説明

文書処理装置、システム及びプログラム

【課題】文書に関する処理の実行を利用者単位で制限する。
【解決手段】或る文書(処理対象文書)について、画像読取印刷装置が提供する複写やファクシミリ送信、スキャン等のサービスの利用をユーザ単位で許可/制限したい場合、利用可能サービスの種別や課金の有無がユーザ毎に予め設定された制限情報をユーザ単位で読み込み((A)〜(D)参照)、必要に応じてサービス種別を変更したり、利用開始/終了(日)や課金開始/終了(日)を設定することで処理対象文書の制限情報を設定し、この制限情報を表すマーク(例えば2次元バーコード)を付加した処理対象文書を記録用紙に印刷する。当該文書の複写等のサービスの利用が特定ユーザによって指示されると、マークを読み取って制限情報を取得し、特定ユーザによる指示されたサービスの利用が制限情報上で許可されているか判定し、許可されている場合に指示されたサービスに対応する処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文書処理装置、文書処理システム及び文書処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書のセキュリティに関する技術として、特許文献1には、データサーバに蓄積されている文書の検索・参照のために、クライアント端末を介して検索文字列が指定された際し、指定された検索文字列がアクセス制限文字列の場合にはパスワードの指定を要求し、パスワードの指定が無い場合にはアクセス制限文字列を含む文書を検索結果として表示しないことで、アクセス制限文字列を含む文書の存在を隠蔽する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、文書データ、イメージデータ、音声データ、該イメージデータ及び該音声データの夫々に対応する文書データがデータサーバに保持されていると共に、アクセス制限文字列及び対応するパスワードが登録された管理テーブルがデータサーバに格納されており、全文検索サービスサーバは、データサーバ内のデータへのアクセスのためにクライアント端末より指定された文字列が、管理テーブルに登録されたアクセス制限文字列及び対応するパスワードを含まない場合、クライアント端末からの当該アクセス制限文字列を含むデータサーバ内のデータへのアクセスを禁止する技術が開示されている。
【0004】
更に、特許文献3には、ユーザの認証を行うと共に、所定の情報に基づいて、印刷ジョブを、文書の印刷及び/又は文書の蓄積に係る権限が制限されたゲストジョブとして扱うか否かを判定し、判定結果に基づいて、文書の印刷及び/又は文書の蓄積を実行する機能を印刷装置に設けることで、利用者制限に係るサービスと課金管理に係るサービスを効率的な提供を実現する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、機密部分が特定色で記載されたカラー原稿を画像読取部で読取った場合に、画像処理装置が操作部からパスワードなどの認証情報を受付け、受付けた認証情報と記憶部に記憶されているユーザ情報とを制御部で照合して認証し、認証が完了しなかった場合に、制御部から色制限部に特定色の出力中止指示を送り、色制限部は画像読取部から受付けた画像データの特定色部分を消去し、特定色部分が消去された画像データを画像形成部に送って記録用紙に印刷させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開平10−187542号公報
【特許文献2】特開平11−212918号公報
【特許文献3】特開2006−18654号公報
【特許文献4】特開2004−297758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、紙文書を配布する際に、文書毎にその文書の利用者毎の利用制限を設定するのが容易ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る文書処理装置は、処理対象文書に関する処理の実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する制限情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された制限情報を、光学的に読取可能な制限情報画像へ変換する変換手段と、前記処理対象文書を印刷した際に前記制限情報画像も印刷されるように、前記処理対象文書の情報に前記制限情報画像を埋め込む埋込手段と、を含んで構成されている。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記取得手段が取得する前記制限情報は、処理対象文書のカラー複写、処理対象文書のモノクロ複写、処理対象文書の読み取り、処理対象文書のファクシミリ送信等の前記処理対象文書に関する処理のうちの複数種の処理について、実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する情報であることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記取得手段によって取得された前記制限情報を、前記制限情報の内容の修正を指示する指示情報に応じて修正する修正手段を更に備えることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記処理対象文書への前記制限情報画像の埋め込みを指示した利用者を識別する埋込指示利用者識別手段を更に備え、前記修正手段は、前記埋込指示利用者認識手段によって識別された利用者が予め登録された利用者である場合に、前記指示情報に応じた前記制限情報の修正を行うことを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記修正手段は、前記指示情報により、処理対象文書に関する処理の実行に伴って課金処理を行うか否かを規定する課金指示情報の付加が指示された場合に、前記制限情報を修正する処理として、前記制限情報に前記課金指示情報を付加する処理を行うことを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の発明に係る文書処理システムは、処理対象文書に関する処理の実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する制限情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された制限情報を、光学的に読取可能な制限情報画像へ変換する変換手段と、前記処理対象文書を印刷した際に前記制限情報画像も印刷されるように、前記処理対象文書の情報に前記制限情報画像を埋め込む埋込手段と、前記埋込手段によって前記制限情報画像が埋め込まれた後に印刷された処理対象文書に関する処理の実行を指示した利用者を識別する利用者識別手段と、前記処理対象文書に印刷されている前記制限情報画像を光学的に読み取る読取手段と、前記利用者識別手段によって識別された利用者による前記指示された前記処理対象文書に関する処理の実行が、前記読取手段によって読み取られた前記制限情報画像が表す前記制限情報で許可されているか否か判定し、前記指示された処理の実行が許可されていない場合に、前記指示された処理の実行を制限する制御を行う制御手段と、を含んで構成されている。
【0013】
請求項7記載の発明に係る文書処理プログラムは、コンピュータを、処理対象文書に関する処理の実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する制限情報を取得する取得手段、前記取得手段によって取得された制限情報を、光学的に読取可能な制限情報画像へ変換する変換手段、及び、前記処理対象文書を印刷した際に前記制限情報画像も印刷されるように、前記処理対象文書の情報に前記制限情報画像を埋め込む埋込手段として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、請求項6及び請求項7記載の発明は、文書に関する処理の実行を許可又は制限することを利用者単位で制御させることを容易にする、という優れた効果を有する。
【0015】
請求項2記載の発明は、文書に関する処理の実行を利用者単位で許可又は制限することを、複数種の処理について各々別個に制御させることを容易にする、という効果を有する。
【0016】
請求項3記載の発明は、利用者が制限情報を所望の内容へ容易に修正することが可能となる、という効果を有する。
【0017】
請求項4記載の発明は、予め登録された利用者以外の利用者によって制限情報の内容が修正されることを防止できる、という効果を有する。
【0018】
請求項5記載の発明は、文書に関する処理の実行に対して課金を行うか否かを制御させることを容易にする、という効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には、本実施形態に係るコンピュータ・システム10の概略構成が示されている。コンピュータ・システム10は、LAN等から成るネットワーク12に、1台又は複数台の画像読取印刷装置14(図1には、画像読取印刷装置14が2台設けられた構成を示す)と、PC(Personal Computer:パーソナル・コンピュータ)等から成る複数台のクライアント端末26と、認証サーバ36が各々接続されて構成されている。
【0020】
画像読取印刷装置14は、例えば複写機としての機能、プリンタとしての機能及びファクシミリ装置としての機能を兼ね備えた装置で構成することができ、マイクロコンピュータ等から成りCPU16A、メモリ16B、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)16C、ネットワークI/F(インタフェース)部16D及び通信制御部16Eを内蔵した本体制御部16を備えている。また本体制御部16には、セットされた読取対象の文書(紙原稿)を光学的に読み取って読取画像データを出力する画像読取部18と、入力された印刷画像データが表す画像を記録用紙に印刷する印刷処理部20と、LCD等から成る表示手段としての表示部22A及びテンキーやタッチパネル等から成る入力手段としての操作部22Bが設けられた操作パネル22が各々接続されている。
【0021】
本体制御部16のネットワークI/F部16Dはネットワーク12に接続され、クライアント端末26や認証サーバ36とのネットワーク12経由での通信を司る。また、通信制御部16Eは公衆通信網(図示省略)に接続され、ファクシミリ装置としての機能を兼ね備えた他の機器との公衆通信網を介しての通信を司る。また本体制御部16のHDD16Cには、CPU16Aによって実行されるプログラムとして、画像読取印刷装置14の各部の動作を制御して利用者(ユーザ)に各種のサービス(例えば文書のカラー複写やモノクロ複写、ファクシミリ送信、スキャン(文書を読み取りデータを格納するサービス)、印刷等)を提供するための本体制御プログラムと、CPU16Aによって後述する情報付加処理を行うためのプログラム及びサービス利用制御処理を行うためのプログラムから成る情報付加/利用制御プログラムが各々インストールされている。なお、本実施形態ではコンピュータ・システム10を利用する個々の利用者(ユーザ)にユーザIDが予め各々付与されているが、HDD16Cには、コンピュータ・システム10の全てのユーザのユーザIDが登録されたユーザIDテーブルも登録されている。
【0022】
また、個々のクライアント端末26はCPU26A、メモリ26B、HDD26C、ネットワークI/F部26Dを備えており、ネットワークI/F部26Dを介してネットワーク12に接続されている。また、クライアント端末26には、ディスプレイ28、キーボード30及びマウス32が各々接続されている。また、クライアント端末26のHDD26Cには、OS(Operating System)のプログラムや各種のアプリケーションのプログラムがインストールされている(図示省略)。
【0023】
また、個々の認証サーバ36はCPU36A、メモリ36B、HDD36C、ネットワークI/F部36Dを備えており、ネットワークI/F部36Dを介してネットワーク12に接続されている。また、認証サーバ36にはディスプレイ38、キーボード40及びマウス42が各々接続されている。認証サーバ36のHDD36Cには、OS(Operating System)のプログラムや、認証サーバ36としての機能を実現するためのアプリケーションのプログラムがインストールされている(図示省略)。また、認証サーバ36のHDD36Cには、コンピュータ・システム10の全てのユーザのユーザID及びパスワードが各々登録された認証情報テーブルが記憶されており、更に、制限情報テーブル及び課金情報テーブルも記憶されている。
【0024】
上記の制限情報テーブルは、例として次の表1にも示すように、画像読取印刷装置14によって提供されるサービスのうち何れのサービスの利用を許可し何れのサービスの利用を禁止するかを規定する情報(表1の「利用可能サービス」)や、利用可能なサービスの利用に際して課金処理を行うか否かを規定する課金指示情報(表1の「課金」)を含む制限情報が、コンピュータ・システム10の全てのユーザについて各々登録されて構成されている。なお、制限情報テーブルに登録されている個々のユーザ毎の制限情報は、個々のユーザ毎の標準の利用条件に相当するデフォルトの値(個々のユーザが画像読取印刷装置14を通常に利用する際に、利用が許可されているサービス及び課金処理の実行の有無を表す値)が設定されている。また課金情報テーブルには、個々のユーザを単位として設定されると共に、課金処理の実行に伴って更新される課金情報が保持されている。
【0025】
【表1】

【0026】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態に係るコンピュータ・システム10では様々な文書が流通しているが、このうちの特定文書について、画像読取印刷装置14が提供するサービスを利用してカラー複写やモノクロ複写、ファクシミリ送信、スキャン等の処理を行うことをユーザ単位で許可/制限したい場合には、特定のユーザ(例えば特定文書の作成者や管理者等)により、特定文書への制限情報(特定文書についての処理をユーザ単位で許可/制限するための情報)の付加(より詳しくは、制限情報を表すマークの付加)が画像読取印刷装置14に対して指示される。なお、制限情報付加対象の特定文書(以下、処理対象文書という)は、記録用紙に印刷された状態で存在している場合と、データとして所定の保管場所(例えば特定のクライアント端末26のHDD16C内の特定のディレクトリ)に保管されている場合があり、上記のように処理対象文書への制限情報の付加が指示される際に、処理対象文書が記録用紙に印刷された状態で存在している場合は、記録用紙に印刷された状態の特定文書が特定のユーザによって画像読取印刷装置14の画像読取部18にセットされ、処理対象文書が所定の保管場所にデータとして保管されている場合は、特定のユーザによって操作パネル22の操作部22Bが操作されて当該特定文書のデータの格納場所が指定される。
【0027】
上記のようにして処理対象文書への制限情報の付加が指示されると、画像読取印刷装置14の本体制御部16のCPU16Aにより、情報付加/利用制御プログラムのうち情報付加処理を行うためのプログラムが実行されることで、本体制御部16によって図2に示す情報付加処理が行われる。
【0028】
この情報付加処理では、まずステップ50において、ユーザ認証情報(ユーザID及びパスワード)の入力欄が設けられたユーザ認証画面を操作パネル22の表示部22Aに表示させることで、画像読取印刷装置14に対して制限情報の付加を指示した特定ユーザに対し、ユーザ認証情報の入力を要請する。次のステップ52では特定ユーザによってユーザ認証情報が入力されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ52を繰り返す。制限情報の付加を指示した特定ユーザは、操作パネル22の表示部22Aにユーザ認証画面が表示されると、操作パネル22の操作部22Bを操作して自身のユーザ認証情報(ユーザID及びパスワード)を入力する。これにより、ステップ52の判定が肯定されてステップ54へ移行し、特定ユーザによって入力されたユーザ認証情報を認証サーバ36へ送信すると共に、認証処理の実行及び認証処理結果の転送を要求する情報、及び、特定ユーザに対応する制限情報の転送を要求する情報も認証サーバ36へ送信する。
【0029】
認証サーバ36は、画像読取印刷装置14から上記各情報を受信すると、まず受信したユーザ認証情報を認証情報テーブルに登録されている情報と照合することで、画像読取印刷装置14を操作している特定ユーザが正規のユーザか否かを判定する認証処理を行う。ここで、ユーザ認証情報として受信したユーザIDとパスワードの組み合わせが認証情報テーブルに登録されていない場合は、画像読取印刷装置14を操作している特定ユーザは正規ユーザでないと判定し、認証失敗を意味する情報を画像読取印刷装置14へ返信するが、ユーザ認証情報として受信したユーザIDとパスワードの組み合わせが認証情報テーブルに登録されており、画像読取印刷装置14を操作している特定ユーザが正規ユーザであると判定した場合は、更に、ユーザIDをキーにして制限情報テーブルを検索し、当該検索によって抽出された情報(特定ユーザに対応する制限情報)を制限情報テーブルから読み出し、読み出した特定ユーザに対応する制限情報を、認証成功を意味する情報と共に画像読取印刷装置14へ返信する。
【0030】
情報付加処理(図2)では、認証サーバ36から何らかの情報を受信するとステップ56へ移行し、認証サーバ36より受信した情報に認証成功を意味する情報が含まれているか否かに基づいて、認証サーバ36における認証が成功したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ58へ移行し、認証失敗を通知するメッセージを表示部22Aに表示させる等のエラー処理を行って情報付加処理を終了する。この場合、処理対象文書への制限情報の付加は行われない。
【0031】
一方、ステップ56の判定が肯定された場合はステップ60へ移行し、認証サーバ36より受信した情報から特定ユーザに対応する制限情報を抽出し、抽出した制限情報を処理対象文書の制限情報としてメモリ16Bに記憶させる。次のステップ62では、メモリ16Bに記憶している処理対象文書の制限情報の現在の内容を表示部22Aに表示させる。これにより、例として図3(A)に示す画面が表示部22Aに表示される。なお、図3(A)に示す例は、ユーザID"Fuji-1"が付与されている特定ユーザによって処理対象文書への制限情報の付加が指示されることで、上記の特定ユーザに対応する制限情報のみが処理対象文書の制限情報として設定されている状態であり、上記の特定ユーザについてのみ、処理対象文書のカラー複写、モノクロ複写、ファクシミリ送信、スキャン等の処理が許可されていると共に、サービスの利用に際しての課金処理の実行が「なし」に設定されている内容となっている。
【0032】
ところで、処理対象文書の制限情報の内容を表示する画面には、図3(A)(及び後述する図3(C),(E))に示すように、「利用開始/終了(日)」及び「課金開始/終了(日)」の表示欄が設けられていると共に、処理対象文書の制限情報への他のユーザの制限情報の追加を指示するボタン46A、処理対象文書の制限情報の内容修正を指示するボタン46B及び処理対象文書の制限情報の内容確定を指示するボタン46Cも各々設けられている(「利用開始/終了(日)」及び「課金開始/終了(日)」については後述する)。ステップ62で処理対象文書の制限情報の現在の内容を表示部22Aに表示させた後、ボタン46A〜46Cの何れかが選択されるとステップ64へ移行し、選択されたボタンがボタン46Cか否かに基づいて処理対象文書の制限情報の内容確定が指示されたか否か判定する。判定が否定された場合はステップ66へ移行し、選択されたボタンがボタン46Aか否かに基づいて処理対象文書の制限情報への他のユーザの制限情報の追加が指示されたか否か判定する。
【0033】
制限情報の内容が表示部22Aに表示されている状態で、ユーザIDが表示されていない他のユーザに対しても処理対象文書についての処理を許可したい場合、処理対象文書への制限情報の付加を指示した特定ユーザは操作部22Bを操作してボタン46Aを選択する。これにより、ステップ64の判定が否定されると共にステップ66の判定が肯定されてステップ68へ移行し、ユーザIDテーブルに登録されているユーザIDのうち、処理対象文書の制限情報に制限情報が未設定のユーザIDを全て抽出し、例として図3(B)に示すように表示部22Aに一覧表示させる。次のステップ70では、処理対象文書の制限情報へ制限情報を追加するユーザが選択されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ70を繰り返す。
【0034】
図3(B)に示すように、制限情報が未設定のユーザIDを一覧表示させる画面には、選択したユーザの制限情報の追加を指示するボタン46Dが設けられており、表示部22Aに上記画面が表示されると、処理対象文書への制限情報の付加を指示した特定ユーザは操作部22Bを操作し、制限情報追加対象のユーザのユーザIDを選択した後にボタン46Dを選択する。これにより、ステップ70の判定が肯定されてステップ72へ移行し、特定ユーザによって選択されたユーザIDを通知すると共に、当該ユーザIDのユーザに対応する制限情報の転送を要求する情報を認証サーバ36へ送信する。
【0035】
そして、上記情報を受信した認証サーバ36により、通知されたユーザIDをキーにして制限情報テーブルを検索し、当該検索によって抽出された制限情報を制限情報テーブルから読み出し、読み出した制限情報を送信する処理が行われることで、特定ユーザによって選択されたユーザIDのユーザに対応する制限情報を認証サーバ36から受信すると、ステップ60に戻り、新たに受信した制限情報を処理対象文書の制限情報としてメモリ16Bに追加記憶(更新)した後に、例として図3(C)にも示すように、次のステップ62で処理対象文書の制限情報の現在の内容を表示部22Aに再表示させる。
【0036】
なお、図3(C)に示す例では、上述したステップ60〜ステップ72が複数回繰り返されることで、処理対象文書の制限情報として、ユーザID"Fuji-1","Xerox-2","Xerox-4"の各ユーザの制限情報が各々設定されると共に、ユーザID"Fuji-1"のユーザについては、処理対象文書のカラー複写、モノクロ複写、ファクシミリ送信、スキャン等の処理が許可され、サービスの利用に際しての課金処理の実行が「なし」に設定されている一方で、ユーザID"Xerox-2"のユーザについては処理対象文書のカラー複写及びモノクロ複写のみが許可され、"Xerox-4"のユーザについては処理対象文書のスキャンのみが許可され、サービスの利用に際しての課金処理の実行も各々「あり」に設定されている。
【0037】
また、制限情報テーブルに登録されている個々のユーザ毎の制限情報には、前述のように個々のユーザ毎の標準の利用条件に相当するデフォルトの値が設定されているが、処理対象文書の種類等によっては、例えば、標準の利用条件ではカラー複写が許可されていないユーザに対しても、或る日にち迄は処理対象文書のカラー複写を許可したい、或いは、標準の利用条件では課金処理の実行が「あり」に設定されているユーザに対しても、或る日にち迄は処理対象文書の複写等に伴う課金処理の実行を「なし」にしたい、或いは処理対象文書が機密文書であり、処理対象文書の機密が解除される日迄は処理対象文書の複写等を禁止したい、等のように、処理対象文書の制限情報として設定されている個々のユーザ毎の制限情報の内容を一部変更したい場合がある。
【0038】
この場合、処理対象文書への制限情報の付加を指示した特定ユーザは操作部22Bを操作してボタン46Bを選択する。これにより、ステップ64,66の判定が各々否定されてステップ74へ移行し、先のユーザ認証画面に入力されたユーザIDが予め登録された管理者のユーザIDに一致しているか否かを判断することで、処理対象文書への制限情報の付加を指示した特定ユーザが管理者か否か判定する。判定が否定された場合はステップ76へ移行し、管理者以外は制限情報の内容を変更できないことを通知するメッセージを表示部22Aに表示させる等のエラー処理を行った後にステップ62に戻る。この場合、処理対象文書の制限情報の内容修正は行われない。
【0039】
また、ステップ74の判定が肯定された場合はステップ78へ移行し、例として図3(D)に示す制限情報修正画面を表示部22Aに表示させる。この制限情報修正画面は、「利用可能サービスの種別」「利用開始/終了(日)」「課金」及び「課金開始/終了(日)」の各項目について、表示欄にカーソルを移動させて所望の情報を入力することで内容を変更可能とされており、制限情報の内容変更完了を通知するためのボタン46Eも設けられている。次のステップ80では、ボタン46Eが選択されたか否かに基づいて制限情報の内容変更が完了したか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ80を繰り返す。
【0040】
ステップ80が繰り返されている間、処理対象文書への制限情報の付加を指示した特定ユーザは、操作部22Bを操作して処理対象文書の制限情報を所望の内容へ変更する。具体的には、例えば標準の利用条件ではカラー複写が許可されていないユーザに対しても、或る日にち迄は処理対象文書のカラー複写を許可したい場合、特定ユーザは操作部22Bを操作し、処理対象文書への制限情報のうち上記ユーザの「利用可能サービスの種別」にカラー複写を追加すると共に、「利用開始/終了(日)」に利用終了日を設定する内容変更を行う。また、例えば標準の利用条件では課金処理の実行が「あり」に設定されているユーザに対しても、或る日にち迄は処理対象文書の複写等に伴う課金処理の実行を「なし」にしたい場合、特定ユーザは操作部22Bを操作し、処理対象文書への制限情報のうち上記ユーザの「課金開始/終了(日)」に課金開始日を設定する内容変更を行う。更に、処理対象文書が機密文書であり、処理対象文書の機密が解除される日迄は各ユーザによる処理対象文書の複写等を禁止したい場合、特定ユーザは操作部22Bを操作し、処理対象文書への制限情報のうち全ユーザの「利用開始/終了(日)」に利用開始日を設定する内容変更を行う。
【0041】
上記のようにして処理対象文書の制限情報の内容変更を完了すると、特定ユーザは操作部22Bを操作してボタン46Eを選択する。これにより、ステップ80の判定が肯定されてステップ82へ移行し、制限情報修正画面を介して特定ユーザにより入力された情報に応じて、メモリ16Bに記憶している処理対象文書の制限情報を修正した後にステップ62に戻り、例として図3(E)にも示すように、修正後の処理対象文書の制限情報の内容を表示部22Aに再表示させる。なお、上記では処理対象文書の制限情報の内容変更を管理者に対してのみ許可しているが、これに限定されるものではなく、処理対象文書の作成者に対しても処理対象文書の制限情報の内容変更を許可するようにしてもよい。
【0042】
また、図3(E)に示す例は、図3(C)に示す例と比較しても明らかなように、ユーザID"Fuji-1","Xerox-2","Xerox-4"の各ユーザのうち、ユーザID"Xerox-2","Xerox-4"の各ユーザについて、処理対象文書のカラー複写及びモノクロ複写のみが許可され、「利用開始/終了(日)」に利用終了日として"2006/10/31"が設定され、サービスの利用に際しての課金処理の実行が「なし」に設定された内容へ処理対象文書の制限情報が変更された状態が示されている。例えば処理対象文書の制限情報が図3(E)に示す内容であった場合、後述するサービス利用制御処理により、ユーザID"Fuji-1"のユーザについては、処理対象文書のカラー複写、モノクロ複写、ファクシミリ送信、スキャン等の処理が無期限で許可され、サービスの利用に際して課金処理も実行されない一方、ユーザID"Xerox-2","Xerox-4"の各ユーザについては処理対象文書のカラー複写及びモノクロ複写のみが利用終了日である"2006/10/31"迄は許可されると共に、2006/10/31"迄は処理対象文書のカラー複写やモノクロ複写を行ったとしても課金処理は実行されないことになる。
【0043】
また、処理対象文書の制限情報の内容を表示部22Aに表示している状態で、特定ユーザによって処理対象文書の制限情報の内容が適正と判断されることで、操作部22Bが操作されてボタン46Cが選択されると、ステップ64の判定が肯定されてステップ84へ移行し、処理対象文書が画像読取部18にセットされているか、処理対象文書のデータの格納場所が指定されたかを判断することで、処理対象文書が記録用紙に印刷された状態で存在しているか(処理対象文書が紙原稿か)否か判定する。判定が肯定された場合はステップ86において、画像読取部18にセットされている処理対象文書(紙原稿)を画像読取部18によって読み取らせ、当該読み取りに伴って画像読取部18から出力された画像データをメモリ16Bに一時記憶させる文書読取処理を行った後にステップ88へ移行する。また、ステップ84の判定が否定された場合は、ステップ86をスキップしてステップ88へ移行する。
【0044】
ステップ88では、ステップ86の文書読取処理によって得られた画像データ(処理対象文書が紙原稿の場合)、又は、特定ユーザによって指定された格納場所に保管されている処理対象文書のデータ(処理対象文書がデータとして保管されている場合)を、印刷処理部20によって処理対象文書を印刷するための所定のフォーマットの印刷用データ(例えばビットマップデータやその他のフォーマットのデータ)へ変換する。次のステップ90では、前述した処理によって内容が確定した制限情報を、当該制限情報を光学的に読取可能なマークによって表すマーク情報へ変換する。なお、制限情報を表す光学的に読取可能なマークとしては2次元バーコードが好適であるが(より具体的にはQRコード等)、他のマークであってもよく、例えば制限情報のデータ量が小さければ1次元バーコード等を適用することも可能である。またマーク情報としては、制限情報を表す上記のマークを印刷処理部20によって記録用紙に印刷させるためのデータ(例えばビットマップデータやその他のフォーマットのデータ等)を用いることができる。
【0045】
次のステップ92では、印刷処理部20によって記録用紙に処理対象文書が印刷される際に、制限情報を表すマークも同一の記録用紙へ同時に印刷されるように、ステップ90の処理によって得られたマーク情報を、処理対象文書の印刷用データに埋め込む。そしてステップ94では、マーク情報を埋め込んだ処理対象文書の印刷用データを印刷処理部20へ転送し、情報付加処理を終了する。これにより、例として図4に示すように、制限情報を表すマーク(図4では、当該マークの一例として2次元バーコードを示す)が付加された処理対象文書が印刷処理部20によって記録用紙に印刷されることになる。
【0046】
なお、処理対象文書上の一定の位置にマークを印刷するようにした方がマークの読み取りが簡単となるが、処理対象文書の内容によっては印刷したマークが処理対象文書中の文字等と重なる等の不都合が生ずる可能性があるので、ステップ92における処理対象文書の印刷用データへのマーク情報の埋め込みに際しては、処理対象文書中の余白部分(文字等が印刷されない部分)を探索し、処理対象文書のうち文字等と重なることを回避できる余白部分にマークが印刷されるように、処理対象文書の印刷用データへのマーク情報の埋め込みを行うことが望ましい。
【0047】
続いて、記録用紙に印刷された状態の処理対象文書(紙原稿)が画像読取部18にセットされた後に、画像読取印刷装置14に対し不特定のユーザによって当該画像読取印刷装置14が提供するサービスの利用(処理対象文書のカラー複写やモノクロ複写、ファクシミリ送信、スキャン等)が要求された場合に、画像読取印刷装置14の本体制御部16のCPU16Aにより、情報付加/利用制御プログラムのうちサービス利用制御処理を行うためのプログラムが実行されることで、本体制御部16によって実現されるサービス利用制御処理について、図5を参照して説明する。
【0048】
このサービス利用制御処理では、まずステップ100において、ユーザ認証画面を表示部22Aに表示させることで、画像読取印刷装置14に対してサービスの利用を要求したユーザ(以下、サービス利用ユーザという)に対し、ユーザ認証情報の入力を要請する。次のステップ102ではサービス利用ユーザによってユーザ認証情報が入力されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ102を繰り返す。サービス利用ユーザは、表示部22Aにユーザ認証画面が表示されると、操作部22Bを操作して自身のユーザ認証情報(ユーザID及びパスワード)を入力する。ユーザ認証情報が入力されると、ステップ102の判定が肯定されてステップ104へ移行し、サービス利用ユーザによって入力されたユーザ認証情報を認証サーバ36へ送信すると共に、認証処理の実行及び認証処理結果の転送を要求する情報も認証サーバ36へ送信する。
【0049】
これにより、サービス利用ユーザが正規のユーザか否かを判定する認証処理が認証サーバ36で行われ、認証処理の結果を表す情報が認証サーバ36から画像読取印刷装置14へ送信される。サービス利用制御処理(図5)では、認証サーバ36から何らかの情報を受信するとステップ106へ移行し、認証サーバ36より受信した情報が表す認証結果が認証成功か否か判定する。判定が否定された場合はステップ108へ移行し、認証失敗を通知するメッセージを表示部22Aに表示させる等のエラー処理を行ってサービス利用制御処理を終了する。この場合、サービス利用ユーザへの指示されたサービスの提供は行われない。
【0050】
一方、ステップ106の判定が肯定された場合はステップ110へ移行し、画像読取部18にセットされている処理対象文書(紙原稿)を画像読取部18によって読み取らせ、当該読み取りに伴って画像読取部18から出力された画像データをメモリ16Bに一時記憶させる文書読取処理を行う。次のステップ112では、ステップ110の文書読取処理によって得られた画像データが表す画像中に、制限情報を表すマークに相当する画像部が存在しているか否かを探索することで、制限情報を表すマークが処理対象文書に付加されているか否かを探索する。
【0051】
ステップ112の探索処理が終了するとステップ114へ移行し、ステップ112の探索処理によって制限情報を表すマークが発見されたか否か判定する。この判定が肯定された場合、処理対象文書は制限情報(を表すマーク)が付加された文書であると判断できるので、ステップ116へ移行し、処理対象文書に付加されているマークを読み取り、当該読み取りによって得られたマーク情報を前記マークが表す制限情報へ変換する。次のステップ118では、ステップ116の処理によって得られた制限情報を参照し、当該制限情報上で、サービス利用ユーザが、当該サービス利用ユーザによって指示されたサービスの利用を許可されているか否か判定する。
【0052】
サービス利用ユーザのユーザIDが制限情報に設定されていない場合、或いは、サービス利用ユーザのユーザIDは制限情報に設定されているものの、サービス利用ユーザが利用可能なサービスとして、指示されたサービスが制限情報に設定されていない場合には、上記判定が否定されてステップ108へ移行し、指示されたサービスの利用が許可されていないことを通知するメッセージを表示部22Aに表示させる等のエラー処理を行ってサービス利用制御処理を終了する。この場合、サービス利用ユーザへの指示されたサービスの提供は行われない。
【0053】
また、サービス利用ユーザのユーザIDが制限情報に設定されており、指示されたサービスもサービス利用ユーザが利用可能なサービスとして制限情報に設定されている場合には、ステップ118の判定が肯定されてステップ120へ移行し、制限情報にサービス利用ユーザについて利用開始/終了(日)が設定されているか判断し、利用開始/終了(日)が設定されている場合は、設定されている利用開始/終了(日)に基づき、利用が許可されている期間内か否か判定する。サービス利用ユーザについて制限情報に利用開始/終了(日)が設定されており、かつ現日付が設定されている利用開始/終了(日)が規定する利用許可期間から外れている場合には、ステップ120の判定が否定されてステップ108へ移行し、利用許可期間外であることを通知するメッセージを表示部22Aに表示させる等のエラー処理を行ってサービス利用制御処理を終了する。この場合も、サービス利用ユーザへの指示されたサービスの提供は行われない。
【0054】
一方、サービス利用ユーザについて制限情報に利用開始/終了(日)が設定されていない場合、或いは、サービス利用ユーザについて制限情報に利用開始/終了(日)が設定されているものの、現日付が設定されている利用開始/終了(日)が規定する利用許可期間内である場合には、ステップ120の判定が肯定されてステップ122へ移行し、サービス利用ユーザから指示されたサービスに対応する処理(カラー複写やモノクロ複写、ファクシミリ送信、スキャン等の何れかに対応する処理)を実行する。
【0055】
次のステップ124では制限情報を参照し、サービス利用ユーザについて、サービスの利用に伴う課金処理の実行を指示する情報が制限情報に設定されているか否か判定する。サービス利用ユーザに対しサービスの利用に際しての課金処理の実行が制限情報上で「あり」に設定されている場合や、サービス利用ユーザに対しサービスの利用に際しての課金処理の実行が制限情報上で「あり」に設定され、制限情報に課金開始/終了(日)も設定されており、かつ現日付が設定されている課金開始/終了(日)が規定する課金期間内である場合には、上記判定が肯定されてステップ126へ移行し、認証サーバ36に対してサービス利用ユーザのユーザIDやサービス利用ユーザに提供したサービスの種類を通知して課金処理の実行を指示し、サービス利用制御処理を終了する。これにより、認証サーバ36では、通知されたユーザIDやサービスの種類に基づき、課金情報テーブルに保持されている対応する課金情報を更新する課金処理を行う。
【0056】
一方、サービス利用ユーザに対しサービスの利用に際しての課金処理の実行が制限情報上で「なし」に設定されている場合、或いは、サービス利用ユーザに対しサービスの利用に際しての課金処理の実行は制限情報上で「あり」に設定されているものの、課金開始/終了(日)も設定されており、かつ現日付が設定されている課金開始/終了(日)が規定する課金期間から外れている場合には、ステップ124の判定が否定され、ステップ126をスキップしてサービス利用制御処理を終了する。この場合は認証サーバ36による課金処理は行われない。
【0057】
また、処理対象文書が制限情報(を表すマーク)が付加されていない文書であった場合には、ステップ114の判定が否定されてステップ128へ移行し、サービス利用ユーザから指示されたサービスに対応する処理を行った後にサービス利用制御処理を終了する。なお、このステップ128においても、サービス利用ユーザのユーザIDに基づいて認証サーバ36から対応する制限情報(制限情報テーブルに登録されている、標準の利用条件に相当するデフォルトの値が設定された制限情報)を取得し、指示されたサービスの利用が取得した制限情報上で許可されている場合にのみ、指示されたサービスに対応する処理を行うようにしてもよい。
【0058】
なお、図3(A)〜(E)に示した画面イメージは単なる一例であり、制限情報の内容を表示手段に表示させる際の画面レイアウト等は図3に示した例に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で変更可能であることは言うまでもない。
【0059】
また、上記では認証情報テーブル、制限情報テーブル及び課金情報テーブルが認証サーバ36に保持され、認証サーバ36が認証処理や課金処理を行う態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記各テーブルに登録した情報又は当該情報に類する情報の一部又は全部を、文書処理装置として機能する装置の記憶手段に記憶させ、当該装置で認証処理や課金処理を行うようにしてもよい。
【0060】
また、上記では制限情報テーブルに登録されている制限情報を雛形として用い、これを必要に応じて変更することで処理対象文書の制限情報を生成する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、処理対象文書への制限情報の付加が指示された際に、制限情報の付加を指示したユーザにより、処理対象文書の制限情報を最初から(雛形等を用いずに)設定させるようにしてもよい。また、この態様において、制限情報テーブルを省略してもよい。
【0061】
更に、上記では、処理対象文書の制限情報を、課金指示情報に相当する課金指示情報、利用開始/終了(日)及び課金開始/終了(日)をユーザ単位で設定可能なデータ構造としていたが、これに限定されるものではなく、個々のユーザに対し、制限情報上で利用可能サービスとして設定された個々のサービスを単位として、上記の課金指示情報、利用開始/終了(日)及び課金開始/終了(日)を各々設定可能としてもよい。
【0062】
また、制限情報を表すマーク情報を処理対象文書の印刷用データに埋め込む際に、処理対象文書を複写した際の複写物や処理対象文書を光学的に読み取った際の読取データ上に「禁複写」や「禁読取」等の牽制模様を明示させるための牽制模様データも印刷用データに重畳し、サービス利用ユーザによって複写やファクシミリ送信、スキャン等のサービスの利用が指示された文書が、制限情報を表すマークが付加された文書であった場合に、サービス利用ユーザによる指示されたサービスの利用が制限情報上で許可されている場合にのみ、前記文書を読み取ることで得られた画像データから牽制模様を除去する処理を行い、当該除去処理を経た画像データを用いて、指示されたサービスに対応する処理(例えば複写であれば記録用紙への印刷、ファクシミリ送信であれば画像データの送信、スキャンであれば画像データの格納)を行うようにしてもよい。
【0063】
また、上記では画像読取印刷装置14を文書処理装置として機能させる態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、所定の保管場所にデータが保管されている文書への制限情報(を表すマーク)の付加はクライアント端末26でも実行可能であり、また、スキャナ等の読取手段及びプリンタ等の印刷手段が直接、或いはネットワーク12を介してクライアント端末26に接続されている場合には、図1に破線でも示すように、クライアント端末26を文書処理装置として機能させるためのプログラムをクライアント端末26のHDD26Cにインストールしておき、読取手段を上記態様(画像読取印刷装置14を文書処理装置として機能させる態様)における画像読取部18として機能させると共に、印刷手段を上記態様における印刷処理部20として機能させることで、クライアント端末26を文書処理装置として機能させるようにしてもよい。
【0064】
更に、上記では文書処理プログラムに相当する情報付加/利用制御プログラムが画像読取印刷装置14のHDD16Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態に係るコンピュータ・システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】情報付加処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】情報付加処理の実行中に表示される画面の一例を示すイメージ図である。
【図4】制限情報を表すマークとしての2次元バーコードを付加した文書の一例を示すイメージ図である。
【図5】サービス利用制御処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10 コンピュータ・システム
12 ネットワーク
14 画像読取印刷装置
16 本体制御部
18 画像読取部
20 印刷処理部
22B 操作部
22A 表示部
26 クライアント端末
36 認証サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象文書に関する処理の実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する制限情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された制限情報を、光学的に読取可能な制限情報画像へ変換する変換手段と、
前記処理対象文書を印刷した際に前記制限情報画像も印刷されるように、前記処理対象文書の情報に前記制限情報画像を埋め込む埋込手段と、
を含む文書処理装置。
【請求項2】
前記取得手段が取得する前記制限情報は、処理対象文書のカラー複写、処理対象文書のモノクロ複写、処理対象文書の読み取り、処理対象文書のファクシミリ送信等の前記処理対象文書に関する処理のうちの複数種の処理について、実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する情報であることを特徴とする請求項1記載の文書処理装置。
【請求項3】
前記取得手段によって取得された前記制限情報を、前記制限情報の内容の修正を指示する指示情報に応じて修正する修正手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の文書処理装置。
【請求項4】
前記処理対象文書への前記制限情報画像の埋め込みを指示した利用者を識別する埋込指示利用者識別手段を更に備え、
前記修正手段は、前記埋込指示利用者認識手段によって識別された利用者が予め登録された利用者である場合に、前記指示情報に応じた前記制限情報の修正を行うことを特徴とする請求項3記載の文書処理装置。
【請求項5】
前記修正手段は、前記指示情報により、処理対象文書に関する処理の実行に伴って課金処理を行うか否かを規定する課金指示情報の付加が指示された場合に、前記制限情報を修正する処理として、前記制限情報に前記課金指示情報を付加する処理を行うことを特徴とする請求項3記載の文書処理装置。
【請求項6】
処理対象文書に関する処理の実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する制限情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された制限情報を、光学的に読取可能な制限情報画像へ変換する変換手段と、
前記処理対象文書を印刷した際に前記制限情報画像も印刷されるように、前記処理対象文書の情報に前記制限情報画像を埋め込む埋込手段と、
前記埋込手段によって前記制限情報画像が埋め込まれた後に印刷された処理対象文書に関する処理の実行を指示した利用者を識別する利用者識別手段と、
前記処理対象文書に印刷されている前記制限情報画像を光学的に読み取る読取手段と、
前記利用者識別手段によって識別された利用者による前記指示された前記処理対象文書に関する処理の実行が、前記読取手段によって読み取られた前記制限情報画像が表す前記制限情報で許可されているか否か判定し、前記指示された処理の実行が許可されていない場合に、前記指示された処理の実行を制限する制御を行う制御手段と、
を含む文書処理システム。
【請求項7】
コンピュータを、
処理対象文書に関する処理の実行を許可するか制限するかを利用者毎に規定する制限情報を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された制限情報を、光学的に読取可能な制限情報画像へ変換する変換手段、
及び、前記処理対象文書を印刷した際に前記制限情報画像も印刷されるように、前記処理対象文書の情報に前記制限情報画像を埋め込む埋込手段
として機能させる文書処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−85820(P2008−85820A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265044(P2006−265044)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】