説明

検査システム

【課題】自動的に物品の欠陥または特徴を検査できる、検査システムを提供する。
【解決手段】検査システム10は、製品をスキャンして製品のイメージを生成するスキャナ12と、スキャナ12に電気的に接続され、製品のイメージを受信して分析する分析装置16と、を有する。イメージが画素マトリクスを含み、各画素がグレースケール値を有する。分析装置16がマイクロプロセッサ、メモリ及び比較モジュールを有する。マイクロプロセッサがイメージ中の各画素に関する基準グレースケール値の計算に用いられ、当該基準グレースケール値が各画素の隣に位置する画素のグレースケール値の平均値を含む。メモリは各画素に関する基準グレースケール値と基準グレースケール値に関する閾値の保存に用いる。比較モジュールはイメージ中の各画素のグレースケール値と各画素に関する閾値の比較に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学検査に関し、特に、スキャナを使用して関連の物品の欠陥や特徴を検査する、検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(Liquid crystal display、LCD)装置などのディスプレイ装置は、文字、イメージ、動画を含む情報を電子式に表示するために用いられる。LCDは、偏光フィルタ、ガラス基板、カラーフィルタ、液晶、反射表面など複数のレイヤを有し、それらが前記LCDの品質を決定付ける。LCDが合格のLCDであるかどうかを検査する、すなわち、前記LCDの欠陥があらかじめ定めた数量より少ないかどうかを検査するには、肉眼で検査することも可能である。しかし、肉眼での検査はLCDの大量生産において時間と手間がかかり、不正確になることがある。さらに、半導体製造の進歩に伴い、サイズの小型化を特徴とするLCD製品を肉眼で検査することは困難になる場合がある。
【0003】
このため、自動的に物品(例えばLCD装置中に有するレイヤ)の欠陥または特徴を検査できる検査システムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自動的に物品(例えばLCD装置中に有するレイヤ)の欠陥または特徴を検査できる、検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施の形態は製品の検査に用いる検査システムを提供する。前記検査システムは、前記製品のスキャンに用いられ、前記製品のイメージを生成し、当該イメージが画素マトリクスを含み、その各画素マトリクスがグレースケール値を有する、スキャナと、前記スキャナに電気的に接続され、前記イメージを受信して分析する分析装置と、を備え、当該分析装置は、前記イメージ中の各画素に関する基準グレースケール値の計算に用いられるマイクロプロセッサであって、前記基準グレースケール値が前記各画素の隣に位置する画素のグレースケール値の平均値を含む、マイクロプロセッサと、前記各画素に関する基準グレースケール値と、前記基準グレースケール値に関する少なくとも1つの閾値とを保存するために用いられるメモリと、前記イメージ中の各画素のグレースケール値と前記各画素に関する前記少なくとも1つの閾値とを比較するために用いられる比較モジュールと、を含む。
【0006】
本発明のいくつかの実施の形態は製品の検査に用いるシステムを提供することができる。前記システムは、第1方向上に設置された複数のスキャナユニットを含み、且つ前記第1方向に垂直な第2方向上で前記製品をスキャンするよう構成され、前記スキャナが前記製品のイメージを生成し、前記イメージが画素マトリクスを含み、その各画素マトリクスがグレースケール値を有する、スキャナと、前記イメージ中の前記各画素の基準グレースケール値の計算に用いられるマイクロプロセッサであって、前記基準グレースケール値が前記各画素の隣に位置する画素のグレースケール値の平均値を含む、マイクロプロセッサと、前記イメージ中の前記各画素のグレースケール値と前記各画素に関する第1閾値と第2閾値との比較に用いられる比較モジュールであって、前記第1閾値が前記基準グレースケール値の上限を含み、且つ前記第2閾値が前記基準グレースケール値の下限を含む、比較モジュールと、を備える。
【0007】
本発明の実施の形態はほかの製品の検査に用いるシステムを提供することもできる。前記システムは、前記製品をスキャンし、前記製品の第1イメージを生成する第1スキャナと、前記製品をスキャンし、前記製品の第2イメージを生成する第2スキャナと、前記スキャナに電気的に接続され、前記製品の前記第1イメージと第2イメージとを受信して分析する分析装置と、を備え、前記第1イメージが画素マトリクスを含み、その各画素がグレースケール値を有し、前記第2イメージが画素マトリクスを含み、その各画素がグレースケール値を有し、前記分析装置は、前記第1イメージと第2イメージ中の前記各画素に関する基準グレースケール値の計算に用いられるマイクロプロセッサであって、前記基準グレースケール値が前記各画素の隣に位置する画素のグレースケール値の平均値を含むマイクロプロセッサと、前記第1イメージと第2イメージ中の各画素に関する前記基準グレースケール値と、前記基準グレースケール値に関する少なくとも1つの閾値とを保存するために用いられるメモリと、前記第1イメージと第2イメージ中の各画素のグレースケール値と前記各画素に関する前記少なくとも1つの閾値とを比較するために用いられる比較モジュールと、を含む。
【0008】
本発明の追加の特徴と利点は、下記の説明において一部が述べられ、且つその説明から本発明の一部を理解でき、或いは本発明の実施により習得でき得る。添付の特許請求の範囲において特に列記される要素及び組み合わせによって本発明の特徴と利点は理解され、且つその特徴と利点を達成することができる。
【0009】
上記の概要説明及び下記の詳細説明はすべて本発明の例示および説明に用いられ、本発明の特許請求の範囲の発明を限定しない。
【0010】
本発明の要約及び詳細な説明は、添付の図面を併せて参照すると、より明確に理解することができる。本発明の説明を目的として、各図面に実施の形態を示す。しかしながら、本発明は各実施の形態として描かれたとおりの配置方式及び設備装置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の一実施の形態の検査に用いるシステムの概略図である。
【図1B】本発明の一実施の形態の図1Aに示す分析装置のブロック図である。
【図2A】本発明の一実施の形態の図1Aに示すシステム内で調整して使用されるスキャナの概略図である。
【図2B】本発明の一実施の形態の図1Aに示すシステム内で調整して使用される他のスキャナの概略図である。
【図3A】本発明の他の実施の形態の検査に用いるシステムの概略図である。
【図3B】本発明のさらに他の実施の形態の検査に用いるシステムの概略図である。
【図3C】本発明のまた他の実施の形態の検査に用いるシステムの概略図である。
【図3D】本発明のさらにまた他の実施の形態の検査に用いるシステムの概略図である。
【図4】本発明の一実施の形態の検査方法のフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施の形態の検査方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本発明の実施の形態を詳細に説明する。それら実施の形態は添付の図面に図示されている。同じまたは類似の部材は、すべての図面において可能な限り同じ符号を用いて表すこととする。
【0013】
〔実施の形態1〕
図1Aに本発明の一実施の形態の検査システム10を示す。図1Aに示すように、システム10は、例えばパネル11などの検査中の製品、スキャナ12、信号生成器14、分析装置16を含む。
【0014】
検査を行うパネル11は支持フレーム13の中に配置することができる。このほか、パネル11はディスプレイパネルを含むがこれに限定されず、例えば液晶ディスプレイ(LCD)パネルは、偏光フィルタ、ガラス基板、カラーフィルタ、液晶層など1または2以上のレイヤを含む。製造上の要因によって、パネル11は前記レイヤ中に例えばひっかき傷、亀裂、気泡、穴、埃など、1種類または多種類の欠陥の少なくとも1つを含むことがある。
【0015】
モータ15が駆動されると、スキャナ12はあらかじめ定めた速度でパネル11に相対して移動する。具体的には、スキャナ12は第1方向(例えば行方向)上に設置された複数のセンサセルを含み、スキャナ12が第2方向(例えば矢印で示す列方向)上に移動するとき、パネル11をスキャンする。さらに、スキャナ12とパネル11の間の距離は、機械アーム(図示しない)で調整し、パネル11の検査が必要なレイヤを検査できるようにする。
【0016】
スキャナ12はパネル11をスキャンした後、データを分析装置16に提供する。前記データは画素マトリクス中のパネル11のイメージを含む。これにより、前記イメージは前記各画素の位置または座標の情報を提供する。このほか、前記各画素は光線量の強度に対応する情報を持つ。具体的には、各画素はグレースケール値を有し、その範囲は例えば0〜255とすることができ、そのうち「0」は黒を表し、「255」は白を表す。
【0017】
信号生成器14はパネル11に電気的に接続され、パネル11上での表示に用いる必要なパターン(図案)の生成に用いる。前記パターンに基づき、パネル11は検査に用いる特定の色彩のビデオフレームを生成する。一実施例において、前記パターンは赤色、緑色、青色、灰色、白、黒のいずれかを含むが、それに限定されない。例えば、黒のテレビフレームはパネル11中の輝点の検査に用いることができる。代替例において、白のテレビフレームはパネル11中の黒点の検査に用いることができる。さらに、灰色のテレビフレームはパネル11中の輝点と黒点の検査に用いることができる。
【0018】
分析装置16は、パーソナルコンピュータまたはワークステーションコンピュータのように、例えば演算装置を含むことができる。分析装置16はスキャナ12に電気的に接続することができ、且つスキャナ12から伝送されてくるスキャンデータを分析するように構成する。前記検査の結果の報告は分析装置16が提供する。欠陥がある場合、前記報告はパネル11中の欠陥の数、欠陥の種類(引っかき傷、亀裂、穴、外部異物など)、欠陥の位置または座標を含むが、これらに限定されない。
【0019】
操作においては、検査の前に初期化手順を実行し、システムパラメータを較正する。システムパラメータはディスプレイパターン、スキャナの感度、前記スキャナと検査中の製品の間の距離を含む。前記初期化段階において、検査を行う前記製品のサンプルを提供する。前記サンプル製品は、多層製品または単層製品を含むことができる。一実施例において、前記多層製品はパネル11、タッチパネル、ウェハ、プリント配線板(Printed circuit board、PCB)などやディスプレイパネルを含むことができ、前記単層製品はガラス層、カラーフィルタ、ダイヤモンド、コンタクトレンズなどを含むことができる。
【0020】
前記サンプル製品がディスプレイパネルの場合、信号生成器14は必要なパターンを生成する。前記の例において、LCDパネルのバックライトモジュールなどの光線モジュールをオンにする。その後機械アームでスキャナ12を調整し、前記サンプル製品中の注目したい一層に焦点を合わせられるよう確保する。本発明に基づく一実施例において、スキャナ12の焦点距離は約15±1ミリメートル(mm)とすることができる。つまり、スキャナ12が約14mmの近焦点、及び約16mmの遠焦点を有するように設計することができる。このほか、半導体製造製品と仮定した場合、そのうちの各層の厚さは約2mmである。これにより、スキャナ12と前記製品の間の距離を調整することで、特定のレイヤを検査することができる。
【0021】
さらに、較正段階において、検査に用いるスキャナ12の各センサセルに関する第1閾値と第2閾値を決定する。製造上の要因のため、例えば前記サンプル製品中の一画素が128のグレースケール値を有するとき、スキャナ12の異なるセンサセルによって読み取る際に異なる数値を示すことがある。例えば、第1センサセルの読み取り数値が148、第2センサセルの読み取り数値が108、などである。スキャナ12の前記センサセルの感度は一致していないかもしれないが、各センサセルが一列の画素のスキャンを担当したとき、そのスキャンの感度において一致した偏移を有する。これにより、同一のセンサセルでスキャンしたとき、欠陥画素があればグレースケール値は明らかにその隣り合う画素の平均グレースケール値と異なり、前記欠陥画素を検出することができる。これにより、例えば前記第1センサセルは第1閾値BGV+10%、及び第2閾値BGV−20%を有することができ、そのうち「BGV」は「バックグラウンドグレースケール値」または基準値であり、これは問題の一画素の周囲にある画素の平均グレースケール値である。このほか、前記センサセルは第1閾値BGV+10%と第2閾値BGV−20%を有することができ、そのうちBGVはBGVと異なるものとすることができる。パネル11も製造上の要因によりディスプレイ感度を一致させることはできないため、各画素間において各センサセルの基準値BGVは同じでなくともよい。
【0022】
隣り合う画素の数と前記基準値の計算は、品質の要請に応じて定めることができる。一実施例において、4つまたは5つの隣り合う画素を選択することができ、且つそれらのグレースケール値は同じ加重を利用して平均することができる。別の実施例において、6つまたは7つの隣り合う画素を選択し、且つそれらのグレースケール値は異なる加重を利用して平均することができる。これにより、前記第1センサセルを一実施の形態とすると、第1画素がその隣り合う画素に関する基準グレースケール値の10%より大きいグレースケール値を有する場合、前記第1画素を輝点と認定することができる。さらに、第2画素がその隣り合う画素に関する基準グレースケール値の20%より小さいグレースケール値を有する場合、前記第2画素を暗点と認定することができる。上限(+10%)と下限(−20%)の間の範囲も品質の要請に応じて定めることができる。前記較正のシステムパラメータと前記閾値、及び前記サンプル製品中の各画素に対する各センサセルの基準グレースケール値を分析装置16中に保存することができる。
【0023】
続いて、複数の前記製品をスキャナ12が一つ一つ連続してスキャンする。前記画素のグレースケール値と座標を含む前記各製品のイメージが分析装置16に伝送され、その中に保存される。分析装置16は各画素のグレースケール値と前記各画素の基準グレースケール値を比較し、前記グレースケール値が第1閾値より大きいか、または第2閾値より小さいかを判定する。具体的には、隣り合う画素の基準グレースケール値と明らかに異なるグレースケール値を有する画素を識別することができる。
【0024】
前記各製品中の欠陥の数は分析装置16中で計算する。このほか、本発明に基づく一実施例において、分析装置16は欠陥の数に応じて前記製品にランク付けをするよう構成することができる。例えば、寸法及び品質の要請に基づき、A級製品は例えば欠陥が3個より少ないもの、B級製品は欠陥が4個を超えるものをそれぞれ代表することができる。さらに、前記各製品中の欠陥(ある場合)の位置または座標を分析装置16が提供する。
【0025】
図1Bは本発明に基づく一実施の形態であり、図1Aに示す分析装置16のブロック図である。図1Bに示すように、分析装置16は、マイクロプロセッサ161、メモリ162、比較モジュール163、ランク付けモジュール164及びマッピングモジュール165を含む。マイクロプロセッサ161は、サンプル製品のサンプルイメージと検査製品のスキャンイメージ、比較モジュール163、ランク付けモジュール164、マッピングモジュール165の作業の座標を含むイメージデータをスキャナ12から受信する。このほか、マイクロプロセッサ161はイメージ中の各画素の基準グレースケール値を計算する。メモリ162は前記較正のデータ、基準グレースケール値、閾値、サンプルイメージ、スキャンイメージを保存するために用いる。比較モジュール163はグレースケール値で画素と閾値を比較し、欠陥のある画素を識別するように構成する。前記各製品中の欠陥の数は、例えばマイクロプロセッサ161で計算することができる。ランク付けモジュール164は欠陥の数に基づいて前記製品をランク付けするように構成する。マッピングモジュール165は座標システム中で欠陥(ある場合)をマッピングするように構成する。マイクロプロセッサ161は前記各製品中の欠陥の数、前記各製品の等級または品質、前記各製品中の欠陥(ある場合)の位置、及び欠陥の種類の報告を提供することができる。
【0026】
当業者であれば分かるように、比較モジュール163、ランク付けモジュール164、マッピングモジュール165はハードウェアまたはソフトウェア中で実施することができ、そのうち前者は操作速度の観点から比較的有利であり、後者は設計の複雑度の観点から比較的コストを節約することができる。
【0027】
図2Aは本発明に基づく一実施の形態であり、図1Aに示すシステム10内で調整して使用されるスキャナ12−1の概略図である。図2Aに示すように、スキャナ12−1は第1行と第2行中に設置された複数のスキャナユニットまたはスキャンチャンネル「CH0」から「CH17」を含む。前記スキャナユニットの第1行と第2行は互い違いとすることができる。このほか、前記各スキャナユニットCH0からCH17は、複数のセンサセル21を含むことができる。各センサセル21はすべて電荷結合素子(Charge coupled device、CCD)センサまたは相補型金属酸化膜半導体(Complementary metal−oxide−semiconductor、CMOS)センサのいずれかを含むことができる。異なる行中の隣り合うスキャナユニット(例えばCH0とCH1)の間にいかなる間隙もないようにするため、隣接するスキャナユニットCH0とCH1は相互にあらかじめ定めた数のセンサセル(例えば6つのセンサセル)が重なり合うようにすることができる。同様に、第2行中の隣り合うスキャナユニットCH1と第1行中のCH2も相互に6つのセンサセルが重なり合うようにすることができる。
【0028】
本発明に基づく一実施例において、前記各スキャナユニットCH0からCH17は344個のセンサセルを含み、且つ各センサセル21の寸法は約40マイクロメートル(μm)×40μmとすることができる。これにより、スキャナ12−1は1インチ当たり約600dpi(Dots per inch)の解像度を提供することができる。別の実施例において、各スキャナユニットCH0からCH17は344個のセンサセル21を含み、その各センサセル21の寸法は約10μm×10μmとすることができる。これにより、スキャナ12−1は約2400dpiの解像度を提供することができる。
【0029】
当業者であれば分かるように、前記スキャナユニットは本実施の形態において18個のスキャナユニットCH0からCH17を使用しているが、その数は実際の応用に合わせて増加または減少することができる。
【0030】
前述のように、前記較正段階の期間において、スキャナの各センサセルを較正する。スキャナ12−1が18個のスキャナユニットCH0からCH17を含み、その各スキャナユニットが344個のセンサセル21を含むと仮定すると、前記較正手順はかなり時間がかかり、且つ基準グレースケール値とセンサセル21に関する閾値を保存するために大量のメモリを必要とする。ただし、同一のスキャナユニット中のセンサセルは同一の半導体プロセスで製造できるため、その感度は実質上同様にできる。代替例において、前記較正段階の期間はスキャナの前記スキャナユニットを較正するのみである。
【0031】
図2Bは本発明に基づく別の実施の形態であり、図1Aに示すシステム10で調整を経て使用されるスキャナ12−2の概略図である。図2Bに示すように、スキャナ12−2は単一のスキャナユニットCH18を含むことができる。スキャナユニットCH18は一行に設置された複数のセンサセル22を含むことができ、そのうち、少なくとも2個のセンサセル22がカラーフィルタ25の副画素250のスキャンを担当する。つまり、スキャナ12−2のセンサセル22の密度はカラーフィルタ25の副画素250の少なくとも2倍とし、カメラにおいて発生する「エイリアシング」(aliasing)効果を回避することができる。
【0032】
〔実施の形態2〕
図3Aは本発明に基づく他の実施の形態であり、検査に用いるシステム30の図である。そのうち、下方部がシステム30の正面図であり、上方部がシステム30の上面図である。図3Aに示すように、例えばベルトコンベア38で支持フレーム13を代替できるほか、システム30は図1Aで例示したシステム10と同様にできる。具体的には、検査を行う製品31はベルトコンベア38上に配置し、ベルトコンベア38に伴って移動させることができる。このため、製品31の連続検査を達成できる。システム30は、第1スキャナ32−1を含み、図1Aに示すスキャナ12と異なり、前記第1スキャナ32−1は分析装置16に対して固定されている。このほか、システム30はさらに検査に用いる第1光源37−1を含む。本実施の形態において、第1スキャナ32−1と第1光源37−1は検査中の製品31の同じ側に設置することができる。
【0033】
第1スキャナ32−1は製品31から第1距離の場所に設置することができ、且つ製品31中の検査対象の第1層に関する第1イメージを生成する。さらに、システム30は第2スキャナ32−2を含むことができ、製品31の同じ側に設置され、且つ製品31から第2距離の場所に設置される。第2スキャナ32−2は製品31中の検査対象の第2層に関する第2イメージを生成する。2つ以上のスキャナ32−1と32−2を使用し、製品31の第1イメージと第2イメージを比較することで、製品31中の特定の層の欠陥を識別することができる。例えば、1つの輝点が第1スキャナ32−1でスキャンしたとき関連の上閾値12%より大きく、且つ第2スキャナ32−2でスキャンしたとき関連の上閾値18%より大きい場合、前記輝点は製品31の第2層内またはその付近にあると判定する。つまり、例えば比較モジュール163で基準グレースケール値の上限または下限からの偏移量を比較することで前記特定層を識別することができる。具体的には、比較モジュール163は第1イメージ中の一画素に関する少なくとも1つの閾値からの第1偏移量と、第2イメージ中の前記画素に関する少なくとも1つの閾値からの第2偏移量を比較して、特定の欠陥がある層を判定できるように構成する。第1光源37−1の光線強度、前記第1距離、第2距離は前記初期化段階において較正することができる。
【0034】
〔実施の形態3〕
図3Bは本発明に基づくさらに他の実施の形態であり、検査に用いるシステム30−1の概略図を示す。図3Bに示すように、第1スキャナ32−1と第1光源37−1は検査中の製品31の異なる側に設置することができる。本実施の形態において製品31は光学的に透明であり、一層または複数層の透明層を含む。
【0035】
〔実施の形態4〕
図3Cは本発明に基づくまた他の実施の形態であり、検査に用いるシステム30−2の概略図を示す。図3Cに示すように、例えば第2スキャナ32−2を運用することを除き、システム30−2は図3Bに示すシステム30−1と同様にできる。具体的には、第1スキャナ32−1と第2スキャナ32−2は製品31の一方側に設置でき、第1光源37−1は製品31の他方側に設置することができる。さらに、第1スキャナ32−1は製品31から第1距離dの場所に設置し、第2スキャナ32−2は製品31から第2距離dの場所に設置して、製品31中の欠陥を有する特定の層の存在を識別することができるようにする。
【0036】
〔実施の形態5〕
図3Dは本発明に基づくさらにまた他の実施の形態であり、検査に用いるシステム30−3の概略図を示す。図3Dに示すように、第1スキャナ32−1と第1光源37−1は前記製品の一方側に設置でき、第2スキャナ32−2と第2光源37−2は製品31の他方側に設置することができる。本実施の形態において製品31は多層を含むことができ、第1層(図示しない)、第2層(図示しない)、及び前記第1層と第2層の間の少なくとも1つの中間層を含むことができる。前記少なくとも1つの中間層は光学的に不透明の層にでき、例えば導線や回路アセンブリなどの装置部材を含むことができる。前述の構成により、多層の製品31の前記第1層と第2層を同時にスキャンすることができる。
【0037】
図4に本発明に基づく一実施の形態の検査方法のフローチャートを示す。図4に示すように、工程401では、検査を行ういくつかの製品のうちのサンプルを用意する。
【0038】
工程402では、システムパラメータ(ディスプレイパターンなど)、スキャナの感度、及び前記スキャナと前記サンプル製品の間の距離を、前記サンプル製品のスキャンによって較正する。前記スキャナの感度を較正するとき、前記サンプル製品のスキャンイメージ中の各画素の基準グレースケール値を得る。前記基準グレースケール値は各画素の周囲の画素に関する画素平均値、画素加重平均値または画素のグレースケール値とすることができる。
【0039】
工程403では、検査期間中に前記製品の欠陥を検出する際に用いる、少なくとも1つの閾値が前記各画素の基準グレースケール値に基づいて決定される。一実施の形態において、前記少なくとも1つの閾値は、輝点の検出に用いる第1閾値と、暗点の検出に用いる第2閾値を含む。
【0040】
続いて、工程404では、前記製品の検査を行う際に用いる、前記各画素に対する較正データと前記各画素の少なくとも1つの閾値を保存する。工程401から404をまとめて初期化または較正工程と呼ぶことができる。
【0041】
その後、前記各製品が工程405で1つずつスキャナによってスキャンされる。
【0042】
工程406では、前記スキャナが前記各製品のイメージを生成する。前記イメージは画素マトリクスを含み、そのうち前記各画素マトリクスはグレースケール値を有する。
【0043】
工程407では、前記イメージが前記イメージの各画素と前記各画素に関する少なくとも1つの閾値を比較して分析される。
【0044】
工程408では、ある画素のグレースケール値が少なくとも1つの閾値の上限より大きい、または下限より小さい場合、前記画素を欠陥のある画素と認定する。前記各製品の中の欠陥数を計算する。
【0045】
前記画素はマトリクス中に設置されているため、工程409では、前記各欠陥(ある場合)の位置または座標が識別される。
【0046】
続いて、工程410では、前記製品が欠陥の数に基づいてランク付けされる。
【0047】
その後、工程411では前記各製品の欠陥の数、前記各製品の等級または品質、及び前記各欠陥の位置の報告が提供される。
【0048】
図5は本発明に基づく他の実施の形態の検査方法を説明するフローチャートである。図5に示すように、例えば2つのスキャナを運用できることを除き、前記方法は図4に例示して説明した方法と類似したものとすることができる。
【0049】
具体的には、工程502では、第1スキャナと第2スキャナが前記較正段階で使用される。
【0050】
その後、工程505では、検査中の製品が、前記製品から第1距離と第2距離それぞれ離して設置された第1スキャナと第2スキャナでスキャンされる。前記第1距離は前記製品中の検査対象の第1層に関連し、且つ前記第2距離は前記製品中の検査対象の第2層に関連する。
【0051】
これにより、工程506では、前記製品の第1イメージが前記第1スキャナにより生成され、前記製品の第2イメージが前記第2スキャナにより生成される。
【0052】
続いて、工程507では、前記製品の第1イメージと第2イメージが前記閾値に基づいて分析される。前記各製品において、欠陥(ある場合)の数が工程408で識別される。
【0053】
工程508では、欠陥がある前記製品のうちの1つの前記第1イメージ中の欠陥がある画素の第1偏移量と、前記第2イメージ中の欠陥がある画素の第2偏移量を比較し、それにより工程509では前記欠陥がある画素が前記製品内のどの層に位置するかを決定する。
【0054】
その後、工程511では、前記各製品の欠陥の数、前記各製品の等級または品質、及び前記製品中の前記層における欠陥の存在に関する報告が提供される。
【0055】
当業者であればわかるように、広義の発明概念を逸脱せずに上述の各実施形態を変更することが可能である。このため、本発明は開示した特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神及び範囲内で種々の変形を包含することが意図される。
【0056】
このほか、本発明の代表的な実施の形態を説明する際、本発明の方法及び/またはプロセスを特定の実施順序として表しているが、前記方法またはプロセスの範囲は本明細書で示した特定の実施順序のみに限らないため、前述した特定の実施順序に限定されない。当業者であれば、種々の実施順序があることを理解できるはずである。したがって、本明細書で示した特定の実施順序は特許請求の範囲を限定するものではない。このほか、本発明の方法及び/またはプロセスに関する特許請求の範囲を示した実施順序での実施のみに制限するべきでない。当業者であれば、前記実施順序を変更することができ、且つ、たとえ変更しても本発明の精神及び範囲内にあると理解できる。
【符号の説明】
【0057】
10 システム
11 パネル
12 スキャナ
12−1 スキャナ
12−2 スキャナ
13 支持フレーム
14 信号生成器
15 モータ
16 分析装置
21 センサセル
22 センサセル
25 カラーフィルタ
30 システム
30−1 システム
30−2 システム
30−3 システム
31 製品
32−1 第1スキャナ
32−2 第2スキャナ
37−1 第1光源
37−2 第2光源
38 ベルトコンベア
161 マイクロプロセッサ
162 メモリ
163 比較モジュール
164 ランク付けモジュール
165 マッピングモジュール
250 副画素
CH0−CH17 スキャナユニットまたはスキャンチャンネル
CH18 単一のスキャナユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の検査に用いる検査システムであって、
前記システムは、
前記製品のスキャンに用いられ、前記製品のイメージを生成し、当該イメージが画素マトリクスを含み、その各画素マトリクスがグレースケール値を有する、スキャナと、
前記スキャナに電気的に接続され、前記イメージを受信して分析する分析装置と、を備え、
当該分析装置は、
前記イメージ中の各画素に関する基準グレースケール値の計算に用いられるマイクロプロセッサであって、前記基準グレースケール値が前記各画素の隣に位置する画素のグレースケール値の平均値を含む、マイクロプロセッサと、
前記各画素に関する基準グレースケール値と、前記基準グレースケール値に関する少なくとも1つの閾値とを保存するために用いられるメモリと、
前記イメージ中の各画素のグレースケール値と前記各画素に関する前記少なくとも1つの閾値とを比較するために用いられる比較モジュールと、を含むことを特徴とする検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検査システムにおいて、前記スキャナが第1方向上に設置された複数のスキャナユニットを含み、且つ前記スキャナが前記第1方向に垂直な第2方向上で前記製品に相対して移動するよう構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検査システムにおいて、前記スキャナが第1行のスキャナユニットと第2行のスキャナユニットとを含み、前記第1行と第2行のスキャナユニットが互い違いに配置されたことを特徴とする検査システム。
【請求項4】
請求項3に記載の検査システムにおいて、前記各スキャナユニットが複数のセンサセルを含み、且つ前記第1行中のスキャナユニットと前記第2行中の隣接するスキャナユニットの一定の数のセンサセルが重なり合うよう配置されたことを特徴とする検査システム。
【請求項5】
請求項3に記載の検査システムにおいて、前記各スキャナユニットが複数のセンサセルを含み、且つ前記各スキャナユニット中のセンサセルの密度が、前記製品中の副画素の密度の2倍に等しい、または2倍より大きいことを特徴とする検査システム。
【請求項6】
請求項1に記載の検査システムにおいて、さらに欠陥の数に基づいて複数の製品をランク付けするために用いるランク付けモジュールを含むことを特徴とする検査システム。
【請求項7】
請求項1に記載の検査システムにおいて、前記少なくとも1つの閾値が、前記基準グレースケール値の上限とする第1閾値と、前記基準グレースケール値の下限とする第2閾値とを含むことを特徴とする検査システム。
【請求項8】
請求項1に記載の検査システムにおいて、前記スキャナが前記製品の第1層をスキャンして第1イメージを生成する第1スキャナであり、さらに、前記製品の第2層をスキャンして第2イメージを生成する第2スキャナを含むことを特徴とする検査システム。
【請求項9】
請求項8に記載の検査システムにおいて、前記比較モジュールが、前記第1イメージ中の一画素に関する少なくとも1つの閾値からの第1偏移量と、前記第2イメージ中の前記画素に関する少なくとも1つの閾値からの第2偏移量とを比較するよう構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項10】
製品の検査に用いる検査システムであって、
前記システムは、
第1方向上に設置された複数のスキャナユニットを含み、且つ前記第1方向に垂直な第2方向上で前記製品をスキャンするよう構成され、前記スキャナが前記製品のイメージを生成し、前記イメージが画素マトリクスを含み、その各画素マトリクスがグレースケール値を有する、スキャナと、
前記イメージ中の前記各画素の基準グレースケール値の計算に用いられるマイクロプロセッサであって、前記基準グレースケール値が前記各画素の隣に位置する画素のグレースケール値の平均値を含む、マイクロプロセッサと、
前記イメージ中の前記各画素のグレースケール値と前記各画素に関する第1閾値と第2閾値との比較に用いられる比較モジュールであって、前記第1閾値が前記基準グレースケール値の上限を含み、且つ前記第2閾値が前記基準グレースケール値の下限を含む、比較モジュールと、を備えることを特徴とする検査システム。
【請求項11】
請求項10に記載の検査システムにおいて、さらに前記各画素に関する前記基準グレースケール値と、前記基準グレースケール値に関する前記第1閾値および第2閾値とを保存するために用いられるメモリを含むことを特徴とする検査システム。
【請求項12】
請求項10に記載の検査システムにおいて、前記スキャナが第1行のスキャナユニットと第2行のスキャナユニットとを含み、前記第1行と第2行のスキャナユニットが互い違いに配置されたことを特徴とする検査システム。
【請求項13】
請求項12に記載の検査システムにおいて、前記各スキャナユニットが複数のセンサセルを含み、且つ前記第1行中のスキャナユニットと前記第2行中の隣接するスキャナユニットの一定の数のセンサセルが重なり合うよう配置されたことを特徴とする検査システム。
【請求項14】
請求項12に記載の検査システムにおいて、前記各スキャナユニットが複数のセンサセルを含み、且つ前記各スキャナユニット中の前記センサセルの密度が、前記製品中の副画素の密度の2倍に等しい、または2倍より大きいことを特徴とする検査システム。
【請求項15】
請求項10に記載の検査システムにおいて、さらに欠陥の数に基づいて複数の製品をランク付けするために用いるランク付けモジュールを含むことを特徴とする検査システム。
【請求項16】
製品の検査に用いる検査システムであって、
前記システムは、
前記製品をスキャンし、前記製品の第1イメージを生成する第1スキャナと、
前記製品をスキャンし、前記製品の第2イメージを生成する第2スキャナと、
前記スキャナに電気的に接続され、前記製品の前記第1イメージと第2イメージとを受信して分析する分析装置と、を備え、
前記第1イメージが画素マトリクスを含み、その各画素がグレースケール値を有し、前記第2イメージが画素マトリクスを含み、その各画素がグレースケール値を有し、
前記分析装置は、
前記第1イメージと第2イメージ中の前記各画素に関する基準グレースケール値の計算に用いられるマイクロプロセッサであって、前記基準グレースケール値が前記各画素の隣に位置する画素のグレースケール値の平均値を含むマイクロプロセッサと、
前記第1イメージと第2イメージ中の各画素に関する前記基準グレースケール値と、前記基準グレースケール値に関する少なくとも1つの閾値とを保存するために用いられるメモリと、
前記第1イメージと第2イメージ中の各画素のグレースケール値と前記各画素に関する前記少なくとも1つの閾値とを比較するために用いられる比較モジュールと、を含むことを特徴とする検査システム。
【請求項17】
請求項16に記載の検査システムにおいて、前記スキャナが第1方向上に設置された複数のスキャナユニットを含み、且つ前記スキャナが前記第1方向に垂直な第2方向上で前記製品に相対して移動するよう構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項18】
請求項17に記載の検査システムにおいて、前記スキャナが第1行のスキャナユニットと第2行のスキャナユニットとを含み、前記第1行と第2行のスキャナユニットが互い違いに配置されたことを特徴とする検査システム。
【請求項19】
請求項16に記載の検査システムにおいて、前記少なくとも1つの閾値が、前記基準グレースケール値の上限とする第1閾値と、前記基準グレースケール値の下限とする第2閾値とを含むことを特徴とする検査システム。
【請求項20】
請求項16に記載の検査システムにおいて、前記比較モジュールが、前記第1イメージ中の一画素に関する少なくとも1つの閾値からの第1偏移量と、前記第2イメージ中の前記画素に関する少なくとも1つの閾値からの第2偏移量とを比較するよう構成されたことを特徴とする検査システム。

【図1B】
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【図4】
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【図5】
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【図1A】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公開番号】特開2011−209261(P2011−209261A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168602(P2010−168602)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(508126000)
【氏名又は名称原語表記】Cooper S.K.Kuo
【住所又は居所原語表記】4F.,No.6,Lane 195,Sec.4,Shing Lung Rd.,Wen Shan,Taipei 116,Taiwan,R.O.C.
【Fターム(参考)】