説明

横方向及び長手方向の計測学システム

【課題】横方向及び長手方向の計測学システムを提供する。
【解決手段】本発明は少なくとも一つの基準衛星(SR)及び一つの第二の衛星(SS)を備えた人工衛星編隊飛行用の衛星計測学システムに関する。
基準衛星において、光源(SO)は第二の衛星(SS)を照らすことを目的としている光線を放射し、光検出器(CCD)の集合は第二の衛星によって反射された光を検出する。測定回路(CI)は第二の衛星(SS)からの光を受ける一つ又は複数の検出器を検知するために用いられる。
第二の衛星(SS)において、少なくとも一つの反射器(RR1)が基準衛星からの照射光を受け、それを基準衛星の検出器(CCD)の集合に向かって反射する。
適用範囲:人工衛星の編隊飛行

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人工衛星の位置決めのために使用可能な衛星用の計測学システム、及び特に人工衛星が互いに関して位置することを可能にする計測学システムに関する。そのようなシステムは特に、技術的に「自由飛行」(“Free Flying”)と現在呼ばれる衛星編隊飛行システムに適用可能である。
【0002】
本発明はまた基準衛星に対して第二の衛星の運動と方向を制御するために使用可能な制御システムに関する。
【0003】
それはまた衛星間の距離を等しくするためのシステムに適用できる。
【背景技術】
【0004】
幾つかのシステムは互いに関し理路整然と移動する、幾つかの衛星を用いる。これは例えば、その中で光線が幾つかの衛星の助けにより集中する新世代の高エネルギー望遠鏡システムの場合である。これらの衛星はそのとき、制御され得る互いに関しての相対位置を維持しなければならない。
【0005】
二つの衛星からなる編隊飛行において、一つは「マスター」衛星又は基準衛星として、他方は「スレーブ」又は第二の衛星として見なすことができる。基準衛星はそのとき自分の運動に従って第二の衛星の運動を観察する。
【0006】
基準衛星は軌道追跡システムを含み、それに対して編隊の他の衛星が自身を位置合わせする衛星を構成する。
【0007】
一つ又は複数の第二の衛星は軌道追跡手段を含み、従って推進及び/又は方向決めの手段を有する。
【0008】
更に、開口合成干渉法を実施するために、幾つかの衛星の編隊飛行は基準衛星に対するそれらの位置の正確な認識を必要とする。横方向及び長手方向の位置決めの識別力は、それぞれ100mあたり±10μm及び100mあたり±100μmである。
【0009】
開口合成干渉法は各第二の衛星と基準衛星との間の距離の正確な均等化を要する。前記均等化は観察された起点の(フィルタリング有り、又は無しの)スペクトル幅により課されるコヒーレンス長に依存する。一般に、必要とされる均等化はナノスケールである。
【0010】
合成波長(二つの隣接する波長間のうなり)及びレーザー遠隔測定の使用のような現在知られている解決策は、非常に複雑な機上システムの対象であり、遠隔測定に期待される精度を提供しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は従ってそのような問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は従って少なくとも一つの基準衛星及び一つの第二の衛星を含む衛星の編隊飛行用の衛星計測学システムに関する。基準衛星は、
―第二の衛星を少なくとも部分的に照らす光線を放射する光源と、
―第二の衛星から生じる光を検出できる主要な光検出器の集合と、
―第二の衛星からの光を受ける一つ又は複数の検出器を検知するための測定回路と
を含む。
【0013】
更に、第二の衛星は基準衛星からの受光を受け取り、基準衛星の光検出器の集合に向かってそれを反射する、少なくとも一つの第一反射器を含む。
【0014】
光源は発散光線を放射することが有利である。
【0015】
そのとき出力集束レンズが備えられるであろう。そして光源はレンズの焦点距離の二倍に等しい距離に位置している。
【0016】
本発明による好適な実施形態によれば、前記反射器は逆反射器である。
【0017】
更に、本発明は主要な検出器の集合を検出器マトリックスとして備える。この検出器の集合は、第二の衛星が基準衛星に対して適切に位置しているときに、該検出器の集合の照射ポイントに対応する第一の公称検出器を含む。測定回路は第二の衛星により反射された光により照らされる検出器から前記公称検出器を隔てている距離を検出し、従って第二の衛星の公称位置に対する横方向の偏りを決定する。
【0018】
別の形の実施形態によれば、第二の衛星はその各々が光源から発生した光を基準衛星の主要な検出器の集合に向けて反射することを目的としている、少なくとも三つの反射器を含む。
【0019】
望ましくは、第二の衛星はその各々が光源から発生した光を基準衛星の主要な検出器の集合に向けて反射することを目的としている、第二、第三、第四、及び第五の反射器を備えるであろう。
【0020】
前記反射器は同じ平面に沿って位置することが有利である。第二〜第五の反射器はそのとき第一の反射器のまわりに分布することが望ましい。
【0021】
該光源はレーザー源であることが望ましい。
【0022】
このように五つの反射器を含む計測学システムにおいて、主要な検出器の集合は、第二の衛星が基準衛星に対して角度的に適切に方向付けられているときに、それらの各位置が第二〜第五の反射器の一つによって反射された光線による照射ポイントに対応する、第二、第三、第四、及び第五の公称検出器を備える。そのとき測定回路は第二の衛星の対応する反射器により反射される光によって照らされる検出器から各公称検出器を隔てている距離を検出する。前記測定回路は従って第二の衛星の公称位置からの角度偏差を決定する。
【0023】
実施形態の一つの形によれば、基準衛星は第二の衛星により反射された光を主要な検出器の集合に向けて偏向させるために、更に光源と出力レンズの間に置かれた第一の半反射装置を有する。
【0024】
一つの変形の実施形態によれば、基準衛星は光源と第一の半反射装置の間に配置された第二の半反射装置を備える。補助検出器の集合は従って第二の衛星により反射された光によって照らされることができる。測定回路は公称検出器と第二の衛星によって反射された光により照らされる検出器とを隔てている距離の検出を、主要な検出器の集合から補助検出器の集合へと切り替えることができる。
【0025】
有利なことに、本発明は反射器を安定した熱弾性構造の上へ取付けることを提供する。
【0026】
更に本発明は、測定回路から様々な距離の測定値を受け取り、そして基準衛星に対する第二の衛星のドリフト速度を計算する、ドリフト速度計算回路と共に時計を含むことができる基準衛星を提供する。
【0027】
同様に、基準衛星は該速度計算回路からのドリフト速度、又は該測定回路からの様々な距離測定値を受け取り、そしてそれに第二の衛星が従うドリフト加速度を計算する、加速度計算回路を含んでもよい。
【0028】
実施形態の一つの有利な形によれば、第二〜第五の反射器が第一の反射器のまわりに対称に配置される。第二の衛星の角度方向を決定するために、第六の反射器が例えば第二〜第五の反射器の一つと組み合わされて備えられる。
【0029】
代わりに、変形の実施形態によれば、第一の反射器に対して対称に配置されていない第二〜第五の反射器が提供され得る。
【0030】
本発明はまた、このように開示される計測学システムを適用した衛星の編隊飛行位置制御システムに関する。基準衛星はそのとき、
―第二の衛星の反射器によって反射された光により照らされる検出器の集合の領域から公称検出器を隔てている距離の計算と、
―第二の衛星の方向及び運動のための、一つ以上の制御指令の計算と、
―前記制御指令による第二の衛星の運動及び方向のための、アクチュエータ制御用の制御回路を含む、第二の衛星への前記制御指令の伝送
のための制御ユニットを備える。
【0031】
本発明はまた先に開示された計測学システムを適用している衛星間の距離を均等化するためのシステムに関する。前記均等化システムにおいて基準衛星は、
―干渉リングと、
―それが受ける光を干渉リングに向かって逆反射する二つの第二衛星に、光線が伝送されることを可能にする、該干渉リングの注入ポイントにおいて光線を注入するための光源と、
―第二の衛星によって反射された光線のそれぞれの位相を測定する干渉リングの出力に連結された検出器と、
―干渉リングの注入ポイントの各々の側に位置する該干渉リングの二つのアームに挿入された、二つの光学距離の均等化装置と
を備える。
【0032】
そのようなシステムの望ましい形の実施形態によれば、該均等化装置は各々、干渉リングのアームの行程内へと挿入する第一の反射装置と、第一の反射装置に対して可動で該第一の反射装置に向かって光が逆反射されることを可能にする第二の反射装置とを備える。
【0033】
本発明の様々な目的と特徴は以下に続く説明及び添付図においてより明確に現れるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1を参照して、衛星の編隊飛行システムに適用可能な計測学システムの基本的な実施形態の一例が説明されるであろう。
【0035】
例として、本発明は二つだけの衛星の場合を考慮して説明されるが、しかし本発明はより多くの衛星を含む編隊飛行システムに適用可能である。
【0036】
図1において、基準衛星(マスター衛星)SRは第二の衛星(スレーブ衛星)SSの面を照射できる光源SOを備える。
【0037】
光源SOから生じる照射光線は、該光源から実質的に距離2f’の距離に位置する焦点距離f’のレンズLEを経由して伝送される。レンズの焦点距離f’は照射光線の開口が、光線の断面EQが基準衛星へと向いている第二の衛星SSの面の照射を可能にするような方法で計算される。例として、照射光線の開口角は15°である。
【0038】
本発明によれば、第二の衛星の前記面が少なくとも一つの反射装置RR1を有する備えがなされている。反射器RR1によって受けられた照射光線からの光の全て又は一部は、基準衛星に向かって反射される。
【0039】
半反射装置RSがレンズLEと光源SOの間に備えられ、第二の衛星により反射された光が、検出マトリックスCCDのような検出器の集合に向けられることを可能にする。
【0040】
反射器RR1は第二の衛星上に明確なスペースを占め、このスペースは基準衛星に知られている。例えば、反射器は照射光線によって照らされる衛星SSの面の中央にある(図1参照)。
【0041】
反射器RR1により反射された光線は検出マトリックスCCD表面の、範囲を定められた領域PMを照らす。これらの条件の下で、もしその正規の位置において衛星SSが軸XX’に沿って位置決めされる必要があり、そしてこの位置で反射光線が検出器PNを照らす必要があった場合、基準衛星は照射される領域PMから検出器PNを隔てている距離を決定することにより、軸Xに関する衛星の位置を測定することができる。
【0042】
そのとき、完全な横方向の位置調整を見出すために第二の衛星に適用されるべき補正の運動は、次の式を適用することにより決定されるであろう。:
【数1】

ここで、
:X軸に沿った補正措置、
:Y軸に沿った補正措置、
centroid:照射される領域PMのX座標(測定値)、
centroid:照射される領域PMのY座標(測定値)、
φ:擬似線形関数(較正)
である。
【0043】
有利なことに、本発明は反射器RR1が、検出マトリックスCCDに向かって最大の光を反射するように、逆反射器であることを規定する。
【0044】
更に、光源は望ましくはレーザー源であろう。
【0045】
図1におけるシステムは従ってXX’軸に関する第二の衛星SSの位置を測定するために使用され得る。
【0046】
図2a〜2cを参照して、本システムはここで衛星の傾きがXX’軸及びこの軸まわりの角度方向に関して測定されることを可能にするという如く説明されるであろう。
【0047】
このために、基準衛星から来る照射光線によって照らされる第二の衛星の面は、望ましくは反射器RR1のまわりに配置される四つの追加の反射器RR2、RR3、RR4、RR5を含む。これらの反射器は例えば十字を形成し、望ましくは同じzy平面に沿って置かれる。
【0048】
図2aにおいて、衛星SSはXX’軸に対して偏位し、反射器RR1〜RR5の平面はXX’軸に対して傾いている。更に、第二の衛星全体は反射器の平面図(図2aの右下)において見られるようにXX’軸まわりに角度的に偏位している。
【0049】
反射器(又は逆反射器)RR1、RR2、RR3、RR4、RR5により反射(又は逆反射)される光は、検出マトリックスCCDへ再度伝送され、照射される領域p1、p2、p3、p4、及びp5がそれぞれ生じる。
【0050】
XX’軸に対する第二の衛星の横方向の偏位は、前記のように公称位置pn1に対する領域p1の距離を測定することによって測られる。
【0051】
次に完全な姿勢を見出すために第二の衛星に適用される三つの補正回転は、次のマトリックス式を適用することにより決定されるであろう。:
【数2】

ここで、
α:X軸に沿った補正回転、
β:Y軸に沿った補正回転、
γ:Z軸に沿った補正回転、
centroids:p2、p3、p4、p5のX座標(測定値)、
centroids:p2、p3、p4、p5のY座標(測定値)、
φ、φ、φ:擬似線形関数(較正)
である。
【0052】
p1はそのとき前述のように検出器pn1に合致することに留意されたい。
【0053】
この測定によって第二の衛星SSがXX’軸に位置合わせされると仮定すると、図2bに示す状況が得られるであろう。
【0054】
そのとき、照射される領域p2〜p5のそれぞれの位置を識別すること、及び第二の衛星が適切に方向付けられている場合に、それらが持つべき公称位置に対するそれらの距離を測定することが可能である。これらの公称位置np1〜np5を図2bに示す。図2cは第二の衛星の位置が補正されたときのシステムを示す。
【0055】
図2a〜2cのシステムにおいて、五つの反射器が備えられているが、本発明の範囲から逸脱することなく、そのようなシステムは適切に位置する三つだけの反射器で作動し得る。
【0056】
図3は反射器のうちの一つ(図3においては反射器RR3)と組み合わされた追加の反射器RR6が備えられている、変形の実施形態を示す。この反射器は領域p3と組み合わされて第二の衛星の容易な角度の方向付けを可能にする、照射される領域p6を与える。
【0057】
図4は半反射装置RSAを経由して第二の衛星の反射器によって反射された一部の光を受ける、補助検出マトリックスCCDAが備えられている変形の実施形態を示す。
【0058】
検出マトリックスCCDはこれらが比較的大きいとき、横方向及び角度の偏位を測定するために使用可能である。その後に、第二の衛星の位置と方向が部分的に補正されたとき、該システムはより小型でマトリックスのより速いスキャンと、従ってより速い作動を可能にする、補助検出マトリックスCCDAを用いて作動することができる。
【0059】
図5は図1〜4のシステムを用いて行なわれる測定結果の助けで、基準衛星が第二の衛星を制御出来るようにする制御システムを示す。
【0060】
基準衛星SRは測定回路CI(又は検出マトリックス走査回路)からの検出マトリックス情報を受ける、制御ユニットUCを有する。該制御ユニットUCは従って照射される領域(p1〜p5)の位置を識別し、それらのそれぞれの公称位置に対する偏位を計算することができる。該制御ユニットは、伝送回路TRONを経由して第二の衛星の受信回路RONに伝送される補正指令TCを計算する。
【0061】
第二の衛星において受信回路RONは、該第二の衛星の位置及び/又は方向を変えるためのアクチュエータを制御する、一つ以上の制御回路CMDに受けた指令を伝送する。
【0062】
本発明の測定システムは、従って第二の衛星に設置される逆反射器のネットワークにより供給され、基準衛星から生じる発散レーザー光線により照射される、様々な画像スポット(中心軌跡)間の距離の測定に基づく。
【0063】
中央の逆反射器(ネットワークの幾何学的中心)から生じる中心軌跡の位置は、横方向の認識を提供する。
【0064】
更に、周辺の中心軌跡間距離の測定値(p2〜p5)が、次の式を適用して第二の衛星から基準衛星への距離を計算するために使用できる。
【数3】

ここで、
―dは基準衛星(レンズLEの平面)と第二の衛星の間の距離、
―f’はレンズLEの焦点距離、
―2aは二つの反射器(例えば図2cにおけるRR3とRR5)を隔てている距離、
―Δはこれらの反射器に対応する二つの公称位置(例えばpn3とpn5)を隔てている測定距離
である。
【0065】
前述の開示において、第二の衛星の横方向の中心合わせのステップは、照射される領域PMを検出器PNの所に持ってくるように行なわれた(図1参照)。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、基本距離dは横方向の中心合わせ(PN内のPM)の第一ステップを経ることなく推定され得る。そのとき偏位は、より一般化された式によって解析的に容易に補正されることが可能である。
【0066】
更に、衛星内に搭載される本発明のシステムは、別の光源を位置合わせするための二つの追加の半反射薄板、及び別の検出器の集合も挿入することにより、冗長性の設備を提供する。従って、それ自体のこれら二つの能動部品のうち一つが故障した場合でも、計測機能は完全に保持されたままである。
【0067】
更に、基準衛星に備えられた時計Hは、時間的に間隔をあけて幾つかの測定を行なうことにより、制御ユニットUCが基準衛星に対する第二の衛星の運動速度を(またはその加速度さえも)計算することを可能にする。
【0068】
幾つかのシステムにおいて、様々な衛星の間の光学距離を非常に良い精度で均等化することが必要である。これは例えば距離均等化の精度が1ナノメートルのオーダーでなければならない干渉測定システムにおいて必須である。
【0069】
本発明によれば、基準衛星と第二の衛星間の距離を均等化するために、白色光において使用されるマイケルソン干渉計の、光学距離のペアを均等化する備えがなされる。
【0070】
図6は基準衛星SRが二つの半反射鏡SM1とSM2及び二つの鏡M1とM2で作られたマイケルソン干渉計を備える、そのようなシステムを示す。
【0071】
このシステムは二つの第二衛星SS1及びSS2と基準衛星SRの間の光学距離が均等化されることを可能にする。第二の衛星SS1に関する光路は細線の矢印で、そして第二の衛星SS2に関する光路は黒三角の矢印で示されている。
【0072】
半反射鏡SM1は光源Sから供給された白色光線が干渉リング内へと注入されることを可能にする。
【0073】
光学距離の均等化装置はこの半反射鏡SM1の各々の側に位置する二つの干渉計アーム内に備えられる。
【0074】
実施形態の一例として、前記均等化装置は各々、干渉計のアーム内のセットに入っている第一の反射装置PR1、PR2(例えばコーナーキューブ)を含む。該反射装置PR1及びPR2は、第二の反射装置PR’1及びPR’2に向けて光を反射し、それは光を再度干渉計に入れる該反射装置PR1、PR2に向かって光を反射する。一方で装置PR1とPR’1の間の距離、他方で装置PR2とPR’2の間の距離は、装置PR’1とPR’2の動きにより別々に調整可能である。このために、反射装置PR’1及びPR’2は、装置PR1及びPR2に対して該装置PR’1及びPR’2を動かすための圧電素子に取り付けられる。
【0075】
検出器DECは二つの第二衛星SS1及びSS2に伝送される光の位相整合を検出するために用いられる。圧電素子PZ1及びPZ2の作動はこの位相整合を制御し、従って基準衛星と第二の衛星の間の光学距離を制御するために用いられる。
【0076】
従って、距離の差は白色干渉縞(輝く縞)の中心合わせを可能にする、従来の遅延線(圧電制御された可動コーナーキューブ)により正確に決定されることが見られ、それゆえこの正確な均等化を達成するために、長手方向の補正運動が第二の衛星に課される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】衛星の編隊飛行のための衛星計測学システムの基本的実施形態の一例である。
【図2a】そのような計測学システムのより完全な一例である。
【図2b】そのような計測学システムのより完全な一例である。
【図2c】そのような計測学システムのより完全な一例である。
【図3】図2a〜2cにおけるシステムの変形実施形態である。
【図4】本発明によるシステムの別の変形実施形態である。
【図5】本発明による計測学システムを適用した制御システムである。
【図6】衛星間の光学距離を均等化するためのシステムの実施形態の一例である。
【符号の説明】
【0078】
SR 基準衛星、マスター衛星
SO 光源
SS 第二の衛星、スレーブ衛星
LE レンズ
f’ 焦点距離
EQ (光線の)断面
RR 反射装置、反射器、逆反射器
RS 半反射装置、第一の半反射装置
RSA 半反射装置、第二の半反射装置
CCD 検出マトリックス、光検出器、主要な検出器、検出器
PM 範囲を定められた領域、照射される領域
XX’ XX’軸
X X軸
zy zy平面
PN 検出器
pn 公称位置、検出器、公称検出器
p 照射される領域、周辺の中心軌跡間距離の測定値
CCDA 補助検出マトリックス、補助検出器
UC 制御ユニット、ドリフト速度計算回路
CI 測定回路、検出マトリックス走査回路
TC 補正指令、制御指令
TRON 伝送回路
RON 受信回路
CMD 制御回路
H 時計
SM 半反射鏡、干渉リング、注入ポイント
M 鏡、干渉リング
S 光源
PR 第一の反射装置
PR’ 第二の反射装置
DEC 検出器
PZ 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星編隊飛行用の衛星計測学システムであって、少なくとも一つの基準衛星(SR)と一つの第二の衛星(SS)を備え、該基準衛星(SR)が
―少なくとも部分的に該第二の衛星(SS)を照らすための、レンズ(LE)を経由して伝送される光線を放射する光源(SO)と、
―第二の衛星から生じる光を検出できる主要な光検出器(CCD)の集合と、
―第二の衛星から生じる光を受ける一つ又は複数の検出器を検出するための測定回路(CI)とを備え、
そしてまた第二の衛星(SS)が基準衛星からの受光を受け取って、それを基準衛星の光検出器(CCD)の集合に向かって反射する、少なくとも一つの第一反射器(RR1)を含み、
そしてレンズ(LE)が出力集束レンズであり、基準衛星が光源と、第二の衛星によって反射された光を主要な検出器(CCD)の集合に向けて偏向させるための出力レンズとの間に置かれる、第一の半反射装置(RS)を所有する
ことを特徴とする計測学システム。
【請求項2】
光源(SO)が発散光線を放射することを特徴とする請求項1に記載の計測学システム。
【請求項3】
光源(SO)がレンズ(LE)の焦点距離(f’)の二倍に等しい距離に位置することを特徴とする請求項2に記載の計測学システム。
【請求項4】
前記反射器(RR1)が逆反射器であることを特徴とする請求項3に記載の計測学システム。
【請求項5】
主要な光検出器(CCD)の集合が検出器マトリックスであり、第二の衛星が基準衛星に対して横方向に適切に位置するとき、それが検出器の集合の照射ポイントに対応する第一の公称検出器(PN、p1)を含み、そして測定回路が、第二の衛星によって反射された光により照らされる検出器から前記公称検出器を隔てている距離を検出し、従って第二の衛星の公称位置に対するその横方向の偏位を決定することを特徴とする請求項4に記載の計測学システム。
【請求項6】
第二の衛星が少なくとも三つの反射器(RR1〜RR5)を含み、それらの各々が光源(SO)から生じる光を基準衛星の主要な検出器(CCD)の集合に向かって反射するように意図されていることを特徴とする、請求項5に記載の計測学システム。
【請求項7】
第二の衛星が第二、第三、第四、及び第五の反射器(RR2、RR3、RR4、RR5)を備え、それらの各々が光源(SO)から生じる光を基準衛星の主要な検出器の集合に向かって反射するように意図されていることを特徴とする、請求項6に記載の計測学システム。
【請求項8】
前記反射器が同じ平面に沿って位置し、第二〜第五の反射器(RR2〜RR5)が第一の反射器(RR1)のまわりに分布していることを特徴とする請求項7に記載の計測学システム。
【請求項9】
光源がレーザー源であることを特徴とする請求項1に記載の計測学システム。
【請求項10】
―主要な検出器(CCD)の集合が第二、第三、第四、及び第五の公称検出器(pn2、pn3、pn4、pn5)を備え、第二の衛星が基準衛星に対して角度的に適切に方向付けられているとき、それらの各位置が第二〜第五の反射器(RR2〜RR5)の一つによって反射された光線による照射ポイントに対応し、
そして測定回路(CI)が、第二の衛星の対応する反射器によって反射される光により照らされる検出器から各々の公称検出器(pn2、pn3、pn4、pn5)を隔てている距離を検出し、前記回路が従って第二の衛星の公称位置に対するその角度偏差を決定することを特徴とする請求項7に記載の計測学システム。
【請求項11】
光源と第一の半反射装置との間に配置された第二の半反射装置(RSA)を備え、補助検出器(CCDA)の集合が第二の衛星によって反射された光により照らされることができ、公称検出器と第二の衛星によって反射された光により照らされる検出器とを隔てている距離の検出を、測定回路(CI)が主要な検出器(CCD)の集合から補助検出器(CCDA)の集合へと切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の計測学システム。
【請求項12】
反射器(RR1〜RR5)が安定した熱弾性構造の上へ取付けられることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の計測学システム。
【請求項13】
測定回路(CI)から様々な距離の測定値を受け取り基準衛星に対する第二の衛星のドリフト速度を計算する、ドリフト速度計算回路(UC)と共に時計(H)を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の計測学システム。
【請求項14】
速度計算回路からのドリフト速度、又は測定回路からの様々な距離の測定値を受け取り、そしてそれに第二の衛星が従うドリフト加速度を計算する加速度計算回路を含むことを特徴とする請求項13に記載の計測学システム。
【請求項15】
第二〜第五の反射器(RR2〜RR5)が第一の反射器(RR1)のまわりに対称に配置され、第二の衛星の角度方向を決定するために、第二〜第五の反射器の一つと組み合わされた第六の反射器(RR6)を含むことを特徴とする請求項14に記載の計測学システム。
【請求項16】
第二〜第五の反射器(RR2〜RR5)が第一の反射器(RR1)に対して対称に配置されていないことを特徴とする請求項14に記載の計測学システム。
【請求項17】
基準衛星(SR)が、
―第二の衛星の反射器によって反射された光により照らされる検出器(CCD)の集合の領域から公称検出器を隔てている距離の計算を可能にし、
―第二の衛星の方向及び運動のための一つ以上の制御指令(TC)を計算し、
―前記制御指令(TC)による、第二の衛星の運動及び方向用のアクチュエータを制御するための制御回路(CMD)を含む第二の衛星へ前記制御指令を伝送する
制御ユニットを備えることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の計測学システムを適用した衛星編隊飛行位置制御システム。
【請求項18】
基準衛星(SR)が、
―干渉リング(SM1、M1、SM2、M2)と、
―受けた光を干渉リングに向かって逆反射する、二つの第二の衛星(SS1及びSS2)に光線を伝送することを可能にする、干渉リングの注入ポイント(SM1)において光線を注入するための光源(S)と、
―第二の衛星によって反射された光線のそれぞれの位相を測定する、干渉リングの出力に結合された検出器と、
―干渉リングの注入ポイント(SM1)の各々の側に位置する、干渉リングの二つのアーム内に挿入された二つの光学距離均等化装置と
を備えることを特徴とする、請求項16あるいは18のいずれかに記載の計測学システムを適用した衛星間距離を均等化するためのシステム。
【請求項19】
該均等化装置が各々、干渉リングのアームの行程内へと挿入する第一の反射装置(PR1、PR2)と、第一の反射装置に対して可動で該第一の反射装置に向かって光が逆反射されることを可能にする第二の反射装置(PR’1、PR’2)とを備えることを特徴とする請求項18に記載の均等化システム。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−39765(P2008−39765A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−167771(P2007−167771)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】