説明

極めて低いIVのポリエステル樹脂を製造するための方法

本発明は、ある種の、極めて低い内部粘度のポリエステルを製造するための方法を提供する。さらに、離散粒子の形状の、低内部粘度ポリエステル、およびそのような粒状のポリエステルを製造するための方法もまた、提供する。この離散粒子状物質は、その後の方法で使用するのに望ましいものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極めて低い内部粘度(IV)のポリエステル樹脂を製造するための方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、約0.20dL/g〜約0.45dL/gの範囲内の内部粘度を有する、ペレット化したポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよび関連するポリエステルのナフタレートの製造に関するが、これらに限定される訳ではない。
【背景技術】
【0002】
メルトブローン繊維やそれから製造される不織布織物などのような最新技術においては、極めて低い溶融粘度のポリマー材料が必要とされる。メルトブローン方法においては、不織布ウェブは、ダイを通して溶融ポリマーを押し出し、次いでそれを高温、高速の気流を用いて、細長化して、切断させることによって形成する。この方法によって、短く非常に細い繊維が生成するので、それを移動式のベルトの上に集めることができ、そこでそれらは、冷却の間に互いに接着する。極めて良好な遮断性を示すメルトブローンウェブを作ることができる。
【0003】
ポリ(エチレンテレフタレート)原料の場合、これは、ルジシル(Rudisill)が(特許文献1)において開示しているように、0.25〜0.45dL/gの範囲の内部粘度を有するポリエステルに相当する。この範囲の内部粘度を持つ、離散した、粒子状のポリ(エチレンテレフタレート)原料を製造するのが困難なことは、これまでにもわかっていた。たとえば、ルジシル(Rudisill)の開示によれば、実施例において内部粘度が0.63dL/gのポリ(エチレンテレフタレート)原料を使用し、次いで、加水分解または熱的な分解によって、内部粘度が0.34dL/gのポリ(エチレンテレフタレート)原料とした。開示された手順の一つの欠点は、その新しく加えたクラッキングプロセスが、全体の方法を一段と複雑にしていることで、このようなことが無いのが望ましい。
【0004】
典型的なポリ(エチレンテレフタレート)製造方法では、内部粘度が約0.45dL/gより低い原料を直接製造することは不可能である。典型的なポリ(エチレンテレフタレート)製造方法においては、ポリエステルは、ダイプレートを通過して重合反応器から出て、典型的には1〜24インチ、より一般的には6〜12インチのエアギャップを通って、水槽の中へ落ちる。ポリエステルのストランドは水槽の中で固化し、次いでペレット化される。内部粘度が約0.45dL/g未満のポリ(エチレンテレフタレート)原料は、自立が可能なほどの溶融強度を持っていない。このことは、エアギャップ中でストランドを切断、落下させる上述の典型的な方法において歴然としていて、それら自体の重量を支えるだけの溶融強度を持っていない。当業者のよく理解するところであるが、このことが原因で、典型的な方法によっては、そのような低内部粘度のポリエステルを製造することができない。
【0005】
0.20〜0.45dL/gの範囲内の内部粘度を有する粒子状のポリ(エチレンテレフタレート)原料は入手可能である。しかしながら、それらは破砕方法または微粉砕方法によって製造されるために、粒子サイズの範囲が広い、不規則な形状の粒子が得られる。たとえば、ポリマーを固化させたストランド、リボン、またはシート状に成形し、次いでそれを破砕して粒子にしている。たとえば、シートを折ったり粒状化したりして粒子とすることは、ボールミルなど各種の方法により実施することができる。しかしながら、そのような粒子形成方法は、サイズや形状が不揃いな粒子となってしまう可能性がある。さらに、そのような方法では、望ましくない量の微細粒子、すなわち、平均粒径または目標粒径より実質的に小さな粒径の粒子が発生し、それによって、粒子の取り扱いと加工が一段と複雑になってしまうおそれがある。そのような不規則で、均質でない粒子は、さらなるプロセス工程、たとえば結晶化、乾燥、押出機への供給などにおいて、困難をもたらす。均質な粒子状の形態で、後に続くプロセスで使用しやすい、0.20〜0.45dL/gの範囲内の内部粘度を有するポリ(エチレンテレフタレート)原料が得られるのが望ましい。
【0006】
球状のビーズの形態で、0.10〜0.35dL/gの範囲内の固有粘度を有するプレポリマーを製造することによって、それらの欠点を克服する試みが、たとえば、米国特許公報(特許文献2)に開示されている。100〜250ミクロンの範囲の直径を有する球状のプレポリマービーズが開示されているが、それらはスプレー凝固かアトマイゼーションかのいずれかで製造されている。米国特許公報(特許文献3)および米国特許公報(特許文献4)には、多孔質でピルの形態のポリエステルプレポリマーを製造することが開示されている。しかしながら、そこで開示された方法では、粉体または多孔質のピルを製造するには複雑な方法が必要となり、また、その開示には、所望の固有粘度および均質性を有する、通常のペレットを製造することは含まれていない。
【0007】
極めて低い内部粘度のポリ(エチレンテレフタレート)原料の均質で、離散した粒子状の形状に対するニーズを満たすために、それとは別の方法の開発も行われた。たとえば、パスティレーション(pastillation)によってこのニーズを解決しようという提案があった。パスティレーションというのは、ポリマー溶融物からポリマーの液滴を形成させ、次いでそのポリマー液滴を固化させて、ポリマー粒子またはペレットにしようとする方法である。低内部粘度のポリエステルの均質で離散した粒子を製造するためにパスティレーション方法を使用する例は、ストウファー(Stouffer)らによる米国特許公報(特許文献5)の中に教示がある。パスティレーション方法を使用している開示はさらに、たとえば次のような特許に見出すことができる:米国特許公報(特許文献6)、米国特許公報(特許文献7)、米国特許公報(特許文献8)、米国特許公報(特許文献9)、米国特許公報(特許文献10)、および米国特許公報(特許文献11)。そのようなパスティレーション方法の欠点は、回転成形機(rotoformer)や加熱ベルトなどのような複雑な設備や、複雑な製造工程が必要となることである。
【0008】
シアボーン(Schiavone)は米国特許公報(特許文献12)の中で、テレフタル酸と84〜94モルパーセントのエチレングリコール、2〜6モルパーセントのジエチレングリコールおよび4〜10モルパーセントのシクロヘキサンジメタノールとを含むコポリエステルなど、ある種のポリエステルを0.25〜0.40dL/gの範囲の固有粘度になるように製造し、そのプレポリマーを成形してチップとし、次いで、そのチップを固相重合させて、より高い固有粘度とするための方法を開示している。その原料をいかにして粒子の形状にするかに関して、この開示では、固相重合工程に先立って、そのコポリエステルプレポリマー組成物を、「通常の方法(たとえば、ストランドペレタイゼーションおよび振動プレートダイからのホットカットペレタイゼーション液滴であって、回転ダイまたはプレートからの液滴やパスティレートは、その発明の固有粘度範囲ではうまくいかない)」によって離散粒子の形状にすると述べている。低粘度のポリエステルを形成する際にホモポリ(エチレンテレフタレート)を使用することについては、その開示に含まれていない。
【0009】
【特許文献1】国際公開第01/86044A1号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4,165,420号明細書
【特許文献3】米国特許第4,755,587号明細書
【特許文献4】米国特許第4,876,326号明細書
【特許文献5】米国特許第5,540,868号明細書
【特許文献6】米国特許第5,510,454号明細書
【特許文献7】米国特許第5,532,333号明細書
【特許文献8】米国特許第5,633,018号明細書
【特許文献9】米国特許第5,714,262号明細書
【特許文献10】米国特許第5,744,074号明細書
【特許文献11】米国特許第5,830,982号明細書
【特許文献12】米国特許第6,335,422号明細書
【特許文献13】米国特許第3,563,942号明細書
【特許文献14】米国特許第3,948,859号明細書
【特許文献15】米国特許第4,094,721号明細書
【特許文献16】米国特許第4,104,262号明細書
【特許文献17】米国特許第4,166,895号明細書
【特許文献18】米国特許第4,252,940号明細書
【特許文献19】米国特許第4,390,687号明細書
【特許文献20】米国特許第4,419,507号明細書
【特許文献21】米国特許第4,585,687号明細書
【特許文献22】米国特許第5,053,482号明細書
【特許文献23】米国特許第5,292,783号明細書
【特許文献24】米国特許第5,446,079号明細書
【特許文献25】米国特許第5,480,962号明細書
【特許文献26】米国特許第6,063,464号明細書
【非特許文献1】R.ストルベック(Storbeck)ら、ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(J.Appl.Polymer Science)、第59巻、p.1199〜1202(1996)
【非特許文献2】W.R.ソレンソン(Sorenson)およびT.W.キャンベル(Campbell)「プレパラティブ・メソッズ・オブ・ポリマー・ケミストリー(Preparative Methods of Polymer Chemistry)」、1961年、p.35
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様では、ある種の離散した粒子の形状の、極めて低い内部粘度のポリエステルを製造するための方法を提供する。本明細書に記載する方法は、好ましくは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、およびポリ(1,4−ブチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)よりなる群から選択されるポリエステルを形成させるために使用される。そのポリエステルは、場合によっては分岐状であってもよい。そのポリエステルは、約0.20〜約0.45dL/gの範囲の内部粘度を有している。そのポリエステルを形成させるためには、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ならびにそれらの酸クロリドおよび低級エステルよりなる群から選択される1種の芳香族化合物を提供する工程;そして重合条件下で、その芳香族ジカルボン酸を、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールよりなる群から選択される1種の脂肪族ジオールと接触させて、その芳香族ジカルボン酸を前記脂肪族ジオールと共重合して、ポリマーを形成する工程が含まれる。「低級エステル」という用語は、当業者には公知である。本明細書において開示されている方法において使用するためには、低級エステルが5個以下の炭素原子を含んでいるのが好ましく、4個以下の炭素原子であるのがより好ましい。
【0011】
好ましい実施態様において、そのポリエステルを形成させるためには、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの低級エステルよりなる群から選択される1種の芳香族化合物を提供する工程;そして重合条件下で、その芳香族ジカルボン酸またはエステルを、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールよりなる群から選択される1種の脂肪族ジオールと接触させて、その芳香族ジカルボン酸を前記脂肪族ジオールと共重合して、ポリマーを形成する工程が含まれる。
【0012】
本発明のさらなる態様は、約0.20〜約0.45dL/gの範囲の内部粘度を有する離散粒子状のポリエステルであるが、それを製造するには、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ならびにそれらの酸クロリドおよび低級エステルよりなる群から選択される1種の芳香族ジカルボン酸化合物を提供する工程;そして重合条件下で、その芳香族ジカルボン酸化合物を、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールよりなる群から選択される1種の脂肪族ジオールと接触させて、その芳香族ジカルボン酸をその脂肪族ジオールと共重合して、ポリマーを形成する工程が含まれる。
【0013】
そのポリエステルは、たとえば、メルトブローンによる繊維の形成などの方法において使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
たとえば本明細書において先に挙げたような、低内部粘度のポリエステルを製造するための先行技術の方法では、その粒子は、通常行われるその後の製造プロセス、たとえば結晶化、乾燥および押出しプロセスなどで、取り扱いが容易ではない粒子サイズと形状を有しているのが普通である。低粘度ポリマー用に設計された水中カッター、たとえばガラ(Gala)製のカッターであったとしても、尋常ではないペレット、典型的には回転楕円体を与え、このことは、その粒子を後続の製造プロセスに供給するには、かなり大きなプロセス変更を必要とする。他方、本明細書において開示される方法では、高内部粘度ポリマーを形成させ、ペレット化するための通常の方法で製造されたものと、実質的に同じ粒子サイズと形状のペレットが提供される。
【0015】
本明細書において開示される方法よって製造されるポリエステルは、分子量の目安である内部粘度(「IV」)が、約0.20〜0.45dL/gの範囲である。そのポリエステルの内部粘度が約0.20〜0.40dL/gの範囲であるのが好ましいが、この粘度は、50:50(重量比)のトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶媒系の中にポリエステルを0.5パーセント(重量/容積)になるよう溶解させた溶液について、室温で測定したものである。そのような条件下で測定したポリエステルの内部粘度が、0.25〜0.35dL/gの範囲であれば、より好ましい。内部粘度は、最終的な形状で、ある種の物品、たとえばメルトブローン繊維を製造するための、ポリエステルを製造するのに充分なものであるのが好ましい。目的とする、少なくとも約0.20dL/gかつ約0.45dL/g以下の内部粘度が得られるように、重合条件を調節することができる。
【0016】
本明細書において開示される方法に従って調製されるポリエステルは、直径が約0.5mm〜10mmの範囲で長さが約0.5〜10mmの範囲の円柱の形状であるのが好ましい。円柱状ペレットが、直径約2〜3mmで長さが約2.5〜3.5mmの公称ペレットサイズを有していれば、さらに好ましい。好ましい粒子サイズの範囲内であって、好ましい円柱状の形態を有する粒子を製造することが可能であることが、本明細書において開示される方法によって得られるメリットである。従って、本発明は、ある種の離散した粒子の形状の、極めて低い内部粘度のポリエステルを製造するための方法を提供する。本明細書に開示される方法によって製造されるポリエステルは、好ましくは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、およびポリ(1,4−ブチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)よりなる群から選択される。
【0017】
そのポリエステルを形成させるためには、好ましくは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ならびにそれらの酸クロリドおよび低級エステルよりなる群から選択される1種の芳香族ジカルボン酸化合物を提供する工程;そして重合条件下で、その芳香族化合物を、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールよりなる群から選択される1種の脂肪族ジオールと接触させて、その芳香族ジカルボン酸をその脂肪族ジオールと共重合して、ポリマーを形成する工程が含まれる。
【0018】
任意選択的に、多官能の分岐剤(branching agent)を使用して、分岐状のポリエステルを製造することもできる。その多官能性分岐剤は、ポリエステルの場合に使用される公知の多官能性分岐剤のいずれであってもよいが、カルボン酸官能基、ヒドロキシ官能基、およびそれらの混合物から選択される、全部で3つ以上の官能基を有する化合物であるのが、好ましい。「カルボン酸官能基」を有する化合物としては、カルボン酸、カルボン酸の低級アルキルエステル、カルボン酸のグリコレートエステルなどが挙げられる。いくつかの実施態様においては、2種以上の分岐剤の混合物を使用することもできる。好適な多官能性分岐剤の具体例を挙げれば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸);トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート;トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(無水トリメリット酸);1,3,5−ベンゼントリカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸);1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット酸);3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;クエン酸;テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸;1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸;ペンタエリスリトール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸;三量体酸などがある。実質的には、3個以上のカルボン酸またはヒドロキシル官能基を有する多官能物質ならばどのようなものであっても、多官能性分岐剤として使用できよう。この多官能性分岐剤は、100モルパーセントの全ジカルボン酸を基準にして、0〜約1.0モルパーセントの量で添加するのが好ましい。
【0019】
ポリエステルは、通常の重縮合方法によって調製することができる。最終製品の組成は、使用する調製方法、特にポリマー中に存在するジオールの量によって、変化させることができる。ポリエステルを調製するための方法には、ジオールモノマーを酸クロリドと反応させるものが含まれる。たとえば、ジカルボン酸の酸クロリドを、たとえばトルエンのような溶媒中で、反応により生成する塩酸を中和するための、たとえばピリジンのような塩基の存在下で、ジオールと組み合わせることができる。そのような方法は当業者には公知であって、たとえば、(非特許文献1)に記載がある。たとえば重合のように、酸クロリドを使用したその他の公知の変法も使用することが可能であり、また、加熱しながらモノマーを共に撹拌するだけでもよい。
【0020】
酸クロリドを使用してポリマーを製造する場合、生成物のポリマーの中におけるそれぞれのタイプのモノマー単位の相対比は、重合反応器に仕込んだそれぞれのタイプのモノマー単位の相対比とほぼ同じである。したがって、反応器に仕込んだモノマーの比率が、製品中で目的としている比率とほぼ同じになる。ポリマーを製造する場合には一般に、ジオール成分と二酸成分を、化学量論当量で使用する。本明細書において開示される方法に従って製造される低内部粘度ポリエステルの場合には、モノマー比が化学量論比から外れるところ、たとえば、ジオールまたは二酸成分を過剰に使用して、所望の低内部粘度になるようにする。
【0021】
このポリエステルは、溶融重合方法によって製造するのが好ましい。溶融重合においては、ジカルボン酸成分(1種または複数の酸、エステル、またはそれらの混合物として)、ジオール、および任意成分の分岐剤を触媒の存在下で組合せて、充分に高い温度に上げ、モノマーを結合させて、エステル、ジエステルを形成させ、次いでオリゴマー、最終的にはポリマーとする。この重合方法で得られるのは溶融ポリマーである。一般に、ジオール成分は揮発性があり、重合の進行につれて、反応器から留出する。好適な溶融重合方法については、たとえば下記の特許に開示されている:米国特許公報(特許文献13)、米国特許公報(特許文献14)、米国特許公報(特許文献15)、米国特許公報(特許文献16)、米国特許公報(特許文献17)、米国特許公報(特許文献18)、米国特許公報(特許文献19)、米国特許公報(特許文献20)、米国特許公報(特許文献21)、米国特許公報(特許文献22)、米国特許公報(特許文献23)、米国特許公報(特許文献24)、米国特許公報(特許文献25)、米国特許公報(特許文献26)、およびそれらの中に引用されている参照文献類。
【0022】
それらの溶融重合条件、特に使用するモノマーの量は、目的とするポリマー組成物によって変わる。ジオール成分、ジカルボン酸成分、および任意成分の分岐剤の量を選択して、最終のポリマー生成物が目的とする各種モノマー単位を含むようにするが、好ましくは、それぞれジオールおよび二酸成分から誘導されるモノマー単位がほぼ等モル量となるようにする。ジオールと二酸成分の量は、目的とする極めて低い内部粘度が得られるように、調節してもよい。ある種のモノマー、特にある種のジオール成分が揮発性を有しているために、反応器が密閉式(すなわち加圧下)かどうか、重合温度の昇温速度、ポリマー合成の際に使用される蒸留カラムの効率などによっては、重合開始時にいくつかのモノマーを、目的とする最終的なモル量よりは過剰に加えておき、反応が進行する間に蒸留によって除去することが、必要となることもある。これは、ジオール成分について特にあてはまる。
【0023】
特定の反応器に仕込むモノマーの過剰量は、熟練技術者ならば決めることができるが、おおむね下記の範囲に収まるであろう。二酸とジオールを過剰に仕込み、その過剰な二酸とジオールを、重合を進行させながら、蒸留またはその他の蒸発手段を用いて除去することができる。ジオールは、最終生成物の中に組み入れる目標レベルよりも、0〜100パーセント高いレベルで仕込むのが望ましい。本明細書に記載する方法に従うジオール成分として有用で、好適な重合条件下では揮発性があるようなジオール、たとえば、エチレングリコールまたは1,4−ブタンジオールの場合には、30〜100パーセント過剰量を仕込むのが望ましい。
【0024】
使用モノマー量としてここで与えた範囲によって、重合の間のモノマーロスを広い範囲で変化させることが可能となる。モノマーロスの量は、使用する蒸留カラムやその他回収・リサイクルシステムなどの効率によって、ある程度は変わってくるので、上に挙げた範囲は単なる概略である。特定の組成を達成するために特定の反応器に仕込む、モノマーの正確な量は、熟練技術者ならば決めることができる。
【0025】
好適な重合方法においては、モノマーを混合し、単一触媒または複数の触媒の混合物の存在下に、徐々に加熱していって、好ましくは約230℃〜約300℃、より好ましくは約250℃〜約295℃の範囲の温度にする。その条件と触媒は、その二酸が正味の酸として重合するか、ジメチルエステルとして重合するかによって、ある程度決められる。その触媒または触媒混合物は、最初に反応剤と一緒に加えることもできるし、および/または、加熱している間に反応混合物に1回または数回にわたって加えることもできる。使用する触媒を、反応の進行につれて変化させていくことも可能である。加熱および混合を、通常は過剰の反応剤を蒸留で除去しながら、充分な温度で充分な時間続けて、本発明に好適な分子量を有する溶融ポリマーを得る。
【0026】
使用可能な触媒の例を挙げれば、Li、Ca、Mg、Mn、Zn、Pb、Sb、Sn、Ge、およびTiの塩、たとえば酢酸塩および酸化物(グリコール付加物も含む)、およびTiアルコキシドなどがある。モノマーを重合させてポリエステルを形成させるための触媒は、当業者には公知であり、特定のモノマーを重合させる際に使用する、特定の触媒や触媒の組合せまたは順序については、熟練技術者ならば決めることができる。好適な触媒と好適な条件は、たとえば、その二酸モノマーがフリーの酸として重合するか、またはジメチルエステルとして重合するかによって、または、そのジオール成分の正確な化学的同一性(chemical identity)などによって決まってくる。
【0027】
本明細書において開示される重合方法には、水中ストランドカッターの使用が含まれる。しかしながら、水が最も典型的なストランド冷却媒体ではあるものの、他の冷却媒体を使用することも可能である。その水は、とりわけポリマー組成物および使用する方法に合わせて、ほぼ室温であってもよいし、あるいは冷却または加温してあってもよい。水中ストランドカッターは、ポリエステルが重合器からダイプレートを通して出てくる際に、直後の溶融ポリエステルストランドを支持している。この水中カッターには、約1〜4インチ、典型的には約2〜約3インチの範囲のエアギャップがあるのが好ましい。ポリエステルを製造するための従来開示されていた方法に比較して、本明細書において開示される方法では狭いエアギャップを用いているが、それによって、製造されるポリエステルにおいて、目的とする極めて低い内部粘度で製造することが可能となる。
【0028】
ストランドのための支持は、ウォータースライドによって与えられるが、それには典型的には、ポリエステルストランドを分離した状態に保つための溝が付けられていて、ストランドを水中に誘導する。このウォータースライドは、極めて低い溶融強度のポリエステルストランドを支持しているだけではなく、それに加えて、水またはその他の媒体によってストランドを急冷させて固化させる役目も果たしている。ウォータースライドが水浴と異なっている点は、ウォータースライドには傾斜がつけてあって、水浴の場合よりもストランドを充分に支持しているところにある。ウォータースライドは、垂直方向から約10度〜約20度傾けておくのが好ましい。ウォータースライドの長さは典型的には、約2〜10フィートである。しかしながら、望む場合や、方法が必要とする場合には、ウォータースライドをより短くしたり、より長くしたりすることができる。典型的には、ウォータースライドには水をあふれさせる。「水をあふれさせる」という表現は、水中に沈めるのとは対照的に、水をポンプで送って、ウォータースライドのストランドの上を流れるようにする、ということを意味している。
【0029】
ストランドはペレタイザーに送られて、ポリエステルの粒子とするが、このものは当業者には「ペレット」とも呼ばれている。この粒子は円柱状であるのが好ましい。その粒子が、約0.5mm〜約10mmの間の平均直径を有しているのが好ましい。粒子が約1mm〜約5mmの範囲内の平均直径を有しているのがより好ましく、粒子が約2mm〜約3mmの範囲内の平均直径を有していれば、さらにより好ましい。さらに、その粒子が、約0.5〜約10mmの間の平均長さを有しているのが好ましい。その粒子が、約1mm〜約5mmの間の平均長さを有しているのがより好ましい。その粒子が、約2.5mm〜約3.5mmの間の平均長さを有していれば、さらにより好ましい。いくつかの好ましい実施態様においては、その粒子が、直径約2〜3mm、長さ約2.5〜3.5mmの公称ペレットサイズを有する、円柱状ペレットである。そのポリエステルペレットが実質的に均一なサイズであるのが好ましい。「実質的に均一」という表現は、好ましくは約80パーセント以上、より好ましくは約90パーセント以上のペレットが、好ましいとされる範囲に入っているということを意味している。
【0030】
好ましい粒子サイズの範囲内であって、円柱状の形状を有する粒子を製造することが可能であることが、本明細書において開示される方法によって得られるメリットである。しかしながら、ポリマーペレットのサイズは、場合によっては、方法条件やその後の加工目的に応じて、直径約0.5〜10mm、長さ約0.5〜10mmの範囲内で変化させることは可能である。能力的に十分な方法装置は市販されており、たとえば、リーター・オートマチーク・GmbH(Rieter Automatik GmbH))からの商品名オートマチーク(Automatik)USG600、バリオ(Vario)USG200H、バリオ(Vario)USG300H、バリオ(Vario)USG450H、バリオ(Vario)USG600H、およびオプト(Opt)USG900Hなどがある。
【0031】
(試験方法)
内部粘度(IV)については、(非特許文献2)に定義がある。それは、トリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(50:50重量パーセント)の酸溶媒系100mL中0.5gの濃度で、グッドイヤー(Goodyear)R−103B法で、室温測定をして求める。
【0032】
(比較例CE1)
7.3立方メートルのステンレス鋼製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート(4,045.63ポンド)、エチレングリコール(2,069.00ポンド)、および酢酸マンガン(II)四水和物(1.78ポンド)を仕込んだ。そのオートクレーブを窒素を用いて3回パージしてから、撹拌しながら2.5時間かけて250℃まで加熱する。この加熱サイクルの間、留出物を回収した。その反応混合物を250℃で0.50時間撹拌してから、エチレングリコール中10重量パーセントのリン酸溶液(4.75ポンド)を添加した。次いで圧力をかけることによってその反応混合物を、第2の、6立方メートルのステンレス鋼製重合用オートクレーブに移した。次いでその反応混合物を撹拌しながら加熱して295℃とした。加熱撹拌を続けながら、そのオートクレーブに真空をかけた。得られた反応混合物を272℃でフル真空(真空度0.5mmHg以下)で混合して、目的の内部粘度になるまで続けたが、その粘度は攪拌機にかかるトルク、または攪拌機のモーターの電流負荷を目安とした。このための重合用オートクレーブの中での滞留時間としては、全部で1.7時間かかった。次いで真空を戻し、窒素圧をかけて、得られた反応混合物をオートクレーブからダイプレートを通してストランドとして押し出し、オートマチーク(Automatik)USG600カッターを用いてペレット化した。この方法には、溶融ポリマーストランドを、2.3インチのエアギャップで、水をあふれさせた長さ4フィートの溝付きウォータースライドの上に押し出すことが含まれていた。水温は約20℃に維持した。次いでそのポリマーストランドを、ペレタイザーに導き、切断した。
【0033】
この比較例の範囲内で製造したポリマーのほとんどは、ペレット化することが不可能であった。ペレット化できた原料も、きわめて不規則な粗い切片であった。したがって、この生成物は受容しがたいものであることがわかった。
【0034】
そのポリマーの内部粘度を上述のようにして試験すると、0.19dL/gのIVを有していることがわかった。
【実施例】
【0035】
(実施例1)
7.3立方メートルのステンレス鋼製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート(4,045.63ポンド)、エチレングリコール(2,069.00ポンド)、酢酸マンガン(II)四水和物(1.78ポンド)、および三酸化アンチモン(III)(1.44ポンド)を仕込んだ。そのオートクレーブを窒素を用いて3回パージしてから、撹拌しながら2.5時間かけて250℃まで加熱した。この加熱サイクルの間、留出物を回収した。その反応混合物を250℃で0.50時間撹拌してから、エチレングリコール中10重量パーセントのリン酸溶液(4.75ポンド)を添加した。次いで圧力をかけることによってその反応混合物を、第2の、6立方メートルのステンレス鋼製重合用オートクレーブに移した。次いでその反応混合物を撹拌しながら加熱して295℃とした。加熱撹拌を続けながら、そのオートクレーブに真空をかけた。得られた反応混合物を272℃でフル真空(真空度0.5mmHg以下)で混合して、目的の内部粘度になるまで続けたが、その粘度は攪拌機にかかるトルク、または攪拌機のモーターの電流負荷を目安とした。このための重合用オートクレーブの中での滞留時間としては、全部で1.7時間かかった。次いで真空を戻し、窒素圧をかけて、得られた反応混合物をオートクレーブからダイプレートを通してストランドとして押し出し、オートマチーク(Automatik)USG600カッターを用いてペレット化した。この方法には、溶融ポリマーストランドを、2.3インチのエアギャップで、水をあふれさせた長さ4フィートの溝付きウォータースライドの上に押し出すことが含まれていた。水温は約20℃に維持した。次いでそのポリマーストランドを、ペレタイザーに導き、切断した。
【0036】
実施例1の範囲内で製造したポリマーは、ペレット化することができた。ペレット化した原料は、規則的で良好なカットがされており、公称2.5mm×3.0mm長さのペレットが得られ、微小粒のレベルも低いものであった。したがって、この生成物は受容しうるものであることがわかった。
【0037】
そのポリマーの内部粘度を上述のようにして試験すると、0.25dL/gのIVを有していることがわかった。
【0038】
(実施例2)
7.3立方メートルのステンレス鋼製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート(4,045.63ポンド)、エチレングリコール(2,069.00ポンド)、酢酸マンガン(II)四水和物(1.78ポンド)、および三酸化アンチモン(III)(1.44ポンド)を仕込んだ。窒素を用いてそのオートクレーブを3回パージしてから、撹拌しながら2.5時間かけて250℃まで加熱した。この加熱サイクルの間、留出物を回収した。その反応混合物を250℃で0.50時間撹拌してから、エチレングリコール中10重量パーセントのリン酸溶液(4.75ポンド)を添加した。次いで圧力をかけることによってその反応混合物を、第2の、6立方メートルのステンレス鋼製重合用オートクレーブに移した。次いでその反応混合物を撹拌しながら加熱して295℃とした。加熱撹拌を続けながら、そのオートクレーブに真空をかけた。得られた反応混合物を272℃でフル真空(真空度0.5mmHg以下)で混合して、目的の内部粘度になるまで続けた。目的の粘度に到達したかどうかは、攪拌機にかかるトルク、または攪拌機のモーターの電流負荷を目安とした。このための重合用オートクレーブの中での滞留時間としては、全部で1.7時間かかった。次いで真空を戻し、窒素圧をかけて、得られた反応混合物をオートクレーブからダイプレートを通してストランドとして押し出し、オートマチーク(Automatik)USG600カッターを用いてペレット化した。この方法には、溶融ポリマーストランドを、2.3インチのエアギャップで、水をあふれさせた長さ4フィートの溝付きウォータースライドの上に押し出すことが含まれていた。水温は約20℃に維持した。次いでそのポリマーストランドを、ペレタイザーに導き、切断した。
【0039】
この実施例の範囲内で製造したポリマーは、ペレット化することができた。この原料をペレット化すると、規則的できわめて良好なカットがされており、公称2.5mm×3.0mm長さのペレットが得られ、視覚できる微小粒はなかった。したがって、この生成物は受容しうるものであることがわかった。
【0040】
そのポリマーの内部粘度を上述のようにして試験すると、0.29dL/gのIVを有していることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.20dL/g〜約0.45dL/gの範囲内の内部粘度を有する円柱状粒子形状のポリマーを製造するための方法であって、
テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ならびにそれらの低級エステルおよび酸クロリドよりなる群から選択される1種の芳香族化合物を提供する工程;
重合条件下で、前記芳香族化合物を、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールよりなる群から選択される1種の脂肪族ジオールと接触させて、前記芳香族ジカルボン酸を前記脂肪族ジオールと共重合して、溶融ポリマーを形成する工程;
前記溶融ポリマーを、ダイプレートを通過させて押し出して、ストランドにする工程;
前記溶融ストランドを、約4インチ未満のエアギャップを通過させてウォータースライドの上へ送る工程;
前記ストランドを、冷却媒体を用いて急冷する工程;および
前記ストランドをペレット化して、円柱状の粒子を形成する工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記内部粘度が、約0.20〜約0.40dL/gの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記内部粘度が、約0.25〜約0.35dL/gの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記粒子が、約0.5mm〜約10mmの範囲内の平均直径を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記粒子が、約1mm〜約5mmの範囲内の平均直径を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記粒子が、約2mm〜約3mmの範囲内の平均直径を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子が、約0.5〜約10mmの範囲内の平均長さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記粒子が、約1mm〜約5mmの範囲内の平均長さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子が、約2.5mm〜約3.5mmの範囲内の平均長さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ペレットが実質的に均一であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、多官能性分岐剤の存在下で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記多官能性分岐剤が、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸);トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート;トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(無水トリメリット酸);1,3,5−ベンゼントリカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸);1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット酸);3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;クエン酸;テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸;1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸;ペンタエリスリトール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸;三量体酸よりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、触媒の存在下で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記触媒が、Li、Ca、Mg、Mn、Zn、Pb、Sb、Sn、Ge、およびTiの塩、酸化物またはグリコール付加物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記触媒が酢酸塩であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、230℃〜約300℃の範囲内の温度で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、250℃〜295℃の範囲内の温度で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマーがポリ(エチレンテレフタレート)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、およびポリ(1,4−ブチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)よりなる群から選択されるポリエステルから形成される円柱状粒子であって、前記ポリエステルが約0.20dL/g〜約0.45dL/gの範囲内の固有粘度を有し、ここで前記粒子が、
テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの低級エステルよりなる群から選択される1種の芳香族化合物を提供する工程;
重合条件下で、前記芳香族化合物を、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールよりなる群から選択される1種の脂肪族ジオールと接触させて、前記芳香族ジカルボン酸を前記脂肪族ジオールと共重合して、溶融ポリエステルを形成する工程;
前記溶融ポリエステルを、ダイプレートを通過させて押し出して、ストランドにする工程;
前記溶融ストランドを、約4インチ未満のエアギャップを通過させてウォータースライドの上へ送る工程;
前記ストランドを、水を用いて急冷する工程;および
前記ストランドをペレット化して、円柱状粒子を形成する工程
によって形成されることを特徴とする円柱状粒子。
【請求項20】
約0.5mm〜約10mmの範囲内の直径を有することを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項21】
約1mm〜約5mmの範囲内の直径を有することを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項22】
約2mm〜約3mmの範囲内の直径を有することを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項23】
約0.5〜約10mmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項24】
約1mm〜約5mmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項25】
約2.5mm〜約3.5mmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項26】
前記ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)であることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項27】
前記ポリエステルが、約0.25dL/g〜約0.35dL/gの範囲内の固有粘度を有することを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項28】
前記方法が、多官能性分岐剤の存在下で実施されることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項29】
前記多官能性分岐剤が、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸);トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート;トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(無水トリメリット酸);1,3,5−ベンゼントリカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸);1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット酸);3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;クエン酸;テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸;1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸;ペンタエリスリトール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸;三量体酸よりなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項30】
前記方法が、触媒の存在下で実施されることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項31】
前記触媒が、Li、Ca、Mg、Mn、Zn、Pb、Sb、Sn、Ge、およびTiの塩、酸化物、またはグリコール付加物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項32】
前記触媒が酢酸塩であることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項33】
前記方法が、230℃〜約300℃の範囲内の温度で実施されることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項34】
前記方法が、250℃〜295℃の範囲内の温度で実施されることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項35】
前記ポリマーがポリ(エチレンテレフタレート)であることを特徴とする請求項19に記載の粒子。
【請求項36】
ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、およびポリ(1,4−ブチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)よりなる群から選択されるポリエステルから本質的になる円柱状粒子であって、前記ポリエステルが、約0.45dL/g以下の固有粘度を有し、約0.5mm〜約10mmの範囲内の直径、および約0.5〜約10mmの範囲内の長さであることを特徴とする円柱状粒子。
【請求項37】
約1mm〜約5mmの範囲内の直径を有することを特徴とする請求項36に記載の粒子。
【請求項38】
約2mm〜約3mmの範囲内の直径を有することを特徴とする請求項36に記載の粒子。
【請求項39】
約1mm〜約5mmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項36に記載の粒子。
【請求項40】
約2.5mm〜約3.5mmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項36に記載の粒子。
【請求項41】
前記ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)であることを特徴とする請求項36に記載の粒子。
【請求項42】
前記ポリエステルが、約0.25dL/g〜約0.35dL/gの範囲内の固有粘度を有することを特徴とする請求項36に記載の粒子。

【公表番号】特表2006−502895(P2006−502895A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545511(P2004−545511)
【出願日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/033091
【国際公開番号】WO2004/035284
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】