説明

案内経路探索装置、ナビゲーション装置および案内経路の探索方法

【課題】各経由地に所望の状態で到達することができるように複数の経由地を経由する案内経路を発見する。
【解決手段】1または複数の特定の地点を経由地として登録する経由地登録部13と、経由地登録部13で登録された複数の経由地を経由する複数の経路パターンを、当該経由地における滞在時間に基づく並べ替えにより生成する経路パターン生成部17と、経由地における滞在時間に基づく並べ替えで配列された複数の経路パターンのそれぞれについて、すべての経由地における経由地条件を満たすか否かを判定し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを案内経路として選択する適格経路判定部22とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内経路探索装置、ナビゲーション装置および案内経路の探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の経由地を経由する案内経路を探索する経路探索の方法が開示されている。この特許文献1に開示される従来の経路探索の方法では、経路を探索するために設定された探索条件と、特定の経由地同士の依存関係とに基づいて複数の経由地の通過順序を決定し、その通過順序で複数の経由地を通過して目的地に至る経路を探索する。また、この特許文献1は、経路を探索するために設定される探索条件が、時間(所要時間の短さ)と、距離(走行距離の短さ)と、料金(通行料金の低さ)との中から選択される例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−221647号公報(特許請求の範囲、段落0033〜0052など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1に開示される従来の経路探索の方法を使用して探索された案内経路にしたがって実際に移動すると、たとえばレストランにおいて昼食を取りたい場合であったとしても、所望の時刻にレストランに到達することができなかったり、レストランに到達したとしても食事をとるために十分な時間を確保することができなかったりしてしまうことがある。
【0005】
本発明は、以上の課題に鑑みなされたものであり、各経由地に所望の状態で到達することができるように複数の経由地を経由する案内経路を発見する案内経路探索装置、ナビゲーション装置および案内経路の探索方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る案内経路探索装置は、1または複数の特定の地点を経由地として登録する経由地登録手段と、経由地登録手段で登録された複数の経由地を経由する複数の経路パターンを、当該経由地における滞在時間に基づく並べ替えにより生成する生成手段と、経由地における滞在時間に基づく並べ替えで生成されて配列された複数の経路パターンのそれぞれについて、すべての経由地における経由地条件を満たすか否かを判定し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを案内経路として選択する選択手段と、を有するものである。
【0007】
たとえば、選択手段は、経由地のジャンル毎の経由地条件に基づいて各経由地がそれぞれの経由地条件を満たすか否かを判断し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを上記案内経路として選択することができる。
【0008】
さらに、選択手段による案内経路の選択に先立って、ジャンル毎の経由地条件が経由地の営業時間外となっている場合には、ジャンル毎の経由地条件が経由地の営業時間内となるようにジャンル毎の経由地条件を更新する経由地条件更新手段を有することができる。
【0009】
また、探索条件として所定区間毎の道路属性データを含み、この道路属性データには、季節および/または時間帯に応じた移動時間データを含むようにできる。
【0010】
また、経由地条件として滞在時間の最大時間を示す滞在可能時間データを含むことができる。
【0011】
本発明に係る案内経路の探索方法は、複数の経由地を経由する案内経路を探索する案内経路探索装置において実行される案内経路の探索方法であって、1または複数の特定の地点を経由地として登録する経由地登録ステップと、経由地登録ステップの処理で登録された複数の経由地を経由する複数の経路パターンを、当該経由地における滞在時間に基づく並べ替えにより生成する生成ステップと、経由地における滞在時間に基づく並べ替えで生成されて配列された複数の経路パターンのそれぞれについて、すべての経由地における経由地条件を満たすか否かを判定し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを案内経路として選択する選択ステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、各経由地に所望の状態で到達することができるように複数の経由地を経由する案内経路を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1中の案内経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2中の経由候補地データベースのデータ構造の一部を示すものである。
【図4】図4は、図2中のジャンル別経由地条件テーブルのデータ構造の一部を示すものである。
【図5】図5は、図2中の経路パターン整列部によって生成される経路パターンリストの一例を示すものである。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2に係る案内経路生成部の詳細なブロック構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、図6の経路パターン更新部の更新処理により更新された経路パターンリストを示すものである。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3に係る案内経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態4に係る案内経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態5に係る案内経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態6に係る案内経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態6において、表示部に表示される選択画面の一例を示す表示画面例である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態7に係る案内経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、図13中の経由候補地データベースのデータ構造を示す図である。
【図15】図15は、経由地リストに図14にAからEで示す5つの経由候補地と自宅とが登録されている場合に、経路パターン生成部が生成する複数の経路パターンの一部を示す図である。
【図16】図16は、図15の経路パターンリストに基づく表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図17】図17は、図16の複数の経路パターンについての判定結果を示す図である。
【図18】図18は、図16に示す経路パターンの選択画面において左端の経路パターンが選択された場合に表示される経路の詳細表示画面の一例を示す図である。
【図19】図19は、経由地「ラーメン館」の位置が選択された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図20】図20は、経由地「シーパラダイス」が選択された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図21】図21は、本発明の実施の形態8に係る案内経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る案内経路探索装置、ナビゲーション装置および案内経路の探索方法を、図面に基づいて説明する。なお、案内経路探索装置は、ナビゲーション装置の構成の一部として説明する。案内経路の探索方法は、ナビゲーション装置の動作の一部として説明する。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置のブロック構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置は、案内経路データを生成する案内経路探索装置としての案内経路生成部1と、案内経路データを記憶する案内経路記憶手段としての案内経路記憶部2と、GPS(Global Positioning System)受信器3と、地図データベース4と、経路案内用の表示データを生成する案内データ生成手段としての案内表示生成部5と、表示データすなわち案内のための写真、図、文字などを表示する出力手段としての表示部6と、を有する。
【0016】
GPS受信器3は、図示外の衛星からの位置情報の電波を受信するものであり、たとえば4つ以上の衛星からの位置情報の電波を受信することで、GPS受信器3の地球上の位置を示す緯度経度データを出力する。
【0017】
地図データベース4は、たとえば日本全土、関東地方などの地球上の所定の地域に関する地図情報が記憶されている。具体的には、地図データベース4は、その地球上の所定の地域における地形や道路、構造物などを画像化した表示地図データと、その地球上の所定の地域内の任意の位置を特定するための緯度経度データと、その地球上の所定の地域内の道路探索データと、を有する。
【0018】
道路探索データは、たとえば、交差点間毎の道路を示す道路属性データと、交差点を示す交差点データと、を有する。道路属性データには、その道路の距離データとともに、その道路の移動時間データが含まれている。これにより、先の地域内の道は、道路属性データと交差点データとで構成される網状のデータとして、道路探索データに保存される。なお、道路属性データには、たとえば季節や時間帯などに応じた複数の移動時間データが含まれていてもよい。
【0019】
図2は、図1中の案内経路生成部1の詳細なブロック構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース11と、登録地リスト12を生成する経由地登録部13と、経由地リスト14を生成する経由地選択部15と、目的地選択部16と、経路パターンを生成する生成手段としての経路パターン生成部17と、経路条件テーブル18と、経路パターンリスト19を生成する経路パターン整列部20と、ジャンル別経由地条件テーブル21と、選択手段としての適格経路判定部22と、を有する。
【0020】
図3は、図2中の経由候補地データベース11のデータ構造の一部を示すものである。図3には、一例として、AからFの6つの経由候補地のレコードが行毎に示されている。各経由候補地のレコードには、経由候補地のあるいは経由候補地に存在する施設などの名称データ、その経由候補地に存在する施設などのジャンル(すなわち業種ごとの分類)を示すジャンルデータ、その経由候補地に存在する施設などの休業日データ、その経由候補地に存在する施設などの営業時間データなどの経由候補地の属性データが含まれている。この他にも各レコードには、経由候補地の図示外の緯度経度、住所、電話番号などが含まれている。具体的にはたとえば、経由地候補Bのレコードの属性データには、経由候補地に存在する施設の名称データとして「レストラン○■」が、その経由候補地に存在する施設のジャンルデータとして「レストラン」が、その経由候補地に存在する施設の休業日データとして「月」曜日が、その経由候補地に存在する施設の営業時間データとして「11:00〜14:00,18:00〜24:00」が含まれている。
【0021】
登録地リスト12は、たとえば、ユーザが登録した場所の名称データと、その場所の緯度経度データと、で構成される。
【0022】
図4は、図2中のジャンル別経由地条件テーブル21のデータ構造の一部を示すものである。図4に示される表には、一例として、10個のジャンルのレコードが各行に示されている。各ジャンルのレコードには、ジャンル名データ、案内時刻データ、滞在時間データ、滞在可能時間データ、最終目的地可否データ、時間調整可否データ、飲食ジャンルデータなどのジャンルの属性データが含まれている。案内時刻データは、そのジャンルの経由地へ案内する時間帯を示すデータである。滞在時間データは、そのジャンルの経由地に滞在する時間を示すデータである。滞在可能時間データは、そのジャンルの経由地に滞在する最大の時間を示すデータである。最終目的地可否データは、そのジャンルの経由地を最終目的地とすることを許可あるいは禁止することを示すデータである。時間調整可否データは、そのジャンルの経由地の滞在時間の時間を調整することを禁止することを示すデータである。飲食ジャンルデータは、そのジャンルの経由地が飲食店に属するか否かを示すデータである。たとえば、第二行に示すレコードの属性データには、ジャンル名データとして「レストラン」が、案内時刻データとして「11:00〜13:00,18:00〜20:00」が、滞在時間データとして「二時間」が、滞在可能時間データとして「2時間30分」が、最終目的地可否データとして「×(不可)」が、時間調整可否データとして「○(可)」が、飲食ジャンルデータとして「○(適合)」が含まれている。
【0023】
また、図2に示す経路条件テーブル18は、出発地から経由地を経由して目的地に至る案内経路を選択するための条件が登録されるテーブルである。具体的には、たとえば、経路条件テーブル18には、最短移動時間、最短移動距離、最小費用などの条件が登録される。なお、経路条件テーブル18には、複数の条件が登録されてもよい。また、たとえば150km以下の範囲内で最短の移動時間などのように、複数の項目(ここでは距離と時間)についての条件を組み合わせた条件であってもよい。
【0024】
次に、図1に示すナビゲーション装置の動作を説明する。
【0025】
案内経路生成部1の経由地選択部15は、まず、経由候補地データベース11中の経由候補地の名称データや、登録地リスト12に登録されているユーザが登録した場所の名称データを、ユーザの住所などに基づく経由地探索などに応じて表示部6に表示させる。また、表示部6に表示されている経由候補地の名称データあるいはユーザが登録した場所の名称データがユーザによって選択されると、経由地選択部15は、その選択された名称データを含む経由地のレコードあるいは登録地のレコードを、経由地データとして経由地リスト14に登録する。
【0026】
所望の場所の名称データが表示部6に表示されない場合には、ユーザは、その所望の場所を登録するためのデータを入力する。経由地登録部13は、この入力データから登録地データを生成し、その登録地データを登録地リスト12に登録する。これにより、経由地選択部15は、その登録されていなかった所望の場所の名称データを表示部6に表示し、ユーザはその場所を経由地データとして選択することができる。
【0027】
なお、登録地データの緯度経度データの値は、ユーザがその値を入力するようにしてもよいが、たとえば、経由地登録部13が、地図データベース4の表示地図データを表示部6に表示して登録地の地図上の位置をユーザに選択させ、選択された表示位置に対応する経度緯度データの値をその登録地データの緯度経度データの値として利用するようにしてもよい。他にもたとえば、現在位置が登録地である場合には、経由地登録部13は、GPS受信器3が出力している緯度経度データの値を、登録地データの緯度経度データの値として利用するようにしてもよい。
【0028】
目的地選択部16は、経由地リスト14に登録されている複数の経由地の中から1つを目的地として選択する。具体的には、目的地選択部16は、自宅の経由地データあるいはジャンル別経由地条件テーブル21の最終目的地可否データにおいて「○(可)」とされているジャンルに対応付けられている経由地データを探索する。そして、この探索した経由地データを目的地として選択する。
【0029】
自宅の経由地データは、一般的に登録地リスト12に登録されている。したがって、目的地選択部16は、経由地リスト14に含まれている経由地データのうち、登録地リスト12に登録されている登録地データと合致する経由地データを、目的地として選択すればよい。特に、登録地リスト12において自宅の登録地データに自宅を示すフラグなどを予め含めておき、目的地選択部16が、このフラグを含む登録地データに合致する経由地データを目的地として選択するようにしてもよい。
【0030】
なお、目的地選択部16は、登録地リスト12の最初あるいは最後の経由地を目的地として選択するようにしてもよい。また、目的地選択部16は、その自動選択によって目的地を特定できなような場合には、ユーザに目的地としての経由地を選択させるようにしてもよい。さらに、目的地選択部16は、ジャンル別経由地条件テーブル21において案内時刻の最終時刻が最も遅く設定されているジャンルの経由地を目的地として選択するようにしてもよい。たとえば図3に示すジャンル「ホテル」のように案内時刻を「15:00〜24:00」とすると、目的地に選択される。
【0031】
経路パターン生成部17は、経由地リスト14に登録されているすべての経由地を異なる順番にて経由して、出発地から目的地までに至る複数の経路パターンを生成する。なお、出発地の緯度経度データは、GPS受信器3が出力した現在の緯度経度データの地点としてもよいし、ユーザによって別途選択された出発地の緯度経度データとしてもよい。
【0032】
具体的にはたとえば、経路パターン生成部17は、経由地リスト14に登録されているすべての経由地の順列パターンを生成する。目的地以外の経由地の個数が4箇所である場合には、順列パターンの数は24(=)になる。そして、経路パターン生成部17は、地図データベース4の道路探索データを用いて、各順列パターンの順に経由地を経由して出発地から目的地へ至る経路を探索し、順列パターン毎の複数の経路パターンを生成する。経路パターン生成部17は、各経由地の到達時刻の計算するために、各経路パターンの生成の際、経由地間の旅行時間に対して、図4のジャンル別経由地条件テーブル21の滞在時間データに示される滞在時間を加算する。また、経路パターン生成部17は、道路探索データの移動時間データの換わりに、経路情報受信器23が受信した渋滞情報を経路探索時の各道路の移動時間として利用してもよい。
【0033】
なお、経路パターン生成部17は、目的地以外の経由地のすべての通過順の組み合わせについて経路パターンを生成するようにしてもよいが、たとえば、ループが形成されてしまう順番で複数の経由地を経由する経路パターンや、同一地域を複数回通過してしまう順番で複数の経由地を経由する経路パターンなどについては、経路パターンを生成しないようにしてもよい。
【0034】
経路パターン整列部20は、経路パターン生成部17が生成した複数の経路パターンを所定の順番に配列した経路パターンリスト19を生成する。図5は、経路パターン整列部20によって生成される経路パターンリスト19の一例を示すものである。この経路パターンリスト19には、N(Nは2以上の自然数)個の経路パターンが含まれている。また、各レコードには、経由地を経由する順番を示す経路パターンデータと、経由地毎の到着時刻データと、が含まれている。また、この経路パターンリスト19において、経路パターンは、最短移動時間の条件にしたがった順番に配列される。つまり、目的地への到達時刻が最も早い経路パターンが、経路パターンリスト19の第一行(第一レコード)となり、下の行(レコード)になるにしたがって目的地への到達時刻が遅くなっている。最短移動時間の条件にしたがった場合、経路パターンの最後の経由地A、すなわち目的地としての経由地Aの到着時刻は、第一行よりも第二行の方が遅く、且つ、第二行よりも第三行の方が遅くなっている。なお、図5におけるアルファベットA,B,C,D,Eは、図3における経由候補地に付されたアルファベットと同一の地点を示す。
【0035】
具体的にはたとえば、経路パターン整列部20は、経路パターン生成部17によって新たな経路パターンが生成されると、この経路パターンを経路パターンリスト19に登録する。特に、経路パターン整列部20は、この登録の際に、既に経路パターンリスト19に登録されている経路パターンと新たに登録する経路パターンとを経路条件テーブル18の条件に基づいて配列しなおす。
【0036】
なお、この経路パターンリスト19には、経路パターン生成部17が生成した経路パターンのすべてが登録されるようにしてもよいが、その一部のみが登録されるようにしてもよい。経路パターン生成部17が生成した経路パターンの中の一部を登録する場合には、経路パターン整列部20は、たとえば、新たに生成された経路パターンと経路パターンリスト19の最後に記憶されている経路パターン(以下、最悪経路パターンと記載する。)との優劣を経路条件テーブル18の条件にしたがって判定して、新たに生成された経路パターンが最悪経路パターンより経路条件テーブル18を好適に満たしている場合には、この最悪経路パターンをその新たな経路パターンで上書きした上で経路パターンリスト19内の複数の経路パターンを、経路条件テーブル18を他のものより好適に満たすものから順番に配列されるように配列しなおすようにすればよい。また、最悪経路パターンが新たに生成された経路パターンより優れている場合には、経路パターン整列部20は、新たに生成された経路パターンを破棄すればよい。
【0037】
適格経路判定部22は、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンの中から1つを案内経路データと判定し、この案内経路データを案内経路記憶部2に記憶させる。具体的にはたとえば、適格経路判定部22は、経路パターンリスト19の先頭の経路パターンから順番に、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致するか否かを判断する。
【0038】
そして、適格経路判定部22は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に最初に合致した経路パターンを、案内経路データと判定して案内経路記憶部2に記憶させる。なお、適格経路判定部22は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致する経路パターンが複数ある場合には、たとえば目的地への到着時刻が、その目的地の案内時刻の時間帯の真中の時刻に最も近い経路パターンを、案内経路データと判定して案内経路記憶部2に記憶させてもよい。
【0039】
たとえば、図5に示す経路パターンリスト19の場合、適格経路判定部22は、以下の処理を行う。適格経路判定部22は、最初に、第一レコードの経路パターンBについて適格判定を行う。図3において、第一レコードの最初の経由地Bは、「レストラン」のジャンルに分類されている。図4において、レストランへの案内時刻は、「11:00〜13:00,18:00〜20:00」となっている。また、図5の経路パターンリスト19において、第一レコードの最初の経由地Bへの到着時刻は「10:30」になっている。そのため、適格経路判定部22は、経由地Bへの到着時刻がレストランへの案内時刻条件に含まれないので、第一レコードの経路パターンを不適と判断する。
【0040】
次に、適格経路判定部22は、第二レコードの経路パターンについて適格判定を行う。第二レコードの最初の経由地もBとなっているので、適格経路判定部22は、第二レコードの経路パターンを不適と判断する。
【0041】
さらに、適格経路判定部22は、第三行の経路パターンについて適格判定を行う。図3において、第三レコードの最初の経由地Cは、「デパート」のジャンルに分類されている。図4において、デパートへの案内時刻は、設定されていない。そのため、適格経路判定部22は、第三レコードの最初の経由地Cを合格と判断し、次に第三レコードの二番目の経由地Bについて合否判断を行う。第三レコードの二番目の経由地Bは「レストラン」のジャンルであり、その到着時刻「12:30」は図4のレストランへの案内時刻を満たしているので、適格経路判定部22は、第三レコードの二番目の経由地Bを合格と判断する。このように第三レコードの経路パターンにおいてすべての経由地について合否判断を行うと、第三レコードのすべての経由地(目的地を含む。)の到達時刻は図4のジャンル別の案内時刻の条件をすべて満たすことになる。そのため、適格経路判定部22は、第三レコードの経路パターンを適格と判断する。そして、適格経路判定部22は、この第三レコードの経路パターンを、案内経路データと判定して案内経路記憶部2に記憶させる。なお、第三レコードを適格と判断したので、適格経路判定部22は、経路パターンリスト19の四番目以降のレコード(つまり第四レコードから第Nレコード)についての適格判定処理は行わない。
【0042】
以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、経路条件テーブル18の最短移動時間条件およびジャンル別経由地条件テーブル21の各経由地での案内時刻条件を最も好適に満たす第三レコードの経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、この経路パターンに対応する経路情報(経路パターン生成部17による探索において選択された複数の道路リンクの情報)も併せて案内経路記憶部2に記憶される。
【0043】
次に、この案内経路記憶部2に記憶された案内経路データを用いたナビゲーション動作について説明する。
【0044】
GPS受信器3からGPS受信器3の現在の地球上の位置を示す緯度経度データ(以下、現在位置の緯度経度データと記載する。)が出力されると、案内表示生成部5は、表示データを生成する。具体的にはたとえば、案内表示生成部5は、現在位置の緯度経度データに示される緯度経度を中心とした所定の緯度経度範囲内の表示地図データを地図データベース4から読み出す。なお、この読出し範囲は、現在位置の緯度経度データに示される緯度経度がその中心となっていなくてもよい。
【0045】
また、案内表示生成部5は、先の所定の緯度経度範囲内を通過する案内経路データ(経路パターンおよび経路情報)を案内経路記憶部2から読み込む。そして、案内表示生成部5は、読み込んだ表示地図データの地図の中心に現在位置マークを重ねるとともに、読み込んだ案内経路データを表示地図データの経路および経由地の地図に重ね合わせて表示データを生成する。表示部6は、この表示データを表示する。
【0046】
GPS受信器3、すなわちナビゲーション装置が移動すると、GPS受信器3から出力される緯度経度データが示す緯度経度も変化する。GPS受信器3から出力される緯度経度データの緯度経度が変化すると、案内表示生成部5が地図データベース4から読み込む表示地図データや案内経路記憶部2から読み込む案内経路データも変化する。したがって、ナビゲーション装置の移動に伴って、表示画像の中心が現在位置となるように、表示部6に表示される地図や案内経路は変化する。
【0047】
その結果、このナビゲーション装置を所持して、現在位置が案内経路と重なるように移動することで、ユーザは、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。
【0048】
しかも、このナビゲーション装置は、ジャンル別経由地条件テーブル21に登録されている各経由地(含む、目的地)への到達時刻および各経由地(含む、目的地)での滞在時間を満たすように考慮された案内経路にて経路を案内するので、各経由地に適して時刻に到着し、且つ、各経由地において十分な時間を過ごすことができる。したがって、このナビゲーション装置は、たとえば経由地として選択したレストランに適当な時刻に案内することができるので、レストランに遅れて案内されることに起因して空腹が長く続いたり、食事がとれなかったりすることを効果的に防止することができる。
【0049】
以上のように、この実施の形態1では、複数の経由地を互いに異なる順番にて経由する複数の経路パターンを生成し、この複数の経路パターンを案内経路の探索条件にしたがった順番に検討し、さらに、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを案内経路として選択している。したがって、複数の経由地を互いに異なる順番にて経由する複数の経路パターンの中から、すべての経由地での経由地条件を満たし、且つ、案内経路の探索条件を最も好適に満たす経路パターンを案内経路として探索することができる。その結果、各経由地においてはそれぞれの経由地条件を満たした状態で過ごすことができる。
【0050】
この実施の形態1では、経由地をジャンル分けしたジャンル毎の経由地条件に基づいて各経由地がそれぞれの経由地条件を満たしているか否かを判断し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを案内経路として選択している。したがって、経由地をジャンル分けしたジャンル毎の経由地条件に基づいて各経由地がそれぞれの経由地条件を満たしているか否かを判断するので、たとえば経由候補地データベース11において経由地毎に個別に経由地条件を対応付ける場合に比べて、経由地条件のデータ量を減らすことが可能となる。
【0051】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置は、実施の形態1と同様に、案内経路生成部1と、案内経路記憶部2と、GPS受信器3と、地図データベース4と、案内表示生成部5と、表示部6と、を有する。ただし、案内経路生成部1は、以下のようにされる。
【0052】
図6は、本発明の実施の形態2に係る案内経路生成部1の詳細な構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース11と、登録地リスト12を生成する経由地登録部13と、経由地リスト14を生成する、承認手段としての経由地選択部31と、警告手段としての警告部32と、目的地選択部16と、経路パターン生成部17と、経路条件テーブル18と、経路パターンリスト19を生成する経路パターン整列部20と、ジャンル別経由地条件テーブル21と、経由地条件更新手段としての経由地条件更新部33と、判定手段としての適格経路判定部22と、調整手段としての経路パターン更新部34と、選択手段としての最適経路選択部35と、を有する。
【0053】
経由地選択部31は、ユーザにより選択された経由地が営業している場合には、この経由地を経由地リスト14に登録する。警告部32は、経由地が営業していない場合には、表示部6に警告表示をさせる。警告部32は警告表示による警告の代わりに報知音や音声メッセージにより警告してもよい。また、表示と音声による警告とを同時に行ってもよい。経由地条件更新部33は、ジャンル別経由地条件テーブル21に登録されているデータを更新する。経路パターン更新部34は、適格経路判定部22において不適と判断された経路の経路パターンの内容を変更する。最適経路選択部35は、経路パターンリスト19から1つの経路パターンを案内経路データとして選択し、この案内経路データを案内経路記憶部2に記憶させる。
【0054】
これ以外の経由地選択部31の構成要素および経由地選択部31以外のナビゲーション装置の構成要素は、実施の形態1のナビゲーション装置の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
次に、この実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を説明する。
【0056】
案内経路生成部1の経由地選択部31は、表示部6の表示に基づいてユーザが登録した場所の名称がユーザによって選択されると、この登録地のレコードを経由地リスト14に登録する。
【0057】
また、経由地選択部31は、表示部6の表示に基づいて経由候補地の名称がユーザによって選択されると、その選択された経由候補地の休業日データを経由候補地データベース11から読みこむ。そして、経由地選択部31は、その経路地に行く日とその休業日データとを比較して、その経路地に行く日が休業日データが示す休業日以外の日であった場合には、その経由地のレコードを経由地リスト14に登録する。逆に、経路地に行く日が休業日データが示す休業日である場合には、経由地選択部31は、警告部32にその旨を通知し、警告部32は、所定の警告表示を表示部6に表示させる。これにより、ユーザは、代替の経由地を新たに再設定することができ、休業している経由地へ行かないようになる。
【0058】
引き続き、経由地選択部31は、営業していることを確認した経由地の営業時間データを経由候補地データベース11から読み込み、これをその経由地のジャンルに対応する時間帯比較データとして出力する。経由地条件更新部33は、この時間帯比較データと、ジャンル別経由地条件テーブル21において同じジャンルに対応付けられている案内時刻データとを比較する。そして、経由地の営業時間データに含まれていない時間帯が案内時刻データの時間帯に含まれている場合には、経由地条件更新部33は、その含まれていない余分な時間帯の分だけ案内時間を削除し、経由地の営業時間データに含まれるようにジャンル別経由地条件テーブル21の案内時間データを更新する。これにより、経由地の営業時間帯と、案内時間データの案内時間帯との整合性を確保して、営業時間外に各経由地へユーザを案内してしまうことはなくなる。
【0059】
具体的にはたとえば、図3の経由候補地データベース11のFには、ジャンルが「レストラン」に分類される「リストランテ△」が登録されている。この「リストランテ△」の営業時間は、「18:00〜21:00」である。つまり、この「リストランテ△」は11:00〜13:00には営業していない。そして、ジャンル別経由地条件テーブル21のデータ状態が図4に示す状態であるときに、経由地としてこの「リストランテ△」が選択されると、経由地条件更新部33は、ジャンル「レストラン」の案内時刻データ「11:00〜13:00,18:00〜20:00」を「18:00〜20:00」へ更新する。なお、この案内時刻データは、案内終了後に、更新前の状態に戻すようにしてもよい。
【0060】
なお、この実施の形態2では、経由地の営業時間を経由候補地データベース11から読み込んで、この営業時間と案内時間データの案内時間帯とを比較することで、営業時間と案内時間データの案内時間帯との整合性を確保するようにしている。この他にもたとえば、経由候補地データベース11に経由地毎の案内時間帯を記憶させておき、経由地条件更新部33が、この経由地毎の案内時間帯でジャンル別経由地条件テーブル21の案内時間データを更新するようにしてもよい。この場合、この実施の形態2の場合よりも経由候補地データベース11のデータ量が多くなるが、経由地条件更新部33による営業時間と案内時間データの案内時間帯との比較処理が不要となる。
【0061】
目的地選択部16は、経由地リスト14に登録されている複数の経由地の中から1つを目的地として選択する。経路パターン生成部17は、経由地リスト14に登録されているすべての経由地を経由して、出発地から目的地までに至る複数の経路パターンを生成する。経路パターン整列部20は、経路パターン生成部17が生成した複数の経路パターンを所定の順番に配列した経路パターンリスト19を生成する。この複数の経路パターンは、経路パターンリスト19において経路条件テーブル18の条件にしたがった順番に並んでいる。
【0062】
適格経路判定部22は、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンについてその先頭から順番に、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致するか否かを判定する。そして、経路パターン更新部34は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致しなかった経路パターンの内容を、その条件に合致するように変更する。適格経路判定部22は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致する経路パターンがあったら判定処理を終了する。
【0063】
具体的にはたとえば、図4のジャンル別経由地条件テーブル21の下で図5の経路パターンリスト19を判定した場合、適格経路判定部22は、第一レコードの経路パターンおよび第二レコードの経路パターンはその条件に合致しないと判断する。経路パターン更新部34は、この第一レコードの経路パターンの内容および第二レコードの経路パターンの内容を更新する。
【0064】
第一レコードの経路パターンでは、経由地Bのレストランへの到達時刻データが「10:30」となっている。これは、図4のジャンル「レストラン」の最も早い案内時刻「11:00」より30分早い時刻となっている。また、第一レコードの経路パターンでは、経由地Bが最初の経由地である。したがって、経路パターン更新部34は、時間調整のために出発地の出発時刻を調整する。経路パターン更新部34は、すべての経由地の到達時刻および出発地の出発時刻を、その早い時間の分(ここでは30分)だけ遅らせる。
【0065】
また、このような経由地Bのための調整を行うと、第一レコードの経路パターンでは、経由地Dのカフェへの到達時刻データが「14:30」となる。これは、図4のジャンル「カフェ」の案内時刻データ「15:00」より30分早い時刻となっている。また、第一レコードの経路パターンでは、経由地Dの前に経由地Cの「デパート」を経由する。図4のジャンル「デパート」では滞在時間データ「1時間」の他に滞在可能時間データ「2時間」が設定されている。すなわち、デパートに、1時間だけ余分に滞在してもよい条件になっている。したがって、経路パターン更新部34は、デパートの出発時間を30分遅らせるとともに、それ以降の経由地(ここではD,E,A)の到達時刻および出発地の出発時刻を、その時間だけ遅らせる。
【0066】
なお、たとえば、デパートでの延長可能な時間で調整しても経由地Dのカフェへの到達時刻データを「15:00」以降にすることができない場合には、経路パターン更新部34は、経由地Dのカフェへの到達時刻データが「15:00」以降になるように、さらに前の経由地Bのレストラン以降の出発時刻などを更に調整する。
【0067】
また、第二レコードの経路パターンについては、経路パターン更新部34は、経由地Bのレストランへの到達時刻データが「10:30」から「11:00」となるように、すべての経由地の到達時刻および出発地の出発時刻を、30分だけ遅らせる。
【0068】
このような経路パターン更新部34の更新処理により、図5の経路パターンリスト19は、図7に示す経路パターンリスト19へ更新される。また、経路判定部は、図5の経路パターンリスト19の第三行の経路パターンについて適格と判定する。これにより、経路パターンリスト19の第一行から第三行までの複数の経路パターンは、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致したものとなる。
【0069】
最適経路選択部35は、この図7に示す更新された経路パターンリスト19から1つの経路パターンを案内経路データとして選択し、この案内経路データを案内経路記憶部2に記憶させる。具体的にはたとえば、最適経路選択部35は、更新された経路パターンリスト19の先頭の経路パターンから適格と判断された経路パターン(図5では第三レコードの経路パターンがこれに相当する。)までの中から、経路条件テーブル18の条件に最も適合する経路パターンを案内経路データとして選択する。図7の元となる図5の経路パターンリスト19は最短移動時間の条件にしたがって配列されているので、最適経路選択部35は、出発地の出発時刻から目的地(経由地A)の到達時刻との時間差が最も小さくなる図7の第二レコードの経路パターンを、案内経路データとして選択する。なお、最適経路選択部35は、目的地の到達時刻が最も早いものを経路パターンを案内経路データとして選択してもよい。
【0070】
以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、経路条件テーブル18およびジャンル別経由地条件テーブル21を最も好適に満たす経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、案内経路記憶部2に記憶された案内経路データを用いたナビゲーション動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0071】
その結果、このナビゲーション装置を所持して、現在位置が案内経路と重なるように移動することで、ユーザは、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。たとえば、図3〜5に示す場合、実施の形態1の場合に比べて、出発地の出発時刻が30分遅く且つ目的地の到達時刻が15分早い経路にて移動することができる。
【0072】
以上のように、この実施の形態2では、経由候補地データベース11から選択された経由候補地が営業している場合にはその選択された経由候補地が複数の経由地の中の1つとして承認されるので、営業していない経由地に案内してしまうことを防止することができる。
【0073】
この実施の形態2では、経由候補地データベース11から選択された経由候補地が営業していない場合には警告部32から警告を発するので、営業していない経由候補地を経由地として選択してしまったことをユーザに知らせることができる。そして、ユーザはこれに応じて他の経由地を代わりに選択したりすることができる。
【0074】
この実施の形態2では、ジャンル別経由地条件テーブル21においてジャンル毎の経由地条件が経由地の営業時間外となっている場合には、ジャンル毎の経由地条件が経由地の営業時間内となるようにジャンル毎の経由地条件を更新するので、営業時間外にその経由地に案内する案内経路を生成してしまうことを予防することができる。
【0075】
この実施の形態2では、経路パターン更新部34は、適格経路判定部22において少なくとも1つの経由地での経由地条件を満たしていないと判断された経路パターンの内容を、すべての経由地での経由地条件を満たすように更新し、最適経路選択部35は、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンから、案内経路の探索条件に最も適合する経路パターンを案内経路として選択する。したがって、適格経路判定部22が適格と判定した経路パターンをそのまま案内経路として選択する場合に比べて、より好適な経路パターンを案内経路として選択することが可能となる。
【0076】
この実施の形態2では、経路パターン中に経由地条件としての案内時刻より早い時刻に到達してしまう経由地が存在する場合には、経路パターン更新部34は、案内時刻にその経由地に到達するように経路パターンの出発地からの出発時刻を遅らせる。したがって、出発時刻を遅らせた分だけ、たとえばゆっくりと起きて出発したりすることができる。
【0077】
この実施の形態2では、経路パターン中に経由地条件としての案内時刻よりも早い時刻に到達してしまう経由地が存在する場合には、経路パターン更新部34は、案内時刻にその経由地に到達するようにその経由地より前に経由する経由地の滞在時間を延長する。したがって、その延長した経由地においてより多くの時間を過ごす事ができる。
【0078】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置は、実施の形態1,2と同様に、案内経路生成部1と、案内経路記憶部2と、GPS受信器3と、地図データベース4と、案内表示生成部5と、表示部6と、を有する。ただし、案内経路生成部1は、以下のとおりとされる。
【0079】
図8は、本発明の実施の形態3に係る案内経路生成部1の詳細な構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース11と、登録地リスト12を生成する経由地登録部13と、経由地リスト14を生成する経由地選択部31と、警告部32と、目的地選択部16と、経路パターン生成部17と、経路条件テーブル18と、経路パターンリスト19を生成する経路パターン整列部20と、ジャンル別経由地条件テーブル21と、経由地条件更新部33と、適格経路判定部22と、経路パターン更新手段としての経路パターン更新部41と、最適経路選択部35と、を有する。
【0080】
経路パターン更新部41は、適格経路判定部22において不適と判断された経路の経路パターンを更新する。これ以外のナビゲーション装置の構成要素は、実施の形態2のナビゲーション装置の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態2と同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
次に、この実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を説明する。
【0082】
実施の形態3では、経路パターン更新部41は、実施の形態2における経路パターン更新部34とは異なる動作をする。図5に示す第二レコードの経路パターンを例として説明すると、第二レコードの経路パターンでは、最初の経由地である経由地Bのレストランへの到達時刻が案内時刻より30分早い。そのため、経路パターン更新部41は、この30分の調整時間と滞在時間が一致するジャンルをジャンル別経由地条件テーブル21において検索する。図4のジャンル別経由地条件テーブル21では、滞在時間が30分となっているジャンル「カレー屋」および「カフェ」が検索される。次に、経路パターン更新部41は、経由候補地データベース11において、出発地から到達時刻が早すぎる経由地までの間の案内経路上にあって、且つ、ジャンルデータとして「カレー屋」あるいは「カフェ」が含まれているレコード(すなわち、経由地)を探索する。そして、その条件を満たす新たな経由地が抽出された場合には、経路パターン更新部41は、第二レコードの経路パターンを、出発地と経由地Bとの間にその新たな経由地を含む経路パターンへ更新するとともに、この新たな経由地の到達時刻を追加する。
【0083】
なお、調整したい時間と滞在時間が一致するジャンルが無い場合には、経路パターン更新部41は、調整したい時間より長く且つ調整したい時間に最も近い滞在時間を有するジャンルを検索し、そのジャンルの新たな経由地での余分な滞在時間だけ他の経由地の到達時刻などを調整するようにしてもよい。この他にもたとえば、経路パターン更新部41は、調整したい時間以上となるまであるいは調整したい時間にもっとも近くなるまで複数のジャンルの滞在時間を加算し、この加算したジャンルのそれぞれについて探索するようにしてもよい。
【0084】
また、調整したい時間と滞在時間が一致するジャンルの経由地が、出発地から到達時刻が早すぎる経由地までの間の案内経路上に無い場合には、経路パターン更新部41は、到達時刻が早すぎる経由地とその1つ前の経由地との間の現在の経路以外であって且つ最も移動時間が短い移動経路を再探索し、更に、この再探索された経路上において経由地を検索し、この経由地での滞在時間と再探索された経路の移動時間との和の時間が、先の調整時間とその調整時間を生じる移動時間との和の時間との差が最も小さくなる経由地を、経路パターンに追加する。なお、経路パターン更新部41は、その差が所定の差以下となった初めての経由地を追加するようにしてもよい。
【0085】
この他にもたとえば、調整したい時間と滞在時間が一致するジャンルの経由地が、出発地から到達時刻が早すぎる経由地までの間の案内経路上に無い場合には、経路パターン更新部41は、まず、この到達時間が早くなっている経由地とその1つ前の経由地との間の経路の近くにある経由地を探索する。経路パターン更新部41は、次に、この新たに探索した経由地の滞在時間と新たに探索した経由地を経由した合計の移動時間との和の時間と、先の調整時間とその調整時間を生じる移動時間との和の時間との差が最も小さくなる経由地を、経路パターンに追加するようにしてもよい。なお、この場合でも、経路パターン更新部41は、これらの差が所定の差以下となった初めての経由地を追加するようにしてもよい。
【0086】
このような経路パターン更新部41の更新処理により、図5の経路パターンリスト19は更新される。また、適格経路判定部22は、図5の経路パターンリスト19の第三レコードの経路パターンについて適格と判定する。
【0087】
最適経路選択部35は、この更新された経路パターンリスト19から1つの経路パターンを案内経路データとして選択し、この案内経路データを案内経路記憶部2に記憶させる。具体的にはたとえば、最適経路選択部35は、更新された経路パターンリスト19の先頭の経路パターンから適格経路判定部22によって適格と判断された経路パターンまでの中から、目的地への到達時間が最も早い経路パターンを、案内経路データとして選択する。
【0088】
以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、経路条件テーブル18およびジャンル別経由地条件テーブル21を最も好適に満たす経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、その他の動作は、実施の形態2と同様であり、その説明を省略する。
【0089】
その結果、このナビゲーション装置を所持して、現在位置が案内経路と重なるように移動することで、ユーザは、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。しかも、実施の形態2のように各経由地において滞在時間以上の時間を過ごすことなく、且つ、調整時間を用いて新たに追加される経由地を経由して時間を有効に使うことができる。
【0090】
以上のように、この実施の形態3では、経路パターン中に経由地条件としての案内時刻より早い時間に到達してしまう経由地が存在する場合には、経路パターン更新部41は、その案内時刻にその経由地に到達するように経路パターンに新たな経由地を追加する。したがって、その追加された経由地を経由することで時間を有効に活用する案内経路を生成することができる。
【0091】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係るナビゲーション装置は、実施の形態1〜3と同様に、案内経路生成部1と、案内経路記憶部2と、GPS受信器3と、地図データベース4と、案内表示生成部5と、表示部6と、を有する。ただし、案内経路生成部1は、以下のとおりとされる。
【0092】
図9は、本発明の実施の形態4に係る案内経路生成部1の詳細な構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース11と、登録地リスト12を生成する経由地登録部13と、経由地リスト14を生成する経由地選択部31と、警告部32と、目的地選択部16と、経路パターン生成部17と、経路条件テーブル18と、経路パターンリスト19を生成する経路パターン整列部20と、ジャンル別経由地条件テーブル21と、経由地条件更新部33と、適格経路判定部22と、経路パターン更新手段としての経路パターン更新部51と、最適経路選択部35と、を有する。
【0093】
経路パターン更新部51は、適格経路判定部22において不適と判断された経路の経路パターンを更新する。これ以外のナビゲーション装置の構成要素は、実施の形態2のナビゲーション装置の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態2と同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
次に、この実施の形態4に係るナビゲーション装置の動作を説明する。
【0095】
実施の形態4では、経路パターン更新部51は、最初の経由地への到達時刻がその経由地のジャンルの案内時間より早い場合には、たとえば経路探索に先立って出発地の時刻が設定され、且つ、GPS受信器3の出力する現在位置の緯度経度データと経路パターンの出発地の緯度経度データとが一致する場合には、今から直ぐに旅行する経路を探索している状況であると判断する。そして、経路パターン更新部51は、実施の形態3において説明したようにして出発地と最初の経由地との間の経路上の新たな経由地を探索し、この新たな経由地を経路パターンに追加する。今から旅行する経路を探索している状況であると判断しなかった場合には、経路パターン更新部51は、実施の形態2において説明したようにして出発地の出発時刻を先の早い分の時間だけ遅らせる。
【0096】
これにより、出発直前の場合には、経路パターンに新たな経由地が追加され、一方、プランニング段階の場合には、その出発時刻が再設定される。
【0097】
なお、先の経由地以外の経由地において到達時刻などの調整が必要な場合には、経路パターン更新部51は、その経由地よりも先の経由地の滞在時刻を滞在可能時間データの範囲内で延長するように経路パターンを更新する。この調整でも到達時刻が案内時刻にならない場合には、経路パターン更新部51は、その到達時刻が案内時刻の範囲外となっている経由地までの経路上の新たな経由地を探索し、この新たな経由地を経路パターンに追加する。なお、到達時刻の調整が必要となる経由地より前の経由地にその時間調整が可能な経由地が無い場合には、経路パターン更新部51は、その到達時刻が案内時刻の範囲外となっている経由地までの経路上の新たな経由地を探索し、この新たな経由地を経路パターンに追加する。
【0098】
このような経路パターン更新部51の更新処理により、経路パターンリスト19は更新される。
【0099】
最適経路選択部35は、この更新された経路パターンリスト19から1つの経路パターンを案内経路データとして選択し、この案内経路データを案内経路記憶部2に記憶させる。具体的にはたとえば、最適経路選択部35は、更新された経路パターンリスト19の先頭の経路パターンから適格経路判定部22によって適格と判断された経路パターンまでの中から、目的地への到達時刻が最も早い経路パターンを、案内経路データとして選択する。
【0100】
以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、経路条件テーブル18およびジャンル別経由地条件テーブル21を最も好適に満たす経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、その他のナビゲーション動作は、実施の形態2と同様であり、その説明を省略する。
【0101】
その結果、このナビゲーション装置を所持して、現在位置が案内経路と重なるように移動することで、ユーザは、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。しかも、今から旅行する経路を探索している場合には、調整時間を用いて新たに追加される経由地を経由して時間を有効に使う経路を案内し、プランニング段階の場合には、滞在時間を遅らせた経路を案内することができる。
【0102】
以上のように、この実施の形態4によれば、経路パターン更新部51は、経路パターン中に経由地条件としての案内時刻より早い時間に到達してしまう経由地が存在する場合において、これから出発する案内経路を探索しているときには、その案内時刻にその経由地に到達するように新たな経由地を経路パターンに追加し、プランニング段階のときには、その案内時刻にその経由地に到達するように経路パターンの出発地からの出発時刻を遅らせる。したがって、経路を探索している状況におうじて、それぞれの状況にあった経路を探索することができる。
【0103】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係るナビゲーション装置は、実施の形態1〜4と同様に、案内経路生成部1と、案内経路記憶部2と、GPS受信器3と、地図データベース4と、案内表示生成部5と、表示部6と、を有する。ただし、案内経路生成部1は、以下のとおりとされる。
【0104】
図10は、本発明の実施の形態5に係る案内経路生成部1の詳細な構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース11と、経由地登録部13と、経由地選択部15と、目的地選択部16と、経路パターン生成部17と、経路条件テーブル18と、経路パターン整列部20と、ジャンル別経由地条件テーブル21と、適格経路判定部61と、を有する。
【0105】
適格経路判定部61は、経路パターンリスト19中の複数の経路パターンから、1つの経路パターンを案内経路データとして抽出し、案内経路記憶部2に記憶させる。これ以外のナビゲーション装置の構成要素は、実施の形態1のナビゲーション装置の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0106】
次に、この実施の形態5に係るナビゲーション装置の動作を説明する。
【0107】
案内経路生成部1の経由地選択部15は、表示部6の表示に基づいて経由候補地の名称あるいはユーザが登録した場所の名称がユーザによって選択されると、この経由候補地あるいは登録地のレコードを経由地リスト14に登録する。目的地選択部16は、経由地リスト14に登録されている複数の経由地の中から1つを目的地として選択する。経路パターン生成部17は、経由地リスト14に登録されているすべての経由地を経由して、出発地から目的地までに至る複数の経路パターンを生成する。経路パターン整列部20は、経路パターン生成部17が生成した複数の経路パターンを所定の順番に配列した経路パターンリスト19を生成する。この複数の経路パターンは、経路パターンリスト19において経路条件テーブル18の条件にしたがった順番に並んでいる。
【0108】
適格経路判定部61は、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンについてその先頭から順番に、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致するか否かを判定する。そして、適格経路判定部61は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致する最初の経路パターンを案内経路記憶部2に記憶させる。
【0109】
具体的にはたとえば、適格経路判定部61は、まず、各経路パターンについて、図4のジャンル別経由地条件テーブル21の飲食ジャンルデータにおいて「○(適合)」となっているジャンルの経由地が連続しているか否かを判断する。そして、「○(適合)」となっているジャンルの経由地が連続している場合には、その経路パターンを合致しないと判断する。
【0110】
「○(適合)」となっているジャンルの経由地が連続していない場合には、適格経路判定部61は、さらにその経路パターンについて、各経由地の到達時刻とその経由地のジャンルの案内時刻データとを比較する。そして、すべての経由地の到達時刻がそれぞれに対応する案内時刻データを満たしている経路パターンを、図4のジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致していると判断し、この合致している経路パターンを案内経路記憶部2に記憶させる。
【0111】
以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、経路条件テーブル18およびジャンル別経由地条件テーブル21を最も好適に満たす経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、案内経路記憶部2に記憶された案内経路データを用いたナビゲーション動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0112】
その結果、このナビゲーション装置を所持して、現在位置が案内経路と重なるように移動することで、ユーザは、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。しかも、飲食ジャンルの経由地が連続しないので、休憩する経由地とそれ以外の経由地とが交互となる好ましい経路パターンを案内することができる。
【0113】
なお、この実施の形態5では、適格経路判定部61において合致と判定された経路パターンを案内経路データとして選択しているが、実施の形態2から4のように不適と判断された経路パターンを経路パターン更新部で更新するとともに、最適経路選択部が更新された経路パターンリスト19から案内経路データとして選択するようにしてもよい。特に、「○(適合)」となっているジャンルの経由地が連続していることで不適と判断された経路パターンの場合には、経路パターン更新部は、これら連続する経由地の間に「×(不適)」となっているジャンルの経由地を追加するように経路パターンを更新すればよい。また、この追加する経路パターンによって他の経由地の到達時刻が案内時刻に適合するように調整してもよい。
【0114】
また、この実施の形態5では、図4に示すように「レストラン」、「カレー屋」、「カフェ」のすべての飲食店について共通に「○(適合)」としたが、他にもたとえば、「カフェ」をジャンル「喫茶」として、「カフェ」の経由地と喫茶店とが連続することを禁止し、「カフェ」の経由地と「レストラン」や「カレー屋」の経由地とが連続することを許容するようにしてもよい。
【0115】
さらに、この実施の形態5では、適格経路判定部61において経路パターンにおいて「○(適合)」となっているジャンルの経由地が連続しているか否かを判断しているが、この他にもたとえば経路パターン生成部17において「○(適合)」となっているジャンルの経由地が連続している経路パターンについては生成しないようにしてもよい。
【0116】
以上のように、この実施の形態5では、適格経路判定部61は、経路パターン中に飲食ジャンルの経由地を連続して経由するか否かを判断し、飲食ジャンルの経由地を連続して経由していない場合にのみ、その経路パターンを案内経路として選択する。したがって、飲食ジャンルの経由地が連続する経路パターンを案内経路として選択してしまうことを防止することができる。
【0117】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係るナビゲーション装置は、実施の形態1〜5と同様に、案内経路生成部1と、案内経路記憶部2と、GPS受信器3と、地図データベース4と、案内表示生成部5と、表示部6と、を有する。ただし、案内経路生成部1は、以下のとおりとされる。
【0118】
図11は、本発明の実施の形態6に係る案内経路生成部1の詳細な構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース11と、登録地リスト12を生成する経由地登録部13と、経由地リスト14を生成する経由地選択部31と、警告部32と、目的地選択部16と、経路パターン生成部17と、経路条件テーブル18と、経路パターンリスト19を生成する経路パターン整列部20と、ジャンル別経由地条件テーブル21と、経由地条件更新部33と、適格経路判定部22と、経路パターン更新部51と、選択手段としての経路表示選択部71と、を有する。
【0119】
経路表示選択部71は、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンの中の2つ以上の経路パターンを表示手段としての表示部6に表示させ、この表示に応じて選択された経路パターンを案内経路データとして案内経路記憶部2に記憶させる。これ以外のナビゲーション装置の構成要素は、実施の形態5のナビゲーション装置の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態5と同一の符号を付して説明を省略する。
【0120】
次に、この実施の形態6に係るナビゲーション装置の動作を説明する。
【0121】
適格経路判定部22は、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンについてその先頭から順番に、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致するか否かを判定する。経路パターン更新部51は、適格経路判定部22において不適と判断された経路の経路パターンを、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致するように更新する。具体的には、経路パターン更新部51は、経路パターンに経由地を追加したり、経路パターンの出発時間を遅らせたりする。これにより、経路パターンリスト19の先頭の経路パターンから、適格経路判定部22によって適格と判断された経路パターンまでの経路は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致したものとなる。
【0122】
経路表示選択部71は、経路パターンの選択画面の画像を表示部6に表示させる。図12は、本発明の実施の形態6において、表示部6に表示される選択画面の一例を示す。図12の選択画面では、2つの経路パターンの表示画像が上段と下段との2段に分けて表示されている。また、各経路パターンの表示画像では、左側から右側にかけてスタート地点(図12のS)および複数の経由地がそれぞれの経由順に配列され、且つ、各経由地の到達時刻および経由地の滞在時間とが割り付けられている。経由地の滞在時間に替えて、経由地の出発時刻を表示してもよい。このように、経路表示選択部71は、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンの中の2つ以上の経路パターンを表示部6に表示させる。
【0123】
なお、2つ以上の経路パターンの選択画面への割り付け方には、各種の方法が考えられる。たとえば、経路表示選択部71は、図12に示すように1つの選択画面内に複数の経路パターンを割り付けて表示させても、経路パターン毎の選択画面を切り替えて表示させてもよい。1つの選択画面内に複数の経路パターンを表示させる場合などにおいて、選択画面のサイズが表示部6の画面サイズより大きい場合には、画面をスクロールするスクロールバーを併せて表示させたり、選択画面を表示部6の画面サイズ毎に分割して表示させたりすればよい。
【0124】
また、経路表示選択部71は、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンのすべてを表示部6に表示させるようにしても、その中の一部のみを表示部6に表示させるようにしてもよい。また、経路パターンリスト19での順番で表示させても、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致しているものから順番に、たとえば最終目的地への到達時刻の早いものから順番に表示させてもよい。
【0125】
経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンの中の一部のみを表示させる場合において、経路表示選択部71は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致している経路パターンのみを表示させるようにしても、その条件に合致しているものとしていないものとを混在させて表示させるようにしてもよい。
【0126】
なお、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致しているものとしていないものとを混在させて表示する場合には、経路表示選択部71は、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致していない経路パターンについては、少なくともその満たしていない箇所において、条件に合致している経路パターンの表示状態とは異なる表示状態(たとえば異なる色)にて表示させるようにするとよい。これにより、ユーザは、ジャンル別経由地条件テーブル21の条件に合致している経路パターンと、それに合致していない経路パターンとを視覚的に簡単に区別することができる。
【0127】
また、経路パターンリスト19に登録されている複数の経路パターンは、表示部6にたとえば早い順、安い順、景観の良い順などの複数の表示条件(カテゴリ)をGUI(Graphical User Interface)のタグなどとして表示させ、それに応じて経路パターンリスト19から選択された複数の経路パターンを、その表示条件の順番に並べた状態で表示させるようにしてもよい。
【0128】
表示部6の表示に応じてユーザが1つの経路パターンを選択すると、経路表示選択部71は、選択された経路パターンを案内経路データとして案内経路記憶部2に記憶させる。以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、ユーザによって選択された経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、その他のナビゲーション動作は、実施の形態4と同様であり、その説明を省略する。そして、ユーザは、このナビゲーション装置を所持して現在位置が案内経路と重なるように移動することで、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。
【0129】
以上のように、この実施の形態6によれば、経路表示選択部71は、表示部6に2つ以上の経路パターンを表示させ、その表示に応じてユーザが選択した経路パターンにてナビゲーションを行うことができる。したがって、ナビゲーション装置が1つの経路パターンを固定的に選択する場合に比べて、ユーザが好ましいと思う状態で各経由地に到達することができる案内経路にてナビゲーションを実行することができる。たとえば、ユーザは、目的地への到達時刻は最先ではないが、複数の経由地の経由順が好ましい経路を案内経路として選択した場合には、その要望に応じた案内経路にてナビゲーションを実行することができる。
【0130】
特に、この実施の形態6では、適格経路判定部22において適格と判断されなかった経路パターンを経路パターン更新部51で更新し、この更新された経路パターンを含めて経路表示選択部71が表示部6に経路パターンを表示させている。したがって、たとえば適格経路判定部22での判定では適格と判断されなかったが経路パターン更新部51によって更新されることで経路条件テーブル18やジャンル別経由地条件テーブル21の条件を満たすようになった経路パターンや、経路条件テーブル18やジャンル別経由地条件テーブル21の条件を満たすほどには更新されなかったがそれらの条件をある程度満たすほどには更新された経路パターンを表示部6に表示して、ユーザに選択させることができる。
【0131】
なお、この実施の形態6では、経路表示選択部71は、予め経路パターン生成部17において各経路パターンの時間などが計算され、且つ、経路パターン整列部20によって整列された経路パターンリスト19の中から、2つ以上の経路パターンを選択して表示している。この他にもたとえば、経路パターン生成部17は、まず、経路表示選択部71が表示部6に一度に表示させる個数の経路パターンについてその時間などを計算し、さらに、ユーザの操作に応じて経路パターン生成部17が他の経路パターンの時間などを計算するようにしてもよい。
【0132】
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係るナビゲーション装置は、実施の形態1〜6と同様に、案内経路生成部1と、案内経路記憶部2と、GPS受信器3と、地図データベース4と、案内表示生成部5と、表示部6と、を有する。ただし、案内経路生成部1は、以下のとおりとされる。
【0133】
図13は、本発明の実施の形態7に係る案内経路生成部1の詳細な構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース81と、登録地リスト12を生成する経由地登録部13と、経由地リスト14を生成する経由地選択部31と、警告部32と、目的地選択部16と、経路パターン生成部17と、経路パターン生成部17が生成した経路パターンを記憶する経路パターンリスト82と、選択手段としての経路表示選択部83と、を有する。
【0134】
図14は、図13中の経由候補地データベース81のデータ構造を示す図である。経由候補地データベース81は、経由候補地毎のレコードを有する。図14では、各行が各レコードに対応している。各レコードには、経由候補地の名称、経由候補地の経由条件、経由候補地のスポット情報などが含まれる。経由候補地の経由条件には、経由候補地のジャンル、目的地としての設定可否、案内時刻、滞在時間が含まれる。たとえば、図14の第1行に示すレコードでは、経由候補地の名称として「シーパラダイス」、経由候補地のジャンルとして「アミューズメント」、目的地としての設定可否として「○(可)」、案内時刻として「10:00〜22:00」、滞在時間として「−(指定無し)」が登録されている。
【0135】
経路表示選択部83は、経路パターンリスト82に登録されている複数の経路パターンの中の2つ以上の経路パターンを表示手段としての表示部6に表示させる。また、経路表示選択部83は、この表示に応じて選択された経路パターンを、案内経路データとして案内経路記憶部2に記憶させる。
【0136】
これ以外のナビゲーション装置の構成要素は、実施の形態6のナビゲーション装置の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態6と同一の符号を付して説明を省略する。
【0137】
次に、この実施の形態7に係るナビゲーション装置の動作を説明する。
【0138】
経由地選択部31は、経由候補地データベース81中の経由候補地や登録地リスト12の経由候補地を表示部6に表示し、それに応じて選択された経由候補地を経由地リスト14に登録する。目的地選択部16は、経由地リスト14に登録されている複数の経由地の中から1つを目的地として選択する。たとえば、図14に示す5つの経由候補地と、自宅とが選択された場合には、目的地選択部16は、自宅を目的地として選択する。
【0139】
経路パターン生成部17は、経由地リスト14に登録されているすべての経由地を異なる順番にて経由して、出発地から目的地までに至る複数の経路パターンを生成する。また、経路パターン生成部17は、生成した複数の経路パターンを経路パターンリスト82に登録する。
【0140】
図15は、図14にAからEで示す5つの経由候補地と自宅とが経由地リスト14に登録されている場合に、経路パターン生成部17が生成する複数の経路パターンの一部を示す図である。図15には、3つの行に、3つの経路パターンが示されている。各経路パターンには、複数の経由地の経由順と、各経由地での到着時刻とが含まれる。
【0141】
経路表示選択部83は、経路パターンリスト82に登録されている複数の経路パターンの中の2つ以上の経路パターンを表示部6に表示させる。図16は、図15の経路パターンリスト82に基づく表示部6の表示画面の一例を示す図である。図16に示す表示画面では、3つの経路パターンが3列に並べて表示されている。各列は、出発地(自宅)から目的地(自宅)までのそれぞれの経由地が上から下に順番に表示され、各経由地の到着時刻が対応付けて表示されている。なお、図16では、一列に1つの経路パターン(ルート)が表示されているが、一行に1つの経路パターンを表示するようにしてもよい。また、図16では、3つの経路パターンが表示されているが、表示する経路パターンの数は、3つに限られない。
【0142】
また、経路表示選択部83は、経路パターンリスト82に登録されている複数の経路パターンを単に表示部6に表示するのではなく、経由候補地データベース81の経由地条件に基づいて各経路パターンを評価し、その評価結果に応じた表現にて表示を行う。
【0143】
図17は、図16の複数の経路パターンについての判定結果を示す図である。図17に示すように、第二行目の経路パターンの経由地B(ベイサイドマリーナ)の到着時刻は「10:50」であり、図14に示す経由候補地データベース81の経由地条件(11:00〜21:00)を満たしていない。
【0144】
また、図17に示すように、第三行目の経路パターンの経由地B(ベイサイドマリーナ)の到着時刻は「17:50」であり、図14に示す経由候補地データベース81の経由地条件(11:00〜21:00)を満たしていない。また、第三行目の経路パターンの経由地E(ラーメン館)の到着時刻は「10:50」であり、図14に示す経由候補地データベース81の経由地条件(11:00〜23:00)を満たしていない。
【0145】
そして、経路表示選択部83は、すべての経由地の経由地条件を満たしている場合、その経路パターンを反転することなく表示するとともに、その経路パターンの表示の上に、総合判定結果が良であることを示す「○」(完全一致)を表示する。図17では、左側の経路パターンがこのような表示となっている。
【0146】
また、経路表示選択部83は、1つの経由地の経由地条件のみが満たされていない場合、その経由地を反転して表示するとともに、その経路パターンの表示の上に、総合判定結果が一部不一致であることを示す「△」(一部不一致)を表示する。図17では、真中の経路パターンがこのような表示となっている。
【0147】
また、経路表示選択部83は、2つ以上の経由地の経由地条件が満たされていない場合、経路パターン全体を反転して表示するとともに、その経路パターンの表示の上に、総合判定結果が不一致であることを示す「×」(不一致)を表示する。図17では、右側の経路パターンがこのような表示となっている。
【0148】
このように経由候補地データベース81の経由地条件を満たしていない部分を反転表示することで、ユーザは表示部6の表示において簡単に各経路パターンの評価を把握することができる。また、図16に示すように、複数の経路パターンを並べて表示することで、それら複数の経路パターン同士を比較して、自分にとって最適と思える経路パターンを選ぶことができる。
【0149】
そして、ユーザが、表示されている複数の経路パターンの中から1つを選択すると、経路表示選択部83は、その選択された経路パターンを案内経路として案内経路記憶部2に記憶させる。その結果、経由候補地データベース81の経由地条件からすれば案内経路として選択されることはない経路パターン、たとえば図16の真中に示す経路パターンを案内経路として選択することができる。
【0150】
以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、ユーザによって選択された経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、その他のナビゲーション動作は、実施の形態4と同様であり、その説明を省略する。そして、ユーザは、このナビゲーション装置を所持して現在位置が案内経路と重なるように移動することで、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。
【0151】
なお、図16に示す経路パターンの選択画面において経路パターンが選択されると、経路表示選択部83は、その経路を地図上に重ねた詳細表示画面を表示部6に表示してもよい。図18は、図16に示す経路パターンの選択画面において左端の経路パターンが選択された場合に表示される経路の詳細表示画面の一例を示す図である。図18の経路の詳細表示画面では、画面左側に、経路パターン全体が含まれる地図上にその経路を重ねた詳細表示部が表示され、画面右側に、その経由順にて複数の経由地がそれぞれの到着時刻とともに表示される。ここで表示する地図は、地図データベース4の地図を簡素化したりデフォルメしたりしたものでよい。また、各経由地は、地図上にマーキングとして表示されたり、拡大して表示されたりするのが望ましい。
【0152】
また、図18の表示画面において地図上の任意の部位が選択されると、経路表示選択部83は、その選択された部位およびその周辺部分を示す地図の表示画面を表示部6に表示するようにしてもよい。このときに表示する地図は、実際の経路案内に使用する地図である、地図データベース4の地図とするとよい。また、表示した地図がスクロールできるようにしてもよい。図19は、経由地「ラーメン館」の位置が選択された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0153】
さらに、図16あるいは図18の表示画面において経由地が選択されると、経路表示選択部83は、その選択された経由地に関するスポット情報を経由候補地データベース81から読み出し、その読み出した情報を表示部6に表示するようにしてもよい。図20は、経由地「シーパラダイス」が選択された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0154】
なお、スポット情報は、経由候補地データベース81からではなく、インターネットなどを介して所定の遠隔地の情報提供装置から取得するようにしてもよい。この場合、経由候補地データベース81には、経由地に関するスポット情報の代わりに、その遠隔地の情報提供装置の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)などのリンク情報を記憶させておけばよい。その所定の遠隔地の情報提供装置からの情報の取得は、リアルタイムであっても、予め取得するものであってもよい。また、このスポット情報は、半導体メモリなどの図示外の記録媒体などに記憶させてもよい。
【0155】
このように、各経路パターンの詳細な情報および各経由地についての詳細な情報が表示されることで、ユーザは、各経路パターンの内容を詳しく確認しながら自分にあった最適な経路を選択することができる。
【0156】
以上のように、この実施の形態7によれば、経路表示選択部83は、表示部6に2つ以上の経路パターンを表示させ、その表示に応じてユーザが選択した経路パターンにてナビゲーションを行うことができる。したがって、ナビゲーション装置が1つの経路パターンを固定的に選択する場合に比べて、ユーザが好ましいと思う状態で各経由地に到達することができる案内経路にてナビゲーションを実行することができる。
【0157】
なお、この実施の形態7の例では、経路表示選択部83は、経由候補地データベース81の経由地条件を満たしていない部分を反転表示としているが、満たしていない個所は、たとえば色を異ならせたり、拡大したりすることで表現するようにしてもよい。
【0158】
この実施の形態7では、経路表示選択部83は、経路パターンリスト82に登録されている複数の経路パターンを表示するにあたって、1つの表示画面に複数の経路パターンを表示するようにしているが、経路パターンを1つずつ表示するようにしてもよい。
【0159】
この実施の形態7では、経路表示選択部83は、経路パターンリスト82に登録されている複数の経路パターンをその登録順に表示しているが、経路パターンリスト82に登録されている複数の経路パターンをたとえば経由地条件を満たしているものとそれ以外のものとなどに分類し、その分類毎に表示画面を分けて複数の経路パターンを表示するようにしてもよい。さらに、経路表示選択部83は、分類を示すタブなどを表示し、タブの選択によって表示する分類を切り替えるようにしてもよい。また、複数の経路パターンは、急いで回るパターンや、各経由地をゆっくりと回るパターン(たとえば、設定されているジャンル毎の滞在時間に所定の時間を加算した時間を各経由地の滞在時間として使用して生成した経路パターンや、設定されているジャンル毎の滞在時間に1より大きい所定の比率を乗算した時間を各経由地の滞在時間として使用して生成した経路パターンなど。このとき、すべての経由地についてこの延長した滞在時間を使用しても、たとえばレストランの滞在時間については設定されているジャンル毎の滞在時間をそのまま使用するとともに名所の滞在時間については延長した滞在時間を使用するなどのように一部の経由地について延長した滞在時間を使用してもよい。)や、景色の良いところを通過するパターン(たとえば、リンクのコスト計算の際に景色の良し悪しに基づく所定の重み付けを行って景色が良いリンクを他のリンクより優先的に通過するように考慮した経路パターンなど)や、目的地に遅く到着することができるパターンや、一般道を優先的に使用するパターンなどに分類して表示するようにしてもよい。これにより、ユーザの運転の好みに応じた分類選択が可能となる。また、前回選択したことがある経路パターンが存在する場合には、その経路パターンを優先的に表示したり、他の経路パターンとは異なる特別な表示にて表示したりするようにしてもよい。
【0160】
この実施の形態7では、経由地候補データベース81に登録されている経由地条件に基づいて、経路パターン生成部17は経路パターンを生成し、経路表示選択部83は表示表現を制御している。この他にもたとえば、経由地候補データベース81の内容をユーザが更新できるようにしたり、経由探索時に各経由地の経由地条件を入力させるなどして、経路探索のための経由地条件を設定できるようにしてもよい。また、経路パターン生成部17や経路表示選択部83が、ユーザのその設定や経路パターンの選択を学習し、その学習結果に基づいて経由地候補データベース81の内容を更新するようにしてもよい。さらに、ユーザ毎にあるいは車両の乗員構成毎に、学習や設定ができるようにしてもよい。
【0161】
この実施の形態7では、経路パターン生成部17は、各経由地の滞在時間と経由地間の旅行時間とを加算することで経路パターンを生成している。この他にもたとえば、経路パターン生成部17は、出発地の出発時間と目的地への到着時刻とが指定されて、その時間帯の間に各経由地での滞在時間と経由地間の移動時間とを詰め込むことで、複数の経由地を経由する経由パターンを生成するようにしてもよい。この場合、各経由地での滞在時間は経由候補地データベース81での滞在時間よりも短くなることがある。その際には、経路表示選択部83は、経由候補地データベース81での滞在時間よりも短くなってしまった経由地については反転して表示するなどの表示制御を行えばよい。
【0162】
実施の形態8.
本発明の実施の形態8に係るナビゲーション装置は、実施の形態1〜7と同様に、案内経路生成部1と、案内経路記憶部2と、GPS受信器3と、地図データベース4と、案内表示生成部5と、表示部6と、を有する。ただし、案内経路生成部1は、以下のとおりとされる。
【0163】
図21は、本発明の実施の形態8に係る案内経路生成部1の詳細な構成を示すブロック図である。案内経路生成部1は、経由候補地データベース81と、登録地リスト12を生成する経由地登録部13と、経由地リスト14を生成する経由地選択部31と、警告部32と、目的地選択部16と、関連付選択部91と、生成手段としての経路パターン生成部92と、経路パターン生成部92が生成した経路パターンを記憶する経路パターンリスト82と、選択手段としての経路表示選択部83と、を有する。
【0164】
関連付選択部91は、ユーザの操作あるいは予め設定された関連付けの条件に基づいて、経由地リスト14に登録されている複数の経由地の関連付けを行う。
【0165】
経路パターン生成部92は、経由地リスト14に登録されているすべての経由地を異なる順番にて経由して、出発地から目的地までに至る複数の経路パターンを生成する。また、この経路パターン生成部92は、関連付選択部91において関連付けられた複数の経由地についてはその関連付けによって制限された経由順についてのみ経路パターンを生成する。
【0166】
これ以外のナビゲーション装置の構成要素は、実施の形態7のナビゲーション装置の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態7と同一の符号を付して説明を省略する。
【0167】
次に、この実施の形態8に係るナビゲーション装置の動作を説明する。
【0168】
経由地選択部31は、経由候補地データベース81中の経由候補地や登録地リスト12の経由候補地を表示部6に表示し、それに応じて選択された経由候補地を経由地リスト14に登録する。目的地選択部16は、経由地リスト14に登録されている複数の経由地の中から1つを目的地として選択する。
【0169】
関連付選択部91は、ユーザの操作あるいは予め設定された関連付けの条件に基づいて、経由地リスト14に登録されている複数の経由地の関連付けを行う。具体的にはたとえば、関連付選択部91は、経由地「A」と経由地「B」とを連続して経由する関連付けをしたり、さらにその経由地「A」と経由地「B」との経由順を指定する関連付けをしたりする。
【0170】
経路パターン生成部92は、経由地リスト14に登録されているすべての経由地を異なる順番にて経由して、出発地から目的地までに至る複数の経路パターンを生成する。また、この経路パターン生成部92は、関連付選択部91において関連付けられた複数の経由地についてはその関連付けによって制限された経由順についてのみ経路パターンを生成する。
【0171】
具体的にはたとえば、経由地「A」と経由地「B」とを連続して経由する関連付けがなされた場合には、経路パターン生成部92は、経由地「A」の次に経由地「B」を経由する経路パターンおよび経由地「B」の次に経由地「A」を経由する経路パターンについてのみ経路パターンの生成処理を行う。他にもたとえば、経由地「A」から経由地「B」へ経由する関連付けがなされた場合には、経路パターン生成部92は、経由地「A」の次に経由地「B」を経由する経路パターンについてのみ経路パターンの生成処理を行う。つまり、たとえばA、B、C、Dの4つの経由地を経由する場合において、経由地「A」と経由地「B」とが関連連れられた場合には、経路パターン生成部92は、「A→B」を仮想的な1つの経由地aとみなし、「B→A」を別の仮想的な1つの経由地bとみなした上で、「a,C,D」および「b,C,D」の2つの経由地の組み合わせについて複数の経由地を経由する全体の経路パターンの生成処理を行う。
【0172】
経路パターン生成部92が生成した複数の経路パターンは、経路パターンリスト82に登録される。経路表示選択部83は、経路パターンリスト82に登録されている複数の経路パターンの中の2つ以上の経路パターンを表示部6に表示させる。
【0173】
そして、ユーザが表示されている複数の経路パターンの中から1つを選択すると、経路表示選択部83は、その選択された経路パターンを案内経路として案内経路記憶部2に記憶させる。その結果、経由候補地データベース81の経由地条件からすれば案内経路として選択されることはない経路パターン、たとえば図16の真中に示す経路パターンを案内経路として選択することができる。
【0174】
以上の一連の案内経路の探索動作によって、案内経路記憶部2には、ユーザによって選択された経路パターンが、案内経路データとして記憶される。なお、その他のナビゲーション動作は、実施の形態6と同様であり、その説明を省略する。そして、ユーザは、このナビゲーション装置を所持して現在位置が案内経路と重なるように移動することで、出発地から複数の経由地を経由して目的地まで効率よく移動することができる。
【0175】
以上のように、この実施の形態8によれば、経路パターン生成部92は、関連付選択部91において関連付けられた経由地の経由順条件の範囲内で、複数の経由地を経由する経由パターンを生成し、その中から選択された経路パターンにてナビゲーションを行うことができる。
【0176】
なお、この実施の形態8では、複数の経由地を関連付けてから経由パターンを生成しているが、経路パターン生成部17が生成した複数の経由パターンの中から、関連付選択部91での経由条件に合致するもののみを経路パターンリスト82に登録したり、表示部6に表示したりするようにしてもよい。
【0177】
この実施の形態8では、関連付選択部91での経由条件に基づいて複数の経由地を関連付けているが、経由候補地データベース81での経由地のジャンル(種類)に基づいて複数の経由地の関連付けを行うようにしてもよい。
【0178】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0179】
たとえば、上記各実施の形態では、経路パターン生成部17により生成された複数の経路パターンを経路パターン整列部20により経路条件テーブル18の条件にしたがった順番に整列させてから、適格経路判定部22,61が経路条件テーブル18の最初のパターンから順番に各経路パターンの適格性を判定している。この他にもたとえば、適格経路判定部22,61が、経路パターンの判定毎に、経路条件テーブルの条件にしたがって整列されていない複数の経路パターンを探索して複数の経路パターンの中から経路パターンを1つずつ抽出し、その抽出した経路パターンについて順番に適格の判定性を行うようにしてもよい。
【0180】
上記各実施の形態では、経由順に沿って各経由地での経由地条件を満たすか否かを判定しているが、目的地への到達時刻を固定して経由順の逆順に沿って各経由地での経由地条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
【0181】
上記各実施の形態では、経由地は、経由候補地データベース11および登録地リスト12に予め登録されているものの中から選択されている。この他にもたとえば、経由地は、探索時に入力するようにしてもよい。
【0182】
上記各実施の形態では、経路条件テーブル18およびジャンル別経由地条件テーブル21が案内経路の探索に先立って準備されている。この他にもたとえば、案内経路の探索条件や各経由地の経由地条件を経路探索の際に入力するようにしてもよい。
【0183】
上記各実施の形態では、案内経路生成部1は、ナビゲーション装置に組み込まれている。この他にもたとえば、案内経路生成部1は、ネットワークを介して接続されたサーバとクライアント端末とを有するネットワークシステムにおいて実現されてもよい。この場合、案内経路生成部1によって探索された案内経路の経路パターンは、クライアント端末によってたとえばメモリカードなどの携帯可能な半導体メモリに記憶させ、この半導体メモリをナビゲーション装置のカードリーダに挿入することで利用するように構成すればよい。この他にもたとえば、ナビゲーション装置に通信機能およびクライアント端末機能を持たせて、先のサーバ装置を利用して案内経路の経路パターンを案内経路記憶部2に記憶させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明は、自動車用ナビゲーション装置、歩行者用ナビゲーション装置、その他のナビゲーション装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0185】
1 案内経路探索部(案内経路探索装置)
2 案内経路記憶部(案内経路記憶手段)
5 案内表示生成部(案内データ生成手段)
6 表示部(出力手段、表示手段)
17,92 経路パターン生成部(生成手段)
22 適格経路判定部(選択手段、判定手段)
31 経由地選択部(承認手段)
32 警告部(警告手段)
33 経由地条件更新部(経由地条件更新手段)
34 経路パターン更新部(調整手段)
35 最適経路選択部(選択手段)
41,51 経路パターン更新部(経路パターン更新手段)
71 経路表示選択部(選択手段)
83 経路表示選択部(選択手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の特定の地点を経由地として登録する経由地登録手段と、
上記経由地登録手段で登録された複数の経由地を経由する複数の経路パターンを、当該経由地における滞在時間に基づく並べ替えにより生成する生成手段と、
上記経由地における滞在時間に基づく並べ替えで生成されて配列された上記複数の経路パターンのそれぞれについて、すべての経由地における経由地条件を満たすか否かを判定し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを上記案内経路として選択する選択手段と、
を有する、
ことを特徴とする案内経路探索装置。
【請求項2】
請求項1記載の案内経路探索装置であって、
前記選択手段は、経由地のジャンル毎の経由地条件に基づいて上記各経由地がそれぞれの経由地条件を満たすか否かを判断し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを上記案内経路として選択する、
ことを特徴とする案内経路探索装置。
【請求項3】
請求項1記載の案内経路探索装置であって、
前記選択手段による前記案内経路の選択に先立って、前記ジャンル毎の経由地条件が前記経由地の営業時間外となっている場合には、前記ジャンル毎の経由地条件が前記経由地の営業時間内となるように前記ジャンル毎の経由地条件を更新する経由地条件更新手段を有する、
ことを特徴とする案内経路探索装置。
【請求項4】
請求項1記載の案内経路探索装置であって、
前記探索条件として所定区間毎の道路属性データを含み、
この道路属性データには、季節および/または時間帯に応じた移動時間データを含む、
ことを特徴とする案内経路探索装置。
【請求項5】
請求項1または2記載の案内経路探索装置であって、
前記経由地条件として前記滞在時間の最大時間を示す滞在可能時間データを含む、
ことを特徴とする案内経路探索装置。
【請求項6】
複数の経由地を経由する案内経路を探索する案内経路探索装置において実行される案内経路の探索方法であって、
1または複数の特定の地点を経由地として登録する経由地登録ステップと、
上記経由地登録ステップの処理で登録された複数の経由地を経由する複数の経路パターンを、当該経由地における滞在時間に基づく並べ替えにより生成する生成ステップと、
上記経由地における滞在時間に基づく並べ替えで生成されて配列された上記複数の経路パターンのそれぞれについて、すべての経由地における経由地条件を満たすか否かを判定し、すべての経由地での経由地条件を満たす経路パターンを上記案内経路として選択する選択ステップと、
を有する、
ことを特徴とする案内経路の探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−32528(P2010−32528A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212012(P2009−212012)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2004−39334(P2004−39334)の分割
【原出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】