説明

検査装置及び検査レシピの隠蔽方法

【課題】ユーザそれぞれが、自身がその存在を感得しているレシピについて、他のユーザがその存在を含めた設定内容を感得できないように、そのレシピの存在自体も含めてレシピの設定内容を隠蔽しておくことができる検査装置及びその隠蔽方法を提供する。
【解決手段】ユーザそれぞれが、自身の閲覧設定画面500上でその存在を感得しているレシピについて、他のユーザがその存在を含めた設定内容を感得できないように他のユーザを隠蔽先に含む隠蔽ID情報を生成するレシピ隠蔽情報作成機能部116と、ユーザそれぞれの閲覧設定画面500を表示する際、隠蔽ID情報ファイル240に格納されている隠蔽ID情報に基づいて、ユーザそれぞれの閲覧設定画面500の生成のためのレシピ表示情報を作成する表示情報作成機能部120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の被検査体の表面に存在する異物,傷,欠陥,汚れ等を検出する検査装置及び検査レシピの隠蔽方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において、品質や歩留りの低下を抑制するためには、半導体ウエハ(以下では、「ウエハ」と略称する)の表面上の異物,傷,欠陥,汚れ等(以下では、これらを「異物」と総称する)を検出し、異物の種類,大きさ,検出数等について統計管理しておくことが重要である。これにより、各種製造装置や工程の清浄度を定量的に把握できるようになり、これらを的確に管理することによって、品質や歩留りの低下を抑制できる。
【0003】
そこで、従来から、半導体デバイスの製造工程では、表面検査装置によるウエハの表面検査が実施されている。ウエハ表面の表面検査装置としては、レーザ光等の検査光をウエハの表面に照射し、ウエハの表面で発生した反射光又は散乱光を検出することにより、ウエハ表面に存在する異物を検出するものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、検査装置に検査作業を行わせるには、装置を動作させるための様々な設定値が必要である。これら設定値は、様々なプロセスを経て作成された光学条件や検査結果表示条件等であり、検査作業における諸条件を規定するものである。そのため、これら設定値は、検査作業毎に1つのファイル情報に纏められて管理されている。これら設定値を含む、検査作業毎の検査手順や検査条件が記述されたファイル情報のことを、レシピと呼んでいる。レシピは検査対象や検出したい情報等の種類毎に用意が必要で、検査装置を用いた検査作業の実行に当たっては、何百という非常に多くの数のレシピが作成される。検査装置では、互いに関連があるレシピ同士がグループに纏められ、これら多数のレシピが系統的に管理されている。
【0005】
一方、半導体検査装置では、装置を操作する際にユーザ認証を行うことによって、権限のあるユーザにだけ固有の装置操作を許可している。これにより、不特定多数の者による装置操作を制限し、装置データとしてのレシピの編集を制限してレシピの保護をはかっている(特許文献2参照)。
【0006】
また、半導体製造装置では、装置で扱うプロセス関連情報をユーザそれぞれ個別に権限を持たせて管理することで、各プロセス関連情報に対する各ユーザの操作を制限している。例えば、半導体製造装置でプロセス関連情報として用いられる個々のレシピに対する操作を、ユーザ識別情報とユーザが属するグループのグループ識別情報とに対応付けられている権限情報に基づいて操作毎に権限のあるユーザを制限することで、より細かなレシピの保護を行っている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−304289号公報
【特許文献2】特開2009−88047号公報
【特許文献3】特開2009−277993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
レシピは、検査装置を使用するユーザそれぞれによって、検査対象や検出したい情報等の種類毎に用意される。そのため、レシピには、検査処理のノウハウや、試料となるウエハ(被検査体)の素性を示す情報も記述されている。レシピの数自体も、その設定内容の違い等に応じて、1台の検査装置で数百種類以上に達することもある。
【0009】
検査装置では、これら数多くのレシピが、ユーザの違い,検査対象や検出したい情報の種類の違い等に応じてグループ分けされ、系統立てて登録管理されている。そこで、個々のレシピが格納されたレシピファイルを検査装置に登録する際には、登録後のレシピの系統的な管理を可能にし、レシピそれぞれにより実行される検査作業の違いの理解を容易にするため、個々のレシピファイルそれぞれや、グループ分けされたレシピファイルが纏められたレシピ分類それぞれには、ユーザによりレシピ名称や分類名称が付されている。このレシピ名称や分類名称は、試料としてのウエハの種別(例えば、ウエハに形成されている半導体デバイスの製品コードやメーカ名等),ウエハの材質名称,作業工程名称,検査条件名称等といった特徴情報を含むようにルール付けされ、ユーザにより名付けられる。
【0010】
したがって、ユーザは、検査等に用いる所望のレシピを見つけ出す場合は、これらレシピ分類に付された分類名称やレシピファイルに付されたレシピ名称を閲覧して、それぞれの名称が表わすレシピの設定内容に係る特徴情報を基に、所望のレシピの判別を行っている。すなわち、ユーザは、レシピ分類の分類名称やレシピファイルのレシピ名称からそのレシピの設定内容に係る特徴情報を理解することができ、例えば、ウエハの材質や、どのような工程で作業が行われ、どのような方法で検査しているか等の情報も知り得ることもできる。
【0011】
しかしながら、検査装置において登録管理されているレシピが増加し多数になると、ユーザそれぞれにより登録されたレシピは、ウエハの種別,ウエハの材質名称,作業工程名称,検査条件名称等といった特徴情報が類似するものが増加し、結果的にユーザ相互間でレシピファイルのレシピ名称が類似し、レシピ分類の分類名称も類似したものになってしまうことが起こり得る。
【0012】
そのため、ユーザが登録管理されている所望のレシピについてその設定内容を編集しようする場合は、名称が類似した複数のレシピ分類,レシピファイルの中から、編集対象のレシピを見つけ出さなければならない、という問題点が新たに生じる。
【0013】
その際、特許文献2,3に記載されているように、レシピの操作について権限情報が設定又は付与されている場合は、編集対象のレシピと名称が類似する他のユーザのレシピをユーザが誤って閲覧して選択してしまっても、ユーザ自身がこのレシピの操作について権限を有していなければ、レシピの設定内容を読み出したり、書き込んだり、削除したり、実行したりすることはできないので、設定内容の閲覧、改変等を防止できる。
【0014】
しかし、特許文献2,3に記載されているような、権限がないユーザに対してレシピの設定内容の読み出し,書き込み,削除,実行について操作制限が設けられている場合でも、レシピの選択の際に利用されるレシピ分類の分類名称,レシピファイルのレシピ名称の閲覧自体については何の制限も設けられていない。
【0015】
また、その書き込み,削除,実行についての操作制限もいわゆる装置管理者のみによってユーザそれぞれに付与されるものなので、例えばユーザが同じ操作権限を有する他のユーザに対して設定内容の閲覧、改変等を防止しておくことはできない。
【0016】
この結果、検査装置で登録管理するレシピが増加すればする程、ユーザ相互で分類名称,レシピ名称も類似してくるようになり、ユーザが所望のレシピを見つけ出す作業は煩雑になってくる。また、所望のレシピを見つけ出す際、装置を共用するユーザが何の制限もなしに自身の検査作業とは関係がないレシピの分類名称,レシピ名称を閲覧できることは、関係ない他のユーザが、その分類名称,レシピ名称から、ウエハの材質等のウエハ固有情報や、メーカ名(例えば、デバイスメーカ,ウエハメーカ,装置・材料メーカ)等のウエハ関連情報を把握できることを可能としてしまう。さらには、レシピの設定内容の読み出しはできずとも、これら特徴情報から、どのような工程で作業が行われ、どのような方法で検査しているか等の、レシピ固有の特化した設定内容等を推察することも可能としてしまう。
【0017】
加えて、装置を共用するユーザ以外でも、ユーザが例えば上述したデバイスメーカ,ウエハメーカ,装置・材料メーカ等といった関係先に対して、検査作業のデモンストレーションを行う場合等は、異なる関係先のレシピ分類,レシピファイルを操作画面上で見せる訳にはいかない。そのため、一時的にせよ異なる関係先のレシピ分類,レシピファイルが表示されないように退避しておく等、装置の動作環境をその都度事前に変えてデモンストレーションしなければならない煩雑さもあった。
【0018】
本願発明は上述した問題点を鑑みなされたもので、ユーザそれぞれが、自身がその存在を感得しているレシピについて、他のユーザがその存在を含めた設定内容を感得できないように、そのレシピの存在自体も含めてレシピの設定内容を隠蔽しておくことができる検査装置及びその隠蔽方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記した課題をするために、自身の閲覧設定画面上でその存在を感得しているレシピについて、ユーザ権限とは関係なしに、他のユーザの閲覧設定画面上で他のユーザに対してその存在を感得されないように、レシピファイルのレシピ名称を含めたレシピの存在自体の隠蔽を行う手段及び手順を含んでいる検査装置及びその隠蔽方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば、自身がその所在を感得しているレシピに対し、読み出し,書き込み,削除,実行等の中の少なくとも何れかについて操作権限を有する他のユーザであっても、レシピとは本来関係がないユーザであれば、他のユーザが所望のレシピを選択するために登録管理されているレシピを閲覧する際、他のユーザに対してレシピファイルのレシピ名称を含めたレシピの存在自体を隠蔽しておくことができる。これにより、隠蔽を行ったユーザは、自身がその所在を感得しているレシピについて、検査装置を共用する本来関係がない他のユーザに対し、レシピ名称に含まれた特徴情報を含め、レシピに関する機密情報の漏洩を防止でき、セキュリティを向上させることができる。
【0021】
また、隠蔽されたユーザにとっては、例え権限を有していても、本来関係がないレシピが選択対象として表示されなくなるので、このようなレシピを誤って選択してしまうのを防止できるようになり、所望のレシピの選択を容易かつ的確に行い得るようになる。
【0022】
本発明によれば、レシピに対しての操作権限を有していても本来は関係しないユーザには、登録管理されているレシピの閲覧時も関係がないレシピ名称が隠蔽され、レシピ自体の存在を知られることがないので、実質的に、レシピの設定内容の読み出し,書き込み,削除,実行等の処理が行われてしまうことがなくなる。これによって、ユーザそれぞれの操作権限を設定可能な装置管理者(Administrator;アドミニストレータ)でなくとも、ユーザは、自身がその所在を感得しているレシピについて、本来は関係しないユーザにこれら処理についての権限を付与しないことを設定するのと実質的に同等な、強力な保護効果を取得することができる。
【0023】
本発明によれば、関係しないユーザには登録管理されているレシピの閲覧時にレシピ自体の存在を分からないように隠蔽しておくことができるため、関係先へのデモンストレーション用のレシピについては、予めその関係先毎にその関係先のみが閲覧できるユーザ設定を併せて行っておくことができる。この結果、関係先へのデモンストレーション時にはユーザ自身の本来のユーザ設定を用いてではなく、その関係先に対応したユーザ設定を用いてデモンストレーションを行うことによって、デモンストレーション実施時に、各メーカ用のレシピが格納されているフォルダの切り替えやメーカ固有情報の削除を行うことなく、デモンストレーション先に対して他社メーカ用のレシピを隠しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施に係る表面検査装置の全体概略構成図である。
【図2】本実施の形態の表面検査装置におけるレシピ閲覧制御部の構成図である。
【図3】グループ別操作権限ファイルの構成を模式的に示した説明図である。
【図4】グループ別ユーザIDファイルの構成を模式的に示した説明図である。
【図5】レシピ情報表示画面の一実施例を示した図である。
【図6】レシピ隠蔽情報作成処理の一実施例のフローチャートである。
【図7】レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面の一実施例である。
【図8】表示情報作成処理の一実施例のフローチャートである。
【図9】ログイン認証後に表示される閲覧設定画面の一実施例である。
【図10】ログイン認証後に表示される閲覧設定画面の別の実施例である。
【図11】ログイン認証後に表示される閲覧設定画面のさらに別の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る検査装置の一実施の形態について、ウエハ表面上の異物を検査する表面検査装置を例に、以下、図面とともに説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態に係る表面検査装置の全体概略構成図である。
図1において、表面検査装置1は、ウエハ(被検査体)10を載置するウエハ載置部20と、ウエハ10のウエハ表面(被検査面)に照明光(検査光)を照射する照明光学系30と、ウエハ表面からの散乱光を検出する検出光学系40と、装置各部の駆動系の作動制御を行う作動制御部50と、装置全体の制御を行う全体制御部60とを備えている。
【0027】
ウエハ載置部20は、ウエハ10を吸着・保持するウエハチャック21と、ウエハチャック21を保持する回転ステージ22と、回転ステージ22を回転自在に保持する直進ステージ23と、直進ステージ23を移動自在に保持するベース24とを備えている。
【0028】
回転ステージ22は、直進ステージ23に対して回転駆動させられることにより、ウエハチャック21を一体的に回転させ、ウエハチャック21に吸着・保持されたウエハ10の向きをウエハ表面と平行な面内で変化させる。また、直進ステージ23は、ベース24に対して移動駆動させられることにより、回転ステージ22を一体的に直進移動させ、ウエハ10をウエハ表面と平行な面上で移動変位させる。
【0029】
ウエハ載置部20では、ウエハ表面に照明光を照射しながら、ウエハ10を回転又は直進移動させ、或いはその両方を行うことにより、照明光の照射位置をウエハ表面上で走査する。ウエハ表面上での照明光の走査は、ユーザが予め選択したレシピの設定内容に従って、全体制御部60が作動制御部50を制御し、作動制御部50がウエハ載置部20を駆動制御することにより行われる。
【0030】
照明光学系30は、照明光であるレーザ(例えば、Arレーザ,窒素レーザ,He−Cdレーザ,エキシマレーザ等)を生成して射出するレーザ光源31と、レーザ光源31から射出されたレーザを偏光に変換する照明光偏光フィルタ32と、照明光偏光フィルタ32を透過したレーザを反射する反射ミラー33,34と、レーザの進行経路(光路)を切り換える照明角度切換ミラー35とを備えている。
【0031】
レーザ光源31から射出された照明光は、照明角度切換ミラー35が照明光の光路上に配置されている状態35aでは、照明角度切換ミラー35及び反射ミラー33を介して、ウエハ表面に対して斜上方(例えば、30°以下の角度)から照射される。これに対し、照明角度切換ミラー35が照明光の光路上から退避させられている状態35bでは、照明光は、反射ミラー34を介して、ウエハ表面に対して略垂直に照射される。照明角度切換ミラー35の配置状態35a,35bの切り替えは、ユーザが予め選択したレシピの設定内容に従って、全体制御部60が作動制御部50を制御し、作動制御部50が図示せぬ駆動装置を駆動制御することにより行われる。
【0032】
検出光学系40は、ウエハ表面への照明光の照射によってその表面から生じる散乱光を検出する。ウエハ表面における照明光の照射位置に異物が存在する場合、その散乱光は、異物の大きさや形状に応じたものになる。
【0033】
検出光学系40は、ウエハ表面からの散乱光を検出する複数の検出器41〜44と、検出器41〜44から出力されたアナログの検出信号をデジタルの検出信号に変換するA/D変換器45と、A/D変換器45からの検出信号をデータ処理して全体制御部60に供給するデータ処理部46とを備えている。
【0034】
検出器41,42は、ウエハ表面を基準とした仰角が予め定めた基準角度以下の角度になるように、かつ照明光の照射位置を中心に互いの位置を異ならせて配置され、低角度検出光学系を形成する。これに対し、検出器43,44は、基準角度よりも大きな仰角になるように、かつ照明光の照射位置を中心に互いの位置を異ならせて配置され、高角度検出光学系を形成する。
【0035】
A/D変換器45は、検出器41〜44から出力されるアナログの検出信号(電流信号)をデジタルの検出信号(電圧信号)に変換し、データ処理部46に入力する。データ処理部46は、A/D変換器45からの検出信号の中、その検出信号の大きさ(検出電圧値)が予め定めた閾値を越えたものを抽出するデータ処理を行い、この抽出した検出信号を全体制御部60に入力する。このデータ処理部46のデータ処理に用いる閾値は、検出器41〜44それぞれからの検出信号に対して個別に設定されている。各閾値の大きさは、ユーザが予め選択したレシピの設定内容において、それぞれパラメータ項目の中の1つとして設定されている。
【0036】
全体制御部60は、表面検査装置1の装置全体としての動作を制御する。全体制御部60は、ウエハ載置部20,照明光学系30,検出光学系40といった装置各部を、作動制御部50を介して制御する。その際、全体制御部60は、検出光学系40からの検出信号を含む装置各部から入力される検出信号を、データ処理部46や作動制御部50を介して取得する。全体制御部60には、記憶部70、入力処理部80、及び情報表示部90が備えられている。全体制御部60は、作動制御部50等とともに、PC(personal computer)装置100によって構成されている。
【0037】
記憶部70は、例えば、PC装置100のメモリやハードディスク等により構成される。記憶部70には、回転ステージ22及び直進ステージ23の位置情報や、これら位置情報と関連付けられた検出器41〜44からの検出信号等が、全体制御部60により検査結果情報として記憶される。なお、この場合における検出器41〜44からの検出信号は、データ処理部46によりデータ処理されてから全体制御部60に供給されたものである。また、記憶部70には、それぞれ検査作業で用いられるレシピを格納したレシピファイルに加え、全体制御部60が後述の各種の装置機能を実行するためのソフトウェア等も記憶されている。
【0038】
入力処理部80は、例えば、PC装置100に付設のキーボードやマウス、或いはタッチパネル等の入力機器を含んで構成されている。入力処理部80は、ウエハ10の表面検査や表面検査装置1の校正に用いる各種設定値,各種指令等についての入力機器を用いた操作入力を全体制御部60に対し供給するインタフェースである。
【0039】
情報表示部90は、例えば、PC装置100に付設のディスプレイ等の出力機器により構成されている。情報表示部90には、ウエハ10の表面検査に用いるレシピをユーザが閲覧選択する際に用いる後述のレシピ情報表示画面500等の閲覧設定画面や、設定選択されたレシピに従って行われた表面検査の検査結果(欠陥マップ,欠陥寸法別ヒストグラム等)若しくはウエハのスロット番号等の閲覧報知画面が表示される。また、情報表示部90には、表面検査や校正の結果が異常と判定された場合は、異常が生じた旨の警告も表示される。情報表示部90によるこれら表示は、レシピに従った検査作業の進行に合わせて、全体制御部60によって表示制御される。
【0040】
表面検査装置1では、入力処理部80,作動制御部50等といった装置各部からの入力に基づいて、各種の装置機能を実行するためのソフトウェアや予め選択されたレシピに含まれる検査手順や検査条件に従って、全体制御部60が照明光学系30,検出光学系40,情報表示部90等といった装置各部の作動を全体制御する。
【0041】
以下、上述した構成の表面検査装置1における、全体制御部60による閲覧設定画面を用いたレシピの閲覧制御構成について説明する。
【0042】
図2は、本実施の形態の表面検査装置におけるレシピ閲覧制御部の構成図である。
レシピ閲覧制御部は、レシピ情報編集機能部110と、表示情報作成機能部120と、レシピ情報表示機能部130とを備えている。レシピ閲覧制御部は、記憶部70に記憶され、全体制御部60を構成するPC装置100上で動作するプログラムにより、その構成及び機能が実現される。また、レシピ情報編集機能部110には、レシピファイル登録・編集機能部111,レシピファイル検索機能部112,レシピファイルコピー機能部113,レシピファイル削除機能部114,レシピファイル名称変更機能部115,レシピ隠蔽情報作成機能部116が備えられている。
【0043】
レシピファイル登録・編集機能部111は、記憶部70に設けられた階層型フォルダ構造のレシピ格納フォルダ73へのレシピファイル230の登録や、登録済みのレシピファイル230に格納されているレシピの設定内容の編集等といったレシピファイル230の登録・編集処理を行う。また、レシピファイル登録・編集機能部111は、レシピファイル登録・編集処理に伴い、レシピ分類フォルダ(図示省略)をレシピ格納フォルダ73に階層関係を有して作成して、レシピ格納フォルダ73に登録されたレシピファイル230それぞれの系統的な管理を行う。レシピ分類フォルダには、レシピ分類の分類名称がユーザによって付される。レシピファイル登録・編集機能部111によるレシピファイル230のレシピ格納フォルダ73への登録は、登録ユーザにより選択されたレシピ分類の分類名称を基にレシピ分類フォルダを適宜選択し、登録ユーザにより設定されたレシピ名称をレシピファイル230に付して、レシピ分類フォルダに対応付けて行われる。
【0044】
レシピファイルコピー機能部113は、レシピ格納フォルダ73に登録されている所望のレシピファイル230のコピーを作成するレシピファイルコピー処理を行う。
【0045】
レシピファイル削除機能部114は、レシピ格納フォルダ73に登録済みのレシピファイル230の中から所望のレシピファイル230を削除するレシピファイル削除処理を行う。また、レシピファイル削除機能部114は、レシピ格納フォルダ73に作成済みの階層関係を有したレシピ分類フォルダの中から所望のレシピ分類フォルダ73を削除し、このレシピ分類フォルダ73に対応して登録されているレシピファイル230を削除するレシピ分類削除処理を行う。レシピファイル削除機能部114は、レシピ分類削除処理を行った際は、残ったレシピファイル230それぞれの系統的な管理を行うため、レシピ分類フォルダの削除に伴うレシピ分類の階層関係の編集も行う。
【0046】
レシピファイル名称変更機能部115は、レシピ格納フォルダ73に格納されている所望のレシピファイル230に付されたレシピ名称の変更を行うレシピファイル名称変更処理を行う。また、レシピファイル名称変更機能部115は、レシピファイル230それぞれの系統的な管理を行うためのレシピ分類フォルダに付されているレシピ分類の分類名称の変更を行う分類名称変更処理も行う。
【0047】
レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ユーザ自身が閲覧可能な、レシピ格納フォルダ73に登録されている所望のレシピに係り、そのレシピファイル230に格納されているレシピの設定内容の一部若しくは全部、又はそのレシピファイル230が対応付けられているレシピ分類フォルダのレシピ分類を、他のユーザに対して隠蔽し又は隠蔽解除するレシピ隠蔽情報作成処理を行う。なお、このレシピ隠蔽情報作成機能部116のレシピ隠蔽情報作成処理については、追って詳細に説明する。
【0048】
上述したレシピ情報編集機能部110の各機能部111〜116による処理は、ユーザそれぞれによる入力処理部80の入力機器の所定操作に基づいて行われる。そして、各機能部111〜116よる処理は、装置管理者(アドミニストレータ'Administrator')が予めユーザそれぞれに対して設定した操作権限(ユーザ権限)に基づいて、ユーザ毎にその実行が制限されている。
【0049】
本実施例では、予め装置管理者により、エンジニア'Engineer',マネージャー'Manager',スタッフ'Staff',テクニシャン'Technician',オペレータ'Operator'という5種類のユーザグループ毎に分けられ、それぞれ対応する操作権限が規定されている。記憶部70のグループ別操作権限格納フォルダ71には、この5種類のユーザグループ毎の操作権限内容を規定したグループ別操作権限ファイル210が登録されている。
【0050】
図3は、グループ別操作権限ファイルの構成を模式的に示した説明図である。
図示のグループ別操作権限ファイル210で、レシピ隠蔽情報作成機能部116による隠蔽ID情報作成機能について着目すれば、ユーザグループIDがエンジニア'Engineer'若しくはスタッフ'Staff'であるユーザは操作権限を有し、ユーザグループIDがマネージャー'Manager',テクニシャン'Technician',オペレータ'Operator'の何れかであるユーザは操作権限を有していない設定になっている。各ユーザの操作権限は、予め装置管理者によってこれら5種類のユーザグループ(操作権限グループ)の何れかに割り当てられて設定されている。その設定内容は、グループ別ユーザIDファイル220として記憶部70のグループ別ユーザID格納ファイル72に登録されている。
【0051】
図4は、グループ別ユーザIDファイルの構成を模式的に示した説明図である。
グループ別ユーザIDファイル220には、ユーザの識別を示すユーザIDそれぞれと、操作権限の識別を表わすユーザグループIDそれぞれとの対応関係が記憶されている。
【0052】
図示のグループ別ユーザIDファイル220では、例えば、ユーザIDが'Engineer A'〜'Engineer F'の各ユーザはユーザグループIDがエンジニア'Engineer'に、 ユーザIDが'Manager A'〜'Manager C'の各ユーザはユーザグループIDがマネージャー'Manager'に、ユーザIDが'Staff A'〜'Staff D'の各ユーザはユーザグループIDがスタッフ'Staff'に、ユーザIDが'Technician A'〜'Technician C'の各ユーザはユーザグループIDがテクニシャン'Technician'に、ユーザIDが'Operator A'〜'Operator E'の各ユーザはユーザグループIDがオペレータ'Operator'に割り当てられていて、ユーザそれぞれの操作権限が登録されている。
【0053】
したがって、レシピ情報編集機能部110は、これらグループ別操作権限ファイル210及びグループ別ユーザIDファイル220を参照すれば、各機能部111〜116の中、例えばレシピ隠蔽情報作成機能部116による隠蔽ID情報作成機能については、エンジニア'Engineer'操作権限のユーザIDが'Engineer A','Engineer B'の各ユーザ、及びスタッフ'Staff'操作権限のユーザIDが'Staff A'〜'Staff D'の各ユーザが処理を行うことができ、ユーザIDが'Manager A'〜'Manager C','Technician A'〜'Technician C','Operator A'〜' Operator E'のその他のユーザは処理を行うことができないことを判別することができる。
【0054】
図2に戻り、記憶部70には、上述したグループ別操作権限ファイル210,グループ別ユーザIDファイル220に加え、レシピファイル230,隠蔽ID情報ファイル240が登録・保存されるようになっている。
【0055】
レシピファイル230は、それぞれ検査作業で用いられるレシピを格納したファイルである。各レシピは、レシピ名称を付したレシピファイル230にそれぞれ格納されて、記憶部70のレシピ格納フォルダ73に登録・保存される。
【0056】
レシピ格納フォルダ73は、階層型のレシピ分類フォルダによって構成されている。各レシピ分類フォルダは、ユーザによる入力処理部80の入力機器の所定操作に基づいて、レシピファイル登録・編集機能部111によって作成され、ユーザによりレシピ分類の分類名称が付されて登録されるようになっている。
【0057】
個々のレシピファイル230は、ユーザによる入力処理部80の入力機器の所定操作に基づいて、レシピファイル登録・編集機能部111により、ユーザによって作成又は選択されたレシピ分類フォルダに対応付けてレシピ格納フォルダ73に登録・保存される。この結果、検査作業で用いられるレシピそれぞれのレシピファイル230は、記憶部70のレシピ格納フォルダ73に、系統的に分類管理されて登録・保存されることになる。
【0058】
隠蔽ID情報ファイル240は、レシピ隠蔽情報作成機能部116により作成されたレシピ又はレシピ分類に係る隠蔽ID情報(隠蔽識別情報)241を格納するファイルである。隠蔽ID情報241は、レシピ格納フォルダ73に登録・保存されているレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230に係り、その設定内容の一部又は全部を所定のユーザに対して閲覧できないように隠蔽するための情報である。隠蔽ID情報241は、ユーザによる入力処理部80の入力機器の所定操作に基づいて、ユーザが閲覧可能なレシピ分類又はレシピの設定内容の一部若しくは全部を他のユーザが閲覧できないようにするために、レシピ隠蔽情報作成機能部116によってレシピ分類又はレシピの設定内容における隠蔽部分それぞれに対応して作成される。隠蔽ID情報241は、例えば、隠蔽対象となるレシピ分類又はレシピについて、レシピ分類フォルダに付されている分類名称や,レシピファイル230に格納されているレシピのレシピ名称,被検査体のフィルム種別(形成膜の種別),被検査体のフィルム厚さ(形成膜の膜厚),測定感度,…といったパラメータ項目毎に対応させて作成され、図2に示すように、隠蔽先のユーザのユーザグループID242及びユーザID243を有している。隠蔽ID情報ファイル240は、レシピ隠蔽情報作成機能部116が作成した隠蔽ID情報241を登録・保存しておくため、記憶部70内の隠蔽ID情報格納フォルダ74に、隠蔽ID情報241の隠蔽対象に係るレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230に対応させて、レシピ隠蔽情報作成機能部116によって作成される。
【0059】
本実施例では、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、作成した隠蔽ID情報241を隠蔽ID情報ファイル240に格納して隠蔽ID情報格納フォルダ74に登録・保存する際に、登録・保存する隠蔽ID情報241の隠蔽対象に係るレシピ分類又はレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240が既に隠蔽ID情報格納フォルダ74に作成されている場合は、同じレシピ分類又はレシピに係る隠蔽ID情報ファイル240の新たな作成は行わない方式を採用している。そのため、同じレシピ分類又はレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240が既に隠蔽ID情報格納フォルダ74に作成されている場合は、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、例えば、これから登録・保存する隠蔽ID情報241と、既に作成されている同じレシピ又はレシピ分類に係る隠蔽ID情報ファイル240に格納されている隠蔽ID情報241との間での隠蔽対象範囲の広狭に応じて、既に作成されている隠蔽ID情報ファイル240の隠蔽ID情報241の編集を行って登録・保存するようになっている。また、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、隠蔽ID情報ファイル240の隠蔽ID情報241の編集によって隠蔽ID情報ファイル240に隠蔽ID情報241がなくなった場合は、このレシピ又はレシピ分類に係る隠蔽ID情報ファイル240を隠蔽ID情報格納フォルダ74から削除するようになっている。
【0060】
表示情報作成機能部120は、記憶部70に記憶されている各ファイル210,220,230,240それぞれの情報を基に、レシピ情報表示機能部130がレシピ情報表示画面500等の閲覧設定画面を作成する際に参照するレシピ表示情報300を作成する。本実施の形態では、表示情報作成機能部120には、隠蔽判断機能部121が含まれている。
【0061】
隠蔽判断機能部121は、レシピ表示情報300の作成に当たり、隠蔽ID情報格納フォルダ74に登録されている隠蔽ID情報ファイル240それぞれの隠蔽ID情報241を基に、レシピ格納フォルダ73に登録・保存されているレシピ分類フォルダ,レシピファイル230それぞれの、レシピ分類の分類名称,レシピの各パラメータ項目について、表面検査装置1にログインして認証されたユーザに対しての隠蔽の要否、換言すればユーザによる閲覧の可否を判断する。
【0062】
表示情報作成機能部120は、表面検査装置1に対してのユーザのログイン認証により、記憶部70のレシピ格納フォルダ73及び隠蔽ID情報格納フォルダ74からレシピファイル230及び隠蔽ID情報ファイル240を読み出し、ログインユーザのユーザグループID及びユーザIDを基にした隠蔽判断機能部121による判断結果を基に、後述するレシピ情報表示画面500等の閲覧設定画面をレシピ情報表示機能部130が作成する際に参照するレシピ表示情報300を作成する。
【0063】
表示情報作成機能部120は、レシピ表示情報300として、ログインユーザに合わせた分類管理テーブル310、分類名称管理テーブル320、及び隠蔽情報テーブル330を作成する。
【0064】
分類管理テーブル310は、レシピ情報表示機能部130がレシピ情報表示画面500を作成するに当たり、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類それぞれの分類名称と、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類相互の階層関係とを参照するための表示情報テーブルである。
【0065】
分類管理テーブル310には、レシピ情報表示機能部130によるレシピ情報表示画面500の作成に際して記憶部70のレシピ格納フォルダ73から抽出された、隠蔽ID情報ファイル240が記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されていないレシピ分類フォルダや、隠蔽ID情報ファイル240が記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されているレシピ分類フォルダであってもその隠蔽ID情報ファイル240に格納されている分類名称に対応した隠蔽ID情報241の隠蔽先にログインユーザのユーザIDが含まれていないレシピ分類フォルダが、表示情報作成機能部120によって互いの階層関係を含めて格納される。
【0066】
分類名称管理テーブル320は、レシピ情報表示機能部130がレシピ情報表示画面500を作成するに当たり、ログインユーザが閲覧可能なレシピファイル230それぞれのレシピ名称と、ログインユーザが閲覧可能な被検査体のフィルム種別(形成膜の種別),被検査体のフィルム厚さ(形成膜の膜厚),測定感度,…等といったレシピ名称以外のパラメータ項目の設定内容とを参照するための表示情報テーブルである。
【0067】
分類名称管理テーブル320には、レシピ情報表示機能部130によるレシピ情報表示画面500の作成に際して記憶部70のレシピ格納フォルダ73から抽出された、隠蔽ID情報ファイル240が記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されていないレシピファイル230や、隠蔽ID情報ファイル240が記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されているレシピファイル230であってもパラメータ項目の中のレシピ名称に対応する隠蔽ID情報が格納されておらず、又はレシピ名称に対応する隠蔽ID情報が格納されてはいてもその隠蔽先にログインユーザが含まれていないレシピファイル230が、表示情報作成機能部120によって分類管理テーブル310に格納されたレシピ分類フォルダと対応付けられて格納される。
【0068】
さらに、その中の、隠蔽ID情報ファイル240が記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されているレシピファイル230を分類名称管理テーブル320に格納するに当たっては、隠蔽ID情報ファイル240の中に、被検査体のフィルム種別(形成膜の種別),被検査体のフィルム厚さ(形成膜の膜厚),測定感度,…等といったレシピ名称以外のパラメータ項目に対応した隠蔽ID情報の隠蔽先としてログインユーザが含まれている場合には、そのパラメータ項目の設定内容については閲覧できないように、表示情報作成機能部120によって編集が施されて格納される。
【0069】
隠蔽情報テーブル330は、レシピ情報表示機能部130がレシピ情報表示画面500を作成するに当たり、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240が、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74から抽出され、レシピ隠蔽情報作成機能部116による隠蔽ID情報ファイル240又は隠蔽ID情報の編集が施される表示情報テーブルである。
【0070】
したがって、隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報241は、レシピ隠蔽情報作成機能部116による編集状況を随時反映したものになっている。
【0071】
なお、この表示情報作成機能部120による、レシピ表示情報300としてのこれら分類管理テーブル310、分類名称管理テーブル320、及び隠蔽情報テーブル330の作成処理の詳細については、後述する。
【0072】
レシピ情報表示機能部130は、レシピ表示情報300の分類管理テーブル310,分類名称管理テーブル320,隠蔽情報テーブル330を参照して、図5に示すレシピ情報表示画面500や、図7に示すレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を作成し、情報表示部90の画面上に表示する。レシピ情報表示機能部130は、分類表示機能部131,リスト表示機能部132を含んでいる。
【0073】
ここで、表面検査装置1のログインユーザに対し、閲覧設定画面として情報表示部90に表示されるレシピ情報表示画面500について説明する。
【0074】
図5は、レシピ情報表示画面の一実施例である。
図示の例では、レシピ情報表示画面'IDP(Integrated Data Processing) Condition file menu'500は、レシピ分類表示部'Classification'510と、レシピパラメータ表示部520と、レシピ検索表示部'IDP Search'530とを有し、選択ボタン'Select'541,終了ボタン'Close'542が設けられた構成になっている。
【0075】
レシピ分類表示部510には、記憶部70のレシピ格納フォルダ73に格納されたレシピファイル230の中、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類それぞれの分類名称及びレシピ分類それぞれの相互関係が階層ツリー形式で表示される。
【0076】
レシピパラメータ表示部520には、例えばレシピ分類表示部510上で選択されたレシピ分類に含まれるレシピファイル230それぞれのレシピの設定内容、又はレシピ検索表示部530で選択されたレシピの設定内容が表示される。図示の例では、レシピパラメータ表示部520は、レシピ名表示部'Process name'521,フィルム種別表示部'Film kind'522,フィルム厚表示部'Film thickness'523,測定感度表示部'Measurement range'524,…等といったパラメータ項目別の表示部を有している。各表示部521,522,523,524,…には、レシピ名称,被検査体のフィルム(酸化膜)種別,被検査体のフィルム(酸化膜)厚さ,測定感度,…といったパラメータ項目毎の設定内容が表示される。
【0077】
レシピ検索表示部530には、記憶部70のレシピ格納フォルダ73に格納されたレシピファイル230の中、ログインユーザが閲覧・選択可能なレシピファイル230それぞれのレシピ名称がリスト表示される。
【0078】
なお、図5中に例示したレシピ分類の分類名称やレシピファイル230のレシピ名称は説明簡便のために記載したものであり、実際は、被検査体であるウエハの種別(例えば、ウエハに形成されている半導体デバイスの製品コードやメーカ名等),ウエハの材質名称,作業工程名称,検査条件名称,…等といった特徴情報を含む、レシピ及びその設定内容の把握が容易な名称になっている。
【0079】
レシピ情報表示画面500を情報表示部90に表示するに当たって、図2に示したレシピ情報表示機能部130では、分類表示機能部131が、レシピ表示情報300の分類管理テーブル310を参照して、レシピ分類表示部510に表示するレシピツリーを作成する。また、リスト表示機能部132が、レシピ表示情報300の分類管理テーブル310及び分類名称管理テーブル320を参照して、レシピパラメータ表示部520に表示するレシピの設定内容や、レシピ検索表示部530に表示するレシピ名称を閲覧可能なレシピの検索結果を作成する。
【0080】
レシピ情報表示画面500は、ユーザの表面検査装置1へのログイン認証後、レシピ情報表示機能部130によって情報表示部90にOSD(On Screen Display)表示され、入力処理部80と協働して、ユーザが検査作業に用いるレシピを選択設定する場合等のユーザインタフェースを構成する。
【0081】
ログインユーザは、レシピ情報表示画面500を閲覧して、検査作業に用いるレシピを選択設定する。具体的には、ユーザは、例えば入力処理部80の入力機器のマウスを操作して、レシピ情報表示画面500上で、レシピパラメータ表示部520又はレシピ検索表示部530に表示されている所望のレシピ名称にポインタを合わせて左クリックすることで、所望のレシピを選択することができる。レシピ情報表示機能部130の分類表示機能部131は、この操作入力を入力処理部80から受け、レシピ名表示部521及びレシピ検索表示部530上の選択されたレシピ名称の表示を表示色や表示態様(例えば、outline character表示等の表示態様)を変える等してハイライト表示し、その選択をユーザに報知する。ユーザは、この選択したレシピ名称のハイライト表示で所望のレシピの選択を確認し、レシピ検索表示部530の選択ボタン541をマウスにより左クリックしてこのレシピの選択を確定し、この選択したレシピを用いた検査作業を進め得るようになっている。これに対し、ユーザは、選択ボタン541の代わりに終了ボタン542をマウスにより左クリックすることで、レシピ情報表示画面500を用いたレシピの選択処理を終了させることができる。
【0082】
本実施の形態の表面検査装置1では、ログイン認証後のレシピ情報表示画面500を用いたレシピの選択処理において、ログインユーザがレシピ隠蔽情報作成機能部116による隠蔽ID情報作成機能についての操作権限を有するエンジニア'Engineer'操作権限又はスタッフ'Staff'操作権限のユーザである場合は、他のユーザが自身の検査作業とは関係がないレシピを誤って選択又は閲覧しなくて済むように、ユーザ自身が閲覧可能なレシピ分類又はレシピを他のユーザを隠蔽先にして隠蔽すなわち秘匿しておくことができるようになっている。その際、エンジニア'Engineer'操作権限又はスタッフ'Staff'操作権限のログインユーザは、その隠蔽すなわち秘匿を、隠蔽先の他のユーザのユーザ操作権限とは関係なしに、所望のユーザに対して所望の範囲で行えるようになっている。
【0083】
そのために、本実施の形態の表面検査装置1では、レシピ情報編集機能部110にはレシピ隠蔽情報作成機能部116が備えられ、表示情報作成機能部120には隠蔽判断機能部121が備えられ、記憶部70には隠蔽ID情報ファイル240が保存され、表示情報作成機能部120には隠蔽判断機能部121が備えられた構成になっており、レシピ表示情報300には隠蔽情報テーブル330が含まれるようになっている。
【0084】
次に、本実施の形態の表面検査装置1において、エンジニア'Engineer'操作権限又はスタッフ'Staff'操作権限を有するユーザが、レシピ情報編集機能部110のレシピ隠蔽情報作成機能部116により、ユーザ自身が閲覧可能なレシピ分類又はレシピを他のユーザに対して隠蔽する構成について説明する。
【0085】
なお、説明に当たっては、スタッフ'Staff'操作権限を有するユーザIDが'Staff A'のユーザが、自身のユーザグループID'Staff'及びユーザID'Staff A'を使用して表面検査装置1にログインした状況を想定する。その上で、レシピ閲覧制御部の表示情報作成機能部120及びレシピ情報表示機能部130が後述する表示情報作成処理を行って、情報表示部90には、図5に示したレシピ情報表示画面500が閲覧設定画面として表示されている状況を想定する。また、以下では、スタッフ'Staff'操作権限を有するユーザIDが'Staff A'のユーザのことをユーザ'Staff A'、分類名称が'P001'のレシピ分類のことをレシピ分類'P001'、レシピ名称を'Recipe 18'としてレシピファイル230に格納されているレシピのことをレシピ'Recipe 18'とも便宜的に略称する。
【0086】
レシピ情報表示画面500において、レシピ分類表示部510には、ログインユーザであるユーザ'Staff A'が閲覧可能なレシピ分類それぞれの分類名称及びレシピ分類それぞれの相互関係が階層ツリー形式で表示される。レシピ検索表示部530には、ログインユーザが閲覧及び選択可能なレシピファイル230のレシピ名称が表示される。
【0087】
レシピパラメータ表示部520には、当初は、ログインユーザによるレシピ分類表示部510を使用したレシピ分類の選択や、レシピ検索表示部530を使用したレシピファイル230すなわちレシピの選択が未だ行われていないため、その表示はデフォルトされた表示内容になっている。デフォルトされたレシピパラメータ表示部520の表示内容としては、例えば、ログインユーザが閲覧可能な全レシピファイル230それぞれの閲覧可能なレシピ設定内容に係るリスト表示、ログインユーザが閲覧可能な所定のレシピ分類に含まれる閲覧可能なレシピファイル230それぞれの閲覧可能なレシピ設定内容に係るリスト表示、又はブランク状態等が該当する。
【0088】
ここで、ログインユーザは、ログイン当初のレシピ情報表示画面500でマウスを操作して、そのレシピ分類表示部510上の所望のレシピ分類、レシピパラメータ表示部520上の所望のレシピのパラメータ、又はレシピ検索表示部530上のレシピ名称の中の所望のレシピ名称にポインタを合わせ、左クリックすることで、所望のレシピファイル230を選択することができる。
【0089】
ここでは、まず、レシピ分類表示部510上の所望のレシピ分類がログインユーザにより選択された場合(図5中、S511)について説明する。
【0090】
この場合、レシピ情報表示機能部130の分類表示機能部131は、入力処理部80から選択されたレシピ分類を受け、レシピ分類表示部510の選択されたレシピ分類の分類名称の表示をハイライト表示し、その選択をユーザに報知する。また、レシピ情報表示機能部130のリスト表示機能部132は、レシピ表示情報300の分類管理テーブル310及び分類名称管理テーブル320を参照して、レシピパラメータ表示部520の表示内容を、選択されたレシピ分類に含まれるレシピファイル230それぞれのログインユーザが閲覧可能なパラメータ項目に対応した設定内容に変更表示する。
【0091】
例えば、図5に示したレシピ情報表示画面500は、レシピ分類表示部510上でレシピ分類'P001'が所望のレシピ分類として選択されて(S511)、この選択されたレシピ分類の分類名称'P001'がレシピ分類表示部510上でハイライト表示され、レシピパラメータ表示部520には、このレシピ分類'P001'に属する3つのレシピ'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20'それぞれのレシピ名称,フィルム種別,フィルム厚さ,測定感度,等といったパラメータ項目の設定内容が表示されている状況に該当している。
【0092】
このようなレシピ情報表示画面500上で、ログインユーザが、レシピパラメータ表示部520のレシピ名表示部521上の所望のレシピ名称、例えばレシピ'Recipe 19'にマウスのポインタを合わせて左クリックすれば(S512)、リスト表示機能部132は、レシピパラメータ表示部520に表示された3つのレシピ'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20'の中、レシピ'Recipe 19'に係るレシピ名表示部521の表示内容をハイライト表示し、その選択を報知する。
【0093】
さらに、ログインユーザが、このレシピ'Recipe 19'に係るレシピ名表示部521以外の項目別表示部522,523,524,…の閲覧可能な表示内容の中の何れか、例えばフィルム厚表示部523のフィルム厚'2222'にマウスのポインタを合わせて左クリックすれば(S513)、リスト表示機能部132は、レシピ'Recipe 19'のフィルム厚'2222'に係るフィルム厚表示部523の表示内容をハイライト表示し、その選択を報知する。
【0094】
なお、ログインユーザが、レシピ分類表示部510上でレシピ分類'P001'を所望のレシピ分類として選択した後(S511)、レシピ'Recipe 19'を事前に選択することなしに、レシピ'Recipe 19'のレシピ名表示部521以外の個別表示部522〜524の閲覧可能な表示内容、例えばフィルム厚表示部523の表示'2222'にいきなりマウスのポインタを合わせて左クリックした場合は(S513)、リスト表示機能部132は、レシピ'Recipe 19'に係るレシピ名表示部521及びフィルム厚表示部523の表示内容をハイライト表示し、その選択を報知する。
【0095】
例えば、図5に示したレシピ情報表示画面500は、レシピ分類'P001'が選択され(S511)、このレシピ分類'P001'の選択に基づきリスト表示部520に表示されたレシピ分類'P001'に属する3つのレシピ'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20'の中のレシピ'Recipe 19'が選択され(S512)、さらにそのフィルム厚'2222'が選択されている(S513)状態の、レシピ情報表示画面500に該当している。
【0096】
ここで、このログインユーザがレシピ隠蔽情報作成機能部116による隠蔽ID情報作成機能に操作権限を有するユーザ'Staff A'である場合、ユーザ'Staff A'は、レシピ情報表示画面500上で、レシピ分類表示部510上の所望のレシピ分類、又はレシピパラメータ表示部520上の何れか所望の閲覧可能なパラメータ項目の設定内容を選択して(S511,S512,又はS513)、この選択したレシピ分類又はパラメータ項目の閲覧可能な設定内容にマウスのポインタを合わせて右クリックすることで(S521,S522,又はS523)、その選択対象をレシピ閲覧制御部のレシピ情報編集機能部110による作業対象として選択することができる。
【0097】
レシピ閲覧制御部では、この選択が入力処理部80から取り込まれると、レシピ情報編集機能部110が起動し、レシピ情報編集機能部110による、その選択した作業対象、例えばレシピ分類'P001'(S521)、レシピ'Recipe 19'(S522)、又はフィルム厚'2222'(S523)に対してのレシピ情報編集作業を開始する。これに伴い、レシピ情報編集機能部110は、レシピ情報表示画面500上の作業対象であるレシピ分類'P001'、レシピ'Recipe 19'、又はフィルム厚'2222'の表示に対応させて、各機能部111〜116による作業を選択するためのポップアップメニュー560をレシピ情報表示機能部130により表示させる(S531)。
【0098】
ポップアップメニュー560には、レシピ情報編集機能部110がグループ別操作権限ファイル210及びグループ別ユーザIDファイル220を参照して得たユーザの操作権限の範囲内での各機能部111〜116による作業メニューが表示される。
【0099】
図示の例では、ユーザ'Staff A'がログインした場合を想定しているので、ポップアップメニュー560には、レシピファイルコピー機能部113によるレシピファイルコピー'Copy & Paste',レシピファイル削除機能部114によるレシピファイル削除'Delete',レシピファイル名称変更機能部115によるレシピファイル名称変更'Rename',レシピ隠蔽情報作成機能部116による隠蔽ID情報作成'Hidden',…等がメニュー表示されている。
【0100】
ユーザ'Staff A'は、このポップアップメニュー560の所望の作業表示にマウスのポインタを合わせ、左クリックすることによって、該当する機能部111〜116による作業を選択することができ、該当する機能部111〜116が起動する。
【0101】
例えば、この作業メニューの選択において、レシピ隠蔽情報作成'Hidden'が選択されると、レシピ情報編集機能部110では、レシピ隠蔽情報作成機能部116が起動する。これにより、ユーザ'Staff A'は、自らが隠蔽元のユーザとなって、先に選択したレシピ分類'P001'(S521)、又はパラメータ項目の設定内容であるレシピ'Recipe 19'(S522)若しくはフィルム厚'2222'(S523)を隠蔽対象とし、他のユーザを隠蔽先とするレシピ隠蔽ID情報の作成作業を開始することができる。
【0102】
さらに、本実施例では、ポップアップメニュー560による所望の機能部111〜116による作業の選択において、ユーザ'Staff A'がレシピ隠蔽情報作成機能部116によるレシピ隠蔽情報作成作業を選択する場合には、レシピ情報編集機能部110は、ステップS521〜S523によって選択した作業対象に応じた隠蔽範囲をレシピパラメータ表示部520上に表示して、ユーザ'Staff A'が確認できる構成になっている。
【0103】
例えば、レシピ情報編集機能部110は、ポップアップメニュー560のレシピ隠蔽情報作成'Hidden'にマウスのポインタが合わせられ、そのポップアップメニュー560が例えばレシピ分類'P001'に対してポップアップされたものであるならば(S521)、例えばレシピパラメータ表示部520上に表示されているレシピ'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20'それぞれについて、表示部521〜524のパラメータ項目の設定内容全てをハイライト表示して、隠蔽対象による隠蔽範囲がレシピ分類'P001'に含まれる全てのレシピ'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20'それぞれの設定内容全体になることを示す。また、レシピパラメータ表示部520上に表示されているレシピ'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20'の何れかのレシピ名称、例えばレシピ名称'Recipe 19'に対してポップアップされたものであるならば(S522)、レシピ'Recipe 19'についてのみ、表示部521〜524のパラメータ項目の設定内容全てをハイライト表示して、隠蔽範囲がレシピ'Recipe 19'の設定内容全体になることを示す。また、レシピパラメータ表示部520上に表示されている何れかのレシピのレシピ名称以外のパラメータ項目の設定内容、例えば、レシピ'Recipe 19'のフィルム厚表示部523のフィルム厚'2222'に対してポップアップされたものであるならば(S523)、そのフィルム厚'2222'をハイライト表示して、隠蔽範囲がレシピ'Recipe 19'のパラメータ項目の中のフィルム厚'2222'になることを示す。その際、この隠蔽範囲のハイライト表示は、前述の選択した作業対象に係るハイライト表示とは識別可能な表示になっている。
【0104】
なお、この各機能部111〜116による作業の選択の仕方については、ポップアップメニュー560によらずとも、ユーザの操作権限に関係なく各機能部111〜116よる作業の選択スイッチをレシピ情報表示画面500上に予め設けておき、ユーザ自身に操作権限が設定されていない作業が選択された場合には、その選択を無効とする等、種々の変形例が可能である。
【0105】
次に、レシピ情報編集機能部110の各機能部111〜116による作業の中、レシピ隠蔽情報作成機能部116によって行われるレシピ隠蔽情報作成処理について、図6,図7を基に説明する。
【0106】
図6は、隠蔽情報作成機能部によるレシピ隠蔽情報作成処理の一実施例のフローチャートである。
【0107】
レシピ隠蔽情報作成機能部116は、レシピ隠蔽情報作成処理の開始に当たって、先にレシピ情報表示画面500上で選択した、例えばレシピ分類'P001',レシピ'Recipe 19',レシピ'Recipe 19'のフィルム厚'2222'といった隠蔽対象の選択情報を、入力処理部80から取り込む(ステップS610)。
【0108】
また、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ユーザ'Staff A'のログイン認証の際に表示情報作成機能部120が作成したレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240を読み込む(S620)。
【0109】
そして、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象の選択情報、ステップS620でレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330から読み込んだ隠蔽ID情報ファイル240、及び記憶部70のグループ別ユーザID格納フォルダ72に登録されているグループ別ユーザIDファイル220を基にして、レシピ情報表示機能部130が図7に示すようなレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を情報表示部90に表示するためのユーザ表示情報を作成する。レシピ隠蔽情報作成機能部116は、このユーザ表示情報をレシピ情報表示機能部130に参照させて、図5に示したレシピ情報表示画面500に代えて、図7に示すレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を情報表示部90に表示させる(S630)。
【0110】
このレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700は、入力処理部80と協働して、ユーザ自身が隠蔽元となって、先のステップS610でレシピ隠蔽情報作成機能部116が取り込んだ隠蔽対象について、隠蔽ID情報を作成・登録したり、それまで閲覧できなかった隠蔽先のユーザが閲覧できるように隠蔽ID情報を編集したりするためのユーザインタフェースである。
【0111】
ログインユーザ'Staff A'は、レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700上のGUI(Graphical User Interface)をマウスによって操作して、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象について、隠蔽ID情報の作成、又は既に作成又は登録されている隠蔽ID情報の編集を、レシピ隠蔽情報作成機能部116に対し指示して行う(S640)。
【0112】
図7は、レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面の一実施例である。
レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700は、隠蔽ID選択部'Chosen hidden ID'710と、登録済み隠蔽ユーザID表示部'Registered hidden ID list'720と、登録実行ボタン'Addition'730,個別削除ボタン'delete'740,全削除ボタン'All delete'750,承認ボタン'OK'760,取消ボタン'Cancel'770といった操作スイッチとを含む構成になっている。
【0113】
隠蔽ID選択部710は、レシピ情報表示画面500上で選択された隠蔽対象、すなわちステップS610で取り込んだ隠蔽対象について、隠蔽先のユーザグループのユーザを設定するための操作表示部である。本実施例では、隠蔽ID選択部710は、グループID選択部'Group ID list'711と、ユーザID選択部'User ID list'712とを有している。
【0114】
グループID選択部711は、隠蔽先のユーザグループを選択するための操作表示部である。グループID選択部711には、グループ別操作権限格納フォルダ71のグループ別操作権限ファイル210を基に、装置管理者により規定された操作権限それぞれに対応したユーザグループIDの一覧が表示される。
【0115】
隠蔽元となるユーザ'Staff A'は、グループID選択部711の表示上で所望のユーザグループIDにマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、隠蔽先のユーザグループを選択することができる。選択されたユーザグループIDの表示はハイライト表示され、その選択がユーザに報知される。
【0116】
図示のレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を例に説明すると、グループID選択部711には、グループ別操作権限ファイル210を基に、操作権限に対応して割り当てたエンジニア'Engineer',マネージャー'Manager',スタッフ'Staff',テクニシャン'Technician',オペレータ'Operator'の5種類のユーザグループIDが表示される。そして、その中の、オペレータ'Operator'の表示がハイライト表示され、隠蔽先のユーザグループとしてオペレータ'Operator'が選択された状態に該当する。
【0117】
ユーザID選択部712は、隠蔽先のユーザグループのユーザを選択するための操作表示部である。ユーザID選択部712には、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象を閲覧可能なユーザのユーザIDの一覧が、ログインユーザ'Staff A'のユーザIDを取り除いて表示される。その表示に当たって、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、隠蔽対象を閲覧可能なユーザを、例えば、次のようにして取得する。
【0118】
レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ステップS620で読み込んだレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240の中に、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象を含むレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240があるか否かを確認する。確認の結果、隠蔽対象を含むレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240がない場合は、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報、若しくはその取り込んだ隠蔽対象を含むさらに広範な隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報は登録も作成もされておらず、隠蔽対象は全てのユーザグループのユーザに対して閲覧可能であると判断する。これにより、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、グループ別ユーザIDファイル220に登録されているユーザそれぞれのユーザグループID及びユーザIDを取得し、この中からログインユーザ'Staff A'のユーザグループID及びユーザIDを取り除いて、レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700のユーザID選択部712に表示するためのデフォルトのユーザ表示情報を作成する。その後、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、グループID選択部711により隠蔽先のユーザグループが選択されたならば、この作成したデフォルトのユーザ表示情報から選択されたユーザグループに対応するユーザのユーザIDを抽出し、ユーザID選択部712に表示するためユーザ表示情報をこの抽出したユーザIDに更新する。
【0119】
一方、確認の結果、隠蔽対象を含むレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240がある場合は、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、その隠蔽ID情報ファイル240に格納されている隠蔽ID情報の中に、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報、若しくはその取り込んだ隠蔽対象を含むさらに広範な隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報があるか否かを確認する。この確認により、該当する隠蔽ID情報がない場合は、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報、若しくはその取り込んだ隠蔽対象を含むさらに広範な隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報は登録も作成もされておらず、隠蔽対象は全てのユーザグループのユーザに対して閲覧可能であると判断する。これにより、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、グループ別ユーザIDファイル220に登録されているユーザそれぞれのユーザグループID及びユーザIDを取得し、この中からログインユーザ'Staff A'のユーザグループID及びユーザIDを取り除いて、レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700のユーザID選択部712に表示するためのユーザ表示情報を作成する。その後、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、グループID選択部711により隠蔽先のユーザグループが選択されたならば、この作成したユーザ表示情報から選択されたユーザグループに対応するユーザのユーザIDを抽出し、ユーザID選択部712に表示するためユーザ表示情報をこの抽出したユーザIDに更新する。
【0120】
これに対し、前述した確認により、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報、若しくはその取り込んだ隠蔽対象を含むさらに広範な隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報がある場合は、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、これら隠蔽ID情報の隠蔽先としてのユーザのユーザグループID及びユーザIDを、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象について隠蔽されているユーザ、すなわち隠蔽対象を閲覧することができないユーザのユーザグループID及びユーザIDと判断する。そして、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、この隠蔽対象を閲覧することができないユーザのユーザグループID及びユーザIDを抽出し、次に述べるレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700の登録済み隠蔽ユーザID表示部720に表示するためのユーザ表示情報を作成する。この登録済み隠蔽ユーザID表示部720に表示するためのユーザ表示情報の作成とともに、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、この抽出した隠蔽対象を閲覧することができないユーザのユーザグループID及びユーザIDと、グループ別ユーザIDファイル220に登録されているユーザグループのユーザとを対照し、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象を閲覧することができるユーザそれぞれのユーザグループID及びユーザIDを取得する。レシピ隠蔽情報作成機能部116は、この取得した、隠蔽対象を閲覧することができるユーザグループID及びユーザIDそれぞれの中からログインユーザ'Staff A'のユーザグループID及びユーザIDを取り除いて、レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700のユーザID選択部712に表示するためのユーザ表示情報を作成する。その後、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、グループID選択部711により隠蔽先のユーザグループが選択されたならば、この作成したユーザ表示情報から選択されたユーザグループに対応するユーザのユーザIDを抽出し、ユーザID選択部712に表示するためユーザ表示情報をこの抽出したユーザIDに更新する。
【0121】
そのため、情報表示部90にレシピ情報表示画面500に代えてレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を表示した当初は、未だグループID選択部711によるユーザグループIDの選択がなされていないので、本実施例では、ユーザID選択部712には、ユーザグループを問わず、隠蔽対象を閲覧可能なユーザのユーザIDが、ログインユーザ'Staff A'のユーザIDが取り除かれた上で、デフォルト表示される。
【0122】
図示のレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を例に説明すると、グループID選択部711では、ユーザグループのオペレータ'Operator'が選択されていることから、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象を閲覧することができるユーザとして、ユーザID選択部712には、ユーザIDが'Operator A','Operator B','Operator C','Operator D','Operator E'の各ユーザが該当することが表わされている。なお、ユーザID選択部712における'All'の表示は、隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報の隠蔽先として、ユーザグループがオペレータ'Operator'のユーザ全員を選択するために付加されたものである。
【0123】
隠蔽元となるユーザ'Staff A'は、ユーザID選択部712の表示上で隠蔽先の所望のユーザIDにマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、隠蔽先のユーザを選択することができる。選択されたユーザIDの表示はハイライト表示され、その選択がユーザに報知される。また、ユーザ'Staff A'は、ユーザID選択部712の表示上で上述したユーザIDの選択操作を所望のユーザIDを変えて繰り返すことにより、同じユーザグループIDの複数のユーザを隠蔽先として選択することも可能になっている。
【0124】
図示のレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700では、ユーザグループのユーザ全員を選択するための'All'の表示がハイライト表示され、隠蔽対象の隠蔽先として、ユーザグループがオペレータ'Operator'のユーザ全員が選択された状態に該当する。
【0125】
また、例えば、図示のレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象がレシピ分類'P001'のレシピ'Recipe 19'のパラメータ項目の中のレシピ名称'Recipe 19'である場合のレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700とすると、ユーザID選択部712に表示されている、レシピ'Recipe 19'を閲覧することができるユーザ'Operator A','Operator B','Operator C','Operator D','Operator E'のユーザそれぞれの中には、レシピ'Recipe 19'のパラメータ項目の中の全てを閲覧することができるユーザだけではなく、レシピ名称'Recipe 19'以外のパラメータ項目の一部、例えばフィルム厚'2222'について閲覧することができないユーザも含まれることになる。
【0126】
登録済み隠蔽ユーザID表示部720は、ユーザグループを問わず、先にステップS610で取り込んだ隠蔽対象についての現在の隠蔽先の状況を確認するための確認表示部である。登録済み隠蔽ユーザID表示部720には、レシピ隠蔽情報作成機能部116が情報隠蔽ユーザ登録画面700のユーザID選択部712に表示するためのユーザ表示情報を作成する際に併せて取得した、登録済み隠蔽ユーザID表示部720に表示するためのユーザ表示情報を基に、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象を閲覧することができないユーザのユーザグループID及びユーザIDが表示される。すなわち、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象について、その取り込んだ隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報、又はその取り込んだ隠蔽対象を含む、さらに広範な隠蔽対象に対応した隠蔽ID情報に、隠蔽先として既に登録されているユーザのユーザIDの一覧がリスト表示される。したがって、登録済み隠蔽ユーザID表示部720には、隠蔽ID選択部710による隠蔽先のユーザグループ及びユーザの選択に際して、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象に係り、既に隠蔽ID情報が作成又は登録されている、現在の隠蔽先のユーザグループ及びユーザの状況が報知されることになる。隠蔽元となるログインユーザ'Staff A'は、この登録済み隠蔽ユーザID表示部720の表示を参照することで、レシピ情報表示画面500において選択した隠蔽対象に係り、現在の隠蔽先の状況を確認することができる。
【0127】
また、本実施例では、登録済み隠蔽ユーザID表示部720は、レシピ情報表示画面500上で選択した隠蔽対象に係り、その表示されているユーザを隠蔽先から外し、閲覧可能に隠蔽ID情報を編集する際の、対象ユーザの選択部としても使用される。
【0128】
この場合、隠蔽元となるユーザ'Staff A'は、登録済み隠蔽ユーザID表示部720の表示上で隠蔽先になっている所望のユーザグループのユーザIDにマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、隠蔽対象について閲覧可能にするユーザを選択することができる。選択されたユーザIDの表示はハイライト表示され、その選択がユーザに報知される。
【0129】
なお、本実施例では、登録済み隠蔽ユーザID表示部720との間でユーザの重複表示を防止し、ユーザインタフェースとしての取り扱い性の観点から、隠蔽ID選択部710のユーザID選択部712には、既に隠蔽対象について隠蔽済のユーザのユーザIDは表示されない構成としたが、グループID選択部711により選択されたユーザグループについて、グループ別ユーザIDファイル220の抽出結果をそのままに、グループ構成員全員のユーザIDをそれぞれ表示し、隠蔽先のユーザを選択する構成とすることも排除するものではない。
【0130】
登録実行ボタン730は、レシピ隠蔽情報作成機能部116に、ステップS610で取り込んだ隠蔽対象の選択情報に係り、上述した隠蔽ID選択部710のグループID選択部711及びユーザID選択部712で選択したユーザグループのユーザを隠蔽先とした、隠蔽ID情報の作成を指示するためのGUIである。
【0131】
ユーザが登録実行ボタン730にマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、入力処理部80から隠蔽ID情報の作成指示を取り込むと、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、隠蔽対象の選択情報に係り、隠蔽ID選択部710のグループID選択部711及びユーザID選択部712で選択されたユーザグループのユーザを隠蔽先する隠蔽ID情報を作成する。そして、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、この作成した隠蔽ID情報を基にレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330を編集する。
【0132】
レシピ隠蔽情報作成機能部116は、隠蔽情報テーブル330の編集に当たり、該当の隠蔽対象に対応したレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240が既に隠蔽情報テーブル330に格納されている否か、さらに隠蔽ID情報ファイル240が既に隠蔽情報テーブル330に格納されている場合には、該当の隠蔽対象についての隠蔽ID情報が既に隠蔽ID情報ファイル240に格納されている否か応じて、例えば、次のようにして編集する。
【0133】
レシピ隠蔽情報作成機能部116は、該当の隠蔽対象に対応したレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240が未だ隠蔽情報テーブル330に格納されていない場合は、隠蔽情報テーブル330に、該当の隠蔽対象に対応したレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240を新たに追加し、この隠蔽ID情報ファイル240に、該当の隠蔽対象について作成した隠蔽ID情報を格納する。
【0134】
これに対し、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、該当の隠蔽対象に対応したレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240が既に格納されており、その隠蔽ID情報ファイル240に該当の隠蔽対象についての隠蔽ID情報がない場合は、該当の隠蔽対象について作成した隠蔽ID情報をそのまま該当の隠蔽ID情報ファイル240に格納する。一方、該当の隠蔽対象に対応したレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240に該当の隠蔽対象についての隠蔽ID情報がある場合には、その隠蔽ID情報の隠蔽先に、該当の隠蔽対象について作成した隠蔽ID情報の隠蔽先のユーザグループID及びユーザIDを追加する。
【0135】
そのため、隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報ファイル240に格納されている隠蔽ID情報は、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報に対して、レシピ隠蔽情報作成機能部116によるレシピ隠蔽情報の作成進行が反映されたものになる。この編集されたレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330を基に、レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700の表示内容も、レシピ情報表示機能部130によって、隠蔽情報が作成されたユーザのユーザグループID及びユーザIDが隠蔽ID選択部710のグループID選択部711及びユーザID選択部712から表示削除され、登録済み隠蔽ユーザID表示部720に表示追加され、レシピ隠蔽情報作成機能部116によるレシピ隠蔽情報の作成進行が反映されたものになる。レシピ情報表示機能部130は、この表示において、登録済み隠蔽ユーザID表示部720への追加表示の際は、その表示色や表示形態を変える等して、既に隠蔽ID情報ファイル240に隠蔽ID情報が登録されているユーザグループのユーザと区別可能にハイライト表示する。
【0136】
個別削除ボタン740は、登録済み隠蔽ユーザID表示部720に表示されている隠蔽先のユーザグループのユーザを特定して、隠蔽先から外す隠蔽情報作成処理をレシピ隠蔽情報作成機能部116に指示するためのGUIである。
【0137】
ユーザが個別削除ボタン740にマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、入力処理部80から隠蔽ID情報の個別削除指示を取り込むと、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、隠蔽対象の選択情報に係り、予め登録済み隠蔽ユーザID表示部720上で選択されたユーザグループのユーザを、その隠蔽対象についての隠蔽情報の隠蔽先から削除した隠蔽ID情報に変更すべく、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330を編集し、該当の隠蔽対象の隠蔽ID情報の隠蔽先からユーザのユーザグループID及びユーザIDを削除する。
【0138】
全削除ボタン750は、登録済み隠蔽ユーザID表示部720に表示されている隠蔽先のユーザグループのユーザ全てを隠蔽先から外す隠蔽情報作成処理をレシピ隠蔽情報作成機能部116に指示するためのGUIである。
【0139】
ユーザが全削除ボタン750にマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、入力処理部80から隠蔽ID情報の全削除指示を取り込むと、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、隠蔽対象の選択情報に係り、予め登録済み隠蔽ユーザID表示部720上でのユーザグループのユーザの選択なしに、登録済み隠蔽ユーザID表示部720上の全てのユーザグループのユーザを、その隠蔽対象についての隠蔽情報の隠蔽先から削除した隠蔽ID情報に変更すべく、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330を編集し、該当の隠蔽対象の隠蔽ID情報の隠蔽先からユーザのユーザグループID及びユーザIDを削除する。
【0140】
これら個別削除ボタン740及び全削除ボタン750の操作に基づく隠蔽対象についての隠蔽先の削除に伴い、レシピ情報表示機能部130は、この編集されたレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330を基に、この隠蔽先から削除したユーザのユーザグループID及びユーザIDの表示を登録済み隠蔽ユーザID表示部720から表示削除し、隠蔽ID選択部710のグループID選択部711及びユーザID選択部712に表示追加して、レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700の表示内容を、この隠蔽先の削除に対応させて変更する。
【0141】
また、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、これら個別削除ボタン740及び全削除ボタン750の操作に基づく隠蔽情報テーブル330の編集で、隠蔽対象に対応する隠蔽ID情報から隠蔽先が無くなり、全てのユーザがこの隠蔽対象について閲覧可能になる場合には、その隠蔽対象に対応する隠蔽ID情報を隠蔽情報テーブル330から削除する。さらに、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、この隠蔽対象に対応する隠蔽ID情報の削除によって、隠蔽対象に対応したレシピ分類若しくはレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240から隠蔽ID情報が無くなり、全てのユーザがこのレシピ分類若しくはレシピについて閲覧可能になる場合には、この隠蔽ID情報ファイル240を隠蔽情報テーブル330から削除する。
【0142】
承認ボタン760は、隠蔽先のユーザがログイン認証した後のレシピ情報表示画面500の表示に反映させるため、隠蔽元のログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係り、上述のようにしてレシピ隠蔽情報作成機能部116によって編集されたレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330の内容を、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74へ登録・保存することをレシピ隠蔽情報作成機能部116に指示するためのGUIである。
【0143】
取消ボタン770は、隠蔽元のログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係り、上述のようにレシピ隠蔽情報作成機能部116によって編集されたレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330の内容を、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74へ登録・保存せず、レシピ隠蔽情報作成機能部116にレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を用いたレシピ隠蔽情報作成処理の強制終了を指示するためのGUIである。
【0144】
図6に示すように、ユーザが承認ボタン760にマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、レシピ隠蔽情報作成機能部116が入力処理部80から隠蔽ID情報の隠蔽ID情報格納フォルダ74への登録・保存指示を取り込むと(S650,YES)、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、隠蔽先のユーザがログイン認証した後のレシピ情報表示画面500の表示に反映させるため、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されているログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係り、その隠蔽ID情報ファイル240及びこの隠蔽ID情報ファイル240に格納されている隠蔽ID情報を、レシピ隠蔽情報作成機能部116によって編集されたレシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及びこの隠蔽ID情報ファイル240に格納されている隠蔽ID情報に書き換え、登録・保存する(S660)。
【0145】
レシピ隠蔽情報作成機能部116は、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報を、隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納して登録・保存するに当たり、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係り、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報の内容と、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報とを照合することによって行われる。例えば、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係り、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されていない、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240又は隠蔽ID情報については、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に追加される。同様に、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係り、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されてはいても、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されていない隠蔽ID情報ファイル240又は隠蔽ID情報については、その削除が行われる。また、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納され、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330にも格納されている隠蔽ID情報ファイル240又は隠蔽ID情報については、隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240又は隠蔽ID情報の内容に置き換えられる。これにより、隠蔽ID情報格納フォルダ74に登録・保存されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報は、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピについては、レシピ表示情報300の隠蔽情報テーブル330に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報に変更されることになる。
【0146】
これに対し、ユーザが取消ボタン770にマウスのポインタを合わせて左クリックすることにより、レシピ隠蔽情報作成機能部116が入力処理部80からレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を用いたレシピ隠蔽情報作成処理の強制終了を取り込むと(S650,NO)、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係り、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納されている隠蔽ID情報ファイル240及び隠蔽ID情報の上述したような変更を行わない。
【0147】
承認ボタン760又は取消ボタン770の操作により、レシピ隠蔽情報作成機能部116によるレシピ隠蔽情報作成処理がこのようにして終了すると、レシピ情報編集機能部110は、レシピ情報表示画面500等の閲覧設定画面を作成する際にレシピ情報表示機能部130が参照するレシピ表示情報300を、表示情報作成機能部120に作成指示する(S670)。その上で、レシピ情報編集機能部110は、上述したレシピ隠蔽情報作成機能部116によるレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を用いたレシピ隠蔽情報作成処理を含む、ステップS521〜S523によって選択した作業対象に対しての処理を終了させる。
【0148】
これにより、このレシピ表示情報300の作成指示を受けた表示情報作成機能部120は、記憶部70に記憶されている各ファイル210,220,230,240それぞれの記憶情報を基に、レシピ情報表示機能部130がレシピ情報表示画面500を作成する際に参照するレシピ表示情報300を表示情報作成機能部120が作成し直すことになる。
【0149】
したがって、ステップS640での承認ボタン760の操作に基づいて、レシピ隠蔽情報作成機能部116が作成した隠蔽ID情報を記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74の隠蔽ID情報ファイル240に登録・編集した場合は、表示情報作成機能部120が作成し直したレシピ表示情報300は、前述のステップS630によりレシピ情報隠蔽ユーザ登録画面700を用いて作成した隠蔽ID情報を反映させたものになる(S670)。一方、ステップS640での取消ボタン770の操作に基づいて、レシピ隠蔽情報作成機能部116が作成した隠蔽ID情報を記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74の隠蔽ID情報ファイル240に登録・編集しなかった場合は、表示情報作成機能部120が作成し直したレシピ表示情報300は、前述のステップS610で取り込んだ隠蔽対象の選択情報をユーザが設定した際の、レシピ情報表示画面500の基となったレシピ表示情報300と変わらない。
【0150】
これにより、情報表示部90には、表示情報作成機能部120が作成し直したレシピ表示情報300を基に、図5に示したレシピ情報表示画面500が、ユーザが検査作業に用いるレシピを選択設定するためのユーザインタフェースとして、レシピ情報表示機能部130によって再び表示されることになる。この結果、ユーザは、例えば、別の隠蔽対象のレシピ分類又はレシピを選択してレシピ隠蔽情報作成処理を行うことも含め、レシピの選択の確定を行って検査作業やレシピ情報編集を進める等の種々の作業処理を行い得る。
【0151】
次に、ログインユーザがユーザ認証された際のレシピ表示情報300の作成指示、又は図6に示したレシピ隠蔽情報作成処理のステップS670で述べたレシピ表示情報300の作成指示に基づき、表示情報作成機能部120が行う表示情報作成処理について、図8に基づいて説明する。この場合、表示情報作成機能部120の表示情報作成処理によって作成されるレシピ表示情報300は、図2に示した分類管理テーブル310、分類名称管理テーブル320、及び隠蔽情報テーブル330に該当する。レシピ表示情報300は、レシピ情報表示機能部130が閲覧設定画面としてのレシピ情報表示画面500等の閲覧設定画面を生成する際に参照する情報である。
【0152】
図8は、表示情報作成機能部による表示情報作成処理の一実施例のフローチャートである。
【0153】
表示情報作成機能部120は、レシピ表示情報300の作成指示を取り込むと、記憶部70のレシピ格納フォルダ73に登録されているレシピ分類フォルダ、及びこのレシピ分類フォルダに対応させて格納されているレシピファイル230を、レシピ分類フォルダに対応付けて階層関係を有して系統的に管理しているレシピの系統順に従って、レシピ格納フォルダ73から1つずつ読み込む(S710)。表示情報作成機能部120は、このレシピ分類フォルダ及びレシピファイル230の読み込み結果に基づいて、レシピ格納フォルダ73に登録されている全てのレシピ分類フォルダ、及びこれらレシピ分類フォルダに対応して格納されている全てのレシピファイル230について、レシピ格納フォルダ73からの読み込みが終了したか否か、すなわち、レシピ格納フォルダ73に登録されている全てのレシピ分類フォルダ及びレシピファイル230について、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係るレシピ表示情報300の作成が済んだか否かについて確認する(S720)。
【0154】
表示情報作成機能部120は、レシピ格納フォルダ73に登録されている全てのレシピ分類フォルダ及びレシピファイル230について、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係るレシピ表示情報300の作成が済んでおり、ステップS710で新たなレシピ分類フォルダ及びレシピファイル230を読み込めない場合は(S720,NO)、ログインユーザに対して、レシピ情報表示機能部130がレシピ情報表示画面500等の閲覧設定画面を生成する際に参照するレシピ表示情報300についての表示情報作成処理を終了する。
【0155】
一方、レシピ格納フォルダ73に登録されている全てのレシピ分類フォルダ及びレシピファイル230について、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに係るレシピ表示情報300の作成が済んでおらず、未だログインユーザが閲覧可能か否かの判断がなされていないレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230が残っており、ステップS710でそのレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230を読み込んだ場合は(S720,YES)、その読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230について、次のようにして、ログインユーザに対してのレシピ分類又はレシピのレシピ表示情報を作成する。
【0156】
表示情報作成機能部120は、まず、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230についての表示隠蔽フラグを一旦リセットして初期化する(S730)。この場合、表示隠蔽フラグは、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230についてログインユーザにそのまま閲覧させるか否かを示すもので、リセット状態、すなわちフラグの値が0のときは、ログインユーザにそのまま閲覧させることを指示するものである。
【0157】
その上で、表示情報作成機能部120は、隠蔽判断機能部121が、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に登録されている隠蔽ID情報ファイル240の中に、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230に対応した隠蔽ID情報ファイル240があるか否かを確認する(S740)。
【0158】
隠蔽判断機能部121は、この確認によって対応した隠蔽ID情報ファイル240がある場合には、この隠蔽ID情報ファイル240が、ログインユーザを隠蔽先に含む隠蔽ID情報を格納している隠蔽ID情報ファイル240であるか否かの確認を行う。
【0159】
その確認のため、図示の例では、隠蔽判断機能部121は、この隠蔽ID情報ファイル240に格納されている、レシピ分類、又はレシピのレシピ名称,被検査体のフィルム種別,被検査体のフィルム厚さ,測定感度,…といったパラメータ項目に対応した隠蔽ID情報それぞれを順次読み込み(S750)、その読み込んだ隠蔽ID情報の隠蔽先にログインユーザが含まれているか否かを確認する(S752〜758)。
【0160】
隠蔽判断機能部121は、隠蔽ID情報ファイル240に格納されている全ての隠蔽ID情報について確認が済んだか否かを確認し(S752)、ステップS750で新たな隠蔽ID情報を読み込めない場合は(S752,NO)、隠蔽ID情報ファイル240に格納されている隠蔽ID情報それぞれの隠蔽先についてのログインユーザの確認処理を終了する。これに対し、隠蔽判断機能部121は、隠蔽ID情報を読み込んだ場合は(S752,YES)、図2に示したような隠蔽ID情報241の隠蔽先のユーザのユーザグループID242及びユーザID243を取り出し(S754)、その中にログインユーザのグループID及びユーザIDが含まれている否かを確認する(S756)。
【0161】
そして、隠蔽判断機能部121は、隠蔽ID情報の隠蔽先の中にログインユーザが含まれている場合には(S756, YES)、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230についての表示隠蔽フラグをセットし、フラグの値を1にして(S758)、ログインユーザの確認処理を終了する一方、含まれていない場合には(S756)、表示隠蔽フラグはそのままにして、次の隠蔽ID情報の読み込み(S750)を行う。
【0162】
このようにして、隠蔽判断機能部121が、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230について、隠蔽ID情報ファイル240及びそれに格納されている隠蔽ID情報の確認を行った後(S730〜758)、表示情報作成機能部120は、表示隠蔽フラグのセット又はリセット状態を確認し(S760)、このレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230に係るレシピ表示情報の作成を行う(S770,S780)。
【0163】
レシピ表示情報300の作成は、表示隠蔽フラグがリセット状態すなわち0の場合は、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230については、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74にこのレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230に対応する隠蔽ID情報ファイル240は格納されておらず、又は隠蔽ID情報ファイル240が格納されてはいてもその中にはログインユーザを隠蔽先とする隠蔽ID情報は格納されていないので、表示情報作成機能部120は、レシピ分類フォルダのレシピ分類、又はレシピファイル230のレシピ名称,被検査体のフィルム種別,被検査体のフィルム厚さ,測定感度,…等といったパラメータ項目それぞれを、レシピ表示情報300の分類管理テーブル310又は分類名称管理テーブル320に格納して、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230についてのレシピ表示情報300の作成を行う(S770)。
【0164】
これに対して、表示隠蔽フラグがセット状態すなわち1の場合には、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230については、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74にログインユーザを隠蔽先に含む隠蔽ID情報を格納した隠蔽ID情報ファイル240が格納されていることから、その隠蔽ID情報に対応させて、レシピ分類フォルダのレシピ分類又はレシピファイル230のパラメータ項目それぞれを、レシピ表示情報300の分類管理テーブル310又は分類名称管理テーブル320に格納する。
【0165】
本実施例では、レシピ分類フォルダのレシピ分類、又はレシピファイル230のパラメータ項目の中のレシピ名称に対応した隠蔽ID情報の隠蔽先にログインユーザが含まれている場合には、表示情報作成機能部120は、レシピ分類フォルダのレシピ分類、又はレシピファイル230のレシピ名称,被検査体のフィルム種別,被検査体のフィルム厚さ,測定感度,…等といったパラメータ項目それぞれを、レシピ表示情報300の分類管理テーブル310又は分類名称管理テーブル320に格納せず、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230についてのレシピ表示情報の作成を行わない(S780)。一方、ステップS710で読み込んだのがレシピファイル230であり、被検査体のフィルム種別,被検査体のフィルム厚さ,測定感度,…等といったレシピ名称以外のパラメータ項目に対応した隠蔽ID情報の隠蔽先にのみログインユーザが含まれている場合には、そのパラメータ項目の設定内容についてだけ閲覧できないように編集を施して、パラメータ項目それぞれを分類名称管理テーブル320に格納して、ステップS710で読み込んだレシピ分類フォルダ又はレシピファイル230についてのレシピ表示情報の作成を行う(S780)。
【0166】
また、図8では図示省略したが、表示情報作成機能部120は、上述したレシピ表示情報300の作成に係り、ステップS740で隠蔽ID情報ファイル240を確認する毎、その隠蔽ID情報ファイル240がパラメータ項目の中のレシピ名称に対応した隠蔽ID情報の隠蔽先にログインユーザが含まれていない隠蔽ID情報ファイル240である場合には、その隠蔽ID情報ファイル240及びそれに格納されている隠蔽ID情報を、隠蔽情報テーブル330に格納する。その際、ログインユーザが隠蔽先に含まれている隠蔽ID情報については、レシピ隠蔽情報作成機能部116による隠蔽ID情報の隠蔽先の編集を行えない処置を施して格納する。これにより、隠蔽情報テーブル330には、ログインユーザが閲覧可能なレシピ分類及びレシピに対応した隠蔽ID情報ファイル240及びそれに格納されている隠蔽ID情報が、ログインユーザが閲覧することができないパラメータ項目を除いて編集可能に格納されることになる。
【0167】
この結果、表示情報作成機能部120が生成した、分類管理テーブル310,分類名称管理テーブル320,隠蔽情報テーブル330を有する表示情報300を基にして、レシピ情報表示機能部130は、図5に示したレシピ情報表示画面500等の閲覧設定画面を生成する一方、レシピ隠蔽情報作成機能部116は、ユーザ自身が閲覧可能なレシピ分類又はレシピの設定内容について他のユーザに対して隠蔽し又は隠蔽解除するための図6に示したレシピ隠蔽情報作成処理を行い得る。
【0168】
図9,図10,図11は、本実施の形態の表面検査装置において、ログインユーザがユーザ認証された後、情報表示部に閲覧設定画面として表示されるレシピ情報表示画面の表示態様の実施例を示したものである。
【0169】
なお、説明に当たっては、例えば、スタッフ'Staff'操作権限を有するユーザIDが'Staff B'のユーザが、自身のユーザグループID'Staff'及びユーザID'Staff B'を使用して表面検査装置1にログインした状況を想定する。その際、同じスタッフ'Staff'操作権限を有するユーザIDが'Staff A'のユーザが、レシピ隠蔽情報作成機能部116によるレシピ隠蔽情報作成処理を使用して、予めユーザ'Staff A'が閲覧可能なレシピファイル230に係り、ユーザ'Staff B'を隠蔽先とする隠蔽ID情報を生成し、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に格納してある状況を想定する。
【0170】
図9は、ログイン認証後、情報表示部に表示される閲覧設定画面の一実施例である。
本実施例は、予め、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74にレシピ名称'Recipe 19'のレシピファイル230に対応した隠蔽ID情報ファイル240が格納され、その隠蔽ID情報ファイル240には、ユーザ'Staff A'がレシピ隠蔽情報作成機能部116によって作成した、パラメータ項目の中のレシピ名称'Recipe 19'に対応したユーザ'Staff B'を隠蔽先とする隠蔽ID情報が格納されている状況での、ユーザ'Staff B'が表面検査装置1にログインした場合の閲覧設定画面500に該当する。
【0171】
この場合、ユーザ'Staff B'がユーザ認証された際のレシピ表示情報300の作成指示により、表示情報作成機能部120は、図8に示した表示情報作成処理の実行によって、レシピ名称'Recipe 19'のレシピファイル230については、レシピ名称,被検査体のフィルム種別,被検査体のフィルム厚さ,測定感度,…等といったパラメータ項目全てを、レシピ表示情報300の分類名称管理テーブル320に格納していないレシピ表示情報300を作成する。
【0172】
そのため、このレシピ表示情報300を基にしてレシピ情報表示機能部130により作成されるユーザ'Staff B'の閲覧設定画面500では、ユーザ'Staff B'がレシピ分類表示部510でレシピ名称'Recipe 19'のレシピファイル230が含まれるレシピ分類'P001'を選択しても、レシピパラメータ表示部520には、レシピ名称'Recipe 19'のレシピファイル230のパラメータ項目は全て隠蔽され、何も表示されない。また、レシピ検索表示部530にも、ユーザ'Staff B'が検索閲覧可能なレシピファイル230としてレシピ名称'Recipe 19'は表示されない。
【0173】
図10は、ログイン認証後、情報表示部に表示される閲覧設定画面の別の実施例である。
【0174】
本実施例は、予め、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74にレシピ名称'Recipe 19'のレシピファイル230に対応した隠蔽ID情報ファイル240が格納され、その隠蔽ID情報ファイル240には、ユーザ'Staff A'がレシピ隠蔽情報作成機能部116によって作成した、パラメータ項目の中の被検査体のフィルム厚さ'Film thickness'に対応したユーザ'Staff B'を隠蔽先とする隠蔽ID情報が格納されている状況での、ユーザ'Staff B'が表面検査装置1にログインした場合の閲覧設定画面500に該当する。
【0175】
この場合、ユーザ'Staff B'がユーザ認証された際のレシピ表示情報300の作成指示により、表示情報作成機能部120は、図8に示した表示情報作成処理の実行によって、レシピ名称'Recipe 19'のレシピファイル230については、レシピ名称'Process name',被検査体のフィルム種別'Film kind',被検査体のフィルム厚さ'Film thickness',測定感度'Measurement range',…等といったパラメータ項目の中、被検査体のフィルム厚さ'Film thickness'についてはレシピ表示情報300の分類名称管理テーブル320にその設定内容を格納していないレシピ表示情報300を作成する。
【0176】
そのため、このレシピ表示情報300を基にしてレシピ情報表示機能部130により作成されるユーザ'Staff B'の閲覧設定画面500では、ユーザ'Staff B'がレシピ分類表示部510でレシピ名称'Recipe 19'のレシピファイル230が含まれるレシピ分類'P001'を選択しても、レシピパラメータ表示部520には、レシピ名称'Recipe 19'のパラメータ項目の中の被検査体のフィルム厚さ'Film thickness'については、その設定内容が隠蔽され、マスク表示される。
【0177】
図11は、ログイン認証後、情報表示部に表示される閲覧設定画面のさらに別の実施例である。
【0178】
本実施例は、予め、記憶部70の隠蔽ID情報格納フォルダ74に、分類名称'Production'のレシピ分類の階層下の、分類名称'P001'のレシピ分類のレシピ分類フォルダに対応した隠蔽ID情報ファイル240が格納され、その隠蔽ID情報ファイル240には、ユーザ'Staff A'がレシピ隠蔽情報作成機能部116によって作成した、分類名称'P001'のレシピ分類に対応したユーザ'Staff B'を隠蔽先とする隠蔽ID情報が格納されている状況での、ユーザ'Staff B'が表面検査装置1にログインした場合の閲覧設定画面500に該当する。
【0179】
この場合、ユーザ'Staff B'がユーザ認証された際のレシピ表示情報300の作成指示により、表示情報作成機能部120は、図8に示した表示情報作成処理の実行によって、分類名称'P001'のレシピ分類とその階層下の分類名称'P001','Device 1','Device 2','Layer 1','Layer 2','Layer 3','Layer 4'のレシピ分類とについてはレシピ表示情報300の分類管理テーブル310に格納せず、これらレシピ分類に対応させられているレシピ名称'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20','Recipe 21','Recipe 22'のレシピファイル230それぞれについては、レシピ名称,被検査体のフィルム種別,被検査体のフィルム厚さ,測定感度,…等といったパラメータ項目全てを、レシピ表示情報300の分類名称管理テーブル320に格納していないレシピ表示情報300を作成する。
【0180】
そのため、このレシピ表示情報300を基にしてレシピ情報表示機能部130により作成されるユーザ'Staff B'の閲覧設定画面500では、レシピ分類表示部510において、分類名称'Production'の階層下のレシピ分類の分類名称'P001','Device 1','Device 2','Layer 1','Layer 2','Layer 3','Layer 4'が全て隠蔽され、何も表示されない。また、レシピ検索表示部530にも、ユーザ'Staff B'が検索閲覧可能なレシピファイル230として、これらレシピ分類に分類されたレシピファイル230それぞれのレシピ名称'Recipe 18','Recipe 19','Recipe 20','Recipe 21','Recipe 22'は表示されない。
【0181】
このように、本実施の形態の表面検査装置1によれば、ユーザ'Staff A'は、閲覧設定画面500で閲覧可能なレシピ分類やレシピの設定内容について、表面検査装置1を共用する他の関係がないユーザ'Staff B'に対して隠蔽しておくことができ、レシピに関する機密情報の漏洩を防止でき、セキュリティを向上させることができる。また、隠蔽されたユーザ'Staff B'にとっては、例え権限を有していても、本来関係がないレシピが閲覧設定画面500上で選択対象として表示されなくなるので、このようなレシピを誤って選択してしまうのを防止できるようになり、所望のレシピの選択を容易かつ的確に行い得るようになる。
【0182】
また、ユーザ'Engineer A'〜'Engineer F','Manager A'〜'Manager C','Staff A'〜'Staff D','Technician A'〜'Technician C','Operator A'〜'Operator E'それぞれの操作権限'Engineer','Manager','Staff','Technician','Operator'を設定可能な装置管理者(Administrator;アドミニストレータ)でなくとも、ユーザ(図示の実施の形態の場合は、'Engineer A'〜'Engineer F'及び'Staff A'〜'Staff D')は、それぞれ自身がその所在を感得しているレシピ分類又はレシピについて、自ら(例えば、ユーザ'Staff A')が隠蔽元になって隠蔽先の他のユーザ(例えば、'Staff B',…)に対して隠蔽しておくだけで、装置管理者によって、ユーザそれぞれ(例えば、ユーザ'Staff A'及び'Staff B'それぞれ)に、操作権限を設定するのと実質的に同等な、強力な保護効果を取得することができる。
【0183】
さらに、関係先へのデモンストレーション時には、ユーザ自身の本来のユーザ設定'Staff A'を用いてではなく、その関係先に対応したユーザ設定(例えば、'Customer A')を用いてデモンストレーションを行うことによって、デモンストレーション実施時に、デモンストレーション先'Customer A'に対して、本来のユーザ設定'Staff A'に含まれている他社メーカ用'Customer B'のレシピを隠しておくこともできる。
【0184】
本実施の形態に係る表面検査装置1は以上述べたように構成されるが、例えば、閲覧設定画面500等の表示態様やその操作態様等の具体的構成については、種々の変形例が可能である。
【0185】
すなわち、本発明は、検査装置を共有するユーザ各自が、ユーザ自身の閲覧設定画面において閲覧可能なレシピ分類又はレシピを、他のユーザの閲覧設定画面において隠蔽しておくことができる検査装置であれば、その具体的な構成及び手順は上述した実施の形態の構成及び手順に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0186】
1 表面検査装置、 10 ウエハ、 20 ウエハ載置部、
21 ウエハチャック、 22 回転ステージ、 23 直進ステージ、
24 ベース、 30 照明光学系、 31 レーザ光源、
32 照明光偏光フィルタ、 33,34 反射ミラー、
35 照明角度切換ミラー、 40 検出光学系、 41〜44 検出器、
45 A/D変換器、 46 データ処理部、 50 作動制御部、
60 全体制御部、 70 記憶部、 71 グループ別操作権限格納フォルダ、
72 グループ別ユーザID格納フォルダ、 73 レシピ格納フォルダ、
74 隠蔽ID情報格納フォルダ、 80 入力処理部、 90 情報表示部、
100 PC装置、 101 レシピ制御部、 110 レシピ情報編集機能部、
111 レシピファイル登録・編集機能部、 112 レシピファイル検索機能部、
113 レシピファイルコピー機能部、 114 レシピファイル削除機能部、
115 レシピファイル名称変更機能部、 116 レシピ隠蔽情報作成機能部、
120 表示情報作成機能部、 121 隠蔽判断機能部、
130 レシピ情報表示機能部、 131 分類表示機能部、
132 リスト表示機能部、 210 グループ別操作権限ファイル、
220 グループ別ユーザIDファイル、 230 レシピファイル、
240 隠蔽ID情報ファイル、 241 隠蔽ID情報、
242 隠蔽先ユーザグループID、 243 隠蔽先ユーザID、
300 レシピ表示情報、 310 分類管理テーブル、
320 分類名称管理テーブル、 330 隠蔽情報テーブル
500 レシピ情報表示画面、 510 レシピ分類表示部、
520 レシピパラメータ表示部、 521 レシピ名表示部、
522 フィルム種別表示部、 523 フィルム厚表示部、
524 測定感度表示部、 530 レシピ検索表示部、 541 選択ボタン、
542 終了ボタン、 560 ポップアップメニュー、
700 レシピ情報隠蔽ユーザ登録画面、 710 隠蔽ID選択部、
711 グループID選択部、 712 ユーザID選択部、
720 登録済み隠蔽ユーザID表示部、 730 登録実行ボタン、
740 個別削除ボタン、 750 取消ボタン、 760 承認ボタン、
770 取消ボタン、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ認証により表示部に表示された閲覧設定画面上の閲覧可能なレシピの中から、ユーザにより選択された所望のレシピの設定内容に従って、検査光を被検査体の表面に照射し、被検査体の表面で発生した反射光又は散乱光を検出することによって、被検査体の表面に存在する異物を検出する検査装置であって、
検査に用いられるレシピが格納されているレシピ格納部と、
前記閲覧設定画面上の閲覧可能なレシピの中からユーザにより選択された所望のレシピに係り、装置を共有するユーザの中からユーザにより選択された所望の他のユーザに対して当該選択されたレシピの設定内容の一部又は全部を隠蔽するため、当該他のユーザを隠蔽先に含む隠蔽ID情報を作成するレシピ隠蔽情報作成機能部と、
装置を共有するユーザそれぞれにより該レシピ隠蔽情報作成機能部をもって作成された隠蔽ID情報が格納される隠蔽ID情報記憶部と、
前記閲覧設定画面上で前記レシピ格納部に格納されているレシピを閲覧可能に示すに際し、該隠蔽ID情報記憶部に隠蔽ID情報が格納されているレシピについては、該隠蔽ID情報記憶部に格納されている隠蔽ID情報それぞれの隠蔽先に当該ユーザ認証されたユーザが含まれているか否かに応じて、当該隠蔽ID情報に対応するレシピの設定内容の一部又は全部を隠蔽又は閲覧させるレシピ表示情報を作成する表示情報作成機能部と、
該表示情報作成機能部により作成されたレシピ表示情報に基づいて、前記ユーザ認証されたユーザが選択可能なレシピを示した前記閲覧設定画面を前記表示部に表示するレシピ情報表示機能部と
を備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記レシピの設定内容は、レシピ名称,被検査体のフィルム種別(形成膜の種別),被検査体のフィルム厚さ(形成膜の膜厚),測定感度といったパラメータ項目であることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
ユーザ認証により表示部に表示された閲覧設定画面上の閲覧可能なレシピの中から、設定内容の一部又は全部を隠蔽するレシピを選択する隠蔽対象選択ステップ、
装置を共有するユーザの中から隠蔽先となる所望の他のユーザを選択する隠蔽先選択ステップ、
前記隠蔽対象選択ステップにより選択されたレシピの設定内容の一部又は全部を、前記隠蔽先選択ステップにより選択された他のユーザが前記閲覧設定画面上で閲覧できないように、当該レシピの設定内容の一部又は全部について当該他のユーザを隠蔽先に含む隠蔽ID情報を作成するレシピ隠蔽情報作成ステップ、
前記閲覧設定画面上で閲覧可能なレシピを示すに際し、隠蔽ID情報が作成されているレシピについては、当該隠蔽ID情報の隠蔽先に当該ユーザ認証されたユーザが含まれているか否かに応じて、当該隠蔽ID情報に対応するレシピの設定内容の一部又は全部を隠蔽又は閲覧させるレシピ表示情報を作成する表示情報作成ステップ、
該表示情報作成ステップにより作成されたレシピ表示情報を基づいて、前記ユーザ認証されたユーザが選択可能なレシピを示した前記閲覧設定画面を前記表示部に表示するレシピ情報表示ステップ
を含むことを特徴とする検査レシピの隠蔽方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−7708(P2013−7708A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141892(P2011−141892)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】