説明

植物系材料の成形体製造装置

【課題】製造時の荷重を抑制しながら、植物系材料を所望の形状に成形させることができる植物系材料の成形体製造装置を提供する。
【解決手段】植物系材料の成形体製造装置1は、繊維を有する板材2を原料として供給される金型10を設け、金型10による熱圧成形により板材に流動性を発現させ、成形体を製造する。植物系材料の成形体製造装置1は、供給された板材2に荷重をかけて押圧する押圧部19と、押圧部19の押圧方向P1に対して側方に延びる型成形空間12を有し、押圧部19によって押圧された板材2を、流入口17を通じて流動させながら型成形空間12に充填する側方押出成形によって、成形体を製造する金型10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、植物系材料の成形体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の内装部品、例えばステアリングホイールやシフトノブ、インストルメントパネルには、木目の装飾品が採用されている。
このような木目装飾品としては、例えば木目調の樹脂シートを装飾部品に貼り付け、表面に樹脂コーティング等を行うことで形成されている。このため、木目といいながら、実際には、強度や寸法安定性、耐候性等の観点から、木目調の模様を樹脂に付けることで、木目の装飾を内装部品に施している。しかし、近年は環境意識の高まりから石油を原料とする樹脂材料(プラスチック材料)の利用を少なくしたい要望があり、木や竹などの植物系材料の利用が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−76055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、植物系材料を利用した木目装飾品の製造方法として、板状の植物系材料を金型によりプレス成形することで成形体を得る製造方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、上記特許文献に記載の植物系材料の成形体製造方法は、成形体と同様の大きさの型が必要であるとともに、荷重を全面に掛けなければならなかった。このため、上記特許文献に記載の植物系材料の成形体製造方法では、押圧荷重が分散して、小さな荷重では植物系材料を所望の形状に成形させることが難しかった。そこで、製造時の荷重を抑制しながら、植物系材料を所望の形状に成形させることができる植物系材料の製造装置が求められていた。なお、この問題は自動車に限らず、木目の装飾が施される製品においても同様に存在していた。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造時の荷重を抑制しながら、植物系材料を所望の形状に成形させることができる植物系材料の成形体製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、繊維を有する植物系材料を原料として金型に供給し、前記金型による熱圧成形により前記植物系材料に流動性を発現させ、成形体を製造する植物系材料の成形体製造装置において、供給された前記植物系材料に荷重をかけて押圧する押圧部と、前記押圧部の押圧方向に対して側方に延びる型成形空間を有し、前記押圧部によって押圧された前記植物系材料を、流入口を通じて流動させながら前記型成形空間に充填する側方押出成形によって、前記成形体を製造する金型部とを備えることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、植物系材料の押圧方向に対して側方へ押し出す側方押出成形によって成形体を製造する。このため、押圧によって植物系材料に流動性を発現させて側方へ押し出すために必要な荷重が同一形状の成形体をプレス成形で成形するよりも少なくても済み、植物系材料を所望の形状に成形させることが可能である。また、必要な荷重が少なくて済むため、成形体製造装置を小型化することが可能である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の植物系材料の成形体製造装置において、前記押圧部は、前記金型部において前記型成形空間の中央付近に配置されていることをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、型成形空間の中央付近に押圧部を設け、側方押出成形するので、例えば型成形空間の一端側から側方押出するのに比べ、型成形空間に植物系材料を押し出さなければならない押出距離が半分で済むので、流動距離を短縮することが可能である。また、流動距離が短縮できるので、成形時間を短縮することが可能である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の植物系材料の成形体製造装置において、前記押圧部における前記植物系材料の押圧面の大きさは、前記型成形空間において前記植物系材料の流入口を除いた該型成形空間の表面積よりも小さい値に設定されていることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、押圧面の大きさが型成形空間の大きさよりも小さい値に設定したので、荷重を集中させることが可能となる。よって、成形体製造装置を小型化することが可能である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の植物系材料の成形体製造装置において、前記押圧部の幅と、前記植物系材料が前記押圧部から前記型成形空間に流入するときの該型成形空間の流入口の幅とが、同じ大きさに形成されていることをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、押圧部と流入口とを同じ幅としたので、押圧部で押圧された植物系材料が同じ幅のまま流入口から型成形空間内に押し出される。このため、植物系材料が流入口から型成形空間内に押し出される際に繊維方向を変えられることなく、繊維が並んだ状態が維持されたまま型に押し出される。よって、力学的性質が均一である植物系材料の成形体を製造することが可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の植物系材料の成形体製造装置において、前記押圧部は、内部に前記植物系材料が供給されるシリンダと、前記植物系材料を押圧して押し出すパンチとを備えることをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、シリンダとパンチとを備えた押圧部であるので、成形体製造装置の構造を簡素化可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製造時の荷重を抑制しながら、植物系材料を所望の形状に成形させて、成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)植物系材料の成形体製造装置の構成及び板材を示す断面図、(b)植物系材料の成形体製造装置の下型及び板材を示す上面図。
【図2】植物系材料である板材から製造された成形体を示す上面図。
【図3】植物系材料の繊維方向、放射方向、接線方向を示す模式図。
【図4】板状に加工された植物系材料の繊維方向を示す上面図。
【図5】板状に加工された植物系材料の放射方向から押圧した状態を示す上面図。
【図6】植物系材料の圧縮工程を示す植物系材料の成形体製造装置の断面拡大図。
【図7】植物系材料の流動工程を示す植物系材料の成形体製造装置の断面拡大図。
【図8】植物系材料の成形体製造装置の圧力及び圧縮量を示す図。
【図9】(a)植物系材料の成形体製造装置の構成示す断面図、(b)植物系材料の成形体製造装置の下型の上面を示す上面図。
【図10】(a)植物系材料の成形体製造装置の構成示す断面図、(b)植物系材料の成形体製造装置の下型の上面を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の植物系材料の成形体製造方法及び成形体製造装置を具体化した一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施例の成形体製造装置1は、植物系材料として杉を用い、円板状の板材2を原料として使用する。板材2は、成形体製造装置1の本体部分である金型10にセットされる。板材2は、予め乾燥重量に対して約40%の低分子フェノール樹脂を含浸されている。また、板材2は、恒温恒湿内で養生させて、含水率が約10%となるように調整してある。なお、金型10が金型部に相当する。
【0020】
成形体製造装置1は、成形体の型となる型成形空間12が形成された金型10と、供給された原料を押圧して型成形空間12に押し出す押圧部19とを備えている。金型10は、上下に分割可能な下型13と上型14とを備え、下型13と上型14との間に型成形空間12が設けられている。型成形空間12は、上型14の下面と当接される下型13の上面に形成され、板状の直方体である。
【0021】
押圧部19は、円柱状のパンチ11と、パンチ11を収納状態で上下に往復動させるシリンダ15とが設けられている。押圧部19は、シリンダ15に供給された板材2をパンチ11によって押圧するシリンダ15であって、上方へ突出して形成されている。シリンダ15には、上型14の上端から下端まで貫通し、型成形空間12の左端部12aに接続される円柱状の貫通孔16が形成されている。すなわち、型成形空間12の左端部12aは、シリンダ15の一部を形成する。また、貫通孔16の右端部16aと型成形空間12とによって形成される開口部が原料の流入する流入口17となる。
【0022】
シリンダ15の貫通孔16内に供給された板材2は、型成形空間12の左端部12aに設置される。型成形空間12に設置された板材2は、パンチ11に押圧されることで流入口17から型成形空間12に流動しながら押し出されて成形体3が形成される。上型14には、金型10を加熱する棒状のヒータ18が貫装されている。成形体3の製造時には、ヒータ18によって金型10を120〜170℃に加熱する。
【0023】
板材2の直径Dbは、シリンダ15の貫通孔16の直径Daよりも若干小さく設定されている(Db<Da)。このため、板材2をシリンダ15の貫通孔16に容易に設置することができる。また、貫通孔16の直径Daと流入口17の幅Wとは同じ大きさに設定されている(W=Da)。このため、押圧された原料は、圧縮されながらその幅を維持したまま、型(型成形空間12)内に押し出される。貫通孔16の直径Daがシリンダ15の径に相当する。
【0024】
パンチ11の外径は、貫通孔16の直径Daと同一である。また、パンチ11の貫通孔16内に挿入される部分の長さは、上型14の貫通孔16の長さと同一である。型成形空間12の長手方向の長さは、押圧部19の押圧面、パンチ11の底面の大きさ(直径Da)よりも大きく設定されている。
【0025】
本実施例の成形体製造装置1は、シリンダ15に供給された複数枚が積層された原料の板材2をパンチ11が押圧することで、板材2を圧縮し、流動性を発現させて、流動性が発現された原料が流入口17から型成形空間12内に押し出されることで、型成形空間12の形状の成形体3を製造する。成形体製造装置1は、押圧方向P1が図中の下方向であるのに対して押出方向P2が側方、すなわち図中の右方向をとる側方押出成形により、成形体3を製造する。
【0026】
ここで、図3に示されるように、杉等の木では、板目面や柾目面に現れるように繊維が並んでいる。この繊維の延びる方向を繊維方向Lとする。なお、板目面は、この繊維方向に平行に木を切断した面で、中心軸を含まない面である。柾目面は、この繊維方向に平行に木を切断した面で、中心軸を含む面である。また、この繊維方向Lに直角に木を切断した面である木口面に現れる繊維が並ぶ方向を接線方向Tといい、接線方向Tに直角で年輪が形成される方向を放射方向Rという。
【0027】
図4に示されるように、本実施例で用いる板材2は、板目面又は柾目面に沿って切断されている。このため、板材2の繊維方向Lを確認することができる。
図5に示されるように、この板材2を型等に設置せずに上方から押圧した際には、繊維方向Lに対して直交するとともに、繊維が並ぶ方向である接線方向Tに流動し易く、繊維方向Lには流動し難いことがわかる。そこで、成形体製造装置1に原料を供給する際には、図1(b)に示されるように、繊維方向Lが押出方向P2に対して直交するように流入口17と板材2の繊維方向Lとが平行となるように板材2を複数枚積層して設置する。
【0028】
次に、図6〜図8を併せ参照して、植物系材料の成形体製造方法について説明する。
まず、低分子フェノール樹脂を含浸させ、含水率が約10%となるように調整した板材2を用意する。そして、この板材2の繊維方向Lが押出方向P2と平行となるように、板材2を複数枚積層させてシリンダ15の貫通孔16内に設置する。なお、板材2の枚数は、製造される成形体3の大きさ、すなわち型成形空間12の大きさに合わせて変更する。
【0029】
続いて、図6に示されるように、シリンダ15の貫通孔16にパンチ11を設置して加圧を行う。このとき、成形体製造装置1は、ヒータ18によって金型10を120〜170℃に加熱する。成形体製造装置1は、まず一定の移動速度で成形圧力に達するまでパンチ11を移動させ、当該成形圧力で一定時間、例えば3分間保圧を行う。なお、成形圧力は、20〜120MPaが望ましい。
【0030】
図7に示されるように、圧縮された板材2は、木材を構成する細胞間での相対的なすべり変形によって、巨視的な大変形が生じて流動し、型成形空間12内に押し出され、型成形空間12の形状に成形される。
【0031】
成形体製造装置1は、一定時間経過すると、パンチ11の加圧を除荷して、金型10を冷却する。成形体製造装置1は、金型10が冷却されると、成形体3を離型する。
さて、本実施例では、図1(a)に示されるように、板材2の押圧方向P1に対して側方へ押し出す側方押出成形によって成形体3を製造する。このため、押圧によって板材2に流動性を発現させて側方へ押し出すために必要な荷重が同一形状の成形体をプレス成形で成形するよりも少なくても済み、板材2を所望の形状に成形させることができる。また、必要な荷重が少なくて済むため、成形体製造装置1を小型化することができる。
【0032】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)板材2の押圧方向P1に対して側方へ押し出す側方押出成形によって成形体3を製造する。このため、押圧によって板材2に流動性を発現させて側方へ押し出すために必要な荷重が同一形状の成形体をプレス成形で成形するよりも少なくても済み、板材2を所望の形状に成形させることができる。また、必要な荷重が少なくて済むため、成形体製造装置1を小型化することができる。
【0033】
(2)成形体3を成形する型成形空間12の中央付近にシリンダ15を設け、側方押出成形するので、例えば型成形空間12の一端側から側方押出するのに比べ、型成形空間12に板材2を押し出さなければならない押出距離が半分で済むので、流動距離を短縮することができる。また、流動距離が短縮できるので、成形時間を短縮することができる。
【0034】
(3)押圧部19の押圧面、パンチ11の底面の大きさ(直径Da)が型成形空間12の大きさよりも小さい値に設定されているので、荷重を集中させることができる。よって、成形体製造装置1を小型化することができる。
【0035】
(4)板材2が押圧されるシリンダ15の貫通孔16の直径Daと流入口17の幅Wとが同じであるので、シリンダ15で押圧された板材2が同じ幅のまま流入口17から型成形空間12内に押し出される。よって、必要な荷重を低減することができる。
【0036】
(5)シリンダ15とパンチ11とを備えた押圧部19としたので、成形体製造装置1の構造を簡素化できる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
【0037】
・上記実施形態では、シリンダ15の貫通孔16の直径Daと流入口17の幅Wとを同じ大きさとしたが、流入口17の幅Wを狭くしてもよい。このようにすれば、原料が流動する量を制御して、微細化することができる。よって、成形体3の均質化が可能である。
【0038】
・上記実施形態では、シリンダ15を型成形空間12の左端部12aに設置したが、型成形空間12の中央付近に設置してもよい。例えば、図9に示されるように、型成形空間12の長手方向の中央にシリンダ15を設置して、パンチ11に圧縮された板材2は型成形空間12とシリンダ15の貫通孔16と接続された流入口17から左右両側へ押し出される。このようにすれば、パンチ11によって板材2を押し出す押出距離は実施形態と比べて半分で済み、成形体3の製造時間を短縮することが可能である。また、図10に示されるように、幅Wが広げられた型成形空間12の短手方向及び長手方向の中央にシリンダ15を設置して、パンチ11に圧縮された板材2は型成形空間12とシリンダ15の貫通孔16と接続された流入口17から全周へ押し出される。このようにすれば、パンチ11によって板材2を押し出す押出距離は実施形態と比べて半分で済み、少ない荷重で大きな成形体3を製造することが可能である。
【0039】
・上記実施形態では、成形体3にシリンダ15の円形が残るようにパンチ11の長さを調整したが、パンチ11の長さをシリンダ15の底部、すなわち型成形空間12までとして、成形体3にシリンダ15の円形が残らないようにしてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、円柱状のパンチ11を採用したが、四角柱状等の多角形状のパンチ11を採用してもよい。この場合、貫通孔16の形状をパンチ11と同様とする。
・上記実施形態では、板材2に予め乾燥重量に対して約40%の低分子フェノール樹脂を含浸したが、乾燥重量に対して約40%に限定しない。
【0041】
・上記実施形態では、原料の板材2にフェノール樹脂を含浸させたが、フェノール樹脂に限らず、ABS樹脂等の熱硬化性樹脂を原料に含浸させてもよい。
・上記実施形態では、原料として板状の板材2を採用したが、板材2に限らず塊状の原料を採用してもよい。塊状の原料であれば、単体や2個体以上で用いてもよい。
【0042】
・上記実施形態では、植物系材料として杉を採用したが、杉以外のブナや桧等の他の木や竹を採用してもよい。
・上記実施形態において、型成形空間12は、パンチ11による材料の押圧方向に対して必ずしも直角方向に形成されることに限らず、若干の傾きも含むものとする。
【0043】
・上記実施形態において、シリンダ15で押圧する構造に限定されない。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)繊維を有する植物系材料を原料として金型に供給して、前記金型による熱圧成形により前記植物系材料に流動性を発現させ、成形体が製造される植物系材料の成形体製造方法において、前記金型に供給された前記植物系材料に荷重をかけて押圧し、この押圧方向に対して側方に延びる型成形空間に前記植物系材料を流動させながら充填する側方押出成形によって前記成形体を製造することを特徴とする植物系材料の成形体製造方法。
【0044】
同構成によれば、植物系材料の押圧方向に対して側方へ押し出す側方押出成形によって成形体を製造するので、押圧によって植物系材料に流動性を発現させて側方へ押し出すために必要な荷重が少なくても済み、植物系材料を所望の形状に流動させることが可能である。また、必要な荷重が少なくて済むため、成形体製造装置を小型化することが可能である。
【0045】
(ロ)繊維を有する植物系材料を原料として金型に供給され、前記金型による熱圧成形により前記植物系材料に流動性を発現させて製造される植物系材料の成形体において、前記金型にセットされた前記植物系材料に荷重をかけて押圧し、この押圧方向に対して側方に延びる型成形空間に前記植物系材料を流動させながら充填する側方押出成形によって製造したことを特徴とする植物系材料の成形体。
【0046】
同構成によれば、植物系材料の押圧方向に対して側方へ押し出す側方押出成形によって成形体が製造されるので、押圧によって植物系材料に流動性を発現させて側方へ押し出すために必要な荷重が少なくても済み、植物系材料を所望の形状に流動させることが可能である。また、必要な荷重が少なくて済むため、成形体製造装置を小型化することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…成形体製造装置、2…板材、3…成形体、10…金型、11…パンチ、12…型成形空間、13…下型、14…上型、15…シリンダ、16…貫通孔、17…流入口、18…ヒータ、19…押圧部、Da…押圧部の貫通孔の直径、Db…板材の直径、L…繊維方向、P1…押圧方向、P2…押出方向、R…放射方向、T…接線方向、W…流入口の幅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を有する植物系材料を原料として金型に供給し、前記金型による熱圧成形により前記植物系材料に流動性を発現させ、成形体を製造する植物系材料の成形体製造装置において、
供給された前記植物系材料に荷重をかけて押圧する押圧部と、
前記押圧部の押圧方向に対して側方に延びる型成形空間を有し、前記押圧部によって押圧された前記植物系材料を、流入口を通じて流動させながら前記型成形空間に充填する側方押出成形によって、前記成形体を製造する金型部とを備える
ことを特徴とする植物系材料の成形体製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の植物系材料の成形体製造装置において、
前記押圧部は、前記金型部において前記型成形空間の中央付近に配置されている
ことを特徴とする植物系材料の成形体製造装置。
【請求項3】
前記押圧部における前記植物系材料の押圧面の大きさは、前記型成形空間において前記植物系材料の流入口を除いた該型成形空間の表面積よりも小さい値に設定されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の植物系材料の成形体製造装置。
【請求項4】
前記押圧部の幅と、前記植物系材料が前記押圧部から前記型成形空間に流入するときの該型成形空間の流入口の幅とが、同じ大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の植物系材料の成形体製造装置。
【請求項5】
前記押圧部は、内部に前記植物系材料が供給されるシリンダと、前記植物系材料を押圧して押し出すパンチとを備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の植物系材料の成形体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−161933(P2012−161933A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21848(P2011−21848)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年10月1日 社団法人日本塑性加工学会発行の「第61回 塑性加工連合講演会 講演論文集」に発表
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】