説明

改良ナビゲーションシステム

処理手段、グラフィカルディスプレイ、メモリ、前記メモリに格納された地図データ、ユーザ入力手段、及び、前記プロセッサがシステムの現在場所を判定するため、及び、ユーザが所望の目的地情報を入力する手段によって1以上の無線信号を受信する信号受信手段とを有するポータブルナビゲーション装置(PND)であって、ここで、前記場所の判定、ルート算出、ナビゲーション機能は装置にインストールしたソフトウェアにより実行されるPNDを開示する。この装置は、前記前記メモリに1以上の燃料関連パラメータをも記憶させ、当該前記ルート算出機能は前記1以上のパラメータを用い、特定の算出されたルートの燃料費を表わすデータを返し、前記PNDは以下の1つに関するデータを表示させる。(i)前記算出ルートに沿った移動前、移動中、移動後の前記算出ルートに沿った車両により使用される理論上の算出した燃料の容積量。(ii)前記算出ルートに沿った移動前、移動中、移動後の前記算出ルートに沿った車両により使用される燃料による理論上の金銭コスト。(iii)複数の利用可能な算出ルートの中から、各算出ルートの相対燃料コストの理由による最適化で選ばれた最適算出ルート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理手段、グラフィカルディスプレイ、メモリ、そのメモリに格納された地図データ、及び、システムの現在位置を判定するプロセッサ手段により1以上の無線信号を受信する受信手段とを含むシステムのような、改良ナビゲーションシステムに関するものである。特に、この発明はこれら据えての特徴を含み、且つ、ローカルにインストールされたソフトウェアの制御の下で動作する改良型ポータブルナビゲーションデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポータブル及び一体型の双方とも、ナビゲーションシステムが良く知られるようになり、広く普及されるまでになってきている。特に、ユビキタスデバイスのように、ポータブルナビゲーションデバイス(PNDs)の導入の傾向は急速であり、自動車やモータバイクなどの燃料消費車両にほとんど利用されるようになってきている。
【0003】
米国特許第5742922号には、車両一体型ナビゲーションシステム及び燃費に従った自動車走向のルート選択方法が記載されているが、そのようなシステムは製造段階にて車両に組み込まれるものであり、それ故、ポータブルタイプではない。また、そのシステムには、目的地を選択する入力デバイス、衛星信号及び/又は交通状況に関する信号を受信するアンテナ、メモリ、及び、マイクロプロセッサなどのコントローラを有する。このコントローラは、現在の車両位置、現在の車両位置から目的地に向かう代替ルートを決定したり、ルートの標高情報や交通状況に従って代替ルートの中から、最小燃費の好ましいルートを選択することを行う。また、方法は、衛星から受信した信号に基づき現在の車両位置を決定するステップと、現在の車両位置から目的地のルートを決定するステップと、決定したルートの中から、システムに入力された燃費データ及び特定のルートの標高差に関する最小燃費となるルートを選択するステップとを有する。
【0004】
米国特許第6591185号には、車両ナビゲーションシステムにおける最適な燃料使用を判定する方法、及び、所望とする目的地に到達するのに不十分な燃料である場合に運転手に警告する警告システムが記載されている。更に、燃料の使用方法の算出する、目的地からの帰路に燃料補給所に到達するのに不十分な燃料である場合に運転手に警告する対策についても開示がある。特に、その特許が請求している方法は、車両ナビゲーションシステムにおける燃料使用方法を判定する方法であって、車両ナビゲーションシステムに目的地を入力するステップと、目的地に到達する第1のルートを算出するステップと、目的地に最寄りの燃料補給所を識別するステップと、車両が第1のルートで目的地に到達するのに使用する概算燃料+目的地に到達した後にその目的地に最寄りの燃料補給所に到達するのに使用する概算燃料を算出するステップと、車両が第1のルートで目的地に到達するのに使用する概算燃料+目的地に到達した後にその目的地に最寄りの燃料補給所に到達するのに使用される概算燃料と、車両に残っている燃料の残量とを比較するステップと、燃料の残量が、車両が第1のルートで目的地に到達するのに使用する概算燃料+目的地に到達した後にその目的地に最寄りの燃料補給所に到達するのに使用される概算燃料より少ない場合、目的地並びに目的の最寄りの燃料補給所に到達できないことを示すメッセージを表示するステップとを有する。
【0005】
上記の特許文献は車両一体型ナビゲーションシステムに関するものであり、ポータブルナビゲーションデバイス(PNDs)に関するものではない。PNDsは、基本的に、車両に一体に取り付けられるタイプと異なり、車両のサブシステムと通信するものでもなく、サブシステムからの如何なる情報をも導き出すことをしていないが、単にスタンドアローンデバイスであるものの、スタートアップ時や通常使用時にユーザから提供された特定の情報にから多くの機能を提供するものと言える。特に最近のPNDsは、異なるタイプの無線信号をを受信することにより、そのデバイスの現在のグローバル位置を決定する手段による情報提供するだけでなく、特定のルートに沿った交通渋滞の表示を提供することもできる。このような情報提供手段により、交通渋滞している箇所を避け、潜在的に運転手の望んでいる目的地に到達するまでの時間を短縮すること、及び/又は、長い間同じ姿勢でいることに起因するフラストレーションを小さくことで運転経験によるストレスを軽減をさせる。
【0006】
例えば、US特許第6711498号には、車両、特に自動車用ナビゲーションシステムの操作方法を記載している。このシステムでは、その車両の位置、デジタル的に記憶された地図、及び、目的地の場所に基づき、演算回路において移動ルート(travel route)が算出され、それを音声及び/又は視覚メッセージとして運転手に利用可能にさせるものである。ここで、レシーバユニットを介して、その移動ルートに関する交通情報が取得され、予め設定した障害要因イベントの重み要因Gf、交通障害となる長さLsを利用して現在の移動ルートによる移動時間tを算出する。また、代替ルートに対する移動時間taも同様に算出する。もし、代替ルートの移動時間taが現在の移動時間tよりも短い場合、そのことを運転手に示す。ここで重み要因Gfを補正値Kが、交通障害の長さLsに基づき確定され、補正された重み要因Gkは補正値Kwの関数として確定され、新移動時間tを算出するために用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、PNDsにおいて、より強化されたルート算出及び再算出を行うことを目的とし、デバイスが設置される車両のパフォーマンスに関する情報を取込んだルート算出により、より強化された情報の供給を行うものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の構成のPNDを提供する。すなわち、処理手段、グラフィカルディスプレイ、メモリ、前記メモリに格納された地図データ、ユーザ入力手段、及び、前記プロセッサがシステムの現在場所を判定するため、及び、ユーザが所望の目的地情報を入力する手段によって1以上の無線信号を受信する信号受信手段とを有するPNDであって、ここで、前記場所の判定、ルート算出、ナビゲーション機能は装置にインストールしたソフトウェアにより実行される、
前記メモリは、1以上の燃料関連パラメータを記憶し、
当該前記ルート算出機能は、前記1以上のパラメータを用い、特定の算出されたルートの燃料費を表わすデータを返し、
前記PNDは以下の1つに関するデータを表示する、
・前記算出ルートに沿った移動前、移動中、移動後の前記算出ルートに沿った車両により使用される理論上の算出した燃料の容積量、
・前記算出ルートに沿った移動前、移動中、移動後の前記算出ルートに沿った車両により使用される燃料による理論上の金銭的コスト、
・複数の利用可能な算出ルートの中から、各算出ルートの相対燃料コストの理由による最適化で選ばれた最適算出ルート。
【0009】
ここで好ましくは、上記の1以上の燃料関連パラメータは、好ましくはそのデバイスのスタートアップ時、装置のユーザにより入力される。また、入力されるデータは、実際の燃料量及び/又はコストの形式であり、もっとも良いタイミングは車両の燃料を満タンにした直後である。
【0010】
代替或いは更なる実施形態では、ルート計算及び再計算に使用される1以上の燃料使用パラメータはユーザが入力した情報から導出されるものであり、実際の燃料量、それに関するコスト、1以上の地理的領域に依存する平均燃料消費量、道路もしくは地域、もしくはこれらのデータの組み合わせが入力される。例えば、ユーザ入力情報は平均市街地の燃費、平均高速道路の燃費(潜在的もしくは実際の交通渋滞のために調整に必要とされる)、非購読道都の平均燃費、リッタ当たりの燃料コスト、ガソリンタンクの実際の容積又は補充作業などを行う前のタンクに加えられるガソリン量である。
【0011】
しかし、基本的に、PNDは、その燃料コストに関して算出される様々なルートの区別が実現できるように、「相対的」な燃料コストを導出、算出又は表示するために十分な情報を要求する。
【0012】
最も好ましい実施形態によれば、PNDは、燃料消費及びユーザが燃料量やコスト情報を継続して入力する場合の時間コストの平均値を保持することで、メモリに記憶された1以上の燃料使用に依存するパラメータを更新できることである。かかる平均値は、ユーザにとるデータ入力間隔において、1以上の移動ルートの距離の合計やそのルートに費やす時間を包含する。
【0013】
更に好適な実施形態では、本装置が、地図データ内の記憶された注目点の燃料店の付近で所定時間だけ、その装置に変化がないとき、ユーザに燃料に関するデータ入力を促すことである。
【0014】
好適な実施形態では、PNDは、1以上の国及び1以上の燃料プロバイダにおける現在の燃料価格に関する情報を含んだ無線送信されたデータを受信できることである。
【0015】
従って、PNDの機能性は、最も早い、最も距離が短い、最も継続し及び交通の影響を受けないなどの最適なルートを提示する他の装置と同様、もっとも燃料効率の良いルートをユーザに示すよう機能強化させることである。更に、PNDは行路にかかる、金銭面及び燃料容積面の両方の、おおよそのコストをユーザに示す情報を提供できることである。後者は、ルート計算をその基礎にして、運転手に、PNDに入力した目的地に到達するには現在の十分な燃料を持っていないなどのアドバイスするのに好都合と言える。この場合、PNDは、更に、提案/算出したルートに沿った1以上の給油所の場所をハイライト表示しても良い。この場合の給油所は、理想的には、PNDに通知した見積もられた燃料が切れる以前に、前記ルートに沿った場所に存在するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】全地球測位システム(GPS)の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態のナビゲーション装置の電子構成要素の一例を示すブロック図である。
【図3】ナビゲーションデバイスがワイヤレス通信チャネル上で情報受信するためのブロック図である。
【図4A】、
【図4B】実施形態のナビゲーションデバイスの実装した様を示す図である。
【図5】付加的ルーチンを含む、本発明の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す図である。そのようなシステムは周知であり、種々の目的に使用される。一般に、GPSは、連続的な位置、速度、時間及びいくつかの例においては方向情報を無数のユーザに対して判定できる衛星無線ナビゲーションシステムである。
【0018】
以前はNAVSTARとして周知であったGPSは、極めて正確な軌道で地球と共に動作する複数の衛星を使用する。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は、それらの場所を任意の数の受信装置に中継できる。
【0019】
GPSデータを受信する能力を特別に備える装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0020】
図1に示すように、GPSシステム全体を参照番号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期であることが多い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するように示される。
【0021】
各衛星120から連続的に送信されるスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成される非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機140が、GPS受信機140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。更なる信号を取得すると、全部で4つの衛星120から信号160を取得する結果となり、これによってGPS受信機140は、その3次元位置を周知の方法で計算できる。
【0022】
図2は、ナビゲーション装置200の電子構成要素の一例をブロック構成要素の形式で示すブロック図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0023】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に位置付けられる。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。入力装置220及び表示画面240は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面240の一部分に接触するだけでよい。
【0024】
更に、他の種類の出力装置250は可聴出力装置を含むことができるが、これに限定されない。出力装置241がナビゲーション装置200のユーザに対して可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができると理解される。
【0025】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置240に動作可能に接続され且つ入力装置240から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、表示画面240及び出力装置241のうちの少なくとも一方に出力接続245を介して動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。外部I/O装置270は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばハンズフリー動作及び/又は音声起動動作のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えば移動電話への接続のためのカーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続となる。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するため及び/又はインターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0026】
ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば、周知のBluetooth技術を介するデジタル接続)を確立する移動装置400(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる任意の装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続を確立してもよい。従って、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置400は、サーバ302とのネットワーク接続を(例えば、インターネットを介して)確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車載走行時に移動可能であり且つ多くの場合移動している)とサーバ302との間に確立される。
【0027】
例えばインターネット410を使用して、移動装置400(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間にネットワーク接続を確立することは、周知の方法で行われる。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。移動装置400は、CDMA、GSM、WAN等の任意の数の通信規格を利用できる。
【0028】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば、移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は、通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われる。
【0029】
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置400とのデータ接続を完成し、例えば既存のBluetooth技術を介して周知の方法でインターネット410及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完成する。この場合、例えばデータプロトコルは、GSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等の任意の数の規格を利用できる。
【0030】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含み、その場合、ナビゲーション装置200の内部アンテナが更に代わりに使用可能である)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ且つ/又は例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えばSubscriber Identity Mdule すなわちSIMカード )を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、任意の移動装置400の方法と同様の方法で、例えばインターネット410を介して、ナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0031】
GRPS電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth対応の装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新される。
【0032】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。参照番号250で示されるアンテナ及び受信機は、図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は、別個に位置付けられる構成要素であってもよく、アンテナは、例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0033】
更に、図2に示す電子構成要素が従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成が本発明の範囲内で考えられる。例えば、一実施形態において、図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信状態にあってもよい。従って、本発明のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0034】
更に、図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自動車又は船舶等の電動車両に周知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するために、ドッキング場所から取り外し可能である。
【0035】
図3は、本発明の実施形態の汎用通信チャネル318を介して通信するサーバ302及びナビゲーション装置200の一例を示すブロック図である。通信チャネル318を介する接続が本発明のサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信可能である(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0036】
サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。更に、プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200と情報の送受信を行うために、送信機308及び受信機310に動作可能に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び又は他の伝搬信号を含んでもよい。
【0037】
送信機308及び受信機310は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は、信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0038】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は、大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312は、サーバ302とは別個の装置であってもよく、サーバ302に組み込まれてもよい。
【0039】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、更に、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を含む。尚、これらの装置は、サーバ302以外の装置と通信するためにも使用される。更に、送信機320及び受信機322は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は、単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0040】
サーバメモリ306に格納されるソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々アルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0041】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0042】
通信チャネル318は、特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成される。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(rf)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は、例えば、ルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0043】
例えば、通信チャネル318は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に適応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に適応できる。
【0044】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、Global System for Mobile Communications(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0045】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に位置付けられるネットワークサーバを含んでもよい。
【0046】
サーバ302は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してナビゲーション装置200をサーバ302に接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0047】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、ユーザがナビゲーション装置200をサーバ302に接続する場合に周期的に更新されてもよく且つ/又は例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合に更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合においてはサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0048】
図2に示す様に、ナビゲーション装置200はプロセッサ210、入力装置220、表示画面240を有する。入力装置220及び表示画面240は、一体化した入力及び表示様のデバイスに統合する。例えばタッチパネルスクリーンに適応すると、情報(直接入力、メニュー選択など)の入力及び情報の表示の両方を可能にする。タッチ入力LCDのような画面は当業者には周知のものである。更に、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、更なる入力装置220及び/又は更なる出力装置241を有しても良い。
【0049】
図4A及び図4Bは、ナビゲーション装置200の斜視図を示している。図4Aに示すように、ナビゲーション装置200は、一体となった入力及び表示装置290(例えばタッチパネル画面)と図2の他の構成要素(内蔵GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム220などを含むがこれに限定されない)を含むユニットであっても良い。
【0050】
ナビゲーション装置200は、アーム292上に備え付けられても良い。このアーム292は、大きな吸着カップ294を用いて、車両のダッシュボード/窓/等に固定されても良い。このアーム292は、ナビゲーション装置200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。図4Bに示すように、ナビゲーション装置200は、例えば、アーム292に対してナビゲーション装置292をきちんと接続することで、ドッキングステーションのアーム292にドッキング若しくは接続することができる(これは単なる一例で、他に考え得るドッキングステーションへの接続の代替案は、本願の範疇内である)。図4Bにおける矢印で示すように、ナビゲーション装置200は、アーム292上で回転可能である。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するためには、例えば、ナビゲーションデバイス200上のボタンを押下すればよい(これは単なる一例で、他に考え得るドッキングステーションからの分離の代替案は、本願の範疇内である)。
【0051】
図5には、本発明のナビゲーション装置によって実行される様々なルーチンの実行を示すフローチャート500が示されている。1つの実施形態における装置は、工程502でスイッチONすると、スタートアップの直後に実行される他のチェックルーチン(不図示)に加えて、チェック工程504にて、装置が車両内の燃料レベルセンサと通信状態にあるかを判定する。この場合、燃料レベル情報の自動更新及び/又は格納工程506が分岐線508を介して実行される。また、そのようなセンサが無い場合、工程510にて何らかの燃料データの記憶されているかどうかのチェックが行われ、そのようなデータが無い場合、工程512にて、ユーザに、音声もしくは視覚的に、特定の燃料データを入力するように促す。ユーザによるそのような情報の入力があると、そのデータが再び工程506にて記憶される。本発明における使用される燃料情報の例は、自動車燃料の残量、平均燃費、燃料価格、及び、燃料タイプ、及び好みの燃料供給元である。勿論、そのようなルーチンはオプションでも良いし、代替ルーチンでユーザに燃料関連情報を入力させても構わない。ただし、いずれにしれも、発明は、少なくとも幾つかの基本となる燃料情報が本装置に利用できるようにすることが必要となる。
【0052】
続いて、このPNDsの従来の動作の追加として、可能な場合には現在の装置の場所が工程514にて算出される。或いは、最新の既知の場所を検索する。装置がナビゲーション機能を実行するのであれば、工程516にて、ユーザに所望とする目的地の入力を促しても良い。1以上の燃料関連データのインスタンスを含む様々な必須パラメータの入力があると、本装置は工程518にて、提案されたナビゲーションルートの算出を行う。この算出は、燃料関連データの幾つか又は全部を組み入れる幾つかの付加的演算を含み、以下のいずれか(場合によっては両方)を提供する。
1.現在のデバイスの場所にローカライズした通貨換算でのリッター換算での相対燃料費若しくは貨幣価値を伴う算出されたルートの表示(工程520)、or,
2.複数の可能なルートを、リスト形式又は他の区別可能な形式で表示する(工程522)。ここで区別された各ルートは相対燃料費を示す、もしくは、相対燃料費に応じて区別可能に表示される。
【0053】
例えば、ルート演算は、特定ルートにて使われそうな燃料量を、その長さ、例えば無線通信で受信した予測トラフィックレベル及び歴史的又は動的な現実の交通情報、そして、自動車道路(motorway)、高速道路、幹線道路(trunk and arterial roads)、主要道路、補助道路などの本装置が通過する道路の性質に依存して決定する付加的判定処理を含む。
【0054】
このように、装置内のメモリに、幾つかの燃料関連データを維持することで、本装置は以下のことを可能になる。
・その行程(trip)において何リットルを消費するのかを示す(運転を開始する前や運転中)。
・その行程に「値段」を付ける(運転を開始する前や、実際にかかった時間/距離に基づく行程の後)。これは、時間当たりの値段、リッタ当たりの値段、キロメータ当たりの値段に依存する計算式を演算することで得られる。ただし、オプション的には、これらは渋滞、道路情報の善し悪しを考慮して調整する。
・通常の算出で得られる、より早く或いは素早く到達するルートに代えて、最も低燃費で実現するルートの表示、選択を提案する。
【0055】
これらの便宜は、車両のガソリンタンクに残っている燃料量に関する特定の情報を使っても使わなくても、本発明によって提供できるものである。しかしながら平均ガソリン消費量の知識は必要である。それは、ユーザによる手操作又は静的に提供されるか、もしくは、ナビゲーションもしくは走向(ナビゲーションはしていないが、電源がONであり、その走行を監視しているものとする)を開始するよりも十分に早い前段階で、燃料量に関するデータが記憶されるというイベントが発生したとき、運転中のデバイスで動的に算出される。
【0056】
特に好適な実施形態では、本装置は、1以上の代替センサと通信できるか、或いは、車両の平均的な使用燃料及び又はパワーに関する情報を維持、及び/又は更新可能にすることである。必要なら運転行為を付加的に監視すれば、特定のルートの燃料コストの算出をその都度調整するようにできる。
【0057】
例えば、工程528にて、ユーザがルートを選択し、そのルートに沿ったナビゲーションを開始させると、本装置が工程530にて所定時間、同じ状態であるかどうかの定期チェックを行い、もしそうなら、工程532にて、地図情報525内の本装置の現在場所をチェックし、名の知られた燃料店が有る地図情報内の着目点(POI)と一致するかを判定する。この判定が是の場合、処理は分岐534に進み、枝536から工程512に進んで手操作によるデータ入力を促す、又は/及び、枝538から工程506に進んで、記憶された燃料情報の更新を行なわせる。勿論、本装置が例えば燃料情報を動的及び無線で受信しても良い。その場合のその情報は、例えば、燃料店の場所、その燃料店で扱っている燃料の種類、その燃料店に依託している燃料メーカを含む。
【0058】
以下に示す1つ或いはそれ以上の静的情報に加え:
・車両の燃料タンクの容積、
・装置が位置する場所に一致する特定の燃料店で購入する燃料コスト、
・購入した燃料の体積、
本装置は、特定のルートに沿って走行するものとして、平均燃料消費量の算出を行う。この際の情報は、定期的に更新され、燃料関連情報を必要とする後続する演算に使用される。このような手段により、平均燃料消費量の定期的な更新が、後々の利用のため、装置内に維持できるようになる。
【0059】
燃料関連情報の保持により更なる充実を図ることができる。例えば、燃料の残量、平均燃料消費量が与えられると、ナビゲーション装置は、
(a)(運転を開始する前であっても)対象とされ、算出したルートを完走するには十分な燃料がないことをユーザに警告する、
(b)ユーザの好み、例えば特定のブランドや特定の価格を提示する給油所による制限された利用可能な1以上の燃料店を介した経路プランを提示する、
(c)ナビゲーション装置が実行しているナビゲーションによる目的地に到達する以前に、近づきつつあるガソリン店が、(運転中の)ユーザにガソリンを得る最後のチャンス(迂回無しにガソリンを得る最後のチャンス)であること警告する。
【0060】
このような特徴は本願発明の更なる形態として見なされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理手段、グラフィカルディスプレイ、メモリ、前記メモリに格納された地図データ、ユーザ入力手段、及び、前記プロセッサがシステムの現在場所を判定するため、及び、ユーザが所望の目的地情報を入力する手段によって1以上の無線信号を受信する信号受信手段とを有するPNDであって、ここで、前記場所の判定、ルート算出、ナビゲーション機能は装置にインストールしたソフトウェアにより実行される、
前記メモリは、1以上の燃料関連パラメータをも記憶し、
当該前記ルート算出機能は前記1以上のパラメータを用い、特定の算出されたルートの燃料費を表わすデータを返し、
前記PNDは、以下の1つに関するデータを表示する、
・前記算出ルートに沿った移動前、移動中、移動後の前記算出ルートに沿った車両により使用される理論上の算出した燃料の容積量、
・前記算出ルートに沿った移動前、移動中、移動後の前記算出ルートに沿った車両により使用される燃料による理論上の金銭的コスト、
・複数の利用可能な算出ルートの中から、各算出ルートの相対燃料コストの理由による最適化で選ばれた最適算出ルート
を特徴とするPND。
【請求項2】
前記1以上の燃料関連パラメータは、PNDのユーザにより入力されることを特徴とする請求項1に記載のPND。
【請求項3】
前記1以上の燃料関連パラメータは、実際の燃料量、実際の燃料コスト、平均市街燃料消費量、平均高速燃料消費量の1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のPND。
【請求項4】
前記PND内の前記メモリにおける1以上の燃料関連パラメータは、ユーザが入力した情報から導出されることを特領とする請求項2及びそれを引用する請求項に記載のPND。
【請求項5】
ユーザ提供のデータを更なる入力に従って前記パラメータに対する1以上の平均化関数によってメモリに格納された前記1以上の燃料関連パラメータを更新可能であることを特徴とする請求項2及びそれを引用する請求項に記載のPND。
【請求項6】
前記PNDが、前記地図データ内で特定される着目点(POI)における燃料店と実質的に一致する地図上の場所にて、所定期間変化がないとき、燃料関連データの入力をユーザに促すことを特徴とする請求項1に記載のPND。
【請求項7】
1以上の国及び1以上の燃料プロバイダにおける現在の燃料価格に関する情報を含む送信データを無線で受信可能とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のPND。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のPNDを動作させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−515892(P2010−515892A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545074(P2009−545074)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008728
【国際公開番号】WO2008/083742
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】