説明

検査装置及び方法

【課題】検査対象回路が正常に機能しているか否かを電源電圧の立ち上がり期間に拘らず高精度に検査することができる半導体集積回路、検査装置及び方法を提供する。
【解決手段】検査装置10を、POR回路102の出力端子102Cから第1入力端子14Aにリセット信号が入力されたときに出力端子14Cからリセット信号と同レベルのリセット実行信号の出力を開始し、制御装置18の出力端子から第2入力端子14Bにトリガ信号が入力されたときにリセット実行信号の出力を終了して出力端子14Cからリセット解除信号と同レベルの解除実行信号の出力を開始するリセット制御回路14と、リセット制御回路14から出力された信号が予め定められたレベルであるか否かを判定することによりPOR回路102が正常に機能しているか否かを判定するテスタ124と、を含んで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置及び方法に係り、特に、直流電圧を印加した際に論理回路を初期化するためのパワーオンリセット回路の動作状態を検査するための検査回路及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラッチ回路やフリップフロップなどを有する半導体集積回路は、電源電圧として直流電圧が印加された際(パワーオン時)に出力される信号の論理値が定まらないことが知られている。そのため、半導体集積回路には、直流電圧が印加された際に出力される信号の論理値として常に所定値(リセットした値)を得るためにパワーオンリセット回路(以下、「POR回路」という。)が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。半導体集積回路の信頼性を高めるためにも、POR回路が正常に機能しているか否かを検査することは非常に重要である。
【0003】
図5には、従来の検査装置50の一例が示されている。同図に示すように、検査装置50は、半導体集積回路100の一部構成要素、制御装置122及びテスタ124を含んで構成されている。半導体集積回路100は、電圧印加端子102A、接地端子102B及び出力端子102Cを備えたPOR回路102と、入力端子104A及び出力端子104Bを備えた内部ロジック回路104と、入力端子106A及び出力端子106Bを備えたテスト信号発生回路106と、AND回路110,112及びOR回路114を備えたマルチプレクサとしてのセレクタ回路116と、外部入力端子118と、外部出力端子120と、を含んで構成されている。なお、検査装置50及び半導体集積回路100には電源電圧としての直流電圧VDDが印加される。
【0004】
POR回路102は、半導体集積回路100に直流電圧VDDが印加された際に内部ロジック回路104を初期化(以下、「リセット」という。)するためのものであり、出力端子102Cが信号線Aを介して内部ロジック回路104の入力端子104Aに接続されており、電圧印加端子102Aに直流電圧VDDが、接地端子102Bに接地(GND)電圧が各々印加される。POR回路102は、内部ロジック回路104をリセットするために、ローレベルのリセット信号を直流電圧VDDの立ち上がり期間として予め定められた期間出力し、直流電圧VDDの立ち上がりが終了したとき、すなわち、直流電圧VDDが印加されてから予め定められた期間が経過したとき、内部ロジック回路104のリセット状態を解除するために、直流電圧VDDの立ち上がりを利用してそのリセット信号の信号レベルをローレベルからハイレベルまで立ち上げる(遷移させる)。
【0005】
テスト信号発生回路106は、入力端子106Aが外部入力端子118に接続されており、直流電圧VDDの立ち上がりが止まったときに、すなわち、直流電圧VDDの立ち上がり期間として予め定められた期間が経過したときに、所定の信号レベルのテスト信号を出力端子106Bから出力すると共にその信号レベルを固定する。
【0006】
セレクタ回路116のAND回路110は、正論理入力端子110A、負論理入力端子110B及び出力端子110Cを備えており、正論理入力端子110Aが信号線Bを介して内部ロジック回路104の出力端子104Bに、負論理入力端子110Bが信号線Cを介してテスト信号発生回路106の出力端子106Bに各々接続されている。また、セレクタ回路116のAND回路112は、正論理入力端子112A,112B及び出力端子112Cを備えており、正論理入力端子112Aが信号線Aに、正論理入力端子112Bが信号線Cに各々接続されている。更に、セレクタ回路116のOR回路114は、正論理入力端子114A,114B及び出力端子114Cを備えており、正論理入力端子114AがAND回路110の出力端子110Cに、正論理入力端子114BがAND回路112の出力端子112Cに、出力端子114Cが信号線Dを介して外部出力端子120に各々接続されている。従って、セレクタ回路116は、テスト信号発生回路106から出力されたテスト信号に基づいて、内部ロジック回路104から入力された信号及びPOR回路102から入力された信号の何れかと同レベルの信号を外部出力端子120に出力する。
【0007】
外部入力端子118には制御装置122が接続されている。制御装置122は、半導体集積回路100の動作を制御するものであり、直流電圧VDDの立ち上がりが終了したときに、テスト信号の出力開始を指示する指示信号を外部入力端子118を介してテスト信号発生回路106に出力する。これに応じて、テスト信号発生回路106は、所定の信号レベルのテスト信号を発生して出力端子106Bから出力する。
【0008】
外部出力端子120にはテスタ124の入力端子が接続されている。テスタ124は、外部出力端子120を介してセレクタ回路116から入力された信号の論理値からPOR回路102が正常に機能しているか否かを検査するものである。
【0009】
図6には、検査装置50及び半導体集積回路100に直流電圧VDDが印加された際の信号線A〜Dの信号レベルの遷移状態が示されている。同図の信号線Aのタイムチャートに示すように、POR回路102は、直流電圧VDDの印加が開始されるとローレベルのリセット信号の出力を開始する。これに応じて、内部ロジック回路104から出力される信号の信号レベルは、同図の信号線Bのタイムチャートに示すようにハイレベルまたはローレベルとなる。このとき、セレクタ回路116は、内部ロジック回路104から入力された信号及びテスト信号発生回路106から入力されたローレベルの信号を反転したハイレベルの信号の論理積とPOR回路102から入力されたリセット信号及びテスト信号発生回路106から入力されたローレベルの信号の論理積との論理和を示す信号を出力する。なお、同図の信号線Dのタイムチャートには、ローレベルの信号が出力された状態の一例が示されている。
【0010】
一方、直流電圧VDDの立ち上がりを利用して同図の信号線Aのタイムチャートに示すようにリセット信号の信号レベルがハイレベルまで立ち上がると、これに同期してテスト信号発生回路106は制御装置122の指示に従ってテスト信号を出力する。このとき、セレクタ回路116は、内部ロジック回路104から入力された信号及びテスト信号発生回路106から入力されたハイレベルのテスト信号を反転したローレベルの信号の論理積とPOR回路102から入力されたリセット解除信号及びテスト信号発生回路106から入力されたテスト信号の論理積との論理和を示す信号、すなわち、同図の信号線Dに示すようなH信号を出力する。
【0011】
そして、テスタ124は、直流電圧VDDの立ち上がり期間に半導体集積回路100から入力された信号がローレベルの信号であり、直流電圧VDDの立ち上がり期間経過後に半導体集積回路100から入力された信号がハイレベルの信号である場合にPOR回路102が正常に機能していると判定する。
【0012】
ところで、検査対象回路としてのPOR回路102は、抵抗体(R)として機能するPチャネル型MOSトランジスタ及び容量性素子(C)として機能するNチャネル型MOSトランジスタを含んで構成された回路でもある。そのため、Pチャネル型MOSトランジスタ及びNチャネル型MOSトランジスタを含んで構成されるRC回路の時定数に起因してリセット信号の信号レベルが所定レベルにまで達する期間になだらかな立ち上がり部分が生じる。これは、上記検査のようにPOR回路102が正常に機能しているか否かを半導体集積回路100から出力された信号の論理値から判断する場合には好ましくないことである。しかも、RC回路の時定数はPOR回路102毎の設置環境や経時劣化の度合いによって変化するため、直流電圧VDDが印加されてからどの時点でリセット解除信号が出力されるのか特定することが困難だった。そのため、従来は、直流電圧VDDの電圧値を所定のテストプログラムに従って階段状に上昇させながら出力端子114Cから出力される信号をモニタリングすることによりPOR回路102の機能を検査していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−17101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記の直流電圧VDDの電圧値を階段状に上昇させながらモニタリングするという検査方法は、直流電圧VDDの立ち上がり期間が長い場合(例えばmsオーダー以上の場合)にしか用いることができず、直流電圧VDDの立ち上がり期間が短い(μsオーダー)場合はテスタ124の動作時間の制約により検査することが困難である、という問題点があった。
【0015】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、検査対象回路が正常に機能しているか否かを電源電圧の立ち上がり期間に拘らず高精度に検査することができる検査装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の検査装置は、トリガ信号を出力するトリガ出力手段と、直流電圧が印加された際に論理回路を初期化するためのレベルを示す初期化レベルが該論理回路の初期化状態を解除するためのレベルを示す初期化解除レベルに該直流電圧の立ち上がりを利用して遷移する第1レベル遷移信号を出力する検査対象回路の出力端子に接続された第1端子、前記トリガ出力手段の出力端子に接続された第2端子、及び前記論理回路の入力端子に接続された第3端子を備え、前記検査対象回路の出力端子から前記第1端子に入力された前記初期化レベルの前記第1レベル遷移信号に応じて前記第3端子から前記初期化レベルと同レベルの初期化実行レベルで出力し、前記トリガ出力手段の出力端子から前記第2端子に入力された前記トリガ信号に応じて該初期化実行レベルが前記初期化解除レベルと同レベルの解除実行レベルに遷移する第2レベル遷移信号を出力する信号出力手段と、前記信号出力手段の第3端子から出力された信号が予め定められたレベルであるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定する判定手段と、を含んで構成されている。
【0017】
請求項1に記載の検査装置では、トリガ出力手段によりトリガ信号が出力され、直流電圧が印加された際に論理回路を初期化するためのレベルを示す初期化レベルが該論理回路の初期化状態を解除するためのレベルを示す初期化解除レベルに該直流電圧の立ち上がりを利用して遷移する第1レベル遷移信号を出力する検査対象回路の出力端子に接続された第1端子、前記トリガ出力手段の出力端子に接続された第2端子、及び前記論理回路の入力端子に接続された第3端子が備えられた信号出力手段により、前記検査対象回路の出力端子から前記第1端子に入力された前記初期化レベルの前記第1レベル遷移信号に応じて前記第3端子から前記初期化レベルと同レベルの初期化実行レベルで出力され、前記トリガ出力手段の出力端子から前記第2端子に入力された前記トリガ信号に応じて該初期化実行レベルが前記初期化解除レベルと同レベルの解除実行レベルに遷移する第2レベル遷移信号が出力される。
【0018】
そして、請求項1に記載の検査装置では、判定手段により、前記信号出力手段の第3端子から出力された信号が予め定められたレベルであるか否かが判定されることにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かが判定される。
【0019】
このように、請求項1に記載の検査装置では、検査対象回路の出力端子から初期化レベルの第1レベル遷移信号が出力されたときに信号出力手段から初期化レベルと同レベルの初期化実行レベルで出力され、トリガ出力手段の出力端子からトリガ信号が出力されたときに初期化実行レベルが初期化解除レベルと同レベルの解除実行レベルに遷移する第2レベル遷移信号が出力されるので、検査対象回路が正常に機能しているか否かを直流電圧の立ち上がり期間に拘らず高精度に検査することができる。
【0020】
なお、請求項1に記載の検査装置は、請求項2に記載の発明のように、前記検査対象回路に印加された前記直流電圧の立ち上がりが終了したときに前記初期化解除レベルと同レベルの制御信号を出力して該制御信号のレベルを保持する出力保持手段と、前記信号出力手段の第3端子に接続された第1入力端子、前記論理回路の出力端子に接続された第2入力端子、前記出力保持手段の出力端子に接続された制御端子、及び前記判定手段の入力端子に接続されたセレクタ出力端子を備え、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化実行レベルの前記第2レベル遷移信号が入力された場合、該初期化実行レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力し、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化解除レベルの前記第1レベル遷移信号が入力された場合、該初期化解除レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力するセレクタと、を更に含んで構成し、前記判定手段は、前記セレクタ出力端子から出力された信号が前記予め定められた信号であるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定するものとしてもよい。これにより、論理回路から信号レベルの安定した信号を出力させながら検査対象回路が正常に機能しているか否かを高精度に検査することができる。
【0021】
また、請求項2に記載の検査装置は、請求項3に記載の発明のように、前記初期化レベルをローレベルとし、前記初期化解除レベルをハイレベルとし、前記セレクタを、前記論理回路の出力端子から前記第2入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から出力された信号を反転した信号の論理積と前記信号出力手段の前記第3端子から前記第1入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に入力された信号の論理積との論理和を示す論理和信号を前記セレクタ出力端子から出力するマルチプレクサとしてもよい。これにより、論理回路から出力される信号の信号レベルを安定させると共に検査対象回路が正常に機能しているか否かを高精度かつ容易に検査することができる。
【0022】
また、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の検査装置は、請求項4に記載の発明のように、前記トリガ出力手段が、前記直流電圧の立ち上がりが終了し、かつ所定条件を満足したときに前記トリガ信号を出力するものとしてもよい。これにより、初期化状態が解除された時点を高精度に特定することができる。
【0023】
また、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の検査装置は、請求項5に記載の発明のように、前記信号出力手段を、前記第1端子としてのR端子、前記第2端子としてのC端子、前記第3端子としてのQ端子、及び前記直流電圧が印加されるD端子を備えたDフリップフロップとしてもよい。これにより、回路規模の大型化を抑制することができる。
【0024】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の検査方法は、直流電圧が印加された際に論理回路を初期化するためのレベルを示す初期化レベルが該論理回路の初期化状態を解除するためのレベルを示す初期化解除レベルに該直流電圧の立ち上がりを利用して遷移する第1レベル遷移信号を検査対象回路の出力端子から出力する第1ステップと、検査対象回路の出力端子に接続された第1端子、トリガ信号を出力するトリガ出力手段の出力端子に接続された第2端子、及び前記論理回路の入力端子に接続された第3端子を備えた信号出力手段の該第3端子から、前記第1ステップによって前記検査対象回路の出力端子から前記第1端子に入力された前記初期化レベルの前記第1レベル遷移信号に応じて前記初期化レベルと同レベルの初期化実行レベルで第2レベル遷移信号を出力する第2ステップと、前記トリガ出力手段の出力端子から前記トリガ信号を出力する第3ステップと、前記第2ステップによって出力された前記第2レベル遷移信号の前記初期化実行レベルが前記第3ステップによって前記トリガ出力手段の出力端子から前記第2端子に入力された前記トリガ信号に応じて前記初期化解除レベルと同レベルの解除実行レベルに遷移する第4ステップと、判定手段により、前記信号出力手段の第3端子から出力された信号が予め定められたレベルであるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定する第5ステップと、を含んで構成されている。
【0025】
従って、請求項6に記載の検査方法は、請求項1に記載の検査装置と同様に作用するので、検査対象回路が正常に機能しているか否かを直流電圧の立ち上がり期間に拘らず高精度に検査することができる。
【0026】
なお、請求項6に記載の検査方法は、請求項7に記載の発明のように、出力保持手段により、前記検査対象回路に印加された前記直流電圧の立ち上がりが終了したときに前記初期化解除レベルと同レベルの制御信号の出力を開始する第6ステップと、前記出力保持手段により該制御信号のレベルを保持する第7ステップと、前記信号出力手段の第3端子に接続された第1入力端子、前記論理回路の出力端子に接続された第2入力端子、前記出力保持手段の出力端子に接続された制御端子、及び前記判定手段の入力端子に接続されたセレクタ出力端子を備えたセレクタの該セレクタ出力端子により、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化実行レベルの前記第2レベル遷移信号が入力された場合、該初期化実行レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力する第8ステップと、前記セレクタの前記セレクタ出力端子により、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化解除レベルの前記第1レベル遷移信号が入力された場合、該初期化解除レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力する第9ステップと、を更に含んで構成し、前記第5ステップが、前記判定手段により、前記セレクタ出力端子から出力された信号が前記予め定められた信号であるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定するものとしてもよい。これにより、論理回路から信号レベルの安定した信号を出力させながら検査対象回路が正常に機能しているか否かを高精度に検査することができる。
【0027】
なお、請求項7に記載の検査方法は、請求項8に記載の発明のように、前記初期化レベルをローレベルとし、前記初期化解除レベルをハイレベルとし、前記セレクタを、前記論理回路の出力端子から前記第2入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から出力された信号を反転した信号の論理積と前記信号出力手段の前記第3端子から前記第1入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に入力された信号の論理積との論理和を示す論理和信号を前記セレクタ出力端子から出力するマルチプレクサとしてもよい。これにより、論理回路から出力される信号の信号レベルを安定させると共に検査対象回路が正常に機能しているか否かを高精度かつ容易に検査することができる。
【0028】
また、請求項6〜請求項8の何れか1項に記載の検査方法は、請求項9に記載の発明のように、前記トリガ出力手段が、前記直流電圧の立ち上がりが終了し、かつ所定条件を満足したときに前記トリガ信号を出力するものとしてもよい。これにより、初期化状態が解除された時点を高精度に特定することができる。
【0029】
更に、請求項6〜請求項9の何れか1項に記載の検査方法は、請求項11に記載の発明のように、前記信号出力手段を、前記第1端子としてのR端子、前記第2端子としてのC端子、前記第3端子としてのQ端子、及び前記直流電圧が印加されるD端子を備えたDフリップフロップとしてもよい。これにより、回路規模の大型化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、パワーオンリセット回路が正常に機能しているか否かを電源電圧の立ち上がり期間に拘らず高精度に検査することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施形態に係る検査装置の一例を示す構成図である。
【図2】実施形態に係るリセット制御回路及びその周辺の構成を示す構成図である。
【図3】実施形態に係る検査装置の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図4】実施形態に係る検査装置の変形例を示す構成図である。
【図5】従来の検査装置の一例を示す構成図である。
【図6】従来の検査装置の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。図1には、本実施形態に係る検査装置10の構成の一例が示されている。同図に示すように、本実施形態に係る検査装置10の構成は、図5に示す検査装置50の構成と比べ、制御装置122に代えて制御装置18を適用した点、及び図5に示す半導体集積回路100にリセット制御回路14及びトリガ入力端子16を新たに内蔵することにより構成された半導体集積回路12を適用した点のみが異なっている。よって、以下では、図5に示す検査装置50及び半導体集積回路100と同一の部材については同一の符号付し、説明を省略する。
【0033】
検査装置10は、半導体集積回路12の一部構成要素、制御装置18、及びテスタ124を含んで構成されている。半導体集積回路12は、図5に示す半導体集積回路100と比べ、信号線AとAND回路112の正論理入力端子112Aとの接続点とPOR回路102の出力端子102Cとの間にリセット制御回路14が挿入された点、及びトリガ入力端子16が設けられた点が異なっている。リセット制御回路14は、POR回路102から入力された信号と同レベルの信号を生成して内部ロジック回路104及びセレクタ回路116に出力するためのものであり、第1入力端子14A、第2入力端子14B及び出力端子14Cを備えている。第1入力端子14AはPOR回路102の出力端子102Cに、出力端子14Cは信号線Fを介して内部ロジック回路104の入力端子104Aに各々接続されている。
【0034】
トリガ入力端子16は信号線Eを介してリセット制御回路14の第2入力端子14Bに接続されている。制御装置18は、図5に示す制御装置122と比べ、外部入力端子118の他に、トリガ入力端子16にも接続されている点、及びトリガ入力端子16を介してリセット制御回路14にトリガ信号を出力する点が異なっている。なお、本実施形態に係る検査装置10では、トリガ信号の信号レベルとしてハイレベルを適用しているが、このハイレベルのトリガ信号は1回の検査につき電源電圧VDDの立ち上がりが終了してから所定のタイミングで1回だけ出力されれば良いものである。
【0035】
図2には、本実施形態に係るリセット制御回路14の構成の一例が示されている。同図に示すように、リセット制御回路14は、Dフリップフロップ15を含んで構成されている。Dフリップフロップ15は、直流電圧VDDが印加されるデータ端子(D端子)、第1入力端子14Aに相当するリセット端子(R端子)、出力端子14Cに相当する出力端子(Q端子)及び第2入力端子14Bに相当するクロック端子(C端子)を備えている。
【0036】
次に、図3を参照しながら本実施形態に係る検査装置10の動作を説明する。なお、図3には、検査装置10及び半導体集積回路12の電源が投入された際の信号線A〜Fの信号レベルの遷移状態が示されている。
【0037】
同図に示すように、直流電圧VDDの印加が開始されると、POR回路102は、同図の信号線Aのタイムチャートに示すようなローレベル(初期化レベル)の第1レベル遷移信号の出力を開始する。これに応じて、リセット制御回路14は、同図の信号線Fのタイムチャートに示すようなローレベルの(初期化実行レベル)の第2レベル遷移信号を出力する。これによって、内部ロジック回路104はリセット状態となり、同図の信号線Bのタイムチャートに示すようにハイレベルの信号またはローレベルの信号を出力する。そして、セレクタ回路116は、内部ロジック回路104から入力された信号及びテスト信号発生回路106から入力されたローレベルの信号を反転したハイレベルの信号の論理積とリセット制御回路14から入力されたローレベルの第2レベル遷移信号及びテスト信号発生回路106から入力されたローレベルの信号の論理積との論理和を示す信号の出力を開始する。なお、同図の信号線Dのタイムチャートには、信号線Dにローレベルの信号が伝播されている状態が例示されている。
【0038】
一方、直流電圧VDDの立ち上がりを利用して同図の信号線Aのタイムチャートに示すように第1レベル遷移信号の信号レベルがハイレベル(初期化解除レベル)まで立ち上がってから、予め定められた期間が経過すると、制御装置18はハイレベルのトリガ信号をリセット制御回路14に出力すると共にテスト信号の発生を指示する指示信号をテスト信号発生回路106に出力する。リセット制御回路14は、制御装置18からトリガ信号が入力されると、リセット制御回路14から同図の信号線Fのタイムチャートに示すようなハイレベルの第2レベル遷移信号を出力する。これによって内部ロジック回路104のリセット状態が解除される。また、テスト信号発生回路106は、制御装置18から指示信号が入力されると、ハイレベルのテスト信号を出力する。このとき、セレクタ回路116は、内部ロジック回路104から入力された信号(ハイレベルまたはローレベルの信号)及びテスト信号発生回路106から入力されたテスト信号を反転した信号(ローレベル)の論理積とPOR回路102から入力された第1レベル遷移信号及びテスト信号発生回路106から入力されたテスト信号の論理積との論理和を示す信号、すなわち、同図の信号線Dのタイムチャートに示すようなハイレベルの信号の出力を開始する。
【0039】
そして、テスタ24は、直流電圧VDDの立ち上がりが終了してから予め定められた期間が経過するまでの期間に半導体集積回路12から入力された信号がローレベルの信号であり、予め定められた期間経過してから半導体集積回路12から入力された信号がハイレベルの信号である場合にPOR回路102が正常に機能していると判定し、それ以外の場合、すなわち、直流電圧VDDの立ち上がりが終了してから予め定められた期間が経過するまでの期間に半導体集積回路12から入力された信号がハイレベルの信号である場合及び予め定められた期間経過してから半導体集積回路12から入力された信号がローレベルの信号である場合にPOR回路102が正常に機能していないと判定する。
【0040】
このように、本実施形態に係る検査装置10では、仮に直流電圧VDDの立ち上がり期間tが短い場合(例えば、μsオーダーの場合)であっても直流電圧VDDの立ち上がり終了後のトリガ信号が出力されるまでの期間t’の分だけテスタ124による検査時間を長く確保することができるので、外部出力端子120から出力される信号を1回の検査にのみ供すれば良いことになる。従って、従来のように直流電圧VDDを階段状に細かく区切りながら立ち上げて検査する必要がなくなるので、検査時間を大幅に短縮することができる。また、従来は、POR回路102のリセット信号の立ち上がり速度がRC回路の時定数に起因して遅くなることによりリセット解除がどの時点で開始されたのか特定し難かったが、本実施形態に係る検査装置10では、第1レベル遷移信号の信号レベル(ハイレベル)に相当する信号レベルの第2レベル遷移信号を検査対象としているので、リセット解除の開始点を容易に特定することができる。
【0041】
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る検査装置10によれば、トリガ信号を出力するトリガ出力手段としての制御装置18と、直流電圧VDDが印加された際に論理回路としての内部ロジック回路104をリセットするためのレベルを示すローレベル(初期化レベル)が内部ロジック回路104のリセット状態を解除するためのレベルを示すハイレベル(初期化解除レベル)に直流電圧VDDの立ち上がりを利用して遷移する第1レベル遷移信号を出力するPOR回路102の出力端子102Cに接続された第1端子としての第1入力端子14A、制御装置18の出力端子に接続された第2端子としての第2入力端子14B、及び内部ロジック回路104の入力端子104Aに接続された第3端子としての出力端子14Cを備え、POR回路102の出力端子102Cから第1入力端子14Aに入力されたローレベルの第1レベル遷移信号に応じて出力端子14Cからローレベル(初期化レベル)と同レベルのローレベル(初期化実行レベル)で出力し、制御装置18の出力端子から第2入力端子14Bに入力されたトリガ信号に応じてハイレベル(解除実行レベル)に遷移する第2レベル遷移信号をリセット制御回路14と、リセット制御回路14の出力端子14Cから出力された第2レベル遷移信号が予め定められたレベルであるか否かを判定することによりPOR回路102が正常に機能しているか否かを判定するテスタ124と、を備えているので、POR回路102が正常に機能しているか否かを直流電圧VDDの立ち上がり期間に拘らず高精度に検査することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る検査装置10によれば、POR回路102に印加された直流電圧VDDの立ち上がりが終了したときに第1レベル遷移信号と同レベルの制御信号としてのテスト信号の出力を開始し、テスト信号のレベルを保持する出力保持手段としてのテスト信号発生回路106と、リセット制御回路14の出力端子14Cに接続された第1入力端子としての正論理入力端子112A、内部ロジック回路104の出力端子104Bに接続された第2入力端子としての正論理入力端子110A、テスト信号発生回路106の出力端子106Bに接続された負論理入力端子110B及び正論理入力端子112B、並びにテスタ124の入力端子に接続された出力端子114Cを備え、テスト信号発生回路106の出力端子106Bから負論理入力端子110B及び正論理入力端子112Bにテスト信号が入力されている期間に出力端子14Cから正論理入力端子112Aにローレベルの第2レベル遷移信号が入力された場合、ローベルの信号を出力端子114Cから出力し、テスト信号発生回路106の出力端子106Bから負論理入力端子110B及び正論理入力端子112Bにテスト信号が入力されている期間に出力端子14Cから正論理入力端子112Aにハイレベルの第1レベル遷移信号が入力された場合、ローレベルの第1レベル遷移信号と同レベルの信号を出力端子14から出力するセレクタ回路116と、を更に含んで構成し、テスタ124が、出力端子114Cから出力された信号が予め定められた信号であるか否かを判定することによりPOR回路102が正常に機能しているか否かを判定しているので、内部ロジック回路104から信号レベルの安定した信号を出力させながらPOR回路102が正常に機能しているか否かを高精度に検査することができる。
【0043】
また、本実施形態に係る検査装置10によれば、リセット信号のレベルをローレベルとし、リセット解除信号のレベルをハイレベルとし、セレクタ回路116を、内部ロジック回路の出力端子104Bから正論理入力端子110Aに入力された信号及びテスト信号発生回路106の出力端子106Bから出力された信号を反転した信号の論理積とリセット制御回路14の出力端子14Cから正論理入力端子112Aに入力された信号及びテスト信号発生回路106の出力端子106Bから負論理入力端子110B及び正論理入力端子112Bに入力された信号の論理積との論理和を示す論理和信号を出力端子114Cから出力するマルチプレクサとしたので、内部ロジック回路104から出力される信号の信号レベルを安定させると共にPOR回路102が正常に機能しているか否かを高精度かつ容易に検査することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る検査装置10によれば、制御装置18が、直流電圧VDDの立ち上がりが終了してから予め定められた期間を経過したときにトリガ信号を出力しているので、リセットが解除された時点を高精度に特定することができる。
【0045】
更に、本実施形態に係る検査装置10によれば、リセット制御回路14を、第1入力端子14AとしてのR端子、第2入力端子14BとしてのC端子、出力端子14CとしてのQ端子、及び直流電圧VDDが印加されるD端子を備えたDフリップフロップ15としたので、回路規模の大型化を抑制することができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、セレクタ116から出力された信号が予め定められた信号であるか否かを判定することによりPOR回路102が正常に機能しているか否かを判定する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、リセット制御回路14の出力端子14Cから出力される信号を直接モニタリングしてPOR回路102が正常に機能しているか否かを判定してもよい。この場合の一例が図4に示されている。同図に示す検査装置10Aは、図1に示す検査装置10と比べ、半導体集積回路12に代えて、半導体集積回路12Aを適用した点のみが異なっている。半導体集積回路12Aは、図1に示す半導体集積回路12と比べ、テスト信号発生回路106、セレクタ回路116、外部入力端子118を除いた点、及び外部出力端子30,32を新たに設けた点のみが異なっている。
【0047】
内部ロジック回路104の出力端子104Bは外部出力端子30に、リセット制御回路14の出力端子14Cは外部出力端子32を介してテスタ124の入力端子に各々接続されている。従って、テスタ124は、直流電圧VDDの立ち上がりが終了してから予め定められた期間が経過するまでの期間に半導体集積回路12から入力された信号がローレベルの第2レベル遷移信号であり、この第2レベル遷移信号の信号レベルが予め定められた期間経過してからハイレベルに遷移した場合にPOR回路102が正常に機能していると判定し、それ以外の場合、すなわち、直流電圧VDDの立ち上がりが終了してから予め定められた期間が経過するまでの期間に半導体集積回路12から入力された信号がローレベルの第2レベル遷移信号でない場合にPOR回路102が正常に機能していないと判定する。
【0048】
また、上記実施形態では、直流電圧VDDの立ち上がりが終了してから予め定められた期間が経過した時点でトリガ信号が出力される形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、半導体集積回路12に他の半導体集積装置が接続されており、半導体集積回路間で通信を行う場合、直流電圧VDDの立ち上がりが終了してから半導体集積回路間で通信を開始する際に用いられる通信スタート信号(例えば、ポーリング用の信号)をトリガ信号として適用してもよい。また、発振回路を有する電子機器に半導体集積回路12が内蔵された場合には、発振回路から出力される信号をトリガ信号として適用することも可能である。この場合、検査時に意図せずにリセット状態に入らないように、発振回路と半導体集積回路12との間の伝送経路にセレクタ回路を挿入し、上述した出力タイミングでセレクタ回路から信号を出力する形態例が挙げられる。
【0049】
また、上記実施形態では、信号レベルがローレベルのリセット信号によってリセットするローレベルアクティブを適用した場合の形態例に挙げて説明したが、これに限らず、信号レベルがハイレベルのリセット信号によってリセットするハイレベルアクティブも適用可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、Dフリップフロップ14によりリセット実行信号及びリセット解除実行信号を出力する形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、Dフリップフロップ14に代えてDラッチを適用してもよい。このようにラッチ機能を有する回路であれば如何なる回路も適用可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、制御装置18及びテスタ124を半導体集積回路12の外部に設けた形態例を挙げて説明したが、これに限らず、制御装置18及びテスタ124の少なくとも一方を半導体集積回路12に内蔵させてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、リセット制御回路14、テスト信号発生回路106及びセレクタ回路116をハードウェア的な構成とした場合の形態例に挙げて説明したが、上記の期間t及びt’の各々の時間が十分に長い場合(例えば、msオーダー以上の場合)、リセット制御回路14、テスト信号発生回路106及びセレクタ回路116の少なくとも1つの機能をCPU(中央処理装置)、メモリ及びプログラムなどによりソフトウェア的に実現してもよい。この場合、例えば、コンピュータを、リセット制御回路14に相当するリセット制御部、テスト信号発生回路106に相当するテスト信号発生部及びセレクタ回路116に相当するセレクタ部の少なくとも1つとして機能させるためのプログラムをROM(Read Only Memory)に予め記憶しておき、そのプログラムをCPUに実行させる形態が例示できる。
【符号の説明】
【0053】
10 検査装置
12 半導体集積回路
14 リセット制御回路
15 Dフリップフロップ
16 トリガ入力端子
18,122 制御装置
102 POR回路
104 内部ロジック回路
106 テスト信号発生回路
110,112 AND回路
114 OR回路
116 セレクタ回路
124 テスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリガ信号を出力するトリガ出力手段と、
直流電圧が印加された際に論理回路を初期化するためのレベルを示す初期化レベルが該論理回路の初期化状態を解除するためのレベルを示す初期化解除レベルに該直流電圧の立ち上がりを利用して遷移する第1レベル遷移信号を出力する検査対象回路の出力端子に接続された第1端子、前記トリガ出力手段の出力端子に接続された第2端子、及び前記論理回路の入力端子に接続された第3端子を備え、前記検査対象回路の出力端子から前記第1端子に入力された前記初期化レベルの前記第1レベル遷移信号に応じて前記第3端子から前記初期化レベルと同レベルの初期化実行レベルで出力し、前記トリガ出力手段の出力端子から前記第2端子に入力された前記トリガ信号に応じて該初期化実行レベルが前記初期化解除レベルと同レベルの解除実行レベルに遷移する第2レベル遷移信号を出力する信号出力手段と、
前記信号出力手段の第3端子から出力された信号が予め定められたレベルであるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定する判定手段と、
を含む検査装置。
【請求項2】
前記検査対象回路に印加された前記直流電圧の立ち上がりが終了したときに前記初期化解除レベルと同レベルの制御信号を出力して該制御信号のレベルを保持する出力保持手段と、
前記信号出力手段の第3端子に接続された第1入力端子、前記論理回路の出力端子に接続された第2入力端子、前記出力保持手段の出力端子に接続された制御端子、及び前記判定手段の入力端子に接続されたセレクタ出力端子を備え、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化実行レベルの前記第2レベル遷移信号が入力された場合、該初期化実行レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力し、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化解除レベルの前記第1レベル遷移信号が入力された場合、該初期化解除レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力するセレクタと、を更に含んで構成し、
前記判定手段は、前記セレクタ出力端子から出力された信号が前記予め定められた信号であるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定する請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記初期化レベルをローレベルとし、前記初期化解除レベルをハイレベルとし、
前記セレクタを、前記論理回路の出力端子から前記第2入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から出力された信号を反転した信号の論理積と前記信号出力手段の前記第3端子から前記第1入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に入力された信号の論理積との論理和を示す論理和信号を前記セレクタ出力端子から出力するマルチプレクサとした請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
前記トリガ出力手段は、前記直流電圧の立ち上がりが終了し、かつ所定条件を満足したときに前記トリガ信号を出力する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記信号出力手段を、前記第1端子としてのR端子、前記第2端子としてのC端子、前記第3端子としてのQ端子、及び前記直流電圧が印加されるD端子を備えたDフリップフロップとした請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項6】

直流電圧が印加された際に論理回路を初期化するためのレベルを示す初期化レベルが該論理回路の初期化状態を解除するためのレベルを示す初期化解除レベルに該直流電圧の立ち上がりを利用して遷移する第1レベル遷移信号を検査対象回路の出力端子から出力する第1ステップと、
検査対象回路の出力端子に接続された第1端子、トリガ信号を出力するトリガ出力手段の出力端子に接続された第2端子、及び前記論理回路の入力端子に接続された第3端子を備えた信号出力手段の該第3端子から、前記第1ステップによって前記検査対象回路の出力端子から前記第1端子に入力された前記初期化レベルの前記第1レベル遷移信号に応じて前記初期化レベルと同レベルの初期化実行レベルで第2レベル遷移信号を出力する第2ステップと、
前記トリガ出力手段の出力端子から前記トリガ信号を出力する第3ステップと、
前記第2ステップによって出力された前記第2レベル遷移信号の前記初期化実行レベルが前記第3ステップによって前記トリガ出力手段の出力端子から前記第2端子に入力された前記トリガ信号に応じて前記初期化解除レベルと同レベルの解除実行レベルに遷移する第4ステップと、
判定手段により、前記信号出力手段の第3端子から出力された信号が予め定められたレベルであるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定する第5ステップと、
を含む検査方法。
【請求項7】
出力保持手段により、前記検査対象回路に印加された前記直流電圧の立ち上がりが終了したときに前記初期化解除レベルと同レベルの制御信号の出力を開始する第6ステップと、
前記出力保持手段により該制御信号のレベルを保持する第7ステップと、
前記信号出力手段の第3端子に接続された第1入力端子、前記論理回路の出力端子に接続された第2入力端子、前記出力保持手段の出力端子に接続された制御端子、及び前記判定手段の入力端子に接続されたセレクタ出力端子を備えたセレクタの該セレクタ出力端子により、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化実行レベルの前記第2レベル遷移信号が入力された場合、該初期化実行レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力する第8ステップと、
前記セレクタの前記セレクタ出力端子により、前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に前記制御信号が入力されている期間に前記第3端子から前記第1入力端子に前記初期化解除レベルの前記第1レベル遷移信号が入力された場合、該初期化解除レベルと同レベルの信号を前記セレクタ出力端子から出力する第9ステップと、を更に含んで構成し、
前記第5ステップは、前記判定手段により、前記セレクタ出力端子から出力された信号が前記予め定められた信号であるか否かを判定することにより前記検査対象回路が正常に機能しているか否かを判定する請求項6記載の検査方法。
【請求項8】
前記初期化レベルをローレベルとし、前記初期化解除レベルをハイレベルとし、
前記セレクタを、前記論理回路の出力端子から前記第2入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から出力された信号を反転した信号の論理積と前記信号出力手段の前記第3端子から前記第1入力端子に入力された信号及び前記出力保持手段の出力端子から前記制御端子に入力された信号の論理積との論理和を示す論理和信号を前記セレクタ出力端子から出力するマルチプレクサとした請求項7記載の検査方法。
【請求項9】
前記トリガ出力手段は、前記直流電圧の立ち上がりが終了し、かつ所定条件を満足したときに前記トリガ信号を出力する請求項6〜請求項8の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項10】
前記信号出力手段を、前記第1端子としてのR端子、前記第2端子としてのC端子、前記第3端子としてのQ端子、及び前記直流電圧が印加されるD端子を備えたDフリップフロップとした請求項6〜請求項9の何れか1項に記載の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−83296(P2012−83296A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231405(P2010−231405)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】