説明

樹脂成形体及びその成形方法

【課題】第1の樹脂成形体の表面の一部に第2の樹脂成形体が一体に形成されている樹脂成形体において、この第2の樹脂成形体の際(きわ)が鮮明となっている樹脂成形体と、その成形方法を提供する。
【解決手段】樹脂成形体20は、車両の樹脂製窓ガラスであり、先に射出成形された板状の第1の成形体21と、該第1の成形体21の周縁部を周回するように後から射出成形された枠状の第2の成形体22とを備えている。第1の成形体21の一方の板面にのみ第2の成形体22が設けられている。第2の成形体22の板央側は、辺縁側ほど厚みが小さくなっている。第2の成形体22の板央側の辺縁部はRを有した、凸に湾曲した断面形状となっており、樹脂が十分に充填されるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形体及びその成形方法に係り、特に自動車等の車両のルーフや窓の透明パネル状部材として用いるのに好適な樹脂成形体と、その成形方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の樹脂製窓プレートとして、透明な樹脂パネルの周縁に不透明な樹脂で縁取りを形成した二色成形品よりなるものが特開2003−320548及び特開2005−103907に記載されている。
【0003】
第21図(a),(b)は特開2005−103907の図1に記載された二色成形品31を示す断面図および正面図である。
【0004】
この二色成形品31は、矩形平板状に形成された透明部32と、この透明部32の表裏面のうち一方の面の外周端部に一体成形された枠部33とを備えた自動車用の窓である。透明部32の外周部分において、透明部32および枠部33は、互いに厚さ方向に積層されており、透明部2の中央部分は、枠部33が積層されない単層構造となっている。この二色成形品31は、枠部33を不透明な材料で成形した後、透明部32を透明な材料で成形する、二色射出成形によって製造されている。
【特許文献1】特開2003−320548
【特許文献2】特開2005−103907
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように枠部33を先に成形し、後から透明部32を成形すると、枠部33の樹脂が透明部32へ滲み出し、透明部32の美観が損なわれることがある。
これとは逆に、透明部32を先に成形し、枠部33を後から成形することも考えられるが、この場合、枠部33の樹脂が硬化する際の収縮応力が透明部32に作用し、透明部32に微小な歪みが発生し、美観が損なわれることがある。
本発明は、上記第20図の二色成形品など、第1の樹脂成形体の表面の一部に第2の樹脂成形体が一体に形成されている樹脂成形体において、美観に優れ、特に第2の樹脂成形体の際(きわ)が鮮明となっている樹脂成形体と、その成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の樹脂成形体は、第1の成形体の表面の一部に第2の成形体が射出成形により一体に形成された樹脂成形体において、該第2の成形体の少なくとも一部の辺縁部は、端縁ほど厚みが小さくなっており、該端縁は、該辺縁部の延在方向と垂直な断面において凸に湾曲した断面形状となっていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の樹脂成形体は、請求項1において、前記第1の成形体は、厚さ2〜10mmの板状体であり、前記第2の成形体は該板状体の板面に設けられており、該第1の成形体は該板面と垂直方向において透明であり、前記第2の成形体は、該板面と垂直方向において不透明であることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の樹脂成形体は、請求項2において、該第2の成形体は、第1の成形体の周縁に沿って延在する帯状に設けられており、帯状の該第2の成形体の樹脂成形体板央側は、板央側ほど厚みが小さくなっていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の樹脂成形体は、請求項3において、帯状の該第2の成形体の樹脂成形体外縁側の辺縁部は、前記第1の成形体の周縁よりも該板央側に位置していることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の樹脂成形体の成型方法は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形体を射出成形する方法であって、固定型及び該固定型に型締めされる第1の可動型を用いて前記第1の成形体を射出成形する第1成形工程と、該第1の可動型を、第2の成形体成形用キャビティを有した第2の可動型に交換し、該第1の成形体と一体となった前記第2の成形体を射出成形する第2成形工程とを有していることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の樹脂成形体の成形方法は、請求項5において、請求項4の樹脂成形体を成形する方法であって、前記第2の成形体を成形するに際し、第2の可動型を第1の成形体の周縁部に当接させておくことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4の樹脂成形体は、請求項5の方法によって成形することができる。この方法によると、第1の成形体を先に成形し、この上に第2の成形体を成形するための、第1の成形体を構成する樹脂に第2の成形体成形用の樹脂が滲むことがない。
本発明では、第2の成形体の少なくとも一部の辺縁を端縁ほど厚みが小さくなる形状としている。第2の成形体をかかる形状とすることにより、第2の成形体が硬化するときに第1の成形体に作用する収縮応力が緩和され、第1の成形体に歪みが生じることが防止ないし抑制される。
【0013】
また、この第2の成形体の辺縁の端縁の断面形状を凸に湾曲した形状としたことにより、第2の成形体の成形時にこの端縁側の先端部にまで樹脂が十分に充填されたものとなる。これにより、第2の成形体の際(きわ)すなわち辺縁部が綺麗に仕上った樹脂成形体となる。
【0014】
なお、請求項6の成形方法によると、第2の成形工程において、第1の成形体の周縁部を第2の可動型で押えておくので、第1の成形体に反りが発生することが防止される。また、樹脂の裏回りも防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図(a),(b)はそれぞれ実施の形態に係る樹脂成形体の全体断面図、第1図(c),(d)は第1図(b)の樹脂成形体の一部の拡大図である。第2図〜第8図はこの樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。なお、第4図は第3図の一部の拡大図、第8図は第7図の一部の拡大図である。
【0016】
この樹脂成形体20は、車両の樹脂製窓ガラスであり、板状の第1の成形体21と、該第1の成形体21の周縁部を周回するように設けられた枠状の第2の成形体22とを備えている。なお、後述の通り、この樹脂成形体20は、第1の成形体21を先に成形し、その後、この第1の成形体21の一方の板面上に第2の成形体22を成形したものである。
【0017】
第1の成形体21は、厚みtが2〜10mm程度の透明のものであり、第2の成形体は、厚みtが0.5〜5mm程度の不透明のものである。
【0018】
第2の成形体22は、台形断面形状であり、成形体板央側すなわち第1の成形体21の板面の中央側に面する側面22aは斜面となっている。このため、第2の成形体22は、板央側ほど厚みが小さくなっている。
【0019】
第2の成形体22は、第1の成形体21の外縁部から距離Lだけ離隔している。このLは、好ましくは0.1〜10mm特に0.5〜7mmとりわけ2〜5mmである。
【0020】
図示の通り、第1の成形体21の一方の板面にのみ第2の成形体22が設けられている。第1図(b)の通り、第1の成形体21の該一板の板面には、第2の成形体22の板央側の辺縁部に沿って延在する凹条21aが設けられてもよいが、第1図(a)の通りこの凹条21aは省略されてもよい。第1図(b)〜(d)の実施の形態では、凹条21aは2つの平面状の溝面よりなる略V字形断面形状であるが、後述の通り、断面形状はこれに限定されない。なお、このV字の開き角度は1〜170°特に10〜160°程度が好適である。なお、この略V字形断面形状は、そのV字先端部に、V字全体形状の角度よりも鋭角なV字部を有していてもよい。
【0021】
第2の成形体22の板央側の辺縁部と凹条21aの角縁とは合致していることが好ましい。また、凹条21aの溝面(樹脂成形体20の外周側の溝面)と第2の成形体の側面22aとは同一平面状に連続していることが好ましい。
【0022】
凹条21aの幅wは、好ましくは0.01〜10mm特に1〜5mmであり、深さdは好ましくは0.01〜1mm特に0.02〜0.8mmとりわけ0.05〜0.5mmである。深さdは周方向において均一であってもよく、不均一であってもよいが、均一であることが好ましい。凹条21aが大きくなり過ぎると、成形体21が折れ易くなることがあり、逆に小さすぎても二色成形体における第1の成形体と第2の成形体との樹脂境界の明瞭さが低下する。
【0023】
このように構成された樹脂成形体20では、第1の成形体21を先に成形しているので、第2の成形体22を先に成形する場合に生じる第2の成形体成形用樹脂(不透明樹脂)が第1の成形体21(透明板)の板央側に滲む現象が生じない。このため、枠状の第2の成形体22よりも板央側の美観が良好なものとなる。
また、この実施の形態では、第2の成形体22を後から成形しているが、第2の成形体22の板央側の側面22aを斜面としているため、第1の成形体21に作用する第2の成形体22の収縮応力が緩和され、第1の成形体21に微小な歪みが生じることが防止される。
樹脂成形体を自動車用窓ガラスとして用いる場合、第1図(c)の通り、第2の成形体22の全幅Lと斜面よりなる側面22aの幅Lと、第2の成形体22の厚さtとは次の関係にあることが望ましい。
/t≧1.75
1>L/L≧0.25
【0024】
この理由は次の通りである。すなわち、第2の成形体22の厚さtに対して斜面よりなる側面22aの幅Lが小さすぎると、厚さ方向の収縮の影響が大きくなりすぎてしまい、パネル状成形体の外観見栄えが低下する。また、第2の成形体22の全幅Lに対して斜面の幅Lが小さすぎると、収縮の影響を吸収する領域が少ないために、収縮により外観見栄えが低下する。L,L,tを上記範囲とすることにより、樹脂成形体20の外観上の見栄えが良好となる。
【0025】
この実施の形態では、第1図(c)及び(d)のように、板央側の辺縁部の断面形状が曲率半径Rにて凸に湾曲したものとなっている。第2の成形体22の該板央側の辺縁は、図示の通り、凹条21aの縁部に接していることが望ましい。
【0026】
この湾曲の曲率半径Rは0.1〜10mm特に0.5〜10mmとりわけ1〜5mm程度が好適である。このように辺縁部をR付けすることにより、第2の成形体22Fを成形する際に該辺縁部に樹脂を十分に充填することができる。すなわち、後述の第6図(b)のキャビティ13において、凸条21a側の辺縁の最奥部がRを有した膨出湾曲断面形状となっているため、このキャビティ最奥部に樹脂を十分に充填することができる。
【0027】
なお、曲率半径Rの中心は、第1の成形体21Fの内部に位置することが好ましい。
【0028】
この曲率半径Rの中心は、第1の成形体21の表面(第2の成形体22Fを設けた板面)から2・t以内に位置するのが好ましい。tは第2の成形体の厚み(第1図参照)である。
【0029】
第1図(c),(d)の通り、凹条21aの延在方向と垂直な断面において、第2の成形体22の板央側の末端における接線は、凹条21aの斜面に合致することが好ましい。
【0030】
次に、第2図〜第8図を参照してこの凹条21aを有する樹脂成形体の成形方法について詳細に説明する。
【0031】
まず、第2〜4図に示すように、金型1の固定型2と第1の可動型11との間に形成されるキャビティ3に、透明樹脂材料を射出し、第1の成形体21を成形する。なお、この第1の可動型11のキャビティ面11aには、凹条21aを形成するための凸条(図示略)が突設されてもよい。この場合、凸条(図示略)の断面形状は凹条21aに合致している。
【0032】
第1の成形体21の成形後、第5図の如く第1の可動型11を型開きする。次いで第6図の如く第2の可動型12を型合わせし、第7,8図の通り、第2の可動型12によって形成されるキャビティ13に樹脂を射出し、第2の成形体22を形成する。このキャビティ13は第2の成形体22に合致した形状のものである。
【0033】
この第2の可動型12には、第8図の通り、第1の成形体21の凹条21aを形成するための凸条12aが設けられている。凸条12aが第1の成形体21に押し付けられることにより、凹条21aが形成される。第2の可動型12は、第1の成形体21に対向する前面12b(第8図)を備えている。キャビティ13はこの前面12bから凹陥している。凸条12aはこの前面12bから突設されている。
【0034】
キャビティ13と、第2の可動型12の該前面12bの外縁部との間の辺縁部12cも第1の成形体21に当接している。
【0035】
第2の可動型12の前面12bの板央部及びその周囲の主要部は、凹陥した凹所12dとなっており、第2の可動型を型締めした際にこの凹所12dの部分は第1の成形体21に当接しないようになっている。この凹所12dは、凸条12aの近傍にまで達するように設けられている。凹所12dとキャビティ13との間の距離(幅)は1〜100mm特に1〜10mm程度が好適である。なお、凹所12dは設けなくてもよい。
【0036】
この金型1を用いた樹脂成形体20の成形方法によると、前述の通り、キャビティ13の凸条21a側の延縁が、前記Rに倣った膨出湾曲断面形状となっているため、このキャビティ13の凸条21a側の最奥部まで樹脂が十分に充填される。この結果、第2の成形体22の板央側の際(きわ)すなわち辺縁が鮮明かつ美麗に仕上ったものとなる。
なお、この実施の形態では、第2の可動型12には、第8図の通り、第1の成形体21に凹条21aを形成するための凸条12aが設けられている。このため、キャビティ13内に射出された樹脂は、この凸条12aによって堰止められ、第1の成形体21の板央側へバリ状にはみ出すことがない。この結果、第2の成形体22の板央側の際(きわ)すなわち辺縁が極めて鮮明かつ美麗に仕上ったものとなる。
【0037】
特に、この実施の形態では、凸条12aは、第8図の通り、凹条21aの内面のうち第1の成形体21の周縁部側の内面に密着するように構成されている。このため、第2の成形体22の板央側の辺縁が極めて鮮明かつ美麗に仕上ったものとなる。
【0038】
また、この実施の形態では、第2の可動型12は、その辺縁部12cも含めて第1の成形体21に当接しているため、成形途中において、第1の成形体21が反り変形することが防止される。この辺縁部12cのみをもってして、発明を構成しうる。また、第2の成形体22を成形するための樹脂がキャビティ13から樹脂成形体10の外縁側へ広がること(いわゆる裏回り)も防止される。
なお、辺縁部12cにも、凹条21aの様な凹条を設けてもよい。この凹条21eの例を第9図(b)に示す。
【0039】
さらに、この実施の形態では、第2の可動型12に凹所12dが設けられているので、第1の成形体21の板央部及びその周囲の主要部は第2の可動型12に当接しない。そのため、第2の可動型12との接触による第1の成形体21の傷付きも防止される。
【0040】
第9図〜第12図を参照して別の実施の形態について説明する。
【0041】
上記実施の形態では、凹条21aはV字形断面形状とされているが、第9図(a),(b)の樹脂成形体20A,20Bのように円弧形断面形状の凹条21bや、溝面が膨出した凸曲面状の凹条21cなど各種の断面形状の凹条を設けることができる。
【0042】
上記実施の形態では、第2の成形体22の斜面22aは平面状であったが、第10図(a),(b)の樹脂成形体20D,20Eの第2成形体22D,22Eのように、凹に湾曲した斜面22dであってもよく、階段状の斜面22eであってもよい。図示はしないが、凸に湾曲した斜面であってもよい。
【0043】
本発明では、第11図(a),(b),(c)の樹脂成形体20G,20H,20Iのように第1の成形体21G,21H,21Iの外縁側が第2の成形体22側に回り込んでいてもよい。第11図(a),(c)では、この第1の成形体21G,21Iが第2の成形体22の側面を覆っている。第11図(b)では、第1の成形体21Hと第2の成形体22の側面との間に若干の隙間があいている。第11図(b),(c)では、第1の成形体21H,21Iの回り込んだ部分が、先端側ほど肉薄となっている。
【0044】
本発明は、第12図のように三色成形された樹脂成形体20Jについても適用できる。この樹脂成形体20Jは、板状の第1の成形体211と、この第1の成形体211の外周側に形成された第3の成形体213と、これら第1及び第3の成形体211,213の一方の板面上に形成された第2の成形体22とを備えている。第1の成形体211に凹条21aが設けられている。第2の成形体22の形状は第1図〜第8図の実施の形態と同じであるが、これに限定されない。凹条21aは、この第2の成形体22の板央側の辺縁に沿って延在している。
【0045】
この樹脂成形体21Jの成形手順は次の通りである。まず、固定型と第1の可動型によって第1の成形体211を射出成形し、次いで第1の可動型を第3の可動型に交換し、第3の成形体213を成形する。次いで、第3の可動型を前記第2の可動型に交換し、第2の成形体22を成形する。その後、脱型することにより、この樹脂成形体20Jが得られる。第3の成形体213を第1の成形体211よりも先に成形してもよい。第3の成形体213を構成する樹脂は透明であってもよく、不透明であってもよい。
【0046】
本発明は、三色成形に限らず、四色以上の多色成形にも適用可能である。
上記実施の形態では、第1の成形体に第2の成形体の板央が枠部の辺縁に沿って凹条が設けられているが、凸条が設けられてもよい。
以下、第1の成形体にかかる凸条を設けた樹脂成形体20Nについて第13図〜第20図を参照して説明する。第13図(a)は樹脂成形体20Nの全体断面図、第13図(b)及び(c)はこの樹脂成形体20Nの一部の拡大図である。第14図(a)、第15図〜第20図はこの樹脂成形体20Nの成形方法を示す断面図である。なお、第14図(b)は対向型及び第1の可動型の斜視図、第16図は第15図の一部の拡大図、第20図は第19図の一部の拡大図である。
【0047】
この樹脂成形体20Nも、車両の樹脂製窓ガラスであり、第1図〜第8図の実施の形態と同様に、板状の第1の成形体21Nと、該第1の成形体21Nの周縁部を周回するように設けられた枠状の第2の成形体22Nとを備えている。
第1の成形体21Nの一板の板面には、第2の成形体22Nの板央側の辺縁部に沿って延在する凸条21nが設けられている。この実施の形態では、凸条21nは2つの平面状の斜面よりなる略V字形断面形状であるが、断面形状はこれに限定されない。なお、このV字の開き角度は1〜170°特に10〜160°程度が好適である。なお、この略V字形断面形状は、そのV字先端部に、V字全体形状の角度よりも鋭角なV字部を有していてもよい。
【0048】
第2の成形体22Nの板央側の辺縁部は凸条21nの該第2の成形体22N側の斜面に接している。
【0049】
凸条21nの幅wは、好ましくは0.01〜10mm特に0.05〜1mmであり、高さhは好ましくは0.01〜1mm特に0.02〜0.8mmとりわけ0.05〜0.5mmである。幅W及び高さhは周方向において均一であってもよく、不均一であってもよいが、均一であることが好ましい。
【0050】
第13図(b)及びその一部の拡大図である第13図(c)の通り、第2の成形体22Nの板央側の辺縁部の断面形状を曲率半径Rにて凸に湾曲したものとしている。曲率半径Rの中心は、第1の成形体21Nの内部に位置することが好ましい。この曲率半径Rの中心は、第1の成形体21Nの表面(第2の成形体22Nを設けた板面)から2・t以内に位置するのが好ましい。
この樹脂成形体20Nのその他の構成は第1図〜第8図の樹脂成形体と同様である。なお、L/t≧1.75、1>L/L≧0.25であることが好ましい。
【0051】
次に、第14図〜第20図を参照してこの樹脂成形体の成形方法について説明する。
【0052】
まず、第14〜16図に示すように、金型1Nの固定型2と対向型4及び第1の可動型11Nとの間に形成されるキャビティ3に、透明樹脂材料を射出し、第1の成形体21Nを成形する。この第1の可動型11Nは、固定型2のキャビティ面の周縁部に対峙する方形枠形である。対向型4は、この第1の可動型11Nに内嵌する形状及び大きさのものである。第1の可動型11Nと対向型4とは、第14図(a)の上下方向に摺動自在に接している。
【0053】
第14図の通り、対向型4と第1の可動型11Nとは、それらのキャビティ面が面一となるようにして固定型2に対し型締めされる。この型締め状態において、対向型4のキャビティ面の外周縁と第1の可動型11Nのキャビティ面の内周縁との間には、微かながらこれらキャビティ面よりも凹陥する溝状部5が形成される。キャビティ3内に射出された前記透明樹脂材料がこの溝状部5に入り込むことにより、第16図の通り、第1の成形体21Nに凸条21nが形成される。
【0054】
第1の成形体21Nの成形後、第17図の如く第1の可動型11Nを型開きする。対向型4は、型開きせず、第1の成形体21Nに接したままとする。第17図の通り、第1の成形体21Nには凸条21nが形成されている。
次いで第18図の如く第2の可動型12Nを型締めし、第19,20図の通り、第2の可動型12Nによって形成されるキャビティ13Nに樹脂を射出し、第2の成形体22Nを形成する。このキャビティ13Nは第2の成形体22Nに合致した形状のものである。その後、対向型4及び第2の可動型12Nを型開きして脱型することにより、樹脂成形体20Nが得られる。
【0055】
第2の可動型12Nは、第1の可動型11Nと同じく方形枠状のものであり、対向型4に対し第18〜20図の上下方向に摺動自在に嵌合している。この第2の可動型12Nの前面すなわち第1の成形体21Nに対峙する面から該キャビティ13Nが凹陥している。
キャビティ13Nは、この方形枠状の第2の可動型12Nの内周縁部に臨んでいる。キャビティ13Nは、第2の可動型12Nの外周縁部からは前記距離L(第13図(b)参照)だけ離隔している。第2の可動型12Nを型締めした状態では、キャビティ13Nと第2の可動型12Nの外縁部との間の辺縁部12cが第1の成形体21Nに当接している。
【0056】
第2の可動型12Nを型締めした状態では、キャビティ13N内は第1の成形体21Nの凸条21nの付け根側(凸条21nの隆起方向の基端側)に臨んでいる。第2の可動型12Nの内周縁の先端は凸条21nの隆起方向の先端側に接している。成形された第2の成形体22Nの板央側の辺縁は、この凸条21nの斜面の付け根側に接している。
【0057】
この金型1Nを用いた樹脂成形体20Nの成形方法によっても、第2の成形体22Nの板央側の辺縁部をR付けしたことにより、第2の成形体22Nを成形する際に該辺縁部に樹脂を十分に充填することができる。また、キャビティ13N内に射出された樹脂は、凸条21nによって堰止められ、第1の成形体21Nの板央側へバリ状にはみ出すことがない。この結果、第2の成形体22Nの板央側の際(きわ)すなわち辺縁が鮮明かつ美麗に仕上ったものとなる。
【0058】
特に、この実施の形態では、第20図の通り、第2の可動型の内周縁の先端は凸条21nの隆起方向の先端側に接している。このため、キャビティ13N内に射出された樹脂が第1の成形体21Nの板央側へはみ出すことが十分に防止され、第2の成形体22Nの板央側の辺縁が極めて鮮明かつ美麗に仕上ったものとなる。
【0059】
また、この実施の形態でも、第2の可動型12Nの前面の辺縁部12cが第1の成形体21Nに当接しているため、成形途中において、第1の成形体21Nが反り変形することが防止される。また、第2の成形体22Nを成形するための樹脂がキャビティ13Nから樹脂成形体10の外縁側へ広がること(いわゆる裏回り)も防止される。
【0060】
上記第8〜20図の実施の形態では、凸条21nはV字形断面形状とされているが、円弧形断面形状b、第2の成形体22N側の面が膨出した凸曲面状c、板央側の斜面が第2の成形体22Nの斜面22aと連続面となっている凸条など各種の断面形状の凹条を設けることができる。
【0061】
上記実施の形態では、第2の成形体22Nの斜面22aは平面状であったが、前記第10図(a),(b)の樹脂成形体20D,20Eの第2成形体22D,22Eのように、凹に湾曲した斜面22dであってもよく、階段状の斜面22eであってもよい。図示はしないが、凸に湾曲した斜面であってもよい。
【0062】
この第13〜20図の実施の形態でも、前記第11図(a),(b),(c)の樹脂成形体20G,20H,20Iのように第1の成形体21Nの外縁側が第2の成形体22N側に回り込んでいてもよい。
【0063】
この第13〜20図の実施の形態も、前記第12図のように三色成形された樹脂成形体や四色以上の多色成形にも適用可能である。
【0064】
次に、本発明の樹脂成形体を自動車用窓ガラス等に適用する場合に好適な材料について説明する。
【0065】
第1の成形体の構成材料は、透明樹脂であれば、従来公知の任意のものから適宜選択することが出来る。ここで、透明とは、JIS K7105に準拠して測定された表面の平滑な厚み3mmの板状成形品における全光線透過率として、通常10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であることを意味する。染料または顔料を含有する透明な樹脂においては、斯かる染料または顔料の使用割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、通常0.001〜2重量部、好ましくは0.005〜120重量部、更に好ましくは0.005〜0.5重量部である。
【0066】
上記の様な透明樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙られる。これらの中では、耐衝撃性や耐熱性の面から、ポリカーボネート樹脂(PC)、中でも、芳香族ポリカーボネート樹脂を主構成樹脂とするものが好ましい。なお、主構成樹脂とするとは、芳香族ポリカーボネート樹脂の割合が通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上であることを意味する。
【0067】
PCを主構成樹脂とする場合に併用する樹脂は、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、その形態は、透明性を維持する形態であればアロイでも共重合体でもよい。
【0068】
第1の成形体の構成材料には、前述の染料または顔料以外に、従来公知の任意の助剤を添加することが出来、その例としては、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候性改良剤、アルカリ石鹸、金属石鹸、可塑剤、流動性改良剤、造核剤、難燃剤、ドリッピング防止剤などが挙げられる。これらの助剤の使用量は公知の範囲から適宜選択される。
【0069】
第2の成形体の構成材料としては、特に制限されず、各種公知の任意の熱可塑性樹脂が使用できる。具体的には、例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂などが挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。これらの中では、熱安定性、剛性、意匠部(1)との密着性の点から、PCや熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましく、中でも、PCを主材としたもの、特に熱可塑性ポリエステル樹脂との併用が好ましい。
【0070】
第2の成形体の構成材料として、PCと熱可塑性ポリエステル樹脂とから成るポリマーアロイを使用する場合、両成分の合計量に対するPCの割合は通常10〜90重量%である。
【0071】
第2の成形体で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂の好適な具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(PPT)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT),ポリへキシレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン−ナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンナフタレート樹脂(PBN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)樹脂(PCT)、ポリシクロヘキシルシクロヘキシレート(PCC)等が挙げられる。これらの中では、流動性と耐衝撃性の点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(PPT)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)が好ましい。
【0072】
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された熱可塑性ポリエステル樹脂、所謂マテリアルリサイクルされた熱可塑性ポリエステル樹脂の使用も可能である。
【0073】
また、第2の成形体の構成材料には、剛性、寸法安定性、耐熱性を向上させる目的で無機フィラーを配合することが好ましい。斯かる無機フィラーとしては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄、アルミナ、チタン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸アルミニウム(マイカ)、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)、クレー、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラス繊維、けい砂、けい石、石英粉、しらす、けいそう土、ホワイトカーボン、鉄粉、アルミニウム粉などが挙げられる。これらの中では、珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸アルミニウム(マイカ)、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)が好ましい。無機フィラーは2種類以上を併用することも出来る。
【0074】
無機フィラーの使用量は、第2の成形体の樹脂材料100重量部に対し、通常2〜50重量部、好ましくは5〜40重量部である。
【0075】
第2の成形体の構成材料には、帯電防止性や静電塗装が可能な導電性を付与する目的で導電性カーボンブラック及び/又は中空ナノカーボン繊維を配合することが出来る。導電性カーボンブラックとしては、アセチレンガスを熱分解して得られるアセチレンブラック、原油を原料としファーネス式不完全燃焼によって製造されるケッテェンブラック等が挙げられる。中空ナノカーボン繊維は、規則的に配列した炭素原子の本質的に連続的な多数層から成る外側領域と、内部中空領域とを有し、各層と中空領域とが実質的に同心に配置されている本質的に円柱状のフィブリルである。更に、上記の外側領域の規則的に配列した炭素原子が黒鉛状である。上記の中空領域の直径は通常2〜20nmである。この様な中空ナノカーボン繊維は、ハイペリオン・カタルシス社により、「グラファイト・フィブリル」と言う商品名で販売しており、容易に入手できる。
【0076】
第1の成形体は非強化合成樹脂で構成されるのに対し、第2の成形体は強化合成樹脂で構成されるのが好ましい。すなわち、第2の成形体の樹脂材料には強化用繊維を配合するのが好ましい。強化用繊維としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、生分解繊維、タルク、マイカ、ウォラストナイトの群から選ばれる1種以上のものを使用できる。繊維の重量平均繊維長は、強度および分散性観点から、通常1.5〜10mm、好ましくは1.8〜5mmである。
【0077】
また、図示しないが、本発明においては、第1の成形体21の傷つきや劣化を主に防止するため、保護膜としての硬質被膜が設けられてもよい。斯かる硬質被膜は第2の成形体と反対側の面に配置される。
【0078】
上記の硬質被膜は、単層でもよいが、保護機能を高めるため、少なくとも2層以上の多層構造を備えているのが好ましく、当該多層構造においては、最外層の硬度を最大に設定するのが好ましい。多層構造を有する硬質被膜としては、例えば、熱線遮蔽、紫外線吸収、サーモクロミック、フォトクロミック、エレクトロクロミックの各機能性層やプライマー層などのうち、少なくとも一つ以上の機能を備えているのが好ましい。
【0079】
硬質被膜の構成材料は透明樹脂が好適である。斯かる透明樹脂としては、ハードコート剤として知られている公知の材料を適宜使用することが出来、例えば、シコーン系、アクリル系、シラザン系などの種々のハードコート剤を使用することが出来る。これらの中では、接着性や耐候性を向上させるために、ハードコート剤を塗布する前にプライマー層を設ける2コートタイプのハードコートが好ましい。コーティング方法としては、スプレーコート、ディップコート、フローコート、スピンコート、バーコート等が挙げられる。また、フィルムインサートによる方法、転写フィルムに好適な薬剤を塗布して転写する方法なども採用し得る。
【0080】
上記の硬質被膜の最外層に、各種機能(熱線遮蔽、紫外線吸収、サーモクロミック、フォトクロミック、エレクトロクロミックの各機能)の薬膜が形成されてもよい。
【0081】
第1の成形体の表面と上記の硬質被膜との間に透明樹脂層が設けられてもよい。
【0082】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の態様をもとりうる。
【0083】
本発明は、車両とくに自動車の窓ガラスに適用するのに好適であり、とりわけサンルーフに適用するのに好適であるが、クォータ窓、リアウィンドなどにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施の形態に係る樹脂成形体の断面図である。
【図2】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図3】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図4】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図5】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図6】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図7】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図8】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図9】別の実施の形態に係る樹脂成形体の断面図である。
【図10】別の実施の形態に係る樹脂成形体の断面図である。
【図11】別の実施の形態に係る樹脂成形体の断面図である。
【図12】別の実施の形態に係る樹脂成形体の断面図である。
【図13】さらに別の実施の形態に係る樹脂成形体の断面図である。
【図14】(a)図は図13の実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図、(b)図は可動型及び固定型の斜視図である。
【図15】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図16】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図17】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図18】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図19】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図20】実施の形態に係る樹脂成形体の成形方法を示す断面図である。
【図21】従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1N 金型
2 固定型
4 対向型
11,11N 第1の可動型
12,12N 第2の可動型
20,20A,20B,20D〜20J 樹脂成形体
21,21A,21B,21F〜21I,211 第1の成形体
22,22D,22E,22F 第2の成形体
213 第3の成形体
21a、21b、21c、21e 凹条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の成形体の表面の一部に第2の成形体が射出成形により一体に形成された樹脂成形体において、
該第2の成形体の少なくとも一部の辺縁部は、端縁ほど厚みが小さくなっており、
該端縁は、該辺縁部の延在方向と垂直な断面において凸に湾曲した断面形状となっていることを特徴とする樹脂成形体。
【請求項2】
請求項1において、前記第1の成形体は、厚さ2〜10mmの板状体であり、前記第2の成形体は該板状体の板面に設けられており、
該第1の成形体は該板面と垂直方向において透明であり、
前記第2の成形体は、該板面と垂直方向において不透明であることを特徴とする樹脂成形体。
【請求項3】
請求項2において、該第2の成形体は、第1の成形体の周縁に沿って延在する帯状に設けられており、
帯状の該第2の成形体の樹脂成形体板央側は、板央側ほど厚みが小さくなっていることを特徴とする樹脂成形体。
【請求項4】
請求項3において、帯状の該第2の成形体の樹脂成形体外縁側の辺縁部は、前記第1の成形体の周縁よりも該板央側に位置していることを特徴とする樹脂成形体。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形体を射出成形する方法であって、
固定型及び該固定型に型締めされる第1の可動型を用いて前記第1の成形体を射出成形する第1成形工程と、
該第1の可動型を、第2の成形体成形用キャビティを有した第2の可動型に交換し、該第1の成形体と一体となった前記第2の成形体を射出成形する第2成形工程と
を有していることを特徴とする樹脂成形体の成型方法。
【請求項6】
請求項5において、請求項4の樹脂成形体を成形する方法であって、前記第2の成形体を成形するに際し、第2の可動型を第1の成形体の周縁部に当接させておくことを特徴とする樹脂成形体の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−51184(P2009−51184A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222771(P2007−222771)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(594137579)三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 (609)
【Fターム(参考)】