説明

水中発電機

水流から電力を生成するための発電装置が記載されている。発電装置は、発電機、選択された方向からの流水に応じて選択された方向に回転するように発電機に動作可能に取り付けられた第1ブレードセットと、回転するように発電機に動作可能に取り付けられ、第1ブレードセットに動作可能に接続した第2ブレードセットであって、第1ブレードセットと同軸上であり、第1ブレードの下流又は後流領域に配置される第2ブレードセットと、を備え、発電機は、ブレードセットの少なくとも1つにより駆動されるように適用され、発電機は第1ブレードセットと第2ブレードセットとの間で概ね同軸上に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、河川の流れ、海流、水中潮流及び水流から使用可能な電力を生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
河川の流れ、海流、潮流といった水流から、通常は電気電力等の使用可能な電力へと変換、生成するための機械が提供されてきた。この様な周知の機械により変換され、生成された電力を増加させるために、より規模の大きい機械を製造する試みがなされてきた。この様な試みにより、機械の一部又は全体をより大きな機械応力に晒すこととなり、結果として逆効果になってしまう。
【0003】
ブレードの長さが増し、ブレード、支柱及び他の部分への荷重試験が非常に複雑な疲労問題となった。結果として、部品自体が高価で複雑になり、一方でモデリングも高価で時間がかかるようになった。また、製品寿命も低減しメンテナンスサイクルも短くなっている。
【0004】
本発明者らは、特に潮流及び海流から電力を生成することに適した水中発電装置を開発した。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの態様によると、水流から電力を生成するための発電装置が提供され、発電装置は、
発電機と、
選択された方向からの流水に応じて選択された方向に回転するように発電機に動作可能に取り付けられた第1ブレードセットと、
回転するように発電機に動作可能に取り付けられ、第1ブレードセットに動作可能に接続した第2ブレードセットであって、第1ブレードセットと同軸上であり、第1ブレードの下流又は後流領域に配置される第2ブレードセットと、を備え、
発電機はブレードセットの少なくとも1つにより駆動されるように適用され、発電機は第1ブレードセットと第2ブレードセットとの間で概ね同軸上に配置される。
【0006】
いくつかの構成では、同軸上に配置された第1及び第2セットブレードは、第1及び第2ロータ上にそれぞれ取り付けられている。この構成では、第2ロータが第1ロータと同じ方向に回転するように、互いに動作可能に連結又は結合したローターシャフトを備えるシャフトアセンブリ上に第1及び第2ロータが取り付けられていることが好ましい。
【0007】
他の構成では、第1ブレードセットを第2ブレードセットから切り離すために、クラッチ又はブレーキ構成が設けられている。従って、この様な構成では、運転中、第2ブレードセットはブレーキ装置により停止位置でロックされる、又は、完全に切り離されて自由に回転するようにし得る。
【0008】
代替構成では、連結装置はブレードセットの間に設けられ、第1ブレードセットと反対方向に第2ブレードセットを駆動し得る。
【0009】
更なる実施形態では、発電機は、回転シャフトに動作可能に連結した独立する発電機により駆動され得る。発電機シャフトは、ローターシャフトよりも高い又は低い率で回転するようにギアボックスに動作可能に接続している。
【0010】
しかし、好適には、第1及び第2ロータが発電機を直接駆動し、これにより第1及び第2ロータが同じ率で回転するように、共有のローターシャフト上に取り付けられている。好適には、ロータはハブを介して干渉はまり(interference fit)又はスプライン接続(splined connection)によりシャフト上に取り付けられている。
【0011】
好適には、ブレードセット毎に設けられた複数のブレードが存在する。例えば、2〜10個といった任意の好適な数のブレードが設けられ得る。好適な形式では、ブレードセット毎に3つのブレードが設けられる。好適な構成では、第2セットのブレードが共通シャフト上で回転する際に、直接第1セットのブレードの影になることがないように、第1セットに対する角度位置に関して交互に配置されている。回転方向を選択するための好適要素は、ブレードの配置であり、好適な実施形態ではブレードの迎角が固定されるが、いくつのかの実施形態ではブレードのピッチは可変である。
【0012】
より好ましい形式では、2つのブレードセットは実質的に同一の特徴及びサイズを有する同じ数のブレードを含む。従って、使用中、1つのブレードセットはもう一方のブレードセットを覆い隠す。
【0013】
任意選択的に、1つのロータ上のブレードセットのブレードは、別のロータのブレードセット上のブレードとは異なる形状を持ち得るが、どちらのブレードセットのブレードもその数、長さ、断面及び他の主な特徴が一致していることが好ましい。
【0014】
好適には、第1及び第2ロータは、任意の好適な分離距離で隔てられている。好適な実施形態では、分離距離は、少なくともブレード同士が隣接するよりも距離を置いて配置されていると考えら得る距離である。
【0015】
好適には、ブレードセットは、有効距離、後流フィールド又は後流領域、及びブレードのほぼ直径の長さで離れて配置されている。後流領域検査及びモデリングでは、最適な運転のための分離距離は、約0.5dから10dの間で変化し得ることが示される。
【0016】
好都合には、本発明の好適な実施形態のモデリング及び検査では、直径が大きい単一のブレードセットと比較すると、より小さい直径の複数のブレードセットから増加した電力を得ることができることが示される。これらの実施形態では、cost/kWHが著しく低減し得る。
【0017】
好適には、本発電装置は水中及び海中での取り付け及び使用に適する。
【0018】
ロータは、好適にはロータ上の抵抗及び水乱流を低減させるために、ロータの前面に取り付けられたノーズコーンを含む。好適には、ノーズコーンは空洞になっており、制御システムなどの補助システム又は主要システムのリザーバのための空間を提供している。
【0019】
双方向ブレードと同様に単方向ブレードを含む実施形態は、迎角又は流れの方向を変え得る潮流に随時ブレードセットの位置を合わせるための回転システムを含み得る。
【0020】
従って、1つの実施形態では、少なくとも1つの発電機及び縦軸に沿って間隔を空けて配置された、上述する2つの回転可能に取り付けられたブレードセットを備えたタービンヘッドユニットについて、その縦軸が潮流又は迎角の流れと平行するように、自動又は手動(電気駆動又は他の手段を介して)実質的に位置合わせするようにタービンヘッドユニットが取り付けられた構成になり得る。従って、この実施形態ではタービンヘッドユニットは、パイロンの上に回転可能に取り付けられている。
【0021】
好適には、パイロンは実質的に垂直であるが、ブレードがロータを中心として回転する際に、ブレードが海底から離れるのに十分な選択された距離で、パイロンがナセルを海底から離して配置するような配置であれば、パイロンがあらゆる選択された好適な方向にあってよい。回転装置は、タービンヘッドユニットから離れてパイロン上に配置されるか、タービンヘッドユニットに隣接して配置されている。
【0022】
発電装置はモジュレータであり得る。つまり、好適なステージで組み合わせ得る着脱可能又は取り外し可能なモジュールの形式であってよい。モジュールは、タービンヘッドユニット、パイロンユニット及び基部又は支持ユニットを含み得る。タービンヘッドユニットは、着脱可能及び取り外し可能にパイロンユニットに取り付けられ得る。更に、パイロンは、海底又は他の水底でパイロンを支持するための基部又は支持ユニットに着脱可能及び取り外し可能に取り付けられ得る。
【0023】
好適には、発電機は1つ以上のブレードセット又はローターシャフトに直接接続されている。好適には、発電機はスプライン接続によって各ブレードセット又はローターシャフトに接続されている。
【0024】
カウリング又はハウジングは、水をブレードに向けるために設けられ得る。カウリング又はハウジングは、使用中にブレードセットが配置される流路を含み、ブレード先端が中空円筒の内壁に隣接して配置されるような構成であり得る。ハウジングは、効率向上を促進するために、ブレードの第1セットの外又は上流又はこれを越える位置まで、及び、ブレードの第2セットに対して対応する位置まで延在し得る。
【0025】
好適には、流量制限が流路内に設けられる。好都合には、この構成は流路の制限されてない部分に対して、流路の制限されている部分における、流路を流れる液体の速度を増加させる。
【0026】
流量制御は、流路の一部又は全体を形成するベンチュリを備えることが好ましい。特に、ベンチュリは、流路の一端の開口から流路の内側部分に向かって次第に細くなる、中細ベンチュリ(divergent-convergent-divergent)ベンチュリを備え得る。
【0027】
ベンチュリは、第1の切頭円錐状(frusto-conical)の本体、階段状のピラミッド形(frusto-pyramid)本体、又は角状本体、任意選択的に円柱状の本体の少なくとも1つ、及び、第2の切頭円錐状の本体、階段状のピラミッド形本体、又は角状本体の少なくとも1つを備え得る。
【0028】
好適には、第1/第2の切頭円錐状の本体、階段状のピラミッド形本体、又は角状(horn shaped)本体の広がる端は、更なる第1/第2の切頭円錐状の本体、階段状のピラミッド形本体、又は角状本体の収束端と実質的に縦方向に一致する。
【0029】
好適な実施形態では、ハウジングはロータの後方に延在し、拡散機として機能しており、ハウジングは、スロートからロータ後方の後部開口に向って広がる。
【0030】
好適には、支持支柱はロータと発電機とハウジングとの間に設けられる。好適には、支柱は、ダクト又はリザーバを設けるために中空である。1つの構成では、支持支柱は、ロータと発電機との間に実質的に放射状に延在する。好適な実施形態では、支柱の発電機側の端は、支柱が発電機に実質的に接線方向に延在するように取り付けられている。これは、発電機とハウジングとの間のトルク伝達を向上させるためであり、より軽い支持支柱を容易にするする。更に、この好適な構成の利点は、接線方向に取り付けられた支持支柱が、使用中に半径方向に取り付けられたブレードの完全に後ろ、又はブレードの完全に「影になる」ように配置されることがないため、支持支柱上の疲労荷重が低減されることである。
【0031】
好適には、ブレーキは使用中に第1及び/又は第2ロータ及び/又はローターシャフトの回転を抑制する。好適には、ブレーキはフェイルセーフ機構である。好適には、使用中、ブレーキアクチュエータに力が印加されると、ブレーキアクチュエータは作動力に反してブレーキ素子をロータから離して保持する。使用中、力がブレーキアクチュエータから取り除かれると、ばね又は適する他の種類の付勢力からなり得る作動力が、ブレーキアクチュエータの力を克服し、ブレーキ素子をロータに適用し、ロータの回転を遅くする又は停止させ得る。
【0032】
好適には、ブーツ又はプラグがブレード付け根に設けられ、この領域における干渉抗力を最小化するために間隙もしくはバンプ又はボルトヘッドなどを覆う。
【0033】
いくつかの構成では、ブレード付根又は基部からブレード先端に延在するブレードの縦軸が、ロータの縦中心軸に垂直なラジアル平面から約1度から約20度の傾斜、扇状、又は傾斜角度で後方に扇状に広がり得る。好適には、ブレードの縦軸は、約2度から10度の傾斜角度、より好適にはラジアル平面から4度から6度でブレード付根からブレード先端に向けて後方に扇状に広がっている。更に好適には、ブレードは、中心軸に垂直な平面から約5度の傾斜角度でブレード付根からブレード先端に向けて後方に扇状に広がる。他の構成では、ブレードの縦軸は、ラジアル平面の方向に向いている。これらの実施形態では、ブレードの前縁が、ラジアル平面から約1度から約20度の傾斜、扇状、又は傾斜角度により後方に扇状に広がる。これは、第1及び第2ブレードセットの両方に当てはまり得る。つまり、両方のブレードセットが後方に扇状に広がり得るということである。下流(又は第2)ブレードセットのブレードは、上流又は第1ブレードセットのブレードよりも激しく扇状に広がる又は捻り得る。
【0034】
更に、ブレードの後縁は、前縁が後ろに扇状に広がるのとほぼ同じ量だけ前方に扇状に広がり得る。この構成の利点は、この構成によりテーパが付けられ、ブレード付根における曲げモーメントを低減させることである。
【0035】
ブレードは、単(双)方向であってよい。ブレードは、例えばフラットパドル、翼形、レンズ形、テーパ又は台形、長方形、平行、湾曲又は捻れといったあらゆる好都合な断面形状であってよい。いくつかの構成では、翼形状はNACA4412シリーズの断面形状である。提供するブレードは単方向であるが、好適な実施形態では、ブレードは双方向であり、ロータ及びブレードセットの回転のための回転台に対する認識される必要性は不要になる。
【0036】
単(双)方向ブレードは、ブレード付根、ブレード先端、ブレード付根からブレード先端へと延在する前縁、ブレード付根からブレード先端へと延在する後縁、ブレード付根で前縁と後縁との間の直線として定義されるブレード付根弦(blade root chord)、及びブレード先端で前縁と後縁との間の直線として定義されるブレード先端弦を含み、ブレード先端弦は50度から90度の捻れ角度でブレード付根弦から角をなして配置されている。
【0037】
好適には、単方向又は双方向ブレード先端弦は、60度から80度の捻れ角度でブレード付根弦から角をなして配置されている。更に好適には、ブレード先端弦は65度から75度の捻れ角度でブレード付根弦から角をなして配置されている。更に好適には、ブレード先端弦は約70度の捻れ角度でブレード付根弦から角をなして配置されている。
【0038】
ブレードは、繊維強化プラスチック又は他の化合物を使用して、鋳造法を利用するあらゆる好適な材料から製造することができるが、代替的に鋼鉄、非鉄合金又は繊維強化プラスチックから構造リブ及びシート膜を使用して作ることができる。好適には、ブレードは複合材料から作られる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ブレードは双方向タービンブレードであり得る。好適には、ブレードはブレード付根及びブレード先端、ブレード付根とブレード先端との間を通る第1フェース及び第2フェース、ブレード縦端の間に延在する弦線を中心として対称的である断面形状、及び弦線から約5度から35度の捻れを備え、ブレードは第1フェース又は第2フェースで流水から水中タービンを駆動することができる。
【0040】
双方向のブレードは、平ら、二重楔型及び六角形(改良型二重楔型)を含むあらゆる好適な対称断面形状であってよい。好適な実施形態では、揚力増加及び抗力低減を促進するために、断面形状は、楕円形形状をなす両凸である。
【0041】
好適には、双方向ブレードの捻りは、ブレードの中心縦軸を中心としている、又は、捻れたブレードの全体形状が対称であるようにブレードの長さに沿った弦線の中間点にある。
【0042】
好適には、双方向のブレード全体の捻れは約10度から20度の範囲内である。1つの好適な実施形態では、捻れはブレード付根から先端まで約14度である。発明者による試験及びモデリングによると、約5度から35度の範囲の捻れが発明の他の好適な特徴に効果的であり有用である。
【0043】
好適には、ブレードフェースは、縦端が後方に扇状に広がるように、すなわち、中央縦軸に向って内向きになるように、テーパが付けられている。好適な実施形態では、テーパはブレード先端弦の長さがブレード付根弦の長さよりもおよそ10%短くなるようにしている。発明者による試験及びモデリングによると、テーパの範囲は、このブレード設計においては、例えば2%から30%の範囲で有用かつ有効であり得る。
【0044】
双方向ブレードをタービンに設置する場合、双方ブレードは、ブレードの中間部分をおよそ45度でタービンの中心軸に傾けるように配置される。これは、好適なブレードを設置する場合、ブレードは付根又は近位ブレード領域において流入する水流に向って数度捻れ、先端又は遠位ブレード領域において流れから離れて、又は後方にもしくは下流に数度捻れることを意味する。
【0045】
好適には、双方向ブレードは、縦軸を中心として回転して水流への迎角を変えることができないようにピッチが固定されている。ブレードは、水流の方向によっていずれの方向にも回転することができ、発電機はブレードセットが任意の方向に回転すると電気を生成し得る。制御システムは、発電装置を制御するために設けられ、発電装置は、発電装置の運転に影響を与える活動(activity)を測定するための手段と、タービンの運転を変更するための手段と、中央処理装置(CPU)を備えるデータ処理装置と、CPUに動作可能に接続したメモリとを備え、メモリはCPUによって実行されるように適応されたプログラムを含み、CPU及びメモリは測定手段から情報を受け取り、発電装置の運転を変更するように変更手段に命令を実行させるように動作可能に適応されている。
【0046】
好適には、制御システムは一定の流水量で発電を最適化するようにタービンを制御する。通常、流量は約10ノット未満、約8ノット未満、約6ノット未満又は1から5ノットの間である。流水量は、潮、河流、流出又は海洋もしくは海の海流であってよい。システムは、約5ノット未満の低流量の環境に設置された水タービンを制御し、最適な発電又は電気生成を提供するために使用することができる。システムは、タービンを約8ノットまで制御するために使用することができる。
【0047】
好適には、タービンの出力に影響を及ぼす活動は、水速(量)、水流方向、水流への相対位置、荷重、トルク、水中の高さ又は位置、ローターブレード又はフォイルスピード、ローターブレード又はフォイルリフト、ローターブレード又はフォイルドラッグ、トルク、電力出力、生成した電気、電力荷重等から選択される。
【0048】
タービンは、測定された入力に応えるために、水流方向に対する姿勢を位置決めすること、高さ又は深さ方向を調節すること、ローターブレード又はフォイル速度を変更すること、上流又は下流ブレードセットの回転速度、電力荷重を変更すること、トルク、電力伝達等を変更することを含む、1つ以上の方法で変更される。好適には、上流又は下流のブレードセットのいずれかの回転速度、もしくはその電力荷重又はその上にかかる電力荷重は、タービン又はシステムに関連して位置決めされた変則駆動(VSD)を使用して変更される。1つの好適な実施形態では、VSDは、パイロンの上又は発電システムの取り付け構造の上に位置する。VSDは、発電機からの出力荷重又はトルクに影響を与えるために、発電機に対して無効電力等を含む様々な方法で電力を制御又は監視することが好ましい。
【0049】
最適な発電を保証にするために、最小速度又は所望の速度でロータの回転を開始又は継続させるように外部電源を使用することができる場合もある。タービンシステムが送電網に取り付けられているので、必要があれば、制御システムはタービンに電源を投入するために、送電網からの電力の引き出しを開始することができる。
【0050】
好適には、活動の測定手段は、潜在的又は実際の障害を検出するためのソナー装置、活動の測定のための流速計形式の手段、周囲空気もしくは周囲水温の温度又はモーター温度もしくは油圧オイル温度の測定のための熱電対、タービンのヨー又は線形位置に関する角度又は高さの測定値を受け取るトランスデューサ、潜在的又は実際の障害を検出するための1つ以上の水中又は水上カメラ、タービン速度又は生成された電力、生成された電圧、生成された位相を測定する1つ以上のトランスデューサ、潮汐情報、ヒューズ、接続又はリレーの検査ルーチン、及び、これらの組合せのうち1つ以上又はこれらの組合せであってよい。
【0051】
本発明の好適な実施形態による発電装置は、第1ロータ及び第2ロータが流入する潮流及び出て行く潮流の両者によって駆動されるように、第1ロータは流入する潮流の方向に面し、第2ロータは出て行く潮流の方向に面した海洋環境において取り付けることができる。発電装置は、潮流に対して反対の構成で位置決めされると理解されよう。この様な実施形態では、流入する潮流及び出て行く潮流からの発電を可能にするために発電装置を回転させるために回転ユニットを設ける必要がない。
【0052】
本発明の別の態様では、水流から電気を生成するための方法が提供されており、この方法は、
本発明の第1に定義された態様による発電装置を海洋又は河川環境に設けることと、
発電装置を通る水の動きでブレードのロータを回転させるようにすることと、
発電装置から使用可能な電力を引き出すことと、を含む。
【0053】
好適には、パイロン又はサポートは、発電装置及びタービンが上に取り付けられ、設けられている。いくつかの好適な実施形態では、パイロンは、いずれかのロータに最初に当たった時の水への干渉を低減させるために、ロータの間に取り付けられている。パイロンは、流線形であることが好ましい。いくつかの代替構成では、パイロンは生成する電力を増加させるため、上述するように並んで2つ以上の発電装置を取り付けるために、好ましくは水平に延在するアームを含む。
【0054】
本発明のまた別の態様によると、水流から電気を生成するための発電システムが提供され、システムは本発明の第1に定義された態様による複数の発電装置を含む。
【0055】
本明細書を通して、文脈が別途指示しない限り、「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」などの変形は、述べられた要素、整数、ステップ、又は要素、整数もしくはステップのグループの包括を示すものであり、他の要素、整数又はステップ又は要素、整数もしくはステップのグループを除外するものではないことが理解されよう。
【0056】
本明細書に含まれている文書、行為、素材、装置、物品その他の議論は、本発明の文脈(context)を提供する目的のためのみになされる。これらの事項のいずれか又は全てが、本明細書の各請求項の優先日以前に存在する、先行技術の基礎の一部をなすか、又は本発明にかかる技術分野における常識であることを容認するものと理解されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明がより明確に理解されるよう、以下の図面と例を参照して、好適な実施形態が記述される。
【0058】
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態による発電装置の上方の一端から側面への斜視図である。
【図2】図2は、図1の発電装置の正面図である。
【図3】図3は、図1の発電装置の側面斜視図である。
【図4】図4は、図1の発電装置の底面図である。
【図5】図5は、図1発電装置上に取り付けら得る第1ブレードセットの斜視図である。
【図6】図6は、図1の第1ブレードセット上に取り付けられ得るブレードの斜視図である。
【図7】図7は、図6のブレードの別の斜視図である。
【図8】図8は、図6及び図7のブレードに沿った複数の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図を参照すると、通常10で示される電力交換又は発電装置が示され、発電装置10は水流を使用可能な電力へと変換するためのものであって、運転中は水中に沈められている。
【0060】
発電装置10は、中心縦軸11を有するタービンヘッドユニット5を含み、発電装置10の第1端13に配置され、入射水流に応じて回転するために回転可能に取り付けられた第1ブレードセット又はロータ12、及び同様に回転可能に取り付けられた発電装置10の第2端にある第2ブレードセット又はロータ14備えるタービンを更に備える。発電機34は、第1ブレードセットと第2ブレードセットとの間に配置されている。発電装置10は、通常、中心縦軸11が水流方向と平行な方向に延在するように設置される。
【0061】
使用中、第2ロータ14は、第1ロータ12に対して下流位置に配置されている。更に、第2ロータ14は、第1ロータ12の下流、かつ、第1ロータ12の後流領域に同軸上に直接配置される。
【0062】
第1及び第2ブレードセット又はロータ12、14は、一体化する又は取り付けられるブレード構成又はブレードセット16を含み、複数のブレード18を備える。ブレード18は、あらゆるタイプのブレードであってよく、1つの構成では、ブレード18は(図6に示すように)一方向である。これらのブレードは、上述するような高度な捻れを示す。図6に示されるロータは、図示するようにブレードセットが各端で外側に向くか、又は内側に向くように使用され得る。代替的に、ブレードのピッチは可変であり、完全に入れ替え可能である。
【0063】
しかし、好適には、いずれかの側面から水がブレードに当たる場合、ブレードが同様に機能することができるように、ブレード18は双方向である(全ての図を参照。また、図6〜図8に詳細が示される)。
【0064】
運転中、後流領域は乱流地帯であるが、第2ブレードセットは、その後流領域から得られるエネルギーの効率を向上させるために好都合に利用することができる。しかし、発電装置10が逆流の中に位置する場合、発電装置10は、第1及び第2ブレードセットが上流ブレードセットに適用できるように、配置され得る。単方向ブレードの場合、ブレードが互いに対して逆に取り付けられるような配置であってよいになる。従って、1つの構成では、上述するように各ブレードが発電機に向かって選択された傾斜角度で傾斜されるようになっている。この様な場合、ブレードセットは後方に効率的に動くと、発電機械全体の効率が向上しないため、後縁ブレードセットは固定されるか、自由に回転するようになる。しかし、第2のブレードセットが常に下流ブレードセットとして設計されて、上流ブレードセットに同様に配置されるように、両方のブレードセットが配置されることも可能であり、考えられる。(つまり、傾斜する場合、それが最も効果的であるとすると、どちらの傾斜も互いに対応する角度に向けられ、つまり、同じ方向に傾斜する。)後者の構成では、回転タービンヘッドが必要となる。
【0065】
ブレード18は各ロータの上に取り付けられ、等角間隔でロータを中心として配置される。各ロータにつき3つのブレード18が設けられている。使用中、1つのブレードがもう一方のブレードの影にならないように、ロータが共通のシャフト(図示せず)上に取り付けられる際に、第2ロータ14上のブレード18は、第1ロータ12上のブレードに対してねじれた位置になるように配置される。
【0066】
ロータ12、14は、上述するように共通のシャフト上に取り付けられるか、独立しているか、動作可能に連結されたシャフト上に取り付けられてよい。シャフトは、効率向上のために必要であれば、第1ロータ12に対する第2ロータ14の相対速度を上げる又は落とすために、ギアボックスにより連結され得る。しかし、図示されるロータ12、14は、タービン10の好適な実施形態において使用されており、干渉はまり又はスプライン接続(図示せず)により同一のシャフト上に配置されているが、いずれの場合、また、どのような場合でも、ロータ12、14の回転速度を互いに共通に固定し、ロータ12と14の間のブレードの角度のねじれを維持している。
【0067】
ブレードセット又はロータ12、14は、1つのブレードセットがもう一方に対して自由に回転するために選択的に切り離され、1つのブレードセット又はもう一方を選択的にロックするために、ブレーキが設けられ得る。2つのブレードセット又はロータは、お互いに反対方向に回転するように動作可能に接続することも可能である。
【0068】
発電装置10には回転ユニット(図示せず)が設けられ、ユニットを180度まで回転させることが可能であり、これはタービン10に一方向ブレード18が設置される場合により有益となるが、双方向ブレード18がはめられる場合も役に立つ。例えば、効率向上のために、サイクル間又はサイクル中に数度移動し得る水流又は海流に中央軸を位置合わせするために、中央軸が45度まで数度移動し得るように、発電装置10は向きを変え得る。
【0069】
第1及び第2ブレードセット又はロータ12、14は、適した下流距離で離れており、試験ではブレード18の直径とほぼ同じ距離であることが示される。他の下流分離距離はモデリングされており、分離距離が約0.1dから10dの間であると、有用な効率性が結果として生じている。
【0070】
ノーズコーン30は、流れ付着を促進又は補助するために設けられている。
【0071】
発電装置10は、発電機34を含むタービンヘッドユニット5が取り付けられているパイロン32を含み得る。パイロン32は、パイロンにかかる水流圧を低減させるために流線形であってよい。パイロン32は、タービンヘッドユニット5を解放可能に支持するために、解放可能な台を含み得る。パイロン32は、ベースプラットホーム形式であり、海底に基部を安定させるために、捨石、コンクリート又は他の塊を受け取るための凹みを含む支持基部に、パイロンの底が解放可能に配置され得る。
【0072】
タービン18からの使用可能な電力は、発電機ロータ及び発電機ステータを備え、これらを含む発電機による電気である。発電機ロータは、電気を生成するためにタービンシャフト(図示せず)上に取り付けられている。電気は、電気を処理する電気キャビネット(図示せず)に送られ、処理は、パワーネットワークを実質的に効果的な方法で接続するために、処理の中でも逆変換、変換、フィルタリング、変圧のステップを含む。
【0073】
発電機は、電流が高い場合にロータの速度を落とすためにブレーキを備え得る。
【0074】
タービンは、上述することに含まれる特徴を含み得る制御システムを含む。更に、タービンは、ハウジングならびに異なるブレードスタイル、形状、及び姿勢を含み、これらの特徴は上述することに含まれる。
【0075】
発電機は、ロータがステータの内部で回転する種類であってよい。発電機は、標準電磁石型又は永久磁石型であってよい。
【0076】
ブレードをロータに接続するために、ブレードの協働穴の中に挿入され得る円筒がブレード付根に存在し得る。穴は、ブレード自体のピッチを回転させるために縦軸を中心として回転可能であり得る。代替的に、穴はロータに対して固定され得る。
【0077】
広範に記載された本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、多数の変形及び/又は変更が、特定の実施形態において示された発明になされ得ることが当業者には理解されよう。本発明の実施形態は、それゆえ、あらゆる面で、例示的であり、制限的でないと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水流から電力を生成するための発電装置であって、
発電機と、
選択された方向からの流水に応じて選択された方向に回転するように前記発電機に動作可能に取り付けられた第1ブレードセットと、
回転するように前記発電機に動作可能に取り付けられ、前記第1ブレードセットに動作可能に接続され、第1ブレードセットと同軸上であり、第1ブレードの下流又は後流領域に配置される第2ブレードセットと、を備え、
前記発電機は前記ブレードセットの少なくとも1つにより駆動されるように適用され、前記発電機は前記第1ブレードセットと前記第2ブレードセットとの間で概ね同軸上に配置される、
発電装置。
【請求項2】
前記第2ブレードセットは、前記第1ブレードセットに動作可能に取り付けられる、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記第1及び第2ブレードセットは、前記第2ブレードセットが前記第1ブレードセットと同じ方向に回転するように、互いに動作可能に連結している、請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
クラッチ又はブレーキ構成は、前記第1ブレードセットを前記第2ブレードセットから選択的に切り離す、又は動作可能に切断するために設けられている、請求項2又は3に記載の発電装置。
【請求項5】
ブレーキ装置は、前記ブレードセットの1つの回転を抑制するために設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項6】
前記ブレーキ装置は、フェイルセーフ機構である、請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
使用中、ブレーキアクチュエータに力が印加されると、前記ブレーキアクチュエータは、作電力に反してブレーキ素子を前記ロータから離して保持する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
連結装置は、前記第1ブレードセットと反対方向への前記第2ブレードセットの駆動を促進するために、前記第1ブレードセットと前記第2ブレードセットとの間に設けられている、請求項1、2、4又は5に記載の発電装置。
【請求項9】
前記ブレードセットは回転するようにロータ上に取り付けられ、前記ロータはローターシャフトを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項10】
ギアボックス出力シャフトを含むギアボックスは、発電機ロータの速度を上げるために、使用中の前記ローターシャフトの回転速度を上げることができるように設けられている、請求項9に記載の発電装置。
【請求項11】
前記第1及び第2ブレードセットは、発電機を直接駆動し、同率で回転するように共通の回転シャフト上に取り付けられている、請求項1から9のいずれかの一項に記載の発電装置。
【請求項12】
前記第1及び第2ブレードセット上の前記ブレードは、交互に装置されている、請求項11に記載の発電装置。
【請求項13】
前記ブレードの迎角は固定されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項14】
前記ブレードの前記迎角は可変である、請求項1から12のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項15】
両方のブレードセットの前記ブレードは、数、断面図、及び長さが一致する、請求項1から14のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項16】
前記発電機は、海底に装置された基部から延在する支持パイロン上に取り付けられている、請求項1から15のいずれか一項に記載の発電装置である。
【請求項17】
前記発電機は、前記ブレードセットの前記迎角を変えるために支持を中心として回転可能である、請求項1から16のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項18】
1つ以上の前記ブレードの前記縦軸は、約1度から20度で後方に扇状に広がる、請求項1から17のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項19】
前記ブレードは双方向である、請求項1から17のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項20】
水流から電力を生成するための方法であって、
請求項1から18のいずれか一項に記載の発電装置を海洋環境又は河川環境に設けることと、
前記発電装置を介する水の動きにより前記ブレードを回転させることと、
前記発電装置から電力を取り出すことと、
を含む、方法。
【請求項21】
水流から電力を生成するための発電システムであって、前記システムは請求項1から17のいずれか一項による複数の発電装置を含むシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−525535(P2012−525535A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507851(P2012−507851)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/IB2010/001346
【国際公開番号】WO2010/125476
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(510142058)アトランティス リソーセズ コーポレーション ピーティーイー リミテッド (7)
【Fターム(参考)】