説明

検出回路

【課題】簡易な構成で検出精度を向上させる。
【解決手段】検出回路は、センサの駆動を制御するためのデジタル制御信号を所定周波数のクロックに基づいて更新して出力する制御信号更新回路と、制御信号更新回路から出力されるデジタル制御信号を、前記センサを駆動すべくアナログ制御信号に変換して出力するDAコンバータと、アナログ制御信号に応じて変化するセンサの検出信号の電圧レベルと、所定レベルの基準電圧との比較結果信号を出力する比較回路と、比較回路から出力される比較結果信号と、所定周波数のクロックとに基づいて、検出信号に応じた時間をカウントして出力するカウント回路と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気や加速度、温度等に基づく処理をデジタル回路で行う場合、磁気センサや加速度センサ、温度センサ等からの微小レベルの検出信号を差動増幅回路で増幅し、増幅された検出信号をADコンバータでデジタル信号に変換する検出回路を用いることが一般的である(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−163251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなADコンバータを用いた検出回路において検出精度を高めるためには、ADコンバータを高精度なものとする必要があり、回路構成が複雑となってしまう。
【0004】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で検出精度を向上させることが可能な検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の検出回路は、センサの駆動を制御するためのデジタル制御信号を所定周波数のクロックに基づいて更新して出力する制御信号更新回路と、前記制御信号更新回路から出力される前記デジタル制御信号を、前記センサを駆動すべくアナログ制御信号に変換して出力するDAコンバータと、前記アナログ制御信号に応じて変化する前記センサの検出信号の電圧レベルと、所定レベルの基準電圧との比較結果信号を出力する比較回路と、前記比較回路から出力される前記比較結果信号と、所定周波数のクロックとに基づいて、前記検出信号に応じた時間をカウントして出力するカウント回路と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
簡易な構成で検出精度を向上させることが可能な検出回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
==磁気検出回路==
図1は、本発明の一実施形態である磁気検出回路の構成例を示す図である。磁気検出回路10は、コイルL1,L2、オペアンプ11、コンパレータ15、抵抗R1〜R6、デジタル回路20、DAコンバータ(DAC)25、バッファ回路26、及び反転バッファ回路27を含んで構成されている。
【0008】
コイルL1,L2は磁気センサを構成しており、コイルL1が励起コイル、コイルL2が検出コイルとなっている。コイルL1の両端に印加される電圧が変化することによってコイルL1が励起されると、磁場によって変調された微小レベルの検出信号S_p,S_nがコイルL2の両端に発生する。
【0009】
オペアンプ11及び抵抗R1〜R4は差動増幅回路を構成している。オペアンプ11の+入力端子には、抵抗R1を介してコイルL2の一端から出力される検出信号S_pが入力され、−入力端子には、抵抗R2を介してコイルL2の他端から出力される検出信号S_nが入力されている。また、オペアンプ11の+入力端子には、抵抗R3を介して基準電圧Vcomが印加されている。そして、オペアンプ11の出力端子からは、微小レベルの検出信号S_p,S_nの誤差を、基準電圧Vcomを基準として増幅した検出信号S_outが出力される。なお、抵抗R1〜R4は可変抵抗であり、マイコン等の制御によって抵抗値を変更することにより、差動増幅回路における増幅率を変更することができる。
【0010】
コンパレータ15及び抵抗R5,R6はヒステリシスコンパレータを構成している。コンパレータ15の+入力端子には、抵抗R5を介して検出信号S_outが入力され、−入力端子には、比較の基準となる基準電圧Vcomが印加されている。また、本実施形態では、抵抗R5,R6によって決定されるヒステリシスをΔVhysであることとする。つまり、コンパレータ15の出力信号C_outがLレベルの状態では、検出信号S_outの電圧レベルがVcom+ΔVhysより高くなると出力信号C_outがHレベルに変化し、出力信号C_outがHレベルの状態では、検出信号S_outの電圧レベルがVcom−ΔVhysより低くなると出力信号C_outがLレベルに変化する。
【0011】
デジタル回路20は、カウンタ31,32を含んで構成される。カウンタ31(制御信号更新回路)は、所定周波数のクロックCLKに基づいてカウント値CNT(デジタル制御信号)を更新する回路である。なお、カウンタ31は、カウント値CNTが三角波状に変化するようにカウント値CNTを更新する。例えばカウンタ31のビット数を8ビットとすると、カウンタ31は、255から0までカウントダウンした後、0から255までカウントアップする。また、リセット信号RSTがLレベルの間は、カウンタ31はカウント動作を行わず、カウント値CNTは初期値のまま保持される。
【0012】
カウンタ32(カウント回路)は、コンパレータ15の出力信号C_outがLレベルの時間を、クロックCLKに基づいてカウントすることにより計測し、計測した時間を検出信号S_outに応じたデジタル信号D_outとして出力する。また、リセット信号RSTがLレベルの間は、カウンタ32はカウント動作を行わず、デジタル信号D_outは初期値のまま保持される。
【0013】
なお、本実施形態では、カウンタ31,32ともに、同一のクロックCLKに基づいてカウントすることとしたが、異なるクロックに基づいてカウントすることとしてもよい。 DAC25は、カウンタ31から出力されるカウント値CNTをアナログ信号に変換して出力する。
【0014】
バッファ26及び反転バッファ27はコイルL1の駆動回路を構成しており、DAC25から出力されるアナログ信号に応じたレベルの駆動信号Drv_p,Drv_nをコイルL1の両端に出力する。なお、駆動信号Drv_nは、基準電圧Vcomを基準として駆動信号Drv_pを反転した信号となっている。
【0015】
図2は、磁気検出回路10の動作の一例を示す図である。ここでは、カウンタ31,32のビット数が8ビットであり、カウンタ31で更新されるカウント値CNTの初期値が255、カウンタ32で更新されるデジタル信号D_outの初期値が0であることとする。
【0016】
リセット信号RSTがHレベルに変化すると、カウンタ31は、クロックCLKに基づいてカウント値CNTを255からカウントダウンし、カウント値CNTが0になると、カウント値CNTを255までカウントアップする。これにより、カウント値CNTは三角波状に変化する。そして、カウント値CNTに応じて、駆動信号Drv_pも三角波状に変化し、駆動信号Drv_nは基準電圧Vcomを基準として駆動信号Drv_pを反転した信号となる。
【0017】
このような駆動信号Drv_p,Drv_nがコイルL1の両端に入力されることにより、磁場によって変調された微小レベルの検出信号S_p,S_nがコイルL2の両端に発生する。そして、微小レベルの検出信号S_p,S_nの誤差を増幅した検出信号S_outは、図2に示すように基準電圧Vcomを中心として上下に1回ずつ三角波状に変化する。そして、このように検出信号S_outにあらわれる2つの三角波状の波形の間隔が、磁場によって変化することとなる。
【0018】
コンパレータ15の出力信号C_outは、検出信号S_outの電圧レベルがVcom−ΔVhysより低くなるとLレベルに変化し、検出信号S_outの電圧レベルがVcom+ΔVhysより高くなるとHレベルに変化する。すなわち、コンパレータ15の出力信号C_outがLレベルの時間T1は、検出信号S_outにあらわれる三角波状の波形の間隔を示すものとなる。そして、カウンタ32は、コンパレータ15の出力信号C_outがLレベルの間、クロックCLKに基づいてカウントアップすることにより時間T1を計測し、計測した時間T1を磁気の検出結果を示すデジタル信号D_outとして出力する。
【0019】
このように、磁気検出回路10では、磁気センサを構成するコイルL1,L2を駆動するための駆動信号Drv_p,Drv_nをクロックCLKに基づいて変化させるとともに、駆動信号Drv_p,Drv_nの変化によって生じる検出信号S_outと基準電圧Vcomとの比較結果を示す出力信号C_outとクロックCLKとに基づいて、検出信号S_outに応じた時間が計測される。すなわち、磁気検出回路10では、高精度なADコンバータを用いることなく、簡易な構成で磁気を高精度に検出することが可能となる。また、磁気検出回路10では、高速なADコンバータを用いることなく、クロックCLKの速度を向上させることにより、検出速度を向上させることが可能となる。さらに、磁気検出回路10では、ADコンバータを用いずにカウンタ32でのカウント動作により磁気を検出するため、電源電圧を低電圧化することが可能となる。
【0020】
==加速度検出回路==
図3は、本発明の一実施形態である加速度検出回路の構成例を示す図である。加速度検出回路40は、磁気検出回路10が備えるオペアンプ11、コンパレータ15、抵抗R1〜R6、DAC25、バッファ回路26、及び反転バッファ回路27に加えて、抵抗R11〜14、コンパレータ41、抵抗R21,22、及びデジタル回路42を含んで構成されている。
【0021】
抵抗R11〜R14は、ピエゾ抵抗型加速度センサを構成しており、加速度に応じて、抵抗R11〜R14の抵抗値が変化することにより、抵抗R11,R12の接続点、及び、抵抗R13,R14の接続点に生じる検出信号S_p,S_nが変化する。
【0022】
コンパレータ41及び抵抗R21,R22は、コンパレータ15及び抵抗R5,R6と同様に、基準電圧Vcomに対してΔVhysのヒステリシスを有するヒステリシスコンパレータを構成している。なお、加速度検出回路40においては、検出動作の開始前においてオペアンプ11から出力される検出信号S_outの電圧レベルはVcomであることとする。そして、検出動作の開始前においては、コンパレータ15の出力信号C_outhはLレベルであり、コンパレータ41の出力信号C_outlはHレベルであることとする。
【0023】
デジタル回路42は、磁気検出回路10のデジタル回路20と同様にカウンタを含んで構成され、ピエゾ抵抗型加速度センサを駆動するためのカウント値CNTを出力するとともに、加速度の検出結果を示すデジタル信号D_outを出力する。具体的には、デジタル回路42は、リセット信号RSTがHレベルになるとカウント値CNTのカウントアップを開始する。また、デジタル回路42は、リセット信号RSTがHレベルに変化した後コンパレータ15,41の出力信号C_outh,C_outlの何れか一方の論理レベルが変化するまでの時間を計測し、計測した時間に出力信号C_outh,C_outlの何れが変化したかを示す情報を付与した信号を、加速度の検出結果を示すデジタル信号D_outとして出力する。
【0024】
図4は、加速度検出回路40の動作の一例を示す図である。ここでは、カウント値CNTを更新するカウンタのビット数が8ビットであり、カウント値CNTの初期値が0であることとする。
【0025】
リセット信号RSTがHレベルに変化すると、デジタル回路42は、クロックCLKに基づいてカウント値CNTを0からカウントアップしていく。そして、カウント値CNTに応じて、駆動信号Drv_pの電圧レベルが基準電圧Vcomから上昇していくとともに、駆動信号Drv_nの電圧レベルが基準電圧Vcomから下降していく。
【0026】
このような駆動信号Drv_p,Drv_nが抵抗R11〜R14により構成されるブリッジの両端に入力されることにより、検出信号S_outは、基準電圧Vcomの電圧レベルから加速度に応じた傾きで変化する。例えば、検出信号S_outが加速度に応じて図4のAに示すように変化する場合、検出信号S_outの電圧レベルがVcom+ΔVhysより高くなると出力信号C_outhがHレベルに変化する。この場合、デジタル回路42は、リセット信号RSTがHレベルに変化してから出力信号C_outhがHレベルに変化するまでの時間T11をクロックCLKに基づいて計測し、計測した時間T11に出力信号C_outhの論理レベルが変化したことを示す情報を付与したデジタル信号D_outを出力する。また、例えば、検出信号S_outが加速度に応じて図4のBに示すように変化する場合、検出信号S_outの電圧レベルがVcom−ΔVhysより低くなると出力信号C_outlがLレベルに変化する。この場合、デジタル回路42は、リセット信号RSTがHレベルに変化してから出力信号C_outlがLレベルに変化するまでの時間T12をクロックCLKに基づいて計測し、計測した時間T12に出力信号C_outlの論理レベルが変化したことを示す情報を付与したデジタル信号D_outを出力する。
【0027】
このように、加速度検出回路40では、ピエゾ抵抗型加速度センサを構成する抵抗R11〜R14を駆動するための駆動信号Drv_p,Drv_nをクロックCLKに基づいて変化させるとともに、駆動信号Drv_p,Drv_nの変化によって生じる検出信号S_outと基準電圧Vcomとの比較結果を示す出力信号C_outとクロックCLKとに基づいて、検出信号S_outに応じた時間が計測される。すなわち、加速度検出回路40では、ADコンバータを用いる必要がないため、磁気検出回路10の場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0028】
==温度検出回路==
図5は、本発明の一実施形態である温度検出回路の構成例を示す図である。温度検出回路50は、磁気検出回路10が備えるオペアンプ11、コンパレータ15、抵抗R1〜R6、及びDAC25に加えて、電流源51,52、NPN型トランジスタQ1,Q2、及びデジタル回路53を含んで構成されている。
【0029】
電流源51は定電流Ibを出力する回路であり、電流源52は、電流源51のM倍の定電流を出力する回路である。NPN型トランジスタQ1,Q2はダイオード接続されており、それぞれ、電流源51,52により駆動される。そして、NPN型トランジスタQ1,Q2のベース・エミッタ間電圧Vbeは温度および電流源51,52からの電流量に応じた電圧レベルとなる。すなわち、電流源51,52及びNPN型トランジスタQ1,Q2は温度センサを構成しており、NPN型トランジスタQ1,Q2のコレクタから、温度に応じた検出信号S_p,S_nが出力される。
【0030】
デジタル回路53は、磁気検出回路10のデジタル回路20と同様にカウンタを含んで構成され、コンパレータ15において検出結果S_outとの比較対象となる電圧V_cmpを制御するためのカウント値CNTを出力するとともに、温度の検出結果を示すデジタル信号D_outを出力する。具体的には、デジタル回路53は、リセット信号RSTがHレベルになるとカウント値CNTのカウントアップを開始する。また、デジタル回路53は、リセット信号RSTがHレベルに変化した後コンパレータ15の出力信号C_outがLレベルに変化するまでの時間を計測し、計測した時間を検出信号S_outに応じたデジタル信号D_outとして出力する。
【0031】
図6は、温度検出回路50の動作の一例を示す図である。ここでは、カウント値CNTを更新するカウンタのビット数が8ビットであり、カウント値CNTの初期値が0であることとする。
【0032】
リセット信号RSTがHレベルに変化すると、デジタル回路53は、クロックCLKに基づいてカウント値CNTを0からカウントアップしていく。そして、カウント値CNTに応じて、コンパレータ15の−入力端子に印加される電圧V_cmpの電圧レベルが基準電圧Vcomから上昇していく。
【0033】
そして、電圧V_cmpが温度に応じた検出信号S_outの電圧レベルよりΔVhysだけ高くなると、出力信号C_outがLレベルに変化する。すなわち、リセット信号RSTがHレベルに変化してからコンパレータ15の出力信号C_outがLレベルに変化するまでの時間T21は、検出信号S_outの電圧レベルに応じたものとなる。したがって、デジタル回路53は、リセット信号RSTがHレベルに変化してから出力信号C_outがLレベルに変化するまでの時間T21をクロックCLKに基づいて計測し、計測した時間T21を温度の検出結果を示すデジタル信号D_outとして出力する。
【0034】
このように、温度検出回路50では、検出信号S_outと比較される電圧V_cmpの電圧レベルをクロックCLKに基づいて変化させるとともに、検出信号S_outと電圧V_cmpとの比較結果を示す出力信号C_outとクロックCLKとに基づいて、検出信号S_outに応じた時間が計測される。すなわち、温度検出回路50では、ADコンバータを用いる必要がないため、磁気検出回路10の場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0035】
==マルチ検出回路==
図7は、本発明の一実施形態であるマルチ検出回路の構成例を示す図である。マルチ検出回路60は、磁気検出回路10、加速度検出回路40、及び温度検出回路50において示した構成に加え、スイッチS1〜S24を備えている。また、デジタル回路61は、デジタル回路20,42,53の機能を含む回路である。
【0036】
マルチ検出回路60では、スイッチS1〜S24のオンオフを適宜切り替えることにより、磁気、加速度、又は温度の何れかの検出結果を示すデジタル信号D_outを出力することができる。例えば、スイッチS8〜S11,S22,S24をオン、その他のスイッチをオフとすることにより、デジタル信号D_outは磁気の検出結果を示す信号となる。また、例えば、スイッチS3〜S7,S21,S22,S24をオン、その他のスイッチをオフとすることにより、デジタル信号D_outは加速度の検出結果を示す信号となる。また、例えば、スイッチS1,S2,S23をオン、その他のスイッチをオフとすることにより、デジタル信号D_outは温度の検出結果を示す信号となる。
【0037】
このように、マルチ検出回路60では、オペアンプ11やコンパレータ15、DAC25等の回路が磁気センサ、加速度センサ、及び温度センサに共有されている。つまり、ADコンバータを用いることなく、複数のセンサを切り替え可能な検出回路を、簡易な構成で実現することができる。
【0038】
==オフセットキャンセル==
前述したオペアンプ11やコンパレータ15には、オフセット電圧が存在する。そして、オフセット電圧の影響により、センサからの微小なレベルの検出信号を高精度に検出することが困難となる可能性がある。そこで、そのような状況においては、オフセット電圧をキャンセルすることにより、検出精度を向上させることが可能となる。
【0039】
図8は、オフセットキャンセル回路の構成例を示す図である。図8に示すように、コンパレータ15のオフセットをキャンセルするための回路として、キャパシタC1及びスイッチS31〜S33が設けられている。なお、スイッチS31が本発明の第1スイッチ回路に相当し、スイッチS32が本発明の第2スイッチ回路に相当する。
【0040】
まず、コンパレータ15で比較動作が行われる前に、マイコン等の制御によりスイッチS31,S32がオン、スイッチS33がオフとされる。ここで、コンパレータ15のオフセット電圧をVosとすると、スイッチS31,S32がオン、スイッチS33がオフとなることにより、オフセット電圧VosがキャパシタC1にサンプリングされる。そして、コンパレータ15で比較動作を行う際には、マイコン等の制御によってスイッチS31,S32がオフ、スイッチS33がオンとされることにより、コンパレータ15のオフセット電圧Vosは、キャパシタC1にサンプリングされた電圧によりキャンセルされる。このように、コンパレータ15のオフセットをキャンセルすることにより、コンパレータ15の比較動作の精度を高め、センサから微小なレベルの検出信号を高精度に検出することが可能となる。なお、図8ではコンパレータ15に対するオフセットキャンセル回路を示したが、オペアンプ11やコンパレータ41に対しても同様にオフセットキャンセル回路を設けることにより精度を向上させることが可能となる。
【0041】
なお、上記実施例は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態である磁気検出回路の構成例を示す図である。
【図2】磁気検出回路の動作の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態である加速度検出回路の構成例を示す図である。
【図4】加速度検出回路の動作の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態である温度検出回路の構成例を示す図である。
【図6】温度検出回路の動作の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態であるマルチ検出回路の構成例を示す図である。
【図8】オフセットキャンセル回路の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
10 磁気検出回路
11 オペアンプ
15,41 コンパレータ
20,42,53 デジタル回路
25 DAコンバータ(DAC)
26 バッファ回路
27 反転バッファ回路
31,32 カウンタ
40 加速度検出回路
50 温度検出回路
51,52 電流源
L1,L2 コイル
R1〜R6,R11〜R14,R21,R22 抵抗
Q1,Q2 NPN型トランジスタ
S1〜S24,S31〜S33 スイッチ
C1 キャパシタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの駆動を制御するためのデジタル制御信号を所定周波数のクロックに基づいて更新して出力する制御信号更新回路と、
前記制御信号更新回路から出力される前記デジタル制御信号を、前記センサを駆動すべくアナログ制御信号に変換して出力するDAコンバータと、
前記アナログ制御信号に応じて変化する前記センサの検出信号の電圧レベルと、所定レベルの基準電圧との比較結果信号を出力する比較回路と、
前記比較回路から出力される前記比較結果信号と、所定周波数のクロックとに基づいて、前記検出信号に応じた時間をカウントして出力するカウント回路と、
を備えることを特徴とする検出回路。
【請求項2】
センサの検出信号の電圧レベルと、基準電圧との比較結果信号を出力する比較回路と、
前記基準電圧の電圧レベルを制御するためのデジタル制御信号を所定周波数のクロックに基づいて更新して出力する制御信号更新回路と、
前記制御信号更新回路から出力される前記デジタル制御信号に応じた電圧レベルの前記基準電圧を生成して出力するDAコンバータと、
前記比較回路から出力される前記比較結果信号と、所定周波数のクロックとに基づいて、前記検出信号に応じた時間をカウントして出力するカウント回路と、
を備えることを特徴とする検出回路。
【請求項3】
所定周波数のクロック信号に基づいてデジタル制御信号を更新する制御信号更新回路と、
前記制御信号更新回路から出力される前記デジタル制御信号をアナログ制御信号に変換して出力するDAコンバータと、
前記DAコンバータから出力される前記アナログ制御信号に基づいて、第1又は第2センサを駆動するための駆動信号を出力する駆動回路と、
前記駆動回路から出力される前記駆動信号を、前記第1又は第2センサの何れか一方に出力するための第1選択回路と、
前記第1又は第2センサの何れか一つの検出信号を出力する第2選択回路と、
前記第2選択回路から出力される前記検出信号と、所定レベルの基準電圧との比較結果信号を出力する比較回路と、
前記比較回路から出力される前記比較結果信号と、所定周波数のクロックとに基づいて、前記検出信号に応じた時間をカウントして出力するカウント回路と、
を備えることを特徴とする検出回路。
【請求項4】
請求項3に記載の検出回路であって、
前記第1又は第2センサの検出結果を出力する場合は、前記所定レベルの基準電圧を出力し、前記デジタル制御信号にかかわらず動作する第3センサの検出結果を出力する場合は、前記DAコンバータから出力される前記アナログ制御信号に応じた電圧レベルの基準電圧を出力する第3選択回路を更に備え、
前記第2選択回路は、
前記第1〜第3センサの何れか一つの前記検出信号を出力し、
前記比較回路は、
前記第2選択回路から出力される前記検出信号と、前記第3選択回路から出力される前記基準電圧との比較結果信号を出力すること、
を特徴とする検出回路。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の検出回路であって、
一端が前記比較回路の出力端子と接続され、他端が前記比較回路の一方の入力端子と接続される第1スイッチ回路と、
一端が前記第1スイッチ回路の前記他端と接続されるキャパシタと、
一端が前記キャパシタの他端と接続され、他端が前記比較回路の他方の入力端子と接続される第2スイッチ回路と、
を更に備え、
前記比較回路のオフセット電圧を前記キャパシタにサンプリングすべく、前記比較回路での比較動作前に前記第1及び第2スイッチ回路をオンし、前記比較回路の前記オフセットをキャンセルすべく、前記比較回路の比較動作時に前記第1及び第2スイッチ回路をオフすること、
を特徴とする検出回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−20019(P2009−20019A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183488(P2007−183488)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】