説明

新規な置換インドリン−2−オン誘導体およびp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ阻害剤としてのそれらの使用

本発明は、一般式(I)を有する新規なp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ阻害剤、それらの製造方法、それらを含む医薬組成物および療法におけるそれらの使用に向けられる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ阻害剤に関する。
【0002】
MAPキナーゼは、膜シグナルを遺伝子発現応答に翻訳する進化的に保存された酵素である。哺乳類では、細胞外シグナル関連キナーゼ(ERK1/2)、Junアミノ末端キナーゼ(JNK1/2/3)、p38タンパク質(α、β、γおよびδ)およびERK5の4つのMAPKファミリーが識別できる。これらのタンパク質の調節は、MAPK、MAPKキナーゼおよびMAPKキナーゼキナーゼからなる3段階のカスケードにより行われる。
【0003】
p38MAPKは、当初、TNFαおよび他のサイトカインの産生をもたらすシグナル伝達経路において中心的役割を有するCSAID(サイトカイン抑制性抗炎症薬)の標的として同定された(Lee et al, 1984)。p38は、ストレスおよび炎症性刺激に応答して、MKK3、MKK4またはMKK6のいずれかによるThrおよびTyrのリン酸化により活性化される(Kyriakis and Avruch, 2001)。そして、p38は、そのエフェクター、すなわちタンパク質キナーゼホスファターゼおよび転写因子、例えばATF−2、MEF2、MAPKAPK2、MSK1/2またはMNK1/2のSerおよびThr残基をリン酸化する。まとめると、この活性化カスケードは、転写因子の活性化、mRNAの安定化、mRNAの翻訳、およびクロマチンのNF−kB結合部位でのヒストンリン酸化という4つの異なる機構を介して遺伝子発現の制御をもたらす(Shi and Gaestel, 2002; Sacanni et al, 2001)。
【0004】
別個の遺伝子によりコードされる4つの異なるp38イソ型、すなわち、p38α、β、γおよびδが存在し、それぞれ異なる組織発現パターンを示す。mRNAおよびタンパク質レベルによる評価によれば(Beardmore et al, 2005; Wang et al, 1997)、p38αおよびβは遍在的に発現され、p38βはCNS組織(脳、皮質、小脳、海馬など)に関連が大きい。p38γの発現は骨格筋でより優勢であり、p38δは主として心臓、腎臓、肺および副腎に局在する。細胞レベルでは、p38αおよびδは、免疫細胞(単球、マクロファージ、好中球およびT細胞)に最も関連が大きいイソ型であると思われる(Hale et al, 1999)。特異的p38α/β阻害剤を用いる薬理学的阻害ならびに遺伝子ターゲティング研究では、p38αが、おそらくその下流基質であるMAPKAP−K2を介して炎症性応答を調節するイソ型であることが示されている(Kotlyarov et al, 1999)。同様に、このイソ型は、p38αKO(ノックアウト)マウスが胎盤機能不全および血管障害のため12.5日胚で死亡し(Allen et al, 2000; Tamura et al, 2000; Adams et al, 2000)、MKK3/MKK6二重KOマウスでもその表現型が再現される(Brancho et al, 2003)ことから、初期の胚発生に必要である。対照的に、p38β、γおよびδノックアウトマウスは発達不全を何ら示さない(Beardmore et al 2005; Sabio et al, 2005)。p38βKOマウスは、炎症性刺激(LPS)に対して野生型対照と同様の応答を示し、このイソ型が炎症において役割を持たないことが示唆される(Beardmore et al 2005)。
【0005】
p38MAPK経路の炎症への関与は、違う化学系統のp38阻害剤を用いることで
in vitroおよびin vivoの双方で研究されている(Pargellis and Regan, 2003; Kumar et al, 2003)。実際に、最も広く用いられている阻害剤分子SB203580は、二重p38α/β阻害剤である。p38の阻害は、PBMC、全血またはヒト単球細胞系統THP−1において、TNF−αならびにIL−1、IL−6およびIL−8のような他の炎症性サイトカインの放出をなくす。
【0006】
TNF−α産生におけるp38の関与のため、p38の阻害剤は、TNF−αが病態生理学的役割を有する疾患の動物モデルにおいて試験されている。p38阻害は、マウスのコラーゲン誘発性関節炎およびラットのアジュバント誘発性関節炎の重篤度を軽減する(Pargellis and Regan, 2003)。さらに、p38阻害剤はまた、おそらく破骨細胞の分化にp38MAPKが関与しているため、関節炎の動物モデルにおいて骨吸収を改善する。p38阻害は、クローン病のマウスモデルにおいて炎症性応答を減弱し、ヒトクローン病患者生検においてTNF−α産生を低下させる(Hollenbach et al 2005; Waetzig et al, 2002)。好中球によってp38経路が独占的に用いられるため、p38はまた、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の標的とも考えられている(Nick et al, 2002)。p38阻害は、好中球増加、炎症性サイトカイン、MMP−9および肺線維症を軽減する(Underwood et al, 2000)。照射の皮膚モデルにおいて、p38の阻害は、アポトーシスおよび炎症性応答を阻止することにより急性紫外線曝露から表皮を保護する(Hildesheim et al, 2004)。p38阻害はまた、TNF−αの過剰産生が病態生理学的役割を有する骨髄異形成症候群患者由来の骨髄における造血系の欠陥を回復させる(Katsoulidis et al, 2005)。
【0007】
造血系悪性腫瘍において、研究により、p38阻害剤が、骨髄間質細胞におけるIL−6およびVEGFの産生を阻害することにより多発性骨髄腫細胞の増殖を阻止し得ることが示されている(Hideshima et al, 2002)。
【0008】
p38は、アポトーシス、線維症および細胞肥大などの重要な細胞機構に関係しており、それは心臓および血管病理学に共通している。p38の薬理学的阻害は、虚血−再潅流傷害、局所性脳虚血、急性冠血動脈症候群、慢性心不全および心筋梗塞後リモデリングの改善に有用であることが証明されている(See et al, 2004)。
【0009】
p38の実験的阻害は、グリア細胞によるCOX−2発現およびTNF−α産生に依存する神経障害の動物モデルにおいて疼痛を軽減するのに有効であることが報告されている(Schafers et al, 2003; Jin et al, 2003; Tsuda et al, 2004)。
【0010】
よって、本発明の化合物は、過剰または無調節の炎症性サイトカイン産生(例えば、ヒトまたは他の哺乳類における過剰または無調節のTNF、IL−1、IL−6およびIL−8産生を含む)により引き起こされる症状を含む、p38キナーゼが役割を果たす任意の疾患または障害の予防または治療において有用であり得る。本発明は、このような使用、およびこのようなサイトカイン介在疾患または障害を処置するための薬剤の製造のための該化合物の使用に及ぶ。さらに、本発明は、このような任意の疾患または障害の処置のための有効量のp38阻害剤のヒトへの投与に及ぶ。
【0011】
p38キナーゼが直接的またはサイトカインTNF、IL−1、IL−6およびIL−8を含む炎症性サイトカインを介して役割を果たす疾患または障害には、限定されるものではないが、自己免疫疾患、免疫性および炎症性疾患、破壊的骨障害、新生物障害、神経変性障害、ウイルス性疾患、感染性疾患、心血管疾患、脈管形成関連障害および疼痛関連障害が挙げられる。
【0012】
予防または処置され得る自己免疫疾患としては、限定されるものではないが、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、ライター症候群、線維筋痛症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病など)、多発性硬化症、糖尿病、糸球体腎炎、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、溶血性貧血、自己免疫性胃炎、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、自己免疫性慢性活動性肝炎、重症筋無力症およびアジソン病が挙げられる。
【0013】
予防または処置され得る免疫性および炎症性疾患としては、限定されるものではないが、喘息、COPD、呼吸窮迫症候群、急性または慢性膵炎、移植片対宿主病、ベーチェット症候群、炎症性眼疾患(結膜炎およびブドウ膜炎など)、乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、サルコイドーシス、痛風、発熱症(pyresis)、移植拒絶、アレルギー性鼻炎およびアレルギー性結膜炎が挙げられる。
【0014】
予防または処置され得る心血管疾患としては、限定されるものではないが、虚血−再潅流傷害、局所性脳虚血、急性冠動脈症候群、鬱血性心不全、心筋症、心筋炎、アテローム性動脈硬化症、脈管炎および再狭窄が挙げられる。
【0015】
予防または処置され得る破壊的骨障害としては、限定されるものではないが、骨粗鬆症、骨関節症および多発性骨髄腫関連骨障害が挙げられる。
【0016】
予防または処置され得る新生物障害としては、限定されるものではないが、カポジ肉腫などの固形腫瘍、転移性黒色腫、ならびに造血系悪性腫瘍(急性または慢性骨髄性白血病および多発性骨髄腫など)が挙げられる。
【0017】
予防または処置され得る神経変性疾患としては、限定されるものではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、外傷性傷害により引き起こされる神経変性疾患およびハンチントン病が挙げられる。
【0018】
予防または処置され得るウイルス性疾患としては、限定されるものではないが、急性肝炎感染(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を含む)、HIV感染、エプスタイン・バー感染、CMV網膜炎、SARSまたはA型トリインフルエンザ感染が挙げられる。
【0019】
予防または処置され得る感染症としては、限定されるものではないが、敗血症、敗血性ショック、内毒素ショック、グラム陰性菌敗血症、毒素ショック症候群、細菌性赤痢および脳性マラリアが挙げられる。
【0020】
予防または処置され得る脈管形成関連障害としては、限定されるものではないが、血管腫、眼の血管新生、黄斑変性および糖尿病性網膜症が挙げられる。
【0021】
予防または処置され得る疼痛関連障害としては、限定されるものではないが、神経障害性疼痛(糖尿病性神経障害、ヘルペス後または三叉神経痛など)、癌関連疼痛、慢性疼痛(腰痛症候群など)および炎症性疼痛が挙げられる。
【0022】
予防または処置され得る他の雑多な疾患または障害としては、限定されるものではないが、骨髄異形成症候群、悪液質、子宮内膜症、日焼けなどの急性皮膚傷害、および創傷治癒が挙げられる。
【0023】
p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害により媒介される生理作用に関して、最近、いくつかの化合物が、リウマチ性関節炎、虚血−再潅流傷害、局所性脳虚血、急性冠動脈症候群、COPD、クローン病、過敏性腸症候群、成人呼吸窮迫症候群、骨粗鬆症、アルツハイマー病などの神経変性疾患、リウマチ性脊椎炎、乾癬、アテローム性動脈硬化症、骨関節症および多発性骨髄腫の治療または予防のために開示されている。例えば、WO99/01449、WO00/63204、WO01/01986、WO01/29042、WO02/046184、WO02/058695、WO02/072576、WO02/072579、WO03/008413、WO03/033502、WO03/087087、WO03/097062、WO03/103590、WO2004/010995、WO2004/014900、WO2004/020438、WO2004/020440、WO2005/018624、WO2005/032551、WO2005/073219を参照。
【発明の概要】
【0024】
今般、ある種の置換インドリン−2−オン誘導体が、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの新規で強力な阻害剤であり、従って、これらの疾患の治療または予防に使用可能であることが見出された。
【0025】
本発明のさらなる目的は、該化合物の製造方法;有効量の該化合物を含む医薬組成物;p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害により改善され得る病状または疾患の処置のための薬剤の製造における該化合物の使用;および本発明の化合物を、処置を必要とする対象に投与することを含む、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害により改善を受け得る病状または疾患の処置方法を提供することである。
【0026】
よって、本発明は式(I):
【化1】

[式中、
・Rは水素原子、C3−6シクロアルキル基、C3−6シクロアルキル−C1−2アルキレン基およびC5−10アリール−C1−2アルキレン基からなる群から選択され、ここで、該シクロアルキルおよびアリール基は直鎖または分枝C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシ基から選択される1または2個の置換基で所望により置換されていてもよく、
・Rは水素原子およびメチル基からなる群から選択され、
・Rは水素原子およびハロゲン原子からなる群から選択され、
・RおよびRは各々独立にC1−3アルキル基を表すか、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に式
【化2】

{式中、nおよびmは各々独立に1〜2の整数を表し、Gは−O−および−C(R)−から選択され、ここで、
・Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、モルホリンおよびモルホリノ−エトキシ基からなる群から選択される}
の環式基を形成し、
・Rは水素原子、ハロゲン原子およびC1−4アルキル基からなる群から選択され、
・Gは窒素原子または基−CH=から選択され、
・Gは窒素原子または芳香族炭素原子から選択され、
・Gは窒素原子または酸素原子から選択される]
で表される新規な置換誘導体ならびにその薬学上許容される塩およびN−オキシドに向けられる。
【0027】
本明細書においてC1−4アルキルとは1〜4個の炭素原子、例えば、1〜3個の炭素原子を有する、所望により置換されていてもよい直鎖または分枝炭化水素基を包含する。よって、該アルキル基は置換されていなくても、または1以上の、例えば、1、2または3個のハロゲン原子、ヒドロキシまたはC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい。アルキル基が2以上の置換基を有する場合、それらの置換基は同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、該アルキル基は置換されていない。
【0028】
例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル基が挙げられる。
【0029】
本明細書においてC1−4アルコキシとは、それぞれ1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝酸素含有基を包含する。該C1−4アルコキシは置換されていなくても、または1以上の、例えば、1、2もしくは3、ハロゲン原子、好ましくは、フッ素もしくは塩素原子で置換されていてもよい。好ましくは、前記C1−4アルコキシ基は置換されていない。
【0030】
例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシ基が挙げられる。
【0031】
本明細書においてシクロアルキルとは飽和炭素環式基を包含し、特に断りのない限り、シクロアルキル基は一般に3〜7個の炭素原子、好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個の炭素原子、最も好ましくは3〜4個の炭素原子を有する。
【0032】
例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0033】
本明細書においてC−C14アリール基とは一般に、フェニルもしくはナフチル、アントラニルもしくはフェナントリルなどの単環式または多環式アリール基を包含し、好ましくはフェニルまたはナフチルなどのC−C10アリール基である。フェニルが好ましい。アリール基が2以上の置換基を有する場合、それらの置換基は同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、該アリール基は置換されていない。
【0034】
本明細書においてハロゲン原子とは、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素原子、一般にはフッ素、塩素または臭素原子、最も好ましくは塩素またはフッ素を包含する。接頭辞として用いられる場合のハロも同じ意味を有する。
【0035】
本明細書において薬学上許容される塩とは、薬学上許容される酸または塩基を用いた塩を包含する。薬学上許容される酸には、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硝酸と、有機酸、例えば、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸の双方が含まれる。薬学上許容される塩基には、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)水酸化物および有機塩基、例えば、アルキルアミン、アリールアルキルアミンおよび複素環式アミンが含まれる。
【0036】
本発明の他の好ましい塩は第四級アンモニウム化合物であり、ここでは等価のアニオン(X−)がN原子の正電荷と結合している。X−は、様々な無機酸のアニオン、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンまたは有機酸のアニオン、例えば、酢酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、クエン酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、酒石酸イオン、リンゴ酸イオン、マンデル酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオンおよびp−トルエンスルホン酸イオンであり得る。X−は、好ましくは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、マレイン酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオンまたはトリフルオロ酢酸イオンから選択されるアニオンである。より好ましくは、X−は、塩素イオン、臭素イオン、トリフルオロ酢酸イオンまたはメタンスルホン酸イオンである。
【0037】
本明細書においてN−オキシドは、分子内に存在する第三級塩基性アミンまたはイミンから、慣例の酸化剤を用いて形成される。
【0038】
が芳香族炭素原子を表し、Gが窒素原子を表す場合、GおよびGを含む環系の窒素原子の1つはプロトン化されている。
【0039】
一般に、Rは水素原子、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基またはベンジル基を表し、ここで、該ベンジル基はメトキシ基で所望により置換されていてもよい。
【0040】
好ましくは、Rは水素原子またはシクロプロピル基を表す。
【0041】
一般に、Rはメチル基を表す。
【0042】
一般に、Rは水素原子を表す。
【0043】
一般に、RおよびRは各々独立にメチル基を表すか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に式
【化3】

{式中、nおよびmは各々独立に1〜2の整数を表し、Gは−O−および−C(R)−から選択され、ここで、Rは水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基およびモルホリノ−エトキシ基からなる群から選択され、Rは水素原子、フッ素原子またはメチル基から選択される}
の環式基を形成する。
【0044】
一般に、Gは芳香族炭素原子を表す。
【0045】
一般に、Gは酸素原子を表す。
【0046】
本発明の好ましい実施形態では、Rは水素原子またはシクロプロピル基を表し、Rはメチル基を表し、Rは水素原子を表し、RおよびRは各々独立にメチル基を表すか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に式
【化4】

{式中、nおよびmは各々独立に1〜2の整数を表し、Gは−O−および−C(R)−から選択され、ここで、Rは水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基およびモルホリノ−エトキシ基からなる群から選択され、Rは水素原子、フッ素原子またはメチル基から選択され、Gは芳香族炭素原子を表し、Gは酸素原子を表す}
の環式基を形成する。
【0047】
本発明の特定の個々の化合物としては、
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
5’−クロロ−6’−(3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2,3,5,6−テトラヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6−(3−(4−メトキシベンジルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラ−ヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−(2−モルホリノエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
6−(3−アミノ−6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6’−[3−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル]スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6’−(3−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6’−{3−[(シクロプロピルメチル)アミノ][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル}スピロ−[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6’−(3−(シクロプロピルメチルアミノ)−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
ならびにその薬学上許容される塩およびN−オキシドが含まれる。
【0048】
特に注目されるものは、
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−(2−モルホリノエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
がある。
【0049】
本発明のさらなる特徴によれば、一般式(I)の化合物は図1で示される合成経路により製造することができる。
【化5】

図1
式(I)の化合物は、鈴木型の反応(Miyaura, N.; Suzuki, A. Chem. Rev. 1995, 95, 2457)を用い、好適なハロ誘導体(IIA)(式中、R、R、GおよびGは上記で定義される通りであり、Yはヨウ素原子などのハロゲン原子である)と、対応する式(IIIA)(R、R、RおよびGは上記で定義される通り)のボロネートまたはまたは式(IIIB)のボロン酸をカップリングすることにより得ることができる。このような反応は、80〜120℃の範囲の温度にて、1,4−ジオキサンなどの溶媒中、炭酸セシウム水溶液などの塩基の存在下で、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンの複合体(1:1)などの好適なパラジウム触媒により触媒され得る。
【0050】
あるいは、式(I)の化合物は図2で示されるスキームに従い、上記と同じ手順に従って、鈴木のカップリング条件下、式(IIB)(式中、R、R、GおよびGは上記で定義される通り)のボロン酸と式(IIIC)(式中、R、R、RおよびGは上記で定義される通りであり、Yは臭素原子などのハロゲン原子である)を反応させることにより製造することができる。
【化6】

図2
【0051】
一般式(IIB)の化合物は図3で示される合成経路により得ることができる。
【化7】

図3
【0052】
−78℃〜室温の範囲の温度にて、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中、(IIA)(式中、R、R、G、GおよびYは上記で定義された通り)の溶液に、塩化または臭化イソプロピルマグネシウムなどの好適な有機金属試薬を加えた後、ホウ酸トリイソプロピルなどの好適なホウ酸アルキルを加え、−78℃〜室温の範囲の温度にて反応を進行させると、後処理の後に一般式(IIB)のボロン酸が得られる。
【0053】
が芳香族炭素原子を表す特定の場合において、式(IIA)および(IIB)の化合物は図4で示される合成経路に従って合成される。
【化8】

図4
【0054】
式(V)(式中、RおよびYは上記で定義される通り)の化合物は、−78〜−50℃の範囲の温度にて、テトラヒドロフランなどの溶媒中、式(IV)の化合物にリチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの強塩基を加えた後、分子ヨウ素などの求電子ハロゲン化試薬を加え、次いで、−78℃〜室温の範囲の温度にて反応を進行させることにより製造することができる。(V)型の中間体を、50℃〜還流温度の範囲の温度にて、1,4−ジオキサン中の硫酸などの酸性媒体で処理すると式(VI)の中間体が得られ、これを、0℃〜室温の範囲の温度にて、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中、ボラン−硫化メチル複合体などの好適な還元剤と反応させることにより、式(VII)の化合物に変換することができる。
【0055】
式(VIII)のアルデヒドは、室温〜50℃の範囲の温度にて、ジクロロメタンまたはクロロホルムなどの好適な溶媒中、式(VII)の化合物に、酸化マンガン(IV)などの好適な酸化剤を加えることにより製造することができる。式(VIII)の化合物は、室温にてエタノールなどの好適な溶媒中、塩酸ヒドロキシルアミンで処理することにより、式(IX)の化合物に変換することができる。(IX)型の化合物を、室温〜55℃の範囲の温度にて、N,N’−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、N−クロロスクシンイミドなどの好適な求電子塩素化試薬と反応させると式(X)の化合物が得られ、次にこれを、室温にてテトラヒドロフランまたはN,N’−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒中、式R−NH(式中、Rは上記で定義される通り)のアミンと反応させて(XI)型の中間体を得ることができる。
【0056】
が酸素原子を表す式(IIA)の誘導体は、マイクロ波条件下、130〜180℃の範囲の温度にて、2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンなどの好適な塩基を用い、テトラヒドロフランなどの溶媒中で式(XI)の化合物を加熱することにより得ることができる。
【0057】
が酸素原子を表し、Rが水素原子を表す特定の場合において、式(IIA)の化合物は式(V)の化合物から、室温にて、N,N’−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、カリウムtert−ブトキシドなどの好適な塩基の存在下、N−ヒドロキシアセトアミドで処理することにより得ることができる。
【0058】
が窒素原子を表す式(IIA)の誘導体は、式(V)の化合物を、室温〜150℃の範囲の温度にて、エタノールなどの好適な溶媒中、ヒドラジン誘導体で処理するにより得ることができる。
【0059】
−78℃〜室温の範囲の温度にて、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中、(IIA)の溶液に、塩化または臭化イソプロピルマグネシウムなどの好適な有機金属試薬を加えた後、ホウ酸トリイソプロピルなどの好適なホウ酸アルキルを加え、−78℃〜室温の範囲の温度にて反応を進行させると、後処理の後に一般式(IIB)のボロン酸が得られる。
【0060】
およびGの双方が窒素原子である特定の場合において、式(IIAII)の化合物は図5に記載されている合成経路に従って合成することができる。
【化9】

図5
【0061】
式(XIII)(式中、RおよびYは上記で定義される通り)の化合物は、式(XII)の化合物から、J. Org. Chem., 1993, 58(27), 7832-7838に記載されている実験手順に従って得ることができる。中間体(XIII)を、室温〜還流までの範囲の温度にて、エタノールなどの溶媒中、ヒドラジン水和物で処理すると(XIV)型の化合物が得られる。式(XIV)の化合物を、0℃にてジクロロメタンなどの溶媒中、トリホスゲンなどの好適な試薬と反応させた後、0℃〜室温の範囲の温度にて、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下、式R−NH(式中、Rは上記で定義される通り)の適当なアミンで処理すると、式(XV)の化合物が得られる。式(IIAII)の化合物は、室温〜還流までの範囲の温度にて、オキシ塩化リンなどの好適な脱水剤で式(XV)の化合物を処理することにより得られる。
【0062】
式(IIIA)、(IIIC)および(IIIC)の中間体は、図6で示される合成経路に従って得ることができる。
【化10】

図6
【0063】
式(XVI)(G、RおよびYは上記で定義される通り)のヒドラジンを、−40℃〜室温の範囲の温度にて、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、好適な酸塩化物または酸無水物で処理すると、式(XVII)の中間体が得られる。式(XVII)の誘導体は、200〜280℃の範囲の温度にて、無溶媒で、またはキノリンもしくはテトラリンなどの好適な高沸点不活性溶媒を用いて、水素化カルシウムまたは酸化カルシウム(II)などの好適な塩基で処理すると環化し、(IIIC)型の化合物が得られる。
【0064】
式(IIIC)の中間体は、80〜120℃の範囲の温度にて、N,N’−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドなどの非プロトン性有機溶媒中、酢酸カリウムなどの好適な塩基および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)とジクロロメタンの複合体(1:1)などのパラジウム触媒の存在下、ビス(ピナコラト)二ホウ素などの好適な試薬を用いて対応する式(IIIA)のボロネートに変換することができる。
【0065】
式(IIIC)の中間体はまた、(IIIC)を、還流温度にてクロロホルムなどの溶媒中、N−クロロスクシンイミドなどの好適な求電子ハロゲン化薬剤で処理することにより、対応する式(IIIC)の誘導体に変換することもできる。
【0066】
(IIIC)型の中間体化合物はまた、図7で示される合成経路によって製造することもできる。
【化11】

図7
【0067】
中間体(IIIC)は、式(XVIII)の化合物を、−78℃〜室温の範囲の温度にて、テトラヒドロフランまたはN,N’−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、できればN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどの添加剤の存在下、ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸セシウムまたはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの好適な塩基と反応させた後、対応するジハロ誘導体を加え、次いで−78℃〜室温の範囲の温度にて反応を進行させることにより得ることができる。あるいは、式(XVIII)の化合物をまず、P1がtert−ブトキシカルボニル(BOC)などの好適な保護基を表す式(XIX)の中間体に変換してもよい。式(XIX)の化合物を、上記のような条件に従ってジハロ誘導体で処理した後、好適な試薬で脱保護すると、式(IIIC)の化合物が得られる。
【0068】
スピロアルキル基が4−置換シクロヘキシル部分を表す特定の場合において、式(IIICII〜IIICVI)の化合物は図8で示される合成経路に従って合成することができる。
【化12】

図8
【0069】
式(XVIII)(式中、G、RおよびYは上記で定義される通り)の化合物は、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中、カリウムtert−ブトキシドなどの好適な塩基の存在下、アクリル酸メチルで処理すると、水による加水分解の後に、式(IIICII)のシクロヘキサノン誘導体が得られる。これらの誘導体は、室温にて、ジクロロメタンなどの溶媒中、三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄などの好適な試薬で処理することにより、式(IIICIII)のジフルオロ化合物に変換することができる。
【0070】
別の合成経路において、式(IIICII)の化合物を、−78℃〜還流までの範囲の温度にて、テトラヒドロフランなどの溶媒中、メチルリチウムなどの有機金属試薬で処理すると、式(IIICIV)のアルコールが得られる。
【0071】
最後に、式(IIICII)の化合物は、式(IIICII)の化合物を、周囲温度にて、ジクロロメタン/トルエンなどの溶媒中、メタンスルホン酸などの酸の存在下、2−クロロエタノールで処理することにより(IIIC)型の中間体に変換した後、その中間体化合物を、ジクロロメタンまたはジエチルエーテルなどの溶媒中、塩化トリメチルシリルの存在下、水素化ホウ素亜鉛などの還元剤で処理して式(IIIC)の化合物を得ることができる。式(IIIC)の化合物は、(IIIC)を、周囲温度〜還流までの範囲の温度にて、N,N’−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、ヨウ化ナトリウムなどの活性化剤の存在下、モルホリンなどのアミン(RNH)で処理することにより、式(IIICVI)の化合物に変換することができる。
【0072】
式(XVIII)の中間体化合物は、図9で示される合成経路に従って製造することができる。
【化13】

図9
【0073】
式(XX)(式中、G、RおよびYは上記で定義される通りであり、Yは塩素またはフッ素原子などのハロゲン原子を表す)のニトロ誘導体を、10〜80℃の範囲の温度にて、1,2−ジメトキシエタンまたはN,N’−ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中、水素化ナトリウムなどの好適な塩基の混合物に対応するマロン酸アルキルを加えることにより作製されたアルキルマロン酸塩と反応させると、対応する式(XXI)の中間体が得られる。式(XXI)の誘導体を、20〜130℃の範囲の温度にて、ジメチルスルホキシドなどの好適な溶媒中、塩酸水溶液などの無機鉱酸で処理すると、式(XXII)のカルボン酸誘導体が得られる。式(XXI)および(XXII)の双方の誘導体は、80〜150℃の範囲の温度にて、エタノール/塩酸水溶液または酢酸水溶液などの溶媒中、鉄粉などの好適な還元剤で処理することにより、式(XVIII)のオキシインドール誘導体に変換することができる。
【0074】
生物学的試験
阻害アッセイ
酵素活性アッセイは、50mM HEPES pH7.5、10mM MgCl、1.75mM NaVOを含む全量50μlのアッセイバッファーを用いて、96ウェルマイクロタイタープレート(Corning、カタログ番号3686)中で行った。
【0075】
様々な濃度の供試化合物またはビヒクル対照を、0.055μg/mlのヒトp38α(SAPKa)酵素(ダンディー大学から入手)とともに1時間プレインキュベートした。Km値付近の濃度のビオチニル化ATF2基質およびATP(それぞれの終濃度0.62μMおよび60μM)を加えることにより反応を開始させ、25℃にて1時間進行させた。検出試薬であるストレプトアビジン−XL665およびユーロピウムクリプテートと結合した抗リン酸化残基抗体の添加により、クリプテートとXL665蛍光団が並列位をとり、結果として蛍光エネルギー移動(FRET)が起こる。FRET強度は、結合したクリプテート抗体の量に依存し、それは基質リン酸化の程度に比例する。FRET強度をVictor 2V蛍光光度計を用いて測定した。
【0076】
データを非線形回帰(Hillの方程式)により分析し、用量反応曲線を作成した。計算したIC50値は、最大FRET強度の50%低下をもたらした供試化合物の濃度である。
表1 本発明からの化合物の選択とともに上記から得られた結果を示す。
【表1】

【0077】
表1から、式(I)の化合物がp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの有効な阻害剤であることが分かる。本発明の好ましい置換インドリン−2−オン誘導体のp38α阻害のIC50値は100nM未満、より好ましくは80nM未満、最も好ましくは50nM未満である。
【0078】
機能的アッセイ
TNFα産生を阻害する化合物の活性を、ヒト単球細胞株THP−1を用いる細胞アッセイにて測定した。この目的で、2×10細胞/ウェルを、組織培養処理した丸底96ウェルプレートの、RPMI(10%FCS、L−Gln 2mM、Hepesバッファー10mM、ピルビン酸ナトリウム1mM、グルコース4.5gr/L、HNaCO1.5g/Lおよびβ−メルカプトエタノール50μMを含有)中に、所望の試験濃度の化合物および終濃度10μg/mlのLPS(Sigma, L2630)とともに播種した。化合物を100%DMSO中に1mMの濃度で再懸濁し、それを培地で10倍希釈し漸増した。対照は、刺激細胞のみ、および最高濃度の化合物ビヒクル(1%DMSO)で処理した刺激細胞を含んだ。細胞を、5%CO雰囲気下、37℃で5時間インキュベートした。細胞上清を遠心分離により回収し、5倍に希釈した後に標準ヒトTNFαELISA(RnD systems)で試験した。
【0079】
データを非線形回帰(Hillの方程式)により分析し、用量反応曲線を作成した。計算したIC50値は、最大TNFα産生の50%減少をもたらした供試化合物の濃度である。
【0080】
本発明の化合物はTNFα産生の良好な阻害剤である。本発明の好ましい誘導体のTNFα産生の阻害に関するIC50値は100μM未満、好ましくは10μM未満、より好ましくは1μM未満、最も好ましくは100nMである。
【0081】
本発明の置換インドリン−2−オン誘導体は、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害により改善を受け得ることが知られている疾患の治療または予防に有用である。このような疾患は、例えば、関節リウマチ、虚血−再潅流傷害、虚血性脳虚血、急性冠動脈症候群、喘息、COPD、クローン病、過敏性腸症候群、成人性呼吸窮迫症候群、骨粗鬆症、アルツハイマー病、リウマチ性脊椎炎、乾癬、アテローム性動脈硬化症、変形性関節症または多発性骨髄腫である。
【0082】
よって、本発明の置換インドリン−2−オン誘導体およびその薬学上許容される塩、このような化合物および/またはその塩を含む医薬組成物は、そのような処置を必要とする対象に有効量の本発明の置換インドリン−2−オン誘導体またはその薬学上許容される塩を投与することを含む、ヒト身体の障害の処置方法に使用可能である。
【0083】
本発明の置換インドリン−2−オン誘導体を喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症または気腫などの呼吸器系疾患の処置に用いる場合、それらを(1)M3ムスカリン受容体のアンタゴニスト、(2)β2−アゴニスト、(3)PDE4阻害剤、(4)コルチコステロイド、(5)ロイコトリエンD4アンタゴニスト、(6)egfr−キナーゼの阻害剤、(7)A2Bアデノシン受容体のアンタゴニスト、(8)NK1受容体アゴニスト、(9)CRTh2アンタゴニスト、(10)sykキナーゼ阻害剤、(11)CCR3アンタゴニスト、および(12)VLA−4アンタゴニストなどの呼吸器系疾患の処置において有用であることが知られている他の有効化合物と併用することが有利であり得る。
【0084】
本発明はまた、本発明の置換インドリン−2−オン誘導体と、(1)M3ムスカリン受容体のアンタゴニスト、(2)β2−アゴニスト、(3)PDE4阻害剤、(4)コルチコステロイド、(5)ロイコトリエンD4アンタゴニスト、(6)egfr−キナーゼの阻害剤、(7)A2bアデノシン受容体のアンタゴニスト、(8)NK1受容体アゴニスト、(9)CRTh2アンタゴニスト、(10)sykキナーゼ阻害剤、(11)CCR3アンタゴニスト、(12)VLA−4アンタゴニスト、および(13)メトトレキサートなどのDMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬)からなる群から選択される別の有効化合物を含む医薬組成物も提供する。
【0085】
本発明の置換インドリン−2−オン誘導体を喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症および気腫などの呼吸器系疾患の処置に用いる場合、それらを(1)M3ムスカリン受容体のアンタゴニスト、(2)β2−アゴニスト、(3)PDE4阻害剤、(4)コルチコステロイド、(5)CysLT1および/またはCysLT2アンタゴニスト、(6)egfr−キナーゼの阻害剤、(7)A2bアンタゴニスト、(8)NK1受容体アゴニスト、(9)CRTh2アンタゴニスト、(10)sykキナーゼ阻害剤、(11)CCR3アンタゴニスト、および(12)VLA−4アンタゴニストなどの呼吸器系疾患の処置において有用であることが知られている他の有効化合物と併用することが有利であり得る。
【0086】
本発明の置換インドリン−2−オン誘導体を乾癬、関節リウマチ、乾癬の関節炎、強直性脊椎炎(ankylosing spondilytis)、ライター症候群、線維筋痛症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病など)、多発性硬化症、糖尿病、糸球体腎炎、全身性紅斑性狼瘡、硬皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、溶血性貧血、自己免疫性胃炎、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、自己免疫性慢性活動性肝炎、重症筋無力症またはアジソン病などの自己免疫疾患の処置に用いる場合、それらをPDE4阻害剤、CysLT1および/またはCysLT2アンタゴニスト、egfr−キナーゼの阻害剤、A2bアンタゴニスト、NK1受容体アゴニスト、CCR3アンタゴニスト、VLA−4アンタゴニストおよび疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)などの自己免疫疾患の処置において有用であることが知られている他の有効化合物と併用することが有利であり得る。
【0087】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なM3アンタゴニスト(抗コリン作動薬)の例は、チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、トロスピウム塩、レバトロペイト、エスパトロペイト、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−カルボン酸エンド−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルエステル塩(DAU−5884)、3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−シクロブチル−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−オン(NPC−14695)、N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロ−1(R)−シクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミド(J−104135)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−[4(S)−メチルヘキシル]ピペリジン−4−イル]−2−フェニルアセトアミド(J−106366)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−(4−メチル−3−ペンテニル)−4−ピペリジニル]−2−フェニルアセトアミド(J−104129)、1−[4−(2−アミノエチル)ピペリジン−1−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロシクロペント−1(R)−イル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタン−1−オン(Banyu−280634)、N−[N−[2−[N−[1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−3(R)−イルメチル]カルバモイル]エチル]カルバモイルメチル]−3,3,3−トリフェニルプロピオンアミド(Banyu CPTP)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸4−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘクス−3−イル)−2−ブチニルエステル(Ranbaxy 364057)、UCB−101333、Merck’s OrM3、7−エンド−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルアセトキシ)−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0(2,4)]ノナン塩、7−(2,2−ジフェニルプロピオニルオキシ)−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン塩、7−ヒドロキシ−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボン酸エステル塩、全てについて所望によりそれらのラセミ体、それらの鏡像異性体、それらのジアステレオマーおよびその混合物の形態、ならびに所望によりそれらの薬理学上適合する酸付加塩の形態である。塩の中でも、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびメタンスルホン酸塩が好ましい。
【0088】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なβ2−アゴニストの例は、アルフォルモテロール、バムブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、ドペキサミン、フェノテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテネロール、ノロミロール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リトドリン、リモテロール、サルブタモール、サルメファモール、サルメテロール、シベナデット、ソテネロット、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、ツロブテロール、GSK−597901、ミルベテロール、GSK−678007、GSK−642444、GSK−159802、LAS100977、HOKU−81、KUL−1248、カルモテロール、インダカテロールおよび5−[2−(5,6−ジエチルインダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノールおよび1−(4−エトキシカルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、所望によりそれらのラセミ体、それらの鏡像異性体、それらのジアステレオマーおよびその混合物ならびに所望によりそれらの薬理学上適合する酸付加塩の形態、ならびに国際特許出願番号WO2006/122788A1およびWO2007/124898で特許請求されている化合物である。β2−アゴニストが塩または誘導体の形態である場合、それはナトリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバリン酸塩、フマル酸塩、フロ酸塩、キシナホ酸塩またはその混合物から選択される形態であるのが特に好ましい。
【0089】
以下のβ2−アゴニストが式(I)の化合物との組合せに関して特に注目される:アルフォルモテロール、バムブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、ドペキサミン、フェノテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、ノロミロール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、(R,R)−フォルモテロール、レプロテロール、リトドリン、リモテロール、サルブタモール、サルメテロール、シベナデット、スルホンテロール、テルブタリン、ツロブテロール、GSK−597901、ミルベテロール、LAS100977、KUL−1248、カルモテロールおよびインダカテロール、所望によりそれらのラセミ体、それらの鏡像異性体、それらのジアステレオマーおよびその混合物、ならびに所望によりそれらの薬理学上適合する酸付加塩の形態。
【0090】
さらに最も好ましいのは以下のβ2−アゴニストである:フォルモテロール、サルメテロールおよびGSK−597901、GSK−159797、インダカテロール、所望によりそれらのラセミ体、それらの鏡像異性体、それらのジアステレオマーおよびその混合物、ならびに所望によりそれらの薬理学上適合する酸付加塩の形態。さらにより好ましいのはサルメテロールおよびフォルモテロールである。
【0091】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なPDE4阻害剤の例は、デンブフィリン、ロリプラム、シパムフィリン、アロフィリン、フィラミナスト、ピクラミラスト、メソプラム、塩酸ドロタベリン、リリミラスト、シロミラスト、オグレミラスト、アプレミラスト、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸(テトミラスト)、(R)−(+)−4−[2−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニルエチル]ピリジン、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド(GSK−842470)、9−(2−フルオロベンジル)−N6−メチル−2−(トリフルオロメチル)アデニン、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−8−メトキシキノリン−5−カルボキサミド、N−[9−メチル−4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3(R)−イル]ピリジン−4−カルボキサミド、3−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシベンジル]−6−(エチルアミノ)−8−イソプロピル−3H−プリン塩酸塩、4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)ピリジン−2(1H)−オン、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサn1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール、ONO−6126(Eur Respir J 2003, 22(Suppl. 45): Abst 2557)およびPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692で特許請求されている化合物である。
【0092】
β2−アゴニストと組合せ可能である好適なコルチコステロイドおよびグルココルチコイドの例は、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、デキサメタゾンシペシル酸エステル(dexamethasone cipecilate)、ナフロコート、デフラザコート、酢酸ハロプレドン、ブデソニド、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ピバリン酸クロコルトロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、パルミチン酸デキサメタゾン(dexamethasone palmitoate)、チプレダン、アセポン酸ヒドロコルチゾン、プレドニカルベート、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸ブチキソコルト、RPR−106541、ハロメタゾン、メチルプレドニゾロンスレプタネート、フロ酸モメタゾン、リメキソロン、ファルネシル酸プレドニゾロン、シクレソニド、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタソール、ロテプレドノールエタボネート、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、フルニソリド、プレドニゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロン、吉草酸ベタメタゾン17、ベタメタゾン、二プロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウムおよびヒドロコルチゾンプロブテートである。
【0093】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なCysLT1および/またはCysLT2アンタゴニストの例は、トメルカスト、イブジラスト、ポビルカスト、プランルカスト水和物、ザフィルルカスト、リトルカスト、ベルルカスト、スルカスト、チペルカスト、シナルカスト、イラルカストナトリウム、マシルカスト、モンテルカストナトリウム、5−[3−[3−(2−キノリニルメトキシ)フェノキシ]プロピル]−1H−テトラゾール、(E)−8−[2−[4−[4−(4−フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]ビニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ベンゾピラン−4−オンナトリウム塩、2−[N−[4−(4−クロロフェニルスルホンアミド)ブチル]−N−[3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]スルファモイル]安息香酸、(3R,4R)−3−[6−(5−フルオロベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3−イルメチル]安息香酸、2−[2−[2−(4−tert−ブチルチアゾール−2−イル)ベンゾフラン−5−イルオキシメチル]フェニル]酢酸塩酸塩、5−[2−[4−(キノリン−2−イルメトキシ)フェノキシメチル]ベンジル]−1H−テトラゾール、(E)−2,2−ジエチル−3’−[2−[2−(4−イソプロピル)チアゾリル]エテニル]スクシンアニリド酸;4−[4−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]−4−オキソ酪酸、[[5−[[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロピル]チオ]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]チオ]酢酸、9−[(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−n−プロピルフェノキシ)メチル]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、5−[3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)ビニル]フェニル]−8−(N,N−ジメチルカルバモイル)−4,6−ジチアオクタン酸ナトリウム塩;3−[1−[3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)ビニル]フェニル]−1−[3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロピルスルファニル]メチルスルファニル]プロピオン酸ナトリウム塩、6−(2−シクロヘキシルエチル)−[1,3,4]チアジアゾロ[3,2−a]−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−9(1H)−オン、(R)−3−[2−メトキシ−4−[N−(2−メチルフェニルスルホニル)カルバモイル]ベンジル]−1−メチル−N−(4,4,4−トリフルオロ−2−メチルブチル)インドール−5−カルボキサミド、MCC−847(AstraZenecaから)、(+)−4(S)−(4−カルボキシフェニルチオ)−7−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]−5(Z)−ヘプテン酸およびPCT特許出願WO2004/043966A1で特許請求されている化合物である。
【0094】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なegfr−キナーゼ阻害剤の例は、パリフェルミン、セツキシマブ、ゲフィチニブ、レピフェルミン、塩酸エルロチニブ、二塩酸カネルチニブ、ラパチニブ、およびN−[4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−3−シアノ−7−エトキシキノリン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2(E)−ブテンアミドである。
【0095】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なA2bアデノシン受容体アンタゴニストの例は、CV TherapeuticsからのCVT−6883、4−(1−ブチルキサンチン−8−イル)安息香酸、8−[1−[3−(4−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルメチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−1,3−ジプロピルキサンチン、N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−[5−(1,3−ジプロピルキサンチン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]アセトアミド、8−[4−[5−(2−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルメトキシ]フェニル]−1,3−ジプロピルキサンチン、3−[5−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(ピラジン−2−イルアミノ)チアゾール−4−イル]ベンゾニトリル、4−(2,6−ジオキソ−1−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)ベンゼンスルホン酸、1−[2−[8−(3−フルオロフェニル)−9−メチル−9H−アデニン−2−イル]エチニル]シクロペンタノール塩酸塩、N−(2−アセチルフェニル)−2−[4−(1,3−ジプロピルキサンチン−8−イル)フェノキシ]アセトアミド、N−(4−アセチルフェニル)−2−[4−(1,3−ジプロピルキサンチン−8−イル)フェノキシ]アセトアミド、N−(4−シアノフェニル)−2−[4−(1,3−ジプロピルキサンチン−8−イル)フェノキシ]アセトアミド、4−(3,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ピリジニル)チアゾール−2−アミンまたは国際特許出願WO2005/040155A1、WO2005/100353A1、WO2007/039297A1およびWO2007/017096A1の化合物である。
【0096】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なNK1−受容体アンタゴニストの例は、ベシル酸ノルピタンチウム、ダピタント、ラネピタント、塩酸ボフォピタント、アプレピタント、エズロピタント、N−[3−(2−ペンチルフェニル)プロピオニル]−トレオニル−N−メチル−2,3−デヒドロチロシル−ロイシル−D−フェニルアラニル−アロ−トレオニル−アスパラギニル−セリンC−1.7−O−3.1ラクトン、1−メチルインドール−3−イルカルボニル−[4(R)−ヒドロキシ]−L−プロリル−[3−(2−ナフチル)]−L−アラニンN−ベンジル−N−メチルアミド、(+)−(2S,3S)−3−[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミノ]−2−フェニルピペリジン、(2R,4S)−N−[1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−2−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]キノリン−4−カルボキサミド、3−[2(R)−[1(R)−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]−3(S)−(4−フルオロフェニル)モルホリン−4−イルメチル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−ホスフィン酸ビス(N−メチル−D−グルカミン)塩;[3−[2(R)−[1(R)−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]−3(S)−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニルメチル]−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ホスホン酸1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−D−グルシトール(1:2)塩、1’−[2−[2(R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル]スピロ[ベンゾ[c]チオフェン−1(3H)−4’−ピペリジン]2(S)−オキシド塩酸塩およびEur Respir J 2003, 22(Suppl. 45): Abst P2664に記載されている化合物CS−003である。
【0097】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なCRTh2アンタゴニストの例は、2−[5−フルオロ−2−メチル−1−[4−(メチルスルホニル)フェニルスルホニル]−1H−インドール−3−イル]酢酸、ラマトロバン、[(3R)−4−(4−クロロベンジル)−7−フルオロ−5−(メチルスルホニル)−1,2,3,4テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール−3−イル]酢酸および(1R,2R,3S,5S)−7−[2−(5−ヒドロキシベンゾチオフェン−3−イルカルボキサミド)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−3−イル]−5(Z)−ヘプテン酸である。
【0098】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である好適なSykキナーゼ阻害剤の例は、ピセアタンノール、2−(2−アミノエチルアミノ)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボキサミド、R−091(Rigelから)、R−112(Rigelから)、R−343(Rigelから)、R−788(Rigelから)、6−[5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]−2,2−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オンベンゼンスルホネート、1−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン−1−オン、N−[4−[6−(シクロブチルアミノ)−9H−プリン−2−イルアミノ]フェニル]−N−メチルアセトアミド、2−[7−(3,4−ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルアミノ]ピリジン−3−カルボキサミド二塩酸塩およびAVE−0950(Sanofi-Aventisから)である。
【0099】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能であるCCR3アンタゴニストの例は、4−[3−[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2(S)−イルメチル]ウレイドメチル]ベンズアミド、N−[1(R)−[4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル]−2−メチルプロピル]−N’−(3,4,5−トリメトキシフェニル)尿素、N−[1(S)−[4−(4−クロロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシプロピル]−N’−(3,4,5−トリメトキシフェニル)尿素、3−[3−(3−アセチルフェニル)ウレイド]−2−[4−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル]−N−メチルベンズアミド、4−(3,4−ジクロロベンジル)−1−メチル−1−[3−メチル−2(R)−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ウレイド]ブチル]ピペリジニウムクロリド、N−[2−[4(R)−(3,4−ジクロロベンジル)ピロリジン−2(S)−イル]エチル]−2−[5−(3,4−ジメトキシフェニル]ピリミジン−2−イルスルファニル]アセトアミド、CRIC−3(IPF Pharmaceuticalsから)、2(R)−[1−[1−(2,4−ジクロロベンジル)−4(S)−(3−チエニル)ピロリジン−3(S)−イルメチル]ピペリジン−4−イルメチル]ペンタン酸、8−[1−(2,4−ジクロロベンジル)−4(S)−(3−チエニル)ピロリジン−3(S)−イルメチル]−3,3−ジプロピル−1−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2(S)−カルボン酸、11−[1−(2,4−ジクロロベンジル)−4(S)−(3−チエニル)ピロリジン−3(S)−イルメチル]−3,14−ジオキサ−11−アザジスピロ[5.1.5.2]ペンタデカン−15(S)−カルボン酸、W−56750(Mitsubishi Pharmaから)、N−[1(S)−[3エンド−(4−クロロベンジル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イルメチル]−2(S)−ヒドロキシプロピル]−N’−(3,4,5−トリメトキシフェニル)尿素、N−(3−アセチルフェニル)−N’−[(1R,2S)−2−[3(S)−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル]シクロヘキシル]尿素ベンゼンスルホネート、トランス−1−(シクロヘプチルメチル)−4−(2,7−ジクロロ−9H−キサンテン−9−イルカルボキサミド)−1−メチルピペリジニウムヨージド、GW−782415(GlaxoSmithKlineから)、GW−824575(GlaxoSmithKlineから)、N−[1’−(3,4−ジクロロベンジル)−1,4’−ビピペリジン−3−イルメチル]キノリン−6−カルボキサミド、N−[1−(6−フルオロナフタレン−2−イルメチル)ピロリジン−3(R)−イル]−2−[1−(3−ヒドロキシ−5−メチルピリジン−2−イルカルボニル)ピペリジン−4−イリデン]アセトアミドフマレートおよびDIN−106935(Bristol-Myers Squibbから)である。
【0100】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能であるVLA−4アンタゴニストの例は、N−[4−[3−(2−メチルフェニル)ウレイド]フェニルアセチル]−L−ロイシル−L−アスパルチル−L−バリル−L−プロリン、3(S)−[2(S)−[4,4−ジメチル−3−[4−[3−(2−メチルフェニル)ウレイド]ベンジル]−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル]−4−メチルペンタノイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸、2(S)−(2,6−ジクロロベンズアミド)−3−(2’,6’−ジメトキシビフェニル−4−イル)プロピオン酸、RBx−4638(Ranbaxyから)、R−411(Rocheから)、RBx−7796(Ranbaxyから)、SB−683699(GlaxoSmithKlineから)、DW−908e(Daiichi Pharmaceuticalから)、RO−0270608(Rocheから)、AJM−300(Ajinomotoから)、PS−460644(Pharmacopeiaから)およびPCT特許出願番号WO02/057242 A2およびWO2004/099126A1で特許請求されている化合物である。
【0101】
本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と組合せ可能である疾患修飾性抗リウマチ薬(DMAR)の例は、オーラノフィン、アザチオプリン、ブシルアミン、シクロスポリン、イグラチモド、レフルノミド、メトトレキサート、ペントスタチン、塩酸リマカリブ、ロマザリット、サラゾジン、スルファサラジン、テリフルノミド、(E)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−2−エチルイソチアゾリジン1,1−ジオキシド、シス−2−(4−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール塩酸塩、2−[8−[2−[6−(メチルアミノ)ピリジル−2−イルエトキシ]−3−オキソ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン−4−(S)−イル]酢酸、4−アセトキシ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾチアゾール、3−[4−メチル−3−[N−メチル−N−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]−3−オキソプロピオニトリル(CP−690550)、3−デアザアデノシン、6−[5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]−2,2−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オンベンゼンスルホネート(R−406)、SoseiからのAD−452、ArakisからのAD−827、British BiotechからのBB−2983、4SCからのSC−12267、ConpharmからのCPH−82、RocheからのR−1295、RocheからのR−1503およびN2−[3−[1(S)−(2−フルオロビフェニル−4−イル)エチル]イソキサゾール−5−イル]モルホリン−4−カルボキシアミジン塩酸塩(SMP−114)である。
【0102】
本発明の組合せは、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害により改善を受け得る障害の処置に用い得る。よって、本願は、これらの障害の処置方法、ならびにこれらの障害の処置、特に関節リウマチの処置のための薬剤の製造における本発明の組合せの使用を包含する。
【0103】
本発明はまた、有効成分として式(I)の置換インドリン−2−オン誘導体またはその薬学上許容される塩と、担体または希釈剤などの薬学上許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。有効成分は、処方の性質および適用前にさらなる希釈が行われるかどうかによって0.001〜99重量%、好ましくは0.01〜90重量%の組成物を含み得る。好ましくは、これらの組成物は経口、局所、吸入、経鼻、直腸、経皮または注射投与に好適な形態で製造される。経口投与用組成物は、シロップ剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、徐放性製剤、速溶性製剤などの形態であり得る。局所的投与用組成物は、クリーム、軟膏、ローション、鼻腔スプレーまたはエアゾールなどの形態であり得る。注射投与用組成物は、皮下、皮内、筋肉内または静脈内組成物の形態であり得る。吸入投与用組成物は、乾燥粉末、溶液、分散物などの形態であり得る。
【0104】
組合せ中の有効化合物、すなわち、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤とその他の任意選択の有効化合物は、同じ医薬組成物として一緒に投与してもよいし、あるいは同じまたは異なる経路による個別投与、同時投与、並行投与または逐次投与を意図した異なる組成物で投与してもよい。
【0105】
本発明の1つの実施は、本発明のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤を、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害に応答する呼吸器系疾患の処置に有用な別の有効化合物と組み合わせて同時、並行、個別または逐次使用することに関する説明書とともに含むパーツキットからなる。
【0106】
本発明の別の実施は、式(I)のp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤と、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害に応答する呼吸器系疾患の処置において同時、並行、個別または逐次使用に有用な別の有効化合物を含むパッケージからなる。
【0107】
本発明の組成物を形成するために有効化合物またはそのような化合物の塩と混合する薬学上許容される賦形剤はそれ自体周知であり、用いる実際の賦形剤はとりわけ意図する組成物の投与方法によって異なる。
【0108】
組成物の製造に使用可能な希釈剤は、有効成分に適合する液体および固体希釈剤を、所望により着色剤または香味剤とともに含む。錠剤またはカプセル剤は、便宜には、1〜500mgの間の有効成分または同等量のその塩を含有し得る。
【0109】
経口用に適する液体組成物は溶液または懸濁液の形態であり得る。これらの溶液は、有効化合物の可溶性塩またはその他の誘導体の水溶液を、例えばスクロースと組み合わせてシロップとしたものであり得る。懸濁液は本発明の不溶性有効化合物またはその薬学上許容される塩を、沈殿防止剤または香味剤とともに水と組み合わせて含み得る。
【0110】
非経口注射用組成物は可溶性塩から製造してもよく、これらは凍結乾燥されてもされなくてもよく、発熱物質不含水性媒体またはその他の適当な非経口注射液に溶解させてもよい。
【0111】
吸入による肺への局所送達のための乾燥粉末組成物は、例えば、吸入器(inhaler)または通気器(insufflator)で用いるための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジ、またはラミネートアルミホイルのブリスターで提供され得る。処方物は一般に、本発明の化合物の吸入用粉末混合物とラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤(担体物質)を含有する。ラクトースの使用が好ましい。
【0112】
処方物の包装は、単位用量または複数用量送達に適したものであり得る。複数用量送達の場合には、この処方物は予め計量することもできるし、あるいは使用時に計量することもできる。従って、乾燥粉末吸入剤は、(a)単一用量、(b)複数単位用量、および(c)複数用量デバイスの3群に分類される。
【0113】
第一種の単一用量吸入器では、単一用量は、ほとんどが硬ゼラチンカプセルである小容器に製造者により秤量されている。カプセルを別個の箱または容器から取り出し、その吸入器の受容部位に挿入しなければならない。次に、このカプセルを開けるか、またはピンもしくは切刃で孔を開けて、吸入の際の遠心力を用いてこれらの孔を通してカプセルから粉末を飛散または排出させるために吸気流の一部にカプセルを通り抜けさせなければならない。吸入後、空のカプセルを吸入器から再び取り外さなければならない。ほとんどの場合、カプセルの挿入および取り外しに吸入器の分解が必要とされ、これは患者によっては困難で煩わしいであろう操作である。吸入粉末用の硬ゼラチンカプセルの使用に関する他の欠点は、(a)周囲空気からの吸湿に対する保護が不十分なこと、(b)カプセルが崩壊または亀裂が起こる極度の相対湿度に事前に曝された後の開放または穿孔に伴う問題、および(c)カプセル断片の吸入の可能性である。さらに、多くのカプセル吸入器について、不完全な放出が報告されている。
【0114】
いくつかのカプセル吸入器は、WO92/03175に記載されているように、貯蔵庫を有し、そこから個々のカプセルが受容チャンバーに移ることができ、そこで、穿孔および排出が起こる。他のカプセル吸入器は、用量放出のための空気路と一直線上となり得るカプセルチャンバーを備えた回転式貯蔵庫を有する(例えば、WO91/02558およびGB2242134)。それらには、ディスクまたはストリップ上に提供される限定数の単位用量を有するブリスター吸入器とともに複数単位用量型の吸入器が含まれる。
【0115】
ブリスター吸入器は、カプセル吸入器よりも優れた薬剤の湿度保護を提供する。粉末の利用は、カバーならびにブリスターホイルを穿孔すること、またはカバーホイルを剥離することにより得られる。ディスクの代わりにブリスターストリップを用いる場合、用量の数を増すことができるが、空のストリップを取り除くことが患者にとって不便である。従って、このような装置は、ストリップの送り出しとブリスターポケットの開口に用いる技術を含む、組み込み用量システムを用いて使い捨てである場合が多い。
【0116】
複数用量吸入器には、予め測定された量の粉末製剤を含まない。それらは、比較的大きな容器と患者が操作しなければならない用量測定原理からなる。この容器は、容量排出により粉末バルクから個々に分離される複数用量を保持する。回転膜(例えば、EP0069715)またはディスク(例えば、GB2041763;EP0424790;DE4239402およびEP0674533)、回転シリンダー(例えば、EP0166294;GB2165159およびWO92/09322)および回転錐台(例えば、WO92/00771)を含む様々な用量測定原理が存在し、全て、容器からの粉末で充填されるべきキャビティーを有する。他の複数用量デバイスは、測定スライド(例えば、US5201308およびWO97/00703)または容器から送達チャンバーまたは空気路へ一定量の粉末を排出するための局部または円周のくぼみを有する測定プランジャー(例えば、EP0505321、WO92/04068およびWO92/04928)、または以下の特許出願番号:WO97/000703、WO03/000325およびWO03/061742に記載されているGenuair(登録商標)(旧名称はNovolizer SD2FL)の測定スライドを有する。
【0117】
乾燥粉末吸入器からの適用とは別に、本発明の組成物はまた、噴射剤ガスにより、または薬理学的に活性な物質の溶液が、吸入可能な粒子のミストが生じるように高圧下で噴霧できる、いわゆるアトマイザーの手段により作動するエアゾールで投与することもできる。このようなアトマイザーは例えばWO91/14468およびWO97/12687に記載されている。
【0118】
有効用量は、通常、1日あたり有効成分1〜2000mgの範囲である。1日用量は、1日あたり1回以上の処置、好ましくは1ないし4回の処置で投与され得る。
【0119】
本発明の化合物の合成およびそこで用いるための中間体の合成を下記の製造例(中間体1〜28)を含む実施例(1〜20)により説明するが、それらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0120】
H核磁気共鳴スペクトルは、Varian Gemini 300分光計で記録した。融点は、Buechi B−540装置を用いて記録した。LCMSクロマトグラフィー分離は、Symmetry C18(2.1×100mm、3.5mm)カラムを備えたWaters 2795システムを用いて得た。検出器として、ESイオン化を用いるMicromass ZMD質量分光計およびWaters 996ダイオードアレイ検出器を用いた。移動相は、ギ酸(0.46ml)、アンモニア(0.115ml)および水(1000ml)(A)、ならびにギ酸(0.4ml)、アンモニア(0.1ml)、メタノール(500ml)およびアセトニトリル(500ml)(B):まず、20分で0%〜95%B、その後、95%Bで4分とした。2回の注入間の再平衡化時間は5分であった。流速は0.4ml/分であった。注入量は5μlであった。ダイオードアレイクロマトグラムは210nmで行った。
【0121】
調製物1
6−ブロモインドリン−2−オン
【化14】

a)2−(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)マロン酸ジメチル
10℃にて、N,N’−ジメチルホルムアミド(500mL)中、水素化ナトリウムの攪拌懸濁液(鉱油中60%分散物、16.2g、405mmol)に、N,N’−ジメチルホルムアミド(45mL)中、マロン酸ジメチル(40.34g、0.305mol)を滴下した。この混合物を室温で1時間攪拌した後、この反応混合物にN,N’−ジメチルホルムアミド(45mL)中、4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(44.38g、202mmol)を滴下した。この混合物を室温で75分間攪拌した後、65℃まで温めた。1時間後、減圧下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルと水の混合物に取り、この混合物が淡黄色となるまで2M塩酸水溶液を加えた。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶させ、標題化合物(55.0g、83%)を淡黄色固体として得た。
LRMS (m/z): 330/332 (M-1)-.
1H-NMRδ(CDCl3): 3.81 (s, 6H), 5.28 (s, 1H), 7.43 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.78 (dd, J=9.0 and 3.0 Hz, 1H), 8.21 (d, J=4.0 Hz, 1H).
【0122】
b)2−(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)酢酸
室温にて、ジメチルスルホキシド(250mL)中、2−(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)マロン酸ジメチル(調製物1a、55.45g、170mmol)の攪拌溶液に、6M塩酸水溶液(200mL)を加えた後、混合物を攪拌しながら130℃まで温めた。5時間後、この混合物を冷却し、水(400mL)を攪拌しながら加え、この混合物を一晩放冷した。沈殿を濾過し、水で洗浄し、真空乾燥させ、標題化合物(41.0g、94%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 258/260 (M-1)-.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 3.98 (s, 2H), 7.53 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 12.66 (s, 1H).
【0123】
c)6−ブロモインドリン−2−オン
75℃にて、酢酸(390mL)中、2−(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)酢酸(調製物1b、46.6g、200mmol)の攪拌溶液に、鉄(40.0g、700mmol)をゆっくり加えた後、混合物を100℃で1時間攪拌した。その後、この混合物を冷却し、酢酸エチルを加えた。この混合物をセライト(登録商標)で濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を0.1M塩酸水溶液、水、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、標題化合物(22.0g、58%)を固体として得た。
LRMS (m/z): 212/214 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 3.45 (s, 2H), 6.94 (s, 1H), 7.09-7.17 (m, 2H), 10.50 (s, 1H).
【0124】
調製物2
6’−ブロモスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化15】

−78℃にて、テトラヒドロフラン(20mL)中、6−ブロモインドリン−2−オン(調製物1、1.00g、4.7mmol)およびN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(1.42mL、9.4mmol)の攪拌懸濁液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、3.8mL、9.5mmol)を30分かけて滴下した。この混合物を1時間攪拌した後、1,4−ジヨードブタン(3.11mL、23.6mmol)を5分かけて滴下した。この混合物を1時間かけて−20℃まで温め、この温度でさらに1時間攪拌した後、室温まで温めた。室温で3時間攪拌した後、この反応物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.57g、45%)を淡桃色の固体として得た。
LRMS (m/z): 266/268 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.81-2.20 (m, 8H), 7.02-7.06 (m, 2H), 7.14-7.18 (m, 1H), 7.83 (brs, 1H).
【0125】
調製物3
6’−ブロモ−5’−クロロスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化16】

クロロホルム(5mL)中、6’−ブロモスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物2、0.20g、0.75mmol)の溶液に、N−クロロスクシンイミド(500mgg、3.75mmol)を加えた。この混合物を攪拌し、加熱還流した。6時間後、この混合物を室温まで冷却した。この反応物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、この混合物をクロロホルムで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(8:2ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.17g、75%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 298/300 (M-1)-.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.84-1.99 (m, 4H), 2.07-2.14 (m, 2H), 2.18-2.24 (m, 2H), 7.26 (brs, 2H).
【0126】
調製物4
6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化17】

N,N’−ジメチルホルムアミド(2mL)中、6’−ブロモスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物2、0.20g、0.77mmol)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(0.29g、1.15mmol)、酢酸カリウム(0.38g、3.85mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)二塩酸塩ジクロロメタン複合体(0.06g、0.08mmol)の混合物をBiotage Initiatorマイクロ波合成装置にて120℃で30分間加熱した。次に、この混合物を冷却し、溶媒を蒸発させた。この残渣に酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.07g、30%)を固体として得た。
LRMS (m/z): 314 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.34 (s, 12H), 1.83-1.91 (m, 2H), 1.94-2.10 (m, 4H), 2.15-2.23 (m, 2H), 7.21 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.45 (brs, 1H), 7.45 (d, J=9.0 Hz, 1H).
【0127】
調製物5
6−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
【化18】

6−ブロモインドリン−2−オン(調製物1)および1−ヨード−2−(2−ヨードエトキシ)エタンから、調製物2に記載されている実験手順に従い、その後、粗生成物をジエチルエーテル/ヘキサン(1:1)、次いで酢酸エチル、最後にジエチルエーテルでトリチュレートし、白色固体として得た(33%)。
LRMS (m/z): 282/284 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.71 (m, 4H), 3.81 (m, 2H), 4.01 (m, 2H), 6.98 (d, J=1.65 Hz, 1H), 7.14 (dd, J=7.97 Hz, J=1.65 Hz, 1H), 7.47 (d, J=7.97 Hz, 1H), 10.55 (s, NH).
【0128】
調製物6
6−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
【化19】

a)6−ブロモ−2−オキソインドリン−1−カルボン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン(150mL)中、6−ブロモインドリン−2−オン(調製物1、3.0g、14.2mmol)の攪拌溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.63g、21.2mmol)および炭酸水素ナトリウム(10.7g、127mmol)を加え、この混合物を加熱還流した。3時間後、この混合物を冷却し、濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(3.58g、81%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 312/314 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.65 (s, 9H), 3.66 (s, 2H), 7.10(d, 1H), 7.27 (d, 1H), 8.03 (s, 1H).
【0129】
b)6−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−1−カルボン酸tert−ブチル
アルゴン雰囲気下、−20℃にて、N,N’−ジメチルホルムアミド(250mL)中、6−ブロモ−2−オキソインドリン−1−カルボン酸tert−ブチル(調製物6a、6.0g、16.0mmol)および1−ヨード−2−(2−ヨードエトキシ)エタン(6.58g、17.6mmol)の攪拌溶液に、炭酸セシウム(20.7g、63.5mmol)を20分かけて少量ずつ加えた。添加後、この混合物を室温まで温め、3時間攪拌した。この反応混合物に酢酸(1.1mL)、次いで、酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10:1〜5:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(4.50g、61%)を淡黄色固体として得た。
LRMS (m/z): 382/384 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.65 (s, 9H), 1.86 (m, 4H), 3.90 (m, 2H), 4.23 (m, 2H), 7.17(d, J=7.97 Hz, 1H), 7.33 (d, J=7.97 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H)
【0130】
c)6−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
1,4−ジオキサン(25mL)中、6−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−1−カルボン酸tert−ブチル(調製物6b、4.20g、11.0mmol)および5M塩化水素溶液の混合物を室温で攪拌した。5時間後、この混合物を真空濃縮し、標題化合物(3.20g、98%)を淡桃色の固体として得た。
LRMS (m/z): 278/280 (M-1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.71 (m, 4H), 3.81 (m, 2H), 4.01 (m, 2H), 6.98 (d, J=1.65 Hz, 1H), 7.14 (dd, J=7.97 Hz, J=1.65 Hz, 1H), 7.47 (d, J=7.97 Hz, 1H), 10.55 (s, NH).
【0131】
調製物7
6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
【化20】

炉で乾燥させた再封可能なシュレンク管に6−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン(調製物8、0.10g、0.35mmol)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(0.18g、0.71mmol)、酢酸カリウム(0.07g、0.70mmol)およびジメチルスルホキシド(1mL)を充填した。このシュレンク管に対してアルゴンの排出−再充填を3回行い、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)二塩酸塩ジクロロメタン複合体(0.02g、0.02mmol)を加えた。アルゴンの排出−再充填をさらに3回行った後、シュレンク管に蓋をし、90℃の油浴に入れた。16時間後、この混合物を冷却し、酢酸エチルを加えた。有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。この混合物をシリカカートリッジで濾過し、ヘキサン/酢酸エチルで溶出し、標題化合物を定量的収量で淡黄色油性残渣として得、これをそれ以上精製せずに用いた。
LRMS (m/z): 330 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.35 (m, 12H), 1.89-1.91 (m, 4H), 3.91-3.95 (m, 2H), 4.23-4.27 (m, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.77 (brs, 1H).
【0132】
調製物8
6−ブロモ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【化21】

a)N’−(3−ブロモフェニル)イソブチロヒドラジド
0℃にて、ジクロロメタン中、3−ブロモフェニルヒドラジン(6.10g、27.30mmol)およびトリエチルアミン(7.60mL、54.50mmol)の攪拌溶液に、無水イソ酪酸(4.80mL、28.70mmol)を滴下した。添加後、この混合物を周囲温度まで温め、3時間攪拌した。次に、この混合物を真空濃縮し、残渣を酢酸エチルと水で分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、固体を濾過し、乾燥させ、標題化合物(5.50g、78%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 257/259 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.22-1.25 (d, 6H), 2.43-2.51 (m, 1H), 6.16 (brs, 1H), 6.72-6.75 (m, 1H), 6.95 (brs, 1H), 7.00-7.11 (m, 2H), 7.33 (brs, 1H).
【0133】
b)6−ブロモ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
エアコンデンサーを備えたガラス管にて、N’−(3−ブロモフェニル)イソブチロヒドラジド(調製物8a、3.10g、11.90mmol)および水素化カルシウム(0.75g、17.9mmol)の混合物を25分かけて180℃まで、その後、15分かけて210℃まで、最後に30分かけて230℃まで加熱した。次に、この混合物を室温まで冷却し、攪拌しながらメタノールと水の混合物を加え、ガスの発生が収まった後、pHが1〜2となるまで濃塩酸を加えた。その後、水を加え、この混合物を100℃まで加熱した。1時間後、この混合物を0℃まで冷却し、6N水酸化ナトリウム水溶液でpH3とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘキサン/EtOAc)で精製し、標題化合物(0.70g、24%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 240/242 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.39 (s, 6H), 7.06 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.19 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.24 (brs, 1H).
【0134】
調製物9
3,3−ジメチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリン−2−オン
【化22】

6−ブロモ−3,3−ジメチルインドリン−2−オン(調製物8)から、調製物7に記載されている実験手順に従い、固体として得た。所望の粗化合物が定量的収量で得られ、それ以上の精製せずに用いた。
LRMS (m/z): 288 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.26-1.40 (m, 18H), 7.23 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.54 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.00 (brs, 1H).
【0135】
調製物10
6’−ブロモ−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化23】


a)6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’,4−ジオン
ジメチルスルホキシド(7mL)中、6−ブロモインドリン−2−オン(調製物1、3.00g、14.2mmol)の懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(0.085g、0.80mmol)を加え、周囲温度で10分間攪拌した後、この混合物を40〜45℃まで加熱し、70分かけてアクリル酸メチル(4.00mL、44.40mmol)を滴下した。添加後、この混合物を1時間攪拌した後、カリウムtert−ブトキシド(3.82g、34.00mmol)を、温度を50℃より低く維持しながら、30分かけて少量ずつ追加した。次に、この混合物を100℃まで加熱し、1.5時間攪拌した。水(45mL)を加え、85℃で4時間加熱を続けた後、この混合物を一晩放冷した。得られた沈殿を濾過し、固体を水およびヘキサンで洗浄し、粗生成物を得た。エチルアルコールから再結晶させ、標題化合物(1.95g、42%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 292/294 (M-1)-.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.99-2.08 (m, 2H), 2.13-2.22 (m, 2H), 2.41-2.50 (m, 2H), 2.82-2.92 (m, 2H), 7.07 (d, J=3.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J=9.0/3.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J=9.0 Hz, 1H), 10.70 (brs, 1H).
【0136】
b)6’−ブロモ−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
ジクロロメタン(3mL)中、6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’,4−ジオン(調製物10a、0.30g、1.00mmol)の懸濁液に三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(0.40mL、3.10mmol)を滴下した。この混合物を周囲温度で一晩攪拌した後、氷水混合物に滴下した。20分間攪拌した後、この混合物を4%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、油状物を得た。逆相クロマトグラフィー(Waters(c)からのC−18シリカ、溶出剤として水/アセトニトリル/メタノール[0.1%v/vギ酸緩衝]0%〜60%)により精製し、標題化合物(0.13g、41%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 314/316 (M-1)-.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.80-2.20 (m, 6H), 2.60 (m, 2H), 7.02-7.21 (m, 3H), 7.80 (brs, 1H).
【0137】
調製物11
4,4−ジフルオロ−6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化24】

6’−ブロモ−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物10)から、調製物7に記載されている実験手順に従い、その後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、白色固体として(76%)得た。
LRMS (m/z): 362 (M-1)-.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.36 (s, 12H), 1.94-2.18 (m, 6H), 2.54-2.75 (m, 2H), 7.27 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.55 (d, J=6.0 Hz, 1H), 8.26 (brs, 1H).
【0138】
調製物12
6’−ブロモ−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化25】

−78℃にて、テトラヒドロフラン(30mL)中、6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’,4−ジオン(調製物10a、1.00g、3.40mmol)の攪拌溶液に、メチルリチウム(ジエチルエーテル中1.6M、4.89mL、7.82mmol)を滴下した。この混合物を3時間かけて0℃まで温め、室温でさらに4.5時間攪拌した。この反応物に飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(97:3ジクロロメタン/メタノール)により精製し、標題化合物の2つの純粋な異性体を得た。
【0139】
主要異性体(661mg、63%)は白色固体として得られた。
LRMS (m/z): 310/312 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.39 (s, 3H), 1.47-1.60 (m, 3H), 1.78-1.97 (m, 4H), 2.16-2.26 (m, 2H), 7.08 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.15 (dd, J=8.0/1.65 Hz, 1H), 7.21 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.66 (brs, 1H).
【0140】
副生異性体(244mg、23%)は白色固体として得られた。
LRMS (m/z): 310/312 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.15 (brs, 1H), 1.39 (s, 3H), 1.61-1.73 (m, 2H), 2.02-2.12 (m, 3H), 2.19-2.28 (m, 3H), 7.01 (s, 1H), 7.16 (s, 2H), 7.51 (brs, 1H).
【0141】
調製物13
4−ヒドロキシ−4−メチル−6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化26】

6’−ブロモ−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物12、主要異性体)から、調製物7に記載されている実験手順に従い、固体として得た。所望の粗化合物が定量的収量で得られ、それ以上精製せずに用いた。
LRMS (m/z): 358 (M+1)+.
【0142】
調製物14
6’−ブロモ−4−(2−モルホリノエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化27】

a)6’−ブロモ−4,4−ビス(2−クロロエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
ジクロロメタン(20mL)およびトルエン(40mL)中、6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’,4−ジオン(調製物10a、4.0g、13.6mmol)、2−クロロエタノール(20mL)、メタンスルホン酸(0.25mL)および新しく活性化したモレキュラーシーブス(20g)の混合物を周囲温度で4日間攪拌した。固体炭酸水素ナトリウムを加えてこの混合物を中和し、この懸濁液を濾過し、濾過ケーキをジクロロメタンで数回洗浄した。濾液および洗液を合わせ、蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(200:1ジクロロメタン/メタノール)により精製し、標題化合物(3.9g、66%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 436 (M-1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.69 (m, 4H), 1.86 (m, 2H), 2.15 (m, 2H), 3.74 (m, 6H), 3.81 (m, 2H), 6.96 (s, 1H), 7.16 (m, 2H), 10.48 (s, 1H).
【0143】
b)6’−ブロモ−4−(2−モルホリノエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
ジクロロメタン(5mL)中、6’−ブロモ−4,4−ビス(2−クロロエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物14a、0.81g、1.9mmol)の攪拌冷却(氷浴)懸濁液に、水素化ホウ素亜鉛(ジエチルエーテル中0.25M、3.48mL、0.87mmol)の溶液を5分かけて滴下した。次に、塩化トリメチルシリル(0.46mL、3.64mmol)を滴下し、この混合物を周囲温度まで温め、一晩攪拌した。この混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、1時間攪拌を続けた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、白色固体を得た。この固体をN,N’−ジメチルホルムアミド(6mL)に取り、モルホリン(0.45mL、5.1mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.2g、1.6mmol)を加え、この混合物を密閉試験管中で攪拌しながら85℃まで加熱した。一晩攪拌した後、この混合物を水で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を2M塩酸水溶液(3×20mL)で抽出し、合わせた水層を酢酸エチルで洗浄した。得られた水溶液を固体水酸化ナトリウムで強塩基性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100:1〜25:1ジクロロメタン/メタノール)により精製し、標題化合物(0.21g、28%、92:8異性体混合物)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 409/411 (M+1)+.
【0144】
調製物15
4−(2−モルホリノエトキシ)−6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化28】

6’−ブロモ−4−(2−モルホリノエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物14)から、調製物7に記載されている実験手順に従い、褐色の油状物として得た。所望の粗化合物が定量的収量で得られ、それ以上精製せずに用いた。
LRMS (m/z): 457 (M+1)+.
【0145】
調製物16
6’−ブロモ−2,3,5,6−テトラヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
【化29】


a)5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン
5−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−ニトロピリジン(16.54g、80mmol)および塩化チオニル(43mL)の混合物にN,N’−ジメチルホルムアミド(3mL)を加え、この混合物を攪拌し、加熱還流した。1時間後、この溶液を冷却し、溶媒を蒸発させた。この混合物をトルエンとともに共蒸発させ、暗色の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(14.63g、82%)を黄色固体として得た。
1H-NMRδ(CDCl3): 8.38 (d, J=3.0 Hz, 1H), 8.70 (d, J=3.0 Hz, 1H).
【0146】
b)2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロン酸ジベンジル
ジメトキシエタン(55mL)中、水素化ナトリウム(鉱油中60%、2.00g、50.5mmol)の懸濁液に、ジメトキシエタン(40mL)中、マロン酸ジベンジル(14.35g、50.5mmol)を滴下した。添加後、この混合物をさらに30分間攪拌し、ジメトキシメタン(50mL)中、ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(調製物16a、6.00g、25.3mmol)の溶液を滴下し、この赤色の混合物を一晩攪拌した。この混合物を水に注ぎ、溶液のpHを1M塩酸水溶液で3に調整し、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣を最少量のトルエンに溶解させ、反応容器を擦りながら数容量のヘキサンを加えて固体を得、これを濾過および乾燥した後に標題化合物(10.60g、80%)を得た。
LRMS (m/z): 485/487 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 5.24 (s, 1H), 5.25 (s, 1H), 7.30-7.35 (m, 10H), 8.61 (s, 1H), 8.80 (s, 1H).
【0147】
c)6−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2(3H)−オン
氷酢酸(50mL)中、2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロン酸ジベンジル(調製物16b、1.78g、3.70mmol)の溶液に、鉄粉(0.82g、14.60mmol)を加え、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。7時間後、この混合物を冷却し、一晩静置した。この反応物を氷水に注ぎ、まず酢酸エチルで、次いでクロロホルムで抽出した。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(98:2ジクロロメタン/メタノール)により精製し、標題化合物(0.42g、54%)を桃色の固体として得た。
LRMS (m/z): 213/215 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 3.58 (s, 2H), 7.31 (d, J=3.0 Hz, 1H), 8.18 (d, J=3.0 Hz, 1H), 10.69 (brs, 1H).
【0148】
d)6’−ブロモ−2,3,5,6−テトラヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2(3H)−オン(調製物16c)および1−ヨード−2−(2−ヨードエトキシ)エタンから、調製物2に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(98:2ジクロロメタン/メタノール)により精製し、灰白色固体として得た(13%)。
LRMS (m/z): 283/285 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.63-1.84 (m, 4H), 3.87-4.07 (m, 4H), 7.41 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 10.78 (brs, 1H).
【0149】
調製物17
2’−オキソ−1’,2,2’,3,5,6−ヘキサヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−6’−イルボロン酸
【化30】

炉で乾燥させた再封可能なシュレンク管に6’−ブロモ−2,3,5,6−テトラヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(調製物16、0.350g、1.24mmol)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(0.470g、1.85mmol)、酢酸カリウム(0.240g、2.48mmol)およびジメチルスルホキシド(4mL)を充填した。このシュレンク管に対してアルゴンの排出−再充填を3回行い、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)二塩酸塩ジクロロメタン複合体(0.06g、0.07mmol)を加えた。アルゴンの排出−再充填をさらに3回行った後、このシュレンク管に蓋をし、110℃の油浴に入れた。16時間後、この混合物を冷却し、酢酸エチルを加え、有機層を2M塩酸水溶液で抽出した。水相を酢酸エチルで洗浄し、溶液のpHを6M水酸化ナトリウム水溶液で6に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、標題化合物を定量的収量で褐色油性残渣として得、これをそれ以上精製せずに用いた。
LRMS (m/z): 249 (M+1)+.
【0150】
調製物18
6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’,4(1’H)−ジオン
【化31】

ジメチルスルホキシド(4mL)中、6−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2(3H)−オン(調製物16c、0.87g、4.1mmol)の懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(0.03g、0.27mmol)を加え、室温で10分間攪拌した後、この混合物を40〜45℃まで加熱し、アクリル酸メチル(1.14mL、12.71mmol)を60分かけて滴下した。添加後、この混合物を2時間攪拌した後、カリウムtert−ブトキシド(1.4g、12.21mmol)を、温度を50℃より低く保ちながら、30分かけて少量ずつ追加した。次に、この混合物を100℃まで加熱し、2時間攪拌した。水(20mL)を加え、85℃で2時間加熱を続けた後、この混合物を一晩放冷した。酢酸エチルを加え、有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、標題化合物(0.60g、50%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 293/295 (M-1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 2.14 (m, 2H), 2.27 (m, 2H), 2.73 (m, 2H), 3.01 (m, 2H), 7.40 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.29 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.44 (br s, 1H).
【0151】
調製物19
6’−ブロモ−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
【化32】

−78℃にて、テトラヒドロフラン(30mL)中、6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’,4(1’H)−ジオン(調製物18、1.00g、3.39mmol)の攪拌溶液に、メチルリチウム(ジエチルエーテル中1.6M、4.88mL、7.81mmol)を滴下した。この混合物を3時間かけて0℃まで温め、周囲温度で一晩攪拌した。−78℃で、さらなるメチルリチウム(ジエチルエーテル中1.6M、4.24mL、6.78mmol)を滴下し、この混合物を周囲温度まで温め、周囲温度で一晩攪拌した。この反応物に飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(1:1〜3:1酢酸エチル/ヘキサン中0.1%EtN)、標題化合物の2つの純粋な異性体を得た。
【0152】
主要異性体(283mg、27%)は白色固体として得られた。
LRMS (m/z): 309/311 (M-1)-.
【0153】
副生異性体(260mg、25%)は白色固体として得られた。
LRMS (m/z): 309/311 (M-1)-.
【0154】
調製物20
4−ヒドロキシ−4−メチル−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−6’−イルボロン酸
【化33】

6’−ブロモ−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(調製物19、主要異性体)から、調製物17に記載されている実験手順に従い、固体として得た。所望の粗化合物が定量的収量で得られ、それ以上精製せずに用いた。
LRMS (m/z): 275 (M-1)-.
【0155】
調製物21
4−ヒドロキシ−4−メチル−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−6’−イルボロン酸
【化34】

6’−ブロモ−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(調製物19、副生異性体)から、調製物17に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し(100%ジクロロメタン〜70:29:1ジクロロメタン/メタノール/酢酸)、白色固体として得た(27%)。得られた残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、標題化合物を得た。
LRMS (m/z): 275 (M-1)-.
【0156】
調製物22
3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イルボロン酸
【化35】


a)2−フルオロ−3−ヨードベンゾニトリル
−78℃にて、テトラヒドロフラン(60mL)中、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(6.90mL、141mmol)の攪拌溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、16.8mL、42mmol)を滴下した。この混合物を−50℃で30分間攪拌した後、−78℃にてこの混合物にテトラヒドロフラン(25mL)中、2−フルオロベンゾニトリル(4.4g、37mmol)を滴下した。この反応物を30分かけて−50℃まで温めた後、−78℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(25mL)中、ヨウ素(10.20g、40mmol)の溶液を加えた。その後、この混合物を周囲温度まで温めた。1時間後、この反応物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、この混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(20:1ヘキサン/酢酸エチル)、標題化合物(7.86g、87%)を固体として得た。
1H-NMRδ(CDCl3): 7.04 (t, J=9.0 Hz, 1H), 7.60-7.65 (m, 1H), 7.99-8.04 (m, 1H).
【0157】
b)2−フルオロ−3−ヨード安息香酸
2−フルオロ−3−ヨードベンゾニトリル(調製物22a、5.00g、20.2mmol)、ジオキサン(16mL)および硫酸(25mL)の混合物を115℃まで加熱した。4時間後、この混合物を冷却し、濾過した。濾液に水を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、標題化合物(4.42g、82%)を固体として得た。
LRMS (m/z): 265 (M-1)-.
1H-NMRδ(CDCl3): 6.94-7.01 (m, 1H), 7.90-7.97 (m, 2H).
【0158】
c)(2−フルオロ−3−ヨードフェニル)メタノール
0℃にて、テトラヒドロフラン(25mL)中、2−フルオロ−3−ヨード安息香酸(調製物22b、4.39g、16.5mmol)の攪拌溶液に、ホウ酸トリメチル(1.92mL、17.2mmol)を滴下し、この混合物をこの温度でさらに15分間攪拌した。次に、0℃にて、この混合物にテトラヒドロフラン(3mL)中、ボラン−硫化メチル複合体(10M、4.4mL、44mmol)を滴下し、この混合物を室温まで温めた。1時間後、メタノール(10mL)を滴下することによりこの混合物を注意深くクエンチした。一晩攪拌した後、この混合物を真空濃縮し、この残渣に酢酸エチルを加えた。有機層を飽和炭酸カリウム水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、標題化合物(4.03g、97%)を油状物として得た。
1H-NMRδ(CDCl3): 1.85 (t, J=6.0 Hz, 1H), 4.78 (d, J=6.0 Hz, 2H), 6.93 (t, J=9.0 Hz, 1H), 7.39-7.44 (m, 1H), 7.66-7.71 (m, 1H).
【0159】
d)2−フルオロ−3−ヨードベンズアルデヒド
ジクロロメタン(140mL)中、(2−フルオロ−3−ヨードフェニル)メタノール(調製物22c、4.03g、16mmol)の攪拌溶液に、酸化マンガン(IV)(15.40g、177mmol)を少量ずつ加え、この混合物を50℃で攪拌した。3時間後、この混合物をセライト(登録商標)で濾過し、溶媒を蒸発させ、標題化合物(2.10g、53%)を白色固体として得た。
1H-NMRδ(CDCl3): 7.07 (t, J=9.0Hz, 1H), 7.82-7.88 (m, 1H), 7.99-8.04 (m, 1H), 10.34 (s, 1H).
【0160】
e)2−フルオロ−3−ヨードベンズアルデヒドオキシム
エタノール(10mL)中、2−フルオロ−3−ヨードベンズアルデヒド(調製物22d、2.10g、8.4mmol)の攪拌懸濁液に、塩酸ヒドロキシルアミン(9mL、64.8mmol)の50%水溶液を加え、この混合物を、溶液が形成されるまで若干温めた。室温で3日間攪拌した後、この混合物を真空濃縮し、残渣に水を加えた。この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、標題化合物(2.15g、97%)を固体として得た。
1H-NMRδ(CDCl3): 6.91-6.96 (m, 1H), 7.71-7.80 (m, 2H), 7.91 (s, 1H), 8.35 (s, 1H).
【0161】
f)N−シクロプロピル−2−フルオロ−N’−ヒドロキシ−3−ヨードベンズイミドアミド
N,N’−ジメチルホルムアミド(3mL)中、2−フルオロ−3−ヨードベンズアルデヒドオキシム(調製物22e、2.15g、8.1mmol)の攪拌溶液に、N−クロロスクシンイミド(1.20g、8.9mmol)を少量ずつ加え、この混合物を55℃で15分間攪拌した。周囲温度まで冷却した後、水を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をテトラヒドロフラン(10mL)に取り、氷水浴により冷却し、シクロプロピルアミン(2.90mL、41.9mmol)を滴下した。室温で3時間攪拌した後、この反応物に水を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、標題化合物(2.53g、96%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 321 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.35-0.43 (m, 4H), 2.41-2.47 (m, 1H), 5.64 (br s, 1H), 6.96 (t, J=6.0Hz, 1H), 7.34-7.40 (m, 1H), 7.80-7.86 (m, 1H).
【0162】
g)N−シクロプロピル−7−ヨードベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン
テトラヒドロフラン(13mL)中、N−シクロプロピル−2−フルオロ−N’−ヒドロキシ−3−ヨードベンズイミドアミド(調製物22f、2.15g、8.1mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(1.30mL、8.7mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波合成装置にて150℃で150分間加熱した。次に、この混合物を周囲温度まで冷却し、蒸発させた。残渣を水および酢酸エチルで分液し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(1.61g、68%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 301 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.68-0.73 (m, 2H), 0.84-0.90 (m, 2H), 2.81-2.88 (m, 1H), 6.97 (t, J=9.0Hz, 1H), 7.55 (d, J=9.0Hz, 1H), 7.87 (d, J=9.0Hz, 1H).
【0163】
h)3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イルボロン酸
−10℃にて、テトラヒドロフラン(10mL)中、N−シクロプロピル−7−ヨードベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(調製物22g、0.50g、1.7mmol)の攪拌溶液に、塩化イソプロピルマグネシウム(テトラヒドロフラン中2.0M、2.83mL、5.7mmol)を20分かけて滴下した。この混合物を0℃で1時間攪拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(1.15mL、5.0mmol)を10分かけて滴下し、この混合物を0℃で1時間攪拌した。次に、この混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。その後、水を加え、この混合物を氷水浴により冷却し、pHを2M塩酸水溶液で1に調整した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、固体を濾過し、乾燥させ、標題化合物(140mg、39%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 219 (M+1)+.
【0164】
調製物23
7−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン
【化36】


a)2−フルオロ−N’−ヒドロキシ−3−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)−4−メチルベンズイミドアミド
テトラヒドロフラン(20mL)中、2−フルオロ−N−ヒドロキシ−3−ヨード−4−メチルベンズイミドイルクロリド(WO2006094187、1.46g、4.7mmol)の溶液に、4−メトキシベンジルアミン(2.00mL、15.2mmol)を滴下し、この混合物を周囲温度で一晩攪拌した。水を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、半固体を得た。この固体をヘキサン/ジエチルエーテル混合物でトリチュレートし、固体を濾過し、乾燥させ、標題化合物(1.66g、86%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 415 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 2.50 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 4.07 (d, J=6.0 Hz, 2H), 5.61 (br s, 1H), 6.60-6.86 (m, 2H), 7.04-7.12 (m, 3H), 7.21-7.26 (m, 1H).
【0165】
b)7−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン
テトラヒドロフラン(10mL)中、2−フルオロ−N’−ヒドロキシ−3−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)−4−メチルベンズイミドアミド(調製物23a、0.80g、1.9mmol)の溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.31mL、2.0mmol)を滴下した。次に、この混合物をアルゴン雰囲気下、150℃で4時間、マイクロ波条件下(Biotage(登録商標)からの「Initiator sixty」)で加熱した。次に、この混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10:1〜4:1ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.29g、38%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 395 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 2.56 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 4.39 (br s, 1H), 4.51 (d, J=6.0 Hz, 2H), 6.90 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.07 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.25 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.36 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0166】
調製物24
7−ヨード−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−3−アミン
【化37】

アルゴン下、N,N’−ジメチルホルムアミド(25mL)中、N−ヒドロキシアセトアミド(1.44g、19.2mmol)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(2.20g、19.2mmol)を加えた。得られた白色懸濁液を室温で30分間攪拌した後、2−フルオロ−3−ヨード−4−メチルベンゾニトリル(WO2006094187、2.00g、7.7mmol)を加え、この混合物を室温で6時間攪拌した。N−ヒドロキシアセトアミド(0.29g、3.9mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(0.45g、3.9mmol)を追加し、この混合物を室温で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水相をさらなる酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(9:1ヘキサン/酢酸エチル〜酢酸エチル)により精製し、標題化合物(1.79g、81%)を固体として得た。
LRMS (m/z): 275 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 2.58 (s, 3H), 7.13 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.36 (d, J=9.0 Hz, 1H).
【0167】
調製物25
7−ヨード−6−メチル−1H−インダゾール−3−アミン
【化38】

エタノール(7mL)中、ヒドラジン一水和物(0.56mL、11.6mmol)および2−フルオロ−3−ヨード−4−メチルベンゾニトリル(WO2006094187、1.00g、3.8mmol)の溶液を密閉試験管内で攪拌し、100℃まで加熱した。一晩攪拌した後、この混合物を冷却し、水を加えた。得られた沈殿を濾過した。水およびヘキサンで洗浄した後、真空乾燥させ、標題化合物(0.91g、87%)を黄色固体として得た。
1H-NMRδ(CDCl3): 2.55 (s, 3H), 4.09 (br s, 2H), 6.96 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.87 (br s, 1H).
【0168】
調製物26
N−シクロプロピル−8−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン
【化39】

a)2−フルオロ−3−ヨードピリジン
J. Org. Chem. 1993, 58 (27), 7832-7838に記載されている手順に従い、黄色固体として得た(63%)。
【0169】
b)2−ヒドラジノ−3−ヨードピリジン
エタノール(43mL)中、2−フルオロ−3−ヨードピリジン(調製物26a、5.72g、25.7mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(12.50mL、256mmol)を滴下し、得られた混合物を室温で24時間、次いで35℃でさらに24時間攪拌した。その後、溶媒を真空蒸発させ、水を加えた。生じた白色固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、標題化合物(2.78g、46%)を白色固体として、これをそれ以上精製せずに用いた。
LRMS (m/z): 236 (M+1)+.
【0170】
c)N−シクロプロピル−2−(3−ヨードピリジン−2−イル)ヒドラジンカルボキサミド
アルゴン下、0℃にて、ジクロロメタン(5mL)中、トリホスゲン(0.22g、0.74mmol)の溶液に、ジクロロメタン(3mL)中、シクロプロピルアミン(0.12g、2.2mmol)を加えた。その後、ジクロロメタン(3mL)中、トリエチルアミン(0.59mL、4.2mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間攪拌した後、0℃で冷却した。ジクロロメタン(5mL)中、2−ヒドラジノ−3−ヨードピリジン(調製物26b、0.50g、2.1mmol)を加え、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。溶液を0℃まで冷却したところ、固体が生じた。この固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、標題化合物(0.56g、83%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 319 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.37 (m, 2H), 0.55 (m, 2H), 2.45 (m, 1H), 6.48 (br s, 1H), 6.49 (br s, 1H), 6.52 (dd, J = 7.4/4.7 Hz, 1H), 7.51 (br s, 1H), 7.64 (br s, 1H), 7.98 (dd, J = 7.4/1.4 Hz, 1H), 8.07 (dd, J = 4.7/1.4 Hz, 1H).
【0171】
d)N−シクロプロピル−8−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン
N−シクロプロピル−2−(3−ヨードピリジン−2−イル)ヒドラジンカルボキサミド(調製物26c、0.56g、1.8mmol)およびオキシ塩化リン(7mL)の混合物を75℃で一晩攪拌した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、氷水混合物をゆっくり加えた後、水酸化ナトリウム水溶液でpH8まで塩基性化した。この水溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空蒸発させ、標題化合物(0.50g、88%)を固体として得た。
LRMS (m/z): 301/302 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.50-0.55 (m, 2H), 0.71-0.77 (m, 2H), 2.75-2.82 (m, 1H), 6.52 (dd, J = 6.0/6.0 Hz, 1H), 7.00 (s, 1H), 7.62 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 6.0 Hz, 1H).
【0172】
調製物27
N−(シクロプロピルメチル)−8−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン
【化40】

a)N−(シクロプロピルメチル)−2−(3−ヨードピリジン−2−イル)ヒドラジンカルボキサミド
2−ヒドラジノ−3−ヨードピリジン(調製物26b)およびシクロプロピルメタンアミンから、調製物26cに記載されている実験手順に従い、白色固体として得た(85%)。
LRMS (m/z): 333 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.15 (m, 2H), 0.43 (m, 2H), 0.92 (m, 1H), 3.13 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 5.76 (br s, 1H), 6.51-6.65 (m, 3H), 7.96 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 5.0 Hz, 1H).
【0173】
b)N−(シクロプロピルメチル)−8−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン
N−(シクロプロピルメチル)−2−(3−ヨードピリジン−2−イル)ヒドラジンカルボキサミド(調製物27a)から、調製物26dに記載されている実験手順に従い、固体として得た(33%)。
LRMS (m/z): 315 (M+1)+.
1H-NMRδ(MeOD): 0.39 (m, 2H), 0.67 (m, 2H), 1.29 (m, 1H), 3.74 (m, 2H), 6.97 (m, 1H), 8.21 (m , 1H), 8.46 (m , 1H).
【0174】
調製物28
N−(シクロプロピルメチル)−8−ヨード−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン
【化41】

a)2−クロロ−3−ヨード−4−メチルピリジン
2−クロロ−4−メチルピリジン−3−アミン(1.0g、7.0mmol)と濃塩酸(4.4mL)の混合物を0℃まで冷却し、水(8mL)中、亜硝酸ナトリウム(0.5g、7.5mmol)の溶液を滴下した。この混合物を1時間0℃で攪拌した後、水(9mL)中、ヨウ化カリウム(1.6g、9.6mmol)の攪拌溶液に滴下した。この混合物を周囲温度まで温め、一晩攪拌した。この混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機相をチオ硫酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空蒸発させた。粗生成物をヘキサンから再結晶させ、標題化合物(0.88g、47%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 254 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 2.50 (s, 3H), 7.05 (d, J=4.9 Hz, 1H), 8.15 (d, J=4.9 Hz, 1H).
【0175】
b)2−ヒドラジニル−3−ヨード−4−メチルピリジン
アルゴン雰囲気下、ピリジン(12mL)中、2−クロロ−3−ヨード−4−メチルピリジン(調製物28a、2.0g、7.9mmol)とヒドラジン水和物(1.2mL、24.2mmol)の混合物を攪拌し、加熱還流した。24時間後、この混合物を冷却し、蒸発乾固させた。粗混合物を水でトリチュレートし、固体を濾過し、水で洗浄し、標題化合物(1.71g、87%)を得、これをそれ以上精製せずに次の反応で用いた。
LRMS (m/z): 250 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 2.36 (s, 3H), 4.00 (br s, 2H), 6.25 (br s, 1H), 6.57 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J=5.0 Hz, 1H).
【0176】
c)N−(シクロプロピルメチル)−2−(3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)ヒドラジンカルボキサミド
アルゴン雰囲気下、0℃に維持したジクロロメタン(15mL)中、トリホスゲン(0.39g、1.3mmol)の溶液に、ジクロロメタン(2mL)中、シクロプロピルメタンアミン(0.33mL、3.7mmol)の溶液を滴下した。5分後、ジクロロメタン中、トリエチルアミン(1.0mL、7.2mmol)の溶液を滴下し、この混合物を周囲温度まで温めた。2時間攪拌した後、この混合物を0℃まで冷却し、ジクロロメタン(8mL)中、2−ヒドラジニル−3−ヨード−4−メチルピリジン(調製物28b、0.91g、3.6mmol)を滴下した。この混合物を周囲温度まで温め、一晩攪拌した。固体沈殿を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、標題化合物(0.85g、68%)をベージュ色の固体として得た。
LRMS (m/z): 347 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.13-0.18 (m, 2H), 0.40-0.46 (m, 2H), 0.91-0.96 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 3.11 (t, J=6.3 Hz, 2H), 5.69 (br s, 1H), 6.20 (br s, 1H), 6.60 (br s, 1H), 6.74 (d, J=5.0 Hz, 1H), 8.01 (d, J=5.0 Hz, 1H).
【0177】
d)N−(シクロプロピルメチル)−8−ヨード−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン
N−(シクロプロピルメチル)−2−(3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)ヒドラジンカルボキサミド(調製物28c、0.85g、2.5mmol)およびオキシ塩化リン(10mL)の混合物を75℃で一晩攪拌した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、氷水混合物にゆっくり加えた後、酢酸エチルを加えた。この冷却攪拌二相混合物に、水層がpH8となるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空蒸発させ、標題化合物(0.77g、96%)を淡黄色固体として得た。
LRMS (m/z): 329 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.24-0.29 (m, 2H), 0.44-0.50 (m, 2H), 1.11-1.21 (m, 1H), 2.38 (s, 3H), 3.21 (m, 2H), 6.66 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.70 (t, J=5.5 Hz, 1H), 8.02 (d, J=7.0 Hz, 1H).
【0178】
実施例1
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化42】

炉で乾燥させた再封可能なシュレンク管に6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物4、0.060g、0.19mmol)、N−シクロプロピル−7−ヨード−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(WO2006094187、0.090g、0.29mmol)、1,4−ジオキサン(1.2mL)および2M炭酸セシウム水溶液(0.29mL、0.58mmol)を充填した。このシュレンク管に対してアルゴンの排出−再充填を3回行い、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)二塩酸塩ジクロロメタン複合体(0.015g、0.02mmol)を加えた。アルゴンの排出−再充填をさらに3回行った後、シュレンク管を密閉し、この混合物を油浴中で攪拌し、100〜110℃まで加熱した。20時間後、この混合物を冷却し、水と酢酸エチルで分液した。有機抽出液を乾燥させ(MgSO)、真空蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(98:2ジクロロメタン/メタノール)により精製し、標題化合物(0.017g、28%)を黄色固体として得た。
LRMS (m/z): 374 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.71-0.77 (m, 2H), 0.86-0.92 (m, 2H), 1.90-2.30 (m, 8H), 2.38 (s, 3H), 2.79-2.86 (m, 1H), 6.94 (s, 1H), 7.05 (dd, J=1.4, 7.7 Hz, 1H), 7.15 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.45 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 8.27 (br s, 1H).
【0179】
実施例2
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化43】

3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イルボロン酸(調製物22)および6’−ブロモスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物2)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(99:1ジクロロメタン/メタノール)により精製し、白色固体として得た(70%)。
LRMS (m/z): 360 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.71-0.77 (m, 2H), 0.86-0.92 (m, 2H), 1.89-1.99 (m, 2H), 2.00-2.15 (m, 4H), 2.17-2.30 (m, 2H), 2.84-2.97 (m, 1H), 7.27 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.55 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.67 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.86 (br s, 1H).
【0180】
実施例3
5’−クロロ−6’−(3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化44】

3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イルボロン酸(調製物22)および6’−ブロモ−5’−クロロスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物3)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(1:1〜1:3ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、白色固体として得た(14%)。
LRMS (m/z): 394 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.71-0.76 (m, 2H), 0.85 - 0.91 (m, 2H), 1.62 (s, 3H), 1.90-2.15 (m, 6H), 2.18-2.28 (m, 2H), 2.85-2.91 (m, 2H), 4.81 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.56 (dd, J=7.0/1.5 Hz, 1H), 7.62 (dd, J=7.0/1.5 Hz, 1H), 7.95 (br s, 1H).
【0181】
実施例4
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
【化45】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン(調製物7)およびN−シクロプロピル−7−ヨード−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(WO2006094187)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(98:2ジクロロメタン/メタノール)により精製し、白色固体として得た(42%)。
LRMS (m/z): 390 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.48-0.57 (m, 2H), 0.66-0.75 (m, 2H), 1.72-1.83 (m, 4H), 2.30 (s, 3H), 2.57-.2.70 (m, 1H), 3.80-3.92 (m, 4H), 4.01-4.14 (m, 4H), 6.85 (br s, 1H), 6.99 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.19-7.27 (m, 2H), 7.64 (d, J=9.0 Hz, 1H), 10.52 (br s, 1H).
【0182】
実施例5
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化46】

4,4−ジフルオロ−6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物11)およびN−シクロプロピル−7−ヨード−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(WO2006094187)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(60:40〜25:75ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、白色固体として得た(35%)。
LRMS (m/z): 424 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.69-0.74 (m, 2H), 0.84-0.90 (m, 2H), 2.05-2.10 (m, 4H), 2.12-2.22 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.55-2.77 (m, 2H), 2.82-2.90 (m, 1H), 4.70 (s, 1H), 6.98 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.10 (dd, J=8.0/1.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.46 (d, J=7.0 Hz, 1H).
【0183】
実施例6
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
【化47】

3,3−ジメチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリン−2−オン(調製物9)およびN−シクロプロピル−7−ヨード−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(WO2006094187)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(98:2ジクロロメタン/メタノール)により精製し、黄色がかった固体として得た(10%)。
LRMS (m/z): 348 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 0.91-0.99 (m, 2H), 1.05-1.14 (m, 2H), 1.72 (s, 6H), 2.33 (s, 1H), 2.66 (s, 3H), 3.03-3.18 (m, 1H), 5.08 (s, 1H), 7.33 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.42 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.73 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.66 (br s, 1H).
【0184】
実施例7
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2,3,5,6−テトラヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
【化48】

N−シクロプロピル−7−ヨード−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−3−アミン(WO2006094187)および2’−オキソ−1’,2,2’,3,5,6−ヘキサヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−6’−イルボロン酸(調製物17)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、逆相クロマトグラフィー(Waters(登録商標)からのC−18シリカ、溶出剤として水/アセトニトリル/メタノール[0.1%v/vギ酸緩衝]0%〜60%)により精製し、白色固体として得た(64%)。
LRMS (m/z): 391 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.54 (m, 2H), 0.73 (m, 2H), 1.78-1.88 ( m, 4H), 2.33 (s, 3H), 2.66 (m, 1H), 3.98 (m, 2H), 4.14 (m, 2H), 7.24-7.29 (m, 2H), 7.70 (d, 1H), 8.17 (s, 1H), 10.77 (s, NH).
【0185】
実施例8
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
【化49】

4−ヒドロキシ−4−メチル−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−6’−イルボロン酸(調製物21)およびN−シクロプロピル−7−ヨード−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−3−アミン(WO2006094187)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(94:6ジクロロメタン/メタノール)により精製し、灰色固体として得た(31%)。
LRMS (m/z): 417 (M-1)-.
1H-NMRδ(CD3OD): 0.63 (m, 2H), 0.78 (m, 2H), 1.29 (m, 2H), 1.36 (s, 3H), 1.63 (m, 2H), 1.81 (m, 2H), 2.29 (d, J=6.6 Hz, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.66 (m, 1H), 3.12 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 7.24 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.62 (d, J=7.9 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H).
【0186】
実施例9
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
【化50】

4−ヒドロキシ−4−メチル−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−6’−イルボロン酸(調製物20)およびN−シクロプロピル−7−ヨード−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−3−アミン(WO2006094187)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、逆相クロマトグラフィー(Waters(登録商標)からのC−18シリカ、溶出剤として水/アセトニトリル/メタノール[0.1%v/vギ酸緩衝]30%〜50%)により精製し、白色固体として得た(47%)。
LRMS (m/z): 417 (M-1)-.
1H-NMRδ(CD3OD): 0.63 (br s, 2H), 0.79 (br s, 2H), 1.34 (s, 3H), 1.72 (d,J=11.8 Hz, 2H), 1.89 (d,J=12.4 Hz, 2H), 2.16 (t,J=11.8 Hz, 2H), 2.31 (t,J=11.5 Hz, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.67 (m, 1H), 7.24 (d,J=7.2 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.63 (d,J=7.2 Hz, 2H), 8.14 (s, 1H).
【0187】
実施例10
6−(3−(4−メトキシベンジルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
【化51】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン(調製物7)および7−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(調製物23)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(97:3ジクロロメタン:メタノール)により精製し、白色固体として得た(30%)。
LRMS (m/z): 470 (M+1)+.
1H-NMRδ(CDCl3): 1.70 (m, 4H), 2.05 ( s, 3H), 2.39 (s, 3H), 3.81 (s, 2H), 3.95-3.99 (m, 2H), 4.25-4.27 (m, 2H). 6.92 (m, 1H), 6.89 (s, 1H), 7.08-7.17 (m,1H), 7.32-7.47 (m, 5H).
【0188】
実施例11
6−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
【化52】

ジクロロメタン(2mL)中、6−(3−(4−メトキシベンジルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン(実施例10、0.12g、0.26mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、この溶液を室温で5時間攪拌した。水および固体炭酸水素ナトリウムをこの順に加えてトリフルオロ酢酸を中和した。酢酸エチルを加え、有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(96:4ジクロロメタン/メタノール)により精製し、標題化合物(38mg、44%)を白色固体として得た。
LRMS (m/z): 350 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.76-1.86 (m, 4H), 2.31 (s, 3H), 3.80-3.95 (m, 2H), 4.03-4.12 (m, 2H), 6.36 (s, 2H), 6.85 (s, 1H), 6.99 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.67 (d, J=6.0 Hz, 1H), 10.49 (s, 1H).
【0189】
実施例12
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化53】

4−ヒドロキシ−4−メチル−6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物13)および7−ヨード−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−3−アミン(調製物24)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(94:6ジクロロメタン/メタノール)により精製し、ベージュ色の固体として得た(62%)。
LRMS (m/z): 378 (M+1)+.
1H-NMRδ(CD3OD): 1.44 (s, 3H), 1.56 (d, J=13.2 Hz, 2H), 2.00 (m, 4H), 2.35 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 7.02 (s, 1H), 7.09 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.28 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.65 (m, 2H).
【0190】
実施例13
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−(2−モルホリノエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化54】

7−ヨード−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−3−アミン(調製物24)および4−(2−モルホリノエトキシ)−6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物15)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(97:3ジクロロメタン/メタノール)により精製し、白色固体として得た(16%、厳密な異性形は同定されていない)。
LRMS (m/z): 477 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.61 (m, 2H), 1.91 (m, 4H), 2.0 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.44-2.53 (m, 6H), 3.57 (m, 7H), 6.36 (br s, NH2), 6.83 (s, 1H), 6.96 (d, J=7.69 Hz, 1H), 7.21 (d, J=7.97 Hz, 1H), 7.48 (d, J=7.69 Hz, 1H), 7.67 (d, J=7.97 Hz, 1H), 10.36 (br s, NH)
【0191】
実施例14
6’−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
【化55】

a)4,4−ジフルオロ−6’−{3−[(4−メトキシベンジル)アミノ]−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル}スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
7−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(調製物23)および4,4−ジフルオロ−6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物11)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜9:1ジクロロメタン/メタノール)により精製し、薄黄色固体として得た(96%)。
LRMS (m/z): 384 (M+1)+.
【0192】
b)6’−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
4,4−ジフルオロ−6’−{3−[(4−メトキシベンジル)アミノ]−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル}スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(実施例14a)から、実施例11に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜90:10ジクロロメタン/メタノール)により精製し、白色固体として得た(57%)。
LRMS (m/z): 504 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.89-2.00 (m, 4H), 2.08-2.20 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.39-2.50 (m, 2H), 6.36 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.99 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.67 (d, J=9.0 Hz, 1H), 10.57 (s, 1H).
【0193】
実施例15
6−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
【化56】

7−ヨード−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−3−アミン(調製物24)および3,3−ジメチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリン−2−オン(調製物9)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜9:1ジクロロメタン/メタノール)により精製し、固体として得た(94%)。
LRMS (m/z): 308 (M+1)+.
1H-NMRδ(CD3OD): 1.41 (s, 6H), 2.35 (s, 3H), 6.93 (s, 1H), 7.03 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.35 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J=8.0 Hz, 1H).
【0194】
実施例16
6−(3−アミノ−6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
【化57】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン(調製物7)および7−ヨード−6−メチル−1H−インダゾール−3−アミン(調製物25)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(95:5ジクロロメタン/メタノール)により精製し、白色固体として得た(29%)。
LRMS (m/z): 349 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.75-1.85 (m, 4H), 2.20 (s, 3H), 3.80-3.90 (m, 2H), 4.03-4.12 (m, 2H), 5.26 (s, 2H), 6.79 (s, 1H), 6.84 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.93 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.61 (d, J=8.0 Hz, 1H), 10.48 (s, 1H), 10.90 (s, 1H).
【0195】
実施例17
6’−[3−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル]スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
【化58】

N−シクロプロピル−8−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン(調製物26)および6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物4)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜85:15ジクロロメタン/メタノール)により精製し、白色固体として得た(2%)。
LRMS (m/z): 360 (M+1)+.
【0196】
実施例18
6’−(3−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
【化59】

N−シクロプロピル−8−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン(調製物26)および6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物4)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜85:15ジクロロメタン/メタノール)により精製し、副生成物として得た(12%)。
LRMS (m/z): 320 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 1.75-2.05 (m, 8H), 6.44 (s, 2H), 6.85 (d, J=8.0, 1H), 7.34 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.62 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.80 (s, 1H), 8.04 (d, J=6.0 Hz, 1H).
【0197】
実施例19
6’−{3−[(シクロプロピルメチル)アミノ][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル}スピロ−[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
【化60】

N−(シクロプロピルメチル)−8−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン(調製物27)および6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物4)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、固体として得た(20%)。
LRMS (m/z): 374 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.28-0.33 (m, 2H), 0.47-0.53 (m, 2H), 1.17-1.26 (m, 1H), 1.78-2-02 (m, 8H), 3.28 (m, 2H), 6.80 (t, J=5.5 Hz, 1H), 6.86 (m, 1H), 7.33 (d, J=6.9 Hz, 1H), 7.36 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.63 (dd, J=1.4/7.7 Hz, 1H), 7.75 (d, J=1.4 Hz, 1H), 8.14 (d, J=6.9 Hz, 1H), 10.47 (s, 1H).
【0198】
実施例20
6’−(3−(シクロプロピルメチルアミノ)−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
【化61】

6’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン(調製物4)およびN−(シクロプロピルメチル)−8−ヨード−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−アミン(調製物28)から、実施例1に記載されている実験手順に従い、その後、フラッシュクロマトグラフィー(98:2ジクロロメタン/メタノール)により精製し、白色固体として得た(49%)。
LRMS (m/z): 388 (M+1)+.
1H-NMRδ(DMSO-d6): 0.27-0.31 (m, 2H), 0.45-0.52 (m, 2H), 1.11-1.21 (m, 1H), 1.80-2-05 (m, 8H), 2.16 (s, 3H), 3.27 (m, 2H), 6.64 (t, J=6.6 Hz, 1H), 6.71 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 7.00 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.33 (d, J=7.6 Hz, 1H), 8.02 (d, J=7.0 Hz, 1H), 10.37 (s, 1H).
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は水素原子、C3−6シクロアルキル基、C3−6シクロアルキル−C1−2アルキレン基およびC5−10アリール−C1−2アルキレン基からなる群から選択され、ここで、該シクロアルキルおよびアリール基は直鎖または分枝C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシ基から選択される1または2個の置換基で所望により置換されていてもよく、
・Rは水素原子およびメチル基からなる群から選択され、
・Rは水素原子およびハロゲン原子からなる群から選択され、
・RおよびRは各々独立にC1−3アルキル基を表すか、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と共に式
【化2】

{式中、nおよびmは各々独立に1〜2の整数を表し、Gは−O−および−C(R)−から選択され、ここで、
は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、モルホリンおよびモルホリノ−エトキシ基からなる群から選択される}
の環式基を形成し、
は水素原子、ハロゲン原子およびC1−4アルキル基からなる群から選択され、
・Gは窒素原子または基−CH=から選択され、
・Gは窒素原子または芳香族炭素原子から選択され、
・Gは窒素原子または酸素原子から選択される]
の化合物ならびにその薬学上許容される塩およびN−オキシド。
【請求項2】
が水素原子、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基またはベンジル基を表し、ここで、該ベンジル基はメトキシ基で所望により置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素原子またはシクロプロピル基を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がメチル基を表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が水素原子を表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
およびRが各々独立にメチル基を表すか、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と共に式
【化3】

{式中、nおよびmは各々独立に1〜2の整数を表し、Gは−O−および−C(R)−から選択され、ここで、Rは水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基およびモルホリノ−エトキシ基からなる群から選択され、Rは水素原子、フッ素原子またはメチル基から選択される}
の環式基を形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が芳香族炭素原子を表す、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が酸素原子を表す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が水素原子またはシクロプロピル基を表し、Rがメチル基を表し、Rが水素原子を表し、RおよびRが各々独立にメチル基を表すか、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と共に式
【化4】

{式中、nおよびmは各々独立に1〜2の整数を表し、Gは−O−および−C(R)−から選択され、ここで、Rは水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基およびモルホリノ−エトキシ基からなる群から選択され、Rは水素原子、フッ素原子またはメチル基から選択される}
の環式基を形成し、Gが芳香族炭素原子を表し、Gが酸素原子を表す、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
5’−クロロ−6’−(3−(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−3,3−ジメチルインドリン−2−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2,3,5,6−テトラヒドロスピロ[ピラン−4,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6’−(3−(シクロプロピルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−ピロロ[3,2−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
6−(3−(4−メトキシベンジルアミノ)−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラ−ヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−アミノ−6−メチルベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル)−4−(2−モルホリノエトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドリン]−2’−オン
6’−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−4,4−ジフルオロスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6−(3−アミノ−6−メチル−1,2−ベンズイソキサゾール−7−イル)−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
6−(3−アミノ−6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドリン−3,4’−ピラン]−2−オン
6’−[3−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル]スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6’−(3−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6’−{3−[(シクロプロピルメチル)アミノ][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル}スピロ−[シクロペンタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
6’−(3−(シクロプロピルメチルアミノ)−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル)スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン
の1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害により改善を受け得る病状または疾患の処置における使用のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記病状または疾患が関節リウマチ、虚血−再潅流傷害、虚血性脳虚血、急性冠動脈症候群、COPD、クローン病、過敏性腸症候群、成人性呼吸窮迫症候群、骨粗鬆症、アルツハイマー病、リウマチ性脊椎炎、乾癬、アテローム性動脈硬化症、変形性関節症または多発性骨髄腫である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項で定義された化合物を薬学上許容される希釈剤または担体と混合して含む、医薬組成物。
【請求項14】
請求項11または12のいずれか一項で定義された病状または疾患の処置のための薬剤の製造における請求項1〜10のいずれか一項で定義された化合物の使用。
【請求項15】
請求項11または12のいずれか一項で定義された病状または疾患に罹患している対象を処置する方法であって、該対象に有効量の請求項1〜10のいずれか一項で定義された化合物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
(i)請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物と、
(ii)(1)M3ムスカリン受容体のアンタゴニスト、(2)β2−アゴニスト、(3)PDE4阻害剤、(4)コルチコステロイド、(5)ロイコトリエンD4アンタゴニスト、(6)egfr−キナーゼの阻害剤、(7)A2Bアデノシン受容体のアンタゴニスト、(8)NK1受容体アゴニスト、(9)CRTh2アンタゴニスト、(10)sykキナーゼ阻害剤、(11)CCR3アンタゴニスト、(12)VLA−4アンタゴニスト、(13)メトトレキサート、(14)JAK3阻害剤、(15)DHODH阻害剤および(16)DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬(disease modifying antirheumatic drug))から選択される他の化合物
を含む、組合せ製品。

【公表番号】特表2011−518848(P2011−518848A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506591(P2011−506591)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002783
【国際公開番号】WO2009/132774
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(598032139)アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Almirall, S.A.
【Fターム(参考)】