説明

有機層蒸着装置

【課題】有機層蒸着装置を提供する。
【解決手段】蒸着工程中に基板と有機層蒸着装置との精密な整列の可能な有機層蒸着装置である。有機層蒸着装置は、第1マーク及び第1整列パターンを撮影する第1カメラアセンブリーと、第2整列マーク及び第2整列パターンを撮影する第2カメラアセンブリーと、を備え、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンの映像が同一であり、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンの映像が同一であるように、前記基板の移動速度と前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーの撮影速度とを同期化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、有機層蒸着装置及びこれを用いた有機発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置のうち、有機発光表示装置は、視野角が広くてコントラストに優れるだけでなく、応答速度が速いという長所があって、次世代ディスプレイ装置として注目されている。
【0003】
有機発光表示装置は、互いに対向する第1電極と第2電極との間に発光層及びこれを含む中間層を備える。この時、前記電極及び中間層は、いろいろな方法で形成されるが、そのうち一つが独立蒸着方式である。蒸着方法を用いて有機発光表示装置を製作するためには、有機層などが形成される基板面に、形成される有機層などのパターンと同じパターンを持つファインメタルマスク(fine metal mask:FMM)を密着させ、有機層などの材料を蒸着して所定パターンの有機層を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一側面は、従来のFMMを用いた蒸着方法の限界を乗り越えるためのものとして、大型基板の量産工程にさらに適しており、蒸着工程中に基板と有機層蒸着装置との精密な整列の可能な有機層蒸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態による有機層蒸着装置は、基板上に有機層を形成するための有機層蒸着装置において、蒸着物質を放射する蒸着源と、前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、前記蒸着源ノズル部と対向して配され、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って複数のパターニングスリットが形成されるパターニングスリットシートと、を備え、前記基板が前記有機層蒸着装置に対して前記第1方向に沿って移動しつつ蒸着が行われ、前記パターニングスリットシートは、互いに離隔して配される第1整列マーク及び第2整列マークを持ち、前記基板は、互いに離隔して配される第1整列パターン及び第2整列パターンを含み、前記有機層蒸着装置は、前記第1整列マーク及び前記第1整列パターンを撮影する第1カメラアセンブリーと、前記第2整列マーク及び前記第2整列パターンを撮影する第2カメラアセンブリーと、をさらに備え、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンの映像が同一であり、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンの映像が同一であるように、前記基板の移動速度と前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーの撮影速度とを同期化する。
【0006】
前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニングスリットシートが、一体に形成される。
【0007】
前記蒸着源及び前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとが、前記蒸着物質の移動経路をガイドする連結部材により結合されて一体に形成される。
【0008】
前記連結部材が、前記蒸着源及び前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間の空間を外部から密閉するように形成される。
【0009】
前記複数の蒸着源ノズルが、所定角度だけチルトされるように形成される。
【0010】
前記複数の蒸着源ノズルが、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを備え、前記2列の蒸着源ノズルが、互いに対向する方向にチルトされている。
【0011】
前記複数の蒸着源ノズルが、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを備え、前記2列の蒸着源ノズルのうち第1側に配された蒸着源ノズルが、前記パターニングスリットシートの第2側端部に向かうように配され、前記2列の蒸着源ノズルのうち第2側に配された蒸着源ノズルが、前記パターニングスリットシートの第1側端部に向かうように配される。
【0012】
前記第1整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第1マークで形成され、前記第2整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第2マークで形成され、前記第1整列パターンと前記第2整列パターンとが、前記第2方向に離隔している。
【0013】
前記第1マークと前記第2マークとが、形態及び大きさが相等しい。
【0014】
前記第1マーク間の間隔と前記第2マーク間の間隔とが、相等しい。
【0015】
前記第1マーク及び前記第2マークが、十字状になっている。
【0016】
前記第1マークまたは前記第2マークが、多角形になっている。
【0017】
前記第1マークまたは前記第2マークが、三角形になっている。
【0018】
前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンが、のこぎり歯状になっている。
【0019】
前記基板は等速度で前記第1方向に沿って移動し、前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、一定の時間間隔で前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンを撮影し、前記第1カメラアセンブリーが、同数の前記第1整列パターンが含まれた映像を撮影し、前記第2カメラアセンブリーが、同数の前記第2整列パターンが含まれた映像を撮影する。
【0020】
前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第1整列マーク及び前記第2整列マークに対応するように前記基板上に配される。
【0021】
前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された情報を用いて、前記基板と前記パターニングスリットシートとの整列程度を判別する制御部をさらに備える。
【0022】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと前記第1整列マークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンと前記第2整列マークとの間の第2間隔を比較して、前記パターニングスリットシートと前記基板との、前記第2方向への整列を判別する。
【0023】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列マークと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列マークとを比較して、前記第1方向に対して前記パターニングスリットシートが傾いたかどうかを判別する。
【0024】
前記制御部が、撮影された前記第1整列マークと撮影された前記第2整列マークとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列マーク方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列マーク方向に傾いたと判別する。
【0025】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンとを比較して、前記第1方向に対して前記基板が傾いたかどうかを判別する。
【0026】
前記制御部が、撮影された前記第1整列パターンと撮影された前記第2整列パターンとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列パターン方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列パターン方向に傾いたと判別する。
【0027】
前記制御部により判別された前記整列程度によって、前記基板または前記パターニングスリットシートを移動させて、前記基板と前記パターニングスリットシートとを整列させる。
【0028】
前記パターニングスリットシートが、前記第1整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第3整列マークと、前記第2整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第4整列マークと、をさらに備える。
【0029】
前記第1整列マークと前記第3整列マークとの間隔が、前記第2整列マークと前記第4整列マークとの間隔と同一である。
【0030】
前記第1整列マークと前記第2整列マークとが、前記第2方向に互いに離隔しており、前記第3整列マークと前記第4整列マークとが、前記第2方向に互いに離隔している。
【0031】
前記第1整列マークと前記第2整列マークとの間隔が、前記第3整列マークと前記第4整列マークとの間隔と同一である。
【0032】
前記有機層蒸着装置は、第3カメラアセンブリー及び第4カメラアセンブリーを備え、前記第3カメラアセンブリー及び前記第4カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第3整列マーク及び前記第4整列マークに対応するように前記基板上に配される。
【0033】
本発明の他の実施形態による有機層蒸着装置は、基板上に有機層を形成するための有機層蒸着装置において、蒸着物質を放射する蒸着源と、前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、前記蒸着源ノズル部と対向して配され、前記第1方向に沿って複数のパターニングスリットが配されるパターニングスリットシートと、前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間に前記第1方向に沿って配されて、前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間の空間を複数の蒸着空間に区切る複数の遮断板を備える遮断板アセンブリーと、を備え、前記有機層蒸着装置が、前記基板と離隔して配され、前記有機層蒸着装置と前記基板とが互いに相対的に移動し、前記基板が、互いに離隔して配される第1整列パターン及び第2整列パターンを含み、前記有機層蒸着装置が、前記第1整列マーク及び前記第1整列パターンを撮影する第1カメラアセンブリーと、前記第2整列マーク及び前記第2整列パターンを撮影する第2カメラアセンブリーと、をさらに備え、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンの映像が同一であり、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンの映像が同一であるように、前記基板の移動速度と前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーの撮影速度とを同期化する。
【0034】
前記複数の遮断板のそれぞれが、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って延びるように形成される。
【0035】
前記遮断板アセンブリーが、複数の第1遮断板を備える第1遮断板アセンブリーと、複数の第2遮断板を備える第2遮断板アセンブリーと、を備える。
【0036】
前記複数の第1遮断板及び前記複数の第2遮断板のそれぞれが、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って延びるように形成される。
【0037】
前記複数の第1遮断板及び前記複数の第2遮断板のそれぞれが、互いに対応するように配される。
【0038】
前記第1整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第1マークで形成され、前記第2整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第2マークで形成され、前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンが、前記第1方向に対して垂直の第2方向に離隔している。
【0039】
前記第1マークと前記第2マークとが、形態及び大きさが相等しい。
【0040】
前記第1マーク間の間隔と前記第2マーク間の間隔とが、相等しい。
【0041】
前記第1マーク及び前記第2マークが、十字状になっている。
【0042】
前記第1マークまたは前記第2マークが、多角形になっている。
【0043】
前記基板が等速度で前記第1方向に沿って移動し、前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、一定の時間間隔で前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンを撮影し、前記第1カメラアセンブリーが、同数の前記第1整列パターンが含まれた映像を撮影し、前記第2カメラアセンブリーが、同数の前記第2整列パターンが含まれた映像を撮影する。
【0044】
前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第1整列マーク及び前記第2整列マークに対応するように前記基板上に配される。
【0045】
前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された情報を用いて、前記基板と前記パターニングスリットシートとの整列程度を判別する制御部をさらに備える。
【0046】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと前記第1整列マークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンと前記第2整列マークとの間の第2間隔を比較して、前記パターニングスリットシートと前記基板との、前記第1方向に垂直の第2方向への整列を判別する。
【0047】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列マークと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列マークとを比較して、前記第1方向に対して前記パターニングスリットシートが傾いたかどうかを判別する。
【0048】
前記制御部が、撮影された前記第1整列マークと撮影された前記第2整列マークとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列マーク方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列マーク方向に傾いたと判別する。
【0049】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンとを比較して、前記第1方向に対して前記基板が傾いたかどうかを判別する。
【0050】
前記制御部が、撮影された前記第1整列パターンと撮影された前記第2整列パターンとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列パターン方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列パターン方向に傾いたと判別する。
【0051】
前記制御部により判別された前記整列程度によって、前記基板または前記パターニングスリットシートを移動させて、前記基板と前記パターニングスリットシートとを整列させる。
【0052】
前記パターニングスリットシートが、前記第1整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第3整列マークと、前記第2整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第4整列マークと、をさらに備える。
【0053】
前記有機層蒸着装置は、第3カメラアセンブリー及び第4カメラアセンブリーを備え、前記第3カメラアセンブリーと前記第4カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第3整列マーク及び前記第4整列マークに対応するように前記基板上に配される。
【発明の効果】
【0054】
本発明の有機層蒸着装置によれば、製造が容易であり、大型基板の量産工程に容易に適用され、歩留まり及び蒸着効率が向上し、蒸着物質のリサイクルが容易であり、蒸着工程で基板と有機層蒸着装置との精密な整列が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置を備える有機層蒸着システム構成図である。
【図2】図1の変形例を示すシステム構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置を概略的に示す斜視図である。
【図4】図3の有機層蒸着装置の概略的な側断面図である。
【図5】図3の有機層蒸着装置の概略的な平面図である。
【図6】基板とパターニングスリットシートとの配列を示す平面図である。
【図7】基板と、本発明の他の変形例によるパターニングスリットシートとの配列を示す平面図である。
【図8】カメラアセンブリーにより撮影された整列パターンの映像を示す図面である。
【図9】基板及びパターニングスリットシートが第1方向に沿って整列された場合の整列パターンと整列マークとの配列を示す図面である。
【図10】基板がX軸に移動した場合の整列パターンと整列マークとの配列を示す図面である。
【図11】パターニングスリットシートがθ方向に回った場合の整列パターンと整列マークとの配列を示す図面である。
【図12】基板がθ方向に回った場合の整列パターンと整列マークの配列を示す図面である。
【図13】本発明の他の実施形態に関する有機層蒸着装置を概略的に示す斜視図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態に関する有機層蒸着装置を概略的に示す斜視図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態に関する有機層蒸着装置を概略的に示す斜視図である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態に関する有機層蒸着装置を概略的に示す斜視図である。
【図17】図16の有機層蒸着装置の概略的な側断面図である。
【図18】図16の有機層蒸着装置の概略的な平面図である。
【図19】本発明のさらに他の実施形態に関する有機層蒸着装置を概略的に示す斜視図である。
【図20】本発明による有機層蒸着装置で製造できる有機発光表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、添付した図面に示した本発明の実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。図面における要素の形状及び大きさはさらに明確な説明のために誇張され、図面上の同じ符号で表示される要素は同じ要素である。
【0057】
従来のファインメタルマスク(fine metal mask:FMM)を利用する方法は、第5世代(1100mm×1300mm)以上のマザーガラスを使用する大面積化には適していないという限界がある。すなわち、大面積マスクを使用すれば、自重によりマスクの反り現象が発生するが、この反り現象によるパターンの歪曲が発生する恐れがあるためである。これは、パターンの高精細を求める現傾向と背馳している。
【0058】
図1は、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置を備える有機層蒸着システム構成図であり、図2は、図1の変形例を示すものである。
【0059】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による有機層蒸着システムは、ローディング部710、蒸着部730、アンローディング部720、第1循環部610及び第2循環部620を備える。
【0060】
ローディング部710は、第1ラック712と、導入ロボット714と、導入室716と、第1反転室718と、を備える。
【0061】
第1ラック712には、蒸着される前の基板500が複数積載されており、導入ロボット714は、前記第1ラック712から基板500を取って第2循環部620から移送されてきた静電チャック600に基板500を載せた後、基板500が付着された静電チャック600を導入室716に移す。
【0062】
導入室716に隣接して第1反転室718が備えられ、第1反転室718に位置する第1反転ロボット719が静電チャック600を反転させて、静電チャック600を蒸着部730の第1循環部610に装着する。
【0063】
図1でみれば、導入ロボット714は、静電チャック600の上面に基板500を載せ、この状態で静電チャック600は導入室716に移送され、第1反転ロボット719が静電チャック600を反転させることで、蒸着部730では基板500が下方に向かうように位置する。
【0064】
アンローディング部720の構成は、前述したローディング部710の構成と逆に構成される。すなわち、蒸着部730を経た基板500及び静電チャック600を、第2反転室728で第2反転ロボット729が反転させて搬出室726に移送し、搬出ロボット724が搬出室726から基板500及び静電チャック600を取り出した後、基板500を静電チャック600から分離して第2ラック722に積載する。基板500と分離された静電チャック600は、第2循環部620を通じてローディング部710に回送される。
【0065】
しかし、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、基板500が静電チャック600に最初に固定される時から静電チャック600の下面に基板500を固定させ、そのまま蒸着部730に移送させてもよい。この場合、例えば、第1反転室718及び第1反転ロボット719と、第2反転室728及び第2反転ロボット729と、は不要になる。
【0066】
蒸着部730は、少なくとも一つの蒸着用チャンバを備える。図1による本発明の望ましい一実施形態によれば、前記蒸着部730は第1チャンバ731を備え、この第1チャンバ731内に複数の有機層蒸着装置100、200、300、400が配される。図1に示した本発明の望ましい一実施形態によれば、前記第1チャンバ731内に第1有機層蒸着装置100、第2有機層蒸着装置200、第3有機層蒸着装置300及び第4有機層蒸着装置400の4つの有機層蒸着装置が設けられているが、その数は、蒸着物質及び蒸着条件によって可変になる。前記第1チャンバ731は、蒸着が進められる間、真空に保持される。
【0067】
また、図2による本発明の他の一実施形態によれば、前記蒸着部730は、互いに連係する第1チャンバ731及び第2チャンバ732を備え、第1チャンバ731には第1、第2有機層蒸着装置100、200が、第2チャンバ732には第3、第4有機層蒸着装置300、400が配される。この時、チャンバの数が追加されうるということはいうまでもない。
【0068】
一方、図1による本発明の望ましい一実施形態によれば、前記基板500が固定された静電チャック600は、第1循環部610により少なくとも蒸着部730に、望ましくは、前記ローディング部710、蒸着部730及びアンローディング部720に順次移動し、前記アンローディング部720で基板500と分離された静電チャック600は、第2循環部620により前記ローディング部710に戻される。
【0069】
図3は、本発明の有機層蒸着装置の一実施形態を概略的に示す斜視図であり、図4は、図3の有機層蒸着装置の概略的な側面図であり、図5は、図3の有機層蒸着装置の概略的な平面図である。
【0070】
図3ないし図5を参照すれば、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100は、蒸着源110、蒸着源ノズル部120、パターニングスリットシート150、第1及び第2カメラアセンブリー161、162及び制御部170を備える。
【0071】
詳細には、蒸着源110から放出された蒸着物質115を、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート150を通過させて基板500に所望のパターンで蒸着させるためには、基本的に第1チャンバ731の内部は、FMM蒸着方法と同じ高真空状態を保持せねばならない。また、パターニングスリットシート150の温度が蒸着源110の温度より十分に低くなければ(約100℃以下)ならない。なぜなら、パターニングスリットシート150の温度が十分に低くて初めて、温度によるパターニングスリットシート150の熱膨張問題を最小化できるためである。
【0072】
かかる第1チャンバ731内には、被蒸着体である基板500が配される。前記基板500は平板表示装置用基板になりうるが、複数の平板表示装置を形成できるマザーガラスなどの大面積基板が適用される。
【0073】
ここで、本発明の一実施形態では、基板500が有機層蒸着装置100に対して相対的に移動しつつ蒸着が進められることを一特徴とする。
【0074】
詳細には、既存のFMM蒸着方法では、FMMの大きさが基板の大きさと同一に形成されねばならない。したがって、基板の大きさが増大するほどFMMも大型化せねばならず、このためFMM製作が容易でなく、FMMを引っ張って精密なパターンに整列するのも容易でないという問題点があった。
【0075】
これらの問題点を解決するために、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100は、有機層蒸着装置100と基板500とが互いに相対的に移動しつつ蒸着されることを一特徴とする。言い換えれば、有機層蒸着装置100と対向するように配された基板500が、Y軸方向に沿って移動しつつ連続的に蒸着を行う。すなわち、基板500が、図6の矢印P方向(第1方向)に移動しつつスキャニング方式で蒸着が行われる。
【0076】
本発明の有機層蒸着装置100では、従来のFMMに比べて非常に小さくパターニングスリットシート150を作る。すなわち、本発明の有機層蒸着装置100の場合、基板500がY軸方向に沿って移動しつつ連続的に、すなわち、スキャニング方式で蒸着を行うため、パターニングスリットシート150のX軸方向及びY軸方向の長さは、基板500の長さより非常に小さく形成される。このように、従来のFMMに比べて非常に小さくパターニングスリットシート150を作ることができるため、本発明のパターニングスリットシート150はその製造が容易である。すなわち、パターニングスリットシート150のエッチング作業や、それ以後の精密引っ張り及び溶接作業、移動及び洗浄作業などのあらゆる工程で、小型のパターニングスリットシート150がFMM蒸着方法に比べて有利である。また、これは、ディスプレイ装置が大型化するほどさらに有利になる。
【0077】
一方、チャンバ内で前記基板500と対向する側には、蒸着物質115が収納されて加熱される蒸着源110が配される。前記蒸着源110内に収納されている蒸着物質115の気化によって基板500に蒸着される。
【0078】
詳細には、蒸着源110は、その内部に蒸着物質115が満たされる坩堝112と、坩堝112を加熱させて坩堝112の内部に満たされた蒸着物質115を坩堝112の一側、詳細には、蒸着源ノズル部120側に蒸発させるための冷却ブロック111と、を備える。冷却ブロック111は、坩堝112からの熱が外部、すなわち、第1チャンバの内部に発散されることを最大限抑制するためのものであり、この冷却ブロック111には、坩堝112を加熱させるヒータ(図示せず)が備えられている。
【0079】
蒸着源110の一側、詳細には、蒸着源110から基板500に向かう側には、蒸着源ノズル部120が配される。そして、蒸着源ノズル部120には、Y軸方向、すなわち、基板500のスキャン方向に沿って複数の蒸着源ノズル121が形成される。ここで、前記複数の蒸着源ノズル121は等間隔で形成される。蒸着源110内で気化した蒸着物質115は、かかる蒸着源ノズル部120を通過して被蒸着体である基板500側に向かう。このように、蒸着源ノズル部120上にY軸方向、すなわち、基板500のスキャン方向に沿って複数の蒸着源ノズル121が形成される場合、パターニングスリットシート150のそれぞれのパターニングスリット151を通過する蒸着物質により形成されるパターンの大きさは、蒸着源ノズル121の一つの大きさのみに影響されるので(すなわち、X軸方向には蒸着源ノズル121が一つのみ存在するので)、陰影が発生しなくなる。また、複数の蒸着源ノズル121がスキャン方向に存在するので、個別の蒸着源ノズル間のフラックス差が発生しても、その差が相殺されて蒸着均一度が一定に保持される効果を得ることができる。
【0080】
一方、蒸着源110と基板500との間には、パターニングスリットシート150及びフレーム155がさらに備えられる。フレーム155は窓枠の形態で形成され、その内側にパターニングスリットシート150が結合される。そして、パターニングスリットシート150には、X軸方向に沿って複数のパターニングスリット151が形成される。蒸着源110内で気化した蒸着物質115は、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート150を通過して被蒸着体である基板500側に向かう。この時、前記パターニングスリットシート150は、従来のFMM、特に、ストライプタイプのマスクの製造方法と同じ方法であるエッチングで製作される。この時、蒸着源ノズル121の総数よりパターニングスリット151の総数がさらに多く形成される。
【0081】
一方、前述した蒸着源110(及び、これと結合された蒸着源ノズル部120)とパターニングスリットシート150とは、互いに一定間隔だけ離隔して形成され、蒸着源110(及び、これと結合された蒸着源ノズル部120)とパターニングスリットシート150とは、第1連結部材135によって互いに連結される。すなわち、蒸着源110、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート150が第1連結部材135により連結されて、互いに一体に形成されうる。ここで、第1連結部材135は、蒸着源ノズル121を通じて排出される蒸着物質が分散されないように蒸着物質の移動経路をガイドできる。図面には、第1連結部材135が蒸着源110、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート150の左右方向のみに形成されて、蒸着物質のX軸方向のみをガイドすると図示されているが、これは図示の便宜のためのものであり、本発明の思想はこれに制限されず、第1連結部材135がボックス状の密閉型に形成されて、蒸着物質のX軸方向及びY軸方向の移動を同時にガイドしてもよい。
【0082】
前述したように、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100は、基板500に対して相対的に移動しつつ蒸着を行い、このように、有機層蒸着装置100が基板500に対して相対的に移動するために、パターニングスリットシート150は、基板500から一定間隔だけ離隔して形成される。
【0083】
詳細には、従来のFMM蒸着方法では、基板に陰影が生じないようにするために基板にマスクを密着させて蒸着工程を進めた。しかし、このように基板にマスクを密着させる場合、基板とマスクとの接触による不良問題が発生するという問題点があった。また、マスクを基板に対して移動させることができないため、マスクが基板と同じ大きさに形成される。したがって、ディスプレイ装置が大型化するにつれてマスクの大きさも大きくならねばならないが、これらの大型マスクの形成が容易でないという問題点があった。
【0084】
これらの問題点を解決するために、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100では、パターニングスリットシート150が被蒸着体である基板500と所定間隔をおいて離隔して配されるようにする。
【0085】
このような本発明によってマスクを基板より小さく形成した後、マスクを基板に対して移動させつつ蒸着を行えるようになることで、マスク製作が容易になる効果を得る。また、基板とマスクとの接触による不良を防止する効果を得る。また、工程で基板とマスクとを密着させる時間が不要になるため、製造速度が向上する効果を得る。
【0086】
本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100は、基板500とパターニングスリットシート150との整列のために、第1及び第2整列パターン502、503、第1及び第2整列マーク152、153、第1及び第2カメラアセンブリー161、162、及び制御部170を備える。
【0087】
第1及び第2整列パターン502、503は、基板500の移送方向Pに沿って基板500上に形成される。第1及び第2整列パターン502、503は、互いに離隔して基板500の両端部に形成される。第1整列パターン502は、基板500の移送方向Pに沿って配列された複数の第1マーク502aで形成され、第2整列パターン503は、前記移送方向Pに沿って配列された複数の第2マーク503aで形成される。第1及び第2マーク502a、503aは、十字状であってもよい。第1マーク502a間の間隔は一定であり、第2マーク503a間の間隔も一定である。また、第1マーク502a間の間隔と第2マーク503a間の間隔とは同一である。
【0088】
第1及び第2整列マーク152、153は、パターニングスリットシート150の両端部に形成される。第1及び第2整列マーク152、153は、前記移送方向Pに垂直の方向(第2方向)に互いに離隔して形成される。第1及び第2整列マーク152、153は円形であってもよい。本発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2整列マーク152、153は多角形でありうる。例えば、第1及び第2整列マーク152、153が直角三角形である場合、斜辺がパターニングスリット151に向かうように形成される。
【0089】
基板500とパターニングスリットシート150とが正しく整列された場合、第1及び第2整列マーク152、153は、第1整列パターン502と第2整列パターン503との間に位置する。これについては、後述する。
【0090】
第1カメラアセンブリー161は、第1整列マーク152に対応するように基板500上に配され、第2カメラアセンブリー162は、第2整列マーク153に対応するように基板500上に配される。第1カメラアセンブリー161は、基板500上で、第1整列パターン502と第1整列マーク152とを撮影し、第2カメラアセンブリー162は、基板500上で、第2整列パターン503と第2整列マーク153とを撮影する。基板500は透明であるため、第1及び第2カメラアセンブリー161、162が、基板500を通じて第1及び第2整列マーク152、153を撮影することができる。第1及び第2カメラアセンブリー161、162が配列された方向は、前記移送方向Pに垂直の方向(第2方向)である。
【0091】
制御部170は、第1及び第2カメラアセンブリー161、162により撮影された情報を分析して、基板500とパターニングスリットシート150との整列程度を判別し、前記整列程度によって、基板500またはパターニングスリットシート150を移動させる駆動部(図示せず)を制御できる。
【0092】
図6ないし図12を参照して、基板500とパターニングスリットシート150との間の整列を説明する。
【0093】
図6は、第1及び第2カメラアセンブリー161、162から眺めた、基板500とパターニングスリットシート150との平面図である。
【0094】
図6を参照すれば、基板500はY軸方向へ移送される。第1及び第2整列パターン502、503は、基板500の移送方向であるY方向と平行に形成され、第1整列パターン502と第2整列パターン503とは、Y方向に垂直の方向(第2方向)に互いに離隔して基板500の両端部に配される。
【0095】
パターニングスリットシート150上に形成された第1及び第2整列マーク152、153は、前記第2方向に互いに離隔しており、第1整列パターン502と第2整列パターン503との間に配される。
【0096】
図7は、本発明の他の変形例による基板とパターニングスリットシートとの配列を示す平面図である。図7を参照すれば、基板500’は、三角形の第1及び第2整列パターン602、603を持つ。第1及び第2整列パターン602、603は、直角三角形の整列マークが連続的に配列されてのこぎり歯状をなす。本発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2整列パターン602、603は、多角形の整列マークが連続的に配列された形態を持ってもよい。
【0097】
図8は、カメラアセンブリーにより撮影された整列パターンの映像である。図8を参照すれば、左図は、第1カメラアセンブリー161が撮影した第1整列パターン502の映像であり、右図は、第2カメラアセンブリー162が撮影した第2整列パターン503の映像である。第1及び第2カメラアセンブリー161、162の撮影速度と基板500の移動速度とは同期化され、これにより、第1及び第2カメラアセンブリー161、162は同じ映像の第1及び第2整列パターン502、503を撮影できる。さらに詳細には、第1及び第2カメラアセンブリー161、162それぞれは、一定の時間間隔で移動する基板500を撮影できる。第1及び第2カメラアセンブリー161、162の撮影時間中に一定の速度で基板500が移動するので、第1及び第2カメラアセンブリー161、162は、図8に示したように、同じ映像の第1及び第2整列パターン502、503を撮影できる。
【0098】
図9は、基板500とパターニングスリットシート150とが正しく整列された状態の第1及び第2整列パターン502、503と、第1及び第2整列マーク152、153とを図示する。
【0099】
図9を参照すれば、第1カメラアセンブリー161は第1整列マーク152上に配され、第2カメラアセンブリー162は第2整列マーク153上に配され、第1カメラアセンブリー161は、第1整列パターン502及び第1整列マーク152を、図9の左図のように撮影し、第2カメラアセンブリー162は、第2整列パターン503及び第2整列マーク153を、図9の右図のように撮影する。基板500とパターニングスリットシート150とが正しく整列された状態の場合、第1整列パターン502と第1整列マーク152との間隔Aと、第2整列パターン503と第2整列マーク153との間隔A’とが同一である。
【0100】
図10は、基板がX軸に移動した場合の整列パターンと整列マークとの配列を示す。
【0101】
図10を参照すれば、基板500がX軸方向に移動した場合、第1整列パターン502と第1整列マーク152との間隔Bが、第2整列パターン503と第2整列マーク153との間隔B’より狭くなる。
【0102】
基板500がX軸方向に移動した場合、制御部170は、基板500をX軸方向に(B’−B)/2の距離だけ移動させるように駆動部(図示せず)を制御する。
【0103】
図11は、パターニングスリットシートがθ方向に回った場合の整列パターンと整列マークとの配列を示す。パターニングスリットシート150がθ方向に回った場合には、パターニングスリットシート150が、Z軸を中心として反時計回り方向(θ方向)または時計回り方向(−θ方向)に移動した場合を意味する。
【0104】
図11を参照すれば、パターニングスリットシート150がθ方向(反時計回り方向)に回った場合、第2カメラアセンブリー162により撮影された第2整列マーク153は、第1カメラアセンブリー161により撮影された第1整列マーク152に比べてY軸方向に先立つようになる。すなわち、第1整列マーク152を基準とすれば、第2整列マーク153のY軸座標は、第1整列マーク152のY軸座標よりh1だけ大きくなる。パターニングスリットシート150が回った角度は、第1整列マーク152と第2整列マーク153との距離D1、そして第1整列マーク152と第2整列マーク153とのY軸座標での差h1で求める。詳細には、パターニングスリットシート150が回った角度θ1は、Arctan(h1/D1)に該当する。このような場合、制御部170は、パターニングスリットシート150を−θ方向(時計回り方向)にArctan(h1/D1)の角度だけ移動させるように、駆動部(図示せず)を制御する。
【0105】
図12は、基板がθ方向に回った場合の整列パターンと整列マークとの配列を示す。基板500がθ方向に回った場合は、基板500がZ軸を中心として反時計回り方向(θ方向)または時計回り方向(−θ方向)に移動した場合を意味する。
【0106】
図12を参照すれば、基板500がθ方向(反時計回り方向)に回った場合、第2カメラアセンブリー162により撮影された第2整列パターン503は、第1カメラアセンブリー161により撮影された第1整列パターン502に比べてY軸方向に先立つ。すなわち、第1整列パターン502を基準とすれば、第2整列パターン503のY軸座標は、第1整列パターン502のY軸座標よりh2だけ大きくなる。基板500の回った角度は、第1整列パターン502と第2整列パターン503との距離D2、そして第1整列パターン502と第2整列パターン503とのY軸座標での差h2で求める。詳細には、基板500が回った角度θ2は、Arctan(h2/D2)に該当する。このような場合、制御部170は、基板500を−θ方向(時計回り方向)にArctan(h2/D2)の角度だけ移動させるように駆動部(図示せず)を制御する。
【0107】
このように、本発明の一実施形態による有機層蒸着装置100は、基板500が移送方向の垂直な方向(第2方向)に移動した場合だけでなく、移送方向(第1方向)に対して回った場合にも、基板500とパターニングスリットシート150との整列を制御できる。
【0108】
図13は、本発明の他の実施形態に関する有機層蒸着装置を概略的に示す斜視図である。図13を参照すれば、本発明の他の実施形態に関する有機層蒸着装置100aは、第3整列マーク152’、第4整列マーク153’、第3カメラアセンブリー161’、及び第4カメラアセンブリー162’をさらに備えるという点で、図3に示した有機層蒸着装置100と差がある。
【0109】
詳細には、図13に示した有機層蒸着装置100aのパターニングスリットシート150’は、第3整列マーク152’と第4整列マーク153’とをさらに備える。第3整列マーク152’は、第1整列マーク152から第1方向(Y軸方向)に沿って離隔して配され、第4整列マーク153’は、第2整列マーク153から第1方向(Y軸方向)に沿って離隔して配される。第1整列マーク152と第3整列マーク152’との間隔は、第2整列マーク153と第4整列マーク153’との間隔と同一である。また、第1整列マーク152と第2整列マーク153とは、第2方向(X軸方向)に互いに離隔しており、第3整列マーク152’と第4整列マーク153’も第2方向(X軸方向)に互いに離隔している。第1整列マーク152と第2整列マーク153との間隔は、第3整列マーク152’と第4整列マーク153’との間隔と同一である。
【0110】
図13に示した有機層蒸着装置100aは、第3カメラアセンブリー161’と第4カメラアセンブリー162’とをさらに備える。第1ないし第4カメラアセンブリー161、162、161’、162’それぞれは、第1ないし第4整列マーク152、153、152’、153’に対応するように基板500上に配される。第3カメラアセンブリー161’及び第4カメラアセンブリー162’の撮影速度は、基板500の移動速度と同期化される。したがって、第3カメラアセンブリー161’により撮影される映像は、同じ形態及び大きさを持つ第1整列パターン502を持ち、第4カメラアセンブリー162’により撮影される映像は、同じ形態及び大きさを持つ第2整列パターン503を持つ。
【0111】
図14は、本発明の有機層蒸着装置の他の実施形態を示す図面である。図面を参照すれば、本発明の他の実施形態による有機層蒸着装置は、蒸着源110’、蒸着源ノズル部120、及びパターニングスリットシート150を備える。ここで、蒸着源110’は、その内部に蒸着物質115が満たされる坩堝112と、坩堝112を加熱させて坩堝112の内部に満たされた蒸着物質115を蒸着源ノズル部120側に蒸発させるための冷却ブロック111とを備える。一方、蒸着源110’の一側には蒸着源ノズル部120が配され、蒸着源ノズル部120には、Y軸方向に沿って複数の蒸着源ノズル121’が形成される。一方、蒸着源110’と基板500との間にはパターニングスリットシート150及びフレーム155がさらに備えられ、パターニングスリットシート150には、X軸方向に沿って複数のパターニングスリット151aが形成される。そして、蒸着源110’及び蒸着源ノズル部120とパターニングスリットシート150とは、第1連結部材135によって結合される。
【0112】
本実施形態では、蒸着源ノズル部120に形成された複数の蒸着源ノズル121’が所定角度だけチルトされて配されるという点で、図3に示した有機層蒸着装置と区別される。詳細には、蒸着源ノズル121’は、2列の蒸着源ノズル121’a、121’bで形成され、前記2列の蒸着源ノズル121’a、121’bは、互いに交互に配される。この時、蒸着源ノズル121’a、121’bは、XZ平面上で所定角度だけ傾くようにチルトされて形成される。
【0113】
本実施形態では、蒸着源ノズル121’a、121’bが所定角度だけチルトされて配されるようにする。ここで、第1列の蒸着源ノズル121’aは、第2列の蒸着源ノズル121’bに向かうようにチルトされ、第2列の蒸着源ノズル121’bは、第1列の蒸着源ノズル121’aに向かうようにチルトされる。言い換えれば、左側列に配された蒸着源ノズル121’aは、パターニングスリットシート150の右側端部に向かうように配され、右側列に配された蒸着源ノズル121’bは、パターニングスリットシート150の左側端部に向かうように配される。
【0114】
かかる構成によって、基板の中央と終端部分との成膜厚さの差が低減して、全体的な蒸着物質の厚さが均一になるように蒸着量を制御でき、さらには、材料利用効率が高くなる効果を得る。
【0115】
図15は、本発明の有機層蒸着装置のさらに他の実施形態を示す図面である。図面を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態による有機層蒸着装置は、図4ないし図6で説明した有機層蒸着装置が複数備えられることを一特徴とする。言い換えれば、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置は、赤色発光層Rの材料、緑色発光層Gの材料、青色発光層Bの材料が一回に放射されるマルチ蒸着源を備えることができる。
【0116】
詳細には、本実施形態は、第1有機層蒸着装置100、第2有機層蒸着装置200及び第3有機層蒸着装置300を備える。これらの第1有機層蒸着装置100、第2有機層蒸着装置200及び第3有機層蒸着装置300のそれぞれの構成は、図3ないし図5で説明した有機層蒸着装置と同一であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0117】
ここで、第1有機層蒸着装置100、第2有機層蒸着装置200及び第3有機層蒸着装置300の蒸着源には、相異なる蒸着物質が備えられる。例えば、第1有機層蒸着装置100には赤色発光層Rの材料になる蒸着物質が備えられ、第2有機層蒸着装置200には緑色発光層Gの材料になる蒸着物質が備えられ、第3有機層蒸着装置300には青色発光層Bの材料になる蒸着物質が備えられる。
【0118】
すなわち、従来の有機発光ディスプレイ装置の製造方法では、各色相別に異なるチャンバ及びマスクを備えることが一般的であったが、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置を用いれば、一つのマルチソースで赤色発光層R、緑色発光層G及び青色発光層Bを一回に蒸着できる。したがって、有機発光ディスプレイ装置の生産時間が画期的に短縮されると同時に、備えられるべきチャンバ数が低減することで、顕著なコストダウン効果を得ることができる。
【0119】
この場合、図面には詳細に図示されていないが、第1有機層蒸着装置100、第2有機層蒸着装置200及び第3有機層蒸着装置300のパターニングスリットシートは、互いに一定程度オフセットされて配されることで、その蒸着領域が重畳しないようにする。言い換えれば、第1有機層蒸着装置100が赤色発光層Rの蒸着を担当し、第2有機層蒸着装置200が緑色発光層Gの蒸着を担当し、第3有機層蒸着装置300が青色発光層Bの蒸着を担当する場合、第1有機層蒸着装置100のパターニングスリットと、第2有機層蒸着装置200のパターニングスリットと、第3有機層蒸着装置300のパターニングスリットとが互いに同一線上に位置しないように配されることで、基板上の相異なる領域にそれぞれ赤色発光層R、緑色発光層G及び青色発光層Bを形成させることができる。
【0120】
ここで、赤色発光層Rの材料になる蒸着物質と、緑色発光層Gの材料になる蒸着物質と、青色発光層Bの材料になる蒸着物質とは、互いに気化する温度が異なるので、前記第1有機層蒸着装置100の蒸着源110の温度と、前記第2有機層蒸着装置200の蒸着源の温度と、前記第3有機層蒸着装置300の蒸着源の温度とが互いに異なって設定されてもよい。
【0121】
一方、図面には有機層蒸着装置が3つ備えられると図示されているが、本発明の思想はこれらに限定されるものではない。すなわち、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置は、有機層蒸着装置を複数備え、前記複数の有機層蒸着装置それぞれに相異なる物質を備える。例えば、有機層蒸着装置を5つ備え、それぞれの有機層蒸着装置に赤色発光層R、緑色発光層G、青色発光層B及び赤色発光層の補助層R’と緑色発光層の補助層G’とを備える。
【0122】
このように、複数の有機層蒸着装置を備えて複数の有機層を一回に形成できるようにすることで、歩留まり及び蒸着効率が向上する効果を得る。また、製造工程が簡単になってコストダウンの効果を得る。
【0123】
図16は、本発明の有機層蒸着装置のさらに他の実施形態を概略的に示す斜視図であり、図17は、図16の有機層蒸着装置の概略的な側断面図であり、図18は、図16の有機層蒸着装置の概略的な平面図である。
【0124】
図16ないし図18を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態に関する有機層蒸着装置100”は、蒸着源110”、蒸着源ノズル部120”、遮断板アセンブリー130及びパターニングスリット151aを備える。
【0125】
ここで、図16ないし図18には、説明の便宜のためにチャンバを図示していないが、図16ないし図18のあらゆる構成は、適宜な真空度が保持されるチャンバ内に配されることが望ましい。これは、蒸着物質の直進性を確保するためである。
【0126】
これらのチャンバ内には、被蒸着体である基板500が静電チャック600により移送される。前記基板500は平板表示装置用基板になりうるが、複数の平板表示装置を形成できるマザーガラスなどの大面積基板が適用される。
【0127】
ここで、本発明の一実施形態では、基板500が有機層蒸着装置100”に対して相対的に移動するが、望ましくは、有機層蒸着装置100”に対して基板500をP方向に移動させることができる。
【0128】
前述した第1実施形態のように、本発明の有機層蒸着装置100”では、従来のFMMに比べて非常に小さくパターニングスリットシート150を作ることができる。すなわち、本発明の有機層蒸着装置100”の場合、基板500がY軸方向に沿って移動しつつ連続的に、すなわち、スキャニング方式で蒸着を行うため、パターニングスリットシート150のX軸方向への幅と基板500のX軸方向への幅のみ実質的に同一に形成されれば、パターニングスリットシート150のY軸方向の長さは、基板500の長さより非常に小さく形成されてもよい。もちろん、パターニングスリットシート150のX軸方向への幅が基板500のX軸方向への幅より小さく形成されても、基板500と有機層蒸着装置100”との相対的移動によるスキャニング方式で、十分に基板500全体に対して蒸着可能になる。
【0129】
このように、従来のFMMに比べて非常に小さくパターニングスリットシート150を作ることができるため、本発明のパターニングスリットシート150はその製造が容易である。すなわち、パターニングスリットシート150のエッチング作業や、その後の精密引っ張り及び溶接作業、移動及び洗浄作業などのあらゆる工程で、小さな大きさのパターニングスリットシート150がFMM蒸着方法に比べて有利である。また、これはディスプレイ装置が大型化するほどさらに有利になる。
【0130】
一方、チャンバ内で前記基板500と対向する側には、蒸着物質115が収納及び加熱される蒸着源110”が配される。
【0131】
前記蒸着源110”は、その内部に蒸着物質115が満たされる坩堝112と、この坩堝112を取り囲む冷却ブロック111とが備えられる。冷却ブロック111は、坩堝112からの熱が外部、すなわち、チャンバの内部に発散されることを最大限抑えるためのものであり、この冷却ブロック111には、坩堝112を加熱させるヒータ(図示せず)が備えられている。
【0132】
蒸着源110”の一側、詳細には、蒸着源110”から基板500に向かう側には蒸着源ノズル部120”が配される。そして蒸着源ノズル部120”には、X軸方向に沿って複数の蒸着源ノズル121”が形成される。ここで、前記複数の蒸着源ノズル121”は、等間隔で形成される。蒸着源110”内で気化した蒸着物質115は、これらの蒸着源ノズル部120”の蒸着源ノズル121”を通過して被蒸着体である基板500側に向かう。
【0133】
蒸着源ノズル部120”の一側には遮断板アセンブリー130が備えられる。前記遮断板アセンブリー130は、複数の遮断板131と、遮断板131の外側に備えられる遮断板フレーム132と、を備える。前記複数の遮断板131は、X軸方向に沿って互いに平行に配される。ここで、前記複数の遮断板131は等間隔で形成される。また、それぞれの遮断板131は、図面で見た時にYZ平面に沿って延びており、望ましくは、長方形に備えられる。このように配された複数の遮断板131は、蒸着源ノズル部120”とパターニングスリット151との間の空間を、複数の蒸着空間Sに区切る。すなわち、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100”は、前記遮断板131によって、図17に示したように、蒸着物質が噴射されるそれぞれの蒸着源ノズル121”別に蒸着空間Sが分離される。
【0134】
ここで、それぞれの遮断板131は、互いに隣接している蒸着源ノズル121”の間に配される。これは、言い換えれば、互いに隣接している遮断板131の間に一つの蒸着源ノズル121”が配される。望ましくは、蒸着源ノズル121”は、互いに隣接している遮断板131の中央に位置できる。しかし、本発明は必ずしもこれに限定されず、互いに隣接している遮断板131の間に複数の蒸着源ノズル121”が配置してもよい。ただし、この場合にも、複数の蒸着源ノズル121”を互いに隣接している遮断板131の中央に位置させることが望ましい。
【0135】
このように、遮断板131が、蒸着源ノズル部120”とパターニングスリットシート150との間の空間を複数の蒸着空間Sに区切ることで、一つの蒸着源ノズル121”から排出される蒸着物質は、他の蒸着源ノズル121”から排出された蒸着物質と混合されず、パターニングスリット151を通過して基板500に蒸着される。すなわち、前記遮断板131は、各蒸着源ノズル121”を通じて排出される蒸着物質が分散されずに直進性を保持するように、蒸着物質のZ軸方向への移動経路をガイドする役割を行う。
【0136】
このように、遮断板131を備えて蒸着物質の直進性を確保することで、基板に形成される陰影の大きさを大幅に低減させることができ、したがって、有機層蒸着装置100”と基板500とを一定間隔だけ離隔させることができる。これについては、後述する。
【0137】
一方、前記複数の遮断板131の他側には遮断板フレーム132がさらに備えられる。遮断板フレーム132は、複数の遮断板131の側面にそれぞれ備えられて複数の遮断板131の位置を固定させると同時に、蒸着源ノズル121”を通じて排出される蒸着物質がY軸方向に分散しないように、蒸着物質のY軸方向の移動経路をガイドする役割を行う。
【0138】
前記蒸着源ノズル部120”と遮断板アセンブリー130とは、一定間隔だけ離隔したことが望ましい。これにより、蒸着源110”から発散される熱が遮断板アセンブリー130に伝導されることを防止できる。しかし、本発明の思想はこれに限定されるものではない。すなわち、蒸着源ノズル部120”と遮断板アセンブリー130との間に適切な断熱手段が備えられる場合、蒸着源ノズル部120”と遮断板アセンブリー130とが結合して接触することもある。
【0139】
一方、前記遮断板アセンブリー130は、有機層蒸着装置100”から着脱自在に形成される。本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100”では、遮断板アセンブリー130を用いて蒸着空間を外部空間と分離したので、基板500に蒸着されていない蒸着物質は、ほとんどが遮断板アセンブリー130内に蒸着される。したがって、遮断板アセンブリー130を有機層蒸着装置100”から着脱自在に形成して、長時間蒸着後に遮断板アセンブリー130に蒸着物質が多く溜まれば、遮断板アセンブリー130を有機層蒸着装置100”から分離して、別途の蒸着物質リサイクル装置に入れて蒸着物質を回収できる。この構成を通じて、蒸着物質リサイクル率を高めることで蒸着効率が向上してコストダウンできる効果を得る。
【0140】
一方、蒸着源110”と基板500との間には、パターニングスリットシート150及びフレーム155がさらに備えられる。前記フレーム155は窓枠状に形成され、その内側にパターニングスリットシート150が結合する。そして、パターニングスリットシート150には、X軸方向に沿って複数のパターニングスリット151が形成される。各パターニングスリット151はY軸方向に沿って延びている。蒸着源110内で気化して蒸着源ノズル121”を通過した蒸着物質115は、パターニングスリット151を通過して被蒸着体である基板500側に向かう。
【0141】
前記パターニングスリットシート150は金属薄板で形成され、引っ張られた状態でフレーム155に固定される。前記パターニングスリット151は、ストライプタイプで、パターニングスリットシート150にエッチングで形成される。
【0142】
ここで、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100”は、蒸着源ノズル121”の総数よりパターニングスリット151の総数がさらに多く形成される。また、互いに隣接している2枚の遮断板131の間に配された蒸着源ノズル121”の数よりパターニングスリット151の数がさらに多く形成される。前記パターニングスリット151の数は、基板500に形成される蒸着パターンの数に対応させることが望ましい。
【0143】
一方、前述した遮断板アセンブリー130とパターニングスリットシート150とは、互いに一定間隔だけ離隔して形成され、遮断板アセンブリー130とパターニングスリットシート150とは、別途の第2連結部材133によって互いに連結される。詳細には、高温状態の蒸着源110”により遮断板アセンブリー130の温度は最大100℃以上上昇するため、上昇した遮断板アセンブリー130の温度がパターニングスリットシート150に伝導されないように、遮断板アセンブリー130とパターニングスリットシート150とを一定間隔だけ離隔させる。
【0144】
前述したように、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100”は、基板500に対して相対的に移動しつつ蒸着を行い、このように有機層蒸着装置100”が基板500に対して相対的に移動するために、パターニングスリットシート150は、基板500から一定間隔だけ離隔して形成される。そして、パターニングスリットシート150と基板500とを離隔させる場合に発生する陰影問題を解決するために、蒸着源ノズル部120”とパターニングスリットシート150との間に遮断板131を備えて蒸着物質の直進性を確保することで、基板に形成される陰影の大きさを大幅に低減させた。
【0145】
従来のFMM蒸着方法では、基板に陰影が生じないようにするために、基板にマスクを密着させて蒸着工程を進めた。しかし、このように基板にマスクを密着させる場合、基板とマスクとの接触により基板に既に形成されていたパターンにスクラッチが生じるなどの不良問題が発生するという問題点があった。また、マスクを基板に対して移動させられないため、マスクが基板と同じ大きさに形成されねばならない。したがって、ディスプレイ装置の大型化につれてマスクの大きさも大きくならねばならないが、これらの大型マスクの形成が容易でないという問題点があった。
【0146】
これらの問題点を解決するために、本発明の一実施形態に関する有機層蒸着装置100”では、パターニングスリットシート150を被蒸着体である基板500と所定間隔をおいて離隔して配する。これは、遮断板131を備えて、基板500に生成される陰影が小さくなることで実現可能になる。
【0147】
このような本発明によってパターニングスリットシートを基板より小さく形成した後、このパターニングスリットシートを基板に対して相対移動させることで、従来のFMM方法のように大きいマスクを製作する必要がなくなる。また、基板とパターニングスリットシートとの間が離隔しているため、相互接触による不良を防止する効果を得る。また、工程で基板とパターニングスリットシートとを密着させる時間が不要になるため、製造速度が向上する効果を得る。
【0148】
図19は、本発明の有機層蒸着装置のさらに他の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0149】
図19に示した実施形態に関する有機層蒸着装置100’’’は、蒸着源110”、蒸着源ノズル部120”、第1遮断板アセンブリー130、第2遮断板アセンブリー140及びパターニングスリットシート150を備える。
【0150】
ここで、図19には、説明の便宜のためにチャンバを図示していないが、図19のあらゆる構成は、適当な真空度が保持されるチャンバ内に配されることが望ましい。これは、蒸着物質の直進性を確保するためである。
【0151】
かかるチャンバ(図示せず)内には被蒸着体である基板500が配される。そして、チャンバ(図示せず)内で基板500と対向する側には、蒸着物質115が収納及び加熱される蒸着源110”が配される。
【0152】
蒸着源110”及びパターニングスリットシート150の詳細な構成は、前述した図16による実施形態と同一であるので、詳細な説明を省略する。そして、前記第一遮断板アセンブリー130は、図16による実施形態の遮断板アセンブリーと同一であるので、やはり詳細な説明は省略する。
【0153】
本実施形態では、第1遮断板アセンブリー130の一側に第2遮断板アセンブリー140が備えられる。前記第2遮断板アセンブリー140は、複数の第2遮断板141と、第2遮断板141の外側に備えられる第2遮断板フレーム142と、を備える。
【0154】
前記複数の第2遮断板141は、X軸方向に沿って互いに平行に備えられる。そして、前記複数の第2遮断板141は等間隔で形成される。また、それぞれの第2遮断板141は、図面で見た時にYZ平面と平行に、言い換えれば、X軸方向に垂直になるように形成される。
【0155】
このように配された複数の第1遮断板131及び第2遮断板141は、蒸着源ノズル部120”とパターニングスリットシート150との間の空間を区切る役割を行う。すなわち、前記第1遮断板131及び第2遮断板141によって、蒸着物質が噴射されるそれぞれの蒸着源ノズル121”別に蒸着空間が分離されることを一特徴とする。
【0156】
ここで、それぞれの第2遮断板141は、それぞれの第1遮断板131と一対一に対応するように配される。言い換えれば、それぞれの第2遮断板141は、それぞれの第1遮断板131と整列されて互いに平行に配される。すなわち、互いに対応する第1遮断板131と第2遮断板141とは、相等しい平面上に位置する。図面には、第1遮断板131の長さと第2遮断板141のX軸方向の幅とが同一であると図示されているが、本発明の思想はこれに限定されるものではない。すなわち、パターニングスリット151との精密な整列が要求される第2遮断板141は相対的に薄く形成される一方、精密な整列が要求されない第1遮断板131は相対的に厚く形成されて、その製造を容易にすることもできるといえる。
【0157】
以上説明したような有機層蒸着装置100’’’は、図1に示したように、チャンバ内に複数が連続して配されてもよい。この場合、各有機層蒸着装置100、200、300、400は相異なる蒸着物質を蒸着させることができ、この時、各有機層蒸着装置100、200、300、400のパターニングスリットのパターンを相異なるパターンにして、例えば、赤色、緑色、青色の画素を一括蒸着するなどの成膜工程を進めることができる。
【0158】
図20は、本発明の蒸着装置を用いて製造されたアクティブマトリックス型有機発光表示装置の断面を示すものである。
【0159】
図20を参照すれば、前記アクティブマトリックス型の有機発光表示装置は、基板30上に形成される。前記基板30は、透明な素材、例えば、ガラス材、プラスチック材、または金属材で形成される。前記基板30上には、全体的にバッファ層などの絶縁膜31が形成されている。
【0160】
前記絶縁膜31上には、図20に示したようなTFT40と、キャパシタ50と、有機発光素子60とが形成される。
【0161】
前記絶縁膜31の上面には、所定パターンに配列された半導体活性層41が形成されている。前記半導体活性層41は、ゲート絶縁膜32によって埋め込まれている。前記活性層41は、p型またはn型の半導体で形成されている。
【0162】
前記ゲート絶縁膜32の上面には、キャパシタ50の第1キャパシタ電極51と、前記活性層41と対応する位置にTFT40のゲート電極42とが形成される。そして、前記第1キャパシタ電極51とゲート電極42とを覆うように層間絶縁膜33が形成される。前記層間絶縁膜33が形成された後には、ドライエッチングなどのエッチング工程によって、前記ゲート絶縁膜32と層間絶縁膜33とをエッチングしてコンタクトホールを形成させて、前記活性層41の一部を露出させる。
【0163】
次いで、前記層間絶縁膜33上に、第2キャパシタ電極52とソース/ドレイン電極43とが形成される。前記ソース/ドレイン電極43は、コンタクトホールを通じて露出された活性層41に接触するように形成される。前記第2キャパシタ電極52とソース/ドレイン電極43とを覆うように保護膜34が形成され、エッチング工程を通じて前記ドレイン電極43の一部を露出させる。前記保護膜34上には、保護膜34の平坦化のために別途の絶縁膜をさらに形成してもよい。
【0164】
一方、前記有機発光素子60は、電流が流れることによって赤色、緑色又は青色の光を発光して所定の画像情報を表示するためのものであり、前記保護膜34上に第1電極61を形成する。前記第1電極61は、TFT40のドレイン電極43と電気的に連結される。
【0165】
次いで、前記第1電極61を覆うように画素定義膜35が形成される。この画素定義膜35に所定の開口64を形成した後、この開口64に限定された領域内に有機発光膜63を形成する。有機発光膜63上には第2電極62を形成する。
【0166】
前記画素定義膜35は各画素を区切るものであって、有機物で形成されて、第1電極61が形成されている基板の表面、特に、保護膜34の表面を平坦化する。
【0167】
前記第1電極61と第2電極62とは互いに絶縁されており、有機発光膜63に相異なる極性の電圧を加えて発光が行われるようにする。
【0168】
前記有機発光膜63は、低分子または高分子有機物が使われるが、低分子有機物を使用する場合ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:Emission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)、電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)などが単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などをはじめとして多様に適用できる。これら低分子有機物は、図1ないし図19に示す有機層蒸着装置及び有機層蒸着システムを用いて、真空蒸着の方法で形成される。
【0169】
まず、画素定義膜35に開口64を形成した後、この基板30を図1のようにチャンバ内へ移送する。そして、第1蒸着源及び第2蒸着源に目標有機物を収納した後、蒸着する。この時、ホストとドーパントとを同時に蒸着させる場合には、第1蒸着源と第2蒸着源とにそれぞれホスト物質とドーパント物質とを収納して蒸着させる。
【0170】
かかる有機発光膜を形成した後には、第2電極62をやはり同じ蒸着工程で形成できる。
【0171】
一方、前記第1電極61はアノード電極の機能を行い、前記第2電極62はカソード電極の機能を行うが、もちろん、これら第1電極61と第2電極62との極性は逆になってもよい。そして、第1電極61は、各画素の領域に対応するようにパターニングされ、第2電極62はあらゆる画素を覆うように形成される。
【0172】
前記第1電極61は、透明電極または反射型電極として備えられるが、透明電極として使われる時には、ITO、IZO、ZnO、またはInからなり、反射型電極として使われる時には、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びこれらの化合物で反射層を形成した後、その上にITO、IZO、ZnO、またはInで透明電極層を形成できる。かかる第1電極61は、スパッタ方法などで成膜された後、フォトリソグラフィ法でパターニングされる。
【0173】
一方、前記第2電極62も透明電極または反射型電極として備えられるが、透明電極として使われる時には、この第2電極62がカソード電極として使われるので、仕事関数の小さな金属、すなわち、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg及びこれらの化合物が有機発光膜63に向かうように蒸着した後、その上にITO、IZO、ZnO、またはInなどで補助電極層やバス電極ラインを形成できる。そして、反射型電極として使われる時には、前記のLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg、及びこれらの化合物を全面蒸着して形成する。この時、蒸着は前述した有機発光膜63の場合と同じ方法で行える。
【0174】
本発明はこれ以外にも、有機TFTの有機層または無機膜などの蒸着にも使用でき、その他に多様な素材の成膜工程に適用できる。
【0175】
本発明は、図面に示した実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、有機層蒸着装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0177】
30 基板
31 絶縁膜
32 ゲート絶縁膜
33 層間絶縁膜
34 保護膜
35 画素定義膜
40 TFT
50 キャパシタ
60 有機発光素子
61 第1電極
62 第2電極
63 有機発光膜
64 開口
100、200、300、400 有機層蒸着装置
500 基板
600 静電チャック
610 第1循環部
620 第2循環部
710 ローディング部
712 第1ラック
718 第1反転室
719 第1反転ロボット
722 第2ラック
726 搬出室
728 第2反転室
729 第2反転ロボット
730 蒸着部
731 第1チャンバ
732 第2チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に有機層を形成するための有機層蒸着装置において、
蒸着物質を放射する蒸着源と、
前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、
前記蒸着源ノズル部と対向して配され、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って複数のパターニングスリットが形成されるパターニングスリットシートと、を備え、
前記基板が前記有機層蒸着装置に対して前記第1方向に沿って移動しつつ蒸着が行われ、
前記パターニングスリットシートは、互いに離隔して配される第1整列マーク及び第2整列マークを持ち、
前記基板は、互いに離隔して配される第1整列パターン及び第2整列パターンを含み、
前記有機層蒸着装置は、前記第1整列マーク及び前記第1整列パターンを撮影する第1カメラアセンブリーと、前記第2整列マーク及び前記第2整列パターンを撮影する第2カメラアセンブリーと、をさらに備え、
前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンの映像が同一であり、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンの映像が同一であるように、前記基板の移動速度と前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーの撮影速度とを同期化することを特徴とする、有機層蒸着装置。
【請求項2】
前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニングスリットシートが、一体に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項3】
前記蒸着源及び前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとが、前記蒸着物質の移動経路をガイドする連結部材により結合されて一体に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項4】
前記連結部材が、前記蒸着源及び前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間の空間を外部から密閉するように形成されることを特徴とする、請求項3に記載の有機層蒸着装置。
【請求項5】
前記複数の蒸着源ノズルが、所定角度だけチルトされるように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項6】
前記複数の蒸着源ノズルが、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを備え、前記2列の蒸着源ノズルは、互いに対向する方向にチルトされていることを特徴とする、請求項5に記載の有機層蒸着装置。
【請求項7】
前記複数の蒸着源ノズルが、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを備え、
前記2列の蒸着源ノズルのうち第1側に配された蒸着源ノズルが、前記パターニングスリットシートの第2側端部に向かうように配され、
前記2列の蒸着源ノズルのうち第2側に配された蒸着源ノズルが、前記パターニングスリットシートの第1側端部に向かうように配されることを特徴とする、請求項5に記載の有機層蒸着装置。
【請求項8】
前記第1整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第1マークで形成され、
前記第2整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第2マークで形成され、
前記第1整列パターンと前記第2整列パターンとが、前記第2方向に離隔したことを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項9】
前記第1マークと前記第2マークとが、形態及び大きさが相等しいことを特徴とする、請求項8に記載の有機層蒸着装置。
【請求項10】
前記第1マーク間の間隔と前記第2マーク間の間隔とが、相等しいことを特徴とする、請求項8に記載の有機層蒸着装置。
【請求項11】
前記第1マーク及び前記第2マークが、十字状になっていることを特徴とする、請求項10に記載の有機層蒸着装置。
【請求項12】
前記第1マークまたは前記第2マークが、多角形になっていることを特徴とする、請求項8に記載の有機層蒸着装置。
【請求項13】
前記第1マークまたは前記第2マークが、三角形になっていることを特徴とする、請求項12に記載の有機層蒸着装置。
【請求項14】
前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンが、のこぎり歯状になっていることを特徴とする、請求項12に記載の有機層蒸着装置。
【請求項15】
前記基板が等速度で前記第1方向に沿って移動し、前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、一定の時間間隔で前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンを撮影し、前記第1カメラアセンブリーが、同数の前記第1整列パターンが含まれた映像を撮影し、前記第2カメラアセンブリーが、同数の前記第2整列パターンが含まれた映像を撮影することを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項16】
前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第1整列マーク及び前記第2整列マークに対応するように、前記基板上に配されることを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項17】
前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された情報を用いて、前記基板と前記パターニングスリットシートとの整列程度を判別する制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項18】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと前記第1整列マークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンと前記第2整列マークとの間の第2間隔を比較して、前記パターニングスリットシートと前記基板との、前記第2方向への整列を判別することを特徴とする、請求項17に記載の有機層蒸着装置。
【請求項19】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列マークと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列マークとを比較して、前記第1方向に対して前記パターニングスリットシートが傾いたかどうかを判別することを特徴とする、請求項17に記載の有機層蒸着装置。
【請求項20】
前記制御部が、撮影された前記第1整列マークと撮影された前記第2整列マークとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列マーク方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列マーク方向に傾いたと判別することを特徴とする、請求項19に記載の有機層蒸着装置。
【請求項21】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンとを比較して、前記第1方向に対して前記基板が傾いたかどうかを判別することを特徴とする、請求項17に記載の有機層蒸着装置。
【請求項22】
前記制御部が、撮影された前記第1整列パターンと撮影された前記第2整列パターンとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列パターン方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列パターン方向に傾いたと判別することを特徴とする、請求項21に記載の有機層蒸着装置。
【請求項23】
前記制御部により判別された前記整列程度によって、前記基板または前記パターニングスリットシートを移動させて、前記基板と前記パターニングスリットシートとを整列させることを特徴とする、請求項17に記載の有機層蒸着装置。
【請求項24】
前記パターニングスリットシートが、前記第1整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第3整列マークと、前記第2整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第4整列マークと、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の有機層蒸着装置。
【請求項25】
前記第1整列マークと前記第3整列マークとの間隔が、前記第2整列マークと前記第4整列マークとの間隔と同一であることを特徴とする、請求項24に記載の有機層蒸着装置。
【請求項26】
前記第1整列マークと前記第2整列マークとが、前記第2方向に互いに離隔しており、前記第3整列マークと前記第4整列マークとが、前記第2方向に互いに離隔していることを特徴とする、請求項24に記載の有機層蒸着装置。
【請求項27】
前記第1整列マークと前記第2整列マークとの間隔が、前記第3整列マークと前記第4整列マークとの間隔と同一であることを特徴とする、請求項26に記載の有機層蒸着装置。
【請求項28】
第3カメラアセンブリー及び第4カメラアセンブリーを備え、前記第3カメラアセンブリー及び前記第4カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第3整列マーク及び前記第4整列マークに対応するように前記基板上に配されることを特徴とする、請求項24に記載の有機層蒸着装置。
【請求項29】
基板上に有機層を形成するための有機層蒸着装置において、
蒸着物質を放射する蒸着源と、
前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、
前記蒸着源ノズル部と対向して配され、前記第1方向に沿って複数のパターニングスリットが配されるパターニングスリットシートと、
前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間に前記第1方向に沿って配されて、前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間の空間を複数の蒸着空間に区切る複数の遮断板を備える遮断板アセンブリーと、を備え、
前記有機層蒸着装置が、前記基板と離隔して配され、
前記有機層蒸着装置と前記基板とが互いに相対的に移動し、
前記基板が、互いに離隔して配される第1整列パターン及び第2整列パターンを含み、
前記有機層蒸着装置が、前記第1整列マーク及び前記第1整列パターンを撮影する第1カメラアセンブリーと、前記第2整列マーク及び前記第2整列パターンを撮影する第2カメラアセンブリーと、をさらに備え、
前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンの映像が同一であり、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンの映像が同一であるように、前記基板の移動速度と前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーの撮影速度とを同期化することを特徴とする、有機層蒸着装置。
【請求項30】
前記複数の遮断板のそれぞれが、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って延びるように形成されたことを特徴とする、請求項29に記載の有機層蒸着装置。
【請求項31】
前記遮断板アセンブリーが、複数の第1遮断板を備える第1遮断板アセンブリーと、複数の第2遮断板を備える第2遮断板アセンブリーと、を備えることを特徴とする、請求項29に記載の有機層蒸着装置。
【請求項32】
前記複数の第1遮断板及び前記複数の第2遮断板のそれぞれが、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って延びるように形成されたことを特徴とする、請求項31に記載の有機層蒸着装置。
【請求項33】
前記複数の第1遮断板及び前記複数の第2遮断板のそれぞれが、互いに対応するように配されることを特徴とする、請求項32に記載の有機層蒸着装置。
【請求項34】
前記第1整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第1マークで形成され、
前記第2整列パターンが、前記第1方向に配列された複数の第2マークで形成され、
前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンが、前記第1方向に対して垂直の第2方向に離隔したことを特徴とする、請求項29に記載の有機層蒸着装置。
【請求項35】
前記第1マークと前記第2マークとが、形態及び大きさが相等しいことを特徴とする、請求項34に記載の有機層蒸着装置。
【請求項36】
前記第1マーク間の間隔と前記第2マーク間の間隔とが、相等しいことを特徴とする、請求項34に記載の有機層蒸着装置。
【請求項37】
前記第1マーク及び前記第2マークが、十字状になっていることを特徴とする、請求項36に記載の有機層蒸着装置。
【請求項38】
前記第1マークまたは前記第2マークが、多角形になっていることを特徴とする、請求項34に記載の有機層蒸着装置。
【請求項39】
前記基板が等速度で前記第1方向に沿って移動し、前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、一定の時間間隔で前記第1整列パターン及び前記第2整列パターンを撮影し、前記第1カメラアセンブリーが、同数の前記第1整列パターンが含まれた映像を撮影し、前記第2カメラアセンブリーが、同数の前記第2整列パターンが含まれた映像を撮影することを特徴とする、請求項29に記載の有機層蒸着装置。
【請求項40】
前記第1カメラアセンブリーと前記第2カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第1整列マーク及び前記第2整列マークに対応するように、前記基板上に配されることを特徴とする、請求項29に記載の有機層蒸着装置。
【請求項41】
前記第1カメラアセンブリー及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された情報を用いて、前記基板と前記パターニングスリットシートとの整列程度を判別する制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項29に記載の有機層蒸着装置。
【請求項42】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと前記第1整列マークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンと前記第2整列マークとの間の第2間隔を比較して、前記パターニングスリットシートと前記基板との、前記第1方向に垂直の第2方向への整列を判別することを特徴とする、請求項41に記載の有機層蒸着装置。
【請求項43】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列マークと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列マークとを比較して、前記第1方向に対して前記パターニングスリットシートが傾いたかどうかを判別することを特徴とする、請求項41に記載の有機層蒸着装置。
【請求項44】
前記制御部が、撮影された前記第1整列マークと撮影された前記第2整列マークとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列マーク方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列マークを基準として撮影された前記第2整列マークが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列マーク方向に傾いたと判別することを特徴とする、請求項43に記載の有機層蒸着装置。
【請求項45】
前記制御部が、前記第1カメラアセンブリーにより撮影された前記第1整列パターンと、前記第2カメラアセンブリーにより撮影された前記第2整列パターンとを比較して、前記第1方向に対して前記基板が傾いたかどうかを判別することを特徴とする、請求項41に記載の有機層蒸着装置。
【請求項46】
前記制御部が、撮影された前記第1整列パターンと撮影された前記第2整列パターンとの前記第1方向における位置差を判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが先立っている場合、前記第1方向を基準として前記第1整列パターン方向に傾いたと判別し、撮影された前記第1整列パターンを基準として撮影された前記第2整列パターンが後にある場合、前記第1方向を基準として撮影された前記第2整列パターン方向に傾いたと判別することを特徴とする、請求項45に記載の有機層蒸着装置。
【請求項47】
前記制御部により判別された前記整列程度によって、前記基板または前記パターニングスリットシートを移動させて、前記基板と前記パターニングスリットシートとを整列させることを特徴とする、請求項41に記載の有機層蒸着装置。
【請求項48】
前記パターニングスリットシートが、前記第1整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第3整列マークと、前記第2整列マークから前記第1方向に沿って離隔して配された第4整列マークと、をさらに備えることを特徴とする、請求項29に記載の有機層蒸着装置。
【請求項49】
、第3カメラアセンブリー及び第4カメラアセンブリーを備え、前記第3カメラアセンブリーと前記第4カメラアセンブリーのそれぞれが、前記第3整列マーク及び前記第4整列マークに対応するように前記基板上に配されることを特徴とする、請求項48に記載の有機層蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−14843(P2013−14843A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−149280(P2012−149280)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】