説明

検出装置および方法、記録媒体、プログラム、並びに画像表示装置

【課題】監視領域に侵入するものをより確実に検知することができるようにする。
【解決手段】 基準フレームバッファ101は、CCDカメラから供給された1フレーム分の画像データを記憶する。高速動き検出用バッファ102は、基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。低速動き検出用バッファ103は、高速動き検出用バッファ102から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。そして、高速動き検出部105は、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ102が記憶している画像データを基に、画像から動きを検出し、低速動き検出部106は、基準フレームバッファ101および低速動き検出用バッファ103が記憶している画像データを基に、画像から動きを検出する。本発明は、光を投射して画像を表示させる表示装置などに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検出装置および方法、記録媒体、プログラム、並びに画像表示装置に関し、特に、より確実に監視領域へのものの侵入を検知できるようにした検出装置および方法、記録媒体、プログラム、並びに画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザを光源として、光源から射出されたレーザ(光)を変調してスクリーンに投射し、スクリーンに画像を表示させる投射型の表示装置(いわゆるプロジェクタ)の普及が進んでいる。このようなレーザを光源として利用する表示装置においては、レーザ(光)が人の目に直接入射すると、目の網膜に熱傷などを負わせる危険性があるため、国際レーザ安全規格IEC(International Electro technical Commission)6085シリーズ、およびIEC60825に準拠した各国の規格により、レーザ(またはLED(Light Emitting Diode))を利用する機器の製造者、使用者に対して厳しい安全規格が定められている。
【0003】
例えば、IEC60825-1では、レーザから射出される光の強度(パワー)によってクラス1からクラス4までのクラスに分類され、それぞれのクラスごとに製造者および使用者が守るべき指針が定められている。
【0004】
したがって、レーザを光源として利用する表示装置では、スクリーンに投射する光(レーザ)が人の目に直接当たらないようにする必要があり、そのような方法としてAPR(Auto Power Reduction)と称される、所定の領域を監視し、その領域に人(もの)が侵入した場合に、スクリーンに投射する光の強度を低減(減衰)させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この方法においては、図1に示すように、監視装置11に表示装置12およびCCD(Charge Coupled Devices)カメラ13が接続され、表示装置12は、変調された光(レーザ)をスクリーン14に投射して、スクリーン14上に画像を表示させる。そして、監視装置11は、スクリーン14および、スクリーン14の周囲の枠状の領域15からなる領域をCCDカメラ13に撮像させ、これにより得られた画像データを用いて、CCDカメラ13のレンズ上の点を頂点とし、スクリーン14および領域15からなる領域を底辺とする四角錐内の領域のうち、表示装置12からの光が通過しない領域を監視領域16として、監視領域16への人17の侵入を監視する。
【0006】
すなわち、監視装置11は、CCDカメラ13から供給された画像データに対して画像処理を施して、撮像された画像から動きを検出する。そして、監視装置11は画像から動きが検出された場合、監視領域16に人17が侵入したと判定し、表示装置12にスクリーン14に投射する光の強度を低減(減衰)させる。一般に、動きの検出には、予め撮像しておいたスクリーン14および領域15からなる領域の画像と、監視領域16の監視中にCCDカメラ13により撮像された画像とを比較し、差分を取って各画素の動きを求め、その動きの値が所定の閾値以上の値となった場合に、監視領域16に人17が侵入したと判定される。
【0007】
例えば、図2に示すように、CCDカメラ13からの距離が30mの位置に、図中、横方向の長さが18mであり、縦方向の長さが10mであるスクリーン14を設置し、スクリーン14の周辺の枠状の領域15の幅(枠の幅)が1.5mとなるように、監視領域16を設けたとする。この場合、スクリーン14および領域15からなる領域の図中、横方向の長さは21m(=18+1.5+1.5)となるので、この領域を画素数が30万画素(縦480画素×横640画素)であるCCDカメラ13により撮像すると、撮像により得られた画像において、図中、横方向の1mに相当する画素数は、30.4(=640/21)画素となる。
【0008】
この場合、5m/secのもの(人17)が監視領域16に侵入したとき、撮像された画像上におけるものの移動速度は、152(=30.4×5)画素/secとなる。したがって、1秒間に30フレームの画像を撮像すると、監視領域16に侵入するものは、画像上で1フレーム当たり5.1(=152/30)画素だけ移動することになる。このように、監視領域16に侵入するものがある程度の速度で移動する場合には、そのもの(人17)が図2中、縦方向にある程度の大きさがあれば、フレーム間では、図中、横方向に対応する方向に5画素分の変化(動き)があり、もの(人17)の縦方向の大きさを考慮すると、画像からは10画素以上の動きが得られ、撮像された画像から十分に動き(もの)を検出することができる。
【0009】
また、監視装置11の応答時間を50msecとすると、1フレーム分の画像データを読み込むためには33msec(1sec/30フレーム)必要であるので、画像データに対する画像処理を17(=50-33)msecで行い、画像から動きを検出しなければならない。ここで、監視装置11の応答時間は、表示装置12の近傍において人が監視領域16を横切るために必要な時間に基づいて定められる。
【0010】
例えば、図2に示すように、CCDカメラ13からの距離が5mの位置における監視領域16の断面の領域31の図中、横方向の幅(枠の幅)は、0.25(=1.5×5/30)mであり、領域31の枠の中の領域32(すなわち、スクリーン14に投射される光が通過する領域)の横方向の長さは3mとなる。したがって、5m/secで移動するもの(人)が図中、横方向から領域31に侵入してから、領域32に到達するまでの時間は50(=0.25/5)msecとなる。5m/secの速度は、大人が走る平均的な速度であり、監視装置11は、大人が5m/secの速度で走って枠の幅が0.25mの領域31を横切る50msecの間に、監視領域16への人の侵入を検知して、表示装置12が投射する光の強度を低減させる。
【0011】
【特許文献1】特許第2994469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した技術においては、撮像した画像のうちの連続した2つのフレームの画像の比較を行って動きを求め、その動きの値が所定の閾値以上の値となった場合に、監視領域にものが侵入したと判定される。そのため、高速で移動するものは画像上においてもそのものの動きが大きいので、ものの監視領域への侵入を検知することは比較的容易であるが、低速で移動するものは、画像上における動きが小さく、求められる動きの値も小さいため、ものの動きとノイズとを区別することが非常に困難であった。すなわち、監視領域に低速度で侵入してくるものを、監視装置において検知することは困難であった。
【0013】
例えば、図2において、CCDカメラ13からの距離が30mの位置において、図中、横方向から速度が1m/secのもの(人17)が領域15(監視領域16)に侵入したとき、CCDカメラ13によって撮像された画像上におけるものの移動速度は、上述した速度が5m/secである場合の1/5倍であるので、30.4(=152/5)画素/secとなる。したがって、1秒間に30フレームの画像を撮像すると、ものは、画像上で1フレーム当たり約1(=30.4/30)画素だけ移動することになる。
【0014】
したがって、CCDカメラ13から距離が30mの位置において、速度が1m/sec以下のものが領域15(監視領域16)に侵入しても、CCDカメラ13によって撮像された画像上では、1フレーム当たりの移動距離が1画素に満たないため、監視装置11においてものの監視領域16への侵入を検知できなくなってしまう。このような場合、監視領域16に侵入するものを検知することも可能ではあるが、ものの動きとノイズとを区別することが非常に困難であり、確実にものの侵入を検知するはできなかった。
【0015】
これに対して、低速で移動するものを検知するために、連続するフレームではなく、最後に撮像されたフレームの画像と、そのフレームよりも数フレーム前の画像とを比較することによって、低速で監視領域16に侵入するものを検知することができる。しかしながら、このようにすると、ものを検知するまでに必要な処理時間が長くなってしまうため、監視領域16に侵入するものを検知するために定められた応答時間内に、監視領域16に高速で侵入するものを検知することができなくなってしまう。したがって、この場合、高速で監視領域16に侵入するものがスクリーン14に到達するまでの間に、表示装置12が投射する光の強度を低減させることができなかった。
【0016】
以上のように、監視装置において、高速で監視領域に侵入するものと、低速で監視領域に侵入するものとを確実に検知することができなかった。
【0017】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、監視領域に侵入するものをより確実に検知することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の検出装置は、監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データを記憶する第1の記憶手段と、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データを記憶する第2の記憶手段と、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第3の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出手段と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
検出装置には、画像を表示させるための光を投射して、監視領域内または監視領域に囲まれた領域に画像を表示させる表示制御手段をさらに設けることができる。
【0020】
検出装置には、第1の検出手段による検出結果、または第2の検出手段による検出結果を基に、監視領域にものの侵入があったか否かを判定する判定手段と、監視領域にものの侵入があったと判定された場合、表示制御手段が監視領域内または監視領域に囲まれた領域に画像を表示させるために投射する光の強度の低減を指示する指示手段とをさらに設けることができる。
【0021】
検出装置には、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第4の記憶手段と、画像データが予め定められた所定の数だけ第2の記憶手段に供給されるごとに、第2の記憶手段が記憶している1つのフレームの画像データを取得し、取得した画像データを第3の記憶手段、または第4の記憶手段に交互に供給する供給手段とをさらに設け、第2の検出手段には、第3の記憶手段に記憶されている画像データまたは第4の記憶手段に記憶されている画像データを、予め定められた所定の数ずつ交互に取得させて、取得させた1つのフレームの画像データと第1の記憶手段に記憶されている1つのフレームの画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出させるようにすることができる。
【0022】
本発明の検出方法は、監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データの第1の記憶手段への記憶を制御する第1の記憶制御ステップと、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データの第2の記憶手段への記憶を制御する第2の記憶制御ステップと、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データの第3の記憶手段への記憶を制御する第3の記憶制御ステップと、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出ステップと、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出ステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の記録媒体のプログラムは、監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データの第1の記憶手段への記憶を制御する第1の記憶制御ステップと、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データの第2の記憶手段への記憶を制御する第2の記憶制御ステップと、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データの第3の記憶手段への記憶を制御する第3の記憶制御ステップと、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出ステップと、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出ステップとを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明のプログラムは、監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データの第1の記憶手段への記憶を制御する第1の記憶制御ステップと、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データの第2の記憶手段への記憶を制御する第2の記憶制御ステップと、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データの第3の記憶手段への記憶を制御する第3の記憶制御ステップと、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出ステップと、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0025】
本発明の検出装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データが第1の記憶手段に記憶され、第1の記憶手段に記憶されている画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データが第2の記憶手段に記憶され、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データが第3の記憶手段に記憶され、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きが検出され、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きが検出される。
【0026】
本発明の画像表示装置は、画像を表示させるための光を投射して、画像を表示させる表示制御手段と、画像を表示させるための光が投射される領域を含む領域、または画像を表示させるための光が投射される領域を囲む領域を監視領域として、監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データを記憶する第1の記憶手段と、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データを記憶する第2の記憶手段と、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第3の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出手段と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出手段と、第1の検出手段による検出結果、または第2の検出手段による検出結果を基に、監視領域にものの侵入があったか否かを判定する判定手段と、監視領域にものの侵入があったと判定された場合、表示制御手段が投射する、画像を表示させるための光の強度の低減を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の画像表示装置においては、画像を表示させるための光が投射されて、画像が表示され、画像を表示させるための光が投射される領域を含む領域、または画像を表示させるための光が投射される領域を囲む領域を監視領域として、監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データが第1の記憶手段に記憶され、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データが第2の記憶手段に記憶され、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データが第3の記憶手段に記憶され、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、第1の検出手段によって撮像された画像から動きが検出され、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、第2の検出手段によって撮像された画像から動きが検出される。そして、第1の検出手段による検出結果、または第2の検出手段による検出結果を基に、監視領域にものの侵入があったか否かが判定され、監視領域にものの侵入があったと判定された場合、画像を表示させるための光の強度の低減が指示される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、監視領域に侵入するものを検知することができる。特に、本発明によれば、ものの移動速度によらず、監視領域に侵入するものをより確実に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0030】
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
【0031】
請求項1に記載の検出装置は、監視の対象となる監視領域(例えば、図3の監視領域56)を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データを記憶する第1の記憶手段(例えば、図6の基準フレームバッファ101)と、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データを記憶する第2の記憶手段(例えば、図6の高速動き検出用バッファ102)と、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第3の記憶手段(例えば、図6の低速動き検出用バッファ103)と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出手段(例えば、図6の高速動き検出部105)と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出手段(例えば、図6の低速動き検出部106)とを備えることを特徴とする。
【0032】
請求項2に記載の検出装置は、画像を表示させるための光を投射して、監視領域(例えば、図3の監視領域56)内または監視領域に囲まれた領域に画像を表示させる表示制御手段(例えば、図3の表示装置52)をさらに備えることを特徴とする。
【0033】
請求項3に記載の検出装置は、第1の検出手段(例えば、図6の高速動き検出部105)による検出結果、または第2の検出手段(例えば、図6の低速動き検出部106)による検出結果を基に、監視領域(例えば、図3の監視領域56)にものの侵入があったか否かを判定する判定手段(例えば、図6の判定部121)と、監視領域にものの侵入があったと判定された場合、表示制御手段(例えば、図3の表示装置52)が監視領域内または監視領域に囲まれた領域に画像を表示させるために投射する光の強度の低減を指示する指示手段(例えば、図6の低減指示部107)とをさらに備えることを特徴とする。
【0034】
請求項4に記載の検出装置は、第2の記憶手段(例えば、図9の高速動き検出用バッファ201)が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第4の記憶手段(例えば、図9の第2低速動き検出用バッファ204)と、画像データが予め定められた所定の数だけ第2の記憶手段に供給されるごとに、第2の記憶手段が記憶している1つのフレームの画像データを取得し、取得した画像データを第3の記憶手段(例えば、図9の第1低速動き検出用バッファ203)、または第4の記憶手段に交互に供給する供給手段(例えば、図9の切り換え回路202)とをさらに備え、第2の検出手段(例えば、図9の低速動き検出部206)は、第3の記憶手段に記憶されている画像データまたは第4の記憶手段に記憶されている画像データを、予め定められた所定の数ずつ交互に取得して、取得した1つのフレームの画像データと第1の記憶手段に記憶されている1つのフレームの画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出することを特徴とする。
【0035】
請求項5に記載の検出方法は、監視の対象となる監視領域(例えば、図3の監視領域56)を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データの第1の記憶手段(例えば、図6の基準フレームバッファ101)への記憶を制御する第1の記憶制御ステップ(例えば、図7のステップS11の処理)と、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データの第2の記憶手段(例えば、図6の高速動き検出用バッファ102)への記憶を制御する第2の記憶制御ステップ(例えば、図7のステップS12の処理)と、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データの第3の記憶手段(例えば、図6の低速動き検出用バッファ103)への記憶を制御する第3の記憶制御ステップ(例えば、図7のステップS13の処理)と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出ステップ(例えば、図7のステップS14の処理)と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出ステップ(例えば、図7のステップS15の処理)とを含むことを特徴とする。
【0036】
なお、請求項6に記載の記録媒体および請求項7に記載のプログラムも、上述した請求項5に記載の検出方法と基本的に同様の処理であるため、繰り返しになるのでその説明は省略する。
【0037】
請求項8に記載の画像表示装置は、画像を表示させるための光を投射して、画像を表示させる表示制御手段(例えば、図3の表示装置52)と、画像を表示させるための光が投射される領域を含む領域、または画像を表示させるための光が投射される領域を囲む領域を監視領域(例えば、図3の監視領域56)として、監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データを記憶する第1の記憶手段(例えば、図6の基準フレームバッファ101)と、第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データを記憶する第2の記憶手段(例えば、図6の高速動き検出用バッファ102)と、第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第3の記憶手段(例えば、図6の低速動き検出用バッファ103)と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出手段(例えば、図6の高速動き検出部105)と、第1の記憶手段に記憶されている画像データと、第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出手段(例えば、図6の低速動き検出部106)と、第1の検出手段による検出結果、または第2の検出手段による検出結果を基に、監視領域にものの侵入があったか否かを判定する判定手段(例えば、図6の判定部121)と、監視領域にものの侵入があったと判定された場合、表示制御手段が投射する、画像を表示させるための光の強度の低減を指示する指示手段(例えば、図6の低減指示部107)とを備えることを特徴とする。
【0038】
本発明は、光を投射して画像を表示させる表示装置などに適用することができる。
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0040】
図3は、本発明に係る画像表示システムの一実施の形態を示す図である。この画像表示システムにおいては、監視装置51に表示装置52およびCCDカメラ53が接続されており、表示装置52は、変調された光(レーザ)をスクリーン54に投射して、スクリーン54上に画像を表示させる。
【0041】
CCDカメラ53は、スクリーン54および、スクリーン54の周囲の枠状の領域55からなる領域を撮像し、これにより得られた画像データを監視装置51に供給する。例えば、CCDカメラ53の図示せぬレンズの前または後ろには、赤外線を透過させ、可視光線を吸収するフィルタが設けられており、CCDカメラ53が撮像した画像には、表示装置52によりスクリーン54に表示された画像は写らないようになされている。また、CCDカメラ53は、CCDカメラ53がスクリーン54および領域55からなる領域を撮像するタイミングに同期した同期信号を生成し、監視装置51に供給する。なお、CCDカメラ53に替えて、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどを用いて監視する領域を撮像することも可能である。
【0042】
監視装置51は、CCDカメラ53から供給された画像データを用いて、CCDカメラ53のレンズ上の点を頂点とし、スクリーン54および領域55からなる領域を底辺とする四角錐内の領域のうち、表示装置52からの光が通過しない領域を監視領域56として、監視領域56への人57(もの)の侵入を監視する。
【0043】
より具体的には、監視領域56は、CCDカメラ53のレンズ上の点を頂点とし、スクリーン54および領域55からなる領域を底辺とする四角錐内の領域のうち、表示装置52の投射レンズ上の点を頂点とし、スクリーン54を底辺とする四角錐内の領域58を含まない領域をいう。なお、CCDカメラ53のレンズ上の点を頂点とし、スクリーン54および領域55からなる領域を底辺とする四角錐内の領域を監視領域56としてもよい。
【0044】
監視装置51は、CCDカメラ53から供給される同期信号に同期して、CCDカメラ53から供給された画像データに対して画像処理を施し、撮像された画像から動きを検出する。そして、監視装置51は動きが検出された場合、監視領域56にものが侵入したと判定し、表示装置52にスクリーン54に投射する光の強度を低減(減衰)させる。
【0045】
したがって、例えば、人57が監視領域56に侵入した場合、監視装置51は、CCDカメラ53から供給された画像データを基に、撮像された画像から動きを検出して人57の監視領域56への侵入を検知し、表示装置52にスクリーン54に投射する光の強度を低減させる。
【0046】
監視装置51が撮像された画像から動きを検出する場合、最も新しいフレームの画像(最後に撮像された画像)と、そのフレームの1つ前のフレームの画像とを比較して動きを検出するとともに、最も新しいフレームの画像と、そのフレームの2つ前のフレームの画像とを比較して動きを検出する。
【0047】
例えば、図4に示すように、図中、一番下のスクリーン54に画像61が表示されている領域および領域55(監視領域56)からなる領域の画像を、撮像した画像のうちの最も新しいフレームの画像とし、図中、真中のスクリーン54に画像62が表示されている領域および領域55からなる領域の画像を、最も新しいフレームの1つ前のフレームの画像とし、図中、一番上のスクリーン54に画像63が表示されている領域および領域55からなる領域の画像を、最も新しいフレームの2つ前のフレームの画像とする。
【0048】
図4では、最も新しいフレームの2つ前のフレームの画像が撮像された時点では、人57は、領域55に侵入していないので、そのフレームの画像には人57は写っていない。また、最も新しいフレームの1つ前のフレームの画像が撮像された時点では、人57は領域55に侵入しており、そのフレームの画像には人57の体の一部が写る。そして、最も新しいフレームの画像が撮像された時点では、人57は、1つ前のフレームの画像が撮像されたときよりも、領域55のよりスクリーン54側の領域に侵入しており、そのフレームの画像には、1つ前のフレームの画像よりも、人57の体の部分がより多く写っている。
【0049】
監視装置51は、矢印A1で示すように、最も新しいフレームの画像と、そのフレームの1つ前のフレームの画像とを比較して、領域55(監視領域56)に高速で侵入するもの(人57)を検知し、同時に、矢印A2で示すように、最も新しいフレームの画像と、そのフレームの2つ前のフレームの画像とを比較して、領域55(監視領域56)に低速で侵入するもの(人57)を検知する。
【0050】
例えば、図5に示すように、CCDカメラ53からの距離が30mの位置に、図中、横方向の長さが18mであるスクリーン54を設置し、スクリーン54の周辺の枠状の領域55の幅(枠の幅)が1.5mとなるように、監視領域56を設けたとする。この場合、スクリーン54および領域55からなる領域の図中、横方向の長さは21m(=18+1.5+1.5)となるので、CCDカメラ53からの距離が5mの位置における監視領域56の断面の領域81の図中、横方向の長さは3.5(=21×5/30)mとなり、領域81の横方向の幅(枠の幅)は、0.25(=1.5×5/30)mとなる。
【0051】
例えば、CCDカメラ53の図中、横方向の画素数が700画素であるとすると、撮像により得られた画像上において、1画素に相当する領域81(CCDカメラ53からの距離が5mの位置)における横方向の距離(長さ)は、5(=3.5m/700画素)mmとなる。したがって、5m/secで移動するもの(人57)が図中、横方向から領域81に侵入し、CCDカメラ53が1秒間に15フレームの画像を撮像した場合、連続するフレームの画像を比較したとき、撮像された画像上における人57の移動速度は、1フレーム当たり33(=5(m/sec)/30(フレーム/sec)/5(mm/画素))画素となり、撮像された画像から十分に人57の動きを検出することができる。
【0052】
一方、CCDカメラ13から距離が30mの位置において、図中、横方向から速度が1m/secで移動する人57が領域55(監視領域56)に侵入したとき、CCDカメラ53によって撮像された画像上における人57の移動速度は、上述した速度が5m/secであり、CCDカメラ53からの距離が5mにおける場合の1/30(=1/6×1/5)倍であるので、1フレーム当たり1.1(=33/30)画素となり、撮像された画像から十分に人57の動きを検出することができない。
【0053】
そこで、低速で監視領域56に侵入する人57を監視する場合、上述したように、連続するフレームの画像ではなく、最も新しいフレームの画像と、そのフレームの2つ前のフレームの画像とを比較して動きを検出する。この場合、撮像された画像上における人57の1フレーム当たりの動き(距離)は1.1画素であるので、2つ前のフレームの画像と比較することによって、人57の動きは2倍の2.2画素となる。したがって、人57の動きをノイズと区別して検出することができ、より確実に人57の監視領域56への侵入を検知することができる。
【0054】
図6は、図3の監視装置51のより詳細な構成例を示すブロック図である。
【0055】
監視装置51は、基準フレームバッファ101、高速動き検出用バッファ102、低速動き検出用バッファ103、制御部104、高速動き検出部105、低速動き検出部106、および低減指示部107を含むように構成される。
【0056】
基準フレームバッファ101は、例えば、RAM(Random Access Memory)などのメモリからなり、CCDカメラ53から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。例えば、基準フレームバッファ101は、CCDカメラ53から1フレーム分の画像データが供給されると、制御部104の制御の基に、記憶している画像データを高速動き検出用バッファ102に供給して、新たにCCDカメラ53から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。また、基準フレームバッファ101は、記憶している画像データを高速動き検出部105または低速動き検出部106に供給する。
【0057】
高速動き検出用バッファ102は、例えば、RAMなどのメモリからなり、基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。例えば、高速動き検出用バッファ102は、基準フレームバッファ101から1フレーム分の画像データが供給されると、制御部104の制御の基に、記憶している画像データを低速動き検出用バッファ103に供給して、新たに基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。また、高速動き検出用バッファ102は、記憶している画像データを高速動き検出部105に供給する。
【0058】
低速動き検出用バッファ103は、例えば、RAMなどのメモリからなり、高速動き検出用バッファ102から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。例えば、低速動き検出用バッファ103は、高速動き検出用バッファ102から1フレーム分の画像データが供給されると、制御部104の制御の基に、記憶している画像データを破棄して、新たに高速動き検出用バッファ102から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。また、低速動き検出用バッファ103は、記憶している画像データを低速動き検出部106に供給する。
【0059】
制御部104は、監視装置51の全体を制御する。制御部104は、CCDカメラ53から供給された同期信号に同期して、基準フレームバッファ101、高速動き検出用バッファ102、および低速動き検出用バッファ103のそれぞれを制御して、画像データを記憶させる。
【0060】
また、制御部104は、CCDカメラ53から供給された同期信号に同期して、高速動き検出部105および低速動き検出部106を制御して、高速動き検出部105および低速動き検出部106に画像データを基に、画像から動きを検出させる。
【0061】
高速動き検出部105は、制御部104の制御の基に、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ102から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出する。また、高速動き検出部105は、画像から動きを検出すると、その検出結果を示す検出信号を生成して低減指示部107に供給する。
【0062】
低速動き検出部106は、制御部104の制御の基に、基準フレームバッファ101および低速動き検出用バッファ103から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出する。また、低速動き検出部106は、画像から動きを検出すると、その検出結果を示す検出信号を生成して低減指示部107に供給する。
【0063】
低減指示部107は、もの(人57)の監視領域56への侵入を検知し、表示装置52に、表示装置52が投射する光の強度の低減を指示する。低減指示部107は、判定部121を備えている。
【0064】
低減指示部107の判定部121は、高速動き検出部105および低速動き検出部106から供給された検出信号に基づいて、高速動き検出部105または低速動き検出部106において、予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されたか否かを判定し、低減指示部107は、判定部121において、所定の大きさ以上の動きが検出された場合、表示装置52が投射する光の強度の低減を指示する制御信号を生成し、表示装置52に供給する。
【0065】
ところで、監視装置51は、例えば、CCDカメラ53から供給される画像データの転送時間を16msecとし、高速動き検出部105が画像から動きを検出し、低減指示部107がその検出結果(検出信号)に基づいて表示装置52に光の強度の低減を指示するまでの処理時間を34msecとして、CCDカメラ53において画像が撮像されてから50msecの間に、高速動き検出部105による動きの検出結果に基づいて、監視領域56へのもの(人57)の侵入を検知し、表示装置52に光の強度の低減を指示する。
【0066】
これに対して、例えば、監視装置51は、CCDカメラ53から供給される画像データの転送時間を32msecとし、低速動き検出部106が画像から動きを検出し、低減指示部107がその検出結果(検出信号)に基づいて表示装置52に光の強度の低減を指示するまでの処理時間を64msecとして、CCDカメラ53において画像が撮像されてから100msecの間に、低速動き検出部106による動きの検出結果に基づいて、監視領域56へのもの(人57)の侵入を検知し、表示装置52に光の強度の低減を指示する。
【0067】
低速動き検出部106においては、低速で監視領域56に侵入するもの(人57)の検出を行うので、低速動き検出部106が動きの検出を行う場合、高速動き検出部105が動きの検出を行う場合よりも応答時間を長く設定することができる。すなわち、低速で監視領域56に侵入するもの(人57)は、スクリーン54(表示装置52からの光が投射される領域)に到達するまでに時間がかかるため、低速動き検出部106において動きの検出を行う場合の応答時間は、高速動き検出部105において動きの検出を行う場合の応答時間の2倍程度の時間とすることができる。
【0068】
次に、図7のフローチャートを参照して、監視装置51が、CCDカメラ53から供給された画像データを基に、撮像された画像から動きを検出する処理である、動き検出の処理を説明する。
【0069】
CCDカメラ53から1フレーム分の画像データが供給されると、ステップS11において、基準フレームバッファ101は、制御部104の制御の基に、記憶している画像データを高速動き検出用バッファ102に供給して、新たにCCDカメラ53から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。
【0070】
ステップS12において、高速動き検出用バッファ102は、制御部104の制御の基に、記憶している画像データを低速動き検出用バッファ103に供給して、新たに基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。
【0071】
ステップS13において、低速動き検出用バッファ103は、制御部104の制御の基に、記憶している画像データを破棄して、新たに高速動き検出用バッファ102から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。
【0072】
これにより、基準フレームバッファ101乃至低速動き検出用バッファ103には、CCDカメラ53により撮像された、連続する3フレーム分の画像データが、1フレーム分ずつ記憶される。すなわち、基準フレームバッファ101には、最も新しいフレームの画像データが記憶され、高速動き検出用バッファ102には、最も新しいフレームの1つ前のフレームの画像データが記憶され、低速動き検出用バッファ103には、最も新しいフレームの2つ前のフレームの画像データが記憶される。
【0073】
なお、動き検出処理のスタート時においては、基準フレームバッファ101には、画像データが記憶されていないので、画像データを高速動き検出用バッファ102に供給せずに、CCDカメラ53から供給された画像データを記憶する。同様に、動き検出処理のスタート時においては、高速動き検出用バッファ102および低速動き検出用バッファ103にも画像データが記憶されていないので、画像データを供給または破棄せずに、供給された画像データを記憶する。
【0074】
基準フレームバッファ101乃至低速動き検出用バッファ103のそれぞれに、1フレーム分の画像データが記憶されると、ステップS14において、高速動き検出部105は、制御部104の制御の基に、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ102から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出する。
【0075】
例えば、高速動き検出部105は、基準フレームバッファ101から1フレーム分の画像データを取得し、高速動き検出用バッファ102からも1フレーム分の画像データを取得する。そして、高速動き検出部105は、取得した画像データを基に、勾配法などにより、CCDカメラ53が撮像した画像における各画素の動きを求め、画素の動き(距離)が予め定められた所定の大きさ以上である画素を動きがあった画素として、動きがあった画素の動きの値(大きさ)の総和を求める。高速動き検出部105は、その総和の値を示す検出信号を生成して、生成した検出信号を動きの検出結果として低減指示部107に供給する。
【0076】
したがって、この場合、撮像された画像上のものの大きさが大きいほど、動きがあった画素の動きの値の総和は大きくなる。
【0077】
ステップS15において、低速動き検出部106は、制御部104の制御の基に、基準フレームバッファ101および低速動き検出用バッファ103から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出して、処理はステップS11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0078】
例えば、低速動き検出部106は、高速動き検出部105における場合と同様に、基準フレームバッファ101および低速動き検出用バッファ103から取得した画像データを基に、勾配法などにより、CCDカメラ53が撮像した画像における各画素の動きを求め、画素の動き(距離)が予め定められた所定の大きさ以上である画素を動きがあった画素として、動きがあった画素の動きの値の総和を求める。そして、低速動き検出部106は、その総和の値を示す検出信号を生成して、生成した検出信号を動きの検出結果として低減指示部107に供給する。
【0079】
このようにして、高速動き検出部105は、2つの連続するフレームの画像データを基に、撮像された画像から動きを検出し、低速動き検出部106は、1つのフレームの画像データと、そのフレームの2つ前のフレームの画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する。
【0080】
このように、2つの連続するフレームの画像データを用いて、撮像された画像から動きを検出し、さらに、1つのフレームの画像データと、そのフレームの2つ前のフレームの画像データとを用いて、撮像された画像から動きを検出することによって、撮像された画像上を高速で移動するもの(人57)の動きと、低速で移動するもの(人57)の動きとをより確実に検出することができる。
【0081】
高速動き検出部105または低速動き検出部106において、撮像された画像から動きが検出されると、高速動き検出部105または低速動き検出部106から低減指示部107に、検出結果を示す検出信号が供給される。低減指示部107は、高速動き検出部105または低速動き検出部106から検出信号が供給されると、検出信号に基づいて監視領域56への人57の侵入を検知して、表示装置52に光の強度の低減を指示する低減指示の処理を行う。
【0082】
以下、図8のフローチャートを参照して、低減指示部107による低減指示の処理を説明する。
【0083】
ステップS31において、低減指示部107の判定部121は、高速動き検出部105から供給された検出信号に基づいて、高速動き検出部105において、予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されたか否かを判定する。
【0084】
例えば、高速動き検出部105から低減指示部107には、CCDカメラ53が撮像した画像における各画素の動きのうち、予め定められた所定の大きさ以上である画素の動きの値の総和を示す検出信号が供給される。例えば、低減指示部107の判定部121は、高速動き検出部105から供給された検出信号が示す画素の動きの値の総和の値が、予め定められた所定の大きさ以上である場合、高速動き検出部105において、予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されたと判定する。
【0085】
すなわち、低減指示部107の判定部121は、高速動き検出部105から供給された検出信号が示す画素の動きの値の総和の値が、予め定められた所定の大きさ以上である場合、監視領域56にもの(人57)が侵入したと判定する。
【0086】
ステップS31において、高速動き検出部105において、予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されていないと判定された場合、監視領域56への人57の侵入が検知されなかったので、処理はステップS32に進む。
【0087】
ステップS32において、低減指示部107の判定部121は、低速動き検出部106から供給された検出信号に基づいて、低速動き検出部106において、予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されたか否かを判定する。
【0088】
例えば、低速動き検出部106から低減指示部107には、CCDカメラ53が撮像した画像における各画素の動きのうち、予め定められた所定の大きさ以上である画素の動きの値の総和を示す検出信号が供給される。例えば、低減指示部107の判定部121は、低速動き検出部106から供給された検出信号が示す画素の動きの値の総和の値が、予め定められた所定の大きさ以上である場合、低速動き検出部106において、予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されたと判定する。
【0089】
すなわち、低減指示部107の判定部121は、低速動き検出部106から供給された検出信号が示す画素の動きの値の総和の値が、予め定められた所定の大きさ以上である場合、監視領域56に人57が侵入したと判定する。
【0090】
ステップS32において、低速動き検出部106において、予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されていないと判定された場合、監視領域56への人57の侵入が検知されなかったので、ステップS31に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0091】
一方、ステップS31において、高速動き検出部105において予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されたと判定された場合、監視領域56への人57の侵入が検知されたので、処理はステップS33に進む。
【0092】
また、同様に、ステップS32において、低速動き検出部106において予め定められた所定の大きさ以上の動きが検出されたと判定された場合、監視領域56への人57の侵入が検知されたので、処理はステップS33に進む。
【0093】
ステップS33において、低減指示部107は、監視領域56への人57の侵入が検知されたので、表示装置52がスクリーン54に投射する光の強度の低減を指示する制御信号を生成して表示装置52に供給し、処理はステップS31に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0094】
表示装置52は、監視装置51から制御信号が供給されると、スクリーン54に投射する、画像を表示させるための光の強度を、その光が人57の目に直接入射しても、人57に安全なレベルまで低減させる。なお、監視装置51から表示装置52に制御信号が供給された場合に、表示装置52が投射する光の強度を低減させると説明したが、表示装置52がスクリーン54に光を投射しないようにすることも可能である。
【0095】
このようにして、低減指示部107は、高速動き検出部105または低速動き検出部106から供給された検出信号に基づいて、監視領域56へのもの(人57)の侵入を検知する。
【0096】
このように、高速動き検出部105から供給された検出信号に基づいて、監視領域56に高速で侵入する人57を検知し、低速動き検出部106から供給された検出信号に基づいて、監視領域56に低速で侵入する人57を検知することで、高速で監視領域56に侵入する人57と、低速で監視領域56に侵入する人57とをより確実に検知することができる。これにより、人57が表示装置52からの光が通過する領域に侵入した場合においても、強い光(強度の強い光)が人57に照射されることを防止することができ、表示装置52(画像表示システム)の安全性をより向上させることができる。
【0097】
以上において、監視装置51では、低速で監視領域56に侵入するものを検知するために、評価の対象となるフレームの画像と、そのフレームより2フレーム前の画像とを比較する構成としたが、例えば、評価の対象となるフレームの画像と、そのフレームより10フレーム程度前の画像とを比較することによって、より低速で監視領域56に侵入するものを、より確実に検知することができる。
【0098】
この場合、図6の低速動き検出用バッファ103において、高速動き検出用バッファ102から供給される全ての画像データを記憶するようにすると、低速動き検出用バッファ103には、非常に大きい記憶容量が必要となる。
【0099】
そこで、基準フレームバッファ101から高速動き検出用バッファ102に10フレーム分の画像データが供給されるごとに、高速動き検出用バッファ102から低速動き検出用バッファ103に、1フレーム分の画像データが供給されるようにすると、低速動き検出部106は、基準フレームバッファ101および低速動き検出用バッファ103に記憶されている画像データを基に、基準フレームバッファ101に記憶されている画像データのフレームの画像と、低速動き検出用バッファ103に記憶されている、そのフレームよりも2フレーム乃至11フレーム前の画像とを比較して、動きを検出することができる。
【0100】
しかしながら、このような構成とした場合、基準フレームバッファ101に記憶されている画像データのフレームの画像と、そのフレームよりも2フレーム乃至9フレーム前の画像とを比較する場合もあるので、常に所定のフレーム以上前の画像と比較することができない。
【0101】
そこで、図6に示した監視装置51に、さらに他の低速動き検出用バッファを設け、5フレームごとに、高速動き検出用バッファ102から、1つの低速動き検出用バッファまたは他の低速動き検出用バッファに画像データが供給されるようにすることで、常に基準フレームバッファ101に記憶されている画像データのフレームの画像と、そのフレームよりも所定のフレーム以上前の画像とを比較することができる。
【0102】
この場合、例えば、監視装置51は、図9に示すように構成される。図9に示す監視装置51は、図6に示した監視装置51に、さらに切り換え回路202、および第2低速動き検出用バッファ204が設けられた構成となっている。なお、図9において、図6における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、繰り返しになるのでその説明は適宜省略する。
【0103】
監視装置51は、基準フレームバッファ101、高速動き検出部105、低減指示部107、高速動き検出用バッファ201、切り換え回路202、第1低速動き検出用バッファ203、第2低速動き検出用バッファ204、制御部205、および低速動き検出部206を含むように構成される。
【0104】
高速動き検出用バッファ201は、例えば、RAMなどのメモリからなり、基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。例えば、高速動き検出用バッファ201は、基準フレームバッファ101から1フレーム分の画像データが供給されると、制御部205の制御の基に、記憶している画像データを破棄するか、または切り換え回路202に供給して、新たに基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。また、高速動き検出用バッファ201は、記憶している画像データを高速動き検出部105に供給する。
【0105】
切り換え回路202は、制御部205の制御の基に、高速動き検出用バッファ201から供給された(取得した)1フレーム分の画像データを、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204に供給する。
【0106】
第1低速動き検出用バッファ203は、例えば、RAMなどのメモリからなり、切り換え回路202から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。例えば、第1低速動き検出用バッファ203は、切り換え回路202から1フレーム分の画像データが供給されると、記憶している画像データを破棄して、新たに切り換え回路202から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。また、第1低速動き検出用バッファ203は、記憶している画像データを低速動き検出部206に供給する。
【0107】
第2低速動き検出用バッファ204は、例えば、RAMなどのメモリからなり、切り換え回路202から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。例えば、第2低速動き検出用バッファ204は、切り換え回路202から1フレーム分の画像データが供給されると、記憶している画像データを破棄して、新たに切り換え回路202から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。また、第2低速動き検出用バッファ204は、記憶している画像データを低速動き検出部206に供給する。
【0108】
制御部205は、監視装置51の全体を制御する。制御部205は、CCDカメラ53から供給された同期信号に同期して、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ201を制御して、画像データを記憶させる。例えば、制御部205は、同期信号に同期して、高速動き検出用バッファ201に、基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶させるとともに、予め定められた所定の数のフレームごとに(予め定められた所定の数の画像データが供給されるごとに)、記憶している画像データを切り換え回路202に供給させる。
【0109】
また、制御部205は、CCDカメラ53から供給された同期信号に同期して、切り換え回路202を制御し、切り換え回路202に、高速動き検出用バッファ201から画像データを取得させ、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204に供給させる。例えば、制御部205は、切り換え回路202から、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204に画像データが交互に供給されるように、切り換え回路202を制御する。
【0110】
また、制御部205は、CCDカメラ53から供給された同期信号に同期して、高速動き検出部105および低速動き検出部206を制御して、高速動き検出部105および低速動き検出部206に画像データを基に、画像から動きを検出させる。例えば、制御部205は、同期信号に同期して、画像データを取得するバッファを指定し、低速動き検出部206に基準フレームバッファ101および第1低速動き検出用バッファ203から画像データを取得させて画像から動きを検出させるか、または基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204から画像データを取得させて画像から動きを検出させる。
【0111】
低速動き検出部206は、制御部205の制御の基に、基準フレームバッファ101および第1低速動き検出用バッファ203から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得するか、または基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出し、その検出結果を示す検出信号を生成して低減指示部107に供給する。
【0112】
また、制御部205は、例えば、図10に示すように、同期信号に同期させて、基準フレームバッファ101から高速動き検出用バッファ201に5フレーム分の画像データが供給されるごとに、高速動き検出用バッファ201に、高速動き検出用バッファ201が記憶している1フレーム分の画像データを切り換え回路202に供給させる。また、例えば、低速動き検出部206が画像から動きを検出する場合に、制御部205は、同期信号に同期させて5フレームごとに、低速動き検出部206に第1低速動き検出用バッファ203から画像データを取得させるか、または第2低速動き検出用バッファ204から画像データを取得させるかの指示を切り換える。なお、図中、1つの四角形は、1フレーム分の画像データを表し、横軸方向は時間を示す。
【0113】
時刻t0において、基準フレームバッファ101は、CCDカメラ53からフレームF12の画像データが供給されると、これまで記憶していたフレームF11の画像データを高速動き検出用バッファ201に供給して、フレームF12の画像データを記憶する。
【0114】
そして、その後、基準フレームバッファ101は、CCDカメラ53から画像データが供給されるごとに、記憶している画像データを高速動き検出用バッファ201に供給し、CCDカメラ53から供給されたフレームF13の画像データ乃至フレームF23の画像データを1フレーム分ずつ順次記憶する。
【0115】
高速動き検出用バッファ201は、時刻t1において、基準フレームバッファ101からフレームF12の画像データが供給されると、制御部205の制御の基に、記憶しているフレームF11の画像データを切り換え回路202を介して第1低速動き検出用バッファ203に供給し、フレームF12の画像データを記憶する。
【0116】
そして、その後、高速動き検出用バッファ201は、基準フレームバッファ101から画像データが供給されるごとに記憶している画像データを破棄し、基準フレームバッファ101から供給されたフレームF13の画像データ乃至フレームF16の画像データを1フレーム分ずつ順次記憶する。
【0117】
時刻t2において、高速動き検出用バッファ201は、基準フレームバッファ101からフレームF17の画像データが供給されると、制御部205の制御の基に、記憶しているフレームF16の画像データを切り換え回路202を介して第2低速動き検出用バッファ204に供給し、フレームF17の画像データを記憶する。
【0118】
さらに、高速動き検出用バッファ201は、基準フレームバッファ101から画像データが供給されるごとに記憶している画像データを破棄し、基準フレームバッファ101から供給されたフレームF18の画像データ乃至フレームF21の画像データを1フレーム分ずつ順次記憶する。そして、高速動き検出用バッファ201は、時刻t3において、基準フレームバッファ101からフレームF22の画像データが供給されると、制御部205の制御の基に、記憶しているフレームF21の画像データを切り換え回路202を介して第1低速動き検出用バッファ203に供給し、フレームF22の画像データを記憶する。
【0119】
このように、高速動き検出用バッファ201においては、5フレームごとに高速動き検出用バッファ201から、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204に交互に画像データが供給される。
【0120】
また、第1低速動き検出用バッファ203は、時刻t1において、これまで記憶していたフレームF1の画像データを破棄するとともに、高速動き検出用バッファ201から供給されたフレームF11の画像データを記憶する。そして、第1低速動き検出用バッファ203は、その後、時刻t3となるまでフレームF11の画像データを記憶し、時刻t3において、フレームF11の画像データを破棄して、高速動き検出用バッファ201から供給されたフレームF21の画像データを記憶する。したがって、第1低速動き検出用バッファ203に記憶されている画像データは、CCDカメラ53が10フレーム分の画像を撮像するたびに更新される。
【0121】
これに対して、第2低速動き検出用バッファ204は、時刻t0から時刻t2となるまで、フレームF6の画像データを記憶し、時刻t2において、これまで記憶していたフレームF6の画像データを破棄するとともに、高速動き検出用バッファ201から供給されたフレームF16の画像データを記憶する。このように、第2低速動き検出用バッファ204に記憶されている画像データも、第1低速動き検出用バッファ203における場合と同様に、CCDカメラ53が10フレーム分の画像を撮像するたびに更新される。
【0122】
また、制御部205は、同期信号に同期させて5フレームごとに、低速動き検出部206に第1低速動き検出用バッファ203から画像データを取得させるか、または第2低速動き検出用バッファ204から画像データを取得させるかの指示を切り換える。そして、低速動き検出部206は、制御部205の指示にしたがって画像データを取得し、取得した画像データを基に、画像から動きを検出する。
【0123】
すなわち、低速動き検出部206は、時刻t0から時刻t4までの期間T1において、制御部205の制御の基に、基準フレームバッファ101に記憶されている画像データが更新されるごとに、基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204からそれぞれ画像データを取得し、取得した画像データを基に、撮像した画像から動きを検出する。
【0124】
したがって、例えば、低速動き検出部206は、時刻t0において、基準フレームバッファ101からフレームF12の画像データを取得し、第2低速動き検出用バッファ204からフレームF6の画像データを取得する。そして、低速動き検出部206は、フレームF12の画像データおよびフレームF6の画像データを基に、撮像した画像から動きを検出する。これにより、期間T1において、低速動き検出部206は、基準フレームバッファ101に記憶されているフレームの画像と、そのフレームよりも6フレーム乃至10フレーム前の画像とを比較して、撮像した画像から動きを検出することができる。
【0125】
また、低速動き検出部206は、時刻t2から時刻t5までの期間T2において、制御部205の制御の基に、基準フレームバッファ101に記憶されている画像データが更新されるごとに、基準フレームバッファ101および第1低速動き検出用バッファ203からそれぞれ画像データを取得し、取得した画像データを基に、撮像した画像から動きを検出する。
【0126】
したがって、例えば、低速動き検出部206は、時刻t4において、基準フレームバッファ101からフレームF17の画像データを取得し、第1低速動き検出用バッファ203からフレームF11の画像データを取得する。そして、低速動き検出部206は、フレームF17の画像データおよびフレームF11の画像データを基に、撮像した画像から動きを検出する。これにより、期間T2において、低速動き検出部206は、基準フレームバッファ101に記憶されているフレームの画像と、そのフレームよりも6フレーム乃至10フレーム前の画像とを比較して、撮像した画像から動きを検出することができる。
【0127】
そして、さらに、時刻t5以降の期間T3において、低速動き検出部206は、制御部205の制御の基に、基準フレームバッファ101に記憶されている画像データが更新されるごとに、基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204からそれぞれ画像データを取得し、取得した画像データを基に、撮像した画像から動きを検出する。
【0128】
このように、低速動き検出部206は、撮像した画像から動きを検出する場合、制御部205の制御の基に、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204から予め定められた所定の数ずつ(例えば、5フレームずつ)交互に画像データを取得して動きの検出を行う。
【0129】
なお、低速動き検出部206が、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204から5フレームずつ交互に画像データを取得した場合、低速動き検出部206が取得する最初の数フレーム分の画像データは、基準フレームバッファ101に記憶されている画像データのフレームの6フレーム以上前の画像データとはならないので、6フレーム以上前のフレームとなるまで、低速動き検出部206が動きを検出する処理を行わないようにしてもよく、または取得した画像データを用いて、そのまま動きを検出する処理を行うようにしてもよい。
【0130】
次に、図11のフローチャートを参照して、監視装置51が、CCDカメラ53から供給された画像データを記憶する処理である、記憶の処理を説明する。
【0131】
CCDカメラ53から1フレーム分の画像データが供給されると、ステップS51において、基準フレームバッファ101は、制御部205の制御の基に、記憶している画像データを高速動き検出用バッファ201に供給して、新たにCCDカメラ53から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。
【0132】
ステップS52において、制御部205は、CCDカメラ53から供給された同期信号に基づいて、高速動き検出用バッファ201が記憶している画像データを破棄させるか否かを判定する。例えば、図10に示したように、5フレームごとに、高速動き検出用バッファ201から切り換え回路202に画像データを供給させる場合、時刻が図10における時刻t1であるとき、制御部205は、画像データを破棄させないと判定する。
【0133】
ステップS52において、画像データを破棄させないと判定された場合、ステップS53に進み、制御部205は高速動き検出用バッファ201に、高速動き検出用バッファ201が記憶している1フレーム分の画像データを切り換え回路202に供給させる。
【0134】
そして、ステップS54において、高速動き検出用バッファ201は、基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶する。
【0135】
高速動き検出用バッファ201から切り換え回路202に画像データが供給されると、ステップS55において、制御部205は、CCDカメラ53から供給された同期信号に基づいて、高速動き検出用バッファ201から切り換え回路202に供給された画像データを、さらに、切り換え回路202から第1低速動き検出用バッファ203に供給させるか否かを判定する。
【0136】
例えば、図10に示したように、切り換え回路202から、交互に第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204に画像データを供給させる場合、時刻が図10に示した時刻t1であるとき、制御部205は、画像データを、切り換え回路202から第1低速動き検出用バッファ203に供給させると判定する。また、例えば、時刻が図10に示した時刻t2である場合、制御部205は、画像データを、切り換え回路202から第1低速動き検出用バッファ203に供給させないと判定する。
【0137】
ステップS55において、画像データを第1低速動き検出用バッファ203に供給させると判定された場合、ステップS56に進み、制御部205は、切り換え回路202に、高速動き検出用バッファ201から切り換え回路202に供給された画像データを第1低速動き検出用バッファ203に供給させる。
【0138】
ステップS57において、第1低速動き検出用バッファ203は、記憶している画像データを破棄するとともに、切り換え回路202から供給された1フレーム分の画像データを記憶して、処理はステップS51に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0139】
一方、ステップS55において、画像データを第1低速動き検出用バッファ203に供給させないと判定された場合、ステップS58に進み、制御部205は、切り換え回路202に、高速動き検出用バッファ201から切り換え回路202に供給された画像データを第2低速動き検出用バッファ204に供給させる。
【0140】
ステップS59において、第2低速動き検出用バッファ204は、記憶している画像データを破棄するとともに、切り換え回路202から供給された1フレーム分の画像データを記憶して、処理はステップS51に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0141】
また、ステップS52において、画像データを破棄させると判定された場合、高速動き検出用バッファ201は、記憶している画像データを切り換え回路202に供給しないので、ステップS60に進み、制御部205は高速動き検出用バッファ201に、高速動き検出用バッファ201が記憶している1フレーム分の画像データを破棄させる。
【0142】
そして、ステップS61において、高速動き検出用バッファ201は、基準フレームバッファ101から供給された1フレーム分の画像データを記憶して、処理はステップS51に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0143】
このようにして、制御部205は、同期信号に同期させて所定のフレームごとに、高速動き検出用バッファ201から、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204に交互に画像データを供給させる。
【0144】
このように、所定のフレームごとに、高速動き検出用バッファ201から、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204に交互に画像データを供給させることによって、第1低速動き検出用バッファ203または第2低速動き検出用バッファ204には、常に、基準フレームバッファ101に記憶されている画像データのフレームよりも6フレーム乃至10フレーム前の画像データを記憶させることができる。
【0145】
また、制御部205は、上述した記憶の処理と並行して、高速動き検出部105および低速動き検出部206を制御して、高速動き検出部105および低速動き検出部206に、CCDカメラ53から供給された画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出させる。
【0146】
以下、図12のフローチャートを参照して、監視装置51がCCDカメラ53によって撮像された画像から動きを検出する処理である、動き検出の処理を説明する。
【0147】
ステップS91において、制御部205は、CCDカメラ53から供給される同期信号に基づいて、高速動き検出部105および低速動き検出部206に、画像データを取得するバッファを指定する。
【0148】
例えば、制御部205は、高速動き検出部105に対して、画像データを取得するバッファとして、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ201を指定して、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ201に記憶されている画像データを基に、撮像された画像から動きを検出するように高速動き検出部105を制御する。
【0149】
また、例えば、制御部205は、低速動き検出部206に対して、画像データを取得するバッファとして、基準フレームバッファ101および第1低速動き検出用バッファ203、または基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204を指定して、基準フレームバッファ101および第1低速動き検出用バッファ203、または基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204に記憶されている画像データを基に、撮像された画像から動きを検出するように低速動き検出部206を制御する。
【0150】
したがって、例えば、時刻が図10に示した時刻t0である場合、制御部205は、低速動き検出部206に対して、画像データを取得するバッファとして、基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204を指定して、基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204に記憶されている画像データを基に、撮像された画像から動きを検出するように低速動き検出部206を制御する。
【0151】
ステップS92において、高速動き検出部105は、制御部205の制御の基に、画像データを取得するバッファとして指定された、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ201から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出する。高速動き検出部105は動きを検出すると、その動きの検出結果を示す検出信号を生成して、低減指示部107に供給する。
【0152】
例えば、高速動き検出部105は、基準フレームバッファ101および高速動き検出用バッファ201から取得した画像データを基に、勾配法などにより、CCDカメラ53が撮像した画像における各画素の動きを求め、画素の動き(距離)が予め定められた所定の大きさ以上である画素の動きの値(大きさ)の総和を求める。そして、高速動き検出部105は、その総和の値を示す検出信号を生成して、生成した検出信号を動きの検出結果として低減指示部107に供給する。
【0153】
ステップS93において、低速動き検出部206は、制御部205から画像データを取得するバッファとして、第1低速動き検出用バッファ203が指定されたか否かを判定する。
【0154】
ステップS93において、第1低速動き検出用バッファ203が指定されたと判定された場合、ステップS94に進み、低速動き検出部206は、制御部205の制御の基に、画像データを取得するバッファとして指定された、基準フレームバッファ101および第1低速動き検出用バッファ203から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出する。低速動き検出部206は動きを検出すると、その動きの検出結果を示す検出信号を生成して、低減指示部107に供給して、処理はステップS91に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0155】
例えば、低速動き検出部206は、基準フレームバッファ101および第1低速動き検出用バッファ203から取得した画像データを基に、勾配法などにより、CCDカメラ53が撮像した画像における各画素の動きを求め、画素の動き(距離)が予め定められた所定の大きさ以上である画素の動きの値(大きさ)の総和を求める。そして、低速動き検出部206は、その総和の値を示す検出信号を生成して、生成した検出信号を動きの検出結果として低減指示部107に供給する。
【0156】
一方、ステップS93において、画像データを取得するバッファとして、第1低速動き検出用バッファ203が指定されていないと判定された場合、第1低速動き検出用バッファ203からは画像データを取得しないので、ステップS95に進み、低速動き検出部206は、制御部205の制御の基に、画像データを取得するバッファとして指定された、基準フレームバッファ101および第2低速動き検出用バッファ204から、それぞれ1フレーム分の画像データを取得し、取得した画像データを基に、CCDカメラ53が撮像した画像から動きを検出する。低速動き検出部206は動きを検出すると、その動きの検出結果を示す検出信号を生成して、低減指示部107に供給して、処理はステップS91に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0157】
高速動き検出部105または低速動き検出部206において、撮像された画像から動きが検出されると、高速動き検出部105または低速動き検出部206から低減指示部107に、検出の結果を示す検出信号が供給される。低減指示部107は、高速動き検出部105または低速動き検出部206から検出信号が供給されると、図8のフローチャートを参照して説明した低減指示の処理を行い、検出信号に基づいて監視領域56への人57の侵入を検知して、表示装置52に光の強度の低減を指示する。
【0158】
このようにして、高速動き検出部105は、2つの連続するフレームの画像データを基に、撮像された画像から動きを検出し、低速動き検出部206は、1つのフレームの画像データと、そのフレームの6フレーム乃至10フレーム前の画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する。
【0159】
このように、2つの連続するフレームの画像データを用いて、撮像された画像から動きを検出し、さらに、1つのフレームの画像データと、そのフレームの6フレーム乃至10フレーム前の画像データとを用いて、撮像された画像から動きを検出することによって、撮像された画像上を高速で移動するもの(人57)の動きと、低速で移動するもの(人57)の動きとをより確実に検出することができる。
【0160】
以上のように、本発明によれば、2つの連続するフレームの画像を比較して、撮像された画像上を高速で移動するものの動きを検出し、1つのフレームの画像と、そのフレームよりも2フレーム以上前のフレームの画像とを比較して撮像された画像上を低速で移動するものの動きを検出するようにしたので、高速で監視領域に侵入するものと、低速で監視領域に侵入するものとをより確実に検知することができる。
【0161】
なお、監視装置51に表示装置52およびCCDカメラ53が接続されていると説明したが、監視装置51にCCDカメラ53が組み込まれるようにしてもよく、また、監視装置51が表示装置52と一体となった構成とするようにしてもよい。
【0162】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、監視装置51は、所定のプログラムを実行するパーソナルコンピュータで実現することができる。
【0163】
図13はパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)251は、ROM(Read Only Memory)252、または記録部258に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM253には、CPU251が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU251、ROM252、およびRAM253は、バス254により相互に接続されている。
【0164】
CPU251にはまた、バス254を介して入出力インタフェース255が接続されている。入出力インタフェース255には、マイクロフォン、キーボード、マウス、スイッチなどよりなる入力部256、ディスプレイ、スピーカ、ランプなどによる出力部257が接続されている。CPU251は、入力部256から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。
【0165】
入出力インタフェース255に接続されている記録部258は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU251が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部259は、図示せぬインターネット、その他のネットワークなどの通信網を介して、外部装置と通信する。
【0166】
また、通信部259を介してプログラムを取得し、記録部258に記録してもよい。
【0167】
入出力インタフェース255に接続されているドライブ260は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア271が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部258に転送され、記録される。
【0168】
CPU251は、例えば、記録部258またはリムーバブルメディア271に記録されているプログラムを実行することによって、図6または図9に示した監視装置51の各部を実現する。
【0169】
なお、上述した一連の処理を実行させるプログラムは、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を介してコンピュータにインストールされるようにしてもよい。
【0170】
また、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0171】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】従来の画像表示システムの一実施の形態を示す図である。
【図2】従来の監視装置による監視領域へのものの侵入の検知を説明する図である。
【図3】本発明に係る画像表示システムの一実施の形態を示す図である。
【図4】ものの侵入を検知するために比較する画像のフレームを説明する図である。
【図5】監視装置による監視領域へのものの侵入の検知を説明する図である。
【図6】監視装置のより詳細な構成例を示すブロック図である。
【図7】動き検出の処理を説明するフローチャートである。
【図8】低減指示の処理を説明するフローチャートである。
【図9】監視装置のより詳細な構成例を示すブロック図である。
【図10】高速動き検出用バッファに記憶されている画像データが、第1低速動き検出用バッファまたは第2低速動き検出用バッファに供給されるタイミングを説明する図である。
【図11】記憶の処理を説明するフローチャートである。
【図12】動き検出の処理を説明するフローチャートである。
【図13】パーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0173】
51 監視装置, 52 表示装置, 53 CCDカメラ, 56 監視領域, 101 基準フレームバッファ, 102 高速動き検出用バッファ, 103 低速動き検出用バッファ, 104 制御部, 105 高速動き検出部, 106 低速動き検出部, 107 低減指示部, 121 判定部, 201 高速動き検出用バッファ, 202 切り換え回路, 203 第1低速動き検出用バッファ, 204 第2低速動き検出用バッファ, 205 制御部, 206 低速動き検出部, 251 CPU, 252 ROM, 253 RAM, 258 記録部, 271 リムーバブルメディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第3の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出手段と
を備えることを特徴とする検出装置。
【請求項2】
画像を表示させるための光を投射して、前記監視領域内または前記監視領域に囲まれた領域に画像を表示させる表示制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1の検出手段による検出結果、または前記第2の検出手段による検出結果を基に、前記監視領域にものの侵入があったか否かを判定する判定手段と、
前記監視領域にものの侵入があったと判定された場合、表示制御手段が前記監視領域内または前記監視領域に囲まれた領域に画像を表示させるために投射する光の強度の低減を指示する指示手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第4の記憶手段と、
画像データが予め定められた所定の数だけ前記第2の記憶手段に供給されるごとに、前記第2の記憶手段が記憶している1つのフレームの画像データを取得し、取得した画像データを前記第3の記憶手段、または前記第4の記憶手段に交互に供給する供給手段とをさらに備え、
前記第2の検出手段は、前記第3の記憶手段に記憶されている画像データまたは前記第4の記憶手段に記憶されている画像データを、予め定められた所定の数ずつ交互に取得して、取得した1つのフレームの画像データと前記第1の記憶手段に記憶されている1つのフレームの画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データの第1の記憶手段への記憶を制御する第1の記憶制御ステップと、
前記第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データの第2の記憶手段への記憶を制御する第2の記憶制御ステップと、
前記第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データの第3の記憶手段への記憶を制御する第3の記憶制御ステップと、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出ステップと、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出ステップと
を含むことを特徴とする検出方法。
【請求項6】
監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データの第1の記憶手段への記憶を制御する第1の記憶制御ステップと、
前記第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データの第2の記憶手段への記憶を制御する第2の記憶制御ステップと、
前記第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データの第3の記憶手段への記憶を制御する第3の記憶制御ステップと、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出ステップと、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出ステップと
を含むことを特徴とする検出処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項7】
監視の対象となる監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データの第1の記憶手段への記憶を制御する第1の記憶制御ステップと、
前記第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データの第2の記憶手段への記憶を制御する第2の記憶制御ステップと、
前記第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データの第3の記憶手段への記憶を制御する第3の記憶制御ステップと、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出ステップと、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
画像を表示させるための光を投射して、画像を表示させる表示制御手段と、
前記画像を表示させるための光が投射される領域を含む領域、または前記画像を表示させるための光が投射される領域を囲む領域を監視領域として、前記監視領域を撮像して得られた画像のうちの1つのフレームの画像データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段が記憶している画像データのフレームの1つ前のフレームの画像データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段が記憶している画像データのフレームよりも、2以上前の所定のフレームの画像データを記憶する第3の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第1の検出手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている画像データと、前記第3の記憶手段に記憶されている画像データとを基に、撮像された画像から動きを検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出結果、または前記第2の検出手段による検出結果を基に、前記監視領域にものの侵入があったか否かを判定する判定手段と、
前記監視領域にものの侵入があったと判定された場合、前記表示制御手段が投射する、前記画像を表示させるための光の強度の低減を指示する指示手段と
を備えることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−345081(P2006−345081A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167233(P2005−167233)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】