説明

文書、及び表示装置を製造する方法

本発明は、文書、特に重要文書又はセキュリティ文書であって、該文書は表示装置100を備え、該表示装置は、データの再生のためにエネルギー供給を必要としない第1の駆動可能な表示素子102;146と、データの再生のためにエネルギー供給を必要とする第2の駆動可能な表示素子104;148とを備え、該文書は、同一のデータの再生のために第1の表示素子102、146及び第2の表示素子104、148を駆動する制御手段106を備える、文書に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを再生する表示装置を備える文書、特に重要文書及びセキュリティ文書と、このような表示装置を備える文書を製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術水準から、常にエネルギー供給を必要としなくても画像データを再生することができるディスプレイが既知である。このようなディスプレイは、再生される画像データが変化するときにのみ電気エネルギーを必要とする。該ディスプレイは例えば、例えば電気泳動ディスプレイのような双安定ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、回転要素ディスプレイ、強誘電ディスプレイ、エレクトロウェッティング効果に基づくディスプレイ、及び双安定LCDディスプレイ、例えばツイステッドネマチックLCDディスプレイ、スーパーツイステッドネマチックLCDディスプレイ、コレステリックLCDディスプレイ、又はネマチックLCDディスプレイである。該ディスプレイはさらに、これらのディスプレイ技術のうちの様々な技術を互いに組み合わせるハイブリッドディスプレイとすることもできる。
【0003】
さらに、当該技術水準からフレキシブル双安定ディスプレイが既知であり、該フレキシブル双安定ディスプレイはCitala社から市販されている。このようなディスプレイは特許文献1からも既知である。さらなる双安定電気泳動ディスプレイが、例えば特許文献2及び特許文献3から既知である。
【0004】
双安定ディスプレイは「電子ペーパーディスプレイ」(EPD)とも呼ばれる。
【0005】
このような双安定ディスプレイは一般的に、該双安定ディスプレイを明るい照明において非常に良く読み取ることができ、また、長時間にわたって同じままである画像データを再生するのにエネルギー供給が必要ないという利点を有する。このようなディスプレイの欠点は、該ディスプレイが照明が無ければ読み取り不可であり、また、カラー表現を実現可能にするのが困難であるということである。
【0006】
同様に、当該技術水準から、画像データの再生のためにエネルギー供給を必要とするディスプレイが既知である。該ディスプレイは、例えばLEDディスプレイ、特に無機LEDディスプレイ、有機LEDディスプレイ、又はハイブリッドLEDディスプレイのような発光型ディスプレイである。このようなディスプレイは、薄膜トランジスタ(TFT)、特に、例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、及び非特許文献4から既知であるような透明TFTに基づいて実現することができる。
【0007】
TFTを印刷技術を用いて直接施すことによって製造すること自体は、特許文献4から既知である。
【0008】
発光型ディスプレイは、例えば特許文献5及び特許文献6から既知であるような、エレクトロルミネセンス媒体に基づいて実現することもできる。
【0009】
発光型ディスプレイは、該発光型ディスプレイが照明無しで読み取り可能であり、また、カラー再生が容易に実現可能であるという利点を有する。欠点は、発光型ディスプレイは、再生される画像データが変化しないときでも画像データの再生のために常にエネルギーを必要とするということである。
【0010】
双安定ディスプレイも発光型ディスプレイも、セグメントディスプレイ、パッシブマトリクス、又はアクティブマトリクスとして形成することができる。これに関しては特許文献7を参照されたい。
【0011】
双安定ディスプレイも発光型ディスプレイも、それ自体は当該技術水準から既知であるように、反射型の実施の形態及び透明な実施の形態において製造可能である。
【0012】
出願時には公開されていない、同一出願人による特許出願である特許文献8から、表示装置を備える重要文書又はセキュリティ文書が既知であり、ここで、表示装置は、ユーザが認知的に捉えることができない機械可読光信号を出力するように形成されている。
【0013】
出願時には公開されていない、同一出願人による特許出願である特許文献9から、光送信器を備える文書が既知である。光送信器は、視覚的に知覚可能でないスペクトル領域内の機械可読光信号を出力するように形成されている表示装置として形成することができる。
【0014】
出願時には公開されていない、同一出願人による特許出願である特許文献10から、少なくとも2つの表示装置を備える重要文書又はセキュリティ文書が既知であり、ここで、これらの表示装置のうちの1つは、文書のインタフェースが外部エネルギー源から離れている場合にも情報を表示するように形成されている。
【0015】
ここで、上記の特許文献8、特許文献9、及び特許文献10の特許出願の開示内容は、その全体が同時に本願の開示内容となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0250534号
【特許文献2】国際公開第99/53371号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1 715 374号
【特許文献4】国際公開第03/098696号
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0079494号
【特許文献6】米国特許第6,091,194号
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0240603号
【特許文献8】独国特許出願第10 2006 031 422号
【特許文献9】独国特許出願第10 2007 002 385号
【特許文献10】独国特許出願第10 2006 030 406号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】P. Goerrn、P. Hoelzer、T. Riedl、W. Kowalsky、J. Wang、T. Weimann、P. Hinze、及びS. Kipp著「Stability of transparent zinc tin oxide transistors under bias stress」(Appl. Phys. Lett. 90, 063502 (2007))
【非特許文献2】Proceedings of SPIE - Volume 6486
【非特許文献3】Light-Emitting Diodes: Research, Manufacturing, and Applications Xl, Klaus P. Streubel, Heonsu Jeon, Editors, 64860F (Feb. 13, 2007)
【非特許文献4】Thin-film transistors with transparent amorphous zinc indium tin oxide channel layer, M. S. Grover et al, 2007, J. Phys. D: Appl. Phys. 40 1335-1338
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
これに対して本発明は、データを再生する改良された表示装置と、このような表示装置を備える文書、特に重要文書又はセキュリティ文書と、表示装置を製造する方法とを作成するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明が基づく課題はそれぞれ、独立特許請求項の特徴によって解決される。好ましい実施の形態は従属特許請求項において提示されている。
【0020】
本発明によれば、第1の駆動可能な表示素子及び第2の駆動可能な表示素子を備える、データのための一体化されている表示装置を備える文書が作成される。
【0021】
データは、本発明によれば、任意の視覚的に表すことが可能な情報コンテンツ、例えば、テキスト、暗号化されているか又は暗号化されていない英数字データ、写真、グラフィック表現、1Dバーコード、2Dバーコード、及び3Dバーコード、バイオメトリックデータ、暗号鍵等と解釈される。
【0022】
第1の表示素子は、データを持続的に再生するのにエネルギー供給を必要としない。第1の表示素子は、例えばいわゆる双安定表示素子であり、該双安定表示素子は、2つ以上の安定状態をとることができ、エネルギーの供給無しで長時間にわたってそれらの状態に留まる。エネルギーの供給は、表示されるデータの変化のためにのみ、すなわち、他の状態に切り替わるために又は1つの状態から別の状態に切り替わるためにのみ必要である。これに対して、第2の表示素子は、データを再生するのにエネルギー供給を必要とする。例えば、第2の表示素子は発光型表示素子である。
【0023】
表示装置は、同一のデータの再生のために第1の表示素子及び第2の表示素子を駆動する制御手段を有する。
【0024】
本発明の1つの実施の形態によれば、エネルギー供給が利用可能である限り、第1の表示素子及び第2の表示素子を用いて同一のデータが再生される。これは、例えば発光型表示素子に起因して、周囲照明が無くてもデータの再生が視覚的に知覚可能であるという利点を有する。特に、この再生はカラーで行うことができる。
【0025】
これに対して、このようなエネルギー供給が利用可能でない場合、データはもはや第2の表示素子によって再生されず、第1の表示素子のみによって依然として再生される。これは、エネルギー供給が利用可能でない場合でも、表示装置をユーザが視覚的に読み取ることができるという利点を有する。
【0026】
本発明の1つの実施の形態によれば、第1の表示素子は、双安定表示素子として、特に電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、回転要素表示素子、強誘電表示素子として、又はエレクトロウェッティング効果に基づいて形成されている。第1の表示素子は、双安定LCD表示素子として、例えばツイステッドネマチックLCD表示素子、スーパーツイステッドネマチックLCD表示素子、コレステリックLCD表示素子、又はネマチックLCD表示素子として形成することもできる。さらに、第1の表示素子は、これらの技術のうちの様々な技術を互いに組み合わせることができる。
【0027】
本発明の1つの実施の形態によれば、第1の表示素子は、ハイブリッドディスプレイ又はフレキシブルディスプレイ、特に米国特許出願公開第2006/0250534号から既知であると共にCitala社から市販されているようなフレキシブルディスプレイの一部である。
【0028】
本発明の1つの実施の形態によれば、第2の表示素子は、LED表示素子、特に無機LED表示素子、有機LED表示素子、又はハイブリッドLED表示素子である。第2の表示素子は、エレクトロルミネセンス媒体に基づいて実現することもできる。
【0029】
本発明の1つの実施の形態によれば、第2の表示素子は透明な有機LED素子として形成されている。
【0030】
本発明の1つの実施の形態によれば、表示装置は、第1の表示素子及び第2の表示素子をアドレス指定するためのアクティブマトリクスを有し、ここで、アクティブマトリクスは透明に形成されており、例えばTFTを備え、該TFTは酸化亜鉛スズ半導体又は酸化亜鉛インジウムスズ半導体に基づく。
【0031】
本発明の1つの実施の形態によれば、表示装置は、第1の駆動可能な表示素子を含む第1のディスプレイと、第2の駆動可能な表示素子を含む第2のディスプレイとを含む。第1のディスプレイ及び第2のディスプレイのうちの一方は反射型であり、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイのうちの他方は透明である。
【0032】
本発明の1つの実施の形態によれば、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイは重なり合って又は並んで配置されている。
【0033】
本発明の1つの実施の形態によれば、第1の表示素子及び第2の表示素子は、対になって、ずれを伴って又は伴わずに、重なり合って又は並んで配置されている。
【0034】
本発明の1つの実施の形態によれば、第1の表示素子及び第2の表示素子は表示セグメントであるか、又は第1の表示素子及び第2の表示素子はそれぞれマトリクス状に配置されている。
【0035】
本発明の1つの実施の形態によれば、第1の表示素子及び第2の表示素子は共通の制御電極を有する。これは、これによって表示装置を特に平らに実施することが実現可能であるという利点を有する。表示装置の製造において、第1の表示素子及び第2の表示素子の正確な付加的な位置合わせが不要であるというさらなる利点が存在する。これは、このような位置合わせが、製造プロセスによって、例えば制御電極を構造化すると共に、それに続いて、第2の表示素子を実現するためにさらなる層を施すことによって、必ず行われるためである。
【0036】
本発明の1つの実施の形態によれば、表示装置はアクティブマトリクスを有し、ここで、第1の表示素子及び第2の表示素子を対にして駆動する起動回路が設けられている。
【0037】
本発明の1つの実施の形態によれば、表示装置は多層構造を有し、ここで、アクティブマトリクス及び起動回路は1つ又は複数の層において実現されており、該1つ又は複数の層は第1の表示素子と第2の表示素子との間に存在する。これらの層は、薄膜技法又は印刷技法で直接施すことができる。アクティブマトリクス及び起動回路を実現するための層の厚さは最大5μm、特に最高2μmとすることができる。
【0038】
本発明の1つの実施の形態によれば、表示装置は、第1の表示素子及び第2の表示素子が重なり合って配置されている第1の領域と、第2の表示素子のみが存在している第2の領域とを有する。
【0039】
本発明の1つの実施の形態によれば、外部読み取り装置との通信のために、第2の領域内に存在する第2の表示素子を駆動する制御手段が形成されている。特に、第2の領域内の第2の表示素子は、読み取り装置との通信のために、認知的且つ/又は視覚的にユーザが知覚することができない信号を出力するように制御手段によって駆動することができる。
【0040】
本発明の実施の形態によれば、文書は例えば、例えばパスポート、身分証明書、運転免許証、社員証、又は別のID文書、資格証明書のような証明書、例えばクレジットカードのような支払手段等である。特に、文書は、紙ベース且つ若しくはプラスチックベースで又はチップカードとして形成することができる。
【0041】
本発明の1つの実施の形態によれば、文書は不揮発性電子記憶装置を有し、該不揮発性電子記憶装置内にデータが記憶されている。データは、例えば、文書の所持者に関する個人情報、顔画像、指紋データ、及び/又は他のバイオメトリックデータである。
【0042】
さらなる態様において、本発明は、表示装置を備える文書を製造する方法であって、少なくとも1つの第1の層を設けるステップであって、該第1の層は、データの再生のためにエネルギー供給を必要としない第1の駆動可能な表示素子を含む、設けるステップと、少なくも1つの第2の層を第1の層上に施すステップであって、該第2の層は起動回路を含む、施すステップと、少なくも1つの第3の層を第2の層上に施すステップであって、該第3の層は、データの再生のためにエネルギー供給を必要とする第2の駆動可能な表示素子を含み、起動回路は、第1の表示素子及び第2の表示素子を駆動するように形成されている、施すステップとを含み、表示装置は文書本体に一体化される、方法に関する。
【0043】
以下において、本発明の実施形態を図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による表示装置の1つの実施形態のブロック図である。
【図2】本発明による表示装置のさらなる実施形態の概略断面図である。
【図3】本発明による表示装置のさらなる実施形態の図である。
【図4】本発明による表示装置のさらなる実施形態の概略断面図である。
【図5】本発明による表示装置のさらなる実施形態の概略透視図である。
【図6】第1の表示素子及び第2の表示素子を対にして駆動する起動回路を備えるアクティブマトリクスの図である。
【図7】図6の起動回路に関する第1の実施形態の図である。
【図8】図6の起動回路に関する第2の実施形態の図である。
【図9】本発明による表示装置のさらなる実施形態の概略断面図である。
【図10】本発明による表示装置のさらなる実施形態の概略断面図である。
【図11】本発明による文書の実施形態のブロック図である。
【図12】関連する読み取り装置を伴う、本発明による文書のさらなる実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、後続の図面の互いに対応する要素は同じ参照符号を付される。
【0046】
図1は、第1のディスプレイ102と、ディスプレイ102上に配置されるディスプレイ104とを備える表示装置100を示す。ディスプレイ102は反射型であり、例えば、双安定の第1の表示素子を備えるEPDとして形成されている。ディスプレイ102及び104は好ましくは、それぞれによる同一のデータの再生が合同である(deckungsgleich: congruent)ように配置されている。
【0047】
ディスプレイ104は、例えばLEDディスプレイ、特に有機LEDディスプレイのような、透明な発光型ディスプレイとして形成されている。例えば、ディスプレイ104は透明なOLEDディスプレイとして形成することができる。特に、ディスプレイ104の第2の表示素子は透明なOLED画素とすることができる。ディスプレイ104はさらに、同様に透明なアクティブマトリクスを含むことができる。
【0048】
表示装置100は、データ108のための電子記憶装置を備える制御回路106を有する。制御回路106は、導線110を介してディスプレイ104の制御電極に、導線112を介してディスプレイ102の制御電極に接続されている。制御回路106は、双方のディスプレイ102及び104がそれぞれ導線110及び112を介して、同じデータ108を再生するように駆動されるように形成されている。表示装置102及び104の対向電極と、該対向電極の駆動導線とは簡単にするために図示していない。駆動導線110及び112は、好ましい1つの実施形態では合同である(zusammenfallen: coincide)。
【0049】
ディスプレイ102、104、及び制御回路106のためにエネルギー供給が利用可能である場合、好ましくは実質的に互いに合同であるディスプレイ102及び104を介して同一のデータ108が再生され、それによって、結果的に、観察者は視線方向114から、データ108が1つだけ再生されているような視覚的印象を受ける。
【0050】
ここで、例えばディスプレイ104はデータ108をカラー再生するように形成することができ、これに対して、ディスプレイ102はデータ108を白黒再生するように形成されており、それによって、カラー再生及び白黒再生が重なり合う。ディスプレイ104は発光型に形成されているため、データ108の再生は外部照明が無くても観察することができる。
【0051】
エネルギー供給が利用可能でない場合、制御回路106及びディスプレイ104の動作は停止し、それによって、制御回路106はディスプレイ102及び104をもはや駆動することができない。この場合、ディスプレイ104はデータを再生せず、これに対してディスプレイ102は引き続いてデータ108を再生する。したがって、ディスプレイ102、より詳細には該ディスプレイの表示素子は、制御回路106による前の駆動に基づいてとった、最後にとった状態に留まる。ディスプレイ104は透明であるため、ユーザは、ディスプレイ102上のデータの再生をディスプレイ104を通じて観察することができる。
【0052】
したがって、表示装置100は、双安定ディスプレイ102の利点と発光型ディスプレイ104の利点とを組み合わせるため、特に有利である。
【0053】
表示装置100によって文書を形成することができる。代替的には、表示装置100は文書本体に一体化されており、ここで、文書本体は紙及び/又はプラスチックから成ることができる。特に、文書本体は層構造を有することができる。
【0054】
図2は、このような表示装置100の層構造を示す。ここで考察される実施形態では、ディスプレイ102は層116、118、及び120によって実現されている。層116は基板であり、該基板上に層118の第1の駆動可能な表示素子が配置されている。該表示素子は例えばEPD表示素子とすることができる。層118上には層120が存在し、該層120は、層118の第1の表示素子のための制御電極を含む。
【0055】
ここで、第2のディスプレイ104は層122及び層124によって実現されている。層124は第2の表示素子を含み、該第2の表示素子は例えば透明なOLEDピクセルとして形成することができる。層122は、層124のOLEDピクセルのための制御電極を含む。層120と122との間には、1つ又は複数のさらなる層、特に、第1の表示素子及び第2の表示素子をそれぞれ、層120の制御電極及び層122の制御電極を介して駆動するための起動回路を実現するための層126が存在することができる。
【0056】
例えば、ディスプレイ102及び104はアクティブマトリクスディスプレイであり、ここで、図6を参照してさらに下記でより詳細に説明されるように、ディスプレイ102及び104の互いに対応する第1の表示素子及び第2の表示素子のために1つずつ起動回路が設けられている。
【0057】
層120、126、122、及び124は透明材料を用いて実現されており、それによって、それらの下にある層118が視線方向114から可視である。
【0058】
図3は表示装置100の代替の実施形態を示す。図1の実施形態とは異なり、ここでは、ディスプレイ102は視線方向114においてディスプレイ104の前方に配置されている。さらに、双安定ディスプレイ102は透明に形成されており、これに対して、発光型ディスプレイ104は反射型である。
【0059】
したがってエネルギー供給が利用可能である場合、ユーザはディスプレイ104の再生を透明なディスプレイ102を通じて観察し、ここで、ディスプレイ102及び104の再生は重なり合っている。これに対してエネルギー供給が利用可能でない場合、双安定ディスプレイ102は該ディスプレイの最後にとった状態に留まる。
【0060】
図4は対応する層構造を示し、ここでは、層116、118、120、126、及び122は透明に実施されており、それによって、ユーザは視線方向114から、層124の第2の表示素子によって生成される、データの再生を透明な層を通じて観察することができる。
【0061】
図5は、表示装置100の実施形態の概略透視図を示す。この実施形態では、ディスプレイ102及び104は、層128によって形成される共通の構造化制御電極を有する。層128上には層124が存在し、該層124はディスプレイ104の発光型表示素子を含む。該発光型表示素子は例えば透明なOLEDピクセルとすることができる。層124上には層130が存在し、該層130によってディスプレイ104の対向電極が形成される。層130は同様に透明である。
【0062】
層128の下には層118が存在し、該層118はディスプレイ102の表示素子を含む。該表示素子は例えば電気泳動表示素子とすることができる。層118の下には層134が存在し、該層134によってディスプレイ102の対向電極が形成される。この層134は反射型に形成することができる。
【0063】
したがって、図5に示される視線方向114から観察者は視覚的に、ディスプレイ102によって生成される再生もディスプレイ104によって生成される再生も観察することができ、これらの再生は互いに重なり合っている。ここで、層124及び118における表示素子は、視線方向114において例えば実質的に重なり合って配置されており、それによって、ディスプレイ102及び104によって生成される画像再生は全く又はほんのわずかしかずれを有しない。
【0064】
ここで、制御回路106は、ディスプレイ102及び104の個々の表示素子を駆動するために、列信号136及び行信号138を生成するように形成されている。列信号136及び行信号138は駆動回路140によって受信及び復号される。これに基づいて、駆動回路140は、制御電圧Vselectを生成し、それによって、層128の構造化制御電極を介して、データ108を再生するように表示素子を駆動する。ここで、セグメントディスプレイ又はパッシブマトリクスディスプレイ若しくはアクティブマトリクスディスプレイとしての1つの実施形態が可能である。
【0065】
駆動回路140を介して制御電圧Vselectを生成する他に、制御回路106は、層130及び134のそれぞれの対向電極にそれぞれの対向電圧を印加するのにも用いられる。これらの電圧は異なる大きさを有する可能性がある。これは特に、ディスプレイ102が、再生の変化が行われるべきときに、低い電流要件において相対的に高い電圧を一般的に必要とする電気泳動ディスプレイとして形成されており、且つ、ディスプレイ104が、比較的低い電圧要件、及びその代償としてより高い電流要件を一般的に有するOLEDディスプレイとして形成されている場合に該当する。導線142を介して制御回路106によって層130の対向電極に印加される電圧、及び、導線144を介して層134の対向電極に印加される電圧は、使用される表示素子のそれぞれの電圧要件に応じて選択される。
【0066】
図6は、アクティブマトリクスディスプレイとしての表示装置100の1つの実施形態の概略ブロック図を示す。表示装置は、重なり合って又は直接並んで配置される第1の表示素子146及び第2の駆動可能な表示素子148を含む。ここで考察される実施形態では、表示素子146はEPD表示素子として、表示素子148はOLED表示素子、特に透明なOLED表示素子として形成されている。表示素子146及び148はそれぞれ、対になるように互いに割り当てられている。
【0067】
それぞれ1つの表示素子146及び表示素子148から成る対153はマトリクス形式で配置されており、該マトリクスは行導線150及び列導線152を備え、それによって、表示素子146、148から成る各対153は駆動回路140(図5を参照されたい)によって駆動することができる。表示素子148、146から成る対153の駆動は、共通の起動回路154を介して行われ、該起動回路は、行導線150のうちの1本及び列導線152のうちの1本にそれぞれ接続されている。
【0068】
図7は、このような起動回路154に関する1つの実施形態を示す。図7による起動回路154の実施形態は、2つのトランジスタ156及び158を備える実施形態であり、これらのトランジスタは例えば、特にZTOベースのTFTとして形成することができる。起動回路154は、電荷を蓄積する蓄積コンデンサ160を有し、該蓄積コンデンサは動作電圧VDDに接続している。リフレッシュ間隔中に、起動回路154の表示素子146、148から成る対153が制御回路106(図1、図3、及び図5を参照されたい)によって選択され、それによって、電圧Vselectがトランジスタ156のゲートに印加され、それによって、該トランジスタがオンに切り替えられる。そして、蓄積コンデンサ160は、トランジスタ156に印加されたデータ信号Vdataに基づいて或る電圧値まで荷電され、該電圧値は、どのデータが再生されるかに応じて論理0又は論理1に対応する。
【0069】
図8は、1つのみのトランジスタ156を備える起動回路154の代替の実施形態を示す。図7の実施形態とは異なり、ここでは、蓄積コンデンサ160は動作電圧VDDには接続しておらず、制御電圧Vselectに対して相補的な制御電圧Vselect−1に接続している。
【0070】
図7及び図8の実施形態における起動回路154のトランジスタは、プロセス選択に従って「ボトムゲート」アーキテクチャ又は「トップゲート」アーキテクチャにおいて薄膜トランジスタとして構築することができる。
【0071】
図9は、表示装置100のさらなる実施形態の概略断面図を示す。この実施形態では、例えばEPDディスプレイとして形成されているディスプレイ102は支持基板としての役割を果たす。ディスプレイ102は基板162を有し、該基板上には、対向電極を備える層134、及び表示素子146を備える層118(図6、図7、及び図8を参照されたい)が存在する。層118上には、ディスプレイ102を封止する(Verkapselung: encapsulating:被覆する)層164が存在することができる。
【0072】
層118の表示素子146の駆動は、層128の制御電極を介して行われる。この制御電極は、起動回路154のトランジスタ156を駆動するのにも用いられる。該トランジスタは、ソース領域166、ドレイン領域168、及びそれらの間に存在する半導体領域170を有する。トランジスタ156はさらにゲート領域172を有し、該ゲート領域は、ゲート絶縁体174及び任意選択の中間層176を介してソース領域166及びドレイン領域168から電気的に絶縁されている。
【0073】
ここで、ドレイン領域168は制御電極に接触する。この接触に起因して、制御電極を介して、データ値を、図9には示されていない蓄積コンデンサ160(図7及び図8を参照されたい)に書き込むことができる。断面の別の場所(図9には示されていない)において、構造化制御電極はゲート領域172に接触し、それによって対応する駆動においてトランジスタ156がオンにされる。
【0074】
トランジスタ156を形成する層上には、OLED表示素子148を含む1つ又は複数の層124、及びパッシベーション層178が存在する。カソードを形成する層130上には、表示装置100を封止する層180が存在する。
【0075】
ディスプレイ102上に施される層のうちの1つ又は複数は、薄膜技術又は印刷技術において直接施すことができる。これによって、駆動の実現に必要な層が5μm未満、特に2μm未満の全厚を有することが可能である。これは、制御電子素子のための追加の基板を必要とすることなく、2つの異なるディスプレイ102、104を備える非常に薄い組み合わせディスプレイを作成することを可能にする。さらに、そうではない場合に必要となる追加の比較的厚い基板を通じた費用のかかる貫通接続プロセスはもはや行われない。
【0076】
図9の実施形態における表示装置の製造は、例えば以下のステップによって行うことができる。
1. 特にEPDディスプレイとして形成することができる表示装置102を支持体として提供する。
2. 層128の制御電極を実現するために金属被覆を施す。該層は、制御電極を作成するために構造化される。金属被覆及び構造化は、物理的気相成長(PVD)及びフォトリソグラフィ(FL)を用いて行うことができる。これに適した材料は例えば酸化インジウムスズ(ITO)である。これは、酸化インジウムスズが透明材料であるためである。
3. 中間層176を、スピンコーティング(SC)、シルクスクリーン(SD)、又は別の技法によって施すことができる。該中間層はFLを用いて構造化することができる。
4. ゲート領域172を、PVD及びFLによって、又はインク噴射(インクジェット)印刷(IJ)による直接構造化によって施すことができる。
5. ゲート絶縁体174を、SC、SD、又は別の技法によって施すことができる。該ゲート絶縁体はFLを用いて構造化することができる。
6. ソース領域166及びドレイン領域178、並びに制御電極との貫通接続を、IJ、SD、又は別の技法によって1つの層において施すことができる。
7. 半導体領域170を、IJ又は別の技法による直接構造化によって施すことができる。
8. 絶縁パッシベーション物178を、SC、SD、又は別の技法によって施すことができる。該パッシベーション物はFLを用いて構造化することができる。
9. OLED表示素子148を含む層124を、PVD、IJ、又は別の技法によって施すことができる。
10. 層130を、PVDによる金属被覆によって、且つ、実施形態に応じて必要な場合にFL又は別の技法によって製造することができる。
11. 層108を、表示装置100を封止するように、PVD、SC、SD、又は別の方法によって製造することができる。
【0077】
図10は、表示装置100のさらなる実施形態の表示素子146及び148から成る個々の対の概略断面図を示す。この実施形態では、表示素子146、158が対になって並んで配置されている。
【0078】
図11は、本発明による文書182の1つの実施形態を示す。文書182は、例えばID文書、パスポート、身分証明書、運転免許証、社員証、会員証、署名カード、支払手段、資格証明書等のような、重要文書又はセキュリティ文書とすることができる。文書182は文書本体を有し、該文書本体内に、表示装置100、回路106、及び/又はインタフェース190を一体化することができる。文書本体は、紙ベース且つ/若しくはプラスチックベースで、又はチップカードの形態で形成することができる。
【0079】
文書182は、本発明による表示装置100の1つの実施形態を含み、ここで、制御回路106は集積電子回路として実現されている。制御回路106は、データ108のための電子記憶装置184、プログラム命令188を実施するプロセッサ186、及び駆動回路140を有する。
【0080】
文書182はさらにインタフェース190を有し、該インタフェースは、非接触型インタフェース、接触型インタフェース、又はデュアルモードインタフェースとして形成することができる。特に、インタフェース190はRFIDインタフェースとして形成することができる。インタフェース190を介して、文書182及び特に回路106に電気エネルギーを供給することができる。供給が行われるとすぐに、プロセッサ186はプログラム命令188の実施を開始し、それによって、データ108が記憶装置184から読み取られる。
そして、駆動装置140が、データがディスプレイ102及び104(例えば図1及び図3を参照されたい)を介して再生されるように、プロセッサ186によって駆動される。エネルギー供給がもはや利用可能でなくなった後、ディスプレイ102は自身の最後にとった状態に留まり、それによって、該ディスプレイの再生も引き続き可視のままである。これは、文書のエネルギー供給のために読み取り装置が利用可能でない場合にも目視検査を行うことができるため、証明書の検査に特に有利である。
【0081】
図12は文書182のさらなる実施形態を示し、ここで、表示装置100は、データを再生するための第1の領域192、及び、読み取り装置196と光通信するための第2の領域194を有する。ここで、領域192は、図1〜図11の実施形態のうちの1つに従って形成することができる。これに対して、領域194においては、双方のディスプレイ102、104のうちの一方の表示素子、好ましくは発光型ディスプレイ104の表示素子148のみが存在する。
【0082】
電子記憶装置184内には例えば、例えば対称鍵又は非対称鍵対のような暗号鍵198が記憶されている。プログラム命令188は付加的に、暗号プロトコルの、文書182に関連するステップを実施するために形成されている。
【0083】
さらなる実施形態では、鍵198は永久的に記憶されているのではなく、1回のみの使用のために生成される。特に好ましくは、この生成された鍵198は、光通信198のためのディスプレイ素子を介して読み取り装置196に伝送され、該読み取り装置は、インタフェース200及び190を介する通信を暗号化するためにこれを使用する。
【0084】
読み取り装置196はインタフェース200を有し、該インタフェースはインタフェース190に対応する。インタフェース200を介して、読み取り装置196は、文書182にエネルギー供給するためにインタフェース190にエネルギーを結合する。読み取り装置196はさらに、プログラム命令204を実施するプロセッサ202を有する。プログラム命令204は、暗号プロトコルの、読み取り装置196に関連するステップを実施するために形成されている。読み取り装置196はさらに、表示装置100の領域194において放射される光信号を受信する光センサ206を利用可能である。
【0085】
読み取り装置196はさらにユーザインタフェース208を有し、該ユーザインタフェースは例えばディスプレイを含むことができる。
【0086】
動作中、電気エネルギーがインタフェース200から文書182のインタフェース190に、例えば電磁結合を介して接触を伴わずに供給される。この後、プログラム命令188の実施が開始される。
【0087】
プログラム命令188は、暗号プロトコルを完了させるために暗号鍵198にアクセスする。該暗号プロトコルは、例えばチャレンジ・レスポンスプロトコルとすることができる。これに必要な、読み取り装置196との通信は、表示装置100の領域194から光センサ206への光信号伝送を用いて行われる。
【0088】
暗号プロトコルの完了の結果として、プログラム命令204の実施が、文書182が本物であるという結果を有する場合、例えば制御信号をインタフェース200からインタフェース190に伝送することができる。この後、プログラム命令はデータ108を読み出し、領域192においてこれらのデータを再生するために駆動回路140を駆動する。該データは、例えば、異なる眺めからの顔画像、それに続く1つ又は複数の指紋の画像のような、保護を要するバイオメトリック情報を含むデータのシーケンスとすることもできる。
【0089】
文書182は、電気エネルギー供給のためのバッファ記憶装置を含むことができ、それによって、読み取り装置196によるエネルギー供給が途絶えたときに十分な電気エネルギーが文書182において利用可能であり、それによって、エネルギー供給が途絶えた後に、例えば顔画像のような、保護を要しない画像コンテンツを再生するためにディスプレイ102が駆動される。
【符号の説明】
【0090】
100 表示装置
102 ディスプレイ
104 ディスプレイ
106 制御回路
108 データ
110 導線
112 導線
114 視線方向
116 層
118 層
120 層
122 層
124 層
126 層
128 層
130 層
134 層
136 列信号
138 行信号
140 駆動回路
142 導線
144 導線
146 表示素子
148 表示素子
150 行導線
152 列導線
153 対
154 起動回路
156 トランジスタ
158 トランジスタ
160 蓄積コンデンサ
162 基板
164 層
166 ソース領域
168 ドレイン領域
170 半導体領域
172 ゲート領域
174 ゲート絶縁体
176 中間層
178 パッシベーション物
180 層
182 文書
184 記憶装置
186 プロセッサ
188 プログラム命令
190 インタフェース
192 領域
194 領域
196 読み取り装置
198 暗号鍵
200 インタフェース
202 プロセッサ
204 プログラム命令
206 センサ
208 ユーザインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書、特に重要文書又はセキュリティ文書であって、該文書は表示装置(100)を備え、該表示装置は、データの再生のためにエネルギー供給を必要としない第1の駆動可能な表示素子(102;146)と、前記データの再生のためにエネルギー供給を必要とする第2の駆動可能な表示素子(104;148)とを備え、該文書は、同一のデータの再生のために前記第1の表示素子及び前記第2の表示素子を駆動する制御手段(106)を備える、文書。
【請求項2】
前記第1の駆動可能な表示素子は双安定表示素子である、請求項1に記載の文書。
【請求項3】
前記第1の駆動可能な表示素子は、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、又は双安定LCD表示素子、特にツイステッドネマチックLCD表示素子、スーパーツイステッドネマチックLCD表示素子、コレステリックLCD表示素子、若しくはネマチックLCD表示素子であり、強誘電表示素子、及び/又はエレクトロウェッティング効果に基づく表示素子である、請求項1又は2に記載の文書。
【請求項4】
前記第1の駆動可能な表示素子は第1のディスプレイ(102)の一部であり、該第1のディスプレイは、ハイブリッドディスプレイとして、又は反射型フレキシブルディスプレイとして形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の文書。
【請求項5】
前記第2の駆動可能な表示素子は発光型表示素子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の文書。
【請求項6】
前記第2の表示素子は、LED表示素子、特に無機LED表示素子、有機LED表示素子、又はハイブリッドLED表示素子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の文書。
【請求項7】
前記第1の表示素子は第1のディスプレイ(102)に、前記第2の表示素子は第2のディスプレイ(104)に属し、該第1のディスプレイ及び該第2のディスプレイは重なり合って配置されており、該第1のディスプレイ及び該第2のディスプレイのうちの一方は反射型に形成されており、該第1のディスプレイ及び該第2のディスプレイのうちの他方は透明に形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の文書。
【請求項8】
前記第1の駆動可能な表示素子及び前記第2の駆動可能な表示素子は対になって並んで配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の文書。
【請求項9】
前記表示素子は表示セグメントである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の文書。
【請求項10】
前記表示素子は、マトリクス状にアクティブマトリクス方式又はパッシブマトリクス方式で配置されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の文書。
【請求項11】
前記第1の駆動可能な表示素子及び前記第2の駆動可能な表示素子は共通の制御電極(120;128)を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の文書。
【請求項12】
前記第1の駆動可能な表示素子及び前記第2の駆動可能な表示素子はアクティブマトリクス方式で配置されており、該アクティブマトリクスは、前記第1の駆動可能な表示素子及び前記第2の駆動可能な表示素子のそれぞれを駆動する起動回路(154)を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の文書。
【請求項13】
前記文書は層状構造を含み、該層状構造は、前記第1の駆動可能な表示素子を形成する少なくとも1つの第1の層(118)と、前記第2の駆動可能な表示素子を形成する少なくとも1つの第3の層(124)と、該第1の層及び該第3の層の間に配置される少なくとも1つの第2の層(126;154)とを含み、該第2の層によって前記起動回路が形成される、請求項12に記載の文書。
【請求項14】
前記層のうちの1つ又は複数は薄膜技法又は印刷技法で施されている、請求項13に記載の文書。
【請求項15】
前記第2の層は、全体で、最高5μm、好ましくは最高2μmの厚さを有する、請求項13又は14に記載の文書。
【請求項16】
前記第1の駆動可能な表示素子及び前記第2の駆動可能な表示素子は、前記表示装置の第1の領域(192)において重なり合って配置されており、前記表示装置の第2の領域(194)においては、前記第1の駆動可能な表示素子のみ又は前記第2の駆動可能な表示素子のみが存在している、請求項1〜15のいずれか一項に記載の文書。
【請求項17】
前記制御手段は、読み取り装置との光通信のために、前記第2の領域において存在している前記第1の駆動可能な表示素子又は前記第2の駆動可能な表示素子を駆動するように形成されている、請求項16に記載の文書。
【請求項18】
前記データは、顔画像、指紋の画像、別のバイオメトリック特徴の画像、及び/又は画像シーケンスである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の文書。
【請求項19】
表示装置を備える文書を製造する方法であって、
データの再生のためにエネルギー供給を必要としない第1の駆動可能な表示素子(146)を含む少なくとも1つの第1の層(118)を設けるステップと、
起動回路(154)を含む少なくも1つの第2の層(126)を前記第1の層上に施すステップと、
前記データの再生のためにエネルギー供給を必要とする第2の駆動可能な表示素子(148)を含み、前記起動回路は、結果的に得られる前記表示装置の前記第1の表示素子及び前記第2の表示素子を駆動するように形成されている少なくも1つの第3の層(124)を前記第2の層上に施すステップと、
前記表示装置を文書本体(182)に一体化するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記第2の層は制御電極(128;128)を含み、該制御電極は、前記第1の表示素子も前記第2の表示素子も駆動するように形成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記層のうちの1つ又は複数は薄膜技法又は印刷技法によって施される、請求項19又は20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−537226(P2010−537226A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520515(P2010−520515)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059135
【国際公開番号】WO2009/024409
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(599147447)ブンデスドルケライ ゲーエムベーハー (21)
【氏名又は名称原語表記】BUNDESDRUKEREI GMBH
【Fターム(参考)】