説明

構造物の目視検査装置およびその検査方法

【課題】TVカメラ自体が有する画素分解能よりも高い分解能を有する映像を作成することにより、欠陥の視認性を向上させた検査画像を得構造物の検査装置及びその検査方法を提供する。
【解決手段】検査対象物100を撮影するTVカメラ101と、TVカメラ101を検査対象物に対して走査運動を行わせるTVカメラ駆動装置102と、TVカメラ101の映像をデジタル画像として取り込む画像取込装置105と、TVカメラ101の走査運動を測定するカメラ運動測定装置104と、画像取込装置に取り込まれた複数のデジタル画像とカメラ運動測定装置104で測定したTVカメラ101の走査運動データからTVカメラ101が有する画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像を作成する高精細画像作成装置106と、高精細画像を表示する表示装置107と、検査対象物の位置情報を記録保存する記録装置108とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の目視検査装置及びその検査方法に係り、特に、原子炉炉内構造物の目視検査装置及びその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントでは、プラント構造物及び各種機器の安全性および信頼性の維持を図るために、定期的に検査が行われている。特に、原子炉炉内構造物を検査する際は、水中TVカメラ、もしくは、水密ケースに収納したTVカメラを使用した間接目視検査が多く用いられている。このような水中TVカメラを用いた炉内目視検査装置の従来例として特許文献1が挙げられる(図示せず。)。
【0003】
この検査方法は、遠隔から操作できるTVカメラを炉内に沈めて検査対象物を撮影し、モニタに出力したTVカメラの映像を検査員が目視で確認するものである。また、検査員が目視確認すると同時に、ビデオテープ又は光ディスクなどに動画映像を記録している。検査対象に欠陥がある場合には、検査員がこの記録した映像を確認しながら欠陥の検査記録を作成している。
【特許文献1】特開2000−346976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の検査方法で炉内構造物のような大型機器を検査する場合、1本のビデオテープ等に、検査対象物の複数箇所又は広範囲に及ぶTVカメラの映像が記録される。また、ビデオテープ等の本数も、数本から数十本と膨大なデータ量となる。これでは、検査員が再度映像を確認する場合に、確認したい該当箇所が記録されている映像を複数のビデオテープの中から探す必要があり、作業の効率が悪く、検査工数がかかるといった課題がある。
【0005】
一方、近年データのデジタル化が進んでいることから、映像をデジタル映像として光ディスク等に記録保存することが試みられているが、映像のデータ量は膨大であるため、MPEG(moving picture expert group)などの方法で映像データを圧縮する必要がある。しかし、現在普及している映像の圧縮方法は非幾何学的なものであるため、情報の劣化が発生する。つまり、圧縮を行った映像は、圧縮を行う前の映像と輝度のレベルが一致しない、という課題があった。
【0006】
具体的に説明すると、MPEGでは画像内を局所的なブロック単位で圧縮するため、ブロックノイズが発生する。本映像は検査を目的としたものであり、映像を圧縮することで画像を劣化させることは、検査品質を下げる可能性があるところに課題があった。
【0007】
また、代表的な静止画像のみを記録保存することも考えられるが、動画映像の情報を動画映像の中から選んだ静止画像で代替することは、上記と同様に情報量を落とすため検査品質を下げる、という課題があった。
【0008】
また、TVカメラを使用した間接目視検査では、検出すべき欠陥に対してTVカメラの画素分解能が不十分な場合に、微細な欠陥を発見しにくくなり、欠陥を見落とす可能性があるところに課題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、TVカメラ自体が有する画素分解能よりも高い分解能を有する映像を作成することにより、欠陥の視認性を向上させた検査画像を得ることができるとともに、映像を簡単に再確認できる構造物の検査装置及びその検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、構造物を検査するための目視検査装置において、検査対象物を撮影するTVカメラと、前記TVカメラを前記検査対象物に対して走査運動を行わせるTVカメラ駆動装置と、前記TVカメラの映像をデジタル画像として取り込む画像取込装置と、前記TVカメラの走査運動を測定するカメラ運動測定装置と、前記画像取込装置に取り込まれた複数の前記デジタル画像と前記カメラ運動測定装置で測定した前記TVカメラの走査運動データから前記TVカメラが有する画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像を作成する高精細画像作成装置と、前記高精細画像を表示する表示装置と、前記検査対象物の位置情報を記録保存する記録装置と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、構造物を検査するための目視検査方法において、TVカメラを検査対象物に対して走査運動をさせながら前記検査対象物を撮影するステップと、前記TVカメラで撮影された映像をデジタル画像として画像取込装置に取り込むステップと、前記TVカメラの画像から前記TVカメラの走査運動を測定するステップと、前記TVカメラの走査運動の測定結果と前記画像取込装置に取り込まれたデジタル画像を基に前記TVカメラが有する画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像を作成するステップと、前記高精細画像を表示するステップと、前記検査対象物の位置情報を記録保存するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、TVカメラ自体が有する画素分解能よりも高い分解能を有する映像を作成することにより、欠陥の視認性を向上させた検査画像を得ることができるとともに、映像を簡単に再確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る目視検査装置の構成を示すブロック図である。検査対象物100は、例えば原子炉圧力容器、蒸気乾燥機等の原子力発電プラントの炉内構造物である。
【0014】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る目視検査装置は、検査対象物100を撮影するTVカメラ101と、TVカメラ101を取り付け走査運動を行わせるカメラ駆動装置102と、TVカメラ101の映像をデジタル画像として取り込む画像取込装置105と、TVカメラ101の走査運動を測定するカメラ運動測定装置104と、TVカメラ105の画素分解能よりも高い画素分解能を持つ高精細画像を作成する高精細画像作成装置106と、高精細画像を表示する表示装置107と、高精細画像と高精細画像に撮影されている検査対象物100の位置情報を記録する記録装置108からなる。
【0015】
次に、この第1の実施の形態に係る目視検査装置の動作について説明する。TVカメラ101は、カメラ駆動装置102により検査対象物100に対して2次元のXY方向にTVカメラの画素よりも細かい走査運動を行いながら検査対象物100を撮影する。TVカメラ101に撮影された映像は画像取込装置105に入力され、デジタル画像として取り込まれ、そして、カメラ運動測定装置104と高精細画像作成装置106に送られる。
【0016】
カメラ運動測定装置104は、画像処理機能を有しており、画像取込装置105から送られてきた画像を逐次記録しておき、記録している以前の画像と、画像取込装置105から送られてきた最新の画像を画像処理で比較し、画像中におけるTVカメラ101の走査運動を1画素以下のサブピクセル精度で計測する。計測方法として、例えば、画像を拡大処理することで画像の画素精度を上げ、2枚の画像間で輝度相関を利用したブロックマッチング処理を行い、画素ごとに最も輝度相関が一致した位置から走査運動を測定する。
【0017】
また、検査対象物100の表面に凹凸がある場合、TVカメラ101から検査対象物100までの距離が一定でないため、ブロックマッチング処理などの方法で画像の画素ごとに走査運動を求める必要がある。
【0018】
高精細画像作成装置106は、画像取込装置105から送られてくる画像と、カメラ運動測定装置104の測定結果である走査運動データから、TVカメラ101の画素分解能よりも高い画素分解能を持つ高精細画像を作成する。
【0019】
図2に高精細画像の作成方法の一例を示す。200aと200bは、高精細画像作成装置106に取り込まれた画像取込装置105の連続する二つの画像を示している。また、202は高精細画像で、この例では画素分解能を200aと200bの画像に対して2倍に設定している。画像200aの画素201aが高精細画像202の1A、2A、1B、2B座標の画素に対応する画素とすると、画像200bの画素201bは、カメラ運動測定装置104の走査運動データから画像200aからの相対位置が計算され、高精細画像202における座標が計算される。この例では、2B、3B、2C、3Cとする。
【0020】
次に、高精細画像202の輝度を計算する。図2の例において、高精細画像202の座標2Bは、画像200aの画素201aと画像200bの画素201bが重なった座標であり、高精細画像202の座標2Bの輝度は、画素201aと画素201bの輝度から推定される。以下、このようにして高精細画像202の各画素の輝度が推定され、TVカメラの画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像が作成される。
【0021】
高精細画像作成装置106で作成した高精細画像は、表示装置107に表示される。記録装置108では、高精細画像に撮影されている検査対象物の位置情報とともに高精細画像作成装置106で作成した高精細画像を記録保存される。また、記録装置108では、検査対象物100の位置を指定することにより、その位置の過去の高精細画像を参照することができ、参照された高精細画像は表示装置107に表示される。
【0022】
この第1の実施の形態によれば、TVカメラの画素分解能よりも高い画素分解能を持つ高精細画像を作成し表示装置107に表示させることで、欠陥の視認性がよくなり検査品質を向上させることができる。また、TVカメラの動画映像を静止画像である高精細画像に変換することで、画像品質・画像情報の劣化を抑えてデータ容量を削減できることから、データを保存するシステムとしての経済性をよくすることができる。また、位置情報と共に高精細画像を記録保存することで、検査員が希望位置の検査画像を簡単に再確認することができる。
【0023】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る目視検査装置の構成を示すブロック図である。図3において、図1と同一又は類似の構成部分については同一の符号を付し説明を省略する。この第2の実施の形態は、図1に示す第1の実施形態に対して、カメラ運動測定装置104に駆動制御装置300を追加し、CAD(Computer Aided Design)記録装置301を設けたものである。
【0024】
次にこの第2の実施の形態に係る目視検査装置の動作について説明する。駆動制御装置300は、予め定めた設定値又は作業員の操作にてカメラ駆動装置102を制御し、TVカメラ101の走査運動を行わせる。CAD記録装置301には、検査対象物の形状を示すCADデータが記録されており、カメラ運動測定装置104は、駆動制御装置300の制御情報と、CAD記録装置301に記録されている検査対象物100の形状を基に、画像中におけるTVカメラ101の走査運動を1画素以下のサブピクセル精度で計測し、走査運動データを得る。また、記録装置108では、検査対象物100の位置をCAD記録装置301に記録されているCADデータの座標で記録保存し、CADデータ上で位置を指定することで、その位置の過去の高精細画像を参照することができ、参照された高精細画像は表示装置107に表示され検査員へ提示される。
【0025】
この第2の実施の形態によれば、駆動制御装置300の制御情報と、CAD記録装置に記録された検査対象物の形状から画像中におけるTVカメラの走査運動を測定することで、カメラ運動測定装置に画像処理機能を設ける必要がなくなる一方、幾何学的な位置関係から走査運動を求めるため、高精度な測定が可能となる。また、CADデータ上の座標として保存指定することで、更に検査員が直感的で容易に希望位置の検査画像を再確認することができる。
【0026】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る目視検査装置の構成を示すブロック図である。図4において、図1と同一又は類似の構成については同一の符号を付し説明を省略する。この第3の実施の形態は、図1に示す第1の実施形態に対して、位置測定装置400と、展開図作成装置401と、CAD記録装置301を追加して設けたものである。
【0027】
次に第3の実施の形態に係る目視検査装置の動作について説明する。位置測定装置400は、TVカメラ101の位置と向きをGPSなどの方法を用いて測定することによってTVカメラの走査運動データを測定し、その走査運動データを記録装置108へ送る。記録装置108は、位置測定装置400から送られてきた測定結果を、CAD記録装置301に記録されているCADデータの座標に変換して記録保存する。展開図作成装置401は、CAD記録装置301のCADデータから検査対象物100を平面に展開した展開図を作成し記録装置108へ送る。記録装置108では、記録されている検査対象物100の位置情報から作成した展開図に高精細画像を重ね合わせた合成画像を作成し、表示装置107へ表示し検査員へ提示する。
【0028】
この第3の実施の形態によれば、位置測定装置400にてTVカメラの向きと位置を測定することで、正確な位置を自動で記録装置に記録保存することができる。また、展開図作成装置401で作成した展開図に高精細画像を重ね合わせた合成画像を検査員へ提示することで、欠陥のスケッチ画作成や検査対象物全体における欠陥の把握等を容易に行うことができる。
【0029】
(第4の実施の形態)
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る目視検査装置の構成を示すブロック図である。図5において、図1と同一又は類似の構成については同一の符号を付し説明を省略する。この第5の実施形態は、図1に示す第1の実施形態に対して、画像取込装置105に画像選別装置500を追加し、画像強調装置501を設けたものである。
【0030】
次に第5の実施の形態に係る目視検査装置の動作について説明する。TVカメラ101にて検査対象物100を撮影したときに、周囲の照明などの環境が安定していない場合、時間軸の画像間で急激な輝度変化を起こす可能性がある。また、TVカメラ101について走査運動を行わせるカメラ駆動装置102の走査機構が不安定な場合、急激にTVカメラ101が移動してしまう可能性がある。このような条件下で撮影したTVカメラ101の画像から、高精細画像を作成した際には、高精細画像の品質を低下させてしまう。
【0031】
本第4の実施の形態では、このような条件下においても、安定した品質の高精細画像を得るためのものである。画像選別装置500では、時間経過とともに画像取込装置105で取り込んだ画像の輝度変化を評価しておき、急激な輝度変化が発生した場合には、その画像を高精細画像作成装置106に出力しないとの判断を行う。あるいは、輝度変化の評価と同時に、カメラ運動測定装置104の測定結果も評価しておき、急激な走査運動が発生したことを検知して出力の有無の判断を行う機能を持たせてもよい。
【0032】
本実施の形態のもう一つの目的は、欠陥の視認性の更なる向上である。画像強調装置501は、高精細画像に対してエッジ強調などの輝度強調に関する画像処理を行う。これにより、欠陥などが存在する場合、背景との輝度差が顕著となり、欠陥の視認性が向上する。
【0033】
この第4の実施の形態によれば、画像選別装置にて画像の出力を判断することで、周囲の照明や、TVカメラの走査運動が不安定な条件下でも、安定した品質の高精細画像を得ることができる。また、画像強調装置にて輝度強調を行うことで、欠陥の視認性を向上させることができる。
【0034】
(第5の実施の形態)
図6は、本発明の第5の実施の形態に係る目視検査装置の構成を示すブロック図である。図6において、図1と同一又は類似の構成については同一の符号を付し説明を省略する。この第5の実施形態は、図1に示す第1の実施形態に対して、画像処理装置600を追加して設けたものである。
【0035】
次に第5の実施の形態に係る目視検査装置の動作について説明する。画像取込装置105で取り込んだ画像は、画像処理装置600へ送られる。画像処理装置600は、画像処理により欠陥の存在が推定される候補領域を検出する。高精細画像作成装置106は、画像処理装置600にて欠陥の候補領域が検出されたときに、高精細画像を作成する。
【0036】
この第5の実施の形態によれば、高精細画像の作成に伴う計算量を減らすことで、安価な計算機で実現可能となりシステムの経済性を向上させることができる。また、保存記録するデータ量も削減でき、合わせてシステムの経済性を向上できる。
【0037】
(第6の実施の形態)
図7は、本発明の第6の実施の形態に係る目視検査装置の構成を示すブロック図である。図7では、TVカメラ101から画像取込装置105までを図示しているが、それ以外の構成は図1と同様である。この第7の実施形態は、図1に示す第1の実施形態に対して、カメラ駆動装置102に代えて、TVカメラを吊り下げて支持する吊具700を設けたものである。
【0038】
次に第6の実施の形態に係る目視検査装置の動作について説明する。TVカメラ101は、例えばTVカメラ101の上部に取り付けられた例えば吊り棒等からなる吊具700にて支持され、TVカメラ101とは反対側の吊具700の端部を検査員などが操作し、検査対象物100に対してTVカメラ101の走査運動が行われる。
この第6の実施の形態によれば、カメラ駆動装置のような機械機構を用いず、簡易的にTVカメラを支持する冶具でも、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態における目視検査装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態における高精細画像作成方法の説明図。
【図3】本発明の第2の実施形態における目視検査装置の構成図。
【図4】本発明の第3の実施形態における目視検査装置の構成図。
【図5】本発明の第4の実施形態における目視検査装置の構成図。
【図6】本発明の第5の実施形態における目視検査装置の構成図。
【図7】本発明の第6の実施形態における目視検査装置の構成図。
【符号の説明】
【0040】
100…検査対象物、101…TVカメラ、102…カメラ駆動装置、104…カメラ運動測定装置、105…画像取込装置、106…高精細画像作成装置、107…表示装置、108…記録装置、300…駆動制御装置、301…CAD記録装置、400…位置測定装置、401…展開図作成装置、500…画像選別装置、501…画像強調装置、600…画像処理装置、700…吊具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物を検査するための目視検査装置において、検査対象物を撮影するTVカメラと、前記TVカメラを前記検査対象物に対して走査運動を行わせるTVカメラ駆動装置と、前記TVカメラの映像をデジタル画像として取り込む画像取込装置と、前記TVカメラの走査運動を測定するカメラ運動測定装置と、前記画像取込装置に取り込まれた複数の前記デジタル画像と前記カメラ運動測定装置で測定した前記TVカメラの走査運動データから前記TVカメラが有する画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像を作成する高精細画像作成装置と、前記高精細画像を表示する表示装置と、前記検査対象物の位置情報を記録保存する記録装置と、を備えたことを特徴とする構造物の目視検査装置。
【請求項2】
前記カメラ駆動装置が吊具からなることを特徴とする請求項1記載の構造物の目視検査装置。
【請求項3】
前記カメラ運動測定装置は、前記画像取込装置の出力画像から前記TVカメラの走査運動を測定する画像処理機能を有することを特徴とする請求項1又は2記載の構造物の目視検査装置。
【請求項4】
構造物を検査するための目視検査装置において、検査対象物を撮影するTVカメラと、前記TVカメラを前記検査対象物に対して走査運動を行わせるTVカメラ駆動装置と、前記検査対象物の形状を示すCADデータが記録されたCAD記録装置と、前記TVカメラの映像をデジタル画像として取り込む画像取込装置と、前記TVカメラの走査運動を測定するカメラ運動測定装置と、前記画像取込装置に取り込まれた複数の前記デジタル画像と前記カメラ運動測定装置で測定した前記TVカメラの走査運動データから前記TVカメラが有する画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像を作成する高精細画像作成装置と、前記高精細画像を表示する表示装置と、前記検査対象物の位置情報を記録保存する記録装置と、を備えたことを特徴とする構造物の目視検査装置。
【請求項5】
前記記録装置は、前記高精細画像に撮影されている前記検査対象物の位置を、前記CAD記録装置のCADデータの座標で記録保存し、前記検査対象物の位置を前記CADデータ上で指定することで前記高精細画像を参照できることを特徴とする請求項4記載の構造物の目視検査装置。
【請求項6】
前記カメラ運動測定装置は、前記カメラ駆動装置を制御する駆動制御装置を備え、前記駆動制御装置の制御情報と、前記CAD記録装置のCADデータから前記検査対象物の形状を基に、前記TVカメラの走査運動を測定することを特徴とする請求項4又は5記載の構造物の目視検査装置。
【請求項7】
構造物を検査するための目視検査装置において、検査対象物を撮影するTVカメラと、前記TVカメラを前記検査対象物に対して走査運動を行わせるTVカメラ駆動装置と、前記TVカメラの位置と向きからTVカメラの走査運動データを測定する位置測定装置と、前記位置測定装置で測定されたデータを記録する記録装置と、前記検査対象物の形状を示すCADデータが記録されたCAD記録装置と、前記TVカメラの映像をデジタル画像として取り込む画像取込装置と、前記画像取込装置に取り込まれた複数の前記デジタル画像と前記走査運動データから前記TVカメラが有する画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像を作成する高精細画像作成装置と、前記検査対象物を平面に展開した展開図を作成する展開図作成装置と、前記高精細画像を表示する表示装置と、前記検査対象物の位置情報を記録保存する記録装置と、を備えたことを特徴とする構造物の目視検査装置。
【請求項8】
前記展開図作成装置は前記CAD記録装置のCADデータから前記検査対象物の展開図を作成するとともに、前記記録装置は、前記展開図に対して前記高精細画像を重ね合わせた合成画像を作成できることを特徴とする請求項7記載の構造物の目視検査装置。
【請求項9】
前記画像取込装置は、前記TVカメラの映像を取り込んだ画像を高精細画像作成装置に出力するか否かを判断する画像選別装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の構造物の目視検査装置。
【請求項10】
前記高精細画像作成装置にて作成した高精細画像に対して輝度の強調処理を行う画像強調装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の構造物の目視検査装置。
【請求項11】
前記TVカメラの映像から欠陥の候補領域を検出する画像処理装置を備え、前記画像処理装置にて欠陥候補を検出したときに、前記高精細画像作成装置にて前記高精細画像を作成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の構造物の目視検査装置。
【請求項12】
構造物を検査するための目視検査方法において、TVカメラを検査対象物に対して走査運動をさせながら前記検査対象物を撮影するステップと、前記TVカメラで撮影された映像をデジタル画像として画像取込装置に取り込むステップと、前記TVカメラの画像から前記TVカメラの走査運動を測定するステップと、前記TVカメラの走査運動の測定結果と前記画像取込装置に取り込まれたデジタル画像を基に前記TVカメラが有する画素分解能よりも高い画素分解能を有する高精細画像を作成するステップと、前記高精細画像を表示するステップと、前記検査対象物の位置情報を記録保存するステップと、を有することを特徴とする構造物の目視検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−278143(P2008−278143A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118541(P2007−118541)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】