説明

検査装置

【課題】欠陥画像と参照画像との差画像から欠陥を抽出する検査装置において,位置合わせのための画素間補間演算に時間がかかっていた。また,欠陥の寸法算出や分類を行う場合もサンプリング点数が不足するため,十分な精度が得られない。
【解決手段】検査試料を搭載したステージ1の移動方向に対して2次元センサ3を所定の角度傾けて設置し,ステージ1の移動と同期して撮像,画像を再構成することにより,ウエハ2に対して,2次元センサ3の画素サイズ以下の高密度サンプリングの画像を得ることが出来る。これにより,位置合わせ時の補間演算が不要になり,また,欠陥の寸法算出,分類が高精度に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,検査装置に係り、特に半導体回路が形成されたICチップが多数形成された半導体ウエハ等の表面を精度よく、かつ、高速で測定する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ上の回路パターンの欠陥検出には主に光学式の欠陥検査装置が用いられている。この装置は,ウエハの搭載されたステージを走査することにより,順々にLSIチップ内の回路パターンを撮像センサで撮像する。回路パターン像は,一時的に保存されている隣接チップの回路パターン像と比較され,画像処理で差分を抽出することにより,欠陥を検出している。差分抽出時には,ステージの走査精度に依存し,隣接チップの画像間に位置ずれが生じることが課題となる。特許文献1では,撮像センサの画素ピッチ以下の精度で画像の位置ずれを補正するため,例えば4点の近傍画素の輝度値から,画素ピッチ以下のシフト位置での輝度値を内挿補間で求める方法が開示されている。
【0003】
また,抽出された差分の画素群から,欠陥の寸法を算出する方法が特許文献2に開示されている。さらに,抽出した画素群の輝度勾配の方向から,裏面異物やムラ等の欠陥の分類を行う方法が,特許文献3に開示されている。
【0004】
また,ステージ走査と2次元のCMOSセンサを組み合わせることで,ステージ走査方向の画素を加算し画像のノイズを低減する方法や,さらに,カラーストロボ照明やカラーフィルタを用いることにより,カラー(RGB)画像を撮像する方法が,特許文献4に開示されている。
【0005】
一方,プリント回路基板の露光技術として,基板を載置したステージの走査とマイクロミラーアレイ素子を用いて,投影用マスクを用いることなく,直接回路パターンを基板上に描画する方法が特許文献5に開示されている。この方法では,ステージ走査方向とマイクロミラーアレイ素子の方向を所定の角度傾けることにより,アレイ素子のピッチ以下の精度で描画位置を制御している。
【0006】
また,特許文献6には,ウエハの方向を,1次元センサおよびステージ走査方向と所定の角度,傾斜させることにより,1次元センサに入るウエハ上の回路パターンからの散乱光ノイズを低減させる技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】公開特許公報:特開平9−128540
【特許文献2】公開特許公報:特開平9−264728
【特許文献3】公開特許公報:特開2005−294521
【特許文献4】公開特許公報:特表2005−520123
【特許文献5】公開特許公報:特開2003−84444
【特許文献6】公開特許公報:特開平9−210917
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように,画像の位置補正には,隣接画素から輝度値の補間演算が必要なため,処理に時間がかかる。また,線形補間となるため,非線形な輝度変化に対して画素サイズが大きい場合は,補間した輝度値が実際の試料の輝度値に対して誤差を持つ。この時,隣接画像との差分からの欠陥抽出において,欠陥の誤検出や見逃しが生じやすい。一方,欠陥寸法算出や分類を行う場合も,実際の寸法や形状に対して画素サイズで決まるサンプリング点数でしか算出できないため,寸法や分類精度に限界が生じる。
【0009】
これらの問題は,画素サイズを小さくし,撮像倍率を上げて試料上での検査する面積を小さくすれば解決可能であるが,一方で,撮像視野が小さくなるため,ウエハや基板全体を検査するのに,ステージの往復回数が増大し,検査スループットが下がってしまう。
【0010】
本発明の目的は,検査スループットを下げずに画像の画素サイズ以下の位置ずれ補正を実現し,高精度の欠陥寸法算出,分類を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため,本発明では,試料の載置されたステージと撮像センサを同期させて撮像する欠陥検査装置において,撮像センサに2次元センサを用い,ステージ走査方向と2次元センサの垂直配列方向を所定の角度異ならしめる構成とした。また,2次元センサが傾きをもつことにより,水平配列方向の各画素をステージがよぎる時間に遅れが生じるので,水平方向の画素の露光,読み出しのタイミングを隣接画素に対して,それぞれ所定の時間遅らせる遅延回路を備える構成とした。
【0012】
さらに,垂直配列方向,すなわち,ステージ走査方向の画素に対しては,ステージ走査位置に合わせて露光,読み出しのタイミングを同期させる構成とした。また,各画素で蓄積された電荷を,デジタル値に変換するAD変換回路を各画素毎に備えることにより並列同時読み出しを実現し,各画素の光強度値を記憶するバッファを備える構成とした。さらに,各画素の輝度値を並べ替え,画素サイズ以下のサンプリングでの画像を構成する画像生成部を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば,画素サイズ以下のサンプリングで画像が撮像できるので,欠陥抽出のための差画像演算時に画像補間が不要となり,欠陥抽出処理が高速化できる。また,画素サイズ以下の精度で欠陥寸法を算出することが可能になる。さらに,欠陥を構成する画素の位置,輝度値の情報が増えるので,欠陥分類のための特徴量が増し,欠陥分類の精度が向上する。
【0014】
これらにより,欠陥の検査スループットが向上し,また,欠陥寸法や分類精度が向上することにより,欠陥発生原因の特定作業が迅速化し,半導体デバイスの歩留まり高歩留まり生産が可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
試料の載置されたステージと撮像センサを同期させて撮像する欠陥検査装置において,撮像センサに2次元センサを用い,ステージ走査方向と2次元センサの垂直方向を所定の角度αだけ異ならしめる。2次元センサには,ステージ走査方向の各画素の輝度値を読み出すためのAD変換器,輝度値を一時的に記憶するバッファ,および画素の配置を並び替えることにより,画素サイズ以下のサンプリングでの画像を生成する画像生成部を備える。
【0016】
本発明の実施の形態を,図を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の第1の実施例を,図1〜図12に基づいて説明する。図1は本実施例の全体構成の平面図,図2は,その立面図である。ステージ1には,ウエハチャック11を介して,ウエハ2が搭載されている。ステージ1にはスケール12が設置されており,座標センサ13によって,その位置が読み取られる。2次元センサ3は,ステージ1の移動方向に対して,角度αだけ傾いて設置されている。2次元センサの撮像素子としては,CMOSセンサが使用される。CMOSセンサは,撮像データにランダムにアクセスできるので,本発明におけるセンサとしては好適である。
【0018】
照明系4はウエハ2を照明し,対物レンズ5は,照明系4で照明されたウエハ2の領域を2次元センサ3に結像する。これにより,ウエハ2上の欠陥は2次元センサ3で撮像される。また,座標センサ13の信号は2次元センサ駆動回路31に送られる。2次元センサ3の出力信号は,バッファ32でいったん保持され,画像生成部6に送られた後,画像として生成される。画像はいったん画像メモリ61に記憶され,これを参照画像として,欠陥抽出部7が,新たに生成された欠陥画像と位置合わせし,差画像を算出することにより,欠陥が抽出される。
【0019】
次に,2次元センサ3の画素配列とステージ移動方向の関係を図3により説明する。2次元センサ3はステージ1の移動方向に対して角度α傾いて設置される。この時,水平方向の画素ピッチをΔXとすると,水平方向に隣接する画素の画素中心3011は画素中心3001に対してΔX・sinαだけ,ステージ1の移動方向にオフセットした配列となる。従って,ステージの移動速度をVとすると,画素中心3011をステージ1がよぎる時間は,画素中心3001に対して,ΔX・sinα/Vだけ遅れる。画素信号の読み出し時には,この遅延を考慮して遅らせる必要がある。
【0020】
次に,この画素間の遅延を考慮した2次元センサ3の回路構成に関して,図4〜6により説明する。2次元センサ駆動回路31は,リセット信号生成回路310とAD変換駆動信号生成回路311より成る。いずれの回路もステージ1の座標センサ3の位置信号と同期して信号を生成する。リセット信号生成回路310により生成されたリセット信号の作用をまず,画素301に着目して説明する。リセット配線3101によりトランジスタ3102がONとなり,フォトダイオード3103が充電されることにより,リセットが完了する。この時の信号を図5により説明する。
【0021】
図5(a)はリセット信号3100の時間変化,図5(b)はフォトダイオード3103の電荷による電位3104の時間変化を示す。リセット信号3100のパルスにより,トランジスタ3102がONとなり,フォトダイオード3103の電荷による電位3104が充電状態となる。次に,リセット信号3100がゼロとなり,トランジスタ3102がOFFとなった後は,フォトダイオード3103への光照射により,電荷が徐々に放電される。この電荷による電位3104の変化は電圧信号として,配線3106によりAD変換器3110に送られる。
【0022】
次にAD変換駆動信号生成回路311の作用について図4と図6により説明する。図6のAD変換駆動信号3112は図4の配線3111を介してAD変換器3110のコンパレータ3113に入力される。図6(a)において,AD変換駆動信号3112は時間T1まで一定値の電圧を出力し,T1以後は単純に減少する電圧を出力する。図6(a)のT2において,電位3112と電位3104とが同じになり,以後は,電位3112が電位3104よりも低くなる。図6(b)のパルス3114の幅ΔTcはT2−T1である。
【0023】
コンパレータ3113は図6の電荷3104の電圧変換値とAD変換駆動信号3112が等しくなるまで「1」の出力を出し続ける。従ってコンパレータ3113の出力信号3114の幅ΔTcは,画素301に照射された光強度に比例した値となる。この出力信号3114の幅ΔTcは,図4のカウンタ3115でパルス3116の数をカウントされ,その値が輝度値としてバッファ32に送られる。
【0024】
一方,上述のように,水平方向の隣接画素ではステージのよぎる時間が遅れるため,光強度の読み出しを遅延させる必要がある。この動作を図4と7により説明する。図4において,水平方向に隣接する画素302へのリセット信号線には遅延回路341が設置されている。遅延時間は上述のようにΔt=ΔX・sinα/Vとなるように設定されている。また,画素302へのAD変換駆動信号にも,同様にΔtだけ遅延させる遅延回路342が設置されている。
【0025】
この時のリセット信号とAD変換駆動信号を図7に示す。図7(a)が画素301のリセット信号3100とAD変換駆動信号3112を示し,図7(b)が画素302のリセット信号3400とAD変換駆動信号3412を示す。画素302の信号はそれぞれ,Δtだけ遅延されている。同様に画素303では,遅延回路351がさらに直列に接続されているため,リセット信号,AD変換駆動信号とも2・Δtだけ,画素301の信号に対して遅延させられている。
【0026】
2次元センサ3の垂直方向の画素には,図4で示すように,水平方向と同じ信号が並列して入力される。これにより図4のバッファ32には,全画素の輝度値が並列して記憶される。図4は3×3の画素配列を示すが,9個のカウンタにより,並列して全画素の輝度値が記憶される。バッファ32で記憶された輝度値は,画像生成部6に送られる。
【0027】
ここで,画像生成部6がバッファ32の各画素の輝度値から画像を生成する処理を,図8〜11を用いて説明する。図8は画像生成部6が生成する高密度サンプリング画像において,2次元センサ3の画素ピッチ分を構成する画素361〜366を示す。ここで,2次元センサ3の水平方向の画素ピッチをΔX,垂直方向の画素ピッチをΔY,ステージ1の進行方向と2次元センサ3のなす角をαとすると,角度αは式(1)のように設定されている。
【0028】
tanα=ΔX/(mΔY)・・・・・・・・・・(1)
ここでmは整数であり,図8の場合はm=7である。画素368は仮想的な画素であり,画素361に対してステージ1の進行線上にあり,ステージ1に対して同じ水平方向の位置で撮像される画素である。本実施例では,点線で示された7行目の画素は不要であり,6行目の画素までで,画素の水平方向1ピッチ分(ΔX)が構成される。また,画素367は,水平方向の隣接する1ピッチを構成する画素である。
【0029】
図9は画素361〜367に対応した輝度値371〜377が撮像され,記憶される順番を時系列的に示す。ここで,画素361〜366に対応した輝度値371〜376が1セットのデータを構成する。そして,画素367に対応した輝度値377は隣のデータのセットを構成する。図9において,各画素がウエハ進行方向に撮像するためのリセット信号の間隔ΔtyはΔY・cosα/Vとなる。ただし,図9において,輝度値376と輝度値365の間隔等はΔtyであるのにに対して,輝度値371と輝度値376の間隔,Δty+Δtとなる。ここで,Δt=ΔX・sinα/Vである。画素361と画素366は別な列に存在しているからである。
【0030】
これらの輝度値はバッファ32に保持されている。画像生成部6は,これらの輝度値371〜376を,図10の画素361〜366のように,水平方向1ピッチ分となるよう空間的に並べ替える。図9における輝度値377は水平方向の隣接する1ピッチを構成する。図11は並べ替え後の画像における水平方向の画素381〜386を示し,これらは輝度値371〜376をもつ。
【0031】
この一連の処理において,2次元センサ3は機能的には1次元センサと同様な撮像を行う。この様子を図12により説明する。ウエハ2はステージ1により,2次元センサ3とαの角度をもつ方向110に移動する。画素361はパターン位置211で,画素366はパターン位置212,画素362はパターン位置213の位置で撮像する。すなわち,画素361〜366はウエハ2の移動に合わせて撮像する。
【0032】
画素364,363,362の撮像のタイミングを例として図13に示す。画素364,363,362のリセット信号は3604,3603,3602のタイミングで駆動される。これらのリセット信号は,各画素にステージ1が到達した時点を,図1の座標センサ13が検知し,リセット信号生成回路310に信号を送ることによって,リセット信号生成回路が生成する。リセット信号の間隔ΔtyはΔY・cosα/Vとなる。AD変換駆動信号生成回路311もリセット信号生成回路310と同様に,座標センサ13の信号の起動により,各画素のAD変換駆動信号を生成する。
【0033】
上記により,画像生成部6で行われる,2次元センサ3の垂直方向の画素を用いた,水平方向1次元の画像生成方法について述べた。ここで,さらに1次元画像から2次元画像を生成する方法を図14,15を用いて説明する。図14は,図12の画素361のリセット信号3611〜3614を示す。各リセット信号の間隔は上記のΔtyである。これにより,ステージ1が1画素分移動するのと同期して,連続的に画像が撮像される。画像生成部6は,リセット信号3611〜3614のタイミングで撮像された輝度値381〜394を垂直方向に並べることにより,図15の2次元画像を生成する。
【0034】
次に,2次元センサ3の垂直方向に撮像ピッチを細かくする方法に関して,図16を用いて説明する。図16(a)は図7(a)で示したリセット信号3110とAD変換駆動信号3112である。リセット信号の間隔は,上述したΔtyとなる。これに対し,図16(b)では,リセット信号3701とリセット信号3702,およびAD変換駆動信号3711とAD変換駆動信号3712の間隔をΔty/Nとする。ただし,Nは整数である。
【0035】
このように,ステージ1が1画素分(ΔY・cosα)だけ進む間にN回撮像することにより,図17の画素3721〜3726の位置での輝度値が撮像できる。図17はNが6の場合である。図18は,図11の画像を垂直方向にも画素ピッチ以下のサンプリングで生成した画像を示す。図11の画素381が,図18では画素3811〜3816に分割されている。
【0036】
最後に,欠陥抽出部7の動作に関して,図19,20を用いて説明する。図19のステージ1の移動に伴う2次元センサ3の撮像信号を用いて,まずウエハ2上のパターン21が画像生成部6によって画像化され,画像メモリ61に保持される。続いて,パターン22が撮像され,画像化される。図20において,図19のパターン21の画像210とパターン22の画像220は,ステージ1の移動誤差や対物レンス5や2次元センサ3の振動により,位置ずれが生じている。
【0037】
欠陥抽出部7は,画像210と画像220を画素300のサイズ以下の精度で位置合わせし,差分を演算することにより,画像230を得る。画像230より欠陥23が抽出される。さらに抽出された欠陥23のサイズを画素300のサイズ以下のサンプリングで算出し,さらに欠陥23を構成する画素の輝度分布や輪郭形状から欠陥分類を行うことが可能になる。
【0038】
一方,従来の撮像方法では,図21のように画素サイズ300で撮像されるため,画像240,画像250とも2×2の輝度情報しか得られないため,補間を用いたとしても,元の情報が少ないため,精度の高い位置合わせは困難である。また,欠陥23に対して1画素の情報しか得られないため,サイズ算出や欠陥分類を行うことが難しい。
[2次元センサ3の変形例]
上述のように,2次元センサ3の画素ピッチΔX,ΔYと角度αの間には,数式1の関係がある。この時,図22のように,2次元センサ3の垂直方向に画素数を拡張した2次元センサ80において,垂直方向にm個目の画素のステージ1上の水平方向位置は,ぴったりと重なる。図22はm=5の場合を示している。ステージ1が移動すると,画素811と画素821,画素812と画素822,画素813と画素823,画素814と画素824,画素815と画素825はウエハ2の同じ場所を撮像できる。このことから,画像生成部6は,これらの画素の出力を加算することにより,ウエハ2上のパターンが暗い場合でも,明るい画像を生成する。これにより背景部とのコントラストが高い画像が得られるので,欠陥抽出や寸法算出,欠陥分類において高精度な処理が可能になる。
【0039】
図22において,2次元センサはウエハが移動する方向には2×m個配置されている。しかし,本実施例はこれに限らず,2次元センサはウエハが移動する方向に3×m以上配置してもよい。撮像データが多く加算された分,画像のコントラストが向上することになる。
【0040】
なお,本実施例では,対物レンズ5の外側からウエハ2を照明系4で照明する構成としたが,対物レンズ5を通してウエハ2を照明する構成でも同様な効果が得られる。また,ウエハ2の代わりに,ガラス等の透明な検査対象を透過照明する構成であっても,本実施例の効果が得られることは自明である。また,照明および検出は光に限らず,電子線であっても,投影光学系により2次元撮像が可能であれば,本実施例を適用することができる。
【0041】
以上説明したように,本発明によれば,半導体ウエハにおいて,高感度な欠陥抽出,高精度な欠陥サイズ測定,欠陥分類を行う検査装置が実現できる。また,プリント基板やハードディスク,液晶やプラズマテレビ,有機EL等の基板における,検出画素サイズ以下の欠陥検出,サイズ測定,分類を行う検査装置にも適用できる。これらの装置を用い,製造工程にフィードバックすることにより上記デバイスの高歩留まり生産が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の,2次元センサ斜め配置型検査装置の平面図である。
【図2】本発明の,2次元センサ斜め配置型検査装置の立面図である。
【図3】本発明の,2次元センサ3の傾き角と水平方向のピッチを示す図である。
【図4】本発明の,2次元センサ3の回路を示す図である。
【図5】2次元センサ3のリセット信号とフォトダイオードの電荷状態を示す図である。
【図6】2次元センサ3のAD変換駆動信号とコンパレータ出力およびカウントされるパルスを示す図である。
【図7】遅延回路を介したリセット信号とAD変換駆動信号を示す図である。
【図8】画像生成部6が生成する高密度サンプリング画像において,元の画素ピッチを構成する2次元センサ3上の画素を示す図である。
【図9】図8の画素361〜367が撮像する順番を時系列的に示した図である。
【図10】画像生成部6が並び替えた画素361〜367を示す図である。
【図11】並べ替え後の画像における水平方向の画素を示す図である。
【図12】ステージ1と同期して1次元センサ的な撮像を行う,2次元センサ3を示す図である。
【図13】画素361〜363のリセット信号の時系列的関係を示す図である。
【図14】画素361のリセット信号の間隔を示す図である。
【図15】画像生成部6が生成した2次元画像を示す図である。
【図16】間隔を1/Nに短縮したリセット信号およびAD変換駆動信号を示す図である。
【図17】図16の信号で撮像される画素の位置を示す図である。
【図18】図11の画像を垂直方向にも高密度サンプリングした画像を示す図である。
【図19】本発明の,2次元センサ斜め配置型検査装置の斜視図である。
【図20】図19のパターン21とパターン22の画像,およびその差画像を示す図である。
【図21】従来の撮像方法による,画素サイズとパターンの関係を示す図である。
【図22】2次元センサの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1…ステージ
11…ウエハチャック
12…スケール
13…座標センサ
2…ウエハ
3…2次元センサ
31…2次元センサ駆動回路
310…リセット信号生成回路
3102…トランジスタ
3103…フォトダイオード
311…AD変換駆動信号生成回路
3110…AD変換器
3113…コンパレータ
3115…カウンタ
32…バッファ
341,342,351…遅延回路
4…照明系
5…対物レンズ
6…画像生成部
61…画像メモリ
7…欠陥抽出部
80…垂直方向に画素数拡張した2次元センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検物を載置し,移動させる移動手段と,移動手段と同期して該被検物の像を撮像する撮像手段を具備する検査装置において,該撮像手段は2次元の画素配列で構成され,該画素配列方向と該移動手段の移動方向が所定の角度だけ傾いていることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記撮像手段は,CMOSセンサであることを特徴とする,特許請求第1項記載の検査装置。
【請求項3】
前記撮像手段の水平(行)方向の画素ピッチをΔX,垂直(列)方向の画素ピッチをΔY,該垂直方向と前記移動方向の角度をα,mを整数とした時,概ね,tanα=ΔX/(mΔY)を満たすように前記撮像手段が配置されることを特徴とする,特許請求第1項記載の検査装置。
【請求項4】
前記撮像手段は,前記移動手段の位置に同期して画素の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と,前記水平(行)方向の画素の該駆動信号を隣接画素に対して遅延させる遅延回路を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の検査装置。
【請求項5】
前記撮像手段の前記垂直(列)方向の画素は同時に読み出されることを特徴とする特許請求第1項記載の検査装置。
【請求項6】
前記駆動信号生成手段は,前記駆動信号を前記画素サイズ以下の間隔で生成することを特徴とする特許請求第4項記載の検査装置。
【請求項7】
異なる時間に撮像された前記画素の輝度信号を並び替え,前記画素サイズ以下のサンプリングで画像を生成する画像生成手段を有することを特徴とする特許請求第1項記載の検査装置。
【請求項8】
前記画像生成手段は,前記移動手段の移動方向上にある前記撮像手段の垂直(列)方向の複数の前記画素を加算することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の検査装置。
【請求項9】
被検物を載置し,移動させる移動手段と,移動手段と同期して該被検物を撮像する撮像手段を具備する検査装置において,
前記撮像手段は,y方向にΔY毎に第1行から第m行,x方向にΔX毎に第1列から第n列に分割され,ΔX×ΔYの大きさの画素が2次元に配列されており,mおよびnは整数であり,
前記被検物は前記y方向とは所定の角度傾いた方向に,前記撮像手段の第1行から第m行に向かって移動し,
前記被検物が第1の方向に移動するにしたがって,第1行から第m行までの各行において,被検物を撮像することを特徴とする検査装置。
【請求項10】
前記所定の角度は,tanα=ΔX/(mΔY)であることを特徴とする請求項9に記載の検査装置。
【請求項11】
前記被検物の移動速度をVとし,前記撮像手段において,pを1以上で,nより小さい整数としたとき,同一行における,p+1列の撮像時間はp列の/撮像時間よりもΔXsinα/Vだけ遅れることを特徴とする請求項10に記載の検査装置。
【請求項12】
前記撮像手段は,前記被検物が前記第1の方向にΔYだけ移動する期間に複数回前記被検物を撮像することを特徴とする請求項9に記載の検査装置。
【請求項13】
被検物を載置し,移動させる移動手段と,移動手段と同期して該被検物を撮像する撮像手段を具備する検査装置において,
前記撮像手段は,y方向にΔY毎に第1行から第q×m行,x方向にΔX毎に第1列から第n列に分割され,ΔX×ΔYの大きさの画素が2次元に配列されており,m,n,qは整数であり,
前記被検物は前記y方向とは所定の角度傾いた方向に,前記撮像手段の第1行から第m行に向かって移動し,
前記被検物が第1の方向に移動するにしたがって,第1行から第m行までの各行において,被検物を撮像し,
前記撮像したデータは,前記m行毎に加算されることを特徴とする検査装置。
【請求項14】
前記qは2であることを特徴とする請求項13に記載の検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2009−250870(P2009−250870A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101338(P2008−101338)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】