説明

水中ポンプに連結されるケーブル連結部

水中ポンプ(15)に、液体が外部電気ケーブル(11)を介して水中ポンプ(15)のポンプハウジング(50)のヘッド(48)内の通し開口部(49)を通って浸入することを防止するように電力及び/又は制御信号を供給するためのプラグコネクタ装置(10)であって、装置(10)のポンプ側プラグコネクタ部(13)は、ハウジングヘッド(48)の通し開口部(49)内に、軸方向に移動可能であるように配置され、装置(10)のケーブル側プラグコネクタ部(12)には絶縁コーティング(25)が設けられている。絶縁コーティング(25)は、ケーブルジャケット(20)の領域から、プラグコネクタ部(12)のプラグコネクタ接触部(17)まで延在し、絶縁コーティング(25)周囲にて、プラグコネクタ部(12)の自由端より後ろにカップリング部(27)が設けられており、カップリング部(27)は、ポンプハウジング(50)のヘッド(48)内の通し開口部(49)の外端上の対応するカップリング部(54)に、機械的に固定されるように連結されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の、液体の浸入を防止するように電力及び/又は制御信号を水中ポンプに供給するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中ポンプにおいて、全てのケーブル(例えば、電圧供給ケーブル、フロートスイッチに連結されるケーブルなど)は、通常、シール手段が充填されたフィードスルーを通してポンプハウジングの内部に直接配線され、関連する電気部品に接続されている。時論に従えば、これは液体の浸入を防止して電力及び/又は制御信号を供給するための最も費用効率的で簡単な方法である。
【0003】
しかし、このタイプの水中ポンプは、消防署により地下で用いられる場合や、民間企業、産業などにおける他の救助組織により用いられる場合において、概して粗雑な取り扱いを受けやすい。従って、ケーブル又はライン自体が、ポンプのハウジングヘッドに連結されている領域又はそれより上流の領域にて何度も繰り返し損傷され、又は切断されることがある。このため、液体がケーブルの内部を通ってポンプハウジング内に浸入し、電気部品を損傷することがある。このような場合、液体の浸入を防止するようにポンプハウジングに連結されているハウジングヘッドを取り外し、交換して新しいケーブルを備え付ける必要があるため、水中ポンプ全体を製造業者に戻して多額の費用で修理させなければならない。これを現場で行うことはできないため、比較的長期間にわたり高価な代替装置を用いなければならないことも多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記のタイプの水中ポンプに、電力及び/又は制御信号を、液体の浸入を防止するように供給するための装置であって、供給ケーブルが損傷した場合、修復をより十分に、迅速に、且つ現場にて実行することができ、同時に、このタイプの損傷が生じた場合、水分がケーブルを介してポンプハウジング内部に浸入することを防止する装置を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を上記のタイプの装置にて達成するために、請求項1に示されている特徴を提供する。
【0006】
本発明により提供される手段により、供給ケーブルは、ポンプハウジングの外部に着脱可能に配置される。これにより、供給ケーブルが損傷した場合でも、供給ケーブルを単純な交換方法により取り替えることができる。この交換は、従来のツールを用いて、且つ簡単な方法で達成される。すなわち、プラグコネクタ装置の連結を解除し又は連結させるために、ポンプ側にあるプラグコネクタ部をフィードスルーから外部へと移動させればよい。また、ケーブルが損傷又は破損されても、依然取り付けられているプラグコネクタ及びフィードスルーを通ってポンプハウジング内に水分又は水が浸入することができないように、ケーブル側プラグコネクタ部を、ケーブル側プラグコネクタ部自体で構成しても、フィードスルー内のポンプ側プラグコネクタ部と協働するように構成してもよい。
【0007】
請求項2に記載の特徴によれば、ポンプ側プラグコネクタ部をフィードスルーに戻し、且つケーブル側プラグコネクタ部をポンプハウジングヘッドに連結した後でも、ポンプ側プラグコネクタ部はフィードに対して軸方向に押し付けられているため、ポンプハウジングの外部で達成されたケーブル側コネクタ部とポンプ側コネクタ部とのプラグ連結を保証できる。
【0008】
請求項3に記載されている特徴は、差込状態及びプラグ連結部がポンプハウジングに取り付けられた場合における外部に対するシールのさらなる改良を示すものである。
【0009】
請求項4に記載されている特徴は、ケーブル及び水中ポンプの間におけるこのタイプのプラグ連結の第1の例示的な実施形態に従って提示する。請求項5〜7に記載されている1以上の特徴は、ケーブル側プラグコネクタ部のシールに関するさらなる改良をもたらす。請求項6に記載されている特徴によって、ケーブルジャケットと絶縁コーティングとの間で一種の加硫が達成される。
【0010】
請求項8の特徴は、有利な設計構成を示す。
【0011】
請求項9に記載されている特徴によって、前記2つのプラグコネクタ部の間の簡単なシールを達成する。
【0012】
請求項10に記載されている特徴は、このタイプのプラグ連結の第2の例示的な実施形態に従って提示する。この実施形態は、3相駆動型で且つ非常に重量の大きい大型ポンプへの適用を本質的に容易にするものである。
【0013】
この目的のための有利な構成を、ケーブル側プラグコネクタ部に関しては、請求項11〜19の1以上における特徴によって提供し、ポンプ側プラグコネクタ部に関しては、請求項20に記載されている特徴によって提供する。
【0014】
本発明のさらなる詳細は、以下の説明から得られる。以下の説明において、本発明を、より詳細に記載し、また、図面に記載された例示的な実施形態に基づいて論じる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図2Aの線I−Iに沿った長手方向の切取図であり、本発明の第1の例示的な実施形態に従う水中ポンプのためのプラグコネクタ装置のケーブル側プラグコネクタ部を示す。
【図2A】図1に示したケーブル側プラグコネクタ部の前面図である。
【図2B】ケーブル側プラグコネクタ部に挿入するように適合された、図3に示されるポンプ側プラグコネクタ部の前面図である。
【図3】ポンプ側プラグコネクタ部の、図2Bの線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】本発明の第1の例示的な実施形態に従うプラグコネクタ装置の、差込状態における、図2Aの切取線IVA−IVAに沿った、又は、図2Bの切取線IVB−IVBに沿った切取図、すなわち分割断面図である。
【図5】図6Aの線V−Vに沿った長手方向の切取図であり、本発明の第2の例示的な実施形態に従う水中ポンプのためのプラグコネクタ装置のケーブル側プラグコネクタ部を示す。
【図6A】図5に示したケーブル側プラグコネクタ部の前面図である。
【図6B】ケーブル側プラグコネクタ部に挿入するように適合された、図7に示されるポンプ側プラグコネクタ部の前面図である。
【図7】ポンプ側プラグコネクタ部の、図6Bの線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】本発明の第2の例示的な実施形態に従う水中ポンプのための、図5に示したケーブル側プラグコネクタ部と図7に示したポンプ側プラグコネクタ部とから成る、連結されたプラグコネクタ装置の切取図、すなわち分割断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に記載されているプラグコネクタ装置10及び110は、水中ポンプにて電力及び/又は制御ケーブル11のために用いられ、これらの装置は、水中に浸漬されたとき、すなわち、水中にあるときに、ポンプ側のプラグコネクタ部13,113に連結されたケーブル側のプラグコネクタ部12,112のケーブル11に欠陥が生じた場合でも、外部からの水分が水中ポンプ15,115内に浸入できないような設計及び組立を目的として構成されている。
【0017】
図1〜図4は、本発明の第1の例示的な実施形態に従う、3極型のプラグコネクタ装置10を示す。
【0018】
図1は、3本のプラグ接触部17の絶縁ハウジング16を収容しているケーブル側のプラグコネクタ部12を示す。プラグ接触部17は、図2Bに示されるように配置され、この実施形態においては、1部品にミル加工された(milled)ピン接触部として構成されている。このために、各プラグ接触部17の絶縁ハウジング16は、段付きの、軸方向に延在する通し穴18を有し、通し穴18の前方領域においては、プラグ接触部17のピンが差込方向に配置され、通し穴18の、より小さい直径を有する中央領域には、プラグ接触部がカラーに対して軸方向に押し付けられて保持され、通し穴18の後方領域にては、プラグ接触部17のクリンプスリーブ19が配置され、前記クリンプスリーブの各々は、ケーブル11の導体14に、電気的に且つ機械的に、固定されて連結されている。絶縁ハウジング16の外周上に突出部21が設けられており、突出部21はリング形状の周囲領域上に配置され、突出部21の外径は絶縁ハウジング16の外周の外径より大きく、前記突出部は後端に取り付けられ、これにより、ケーブル11の方向に向いたショルダ22を画成している。突出部21は、プラグ接触部17の前方自由端が位置する軸方向面に配置されている。絶縁ハウジング16の端面23と突出部21との間にリング24が設けられており、リング24の外径は突出部21の外径よりも幾分小さい。
【0019】
絶縁ハウジング16は、水分の浸入を防止するように、絶縁ハウジング16の端面23の面から、プラスチック又はゴム製のジャケット25によりスプレーコーティングされており、前記ジャケットは、図1に見られるように、導体14を通過してケーブル11のジャケット20の軸方向領域に延在している。また、ゴムジャケット25は、導体14に連結されたプラグ接触部17のクリンプスリーブ19を取り囲み、従って、プラグ接触部17は、軸の両方向にて固定されている。ゴムジャケット25の周囲にて、外周上に突出部21が視認できる。突出部21及びリング24をスプレーコーティングすることにより、絶縁ハウジング16はゴムジャケット25内に、半径方向及び周方向の両方にて適切な位置に固定され、また、もし絶縁コーティング25がケーブル11の領域にて損傷されても、ケーブル側プラグコネクタ部12の軸方向にてシールされている。ケーブルジャケット20の材料はゴムスリーブ25の材料として選択され、従って、一種の加硫がスプレーコーティングにより達成される。
【0020】
絶縁ハウジング16の差込方向における、突出部21までの後方領域を取り囲むゴムジャケット25の領域26が、軸方向に移動可能な「ユニオン」ナット27により取り囲まれている。領域26におけるゴムジャケット25の外周の直径は突出部21の外径よりも小さいため、ナット27はショルダ22と接触する。また、ゴムジャケット25の外径は、ナット27が長手方向に移動し続けることができるようにケーブルジャケット20の領域を超えて延在する。ナット27は、差込方向において前方部分に外ねじ28を有し、また、後方に向って取り付けられた六角形のラグ29を有し、これにより、例えば、ツール(特にはレンチ)の使用を可能にしている。
【0021】
ケーブル側プラグコネクタ部12を水中ポンプ15と共に輸送するために、粉塵用キャップ31及びシールリング32が設けられている。シールリング32を間に挟んだ状態で、粉塵用キャップ31を、ケーブル側プラグコネクタ部12の一部分の上に押し嵌めることができる。この部分は、差込方向における前方にあり、且つ、ユニオンナット27の外ねじ28の上にある。
【0022】
図3に記載されているように、ポンプ側のプラグコネクタ部13は絶縁ハウジング36を有し、絶縁ハウジング36内の、軸方向に延在する3本の通し穴38(三角形状の周上に分布されるように配置されている)の内部には、1部品にミル加工された雌型接触部の形態のプラグ接触部37が配置されている。これらの雌型接触部37は、差込方向における雌接触部37の後端にて、ケーブルの導体に連結された(この状態は図示せず)クリンプスリーブ39を有し、また、差込方向における雌接触部37の前方領域において、雌接触部37は、ピン接触部17を受け入れるための複数の軸方向スロットを有するブッシュ41を有する。プラグ接触部37の中央領域は、絶縁ハウジング36内で押される(この状態は詳細には図示せず)ことにより軸方向に保持されている。絶縁ハウジング36の本体40内に、差込方向における後方領域に形成された通し穴38が、差込方向における前方領域にてスリーブ状に構成され、それにより、通し穴38は、ケーブル側プラグコネクタ部12の絶縁ハウジング16の、軸方向に延在する対応する通し穴18内に嵌合する。
【0023】
ポンプ側プラグコネクタ部13の絶縁ハウジング36の、ブッシュ41に面した本体40の端部に環状のラグ42が設けられており、ラグ42の、差込方向における前方領域が円錐状のショルダ43を形成し、ラグ42の、差込方向における後方領域が、ショルダ44を形成するために段付きで構成されている。ショルダ44に関連して、絶縁ハウジング36の本体に連結用の2つの環状溝が設けられており、これらの溝の各々の内部にOリング45又はOリング46が挿入される。
【0024】
図4は、プラグコネクタ装置10の配置を示し、この装置は、プラグコネクタ部12とプラグコネクタ部13とをポンプハウジング50のヘッド48内にて連結することにより形成される。ポンプハウジング50のヘッド48に、壁を通る開口部(通し開口部)49が設けられており、開口部49はハウジングヘッド48内に段付きで構成されており、従って内部ショルダ51を形成している。ハウジングヘッド48から突出するケーブル(図示せず)の端部がプラグ接触部37に連結又は圧着された後に、ポンプ側プラグコネクタ部13の絶縁ハウジング36が、外側から、通し開口部49内に挿入される。差し込まれた状態において、絶縁ハウジング36の後方ショルダ44が、通し開口部49内のショルダ51と接触する。Oリング45及びOリング46の両方が、通し開口部48内で、ショルダ44の後ろでポンプハウジング50の内部方向に絶縁ハウジング36をシールする。ブッシュ41の端面が、通し開口部49の延長ラグ53内の同一面に配置される。延長ラグ53には、端面52の側から見られる内部溝54が設けられており、ケーブル側プラグコネクタ部12の差込状態において、溝54内に「ユニオン」ナット27の外ねじ28をねじ込むことができる。すなわち、ケーブル側プラグコネクタ部12を、通し開口部49内に配置されたポンプ側プラグコネクタ部13に挿入した後、ピン接触部17がスリーブ接触部37内に挿入され、絶縁ハウジング16の端面23が、シールリング32を介して絶縁ハウジング36の円錐状端面43と接触する。ナット27と通し開口部49とのねじ連結を固定した後、シールリング32が、シールを半径方向及び軸方向の両方にて形成するように押し込まれる。こうして、プラグコネクタ装置10の連結された状態において、シールリング32が水分の浸入を防止する。さらに、この領域のゴムジャケット25が、通し開口部49内に、シールを形成するように挿入される。
【0025】
図5〜図8に示されているように、第2の例示的な実施形態に従うプラグコネクタ装置110において、ケーブル側プラグコネクタ部112のプラグ接触部117、及びポンプ側プラグコネクタ部113のプラグ接触部137から成る7本ポール型の装置が設けられている。この実施形態おいては、ケーブル側プラグコネクタ部112のプラグ接触部117がスリーブ接触部として構成され、ポンプ側プラグコネクタ部113のプラグ接触部37がピン接触部として構成されている。
【0026】
図5を参照すると、ケーブル側プラグコネクタ部112は絶縁ハウジング116を有し、絶縁ハウジング116には、個々にプラグ接触部117を受け入れるための対応する通し穴118が設けられている。記載されている例示的な実施形態において、熱可塑性化合物(例えばポリブチレンテレフタレート)からつくられた絶縁ハウジング116に、スリーブ状のラグ156が設けられ、ラグ156の外径は、ラグ以外の絶縁ハウジング116の外径よりも大きく、従って、ラグ156に、差込方向と反対の側にてショルダ122が設けられている。スリーブラグ156の内径は、中断されない中空の空間を有し、また、スリーブラグ156の内径に内部ショルダ157が設けられている。個々のプラグ接触部117は、軸方向において両方向に押されるように段付きの通し穴118内に保持されている。さらに、プラグ接触部117は、プラグ接触部117の中央領域からクリンプスリーブ119へと向う遷移部にて環状の溝を有し、この環状溝内にOリング158が、通し穴118内にシールを形成するために設けられている。
【0027】
絶縁ハウジング116の主要領域、すなわち本体領域は金属チューブ160により取り囲まれており、金属チューブ160の前端161はフランジ状に曲げられ、金属チューブ160の後端はクリース(襞部)162として構成されている。好ましくは、ステンレス鋼からつくられるこの金属チューブ160内に、ゴム製の保護スリーブ163が射出成形又は挿入されている。金属チューブ160の範囲に延在するこのゴム保護スリーブ163の領域は、フランジ端161周囲にて、さらなるフランジ端164として終端となり、ゴム保護スリーブ163の後方領域165は、厚みが増大された領域として構成され、ケーブル(図示せず)のための通し開口部として機能する。ケーブルはプラグ接触部117に接続され、且つ絶縁ハウジング116に通じている。クリース162は、ケーブル(図示せず)を適切な位置に固定するように機能し、これにより、ケーブルに加えられる応力を低減し、そしてまた、絶縁ハウジング116を軸方向における適切な位置に固定する。絶縁ハウジング116は、ほぼ軸方向における中央領域に環状の溝を有し、この溝内に、ゴム保護スリーブ163の内部環状バー166が、組立中に適切な位置にロックされるため、絶縁ハウジング116は、軸方向における適切な位置に固定される。この実施形態においても、もしケーブル(図示せず)が損傷されても、ゴム保護スリーブ163からケーブル側プラグコネクタ部112の前方差込領域に水分が浸入する可能性はなく、特に、ゴム保護スリーブ163の後方領域167,168が、ケーブルジャケット周囲に、パイプクランプ状要素(図示せず)を用いて適切な位置に固定されている場合、このような水分浸入の可能性がない。
【0028】
ユニオンナット127が金属チューブ160周囲を取り囲んでいる。ユニオンナット127も、ツールが用いられることを可能にするための前方外ねじ128及び後方六角形ラグ129を有する。ユニオンナット127は金属チューブ160に沿って移動されることができ、前方に押された状態において、金属チューブ160の前方フランジ状曲げ端161と接触する。ユニオンナット127は差込方向から遠ざかる方向に金属チューブ160全体の上を移動することができ、また、ゴム保護スリーブ163の後端167,168の周囲に配置されたパイプクランプ状連結要素の上を移動することができる。従って、コネクタ部112のプラグ接触部117にて絶縁ハウジング116を、金属チューブ160を取り囲むゴム保護スリーブ163内に妨害されることなく挿入することができる。
【0029】
図7は、絶縁ハウジング136を有するパイプ側プラグコネクタ部113を示し、ハウジングの通し穴138内にプラグ接触部137が適切な位置に軸方向にて固定されており、また、プラグ接触部137は、押し込まれることにより適切な位置に保持される。絶縁ハウジング136に、クリンプスリーブ139の後端の一領域にて外部環状ラグ142が設けられている。ラグ142は、差込方向において円錐状ショルダ143を有し、差込方向と反対の方向においてはショルダ144を有する。プラグ接触部137は、図3に示したプラグ接触部37と同様に、絶縁ハウジング136の本体140から突き出たスリーブ内の前方に配置されている。
【0030】
ポンプ側プラグコネクタ部113を、ポンプハウジング150のヘッド148の通し開口部149内に配置した様子を図8に示す。これは、第1の例示的な実施形態の配置と同様に設計されている。この実施形態においても、ハウジングヘッド148内の通し開口部149は、外側から見られる内部ショルダ141を有する。差込状態において、この内部ショルダ141にポンプ側プラグコネクタ部113が、ポンプ側プラグコネクタ部113のショルダ144にて接触する。
【0031】
ハウジングヘッド148内の通し開口部149は、前方領域に、内部溝穴154を有し、この溝穴内に「ユニオン」ナット127を、ナット127の外ねじを用いてねじ込むことができる。差し込まれ、且つねじ込まれた状態において、スリーブラグ156の環状の端面は、シールリング132を介して円錐状ショルダ143に押し付けられ、これにより、この実施形態においても、通し開口部149内でのプラグ連結部の軸方向及び半径方向のシールが達成される。
【0032】
この例示的な実施形態においても、外部からポンプ側プラグコネクタ部113を、通し開口部149から取り外し、ポンプハウジング50内に配置された関連する電気リード線に接続することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が外部電気ケーブル(11)を介して水中ポンプ(15,115)のポンプハウジング(50,150)のヘッド(48、148)内の通し開口部(49,149)内に浸入することを防止するように、前記水中ポンプ(15,115)に電力及び/又は制御信号を供給するためのプラグコネクタ装置(10,110)であって、
前記プラグコネクタ装置(10,110)のポンプ側プラグコネクタ部(13,113)は、前記ハウジングヘッド(48,148)の前記通し開口部(49,149)内に、軸方向に移動可能であるように配置され、
前記プラグコネクタ装置(10,110)のケーブル側プラグコネクタ部(12,112)に絶縁コーティング(25,125)が設けられており、
前記絶縁コーティング(25,125)は、ケーブルジャケット(20)の領域から、プラグコネクタ部(12,112)のプラグコネクタ接触部(17,117)まで延在し、
前記絶縁コーティング(25,125)の周囲の、プラグコネクタ部(12,112)の自由端の後方にカップリング部(27,127)が設けられており、
前記カップリング部(27,127)は、前記ポンプハウジング(50,150)の前記ヘッド(48,148)内の前記通し開口部(49,149)の外端上の対応するカップリング部(54,154)に、機械的に固定されるように連結されることができる、
前記装置。
【請求項2】
前記ポンプ側プラグコネクタ部(13,113)は、プラグコネクタ接触部(17,117)を受け入れる絶縁ハウジング(36,136)の外周から突出する接触ショルダ(44,144)で、対応するショルダ(57,157)と、前記通し開口部(49,149)の内部に向って軸方向に接触し、
前記接触ショルダ(44,144)から遠ざかる側の周領域上で、前記ポンプ側プラグコネクタ部に環状シール(32,132)が設けられ、
前記シール(32,132)に、前記プラグコネクタ装置(10,110)の組立状態でケーブル側プラグコネクタ部(12,112)の端面が押し付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記環状シールは、Oリング(32,132)であり、
前記Oリング(32,132)は、閉じたショルダリング(42,142)の円錐状環状面(43,143)に接触し、
前記ショルダリング(42,142)は、前記環状面から遠ざかる側に前記接触ショルダ(44,144)を構成する、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ケーブル側プラグコネクタ部(12)の、前記プラグコネクタ接触部(17)を受け入れる前記絶縁ハウジング(16)は、ケーブル側プラグコネクタ部(12)の端面と面一になるように前記絶縁コーティング(25)により取り囲まれている、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記絶縁コーティング(25)は、
ケーブルジャケット(20)、ケーブル(15)の個々の導体(14)を取り囲み、
前記プラグコネクタ接触部(17)の関連する端部(19)における前記個々の導体(14)のクリンプ連結部を部分的に取り囲む、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記絶縁コーティング(25)は、ケーブルジャケット(20)と同一の材料からなる、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ケーブル側プラグコネクタ部(12)の前記絶縁ハウジング(16)の、絶縁コーティング(25)により完全に又は部分的に取り囲まれている外周側に突出部(21)が設けられている、
請求項4〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記突出部(21)の一部は、外ねじを備えたナット(27)として構成された前記カップリング部の軸方向配置をもたらすように機能する、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ポンプ側プラグコネクタ部(113)の、前記プラグコネクタ接触部(37)を受け入れる絶縁ハウジング(36)の、接触ショルダ(44)から離れた外周側部上に、Oリングを有する環状溝(45、46)が設けられている、
請求項4〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
絶縁コーティング(125)は、ゴム保護スリーブ(163)により形成され、
ゴム保護スリーブ(163)は、金属、好ましくはステンレス鋼からなるスリーブ(160)により取り囲まれている、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ゴム保護スリーブ(163)は、前記スリーブ(160)の端部を超えて延在する、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記スリーブ(160)にフランジ状の曲げ端面(161)が設けられている、
請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記スリーブ(160)の、前記プラグコネクタ接触部(137)のための前記絶縁ハウジング(136)の受容部からジャケットが設けられた前記ケーブルまでの遷移領域における、前記スリーブ(160)の端面(161)から遠い側の端部に、周状側部クリース(162)が設けられている、
請求項10〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ゴム保護スリーブ(163)が、前記スリーブ(160)の内周に沿って射出成形され又は組み立てられる、
請求項10〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
外ねじ付きナット(127)として設けられた前記カップリング部は、前記スリーブ(160)の前記フランジ状の端面(161)と接触する、
請求項10〜14のいずれか一項記載の装置。
【請求項16】
前記ケーブル側プラグコネクタ部(112)の、プラグコネクタ接触部(117)を受け入れる前記絶縁ハウジング(116)は、より大きい外径を有する軸方向延在スリーブ(156)を有し、
前記スリーブ(160)は、前記ゴム保護スリーブ(163)を介して前記スリーブの外部ショルダに接触する、
請求項10〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
差込状態において、前記ポンプ側プラグコネクタ部(113)の前記絶縁ハウジング(136)上の軸方向ショルダ(144)が延在リング(156)の内部ショルダ(157)と接触する、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記絶縁ハウジング(136)が熱可塑性プラスチック化合物、好ましくはポリブチレンテレフタレートからなる、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記絶縁ハウジング(136)の外周側部に環状溝が設けられ、
前記溝内に、前記ゴム保護スリーブ(163)の内部環状ラグを嵌合させることができる、
請求項10〜18のいずれか一項記載の装置。
【請求項20】
軸方向に差し込まれることができるように前記ケーブル側プラグコネクタ部(112)の前記絶縁ハウジング(116)に受け入れられる前記プラグコネクタ接触部(117)に、軸方向に保持されたOリングが設けられている、
請求項10〜19のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−545109(P2009−545109A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521129(P2009−521129)
【出願日】平成19年6月30日(2007.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005815
【国際公開番号】WO2008/011961
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(597076152)アイティーティー マニュファクチュアリング エンタープライズィズ インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】ITT Manufacturing Enterprises Inc.
【住所又は居所原語表記】1105 North Market Street Suite 1217 Wilmington Delaware 19801 United States of America
【Fターム(参考)】