備えるトナー搬送装置、そのトナー搬送装置を備えたトナー供給装置、およびそのトナー供給装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタおよびファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、感光体の表面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像し、得られたトナー像を用紙等のシートに転写し定着させている。静電潜像の現像に使用するトナーは現像装置から感光体表面に供給される。現像装置には、トナーボトルから、トナー補給装置および排出パイプを介してトナーが供給される。すなわち、トナーボトルから現像装置までのトナー搬送路において、トナーを搬送する必要がある。
【0003】
また、感光体ドラムに残留するトナーを回収するときにも、トナーを搬送する必要がある。
【0004】
トナーを搬送する方法として、特許文献1〜3には、コイルスプリングを用いた技術が開示されている。コイルスプリングを用いる場合、当該コイルスプリングを回転させるための駆動手段(モータなど)が必要となる。
【0005】
なお、特許文献2,3では、コイルスプリングの内側(中空部分)全体に回転軸部材が設けられており、該回転軸部材の回転に従ってコイルスプリングが回転する。また、特許文献1では、コイルスプリングの端部から所定距離だけコイルスプリングの内側を占める回転軸部材が設けられる。
【特許文献1】特開平4−40487(1992年2月10日公開)
【特許文献2】特開2005−283631(2005年10月13日公開)
【特許文献3】特開平8−44172(1996年2月16日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、トナーボトルが現像装置の上に配置される場合、図18に示されるように、トナーボトル、トナー補給装置、排出パイプ、現像装置の順に上から配置される。このとき、画像形成装置内の他の構成部材との配置関係から、トナーボトル、トナー補給装置、排出パイプおよび現像装置は、略コの字状に配置される。この場合、トナー補給装置の一方の端部において、トナーボトルからのトナーの補給口と、排出パイプへのトナーの排出口とが形成される。さらに、トナー補給装置においてコイルスプリングを用いる場合、当該コイルスプリングを回転させるためのモータも同じ端部側に配置される。
【0007】
トナーの補給口と、トナーの排出口と、モータとが同じ端部に配置される場合のトナー補給装置としては、図19に示されるような構造が考えられる。図19は、トナー補給装置1000の上面図である。
【0008】
図19に示されるように、トナー補給装置1000は、容器本体1001と、2本のコイルスプリング1002・1003と、各コイルスプリング1002・1003を支持するとともに、コイルスプリングを回転するための回転軸部材1004・1005と、モータとを備えている。
【0009】
容器本体1001は、細長い直方体であり、2本のコイルスプリング1002・1003を収容可能なように、その上面が取り外し可能になっている。なお、図19では、容器本体1001の上面の図示を省略している。容器本体1001は、その長手方向の一端において、上面にトナーボトルからのトナーの補給口1006を、底面に排出パイプへのトナーの排出口1007を備えている。
【0010】
そして、容器本体1001は、長手方向に沿った仕切り板1008を有しており、当該仕切り板1008により、各コイルスプリング1002・1003を収容可能な2つのコイルスプリング収容空間1009・1010に分割されている。コイルスプリング収容空間1009の大きさは、コイルスプリング1002を収容するとともに、コイルスプリング1002が回転可能な程度の大きさに設計されている。コイルスプリング収容空間1010も同様である。そして、2つのコイルスプリング1002・1003の各々は、各コイルスプリング収容空間1009・1010に配置される。
【0011】
また、仕切り板1008には、容器本体1001の長手方向における、補給口1006および排出口1007が形成されていない側の端部において、分割した2つのコイルスプリング収容空間1009・1010を連絡するためのバイパス部1011が形成されている。
【0012】
これにより、補給口1006からコイルスプリング収容空間1010に流入されたトナーは、コイルスプリング1003の回転によって、バイパス部1011まで移動し(図19の矢印Gの方向に移動)、バイパス部1011を通って、コイルスプリング収容空間1009に搬送される。その後、コイルスプリング1002の回転によって、排出口107まで移動される(図19の矢印Hの方向に移動)。このように、コイルスプリング収容空間1009・1010を移動することで、トナーが攪拌され、均一なトナーとして現像装置に排出することができる。
【0013】
ここで、モータの回転力をコイルスプリング1003に伝えるために、従来の回転軸部材を用いる場合、この回転軸部材は、モータに近い側のコイルスプリング1003の端部に取り付けられる。ここで、上述したように、画像形成装置の他の構成部材との配置関係から、コイルスプリング1003を回転するためのモータは、図19に示されるように、補給口1006が形成されている側の端部に配置される。その結果、補給口1006の直下において、コイルスプリング1003の内側に回転軸部材が占めることとなる。
【0014】
図20(a)は、コイルスプリング1003の端部を回転軸方向に平行な面で切ったときの、コイルスプリング1003および回転軸部材1005の断面図であり、図20(b)は、回転軸方向に垂直な面で切ったときの、コイルスプリング1003および回転軸部材1005の断面図である。図20(a)および図20(b)に示されるように、回転軸部材1005は、コイルスプリング1003の内側(中空部分)の空間を占めている。このような回転軸部材1005が補給口の直下に存在することにより、トナーボトルからのトナーの補給がスムーズに行われないという問題が生じる。
【0015】
一方、補給口1006の直下のスペースを広くするために、コイルスプリング1003の最端部にのみ、モータの回転力を伝える部材を取り付けることが考えられる。しかしながら、この場合、当該部材とコイルスプリングとの接続を強固にする必要があるため、溶接等の処理が必要となり、製造しにくくなる。また、コイルスプリングの最端部にモータからの力が集中し、当該最端部における疲労が蓄積し、破損しやすくなるという問題が生じる。さらに、最終的に廃棄する際に、金属であるコイルスプリングと樹脂である当該部材を分別回収してマテリアルリサイクルするための分別処理に労力を要する。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナーボトルからのトナーの流入量を増大させるとともに、モータ等の駆動手段からの回転力をコイルスプリングに効率的に伝えることが可能なコイルスプリングの支持部品を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る支持部品は、上記課題を解決するために、回転することでトナーを搬送するコイルスプリングを支持するとともに、駆動手段による回転力を上記コイルスプリングに伝えるための支持部品であって、上記コイルスプリングの端部が差し込まれる凹部を有する端部挿入部材と、上記コイルスプリングの端部以外を複数の箇所の各々を支持する複数の支持部材と、上記端部挿入部材および上記複数の支持部材を連結するための連結部材とを備えることを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、支持部品は、コイルスプリングの端部と、該端部以外の複数の箇所とを支持する。
【0019】
例えば、上記複数の支持部材は、上記コイルスプリングの端部から1/4回転だけ旋回した箇所を支持する第1の支持部材、上記コイルスプリングの端部から1/2回転だけ旋回した箇所を支持する第2の支持部材、上記コイルスプリングの端部から1.5回転だけ旋回した箇所を支持する第3の支持部材を含む。
【0020】
そして、連結部材は、上記端部挿入部材および上記複数の支持部材を連結する。これにより、上記端部挿入部材および上記複数の支持部材の相対位置が固定される。連結部材は、上記端部挿入部材および上記複数の支持部材を連結すればよいため、必要最小限の形状であればよい。
【0021】
そのため、コイルスプリングの内側を占めるような従来の回転軸部材と比べて、コイルスプリングの内側にトナーが入りこむ隙間をつくることができる。そのため、支持部品の上方にトナーの補給口が位置したとしても、支持部品がトナーの流入の妨げとなることがなく、従来に比べて、トナーの流入量を増やすことができる。
【0022】
また、支持部品は、コイルスプリングの端部と、該端部以外の複数の箇所とを支持するため、モータなどの駆動手段による回転力をコイルスプリングに効率的に伝えることができる。
【0023】
さらに、本発明の支持部品は、コイルスプリングの軸が一定になるように、コイルスプリングに接することでコイルスプリングの位置決めを行う機能を有するものであることが好ましい。また、端部挿入部材には、コイルスプリングの端部が差し込まれるだけである。その結果、コイルスプリングに対する支持部品の取り付け/取り外しが容易となる。
【0024】
さらに、本発明の支持部品において、上記コイルスプリングの断面が、当該コイルスプリングの軸に平行であり、当該コイルスプリングの内側に位置する第1の辺と、当該コイルスプリングの軸に平行であり、当該コイルスプリングの外側に位置する第2の辺と、当該コイルスプリングの軸に垂直な2つの第3の辺とからなる四角形であり、上記支持部材は、上記コイルスプリングの上記第1の辺および上記第3の辺に接することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、複数の支持部材は、コイルスプリングの軸に平行であり、当該コイルスプリングの内側に位置する第1の辺に接することで、コイルスプリングの軸がずれることを防止することができる。また、複数の支持部材は、コイルスプリングの軸に垂直な第3の辺に接することで、駆動手段の回転力をコイルスプリングに効率的に伝えることができる。
【0026】
さらに、本発明の支持部品において、上記支持部材は、上記コイルスプリングに対して、上記駆動手段による回転力を伝える機能を有している。これにより、支持部品は、複数の箇所で、コイルスプリングに対して、駆動手段の回転力を伝えることをができる。その結果、駆動手段の回転力がコイルスプリングの一箇所に集中することがなく、コイルスプリングの疲労を分散することができるとともに、駆動手段の回転力をコイルスプリングに効率的に伝えることができる。
【0027】
また、本発明のトナー補給装置は、トナーを収容するトナーボトルからトナーを受け取るための補給口と、当該トナーを現像装置に排出するための排出口とを有し、上記補給口から上記排出口へトナーを攪拌しながら搬送するトナー補給装置であって、上記補給口の下方に位置する、上記の支持部品と、上記支持部品を回転駆動させるための駆動手段と、上記支持部品によって支持されるとともに、上記支持部品を介して伝えられた上記駆動手段の回転力によって回転することにより、上記補給口から補給された上記トナーを上記排出口の方向へ搬送する第1のコイルスプリングとを備えることを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、補給口の下方に位置する支持部品は、コイルスプリングを複数箇所に支持するものであり、従来のように、コイルスプリングの内側を占めることがない。そのため、支持部品が補給口からのトナーの流入を妨げることがない。その結果、補給口からのトナーの流入量を増やすことができる。
【0029】
さらに、本発明のトナー補給装置は、上記第1のコイルスプリングと軸同士が対向するように、当該第1のコイルスプリングと並列に配置される第2のコイルスプリングと、上記第1のコイルスプリングと上記第2のコイルスプリングとの間に位置し、上記第1のコイルスプリングを収容する第1のスペースと上記第2のコイルスプリングを収容する第2のスペースとを区画するための仕切り部材とを備え、上記第1のコイルスプリングが回転したときのトナーの搬送方向と、上記第2のコイルスプリングが回転したときのトナーの搬送方向とが逆方向であり、上記補給口が、上記第1のスペースにおける、トナーの搬送方向の上流側の端部の上面に形成されており、上記排出口が、上記第2のスペースにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部の下面に形成されており、上記仕切り部材には、(a)上記第1のスペースにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部と、上記第2のスペースにおける、トナーの搬送方向の上流側の端部とを連絡するための第1のバイパス部、および、(b)上記補給口ならびに上記排出口と、上記第1のバイパス部との間の位置で、上記第1のスペースと上記第2のスペースとを連絡するための第2のバイパス部、が形成されていることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、補給口から補給されたトナーは、第1のスペースにおいて、第1のコイルスプリングの回転により、上流側から下流側に搬送される。そして、第1のスペースに存在するトナーは、第1のバイパス部または第2のバイパス部を通って、第2のスペースに移動する。そして、第2のスペースに移動したトナーは、第2のスペースにおいて、第2のコイルスプリングの回転により、上流側から下流側に搬送され、排出口へと到達し、排出パイプを介して現像装置へ排出される。
【0031】
ここで、第2のバイパス部を通る搬送路をルートAとし、第1のバイパス部を通る搬送路をルートBとする。第1のバイパス部は、上記第1のスペースにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部と、上記第2のスペースにおける、トナーの搬送方向の上流側の端部とを連絡するものである。そのため、ルートBは、補給口から排出口からの距離が長く、充分に攪拌される。
【0032】
一方、第2のバイパス部は、上記補給口ならびに上記排出口と、上記第1のバイパス部との間の位置にある。そのため、ルートAは、ルートBに比べて、補給口から排出口までの距離が短いため、即座にトナーを排出することができるという効果を奏する。また、ルートAを通る場合でも、ルートBを通ったトナーをぶつかり、そこで攪拌されることとなり、トナーの均一性に問題がない。
【0033】
以上から、上記の2つのバイパス部を備えることで、トナーの攪拌性を維持しながら、トナーを即座に供給できるという効果を奏する。
【0034】
さらに、本発明のトナー補給装置は、上記コイルスプリングと接する底面に耐磨耗材が含まれることが好ましい。
【0035】
ここで、耐磨耗材とは、例えば、ガラスビーズである。コイルスプリングと接する底面は、重力により、コイルスプリングによる摩擦力を受けやすい。しかしながら、上記の構成によれば、当該底面に耐磨耗材が含まれているため、トナー補給装置の破損を防止することができる。
【0036】
さらに、本発明のトナー補給装置は、上記第2のコイルスプリングにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部の位置に、当該第2のコイルスプリングを支持するとともに、当該コイルスプリングに回転力を伝えるための回転部材が接続されており、上記回転部材には、当該回転部材が回転することにより、上記第2のスペースを形成する壁面上を摺動する摺動部材が取り付けられることが好ましい。
【0037】
第2のコイルスプリングにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部の位置の底面には、排出口が形成されている。そのため、上記摺動部材は、排出口付近で、第2のスペースを形成する壁面上を摺動する。これにより、排出口付近のトナーの滞留を防止することができ、トナーの排出量を充分に確保できる。
【0038】
また、本発明のトナー供給装置は、上記いずれかのトナー補給装置と、上記トナー補給装置の上に装着され、上記補給口を介して、上記トナー補給装置にトナーを供給するトナーボトルと、上記トナー補給装置の上記排出口と連結する排出パイプと、上記排出パイプの下に装着され、上記排出パイプを介して、上記トナー補給装置からトナーの補給を受ける現像装置とを備えていることを特徴としている。
【0039】
また、本発明の画像形成装置は、上記のトナー供給装置を備え、感光体と前記トナー供給装置とを含む各色カラートナーに応じた画像形成部が並設され、各画像形成部の感光体に形成されたトナー像が中間転写体に転写され、この中間転写体上のトナー像が被記録材に転写される中間転写方式となっていることを特徴としている。
【0040】
上記の構成によれば、画像形成装置の小型化に伴う配置および構造上の制限により、トナー補給装置において、補給口の直下に支持部品が存在しても、トナー補給装置へトナーがスムーズに流れ込むことができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る支持部品は、コイルスプリングの端部が差し込まれる凹部を有する端部挿入部材と、上記コイルスプリングの端部以外を複数の箇所の各々を支持する複数の支持部材と、上記端部挿入部材および上記複数の支持部材を連結するための連結部材とを備える。これにより、コイルスプリングの内側を占めるような従来の回転軸部材と比べて、コイルスプリングの内側にトナーが入りこむ隙間をつくることができる。そのため、支持部品の上方にトナーの補給口が位置したとしても、支持部品がトナーの流入の妨げとなることがなく、従来に比べて、トナーの流入量を増やすことができる。また、支持部品は、コイルスプリングの端部と、該端部以外の複数の箇所とを支持するため、モータなどの駆動手段による回転力をコイルスプリングに効率的に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
(画像形成装置の構成)
本発明の一実施形態を図面に基づいて以下に説明する。
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置Aの構成を示す説明図である。画像形成装置Aは、外部から入力された画像データあるいは原稿読取りにより得られた画像データに基づいて、シート(記録用紙)に多色あるいは単色の画像を形成するものである。
【0043】
同図に示すように、画像形成装置Aは、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4、中間転写ベルトユニット8、定着ユニット12、シート搬送路S、給紙トレイ10および排紙トレイ15等を備えている。
【0044】
画像形成装置Aにおいて扱われるカラー画像の画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。したがって、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,3d)は、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、それぞれ4個ずつ設けられている。なお、上記a〜dの符号は、aがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応し、これら符号にて区別された上記の各手段により、4つの画像ステーションが構成されている。
【0045】
画像ステーションにおいて、感光体ドラム3は、画像形成装置Aの上部に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。この帯電器5としては、図2に示す接触型のローラ型の他、接触型のブラシ型のもの、あるいはチャージャー型のものなどが使用されることもある。
【0046】
露光ユニット1には、図2に示すようにレーザ照射部および反射ミラーを備えた、レーザスキャニングユニット(LSU)を用いる手法のほかに、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法もある。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0047】
各現像装置2は、各感光体ドラム3上に形成された静電潜像をK,C,M,Yのトナーにより顕像化するものである。クリーナユニット4は、現像および画像転写工程後に感光体ドラム3の表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
【0048】
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。この中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0049】
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンションローラ73等は、中間転写ベルト7を張架し、矢印B方向に回転駆動させるものである。
【0050】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。この中間転写ローラ6は、感光休ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスを与えるものである。
【0051】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。この中間転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0052】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0053】
上述のように各感光体3上の静電潜像は各色相に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上において積層される。このように、積層されたトナー像は中間転写ベルト7の回転によって、搬送されて来た用紙と中間転写ベルト7との接触位置に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11は所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
【0054】
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属等の硬質材料からなり、他方は弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)からなる。
【0055】
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、および中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナ一の混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられている。このクリーニングブレードが接触する部分の中間転写ベルト7は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
【0056】
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート、例えば記録用紙を蓄積しておくためのものであり、画像形成部および露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置Aの上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
【0057】
また、画像形成装置Aには、給紙トレイ10のシートおよび手差しトレイ20のシートを転写部11や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に送るためのシート搬送路Sが設けられている。このシート搬送路Sにおける給紙トレイ10から排紙トレイ15までの部分には、ピックアップローラ16、レジストローラ14、転写ローラ11を備えた転写部、定着ユニット12および搬送ローラ25等が配されている。
【0058】
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚づつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
【0059】
定着ユニット12は、ヒートローラ31および加圧ローラ32等を備え、これらヒートローラ31および加圧ローラ32はシートを挟んで回転する。ヒートローラ31は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ31を制御する。ヒートローラ31は、加圧ローラ33とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融・混合・圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)を定着後のシートは、複数の搬送ローラ25によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態)にて、排紙トレイ15上に排出される。
【0060】
次に、各部での処理を含み、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。画像形成装置Aには、上記のように、予めシートを収容する給紙トレイ(給紙カセット)10、および少数枚の印字を行う場合等に使用される手差しトレイ20が配置されている。これら両者には各々前記ピックアップローラ16(16−1,16−2)が配置され、これらピックアップローラ16はシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する。
【0061】
(片面印字の場合)
給紙カセット10から搬送されるシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25−1によってレジストローラ14まで搬送され、このレジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とを整合するタイミングで転写部に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25−2を経て排紙ローラ25−3から排紙トレイ15上に排出される。
【0062】
また、手差し給紙トレイ20から搬送されるシートは、複数の搬送ローラ25(25−6,25−5,25−4)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降は給紙カセット10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
【0063】
(両面印字の場合)
上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、後端が排紙ローラ25−3にてチャックされる。次に、シートは、搬送ローラ25−3が逆回転することによって搬送ローラ25−7,25−8に導かれ、レジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
【0064】
(トナー供給装置の構成)
図2において、現像装置2の上には排出パイプ300が設けられ、この排出パイプ300の上にはトナー補給装置100およびトナーボトル200が設けられている。現像装置2とトナーボトル200とはトナー補給装置100および排出パイプ300によって接続され、トナーボトル200が収容しているトナーは、トナー補給装置100および排出パイプ300を介して現像装置2に供給されるようになっている。
【0065】
ここで、トナーボトル200、トナー補給装置100、排出パイプ300および現像装置2は、感光体ドラム上にトナーを供給するためのトナー供給装置を構成している。
【0066】
本実施形態において、現像装置2、排出パイプ300、トナー補給装置100およびトナーボトル200は、図18に示されるように、略コの字を形成する形に配置されている。このような配置は、図2に示すように、トナー補給装置100と現像装置2との間を中間転写ベルト7が移動するようになっていることによる。なお、本実施の形態において、現像装置2、排出パイプ300およびトナーボトル200は従来周知の構造および機能のものを使用可能である。
【0067】
(トナー補給装置の構成)
図3は、トナー補給装置100の概略の斜視図を示し、図4は、トナー補給装置100を鉛直方向上部から示した模式図である。トナー補給装置100は、容器本体101と、2本のコイルスプリング102・103と、モータ120と、各コイルスプリング102・103を支持するとともに、モータ120の回転力をコイルスプリング102・103に伝え、コイルスプリング102・103を回転させる支持部品104・105と、モータ120の回転力を支持部品104・105に伝えるための歯車113・114と、を備えている。
【0068】
以下では、歯車113・114が設置されている側の端部をフロント側の端部とし、他方の端部のリア側の端部とする。
【0069】
容器本体101は、細長い直方体であり、その上面がトナーボトル200の底面と密着される。容器本体101は、2本のコイルスプリング102・103を収容するものであり、該コイルスプリング102・103を収容可能とするために、その上面の一部が取り外し可能になっている。図3、4は、この上面の一部を取り外した状態を示している。
【0070】
さらに、容器本体101は、長手方向に沿った仕切り板108を有している。そして、容器本体101の内部は、仕切り板108により、2つのスペース(第1のコイルスプリング収容空間110、第2のコイルスプリング収容空間109)に区画されている。当該2つのコイルスプリング収容空間109・110の各々の大きさは、コイルスプリング102・103の各々のリア側の端部と容器本体101の内壁のリア側の側壁とが所定のクリアランス(例えば30mm)を有して、コイルスプリング102・103の各々が収容されるように設計されている。
【0071】
そして、各コイルスプリング収容空間109・110にコイルスプリング102・103の各々が収容される。すなわち、第1のコイルスプリング103と第2のコイルスプリング102とは、軸同士が互いに対向するように、並列に配置される。
【0072】
第1のコイルスプリング収容空間110では、第1のコイルスプリング103が回転することで、トナーがフロント側からリア側に(図4の矢印Gで示される方向に)、トナーが搬送される。一方、第2のコイルスプリング収容空間109では、第2のコイルスプリング102が回転することで、トナーがリア側からフロント側に(図4の矢印Hで示される方向に)、トナーが搬送される。すなわち、第1のコイルスプリング収容空間110におけるトナー搬送方向(矢印Gの方向)と、第2のコイルスプリング収容空間109におけるトナー搬送方向(矢印Hの方向)とは、逆方向である。
【0073】
第2のコイルスプリング収容空間109のトナーがブロッキングを起こし、第2のコイルスプリング102の回転でブロッキングがほぐされない時、第2のコイルスプリング102は、回転によりその全長が伸びる。しかしながら、本実施形態では、リア側にクリアランスを有しているので、このクリアランスで伸びを吸収する。そのため、第2のコイルスプリング102のリア側の端部が容器本体101の内壁のリア側の側壁で拘束され伸びにより第2のコイルスプリング102が跳ね上がるのを防止することができる。
【0074】
また、第1のコイルスプリング収容空間110における、トナー搬送方向の上流側(ここでは、フロント側)の端部の上面に、トナーボトル200からトナーの補給を受けるための補給口106が形成されている。
【0075】
一方、第2のコイルスプリング収容空間109における、トナー搬送方向の下流側(ここでは、フロント側)の端部の下面に、排出パイプ300と連結しているトナーの排出口107が形成されている。
【0076】
図5は、容器本体101をその長手方向に垂直な面で切ったときの断面図である。図5に示されるように、各コイルスプリング収容空間109・110の底面は、コイルスプリング102・103と同じ曲率の半円状となっている。これにより、コイルスプリング102・103と底面との間に、トナーが滞留するスペースがなくなり、トナーがスムーズに搬送される。
【0077】
また、各コイルスプリング収容空間109・110の内壁面、特に、重力によってコイルスプリング102・103が接触する底面には、耐磨耗材としてガラスビーズが練りこまれている。コイルスプリング収容空間109・110に収容されたコイルスプリング102・103の回転による磨耗を防止することができる。なお、耐磨耗材としては、ガラスビーズの他に、セラミックビーズ、金属ビーズなども用いることができる。
【0078】
本実施形態では、仕切り板108は、容器本体101の壁面から離間して形成されている。これにより、仕切り板108と、容器本体101のリア側の端部の壁面との間で、2つのコイルスプリング収容空間109・110を連絡するための第1のバイパス部111が形成される。同様に、仕切り板108と、容器本体101のフロント側の端部の壁面との間で、2つのコイルスプリング収容空間109・110を連絡するための第3のバイパス部115が形成される。さらに、仕切り板108には、補給口106ならびに排出口107と、第1のバイパス部111との間(ここでは、フロント側の端部から、容器本体101の長手方向の全長の約1/4の位置)において、2つのコイルスプリング収容空間109・110を連絡するための第2のバイパス部112が形成されている。
【0079】
そのため、容器本体101の上面に形成された補給口106から流入されたトナーは、第1のコイルスプリング収容空間110において、第1のコイルスプリング103の回転によって、図4の矢印Gの方向に搬送される。このとき、トナーの一部は、第2のバイパス部112を通って(ルートA)、第2のコイルスプリング収容空間109に移り、残りのトナーは、第1のバイパス部111を通って(ルートB)、第2のコイルスプリング収容空間109に移る。そして、第2のコイルスプリング収容空間109において、トナーは、第2のコイルスプリング102の回転によって、図4の矢印Hの方向に搬送され、排出口107から排出される。なお、排出口107から排出されなかったトナーは、第3のバイパス部115を通って、再度、第1のコイルスプリング収容空間110に移動する。
【0080】
このように、トナーは、トナー補給装置100において、その一部が第1のバイパス部111を通るルートBにより搬送され、残りが第2のバイパス部112を通るルートAにより搬送される。ルートBは、補給口106から排出口107からの距離が長く、充分に攪拌される。一方、図4に示されるように、ルートAは、ルートBに比べて、補給口106から排出口107までの距離が短いため、即座にトナーを排出することができるという効果を奏する。また、ルートAを通る場合でも、ルートBを通り、充分攪拌されたトナーとぶつかり、そこで混合攪拌されることとなり、トナーの凝集、帯電性、均一性などに問題がない。
【0081】
(コイルスプリングの形状)
図6は、トナー補給装置100に収納されるコイルスプリング102・103を示す図であり、(a)は斜視図を、(b)は軸を含む面できったときの断面図である。
【0082】
本実施形態のコイルスプリング102・103は、図6(a)に示されるように、その端部から見たとき、手前から奥に行くに従い、時計回りに旋回するようになっている。また、以下では、n回転だけ旋回したときのコイルスプリング102・103の軸方向の長さをn周期分のコイル長という。図6(a)には、1周期分のコイル長を示している。
【0083】
また、図6(a)に示されるように、コイルスプリング102・103の一方の端部は、後述する支持部品104・105に支持されるために、長さaだけ軸方向に平行になっている部分Cを有する。
【0084】
さらに、コイルスプリング102・103は、図6(b)に示されるように、その断面形状が長方形である。すなわち、コイルスプリング102・103の断面は、コイルスプリング102・103の軸に平行であり、当該コイルスプリング102・103の内側に位置する第1の辺131(長さb)と、コイルスプリング102・103の軸に平行であり、当該コイルスプリング102・103の外側に位置する第2の辺132(長さb)と、コイルスプリング102・103の軸に垂直な2つの第3の辺133a・133b(長さh:h>b)とからなる四角形である。なお、以下では、コイルスプリング102・103がトナー補給装置100に収容されたときに、フロント側となる第3の辺を符号133aとし、リア側となる第3の辺を符号133bとする。
【0085】
そのため、図7に示されるように、コイルスプリング102・103を軸方向からみたときのコイル外径Dは、コイル内径dに長さh×2を加えた値となる。これにより、コイルスプリング102・103は、回転したとき、トナーに対して軸方向に移動させる力を効率的に与えることができる。
【0086】
(支持部品の構造)
次に、第1のコイルスプリング収容空間110に収容される第1のコイルスプリング103のフロント側の端部を支持するとともに、該コイルスプリング103にモータ120からの回転力を伝えるための支持部品105について説明する。
【0087】
支持部品105は、第1のコイルスプリング103のフロント側の端部に取り付けられる。また、画像形成装置Aの中間転写ベルト7との配置関係から、第1のコイルスプリング103を回転するためのモータ120は、図3、4に示されるように、フロント側の端部に配置される。その結果、支持部品105は、補給口106の直下に存在することとなる。
【0088】
図8から13は、支持部品105を6方向からみたときの6面図である。なお、図12は、支持部品105がトナー補給装置100に装着されたときに、フロント側からみたときの図を示している。そして、図13は、支持部品105をリア側から見たときの図である。また、図8は、図12に示す矢印Kから見た正面図である。図9,10,11は、図8の状態から、矢印P(図8,12参照)の方向に、90度、180度、270度回転したときの状態を示す正面図である。
【0089】
図示されるように、支持部品105は、円柱部材51、円板52、端部挿入部材53、第1支持部材54、第2支持部材55、第3支持部材57、第4支持部材56、第1連結部材58、および、第2連結部材59からなり、これらの部材が一体に形成されている。
【0090】
そのため、支持部品105には、第2支持部材55、第1連結部材58、および、第2連結部材59で囲まれた開口部60が存在し、第1のコイルスプリング103の内側全体を占めることがなく、補給口106の下のスペースが広がり、トナーボトル200からのトナーの流入量が増やすことができる。
【0091】
なお、支持部品105は、硬化樹脂で製造されている。
【0092】
円柱部材51は、円柱状であり、一方の端部が円板52と接続されている。そして、図9、11に示されるように、他方の端部において、円柱の一部が切り取られた形状となっている。すなわち、図12に示されるように、その断面が、円形の弦と弧とで囲まれる部分が欠落した形状となっている。この形状は、モータ120の歯車と噛合う歯車114(図3参照)の中心に形成された切り取り部分の形状と同じである。そのため、円柱部材51は、その端部が歯車114の中心に嵌合され、モータ120が駆動されることで、円柱部材51の軸を中心に回転する。すなわち、円柱部材51において、円板52と接続している端部は、リア側に位置する端部であり、歯車114に嵌合される端部は、フロント側に位置する端部となる。
【0093】
円板52は、一方の面S1(フロント側の面)で円柱部材51と接合し、他方の面S2(リア側の面)で端部挿入部材53および第1支持部材54と接合する。すなわち、円板52は、円柱部材51と、端部挿入部材53と、第1支持部材54とを、互いの相対位置を定めるように連結するものである。円板52の軸と円柱部材51の軸とは一致しており、円柱部材51の回転とともに円板52も回転する。円板52の直径は、コイルスプリング103のコイル外径D(図7参照)と一致している。
【0094】
端部挿入部材53は、第1のコイルスプリング103の端部の部分C(図6(a)参照)を支持するものであり、台座部53aと、2つの壁部53b・53cとから構成される。
【0095】
台座部53aは、円板52に対して垂直に形成されている。台座部53aは、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じである)から最も離れた面S3が、円柱部材51の軸を中心軸とし、第1のコイルスプリング103のコイル内径dを直径とする(もしくは、内径dよりも僅かに小さい値を直径とする)円柱の面の一部を形成している。
【0096】
2つの壁部53b・53cは、台座部53aの面S3上に当該面S3に対して垂直に形成されており、面S3からの高さが第1のコイルスプリング103の断面の第3の辺133a・133bの長さh(図6(b)参照)と同じである。
【0097】
第1の壁部53bは、くの字状であり、円板52に対して垂直な第1領域53b−1と、円板52に対して傾斜している第2領域53b−2とを含む。第1領域53b−1は円板52と接続している。
【0098】
第2の壁部53cは、第1の壁部53bの第1領域53b−1と平行に形成されている。そして、円板52の面S2を基準面としたときの第2の壁部53cの高さは、第1のコイルスプリング103の端部の部分C(コイルスプリングの軸に平行な領域)の長さaと同じである。
【0099】
第1の壁部53bと第2の壁部53cとの間隔は、第1のコイルスプリング103の断面の第1の辺131および第2の辺132の長さbよりもわずかに大きい。これにより、第1の壁部53bと第2の壁部53cとの間に、第1のコイルスプリング103の端部の部分Cを差し込むことができる。すなわち、第1の壁部53bと第2の壁部53cと台座部53aとは、第1のコイルスプリング103の端部の部分Cが挿入される凹部(断面が凹状である)を形成している。
【0100】
図1は、図8に示す支持部品105に第1のコイルスプリング103が取り付けられたときの状態を示す図である。図示されるように、端部挿入部材53は、第1のコイルスプリング103の端部を支持することができる。
【0101】
ここで、台座部53aは、第1のコイルスプリング103の断面における、第1の辺131と接する。ここで、台座部53aにおける、第1の辺131と接する面S3は、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)から、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さ)だけ離れた位置に配置されている。これにより、第1のコイルスプリング103の軸を、円柱部材51の軸と一致させることができ、モータ120の回転力を効率的に第1のコイルスプリング103に伝えることができる。
【0102】
また、図示されるように、第1のコイルスプリング103は、第1の壁部53bと第2の壁部53cとの間に差し込まれた部分では、軸方向に平行であるが、それ以外では螺旋状になっている。そこで、第1のコイルスプリング103が支持部品105に取り付けられたとき、第1のコイルスプリング103における螺旋状が開始される箇所、すなわち、第2の壁部53cにおける円板52から最も離れた面を含み、円板52に平行な面を、以下では、螺旋開始面S4という。
【0103】
なお、図1に示されるように、第1の壁部53bの第2領域53b−2の円板52に対する傾斜は、第1のコイルスプリング103の螺旋形状に沿うように設計されている。
【0104】
第1支持部材54は、第1のコイルスプリング103を支持する部材の1つであり、細長い棒状部材54aと突起部54bとから構成されている。
棒状部材54aは、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)に平行(つまり、円板52に対して垂直)である。また、棒状部材54aは、円柱部材51の軸から、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2だけ(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さだけ)離れており、かつ、円柱部材51の軸に対して、図8〜12の矢印Pの逆方向に、端部挿入部材53から約90度回転した位置に配置される。そして、棒状部材54aは、その一端が円板52に接続され、他端が第1連結部材58に接続されている。なお、円板52のリア側の面S2を基準面としたときの棒状部材54aの高さは、該基準面に対する端部挿入部材53の高さに比べて高い。
【0105】
突起部54bは、棒状部材54a上に、第1のコイルスプリング103の1/4周期分のコイル長の長さだけ螺旋開始面S4から離れた位置に形成されている。また、突起部54bは、円柱部材51の軸から離れた方向に、棒状部材54aから突起している。そして、突起部54bは、第1のコイルスプリング103の端部の部分Cが端部挿入部材53に差し込まれたときに、当該第1のコイルスプリング103に対して、当該第1のコイルスプリング103の最端部から1/4回転だけ旋回した位置で接触する。これにより、突起部54bは、第1のコイルスプリング103の位置合せを行うとともに、第1のコイルスプリング103を支持する。
【0106】
図14は、図9に示す支持部品105に第1のコイルスプリング103が取り付けられたときの状態を示す図である。図示されるように、突起部54bは、第1のコイルスプリング103の円板52側(フロント側)の面に接するように形成されており、第1のコイルスプリング103の螺旋形状に合わせた傾斜面S5を有している。すなわち、この傾斜面S5は、第1のコイルスプリング103の断面における、フロント側の第3の辺133aと接する。これにより、突起部54bは、モータ120によって円板52が回転することにより、第1のコイルスプリング103に対して、回転力を伝える機能を有している。
【0107】
一方、棒状部材54aは、第1のコイルスプリング103の断面における、第1の辺131と接する。上述したように、棒状部材54aは、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)から、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さ)だけ離れた位置に配置されている。これにより、第1のコイルスプリング103の軸と、円柱部材51の軸と一致させることができる。
【0108】
第1連結部材58は、端部挿入部材53と、第1支持部材54と、第2支持部材55とを、互いの相対位置を固定するように連結するものであり、半楕円形状の板状である。上述したように、円板52を基準面としたときの棒状部材54aの高さは、端部挿入部材53の高さに比べて高い。そのため、第1連結部材58は、円板52に対して傾斜した傾斜面を有している。この傾斜面により、補給口106から落下したトナーがさらに下方に移動するため、補給口106におけるトナーの滞留を防止することができる。
【0109】
また、第1連結部材58は、円柱部材51の軸方向から見たとき、円柱部材51の軸を中心とした、第1のコイルスプリング103の内径dを直径とする(もしくは、内径dよりも僅かに小さい値を直径とする)半円状である。ただし、第1連結部材58は、第1のコイルスプリング103と接触しない位置に配置されている。
【0110】
第2支持部材55は、細長い棒状部材55aと突起部55bとから構成されている。
棒状部材55aは、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)に平行で(つまり、円板52に対して垂直)である。また、棒状部材55aは、円柱部材51の軸から、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2だけ(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さだけ)離れており、かつ、円柱部材51の軸に対して、図8〜12の矢印Pの逆方向に、第1支持部材54から約180度回転した位置に配置される。そして、棒状部材55aは、一端が第1連結部材58に、他端が第2連結部材59に接続されている。なお、円板52のリア側の面S2を基準面としたときの棒状部材55aの最も高い位置の高さは、該基準面に対する第1支持部材54の最も高い位置の高さに比べて高い。
【0111】
突起部55bは、棒状部材55a上に、第1のコイルスプリング103の3/4周期分のコイル長の長さだけ螺旋開始面S4から離れた位置に形成されている。また、突起部55bは、円柱部材51の軸から離れた方向に、棒状部材55aから突起している。そして、突起部55bは、第1のコイルスプリング103の端部の部分Cが端部挿入部材53に差し込まれたときに、当該第1のコイルスプリング103に対して、当該第1のコイルスプリング103の端部から3/4回転だけ旋回した位置で接触する。これにより、突起部55bは、第1のコイルスプリング103の位置合せを行う。すなわち、突起部55bは、第1のコイルスプリング103を支持する部材である。
【0112】
図16は、図11に示す支持部品105に第1のコイルスプリング103が取り付けられたときの状態を示す図である。図示されるように、突起部55bは、第1のコイルスプリング103の円板52側(フロント側)の面に接するように形成されており、第1のコイルスプリング103の螺旋形状に合わせた傾斜面S6を有している。すなわち、この傾斜面S6は、第1のコイルスプリング103の断面における、フロント側の第3の辺133aと接する。これにより、突起部55bは、モータ120によって円板52が回転することにより、第1のコイルスプリング103に対して、回転力を伝える機能を有している。
【0113】
一方、棒状部材55aは、第1のコイルスプリング103の断面における、第1の辺131と接する。上述したように、棒状部材55aは、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)から、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さ)だけ離れた位置に配置されている。これにより、第1のコイルスプリング103の軸を、円柱部材51の軸と一致させることができる。
【0114】
第2連結部材59は、第1支持部材54と、第2支持部材55とを、互いの相対位置を固定するように連結するものであり、半楕円形状の板状である。上述したように、円板52のリア側の面S2を基準面としたときの棒状部材55aの最も高い位置の高さは、該基準面に対する第1支持部材54の最も高い位置の高さに比べて高い。そのため、第2連結部材59は、円板52に対して傾斜した傾斜面を有している。この傾斜面により、補給口106から落下したトナーがさらに下方に移動するため、補給口106におけるトナーの滞留を防止することができる。
【0115】
また、第2連結部材59は、円柱部材51の軸方向から見たとき、円柱部材51の軸を中心とした、第1のコイルスプリング103の内径dを直径とする(もしくは、内径dよりも僅かに小さい値を直径とする)半円状である。ただし、第2連結部材59は、第1のコイルスプリング103と接触しない位置に配置されている。
【0116】
第4支持部材56は、板状であり、円柱部材51の軸に平行で(つまり、円板52に対して垂直)、かつ、円柱部材51の軸に対して、図8〜12の矢印Pの逆方向に、第2支持部材55から90度回転した位置に配置される。また、第4支持部材56において、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)から最も離れた辺と、当該円柱部材51の軸との距離は、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さ)である。第4支持部材56は、第2連結部材59に接続されている。そして、第4支持部材56は、第1のコイルスプリング103の1周期分のコイル長の長さだけ螺旋開始面S4から離れた位置において、第1のコイルスプリング103の内周面の一部と接触し、第1のコイルスプリング103の位置ずれを防止する機能を有する。
【0117】
すなわち、第4支持部材56は、第1のコイルスプリング103の断面における、第1の辺131と接する。上述したように、第4支持部材56において、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)から最も離れた辺と、当該円柱部材51の軸との距離は、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さ)であるため、第1のコイルスプリング103の軸を、円柱部材51の軸と一致させることができる。
【0118】
第3支持部材57は、細長い棒状部材57aと、2つの突起部57b・57cとから構成されている。
棒状部材57aは、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)に平行で(つまり、円板52に対して垂直)である。また、棒状部材57aは、円柱部材51の軸から第1のコイルスプリング103の内径dだけ離れており、かつ、円柱部材51の軸に対して、図8〜12の矢印Pの逆方向に、第4支持部材56から180度回転した位置に配置される。そして、棒状部材57aは、一端が第2連結部材59に接続されている。
【0119】
2つの突起部57b・57cは、棒状部材57a上に、第1のコイルスプリング103の約1.5周期分のコイル長の長さだけ螺旋開始面S4から離れた位置に形成されている。また、2つの突起部57b・57cは、円柱部材51の軸から離れた方向に、棒状部材57aから突起している。そして、突起部57b・57cは、第1のコイルスプリング103の最端部が端部挿入部材53に差し込まれたときに、当該第1のコイルスプリング103に対して、当該第1のコイルスプリング103の最端部から約1.5回転だけ旋回した位置で接触する。これにより、突起部57b・57cは、第1のコイルスプリング103の位置合せを行う。すなわち、突起部57b・57cは、第1のコイルスプリング103を支持する部材である。
【0120】
図15は、図10に示す支持部品105に第1のコイルスプリング103が取り付けられたときの状態を示す図である。図15に示されるように、一方の突起部57bは、第1のコイルスプリング103の円板52側(フロント側)の面に接するように形成されており、第1のコイルスプリング103の螺旋形状に合わせた傾斜面S7を有している。すなわち、この傾斜面S7は、第1のコイルスプリング103の断面における、フロント側の第3の辺133aと接する。これにより、突起部57bは、モータ120によって円板52が回転することにより、第1のコイルスプリング103に対して、回転力を伝える機能を有している。
【0121】
また、他方の突起部57cは、第1のコイルスプリング103の円板52側と反対側(リア側)の面に接するように形成されており、第1のコイルスプリング103の螺旋形状に合わせた傾斜面S8を有している。すなわち、この傾斜面S8は、第1のコイルスプリング103の断面における、リア側の第3の辺133bと接する。これにより、突起部57cは、第1のコイルスプリング103が伸びて、棒状部材57aから外れることを防止する機能を有している。
【0122】
一方、棒状部材57aは、第1のコイルスプリング103の断面における、第1の辺131と接する。上述したように、棒状部材57aは、円柱部材51の軸(円板52の軸と同じ)から、第1のコイルスプリング103の内径dの1/2(もしくは、内径dの1/2よりも僅かに小さい長さ)だけ離れた位置に配置されている。これにより、第1のコイルスプリング103の軸を、円柱部材51の軸と一致させることができる。
【0123】
(その他)
第2のコイルスプリング収容空間109に収容される第2のコイルスプリング102を支持するとともに、該コイルスプリング102にモータ120の回転力を伝えるための支持部品104は、支持部品105と同様の構成を有している。
【0124】
ただし、支持部品104の構成は、これに限定されるものではなく、従来の構成であってもよい。
【0125】
なお、第2のコイルスプリング102の支持部品104には、図17に示されるように、トナー補給装置100に組み込まれたときに、第2のコイルスプリング収容空間109の壁面に接触し、壁面上のトナーを掃き取るための樹脂フィルム(摺動部材)61が付けられていてもよい。図17に示されるように、樹脂フィルム61は、第1連結部材58に取り付けられている。上述したように、第1連結部材58は、第2のコイルスプリング102と接触しない。そのため、樹脂フィルム61は、第2のコイルスプリング102と重なることなく配置される。なお、樹脂フィルム61は、第2連結部材59に付けられていてもよい。
【0126】
樹脂フィルム61としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムあるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルムを使用することができる。
【0127】
樹脂フィルム61は、支持部品104が回転することにより、第2のコイルスプリング収容空間109における排出口107付近の壁面を摺り動くことで、トナーの滞留を防止することができ、排出口107からトナーを効率的に排出することができる。なお、樹脂フィルム61の代わりに、板状のゴムを用いてもよい。ただし、ゴムの場合、壁面との摩擦力が強いため、フィルムの方が好ましい。
【0128】
なお、樹脂フィルム61は、壁面上のトナーを掃き取るアジテータであるとも表現できる。また、樹脂フィルム61の形状は、図17に限定されるものではない。
【0129】
以上のように、支持部品105は、回転することでトナーを搬送する第1のコイルスプリング103を支持するとともに、モータ(駆動手段)120による回転力を第1のコイルスプリング103に伝えるためのものである。そして、支持部品105は、第1のコイルスプリング103の端部の部分C(図6(a)参照)が差し込まれる凹部を有する端部挿入部材53と、第1のコイルスプリング103の端部以外を複数の箇所の各々を支持する複数の支持部材54・55・56・57と、上記端部挿入部材53および上記複数の支持部材54・55・56・57を連結するための連結部材58・59とを備えることを特徴とする。
【0130】
例えば、上記複数の支持部材は、上記第1のコイルスプリング103の端部から1/4回転だけ旋回した箇所を支持する第1支持部材54、上記第1のコイルスプリング103の端部から1/2回転だけ旋回した箇所を支持する第2支持部材55、上記第1のコイルスプリング103の端部から1.5回転だけ旋回した箇所を支持する第3支持部材57を含む。
【0131】
そして、連結部材58・59は、端部挿入部材53および複数の支持部材54・55・56・57を連結する。これにより、端部挿入部材53および複数の支持部材54・55・56・57の相対位置が固定される。連結部材58・59は、端部挿入部材53および複数の支持部材54・55・56・57を連結すればよいため、必要最小限の形状であればよい。
【0132】
そのため、コイルスプリングの内側を占めるような従来の回転軸部材と比べて、コイルスプリングの内側にトナーが入りこむ隙間をつくることができる。そのため、支持部品105の上方にトナーの補給口106が位置したとしても、支持部品105がトナーの流入の妨げとなることがなく、従来に比べて、トナーの流入量を増やすことができる。
【0133】
また、支持部品105は、第1のコイルスプリング103の端部と、該端部以外の複数の箇所とを支持するため、モータ120などの駆動手段による回転力を第1のコイルスプリング103に効率的に伝えることができる。
【0134】
支持部品105は、第1のコイルスプリング103の軸が一定になるように、第1のコイルスプリング103に接することで第1のコイルスプリング103の位置決めを行う機能を有するものである。また、上述したように、端部挿入部材には、第1のコイルスプリング103の端部が差し込まれるだけである。その結果、第1のコイルスプリング103に対する支持部品105の取り付け/取り外しが容易となる。
【0135】
また、第1のコイルスプリング103の断面が、当該第1のコイルスプリング103の軸に平行であり、当該第1のコイルスプリング103の内側に位置する第1の辺131と、当該第1のコイルスプリング103の軸に平行であり、当該第1のコイルスプリング103の外側に位置する第2の辺132と、当該第1のコイルスプリング103の軸に垂直な2つの第3の辺133a・133bとからなる四角形である。そして、第1支持部材54、第2支持部材55および第3支持部材57は、第1のコイルスプリング103の第1の辺131および第3の辺133aに接する。
【0136】
上記の構成によれば、第1支持部材54、第2支持部材55および第3支持部材57は、第1のコイルスプリング103の第1の辺131に接することで、第1のコイルスプリング103の軸がずれることを防止することができる。また、第1支持部材54、第2支持部材55および第3支持部材57は、第1のコイルスプリング103の軸に垂直な第3の辺133aに接することで、モータ120の回転力を第1のコイルスプリング103に効率的に伝えることができる。
【0137】
すなわち、第1支持部材54、第2支持部材55および第3支持部材57は、第1のコイルスプリング103に対して、モータ120による回転力を伝える機能を有している。その結果、モータ120の回転力が第1のコイルスプリング103の一箇所に集中することがない。そのため、回転力の一点集中による疲労を防止することができるとともに、モータ120の回転力を第1のコイルスプリング103に効率的に伝えることができる。
【0138】
そして、本実施形態のトナー補給装置100は、トナーを収容するトナーボトル200からトナーを受け取るための補給口106と、当該トナーを現像装置2に排出するための排出口107とを有し、補給口106から排出口107へトナーを攪拌しながら搬送する装置である。そして、トナー補給装置100は、補給口106の下方に位置する支持部品105と、支持部品105を回転駆動させるためのモータ(駆動手段)120と、支持部品105によって支持されるとともに、支持部品105を介して伝えられたモータ120の回転力によって回転することにより、補給口106から補給されたトナーを排出口107の方向へ搬送する第1のコイルスプリング103とを備える。
【0139】
上記の構成によれば、補給口106の下方に位置する支持部品105は、第1のコイルスプリング103を複数箇所に支持するものであり、従来のように、コイルスプリングの内側を占めることがない。そのため、支持部品105が補給口106からのトナーの流入を妨げることがない。その結果、補給口106からのトナーの流入量を増やすことができる。
【0140】
さらに、トナー補給装置100は、第1のコイルスプリング103と軸同士が対向するように、当該第1のコイルスプリング103と並列に配置される第2のコイルスプリング102と、第1のコイルスプリング103と第2のコイルスプリング102との間に位置し、第1のコイルスプリング103を収容する第1のコイルスプリング収容空間(第1のスペース)110と第2のコイルスプリング102を収容する第2のコイルスプリング収容空間(第2のスペース)109とを区画するための仕切り板(仕切り部材)108とを備える。
【0141】
また、第1のコイルスプリング103が回転したときのトナーの搬送方向(図4の矢印Gの方向)と、第2のコイルスプリング102が回転したときのトナーの搬送方向(図4の矢印Hの方向)とが逆方向である。そして、補給口106が、第1のコイルスプリング収容空間110における、トナーの搬送方向の上流側(フロント側)の端部の上面に形成されており、上記排出口107が、上記第2のスペースにおける、トナーの搬送方向の下流側(フロント側)の端部の下面に形成されている。
【0142】
また、仕切り板108には、(a)第1のコイルスプリング収容空間110における、トナーの搬送方向の下流側の端部と、第2のコイルスプリング収容空間109における、トナーの搬送方向の上流側の端部とを連絡するための第1のバイパス部111、および、(b)補給口106ならびに排出口107と、第1のバイパス部111との間の位置で、第1のコイルスプリング収容空間110と第2のコイルスプリング収容空間109とを連絡するための第2のバイパス部112、が形成されている。
【0143】
これにより、補給口106から補給されたトナーは、第1のコイルスプリング収容空間110において、第1のコイルスプリング103の回転により、上流側から下流側に搬送される。そして、第1のコイルスプリング収容空間110に存在するトナーは、第1のバイパス部111または第2のバイパス部112を通って、第2のコイルスプリング収容空間109に移動する。そして、第2のコイルスプリング収容空間109に移動したトナーは、第2のコイルスプリング収容空間109において、第2のコイルスプリング102の回転により、上流側から下流側に搬送され、排出口107へと到達し、排出パイプ300を介して現像装置2へ排出される。
【0144】
ここで、第2のバイパス部112を通る搬送路をルートAとし、第1のバイパス部111を通る搬送路をルートBとする。第1のバイパス部111は、上記第1のスペースにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部と、上記第2のスペースにおける、トナーの搬送方向の上流側の端部とを連絡するものである。そのため、ルートBは、補給口106から排出口107からの距離が長く、充分に攪拌される。
【0145】
一方、第2のバイパス部112は、上記補給口106ならびに上記排出口107と、上記第1のバイパス部111との間の位置にある。そのため、ルートAは、ルートBに比べて、補給口106から排出口107までの距離が短いため、即座にトナーを排出することができるという効果を奏する。また、ルートAを通る場合でも、ルートBを通ったトナーをぶつかり、そこで攪拌されることとなり、トナーの均一性に問題がない。
【0146】
以上から、上記の2つのバイパス部を備えることで、トナーの攪拌性を維持しながら、トナーを即座に供給できるという効果を奏する。
【0147】
また、トナー補給装置100は、コイルスプリング102・103と接する底面にガラスビーズ(耐磨耗材)が含まれている。コイルスプリング102・103と接する底面は、重力により、コイルスプリング102・103による摩擦力を受けやすい。しかしながら、上記の構成によれば、当該底面にガラスビーズが含まれているため、トナー補給装置100の破損を防止することができる。
【0148】
さらに、トナー補給装置100において、第2のコイルスプリング102における、トナーの搬送方向の下流側の端部の位置に、当該第2のコイルスプリング102を支持するとともに、当該コイルスプリング102に回転力を伝えるための支持部品(回転部材)104が接続されている。当該支持部品104には、当該支持部品104が回転することにより、第2のコイルスプリング収容空間109を形成する壁面上を摺動する樹脂フィルム(摺動部材)61が取り付けられている。
【0149】
第2のコイルスプリング102における、トナーの搬送方向の下流側の端部の位置の底面には、排出口107が形成されている。そのため、樹脂フィルム61は、排出口107付近で、2のコイルスプリング収容空間109・110を形成する壁面上を摺動する。これにより、排出口107付近のトナーの滞留を防止することができ、トナーの排出量を充分に確保できる。
【0150】
そして、本実施形態のトナー供給装置は、トナー補給装置100と、トナー補給装置100の上に装着され、補給口106を介して、トナー補給装置100にトナーを供給するトナーボトル200と、トナー補給装置100の排出口107と連結する排出パイプ300と、排出パイプ300の下に装着され、排出パイプ300を介して、トナー補給装置100からトナーの補給を受ける現像装置2とを備える。
【0151】
また、本実施形態の画像形成装置Aは、上記のトナー供給装置を備え、感光体とトナー供給装置とを含む各色カラートナーに応じた画像形成部が並設され、各画像形成部の感光体に形成されたトナー像が中間転写ベルト(中間転写体)7に転写され、この中間転写ベルト7上のトナー像が被記録材に転写される中間転写方式となっている。
【0152】
上記の構成によれば、画像形成装置Aの小型化に伴う配置および構造上の制限により、トナー補給装置100において、補給口106の直下に支持部品105が存在しても、トナー補給装置100へトナーがスムーズに流れ込むことができる。
【0153】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、トナーカートリッジ等のトナー補給装置から下方に設けられた現像装置に対し、トナー搬送装置を介してトナーを供給する構成を備えた画像形成装置、例えば複写機やプリンタ等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の実施の一形態に係る、コイルスプリングを支持している状態の支持部品を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の断面図である。
【図3】図2に示す画像形成装置が備えるトナー補給装置の斜視図である。
【図4】トナー補給装置の上面図である。
【図5】トナー補給装置の容器本体の断面図である。
【図6】トナー補給装置に収納されるコイルスプリングを示す図であり、(a)は斜視図を、(b)は断面図である。
【図7】コイルスプリングを軸方向から見たときの図である。
【図8】第1のコイルスプリングを支持する支持部品の正面図である。
【図9】図8の状態から、矢印Pの方向に90度回転したときの支持部品を示す正面図である。
【図10】図8の状態から、矢印Pの方向に180度回転したときの支持部品を示す正面図である。
【図11】図8の状態から、矢印Pの方向に270度回転したときの支持部品を示す正面図である。
【図12】トナー補給装置に装着されたときの、第1のコイルスプリングを支持する支持部品を、フロント側からみたときの図を示している。
【図13】トナー補給装置に装着されたときの、第1のコイルスプリングを支持する支持部品を、リア側からみたときの図を示している。
【図14】図9に示す支持部品において、コイルスプリングが取り付けられたときの状態を示す図である。
【図15】図10に示す支持部品において、コイルスプリングが取り付けられたときの状態を示す図である。
【図16】図11に示す支持部品において、コイルスプリングが取り付けられたときの状態を示す図である。
【図17】第2のコイルスプリングを支持する支持部品の変形例を示す図である。
【図18】トナーボトル、トナー補給装置、排出パイプ、現像装置の配置を示す図である。
【図19】本発明の比較例としてのトナー補給装置の上面図である。
【図20】コイルスプリングの端部における、コイルスプリングおよび従来の回転軸部材の断面図であり、(a)は、回転軸に平行な面で切ったときの断面図であり、(b)は、回転軸に垂直が面で切ったときの断面図である。
【符号の説明】
【0156】
A 画像形成装置
2(2a,2b,2c,2d) 現像装置
7 中間転写ベルト(中間転写体)
51 円柱部材
52 円板
53 端部挿入部材
54 第1支持部材
55 第2支持部材
56 第4支持部材
57 第3支持部材
58 第1連結部材
59 第2連結部材
61 樹脂フィルム(摺動部材)
100 トナー補給装置
102 第2のコイルスプリング
103 第1のコイルスプリング
104 支持部品(回転部品)
105 支持部品
106 補給口
107 排出口
108 仕切り板(仕切り部材)
109 第2のコイルスプリング収容空間(第2のスペース)
110 第1のコイルスプリング収容空間(第1のスペース)
111 第1のバイパス部
112 第2のバイパス部
120 モータ(駆動手段)
131 第1の辺
132 第2の辺
133a・133b 第3の辺
200 トナーボトル
300 排出パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することでトナーを搬送するコイルスプリングを支持するとともに、駆動手段による回転力を上記コイルスプリングに伝えるための支持部品であって、
上記コイルスプリングの端部が差し込まれる凹部を有する端部挿入部材と、
上記コイルスプリングの端部以外を複数の箇所の各々を支持する複数の支持部材と、
上記端部挿入部材および上記複数の支持部材を連結するための連結部材とを備えることを特徴とする支持部品。
【請求項2】
上記支持部品は、コイルスプリングの軸が一定になるように、コイルスプリングに接することでコイルスプリングの位置決めを行う機能を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の支持部品。
【請求項3】
上記コイルスプリングの断面が、当該コイルスプリングの軸に平行であり、当該コイルスプリングの内側に位置する第1の辺と、当該コイルスプリングの軸に平行であり、当該コイルスプリングの外側に位置する第2の辺と、当該コイルスプリングの軸に垂直な2つの第3の辺とからなる四角形であり、
上記支持部材は、上記コイルスプリングの上記第1の辺および上記第3の辺に接することを特徴とする請求項1に記載の支持部品。
【請求項4】
上記支持部材は、上記コイルスプリングに対して、上記駆動手段による回転力を伝える機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の支持部品。
【請求項5】
上記複数の支持部材は、上記コイルスプリングの端部から1/4回転だけ旋回した箇所を支持する第1の支持部材、上記コイルスプリングの端部から1/2回転だけ旋回した箇所を支持する第2の支持部材、上記コイルスプリングの端部から1.5回転だけ旋回した箇所を支持する第3の支持部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の支持部品。
【請求項6】
トナーを収容するトナーボトルからトナーを受け取るための補給口と、当該トナーを現像装置に排出するための排出口とを有し、上記補給口から上記排出口へトナーを攪拌しながら搬送するトナー補給装置であって、
上記補給口の下方に位置する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の支持部品と、
上記支持部品を回転駆動させるための駆動手段と、
上記支持部品によって支持されるとともに、上記支持部品を介して伝えられた上記駆動手段の回転力によって回転することにより、上記補給口から補給された上記トナーを上記排出口の方向へ搬送する第1のコイルスプリングとを備えることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項7】
上記第1のコイルスプリングと軸同士が対向するように、当該第1のコイルスプリングと並列に配置される第2のコイルスプリングと、
上記第1のコイルスプリングと上記第2のコイルスプリングとの間に位置し、上記第1のコイルスプリングを収容する第1のスペースと上記第2のコイルスプリングを収容する第2のスペースとを区画するための仕切り部材とを備え、
上記第1のコイルスプリングが回転したときのトナーの搬送方向と、上記第2のコイルスプリングが回転したときのトナーの搬送方向とが逆方向であり、
上記補給口が、上記第1のスペースにおける、トナーの搬送方向の上流側の端部の上面に形成されており、上記排出口が、上記第2のスペースにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部の下面に形成されており、
上記仕切り部材には、(a)上記第1のスペースにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部と、上記第2のスペースにおける、トナーの搬送方向の上流側の端部とを連絡するための第1のバイパス部、および、(b)上記補給口ならびに上記排出口と、上記第1のバイパス部との間の位置で、上記第1のスペースと上記第2のスペースとを連絡するための第2のバイパス部、が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のトナー補給装置。
【請求項8】
上記コイルスプリングと接する底面に耐磨耗材が含まれることを特徴とする請求項6または7に記載のトナー補給装置。
【請求項9】
上記第2のコイルスプリングにおける、トナーの搬送方向の下流側の端部の位置に、当該第2のコイルスプリングを支持するとともに、当該コイルスプリングに回転力を伝えるための回転部材が接続されており、
上記回転部材には、当該回転部材が回転することにより、上記第2のスペースを形成する壁面上を摺動する摺動部材が取り付けられることを特徴とする請求項7に記載のトナー補給装置。
【請求項10】
請求項6から9の何れか1項に記載のトナー補給装置と、
上記トナー補給装置の上に装着され、上記補給口を介して、上記トナー補給装置にトナーを供給するトナーボトルと、
上記トナー補給装置の上記排出口と連結する排出パイプと、
上記排出パイプの下に装着され、上記排出パイプを介して、上記トナー補給装置からトナーの補給を受ける現像装置とを備えていることを特徴とするトナー供給装置。
【請求項11】
請求項10に記載のトナー供給装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
感光体と前記トナー供給装置とを含む各色カラートナーに応じた画像形成部が並設され、各画像形成部の感光体に形成されたトナー像が中間転写体に転写され、この中間転写体上のトナー像が被記録材に転写される中間転写方式となっていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−256393(P2007−256393A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77796(P2006−77796)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】