説明

毛髪洗浄料

【課題】 使用感触に優れ、且つ連用により使用感触を向上することのできる毛髪洗浄料を提供する。
【解決手段】 (A)両性界面活性剤と、(B)カチオン性ポリマーと、(C)N−アシル−N−メチルタウリン型アニオン界面活性剤と、(D)ガラクソリド、アンブロキサン、マンザネート、グレープフルーツ油、マジョーラム油、シナモン油、オーランチオール、トマトリーフ抽出液、スペアミント油、クローブ油、カモミール油、ペッパー油、トリプラール、ユズ油、オクチルアルデヒド、バニリン、ジャスミン油、ベルガモット油、アルモアズ油、ストロベリー抽出液、ゼラニウム油、ライム油、ナツメグ油、及びアリルカプロエートからなる群より選ばれる成分の1種又は2種以上とを含有することを特徴とする毛髪洗浄料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は毛髪洗浄料、特に使用感触に優れ、且つ連用により使用感触の向上する毛髪洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店頭での試し使用や購入直後の使用時に、消費者にとって十分満足できる洗浄力、泡立ち、使用感、ドライ後の使用感が得られた毛髪洗浄料であっても、毎日使用しているうちに物理的な機能の低下が起きているわけではないにもかかわらず、高い継続使用意向が得られないという現象が起こっている。これは、連続使用による飽きの現象や、より満足感の高い商品機能を求めるようになる消費者心理が働いているものと考えられる。消費者は、色々な商品を買い換えることなどで毛髪洗浄料を使用することによる満足感を得ているのが現状であり、同一商品を継続して使用した場合に高い満足感を維持させることは困難であった。そこで、連続して使用することにより使用感触が向上する毛髪洗浄料を提供することができたとしたならば、消費者による同一商品の継続的な購入を期待することができると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、その目的は、使用感触に優れ、且つ連用により使用感触を向上することのできる毛髪洗浄料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、両性界面活性剤と、カチオン性ポリマーと、N−アシル−N−メチルタウリン型アニオン界面活性剤とを配合した毛髪洗浄料において、さらにアリルカプロエートに代表される特定の成分を配合することによって、使用感触に優れるとともに、連続的に使用した場合にその使用感触を向上することのできる毛髪洗浄料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明にかかる毛髪洗浄料は、(A)両性界面活性剤と、(B)カチオン性ポリマーと、(C)N−アシル−N−メチルタウリン型アニオン界面活性剤と、(D)ガラクソリド、アンブロキサン、マンザネート、グレープフルーツ油、マジョーラム油、シナモン油、オーランチオール、トマトリーフ抽出液、スペアミント油、クローブ油、カモミール油、ペッパー油、トリプラール、ユズ油、オクチルアルデヒド、バニリン、ジャスミン油、ベルガモット油、アルモアズ油、ストロベリー抽出液、ゼラニウム油、ライム油、ナツメグ油、及びアリルカプロエートからなる群より選ばれる成分の1種又は2種以上とを含有することを特徴とするものである。
【0006】
また、前記毛髪洗浄料において、(D)成分が、アリルカプロエート、バニリン、オクチルアルデヒド、ナツメグ油、及びジャスミン油からなる群より選ばれる成分の1種又は2種以上であることが好適である。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる毛髪洗浄料によれば、両性界面活性剤と、カチオン性ポリマーと、N−アシル−N−メチルタウリン型アニオン界面活性剤とを配合した毛髪洗浄料において、さらにアリルカプロエートに代表される特定の成分を配合することによって、使用感触に優れるとともに、連続的に使用した場合にその使用感触を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
(A)両性界面活性剤
本発明に用いられる(A)両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0010】
本発明の(A)両性界面活性剤としては、特に2−アルキル(11−17)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインを好適に用いることができる。
【0011】
本発明にかかる毛髪洗浄料における(A)両性界面活性剤の配合量は、毛髪洗浄料全量中1〜30質量%、更に好ましくは3〜15.0質量%である。1質量%未満では泡立ちが悪くなり、30質量%を越えると使用後、ぬめりを感じる場合がある。
【0012】
(B)カチオン性ポリマー
本発明に用いられる(B)カチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン化ガラクトマンナン、カチオン化セルロース、カチオン化デンプン、ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/4級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体等が挙げられる。
【0013】
本発明の(B)カチオン性ポリマーとしては、カチオン化ガラクトマンナンを好適に用いることができる。このカチオン変性ガラクトマンナンは、より具体的には、ガラクトマンナンに含まれる水酸基の一部が第4級窒素含有基で置換された化合物である。なお、第4級窒素含有基としては、下記一般式(1)で示される官能基が好適である。
【0014】
【化1】

[式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは1価の陰イオンを表す。]
【0015】
式(1)の第4級窒素含有基におけるR、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基であり、なかでもメチル基が好ましい。また、Xは1価の陰イオンである。この陰イオンXの具体例としては、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル硫酸、エチル硫酸等が挙げられる。
【0016】
前記第4級窒素含有基のガラクトマンナンへの導入は、従来公知の方法に従って行うことができる。例えば、ガラクトマンナンにグリシジルトリアルキルアンモニウム塩、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩等を反応させることによって製造することができる。
【0017】
カチオン変性ガラクトマンナンのカチオン化反応によって導入される窒素の含有率は特に限定されないが、0.2〜3.0質量%であることが好ましい。窒素含有率が0.2質量%未満であると毛髪への吸着性が弱くなりコンディショニング効果が不充分になる等本発明の効果が充分認められない。また窒素含有率が3.0質量%を越えても効果の向上はみられない。
【0018】
カチオン変性ガラクトマンナンを構成するガラクトマンナンとしては、ローカストビーンガム、フェヌクリークガム等が挙げられる。ガラクトマンナンは1種または2種以上が任意に選択されて用いられる。本発明においては、ガラクトマンナンが、ローカストビーンガム及び/又はフェヌクリークガムであることが好ましい。
【0019】
ローカストビーンガムは、マンノースを構成単位とする主鎖にガラクトース単位が側鎖として構成され、マンノースとガラクトースの組成比が4対1の非イオン性多糖類であり、Caratonia Silicaと呼ばれる多年草の豆科植物から得られる天然水溶性ガムである。
【0020】
フェヌクリークガムは、マンノースを構成単位とする主鎖にガラクトース単位が側鎖として構成され、マンノースとガラクトースの組成比が1対1の非イオン性多糖類であり、1年草の豆科植物から得られる天然水溶性ガムである。
【0021】
カチオン変性ガラクトマンナンは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、カチナールCLB−100、カチナールCF−100(以上、東邦化学製)等が挙げられる。
【0022】
また、本発明の毛髪洗浄料においては、上記カチオン化ガラクトマンナンに加えて、他のカチオン性ポリマーを配合してもよい。他のカチオン性ポリマーとしては、例えば、塩化ジアリルジメチルアンモニウムとアクリルアミドとのコポリマー(商品名:マーコート550(ナルコ社製))、又はこれらを含むターポリマー(商品名:マーコート3331(ナルコ社製))、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムとを含むコポリマーまたはターポリマー(商品名:マーコート2001(ナルコ社製))が挙げられる。
【0023】
本発明にかかる毛髪洗浄料におけるカチオン性ポリマーの含有量は、毛髪洗浄料全量中0.01〜2質量%が好ましい。配合量が少なすぎると本発明の効果が充分発揮されない場合があり、過剰に配合しても必要とされる効果の増強は望めない。さらに好ましい含有量は毛髪洗浄料全量中0.1〜1質量%である。
【0024】
(C)N−アシル−N−メチルタウリン型アニオン界面活性剤
本発明に用いられる(C)N−アシル−N−メチルタウリン型アニオン界面活性剤(以下、AMT型活性剤という)としては、下記一般式(2)で示されるものが好適に使用できる。
【0025】
【化2】

[式(2)中、RCOは脂肪族アシル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機アンモニウム、塩基性アミノ酸、タウリン塩またはN−メチルタウリン塩を表す。]
【0026】
前記一般式(2)中、RCOは脂肪族アシル基であり、炭素数8〜28の脂肪族アシル基が好ましい。炭素数が7以下であると皮膚に対して刺激が強くでてくるようになり、起泡性も低下してくる傾向がある。また、炭素数が29以上では起泡性が低下する傾向がある。さらに好ましい脂肪族アシル基の炭素数は12〜18である。脂肪族アシル基を構成する脂肪族炭化水素は飽和でも不飽和でも、また直鎖状でも分岐状でも構わない。脂肪族アシル基の具体例としては、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、ヤシ油脂肪酸残基、パーム核油脂肪酸残基、牛脂脂肪酸残基等が挙げられる。
【0027】
また、前記一般式(2)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機アンモニウム、塩基性アミノ酸、タウリン塩、N−メチルタウリン塩であり、これらのうちで、特に、タウリン塩、メチルタウリン塩が好ましい。タウリン塩、N−メチルタウリン塩の塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機アンモニウム等が挙げられる。前記アルカリ金属の例としてはナトリウム、カリウム等、アルカリ土類金属の例としては1/2カルシウム、1/2マグネシウム等、有機アンモニウムの例としてはトリエタノールアンモニウム等、塩基性アミノ酸の例としてはリジン、アルギニン等がそれぞれ挙げられる。
【0028】
AMT型活性剤の具体例としては、N−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチルタウリントリエタノールアミン、N−ラウロイル−N−メチルタウリンタウリンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチルタウリン−N’−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンカリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリン−N’−メチルタウリンナトリウム、N−パルミトイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリンマグネシウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリントリエタノールアンモニウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリンタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリン−N’−メチルタウリンナトリウム、N−パーム核油脂肪酸−N−メチルタウリンナトリウム、N−パーム核油脂肪酸−N−メチルタウリンリジン、N−パーム核油脂肪酸−N−メチルタウリンマグネシウム、N−パーム核油脂肪酸−N−メチルタウリンタウリンナトリウム、N−パーム核油脂肪酸−N−メチルタウリン−N’−メチルタウリンナトリウム、N−牛脂脂肪酸−N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。なお、アシル基が油脂由来の脂肪酸のアシル体の場合で、油脂脂肪酸の名称によってアシル体を表す場合、単に油脂脂肪酸の表示でアシル体を示した。例えば、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリン塩の「N−ヤシ油脂肪酸」は、Nにヤシ油脂肪酸由来のアシル基がついたものを表す。すなわち、「N−ココイル」を意味する。本発明における以降についても同様である。
【0029】
AMT型活性剤の具体例の中では、N−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチルタウリンタウリンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチルタウリン−N’−メチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリンタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリン−N’−メチルタウリンナトリウムが好ましい。AMT型活性剤は、1種または2種以上が任意に選択されて配合される。
【0030】
本発明にかかる毛髪洗浄料におけるAMT型活性剤の含有量は、毛髪洗浄料全量中0.1〜30質量%が好ましい。配合量が少なすぎると本発明の効果が充分発揮されない場合があり、過剰に配合しても必要とされる効果の増強は望めない。さらに好ましいAMT型活性剤の含有量は1〜20質量%である。
【0031】
なお、本発明においては、毛髪洗浄料に通常使用される他の界面活性剤を本発明の効果を損なわない範囲で配合することもできる。
アニオン界面活性剤の具体的な例としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルイセチオン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる。
【0032】
非イオン界面活性剤の具体的な例としては、例えば、アルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、テトラポリオキシアルキレンエチレンジアミン縮合物類、ポリオキシアルキレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油誘導体、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
【0033】
(D)成分
本発明に用いられる(D)成分は、ガラクソリド、アンブロキサン、マンザネート、グレープフルーツ油、マジョーラム油、シナモン油、オーランチオール、トマトリーフ抽出液、スペアミント油、クローブ油、カモミール油、ペッパー油、トリプラール、ユズ油、オクチルアルデヒド、バニリン、ジャスミン油、ベルガモット油、アルモアズ油、ストロベリー抽出液、ゼラニウム油、ライム油、ナツメグ油、及びアリルカプロエートからなる群より選ばれる成分の1種又は2種以上である。
【0034】
本発明の毛髪洗浄料においては、上記(D)成分のいずれか1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、(D)成分としては、特にアリルカプロエート、バニリン、オクチルアルデヒド、ナツメグ油、又はジャスミン油を好適に用いることができる。
【0035】
本発明にかかる毛髪洗浄料における(D)成分の含有量(2種以上含む場合はその総量)は、毛髪洗浄料全量中0.001〜0.6質量%が好ましい。配合量が少なすぎると本発明の効果が充分発揮されない場合があり、過剰に配合すると、かえって必要とされる効果が望めない場合がある。なお、本発明においては、(D)成分を配合することにより、洗浄料の使用性を向上させることができ、使用性向上剤、使用性向上方法としての応用が可能である。
【0036】
また、本発明の毛髪洗浄料においては、上記(A)〜(D)の必須成分に加えて、下記一般式(3)の反応性シリコーン系ブロック共重合体を配合してもよい。
【化3】

式(3)において、Rは互いに独立して脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、フェニル基、フェネチル基等が挙げられるが、メチル基、エチル基およびフェニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0037】
X基において、Rは直接結合または炭素原子数1〜20の2価炭化水素基である。このような2価炭化水素基としては、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CHCH−、−(CH12−、−(CH16−が挙げられる。好ましくはプロピレン基である。
また、X基のZはアミノ基含有基、アンモニウム基含有基またはエポキシ基含有基を表す。X基の具体例としては、例えば、
【0038】
【化4】

などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
X基としては、−(CHNH、−(CHNH(CHNH、−(CHN(CH、−(CHN(CH)(CHN(CH等のアミノ基含有基や−(CH(CHCl等のアンモニウム基含有基であることが効果の点で好ましい。
【0039】
式(3)において、Yは2価の有機基であり、その一方の結合端は炭素−珪素により隣接珪素原子に結合し、他方の結合端は酸素原子によりポリオキシアルキレンブロックに結合している。
Yで表される2価の有機基の例は、−R−,−R−CO−,−R−NHCO−,−R−NHCONHR−NHCO−または−R−OOCNH−R−NHCO−(式中、Rは2価のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等であり、Rは2価のアルキレン基、例えばRとして例示した基または2価のアリレン基、例えば、−C−,−C−C−,−C−CH−C−,−C−CH(CH)−C−などである。)である。基Yとして、好ましくは−CHCH−,−CHCHCH−,−CHCH(CH)CH−,−CHCHCHCH−,−(CHCO−,−(CHNHCO−,−(CHNHCONHCNHCO−または−(CHOOCNHCNHCO−であり、特に好ましい基Yは2価のアルキレン基(−CHCH−,−CHCHCH−,−CHCH(CH)CH−等)であるが、−CHCH(CH)CH−が最も好ましい。
【0040】
式(3)において、nは2〜4の整数であるが、好ましくは2〜3、さらに好ましくは2である。ポリオキシアルキレンブロックは、1種のみのオキシアルキレン基からなっていてもよいし、2種以上のオキシアルキレン基を含んでいてもよい。
【0041】
反応性シリコーン系ブロック共重合体は、公知の方法を用いて製造することができ、例えば特開平5−310944号公報に記載された方法などを用いることができる。また、SILSTYLEシリーズ(東レ・ダウコーニング)が使用でき、さらに(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマーが好適に使用できる。
本発明においては、反応性シリコーン系ブロック共重合体の1種以上を用いることができる。
【0042】
反応性シリコーン系ブロック共重合体の配合量は特に制限されないが、毛髪洗浄料全量中0.01〜10質量%、さらには0.01〜5質量%、特に0.01〜2質量%が好ましい。少なすぎると効果が十分発揮されず、多すぎてもそれに見合った効果の増大は見込めず、かえって感触に悪影響を及ぼすことがある。
【0043】
本発明の毛髪洗浄料には、前記必須成分に加えてシリコーンエマルジョンを配合することができる。本発明におけるシリコーンエマルジョンは、水不溶性のシリコーンオイルの液滴粒子が分散液滴として水中に存在するエマルジョンある。
シリコーンエマルジョンの配合により、重厚感のあるベルベット様の感触を損なわずに、さらさら感を付与することができる。また、泡切れの早さが一段と優れたものとすることができる。
【0044】
前記シリコーンエマルジョン中のシリコーンオイルとしては特に限定されず、具体的にはメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。本発明においては不揮発性のシリコーンオイルが好ましく、メチルポリシロキサンが特に好ましい。シリコーンエマルジョンは、1種または2種以上から任意に選択されて配合することができる。
【0045】
本発明のシリコーンエマルジョンは、シリコーンエマルジョンとして市販されているので市販品を用いることができ、効率的である。市販品の例としては、例えば、ジメチルシリコーンエマルジョンBY22−007(ジメチルポリシロキサン50質量%含有)、同BY22−009(超微粒子化メチルポリシロキサン20質量%含有)、同BY22−029(高重合メチルポリシロキサン50質量%含有)、同BY22−019(高重合メチルポリシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン50質量%含有)、同BY22−034(高重合メチルポリシロキサン及びメチルポリシロキサン50質量%含有)、同BY22−020(高重合メチルポリシロキサン及び軽質流動イソパラフィン50質量%含有)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
【0046】
シリコーンエマルジョンの配合量は、特に限定されないが、洗浄料組成物全量中シリコーンオイル量として0.0005〜5質量%が好ましい。さらに好ましくは洗浄料組成物全量中0.25〜2.5質量%である。
【0047】
本発明の毛髪洗浄料には、上記成分の他に、通常毛髪洗浄料に用いられる他の成分を必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。配合可能な他の成分としては、例えば、油分、パール化剤、保湿剤、多価アルコール、高分子系粘度調整剤、アミノ酸類(グルタミン酸、アルギニン等)、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水等が挙げられる。
【0048】
油分の具体的な例としては、例えば、スクワラン、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、ラノリン、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール等が挙げられる。パール化剤としては、ジステアリン酸エチレングリコール、スチレンポリマー等が挙げられる。
【0049】
保湿剤の具体的な例としては、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等が挙げられる。
【0050】
高分子系粘度調整剤の具体的な例としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
本発明の毛髪洗浄料は、常法により製造され、ペースト状、ゲル状、液状、固形状、ムース状等の剤型とすることができる。
【実施例】
【0051】
以下、具体例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合量は、特に指定のない限り質量%である。
【0052】
毛髪洗浄料の使用感触評価(初日及び5日後)
106名のパネラーにより、下記表1に示す組成のシャンプー(実施例1,比較例1)を5日間連続的に使用してもらい、初回使用時(初日)と、5日間連続使用後(5日後)のそれぞれの時点で、下記評価基準により、「泡立ちのよさ」、「泡のきめ細かさ」、「泡立て時の指どおり」、「すすぎ時の髪のきしみのなさ」、「すすぎ時の指どおり」、「すすぎ後の指どおり」、「すすぎ後の髪のやわらかさ」、「髪の汚れ落ち感/さっぱり感」について、下記評価基準により、それぞれ5段階で評価を行なってもらった。なお、各パネラーによる点数の総和をパネラー人数で割った値を、それぞれの評価値とした。
【0053】
(評価基準)
非常に良い ・・・・・5
良い ・・・・・4
どちらとも言えない・・・・・3
悪い ・・・・・2
非常に悪い ・・・・・1
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
表1及び図1に示すように、(D)成分として、マンザネート、アリルカプロエート、バニリン、及びガラクソリド等を含む本処方1を配合した実施例1のシャンプーは、5日間連続して使用した後に、各種使用感触の評価すべてにわたって、初日よりも評価が向上するという結果が得られた。これに対して、上記した各種(D)成分を含まない比較処方1を配合した比較例1のシャンプーは、評価の内容によって、連続使用の後、初日よりも評価が向上するものと悪化するものの両者が存在しており、使用感触の評価全体にわたって、連用後に評価が向上しているものとは言えなかった。
【0058】
また、本発明者らが、さらに詳細に検討を行なった結果、以下の成分をシャンプーに配合することによって、連続的に使用した場合にその使用感触を向上することができることが確認された。ガラクソリド、アンブロキサン、マンザネート、グレープフルーツ油、マジョーラム油、シナモン油、オーランチオール、トマトリーフ抽出液、スペアミント油、クローブ油、カモミール油、ペッパー油、トリプラール、ユズ油、オクチルアルデヒド、バニリン、ジャスミン油、ベルガモット油、アルモアズ油、ストロベリー抽出液、ゼラニウム油、ライム油、ナツメグ油、アリルカプロエート。
【0059】
【表4】

【0060】
上記実施例2のシャンプーは、使用感触に優れているとともに、繰り返し連続的に使用することによって、その使用感触の評価が向上するものであった。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例及び比較例にかかる2種の毛髪洗浄料(実施例1:本処方1配合,比較例1:比較処方1配合)についての初回使用時(初日)及び5日間連続使用後(5日後)の各時点における各種使用感の評価結果についてまとめた図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)両性界面活性剤と、
(B)カチオン性ポリマーと、
(C)N−アシル−N−メチルタウリン型アニオン界面活性剤と、
(D)ガラクソリド、アンブロキサン、マンザネート、グレープフルーツ油、マジョーラム油、シナモン油、オーランチオール、トマトリーフ抽出液、スペアミント油、クローブ油、カモミール油、ペッパー油、トリプラール、ユズ油、オクチルアルデヒド、バニリン、ジャスミン油、ベルガモット油、アルモアズ油、ストロベリー抽出液、ゼラニウム油、ライム油、ナツメグ油、及びアリルカプロエートからなる群より選ばれる成分の1種又は2種以上と
を含有することを特徴とする毛髪洗浄料。
【請求項2】
請求項1に記載の毛髪洗浄料において、(D)成分が、アリルカプロエート、バニリン、オクチルアルデヒド、ナツメグ油、及びジャスミン油からなる群より選ばれる成分の1種又は2種以上であることを特徴とする毛髪洗浄料。

【図1】
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【公開番号】特開2007−254294(P2007−254294A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−76723(P2006−76723)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】