説明

新規な感光性樹脂組成物

ポリマーの骨格に結合したジアゾキノン部分構造を含み、またすべてのアミノ末端基がアミド基へと転化されている新規な感光性PBO前駆体ポリマー。開示されるPBO前駆体ポリマーをベースとする感光性処方物は、良好な画像形成特性および機械的特性そして優れた貯蔵安定性を有する。(スルホン)アミド末端基(結合したジアゾキノン基を有するまたは有さない)を有する感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは、骨格上にベンジル水素を欠くジアゾキノン光活性化合物を有する感光性組成物へと処方されることができ、著しくより明るい色のフィルムを硬化後に与える組成物が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポジ感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは本発明は、新規なポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体ポリマー、このポリマーをベースとするポジ型の、水性塩基で現像可能な感光性ポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体組成物、この感光性組成物に関する使用方法、およびこの使用方法によって製造される電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクスの応用において、高温抵抗を示すポリマーは一般に周知である。このようなポリマーの前駆体、例えばポリイミドおよびポリベンゾオキサゾールは、好適な添加剤によって光反応性にされうる。そのような前駆体は高温への暴露のような既知の技術によって所望のポリマーに転化される。ポリマー前駆体は高度に耐熱性のポリマーの保護層、絶縁層、およびレリーフ構造をつくるために使用される。
【0003】
慣用のポジ型感光性ポリベンゾオキサゾール(PBO)は、アルカリ可溶性のPBO前駆体および米国特許第4,371,685号に示されるジアゾキノン光活性化合物を含有する。ジアゾキノン化合物は水性塩基中へのPBO前駆体の可溶性を阻害する。露光の後、ジアゾキノン化合物は光分解を行いそしてインデンカルボン酸へと転化し、これがPBO前駆体の水性塩基の溶解性を増強する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米国特許第4,371,685号中に開示されているPBO前駆体はアミノ末端基を有する。アミノ基はジアゾキノン部分構造の分解を惹起することが知られており(例えばArnost Reiser,Photoreactive Polymer,John Wiley and Sons,Inc,1989参照)、これによってPBO前駆体およびジアゾキノン化合物をベースとする感光性処方物の貯蔵寿命が制限される。
【0005】
この問題を軽減するために、米国特許第6,376,151 B1号では、大抵の場合様々な酸無水物またはスルホニルクロライドとの反応によって、PBO前駆体のアミノ末端基をアミド基に転化することが提案された。多くの場合、このような変性されたPBO前駆体をベースとする処方物の貯蔵寿命は実際に、アミノ末端基を含むPBO前駆体をベースとする処方物の貯蔵寿命より実質的に良いことが例証された。
【0006】
米国特許第6,177,225 B1号および第6,127,086号中に開示されているように、いくつかのジアゾキノン部分構造のPBO前駆体骨格への結合は、ポジ型感光性処方物のコントラストおよびフォトスピードのようなリソグラフィー特性を劇的に改善することがさらに示された。しかしながら、これらのPBO前駆体はアミノ末端基を依然として有し、これによってこれら前駆体の感光性処方物の貯蔵寿命に制限が加わる。
【0007】
高温硬化に際して起きる多数の高温反応のため、硬化されたPBO処方物は典型的に暗色である。残念ながら、ポジ型感光性処方物の硬化されたフィルムの色は、ワイヤーボンディングならびに他のパッケージングおよびアセンブリングの操作の際の位置合わせにとって重要である。より明るい色で、一層透明なフィルムは、ワイヤーボンディングならびに他のパッケージングおよびアセンブリングの操作の際の位置合わせに関して著しい利点を与える。この結果、処理量および精度の増加が生じる。
【0008】
本発明は、その骨格に結合したジアゾキノン部分構造を含む新規な感光性PBO前駆体を開示し、この前駆体においてはすべてのアミノ末端基がアミド基に転化される。本発明では、応用可能な末端基は米国特許第6,376,151 B1号中に認められるものより著しく広範な種類でありうることが見いだされている。開示されたPBO前駆体をベースとする感光性処方物は、良好な画像形成特性および機械的特性ならびにより優れた貯蔵安定性を有する。
【0009】
さらにまた本発明者は、(スルホン)アミド末端基(ジアゾキノン基が結合しているまたは結合していない)を有する感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが、骨格上にベンジル水素を欠くジアゾキノン光活性化合物とともに、感光性組成物へと処方され、色が著しく明るいフィルムを硬化後に生じる組成物を生成することができることを驚くべきことに見いだした。PAC骨格上にベンジル水素を欠くジアゾキノン光活性化合物を使用する、ポジ型ポリベンゾオキサゾール感光性処方物を開示している先行する特許は、このような処方物で得られる硬化されたフィルムの色に関する報告をなんら開示せず、またPBO処方物における暗色の硬化フィルムの問題をいかに対処するかを開示していない。このような処方物は、参照によって本記載に加入されている米国特許第5,376,499号、第5,726,279号、第5,783,654号、第5,883,221号、第5,922,825号、第5,973,202号、第6,120,970号または第6,153,350号中に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様では、構造I:
【化1】

[式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基または2価の脂肪族基であり;Ar3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、2価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar4はAr1(OH)2またはAr2であり、xは約10〜約1000であり;yは0〜約900であり;Dは以下の部分構造IIa〜IIe:
【化2】

(式中、RはH、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基またはシクロヘキシル基である)
の1つであり、k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜約2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2であり、xは約10〜約1000であり;yは0〜約900であり;Gはポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基、カルボニルオキシ基またはスルホニル基を有する有機基である]
を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーについて記述される。
【0011】
第2の態様で、本発明は
(a)構造IまたはIII:
【化3】

[式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基または2価の脂肪族基またはこれらの混在するものであり;Ar3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、2価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar4はAr1(OH)2またはAr2であり;Dはすでに規定したようにIIa〜IIeの1つであり;k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2であり、xは約10〜約1000であり;yは0〜約900であり;Gはポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基、カルボニルオキシ基またはスルホニル基を有する有機基である]を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(b)構造内に部分構造IIa〜IIeを1つまたはそれ以上有する化合物を含む少なくとも1つの非ポリマー性感光性化合物であって、ただし構造IIIが唯一のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーであるとき、その非ポリマー性感光性化合物は構造IV〜VI:
【化4】

(式中、R1、R2、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立にC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7シクロアルキル基であり、または別に、R1およびR2もしくはR4、R5、およびR6のいずれか2つは一緒になって5〜7員環を形成してよく;各々のR3は独立にH、C1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基、非置換のフェニル基またはフェニルもしくはアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたフェニル基であり;QはHまたはDであり、少なくとも1つのQがDであるとし;Dはすでに規定したとおりであり;aは1〜5の整数であり;bおよびcは0〜5の整数であるが、ただし(1)構造IVについて、a=b=1であり、OQがともにR12C置換基に対してパラ位で置換されているならR1およびR2がともに同時にメチルであることはなく、(2)1≦a+b<6であり;構造VIについて、a=b=c=1であり、すべてのOQがトリフェニルメタン炭素置換基に対してパラであるなら、少なくとも1つのR3はHでない)
によって表わされる化合物からなる群から選択されるもの;および
(c)少なくとも1つの溶媒
を含有するポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0012】
本発明は感光性組成物を使用することによりレリーフパターンおよび電子部品を形成する方法もまた提供する。 この方法は、
(a)構造IまたはIIIを有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーを含有するポジ型感光性組成物;IIa〜IIeの部分構造を1つまたはそれ以上含む少なくとも1つの非ポリマー性感光性化合物であって、ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIIIが唯一の樹脂であるなら非ポリマー性感光性化合物が前記した構造IV、VまたはVIによって表わされる化合物の群から選択されるもの;および少なくとも1つの溶媒を含有するポジ型感光性化合物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することにより、コートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベーキングすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する。
【0013】
本発明の1つの態様では、構造I:
【化5】

[式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基または2価の脂肪族基であり;Ar3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、2価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar4はAr1(OH)2またはAr2であり、xは約10〜約1000であり;yは0〜約900であり;Dは以下の部分構造IIa〜IIe:
【化6】

(式中、RはH、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基またはシクロヘキシル基である)
の1つであり、k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜約2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2であり、xは約10〜約1000であり;yは0〜約900であり;Gはポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基、カルボニルオキシ基またはスルホニル基を有する有機基である]
を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーについて記述される。
【0014】
構造Iのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは3段階で合成することができる。第1段階では、構造VII、VIII、およびIXを有するモノマーが、塩基の存在で反応され、構造Xを有するポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマー
【化7】

(式中、Ar1、Ar2、Ar3、x、およびyはすでに規定したとおりであり、またWはC(O)Cl、COOHまたはCOOR8であり、ここでR8はC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC5〜C8のシクロアルキル基である)が合成される。第2の合成段階では、ポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマーの末端アミノ基が、Gが前記のとおりであり、Mが反応性の脱離基であるとして、化合物G−Mと反応して構造IIIを有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが合成される。第3段階では、構造III:
【化8】

を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが塩基の存在でジアゾキノンクロライドと反応して構造Iを有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが生成する。別な態様では、ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーXI:
【化9】

が使用されるように段階2および3の順序が逆にされてよい。
【0015】
構造VIIでAr1は4価の芳香族基または4価の複素環式基である。Ar1の例には、
【化10】

(式中、X1は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−または−SiR92−であり、各々のR9は独立にC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC5〜C8のシクロアルキル基である)
があるが、これらに限定されない。R9の例には、CH3、C25、n−C37、i−C37、n−C49、t−C49、およびシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。
【0016】
Ar1を含む構造VIIを有するモノマーの例には、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、4,6−ジアミノレゾルシノール、および2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンがあるが、これらに限定されない。構造VIIのモノマー中の2つのヒドロキシ基と2つのアミノ基との置換パターンは、ベンゾオキサゾール環を生成することができるように各々のアミノ基がヒドロキシル基とオルトの関係をもつかぎり、任意の可能な置換パターンであってよい。さらにまた、ポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマーXは一般式VIIによって示される2つまたはそれ以上のモノマーの混合物を使用して合成することができる。
【0017】
構造VIIIでAr2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基または2価の脂肪族基である。Ar2の例には、
【0018】
【化11】

(式中、X1は前記に規定したとおりであり、X2は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、または−NHCOであり、ZはHまたはC1〜C8の線状、分枝状もしくは環状のアルキル基であり、pは1〜6の整数である)
があるが、これらに限定されない。好適なZ基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−オクチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルがあるがこれらに限定されない。
【0019】
Ar2を含む構造VIIIを有するモノマーの例には、5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノエイコサン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノノルボルニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、および4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−トリフルオロメチルピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレン−ビス(o−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(3−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ジアニリン、4,4’−オキシ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4’−チオ−ジアニリン、4,4’−チオ−ビス−(2−メチルアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−クロロアニリン)、ならびに3,3’−スルホニル−ジアニリンがあるが、これらに限定されない。さらにまた、ポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマーXは一般式VIIIによって表わされる2つまたはそれ以上のモノマーの混合物を使用して合成されてよい。
【0020】
構造IXでAr3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、または2価の複素環式基である。Ar3の例には
【化12】

(式中、X2は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、または−NHCOである)
があるが、これらに限定されない。
【0021】
構造IXで、WはC(O)Cl、COOHまたはC(O)R8であり、R8はC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC5〜C8のシクロアルキル基である。R8の例にはCH3、C25、n−C37、i−C37、n−C49、t−C49、およびシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。
【0022】
構造IXを有するモノマーは二酸、二酸のジクロライドおよびジエステルである。好適なジカルボン酸(WはCOOHである)の例には、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好適な二酸のクロライド(WはCOCl)の例には、イソフタロイルジクロライド、フタロイルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好適なジカルボン酸エステル(WはCO28)の例には、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、ジメチルターフタレート、ジエチルイソフタレート、ジエチルフタレート、ジエチルターフタレートおよびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0023】
第1の合成段階において、構造VIIおよびVIIIおよびIXを有するモノマーは反応して、ポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマーXを生成できる。ジカルボン酸またはそのジクロライドもしくはジエステルを、少なくとも1つの芳香族および/または複素環式ジヒドロキシジアミンと、また場合によっては少なくとも1つのジアミンと反応させるために慣用の方法が用いられてよい。一般に二酸(WはC(O)Clである)のための反応は、ほぼ化学量論的な量のアミン塩基の存在で約−10℃〜約30℃で約6〜約48時間実施される。好適なアミン塩基の例には、ピリジン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、ジメチルピリジン、およびジメチルアニリンがあるが、これらに限定されない。ポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマーXは水中への沈殿によって単離され、濾過によって回収されそして乾燥されてよい。ジエステルまたは二酸を使用する好適な合成に関する記載は、参照によって本記載に加入されている米国特許第4,395,482号、第4,622,285号、および第5,096,999号に見いだすことができる。
【0024】
好ましい反応溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、およびジグリムである。最も好ましい溶媒はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびガンマ−ブチロラクトン(GBL)である。
【0025】
構造VII、VIII、およびIXを有するモノマーは、[VII+VIII]/IXの比が一般に約1〜約1.2であるように用いられる。[VII+VIII)]/IXの比は一般に約1〜約1.1であるのが好ましい。構造VIIを有するモノマーは[VII+VIII]の約10〜約100モル%が使用され、また構造VIIIを有するモノマーは[VII+VIII]の約0〜約90モル%が使用される。ポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマー中に構造VIIおよびVIIIを有するモノマーから得られるポリマー単位(構造I、III、XおよびXIで角形括弧内に封じられている)の分布は、ランダムであるかまたはブロックになっていてよい。
【0026】
構造I、III、XおよびXIで、xは約10〜約1000の整数であり、yは約0〜約900の整数であり、また(x+y)は大体1000より小さい。xに関する好ましい範囲は約10〜約300であり、yに関する好ましい範囲は約0〜約250である。xに関する一層好ましい範囲は約10〜約100であり、yに関する一層好ましい範囲は約0〜約100である。xに関する最も好ましい範囲は約10〜約50であり、yに関する最も好ましい範囲は約0〜約5である。
【0027】
(x+y)の値は構造IまたはIIIのポリマーの数平均分子量(Mn)を反復単位の平均分子量によって除することにより算出されることができる。Mnの値は、例えばJan Rabek,Experimental Methods in Polymer Chemistry,John Wiley&Sons,New York,1983に記載されているように膜浸透圧法またはゲルパーミエシヨンクロマトグラフィーのごとき標準的な方法によって測定されることができる。
【0028】
ポリマーの分子量および固有粘度、従って、一定の化学量論でのxおよびyは、溶媒の純度、湿度、窒素またはアルゴンガスの遮蔽の有無、反応温度、反応時間、および他の変数に広範囲に依存しうることを知るべきである。
【0029】
第2の合成段階でポリベンゾオキサゾールベースポリマーXは、Gが、Mに直接結合したカルボニル基、カルボニルオキシ基またはスルホニル基を有する有機基であり、Mが反応性の脱離基であるとして、G−Mと反応されてポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIIIを生成する。Gの例には、以下の構造:
【0030】
【化13】

があるが、これらに限定されない。
【0031】
M基の例には、Cl、Br、メシレート、トリフレート、置換カルボニルオキシ基、および置換カーボネート基があるが、これらに限定されない。
【0032】
G−M化合物の好適な部類の例には、カルボン酸のおよびスルホン酸のクロライド、カルボン酸のおよびスルホン酸のブロマイド、線状および環状のカルボン酸無水物およびスルホン酸無水物、ならびにアルコキシまたはアリールオキシ置換酸塩化物があるが、これらに限定されない。G−M化合物の好適な例には、無水マレイン酸、無水琥珀酸、無水酢酸、プロピオン酸無水物、ノルボルネン酸無水物、無水フタル酸、樟脳スルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、エタンスルホン酸無水物、ブタンスルホン酸無水物、パーフルオロブタンスルホン酸無水物、アセチルクロライド、メタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライド、ベンゾイルクロライド、ノルボルネンカルボン酸クロライド、ジ−t−ブチルジカーボネート、ジメチルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジブチルジカーボネート、t−ブチルクロロホーメート、エチルクロロホーメート、n−ブチルクロロホーメート、およびメチルクロロホーメートがあるが、これらに限定されない。さらなる例には、以下に示す構造を有する化合物がある。好ましいGはポリマーの末端NH2基をアルキルカルボン酸クロライド、線状のカルボン酸無水物(G=アルキルカルボニルを生成するいずれか1つ)または環状の酸無水物と反応させることにより得られるものである。
【0033】
【化14】

【0034】
反応は、ポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマーの乾燥溶液に約−25〜約40℃の温度でG−Mを添加することにより、好適な溶媒中で実施されることができる。一層好ましい温度は約0〜約25℃である。最も好ましい温度は約5〜約10℃である。反応時間は約1〜約24時間である。使用するGMのモル量は、構造VIIおよびVIIIのモノマーのモル量の合計から構造IXのモノマーのモル量を差し引いたものより僅かに過剰(3〜6%)である。有機または無機の塩基の添加もまた採用されてよい。好適な有機アミン塩基の例には、ピリジン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、ジメチルピリジン、およびジメチルアニリンがあるが、これらに限定されない。他の好適な塩基の例には水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、および珪酸ナトリウムがある。
【0035】
好ましい反応溶媒はプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、スルホラン、およびジグリムである。最も好ましい溶媒はジグリムおよびPGMEAである。
【0036】
第3の反応段階で、ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIIIは、約1〜約50モル%の(構造VIIのモノマーからのOH基の数に基づき)ジアゾキノン化合物DClと塩基の存在で反応し、反応1に従ってポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが生成する。
【化15】

ただし、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、D、k1、k2、x、y、およびGはすでに規定したとおりである。
【0037】
ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIII(そしてポリベンゾオキサゾール前駆体ベースポリマーXも)と反応しうるジアゾキノン化合物DClの例には、以下のジアゾキノンスルホニルクロライドXIIa〜XIIe:
【化16】

(式中、RはHであり、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基またはシクロヘキシルである)
の1つがあるが、これらに限定されない。好適なR基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシ、またはn−ブトキシがあるが、これらに限定されない。
【0038】
一般に反応は塩基の存在下で約0〜約30℃で約3〜約24時間溶媒中で実施される。一般にDClに対する塩基の僅かな過剰が採用される。塩基の例には、アミン塩基、例えばピリジン、トリアルキルアミン、メチルピリジン、ルチジン、n−メチルモルホリンなどがあるが、これらに限定されない。最も好ましい塩基はトリエチルアミンである。好ましい反応溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、テトラヒドロフラン、およびジグリムである。最も好ましい溶媒はテトラヒドロフランおよびガンマ−ブチロラクトン(GBL)である。反応混合物は化学線から保護されるべきである。
【0039】
0.01〜約0.5のk1を得るために、DClのモル量は構造VIIのモノマーからのOH基の量の約1〜約50%の範囲であってよい。約0.01〜約0.40のk1を得るために、DClの好ましい量は構造VIIのモノマーからのOH基の量の約1〜約40%である。約0.01〜約0.10のk1を得るために、DClの一層好ましい量は構造VIIのモノマーからのOH基の量の約1〜約10%である。約0.01〜約0.05のk1を得るために、DClの最も好ましい量は構造VIIのモノマーからのOH基の量の約1〜約5%である。
【0040】
好ましいポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIは、Dが部分構造IIbまたは部分構造IIdであるものである。これらは例えば、ジアゾナフトキノンスルホニルクロライドXIIbおよびXIIdの反応からそれぞれ得ることができる。一層好ましいポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIは、Dが部分構造IIb(RはHである)または部分構造IId(RはHである)であるものである。最も好ましいポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIは、Dが部分構造IId(RはHである)であるものである。
【0041】
第2の態様で本発明は、
(a)構造IまたはIII:
【化17】

(式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基または2価の脂肪族基またはこれらを混在するものであり;Ar3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、2価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar4はAr1(OH)2またはAr2であり;Dはすでに規定したように部分構造IIa〜IIeの1つであり;k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2であり、xは約10〜約1000であり;yは約0〜約900であり;Gはカルボニル基、カルボニルオキシ基またはスルホニル基を有する1価の有機基である)
を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(b)構造内に部分構造IIa〜IIeを1つまたはそれ以上有する化合物を含む少なくとも1つの非ポリマー性感光性化合物であって、ただし構造IIIが唯一のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーであるとき、非ポリマー性感光性化合物は構造IV〜VI:
【化18】

(式中、R1、R2、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に、C1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基であり、または別に、R1およびR2もしくはR4、R5、およびR6のいずれか2つは一緒になって5〜7員環を形成してよく;各々のR3は独立にH、C1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基、非置換のフェニル基またはフェニルもしくはアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたフェニル基であり;QはHまたはDであり、少なくとも1つのQがDであるとして;Dはすでに規定したとおりであり;aは1〜5の整数であり;bおよびcは0〜5の整数であるが、ただし(1)構造IVについて、a=b=1であり、OQがともにR12C置換基に対してパラ位で置換されているならR1およびR2のがともに同時にメチルであることはなく、(2)1≦a+b<6であり;また構造VIについて、a=b=c=1であり、すべてのOQがトリフェニルメタン炭素置換基に対してパラ位にあるなら、少なくとも1つのR3はHでない)
によって表わされる化合物からなる群から選択されるもの;および
(c)少なくとも1つの溶媒
を含有するポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0042】
感光性組成物は、1つまたはそれ以上のジアゾキノン部分構造IIa〜IIeを含む少なくとも1つの非ポリマー性感光性化合物を含有する。ジアゾキノン部分構造を有する非ポリマー性化合物は典型的にフェノール化合物のジアゾキノンエステルまたは芳香族アミンのアミドである。好適な非ポリマー性ジアゾキノン化合物の例には、以下の化合物:
【0043】
【化19】

【0044】
【化20】

(式中、各々のQは独立にHまたはDであり、各々の化合物において少なくとも1つのQはHでないとして、各々のDは独立に部分構造IIa〜IIeの1つである)の1つまたはそれ以上があるが、これらに限定されない。
【0045】
典型的な硬化条件に際して実質的に暗色化しない高温抵抗性という特性へと硬化することができる感光性組成物を提供することもまた本発明の目的である。本発明者は、光活性化合物の骨格上にベンジル水素を欠くジアゾキノン光活性化合物を含有するポジ型ポリベンゾオキサゾール前駆体感光性処方物は、著しく明るい色の硬化されたフィルムを与えることを驚くべきことに見いだしでいる。この説明によって縛られるのは好まないが、ベンジル水素の反応性は、ジアゾキノン光活性化合物中に典型的に見られるヒドロキシルまたはスルホニル基のような置換基の存在によって高温硬化に際して影響されまた暗色化につながるであろうと考えられる。
【0046】
【化21】

【0047】
従って、好ましい感光性化合物はすでに示したような構造IV、V、およびVIをもつものである。構造IV、V、およびVIにおいて、好適なR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7基の例には、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−1−フェニルエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、3−クロロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロペンチル、および3−クロロシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。5〜7員環を形成するR1およびR2もしくはR4、R5、およびR6の任意の2つの例は、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンがあるが、これらに限定されない。R3の追加的な好適な例には、フェニル、ビフェニル、4−クロロフェニル、2−エチルフェニル、および2,4,6−トリメチルフェニルがあるが、これらに限定されない。
【0048】
一層好ましい感光性化合物は、Dが部分構造IIbまたはIIdである構造IV、V、およびVIをもつものである。最も好ましい感光性化合物は、Dが部分構造IIb(RはHである)または部分構造IId(RはHである)である構造IV、V、およびVIをもつものである。
【0049】
構造IV、V、およびVIによって表わされる化合物の好ましい例には、
【化22】

【0050】
【化23】

(式中、QおよびDの定義はすでに述べたとおりである)
があるが、これらに限定されない。
【0051】
感光性化合物の製造に典型的に使用されるフェノール化合物(つまり骨格)は、任意の好適な方法によって製造されることができる。普通の合成方法は、メタノールのような溶媒の存在下で好適なフェノール誘導体を好適なアルデヒドまたはケトンと反応させることによる。反応は強酸(例えば硫酸またはp−トルエンスルホン酸)によって最もしばしば触媒される。一般に反応は約15〜約80℃で約3〜約48時間実施される。
【0052】
光活性化合物は骨格をDCLと反応させることにより合成される。一般に反応は塩基の存在下で溶媒中で約0〜約30℃で約4〜約36時間実施される。一般にDCLに対する塩基の僅かな過剰が採用される。塩基の例には、アミン塩基例えば、ピリジン、トリアルキルアミン、メチルピリジン、ルチジン、n−メチルモルホリンなどがあるが、これらに限定されない。最も好ましい塩基はトリエチルアミンである。好ましい反応溶媒はテトラヒドロフラン(THF)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、およびジグリムである。最も好ましい溶媒はテトラヒドロフラン(THF)、アセトンおよびガンマ−ブチロラクトン(GBL)である。反応混合物は化学線から保護されねばならない。
【0053】
DCLのモル量は光活性化合物の骨格中のOH基の量の約25〜約100%の範囲にある。DCLの好ましい量は光活性化合物の骨格中のOH基の量の約40〜約98%の範囲にある。DCLの一層好ましい量は光活性化合物の骨格中のOH基の量の約50〜約98%の範囲にある。
【0054】
本発明のポジ型感光性組成物は少なくとも1つの溶媒をさらに含有する。好適な溶媒には、N−メチルピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好ましい溶媒はガンマ−ブチロラクトンおよびN−メチルピロリドンである。最も好ましい溶媒はガンマ−ブチロラクトンである。
【0055】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、構造IまたはIIIの少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーを全組成物の約5〜50重量%含有する。IまたはIIIポリベンゾオキサゾール前駆体の一層好ましい量は約10〜約45重量%である。IまたはIIIのポリベンゾオキサゾール前駆体の一層好ましい量は約15〜約43重量%である。IまたはIIIのポリベンゾオキサゾール前駆体の最も好ましい量は約20〜約40重量%である。
【0056】
感光性組成物中で使用されるポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは、構造Iによって表わされるポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、構造IIIによって表わされるポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、またはこれらの混合物を含有してよい。構造IおよびIIIによって表わされるポリマーは任意の比率で配合されてよい。好ましい感光性組成物は構造Iによって表わされる少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーと構造IIIによって表わされる少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーとの混合物、または構造Iによって表わされる少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーを使用するものからなる。一層好ましい感光性組成物では構造Iによって表わされる少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーのみが使用される。
【0057】
本発明の組成物中で使用される感光性化合物の量は、組成物の全重量の約1〜約20重量%、好ましくは約2〜約10重量%、そして最も好ましくは約3〜約5重量%である。感光性化合物は任意の好適な比率で配合されてよい。
【0058】
溶媒は感光性組成物をの約40〜約80重量%からなる。好ましい溶媒の範囲は約45〜約70重量%である。一層好ましい溶媒の範囲は約50〜約65重量%である。
【0059】
場合によっては、感光性組成物中に接着促進剤が含められてよい。使用される場合、接着促進剤の量は約0.1〜約2重量%の範囲である。接着促進剤の好ましい量は約0.2〜約1.5重量%である。接着促進剤の一層好ましい量は約0.3〜約1重量%である。好適な接着促進剤には、例えばアミノシラン、およびこれの混合物または誘導体がある。本発明で使用されうる好適な接着促進剤の例は構造XIII
【化24】

(式中、各々のR10は独立にC1〜C4のアルキル基またはC5〜C7のシクロアルキル基であり、各々のR11は独立にC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C5〜C7のシクロアルキル基またはC5〜C7のシクロアルコキシ基であり;dは0〜3の整数であり、nは1〜約6の整数である)
によって表わされることができる。R12は以下の部分構造:
【化25】

(式中、R13およびR14は各々独立にC1〜C4のアルキル基またはC5〜C7のシクロアルキル基であり、R15はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基である)の1つである。好ましい接着促進剤は、R12
【化26】

であるものである。一層好ましい接着促進剤は、R12
【化27】

であるものである。最も好ましい接着促進剤は
【化28】

である。
【0060】
本発明の感光性組成物はさらに他の添加剤を含有してよい。好適な添加剤には例えば平坦化剤、溶解防止剤などがある。このような添加剤は、光活性化剤とポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIおよびIIIとの重量の合計の約0.1〜10重量%の量で感光性組成物中に含められてよい。
【0061】
さらにまた、本発明は感光性組成物を使用してレリーフパターンを形成する方法に関する。この方法は
(a)構造IまたはIIIを有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーを含有するポジ型感光性組成物;部分構造IIa〜IIeを1つまたはそれ以上含む少なくとも1つの非ポリマー性感光性化合物であって、ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIIIが唯一の樹脂であるなら非ポリマー性感光性化合物が前記した構造IV、VまたはVIによって表わされる化合物の群から選択されるもの;および少なくとも1つの溶媒を含有するポジ型感光性化合物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する。
【0062】
基板への感光性組成物の適切な接着を確保するために、場合によって基板は第1のコーティング段階の前に(外部的な)接着促進剤で処理されてよく、または感光性組成物には内部的な接着促進剤が使用されてよい。当業者に知られた接着促進剤により基板を処理する任意の好適な方法が使用されてよい。例には、接着促進剤の蒸気、溶液または100%濃度で基板を処理することが含まれる。処理の時間および温度は特定の基板、接着促進剤、および、高められた温度が採用されてよい方法に依存するであろう。任意の好適な外部的接着促進剤が使用されてよい。好適な外部的接着促進剤の部類には、ビニルアルコキシシラン、メタクリルオキシアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、エポキシアルコキシシランおよびグリシドキシアルコキシシランがあるが、これらに限定されない。アミノシランおよびグリシドキシシランがより好ましい。第1級アミノアルコキシシランが一層好ましい。好適な外部的接着促進剤の例には、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシ−シラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリル−オキシプロピルジメトキシメチルシラン、および3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランがあるが、これらに限定されない。ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシランがより好ましい。追加的な好適な接着促進剤は“Silane Coupling Agent”Edwin P. Plueddemann,1982 Plenum Press,New York中に記載されている。この方法には、コートされ露光された基板を現像に先立って高められた温度で露光後ベーキングする段階が場合によって含められてよい。さらに別な場合による段階は現像された基板を硬化に先立ってリンスすることである。
【0063】
本発明のポジ型光活性樹脂は好適な基板上にコートされる。基板は例えばシリコンウェーファまたはセラミック基板、ガラス、金属もしくはプラスチックのような半導体材料であってよい。コーティングの方法には、噴霧コーティング、スピンコーティング、オフセット印刷、ローラーコーティング、スクリーン印刷、押し出しコーティング、メニスカスコーティング、カーテンコーティング、および浸漬コーティングがあるが、これらに限定されない。
【0064】
得られるフィルムは高められた温度でプリベークされる。ベーキングは、その方法に応じて約数分から約1/2時間までにわたって約70〜約120℃のベーク温度内の1つまたはそれ以上の温度で完了し、残留する溶媒が蒸発するであろう。任意の好適なベーキング手段が用いられてよい。好適なベーキング手段の例には、ホットプレートおよび対流オーブンがあるが、これらに限定されない。得られる乾燥フィルムは約3〜約20ミクロンまたは好ましくは約4〜約15ミクロンまたは最も好ましくは約5〜約10ミクロンの厚さを有する。
【0065】
ベーキング段階の後、得られる乾燥フィルムはマスクを通して化学線に好ましいパターンに暴露される。化学線としてX線、電子ビーム、紫外線、可視光線などを使用することができる。最も好ましい放射線は436nm(g線)および365nm(i線)の波長を有する放射線である。
【0066】
化学線への暴露に続いて、暴露およびコートされた基板は、約70℃と120℃との間の温度まで場合による段階において加熱されるのが有利であろう。暴露およびコートされた基板はこの温度範囲で典型的には数秒から数分の短い期間にわたって加熱されそして任意の好適な加熱装置を用いて実施されることができる。好ましい装置にはホットプレート上でのまたは対流オーブン内でのベーキングがある。このプロセス段階は技術上普通、露光後ベーキングと称される。
【0067】
次に水性現像液を使用してフィルムが現像され、そしてレリーフパターンが形成される。水性現像液は水性塩基を含有する。好適な塩基には、無機アリカリ(例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水)、第1級アミン(例えばエチルアミン、n−プロピルアミン)、第2級アミン(例えばジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、第3級アミン(例えばトリエチルアミン)、アルコールアミン(例えばトリエタノールアミン)、第4級アンモニウム塩(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド)、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。使用される塩基の濃度は、使用されるポリマーの塩基溶解度および使用される特定の塩基に応じて変化するであろう。最も好ましい現像液はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)を含有するものである。TMAHの好適な濃度は約1〜約5%の範囲にある。加えて、好適な量の界面活性剤が現像液に添加されてよい。現像は浸漬、噴霧、パッドルまたは他の類似する現像方法によって約10〜40℃の温度で約30秒〜約5分にわたって実施されることができる。現像の後、レリーフパターンは脱イオン水を使用して場合によってはリンスされ、そしてスピニング、ホットプレート上での、オーブン内でのベーキング、または他の好適な手段によって乾燥されてよい。
【0068】
最終的な高耐熱性のパターンを得るために、未硬化のレリーフパターンを硬化することによりベンゾオキサゾール環が次に形成される。高耐熱性を付与するベンゾオキサゾール環を得るために、現像され、未硬化のレリーフパターンを感光性組成物のガラス転移温度Tgまたはそれを越える温度でベーキングすることにより硬化が実施される。典型的に約200℃を越える温度が用いられる。
【0069】
【化29】

【0070】
約250〜約400℃の温度を用いるのが好ましい。硬化時間は用いる特定の加熱方法に応じて約15分〜約24時間である。硬化時間の一層好ましい範囲は約20分〜約5時間であり、硬化時間の最も好ましい範囲は約30分〜約3時間である。硬化は空気中でまたは好ましくは窒素遮蔽下で行われ、また任意の好適な加熱装置によって実施されることができる。好ましい装置にはホットプレート上または対流オーブン内でのベーキングが含まれる。
【0071】
加えて、本発明にはその組成物を使用することにより得られる電子部品が含まれる。
【0072】
本発明を説明するために以下の実施例を提示する。本発明は記載する実施例に限定されないことを理解すべきである。
【実施例】
【0073】
合成例1
構造Xaのポリマーの合成
【化30】

機械式撹拌機、窒素流入口および添加漏斗を備えた100mLの3つ口丸底のフラスコに、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.66g(10ミリモル)、ピリジン1.70g(21ミリモル)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)15gを入れた。すべての固形物が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、次に氷水浴中で0〜5℃で冷却した。この溶液にNMP10g中に溶解したイソフタロイルクロライド1.01g(5ミリモル)および1,4−オキシジベンゾイルクロライド1.447g(5ミリモル)を滴加した。添加終了後、得られる混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌した脱イオン水800mL中で粘稠な溶液を沈殿させた。ポリマーを濾過によって収集しそして脱イオン水でおよび水/メタノール(50/50)混合物で洗浄した。ポリマーを真空下、105℃で24時間乾燥した。収率はほとんど定量的であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.36dL/gであった。
【0074】
合成例2
別なモノマー比を有する構造Xaのポリマーの合成
合成例1を反復したがただし二酸ジクロライド混合物の比を1:1から0.90:1に減少した。収率はほとんど定量的であり、またポリマーの固有粘度(IV)は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.20dL/gであった。
【0075】
細孔寸法が104A、500A、100Aおよび50Aの4つのPhenogel 10カラムおよび溶出剤としてのTHFを使用してゲルパーミエシヨンクロマトグラフィーによって数平均分子量(Mn)を測定した。キャリブレーションとしてポリスチレン標準が使われた。上記の手順でつくったポリマーに関する典型的なMnは5,800であった。反復単位の平均分子量は約540であり、従って重合の程度(x+y)は約11(5800/540)と決定された。yが0であるので、xは11であった。
【0076】
合成例3
構造IIIaのポリマーの合成
【化31】

合成例2に従って合成されたポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの小さい3つのバッチを混合して固有粘度0.205dL/gを有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー混合物100g(184.5ミリモル)を得た。混合物をジグリム1000g中に溶解した。ロータリエバポレーターを65℃(10〜12トル)で使用して、残留水をジグリムとの共沸混合物として除去した。共沸蒸留に際して約500gの溶媒を除去した。
【0077】
反応溶液を窒素流入口およびマグネチックスターラーを備えた1000mLの3つ口丸底のフラスコに移した。氷浴で約5℃まで反応混合物を冷却した。反応混合物を撹拌しつつアセチルクロライド(3.3ml、3.6g)を注射器によって5分の時間にわたって添加した。アセチルクロライドの添加の完了に続いて、反応混合物を氷浴によって継続的に約10分冷却した。次に氷浴を取り外し、そして反応物を1時間にわたって放置して温めた。次に混合物を氷浴上で再度5℃まで冷却した。ピリジン(3.7ml、3.6g)を注射器によって1時間にわたって添加した。氷浴上に反応物を10分間保持し、次に1時間にわたって放置して温めた。
【0078】
反応混合物を水6L中に沈殿させた。ポリマーを濾過により回収し、一晩空気乾燥した。次にポリマーをアセトン500〜600g中に溶解し、そして水/メタノール(70/30)6L中に沈殿させた。濾過によってポリマーを再び回収し、そして数時間にわたって空気乾燥した。湿潤したポリマーケーキをTHFの混合物700g中に溶解しそして水7L中に沈殿させ、濾過し、一晩空気乾燥し、続いて真空オーブン内で90℃で24時間乾燥した。
【0079】
末端NH2基は1Hnmr化学シフト4.5ppmを有した。アセチルクロライドとポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーとの反応が完結した後、このピークが完全に消失したことが認められた。このことはすべてのNH2基が反応したことを示す。
【0080】
合成例4
構造Iaのポリマーの合成
【化32】

機械式撹拌機を備えた1Lの3つ口丸底のフラスコに合成例3に従って合成された2つのバッチとテトラヒドロフラン(THF)650gとの混合物67.5g(約120ミリモル)を入れた。混合物を10分間攪拌し、固形物は完全に溶解した。2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド(RはHであるIId)1.01g(0.38ミリモル)を次に添加しそしてさらに10分撹拌した。50mlのTHFと混合したトリエチルアミン0.39g(3.9ミリモル)を30分以内で徐々に添加し、次に反応混合物を一晩撹拌した。次に激しく撹拌した脱イオン水中3Lに反応混合物を徐々に添加した。沈殿した生成物を濾過によって分離し、そしてそれぞれの回毎に脱イオン水3Lによって2回スラリー化した。濾過の後、生成物を脱イオン水2Lで洗浄した。単離した生成物を40℃で一晩乾燥した。生成物の収率は84%であった。
【0081】
合成例5
構造XIaを有する中間体としてのポリマーを使用する代替的な態様(段階2)を経由する構造Iのポリマーの合成
【化33】

機械式撹拌機を備えた100mLの3つ口丸底のフラスコに合成例1で得たポリマー5.42g(10.0ミリモル)とテトラヒドロフラン(THF)50mLとを入れた。混合物を10分間撹拌し、そして固形物を完全に溶解した。次に2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド(RはHであるIId)0.53g(2ミリモル)を添加し、そして混合物をさらに10分撹拌した。トリエチルアミン0.2g(2ミリモル)を15分以内で徐々に添加し、次いで反応混合物を5時間撹拌した。次に激しく撹拌した脱イオン水500mL中に反応混合物を徐々に添加した。沈殿した生成物を濾過によって分離し、そして脱イオン水200mLで洗浄した。生成物に別の脱イオン水600mLを添加し、そして生成物を30分間激しく撹拌した。濾過の後、生成物を脱イオン水100mLで洗浄した。単離した生成物を40℃で一晩乾燥した。収率は91%であった。
【0082】
合成例6
別のモノマー比を有する構造XIaのポリマーを使用する代替的な態様(段階2)を経由する構造Iのポリマーの合成
合成例5を反復したが、合成例2で得たポリマーを3モル%の2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド(RはHであるIId)と反応させた。ポリマーの固有粘度はNMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.20dL/gであった。
【0083】
合成例7
代替的な態様(段階3)を経由する構造Ibのポリマーの合成
【化34】

機械式撹拌機、および窒素流入口を備えた1Lの3つ口丸底のフラスコに合成例6で得たポリマー100g(165.9ミリモル)とジグリム290gとを入れた。混合物を約25分間撹拌し、そして固形物を完全に溶解した。次に無水フタル酸6.5g(43.9ミリモル)を少量に分けて1時間以内に室温で添加し、そして混合物を16時間にわたって撹拌した。次に激しく撹拌した脱イオン水5200mLに60分にわたって反応混合物を徐々に添加した。沈殿した生成物を濾過によって分離し、そして脱イオン水2000mLで洗浄した。生成物にさらに脱イオン水4000mLを添加し、そして混合物を30分間激しく撹拌した。濾過の後、生成物を脱イオン水2000mLで洗浄した。単離した生成物を40℃で一晩乾燥した。生成物の収率は90%であった。
【0084】
合成例8
構造Xcのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの製造
【化35】

機械式撹拌機、窒素流入口および熱電対を備えた20Lの反応器に、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン1500g(4.09モル)、ピリジン622g(7.86モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)7250gを入れた。すべての固形物が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、次に氷水浴中で0〜5℃で冷却した。この溶液にNMP2760g中に溶解したテレフタロイルクロライド291g(1.43モル)および1,4−オキシジベンゾイルクロライド634.5g(2.15モル)をダイアフラムポンプおよびテフロン(登録商標)移送管を使用して添加した。NMP200gを使用してポンプおよびテフロン(登録商標)移送管を洗浄にした。添加完了後、得られる混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌した脱イオン水140L中で粘稠な溶液を沈殿させた。ポリマーを濾過によって回収し、そして脱イオン水35Lでそして水/メタノール(50/50)混合物で洗浄した。ポリマーを真空下75℃で24時間乾燥した。収率はほとんど定量的であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.183dL/gであった。
【0085】
合成例9
構造(IIIc)のポリマーの合成
【化36】

合成例3を反復したが、ただし使用したポリマーは合成例8で製造したものであった。収率は83.7%であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.205dL/gであった。
【0086】
合成例10
構造(Ic)のポリマーの合成
【化37】

合成例4を反復したが、ただし使用したポリマーは合成例9で合成したものであり、ポリマーのOH基に対する2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド(RはHであるIId)の比を2.0/100に変更した。収率は96%であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.204dL/gであった。
【0087】
合成例11
構造Xdのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの製造
【化38】

機械式撹拌機、窒素流入口および熱電対を備えた20Lの反応器に、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン1500g(4.09モル)、ピリジン622g(7.86モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)5000gを入れた。すべての固形物が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、次に氷水浴中で0〜5℃で冷却した。この溶液にNMP2960g中に溶解したテレフタロイルクロライド212.0g(1.04モル)、イソフタロイルクロライド212.0g(1.04モル)および1,4−オキシジベンゾイルクロライド411.0g(1.39モル)をダイアフラムポンプおよびテフロン(登録商標)移送管を使用して添加した。ポンプおよびテフロン(登録商標)移送管をNMP200gを使用して洗浄にした。添加完了後、得られる混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌した脱イオン水140L中で粘稠な溶液を沈殿させた。ポリマーを濾過によって回収し、そして脱イオン水35Lでおよび水/メタノール(50/50)混合物で洗浄した。ポリマーを真空下、75℃で24時間乾燥した。収率はほとんど定量的であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.205dL/gであった。
【0088】
合成例12
構造(IIId)のポリマーの合成
【化39】

合成例3を反復したが、ただし使用したポリマーは合成例11で製造したものであった。収率は93.6%であり、ポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.212dL/gであった。
【0089】
合成例13
構造(Id)のポリマーの合成
【化40】

合成例4を反復したが、ただし使用したポリマーは合成例12で製造したものであり、ポリマーのOH基に対する2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド(RはHであるIId)の比を3.0/100に変更した。収率は98.7%であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.206dL/gであった。
【0090】
実施例1
構造Iaのポリマーを含む感光性組成物の溶液粘度の安定性の検討
合成例4で得たポリマー100部、ビスフェノールAP PAC11.9部、ジフェニルシランジオール5部およびガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン3部をGBL中に溶解しそして濾過した。33℃での動粘度の変化を14日間追跡した。結果を表1に示す。
【化41】

【表1】

【0091】
比較例1
構造XIのポリマーを含む感光性組成物の溶液粘度の安定性の検討
合成例6で得たポリマー100部、ビスフェノールAP PAC11.9部、ジフェニルシランジオール5部およびガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン3部の混合物をGBL中に溶解し、そして濾過した。33℃での動粘度の変化を14日間追跡した。結果を表2に示す。
【0092】
【表2】

【0093】
比較例1および実施例1は、末端キャップとジアゾキノン部分構造とをともにもつポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの安定性が、ジアゾキノン部分構造はもつが末端キャップをもたないものより優れていることを示す。
【0094】
処方物例1
以下のポジ型感光性組成物を製造した:合成例2で得たポリマー100部、ビスフェノールAP PAC11.9部、ジフェニルシランジオール5部をGBL中に溶解しそして濾過した。
【0095】
比較用の処方物例1
合成例2で得たポリマー100部、Qの20%がHであり、残部が以下に示すジアゾキノン部分構造(RがHであるIId)である以下の構造を有するPAC11.9部、およびジフェニルシランジオール5部をGBL中に溶解することによりポジ型感光性組成物を製造しそして濾過した。
【化42】

【0096】
実施例2
処方物例1および比較処方物例1で製造した感光性処方物の試料3mlをガラススライド上に毎分1000回転でスピンコートし、次いでホットプレート上で3分間120℃でベーキングし2.95μmのフィルムを得た。次にウェーファを真空オーブン内でN2パージ下で硬化した。オーブンの硬化プログラムは100℃で開始され、そして5℃/分の割合で350℃まで昇温された。硬化物は350℃で1時間保持され、そして2時間にわたって100℃まで冷却された。次に、硬化されたフィルムを暗色化について検査した。処方物の例1からの硬化されたフィルムは比較処方物例1からのフィルムより暗色化が著しく少なかった。
【0097】
リソグラフィー実施例1
構造Iaを有するポリマーをベースとする感光性組成物に関するリソグラフィー上の評価
合成例3で得たポリマー100部、ビスフェノールAP PAC11.9部、ジフェニルシランジオール5部およびガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン3部をGBL中に溶解しそして濾過した。処方物をシリコンウェーファ上にスピンコートし、次にホットプレート上で3分間115℃でベーキングし、フィルム厚さ12.87μmを得た。次に、出発露光エネルギーが150mJ/cm2であり露光エネルギーが増分的に20mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファを500rpmで回転し、そしてテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で噴霧現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は290mJ/cm2の線量でボックスからなくなった。未露光フィルムの厚さは7.87ミクロンまで39%減少した。
【0098】
リソグラフィー実施例2
合成例10で得たポリマー100部、ビスフェノールAP PAC9部、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.0部およびジフェニルシランジオール3部をNMP中に溶解しそして濾過した。
【0099】
処方物をシリコンウェーファ上に毎分1300回転でスピンコートし、次にホットプレート上で4分間120℃でベーキングし、プロフィルメータによって測定フィルム厚さ13.96μmを得た。次に、出発露光エネルギーが500mJ/cm2であり露光エネルギーが増分的に50mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で7秒間パドルによって2回現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は1150mJ/cm2の線量でボックスからなくなった。未露光フィルムの厚さは7.43ミクロンまで39%減少した。
【0100】
リソグラフィー実施例3
合成例13で得たポリマー100部、以下に示す感光性化合物(Qは50%のHと50%の部分構造IIdとからなる)10部およびガンマ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン2.0部をNMP中に溶解しそして濾過した。
【化43】

【0101】
処方物をシリコンウェーファ上に毎分900回転でスピンコートし、次にホットプレート上で4分間120℃でベーキングし、プロフィルメータによって測定するときフィルム厚さ12.17μmを得た。次に、出発露光エネルギーが100mJ/cm2であり、露光エネルギーが増分的に20mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で6秒間パドルによって2回現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は460mJ/cm2の線量でボックスからなくなった。未露光フィルムの厚さは5.25ミクロンまで減少した。
【0102】
リソグラフィー実施例4
合成例3で得たポリマー100部、ビスフェノールAP PAC13.5部、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン2.0部およびジフェニルシランジオール2.5部をGBL中に溶解し、そして濾過した。処方物をシリコンウェーファ上に毎分950回転でスピンコートし、次にホットプレート上で4分間120℃でベーキングし、プロフィルメータによって測定したフィルム厚さ14.04μmを得た。次に、出発露光エネルギーが900mJ/cm2であり露光エネルギーが増分的に20mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で30秒間パドルによって2回現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は1020mJ/cm2の線量でボックスからなくなった。未露光フィルムの厚さは11.18ミクロンまで減少した。
【0103】
リソグラフィー実施例5
合成例3で得たポリマー100部、比較処方物実施例1で使用したPAC17部、およびガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン2.5部をGBL中に溶解しそして濾過した。処方物をシリコンウェーファ上に毎分1200回転でスピンコートし次にホットプレート上で4分間120℃でベーキングし、プロフィルメータによって測定したフィルム厚さ13.91μmを得た。次に、出発露光エネルギーが1000mJ/cm2であり露光エネルギーが増分的に20mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で30秒間パドルによって2回現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は1160mJ/cm2の線量でボックスからなくなった。未露光フィルムの厚さは11.56ミクロンまで減少した。
【0104】
リソグラフィー実施例6
リソグラフィー実施例5で使用した組成物をシリコンウェーファ上に毎分1200回転でスピンコートし次にホットプレート上で4分間120℃でベーキングし、プロフィルメータによって測定したフィルム厚さ14.10μmを得た。次に、出発露光エネルギーが700mJ/cm2であり露光エネルギーが増分的に20mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で40秒間パドルによって2回現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は1050mJ/cm2の線量でボックスからなくなった。未露光フィルムの厚さは11.00ミクロンまで減少した。
【0105】
リソグラフィー実施例7
リソグラフィー実施例5で使用した組成物をシリコンウェーファ上に毎分1200回転でスピンコートし次にホットプレート上で4分間120℃でベーキングし、プロフィルメータによって測定したフィルム厚さ14.18μmを得た。次に、出発露光エネルギーが500mJ/cm2であり露光エネルギーが増分的に20mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で60秒間パドルによって2回現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は810mJ/cm2の線量でボックスからなくなった。未露光フィルムの厚さは9.16ミクロンまで減少した。
【0106】
リソグラフィー実施例8
リソグラフィー実施例5で使用した組成物をシリコンウェーファ上に毎分1200回転でスピンコートし次にホットプレート上で4分間120℃でベーキングし、プロフィルメータによって測定したフィルム厚さ14.23μmを得た。次に、出発露光エネルギーが300mJ/cm2であり露光エネルギーが増分的に20mJ/cm2増加される、開放フレーム露光配置にあるi−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。次にウェーファをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.262N水溶液で80秒間パドルによって2回現像し、残留する感光性組成物を含まないまたは含む露光されたボックスの配置を得た。残留する感光性組成物が露光された領域から完全に無くなっているときの露光エネルギーの大きさがいくらかについて、これらのボックスを視覚的に検査した。組成物は620mJ/cm2の線量でボックスをからなくなった。未露光フィルムの厚さは8.26ミクロンまで減少した。
【0107】
本発明をその特定の態様を参照しつつ説明してきたが、ここに記載する発明概念の趣意および範囲から逸脱することなく変化、変更および改変がなされうることが理解できよう。従って、付属する特許請求の範囲の趣意および範囲に属するこのような変化、変更および改変はすべて包含されると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造I:
【化1】

[式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、およびこれらの混在するものからなる群から選択され;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基および2価の脂肪族基からなる群から選択され;Ar3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、2価の複素環式基、およびこれらの混在するものからなる群から選択され;Ar4はAr1(OH)2およびAr2からなる群から選択され、xは約10〜約1000であり;yは0〜約900であり;Dは以下の部分構造IIa〜IIe:
【化2】

(式中、RはH、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基およびシクロヘキシル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択され、k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜約2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2であり、xは約10〜約1000であり;yは約0〜約900であり;Gはポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基、カルボニルオキシ基またはスルホニル基を有する有機基である]
を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項2】
Ar1
【化3】

[式中、X1は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−および−SiR92−からなる群から選択され、各々のR9はC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基およびC5〜C8のシクロアルキル基からなる群から独立に選択される]からなる群から選択される部分構造である、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項3】
Ar1が、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、4,6−ジアミノレゾルシノール、および2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびこれらの混合物からなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造である、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項4】
Ar3
【化4】

[式中、X2は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、および−NHCOからなる群から選択される]
からなる群から選択される部分構造である、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項5】
Ar3が、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、イソフタロイルジクロライド、フタロイルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、4,4’−ジフェニエーテルジカルボン酸ジクロライド、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、ジメチルターフタレート、ジエチルイソフタレート、ジエチルフタレート、ジエチルターフタレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造である、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項6】
Dが部分構造IIbおよびIIdからなる群から選択される、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項7】
1が約0.01〜約0.1である、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項8】
Gがポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基を有する有機基である、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項9】
Gがアルキルカルボニルである、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項10】
Ar1が、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、4,6−ジアミノレゾルシノール、および2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンまたはこれらの混合物からなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造であり、またDが部分構造IIbおよびIIdからなる群から選択される、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項11】
Ar1が、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、4,6−ジアミノレゾルシノールからなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造であり、またGがアルキルカルボニルである、請求項1に記載のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー。
【請求項12】
(a)構造IおよびIII:
【化5】

[式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、およびこれらの混在するものからなる群から選択され;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基および2価の脂肪族基ならびにこれらの混在するものからなる群から選択され;Ar3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、2価の複素環式基およびこれらの混在するものからなる群から選択され;Ar4はAr1(OH)2およびAr2からなる群から選択され;Dは以下の部分構造IIa〜IIe:
【化6】

(式中、RはH、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基およびシクロヘキシル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択され;k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2であり、xは約10〜約1000であり;yは0〜約900であり;またGはポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基、カルボニルオキシ基またはスルホニル基を有する有機基である]
を有するポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(b)構造内にIIa〜IIeからなる群から選択される部分構造を1つまたはそれ以上有する化合物を含む少なくとも1つの非ポリマー性感光性化合物であって、ただし構造IIIのポリマーが唯一のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーであるとき、非ポリマー性の感光性化合物が、構造IV〜VI:
【化7】

(式中、R1、R2、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立にC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択され、または別に、R1およびR2もしくはR4、R5、およびR6のいずれか2つは一緒になって5〜7員環を形成してよく;各々のR3はH、C1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基、非置換のフェニル基およびフェニルもしくはアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたフェニル基からなる群から独立に選択され;QはHまたはDからなる群から選択されるが、ただし少なくとも1つのQはDであり;Dは部分構造IIa〜IIeの1つからなる基から選択され;aは1〜5の整数であり;bおよびcは0〜5の整数であるが、ただし(1)構造IVについて、a=b=1であり、OQがともにR12C置換基に対してパラ位で置換されているなら、R1およびR2がともに同時にメチルであることはなく、(2)1≦a+b<6であり;構造VIについて、a=b=c=1であり、すべてのOQがトリフェニルメタン炭素置換基に対してパラ位にあるなら、少なくとも1つのR3はHでない)
によって表わされる化合物からなる群から選択されるもの;および
(c)少なくとも1つの溶媒
を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項13】
Ar1
【化8】

[式中、X1は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−および−SiR92−からなる群から選択され、各々のR9はC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基およびC5〜C8のシクロアルキル基からなる群から独立に選択される]からなる群から選択される部分構造である、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項14】
Ar1が、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、4,6−ジアミノレゾルシノール、および2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンまたはこれらの混合物からなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造である、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項15】
Ar3
【化9】

[式中、X2は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、および−NHCOからなる群から選択される]
からなる群から選択される部分構造である、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項16】
Ar3が、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、イソフタロイルジクロライド、フタロイルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、4,4’−ジフェニエーテルジカルボン酸ジクロライド、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、ジメチルターフタレート、ジエチルイソフタレート、ジエチルフタレート、ジエチルターフタレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造である、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項17】
Dが部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項18】
1が約0.01〜約0.1である、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項19】
Gがポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基を有する有機基である、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項20】
Gがアルキルカルボニルである、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項21】
少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが構造Iを含む、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項22】
少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが構造IIIを含む、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項23】
少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーが構造Iおよび構造IIIの混在するものを含む、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項24】
少なくとも1つの非ポリマー性の感光性化合物が、部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される部分構造を構造内に有する化合物を含む、請求項21に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項25】
少なくとも1つの非ポリマー性の感光性化合物が、部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される部分構造を構造内に有する化合物を含む、請求項22に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項26】
少なくとも1つの非ポリマー性の感光性化合物が、部分構造IIbおよび部分構造IId部分からなる群から選択される部分構造を構造内に有する化合物を含む、請求項23に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの非ポリマー性の感光性化合物が、部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される部分構造を構造内に有する化合物を含み、また構造IV〜VI:
【化10】

[式中、R1、R2、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立にC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択され、または別に、R1およびR2もしくはR4、R5、およびR6のいずれか2つは一緒になって5〜7員環を形成してよく;各々のR3はH、C1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基、非置換のフェニル基およびフェニルもしくはアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたフェニル基であり;QはHまたはDからなる群から選択されるが、ただし少なくとも1つのQはDであり;Dは以下の部分構造IIa〜IIe:
【化11】

(式中、RはH、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基およびシクロヘキシル基からなる基から選択される)
の1つからなる基から選択され;aは1〜5の整数であり;bおよびcは0〜5の整数であるが、ただし(1)構造IVについて、a=b=1で、OQがともにR12C置換基に対してパラ位で置換されているなら、R1およびR2がともに同時にメチルであることはなく、(2)1≦a+b<6であるものとし;構造VIについて、a=b=c=1であり、すべてのOQがトリフェニルメタン炭素置換基に対してパラ位にあるなら、少なくとも1つのR3はHでない]
によって表わされる化合物からなる群から選択される、請求項21に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項28】
非ポリマー性の感光性化合物が
【化12】

からなる群から選択される、請求項21に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項29】
少なくとも1つの非ポリマー性の感光性化合物が、部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される部分構造を構造内に有する化合物を含み、また構造IV〜VI:
【化13】

[式中、R1、R2、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立にC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択され、または別に、R1およびR2もしくはR4、R5、およびR6のいずれか2つは一緒になって5〜7員環を形成してよく;各々のR3はH、C1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、フェニルもしくはハロゲン化物で置換されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、過フッ素化されたC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基、C5〜C7のシクロアルキル基、C1〜C4のアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたC5〜C7のシクロアルキル基、非置換のフェニル基およびフェニルもしくはアルキルもしくはハロゲン化物で置換されたフェニル基であり;QはHまたはDからなる群から選択されるが、ただし少なくとも1つのQはDであり;Dは以下の部分構造IIa〜IIe:
【化14】

(式中、RはH、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基およびシクロヘキシル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択され;aは1〜5の整数であり;bおよびcは0〜5の整数であるが、ただし(1)構造IVについて、a=b=1であり、OQがともにR12C置換基に対してパラ位で置換されているなら、R1およびR2がともに同時にメチルであることはなく、(2)1≦a+b<6であるものとし;構造VIについて、a=b=c=1であり、すべてのOQがトリフェニルメタン炭素置換基に対してパラ位にあるなら、少なくとも1つのR3はHでない]
によって表わされる化合物からなる群から選択される、請求項23に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項30】
非ポリマー性の感光性化合物が
【化15】

からなる群から選択される、請求項23に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項31】
接着促進剤をさらに含有する、請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項32】
接着促進剤が構造XIII:
【化16】

[式中、各々のR10はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され、各々のR11はC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C5〜C7のシクロアルキル基およびC5〜C7のシクロアルコキシ基からなる群から独立に選択され;dは0〜3の整数であり、nは1〜約6の整数であり、R12は以下の部分構造:
【化17】

(式中、各々のR13およびR14はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され、R15はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択される]
を有する、請求項31に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項33】
接着促進剤が
【化18】

からなる群から選択される、請求項31に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項34】
ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー上のDが部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される部分構造である、請求項24に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項35】
ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー上のDが部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される部分構造であり、Gがポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基を有する有機基であり、組成物が構造
【化19】

[式中、各々のR10はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され、各々のR11はC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C5〜C7のシクロアルキル基およびC5〜C7のシクロアルコキシ基からなる群から独立に選択され;dは0〜3の整数であり、nは1〜約6の整数であり、R12は以下の部分構造:
【化20】

(式中、各々のR13およびR14はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され、R15はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基である)
の1つからなる基から選択される]
を有する接着促進剤をさらに含む、請求項24に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項36】
Gがポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基を有する有機基であり、組成物が構造
【化21】

[式中、各々のR10はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され、各々のR11はC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C5〜C7のシクロアルキル基およびC5〜C7のシクロアルコキシ基からなる群から独立に選択され;dは0〜3の整数であり、nは1〜約6の整数であり、R12は以下の部分構造:
【化22】

(式中、各々のR13およびR14はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され、R15はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択される部分構造である]
を有する接着促進剤をさらに含む、請求項25に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項37】
ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー上のDが部分構造IIbおよび部分構造IIdからなる群から選択される部分構造であり、Gがポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの末端NHに直接結合したカルボニル基を有する有機基であり、組成物が構造
【化23】

[式中、各々のR10はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され、各々のR11はC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、C5〜C7のシクロアルキル基およびC5〜C7のシクロアルコキシ基からなる群から独立に選択され;dは0〜3の整数であり、nは1〜約6の整数であり、R12は以下の部分構造:
【化24】

(式中、各々のR13およびR14はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる基から独立に選択され、R15はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択される部分構造である]
を有する接着促進剤をさらに含む、請求項26に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項38】
(a)請求項12に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項39】
(a)請求項17に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項40】
(a)請求項25に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項41】
(a)請求項27に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項42】
(a)請求項28に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項43】
(a)請求項29に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項44】
(a)請求項31に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項45】
(a)請求項32に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項46】
(a)請求項33に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項47】
(a)請求項36に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項48】
(a)請求項38に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にパターン化された画像を形成する方法。
【請求項49】
請求項38に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項50】
請求項39に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項51】
請求項40に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項52】
請求項41に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項53】
請求項42に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項54】
請求項43に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項55】
請求項44に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項56】
請求項45に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項57】
請求項46に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項58】
請求項47に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項59】
請求項48に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。

【公表番号】特表2007−525545(P2007−525545A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506990(P2006−506990)
【出願日】平成16年3月9日(2004.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/007151
【国際公開番号】WO2004/081057
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】