気流制御方法および保管倉庫設備
【課題】 移動体装置のレール走行に起因する発塵物を室内で拡散させることなく、速やかに且つ効率よく除去すること。
【解決手段】レール３０との間に吸引用の間隙４２を形成する吸引ガイド４０ａ、４０ｂを、レール３０の車輪６２との接触面を囲うようにレール３０に沿って配置し、レール３０と吸引ガイド４０ａ、４０ｂとの間の間隙４２から塵埃とともに空気を吸引する構成とした。レール３０が内部空間（図示を省略）を有する場合には、そのレールの内部空間を吸引経路として用い、レールの内部空間から塵埃とともに空気を吸引する構成としてもよい。
【解決手段】レール３０との間に吸引用の間隙４２を形成する吸引ガイド４０ａ、４０ｂを、レール３０の車輪６２との接触面を囲うようにレール３０に沿って配置し、レール３０と吸引ガイド４０ａ、４０ｂとの間の間隙４２から塵埃とともに空気を吸引する構成とした。レール３０が内部空間（図示を省略）を有する場合には、そのレールの内部空間を吸引経路として用い、レールの内部空間から塵埃とともに空気を吸引する構成としてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は気流制御方法および保管倉庫設備に係り、特に、液晶基板などの保管物を保管する保管倉庫でのレール走行に起因する発塵物が保管倉庫内で拡散することを防止する気流制御方法および保管倉庫設備に関する。
【背景技術】
【０００２】
液晶基板は、一般に、カセット型のケース（以下「カセット」という）内に半露出状態で収容される。このような液晶基板の保管倉庫室には、カセット内に収容された状態の液晶基板を保管する複数個の保管棚と、保管倉庫室内を移動してカセットを搬送するスタッカクレーンと、スタッカクレーンの稼働領域となるレールと、洗浄空気を供給する洗浄空気供給装置が設けられている。
【０００３】
図７（Ａ）および（Ｂ）に一例として示すスタッカクレーン６０は、フォーク６６でカセットを保持しながら上下させるとともに、車輪６２を有した走行台車６４でレール３０上を走行する。
【０００４】
特許文献１には、床面付近での清浄度の低下を防止するため、ファンフィルタユニットから清浄空気をストッカー（保管棚）内に横向きに吹き出してストッカーを通過させて床面近傍の吸い込み口より吸い込むことが記載されている。
【０００５】
特許文献２には、スタッカクレーンの移動の際にスタッカクレーンの近傍（横側や後ろ側）に発生する乱流が上方に拡散しないように、スタッカクレーンの近傍（横側や後ろ側）において強制的に上方から下方への気流を形成することが記載されている。
【特許文献１】特開２００６―２５６７９４号公報
【特許文献２】特開２００４―２９９８１３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
図７（Ａ）および（Ｂ）において、レール３０上を走行するスタッカクレーン６０は、発塵を抑えるため駆動部などはできるだけ密閉構造としているが、剥き出しとなっている箇所からどうしても発塵し、レール３０上を走行しながら保管倉庫室内に塵埃を撒き散らしてしまう。特に、車輪６２とレール３０とが摺動して磨耗し、これに因り発生した塵埃が巻き上がってしまう。
【０００７】
特許文献１、２に記載の方法は、部屋全体の気流による制御なので、スタッカクレーンから発生した塵埃は一旦保管倉庫内に放出されて拡散することには変りがない。つまり、部屋全体に供給する清浄空気を供給過多にして、発生した塵埃を部屋全体の気流から抑え込もうとしているので、部屋内に供給する清浄空気の風量が多くなってしまう。
【０００８】
本発明は、保管倉庫室内の発塵に伴う上記の問題点を鑑み、移動体装置のレール走行に起因する発塵物を室内で拡散させることなく、速やかに且つ効率よく吸引することができる気流制御方法および保管倉庫設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙から塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１０】
この構成によれば、車輪とレールから発生した塵埃を、保管倉庫室内で拡散させることなく速やかに且つ局所的に除去できるので、室内に供給する清浄空気の量を同じとするならば保室内全体の清浄度を向上させることができ、室内全体の清浄度を同じに保つならば室内に供給する清浄空気の量を削減することができる。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、前記レールの内部空間を吸引経路として用い、前記レールの内部空間から前記レールの外部の塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１２】
この構成によれば、レールそのものを吸引経路に使用するので、吸引用ダクトなどの新たな設備を最小限にとどめて、請求項１に記載の発明と同様の効果が得られる。すなわち、車輪とレールから発生した塵埃を、保管倉庫室内で拡散させることなく速やかに且つ局所的に除去できるので、室内に供給する清浄空気の量を同じとするならば保室内全体の清浄度を向上させることができ、室内全体の清浄度を同じに保つならば室内に供給する清浄空気の量を削減することができる。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の発明において、前記移動体装置の位置を検出し、前記移動体装置の移動に応じて吸引を行うことを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１４】
この構成によれば、移動体装置の移動に応じて吸引が行われるので、移動体装置が発塵しているときのみ吸引装置を稼働させることにより、安価なランニングコストで塵埃の拡散を防止することができる。
【００１５】
請求項４に記載の発明は、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の発明において、吸引を行う吸引装置の吸引時間、および、前記吸引装置内に設けられているフィルタの圧力損失値の少なくとも一方に基づいて、前記保管倉庫室の清掃の時機またはメンテナンスの時機を算出することを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１６】
この構成によれば、吸引装置の吸引時間（すなわち稼働時間）および塵埃を捕捉するフィルタの圧力損失値（すなわちフィルタの目詰情報）の少なくとも一方に基づいて、室内の清掃やメンテナンスの時機（日時、頻度等）を定量的に把握でき、効率良く清掃やメンテナンスの作業が実施可能となる。
【００１７】
請求項５に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、を備え、前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙を前記吸引装置に連通させる吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備を提供する。
【００１８】
請求項６に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、を備え、前記レールは、内部空間を有するとともに、当該レールの表面から前記内部空間まで貫通している吸引用の吸引口を有し、前記レールの内部空間を第１の吸引経路として、該第１の吸引経路を前記吸引装置に連通させる第２の吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備を提供する。
【発明の効果】
【００１９】
本発明によれば、移動体装置のレール走行に起因する発塵物を室内で拡散させることなく、速やかに且つ効率よく吸引することができるので、室内に供給する清浄空気の量を同じとするならば室内全体の清浄度を向上させることができ、室内全体の清浄度を同じに保つならば室内に供給する清浄空気の量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【００２１】
図１は、本発明を適用した液晶基板保管倉庫室（以下単に「保管倉庫室」という）の一例の全体を示す断面図である。
【００２２】
図１において、保管倉庫室２０は、清浄状態に維持すべき液晶基板を保管するための清浄室（クリーンルーム）である。この保管倉庫室２０は、主として、カセット型の容器１２（以下「カセット」という）に露出されて収納されている液晶基板を保管する保管棚２２と、保管倉庫室２０内に洗浄空気９０を供給するＦＦＵ２４（ファンフィルタユニット）と、ＦＦＵ２４へ循環空気が戻るためのレタンスペース２６と、カセット１２を搬送するスタッカクレーン６０が走行するレール３０と、レール３０近傍の空気を吸引するための吸引ガイド板４０と、吸引装置５０と、吸引経路５２を含んで構成されている。
【００２３】
スタッカクレーン６０は、車輪６２を有し、スタッカクレーン６０の移動領域としてのレール３０に沿って走行する走行台車６４と、保管物としての液晶基板が収容されているカセット１２を保持しつつ、その位置を上下方向等において移動させるフォーク６６を備える。
【００２４】
保管倉庫室２０全体の気流性状を説明すると、保管倉庫室２０内には、ＦＦＵ２４から吹き出された清浄空気がレタンスペース２６に吸い込まれる大きな気流が形成される。このような気流の中を、スタッカクレーン６０は、フォーク６６によってカセット１２を保持しながら、走行台車６４によって保管棚２２近傍の位置や、図示を省略した製造装置近傍の位置などの目的位置に移動する。その移動の際、スタッカクレーン６０とそれに接触する物体との摺動により発塵する。近年は、スタッカクレーン６０自体の密閉度を向上させたことにより、移動体であるスタッカクレーン６０内部からの発塵は非常に低減されつつあるが、剥き出しとなっている摺動箇所は対策しにくい。特に、車輪６２とレール３０からの発塵を無くすことは困難であり、また、スタッカクレーン６０は高速(例えば２〜３ｍ／ｓ以上)で移動するので、車輪６２およびレール３０から発生した塵埃がスタッカクレーン６０の移動とともに巻き上がり保管倉庫室２０内へ拡散することが懸念される。そこで、レール３０近傍の塵埃をレール３０近傍の空気とともに局所的に吸引する。
【００２５】
以下、第１実施形態および第２実施形態に分けて、保管倉庫室２０とその気流制御方法について説明する。
【００２６】
図２は、第１実施形態の保管倉庫室２０ａにおける要部拡大図であり、主として、レール３０および吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）の断面と、スタッカクレーン６０の走行台車６４を示す。
【００２７】
図２において、本例のスタッカクレーン６０の車輪６２は、レール３０の上端面で回転する。レール３０の１本ごとに、各レール３０に沿って、各レール３０の少なくとも上端面（すなわち車輪６２との接触面）を囲う一対の吸引ガイド板４０（内側の吸引ガイド板４０ａおよび外側の吸引ガイド板４０ｂ）が配置されており、吸引ガイド板４０とレール３０との間には、吸引用の間隙４２が形成されている。
【００２８】
吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）は、スタッカクレーン６０の走行を妨害しないように配置されている。内側の吸引ガイド板４０ａの上端は、レール３０の上端面より高く、且つ、スタッカクレーン６０の車軸６８より低い。外側の吸引ガイド板４０ｂの上端は、少なくともレール３０の上端面より高い。外側の吸引ガイド板４０ｂの上端を、車輪６２の上端よりも高くなるように設けてもよい。
【００２９】
レール３０は、車輪６２と接する頭部３１と、頭部３１を支える脚部３２からなり、本例では、レール３０の頭部３１と脚部３２との間に底面板４１が設けられ、レール３０の頭部３１と吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）と底面板４１とで囲まれた空間によって吸引流路５２の上流部５４（集塵路）が構成されている。
【００３０】
レール３０の寸法は、頭部３１の幅が例えば２００ｍｍ、長さが例えば数十ｍ〜数百ｍである。レール３０の材質としては、例えばアルミニウムを主成分とする金属またはＳＵＳ（ステンレス材）が挙げられる。車輪６２の材質としては、例えばＳＵＳ（ステンレス材）、ＭＣナイロン、ウレタン（金属系、樹脂系）が挙げられる。レール３０と吸引ガイド板（４０ａ、４０ｂ）との間隙４２は、例えば５ｍｍ〜２０ｍｍである。
【００３１】
吸引風速としては数１０ｍ／ｓ以上とする。保管倉庫室２０の清浄度クラスを１００〜１０とすると、発塵原を元から抑えるので、局所的にみれば１／１０以下にすることが可能である。
【００３２】
なお、吸引流路５２の上流部５４は、図２に示した場合に特に限定されず、底面板４１を設けないで吸引ガイド板４０の下端をレール３０の脚部３２に固着して、レール３０の頭部３１と吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）とレール３０の脚部３２とで囲まれた空間によって吸引流路５２の上流部（集塵路）を構成してもよい。レール３０の頭部３１の側面に吸引流路５２の上流部（集塵路）を配置してもよい。
【００３３】
レール３０およびその周辺の模式的な平面図を図３に示す。なお、図３では、便宜上、直線的な一対のレール３０を図示したが、実際には、スタッカクレーン６０が図１に示す各保管棚２２の近傍等へ自在に移動できるように、保管棚２２等の配置に応じた態様でレール３０が敷設されている。
【００３４】
吸引経路５２は、吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）により案内されたレール３０近傍の塵埃をレール３０近傍の空気とともに集める上流部５４（集塵路）と、一端が上流部５４に接続しているとともに他端が吸引装置５０に接続している下流部５６（送塵路）からなる。
【００３５】
スタッカクレーン６０が移動する際にレール３０および車輪６２で磨耗により発生する塵埃は、レール３０近傍の空気とともに、レール３０と吸引ガイド板４０との間の間隙４２から、吸引経路５２（５４、５６）を通じて、吸引装置５０に吸引される。そして、吸引装置５０内の図示を省略したフィルタにより、塵埃が除去されて空気のみが図１のレタンスペース２６へ放出される。
【００３６】
このように、レール３０近傍からレール３０近傍の空気を局所的に吸引可能な構成によって、レール３０および車輪６２からの発塵物は、レール３０近傍の空気とともに吸引されて吸引装置５０内で除去されるので、保管倉庫室２０内で拡散することが最小限に抑えられることになる。
【００３７】
図４は、第２実施形態の保管倉庫室２０ｂにおける要部拡大図であり、主として、レール３００および吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）の断面と、スタッカクレーン６０の走行台車６４を示す。なお、図４において、図２に示した第１実施形態の保管倉庫室２０ａの構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してあり、既に説明した内容については、その説明を省略する。
【００３８】
図４に示すように、レール３００の頭部３１は、内部空間３１２と、レール３００の表面から内部空間３１２まで貫通している吸引用の吸引口３１４を有する。このようなレール３００の内部空間３１２を吸引経路５２の上流部５４（集塵路）として用い、レール３００の内部空間３１２からレール３００の外部の塵埃および空気を吸引する。
【００３９】
吸引経路５２は、レール３００の内部空間３１２からなりレール３００近傍の塵埃をレール３００近傍の空気とともに集める上流部５４（集塵路）と、一端が上流部５４に接続しているとともに他端が吸引装置５０に接続している下流部５６（送塵路）からなる。
【００４０】
スタッカクレーン６０が移動する際にレール３００および車輪６２で磨耗により発生する塵埃は、レール３００近傍の空気とともに、レール３００の頭部３１の吸引口３１４から、吸引経路５２（内部空間５４および送塵路５６）を通じて、吸引装置５０に吸引される。そして、吸引装置５０内の図示を省略したフィルタにより、塵埃が除去されて空気のみが図１のレタンスペース２６へ放出される。
【００４１】
このように、レール３００近傍からレール３００近傍の空気を局所的に吸引可能な構成によって、レール３００および車輪６２からの発塵物は、レール３００近傍の空気とともに吸引されて吸引装置５０内で除去されるので、保管倉庫室２０内で拡散することが最小限に抑えることになる。
【００４２】
レール３００およびその周辺の模式的な平面図を図５に示す。なお、図５では、便宜上、直線的な一対のレール３００を図示したが、実際には、スタッカクレーン６０が図１に示す各保管棚２２近傍等へ自在に移動できるように保管棚２２等の配置に応じた態様でレール３００が敷設されている。
【００４３】
図６は、スタッカクレーン６０の位置を検出し、スタッカクレーン６０の移動に応じて吸引を行う場合の保管倉庫室２０（２０ａ、２０ｂ）の要部平面図である。スタッカクレーン６０が通過しているレール３０のみから、吸引を行う。
【００４４】
スタッカクレーン６０の位置を検出する複数の位置センサ８２を保管倉庫室２０内にレール３０に沿って配置し、位置センサ８２からの出力信号をコントローラ８４に入力する。そして、コントローラ８４により、スタッカクレーン６０が通過しているレール３０がいずれのレール３０であるかの検出と、吸引装置５０に対する吸引開始指示および吸引停止指示を行う。これにより安価のランニングコストにて効率よく塵埃を除去できる。
【００４５】
また、コントローラ８４により、吸引装置５０の吸引時間（すなわち吸引装置５０の稼働時間）、および、吸引装置５０内のフィルタの圧力損失値（すなわちフィルタの目詰情報）の少なくとも一方に基づいて、保管倉庫室２０の清掃やメンテナンスの時機（例えば日時や頻度）を算出し、周知の表示装置（例えば液晶表示装置）に表示する。保管倉庫室２０内の汚染情報や汚染度を表示するようにしてもよい。
【００４６】
なお、図１〜図６において、図示の便宜上、スタッカクレーン６０の車輪６２の脱輪を防止するためのガイド部材を省略したが、レール３０を挟み込む形でローラ形状のガイド部材（ガイドローラ）が脱輪防止用に設置されている。このようなガイドローラと車輪６２との摺動に因って発生する塵埃も、集塵路５４を介して集められる。レール３０の側方に配置されているガイドローラと車輪６２との摺動に因って発生する塵埃の量は、スタッカクレーン６０の重量等がかかっている車輪６２とレール３０との摺動に因って発生する塵埃の量と比較して十分に小さい。
【００４７】
また、第１実施形態および第２実施形態において、吸引装置５０内の図示を省略したフィルタにより塵埃が除去されて清浄化された空気を、図１のレタンスペース２６に排気する代わりに、保管倉庫室２０の外部に排気してもよい。
【００４８】
また、保管物が、液晶基板である場合を例に説明したが、清浄状態を維持すべき他の保管物であってもよい。例えば、半導体基板（ウェーハ）を保管する保管倉庫室に本発明を適用してもよい。また、カセット内に収容する場合に特に限定されない。
【００４９】
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【００５０】
【図１】本発明を適用した保管倉庫室の一例の全体を示す断面図
【図２】第１実施形態の保管倉庫室の要部を示す拡大図
【図３】第１実施形態におけるレールおよびその周辺を示す模式的な平面図
【図４】第２実施形態の保管倉庫室の要部を示す拡大図
【図５】第２実施形態におけるレールおよびその周辺を示す模式的な平面図
【図６】移動体装置の移動に応じて吸引を行う場合の保管室倉庫の要部平面図
【図７】（Ａ）は従来の保管倉庫室の要部を示す正面図、（Ｂ）はその側面図
【符号の説明】
【００５１】
１２…カセット、２０（２０ａ、２０ｂ）…保管倉庫室、２２…保管棚（保管部）、２４…ＦＦＵ（清浄空気供給装置）、２６…レタンスペース、３０、３００…レール、３１…レールの頭部、３２…レールの脚部、４０（４０ａ、４０ｂ）…吸引ガイド板、４１…底面板、４２…間隙、５０…吸引装置、５２…吸引経路、５４…吸引経路の上流部（集塵路）、５６…吸引経路の下流部（送塵路）、６０…スタッカクレーン、６２…スタッカクレーンの車輪、６４…スタッカクレーンの走行台車、６６…スタッカクレーンのフォーク、３１２…レールの内部空間（集塵路）、３１４…レールの吸引口
【技術分野】
【０００１】
本発明は気流制御方法および保管倉庫設備に係り、特に、液晶基板などの保管物を保管する保管倉庫でのレール走行に起因する発塵物が保管倉庫内で拡散することを防止する気流制御方法および保管倉庫設備に関する。
【背景技術】
【０００２】
液晶基板は、一般に、カセット型のケース（以下「カセット」という）内に半露出状態で収容される。このような液晶基板の保管倉庫室には、カセット内に収容された状態の液晶基板を保管する複数個の保管棚と、保管倉庫室内を移動してカセットを搬送するスタッカクレーンと、スタッカクレーンの稼働領域となるレールと、洗浄空気を供給する洗浄空気供給装置が設けられている。
【０００３】
図７（Ａ）および（Ｂ）に一例として示すスタッカクレーン６０は、フォーク６６でカセットを保持しながら上下させるとともに、車輪６２を有した走行台車６４でレール３０上を走行する。
【０００４】
特許文献１には、床面付近での清浄度の低下を防止するため、ファンフィルタユニットから清浄空気をストッカー（保管棚）内に横向きに吹き出してストッカーを通過させて床面近傍の吸い込み口より吸い込むことが記載されている。
【０００５】
特許文献２には、スタッカクレーンの移動の際にスタッカクレーンの近傍（横側や後ろ側）に発生する乱流が上方に拡散しないように、スタッカクレーンの近傍（横側や後ろ側）において強制的に上方から下方への気流を形成することが記載されている。
【特許文献１】特開２００６―２５６７９４号公報
【特許文献２】特開２００４―２９９８１３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
図７（Ａ）および（Ｂ）において、レール３０上を走行するスタッカクレーン６０は、発塵を抑えるため駆動部などはできるだけ密閉構造としているが、剥き出しとなっている箇所からどうしても発塵し、レール３０上を走行しながら保管倉庫室内に塵埃を撒き散らしてしまう。特に、車輪６２とレール３０とが摺動して磨耗し、これに因り発生した塵埃が巻き上がってしまう。
【０００７】
特許文献１、２に記載の方法は、部屋全体の気流による制御なので、スタッカクレーンから発生した塵埃は一旦保管倉庫内に放出されて拡散することには変りがない。つまり、部屋全体に供給する清浄空気を供給過多にして、発生した塵埃を部屋全体の気流から抑え込もうとしているので、部屋内に供給する清浄空気の風量が多くなってしまう。
【０００８】
本発明は、保管倉庫室内の発塵に伴う上記の問題点を鑑み、移動体装置のレール走行に起因する発塵物を室内で拡散させることなく、速やかに且つ効率よく吸引することができる気流制御方法および保管倉庫設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙から塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１０】
この構成によれば、車輪とレールから発生した塵埃を、保管倉庫室内で拡散させることなく速やかに且つ局所的に除去できるので、室内に供給する清浄空気の量を同じとするならば保室内全体の清浄度を向上させることができ、室内全体の清浄度を同じに保つならば室内に供給する清浄空気の量を削減することができる。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、前記レールの内部空間を吸引経路として用い、前記レールの内部空間から前記レールの外部の塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１２】
この構成によれば、レールそのものを吸引経路に使用するので、吸引用ダクトなどの新たな設備を最小限にとどめて、請求項１に記載の発明と同様の効果が得られる。すなわち、車輪とレールから発生した塵埃を、保管倉庫室内で拡散させることなく速やかに且つ局所的に除去できるので、室内に供給する清浄空気の量を同じとするならば保室内全体の清浄度を向上させることができ、室内全体の清浄度を同じに保つならば室内に供給する清浄空気の量を削減することができる。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の発明において、前記移動体装置の位置を検出し、前記移動体装置の移動に応じて吸引を行うことを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１４】
この構成によれば、移動体装置の移動に応じて吸引が行われるので、移動体装置が発塵しているときのみ吸引装置を稼働させることにより、安価なランニングコストで塵埃の拡散を防止することができる。
【００１５】
請求項４に記載の発明は、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の発明において、吸引を行う吸引装置の吸引時間、および、前記吸引装置内に設けられているフィルタの圧力損失値の少なくとも一方に基づいて、前記保管倉庫室の清掃の時機またはメンテナンスの時機を算出することを特徴とする気流制御方法を提供する。
【００１６】
この構成によれば、吸引装置の吸引時間（すなわち稼働時間）および塵埃を捕捉するフィルタの圧力損失値（すなわちフィルタの目詰情報）の少なくとも一方に基づいて、室内の清掃やメンテナンスの時機（日時、頻度等）を定量的に把握でき、効率良く清掃やメンテナンスの作業が実施可能となる。
【００１７】
請求項５に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、を備え、前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙を前記吸引装置に連通させる吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備を提供する。
【００１８】
請求項６に記載の発明は、保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、を備え、前記レールは、内部空間を有するとともに、当該レールの表面から前記内部空間まで貫通している吸引用の吸引口を有し、前記レールの内部空間を第１の吸引経路として、該第１の吸引経路を前記吸引装置に連通させる第２の吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備を提供する。
【発明の効果】
【００１９】
本発明によれば、移動体装置のレール走行に起因する発塵物を室内で拡散させることなく、速やかに且つ効率よく吸引することができるので、室内に供給する清浄空気の量を同じとするならば室内全体の清浄度を向上させることができ、室内全体の清浄度を同じに保つならば室内に供給する清浄空気の量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【００２１】
図１は、本発明を適用した液晶基板保管倉庫室（以下単に「保管倉庫室」という）の一例の全体を示す断面図である。
【００２２】
図１において、保管倉庫室２０は、清浄状態に維持すべき液晶基板を保管するための清浄室（クリーンルーム）である。この保管倉庫室２０は、主として、カセット型の容器１２（以下「カセット」という）に露出されて収納されている液晶基板を保管する保管棚２２と、保管倉庫室２０内に洗浄空気９０を供給するＦＦＵ２４（ファンフィルタユニット）と、ＦＦＵ２４へ循環空気が戻るためのレタンスペース２６と、カセット１２を搬送するスタッカクレーン６０が走行するレール３０と、レール３０近傍の空気を吸引するための吸引ガイド板４０と、吸引装置５０と、吸引経路５２を含んで構成されている。
【００２３】
スタッカクレーン６０は、車輪６２を有し、スタッカクレーン６０の移動領域としてのレール３０に沿って走行する走行台車６４と、保管物としての液晶基板が収容されているカセット１２を保持しつつ、その位置を上下方向等において移動させるフォーク６６を備える。
【００２４】
保管倉庫室２０全体の気流性状を説明すると、保管倉庫室２０内には、ＦＦＵ２４から吹き出された清浄空気がレタンスペース２６に吸い込まれる大きな気流が形成される。このような気流の中を、スタッカクレーン６０は、フォーク６６によってカセット１２を保持しながら、走行台車６４によって保管棚２２近傍の位置や、図示を省略した製造装置近傍の位置などの目的位置に移動する。その移動の際、スタッカクレーン６０とそれに接触する物体との摺動により発塵する。近年は、スタッカクレーン６０自体の密閉度を向上させたことにより、移動体であるスタッカクレーン６０内部からの発塵は非常に低減されつつあるが、剥き出しとなっている摺動箇所は対策しにくい。特に、車輪６２とレール３０からの発塵を無くすことは困難であり、また、スタッカクレーン６０は高速(例えば２〜３ｍ／ｓ以上)で移動するので、車輪６２およびレール３０から発生した塵埃がスタッカクレーン６０の移動とともに巻き上がり保管倉庫室２０内へ拡散することが懸念される。そこで、レール３０近傍の塵埃をレール３０近傍の空気とともに局所的に吸引する。
【００２５】
以下、第１実施形態および第２実施形態に分けて、保管倉庫室２０とその気流制御方法について説明する。
【００２６】
図２は、第１実施形態の保管倉庫室２０ａにおける要部拡大図であり、主として、レール３０および吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）の断面と、スタッカクレーン６０の走行台車６４を示す。
【００２７】
図２において、本例のスタッカクレーン６０の車輪６２は、レール３０の上端面で回転する。レール３０の１本ごとに、各レール３０に沿って、各レール３０の少なくとも上端面（すなわち車輪６２との接触面）を囲う一対の吸引ガイド板４０（内側の吸引ガイド板４０ａおよび外側の吸引ガイド板４０ｂ）が配置されており、吸引ガイド板４０とレール３０との間には、吸引用の間隙４２が形成されている。
【００２８】
吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）は、スタッカクレーン６０の走行を妨害しないように配置されている。内側の吸引ガイド板４０ａの上端は、レール３０の上端面より高く、且つ、スタッカクレーン６０の車軸６８より低い。外側の吸引ガイド板４０ｂの上端は、少なくともレール３０の上端面より高い。外側の吸引ガイド板４０ｂの上端を、車輪６２の上端よりも高くなるように設けてもよい。
【００２９】
レール３０は、車輪６２と接する頭部３１と、頭部３１を支える脚部３２からなり、本例では、レール３０の頭部３１と脚部３２との間に底面板４１が設けられ、レール３０の頭部３１と吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）と底面板４１とで囲まれた空間によって吸引流路５２の上流部５４（集塵路）が構成されている。
【００３０】
レール３０の寸法は、頭部３１の幅が例えば２００ｍｍ、長さが例えば数十ｍ〜数百ｍである。レール３０の材質としては、例えばアルミニウムを主成分とする金属またはＳＵＳ（ステンレス材）が挙げられる。車輪６２の材質としては、例えばＳＵＳ（ステンレス材）、ＭＣナイロン、ウレタン（金属系、樹脂系）が挙げられる。レール３０と吸引ガイド板（４０ａ、４０ｂ）との間隙４２は、例えば５ｍｍ〜２０ｍｍである。
【００３１】
吸引風速としては数１０ｍ／ｓ以上とする。保管倉庫室２０の清浄度クラスを１００〜１０とすると、発塵原を元から抑えるので、局所的にみれば１／１０以下にすることが可能である。
【００３２】
なお、吸引流路５２の上流部５４は、図２に示した場合に特に限定されず、底面板４１を設けないで吸引ガイド板４０の下端をレール３０の脚部３２に固着して、レール３０の頭部３１と吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）とレール３０の脚部３２とで囲まれた空間によって吸引流路５２の上流部（集塵路）を構成してもよい。レール３０の頭部３１の側面に吸引流路５２の上流部（集塵路）を配置してもよい。
【００３３】
レール３０およびその周辺の模式的な平面図を図３に示す。なお、図３では、便宜上、直線的な一対のレール３０を図示したが、実際には、スタッカクレーン６０が図１に示す各保管棚２２の近傍等へ自在に移動できるように、保管棚２２等の配置に応じた態様でレール３０が敷設されている。
【００３４】
吸引経路５２は、吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）により案内されたレール３０近傍の塵埃をレール３０近傍の空気とともに集める上流部５４（集塵路）と、一端が上流部５４に接続しているとともに他端が吸引装置５０に接続している下流部５６（送塵路）からなる。
【００３５】
スタッカクレーン６０が移動する際にレール３０および車輪６２で磨耗により発生する塵埃は、レール３０近傍の空気とともに、レール３０と吸引ガイド板４０との間の間隙４２から、吸引経路５２（５４、５６）を通じて、吸引装置５０に吸引される。そして、吸引装置５０内の図示を省略したフィルタにより、塵埃が除去されて空気のみが図１のレタンスペース２６へ放出される。
【００３６】
このように、レール３０近傍からレール３０近傍の空気を局所的に吸引可能な構成によって、レール３０および車輪６２からの発塵物は、レール３０近傍の空気とともに吸引されて吸引装置５０内で除去されるので、保管倉庫室２０内で拡散することが最小限に抑えられることになる。
【００３７】
図４は、第２実施形態の保管倉庫室２０ｂにおける要部拡大図であり、主として、レール３００および吸引ガイド板４０（４０ａ、４０ｂ）の断面と、スタッカクレーン６０の走行台車６４を示す。なお、図４において、図２に示した第１実施形態の保管倉庫室２０ａの構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してあり、既に説明した内容については、その説明を省略する。
【００３８】
図４に示すように、レール３００の頭部３１は、内部空間３１２と、レール３００の表面から内部空間３１２まで貫通している吸引用の吸引口３１４を有する。このようなレール３００の内部空間３１２を吸引経路５２の上流部５４（集塵路）として用い、レール３００の内部空間３１２からレール３００の外部の塵埃および空気を吸引する。
【００３９】
吸引経路５２は、レール３００の内部空間３１２からなりレール３００近傍の塵埃をレール３００近傍の空気とともに集める上流部５４（集塵路）と、一端が上流部５４に接続しているとともに他端が吸引装置５０に接続している下流部５６（送塵路）からなる。
【００４０】
スタッカクレーン６０が移動する際にレール３００および車輪６２で磨耗により発生する塵埃は、レール３００近傍の空気とともに、レール３００の頭部３１の吸引口３１４から、吸引経路５２（内部空間５４および送塵路５６）を通じて、吸引装置５０に吸引される。そして、吸引装置５０内の図示を省略したフィルタにより、塵埃が除去されて空気のみが図１のレタンスペース２６へ放出される。
【００４１】
このように、レール３００近傍からレール３００近傍の空気を局所的に吸引可能な構成によって、レール３００および車輪６２からの発塵物は、レール３００近傍の空気とともに吸引されて吸引装置５０内で除去されるので、保管倉庫室２０内で拡散することが最小限に抑えることになる。
【００４２】
レール３００およびその周辺の模式的な平面図を図５に示す。なお、図５では、便宜上、直線的な一対のレール３００を図示したが、実際には、スタッカクレーン６０が図１に示す各保管棚２２近傍等へ自在に移動できるように保管棚２２等の配置に応じた態様でレール３００が敷設されている。
【００４３】
図６は、スタッカクレーン６０の位置を検出し、スタッカクレーン６０の移動に応じて吸引を行う場合の保管倉庫室２０（２０ａ、２０ｂ）の要部平面図である。スタッカクレーン６０が通過しているレール３０のみから、吸引を行う。
【００４４】
スタッカクレーン６０の位置を検出する複数の位置センサ８２を保管倉庫室２０内にレール３０に沿って配置し、位置センサ８２からの出力信号をコントローラ８４に入力する。そして、コントローラ８４により、スタッカクレーン６０が通過しているレール３０がいずれのレール３０であるかの検出と、吸引装置５０に対する吸引開始指示および吸引停止指示を行う。これにより安価のランニングコストにて効率よく塵埃を除去できる。
【００４５】
また、コントローラ８４により、吸引装置５０の吸引時間（すなわち吸引装置５０の稼働時間）、および、吸引装置５０内のフィルタの圧力損失値（すなわちフィルタの目詰情報）の少なくとも一方に基づいて、保管倉庫室２０の清掃やメンテナンスの時機（例えば日時や頻度）を算出し、周知の表示装置（例えば液晶表示装置）に表示する。保管倉庫室２０内の汚染情報や汚染度を表示するようにしてもよい。
【００４６】
なお、図１〜図６において、図示の便宜上、スタッカクレーン６０の車輪６２の脱輪を防止するためのガイド部材を省略したが、レール３０を挟み込む形でローラ形状のガイド部材（ガイドローラ）が脱輪防止用に設置されている。このようなガイドローラと車輪６２との摺動に因って発生する塵埃も、集塵路５４を介して集められる。レール３０の側方に配置されているガイドローラと車輪６２との摺動に因って発生する塵埃の量は、スタッカクレーン６０の重量等がかかっている車輪６２とレール３０との摺動に因って発生する塵埃の量と比較して十分に小さい。
【００４７】
また、第１実施形態および第２実施形態において、吸引装置５０内の図示を省略したフィルタにより塵埃が除去されて清浄化された空気を、図１のレタンスペース２６に排気する代わりに、保管倉庫室２０の外部に排気してもよい。
【００４８】
また、保管物が、液晶基板である場合を例に説明したが、清浄状態を維持すべき他の保管物であってもよい。例えば、半導体基板（ウェーハ）を保管する保管倉庫室に本発明を適用してもよい。また、カセット内に収容する場合に特に限定されない。
【００４９】
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【００５０】
【図１】本発明を適用した保管倉庫室の一例の全体を示す断面図
【図２】第１実施形態の保管倉庫室の要部を示す拡大図
【図３】第１実施形態におけるレールおよびその周辺を示す模式的な平面図
【図４】第２実施形態の保管倉庫室の要部を示す拡大図
【図５】第２実施形態におけるレールおよびその周辺を示す模式的な平面図
【図６】移動体装置の移動に応じて吸引を行う場合の保管室倉庫の要部平面図
【図７】（Ａ）は従来の保管倉庫室の要部を示す正面図、（Ｂ）はその側面図
【符号の説明】
【００５１】
１２…カセット、２０（２０ａ、２０ｂ）…保管倉庫室、２２…保管棚（保管部）、２４…ＦＦＵ（清浄空気供給装置）、２６…レタンスペース、３０、３００…レール、３１…レールの頭部、３２…レールの脚部、４０（４０ａ、４０ｂ）…吸引ガイド板、４１…底面板、４２…間隙、５０…吸引装置、５２…吸引経路、５４…吸引経路の上流部（集塵路）、５６…吸引経路の下流部（送塵路）、６０…スタッカクレーン、６２…スタッカクレーンの車輪、６４…スタッカクレーンの走行台車、６６…スタッカクレーンのフォーク、３１２…レールの内部空間（集塵路）、３１４…レールの吸引口
【特許請求の範囲】
【請求項１】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、
前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙から塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法。
【請求項２】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、
前記レールの内部空間を吸引経路として用い、前記レールの内部空間から前記レールの外部の塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法。
【請求項３】
前記移動体装置の位置を検出し、前記移動体装置の移動に応じて吸引を行うことを特徴とする請求項１または２に記載の気流制御方法。
【請求項４】
吸引を行う吸引装置の吸引時間、および、前記吸引装置内に設けられているフィルタの圧力損失値の少なくとも一方に基づいて、前記保管倉庫室の清掃の時機またはメンテナンスの時機を算出することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の気流制御方法。
【請求項５】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、
清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、
塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、
を備え、
前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、
前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙を前記吸引装置に連通させる吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備。
【請求項６】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、
清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、
塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、
を備え、
前記レールは、内部空間を有するとともに、当該レールの表面から前記内部空間まで貫通している吸引用の吸引口を有し、
前記レールの内部空間を第１の吸引経路として、該第１の吸引経路を前記吸引装置に連通させる第２の吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備。
【請求項１】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、
前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙から塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法。
【請求項２】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、塵埃とともに空気を吸引する吸引装置とを備えた保管倉庫室における気流を制御する気流制御方法であって、
前記レールの内部空間を吸引経路として用い、前記レールの内部空間から前記レールの外部の塵埃および空気を吸引することを特徴とする気流制御方法。
【請求項３】
前記移動体装置の位置を検出し、前記移動体装置の移動に応じて吸引を行うことを特徴とする請求項１または２に記載の気流制御方法。
【請求項４】
吸引を行う吸引装置の吸引時間、および、前記吸引装置内に設けられているフィルタの圧力損失値の少なくとも一方に基づいて、前記保管倉庫室の清掃の時機またはメンテナンスの時機を算出することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の気流制御方法。
【請求項５】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、
清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、
塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、
を備え、
前記レールとの間に吸引用の間隙を形成する吸引ガイドを、前記レールのうちで少なくとも前記移動体装置の車輪との接触面を囲うように前記レールに沿って配置し、
前記レールと前記吸引ガイドとの間の前記間隙を前記吸引装置に連通させる吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備。
【請求項６】
保管物を搬送する移動体装置が走行するレールと、
清浄空気を供給する清浄空気供給装置と、
塵埃とともに空気を吸引する吸引装置と、
を備え、
前記レールは、内部空間を有するとともに、当該レールの表面から前記内部空間まで貫通している吸引用の吸引口を有し、
前記レールの内部空間を第１の吸引経路として、該第１の吸引経路を前記吸引装置に連通させる第２の吸引経路を設けたことを特徴とする保管倉庫設備。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００８−３０８２６７（Ｐ２００８−３０８２６７Ａ）
【公開日】平成２０年１２月２５日（２００８．１２．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１５６４６２（Ｐ２００７−１５６４６２）
【出願日】平成１９年６月１３日（２００７．６．１３）
【出願人】（０００００５４５２）株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１２月２５日（２００８．１２．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年６月１３日（２００７．６．１３）
【出願人】（０００００５４５２）株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Ｆターム（参考）】
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