説明

機器の検査装置及びこれを用いた機器の検査システム、携帯電話の保持装置

【課題】 携帯電話等の機器が備える操作ボタンの機能を簡単かつ自動的に判定できる検査装置を提供する。【解決手段】 携帯電話1をセットするアダプタユニット2、携帯電話1の表示部であるLCDパネル3を撮像して画像を得るカメラ4、携帯電話1のキーボタン5の一つを押し下げるレリーズ6を複数有するプランジャーユニット7、プランジャーユニット7の動作、LCDパネル3の表示内容の可否判断等のためのコンピュータ8、LCDパネル3の画像やコンピュータ8からの信号に基づく画像を表示するモニタ9からなる。レリーズ6によるキーボタン5の押し下げで得る静止画像、動画画像、音声出力を所定の期待画像、期待音声と比較して携帯電話1の機能判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の機器の操作ボタンや蓋の開閉機構が設計通りに機能するかどうかを判定するための検査装置と保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように携帯電話やPHS、PDA、ゲーム機、ノートブック型のパーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置等の機器には多数の操作ボタン、有線・無線の入力端子が設けられており、使用者は目的に応じて適宜これら操作ボタンを操作したり、信号を入力するようになっている。また近年ではLCD等を用いた表示部と操作ボタン等を備えた操作部とをヒンジで連結して折り畳み式にしたものが多くなっている。ところでこれらの機器の操作ボタンは、例えば携帯電話やPHSにあっては単に電話をかけるためのダイアリングや、文字入力に用いられるだけでなく、電話機やコンピュータとしての種々の設定のためにも用いられるようになっている。
【0003】
これらの設定には、例えばオートロック、通話料金表示、使用時間表示、着信音設定、使用者情報設定、使用言語設定等があり、昨今の携帯電話ではかなり多様かつ複雑な設定が可能になっている。PDA、ゲーム機、ノートブック型のパーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置等でも同様である。
【0004】
また例えばPDAやカーナビゲーション装置では、表示部にタッチパネルを用いているものが多く、ハードウェアの操作ボタンだけでなく、表示部にソフトウェアで表示した操作ボタンによっても上述のような操作を可能としている。なお以下では、特にことわらなければ、単に操作ボタンというときは、ハードウェアの操作ボタンだけでなく、ソフトウェアで表示した操作ボタンを含むものとする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって携帯電話やPDA等の機器の製造者は、出荷前に操作ボタン等を用いたこれらの設定操作、動作を不具合がなく行えるか否かを検査して判定、確認しておく必要がある。従来携帯電話等の機器の製造各社は、この判定、確認作業を手作業に近い形態で行っており、その手間が無視できないため、改良が求められていた。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の問題点にかんがみ、携帯電話等の機器の操作ボタン等による種々の設定動作が設計通りに行えるようになっているかどうかを簡単かつ自動的に判定できるようにした携帯電話等の機器の検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の機器の検査装置は、外部からの物品接触による入力、音声入力、有線信号入力、無線信号入力、赤外線信号入力、画像信号入力を含む外部入力に対応して内部状態が変化し、内部状況の変化に伴い、画像、音声を含む外部出力を送出する出力手段を備えた機器を検査対象として、該機器の動作を検査する検査装置であって、上記外部入力に対応する出力を上記機器に対して発生する検査項目出力手段、検査対象機器の出力手段の出力を機器外部で検出する検出手段、上記検査項目出力手段を動作させる手順を指定するシナリオ設定手段を有し、上記シナリオ設定で指定した手順に応じた上記検査項目出力手段の動作によって外部入力を選択的に入力して、上記検出手段が検出した検査対象の出力と、上記検査対象機器の内部状態と外部入力とから予想された期待値との一致性を確認可能としてなることを特徴とする機器の検査装置である。
【0008】
また、本発明は上記機器の検査装置の上記検査項目出力手段は、複数のスイッチ、つまみを操作する所定の自由度を有するロボットを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記機器の検査装置の上記検査項目出力手段は、検査対象機器が、音声入力手段、画像信号入力手段、有線信号入力手段、電波、赤外線を含む電磁波による無線入力手段のいずれかを備えるものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の機器の検査装置は、上記目的を達成するために、複数の操作ボタンを備える操作部及び該操作ボタンの少なくとも一の操作に応じて表示内容が変化する表示部を有する機器を検査対象として該機器の動作を検査する検査装置であって、上記表示部を撮像して画像を得る撮像手段、該撮像手段に対して検査対象機器を所定状態に搭載するためのアダプタ、上記操作ボタンの一つを押下可能な押下手段を複数有するボタン操作手段、該ボタン操作手段の選択及び動作制御を行う制御手段、及び上記撮像手段で得た画像や上記制御手段からの信号に基づく画像の表示手段とからなり、上記制御手段が、上記検査対象機器ごとに予め得ておいた該検査対象機器の全体画像を上記表示手段に表示させる手段、該表示手段で表示した上記全体画像の操作ボタン画像と上記ボタン操作手段の複数の押下手段とを関係付けるボタン割り当て手段、該表示した全体画像の表示部位置に上記撮像手段で得た上記表示部の画像を表示する手段、上記押下手段を動作させる手順を指定するシナリオ設定手段を有し、上記シナリオ設定で指定した手順に応じた上記押下手段の動作によって上記複数の押下手段を選択的に動作させ、上記検査対象機器の表示部に表れる表示内容と、上記表示部に表示される画像との一致性を確認可能としてなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記アダプタに、上記検査対象機器が発する音を集音するためのマイクを搭載してなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記アダプタに、上記検査対象機器が発する音を拡大出力するためのスピーカを搭載してなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記アダプタが、搭載した上記検査対象機器の少なくとも上記操作部の上方を覆うとともに、上記押下手段を所要の操作ボタンに対応配置するためのガイド孔を少なくとも上記所要の操作ボタンの数だけ有するガイドプレートを含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記検査対象機器が、上記表示部と、上記操作部とをヒンジ等を介して連結した折り畳み及び開閉動作可能な機器であって該開操作用の操作ボタンを備えるものであり、上記操作手段が、該開操作用の操作ボタンを操作するための押下手段を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は上記撮像手段が撮影した対象機器の表示部に現れる表示内容と、上記表示部に表示される画像とを比較し、それらの一致性についての情報を出力する画像判定手段を備えたことを特徴とする。また、本発明は、上記画像判定手段が静止画または動画を判定対象とすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記画像判定手段が、上記撮像手段のキャリブレーションを行う行程を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記画像判定手段が、撮影場像と基準画像とを比較して、それらの異なる領域を抽出し、表示のエラー個所を判定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記画像判定手段が、判定対象となる画像のコントラストを強調した補正を行いこの補正後の画像を判定対象とすることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、判定対象となる画像取り込み枠を設定して判定対象とすることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記画像判定手段が、判定対象から画像明度の高い部分を抽出して判定対象とすることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記画像判定手段が、相違の程度を明度差として抽出し相違程度の大きさと、相違個所の大きさに基づいてエラー個所を判定することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記画像判定手段が、撮像手段で取り込んだ動画を複数の静止画として格納手段に格納し、判定基準となる期待値と時間的なタイミングを合わせて比較することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、上記画像判定手段が、取り込んだ複数の静止画のうち特定の静止画に着目し、この着目した静止画と時間的に近接した静止画との平均値を求め判定対象の画像とすることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、上記画像判定手段が、判定対象となる画像を色別に分離した複数の色別画像データと、明度データのみを備えたグレイデータとを作成し、各色別画像データ中で差分値を求め、それらの差分値から総合グレイ値を作成し、総合グレイ値の変化量の大きい個所を変化量大領域として抽出し、この変化量大領域の重心を求める処理を行うことを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、上記画像判定手段が、それらの差分値から総合グレイ値を作成し、総合グレイ値の変化量の大きい個所を変化量大領域として抽出することを特徴とする置。
【0026】
また、本発明は、上記画像判定手段が、移動領域の差分を求める処理を行うことを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、画像の絶対値で判断することを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、上記複数の結果に基づいて最終判定を行うことを特徴とする機器の検査装置である。
【0029】
また、本発明は、上記マイクで取得した対象機器が発生する音声と、上記対象機器が発生すべき音声とを比較し、それらの一致性についての情報を出力する音声判定手段を備えたことを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、上記音声判定手段が、DTMF音の判定を行うことを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、上記音声判定手段が、RT/RBT音の判定を行うことを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、上記音声判定手段が、マイクで採集した音声のうち大きなレベルを有する音声の周波数を測定して判定することを特徴とする。
【0033】
また、本発明は、上記音声判定手段が、周波数分析を行いその結果に基づいて判定を行うことを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、上記音声判定手段が、対象機器が発生する音階変化のある音データの判定を行うことを特徴とする。
【0035】
また、本発明は、無音区間を検出して音声判定の開始点として認識することを特徴とする。
【0036】
また、本発明は、上記機器の検査装置を、電子通信可能なネットワークを介して複数接続し、一の機器の検査装置をサーバーとし、他の機器の検査装置をクライアントとし、上記サーバーとした一の機器の検査装置の上記制御手段が、上記クライアントとした他の機器の検査装置を制御する手段を有することを特徴とする機器の検査システムである。
【0037】
また、本発明に係る携帯電話の保持装置は、複数の移動可能なあるいは位置固定の支持部材で携帯電話を保持し、着脱可能なゴムヒモなどの弾性部材でホールド性を高め、サイズ等が異なっても種々の携帯電話を保持可能なことを特徴とする。
【0038】
また、本発明は、複数の支持部材が、位置固定の一対のガイド支持部材と、それらの軸線方向で位置を可変とするようにスライド可能に差し渡して取り付けた少なくとも一つの親スライダと、該親スライダ上にそれらの軸線方向でスライド可能に取り付けた子スライダと、上記親スライダと平行でかつ位置固定に上記ガイド支持部材間に設けた保持用支持部材から構成してあることを特徴とする。
【0039】
また、本発明は、上記親スライダが上記携帯電話の底面を支持し、上記子スライダが上記携帯電話の側面を支え、上記保持用支持部材が上記携帯電話の保持性を向上させる支持部材として構成してあることを特徴とする。
【0040】
また、本発明は、上記子スライダを上記ガイド支持部材間のセンターに位置を合わせるテンションをかける弾性部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る携帯電話等の機器の検査装置及びこれを用いた機器の検査システムは、以上説明してきたようなものなので、携帯電話やPHS等が、それらの操作ボタン等の外部入力による種々の設定動作、静止画像、動画、及び音声が設計通り出力されるようになっているかどうかを、簡単かつ自動的に判定できるようになるという効果がある。
【0042】
本発明に係る携帯電話の保持装置は、サイズ等が異なっても種々の携帯電話を保持可能である。
【0043】
また本発明に係る携帯電話の保持装置は、携帯電話だけでな
くPDA等及びその他の同等機器をもサイズ等が異なっても種々の携帯電話を保持可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお以下では携帯電話を検査対象機器とする例についてのみ説明するが、既述のPDA等及びその他の同等機器についても本発明を適用できることは明らかであるので、そのような機器についての説明は省略する。
【0045】
また、実施形態は、外部からの物品接触による入力は、例えばボタンの押下、つまみの回転、タッチパネルへの接触・描画入力、音声入力、カメラ等からの画像信号入力を含む外部入力、また、コネクタからの有線信号入力、電波、赤外線による無線入力に対応して内部状態が変化し、内部状況の変化に伴い、画像、音声を含む外部出力を送出する出力手段を備えた機器を検査対象とする。
【0046】
また、以下では、上記外部入力に対応する出力を上記機器に対して発生する検査項目出力手段として複数の操作ボタンの一つを押下可能な押下手段を複数有するボタン操作手段を例としているが、これは適宜の自由度(例えば、3軸、6軸)を有するロボットで、複数のボタンを順次押下するようにしてもよい。特に多軸のロボットを使用した場合には、立体的に配置されたボタン、つまみを的確に操作することができる。
【0047】
さらに、検査項目出力手段は、検査対象機器が、つまみの回転、タッチパネルへの接触・描画入力、音声入力、カメラ等からの画像信号入力を含む外部入力、また、コネクタからの有線信号入力、電波、赤外線による無線入力上記外部入力である場合には、これらに対応する出力をなすものとすればよい。
【実施例1】
【0048】
図1は、本発明に係る機器の検査装置の一実施形態を概念的に示す側面断面図である。本実施形態装置は、判定、検査しようとする携帯電話1を予め定めた状態にセットするためのアダプタを構成するアダプタユニット2、携帯電話1の表示部であるLCDパネル3を撮像し、LCDパネル3の画像を得るカメラ4、携帯電話1の操作ボタン(以下では特に必要がないかぎりキーボタンという。)5・・・の一つを押し下げ可能なレリーズ6を押下手段として複数有するプランジャーユニット7、プランジャーユニット7の動作を制御するとともに、この動作制御に対応するLCDパネル3の表示内容の可否を判断する等の制御のためのコンピュータ8、さらにはカメラ4で得たLCDパネル3の画像やコンピュータ8からの信号に基づく画像の表示手段となるモニタ9から構成してある。なおコンピュータ8は、ハードウェアとしてはビデオキャプチャーボード、入出力用ボード、サウンドボード、イーサネット(登録商標)ボードあるいはこれらと同等構成品を備えるものとし、ソフトウェアとして、後述する携帯電話自動評価システムソフトならびにOSソフト、そして必要に応じてテキストエディタ、ワードプロセッサ、データベースソフト等を内蔵するものが好ましい。またキーボード、マウス、ネットワーク端子(端末対向テスト用)、プリンタ等をもシステム構成に含ませることができる。
【0049】
携帯電話1は、図示の例では折り畳み型のもので、LCDパネル3を有する表示部11と、キーボタン5を有する操作部12とからなるが、検査対象となる携帯電話としてはこのタイプのものに限定されず、表示部11と操作部12に対してそれぞれ外側からアクセスできればストレートタイプのもの、フリップタイプのもの等どのようなものでも対象とすることができる。なお本発明は、対象機器を携帯電話1に限るものではなく、PHS、PDA、ゲーム機、ノートブック型のパーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置等の機器であり、いくつかの操作ボタンが設けられていて、これらを操作するようになっているものであれば種々の機器に適用できる。
【0050】
図2はアダプタユニット2とその上に固定した携帯電話1を示す斜視図である。このアダプタユニット2は、折り畳み型の携帯電話1のLCDパネル3の表面をカメラ4の光軸に対して垂直面をなすようにセットするためのベース板21と、その状態でカメラ4の光軸に対して所定の角度をなす携帯電話1の操作部12をセットできる傾斜板22と、傾斜板22との間に携帯電話1の操作部12を挟んだ状態で並行またはほぼ並行にセットするレリーズガイドパネル23と、これらを支持する一対の側板24、24とからなる。なおストレートタイプやフリップタイプの携帯電話等においては、図示の例のようにベース板21と傾斜板22を別体としかつ角度を付ける必要がないことが多いので、アダプタユニット2の構成は図示の例に限定されず、対象機器の形状、構造に合わせればよい。またレリーズガイドパネル23は、側板24、24間に対して挿抜可能に取り付けてあり、評価対象とする携帯電話1の操作部12のキーボタン5の数等に合わせてレリーズ6を挿入する孔25・・・を有するとともにかつ対象機器に合わせて交換できるようになっている。またレリーズガイドパネル23には、携帯電話1のマイク(図示せず)に対応させた位置に孔(図示せず)を設け、この孔の位置にスピーカ26を取り付けできるようにしてある。
【0051】
図3はカメラ4等を装備するためのベースユニット30の側面図である。このベースユニット30は、ベース板31と、カメラ4やマイク32を搭載するためのタワー部33とからなり、ベース板31上にはピン等(図示を省略する)を設けてアダプタユニット2を位置決め搭載可能とし、タワー部33には、光軸が垂直下方を向くようにかつ上下動可能にカメラ4を取り付けるとともに、携帯電話1のスピーカ13に対応させてマイク35を設けてある。なお、カメラ4の光軸はもちろん垂直下方以外の方向へ向けても良く、それに合わせてアダプタユニット2等の取り付け、配置形態を変えればよい。なお、カメラ4の位置を可変させる機構も備えているが説明を省略する。
【0052】
プランジャーユニット7は、レリーズ6を複数本、詳細には評価対象とする携帯電話1のキーボタン5の個数以上の本数を有し、これらを選択的に駆動できる装置である。駆動装置そのものは公知であるので説明は省略する。またレリーズ6は、図4に示すように、チューブ61とその中を通したピン62からなるいわゆるレリーズワイヤタイプのものであるが、図示のように、レリーズガイドパネル23の孔25への着脱が容易に行えるように、チューブ61先端に設ける金属管部63のネジヤマ64を全長にわたらずに基部近傍のみ設けてある。なお基部にはロックネジ65と調節ネジ66とが設けてあり、ピン62の飛び出し長さを調節できるようにしてある。ただしこのタイプのレリーズでは、ピン62の飛び出し長さが長いほど確実にキーボタン5に届くようになるが押す力が弱くなる。
【0053】
なお、各ユニット、カメラ等の配線、駆動系、信号伝達系等々についての図示及び説明は省略する。
【0054】
本実施形態装置は、アダプタユニット2に載置した携帯電話1のキーボタン5に対してプランジャーユニット7の所望のレリーズ6を駆動してキーボタン5を押し下げ、この押し下げによって変化するLCDパネル3をカメラ4により撮影し、所望のキーボタン5の押し下げに伴って設計、製造時に設定した通りの画像がLCDパネル3に表れるか否か等を判定するものである。
【0055】
図5は、モニタ9にメイン画面として表示させる画面の内容を示す図である。この画面は、カメラ4により撮影したLCDパネル3の画像3aと、例えばデジタルカメラ等で撮像して予め得ておいた判定、検査対象となる携帯電話1の全体平面画像1aとを合成して示している。
【0056】
次に本実施形態装置における評価の流れを説明する。評価は、(1)機種ファイル作成(ボタン設定、LCD画面調整)(2)シナリオ作成(設計書や仕様書(期待値画像とテスト項目)を用意して、シナリオを作成する)とデバッグ(3)1回目の評価(実行、手動判定、画像入れ替え)(4)2回目以降の評価(実行・自動判定)という手順になる。以下、本実施形態装置における評価の手順等について詳細に説明する。
【0057】
まず機種ファイル作成について説明する。
【0058】
評価の開始に当たっては、最初に機種ファイルの新規作成を行い、携帯電話1の情報を設定する。機種ファイルとは、携帯電話1の個別情報をまとめたファイルであり、画像の調整や携帯電話1のキーボタン5とレリーズ6の対応を設定する。
【0059】
即ち、予め用意しておいた評価対象携帯電話の画像ファイルを用い、モニタ画面に携帯電話1の全体画像を、もちろん表示部11と操作部12とが見えるように表示させ、これに組み合わせるLCDパネル3に相当する画面を作成する。なお画像ファイルとしては、例えばビットマップ形式で、メイン画面に収まるぐらいの大きさのものを用意する。そして、判定に必要なキーボタン5の設定とレリーズ6の割り当てを行う。キーボタン5は一つずつ設定する。即ち、図6に示すようにメイン画面上で携帯電話1のキーボタン5を囲んで範囲を指定し、キーボタン5の個数分だけ名称とプランジャーユニット7のレリーズ6の番号を指定する。図7は携帯電話情報設定画面、図8はボタン情報設定画面、図9はボタン情報一覧画面、図10はキーボタン5の情報設定でのレリーズ6の番号入力例を示す図である。
【0060】
キーボタン5に対応するレリーズ6が、メイン画面上に作成したキーボタン5をクリックしたときに動作するかは、実際にプランジャーユニット7を動作させて確認する。例えばメイン画面での操作により作成したキーボタン5をクリックすると、そのキーボタン範囲が青くなるようにして、対応するプランジャーユニットのレリーズが携帯電話のボタンを押すかどうかをチェックする。既述の機種ファイル編集画面で動作確認を行うようにすることもできる。
【0061】
図11は、特殊操作手順設定である携帯電話を待ち受け画面に戻す操作(リセット)、携帯電話に供給されている電源から切り電源を投入する操作(強制リセット)、折り畳み式携帯電話の開閉動作ボタンの設定を行う画面を示す。なお折り畳み開閉動作の機能が使用できるのは、携帯電話1が折り畳み式であり、それにアダプタユニットとプランジャーユニットが対応しており、レリーズ6で例えば磁石を用いた開閉機構の操作ボタンを押せる場合であり、これにより実際には携帯電話1を開閉せずに(図示の実施形態では既に開いてしまった状態で)検査、評価することができる。
【0062】
以上のように設定してきた機種ファイルは、適宜の名称でコンピュータ8が内蔵しまたは外部手段として有する記憶媒体に保存する。この保存した機種ファイル、即ち作成済みの機種ファイルは修正できることはもちろんである。図12は、機種ファイルの編集画面の図である。
【0063】
図13はモニタ9に表示させるLCDパネル3画面の調整画面である。画像の調整は、必要があれば歪み補正データの取得、補正データに基づいた画像補正、補正後画像の微調整、の順に行う。また必要ならばLCD画面の大きさも調整する。図13には、LCD枠の設定部分、LCDオフセットの設定部分も示す。LCD画面の調整画面での調整が終了し、必要があれば画像の補正を行い、補正後画像の台形補正を行う。図14は、補正後画像の確認画面である。画像の色調や明るさ補正も行える。また補正後画像の微調整として、画像の台形補正を行え、基準となる画像をもとにLCD画面の大きさ、傾きの微調整を行う。
【0064】
台形補正は、図15に示すキャリブレーションシート40を基準にカメラ4の焦点距離、歪み具合などのパラメータを求め、それを補正データとして画像を補正するものである。補正値を取得するには、携帯電話1にキャリブレーションシート40を乗せてカメラ4で撮影し、メイン画面に表示されているキャリブレーションシート40の画像の黒い四角、点がはっきり見えるようにする。次いでキャリブレーションシート40を取り除いて携帯電話1のLCDパネル3の画面を撮影する。図16は歪み具合取得ウィザード画面の図である。歪み具合を取得
する前に、まず携帯電話1のLCDパネル3画面の大きさとして縦、横サイズの測定値を入力し、歪み具合取得ボタンを押して歪み具合の取得を開始し、補正後画像として表示する。
【0065】
次にシナリオ作成について説明する。
【0066】
図17は、シナリオ作成編集画面を示す図である。この画面は、シナリオ表示用のシナリオリストボックス50と、コマンド設定タブ51・・により切り替え可能な画面となっている情報設定部52からなる。
【0067】
シナリオ作成には、まずキーボタン5の操作コマンドをシナリオリストボックス50に入力する。次いでキーボタン5の押下条件を情報設定部52で設定する。ここでは、複数押し(同時に複数のキーボタン5を押下するコマンド)、押下時間(携帯電話のボタンを押下する時間の設定、押下間隔(1つのコマンドが終わってから次の処理に移るまでの間隔)を設定する。評価環境番号ラジオボタンは、評価環境の番号の設定するもので、対向試験を行う設定で使用する。また折り畳み部開閉は、折り畳み式携帯電話の開閉動作ボタンの押下間隔を設定する。もちろん、この機能が使用できるのは、折り畳み式携帯電話のアダプタユニットと折り畳み式携帯電話の開閉動作ができるプランジャーユニットを用意した場合のみである。さらに、再生、制御、単体シナリオ呼び出し、リモートシナリオ呼び出し(対向試験で対向先のコンピュータでシナリオを実行させるコマンド)、待ち、繰り返し、停止、判定の各コマンドを設定する。判定コマンドは、画像の期待値を取得し、その場で判定(即時判定)を行い、判定結果によってシナリオ実行を続けたり停止したりするためのものである。なお取得した実測値の判定は後述する確認画面で行うが、この判定コマンドを用いると、その場で判定し、判定の結果が期待した通りでなければシナリオの実行を中断することができる。また一つのシナリオ内で別のシナリオを入れ子状に呼び出すことを可能とするシナリオ呼び出しコマンドも設定できる。図18は、その複数呼び出した例を示す図である。
【0068】
図19は、期待値設定タブの内容を示す図である。この画面では、携帯電話1の反応を記録するコマンドを入力できる。記録できるのはLCDパネル3の画面の画像と、マイク35で録音した音声である。なお図中53は期待値画像表示スペースである。
【0069】
画像取得コマンドは、期待値画像を設定し、実際の画像と比較することでテストを行うためのものである。期待値画像には、例えばjpg、bmp、emf等の形式のファイルを設定する。また実測値を記録するタイミングとして、記録を開始するタイミングを指定するとともに、画像指定、判定範囲設定を行う。一方、音声取得コマンドは、マイク35で集音した音声を録音するもので、キーボタン5を押下した時の音(DTMF音)を確認画面で判定することができるようにするものである。
【0070】
なお図17の入力支援部は、名前や電話番号などのひらがな、数字、アルファベット、記号を携帯電話1で入力するシナリオを自動生成するための部位である。またこの部位のキーボタン情報ボタンを操作すると、図20に示すボタン対応表が表示されるようになっており、文字入力に使用する携帯電話1のキーボタン5と、機種ファイルで登録したキー名の対応を設定できる。
【0071】
そして、作成したシナリオが正しく動作するか否かをデバッグを行うことでチェックする。なおデバッグ画面は、後述する実行画面(図21)と同様である。チェックの結果は、例えば図22に示すようなエラーレポートとして出力する。
【0072】
次にシナリオの実行について説明する。
【0073】
図21は実行画面を示す図である。この画面は、シナリオリストボックス80、実行時指定部81、実行状況表示部82からなり、実行状況表示部82は、シナリオ一覧リストボックス83、カレントシナリオボックス84、期待値画像表示部85、実行LCD画像表示部86からなる。シナリオリストボックス80には、実行中のシナリオあるいはこれから実行するシナリオの名称を表示する。実行時指定部81は、キーボタン5の押し時間に関する設定を表示する部位、期待値を記録するタイミングの設定を表示する部位、停止レベルを表示する部位を含む。またシナリオ一覧リストボックス83は、選択しているシナリオとシナリオ集を表示し、カレントシナリオボックス84は、シナリオ一覧リストボックス83で選択しているシナリオを表示する。期待値画像表示部85は、画像取得コマンド実行時、期待値として設定されている画像を表示し、実行LCD画像表示部86は同じく撮影した携帯電話1のLCDパネル3の画面を表示する。
【0074】
上述のような携帯電話自動評価システムを2セット使用して対向試験を行うことができる。対向試験では、相手方システムのコンピュータとLANで接続し、接続した側のシステムで同じシナリオを自動的に実行する。即ち、2台の携帯電話自動評価システムの、片方をサーバーとし、他方をクライアントとして、サーバーがクライアントを制御する試験となる。そして、サーバー側でシナリオ実行をすると、サーバーがクライアント側のプランジャーユニット7を操作することで2台の携帯電話1を操作できる。したがって、別の携帯電話1に電話をかけて、かけられた携帯電話機で電話をうけるというような検査を行うことができる。
【0075】
なお対向試験であるか否かにかかわらず、シナリオを自動実行させ得るが、途中での手動による一時停止、停止、再開が可能であり、シナリオをステップごとに実行させるステップ実行、途中から自動実行に切り替える半自動実行も設定できる。
【0076】
ある携帯電話について1回目のシナリオを実行した後、確認(手動判定と画像入れ替え)を行う。即ち例えば一度手動で判定を行い、判定結果が良ければ画像を入れ替える。まず、画像を確認し、期待値画像と実行画像が一致するかどうかについてシナリオの全ステップを判定する。複数のシナリオを実行するときは、全シナリオについて全ステップを判定する。そして期待値画像が直接画面を撮影した画像でない場合は、画像判定が行えないので期待値画像の入れ替えを行う。入れ替えを行うと、次に同じシナリオを実行したときには入れ替えられた画像が期待値としてデータベースに登録され、画像の自動判定を行うことができる。また用意した期待値画像のある一部分だけを自動判定に使用したいときは、判定範囲設定を行うことができる。
【0077】
なお判定範囲にはデフォルト判定範囲と個別判定範囲を設定でき、前者ではすべての画像に同じ判定範囲を適用し、後者では画面上で範囲を設定された画像だけに適用する。判定範囲と除外範囲も設定でき、判定範囲と除外範囲を組み合わせることで、複雑な形の判定ができる。コンピュータを用いたシステムであるので、もちろん判定範囲の座標指定等も可能である。
【0078】
そして2回目以降のシナリオ実行の結果は、期待値画像が入れ替えられていれば、自動判定ができる。自動判定機能は、用意された判定範囲に基づいて、期待値画像と実測画像が一致するかどうかを自動的に判定するものである。また、期待値DTMF音の周波数と実測DTMF音の周波数が一致するかどうかも自動的に判定できる。
【0079】
なお、図示は省略するが、折り畳み型の携帯電話でかつキーボタン5を有する操作部12の外面にもう一つの表示パネルを備えるものあるいは同様の構造のPDA等が近年開発、市販されている。これらを評価対象とする場合には、開いた状態でLCDパネル3の表示を評価することと、閉じた状態で操作部12外面の表示パネルを評価することを個別に行うこと、あるいはもう一つカメラを用意して、開いた状態とした携帯電話等の二画面を2つのカメラで同時にかつ個別に撮像して評価することのいずれでも可能である。
【0080】
以下、画面の表示内容の評価方法について説明する。本例では、図23に示すように、静止画、動画を評価する他、図24に示すように携帯電話等の器具が発生する音声についても判定を行う。
【0081】
まず画像の評価の概略を説明する。本例では、図23に示すようにまずカメラ4からの画像のキャリブレーションを行う(S101)。このキャリブレーションは、システム全体で一回行えばよく、システムを構成する他の機器の検査装置のカメラが取得した画像に適用できる。
【0082】
次に、各機器の検査装置において、検査対象携帯電話1の操作ボタン5を操作し(S102)、携帯電話1のLCDパネル3に画像を表示させる。この画像を上記カメラ4で取得し静止画、動画別に画像判定を行う(S104)。
【0083】
一方、音声判定においては、本例ではDTMF音、BT/RBT音、及びメロディについて判定を行う。この判定は、図24に示すように、携帯電話1の操作ボタン5を操作し(S201)、発生した音声をマイク35で取得し(S202)、音声信号を一端機器の検査装置に格納し、その格納した音声に対して判定を行う(S203)。まず、機器の検査装置の画像取得用の撮像装置のキャリブレーションについて詳しく説明する。
【0084】
このキャリブレーションでは、図15で示したキャリブレーション用シートの中央に表示されている7×7個の黒い点の座標を撮像画像から読み取る、そして、実際のキャリブレーション用シートと撮影した画像の点とを比較することによりカメラの撮影特性データを取得する。
【0085】
まず、キャリブレーション用シートの画像を複数枚、例えば20枚撮影する。これらの撮影に際しては、キャリブレーション用シートを様々な位置・角度に配置して撮影する。これにより、様々な条件下での、キャリブレーション用シート画像の点の位置座標を取得する。
【0086】
次に、実際に検査する携帯電話の液晶画面と平行においたキャリブレーション用シートの画像を撮影する。すべてのキャリブレーション用シート画像から点の位置座標を取得し、これらのデータからカメラの焦点距離、放射状歪みの中心位置、歪み度合いを計算する。これは画像処理ライブラリによって計算される。画像処理ライブラリは市販のソフトウェア(例えばMVTec社HALCON(商標))であり、上記各要素を計算するものである。そして、携帯電話画面に乗せて撮影した(最後の)キャリブレーション用シート画像の歪みがなくなるよう補正を行う。
【0087】
本例では、キャリブレーション用シートから点の位置を検出するのに、当装置の被い内で撮影するため暗い画像になってしまう。画像処理ライブラリの中にはシートの矩形位置を取得する関数があり、指定した特定の色のラインで表示される矩形のみを取得することができる。
【0088】
この関数には閾値を引数として渡すが、これが高すぎると暗い画像では検出することができない。逆に閾値が低いと誤った領域を取得してしまう。また、ライブラリの戻り値では矩形を取得できたかがわからない。失敗したまま続けていくと後からエラーとなることがあるので、ここで正確に矩形領域を取得する必要がある。
【0089】
このため、暗いムラのある画像でもマークを検出することができるように、高い閾値から序々に閾値を下げながら、上記と同じ矩形を取得する関数を実行することとする。取得された領域が最も正方形に近い形になったところで止めるようにする。
【0090】
次に、キャリブレーション用シートの画像からカメラの歪みを修正するためのパラメータを取得する。カメラの焦点距離、放射状歪みの中心位置、歪み具合、最後のキャリブレーション用シートの画像に合わせて変換したカメラ座標を画像処理ライブラリで計算する。
【0091】
以上より求めたパラメータを用いて携帯電話の画像に変換をかける。上記の値を用いて、最後に取得したキャリブレーション用シートと、携帯電話のLCD画像に対して変換をかける。これでキャリブレーション用シートは歪みのない正方形で表示される。
【0092】
さらに、中央に適度な大きさで表示されるよう変換をかける。最終的にはキャリブレーション用シートではなく、携帯電話のLCD画面が中央に歪みなく表示されるのが目的なの
で、適切なサイズで中央に表示されるよう変換パラメータを化させながら変換を繰り返す。
【0093】
そして、他の機種の基準画像に合わせて他の機器の検査装置で画像が使用できるよう、補正をかける。ユーザは基準となる画像を1枚選択し、自動補正ボタンをクリックするだけで、現在の画像が基準画像と同じサイズ・明るさになるよう補正される。
【0094】
基準画像に合わせて自動補正をかける。即ち、位置、回転、拡大・縮小、縦横比が基準画像と一致するようアフィン変換をかける。カメラで撮影している画像から静止画を取得するときにこの補正をかけている。
【0095】
次に、基準画像に合わせてカメラの明るさ・コントラストを調整する。静止画の明るさを後から変えると、元の画像は例えば0〜255のデータしか持っていないので、例えば明るすぎて白く飛んでいる場合は正確な色の値が分からない。よって、撮影後の画像に変換をかけるのではなく、カメラの設定値を直接変更する。カメラの明るさ・コントラストを変化させながら連続して撮影・比較することにより適切な明るさ・コントラストに合わせていく。
【0096】
次に静止画の比較について説明する。
【0097】
本発明に係る機器の検査装置の画像処理では、入力画像としてどのような画像が来るか予想がつかない。したがって、入ってきた画像によって最適な判定ロジックを選択し、ミスのない判定を行う必要がある。具体的には、画面の細かい画像、暗い画像が入ってきても判定しやすい明るさに補正し、ある程度の面積を持った領域の違いを判定する。
【0098】
LCDの明るい領域を例えば以下のように取得する。
【0099】
図29に示すように、画像のヒストグラム(0〜255)を求め、それを大きく3つの山に分ける。そのうち暗い方から数えて1つ目の山と2つ目の山を分ける境目の値で閾値処理を行う。
【0100】
また、山が偶数にしか分かれない場合は中心をとる。1つ目の山と2つ目の山を分ける間をとる理由は、本例では、画像を周りの黒い枠と明るいLCD部分に分けたいので、黒いところが除ければよい。しかし、中には光が漏れて灰色に明るくなってしまう場合もあるので、このような方法を採用する。
【0101】
画像の明るさが大きく異なる場合に、それらを同じ程度の明るさに合わせるか、または明るさが違うためにNGと判断するかは、設定ファイルの値で決めることができ、ユーザが変更することも可能である。
【0102】
ここで設定した値より実際の画像の明るさが異なっていた場合は位置補正をしないまま画像比較し、一致しなかったという結果を出す。
【0103】
基準画像から位置合わせのためのテンプレートを作成基準画像と実測画像のずれをなくすため、後工程で位置補正を行う。そのためのパターンマッチング用テンプレートを基準画像を元に作成する。(画像処理ライブラリで計算)テンプレート作成用の画像を選択する。
【0104】
本例では、LCD領域の淵(幅3ピクセル)の領域に画像を絞り込んだものを登録画像としている。これにより正確かつ速い位置補正が可能となる。
【0105】
次に元画像のコントラストが低い場合はコントラストを上げるための補正を行うこれは、単にガンマ補正をかけるのではなく、図28に示すように、色平均値より明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く補正する。画像平均値と最大値・最小値から明るさ強調の変換テーブルを計算して、コントラストの補正を行う。色合いの微妙な画像の判定に使用する。このようにコントラストを上げると、途中でここから上は明るくし、ここから下は暗くするといった変極点が生じる。
【0106】
次に、基準画像に合わせて実測画像の色補正を行う。このとき、多少違う画像でも同じように色補正されるよう細かい画像やエッジ領域を除いた部分で調整する。基準画像と実測画像で色の平均値が閾値(ユーザが指定したパラメータ)だけ異なる場合は補正をかけないようにする。さらに、テンプレートを基準にパターンマッチングを行う。先に作成したテンプレートを基準にパターンマッチングを行う。これは、画像処理ライブラリで計算する。
【0107】
なお、繰り返し判定するときに、2度目以降は1回目の位置情報を利用して速く判定する。1回目の基準画像の位置データをとっておき、2回目以降の判定ではそれを読み込んで画像マッチングすることで位置合わせを行う。
【0108】
位置合わせを行った結果、大きくずれてしまった場合、またユーザが指定したよりも移動してしまった場合は元の位置に戻して、そのまま重ねて判定する。
【0109】
基準画像と実測画像をそのまま重ね合わせて判定を行う。色が大きく違う、位置が異なるなど何かしらNGであると思われる要素があった場合は、位置補正を行わないで単に画像差分をとった結果を出す。
【0110】
位置合わせで取得したデータに基づいて画像・判定範囲に変換をかける。位置合わせが成功した場合は、データに基づいてアフィン変換をかける。この処理は画像処理ライブラリで行う。そして、ユーザが指定した判定対象範囲に基準画像、実測画像の絞り込み判定を行う。
【0111】
次に、基準画像と実測画像の差分をとる。本例ではRGB画像とグレイ画像の4種類ごとに基準画像と実測画像で画像差分をとる。元画像のコントラストの低いものについては、差分を強調する処理をかけることが有効である。この処理は取得したRGB、Grayごとの差分画像を加算してよりはっきりさせるものである。
【0112】
差分画像に閾値処理でNGと期待される領域を取得する閾値(70くらい、ユーザからも設定できる)から255の間で閾値処理を行う。基準画像と実測画像で異なる部分が抽出される。
【0113】
本例は、多数の画像をターゲットに、ロジックやパラメータを少しずつ変化させながら結果を比較していき、閾値として最も良かった結果のものを採用した。画像の明るさによって閾値を変えることが望ましい。基準の閾値は設定ファイルから読み込むが、画像が暗めの場合はそれに合わせて閾値を下げる。逆に明るい場合は上げるようにする。
【0114】
次にノイズ処理を行う。閾値処理で求めたNG領域(画像差分領域)からノイズを削除し、本当にNGである領域のみを残す処理である。まず、NG候補領域から大きくNGだとわかる部分だけを抽出する。単に閾値より明るい部分をNG領域とするのではなく、明るい部分が含まれていてかつNG候補となる白い部分の周辺面積が大きいものだけを最終的なNG領域とする。
【0115】
例えば、図27に示す場合、左の領域は面積が広くても明るさの最大値が低いのでNGと判断されない。右の領域は中心の明るさが高くなっているので、この領域全体がNGとして検出される。
【0116】
上記処理により、NGと判断された領域の面積がゼロであればOK、1以上の場合はNGと判断され、NG領域が表示される。
【0117】
ノイズ処理に関しては、その他、比較対象画像を8方向に0.5ピクセルずつ動かし、位置合わせがほんの少しずれただけでノイズが増えるので、位置合わせを行った後さらに0.5ピクセルずつ移動させて、最もノイズの少なかった位置を最適とする方法や、NGと判断された領域のうち、その領域のエッジの情報から「ずれ」と「違い」を判断する方法を採用することができる。
【0118】
次に本発明に機器の検査装置の動画判定処理について図30ないし図35dに基づいて説明する。図30は、動画処理を示すフローチャートである。本例では、期待値、実測値はそれぞれaviファイルとする。期待値と実測値は静止画に切り出したとき、同じサイズとする。ただし撮影時間は異なっても差し支えない。さらに、画像の周囲の枠が黒く表示されていることが望ましい。
【0119】
まず、カメラで撮影され格納された動画ファイル(AVIファイル)から、動画の読み込みを行う(S141)。そして動画を1フレーム毎(30f/s)に静止画(ビットマップ)に切り出す。これは画像を読み出した撮像装置の取得フレーム数である。
【0120】
次に読み込んだ画像の平均化を行う。これは、図33に示すように画像を1枚ずつ読み込み、2つ前の画像(図31(a))と1つ前の画像(同(b)と、着目した画像(同(c)を合成し画像3枚の平均画像を取得するものである(S143)である。そして、3枚の画像の平均画像を1枚の画像(図31(d)として扱う。これにより期待値と実測値の切り出しのタイミングがずれていても平均化することによりなめらかな動きになる。
【0121】
さらに後の工程で期待値と実測値の同期を合わせた後に比較を行うのに使用するデータを取得する(S144)。そして、平均化した画像をRGB、Grayの4色に分ける(S145)。平均化した各画像を、RGBとGray画像に分ける。Gray画像は人間の目で見たのと近いように0.299*red+0.587*green+0.144*blueとする。そして、グレイ画像を半分のサイズ(面積で4分の1)にしてメモリ上にとっておく(S146)。取得したグレイ画像を半分の倍率に縮小し、メモリ上に確保しておく。この際面積では元のサイズの4分の1とする(S147)。RGB、Grayごとに1つ前の画像と引き算で画像差分をとる。より明るくなった部分とより暗くなった部分を求め、そのトータルグレイ値(面積とグレイ値(0〜255)の積分値)を取得する(S148)。これは、以下の(1)〜(3)の処理による。(1)RGB、Gray画像ごとに現在の画像から一つ前の画像を引いて、一つ前の画像より明るくなった部分を画像として取得する(図32(a)、(b)、(c))。(2)同様に一つ前の画像から現在の画像を引いて、より暗くなった部分を画像として取得する。(3)取得した差分画像のトータルグレイ値(白く表示される部分の面積と明るさの積分値)をRGB、Grayごとに取得する。 これで、動画を静止画に切り出したときの1枚の画像あたり、8個のトータルグレイ値が取得できる。明るくなった画像と暗くなった画像がそれぞれRGB、Grayの4チャンネル分あることとなる。
【0122】
次にRGB、Grayごとに取得した差分画像を合わせる。この画像に閾値処理をかけて差分のあった領域を取得する(S148)。これは、以下の(1)〜(2)の処理による。(1)RGB、Grayごとに取得した差分画像をRGB、Grayの4チャンネル分足す。(2)この4チャンネル分足した差分画像にパラメータ(約50)で閾値処理をかけ明るい部分を領域として取得する(このパラメータはユーザ側で指定できる)。 これで、カラー画像としてより明るくなった部分の領域とより暗くなった部分の領域が取得できる。
【0123】
より明るくなった画像と暗くなった画像を合わせ、閾値処理をかけ前後の画像で差分のあった領域を取得する(S149)。この領域の重心を求める。これは以下の(1)〜(4)の処理による。(1)(S148)で取得したより明るくなった部分を示す差分画像とより暗くなった部分を示す差分画像を足して一つの画像にし、一つ前との差分画像を取得する。(2)パラメータ(約50)で閾値処理をかけ明るい部分を領域として取得する。(このパラメータはユーザ側で指定できる)この領域が一つ前の画像との差分領域になる。(3)(2)で取得した領域の重心位置を求める。前の画像と差がなく、差分の領域面積がゼロの場合は画像の中心位置を代入する。(4)より明るくなった部分を示す差分画像とより暗くなった部分を示す差分画像をそれぞれ半分のサイズに縮小し、メモリ上に確保しておく(面積では4分の1)。
【0124】
動画のずれ時間を求め、実測値と期待値の撮影のタイミングを合わせる(S150)。ここで、期待値と実測値の撮影のタイミングが異なる場合や撮影時間が異なる場合でも判定できるよう、時間を合わせる必要がある。これは以下の(1)〜(4)の処理による。(1)期待値と実測値を1枚ずつ、ずらしながら(S147)で取得したトータルグレイ値を比較していく。期待値と実測値の時間が重なっている間だけ、1コマごとにトータルグレイ値の差分をとり、その合
計値を取得する。(2)期待値と実測値のタイミングが合ったところではこの差分が極小値となるので、1つ前の値より小さく、1つ後の値より小さいところが候補となる。そして(f(n+1)−f(n))+(f(n−1)−f(n))が最も大きくなるnを求める。この差分が最も大きかったところを求めるずれ時間とする。(3)RGB、Grayの4チャンネルで求められた時間が異なる場合は8個のデータの候補が多い順に選ぶ。(4)RGB、Grayごとに取得された時間の候補が一致しない場合はすべてのチャンネルにてデータを合計し、その合計値が最も高かった場所(最も前後との差があった時間)をずれ時間とする。
【0125】
次に、実測値と期待値のずれを合わせた状態で、実測値と期待値のデータを比較する(S151)。即ち、ここでは、前の画像と比較して移動した部分の領域の重心位置を比較する(S152)。これは以下の(1)〜(3)の処理による。これは本例において、比較1となる。この比較1では、差分領域の重心位置を求め、場所の違いを求めるものである。(1)期待値と実測値の同期を合わせてからS159で求めた期待値と実測値の各画像の重心位置を比較する。X座標、Y座標ごとに差を求め、それぞれが画像の幅・高さに対してどれだけの割合かを求める(1−Xの差分/判定範囲の幅、1−Yの差分/判定範囲の高さ)。(2)上記(1)を、切り出した画像分求めて平均値をとる。この値が低いと一致率が低いということになる(1に近いほど差がないということになる)。(3)ここで求めた値(0〜1.0)を比較結果としてresult1とする。
【0126】
図33(a)、(b)で示した画像は、異なる個所でアイコンが点滅している画像を示ししており、この比較1により違う画像であると判断することができる。
【0127】
より明るくなった領域と暗くなった領域ごとに、期待値と実測値の移動領域を比較する(S153)。これは以下の(1)〜(5)の処理による。
【0128】
これは本例中の比較2となる。この比較2では、移動領域の差分をとり、動きの違いを見る。 (1)期待値と実測値の同期を合わせてから(S148)で求めた期待値と実測値の領域の差分をとる。(2)次に、「期待値または実測値で移動のあった領域」を取得する。期待値、実測値ともに輝度の増えた画像と減った画像(計4種)をすべて足して合成する。これに閾値処理をかけ、明るく表示される部分を領域として取得する。この領域に膨張収縮処理をかけ、ある程度の面積を持つ領域に絞る。これを「動きのあった領域」とする。(3)輝度の増えた画像、減った画像ごとに期待値と実測値の差分を取得する。期待値と実測値が同じように変化している場合はこれらの差分をとることで、相殺されて領域がなくなるが、移動個所の異なる場合は差分をとってもその領域が残る。(4)上記(3)の画像にパラメータ(約50)で閾値処理をかけ明るい部分を領域として取得する(このパラメータはユーザ側で指定できる)。輝度の増えた画像と減った画像の領域を足してひとつの移動差分領域として取得する。(5)上記(2)で取得した「動きのあった領域」に対する(4)で取得した期待値と実測値の差分領域の割合を求める。次に、上記(2)で求めた「動きのあった領域」が画像の判定対象面積に対してどれだけの割合かを求める。この面積が小さい場合は(5)で取得した差分領域の割合よりさらに小さくする。処理が必要とされるのは、動きのあった面積が判定範囲の面積に対して小さいというのは、動き自体が少ない動画となるからである。つまり、期待値と実測値の動画部分が異なったところで差は小さいということになるからである。以上より「動きのあった領域」に対する期待値と実測値の差分領域の割合(0〜1)を1から引くと、期待値と実測値が同じように動いた割合(一致率)を求めることができる。この値は大きいほど(1に近いほど)一致率が高くなる。(6)上記(5)の値をすべての画像で求め、画像枚数で割ることにより画像1枚あたりの平均値を求める。ここで求めた値(0〜1.0)を比較結果result2とする。
【0129】
図34(a)、(b)で示した2枚の画像をこの比較2により違う画像であると判断することができる。
【0130】
縮小した画像の画像差分をとることで比較し、背景も含めて画像全体がどれだけ異なるかを比較する(S154)。これは以下の(1)〜(2)の処理による。これは本例中の比較3となる。この比較3では、画像の絶対値で判定する、即ち本比較3では静止状態での違いを見るのである。(1)期待値と実測値の同期を合わせ、合わせた時間同士でS156で取得した期待値と実測値の画像の差分をとる。まず期待値と実測値で位置合わせを行う。具体的には期待値を基準に実測値画像に対してパターンマッチングを行い、見つかった位置にアフィン変換で実測値を移動させる。期待値と実測値の時間が重なる場合はすべての画像において位置合わせを行う。位置合わせを行った後、期待値と実測値の画像差分をとる。(2)上記(1)で取得した期待値と実測値の差分領域から、S163−(2)で取得した動きのあった領域を引く。これによって背景(静止画部分)のみの違いを取得することができる。差分画像に閾値処理をかけ、のこった面積が大きいほど一致率が低くなる。(3)この面積は100%異ならなくても人間の目では充分異なっていることが分かるので、結果(<1)を2乗した値を答えとする。(4)ここで求めた値(0〜1.0)をさらに2乗し、比較結果としてresult3とする。なお、画像の絶対値比較は他の処理では行われない。他の処理はすべて相対位置での比較のため、画像全体の明るさが異なるときなどは比較しても同じと判断されてしまうからである。
【0131】
図35(a)、(b)で示した2枚の画像をこの比較3により違う画像であると判断することができる。
【0132】
そして、以上の比較要素を掛け算し、最終結果を得る(S155)。期待値と実測値の同期を合わせてから上記のresult1,result2,result3の結果を取得し、これらの積をとる(値は、0〜1.0となる)。これに100をかけて%に対応させた結果を返す。
【0133】
そして、結果(0〜100)を返す(S156)ことにより、この値が閾値以上である場合、合格とし、閾値未満である場合不合格とする。そして、次に本発明に係る機器の検査装置の音声判定を図36ないし図38に基づいて説明する。本例では、DTMF判定(図36)、BT/RBT判定(図37)、メロディ判定(図38)の3つの判定を行う。
【0134】
まず、DTMF判定を、図36に基づいて説明する。
【0135】
DTMF(Dual Tone Multi Frequency)は、電話のボタン(0〜9、*、#)ごとに割り当てられている、2種類の周波数からなる音声信号である。DTMF判定では、マイクで収音した実測値を解析し、実測値に含まれる音声信号の種類が、期待値として指定されているDTMF番号(0〜9、*、#)と一致するかどうかを判定する。
【0136】
DTMF音は、それぞれ予め定められた固有の周波数の組合せであるため期待値として利用するのは各DTMFの周波数情報であり、期待値としての音データは保持しない。各番号に対応する周波数情報は、下表の通りである。
【0137】
【表1】

【0138】
以下に判定の手順を示す。まず、押しボタンを操作し(S211)実測値の中で最大音量を記録している周波数を2点取得して(S212)、この値を期待値WAVEファイルを読み込む。
【0139】
次に、読み込んだWAVEデータをFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)にかけて、周波数毎の音量レベルを表す音量データ配列を取得する(S213)。すると、配列のインデックスが周波数帯域を表し、インデックス毎のデータが音量レベルとなる。
【0140】
次に取得した音量データを、DTMFの周波数帯域が記録されていると思われる帯域を低域と高域の2つ(650Hz〜970Hz、1150Hz〜1500Hz)に分ける(S214)。この2つに分けた帯域から、それぞれ最も大きい音量レベルが記録されているデータを1点取得する(S214)。この2つのデータをDTMF音の実測値の周波数とする。
【0141】
さらに、期待値として指定されているDTMF番号の周波数(2点)と、実測値から割り出された周波数(2点)の低域同士と高域同士でそれぞれ比較し(S216)、固定の許容誤差範囲(±20Hz)内であれば一致していると判定する(S217、S218)。この許容誤差外であるときは不良であると判定する(S219) 次に、BT/RBT(ビジートーン/リングバックトーン)判定を図37に基づいて説明する。ここで、BT/RBT(ビジートーン/リングバックトーン)とは、それぞれ以下の意味を持つ。即ち、BT(ビジートーン)は、電話の話中状態を表す音声信号(プーッ・プーッという音)(・は無音)であり、RBT(リングバックトーン)は、電話の呼び出し状態を表す音声信号(プルルルル・プルルルルという音)である上記の「プーッ」、もしくは「プルルルル」の部分をONデータと呼び、「・」の部分をOFFデータと呼ぶ。
【0142】
BT/RBT判定では、マイクで収音した実測値を解析し、実測値に含まれる音声信号の種類が、期待値として指定されているBT、もしくはRBTと一致するかどうかを判定する。
【0143】
RBT、BTにはそれぞれ特有の鳴動パターン(OFFデータとONデータの間欠パターン)があるため、そのパターンを数値化したものを期待値として利用する。よってこの処理で利用する音データは実測値のみとなる。
【0144】
以下に判定の具体的な手順を示す。まず、押しボタンを操作して(S221)鳴動音を取得する(S222)し、期待値WAVEファイルを読み込む。次に、読み込んだWAVEデータをFFTにかけて、周波数毎の音量レベルを表す音量データ配列を取得する(S223)。この処理で、配列のインデックスが周波数帯域を表し、インデックス毎のデータが音量レベルとなる(S224)。
【0145】
次に、音量データ配列の内容がBT/RBTの周波数帯域(400Hz±20Hz)と一致するかどうか調べる(S225)。所定の許容誤差範囲内で一致する場合はONデータであると判断し、そうでない場合はOFFデータであると判断する。これを時間軸に沿って調べて、ONデータとOFFデータの数を算出した鳴動パターン配列を取得する。
【0146】
次に、期待パターンと取得した鳴動パターンを比較する。これには、まず実測パターンの有効部分を認識する。このとき、実測値の最初にOFFデータが含まれている場合はその部分を切り捨てて、ONデータから始まる部分をデータの有効部分とみなす。
【0147】
そして、期待パターンと実測パターンを、実測パターンの有効部分から時間軸に沿って比較する。それぞれの鳴動間隔ごとのON/OFFデータの要素数の差が指定の誤差範囲未満であれば、その位置は指定トーンのパターンの一部であるとみなす。
【0148】
そして、期待パターンと同じパターンが一定範囲持続している場合に、一致していると判定し、そうでない場合は不一致とする。
【0149】
次に、図38に基づいて、メロディ判定の説明をする。本例でメロディとは、前述のDTMF、BT/RBT以外の、音階変化のある音データのことをいうものとする。
【0150】
メロディ判定では、マイクで収音した実測値を解析し、実測値に含まれる。音データが、期待値として指定されている音データと内容がどれくらい一致しているかということを一致率で表す。
【0151】
一致率を求める処理、及び一致率を求めるためのデータ生成には、一般に使用される音声ライブラリ(例えば、Animo社のVoiceBaseIIライブラリ)を用いる。判定結果の合否は、システムの既定値またはユーザの設定した一致率閾値を判定処理で取得した一致率の値が上回るかどう
かで合否判定を行う。
【0152】
この処理で利用する音データは期待値、及び実測値の2つとなる。
【0153】
まず、期待値と実測値とをもとに、それぞれの処理データを取得する。即ち、期待値、実測値のWAVEファイルを読み込む(S231)。次に、無音区間検出(音声ライブラリ使用)を行い、有効データの開始位置を取得する(S232)。このとき、期待値と実測値の有効データ長をもとに、処理データの単位(1フレーム)ごとのデータ量を決める。
【0154】
次に、処理データを窓関数(音声ライブラリ)にかけ、FFTフィルタバンク分析(音声ライブラリ)を行い、マッチング処理用の処理データを取得する(S233)。次に、DP法(音声ライブラリ)による期待値と実測値の比較処理を行い、比較結果の距離データを取得する(S234)。そして、取得した距離データから一致率を算出する(S236)。
【0155】
さらに、算出された一致率が、指定の一致率閾値よりも大きい場合に一致していると判定し、閾値未満の場合不一致と判定する(S236〜S238)。
【0156】
これらの処理を予め定めたメロディについて行い音声判定処理は終了する。
【実施例2】
【0157】
図39、図40は、本発明に係る携帯電話の保持装置の一実施例を概念的に示す斜視図であり、図39は、複数の移動可能なあるいは位置固定の支持部材101で、蓋部102を開いた携帯電話1を保持し、着脱可能なゴムヒモなどの弾性部材103でホールド性を高め、携帯電話1を押さえた状態を示している。図40は、図39の状態から携帯電話1を外した状態を示している。図41は図39の状態を詳細に示す平面図、図42は同じく側面図である。
【0158】
複数の支持部材101は、位置固定の一対のガイド支持部材101a、101aと、それらの軸線方向で位置を可変とするようにスライド可能に差し渡して取り付けた2つの親スライダ101b、101bと、それぞれの親スライダ101b上にそれらの軸線方向で、すなわち親スライダ101bのスライド方向とは直角に交叉する方向でスライド可能に取り付けた子スライダ101cと、親スライダ101bと平行でかつ位置固定にガイド支持部材101a、101a間に設けた保持用支持部材101dから構成してあり、親スライダ101bが携帯電話1の底面を支持し、子スライダ101cが携帯電話1の側面を支え、保持用支持部材101dが携帯電話1の保持性を向上させる支持部材として構成してある。
【0159】
なお、図示の実施例では、子スライダ101cを載せ得る親スライダ101bが2つしか設けていないが、例えばこれを4つに増やし、そのうち一つで携帯電話下部の高さを可変に支え、もう一つで携帯電話1の本体1aではなく蓋部102のLCDパネル3部分側の側部を押さえるものとする。残りの2つは図示の実施例と同じ役目をはたす構成とするとよい。
【0160】
また子スライダ101cのスライド部品を付け替え得るようにし、以下の3種類を必要に応じて交換可能とすることもできる。(1)携帯電話1の高さ方向とサイド方向の両方を押さえるもの(図示の実施例)(2)携帯電話1のLCDパネル3部分のサイドを押さえるもの(様々な高さのLCDパネル3部分が考えられるので、それらに対応できるように、例えば10cm程の高さのあるものにするとよい)(3)携帯電話1の高さ方向のみを支えるもの(図示の実施例と同じ高さで、携帯電話1の特に本体部分1aの側面に設けられるサイドボタンやケーブルの邪魔にならないような形状とすることが好ましい)
【0161】
また子スライダ101cは、例えばノギスと同様の構造のものとすることができるが、その構造の場合、歯車を使用しているため携帯電話1を挟んだときに少しガタがあり、片方を固定しても反対側ががたついてしまうことがあり得る。サイドボタンを押した場合は少しのガタがカメラ画像などに影響するので、しっかりと携帯電話1の両サイドを固定する必要がある。例えば子スライダ101cをネジ止めしてその位置を固定する構造とすることができるが、一つのネジでは上述のようなガタを無くすことが難しい場合は、ネジ止めを2箇所で行ってもよい。
【0162】
上述のように、子スライダ101cをガイド支持部材101a、101a間のセンターに合わせるためのテンションをかけるために、また携帯電話1のLCDパネル3側が上がらないように、上からゴムヒモなどの弾性部材103で押さえつけるように固定しているが、弾性部材103は、子スライダ101bを構成する部品101baに図43に示すように穴101bbを開け、ここに弾性部材103に設けた球状等の部材103aを嵌入させて引っ掛ける。全ての子スライダ101cの部品にこの穴101bbを空けておき、弾性部材103をどこにでも取り付けられるようにするとよい。なお図示の実施例ではゴムヒモなどの弾性部材103を用いているが、これに代えてバネを採用することもできる。
【0163】
また子スライダ101cの位置を変える場合には、ネジが完全に外れなくても緩めるだけで移動できるようにすることが好ましい。また、親スライダ101bに目盛を振るなどして、子スライダ101cを所定の位置に再度固定できるようにすることが望ましい。
【0164】
さらに、携帯電話1の本体1aの端部を抑える固定の支持部材101e、101eは、携帯電話1のタイプ、具体的には端部形状、端部構造の違いに対応できるように、ベースにネジ止めする構造等としておいて、交換できるようにすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明では、携帯電話を検査対象機器とする他PDA、カーナビゲーションシステム等及びその他の同等機器についても本発明を適用できる。
【0166】
また、本発明では、外部からの物品接触による入力は、例えばボタンの押下、つまみの回転、タッチパネルへの接触・描画入力、音声入力、カメラ等からの画像信号入力を含む外部入力、また、コネクタからの有線信号入力、電波、赤外線による無線入力に対応して内部状態が変化し、内部状況の変化に伴い、画像、音声を含む外部出力を送出する出力手段を備えた機器を検査対象とすることができる。
【0167】
また、本発明では、適宜の自由度(例えば、3軸、6軸)を有するロボットで、複数のボタンを順次押下するようにすることができる。特に多軸のロボットを使用した場合には、立体的に配置されたボタン、つまみを的確に操作することができる。
【0168】
さらに、本発明では、検査項目出力手段は、検査対象機器が、つまみの回転、タッチパネルへの接触・描画入力、音声入力、カメラ等からの画像信号入力を含む外部入力、また、コネクタからの有線信号入力、電波、赤外線による無線入力上記外部入力である場合には、これらに対応する出力をなすもものとできる。
【0169】
またなお、携帯電話やカーナビの試験には外部に接続されたプログマブル電源、電波発生器、シグナルジェネレータ、測定器などの機器やこれらのコントロールソフトと接続した環境でテストをする場合がある。本発明では、外部機器制御の機能として、シナリオの中にこれら外部機器への制御用命令文を記述することにより、それぞれの機器の制御を行う外部制御モジュールソフトと交信を行い、連携した試験を行えるようにすることができる。外部制御モジュールは、接続機器ごとに用意し、本システムときめられたプロトコルにより、通信を行って外部制御モジュールより外部機器を制御、または値を得て本システムに渡すものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態を概念的に示す側面断面図である。
【図2】アダプタユニットとその上に固定した携帯電話を示す斜視図である。
【図3】カメラ等を装備するためのベースユニットの側面図である。
【図4】プランジャーユニットが備えるレリーズを示す図である。
【図5】メイン画面を示す図である。
【図6】メイン画面上でのキーボタンの範囲指定を示す図である。
【図7】携帯電話情報設定画面を示す図である。
【図8】ボタン情報設定画面を示す図である。
【図9】ボタン情報一覧画面を示す図である。
【図10】キーボタンの情報設定でのレリーズの番号入力例を示す図である。
【図11】リセットボタンの設定画面を示す図である。
【図12】機種ファイルの編集画面の図である。
【図13】LCDパネルの調整画面の内容を示す図である。
【図14】補正後画像の確認画面である。
【図15】キャリブレーションシートを示す図である。
【図16】歪み具合取得ウィザード画面の図である。
【図17】シナリオ作成編集画面を示す図である。
【図18】シナリオを複数呼び出した例を示す図である。
【図19】期待値設定タブの内容を示す図である。
【図20】ボタン対応表を示す図である。
【図21】実行画面を示す図である。
【図22】エラーレポートを示す図である。
【図23】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の画像判定処理動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の音声判定処理動作を示すフローチャートである。
【図25】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の静止画像判定処理動作を示すフローチャートである。
【図26】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の静止画像判定処理動作の一例を示す図である。
【図27】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の静止画像判定処理動作中の領域特定処理を示す図である。
【図28】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の静止画像判定処理動作中の明るさ補正処理を示す図である。
【図29】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の静止画像判定処理動作中の閾値決定処理を示す図である。
【図30】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の動画像判定処理動作を示すフローチャートである。
【図31】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の動画像判定処理動作の一例を示す図である。
【図32】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の動画像判定処理動作の一例を示す図である。
【図33】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の動画像判定処理動作の一例を示す図である。
【図34】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の動画像判定処理動作の一例を示す図である。
【図35】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態の動画像判定処理動作の一例を示す図である。
【図36】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態のDTMF音判定処理動作を示すフローチャートである。
【図37】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態のBT/RBT音判定処理動作を示すフローチャートである。
【図38】本発明に係る携帯電話の検査装置の一実施形態のメロディ判定処理動作を示すフローチャートである。
【図39】本発明に係る携帯電話の保持装置の一実施例を概念的に示す斜視図である。
【図40】本発明に係る携帯電話の保持装置の一実施例を概念的に示す斜視図である。
【図41】図39の状態を詳細に示す平面図
【図42】同じく側面図である。
【図43】子スライダへの弾性部材の取り付け構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0171】
1 携帯電話1a 携帯電話の全体平面画像2 アダプタユニット3 LCDパネル3a LCDパネルの画像4 カメラ5 操作ボタン(キーボタン)6 レリーズ7 プランジャーユニット8 コンピュータ9 モニタ11 表示部12 操作部21 アダプタユニットのベース板22 傾斜板23 レリーズガイドパネル24 側板25 孔26 スピーカ30 ベースユニット31 ベースユニットのベース板32 マイク33 タワー部35 マイク40 キャリブレーションシート50 シナリオリストボックス51 コマンド設定タブ52 情報設定部53 期待値画像表示スペース61 レリーズのチューブ62 ピン63 金属管部64 ネジヤマ65 ロックネジ66 調節ネジ80 シナリオ
リストボックス81 実行時指定部82 実行状況表示部83 シナリオ一覧リストボックス84 カレントシナリオボックス85 期待値画像表示部86 実行LCD画像表示部101 支持部材101a ガイド支持部材101b 親スライダ101ba 子スライダを構成する部品101bb 穴101c 子スライダ101d 保持用支持部材101e 支持部材102 携帯電話の蓋部103 弾性部材103a 弾性部材の球状等の部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの物品接触による入力、音声入力、有線入力、電磁波による無線信号入力、画像信号入力を含む外部入力に対応して内部状態が変化し、内部状況の変化に伴い、画像、音声を含む外部出力を送出する出力手段を備えた機器を検査対象として、該機器の動作を検査する検査装置であって、 上記外部入力に対応する出力を上記機器に対して発生する検査項目出力手段、 検査対象機器の出力手段の出力を機器外部で検出する検出手段、 上記検査項目出力手段を動作させる手順を指定するシナリオ設定手段を有し、 上記シナリオ設定で指定した手順に応じた上記検査項目出力手段の動作によって外部入力を選択的に入力して、上記検出手段が検出した検査対象の出力と、上記検査対象機器の内部状態と外部入力とから予想された期待値との一致性を確認可能としてなることを特徴とする機器の検査装置。
【請求項2】
上記検査項目出力手段は、複数のスイッチ、つまみを操作する所定の自由度を有するロボットを備えることを特徴とする請求項1の機器の検査装置。
【請求項3】
上記検査項目出力手段は、検査対象機器が、音声入力手段、画像信号入力手段、有線信号入力手段、電波、赤外線を含む電磁波による無線入力手段のいずれかを備えるものであることを特徴とする請求項1の機器の検査装置。
【請求項4】
複数の操作ボタンを備える操作部及び該操作ボタンの少なくとも一の操作に応じて表示内容が変化する表示部を有する機器を検査対象として該機器の動作を検査する検査装置であって、 上記表示部を撮像して画像を得る撮像手段、 該撮像手段に対して検査対象機器を所定状態にかつ交換可能に搭載するためのアダプタ、 上記操作ボタンの一つを押下可能な押下手段を複数有するボタン操作手段、 該ボタン操作手段の選択及び動作制御を行う制御手段、及び上記撮像手段で得た画像や上記制御手段からの信号に基づく画像の表示手段とからなり、 上記制御手段が、 上記検査対象機器ごとに予め得ておいた該検査対象機器の全体画像を上記表示手段に表示させる手段、 該表示手段で表示した上記全体画像の操作ボタン画像と上記ボタン操作手段の複数の押下手段とを関係付けるボタン割り当て手段、 該表示した全体画像の表示部位置に上記撮像手段で得た上記表示部の画像を表示する手段、 上記押下手段を動作させる手順を指定するシナリオ設定手段を有し、 上記シナリオ設定で指定した手順に応じた上記押下手段の動作によって上記複数の押下手段を選択的に動作させ、上記検査対象機器の表示部に表れる表示内容と、上記表示部に表示される画像との一致性を確認可能としてなることを特徴とする機器の検査装置。
【請求項5】
上記アダプタに、上記検査対象機器が発する音を集音するためのマイクを搭載してなることを特徴とする請求項4の機器の検査装置。
【請求項6】
上記アダプタに、上記検査対象機器が発する音を拡大出力するためのスピーカを搭載してなることを特徴とする請求項4または5の機器の検査装置。
【請求項7】
上記アダプタが、搭載した上記検査対象機器の少なくとも上記操作部の上方を覆うとともに、上記押下手段を所要の操作ボタンに対応配置するためのガイド孔を少なくとも上記所要の操作ボタンの数だけ有するガイドプレートを含むことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかの機器の検査装置。
【請求項8】
上記検査対象機器が、上記表示部と、上記操作部とをヒンジ等を介して連結した折り畳み及び開閉動作可能な機器であって該開操作用の操作ボタンを備えるものであり、上記ボタン操作手段が、該開操作用の操作ボタンを操作するための押下手段を有することを特徴とする請求項4ないし7のいずれかの機器の検査装置。
【請求項9】
上記撮像手段が撮影した対象機器の表示部に現れる表示内容と、上記表示部に表示される画像とを比較し、それらの一致性についての情報を出力する画像判定手段を備えたことを特徴とする請求項4ないし8のいずれかの機器の検査装置。
【請求項10】
上記画像判定手段が、静止画または動画を判定対象とすることを特徴とする請求項9の機器の検査装置。
【請求項11】
上記画像判定手段が、上記撮像手段のキャリブレーションを行う行程を備えたことを特徴とする請求項9または10の機器の検査装置。
【請求項12】
上記画像判定手段が、撮影場像と基準画像とを比較して、それらの異なる領域を抽出し、表示のエラー個所を判定することを特徴とする請求項9ないし10のいずれかの機器の検査装置。
【請求項13】
上記画像判定手段が、判定対象となる画像のコントラストを強調した補正を行いこの補正後の画像を判定対象とすることを特徴とする請求項12の機器の検査装置。
【請求項14】
判定対象となる画像取り込み枠を設定して判定対象とすることを特徴とする請求項11または12の機器の検査装置。
【請求項15】
上記画像判定手段が、判定対象から画像明度の高い部分を抽出して判定対象とすることを特徴とする請求項11ないし14のいずれかの機器の検査装置。
【請求項16】
上記画像判定手段が、相違の程度を明度差として抽出し相違程度の大きさと、相違個所の大きさに基づいてエラー個所を判定することを特徴とする請求項11ないし15の機器の検査装置。
【請求項17】
上記画像判定手段が、撮像手段で取り込んだ動画を複数の静止画として格納手段に格納し、判定基準となる期待値と時間的なタイミングを合わせて比較することを特徴とする請求項11ないし16のいずれかの機器の検査装置。
【請求項18】
上記画像判定手段が、取り込んだ複数の静止画のうち特定の静止画に着目し、この着目した静止画と時間的に近接した静止画との平均値を求め判定対象の画像とすることを特徴とする請求項11ないし17のいずれかの機器の検査装置。
【請求項19】
上記画像判定手段が、判定対象となる画像を色別に分離した複数の色別画像データと、明度データのみを備えたグレイデータとを作成し、各色別画像データ中で差分値を求め、それらの差分値から総合グレイ値を作成し、総合グレイ値の変化量の大きい個所を変化量大領域として抽出し、この変化量大領域の重心を求める処理を行うことを特徴とする請求項11ないし18のいずれかの機器の検査装置。
【請求項20】
上記画像判定手段が、それらの差分値から総合グレイ値を作成し、総合グレイ値の変化量の大きい個所を変化量大領域として抽出することを特徴とする請求項11ないし19の機器の検査装置。
【請求項21】
上記画像判定手段が、移動領域の差分を求める処理を行うことを特徴とする請求項11ないし20の機器の検査装置。
【請求項22】
画像の絶対値で判断することを特徴とする請求項11ないし21の機器の検査装置。
【請求項23】
請求項20ないし請求項22の結果のうち複数の結果に基づいて最終判定を行うことを特徴とする機器の検査装置。
【請求項24】
上記マイクで取得した対象機器が発生する音声と、上記対象機器が発生すべき音声とを比較し、それらの一致性についての情報を出力する音声判定手段を備えたことを特徴とする請求項4ないし23の機器の検査装置。
【請求項25】
上記音声判定手段が、DTMF音の判定を行うことを特徴とする請求項24の機器の検査装置。
【請求項26】
上記音声判定手段が、RT/RBT音の判定を行うことを特徴とする請求項24または25の機器の検査装置。
【請求項27】
上記音声判定手段が、マイクで採集した音声のうち大きなレベルを有する音声の周波数を測定して判定することを特徴とする請求項25または26の機器の検査装置。
【請求項28】
上記音声判定手段が、周波数分析を行いその結果に基づいて判定を行うことを特徴とする請求項25または26の機器の検査装置。
【請求項29】
上記音声判定手段が、対象機器が発生する音階変化のある音データの判定を行うことを特徴とする機器の検査装置。
【請求項30】
無音区間を検出して音声判定の開始点として認識することを特徴とする請求項29の機器の検査装置。
【請求項31】
請求項1ないし30のいずれかの機器の検査装置を、電子通信可能なネットワークを介して複数接続し、一の機器の検査装置をサーバーとし、他の機器の検査装置をクライアントとし、上記サーバーとした一の機器の検査装置の上記制御手段が、上記クライアントとした他の機器の検査装置を制御する手段を有することを特徴とする機器の検査システム。
【請求項32】
複数の移動可能なあるいは位置固定の支持部材で携帯電話を保持し、着脱可能なゴムヒモなどの弾性部材でホールド性を高め、サイズ等が異なっても種々の携帯電話を保持可能なことを特徴とする携帯電話の保持装置。
【請求項33】
請求項32の携帯電話の保持装置において、複数の支持部材が、位置固定の一対のガイド支持部材と、それらの軸線方向で位置を可変とするようにスライド可能に差し渡して取り付けた少なくとも一つの親スライダと、該親スライダ上にそれらの軸線方向でスライド可能に取り付けた子スライダと、上記親スライダと平行でかつ位置固定に上記ガイド支持部材間に設けた保持用支持部材から構成してあることを特徴とする携帯電話の保持装置。
【請求項34】
請求項33の携帯電話の保持装置において、上記親スライダが上記携帯電話の底面を支持し、上記子スライダが上記携帯電話の側面を支え、上記保持用支持部材が上記携帯電話の保持性を向上させる支持部材として構成してあることを特徴とする携帯電話の保持装置。
【請求項35】
請求項33または34の携帯電話の保持装置において、上記子スライダを上記ガイド支持部材間のセンターに位置を合わせるテンションをかける弾性部材を備えることを特徴とする携帯電話の保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【国際公開番号】WO2005/071930
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【発行日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517292(P2005−517292)
【国際出願番号】PCT/JP2005/000838
【国際出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(397038680)日本ノーベル株式会社 (8)
【Fターム(参考)】