説明

検索装置、検索方法、プログラム

【課題】画像データに付加される位置情報を有効に活用して、これまでにない検索システムを提供する。
【解決手段】先ず、検索サーバ3には、地図データベースと、画像ファイルデータベースを保持させる。画像ファイルデータベースにより冠される画像ファイルは位置情報が付加される。検索サーバは、検索条件として文字列情報が入力されると、地図データベースにアクセスして、この文字列情報が示すとされる場所に応じた位置情報を取得し、さらに、この位置情報を検索条件として画像ファイルデータベースにアクセスして、該当する位置情報が付加された画像ファイルの検索を行う。そして、検索された画像ファイルを検索結果として返すようにされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば画像データなどの所定種類のデータを検索対象として検索する検索装置と、その方法に関する。また、このような検索装置が実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばGPS(Global Positioning System)機能を有するデバイスと、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置とを組み合わせることによっては、これらの撮像装置により記録した動画、あるいは静止画などによる画像データのファイル(画像ファイル)の付加情報として、撮影時刻に応じた位置情報を付加することが可能になる。
このようにして位置情報が付加された画像ファイルは、例えば、地図のアプリケーションソフトウェアなどで利用することができる。つまり、地図のアプリケーションソフトウェアに位置情報が付加された画像ファイルを読み込ませると、この地図のアプリケーションソフトウェアでは、読み込んだ画像ファイルの画像とともに、その画像ファイルが撮影(記録)された位置を地図画像により示すようにされる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−233150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにして画像データに位置情報を付加すれば、地図画像との連携が容易に可能になるなどの利便性が得られることになる。しかしながら、現状においては、このようにして、画像データに付加された位置情報は、地図アプリケーションが利用する程度の適用にとどまっている。そこで、本願発明としては、位置情報が付加される画像データをより有効に活用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明としては検索装置として次のように構成することとした。
つまり、文字列情報を仮検索条件として入力する仮検索条件入力手段と、文字列情報と位置情報とが対応関係にあるようにされた情報である文字列−位置対応情報を保持する文字列−位置対応情報保持手段と、文字列−位置対応情報から、仮検索条件に基づいた文字列情報と対応関係にあるとされる位置情報を取得する位置情報取得手段と、付加情報として少なくとも位置情報が付加された所定形式の検索対象情報を記憶する検索対象情報記憶手段と、位置情報取得手段により取得された位置情報を実検索条件として使用して、検索対象情報記憶手段に記憶される検索対象情報に付加されている位置情報を対象とする検索処理を実行し、検索された位置情報が付加された検索対象情報を仮検索条件に該当する検索結果として出力する検索手段とを備えて検索装置を構成することとした。
【0006】
上記構成によると、本願発明の下で検索対象となる所定形式の情報(検索対象情報)は、位置情報が付加された構造を有するものとされている。そして、本願発明の検索装置では、文字列情報を仮検索条件として入力させると、先ずは、文字列−位置対応情報を参照して、この文字列情報と対応関係にあるとされる位置情報を特定し、この特定された位置情報を実検索条件として、検索対象情報の付加情報である位置情報を対象とした検索を実行する。そして、検索された位置情報に対応付けられた検索対象情報を、検索装置に入力された仮検索条件に対する検索結果として出力するようにされる。
【発明の効果】
【0007】
上記のようにして本願発明では、文字列により検索を行うと、その文字列が示す例えば地域、場所などに関連した所定形式の情報、データが検索結果として取り出されるという、これまでには無かったとされる検索システムを得ることが可能になる。また、本願発明としての検索装置は、上記しているように、検索対象情報には位置情報が付加されていることが前提となるものであるが、このことは、例えば画像データなどをはじめとして、付加情報として位置情報を含むような構造のデータのさらなる有効活用につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
本実施の形態では、例えばインターネットなどのネットワーク上に置かれる検索サーバに本願発明の検索装置の構成を適用している。
図1は、本実施の形態の検索サーバ3と、この検索サーバ3を利用するネットワーク端末であるパーソナルコンピュータ(PC)2から成るシステム構成を簡単に示している。先ず、この図により、本実施の形態の検索サーバ3を利用した検索の仕方の概略について説明しておく。
例えばPC2のユーザが検索サーバ3を利用して検索を行おうとするときには、PC2上で、Webブラウザ34aを起動させる。Webブラウザ34aとは、アプリケーションソフトウェアの1つであり、インターネット上で公開されているWebコンテンツ(Webページ)にアクセスしてこれを閲覧するためのものである。そして、ユーザは、起動させたWebブラウザ34aに対する操作を行って、ネットワーク経由で検索サーバ3にアクセスし、検索画面を要求する。これにより、検索サーバ3からは検索用のユーザインターフェイス画面としてのWebページのデータが送信され、PC2側では受信したWebページのデータを解釈して、Webブラウザ34aにより検索用画面を表示させる。なお、周知のようにして、Webページは、HTML(Hyper Text Markup Language),XML(eXtensible Markup Language)などのマークアップ言語により記述されており、Webブラウザは、この記述を解釈してWebページの再生出力を行うようにされる。
【0009】
上記のようにしてWebブラウザにより表示される検索画面には、検索条件を文字列により入力するための入力ボックスが表示されている。そこで、ユーザは、任意の文字列を入力ボックスに入力したうえで、検索を要求するためのボタン操作などを行うようにされる。この操作に応じて、PC2のWebブラウザ34aは、ネットワーク経由の通信により、入力ボックスに入力された文字列のデータを検索条件として、検索サーバ3に対して検索要求を行うようにされる。
検索サーバ3では、検索要求に対する応答として、要求と共に送信されてきた検索条件としての文字列を利用して検索処理を実行する。そして、この検索処理により得られた検索結果の内容をWebページとして表示可能な形式のデータとしてPC2に対して返す。
PC2では、上記のようにして送信されてきた検索結果の内容をWebブラウザ34aにより表示出力させる。
上記説明から理解されるように、ユーザが本実施の形態の検索サーバ3を利用するのにあたっては、これまでに知られているようなインターネット上の検索サイトを利用する場合と同様に、パーソナルコンピュータ等の端末によりWebブラウザのアプリケーションに対する操作を行えばよいものであり、この点で、特別な装置の使用や、難易な操作などが要求されるものではない。
【0010】
続いて、図2及び図3により、本実施の形態の検索サーバ3が提供する検索サービスの内容例について説明する。図2及び図3は、PC2により検索サーバ3にアクセスしてその検索サービスを利用しているときの、PCのディスプレイに表示される検索用画面の表示態様例を示している。
先ず、検索サーバ3の検索サービスを利用しようとするPC2のユーザは、図1にても説明したように、PC2上でWebブラウザを起動させ、このWebブラウザにより検索サーバ3にサクセスする。すると、PC2のディスプレイには、初期画面として、検索条件を入力する入力ボックスが配置された検索画面が表示される。
【0011】
本実施の形態の検索サーバ3の検索サービスは、画像検索とされる。また、ここでは、説明を簡単なものとするために、検索対象となる画像は写真画像(写真画像のデータファイル)であることとする。
そしてこの場合のユーザは、富士山に関連する写真画像を検索したいと思っているとする。そこで、ユーザは、例えばキーボードなどによる文字入力操作によって、Webブラウザに表示されている検索画面の入力ボックスに対して「富士山」の文字列を入力したうえで、例えば検索実行のためのボタンクリック操作に相当する操作を行う。この操作に応じて、Webブラウザから検索サーバ3に対しては、「富士山」の文字列情報を検索条件として指定したうえで、検索要求が送信されることになる。
【0012】
検索サーバ3では上記検索要求に応答して検索を実行してその検索結果を、PC2のWebブラウザに返してくる。この検索結果は、Webブラウザのウィンドウ内にて、例えば図2(a)に示すようにして表示される。図2(a)には、検索条件である「富士山」の文字列情報に該当するとされた検索結果としての写真画像のリストが配列表示されている(検索画像リスト表示)。
【0013】
また、Webブラウザのウィンドウ内には、上記図2(a)の検索結果の画像のリスト表示と共に、図2(b)に示される検索地域範囲表示も行われる。この検索地域範囲表示としては、先ず、或る地域範囲の地図画像が表示される。そして、この地図画像における或る地点に対して基準位置rpが表示されると共に、この基準位置rpを基準として位置決めされる所定形状による検索範囲指定枠MRが地図画像上に重畳表示されるようになっている。この場合の検索範囲指定枠MRは、例えば検索地域範囲表示の画枠形状に応じた長方形とされている。
【0014】
図2(b)の検索地域範囲表示は、富士山周辺の地図が表示されている。そして、基準位置rpとしては富士山山頂とされたうえで、この基準位置rpを基準に、一定範囲の長方形で囲まれる地域を検索範囲指定枠MRにより示している。このようにして表示される検索範囲指定枠MRは、「図2(a)の検索画像リスト表示にリストアップされている画像が対応する位置の範囲」を示している。換言すれば、「図2(a)の検索画像リスト表示にリストアップされている写真画像は、検索範囲指定枠MRにおいて示される地域内において実際に撮影されたものである」ということを示している。このことから、先の図2(a)の検索画像リスト表示が主たる検索結果の出力画面とされるのに対して、この図2(b)の検索地域範囲表示は、検索画像リスト表示にて出力される検索結果について、その実質的な検索条件である地域範囲(位置情報の範囲)を視覚的に示すという意味で、主たる検索結果を補助するような役割を有しているものであるということがいえる。
【0015】
そして、上記図2(b)に示される検索地域範囲表示の検索範囲指定枠MRは、PC2に対する操作に応じて、地図画像上におけるサイズを変更することが可能とされている。この操作としては、例えば画像処理などのアプリケーションソフトウェアなどにおける範囲指定操作のようにして、マウスなどによるドラッグ操作により、検索範囲指定枠MRの縦横比を保ちながら、そのサイズを変更するようなものを考えることができる。もちろん、検索範囲指定枠MRの縦横比を変更できるようにしても良い。さらには、基準位置rpとともに、地図画像上における検索範囲指定枠MRの位置も移動変更させるようにすることも考えられる。
【0016】
そして、検索範囲指定枠MRのサイズ変更の具体例として、ここでは、図2(b)に示される検索範囲指定枠MRについて、図3(a)に示すようにしてサイズ変更を行ったとする。今回のこのような操作をユーザが行った意図としては、次のようなものであることとする。つまり、例えば、ユーザとしては、富士山周辺地域の画像が欲しかったために検索文字列として、「富士山」を入力して検索をかけたのであるが、実際のユーザの意図ととしては、山中湖周辺も含めた富士山付近の画像が欲しかったものであるとする。しかしながら、図2(b)に示される検索範囲指定枠MRが示す地域範囲内には山中湖が入っていない。そこで、このような場合にユーザは、検索範囲指定枠MRのサイズ変更操作として、例えばこれまでよりも大きなサイズに拡大させて、例えば図3(a)に示すように、富士山とともに山中湖が含まれるような地域範囲を設定するようにされる。
【0017】
このようにして検索範囲指定枠MRのサイズを変更したのに応じて、PC2のWebブラウザからは、この変更された検索範囲指定枠MRのサイズに応じた地図上の地域範囲を示す情報を検索条件として、再度、検索サーバ3に対して検索要求を行うようにされる。検索サーバ3は、この検索条件に従って検索を行って検索結果を返す。これにより、検索画像リスト表示は、図2(a)から図3(b)に示すようにして、変更された検索範囲指定枠MRが示す地域範囲にて撮影された写真画像をリストアップさせた内容に変更される。つまり、検索画像リスト表示においては、これまでの富士山の画像に加えて、山中湖近辺で撮影した画像も追加されるようにして表示されることになる。
なお、ここでの説明は省略するが、図2(b)から図3(a)への遷移とは逆の要領で、検索範囲指定枠MRのサイズを縮小する操作により、新たな地域範囲設定をすることは当然可能である。
【0018】
上記説明から理解されるように、本実施の形態の写真画像検索では、最初の検索条件としては文字列情報とされている。従来において画像を検索するための検索文字列は、例えば画像のファイル名であるとか、Webページなどにおいて画像のレイアウトに対して付加されるテキスト内容などを検索対象とするのが一般的である。これに対して、本実施の形態では、検索文字列の情報は、検索対象とされる写真画像が撮影されたとする場所、地域を指定するものであることになる。
【0019】
例えば上記具体例のようにして富士山を風景とする写真画像を検索したいとする場合、従来の画像検索によっても、「富士山」という文字列を検索条件として入力して検索をかけることによって、富士山の写真画像を検索することは可能である。しかしながら、これまでの画像検索は、例えばあくまでもファイル名やWebページのテキストなどに応じたものであるので、例えば「富士山」を含まないようなファイル名が付されていたり、Webページのテキスト内容に「富士山」の文字列が無いような場合には検索結果から外れてしまうことになる。これに対して本実施の形態では、検索文字列は、写真画像が撮影されたとする場所などの名称に対応するものであるから、上記のようにしてファイル名やWebページのテキスト内容には関係なく、検索条件として指定した場所、地域で撮影された画像を検索することが可能となる。つまり、撮影した場所という観点からの画像検索を行う場合においては、これまでの画像検索よりも的確とされる検索結果が得られるものである。
【0020】
さらに、本実施の形態では、図2(a)に示される検索画像リスト表示とともに、図2(b)に示される検索範囲指示表示も行うようにしている。これにより、検索地域範囲表示内の検索範囲指定枠MRを見ることで、ユーザは、検索画像リスト表示に提示される画像が、実際においてはどのような地域範囲で撮影されたものであるのかを視覚的に認識できることになる。また、検索条件の範囲の変更についても、図2(b)、図3(a)に示すようにして、検索地域範囲表示において地図画像上の検索範囲指定枠MRのサイズを変更するという、グラフィカルな操作によって行えるようになっている。例えば、これまでの検索の仕方により「富士山」と「山中湖」とに関する画像を検索したい場合には、入力ボックスに対して「富士山」と「山中湖」の文字列を入力したうえで、これらの文字列についての論理和演算が行われるようにするための操作を行う必要があるなど、その操作については本実施の形態ほどは感覚的ではなく、また、難易度も若干高くなる。
そして、上記図2、図3に示される本実施の形態の画像検索は、後述するようにして、検索サーバ3において、検索対象のコンテンツである画像データのファイルについて、付加情報として位置情報を含む画像データを記憶保持して管理することとしたうえで、地図情報(地図データベース)と連携させていることにより実現されるものである。この点で、本実施の形態の画像検索は、位置情報が付加される画像データを有効に活用したうえで、これまでには無かったとされる検索システムを提供できるサービス、技術であるということがいえる。
【0021】
以降、本実施の形態の画像検索を実現するための技術構成について説明していく。
先ず、図4により、検索サービス利用のためにユーザが使用するパーソナルコンピュータ(PC)2の構成例について説明する。
この図におけるPC2は、CPU31、ROM32、RAM33、HDD(ハードディスク)34、操作入力処理部35、表示出力処理部36、メディアドライブ37、データインターフェイス38、及びネットワークインターフェイス39を内部バス40により相互に接続して成るものとして示されている。
【0022】
CPU(Central Processing Unit)31は、例えばROM32において保持されているプログラム、及びHDD34に記憶されているアプリケーションプログラム等をRAM13に展開して実行する。また、RAM13にはCPU11が各種処理を実行するのに必要なデータ等も適宜保持される。なお、ROM32は、一般には書き換え不可の構成であるが、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性の書き換え可能なメモリ素子を含んだ構成とされてもよい。
【0023】
HDD34は、PCにおける補助記憶装置となるもので、上記のようにしてCPU31が実行する各種プログラムがインストールされるようにして記憶される。また、各種のアプリケーションファイルなども記憶可能とされる。このようにしてHDD34に記憶されるデータは、ファイルシステムなどにより管理される。CPU31は、例えばファイルシステムを利用することで、HDD34に対するデータの書き込み又は読み出しを行うことができるようにされている。
なお、この図においては、HDD34にインストールされるプログラムのうちで、特に、Webブラウザ34aを示している。Webブラウザ34aは、インターネット上でアップロード、公開されているWebサイト、若しくはローカルにおかれるHTMLなどのマークアップ言語による文書を表示出力して閲覧、利用できるようにするためのアプリケーションソフトウェアであり、先の説明から理解されるように、本実施の形態との対応では、画像検索のために検索サーバ3とネットワーク(インターネット)経由でアクセスするときに使用される。
【0024】
操作入力処理部35は、操作デバイス41から出力される操作に応じた信号を入力してCPU31が処理可能な命令に変換し、CPU31に出力する。CPU31は、この命令に応じた処理を実行することになる。なお、ここでの操作デバイス41は、例えばマウス、キーボードをはじめとするコンピュータをユーザが操作するための各種操作入力デバイスを包括して示しているものである。
表示出力処理部36は、例えばCPU31の制御に応じて表示デバイス42により画像を表示出力させるための処理を実行する。
【0025】
メディアドライブ37は、例えば現状であれば、CD−ROMやDVD、さらにはリムーバブル形式の所定規格による半導体メモリ素子などをはじめとする特定種別のメディアに対応してデータの読み出し/書き込みが可能に構成される。このための制御もCPU31が実行するようにされる。
【0026】
データインターフェイス38は、PC2と外部デバイスとの間で所定のデータ通信方式により外部デバイスと通信を行うためのハードウェア、ソフトウェアを実装して構成される部位であり、この場合には、例えば撮像装置1のデータインターフェイス24に対応して通信可能な構成が採られるものとなる。
【0027】
ネットワークインターフェイス39は、インターネット、LANなどのネットワークを介して通信を行うためのインターフェイス機能を実現する部位であり、例えば、現状であれば、Ethernet(商標)などの規格に対応した構成となる。また、IEEE802.11a/b/gなどの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した構成も考えられる。さらには、電話回線を利用してインターネットと接続するような構成であれば、モデムなどを備えて構成することになる。
【0028】
続いて図5により検索サーバ3の構成例について説明する。
この図に示す検索サーバ3は、制御部50、ネットワークインターフェイス51、検索処理部52、及び記憶部53を内部バス54により相互に接続して構成されるものとして示されている。
【0029】
制御部50は、例えばCPU、RAM、ROMなどを備えて構成されるもので、内部CPUが、内部ROMあるいは記憶部53に記憶されるプログラムを実行することで、検索サーバ3における制御処理を行うようにされる。
【0030】
ネットワークインターフェイス51は、インターネット、LANなどのネットワークを介して通信を行うためのインターフェイス機能を実現する部位である。検索サーバ3は、このネットワークインターフェイス51からインターネットを経由するようにして、自身がサービスを提供すべき端末と接続することになる。
【0031】
検索処理部52は、入力された検索条件により、記憶部53内の画像ファイルデータベース53a、及び地図データベース53bに対する検索処理を実行するための部位である。
なお、検索処理部52の機能としては、例えば実際には、制御部50におけるCPUがコンテンツ作成処理部52としての機能に応じたプログラムを実行し、検索サーバ3を形成するハードウェア資源であるメモリ、信号処理回路などを利用することで実現されるものである。
【0032】
記憶部53は、例えば実際にはHDDなどを備えて構成され、検索サーバ3が実行すべき動作に関して必要となる各種の情報、データが記憶保持される。このような情報として、図においては、画像ファイルデータベース53a、地図データベース53bを示している。
【0033】
画像ファイルデータベース53aは、検索対象のコンテンツとなる画像ファイルをデータベース化したものとされる。
ここで、図6により、画像ファイルデータベース53aとして記憶部53にて記憶管理される画像ファイルの構造例を示しておく。
この図に示される画像ファイルの構造としては、静止画(動画であってもよい)としての画像データの実体より成る画像データ部と、この画像データ部としての内容に関連した所定項目の情報から成るメタデータ部とから成るものとされる。そして、このメタデータ部における所定位置に位置情報を格納する領域が設けられる。上記しているように、ここに格納される位置情報は、GPSモジュールにより取得されたものであるから、この位置情報によっては、その画像データを撮像したときの位置が示されることになる。なお、メタデータ部に格納される位置情報以外の情報としては、例えば、撮影日時、データ(ファイル)サイズ、画像データ部の解像度、データレート、エンコード形式や、撮影時において撮像装置に設定されていた露出、ホワイトバランスなどの各種パラメータの設定値などが挙げられる。
【0034】
また、図5の記憶部52における地図データベース53bは、データベース化された地図情報となる。この地図データベース53bが有する地図情報としては、先ず、地図画像に、緯度/経度による位置情報を対応させた基本的な構造を有する。そのうえで、例えば位置情報に対して地名、住所、その他の各種付加情報などを対応させるものである。
【0035】
なお、ここでは図示していないが、記憶部54においては、検索サーバ3の動作に必要なプログラムも記憶させることができる。例えば実際においては、OS(Operating System)のプログラムと、このOS上で動作するアプリケーションプログラムが記憶されることになる。この場合のアプリケーションプログラムとしては、検索処理部52などの機能に対応するプログラムを挙げることができる。
【0036】
次に、図7により、図2にて説明した例に倣って画像検索を行う場合の、PC2と検索サーバ3が実行する処理手順を示す。なお、この図に示す手順は、PC2上で起動されたにWebブラウザ34aがインターネット経由でWeb検索サーバ3にアクセスしたことで、検索画面のトップページである、文字列入力用の入力ボックスが配置された検索画面が表示されている状況から開始されるものとしている。
また、図7において、PC2側については、ユーザインターフェイスとWebブラウザが示され、検索サーバ3側については、検索処理、地図データベース、画像ファイルデータベースが示される。PC2側のユーザインターフェイスは操作入力処理部35が対応する処理となる。同じPC2のWebブラウザは、記憶部34に記憶されているもので、起動された状態でCPU31が実行しているWebブラウザ34aとしての動作が相当する。また、検索サーバ3側の検索処理、地図データベース、画像ファイルデータベースは、それぞれ、図5の検索処理部52、地図データベース53b、画像ファイルデータベース53aが対応する。
【0037】
これまでにも説明しているように、画像検索のためには、先ずユーザは、PC2のWebブラウザにより表示されている、検索画面トップページの入力ボックスに対して、検索条件としての文字列を入力するための操作を行う。この操作に応じて、PC2では、図7のステップS101として示すように、ユーザインターフェイスからWebアプリケーションに対して、検索条件の文字列情報を入力することになる。この結果として、例えばWebブラウザにより表示されている検索画面の入力ボックスには、入力操作に応じた文字列が表示される。そして、このようにして検索文字列の入力を完了させたうえで検索要求のための操作が行われたとすると、ステップS102として示すように、Webブラウザ34aは、検索サーバ3に対して、入力された検索条件としての文字列情報の送信を伴って検索を要求する。
【0038】
この検索要求は、検索サーバ3内の検索処理部52に受け渡される。これに応じて、検索処理部52は、ステップS103としての手順を実行する、このステップS103は、地図データベース53bにアクセスして、検索要求と共に受け渡された検索条件としての文字列情報に該当するとされる位置情報を検索するようにされる。
地図データベース53bとしては、先に説明したように、地図画像に対して位置情報が対応つけられた基本構造を有したうえで、さらに、位置情報に対応させるようにして、地名、住所、施設名などの地図上で示されるべき各種名称の文字列情報も対応つけているものとされる。つまり、地図情報は、上記地名等を表す文字列情報が、位置情報と対応関係を持つようにされた情報の構造を有するものであるといえる。
そこで、ステップS103としては、地図データベース53bから、先ず検索条件の文字列情報に該当する地図関連の文字情報を特定するようにされる。そして、さらに、上記のようにして検索された地図関連の文字情報と対応つけられている地図画像の位置情報を、同じ地図データベース53bから検索するようにされる。なお、このようにして検索される位置情報としては、或る場所、地点に対応した一点の位置情報であることとする。このようにしてステップS103の手順により検索された位置情報を、検索処理部52は、ステップS104により取り込んで取得する。ここで取得した位置情報は、検索地域範囲表示における基準位置rpとなる。
【0039】
続いて、検索処理部52は、ステップS105により検索地域範囲を決定するための処理を行う。この検索地域範囲は、図2(b)に示されるようにして、検索地域範囲表示における地図画像上において、基準位置rpにより決定される位置にて配置される検索範囲指定枠MRに対応するものとされる。
そして、検索地域範囲の決定は、例えば次のようにして行うことができる。先ず、地図データベース53bについては、地図画像に対応つけて管理する文字情報に関して、その名称の種別ごとに区分して管理するように構成する。その区分としては、住所(住所はさらに都道府県、市町村、丁などにより細分化して区分できる)、施設名、山、河川、名所旧跡などを挙げることができる。
そして、検索条件の文字列情報が、地図データベース53bにおいて管理される文字情報としては、どのような種別に属するのかを判定し、その判定結果に応じて所定規則に従って検索地域範囲を決定するようにされる。
例えば「富士山」は山に分類されるが、このような分類の文字列の場合に、例えば数キロメートル四方程度の検索地域範囲を決定したとしても、例えば富士山頂付近の地域のみを指定することになってしまうために、この後の検索結果として有効な画像ファイルを得ることは難しい。そこで、このような分類の場合には、数キロから数十キロ程度の検索地域範囲とすることが好ましい。逆に、「○×区役所」や「○△デパート」のような施設、店舗などの場合に、数キロもの範囲を指定することは妥当ではなく、数十メートルから数百メートルの範囲とすることが好ましいことになる。
このようなことを考慮して、例えば文字情報の分類に応じて検索地域範囲を決定するための規則を設定しておき、検索処理部52としては、この規則に応じたアルゴリズムにより、検索地域範囲を決定するように構成すればよい。
なお、この検索地域範囲の情報の実体としては位置情報に基づいたものとなる。あくまでも一例であるが、検索地域範囲の形状が図2(b)の検索範囲指定枠MRに対応するような方形であるとした場合には、この方形を成すとされる4つの頂角が対応する地図画像上での位置情報を得るようにされる。これらの位置情報により、方形による検索地域範囲に含まれる位置情報は特定できる。また、例えば基準位置rpと、検索範囲指定枠MRのサイズに応じて決まる対角線の長さに関しての情報を検索地域範囲として持つことも考えられる。準位置rpと対角線の長さの情報を利用して所定の演算を行えば、検索範囲指定枠MRを形成する位置情報を求めることが可能である。このことに準じて、検索範囲指定枠MRの形状が円形、楕円形などとされる場合にも、例えば基準位置rpと半径とを利用して所定の演算を実行すれば位置情報が特定できる。
このようにして、ステップS105により決定される検索地域範囲としては、位置情報に基づくものとなる。
【0040】
上記のようにして検索地域範囲を決定すると、検索処理部52は、ステップS106により、決定した検索地域範囲に対応する位置情報を検索条件として、画像ファイルデータベース53aに対して画像ファイルの検索をかける。
先に図6により説明したように、画像ファイルには位置情報が付加されている。ステップS106では、検索地域範囲に対応する位置情報と一致する位置情報が付加された画像ファイルを検索するようにされる。そして、続くステップS107としての手順により、このようにして検索条件に該当したとされる画像ファイルのデータと、これらの画像ファイルの所在をURLなどの記述により示すリンク情報とを画像ファイルデータベース53aから取り込む。
ここまでの説明によると、ステップS101においては、検索条件として地名等に応じた文字列情報を入力させているのであるが、この文字列情報は、ステップS103、S104により位置情報に変換され、実際には、この位置情報を検索条件として画像ファイルデータベース53aに対する検索を行うようにしている。つまり、ユーザインターフェイス側としては文字情報により検索をかけているのであるが、実質的には、位置情報により検索をかけているということになる。このことは、ユーザインターフェイスにより入力される文字列情報による検索条件が仮のもので、実際に検索サーバ3側にて画像ファイルデータベース53aに対して検索をかける位置情報が実の検索条件であるとしてみることができる。
【0041】
続くステップS108においては、図2(a)に示したような検索画像リスト表示としてのWebページのデータを作成するための処理を実行する。このWebページの作成にあたり、ステップS107により取り込んだ画像ファイルのデータは、検索画像リスト表示内に配置させるサムネイル画像TNを生成するのに用いられる。また、同じステップS107により取り込んだ画像ファイルのリンク情報は、例えば上記サムネイル画像に対してリンクが張られた状態が得られるようにして、HTMLなどの文書に記述するようにされる。
そして、検索処理部52は、上記のようにして作成した検索画像リスト表示のWebページデータを、ステップS109により検索要求元のPC2に対して、検索結果として返送する。PC2では、受信したWebページデータをWebブラウザ34aにより解釈して再生出力する。これにより、図2(a)に示すようにして、Webブラウザの画面上に対して検索画像リスト表示が行われることになる。
【0042】
また、検索サーバ3の検索処理部52では、上記ステップS109により検索画像リスト表示のWebページデータの送信を行うと、次いで、ステップS110、S111により、地図データベース53bから、検索地域範囲に対応する部分地図情報を検索して取り込むようにされる。
先に説明したようにステップS105により決定される検索地域範囲は、位置情報から成るものとされる。ステップS110としては、図2(b)に倣えば、検索地域範囲を成すとされる位置情報による範囲が、一定割合で含まれるような地域範囲に対応する部分地図情報を検索するようにされる。なお、このようにして検索、取得される部分地図情報としては、少なくとも、検索された地域範囲に対応する地図画像の情報とされる。
【0043】
そして、検索処理部52は、次のステップS112により、取得した部分地図情報を利用して、図2(b)に例示した検索地域範囲表示のWebページを作成する。この検索地域範囲表示のWebページとしても、例えばHTMLなどの文書を使用するコンテンツデータとして作成されればよいが、特に検索地域範囲表示のWebページに関しては、地図画像上に表示させた検索範囲指定枠MRのサイズがユーザ操作に応じて変更可能となるようにすることと、変更された検索範囲指定枠MRのサイズに応じて新たな検索条件を設定して検索要求が送信されるように構築する必要がある。また、このようなユーザインターフェイス機能を与えることを考えると、検索地域範囲表示のWebページについては、例えばJavaアプレットといわれるプログラムとして作成することも有効である。Javaアプレットとは、周知のようにして、Javaといわれるプログラミング言語により作成され、JavaソフトウェアがインストールされたWebブラウザ上で実行されるプログラムである。
【0044】
上記のようにして作成された検索地域範囲表示のWebページデータは、ステップS113により、PC2に対して送信する。PC2では、送信されてきた検索地域範囲表示のWebページデータを受信して、Webブラウザ34aに渡す。Webブラウザ34aは、このWebページデータについて処理を実行することで、例えば図2(b)に示すようにして検索地域範囲表示を行うようにされる。
【0045】
続いては、先に図3により説明したようにして、Webブラウザにより表示される検索地域範囲表示上の検索範囲指定枠MRのサイズの変更操作が行われるのに応じて、検索画像リスト表示に表示される検索結果(画像ファイルのリストの内容)を変更するための手順について、図8を参照して説明する。
この場合には先ず、検索範囲指定枠MRのサイズを変更する操作が行われるのに応じて、ステップS201としての手順により、ユーザインターフェイスから操作に応じた命令がWebブラウザに出力される。この命令の入力に応じて、Webブラウザでは、例えば図2(b)から図3(a)への遷移例として示したように、実際に表示させている検索地域範囲表示上の検索範囲指定枠MRのサイズを変更させるための画像処理を実行する。
【0046】
次に、Webブラウザは、ステップS202としての手順により、上記ステップ201で変更された検索範囲指定枠MRのサイズに応じた検索地域範囲を設定し、この検索地域範囲の情報を検索サーバ3に対して送信する。この段階での検索地域範囲の情報の実体としては、例えば、地図画像に対応つけられた位置情報に基づいて表現されるものであってもよいのであるが、ここでは、例えば地図画像としてみた場合の画像上での座標により表現されるものとする。つまり、Webブラウザからは、地図情報ベースでの検索地域範囲の情報を送信する。
仮に、このステップS201で設定、送信する検索地域範囲を位置情報に基づくものとした場合には、先の図7のステップS112により作成する検索地域範囲表示のWebページについて、地図画像の座標に対応させて位置情報を付加する必要があり、Webページのデータサイズが増加してネットワーク伝送時間などの点で不利となることが考えられる。また、このような検索地域範囲表示のWebページデータをWebブラウザが実行しようとすれば、その処理も重くなり、動作速度などの点で不利となることが考えられる。
【0047】
検索サーバ3は、上記ステップS202により送信されてきた検索地域範囲の情報を受信すると、これを検索処理部52に渡す。すると検索処理部52では、次のステップS203、S204としての手順により、この受け渡された地図画像の座標により表現される検索地域範囲の情報を、地図データベース53bの地図情報と照らし合わせることで、その座標を、位置情報に置き換えたものを取得する。つまり、検索地域範囲を、地図画像の座標により表現されるものから、位置情報により表現されるものに変換する。
【0048】
次に検索処理部52は、ステップS205、S206の手順により、上記ステップS205により得られた位置情報ベースの検索地域範囲のデータを検索条件として、地図データベース53bから画像ファイルを検索し、検索した画像ファイルと、これらの画像ファイルのリンク情報を取り込む。なお、このステップS205、S206は、先の図7におけるステップS106,S107とほぼ同様となるものである。
次に、検索処理部52は、ステップS207、S208により、上記ステップS205にて取り込んだ画像ファイルとそのリンク情報を利用して、検索画像リスト表示のWebページデータを作成し、PC2に対して送信する。なお、このステップS207、S208の手順については、先の図7のステップS108、S109と同様の処理により実行されるものであればよい。
そしてPC2では、上記ステップS208により送信された検索画像リスト表示のWebページデータを受信してWebブラウザに渡す。Webブラウザでは、このWebページデータを処理することで、例えば図2(a)に示したようにして表示されていた検索画像リスト表示を、図3(b)に示すようにして、変更後の検索範囲指定枠MRのサイズに応じた内容に切り換えて表示するようにされる。
【0049】
ところで、これまでの説明から理解されるように、本実施の形態の検索サービスを実現するためには、検索サーバ3において、位置情報が付加された画像ファイルが蓄積されることが前提になる。そこで、検索サーバ3が位置情報の付加された画像ファイルを収集するためのモデルの一例について、図9を参照して説明しておくこととする。
【0050】
図9には、不特定多数の一般ユーザが使用する撮像装置として、ビデオカメラ100、デジタルスチルカメラ200が示されている。これらのビデオカメラ100、デジタルスチルカメラ200には、それぞれ、GPSモジュールが内蔵されている。ここでいうGPSモジュールとは、GPSの衛星から送出される電波を受信して測位演算を実行し、測位情報を取得することのできる部品装置である。
このようにしてGPSモジュールを内蔵することで、ビデオカメラ100、及びデジタルスチルカメラ200は、例えば複数のGPS衛星(300A,300B,300C)から電波を受信し、所定の測位方式により測位演算を行い、測位情報として少なくとも現在の位置情報を取得することができる。
そして、ビデオカメラ100、デジタルスチルカメラ200では、ユーザが撮像記録の操作を行うのに応じて、撮像により得られた画像データを、自身が内蔵する記憶媒体、あるいは装填されたリムーバブルの記憶媒体に対して、例えばファイル単位で記憶させる。このようにして記憶される画像データのファイル(画像ファイル)は、例えば画像データの内容や撮影時の状況などに関連した所定の情報項目を有するメタデータ(付加情報)が付加される構造を有するものとされるが、この場合には、このメタデータの構造内にGPSモジュールにより取得された位置情報を含むものとされる。
つまり、これらの撮像装置(ビデオカメラ100、デジタルスチルカメラ200)によっては、先に図6に示した構造の画像ファイルが得られるものとされる。
【0051】
そして、ユーザは、撮像装置により撮影記録して得た画像ファイルを、ネットワーク経由で検索サーバ3に対してアップロードするようにして送信するようにされる。検索サーバ3では、このようにして送信されてきた画像ファイルを、先に説明したように、画像ファイルデータベース53aによりデータベース化して保存するようにされる。
【0052】
なお、検索サーバ3が、位置情報の付加された画像ファイルを収集するモデルとしては、これ以外にも考えられるものである。例えば、インターネット上で公開されるWebページとして、そのWebページに貼り付けられたりリンクが張られたりする画像ファイルについて、例えばファイル名などと同様に、メタ情報もHTMLなどのソースに反映されるような形式とする。そのうえで、例えば検索ロボットなどによりインターネット上を巡回させることで、画像ファイルの所在と、その位置情報を取得し、画像ファイルデータベース53aとして構築するものである。この場合、ファイルの実体は画像ファイルデータベース53aには存在させる必要はないが、これまでの説明に準じた検索サーバ3の検索処理を実現することは、例えばこれまでに知られている多くのネットワーク検索システムの技術を応用することで容易に可能である。
【0053】
また、補足として、図10により、上記図9に示したビデオカメラ100又はデジタルスチルカメラ200などとしての撮像装置の構成例について説明しておく。この図には、撮像装置の構成として、撮像画像の記録に対応した構成を抜き出して示している。図中に示される実線の矢印は、ビデオ信号、オーディオ信号、またはメタ情報などの、ストレージ部において記録媒体(記憶媒体)に書き込んで記憶させるべきユーザデータとなる情報の流れを示している。また、白抜きの矢印は、各種制御のための情報の流れを示している。
この図に示す撮像装置1において、撮像部11は、例えば光学系(撮像用光学系)、撮像デバイス、及び圧縮符号化前までの画像信号処理系などから成る。光学系は、撮像のためのレンズから成るレンズユニット、絞りなどからなる。また、レンズユニットにおいては、フォーカス(焦点)調整のためのフォーカスレンズや、ズーム(画角)調整のためのズームレンズを備える。撮像部11は、焦点調整のために、フォーカスレンズを光軸方向に沿って移動させるためのギヤ、モータなどから成るフォーカスレンズ駆動機構を備える。また、ズーム調整のために、ズームレンズを光軸方向に沿って移動させるためのギヤ、モータなどから成るズームレンズ駆動機構を備える。
【0054】
撮像部11において、上記光学系により得られた撮像光は、撮像デバイスが備える光電変換素子ユニット上にて結像されて電気信号に変換される。光電変換素子としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSなどを挙げることができる。
撮像部11では、撮像デバイスから出力された電気信号について、例えばCDS(Correlated Double Sampling)処理、AGC(Automatic Gain Control)処理など施したうえでデジタル信号に変換し、デジタル信号処理による所定の画像信号処理を施す。この画像信号処理としては、例えば上記デジタル信号から、撮像画像に対応するデジタルビデオ信号を得ることをはじめとして、所要のデジタル信号処理を実行する。
【0055】
また、撮像部11では、信号処理として、カメラ制御部18がカメラ制御のために利用する所要の制御パラメータ生成などに応じた所要の信号処理を実行する。ここでカメラ制御部18が実行すべきカメラ制御としては、AF(Auto Focus:自動焦点調整)制御、露出制御、ホワイトバランス処理、手ぶれ補正などを挙げることができる。これらのカメラ制御技術については、周知の技術が採用されればよい。
【0056】
また、本実施の形態の撮像装置1には、位置検出部24が設けられる。
位置検出部24は、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールなどのデバイスから成り、例えば、現在時点における位置を検出する。このようにして検出される位置情報は、例えば緯度、経度などにより表される。本実施の形態の場合、この位置検出部24により検出された位置情報は、カメラ制御部18に入力されるようになっている。
本実施の形態において、上記のようにして取得される位置情報は、ストレージ部17に記憶させるべき撮像画像データのファイルに付加すべき情報として利用するようにされる。つまり、図6に示したように、画像データのメタデータ部に格納すべき位置情報として利用する。なお、位置情報は、これ以外の用途に利用されてもよいものである。また、位置検出部24としては、GPSを備えるもの以外であっても、現在位置の情報を取得できる構成を採るものであればよい。
【0057】
また、撮像部11にて最終的に得られたデジタルビデオ信号は、ビデオ圧縮処理部12に対して入力される。ビデオ圧縮処理部12では、入力されたビデオ信号について所定方式に従った圧縮符号化を施す。例えば、現状においては、動画であれば、MPEG関連のフォーマットなどをはじめとする動画像情報の圧縮符号化方式を採用することができる。また、静止画であれば、JPEG形式などをはじめとする各種の静止画像圧縮符号化方式を採用できる。
ビデオ圧縮処理部12により圧縮符号化が施されることで得られた動画あるいは静止画の画像データは、多重化処理部15に出力される。
【0058】
また、収音部13は、所定本数のマイクロフォンと、このマイクロフォンにより収音して得られた音声信号について、圧縮符号化前までの所定の信号処理を施すオーディオ信号処理系とを備えて構成される。また、この場合には、収音部13においては、所定の信号処理段階にて、オーディオ信号をアナログからデジタル形式に変換するものとされる。
収音部13から出力されたデジタルオーディオ信号は、オーディオ圧縮処理部14に対して出力される。
オーディオ圧縮処理部14は、ビデオ圧縮処理部12の画像圧縮符号化方式に対応する音声圧縮符号化の処理を実行し、多重化処理部15に出力する。なお、動画記録の場合には、ビデオ圧縮処理部12とオーディオ圧縮処理部14は、いわゆるリップシンクが保たれるようにして圧縮符号化処理を実行して、それぞれ圧縮符号化されたビデオ信号(圧縮ビデオデータ)、オーディオ信号(圧縮オーディオデータ)を出力する。
【0059】
カメラ制御部18は、先に説明したAF制御、ズーム制御などに代表される、撮像部11においてカメラユニットを構成するとされる部位についての所定の制御機能をまとめて示す部位である。また、このカメラ制御部18において得られた所定の制御結果などの情報は、メタデータ制御部20が取り込んで、メタデータの生成に使用するようにもされる。
ビデオ制御部23は、ビデオ圧縮処理部12における信号処理動作が適正に実行されるように各種の制御を行う。例えば、ビデオ信号処理部12からデータを取り込んで、圧縮処理のための動き検出などの各種検出処理、演算処理などを実行し、その検出結果や演算結果に応じて、ビデオ信号処理部12における信号処理についての所要の制御等を行うようにされる。また、ビデオ制御部23において得られた所定項目についての検出結果や、制御結果などの情報は、メタデータ制御部20が取り込んで管理情報の生成に使用することができる。
オーディオ制御部19は、この場合には、オーディオ信号処理動作についての各種制御を実行する。このために、オーディオ制御部19は、例えば収音部13の信号処理結果などに応じて出力される所定の情報に基づいて、オーディオ圧縮処理部14の信号処理動作を制御するようにされる。また、このオーディオ制御部19において得られた所定の制御結果などの情報も、メタデータ制御部20が取り込んでメタデータの生成に使用することができる。
【0060】
ユーザインターフェイス制御部22は、撮像装置が備えるとされる各種の操作子などに対して行われた所定操作により得られた操作情報を取り込んで、撮像装置が操作に応じた適正な動作を実行できるように、操作情報を処理するための部位とされる。ユーザインターフェイス制御部22は、所定の操作に応じて得られた操作情報を、ここで図示している各機能部位における所要の部位に対して伝送するようにされる。
【0061】
メタデータ制御部20は、図2に例示したように、画像データに付随させるべきメタデータ部としての情報(メタデータ)を生成する。メタデータ制御部20は、これまでに説明したように、管理情報の生成にあたって、例えばカメラ制御部18、オーディオ制御部21、及びビデオ圧縮処理部12などから出力される所定の制御情報、検出結果などの情報を利用して、位置検出部24にて検出された位置情報の他、撮影日時等をはじめとする各種のメタデータの情報項目を収集、生成する。そして、これらの情報項目を所定のデータ構造に格納するようにしてメタデータとしての情報単位を得る。
【0062】
多重化処理部15には、動画又は静止画としての圧縮符号化データ(動画記録の場合には、圧縮オーディオデータも含まれる)と、メタデータの情報とが入力されることになる。そこで、多重化処理部15としては、動画又は静止画の圧縮符号化データと、メタデータとについて、例えば所要の多重化処理、合成処理などを施すことで、図2に示したような、画像データ部とメタデータ部とから成るデータ構造に応じた画像データを生成する。そして、このようにして生成された画像データについて、例えばストレージ部17としての記録フォーマットに適合する記録符号化などを施して記録データを生成し、この記録データをバッファ部16に転送して蓄積させる。
【0063】
バッファ部16では、蓄積された記録データの所定量をストレージ部17に転送して書き込みを行う。このようにして、逐次、データの記録が行われていくことで、例えば図2に示した画像データが記録される。
ストレージ部17の具体的な構成としては、所定の記録媒体(記憶媒体)と、この記録媒体に対応したデータ記録(及び再生)が可能なドライブなどを備える。この場合において、記録媒体は、例えばリムーバブルであってもよいし、例えばHDD(ハードディスク)などのようにドライブとともに固定的に実装されるものであってもよい。
また、ストレージ部17の記録フォーマットとしては、例えばストレージ部17がDVD(Digital Versatile Disc)に対応しているものとすれば、DVD−Video、DVD−VR(Video Recording)などの、いわゆるDVDフォーマットを採用することになる。
【0064】
データインターフェイス24は、撮像装置1と外部デバイスとの間で所定のデータ通信方式により外部デバイスと通信を行うためのハードウェア、ソフトウェアを実装して構成される部位である。この通信部16が対応するデータ通信方式としては、有線、無線を問わず特に限定されるべきものではなく、また、対応するデータ通信方式の数も限定されるべきものでない。現状であれば、データ通信方式としては、有線ではUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、SCSI(Small Computer System Interface)などのデータバス規格などを挙げることができる。また、無線であれば、Bluetooth(商標)などのデバイス間近距離無線通信規格を挙げることができる。本実施の形態では、このデータインターフェイス24を利用するデータ通信により、ストレージ部17に記憶される画像データのファイルを通信バス経由で外部に送出できるようにされる。
【0065】
なお、この図に示す構成は、撮像装置として録画(及び録音)に関する機能をブロック構成により示しているものであり、実際のハードウェア構成とは異なる。実際としては、例えば撮像素子により撮像を行う部位と、マイクロフォンなどにより収音を行う部位と、これらの部位により得られたビデオ信号、オーディオ信号をデジタル信号に変換して、所定のデジタル信号処理、符号化処理、多重化処理などを実行するプロセッサと、所定の記録媒体に対応するドライブと、CPU、ROM、RAMなどから成り、各種所要の制御処理を実行するマイクロコンピュータなどから成るものである。
【0066】
また、本願発明としては、これまでに説明した実施の形態としての内容に限定されるものではなく、適宜変更が可能とされる。
例えば、実施の形態においては、説明を簡単にすることの便宜上、検索対象となる情報は、撮像装置により撮影記録されることにより得られる写真画像であることとしている。つまり、撮像記録された静止画像のデータファイルである。しかしながら、図9においてビデオカメラ100も示されていることからわかるように、撮影記録された動画像のデータファイルとされてもよい。動画像ファイルの場合にも、例えばそのデータ内容から、静止画あるいは動画によるサムネイル画像を生成して、検索画像リスト表示のWebページを作成することは可能である。
さらに、検索対象となる情報は、描画処理などにより作成したものなど、撮影記録によるもの以外の画像ファイルとされても良いものである。この場合には、撮影記録と同時に位置情報を付加するのに代えて、その画像ファイルの作成過程、あるいは、作成後において、位置情報を付加するための編集作業を行うようにすればよい。また、画像ファイル以外にも、例えば文書ファイルなどをはじめ、他の種別形式のものであってもよい。つまり、本願発明としての検索対象情報は、画像、文書を始め、検索サービスを利用するユーザにとって有意、有用な情報内容を持つものであればよい。なお、このような撮像画像以外の検索対象の情報に対して位置情報を付加する場合には、その位置情報が、作成された場所、あるいはその情報内容に応じた場所などを示すものとした扱いにすることが有用であると考えられる。
また、実施の形態にあっては、PCから検索サーバ3に対してネットワーク経由でアクセスして検索を行うシステム構成を例としているが、例えば、PCなどのコンピュータシステムにおいて、画像ファイルデータベース53a及び地図データベース53bに相当するものを実装させることとすれば、そのコンピュータシステムのローカル内で完結した画像検索システムを構築することも可能である。
また、本願発明としては、検索を行うユーザが自身の意図により入力する仮検索条件を文字列情報としているが、位置情報を除いたうえで、文字列以外の所定種類、形式の情報とすることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施の形態の検索サーバと、この検索サーバを利用するPCから成るネットワークシステム構成の例を示す図である。
【図2】Webブラウザに表示される、実施の形態の検索画面例を示す図である。
【図3】Webブラウザに表示される、実施の形態の検索画面例を示す図である。
【図4】実施の形態に対応するパーソナルコンピュータ(PC)の構成例を示す図である。
【図5】実施の形態に対応する検索サーバの構成例を示す図である。
【図6】実施の形態に対応する画像ファイルの構造例を示す図である。
【図7】図2の検索画面表示の動作に応じた、PCと検索サーバとの間での処理手順例を示す図である。
【図8】図3の検索画面表示の動作に応じた、PCと検索サーバとの間での処理手順例を示す図である。
【図9】実施の形態の検索サーバが画像ファイルを収集するためのモデル例を模式的に示す図である。
【図10】図9に示される撮像装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 撮像装置、2 パーソナルコンピュータ(PC)、3 検索サーバ、11 撮像部、12 ビデオ圧縮処理部、13 収音部、14 オーディオ圧縮部、15 多重化処理部、16 バッファ部、17 ストレージ部、18 カメラ制御部、19 オーディオ制御部、20 管理情報制御部、21 移動検出部、22 ユーザインターフェイス制御部、23 ビデオ制御部、24 データインターフェイス、31 CPU、32 ROM、33 RAM、34 HDD、34a Webブラウザ、35 操作入力処理部、36 表示出力処理部、37 メディアドライブ、38 データインターフェイス、39 ネットワークインターフェイス、40 内部バス、41 操作デバイス、42 表示デバイス、50 制御部、51 ネットワークインターフェイス、52 コンテンツ作成処理部、53 メタデータ処理部、53 記憶部、53a 画像ファイルデータベース、53b 地図データベース、54 内部バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列情報を仮検索条件として入力する仮検索条件入力手段と、
文字列情報と位置情報とが対応関係にあるようにされた情報である文字列−位置対応情報を保持する文字列−位置対応情報保持手段と、
上記文字列−位置対応情報から、上記仮検索条件に基づいた文字列情報と対応関係にあるとされる位置情報を取得する位置情報取得手段と、
付加情報として少なくとも位置情報が付加された所定形式の検索対象情報を記憶する検索対象情報記憶手段と、
上記位置情報取得手段により取得された位置情報を実検索条件として使用して、検索対象情報記憶手段に記憶される検索対象情報に付加されている位置情報を対象とする検索処理を実行し、検索された位置情報が付加された検索対象情報を、上記仮検索条件に該当する検索結果として出力する検索手段と、
を備えることを特徴とする検索装置。
【請求項2】
地図画像情報に対して少なくとも位置情報が対応付けられて形成される地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
上記位置情報取得手段により取得された位置情報を含む地域範囲に応じた部分地図情報を上記地図情報から取得する部分地図情報取得手段と、
上記地図画像取得手段により取得された部分地図情報を利用して形成した補助検索結果を出力する補助検索結果出力手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
上記補助検索結果出力手段は、
上記補助検索結果として、上記部分地図情報に基づいて表示される地図画像に対して範囲指定の操作が可能なようにされるとともに、範囲指定された地図画像の表示部分に対応する位置情報を検索装置に出力させるユーザインターフェイス動作を実現する機能情報を形成するものとされ、
上記検索装置においては、上記機能情報のユーザインターフェイス動作により出力された位置情報を、上記実検索条件として入力する実検索条件入力手段を備えるとともに、
上記検索手段は、
上記実検索条件入力手段により入力した実検索条件を使用して検索処理を実行し、検索された位置情報に対応付けられた検索対象情報により、検索対象情報記憶手段に記憶される検索対象情報に付加されている位置情報を対象として検索処理を実行し、検索された位置情報に対応付けられた検索対象情報を、上記範囲指定の操作に応じた検索結果として出力するように構成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の検索装置。
【請求項4】
文字列情報を仮検索条件として入力する仮検索条件入力手順と、
文字列情報と位置情報とが対応関係にあるようにされた情報である文字列−位置対応情報から、上記仮検索条件に基づいた文字列情報と対応関係にあるとされる位置情報を取得する位置情報取得手順と、
上記位置情報取得手順により取得された位置情報を実検索条件として使用して、所定形式の検索対象情報が付加情報として有する位置情報を対象とする検索処理を実行し、検索された位置情報が付加された検索対象情報を、上記仮検索条件に該当する検索結果として出力する検索手順と、
を実行することを特徴とする検索方法。
【請求項5】
文字列情報を仮検索条件として入力する仮検索条件入力手順と、
文字列情報と位置情報とが対応関係にあるようにされた情報である文字列−位置対応情報から、上記仮検索条件に基づいた文字列情報と対応関係にあるとされる位置情報を取得する位置情報取得手順と、
上記位置情報取得手順により取得された位置情報を実検索条件として使用して、所定形式の検索対象情報が付加情報として有する位置情報を対象とする検索処理を実行し、検索された位置情報が付加された検索対象情報を、上記仮検索条件に該当する検索結果として出力する検索手順と、
を検索装置に実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−219615(P2007−219615A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36499(P2006−36499)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】