水分補給モニタリング
水分補給をモニタするシステム及び技術。一実施例では、方法は、被検者のある領域の電気インピーダンスを測定してインピーダンス測定結果を生成し、そのデータを遠隔の装置に無線で送信する。インピーダンスを測定するプローブが、被検者に粘着的に固定されたパッチの形をしうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
この出願は、2004年8月20日に出願した「生体インピーダンスを用いた肺水腫モニタリングの方法及び装置」を題とするシリアル番号60/496、558のアメリカ合衆国の仮出願、及び、2004年5月13日に出願した「移動型水分補給モニタリングの方法及び装置」を題とするシリアル番号60/570、852のアメリカ合衆国の仮出願への優先権を主張し、これらの出願の内容は、参照により本明細書の一部として取り入れる。
【0002】
本発明は、生命体の水分補給のモニタリングに関する。
【背景技術】
【0003】
生命体の多くの種は大部分が水分である。個々の生命体中の水分の量及び/又は体内動態(即ち、生命体の水分補給)は、しばしば個々の生命体の健康と相関する。例えば、水分の過多あるいは不足は、急性及び/又は慢性疾患状態を示すことが可能である。
【0004】
そのような急性疾患状態の一例が急性脱水である。脱水は体内水分の過度の減損である。急性脱水の原因は、熱への晒し、持続的で精力的な練習及び利尿薬を含む多くがある。例えば、米国空軍フィールドマニュアル(FM 3-04.301- 航空機乗務員のための航空医学トレーニング)は、周囲温度が82〜84°F以上に上昇した場合、人体の発汗量が急激に増加し、脱水が生じうると記述している。また、湿度も発汗量に影響し、脱水を招きうる。例えば、115°Fの温度、10%の湿度の場合、人間は、水分及び塩分補給を通じて通常どおりに機能することができる。しかし、115°Fの温度で80%の湿度の場合は、同じ人間でも体内水分の過度の減損により30分以内に動けなくなる。
【0005】
過剰の水分と関連する慢性疾患状態の一例が、肺水腫である。肺水腫は肺内での血管外の流体蓄積である。肺水腫の原因は、僧帽弁狭窄症(mitral stenosis)又は左室不全(left ventricular failure)を含み、多く存在し、うっ血性心不全と関連づけることができる。
【0006】
そのような慢性疾患状態の別の一例が水分過剰である。水分過剰は身体が過剰の水分量を含んでいる状態である。腎臓透析中の患者にとって、水分過剰は高血圧症、死亡率の増大につながる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、生命体の水分補給をモニタするシステム及び技術を開示する。水分補給は、例えば生命体の脱水あるいは別の疾病状態を識別するためにモニタされることができる。
【0008】
一実施例では、デバイスは、生命体に連続的に取り付けられるような寸法を有するポータブル水分補給モニタプローブを備える。このプローブは、電力の供給源、この供給源からの電気エネルギーを、前記プローブを取り付けた生命体の局部と交換する電極、電極での電気エネルギーの交換に基づき局部生体電気インピーダンスを反映する前記水分補給モニタリングの結果を表すデータを生成するコントローラ、及び、前記水分補給モニタリング結果を表す前記データを遠隔の装置へ無線通信するように構成されたデータ通信デバイスを備える。
【0009】
上記及び他の実施例は1つ以上の下記の特徴を備えることができる。ポータブル水分補給モニタリングプローブはパッチプローブ(patch probe)を備えることができる。
【0010】
これら及び他のシステムと技術は、1つ以上の下記の利点を実現するために実施されることができる。水分補給は様々な疾病状態を識別するためにモニタされることができる。モニタされる生命体に取り付けられるような寸法を有するポータブルプローブを使用して、モニタリングは長期的になりえる。水分補給測定に対する皮膚表面温度の影響は、水分補給モニタリング結果を分析する時に考慮されることができる。水分補給モニタリング結果は、移動主体の移動度を妨げない無線通信リンクを使用して通信されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、生命体の水分補給をモニタするプローブ100の構成を示す図である。プローブ100は本体105、エネルギーソース110、及び検出回路115を有する。本体105は、例えばパッチやストラップのような、生命体の皮膚表面あるいは他の部分に沿うように合わせられる柔軟性部材であることができる。本体105は、被検者にエネルギーを加え、あるいは被検者とエネルギーを交換し、且つ、被検者のある領域のインピーダンスを測定する方法でエネルギー交換パラメータを検出するプローブ/生命体インタフェース120、125、130、135を担持する。ほとんどの実施の形態では、インタフェース120、125、130、135は、人体と電気エネルギーを交換するように適合された電極であるが、人体を照らすように適合された光学素子であることもできる。典型的には、2つのインタフェース120、125は電流を被検者の第1点から被検者の第2点へ強制的に流すために使用される。別の2つのインタフェース130、135は被検者上の2点間の電圧を測定するために使用される。これらの実施の形態において、電流適用点及び電圧測定点が同じ、あるいは互いに隣接し、あるいは著しく異なる場所でありえる点に気付かれうる。
【0012】
エネルギーソース110は例えば光エネルギーソースあるいは電気エネルギーソースでありうる。例えば、エネルギーソースは交流及び/又は直流の電流ソース、及び/または電圧ソースであることができる。エネルギーソース110がリード140、145によって入力120、125に接続される。リード140、145は、本体105に結合された生命体の一部との交換のための、エネルギーソース110によって生成されたエネルギーを伝導することができる。例えば、リード140、145は、生命体の一部と交換用の電流を運ぶことができる電線であり、又は、本体105が付随している生命体の一部と交換用の光を運ぶことができる光導波路であることができる。
【0013】
1つ電気的な実施の形態では、検出回路115は、リード140、145によって電極120、125に接続され、且つリード150、155によって電極130、135に接続された差動アンプを備える。リード140、145はソース110からアンプ115へ電圧を伝導し、リード150、155は電極130、135から電圧を別の入力としてアンプ115へ伝導することができる。アンプ115は、電極130、135間及び電極120、125間の電圧を検出して1つ以上の結果160を生成する。当然のことながら、アンプ115は、任意の一対の電極間の相対的な電圧を各々検出する2つ以上のアンプとして実施されうる。また、ソース110からの電流出力を直接測定するように電流検出も実施されうる。
【0014】
作動の時、本体105は、生命体の一部に沿うように曲り、沿われた一部とエネルギーを交換できるように入力120、125及び出力130、135を維持する。ソース110は、インタフェース120、125を通じてリード140、145上に伝導され、生命体の沿われた部分と交換される1種類以上のエネルギーを生成する。順に、インタフェース130、135は、沿われた部分から1つ以上のエネルギー交換パラメータを検出する。検出回路115は、検出された信号に基いて結果160を生成する。結果160は、少なくとも部分的に、モニタされた生命体の水分補給を反映する。
【0015】
プローブ100は、長期間に結果160を連続的にあるいは断続的に生成することができる。結果160は、例えば、インタフェース130、135で検出されたパラメータと入力120、125でのエネルギー入力量との比較の一部、あるいは、そのような比較の全部でありえる。例えば、結果160は、実質的に一定の電流の連続的な適用の結果からの断続的な電圧サンプルでありえる。別の例として、結果160は、連続するより短い期間の電流適用の周期的な(例えば、10分ごとのような5〜30分ごとの)結果でありえる。
【0016】
図2は、生命体の水分補給をモニタするプローブの一実施例、即ち生体電気インピーダンス分光プローブ200の構成を示す図である。生体電気インピーダンス分光法は、生命体の全部あるいは一部の電気伝導度を測定する測定技術である。例えば1つの足首から反対側の手首まで、あるいは両手の間に電流を流すようなことによって生命体の全体の伝導度が測定される場合、それを全身生体電気インピーダンス分光法と呼ぶことができる。例えばより局部的に配置された電極のクラスターによって生命体の一部の伝導度が測定される場合、それを部分(あるいは領域)生体電気インピーダンス分光法と呼ぶことができる。いずれの場合も、測定された導電率は、測定された生命体、あるいは生命体の測定された部分の水分補給を反映することができる。
【0017】
生体電気インピーダンス分光法は、一般に生命体との電気エネルギーの交換を伴う。交換される電気エネルギーは、交流の電流及び/又は電圧と、直流の電流及び/又は電圧との両方を含むことができる。交換される電気エネルギーは、1つ以上の周波数で振動する交流電流及び/又は電圧を含むことができる。例えば、交流電流及び/又は電圧は、100Hz及び1MHzの間の1つ以上の周波数で、好ましくは5KHz及び250KHzの間の1つ以上の周波数で振動することができる。
【0018】
異なる周波数の電気エネルギーは生命体の異なる部分の伝導率を測定するために使用されることができる。例えば、一部の生命体では、より低い周波数の電気エネルギーは、より少ない膜質成分を有する組織を通じて優先的に伝導されうる一方、より高い周波数の電気エネルギーは、種々の組織を通じて伝導されうる。多くの場合では、同じ領域で2つ以上の異なる周波数でインピーダンス測定をすることが有利である。以下でさらに説明されるように、DC測定は皮膚表面上のインピーダンスを特徴づけるのに役立つことができる。したがって、単一のプローブによって行われた異なる周波数での測定は、調査された生命体内の、あるいは生命体の調査された部分内の水分の量及びその配置の両方に関する情報を提供することができる。
【0019】
また図2に示すように、生体電気インピーダンス分光プローブ200は本体205、電流ソース210、デジタル/アナログ(DA)変換器215、アンプ220、アナログ/デジタル(AD)変換器225、メモリ230、及びコントローラ235を備える。本体205は、2つの作用電極245、250及び2つの検出電極255、260を担持する柔軟性部材である。本体205は、電極245、250、255、260と人体の一部とのコンタクトを維持するために人体の一部に沿うように十分に曲げられる。沿われた部分は、皮膚表面、口及び/又は鼻の通路の粘膜の表面、及び他の体の通路や開口を含むことができる。本体205は、生命体の全体の伝導率を調査するような寸法を有することができ、よって全身生体電気インピーダンス分光法を行うことができる。ここで詳細に説明される幾つかの有利な実施の形態では、本体205は、生命体の一部の伝導率を調査するような寸法を有し、よって部分生体電気インピーダンス分光を行う。
【0020】
作用電極245、250は、モニタされている生命体の調査される部分を通じて、あるいはその部分に沿って電流を伝導するように適応されることができる。検出電極255、260は、モニタされている生命体の調査される部分内の複数箇所の電位を測定するように適応されることができる。生命体の、調査周波数でモニタされた部分の電気インピーダンスと比較して、電気インピーダンスが比較的小さいという点で、電極245、250、255、260は殆ど電気的に伝導性である。例えば、電極245、250、255、260は金属、焼結金属合成物、伝導性高分子材料、ゲル剤、炭素系材料、シリコン材料、導電性極微針、伝導性の溶液、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。一実施例では、電極245、250、255、260は、3Mコーポレート社(米国、ミネソタ州、セントポール)から入手可能なレッドドット(RED DOT、登録商標)電極のような電導性粘着ゲル電極である。
【0021】
電極245、250、255、260は、モニタされる生命体の皮膚の外表面上に本体205によって担持されることができる。代替的に、電極245、250、255、260は、モニタされる生命体の皮膚下に本体205によって担持されることもできる。例えば、電極245、250、255、260は皮下に担持され、あるいは、皮膚を貫通する極微針のような経皮的素子上に担持されることができる。皮膚表面に配置される場合、電極245、250、255、260は、有益的に、皮膚の厚さのおよそ10倍以上の間隔で互いに離れた位置で各々本体205によって担持されることができる。人間の水分補給がモニタされる場合、皮膚上にある電極245、250、255、260は、2.5ミリメートル以上の間隔で互いに離れた位置で各々概ね担持されることができる。一実施例では、作用電極245、250間の距離が1cm以上である。皮膚に固定された1つ以上のパッチ上の電極の局所的なクラスターを有する実施の形態において、インピーダンス測定を被検査者に対して領域的に集中させるように電極間の距離は約25cm未満が有利である。そのような領域的な測定は、便利な装置で生成され配信されうる有用なデータを生成することが既に見いだされている。
【0022】
一実施例では、作用電極245、250が検出電極255、260と異なる。例えば、作用電極245、250は検出電極255、260より大きく、及び/又は異なる材料から作られることができる。
【0023】
電流ソース210は交流及び/又は直流の電流ソースである。プローブ200中に配備される場合、電流ソース210は、モニタされる生命体を通じて及び/又はそれに沿って、作用電極245から作用電極250まで電流を駆動することができる。一実施例では、電流ソース210は、人間の電気インピーダンス特徴を通じて、あるいはその特徴に沿って10マイクロアンペア及び10ミリアンペアの間の、好ましくは100マイクロアンペア及び1ミリアンペアの間の、1つ以上の周波数の交流及び/又は直流の電流を駆動することができる。典型的には、電流は、既知のあるいは測定された実質的に一定の値に維持され、そして、電圧は測定されてインピーダンス値を提供する。また、定電圧を印加し、電流の量を測定することも可能である。デジタル/アナログ変換器215は、デジタル信号を対応するアナログ信号に変換する集積回路あるいは他の電子デバイスでありえる。プローブ200中に配備されるとき、デジタル/アナログ変換器215は、コントローラ235からのデジタル制御信号をアナログ制御信号に変換して電流ソース210からの電流の出力をコントロールすることができる。
【0024】
アンプ220は、検出電極255、260間の電圧差を増幅する差動電圧増幅器でありえる。この電圧差は、モニタされる生命体を通じて、及び/又は該生命体に沿って電流ソース210が作用電極245から作用電極250へ電流を駆動したことに起因する。アナログ/デジタル変換器225は、コントローラ235による読み込み、及び/又はメモリ230中の記憶のために、検出された電圧差を対応するデジタル信号に変換する集積回路、あるいは他の電子デバイスであり得る。
【0025】
メモリ230は情報をマシン判読可能なフォーマットで保持するデータ記憶デバイスでありえる。メモリ230が揮発性及び/又は不揮発性のメモリであってもよい。例えば、メモリ230は、RAMデバイス、ROMデバイス及び/又はメモリディスクであることができる。
【0026】
コントローラ235は、プローブ200中のデータの生成及び流れを管理するデバイスである。コントローラ235は、選択動作を行うように構成されたハードウェア、あるいは1セットのマシン判読可能な論理に従って動作を行うデータ処理デバイスであることができる。一部の実施例では、コントローラは、1つ以上の入力デバイスを介してプローブ200中のデータの生成及び流れの管理と関係する情報を受信することができる。一部の実施例では、コントローラ235は1つ以上の出力デバイスを介してプローブ200から情報を出力することができる。カスタムASIC(特定用途向け集積回路)あるいはゲートアレイ、及び例えばテキサスインスツルメンツとモトローラから商業的に入手可能なマイクロコントローラが使用されることができる。
【0027】
コントローラ235によって行われた動作は、水分補給測定のタイミング及び水分補給測定結果の送信のタイミングの調整、論理演算、信号処理、並びにデータ解析を含みうる。例えば、データ解析は、モニタされる生命体の複数の部分の生体電気インピーダンスを決定するために使用されることができる。例えば、時間あるいは周波数領域の等価回路インピーダンス解析を行うことができる。そのような動作を行うための命令は、メモリ230のROM部分に格納され、そのような動作中に生成された一時的値は、メモリ230のRAM部分に格納され、動作の結果は、メモリ230の不揮発性部分に格納されることができる。
【0028】
動作中において、電流ソース210は、1つ以上の周波数の交流及び/又は直流の電流を、作用電極245、250の間、及び対象の生命体を通じて駆動する。アンプ220は、検出電極255、260間の電位差をバッファし増幅する。アナログ/デジタル変換器225はこの信号を、メモリ230での記憶のためにコントローラ235が受信可能なデジタル形式に適切に変換する。一部の実施例では、コントローラ235がソース210を制御して、生成される電流の周波数及び/又はその大きさを変更させうる。ソース210の制御は、アンプ220により出力された信号の大きさを考慮して、及び/又は、コントローラ235によって1つ以上の入力デバイスから受信した命令を考慮して行なわれることができる。
【0029】
図3は、ポータブル生体電気インピーダンス分光プローブの一実施例、すなわち絆創膏(あるいは「パッチ」)プローブ300の構成を示す図である。プローブ300は、本体205が(電極245、250、255、260に加えて)電池305のような携帯電源を備えるという点において、電源内蔵タイプであることができる。プローブ300は、固定場所から移動されることができ、且つ、固定デバイスからの入力を用いずに電流ソース210、デジタル/アナログ変換器215、アンプ220、アナログ/デジタル変換器225、メモリ230、及びコントローラ235の信号生成及び処理、制御、並びにデータ記憶機能のうち少なくとも一部を行うように適応されているという点において、ポータブルである。例えば、プローブ300は、モニタされる生命体に取り付けされることができる。回路310はこれらの機能を行うように適合された、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)でありえる。回路310は、さらに、データ処理デバイス及び/又はデータ通信デバイスのような1つ以上のI/Oデバイスでありえる。
【0030】
本体205は、さらに粘着剤315を有利に備える。粘着剤315は、モニタされる生命体の皮膚表面に粘着するように適応されることができ、それにより電極245、250、255、260と生命体の、本体205が付随する部分とのコンタクトを維持する。
【0031】
ポータブルプローブ300は、水分補給モニタリング中にモニタされている生命体が移動可能であることを可能にする。これは、データ収集が拘束の期間以外に拡張されることを可能にする。したがって、生命体が異なる場所で様々な活動に参加しながら、水分補給モニタリングは、疾病状態の発症を識別するのにふさわしい期間の間継続することができる。
【0032】
図4A及び図4Bはそれぞれ、水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブ200及び絆創膏プローブ300の配置例を示す図である。図4Aは、ドライバの手がプローブ200の一方又は両方と断続的に電気的なコンタクトとなるように、ハンドル400に沿って配置された1対のプローブ200を示す図である。この断続的なコンタクトの期間中に、ドライバの水分補給はモニタされることができる。
【0033】
図4Bは、人405の胴に粘着するように配置された絆創膏プローブ300を示す図である。絆創膏プローブ300は人405の一部の伝導率を調べるような寸法を有する。特に、絆創膏プローブ300は、1端が剣状突起(xiphoid process)の近くに配置されて人405の正面の胸に粘着している。絆創膏プローブ300は、人405の剣状突起から側面の側へと身体軸方向及び下方へ伸びる。
【0034】
絆創膏プローブ300のこの配置は、その下にある組織と肺中の水分補給のモニタリング、及び肺水腫のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0035】
図5及び図6は、生体電気インピーダンス分光プローブの別の実施例、即ちポータブルストラッププローブ500を示す図である。ストラッププローブ500の本体205は、モニタされる人の体、あるいは体の一部を包囲するループを形成することができるストラップ、あるいはベルトである。そのような包囲は電極245、250、255、260及び包囲された部分間のコンタクトを維持することができる。作用電極245、250、2セットの検出電極255、260、電池305及び回路310に加えて、本体205は、さらにトランシーバ510を有するデータ通信デバイス505を備える。データ通信デバイス505は、回路310と外部実体との間で情報を交換することができる無線通信デバイスであることができる。無線データリンク1125は、電磁波、電気信号あるいは音響信号を含む多くの異なるタイプの信号のうち、いずれかを使用して情報を伝えることができる。例えば、データ通信デバイス505は無線通信装置でありえる。トランシーバ510は、情報の無線送信及び受信用のコンポーネントのアセンブリであることができる。コンポーネントは例えばRFアンテナを有する。無線レシーバ/送信器回路は、ここに説明される任意の実施の形態の一部として構成されることができる。
【0036】
2セットの検出電極255、260は、モニタされる人の身体の異なる箇所での水分補給を測定するために使用されることができる。例えば、作用電極245、250が、モニタされる人の包囲された部分の表面を通じて、あるいは該表面に沿って電流を駆動する場合、すべての検出電極255、260間の電位差は、電極255、260付近の電流の伝導に関する情報を獲得するために使用されることができる。また、2つ以上の検出電極255、260間の複数の電位差の測定は例えばクロス測定及びレシオメトリックな比較にも使用されることができる。クロス測定及びレシオメトリックな比較は、水分補給をモニタするために使用されることができると同時に、較正に資し、且つ温度変化、モニタされる人の位置変化及びストラップ500の自然な移動のような測定変動性を捉えることに役立つことができる。
【0037】
図7、図8A、図8B、図9A、及び図9Bは、人405の水分補給をモニタするストラッププローブ500の配置実施例を示す図である。図7では、ストラッププローブ500は、人405の胴を包囲するような寸法を有し、人405の胴の伝導率を調査するように配置される。ストラッププローブ500のそのような配置は、その下にある組織及び肺中の水分補給のモニタリング、並びに肺水腫のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0038】
図8Aでは、ストラッププローブ500は、人405の大腿を包囲するような寸法を有し、人405の大腿の伝導率を調査するように配置されている。ストラッププローブ500のそのような配置は、その下にある組織中の水分補給のモニタリング、並びに急性又は慢性脱水のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0039】
図8Bでは、ストラッププローブ500は、人405の下腿を包囲するような寸法を有し、人405の下腿の伝導率を調査するように配置されている。示されているように、ストラッププローブ500は足首を包囲しているが、下腿の伝導率を調査するためにストラッププローブ500は、足、ふくらはぎ、あるいは足の指を包囲することもできる。ストラッププローブ500のそのような配置は、ストラップ下にある組織中の水分補給のモニタリング、並びに水分が下腿に蓄積するうっ血性心不全のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0040】
図8Cでは、ストラッププローブ500は、人405の二頭筋を包囲するような寸法を有し、人405の二頭筋の伝導率を調査するように配置されている。ストラッププローブ500のそのような配置は、ストラップ下にある組織中の水分補給のモニタリング、並びに急性又は慢性脱水のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0041】
図9Aでは、ストラッププローブ500は、ズボン905に組み込まれ、人405の胴の伝導率を調査するように人405の胴を包囲する寸法を有する。ズボン905にプローブ500を組み込むことは、プローブ500の出っ張り感を軽減し、且つモニタされる人がプローブ500を配置することを確実にするのに資しうる。
【0042】
図9Bでは、ストラッププローブ500はソックス910に組み込まれ、人405の下腿の伝導率を調査するように人405の下腿を包囲するような寸法を有する。ソックス910にプローブ500を組み込むことは、プローブ500の出っ張り感を軽減し、且つモニタされる人がプローブ500を配置することを確実にするのに資しうる。
【0043】
以下でさらに議論されるように、一部の配置では、異なる箇所での複数のプローブが同一人物の水分補給をモニタするために使用されうる。異なるプローブからの測定結果は較正及びエラー最小化のために互いに比較され関連させられることができる。生物パラメータを測定する他の技術も、1つあるいは複数のプローブと併せて使用されることができる。生物パラメータ測定は、プローブ測定と比較され関連させられて、測定を較正し、且つ測定関連のエラーを最小限にすることができる。一例として、QUANTUM X身体組成分析器(ミシガン州、クリントン タウンシップ、RJL Systems社)及び/又はHydra4200バイオインピーダンス分析器(カリフォルニア州、サンディエゴ、Xitron Technologies社)を使用して行われた生体電気インピーダンス測定は、プローブ測定と比較され関連させられることができる。
【0044】
別の例として、皮膚温度測定は人の水分補給をモニタするのに使用されることができる。一般に、皮膚表面温度が、生命体の表面皮膚の付近の血流の変化とともに変化する。血流のそのような変化が、熱の調整、血液量の保存及びホルモンの変化を含む多くの理由で生じる。一実施例では、皮膚表面測定が水分補給モニタリングと併せて行われ、その結果、そのような血流の変化による明らかな水分補給レベルの変化は考慮されることができる。
【0045】
一部の配置では、1つ以上のプローブは、時間の経過とともに同一人物の異なる部分に移動されてその人の水分補給をモニタすることができる。例えば、プローブは、ある選択期間(例えば約1〜14日の間、あるいは約7日)中に第1の場所(例えば胴)で人の水分補給をモニタし、次に、同じプローブは、異なる場所(例えば大腿)に移動されて、後続のある期間に同じ人の水分補給をモニタすることができる。プローブのそのような移動は、プローブの寿命を延ばし、且つプローブによって収集される情報の種類を増すことができる。さらに、プローブの移動は、表面粘着損失、また、モニタリングに伴うあらゆる衛生悪化を最小限にすることができる。
【0046】
人体上の新しい場所へのプローブ500のようなプローブの移動、あるいは異なる場所での新しいプローブの付着は、モニタされる生命体の水分補給が変っていない場合でも、基準インピーダンスの測定値に変化をもたらし得る。基準測定は、水分補給モニタリングに対する標準レスポンスである。この標準レスポンスは、疾病状態の不在、あるいは疾病状態進行の不在を示すことができる。基準インピーダンス測定値における変化は、疾病状態とは無関係な要因の変化に起因する場合がある。例えば、基準インピーダンス測定値の変化は、異なる皮膚の厚さ、人体組成、あるいは2つの場所の間の他の差異に起因する場合がある。異なる場所で行われた測定は、このような基準測定値の差を計上するように正規化されることができる。このような正規化は利得の調整、及び/又はオフセットの調整を含み得る。利得調整は、インピーダンス測定値の絶対値、新旧場所で観察されたインピーダンスの差、あるいはそれらの組み合わせに基づきうる。オフセット調整は、一般に利得調整の後に行なわれ、インピーダンスの絶対値及び/又は他の要因に基づくことができる。代替的に、疾病状態を識別するのに使用される分析閾値が調節されることができる。
【0047】
一部の実施例では、異なる場所での直接比較可能な基準測定値を得るために、モニタされる人は非移動可能な状態(例えば、横になる休止状態)に置かれうる。基準測定値を正規化するために複数のプローブが同じ生命体に付着される必要はない。例えば、第1の場所で第1プローブを使用して得られた水分補給測定結果が記憶されて、その後第2の場所で第2プローブを使用して得られた水分補給測定結果と比較されることができる。この比較は、例えば、第1の場所での結果の収集と第2の場所での結果の収集との間の時間が比較的短い、例えば1時間未満の場合に行われることができる。この期間の間に交換パッチが患者に付着されない場合、このような比較に生体電気インピーダンス値と他の校正標準、例えば体重及び体重変化、尿比重、血液浸透圧との比較が使用されることができる。
【0048】
図10Aは、ストラッププローブの別の実施例、即ちストラッププローブ1000を示す。電極245、250、255、260、電池305、回路310、データ通信デバイス505及びトランシーバ510に加えて、本体205はさらに出力デバイス1005を備えている。出力デバイス1005は、(発光ダイオード又はLCDのような)視覚的な表示デバイス、(スピーカまたは笛のような)音響出力デバイス、あるいは(振動素子のような)機械的な出力デバイスであることができる。
【0049】
動作中、出力デバイス1005は、モニタされている人に水分補給モニタリングに関する情報を提示することができる。提示される情報は、回路310から出力デバイス1005によって受信することができ、モニタリング結果及び/又は警告を示すことができる。モニタリング結果は、個人の現在水分補給状態、及び急性脱水のような一定の疾病状態が存在する、若しくは切迫している指摘を含むことができる。モニタリング警告は、電極245、250、255、260のいずれかとモニタされる人との間のコンタクトのはずれ、利用可能なメモリの不足、データコミュニケーションリンクのロス、あるいは低い電池レベルのような現在の、若しくは切迫している装置誤動作の指摘を含むことができる。
【0050】
図10Bは、ストラッププローブの別の実施例、即ちストラッププローブ1010を示す。電極245、250、255、260、電池305、回路310、データ通信デバイス505及びトランシーバ510に加えて、本体205はさらに皮膚温度の温度計1015を備えている。温度計1015は、モニタされる生命体の皮膚表面上で遭遇する温度範囲内の温度を検出する測温体でありえる。温度計1015は、例えばサーミスター、熱電対、機械的な温度計、あるいは他の温度検出デバイスであることができる。この温度センサーはここに説明されているプローブの任意の実施の形態の一部であることができる。
【0051】
動作中、温度計1015は、皮膚表面温度に関する情報を回路310に提示することができる。回路310は、提示された情報をデータ解析及び水分補給モニタリングの他の側面を行うために使用することができる。回路310はさらに例えばデータ通信デバイス505及びトランシーバ510を用いて、温度情報の全部あるいはその一部を別のデバイスへ転送することができる。
【0052】
生命体の同じ近辺領域での水分補給及び温度の測定により、皮膚表面血流の変化による明らかな水分補給レベルの変化が識別され、データ分析に取り込まれることができる。
【0053】
図10Cは、生体電気インピーダンスモニター及び皮膚温度計を使用して得られた、例示的な水分補給モニタリング結果のグラフ1020を示す。グラフ1020は、モニタされた人の大腿上のある領域の観察されたインピーダンス1025を皮膚温度1030の関数として示している。グラフ1020は1対のトレース1035、1040を含んでいる。トレース1035は、20kHzの周波数を有する電気エネルギー入力信号で測定されたインピーダンスを示し、他方、トレース1040は、100kHzの周波数を有する電気エネルギー入力信号で測定されたインピーダンスを示している。
【0054】
トレース1035、1040は以下のように得られた。4つのレッドドット電極(アメリカ、ミネソタ州、センポール、3Mコーポレート社)を、体重が201.3ポンドの42歳男性被検者の大腿の正面上に線形軸状に配列した。被検者は室温(74°F)の部屋で30分間仰臥位でもたれかかった。その後、被検者は仰臥位のままで20kHz及び100kHzでの大腿の生体電気インピーダンスが測定された。測定された大腿のインピーダンスは、20kHzでは45.36オーム、100kHzでは30.86オームであった。その後、大腿の皮膚表面温度が赤外線温度計(ドイツ、クロンベルク、ブラウン社のサモスキャン)を使用して測定された。測定された温度は89.0°Fであった。その後、被検者は、およそ90分かかって、6マイルジョギングした。その後、被検者の体重を量った。測定された体重は197.6ポンドで、約3.5ポンド、即ち約1.7%の体内水分の損失を示した。その後、被検者は、上記室温の室で仰臥位に戻った。その後、20kHz及び100kHzでの大腿の生体電気インピーダンスは、周期的に測定された。大腿の皮膚表面温度も同様に計測された。
【0055】
トレース1035、1040は、これらの測定の結果を示している。最初に、20kHz及び100kHzで測定された生体電気インピーダンスが両方とも、ジョギングの前より低く、測定された温度がジョギングの前より高かった。言いかえれば、20kHz及び100kHzで測定された生体電気インピーダンスは、生体電気インピーダンス測定箇所の付近の皮膚表面温度が増大するとともに、減少した。
【0056】
皮膚温度に見られた変化は、運動中に生成された過剰な熱を体が発散する時の局部的血管拡張に少なくとも部分的に起因すると考えられる。血管拡張のそのような変化は、局部インピーダンスを減少させるように見える。
【0057】
時間の経過とともに、計測されたインピーダンス及び温度の両方は、ジョギングの前に観察された値の方向に移動した。その移動は、20kHz及び100kHzの両方において、測定されたインピーダンス及び測定された皮膚温度間の線形関係を示した。さらに以下で議論されるように、この関係は水分補給モニタリング結果における皮膚表面温度のインパクトを調整するために利用されることができる。もし望むならば、光学法のような他の、あるいは追加の方法で局部的血管拡張あるいは血管収縮を測定することができる。測定されたものであれ、温度測定あるいは他の手段を介して計算されたものであれ、血管拡張パラメータは、水分補給変化による経時的インピーダンス変化を適切に決定するように、インピーダンスの絶対測定値を修正するために使用されうる。
【0058】
回復期間の終わりに、測定された大腿のインピーダンスは、20KHzでの4.91オーム(10. 8%)及び100KHzでの3.44オーム(11.1%)の純増加のために、20kHzでは50.27オーム、100kHzでは34.30オームであった。同様の結果は別の被検者及び別のテスト条件でも観測された。
【0059】
20kHz及び100kHzで測定された生体電気インピーダンスのこのおよそ11%の純増加は、観測された体重減少(即ち約1.7%の減少)に関連した水分損失を反映していると考えられる。
【0060】
トレース1035、1040の測定結果は、回路310によって水分補給モニタリングのデータ解析及び他の側面を行うために使用されることができる。例えば、水分補給モニタリング結果への皮膚表面温度の影響が修正され得る。1例において、トレース1035、1040によって示された生体電気インピーダンスと温度の関係は、異なる皮膚表面温度で得られた水分補給モニタリング結果を比較するために利用されることができる。例えば90.5°Fの皮膚表面温度の場合20kHzで測定されたインピーダンスは47.9オームであった。このインピーダンス測定を89°Fの皮膚表面温度で行われたインピーダンス測定と比較するために、測定されたインピーダンスは、2つの温度間の差−1.5°F(即ち、89°F−90.5°F)をとり、この差に20kHzで測定されたインピーダンスの温度に対する依存性(即ち−1.8052の傾き)を掛けて、2.71オームの調整値を生成することにより、調節されることができる。この調整値は、90.5°Fの皮膚表面温度且つ20kHzで測定されたインピーダンスに加えられて(即ち47.9+2.71)、20kHzで89°Fの皮膚表面温度で行われたインピーダンス測定値と比較可能なインピーダンス(即ち50.6オーム)を生成することができる。分かるように、この調整されたインピーダンスは、この皮膚表面温度で実際に測定されたインピーダンス(即ち50.27オーム)と一致している。
【0061】
皮膚表面温度測定及び水分補給モニタリング結果のそのような組み合わせは、水分補給モニタリングを改善するために使用されることができる。例えば、生体電気インピーダンス測定は、プローブの近くでなされた局部皮膚表面温度測定に基いて調節されることができる。これは、インピーダンス測定値の予測値を改善し、さらに、全身の電気インピーダンスを反映するインピーダンス測定が身体の1、2箇所で行われた温度測定値と正確に関連しないかもしれないが、全身電気インピーダンスにさえ関連させることができる。
【0062】
水分補給と無関係な要因は局部皮膚表面温度測定に影響を及ぼしうる。これらの要因は、対流冷却率、風速、衣類のような断熱の存在、及び周囲温度勾配を含む。このような要因は、注目する身体の部分及び環境の間の熱交換に影響を及ぼす傾向を有し、(例えば、追加的な温度あるいは湿度センサーを用いて)直接に、あるいは(例えば、絶縁する衣類厚さのようなパラメータに当てはまる標準テーブル及び既知の値を用いて)間接的に考慮されうる。そのような要因の考慮は、水分補給モニタリング結果と比較するために使用される局部温度に対する調整を含むことができる。
【0063】
一部の実施例で、皮膚表面温度測定の行われた別の部分と既知の温度関係を有する、モニタされている生命体の一部で得られた水分補給モニタリング結果は、その既知の関係に基いて調節されることができる。さらに、体重、身長、年齢、全体の健康レベル、労作の程度、時刻、ホルモンサイクルの段階及び性別を含む他の要因も、水分補給モニタリング結果を調節し、かつそのような結果の予測値を改善するのに使用されることができる。
【0064】
図11は、生命体の水分補給をモニタするシステム1100を示す。システム1100は、1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、1つ以上のプローブ100を備えている。プローブ100は、データ収集装置1105との無線データリンク1125を確立することができる無線データ通信デバイス505を備える。無線データリンク1125は、電磁波、電気信号及び/又は音響信号を含む多くの異なる信号のうちいずれかを使用してデータを送信することができる。プローブ100が皮下にある場合、データリンク1125は、皮膚を通るパスに沿ってデータを伝導する経皮リンクであることができる。
【0065】
無線データリンク1125に沿って通信されたデータはプローブ識別子を含むことができる。プローブ識別子はプローブ100を識別する情報である。プローブ100は、例えばメーカまたはモデルによって識別されることができる。プローブ100は、また、個々のプローブ100に関連するユニークな識別子によっても識別されることができる。プローブ識別子は、プローブ100によって収集されたデータに関連するシリアル番号又はコードを含んで、該データがプローブ100によって収集されたことを識別することができる。一部の実施の形態では、個々の電極、あるいは1セットの電極を収容するパッチやストラップはそれぞれ、格納されたユニークな、又は準ユニークな電極/パッチ識別子を有するICメモリーを組み入れる。パッチあるいは電極と、通信デバイス505との間のインタフェースが導入されて、通信デバイス505は電極又はパッチ識別子、及びパッチにカップリングされた別のエレクトロニクスのための個別の識別子を送信することができる。このようにして、プローブの異なる部品は別々に交換されることができる一方、物理データの生成、分析、及びすべてのインピーダンスデータを集めるために使用される通信装置の完全なトラッキングを可能にすることができる。
【0066】
無線データリンク1125に沿って通信されたデータは、さらにプローブ100へのメッセージを含むことができる。メッセージ例は、測定及び/又はデータ解析パラメータを変更する命令、及び、プローブの状態及び/又は動作能力に関するクエリーを含む。無線データリンク1125に沿ったデータ通信は、さらに、プローブ100の初期設定及び起動に関係する情報を含むことができる。初期設定は、データ収集装置1105へのプローブ識別子の通信を含むことができる。初期設定は、さらに、例えば、水分補給測定のタイミングを規制する内部クロック及び水分補給測定結果の送信の開始を含む測定活動の始動を含むことができる。そのようなデータ通信は、データ収集装置1105との進行中の対話として行われることができる。
【0067】
データ収集装置1105は、プローブ100のコンポーネント及び/又は特徴を補足するコンポーネント及び/又は特徴を備え、主にプローブ100を補うデバイスである。例えば、そのようなコンポーネントあるいは特徴は、サイズが大きすぎたり、メモリが大きすぎたり、複雑すぎるデータ処理を要求したり、及び/又は、あまりにも間欠的に使用されうるため、プローブ100に備えられない。図12は、データ収集装置1105の一実施例を示す。データ収集装置1105は、固定ロケーションから移動されることができ、少なくとも固定デバイスからの入力がなくても幾つかの機能を行うことができる携帯機器であることができる。例えば、データ収集装置1105は、モニタされる人に取り付けられている携帯型のデバイスでありえる。
【0068】
データ収集装置1105は、ローカルユーザ入力部1205、ローカルユーザ出力部1210、無線のデータ通信部1215、及び有線データ通信部1217を備え、それら各部がすべて本体1220上に配置されている。ローカルユーザ入力部1205は、データ収集装置1105の近くにいるユーザからのビデオ、オーディオ及び/又は機械的な入力を受信する1つ以上のコンポーネントを備える。例えば、ローカルユーザ入力部1205はキーパッド1225及びモード選択ボタン1230を備えることができる。キーパッド1225はユーザから英数字入力を受信することができる。モード選択ボタン1230はユーザから動作モード選択を受信することができる。データ収集装置1105の動作モードは以下でさらに議論される。
【0069】
ローカルユーザ出力部1210は、ビデオ、オーディオ及び/又は機械的な出力をデータ収集装置1105の近くにいるユーザに提供する1つ以上のコンポーネントを備える。例えば、ローカルユーザ出力部1210は表示パネル1235を備えることができる。表示パネル1235は例えばLCDスクリーンでありえる。表示パネル1235は、特定の情報をローカルユーザへ表示する様々な領域を有し、特に、電池残量表示領域1240、動作モード表示領域1245、時間/日付表示領域1250、測定結果表示領域1255、及び警告表示領域1260を有する。
【0070】
電池残量表示領域1240は、電池の残留する電量、あるいはデータ収集装置1105に電力を供給する他の電力要素を示すグラフィックデバイスを含む。動作モード表示領域1245は、データ収集装置1105の様々な動作モードのテキストリストを含む。リストされる動作モードはテストモード、セットアップモード、同期モード、及び測定モードを含む。測定モードを示すテキスト(即ち、“MEAS”)は、データ収集装置1105の現在の動作モードが測定モードであることを示すシルシ1265を含む。時間/日付表示領域1250は現在時刻及び日付を示すテキストを含む。測定結果表示領域1255は1つ以上のプローブ100によって行われた水分補給測定の結果を示すテキスト及び/又は図形要素を含む。警告表示領域1260は、プローブ測定結果が、存在するあるいは切迫している1つ以上の疾病状態を示している、テキスト及び/又は図形の警告を含む。警告表示領域1260はさらに、プローブ100及び/又はデータ収集装置1105の誤動作が生じている、あるいは切迫していることを示すことができる。
【0071】
無線のデータ通信部1215は第1無線通信トランシーバ1265及び第2無線通信トランシーバ1270を備えることができる。トランシーバ1265、1270はそれぞれ個別のデバイスであり、また、データ無線通信用の共通のコンポーネントを備えることもできる。例えば、トランシーバ1265、1270はそれぞれに、各々のRFアンテナを備えることができる。
【0072】
トランシーバ1265、1270は、特定のデバイス、あるいは特定の種類のデバイスとのデータ交換に専用的になりえる。例えば、トランシーバ1265は、1つ以上の無線データリンク1125上で1つ以上のプローブ100とのデータ交換に専用される一方で、トランシーバ1270は、他のデータ収集装置及び/又は1つ以上のデータ管理システム1110とデータを交換することができる。トランシーバ1265、1270は、データ無線交換のために移動体通信ネットワーク、アルファベット数字式ページングネットワーク、WiFiあるいは他のシステムと機能することができる。
【0073】
有線データ通信部1217は、1つ以上の有線データリンクでプラグあるいは他のターミナルを受容するように適合された1つ以上のコネクター部1275を備えることができる。有線データリンクは、他のデータ収集装置及び/又は1つ以上のデータ管理システム1110とデータを交換することができる。有線データリンクは、光データリンク及び/又は電気データリンクであることができる。電気データリンクはアナログまたはデジタルでありえる。データリンクは、TCP/IPスイトの通信プロトコルのようなデータ通信プロトコルに従って動作することができる。
【0074】
本体1220は、駆動部1205、1210、1215、1217のような、動作を行う電気的及び他のコンポーネント(図示せず)を周囲の環境から隔離するためにシーリングされることができる。本体1220は、データ収集装置1105が内部電力供給源(図示せず)によって自家電力供給されることを可能にするような寸法を有するコンポーネントであることができる。例えば、データ収集装置1105は内部の再充電可能なバッテリによって電力を供給されることができる。コンポーネントは、例えば、データ収集装置1105についてのデータの入出力を管理するための、データ記憶デバイス、データ処理デバイス、データ通信デバイス、及び駆動回路であることができる。
【0075】
本体1220は、示されたような独立したユニットとして動作するように設計されることができる。あるいは本体1220は、別の通信デバイスと統合するように設計されることができる。例えば、本体1220は、携帯電話若しくは個人データ補助装置と統合して無線データ通信部1215の全て、あるいはその一部を形成するように設計されることができる。
【0076】
また、図11に示すように、システム1100は、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110間のデータ交換のために、有線データリンク1130及び/又は無線データリンク1135を備えることができる。有線データリンク1130は、データ収集装置1105上のコネクターポート1275で終端することができる。また、無線データリンク1135はデータ収集装置1105上のトランシーバ1270で終端することができる。
【0077】
無線データリンク1125、有線データリンク1130及び無線データリンク1135は、1つ以上の通信プロトコルに従ってデータを交換することができる。通信プロトコルは、送信される情報のフォーマット及び送信の物性を決定することができる。通信プロトコルは、さらに同期メカニズム、ハンドシェイクメカニズムのようなデータ転送メカニズム、及び繰返し率を決定することができる。プロトコルのデータ構造が、このプロトコルを使用したデータ転送率に影響を与えうる。データはブロックまたはパケットに編成され、また、送信は特定の間隔で行われることができる。例えば、伝送ブロックは、同期ビット、データソースを識別する情報を含むアドレスフィールド、水分補給モニタリングデータを格納するデータフィールド、及び受信端でデータの完全性をテストするためのチェックサムフィールドを含むことができる。データブロックの長さは、例えば、 電力消費を低減し、デバイス寿命を増大させるために変ることができる。同じデータは受け取りを保証するために複数回送信されることができる。
【0078】
一実施例では、交換されるデータが、4つのセクション、すなわち、ヘッダセクション、プローブ100を識別するプローブ識別子(及び/又は電極若しくは電極セットの識別子)を含む64ビットアドレスセクション、暗号化されたデータセクション、及びチェックサムまたはエラー訂正セクションを含むパケットに編成される。データセクションはアドレスセクションに依存するアルゴリズムを使用して暗号化されることができる。
【0079】
プローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110はすべて、電子的ハンドシェイクのような確認を使用して、データ交換の成功を確認することができる。データ交換の失敗は、エラーメッセージの送信によって示されることができる。このエラーメッセージの送信に対して、失敗した交換データの再送信で応答することができる。
【0080】
一部の実施例では、プローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110は、多くの異なる周波数でデータを交換することができる。例えば、システム1100が複数のデータ収集装置1105を備える場合、各データ収集装置1105はそれぞれ異なる周波数のキャリアを使用して、無線データリンク1135上でデータを送信することができる。別の例として、システム1100が複数のプローブ100を備える場合、各プローブ100はそれぞれ異なる周波数のキャリアを使用して無線データリンク1125上でデータを送信することができる。当然のことながら、時間分割やコード分割のような様々な多重接続技術が代替的に使用されうる。
【0081】
無線データリンク1125、有線データリンク1130及び無線データリンク1135に沿って通信されたデータは、その全部あるいは一部が暗号化されることができる。暗号化は対称的あるいは非対称的でありえる。暗号化は、暗号化されたデータと共に送信されたプローブ識別子あるいは英数字コードに基いた暗号鍵に依存することができる。暗号化は、特定のプローブ100、特定のデータ収集装置1105、あるいは特定のデータ管理システム1110によって解読されるように意図されうる。一実施例では、有線データリンク1130に沿って通信されたデータが、TCP/IPプロトコルのSSL層で128ビットの暗号を使用して暗号化される。
【0082】
独自仕様及び一般のプロトコルの両方ともが、プローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110間のデータ交換に使用されることができる。例えば、移動体通信用のグローバルシステム(GSM)、Bluetooth、及び/又はインターネットプロトコル(IP)が使用されることができる。
【0083】
一実施例では、無線リンク1125は、MICS(Medical Implant Communications Service、400−406MHz)、あるいはWMTS(Wireless Medical Telemetry Service、609−613MHz及び1390−1395MHz)のような無線医療周波数帯でのスペクトラム拡散RF信号である。
【0084】
データ管理システム1110は、プローブ100によって集められた生命体の水分補給に関係するデータに対して動作を行うデータ処理デバイスである。動作は、マシン判読可能なフォーマットに格納された論理命令に従って行われることができる。行われた動作は、そのようなデータの処理、そのようなデータの表示、及びそのようなデータの記憶を含むことができる。
【0085】
データ管理システム1110は、データ収集装置1105を備えるローカルデータ通信ネットワークの一部である必要がないため、データ収集装置1105から遠に位置しえる。例えば、データ管理システム1110は、1人以上の医療関係者によってアクセス可能なデータ処理装置であることができる。
【0086】
データ管理システム1110によるデータ処理は、モニタされる生命体の疾病状態あるいはモニタリング自体の問題を識別するデータ解析を含むことができる。例えば、データ管理システム1110は、モデル等価回路を使用してインピーダンス解析を行い、モニタされた生命体の異なる場所での水分補給レベルを決定することができる。
【0087】
データ管理システム1110によるデータの表示は、1つ以上のI/Oデバイス1115上での水分補給モニタリングの結果の提示を含むことができる。I/Oデバイス1115は、(医療関係者のような)人間のユーザに情報を伝えることができる視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な表示素子を備えることができる。例えば、I/Oデバイス1115はモニタ、スピーカ及び/又は点字の出力デバイスを備えることができる。I/Oデバイス1115はさらに、キーボード、マウス、マイクロホン及び/又はカメラのような視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な入力素子を備えることができる。よって、I/Oデバイス1115は、視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な結果を人間のユーザに与え、そして、ユーザから、視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な入力を受け取ることができる。
【0088】
データ管理システム1110によるデータ記憶は、機械可読のフォーマットで情報を保持する1つ以上のデータ記憶デバイス1120上での水分補給モニタリングの結果の記憶を含むことができる。データ記憶デバイス1120は揮発性及び/又は不揮発性のメモリを備えることができる。例えば、データ記憶デバイス1120は、RAMデバイス、ROMデバイス及び/又はメモリディスクであることができる。
【0089】
動作中、システム1100の構成コンポーネントのすべてあるいは一部は1つ以上の動作段階において動作することができる。例えば、テスト段階において、システム1100の構成コンポーネントは、自身をテストして、機能できるかを決めることができる。例えば、プローブ100及びデータ収集装置1105は、リンク1125上でデータを交換することが可能であることを確認することができ、また、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110は、1つ以上のリンク1130、1135上でデータを交換することが可能であることを確認することができる。別の例として、プローブ100は、入力120、125及び出力130、135が、モニタされる生命体に関して適切に配置されていることを確認することができる。例えば、入力120、125及び出力130、135が電極245、250、255、260である場合、プローブ100は、電極245、250、255、260が、モニタされる生命体の付随されている部分と電気的にコンタクトしていることを確認することができる。
【0090】
セットアップ段階において、個々の水分補給のモニタリングに関係するパラメータを調整することができる。例えば、プローブ100は、モニタされる生命体の一部の与えられた水分補給レベルに対する基準測定結果を決定し、それに応じてモニタリングパラメータを調節することができる。例えば、入力信号レベルは、乾燥皮膚及び高い経皮的なインピーダンスを調整するために増大されることができる。データ収集装置1105は、1つ以上のローカルユーザ入力部1205、無線データ通信部1215、及び有線データ通信部1217よりユーザ入力を受信することができる。受信された入力は、プローブ100及び/又はデータ収集装置1105で警告が鳴らされるレベルのような、調節されるべきモニタリングパラメータを識別することができる。データ管理システム1110も、モニタリングパラメータの準備に関係するユーザ入力を受信することができる。例えば、データ管理システム1110は、水分補給測定結果がリンク1125を介してプローブ100によって4時間ごとに一度、データ収集装置に送信されるべきことを示す入力を、I/Oデバイス1115を介して医療関係者から受取ることができる。このタイミングパラメータは、リンク1130を介してデータ管理システム1110からデータ収集装置1105へ中継され、そして、データ収集装置1105は、無線リンク1125を介して該タイミングパラメータをプローブ100へ中継することができる。
【0091】
1つ以上のリンク1125、1130、1135を介した情報通信に関係するパラメータも、セットアップ段階において調整することができる。例えば、システム1100の構成コンポーネントは通信プロトコル、あるいは通信プロトコルのパラメータを選ぶことができる。
【0092】
同期段階において、2以上のプローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110におけるクロックが同期されて、1つ以上のリンク1125、1130、1135に沿った同期データ伝送を可能にする。例えば、一実施例では、データ収集装置1105は、有線データリンク1130を介してデータ管理システム1110に同期文字を送信する。データ管理システム1110は同期文字を受信し、受信した文字を同期パターンと比較することができる。受信した文字が同期パターンと十分に一致する場合、データ管理システム1110は同期段階を終了し、リンク1130を通じてデータ収集装置1105と同期して他のデータを交換することができる。そのような同期プロセスは周期的に繰り返されることができる。
【0093】
一実施例では、データ収集装置1105は、同期されたプローブ100のシリアル番号あるいは他の識別子を受信し、及び/又は表示することができる。
【0094】
測定段階において、1つ以上のプローブ100は、モニタされる一人以上の水分補給に関係するデータを集めることができる。プローブ100は、集められたデータに対して、生体電気インピーダンスデータ解析、フィルタリング、及びイベント識別を含むデータ処理を行うことができる。
【0095】
プローブ100は、(集められたデータを処理分析した結果を含む)水分補給モニタリングに関係するデータを1つ以上のデータ収集装置1105へ送信することができる。送信されるデータは、送信プローブ100を識別するプローブ識別子を含むことができる。送信されるデータは暗号化されることができる。
【0096】
データ収集装置1105は、プローブ100から送信されたデータを受信し、受信したデータに基いてローカルユーザ出力部1210を更新する。更新は、動作モード表示領域1245に、プローブ100が水分補給をモニタしていることを示し、測定結果表示領域1255に、直近のモニタリング結果を表示し、及び警告表示領域1260に、データ収集装置1105に近いユーザへの警告を生成することを含むことができる。警告は、例えばモニタされる人が一種以上の疾病状態に罹っていること、あるいは、モニタリングが何かの原因で動作不能になったことを示すことができる。
【0097】
データ収集装置1105はさらに、水分補給モニタリングに関係するデータをリンク1125を介して送信するよう1つ以上のプローブ100に命令することができる。例えば、データ収集装置1105は、プローブ100にクエリーを送信することができる。クエリーは、プローブ100が水分補給モニタリングのある側面に関する情報を提供することを要求することができる。例えば、クエリーは、プローブ100が水分補給モニタリングが行われているという確認をリンク1125を通じて送信することを要求することができる。あるいは、クエリーは、プローブ100が直近の測定結果をリンク1125を介して送信することを要求することができる。あるいは、クエリーは、プローブ100が特定の文字の1つ以上のイベントをリンク1125を通じて送信することを要求することができる。データ収集装置1105は、プローブ100に周期的に、例えば1時間または2時間毎にクエリーを送信することができる。
【0098】
データ収集装置1105はさらに、プローブ100から送信されたデータの一部あるいはその全部をデータ管理システム1110へ中継することもできる。データは1つ以上のデータリンク1130、1135を通じて中継されることができる。データ収集装置1105は、そのようなデータを直接に、即ちデータに対して補足分析を行うことなく、中継し、あるいは、データ管理システム1110へデータの部分集合を中継する前に、データに対して補足処理を行うことができる。データ収集装置1105は、ローカルユーザ出力部1210にデータ中継通知を表示することにより、データが中継されたことをローカルユーザに通知することができる。代替的に、データ収集装置1105はローカルユーザへ通知することなく、データを中継することもできる。
【0099】
データ収集装置1105はさらに、1つ以上のローカルユーザ入力部1205、無線データ通信部1215、及び有線データ通信部1217を通じて、ユーザ入力を受信することができる。受信した入力は、データ収集装置1105がリンク1125を介して1つ以上のプローブ100へデータを送信する予定を、識別することができる。例えば、受信した入力は、モニタされている人が疾病状態にあることを示す警告信号を生成するようプローブ100にデータ収集装置1105が命令しようとすることを、識別することができる。別の例として、受信した入力は、データ収集装置1105が無線リンク1125を通じてクエリーをプローブ100に送信しようとすることを、識別することができる。別の例として、受信した入力は、疾病状態を識別する1つ以上のしきい値を含む水分補給モニタリングのパラメータを変更するようプローブ100に命令する命令をデータ収集装置1105が送信しようとすることを、識別することができる。
【0100】
データ収集装置1105はさらに、プローブ100のデータ処理及び記憶活動を補足するデータ処理及び記憶活動を行うこともできる。例えば、データ収集装置1105は、信号処理及び分析を含む、より拡張されたデータ解析及び記憶を行うことができる。例えば、データ収集装置1105は、モデル等価回路を使用してインピーダンス解析を行い、モニタされた生命体の異なる箇所での水分補給レベルを決定することができる。別の例として、データ収集装置1105は、長い期間における変化する水分補給レベルの全体的な傾向を識別する傾向分析を行い、あるいは、複数のプローブ100を使用して得られた水分補給レベル間の比較を行うことができる。複数のプローブ100は、単一の生命体の水分補給をモニタし、あるいは、複数の生命体の水分補給をモニタすることができる。データ収集装置1105は、複数のプローブからのモニタリング結果を比較し関連させて、1つ以上のプローブ100を較正し、モニタリングにおけるエラーを最小限にすることができる。
【0101】
データ収集装置1105はさらに、水分補給モニタリングの結果を他の生物パラメータをモニタする結果と比較し、及び/又は関連させることができる。例えば、データ収集装置1105は、水分補給モニタリングの結果を、心臓モニタリング、薬物送達スケジュール、及び温度モニタリングの結果と比較し関連させることができる。データ収集装置1105は、1つ以上のローカルユーザ入力部1205、無線データ通信部1215、及び有線データ通信部1217を介して他のモニタリング結果を受取ることができる。例えば、データ収集装置1105は、1つ以上のリンク1125、1130、1135を介して他のモニタリング結果を受信することができる。
【0102】
データ収集装置1105は、さらに、他のデバイス及びシステム(図11に示せず)とデータを交換することができる。例えば、データ収集装置1105は、他のモニタリング装置から他のモニタリング結果を直接受信することができる。別の例として、データ収集装置1105は、水分補給モニタリングの結果に関係するデータを他のローカルあるいは遠方の相手側へ送信することができる。他の相手側は、システム1100の構成コンポーネントのいずれに対しても法的利益を共有しない外部の実体であることができる。例えば、他の相手側は、システム1100の所有者と請負いの契約をした、水分補給をモニタする医療グループであることができる。
【0103】
データ管理システム1110は、データリンク1130、1135のうちの1つあるいは両方を介してデータ収集装置1105から水分補給モニタリングの結果を受信することができる。受信した結果は、生命体の水分補給の分析、並びに複数の生命体あるいは他の生物パラメータのモニタリング結果の比較及び相関を含むことができる。
【0104】
データ管理システム1110は、疾病状態、モニタリングに関する問題を識別するために、受信データに対してデータ処理を含む操作を行うことができる。例えば、データ管理システム1110は、モデル等価回路を使用してインピーダンス解析を行い、モニタされた生命体の異なる箇所での水分補給レベルを決定することができる。別の例として、データ管理システム1110は、長い期間における変化する水分補給レベルの全体的傾向を識別する傾向分析を行い、あるいは、複数のプローブ100を使用して得られた水分補給レベル間の比較を行うことができる。複数のプローブ100は、単一の生命体の水分補給をモニタし、あるいは、複数の生命体の水分補給をモニタすることができる。データ管理システム1110は、複数のプローブからのモニタリング結果を比較し関連させて、1つ以上のプローブ100を較正し、モニタリングにおけるエラーを最小限にすることができる。データ管理システム1110は、さらに、統計的に有意な数の生命体からの水分補給モニタリング結果を必要とする分析を行うことができる。そのような分析は、支払い評価、地理的評価、疫学的評価、病因評価、及び人口統計学的評価を含むことができる。
【0105】
データ管理システム1110は、1つ以上のI/Oデバイス1115上に水分補給モニタリングの結果を提示し、また1つ以上のデータ記憶デバイス1120に水分補給モニタリングの結果を格納することができる。データ管理システム1110はさらに、データ処理の結果をデータ収集装置1105及び/又はプローブ100にデータリンク1125、1130、1135を介して提供することができる。提供される結果は、疾病状態が存在する指摘、及び/又はモニタされる生命体が疾病状態にあることを示す警告信号をプローブ100が生成するべきである指摘を含むことができる。データ管理システム1110は、さらにそのような指摘を、I/Oデバイス1115と接触する医療関係者及びモニタされる生命体の近くにいる医療関係者を含む外部実体に提供することができる。例えば、救急救命士(EMT)は、EMT近辺のモニタされている人が急性脱水に罹っていると通知されることができる。別の例として、データ管理システム1110は、さらにヘルスケア組織あるいはインターネットポータルの臨床情報システムのような外部システムに指摘を掲載することができる。
【0106】
一実施例では、データ管理システム1110は、データ収集装置1105及び/又はプローブ100で追加のモニタリング活動が行われることを要求することができる。その要求は、データ収集装置1105で行われた分析の結果及び/又はデータ管理システム1110で行われた分析によって促されることができる。その要求は、さらに、I/Oデバイス1115と接触する医療関係者のような人間のユーザによって促されることもできる。それらの要求は水分補給モニタリングの結果に基くことができる。追加のモニタリング活動は、他の生物パラメータに、あるいは、モニタされる個々の水分補給に関してより多くの情報の獲得に向けられることができる。例えば、データ管理システム1110は、水分補給モニタリングを機能させるためにモニタされる生命体に提示されることになっている調査及び/又は調査質問を識別することができる。調査は、モニタされる生命体の水分補給に関する情報を集めることを目指した一連の質問である。調査は一般に、モニタされる生命体に提示されるが、モニタされる生命体との接触を有する人にも提示されることができる。調査は例えば、電話、あるいは郵便によって提示されることができる。調査及び調査質問は、モニタリングが開始する前に生成され、例えばプローブ100、データ収集装置1105及び/又はデータ管理システム1110で格納されることができる。
【0107】
調査質問は、例えばモニタされる生命体の身体姿勢、モニタされる生命体がその姿勢にいた時間の長さ、モニタされる生命体の食事、モニタされる生命体の活動レベル、あるいはモニタされる生命体のいる時間区域を確認することに向けられることができる。調査質問例は「いま運動していますか?」、「プローブを外しましたか?」、「最近利尿薬を飲みましたか?」を含む。調査中に提示される質問は、先行の問題に対する反応によることができる。例えば、モニタされる人がプローブ100を外していれば、後の質問は削除されることができる。
【0108】
調査の質問に対する返事は、例えば対話型音声認識システム(IVRS)あるいはプッシュホン上のキーパッドエントリを使用して受取ることができる。データ管理システム1110は自から調査を提示し、あるいは、調査を提示するよう別のシステムに命令することができる。調査質問に対する返事は、予め設定した基準に基づいて得点づけられ、水分補給モニタリングのさらなる分析に使用されることができる。
【0109】
図13は、生命体の水分補給をモニタするシステムの別の実施例、すなわちシステム1300を示す。1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、システム1300は、複数のプローブ100、1305、1310、1315の集合を備える。プローブ100、1305、1310、及び1315はともに、それらのプローブ間でデータを転送することができるデータ「ホッピング」ネットワーク1317を形成する。特に、ネットワーク1317において、プローブ1305は、無線データリンク1320を介してプローブ100とデータを交換することができる。プローブ1310は、無線データリンク1325を介してプローブ1305とデータを交換することができる。プローブ1315は、無線データリンク1330を介してプローブ1310とデータを交換することができる。データリンク1320、1325、1330を介してプローブ100、1305、1310、1315間で交換されるデータは、水分補給モニタリング結果、生物パラメータモニタリング結果、クエリー、パラメータ変化命令、暗号鍵、プローブ識別子、ハンドシェイク、調査及び他の情報を含むことができる。
【0110】
そのような「ホッピング」ネットワーク1317は、システム1300におけるデータ通信の範囲及び信頼性を拡張しうる。
【0111】
図14は、生命体の水分補給をモニタするシステムの別の実施例、すなわちシステム1400を示す。1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、システム1400は薬剤ディスペンサー1405を備える。薬剤ディスペンサー1405は、個々の疾病状態を改善する合成物を提供するデバイスである。薬剤ディスペンサー1405は、そのような合成物を個々に自動的に(即ち、人間の介入ナシで)供給し、あるいは、1人以上の人の行動と協力して提供することができる。例えば、薬剤ディスペンサー1405は埋め込み型の放出制御薬物送達デバイス、あるいは、モニタされる人又は医療関係者によってアクセス可能な錠剤ディスペンサーであることができる。
【0112】
薬剤ディスペンサー1405は通信素子1410を備える。通信素子1410は、ディスペンサー1405をシステム1400の構成コンポーネントとのデータ通信に置くことができる。例えば、一実施例では、通信素子1410は、ディスペンサー1405とデータ収集装置1105との間に無線データリンク1415を確立することができる。
【0113】
動作中、薬剤ディスペンサー1405は、通信素子1410を介して構成コンポーネントからの分配命令のようなデータを受信することができる。例えば、1つ以上のプローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110は水分補給モニタリングの結果に少なくとも部分的に基いて、モニタされる人が一種以上の疾病状態に罹っていることを識別する場合、薬剤ディスペンサー1405は、識別された疾病状態を改善する合成物をモニタされている人に供給する命令を素子1410を介して受信することができる。
【0114】
分配命令の受信に応じて、薬剤ディスペンサー1405は、モニタされている人に疾病状態を改善する合成物を提供することができる。例えば、薬剤ディスペンサー1405はモニタされる人の体内に薬を放出し、あるいは、モニタされる人のために薬の投与を準備することができる。薬剤ディスペンサー1405による合成物の分配は、例えば水分補給モニタリングの結果の分析に使用されるように、システム1400の1つ以上のメモリデバイスに記録されることができる。
【0115】
図15は、生命体の水分補給のモニタリングに使用できるモデル等価回路1500の例を示す。特に、生命体の導電率をモデル化するために使用できる等価回路1500。回路1500は、生命体1510の皮膚表面1505上に電極245、250、255、260を担持するプローブ200を使用した生体電気インピーダンス分光法で観察されたインピーダンスをモデル化する。
【0116】
モデル回路1500は、一連の表面インピーダンス1515、1520、1525、一連の経皮インピーダンス1530、1535、1540、1545、及び一連の皮下インピーダンス1550、1555、1560を備える。表面インピーダンス1515、1520、1525は、電極245、250、255、260の関係するものの間の表面電気インピーダンスをモデル化することができる。表面インピーダンス1515、1520、1525は、皮膚表面を介した伝導率、及び皮膚表面の汗及び他の伝導液体を介した伝導率の両方をモデル化することができる。一実施例では、表面インピーダンス1515、1520、1525は、非無効性(即ち、抵抗性)の素子としてモデル化される。
【0117】
経皮インピーダンス1530、1535、1540、1545は、モニタされる生命体の皮膚を通る電気インピーダンスをモデル化することができる。経皮インピーダンス1530は、抵抗分1565及び無効分1570を備える。経皮インピーダンス1535は抵抗分1575及び無効分1580を備える。経皮インピーダンス1540は抵抗分1585及び無効分1590を備える。経皮インピーダンス1545は抵抗分1595及び無効分1597を備える。無効分1570、1580、1590、1597は容量素子として密な細胞層を介した電気インピーダンスをモデル化することができる。他方、抵抗分1565、1575、1585、1595は抵抗素子として皮膚の水分補給された部分及び他の部分を介する電気インピーダンスをモデル化することができる。
【0118】
皮下インピーダンス1550、1555、1560はモニタされる生命体を介する電気インピーダンスをモデル化することができる。例えば、皮下インピーダンス1550、1555、1560は、皮膚によって囲まれた抵抗性の容積導体として、モニタされる生命体の一部の電気インピーダンスをモデル化することができる。
【0119】
一実施例では、生体電気インピーダンス分光法において、プローブ200が皮膚表面1505上に電極245、250、255、260を担持する。電流ソース210は、電極245、250間で電流を駆動することができる。駆動された電流は直流及び交流成分の両方を含むことができる。電極245、250、255、260での電位は、等価回路1500を横切るネットインピーダンス、及び等価回路1500を横切る異なるパスのインピーダンスに関する情報を提供する。
【0120】
例えば、直流が回路1500を横切って流されるとき、直流の大部分は、表面インピーダンス1515、1520、1525を通るであろう。直流適用下の電極245、250、255、260での電位測定は、表面インピーダンス1515、1520、1525のインピーダンス値を推定するために使用されることができる。所定周波数の交流が回路1500を横切って流される場合、交流の一部は、表面インピーダンス1515、1520、1525、経皮インピーダンス1530、1535、1540、1545、及び皮下インピーダンス1550、1555、1560を通ることができる。電極245、250、255、260での電位測定は、インピーダンス1515、1520、1525、1530、1535、1540、1545、1550、1555、1560を推定するために使用されることができる。そのような推定は、直流を使用して行われた表面インピーダンス1515、1520、1525の推定に照らして行われることができる。
【0121】
生命体の導電率に対する様々な要因のインパクトは、モデル回路1500の数理解析の変更により、あるいはデータ収集の側面を変えることにより調整されることができる。例えば、表面インピーダンス1515、1520、1525が、例えば皮膚表面上の汗あるいは他の導電液体によって高められた伝導率により、特に低い場合、電極245、250、255、260で測定された電位は、高められた伝導率を調整するように数学的に修正されることができる。例えば、以前に得られた表面インピーダンス推測は、表面インピーダンス1515、1520及び1525の変化が全体インピーダンス測定に対して有する影響を推測するために使用されることができる。これによって、皮下インピーダンスの変化を分離して皮下組織水分補給の変化をより正確にモニタすることができる。代替的に、生体電気分光測定を遅らせ、あるいは、プローブ200は、測定領域を乾燥すべきであるという指示をモニタされる人へ出力することができる。
【0122】
生命体の水分補給をモニタするために、モデル等価回路1500は、データ解析の常用のアプローチと併せて使用されることができる。そのようなデータ解析アプローチは、モニタリングデータを解釈し、且つモニタされる生命体中の水分の量及び分布の変化を識別するために使用されることができる。データ解析アプローチはさらに、他のバイオパラメータ測定の結果、及び水分補給モニタリングへの調査質問に対する返事を取り込むために使用されることができる。
【0123】
データ解析アプローチは、1セットの機械判読可能な論理命令に従って行われることができる。命令は、データ記憶ディスクあるいは他のメモリデバイスのような情報担体上にマシン判読可能なフォーマットで明確に具体化されることができる。命令は、また、その全体あるいは一部がマイクロ電子回路のようなハードウェアに具体化されることもできる。
【0124】
データ解析アプローチは、人間のユーザに表示することができる分析結果を生成することができる。人間のユーザは、モニタされている人、あるいは医療専門家のような別の人であることができる。分析結果は、ユーザからの促しに応じて、あるいは自動的に、即ち、ユーザ入力なしで表示されることができる。例えば、疾病状態を示す水分補給が識別される場合、分析結果は自動的に表示されることができる。システム1100を使用して水分補給モニタリングが行われる場合、分析結果は、プローブ100で、データ収集装置1105で、及び/又はデータ管理システム1110(図11、13、14)で表示されることができる。分析結果は、郵便サービス、ファクシミリ、有線又は無線電話ネットワークを介する音声メール、及び/又はインターネットあるいは他のネットワークに基いた通信様式のような他の出力デバイスを使用して、示されることができる。
【0125】
データ解析は、長期間にわたって連続的にあるいは断続的に行われることができる。分析されるデータは、連続的にあるいは断続的に収集された測定結果であることができる。分析されるデータは、収集されたデータの部分集合、あるいは、その全部であることができる。例えば、分析されるデータは、連続的な水分補給モニタリングの結果から編集された断続的なサンプルであることができる。
【0126】
長期間にわたって得られた水分補給モニタリング結果の分析の1つの利点は、長期モニタリングが達成されうることである。モニタリングは、疾病状態と関係しない、水分補給の日々の、月毎の、あるいは他の変化を識別できるような長期的なものであることができる。モニタリングは、分析結果が特定のモニタされている生命体に関係するように個別化されることができる。
【0127】
データ解析は、解析への長期及び短期変動の影響を削除することによって、水分補給における疾病状態と関係しない長期及び短期変動の両方を調整することができる。例えば、データ解析は、呼吸及び他のタイプの運動に関連する変動を調整することができる。例えば、胸から得られた水分補給モニタリング結果のピーク/トラフ分析及び/又は周波数分析は、呼吸周期を決定するために使用されることができる。これは、例えば測定結果の離散的データポイント間の変化率の特定によって行われることができる。一旦呼吸周期が特定されれば、(例えば呼気に関連するもののような)特定の測定結果は特定され、後の分析に使用されることができる。
【0128】
必要ならば、自然な、あるいは取り付けに伴う電極移動によるインピーダンス測定の変化も、通常のデータ処理によって調整されることができる。
【0129】
別の例として、データ解析は日々の、あるいは月別の変動を調整することができる。そのような変動は、長期的な測定結果のピーク/トラフ分析及び/又は周波数分析によって特定されることができる。例えば、(呼気に関連するもののような)特定の測定結果は、水分補給における再現可能な日周性及び/又は月別の変動性を特定するために使用されることができる。このような変動は、後の測定結果において、以前の変動の減算あるいは他の調整アプローチによって調整されることができる。
【0130】
例えば、水分補給モニタリング結果の日周パターンは、午後遅い時間から早朝にかけて特定の生命体の生体電気インピーダンス値が3%減少する可能性が高いことを示しうる。どちらか一方の時間帯に得られた水分補給測定結果は、この減少を反映する補間によって調節、あるいは修正されうる。このような調整は、例えば毎日の練習ルーチンあるいは飲食習慣のような予測可能な又は習慣的なパターンを考慮するために行われることができる。
【0131】
日周変化を調整する別の例としては、後の分析は、パターン化された規則的な呼吸の時間帯(例えば睡眠中)に得られた測定結果だけに依存する。そのようなパターン化された時間帯は、例えば水分補給モニタリング結果の変化率を決定することにより特定されることができる。そのようなパターン化された時間帯は、既知の水分補給状態(例えばモニタされる人が「乾燥していて」、肺水腫に影響されない)で得られた測定結果と合わせて使用されて、決定基準及び他の分析パラメータを調節することができる。
【0132】
水分補給モニタリング結果における電子的外れ値あるいは位置信号ノイズのような不規則変動を含む他の変動は、デジタル及び/又はアナログフィルタ、信号平均、データ廃棄テクニック、及び他のアプローチを使用して調整されることができる。
【0133】
水分補給モニタリング結果のデータ解析は、典型的な水分補給特性の基準を確立するために使用されることができ、それにより、基準からの、例えば疾病状態あるいは他のストレスに応じた偏差を特定することができる。典型的な水分補給特性の基準は、モニタされる特定の生命体に個別化、関連されることができ、あるいは、ある個体群の平均水分補給を反映することができる。例えば、拡張されたモニタリング結果は、個々の疾病状態の特定に対する許容差及び範囲、偏差、及び/又は異常、並びに集団趨勢(以下でさらに議論されるように)の母集団データベースを確立するために分析されることができる。そのような基準は、様々な人口統計的特性を有する健康、及び/又は病気の集団のために生成されることができる。
【0134】
対照的に、(例えば一日あるいは一週に一回、短い時間に個体をモニタするような)個体の周期的な短期水分補給モニタリングは、個体の変動、偏差、あるいは異常を検知する可能性が低く、母集団データベースの確立に寄与しない。
【0135】
データ解析は、全体水分補給モニタリング結果の部分集合の分析を含むことができる。分析される部分集合は、該部分集合と分析されない水分補給モニタリング結果とを区別する共通の特性を有することができる。例えば、分析される部分集合は、高い信号対雑音比を有し、あるいは、乾燥した条件(例えば表面インピーダンス1515、1520、1525(図15)が比較的高い場合)の下で取得されることができる。あるいは、分析される部分集合は、モニタされる生命体と入力120、125及び出力130、135(図1)との間でよい接触が維持されている場合取得され、又は、一日の同じ時間に取得されることができる。
【0136】
データ解析操作は、1つ以上のプローブ100、データ収集装置1105及び/又はデータ管理システム1110で行われることができる。一実施例では、データ解析は、プローブ100とデータ収集装置1105との間で配置される。特に、プローブ100は、信号処理、ノイズフィルタリング、データ平均演算を含む初期分析を行うことができる。操作は、1つ以上の周波数で得られた1つ以上の測定からのデータに対して行われることができる。操作は、生データ、あるいは変動がすでに調整されたデータに対して行われることができる。例えば、操作は、呼吸期間中の所定ポイントで収集されたデータに対して行われることができる。これらの初期分析結果は、プローブ識別子及び時間/日付スタンプのような他の情報と共にデータ収集装置1105に送信されることができる。データ収集装置1105では、データ解析操作は、水分補給における肺水腫のような疾病状態に関連する傾向若しくはシフトの特定、並びに受信データ及びしきい値間の比較を含むことができる。
【0137】
別の実施例では、データ解析操作は主としてデータ収集装置1105で行われ、プローブ100でのデータ解析は最小限である。プローブ100でのデータ解析が最小限の場合、データ解析とデータ記憶はデータ収集装置1105で統合され、また、プローブ100は、低い電力要求及びコストを有する、単純化された回路を備えることができる。
【0138】
データ解析はデータ管理システム1110で行われることもできる。そのようなデータ解析は多変数解析を含むことができる。多変数解析において、水分補給モニタリング結果が、体重、心拍数、呼吸、時刻、月、食事パターン、身体活動レベル、及び他の変数のような他の統計変数に照らして分析される。他の統計変数は水分補給モニタリング結果から完全に独立する必要がない。多変数解析に使用される水分補給モニタリング結果は、1つ以上の生命体から(例えば数日、数週あるいは数か月)長期間にわたって得えられることができる。そのような多変数解析の結果は、改善されたアルゴリズム、改善されたパターン定義技術、及び/又は人工知能システムを含む、水分補給モニタリング結果の新しい及び改善された分析を開発するために使用されることができる。
【0139】
様々な他の分析技術は水分補給モニタリング結果に適用されることができる。これらは、肺水腫の発症又は進行に関連する流体変化を決定するために使用されるデータのための確立している指針値の使用を含む。さらに、調整されたしきい値のような臨床医修正済の変数は、高い精度及び特異性を許容するために適用されることができる。
【0140】
水分補給モニタリング結果のこれら及び他の分析は、他の生物パラメータのモニタリング結果に照らして行われることができる。他の生物パラメータは、呼吸、心拍数、ホルモン(例えば、Bタイプナトリウム利尿ペプチド(BNP))レベル、代謝レベル(例えば、血中尿素窒素(BUN)及び/又はNa+/K+レベル)、楔入圧測定、心電図測定、及び他のものを含む。そのような他のパラメータに照らしてなされた分析は、分析プロセスによって提供された情報を改善しうる。
【0141】
データ解析は、最近の水分補給モニタリング結果に関する比較を含むことができる。例えば、最近の水分補給モニタリング結果を前の水分補給モニタリング結果、予測された結果、あるいは母集団結果と比較することができる。将来の水分補給モニタリング結果は、モニタされる個体の現状及び、同じあるいは他の個体、あるいはある母集団、あるいは人口統計学的なグループから得られた過去の水分補給モニタリング結果に基いて予測されることができる。そのような比較は、例えば、母集団データテーブル、経時的に得られた複数の基準測定、あるいは拡張された水分補給モニタリングに基いた傾向分析の結果の使用を含みうる。
【0142】
そのような比較はさらに、他のバイオパラメータを含む他の要因を含むことができる。例えば、比較が行われる前に、水分補給モニタリング結果は1つ以上の要因によって重み付けされることができる。そのような要因の例は、モニタされる人の年齢、体重、身長、性別、全般的な健康レベル、民族性、心拍数、呼吸速度、尿比重値、血液浸透圧測定、時刻、高度、水分補給の状態(主動的か、受動的か)、心臓波形、左心室駆出分画率、血中酸素濃度、分泌カリウムまたはナトリウムイオンのレベル、皮膚表面温度、周囲温度、コア体温、活動/運動評価、湿度及び他のバイオパラメータを含む。
【0143】
将来の水分補給状態の傾向分析及び予測をもとに、深刻な水分補給問題の発生に先立って被検者及び/又はケア提供者に治療または介入の推薦を提供することによって深刻な水分補給問題が生じるのを防ぐことが可能である。移動可能の健康な被検者については、選択された期間における水分補給の下降傾向を検知して、推奨される水分摂取量を自動的に提示することができる。推奨のタイミング及び性質も、年齢、性別、あるいは他の関連要因に少なくとも部分的に基くことができる。肺水腫の発症期間中に液体が肺組織に蓄積している予測のような一部の状況では、推奨される摂取量の医薬剤は自動的に提供されることができる。
【0144】
水分補給モニタリングは種々の異なる疾病状態をモニタするために様々な異なる手続きを使用して、様々な異なる環境の中で進行することができる。例えば、一実施例で、水分補給が肺水腫の徴候を得るためにモニタされる場合、モニタリングはその人が肺水腫のリスクを有すると識別された後に始まることができる。例えば、そのような人は、肺水腫の治療用のケア施設に既に受け入れられうる。水分補給は、その人が“乾いてきており”、胸領域にある過度の流体負荷が減少されるときに、モニタされることができる。その人が“乾いた”後も、水分補給モニタリングは継続することができる。例えば、そのような人がケア施設から解放され、且つ日常活動を行うように戻った後でも、水分補給モニタリングは継続することができる。このような期間の全部あるいはその一部において、水分補給モニタリングは、人によって固定箇所から移動されても相変わらず少なくとも一部の出力信号生成を行うことができるポータブルプローブに依存し、継続して行われることができる。そのような水分補給モニタリングの結果の分析は、モニタされている患者及びモニタされている患者を含むある集団グループの、肺水腫の再発症及び/又は進行に関する情報を集めるために使用されることができる。
【0145】
水分補給モニタリングは、1つ以上の急性あるいは慢性疾病状態を示す、生命体中の水分のレベル及び分布の識別を含む様々な異なる目的を達成するために行われることができる。そのようなモニタリングの例が以下に続く。
例1: 個人の脱水をモニタする移動可能な生体電気インピーダンスモニタリング
多くの人は、自分が脱水につながる活動や環境の中にいることに気づく。そのような活動は、競技運動、オフィサー/消防士によって行われた公安活動、戦闘、及び身体運動を要求する他の活動を含みうる。そのような環境は熱くて湿度の高い現場を含む。
【0146】
これらの場合において、そのような人の水分補給を絶えずモニタするためには、1つ以上のストラッププローブをそのような人の大腿に沿って配置することができる。代替的に、プローブは、図9A及び9Bの中で示されたズボン及びソックスのような衣類に組み入れられることができる。
【0147】
水分補給モニタリングの初期設定中に、水分補給モニタリング結果、及び他のバイオパラメータをモニタする結果を含むある範囲のデータは、分析操作を行う1つ以上のデータ処理デバイスに送信されることができる。そのようなデバイスは送信されたデータを使用して、水分補給における相対変化を決定することができる基準を確立することができる。送信されたデータは、例えば、尿比重、血液浸透圧、及び/又は例えば部位サイズ、年齢、身長、体重及び全般的な健康レベルのような人体計測データを含む、水分補給状態を示す他のパラメータを含むことができる。
【0148】
確立された基準はプローブに戻され、プローブによって使用されて、脱水を示す水分補給モニタリング結果が得られる場合に即時のアラームを提供することができる。さらに、プローブによって生成された水分補給モニタリング結果は、分析及びアーカイブ保管のためにデータ収集装置及び/又はデータ管理システムに送信されることができる。
【0149】
データ収集装置及び/又はデータ管理システムは、さらに脱水を示す水分補給モニタリング結果を識別することができる。例えば、水分補給がある限界量(例えば、3%)だけ減少した場合、データ収集装置及び/又はデータ管理システムは、この減少を記録し、そして、プローブ及び/又はデータ収集装置に警告信号を引き起こさせることができる。例えば、脱水の度合いは、推奨される流体置換量及び推奨される回復時間と共に表示されることができる。さらに、警告は、スポーツ選手のコーチ、スーパバイザあるいは医療関係者のような第三者に中継されることができる。
【0150】
ある期間のモニタリングの後、モニタされた人はプローブを外し交換することができる。新しいプローブはデータ収集装置に同期され、新しいベースラインインピーダンス測定を提供されることができる。
例2: 別の装備内に組み込まれたデータ収集装置を用いた、人の移動可能な生体電気インピーダンスモニタリング
自身が脱水につながる活動あるいは環境の中にいることに気付く人が一般に使用するデバイスに、データ収集装置は、組み込まれることができる。例えば、データ収集装置は、安全装置、自転車のハンドル、ヘルメットあるいはグローブに組み込まれることができる。脱水のような疾病状態を示す水分補給モニタリング結果が得られる場合、データ収集装置はその人、及び/又はその人の近辺の他の人に結果を警報することができる。例えば、フットボール選手のヘルメットの外側のライトがフラッシュし、選手の水分補給モニタリング結果をチームメイト及びコーチに警告することができる。これらの警告は、水分補給モニタリング結果の深刻度で格付されることができる。よって、例えば5%以上の脱水のような重大な水分補給限界を超えることに先立って、選手とチームメイトは適時の警告を有することができる。
例3: 自動車両を運転する人の移動可能な生体電気インピーダンスモニタリング
多くの人は自動車両を運転し、移動が可能ではあるが、長時間車両内に閉じ込められているため、かれらの移動度が制限されている。そのような車両は車、飛行機、タンク、船及び他の輸送デバイスを含む。
【0151】
そのような人の水分補給をモニタするプローブは、運転する人と絶えずあるいは断続的にコンタクトする例えばハンドル、ジョイスティックあるいは他の表面上で自動車両に組み入れられることができる。断続的コンタクトは、データ解析を、プローブ及びモニタされた生命体間の良好なコンタクトの期間に得られたデータに制限することにより調整されることができる。
【0152】
そのような車両はさらにデータ収集装置を備えることができる。一部の実施例では、データ収集装置は、車両と一般的なコンポーネントを共有して様々な操作を行うことができる。そのようなコンポーネントは車両表示システム及びデータ通信デバイスを含む。
【0153】
脱水のような疾病状態を示す水分補給モニタリング結果が得られる場合、データ収集装置は、その人、及び/又はその人の近辺の他の人に結果を警報することができる。例えば、ピットクルーは、ドライバが脱水するようになっていると通知されることができる。あるいは、部隊指揮官は、指揮下の兵士が脱水状態になりつつあると通知されることができる。
【0154】
多くの実施例は既に説明されたが、変更が行われうる。例えば、絆創膏プローブは衣類に組み入れられることができる。プローブ100は有線データリンクによってデータ収集装置1105と通信することができる。プローブ100及びデータ収集装置1105の両方は、車両、ラジオユニット、靴、フットボール器具、消防器具、グローブ、水分補給システム、自転車ハンドル及び他のデバイスのような、別のアイテムあるいは器具に組み入れられることができる。データリンク1125に沿ったデータ通信は非同期であることができる。よって、同期操作モードはデータ収集装置1105から除去されることができる。
【0155】
図16に示すように、生命体の水分補給をモニタするために、複数のプローブ(即ち、プローブ500及び500’)は生命体405の異なる箇所に配置されることができる。特に、ストラッププローブ500’は人405の大腿を包囲する寸法を有し、人405の大腿の伝導率を調査するために配置されるが、ストラッププローブ500は、人405の下腿を包囲する寸法を有し、人405の下腿の伝導率を調査するために配置される。
【0156】
プローブ500、500’からの測定結果は、較正及びエラー最小化のために比較され関連させられることができる。例えば、プローブ500は、水分が下腿に蓄積するうっ血性心不全のような疾病を識別するために使用される水分補給測定結果を提供し、プローブ500’は、プローブ500を用いて得られた水分補給測定結果を較正するために使用される水分補給測定結果を提供することができる。そのよう較正は、水分補給モニタリング結果における心不全と無関係な変動を調整する差分測定をすることを含むことができる。
【0157】
図17は、生命体の水分補給をモニタするために複数のプローブを使用するシステムの一実施例、すなわちシステム1700を示す。1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、システム1700はプローブ500、500’を備える。プローブ500、500’は、図16に示すように単一の生命体405上に配置されることができる。プローブ500、500’は両方ともデータ収集装置1105と共に、水分補給モニタリングの中で使用される情報を通信するために無線データリンク1125を確立することができる。
【0158】
従って、他の実施例が特許請求の範囲内に属する。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】生命体の水分補給をモニタするプローブの構成を示す図である。
【図2】生命体の水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブの構成を示す図である。
【図3】絆創膏生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図4A】水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブ及び絆創膏プローブの配置例を示す図である。
【図4B】水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブ及び絆創膏プローブの配置例を示す図である。
【図5】ポータブルストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図6】ポータブルストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図7】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図8A】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図8B】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図8C】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図9A】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図9B】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図10A】別のストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図10B】別のストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図10C】生体電気インピーダンスモニター及び皮膚温度計を使用して得ることができる水分補給モニタリング結果の例を示すグラフである。
【図11】生命体の水分補給をモニタするシステムの構成を示す図である。
【図12】生命体の水分補給をモニタするシステムにおいて使用可能なデータ収集装置を示す図である。
【図13】生命体の水分補給をモニタする別のシステムの構成を示す図である。
【図14】生命体の水分補給をモニタする別のシステムの構成を示す図である。
【図15】生命体の水分補給をモニタするのに使用可能なモデル等価回路の一例を示す図である。
【図16】水分補給をモニタする複数のストラッププローブの配置例を示す図である。
【図17】生命体の水分補給をモニタする別のシステムの構成を示す図である。
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
この出願は、2004年8月20日に出願した「生体インピーダンスを用いた肺水腫モニタリングの方法及び装置」を題とするシリアル番号60/496、558のアメリカ合衆国の仮出願、及び、2004年5月13日に出願した「移動型水分補給モニタリングの方法及び装置」を題とするシリアル番号60/570、852のアメリカ合衆国の仮出願への優先権を主張し、これらの出願の内容は、参照により本明細書の一部として取り入れる。
【0002】
本発明は、生命体の水分補給のモニタリングに関する。
【背景技術】
【0003】
生命体の多くの種は大部分が水分である。個々の生命体中の水分の量及び/又は体内動態(即ち、生命体の水分補給)は、しばしば個々の生命体の健康と相関する。例えば、水分の過多あるいは不足は、急性及び/又は慢性疾患状態を示すことが可能である。
【0004】
そのような急性疾患状態の一例が急性脱水である。脱水は体内水分の過度の減損である。急性脱水の原因は、熱への晒し、持続的で精力的な練習及び利尿薬を含む多くがある。例えば、米国空軍フィールドマニュアル(FM 3-04.301- 航空機乗務員のための航空医学トレーニング)は、周囲温度が82〜84°F以上に上昇した場合、人体の発汗量が急激に増加し、脱水が生じうると記述している。また、湿度も発汗量に影響し、脱水を招きうる。例えば、115°Fの温度、10%の湿度の場合、人間は、水分及び塩分補給を通じて通常どおりに機能することができる。しかし、115°Fの温度で80%の湿度の場合は、同じ人間でも体内水分の過度の減損により30分以内に動けなくなる。
【0005】
過剰の水分と関連する慢性疾患状態の一例が、肺水腫である。肺水腫は肺内での血管外の流体蓄積である。肺水腫の原因は、僧帽弁狭窄症(mitral stenosis)又は左室不全(left ventricular failure)を含み、多く存在し、うっ血性心不全と関連づけることができる。
【0006】
そのような慢性疾患状態の別の一例が水分過剰である。水分過剰は身体が過剰の水分量を含んでいる状態である。腎臓透析中の患者にとって、水分過剰は高血圧症、死亡率の増大につながる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、生命体の水分補給をモニタするシステム及び技術を開示する。水分補給は、例えば生命体の脱水あるいは別の疾病状態を識別するためにモニタされることができる。
【0008】
一実施例では、デバイスは、生命体に連続的に取り付けられるような寸法を有するポータブル水分補給モニタプローブを備える。このプローブは、電力の供給源、この供給源からの電気エネルギーを、前記プローブを取り付けた生命体の局部と交換する電極、電極での電気エネルギーの交換に基づき局部生体電気インピーダンスを反映する前記水分補給モニタリングの結果を表すデータを生成するコントローラ、及び、前記水分補給モニタリング結果を表す前記データを遠隔の装置へ無線通信するように構成されたデータ通信デバイスを備える。
【0009】
上記及び他の実施例は1つ以上の下記の特徴を備えることができる。ポータブル水分補給モニタリングプローブはパッチプローブ(patch probe)を備えることができる。
【0010】
これら及び他のシステムと技術は、1つ以上の下記の利点を実現するために実施されることができる。水分補給は様々な疾病状態を識別するためにモニタされることができる。モニタされる生命体に取り付けられるような寸法を有するポータブルプローブを使用して、モニタリングは長期的になりえる。水分補給測定に対する皮膚表面温度の影響は、水分補給モニタリング結果を分析する時に考慮されることができる。水分補給モニタリング結果は、移動主体の移動度を妨げない無線通信リンクを使用して通信されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、生命体の水分補給をモニタするプローブ100の構成を示す図である。プローブ100は本体105、エネルギーソース110、及び検出回路115を有する。本体105は、例えばパッチやストラップのような、生命体の皮膚表面あるいは他の部分に沿うように合わせられる柔軟性部材であることができる。本体105は、被検者にエネルギーを加え、あるいは被検者とエネルギーを交換し、且つ、被検者のある領域のインピーダンスを測定する方法でエネルギー交換パラメータを検出するプローブ/生命体インタフェース120、125、130、135を担持する。ほとんどの実施の形態では、インタフェース120、125、130、135は、人体と電気エネルギーを交換するように適合された電極であるが、人体を照らすように適合された光学素子であることもできる。典型的には、2つのインタフェース120、125は電流を被検者の第1点から被検者の第2点へ強制的に流すために使用される。別の2つのインタフェース130、135は被検者上の2点間の電圧を測定するために使用される。これらの実施の形態において、電流適用点及び電圧測定点が同じ、あるいは互いに隣接し、あるいは著しく異なる場所でありえる点に気付かれうる。
【0012】
エネルギーソース110は例えば光エネルギーソースあるいは電気エネルギーソースでありうる。例えば、エネルギーソースは交流及び/又は直流の電流ソース、及び/または電圧ソースであることができる。エネルギーソース110がリード140、145によって入力120、125に接続される。リード140、145は、本体105に結合された生命体の一部との交換のための、エネルギーソース110によって生成されたエネルギーを伝導することができる。例えば、リード140、145は、生命体の一部と交換用の電流を運ぶことができる電線であり、又は、本体105が付随している生命体の一部と交換用の光を運ぶことができる光導波路であることができる。
【0013】
1つ電気的な実施の形態では、検出回路115は、リード140、145によって電極120、125に接続され、且つリード150、155によって電極130、135に接続された差動アンプを備える。リード140、145はソース110からアンプ115へ電圧を伝導し、リード150、155は電極130、135から電圧を別の入力としてアンプ115へ伝導することができる。アンプ115は、電極130、135間及び電極120、125間の電圧を検出して1つ以上の結果160を生成する。当然のことながら、アンプ115は、任意の一対の電極間の相対的な電圧を各々検出する2つ以上のアンプとして実施されうる。また、ソース110からの電流出力を直接測定するように電流検出も実施されうる。
【0014】
作動の時、本体105は、生命体の一部に沿うように曲り、沿われた一部とエネルギーを交換できるように入力120、125及び出力130、135を維持する。ソース110は、インタフェース120、125を通じてリード140、145上に伝導され、生命体の沿われた部分と交換される1種類以上のエネルギーを生成する。順に、インタフェース130、135は、沿われた部分から1つ以上のエネルギー交換パラメータを検出する。検出回路115は、検出された信号に基いて結果160を生成する。結果160は、少なくとも部分的に、モニタされた生命体の水分補給を反映する。
【0015】
プローブ100は、長期間に結果160を連続的にあるいは断続的に生成することができる。結果160は、例えば、インタフェース130、135で検出されたパラメータと入力120、125でのエネルギー入力量との比較の一部、あるいは、そのような比較の全部でありえる。例えば、結果160は、実質的に一定の電流の連続的な適用の結果からの断続的な電圧サンプルでありえる。別の例として、結果160は、連続するより短い期間の電流適用の周期的な(例えば、10分ごとのような5〜30分ごとの)結果でありえる。
【0016】
図2は、生命体の水分補給をモニタするプローブの一実施例、即ち生体電気インピーダンス分光プローブ200の構成を示す図である。生体電気インピーダンス分光法は、生命体の全部あるいは一部の電気伝導度を測定する測定技術である。例えば1つの足首から反対側の手首まで、あるいは両手の間に電流を流すようなことによって生命体の全体の伝導度が測定される場合、それを全身生体電気インピーダンス分光法と呼ぶことができる。例えばより局部的に配置された電極のクラスターによって生命体の一部の伝導度が測定される場合、それを部分(あるいは領域)生体電気インピーダンス分光法と呼ぶことができる。いずれの場合も、測定された導電率は、測定された生命体、あるいは生命体の測定された部分の水分補給を反映することができる。
【0017】
生体電気インピーダンス分光法は、一般に生命体との電気エネルギーの交換を伴う。交換される電気エネルギーは、交流の電流及び/又は電圧と、直流の電流及び/又は電圧との両方を含むことができる。交換される電気エネルギーは、1つ以上の周波数で振動する交流電流及び/又は電圧を含むことができる。例えば、交流電流及び/又は電圧は、100Hz及び1MHzの間の1つ以上の周波数で、好ましくは5KHz及び250KHzの間の1つ以上の周波数で振動することができる。
【0018】
異なる周波数の電気エネルギーは生命体の異なる部分の伝導率を測定するために使用されることができる。例えば、一部の生命体では、より低い周波数の電気エネルギーは、より少ない膜質成分を有する組織を通じて優先的に伝導されうる一方、より高い周波数の電気エネルギーは、種々の組織を通じて伝導されうる。多くの場合では、同じ領域で2つ以上の異なる周波数でインピーダンス測定をすることが有利である。以下でさらに説明されるように、DC測定は皮膚表面上のインピーダンスを特徴づけるのに役立つことができる。したがって、単一のプローブによって行われた異なる周波数での測定は、調査された生命体内の、あるいは生命体の調査された部分内の水分の量及びその配置の両方に関する情報を提供することができる。
【0019】
また図2に示すように、生体電気インピーダンス分光プローブ200は本体205、電流ソース210、デジタル/アナログ(DA)変換器215、アンプ220、アナログ/デジタル(AD)変換器225、メモリ230、及びコントローラ235を備える。本体205は、2つの作用電極245、250及び2つの検出電極255、260を担持する柔軟性部材である。本体205は、電極245、250、255、260と人体の一部とのコンタクトを維持するために人体の一部に沿うように十分に曲げられる。沿われた部分は、皮膚表面、口及び/又は鼻の通路の粘膜の表面、及び他の体の通路や開口を含むことができる。本体205は、生命体の全体の伝導率を調査するような寸法を有することができ、よって全身生体電気インピーダンス分光法を行うことができる。ここで詳細に説明される幾つかの有利な実施の形態では、本体205は、生命体の一部の伝導率を調査するような寸法を有し、よって部分生体電気インピーダンス分光を行う。
【0020】
作用電極245、250は、モニタされている生命体の調査される部分を通じて、あるいはその部分に沿って電流を伝導するように適応されることができる。検出電極255、260は、モニタされている生命体の調査される部分内の複数箇所の電位を測定するように適応されることができる。生命体の、調査周波数でモニタされた部分の電気インピーダンスと比較して、電気インピーダンスが比較的小さいという点で、電極245、250、255、260は殆ど電気的に伝導性である。例えば、電極245、250、255、260は金属、焼結金属合成物、伝導性高分子材料、ゲル剤、炭素系材料、シリコン材料、導電性極微針、伝導性の溶液、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。一実施例では、電極245、250、255、260は、3Mコーポレート社(米国、ミネソタ州、セントポール)から入手可能なレッドドット(RED DOT、登録商標)電極のような電導性粘着ゲル電極である。
【0021】
電極245、250、255、260は、モニタされる生命体の皮膚の外表面上に本体205によって担持されることができる。代替的に、電極245、250、255、260は、モニタされる生命体の皮膚下に本体205によって担持されることもできる。例えば、電極245、250、255、260は皮下に担持され、あるいは、皮膚を貫通する極微針のような経皮的素子上に担持されることができる。皮膚表面に配置される場合、電極245、250、255、260は、有益的に、皮膚の厚さのおよそ10倍以上の間隔で互いに離れた位置で各々本体205によって担持されることができる。人間の水分補給がモニタされる場合、皮膚上にある電極245、250、255、260は、2.5ミリメートル以上の間隔で互いに離れた位置で各々概ね担持されることができる。一実施例では、作用電極245、250間の距離が1cm以上である。皮膚に固定された1つ以上のパッチ上の電極の局所的なクラスターを有する実施の形態において、インピーダンス測定を被検査者に対して領域的に集中させるように電極間の距離は約25cm未満が有利である。そのような領域的な測定は、便利な装置で生成され配信されうる有用なデータを生成することが既に見いだされている。
【0022】
一実施例では、作用電極245、250が検出電極255、260と異なる。例えば、作用電極245、250は検出電極255、260より大きく、及び/又は異なる材料から作られることができる。
【0023】
電流ソース210は交流及び/又は直流の電流ソースである。プローブ200中に配備される場合、電流ソース210は、モニタされる生命体を通じて及び/又はそれに沿って、作用電極245から作用電極250まで電流を駆動することができる。一実施例では、電流ソース210は、人間の電気インピーダンス特徴を通じて、あるいはその特徴に沿って10マイクロアンペア及び10ミリアンペアの間の、好ましくは100マイクロアンペア及び1ミリアンペアの間の、1つ以上の周波数の交流及び/又は直流の電流を駆動することができる。典型的には、電流は、既知のあるいは測定された実質的に一定の値に維持され、そして、電圧は測定されてインピーダンス値を提供する。また、定電圧を印加し、電流の量を測定することも可能である。デジタル/アナログ変換器215は、デジタル信号を対応するアナログ信号に変換する集積回路あるいは他の電子デバイスでありえる。プローブ200中に配備されるとき、デジタル/アナログ変換器215は、コントローラ235からのデジタル制御信号をアナログ制御信号に変換して電流ソース210からの電流の出力をコントロールすることができる。
【0024】
アンプ220は、検出電極255、260間の電圧差を増幅する差動電圧増幅器でありえる。この電圧差は、モニタされる生命体を通じて、及び/又は該生命体に沿って電流ソース210が作用電極245から作用電極250へ電流を駆動したことに起因する。アナログ/デジタル変換器225は、コントローラ235による読み込み、及び/又はメモリ230中の記憶のために、検出された電圧差を対応するデジタル信号に変換する集積回路、あるいは他の電子デバイスであり得る。
【0025】
メモリ230は情報をマシン判読可能なフォーマットで保持するデータ記憶デバイスでありえる。メモリ230が揮発性及び/又は不揮発性のメモリであってもよい。例えば、メモリ230は、RAMデバイス、ROMデバイス及び/又はメモリディスクであることができる。
【0026】
コントローラ235は、プローブ200中のデータの生成及び流れを管理するデバイスである。コントローラ235は、選択動作を行うように構成されたハードウェア、あるいは1セットのマシン判読可能な論理に従って動作を行うデータ処理デバイスであることができる。一部の実施例では、コントローラは、1つ以上の入力デバイスを介してプローブ200中のデータの生成及び流れの管理と関係する情報を受信することができる。一部の実施例では、コントローラ235は1つ以上の出力デバイスを介してプローブ200から情報を出力することができる。カスタムASIC(特定用途向け集積回路)あるいはゲートアレイ、及び例えばテキサスインスツルメンツとモトローラから商業的に入手可能なマイクロコントローラが使用されることができる。
【0027】
コントローラ235によって行われた動作は、水分補給測定のタイミング及び水分補給測定結果の送信のタイミングの調整、論理演算、信号処理、並びにデータ解析を含みうる。例えば、データ解析は、モニタされる生命体の複数の部分の生体電気インピーダンスを決定するために使用されることができる。例えば、時間あるいは周波数領域の等価回路インピーダンス解析を行うことができる。そのような動作を行うための命令は、メモリ230のROM部分に格納され、そのような動作中に生成された一時的値は、メモリ230のRAM部分に格納され、動作の結果は、メモリ230の不揮発性部分に格納されることができる。
【0028】
動作中において、電流ソース210は、1つ以上の周波数の交流及び/又は直流の電流を、作用電極245、250の間、及び対象の生命体を通じて駆動する。アンプ220は、検出電極255、260間の電位差をバッファし増幅する。アナログ/デジタル変換器225はこの信号を、メモリ230での記憶のためにコントローラ235が受信可能なデジタル形式に適切に変換する。一部の実施例では、コントローラ235がソース210を制御して、生成される電流の周波数及び/又はその大きさを変更させうる。ソース210の制御は、アンプ220により出力された信号の大きさを考慮して、及び/又は、コントローラ235によって1つ以上の入力デバイスから受信した命令を考慮して行なわれることができる。
【0029】
図3は、ポータブル生体電気インピーダンス分光プローブの一実施例、すなわち絆創膏(あるいは「パッチ」)プローブ300の構成を示す図である。プローブ300は、本体205が(電極245、250、255、260に加えて)電池305のような携帯電源を備えるという点において、電源内蔵タイプであることができる。プローブ300は、固定場所から移動されることができ、且つ、固定デバイスからの入力を用いずに電流ソース210、デジタル/アナログ変換器215、アンプ220、アナログ/デジタル変換器225、メモリ230、及びコントローラ235の信号生成及び処理、制御、並びにデータ記憶機能のうち少なくとも一部を行うように適応されているという点において、ポータブルである。例えば、プローブ300は、モニタされる生命体に取り付けされることができる。回路310はこれらの機能を行うように適合された、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)でありえる。回路310は、さらに、データ処理デバイス及び/又はデータ通信デバイスのような1つ以上のI/Oデバイスでありえる。
【0030】
本体205は、さらに粘着剤315を有利に備える。粘着剤315は、モニタされる生命体の皮膚表面に粘着するように適応されることができ、それにより電極245、250、255、260と生命体の、本体205が付随する部分とのコンタクトを維持する。
【0031】
ポータブルプローブ300は、水分補給モニタリング中にモニタされている生命体が移動可能であることを可能にする。これは、データ収集が拘束の期間以外に拡張されることを可能にする。したがって、生命体が異なる場所で様々な活動に参加しながら、水分補給モニタリングは、疾病状態の発症を識別するのにふさわしい期間の間継続することができる。
【0032】
図4A及び図4Bはそれぞれ、水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブ200及び絆創膏プローブ300の配置例を示す図である。図4Aは、ドライバの手がプローブ200の一方又は両方と断続的に電気的なコンタクトとなるように、ハンドル400に沿って配置された1対のプローブ200を示す図である。この断続的なコンタクトの期間中に、ドライバの水分補給はモニタされることができる。
【0033】
図4Bは、人405の胴に粘着するように配置された絆創膏プローブ300を示す図である。絆創膏プローブ300は人405の一部の伝導率を調べるような寸法を有する。特に、絆創膏プローブ300は、1端が剣状突起(xiphoid process)の近くに配置されて人405の正面の胸に粘着している。絆創膏プローブ300は、人405の剣状突起から側面の側へと身体軸方向及び下方へ伸びる。
【0034】
絆創膏プローブ300のこの配置は、その下にある組織と肺中の水分補給のモニタリング、及び肺水腫のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0035】
図5及び図6は、生体電気インピーダンス分光プローブの別の実施例、即ちポータブルストラッププローブ500を示す図である。ストラッププローブ500の本体205は、モニタされる人の体、あるいは体の一部を包囲するループを形成することができるストラップ、あるいはベルトである。そのような包囲は電極245、250、255、260及び包囲された部分間のコンタクトを維持することができる。作用電極245、250、2セットの検出電極255、260、電池305及び回路310に加えて、本体205は、さらにトランシーバ510を有するデータ通信デバイス505を備える。データ通信デバイス505は、回路310と外部実体との間で情報を交換することができる無線通信デバイスであることができる。無線データリンク1125は、電磁波、電気信号あるいは音響信号を含む多くの異なるタイプの信号のうち、いずれかを使用して情報を伝えることができる。例えば、データ通信デバイス505は無線通信装置でありえる。トランシーバ510は、情報の無線送信及び受信用のコンポーネントのアセンブリであることができる。コンポーネントは例えばRFアンテナを有する。無線レシーバ/送信器回路は、ここに説明される任意の実施の形態の一部として構成されることができる。
【0036】
2セットの検出電極255、260は、モニタされる人の身体の異なる箇所での水分補給を測定するために使用されることができる。例えば、作用電極245、250が、モニタされる人の包囲された部分の表面を通じて、あるいは該表面に沿って電流を駆動する場合、すべての検出電極255、260間の電位差は、電極255、260付近の電流の伝導に関する情報を獲得するために使用されることができる。また、2つ以上の検出電極255、260間の複数の電位差の測定は例えばクロス測定及びレシオメトリックな比較にも使用されることができる。クロス測定及びレシオメトリックな比較は、水分補給をモニタするために使用されることができると同時に、較正に資し、且つ温度変化、モニタされる人の位置変化及びストラップ500の自然な移動のような測定変動性を捉えることに役立つことができる。
【0037】
図7、図8A、図8B、図9A、及び図9Bは、人405の水分補給をモニタするストラッププローブ500の配置実施例を示す図である。図7では、ストラッププローブ500は、人405の胴を包囲するような寸法を有し、人405の胴の伝導率を調査するように配置される。ストラッププローブ500のそのような配置は、その下にある組織及び肺中の水分補給のモニタリング、並びに肺水腫のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0038】
図8Aでは、ストラッププローブ500は、人405の大腿を包囲するような寸法を有し、人405の大腿の伝導率を調査するように配置されている。ストラッププローブ500のそのような配置は、その下にある組織中の水分補給のモニタリング、並びに急性又は慢性脱水のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0039】
図8Bでは、ストラッププローブ500は、人405の下腿を包囲するような寸法を有し、人405の下腿の伝導率を調査するように配置されている。示されているように、ストラッププローブ500は足首を包囲しているが、下腿の伝導率を調査するためにストラッププローブ500は、足、ふくらはぎ、あるいは足の指を包囲することもできる。ストラッププローブ500のそのような配置は、ストラップ下にある組織中の水分補給のモニタリング、並びに水分が下腿に蓄積するうっ血性心不全のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0040】
図8Cでは、ストラッププローブ500は、人405の二頭筋を包囲するような寸法を有し、人405の二頭筋の伝導率を調査するように配置されている。ストラッププローブ500のそのような配置は、ストラップ下にある組織中の水分補給のモニタリング、並びに急性又は慢性脱水のような疾病状態の識別を容易にしうる。
【0041】
図9Aでは、ストラッププローブ500は、ズボン905に組み込まれ、人405の胴の伝導率を調査するように人405の胴を包囲する寸法を有する。ズボン905にプローブ500を組み込むことは、プローブ500の出っ張り感を軽減し、且つモニタされる人がプローブ500を配置することを確実にするのに資しうる。
【0042】
図9Bでは、ストラッププローブ500はソックス910に組み込まれ、人405の下腿の伝導率を調査するように人405の下腿を包囲するような寸法を有する。ソックス910にプローブ500を組み込むことは、プローブ500の出っ張り感を軽減し、且つモニタされる人がプローブ500を配置することを確実にするのに資しうる。
【0043】
以下でさらに議論されるように、一部の配置では、異なる箇所での複数のプローブが同一人物の水分補給をモニタするために使用されうる。異なるプローブからの測定結果は較正及びエラー最小化のために互いに比較され関連させられることができる。生物パラメータを測定する他の技術も、1つあるいは複数のプローブと併せて使用されることができる。生物パラメータ測定は、プローブ測定と比較され関連させられて、測定を較正し、且つ測定関連のエラーを最小限にすることができる。一例として、QUANTUM X身体組成分析器(ミシガン州、クリントン タウンシップ、RJL Systems社)及び/又はHydra4200バイオインピーダンス分析器(カリフォルニア州、サンディエゴ、Xitron Technologies社)を使用して行われた生体電気インピーダンス測定は、プローブ測定と比較され関連させられることができる。
【0044】
別の例として、皮膚温度測定は人の水分補給をモニタするのに使用されることができる。一般に、皮膚表面温度が、生命体の表面皮膚の付近の血流の変化とともに変化する。血流のそのような変化が、熱の調整、血液量の保存及びホルモンの変化を含む多くの理由で生じる。一実施例では、皮膚表面測定が水分補給モニタリングと併せて行われ、その結果、そのような血流の変化による明らかな水分補給レベルの変化は考慮されることができる。
【0045】
一部の配置では、1つ以上のプローブは、時間の経過とともに同一人物の異なる部分に移動されてその人の水分補給をモニタすることができる。例えば、プローブは、ある選択期間(例えば約1〜14日の間、あるいは約7日)中に第1の場所(例えば胴)で人の水分補給をモニタし、次に、同じプローブは、異なる場所(例えば大腿)に移動されて、後続のある期間に同じ人の水分補給をモニタすることができる。プローブのそのような移動は、プローブの寿命を延ばし、且つプローブによって収集される情報の種類を増すことができる。さらに、プローブの移動は、表面粘着損失、また、モニタリングに伴うあらゆる衛生悪化を最小限にすることができる。
【0046】
人体上の新しい場所へのプローブ500のようなプローブの移動、あるいは異なる場所での新しいプローブの付着は、モニタされる生命体の水分補給が変っていない場合でも、基準インピーダンスの測定値に変化をもたらし得る。基準測定は、水分補給モニタリングに対する標準レスポンスである。この標準レスポンスは、疾病状態の不在、あるいは疾病状態進行の不在を示すことができる。基準インピーダンス測定値における変化は、疾病状態とは無関係な要因の変化に起因する場合がある。例えば、基準インピーダンス測定値の変化は、異なる皮膚の厚さ、人体組成、あるいは2つの場所の間の他の差異に起因する場合がある。異なる場所で行われた測定は、このような基準測定値の差を計上するように正規化されることができる。このような正規化は利得の調整、及び/又はオフセットの調整を含み得る。利得調整は、インピーダンス測定値の絶対値、新旧場所で観察されたインピーダンスの差、あるいはそれらの組み合わせに基づきうる。オフセット調整は、一般に利得調整の後に行なわれ、インピーダンスの絶対値及び/又は他の要因に基づくことができる。代替的に、疾病状態を識別するのに使用される分析閾値が調節されることができる。
【0047】
一部の実施例では、異なる場所での直接比較可能な基準測定値を得るために、モニタされる人は非移動可能な状態(例えば、横になる休止状態)に置かれうる。基準測定値を正規化するために複数のプローブが同じ生命体に付着される必要はない。例えば、第1の場所で第1プローブを使用して得られた水分補給測定結果が記憶されて、その後第2の場所で第2プローブを使用して得られた水分補給測定結果と比較されることができる。この比較は、例えば、第1の場所での結果の収集と第2の場所での結果の収集との間の時間が比較的短い、例えば1時間未満の場合に行われることができる。この期間の間に交換パッチが患者に付着されない場合、このような比較に生体電気インピーダンス値と他の校正標準、例えば体重及び体重変化、尿比重、血液浸透圧との比較が使用されることができる。
【0048】
図10Aは、ストラッププローブの別の実施例、即ちストラッププローブ1000を示す。電極245、250、255、260、電池305、回路310、データ通信デバイス505及びトランシーバ510に加えて、本体205はさらに出力デバイス1005を備えている。出力デバイス1005は、(発光ダイオード又はLCDのような)視覚的な表示デバイス、(スピーカまたは笛のような)音響出力デバイス、あるいは(振動素子のような)機械的な出力デバイスであることができる。
【0049】
動作中、出力デバイス1005は、モニタされている人に水分補給モニタリングに関する情報を提示することができる。提示される情報は、回路310から出力デバイス1005によって受信することができ、モニタリング結果及び/又は警告を示すことができる。モニタリング結果は、個人の現在水分補給状態、及び急性脱水のような一定の疾病状態が存在する、若しくは切迫している指摘を含むことができる。モニタリング警告は、電極245、250、255、260のいずれかとモニタされる人との間のコンタクトのはずれ、利用可能なメモリの不足、データコミュニケーションリンクのロス、あるいは低い電池レベルのような現在の、若しくは切迫している装置誤動作の指摘を含むことができる。
【0050】
図10Bは、ストラッププローブの別の実施例、即ちストラッププローブ1010を示す。電極245、250、255、260、電池305、回路310、データ通信デバイス505及びトランシーバ510に加えて、本体205はさらに皮膚温度の温度計1015を備えている。温度計1015は、モニタされる生命体の皮膚表面上で遭遇する温度範囲内の温度を検出する測温体でありえる。温度計1015は、例えばサーミスター、熱電対、機械的な温度計、あるいは他の温度検出デバイスであることができる。この温度センサーはここに説明されているプローブの任意の実施の形態の一部であることができる。
【0051】
動作中、温度計1015は、皮膚表面温度に関する情報を回路310に提示することができる。回路310は、提示された情報をデータ解析及び水分補給モニタリングの他の側面を行うために使用することができる。回路310はさらに例えばデータ通信デバイス505及びトランシーバ510を用いて、温度情報の全部あるいはその一部を別のデバイスへ転送することができる。
【0052】
生命体の同じ近辺領域での水分補給及び温度の測定により、皮膚表面血流の変化による明らかな水分補給レベルの変化が識別され、データ分析に取り込まれることができる。
【0053】
図10Cは、生体電気インピーダンスモニター及び皮膚温度計を使用して得られた、例示的な水分補給モニタリング結果のグラフ1020を示す。グラフ1020は、モニタされた人の大腿上のある領域の観察されたインピーダンス1025を皮膚温度1030の関数として示している。グラフ1020は1対のトレース1035、1040を含んでいる。トレース1035は、20kHzの周波数を有する電気エネルギー入力信号で測定されたインピーダンスを示し、他方、トレース1040は、100kHzの周波数を有する電気エネルギー入力信号で測定されたインピーダンスを示している。
【0054】
トレース1035、1040は以下のように得られた。4つのレッドドット電極(アメリカ、ミネソタ州、センポール、3Mコーポレート社)を、体重が201.3ポンドの42歳男性被検者の大腿の正面上に線形軸状に配列した。被検者は室温(74°F)の部屋で30分間仰臥位でもたれかかった。その後、被検者は仰臥位のままで20kHz及び100kHzでの大腿の生体電気インピーダンスが測定された。測定された大腿のインピーダンスは、20kHzでは45.36オーム、100kHzでは30.86オームであった。その後、大腿の皮膚表面温度が赤外線温度計(ドイツ、クロンベルク、ブラウン社のサモスキャン)を使用して測定された。測定された温度は89.0°Fであった。その後、被検者は、およそ90分かかって、6マイルジョギングした。その後、被検者の体重を量った。測定された体重は197.6ポンドで、約3.5ポンド、即ち約1.7%の体内水分の損失を示した。その後、被検者は、上記室温の室で仰臥位に戻った。その後、20kHz及び100kHzでの大腿の生体電気インピーダンスは、周期的に測定された。大腿の皮膚表面温度も同様に計測された。
【0055】
トレース1035、1040は、これらの測定の結果を示している。最初に、20kHz及び100kHzで測定された生体電気インピーダンスが両方とも、ジョギングの前より低く、測定された温度がジョギングの前より高かった。言いかえれば、20kHz及び100kHzで測定された生体電気インピーダンスは、生体電気インピーダンス測定箇所の付近の皮膚表面温度が増大するとともに、減少した。
【0056】
皮膚温度に見られた変化は、運動中に生成された過剰な熱を体が発散する時の局部的血管拡張に少なくとも部分的に起因すると考えられる。血管拡張のそのような変化は、局部インピーダンスを減少させるように見える。
【0057】
時間の経過とともに、計測されたインピーダンス及び温度の両方は、ジョギングの前に観察された値の方向に移動した。その移動は、20kHz及び100kHzの両方において、測定されたインピーダンス及び測定された皮膚温度間の線形関係を示した。さらに以下で議論されるように、この関係は水分補給モニタリング結果における皮膚表面温度のインパクトを調整するために利用されることができる。もし望むならば、光学法のような他の、あるいは追加の方法で局部的血管拡張あるいは血管収縮を測定することができる。測定されたものであれ、温度測定あるいは他の手段を介して計算されたものであれ、血管拡張パラメータは、水分補給変化による経時的インピーダンス変化を適切に決定するように、インピーダンスの絶対測定値を修正するために使用されうる。
【0058】
回復期間の終わりに、測定された大腿のインピーダンスは、20KHzでの4.91オーム(10. 8%)及び100KHzでの3.44オーム(11.1%)の純増加のために、20kHzでは50.27オーム、100kHzでは34.30オームであった。同様の結果は別の被検者及び別のテスト条件でも観測された。
【0059】
20kHz及び100kHzで測定された生体電気インピーダンスのこのおよそ11%の純増加は、観測された体重減少(即ち約1.7%の減少)に関連した水分損失を反映していると考えられる。
【0060】
トレース1035、1040の測定結果は、回路310によって水分補給モニタリングのデータ解析及び他の側面を行うために使用されることができる。例えば、水分補給モニタリング結果への皮膚表面温度の影響が修正され得る。1例において、トレース1035、1040によって示された生体電気インピーダンスと温度の関係は、異なる皮膚表面温度で得られた水分補給モニタリング結果を比較するために利用されることができる。例えば90.5°Fの皮膚表面温度の場合20kHzで測定されたインピーダンスは47.9オームであった。このインピーダンス測定を89°Fの皮膚表面温度で行われたインピーダンス測定と比較するために、測定されたインピーダンスは、2つの温度間の差−1.5°F(即ち、89°F−90.5°F)をとり、この差に20kHzで測定されたインピーダンスの温度に対する依存性(即ち−1.8052の傾き)を掛けて、2.71オームの調整値を生成することにより、調節されることができる。この調整値は、90.5°Fの皮膚表面温度且つ20kHzで測定されたインピーダンスに加えられて(即ち47.9+2.71)、20kHzで89°Fの皮膚表面温度で行われたインピーダンス測定値と比較可能なインピーダンス(即ち50.6オーム)を生成することができる。分かるように、この調整されたインピーダンスは、この皮膚表面温度で実際に測定されたインピーダンス(即ち50.27オーム)と一致している。
【0061】
皮膚表面温度測定及び水分補給モニタリング結果のそのような組み合わせは、水分補給モニタリングを改善するために使用されることができる。例えば、生体電気インピーダンス測定は、プローブの近くでなされた局部皮膚表面温度測定に基いて調節されることができる。これは、インピーダンス測定値の予測値を改善し、さらに、全身の電気インピーダンスを反映するインピーダンス測定が身体の1、2箇所で行われた温度測定値と正確に関連しないかもしれないが、全身電気インピーダンスにさえ関連させることができる。
【0062】
水分補給と無関係な要因は局部皮膚表面温度測定に影響を及ぼしうる。これらの要因は、対流冷却率、風速、衣類のような断熱の存在、及び周囲温度勾配を含む。このような要因は、注目する身体の部分及び環境の間の熱交換に影響を及ぼす傾向を有し、(例えば、追加的な温度あるいは湿度センサーを用いて)直接に、あるいは(例えば、絶縁する衣類厚さのようなパラメータに当てはまる標準テーブル及び既知の値を用いて)間接的に考慮されうる。そのような要因の考慮は、水分補給モニタリング結果と比較するために使用される局部温度に対する調整を含むことができる。
【0063】
一部の実施例で、皮膚表面温度測定の行われた別の部分と既知の温度関係を有する、モニタされている生命体の一部で得られた水分補給モニタリング結果は、その既知の関係に基いて調節されることができる。さらに、体重、身長、年齢、全体の健康レベル、労作の程度、時刻、ホルモンサイクルの段階及び性別を含む他の要因も、水分補給モニタリング結果を調節し、かつそのような結果の予測値を改善するのに使用されることができる。
【0064】
図11は、生命体の水分補給をモニタするシステム1100を示す。システム1100は、1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、1つ以上のプローブ100を備えている。プローブ100は、データ収集装置1105との無線データリンク1125を確立することができる無線データ通信デバイス505を備える。無線データリンク1125は、電磁波、電気信号及び/又は音響信号を含む多くの異なる信号のうちいずれかを使用してデータを送信することができる。プローブ100が皮下にある場合、データリンク1125は、皮膚を通るパスに沿ってデータを伝導する経皮リンクであることができる。
【0065】
無線データリンク1125に沿って通信されたデータはプローブ識別子を含むことができる。プローブ識別子はプローブ100を識別する情報である。プローブ100は、例えばメーカまたはモデルによって識別されることができる。プローブ100は、また、個々のプローブ100に関連するユニークな識別子によっても識別されることができる。プローブ識別子は、プローブ100によって収集されたデータに関連するシリアル番号又はコードを含んで、該データがプローブ100によって収集されたことを識別することができる。一部の実施の形態では、個々の電極、あるいは1セットの電極を収容するパッチやストラップはそれぞれ、格納されたユニークな、又は準ユニークな電極/パッチ識別子を有するICメモリーを組み入れる。パッチあるいは電極と、通信デバイス505との間のインタフェースが導入されて、通信デバイス505は電極又はパッチ識別子、及びパッチにカップリングされた別のエレクトロニクスのための個別の識別子を送信することができる。このようにして、プローブの異なる部品は別々に交換されることができる一方、物理データの生成、分析、及びすべてのインピーダンスデータを集めるために使用される通信装置の完全なトラッキングを可能にすることができる。
【0066】
無線データリンク1125に沿って通信されたデータは、さらにプローブ100へのメッセージを含むことができる。メッセージ例は、測定及び/又はデータ解析パラメータを変更する命令、及び、プローブの状態及び/又は動作能力に関するクエリーを含む。無線データリンク1125に沿ったデータ通信は、さらに、プローブ100の初期設定及び起動に関係する情報を含むことができる。初期設定は、データ収集装置1105へのプローブ識別子の通信を含むことができる。初期設定は、さらに、例えば、水分補給測定のタイミングを規制する内部クロック及び水分補給測定結果の送信の開始を含む測定活動の始動を含むことができる。そのようなデータ通信は、データ収集装置1105との進行中の対話として行われることができる。
【0067】
データ収集装置1105は、プローブ100のコンポーネント及び/又は特徴を補足するコンポーネント及び/又は特徴を備え、主にプローブ100を補うデバイスである。例えば、そのようなコンポーネントあるいは特徴は、サイズが大きすぎたり、メモリが大きすぎたり、複雑すぎるデータ処理を要求したり、及び/又は、あまりにも間欠的に使用されうるため、プローブ100に備えられない。図12は、データ収集装置1105の一実施例を示す。データ収集装置1105は、固定ロケーションから移動されることができ、少なくとも固定デバイスからの入力がなくても幾つかの機能を行うことができる携帯機器であることができる。例えば、データ収集装置1105は、モニタされる人に取り付けられている携帯型のデバイスでありえる。
【0068】
データ収集装置1105は、ローカルユーザ入力部1205、ローカルユーザ出力部1210、無線のデータ通信部1215、及び有線データ通信部1217を備え、それら各部がすべて本体1220上に配置されている。ローカルユーザ入力部1205は、データ収集装置1105の近くにいるユーザからのビデオ、オーディオ及び/又は機械的な入力を受信する1つ以上のコンポーネントを備える。例えば、ローカルユーザ入力部1205はキーパッド1225及びモード選択ボタン1230を備えることができる。キーパッド1225はユーザから英数字入力を受信することができる。モード選択ボタン1230はユーザから動作モード選択を受信することができる。データ収集装置1105の動作モードは以下でさらに議論される。
【0069】
ローカルユーザ出力部1210は、ビデオ、オーディオ及び/又は機械的な出力をデータ収集装置1105の近くにいるユーザに提供する1つ以上のコンポーネントを備える。例えば、ローカルユーザ出力部1210は表示パネル1235を備えることができる。表示パネル1235は例えばLCDスクリーンでありえる。表示パネル1235は、特定の情報をローカルユーザへ表示する様々な領域を有し、特に、電池残量表示領域1240、動作モード表示領域1245、時間/日付表示領域1250、測定結果表示領域1255、及び警告表示領域1260を有する。
【0070】
電池残量表示領域1240は、電池の残留する電量、あるいはデータ収集装置1105に電力を供給する他の電力要素を示すグラフィックデバイスを含む。動作モード表示領域1245は、データ収集装置1105の様々な動作モードのテキストリストを含む。リストされる動作モードはテストモード、セットアップモード、同期モード、及び測定モードを含む。測定モードを示すテキスト(即ち、“MEAS”)は、データ収集装置1105の現在の動作モードが測定モードであることを示すシルシ1265を含む。時間/日付表示領域1250は現在時刻及び日付を示すテキストを含む。測定結果表示領域1255は1つ以上のプローブ100によって行われた水分補給測定の結果を示すテキスト及び/又は図形要素を含む。警告表示領域1260は、プローブ測定結果が、存在するあるいは切迫している1つ以上の疾病状態を示している、テキスト及び/又は図形の警告を含む。警告表示領域1260はさらに、プローブ100及び/又はデータ収集装置1105の誤動作が生じている、あるいは切迫していることを示すことができる。
【0071】
無線のデータ通信部1215は第1無線通信トランシーバ1265及び第2無線通信トランシーバ1270を備えることができる。トランシーバ1265、1270はそれぞれ個別のデバイスであり、また、データ無線通信用の共通のコンポーネントを備えることもできる。例えば、トランシーバ1265、1270はそれぞれに、各々のRFアンテナを備えることができる。
【0072】
トランシーバ1265、1270は、特定のデバイス、あるいは特定の種類のデバイスとのデータ交換に専用的になりえる。例えば、トランシーバ1265は、1つ以上の無線データリンク1125上で1つ以上のプローブ100とのデータ交換に専用される一方で、トランシーバ1270は、他のデータ収集装置及び/又は1つ以上のデータ管理システム1110とデータを交換することができる。トランシーバ1265、1270は、データ無線交換のために移動体通信ネットワーク、アルファベット数字式ページングネットワーク、WiFiあるいは他のシステムと機能することができる。
【0073】
有線データ通信部1217は、1つ以上の有線データリンクでプラグあるいは他のターミナルを受容するように適合された1つ以上のコネクター部1275を備えることができる。有線データリンクは、他のデータ収集装置及び/又は1つ以上のデータ管理システム1110とデータを交換することができる。有線データリンクは、光データリンク及び/又は電気データリンクであることができる。電気データリンクはアナログまたはデジタルでありえる。データリンクは、TCP/IPスイトの通信プロトコルのようなデータ通信プロトコルに従って動作することができる。
【0074】
本体1220は、駆動部1205、1210、1215、1217のような、動作を行う電気的及び他のコンポーネント(図示せず)を周囲の環境から隔離するためにシーリングされることができる。本体1220は、データ収集装置1105が内部電力供給源(図示せず)によって自家電力供給されることを可能にするような寸法を有するコンポーネントであることができる。例えば、データ収集装置1105は内部の再充電可能なバッテリによって電力を供給されることができる。コンポーネントは、例えば、データ収集装置1105についてのデータの入出力を管理するための、データ記憶デバイス、データ処理デバイス、データ通信デバイス、及び駆動回路であることができる。
【0075】
本体1220は、示されたような独立したユニットとして動作するように設計されることができる。あるいは本体1220は、別の通信デバイスと統合するように設計されることができる。例えば、本体1220は、携帯電話若しくは個人データ補助装置と統合して無線データ通信部1215の全て、あるいはその一部を形成するように設計されることができる。
【0076】
また、図11に示すように、システム1100は、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110間のデータ交換のために、有線データリンク1130及び/又は無線データリンク1135を備えることができる。有線データリンク1130は、データ収集装置1105上のコネクターポート1275で終端することができる。また、無線データリンク1135はデータ収集装置1105上のトランシーバ1270で終端することができる。
【0077】
無線データリンク1125、有線データリンク1130及び無線データリンク1135は、1つ以上の通信プロトコルに従ってデータを交換することができる。通信プロトコルは、送信される情報のフォーマット及び送信の物性を決定することができる。通信プロトコルは、さらに同期メカニズム、ハンドシェイクメカニズムのようなデータ転送メカニズム、及び繰返し率を決定することができる。プロトコルのデータ構造が、このプロトコルを使用したデータ転送率に影響を与えうる。データはブロックまたはパケットに編成され、また、送信は特定の間隔で行われることができる。例えば、伝送ブロックは、同期ビット、データソースを識別する情報を含むアドレスフィールド、水分補給モニタリングデータを格納するデータフィールド、及び受信端でデータの完全性をテストするためのチェックサムフィールドを含むことができる。データブロックの長さは、例えば、 電力消費を低減し、デバイス寿命を増大させるために変ることができる。同じデータは受け取りを保証するために複数回送信されることができる。
【0078】
一実施例では、交換されるデータが、4つのセクション、すなわち、ヘッダセクション、プローブ100を識別するプローブ識別子(及び/又は電極若しくは電極セットの識別子)を含む64ビットアドレスセクション、暗号化されたデータセクション、及びチェックサムまたはエラー訂正セクションを含むパケットに編成される。データセクションはアドレスセクションに依存するアルゴリズムを使用して暗号化されることができる。
【0079】
プローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110はすべて、電子的ハンドシェイクのような確認を使用して、データ交換の成功を確認することができる。データ交換の失敗は、エラーメッセージの送信によって示されることができる。このエラーメッセージの送信に対して、失敗した交換データの再送信で応答することができる。
【0080】
一部の実施例では、プローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110は、多くの異なる周波数でデータを交換することができる。例えば、システム1100が複数のデータ収集装置1105を備える場合、各データ収集装置1105はそれぞれ異なる周波数のキャリアを使用して、無線データリンク1135上でデータを送信することができる。別の例として、システム1100が複数のプローブ100を備える場合、各プローブ100はそれぞれ異なる周波数のキャリアを使用して無線データリンク1125上でデータを送信することができる。当然のことながら、時間分割やコード分割のような様々な多重接続技術が代替的に使用されうる。
【0081】
無線データリンク1125、有線データリンク1130及び無線データリンク1135に沿って通信されたデータは、その全部あるいは一部が暗号化されることができる。暗号化は対称的あるいは非対称的でありえる。暗号化は、暗号化されたデータと共に送信されたプローブ識別子あるいは英数字コードに基いた暗号鍵に依存することができる。暗号化は、特定のプローブ100、特定のデータ収集装置1105、あるいは特定のデータ管理システム1110によって解読されるように意図されうる。一実施例では、有線データリンク1130に沿って通信されたデータが、TCP/IPプロトコルのSSL層で128ビットの暗号を使用して暗号化される。
【0082】
独自仕様及び一般のプロトコルの両方ともが、プローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110間のデータ交換に使用されることができる。例えば、移動体通信用のグローバルシステム(GSM)、Bluetooth、及び/又はインターネットプロトコル(IP)が使用されることができる。
【0083】
一実施例では、無線リンク1125は、MICS(Medical Implant Communications Service、400−406MHz)、あるいはWMTS(Wireless Medical Telemetry Service、609−613MHz及び1390−1395MHz)のような無線医療周波数帯でのスペクトラム拡散RF信号である。
【0084】
データ管理システム1110は、プローブ100によって集められた生命体の水分補給に関係するデータに対して動作を行うデータ処理デバイスである。動作は、マシン判読可能なフォーマットに格納された論理命令に従って行われることができる。行われた動作は、そのようなデータの処理、そのようなデータの表示、及びそのようなデータの記憶を含むことができる。
【0085】
データ管理システム1110は、データ収集装置1105を備えるローカルデータ通信ネットワークの一部である必要がないため、データ収集装置1105から遠に位置しえる。例えば、データ管理システム1110は、1人以上の医療関係者によってアクセス可能なデータ処理装置であることができる。
【0086】
データ管理システム1110によるデータ処理は、モニタされる生命体の疾病状態あるいはモニタリング自体の問題を識別するデータ解析を含むことができる。例えば、データ管理システム1110は、モデル等価回路を使用してインピーダンス解析を行い、モニタされた生命体の異なる場所での水分補給レベルを決定することができる。
【0087】
データ管理システム1110によるデータの表示は、1つ以上のI/Oデバイス1115上での水分補給モニタリングの結果の提示を含むことができる。I/Oデバイス1115は、(医療関係者のような)人間のユーザに情報を伝えることができる視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な表示素子を備えることができる。例えば、I/Oデバイス1115はモニタ、スピーカ及び/又は点字の出力デバイスを備えることができる。I/Oデバイス1115はさらに、キーボード、マウス、マイクロホン及び/又はカメラのような視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な入力素子を備えることができる。よって、I/Oデバイス1115は、視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な結果を人間のユーザに与え、そして、ユーザから、視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な入力を受け取ることができる。
【0088】
データ管理システム1110によるデータ記憶は、機械可読のフォーマットで情報を保持する1つ以上のデータ記憶デバイス1120上での水分補給モニタリングの結果の記憶を含むことができる。データ記憶デバイス1120は揮発性及び/又は不揮発性のメモリを備えることができる。例えば、データ記憶デバイス1120は、RAMデバイス、ROMデバイス及び/又はメモリディスクであることができる。
【0089】
動作中、システム1100の構成コンポーネントのすべてあるいは一部は1つ以上の動作段階において動作することができる。例えば、テスト段階において、システム1100の構成コンポーネントは、自身をテストして、機能できるかを決めることができる。例えば、プローブ100及びデータ収集装置1105は、リンク1125上でデータを交換することが可能であることを確認することができ、また、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110は、1つ以上のリンク1130、1135上でデータを交換することが可能であることを確認することができる。別の例として、プローブ100は、入力120、125及び出力130、135が、モニタされる生命体に関して適切に配置されていることを確認することができる。例えば、入力120、125及び出力130、135が電極245、250、255、260である場合、プローブ100は、電極245、250、255、260が、モニタされる生命体の付随されている部分と電気的にコンタクトしていることを確認することができる。
【0090】
セットアップ段階において、個々の水分補給のモニタリングに関係するパラメータを調整することができる。例えば、プローブ100は、モニタされる生命体の一部の与えられた水分補給レベルに対する基準測定結果を決定し、それに応じてモニタリングパラメータを調節することができる。例えば、入力信号レベルは、乾燥皮膚及び高い経皮的なインピーダンスを調整するために増大されることができる。データ収集装置1105は、1つ以上のローカルユーザ入力部1205、無線データ通信部1215、及び有線データ通信部1217よりユーザ入力を受信することができる。受信された入力は、プローブ100及び/又はデータ収集装置1105で警告が鳴らされるレベルのような、調節されるべきモニタリングパラメータを識別することができる。データ管理システム1110も、モニタリングパラメータの準備に関係するユーザ入力を受信することができる。例えば、データ管理システム1110は、水分補給測定結果がリンク1125を介してプローブ100によって4時間ごとに一度、データ収集装置に送信されるべきことを示す入力を、I/Oデバイス1115を介して医療関係者から受取ることができる。このタイミングパラメータは、リンク1130を介してデータ管理システム1110からデータ収集装置1105へ中継され、そして、データ収集装置1105は、無線リンク1125を介して該タイミングパラメータをプローブ100へ中継することができる。
【0091】
1つ以上のリンク1125、1130、1135を介した情報通信に関係するパラメータも、セットアップ段階において調整することができる。例えば、システム1100の構成コンポーネントは通信プロトコル、あるいは通信プロトコルのパラメータを選ぶことができる。
【0092】
同期段階において、2以上のプローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110におけるクロックが同期されて、1つ以上のリンク1125、1130、1135に沿った同期データ伝送を可能にする。例えば、一実施例では、データ収集装置1105は、有線データリンク1130を介してデータ管理システム1110に同期文字を送信する。データ管理システム1110は同期文字を受信し、受信した文字を同期パターンと比較することができる。受信した文字が同期パターンと十分に一致する場合、データ管理システム1110は同期段階を終了し、リンク1130を通じてデータ収集装置1105と同期して他のデータを交換することができる。そのような同期プロセスは周期的に繰り返されることができる。
【0093】
一実施例では、データ収集装置1105は、同期されたプローブ100のシリアル番号あるいは他の識別子を受信し、及び/又は表示することができる。
【0094】
測定段階において、1つ以上のプローブ100は、モニタされる一人以上の水分補給に関係するデータを集めることができる。プローブ100は、集められたデータに対して、生体電気インピーダンスデータ解析、フィルタリング、及びイベント識別を含むデータ処理を行うことができる。
【0095】
プローブ100は、(集められたデータを処理分析した結果を含む)水分補給モニタリングに関係するデータを1つ以上のデータ収集装置1105へ送信することができる。送信されるデータは、送信プローブ100を識別するプローブ識別子を含むことができる。送信されるデータは暗号化されることができる。
【0096】
データ収集装置1105は、プローブ100から送信されたデータを受信し、受信したデータに基いてローカルユーザ出力部1210を更新する。更新は、動作モード表示領域1245に、プローブ100が水分補給をモニタしていることを示し、測定結果表示領域1255に、直近のモニタリング結果を表示し、及び警告表示領域1260に、データ収集装置1105に近いユーザへの警告を生成することを含むことができる。警告は、例えばモニタされる人が一種以上の疾病状態に罹っていること、あるいは、モニタリングが何かの原因で動作不能になったことを示すことができる。
【0097】
データ収集装置1105はさらに、水分補給モニタリングに関係するデータをリンク1125を介して送信するよう1つ以上のプローブ100に命令することができる。例えば、データ収集装置1105は、プローブ100にクエリーを送信することができる。クエリーは、プローブ100が水分補給モニタリングのある側面に関する情報を提供することを要求することができる。例えば、クエリーは、プローブ100が水分補給モニタリングが行われているという確認をリンク1125を通じて送信することを要求することができる。あるいは、クエリーは、プローブ100が直近の測定結果をリンク1125を介して送信することを要求することができる。あるいは、クエリーは、プローブ100が特定の文字の1つ以上のイベントをリンク1125を通じて送信することを要求することができる。データ収集装置1105は、プローブ100に周期的に、例えば1時間または2時間毎にクエリーを送信することができる。
【0098】
データ収集装置1105はさらに、プローブ100から送信されたデータの一部あるいはその全部をデータ管理システム1110へ中継することもできる。データは1つ以上のデータリンク1130、1135を通じて中継されることができる。データ収集装置1105は、そのようなデータを直接に、即ちデータに対して補足分析を行うことなく、中継し、あるいは、データ管理システム1110へデータの部分集合を中継する前に、データに対して補足処理を行うことができる。データ収集装置1105は、ローカルユーザ出力部1210にデータ中継通知を表示することにより、データが中継されたことをローカルユーザに通知することができる。代替的に、データ収集装置1105はローカルユーザへ通知することなく、データを中継することもできる。
【0099】
データ収集装置1105はさらに、1つ以上のローカルユーザ入力部1205、無線データ通信部1215、及び有線データ通信部1217を通じて、ユーザ入力を受信することができる。受信した入力は、データ収集装置1105がリンク1125を介して1つ以上のプローブ100へデータを送信する予定を、識別することができる。例えば、受信した入力は、モニタされている人が疾病状態にあることを示す警告信号を生成するようプローブ100にデータ収集装置1105が命令しようとすることを、識別することができる。別の例として、受信した入力は、データ収集装置1105が無線リンク1125を通じてクエリーをプローブ100に送信しようとすることを、識別することができる。別の例として、受信した入力は、疾病状態を識別する1つ以上のしきい値を含む水分補給モニタリングのパラメータを変更するようプローブ100に命令する命令をデータ収集装置1105が送信しようとすることを、識別することができる。
【0100】
データ収集装置1105はさらに、プローブ100のデータ処理及び記憶活動を補足するデータ処理及び記憶活動を行うこともできる。例えば、データ収集装置1105は、信号処理及び分析を含む、より拡張されたデータ解析及び記憶を行うことができる。例えば、データ収集装置1105は、モデル等価回路を使用してインピーダンス解析を行い、モニタされた生命体の異なる箇所での水分補給レベルを決定することができる。別の例として、データ収集装置1105は、長い期間における変化する水分補給レベルの全体的な傾向を識別する傾向分析を行い、あるいは、複数のプローブ100を使用して得られた水分補給レベル間の比較を行うことができる。複数のプローブ100は、単一の生命体の水分補給をモニタし、あるいは、複数の生命体の水分補給をモニタすることができる。データ収集装置1105は、複数のプローブからのモニタリング結果を比較し関連させて、1つ以上のプローブ100を較正し、モニタリングにおけるエラーを最小限にすることができる。
【0101】
データ収集装置1105はさらに、水分補給モニタリングの結果を他の生物パラメータをモニタする結果と比較し、及び/又は関連させることができる。例えば、データ収集装置1105は、水分補給モニタリングの結果を、心臓モニタリング、薬物送達スケジュール、及び温度モニタリングの結果と比較し関連させることができる。データ収集装置1105は、1つ以上のローカルユーザ入力部1205、無線データ通信部1215、及び有線データ通信部1217を介して他のモニタリング結果を受取ることができる。例えば、データ収集装置1105は、1つ以上のリンク1125、1130、1135を介して他のモニタリング結果を受信することができる。
【0102】
データ収集装置1105は、さらに、他のデバイス及びシステム(図11に示せず)とデータを交換することができる。例えば、データ収集装置1105は、他のモニタリング装置から他のモニタリング結果を直接受信することができる。別の例として、データ収集装置1105は、水分補給モニタリングの結果に関係するデータを他のローカルあるいは遠方の相手側へ送信することができる。他の相手側は、システム1100の構成コンポーネントのいずれに対しても法的利益を共有しない外部の実体であることができる。例えば、他の相手側は、システム1100の所有者と請負いの契約をした、水分補給をモニタする医療グループであることができる。
【0103】
データ管理システム1110は、データリンク1130、1135のうちの1つあるいは両方を介してデータ収集装置1105から水分補給モニタリングの結果を受信することができる。受信した結果は、生命体の水分補給の分析、並びに複数の生命体あるいは他の生物パラメータのモニタリング結果の比較及び相関を含むことができる。
【0104】
データ管理システム1110は、疾病状態、モニタリングに関する問題を識別するために、受信データに対してデータ処理を含む操作を行うことができる。例えば、データ管理システム1110は、モデル等価回路を使用してインピーダンス解析を行い、モニタされた生命体の異なる箇所での水分補給レベルを決定することができる。別の例として、データ管理システム1110は、長い期間における変化する水分補給レベルの全体的傾向を識別する傾向分析を行い、あるいは、複数のプローブ100を使用して得られた水分補給レベル間の比較を行うことができる。複数のプローブ100は、単一の生命体の水分補給をモニタし、あるいは、複数の生命体の水分補給をモニタすることができる。データ管理システム1110は、複数のプローブからのモニタリング結果を比較し関連させて、1つ以上のプローブ100を較正し、モニタリングにおけるエラーを最小限にすることができる。データ管理システム1110は、さらに、統計的に有意な数の生命体からの水分補給モニタリング結果を必要とする分析を行うことができる。そのような分析は、支払い評価、地理的評価、疫学的評価、病因評価、及び人口統計学的評価を含むことができる。
【0105】
データ管理システム1110は、1つ以上のI/Oデバイス1115上に水分補給モニタリングの結果を提示し、また1つ以上のデータ記憶デバイス1120に水分補給モニタリングの結果を格納することができる。データ管理システム1110はさらに、データ処理の結果をデータ収集装置1105及び/又はプローブ100にデータリンク1125、1130、1135を介して提供することができる。提供される結果は、疾病状態が存在する指摘、及び/又はモニタされる生命体が疾病状態にあることを示す警告信号をプローブ100が生成するべきである指摘を含むことができる。データ管理システム1110は、さらにそのような指摘を、I/Oデバイス1115と接触する医療関係者及びモニタされる生命体の近くにいる医療関係者を含む外部実体に提供することができる。例えば、救急救命士(EMT)は、EMT近辺のモニタされている人が急性脱水に罹っていると通知されることができる。別の例として、データ管理システム1110は、さらにヘルスケア組織あるいはインターネットポータルの臨床情報システムのような外部システムに指摘を掲載することができる。
【0106】
一実施例では、データ管理システム1110は、データ収集装置1105及び/又はプローブ100で追加のモニタリング活動が行われることを要求することができる。その要求は、データ収集装置1105で行われた分析の結果及び/又はデータ管理システム1110で行われた分析によって促されることができる。その要求は、さらに、I/Oデバイス1115と接触する医療関係者のような人間のユーザによって促されることもできる。それらの要求は水分補給モニタリングの結果に基くことができる。追加のモニタリング活動は、他の生物パラメータに、あるいは、モニタされる個々の水分補給に関してより多くの情報の獲得に向けられることができる。例えば、データ管理システム1110は、水分補給モニタリングを機能させるためにモニタされる生命体に提示されることになっている調査及び/又は調査質問を識別することができる。調査は、モニタされる生命体の水分補給に関する情報を集めることを目指した一連の質問である。調査は一般に、モニタされる生命体に提示されるが、モニタされる生命体との接触を有する人にも提示されることができる。調査は例えば、電話、あるいは郵便によって提示されることができる。調査及び調査質問は、モニタリングが開始する前に生成され、例えばプローブ100、データ収集装置1105及び/又はデータ管理システム1110で格納されることができる。
【0107】
調査質問は、例えばモニタされる生命体の身体姿勢、モニタされる生命体がその姿勢にいた時間の長さ、モニタされる生命体の食事、モニタされる生命体の活動レベル、あるいはモニタされる生命体のいる時間区域を確認することに向けられることができる。調査質問例は「いま運動していますか?」、「プローブを外しましたか?」、「最近利尿薬を飲みましたか?」を含む。調査中に提示される質問は、先行の問題に対する反応によることができる。例えば、モニタされる人がプローブ100を外していれば、後の質問は削除されることができる。
【0108】
調査の質問に対する返事は、例えば対話型音声認識システム(IVRS)あるいはプッシュホン上のキーパッドエントリを使用して受取ることができる。データ管理システム1110は自から調査を提示し、あるいは、調査を提示するよう別のシステムに命令することができる。調査質問に対する返事は、予め設定した基準に基づいて得点づけられ、水分補給モニタリングのさらなる分析に使用されることができる。
【0109】
図13は、生命体の水分補給をモニタするシステムの別の実施例、すなわちシステム1300を示す。1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、システム1300は、複数のプローブ100、1305、1310、1315の集合を備える。プローブ100、1305、1310、及び1315はともに、それらのプローブ間でデータを転送することができるデータ「ホッピング」ネットワーク1317を形成する。特に、ネットワーク1317において、プローブ1305は、無線データリンク1320を介してプローブ100とデータを交換することができる。プローブ1310は、無線データリンク1325を介してプローブ1305とデータを交換することができる。プローブ1315は、無線データリンク1330を介してプローブ1310とデータを交換することができる。データリンク1320、1325、1330を介してプローブ100、1305、1310、1315間で交換されるデータは、水分補給モニタリング結果、生物パラメータモニタリング結果、クエリー、パラメータ変化命令、暗号鍵、プローブ識別子、ハンドシェイク、調査及び他の情報を含むことができる。
【0110】
そのような「ホッピング」ネットワーク1317は、システム1300におけるデータ通信の範囲及び信頼性を拡張しうる。
【0111】
図14は、生命体の水分補給をモニタするシステムの別の実施例、すなわちシステム1400を示す。1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、システム1400は薬剤ディスペンサー1405を備える。薬剤ディスペンサー1405は、個々の疾病状態を改善する合成物を提供するデバイスである。薬剤ディスペンサー1405は、そのような合成物を個々に自動的に(即ち、人間の介入ナシで)供給し、あるいは、1人以上の人の行動と協力して提供することができる。例えば、薬剤ディスペンサー1405は埋め込み型の放出制御薬物送達デバイス、あるいは、モニタされる人又は医療関係者によってアクセス可能な錠剤ディスペンサーであることができる。
【0112】
薬剤ディスペンサー1405は通信素子1410を備える。通信素子1410は、ディスペンサー1405をシステム1400の構成コンポーネントとのデータ通信に置くことができる。例えば、一実施例では、通信素子1410は、ディスペンサー1405とデータ収集装置1105との間に無線データリンク1415を確立することができる。
【0113】
動作中、薬剤ディスペンサー1405は、通信素子1410を介して構成コンポーネントからの分配命令のようなデータを受信することができる。例えば、1つ以上のプローブ100、データ収集装置1105及びデータ管理システム1110は水分補給モニタリングの結果に少なくとも部分的に基いて、モニタされる人が一種以上の疾病状態に罹っていることを識別する場合、薬剤ディスペンサー1405は、識別された疾病状態を改善する合成物をモニタされている人に供給する命令を素子1410を介して受信することができる。
【0114】
分配命令の受信に応じて、薬剤ディスペンサー1405は、モニタされている人に疾病状態を改善する合成物を提供することができる。例えば、薬剤ディスペンサー1405はモニタされる人の体内に薬を放出し、あるいは、モニタされる人のために薬の投与を準備することができる。薬剤ディスペンサー1405による合成物の分配は、例えば水分補給モニタリングの結果の分析に使用されるように、システム1400の1つ以上のメモリデバイスに記録されることができる。
【0115】
図15は、生命体の水分補給のモニタリングに使用できるモデル等価回路1500の例を示す。特に、生命体の導電率をモデル化するために使用できる等価回路1500。回路1500は、生命体1510の皮膚表面1505上に電極245、250、255、260を担持するプローブ200を使用した生体電気インピーダンス分光法で観察されたインピーダンスをモデル化する。
【0116】
モデル回路1500は、一連の表面インピーダンス1515、1520、1525、一連の経皮インピーダンス1530、1535、1540、1545、及び一連の皮下インピーダンス1550、1555、1560を備える。表面インピーダンス1515、1520、1525は、電極245、250、255、260の関係するものの間の表面電気インピーダンスをモデル化することができる。表面インピーダンス1515、1520、1525は、皮膚表面を介した伝導率、及び皮膚表面の汗及び他の伝導液体を介した伝導率の両方をモデル化することができる。一実施例では、表面インピーダンス1515、1520、1525は、非無効性(即ち、抵抗性)の素子としてモデル化される。
【0117】
経皮インピーダンス1530、1535、1540、1545は、モニタされる生命体の皮膚を通る電気インピーダンスをモデル化することができる。経皮インピーダンス1530は、抵抗分1565及び無効分1570を備える。経皮インピーダンス1535は抵抗分1575及び無効分1580を備える。経皮インピーダンス1540は抵抗分1585及び無効分1590を備える。経皮インピーダンス1545は抵抗分1595及び無効分1597を備える。無効分1570、1580、1590、1597は容量素子として密な細胞層を介した電気インピーダンスをモデル化することができる。他方、抵抗分1565、1575、1585、1595は抵抗素子として皮膚の水分補給された部分及び他の部分を介する電気インピーダンスをモデル化することができる。
【0118】
皮下インピーダンス1550、1555、1560はモニタされる生命体を介する電気インピーダンスをモデル化することができる。例えば、皮下インピーダンス1550、1555、1560は、皮膚によって囲まれた抵抗性の容積導体として、モニタされる生命体の一部の電気インピーダンスをモデル化することができる。
【0119】
一実施例では、生体電気インピーダンス分光法において、プローブ200が皮膚表面1505上に電極245、250、255、260を担持する。電流ソース210は、電極245、250間で電流を駆動することができる。駆動された電流は直流及び交流成分の両方を含むことができる。電極245、250、255、260での電位は、等価回路1500を横切るネットインピーダンス、及び等価回路1500を横切る異なるパスのインピーダンスに関する情報を提供する。
【0120】
例えば、直流が回路1500を横切って流されるとき、直流の大部分は、表面インピーダンス1515、1520、1525を通るであろう。直流適用下の電極245、250、255、260での電位測定は、表面インピーダンス1515、1520、1525のインピーダンス値を推定するために使用されることができる。所定周波数の交流が回路1500を横切って流される場合、交流の一部は、表面インピーダンス1515、1520、1525、経皮インピーダンス1530、1535、1540、1545、及び皮下インピーダンス1550、1555、1560を通ることができる。電極245、250、255、260での電位測定は、インピーダンス1515、1520、1525、1530、1535、1540、1545、1550、1555、1560を推定するために使用されることができる。そのような推定は、直流を使用して行われた表面インピーダンス1515、1520、1525の推定に照らして行われることができる。
【0121】
生命体の導電率に対する様々な要因のインパクトは、モデル回路1500の数理解析の変更により、あるいはデータ収集の側面を変えることにより調整されることができる。例えば、表面インピーダンス1515、1520、1525が、例えば皮膚表面上の汗あるいは他の導電液体によって高められた伝導率により、特に低い場合、電極245、250、255、260で測定された電位は、高められた伝導率を調整するように数学的に修正されることができる。例えば、以前に得られた表面インピーダンス推測は、表面インピーダンス1515、1520及び1525の変化が全体インピーダンス測定に対して有する影響を推測するために使用されることができる。これによって、皮下インピーダンスの変化を分離して皮下組織水分補給の変化をより正確にモニタすることができる。代替的に、生体電気分光測定を遅らせ、あるいは、プローブ200は、測定領域を乾燥すべきであるという指示をモニタされる人へ出力することができる。
【0122】
生命体の水分補給をモニタするために、モデル等価回路1500は、データ解析の常用のアプローチと併せて使用されることができる。そのようなデータ解析アプローチは、モニタリングデータを解釈し、且つモニタされる生命体中の水分の量及び分布の変化を識別するために使用されることができる。データ解析アプローチはさらに、他のバイオパラメータ測定の結果、及び水分補給モニタリングへの調査質問に対する返事を取り込むために使用されることができる。
【0123】
データ解析アプローチは、1セットの機械判読可能な論理命令に従って行われることができる。命令は、データ記憶ディスクあるいは他のメモリデバイスのような情報担体上にマシン判読可能なフォーマットで明確に具体化されることができる。命令は、また、その全体あるいは一部がマイクロ電子回路のようなハードウェアに具体化されることもできる。
【0124】
データ解析アプローチは、人間のユーザに表示することができる分析結果を生成することができる。人間のユーザは、モニタされている人、あるいは医療専門家のような別の人であることができる。分析結果は、ユーザからの促しに応じて、あるいは自動的に、即ち、ユーザ入力なしで表示されることができる。例えば、疾病状態を示す水分補給が識別される場合、分析結果は自動的に表示されることができる。システム1100を使用して水分補給モニタリングが行われる場合、分析結果は、プローブ100で、データ収集装置1105で、及び/又はデータ管理システム1110(図11、13、14)で表示されることができる。分析結果は、郵便サービス、ファクシミリ、有線又は無線電話ネットワークを介する音声メール、及び/又はインターネットあるいは他のネットワークに基いた通信様式のような他の出力デバイスを使用して、示されることができる。
【0125】
データ解析は、長期間にわたって連続的にあるいは断続的に行われることができる。分析されるデータは、連続的にあるいは断続的に収集された測定結果であることができる。分析されるデータは、収集されたデータの部分集合、あるいは、その全部であることができる。例えば、分析されるデータは、連続的な水分補給モニタリングの結果から編集された断続的なサンプルであることができる。
【0126】
長期間にわたって得られた水分補給モニタリング結果の分析の1つの利点は、長期モニタリングが達成されうることである。モニタリングは、疾病状態と関係しない、水分補給の日々の、月毎の、あるいは他の変化を識別できるような長期的なものであることができる。モニタリングは、分析結果が特定のモニタされている生命体に関係するように個別化されることができる。
【0127】
データ解析は、解析への長期及び短期変動の影響を削除することによって、水分補給における疾病状態と関係しない長期及び短期変動の両方を調整することができる。例えば、データ解析は、呼吸及び他のタイプの運動に関連する変動を調整することができる。例えば、胸から得られた水分補給モニタリング結果のピーク/トラフ分析及び/又は周波数分析は、呼吸周期を決定するために使用されることができる。これは、例えば測定結果の離散的データポイント間の変化率の特定によって行われることができる。一旦呼吸周期が特定されれば、(例えば呼気に関連するもののような)特定の測定結果は特定され、後の分析に使用されることができる。
【0128】
必要ならば、自然な、あるいは取り付けに伴う電極移動によるインピーダンス測定の変化も、通常のデータ処理によって調整されることができる。
【0129】
別の例として、データ解析は日々の、あるいは月別の変動を調整することができる。そのような変動は、長期的な測定結果のピーク/トラフ分析及び/又は周波数分析によって特定されることができる。例えば、(呼気に関連するもののような)特定の測定結果は、水分補給における再現可能な日周性及び/又は月別の変動性を特定するために使用されることができる。このような変動は、後の測定結果において、以前の変動の減算あるいは他の調整アプローチによって調整されることができる。
【0130】
例えば、水分補給モニタリング結果の日周パターンは、午後遅い時間から早朝にかけて特定の生命体の生体電気インピーダンス値が3%減少する可能性が高いことを示しうる。どちらか一方の時間帯に得られた水分補給測定結果は、この減少を反映する補間によって調節、あるいは修正されうる。このような調整は、例えば毎日の練習ルーチンあるいは飲食習慣のような予測可能な又は習慣的なパターンを考慮するために行われることができる。
【0131】
日周変化を調整する別の例としては、後の分析は、パターン化された規則的な呼吸の時間帯(例えば睡眠中)に得られた測定結果だけに依存する。そのようなパターン化された時間帯は、例えば水分補給モニタリング結果の変化率を決定することにより特定されることができる。そのようなパターン化された時間帯は、既知の水分補給状態(例えばモニタされる人が「乾燥していて」、肺水腫に影響されない)で得られた測定結果と合わせて使用されて、決定基準及び他の分析パラメータを調節することができる。
【0132】
水分補給モニタリング結果における電子的外れ値あるいは位置信号ノイズのような不規則変動を含む他の変動は、デジタル及び/又はアナログフィルタ、信号平均、データ廃棄テクニック、及び他のアプローチを使用して調整されることができる。
【0133】
水分補給モニタリング結果のデータ解析は、典型的な水分補給特性の基準を確立するために使用されることができ、それにより、基準からの、例えば疾病状態あるいは他のストレスに応じた偏差を特定することができる。典型的な水分補給特性の基準は、モニタされる特定の生命体に個別化、関連されることができ、あるいは、ある個体群の平均水分補給を反映することができる。例えば、拡張されたモニタリング結果は、個々の疾病状態の特定に対する許容差及び範囲、偏差、及び/又は異常、並びに集団趨勢(以下でさらに議論されるように)の母集団データベースを確立するために分析されることができる。そのような基準は、様々な人口統計的特性を有する健康、及び/又は病気の集団のために生成されることができる。
【0134】
対照的に、(例えば一日あるいは一週に一回、短い時間に個体をモニタするような)個体の周期的な短期水分補給モニタリングは、個体の変動、偏差、あるいは異常を検知する可能性が低く、母集団データベースの確立に寄与しない。
【0135】
データ解析は、全体水分補給モニタリング結果の部分集合の分析を含むことができる。分析される部分集合は、該部分集合と分析されない水分補給モニタリング結果とを区別する共通の特性を有することができる。例えば、分析される部分集合は、高い信号対雑音比を有し、あるいは、乾燥した条件(例えば表面インピーダンス1515、1520、1525(図15)が比較的高い場合)の下で取得されることができる。あるいは、分析される部分集合は、モニタされる生命体と入力120、125及び出力130、135(図1)との間でよい接触が維持されている場合取得され、又は、一日の同じ時間に取得されることができる。
【0136】
データ解析操作は、1つ以上のプローブ100、データ収集装置1105及び/又はデータ管理システム1110で行われることができる。一実施例では、データ解析は、プローブ100とデータ収集装置1105との間で配置される。特に、プローブ100は、信号処理、ノイズフィルタリング、データ平均演算を含む初期分析を行うことができる。操作は、1つ以上の周波数で得られた1つ以上の測定からのデータに対して行われることができる。操作は、生データ、あるいは変動がすでに調整されたデータに対して行われることができる。例えば、操作は、呼吸期間中の所定ポイントで収集されたデータに対して行われることができる。これらの初期分析結果は、プローブ識別子及び時間/日付スタンプのような他の情報と共にデータ収集装置1105に送信されることができる。データ収集装置1105では、データ解析操作は、水分補給における肺水腫のような疾病状態に関連する傾向若しくはシフトの特定、並びに受信データ及びしきい値間の比較を含むことができる。
【0137】
別の実施例では、データ解析操作は主としてデータ収集装置1105で行われ、プローブ100でのデータ解析は最小限である。プローブ100でのデータ解析が最小限の場合、データ解析とデータ記憶はデータ収集装置1105で統合され、また、プローブ100は、低い電力要求及びコストを有する、単純化された回路を備えることができる。
【0138】
データ解析はデータ管理システム1110で行われることもできる。そのようなデータ解析は多変数解析を含むことができる。多変数解析において、水分補給モニタリング結果が、体重、心拍数、呼吸、時刻、月、食事パターン、身体活動レベル、及び他の変数のような他の統計変数に照らして分析される。他の統計変数は水分補給モニタリング結果から完全に独立する必要がない。多変数解析に使用される水分補給モニタリング結果は、1つ以上の生命体から(例えば数日、数週あるいは数か月)長期間にわたって得えられることができる。そのような多変数解析の結果は、改善されたアルゴリズム、改善されたパターン定義技術、及び/又は人工知能システムを含む、水分補給モニタリング結果の新しい及び改善された分析を開発するために使用されることができる。
【0139】
様々な他の分析技術は水分補給モニタリング結果に適用されることができる。これらは、肺水腫の発症又は進行に関連する流体変化を決定するために使用されるデータのための確立している指針値の使用を含む。さらに、調整されたしきい値のような臨床医修正済の変数は、高い精度及び特異性を許容するために適用されることができる。
【0140】
水分補給モニタリング結果のこれら及び他の分析は、他の生物パラメータのモニタリング結果に照らして行われることができる。他の生物パラメータは、呼吸、心拍数、ホルモン(例えば、Bタイプナトリウム利尿ペプチド(BNP))レベル、代謝レベル(例えば、血中尿素窒素(BUN)及び/又はNa+/K+レベル)、楔入圧測定、心電図測定、及び他のものを含む。そのような他のパラメータに照らしてなされた分析は、分析プロセスによって提供された情報を改善しうる。
【0141】
データ解析は、最近の水分補給モニタリング結果に関する比較を含むことができる。例えば、最近の水分補給モニタリング結果を前の水分補給モニタリング結果、予測された結果、あるいは母集団結果と比較することができる。将来の水分補給モニタリング結果は、モニタされる個体の現状及び、同じあるいは他の個体、あるいはある母集団、あるいは人口統計学的なグループから得られた過去の水分補給モニタリング結果に基いて予測されることができる。そのような比較は、例えば、母集団データテーブル、経時的に得られた複数の基準測定、あるいは拡張された水分補給モニタリングに基いた傾向分析の結果の使用を含みうる。
【0142】
そのような比較はさらに、他のバイオパラメータを含む他の要因を含むことができる。例えば、比較が行われる前に、水分補給モニタリング結果は1つ以上の要因によって重み付けされることができる。そのような要因の例は、モニタされる人の年齢、体重、身長、性別、全般的な健康レベル、民族性、心拍数、呼吸速度、尿比重値、血液浸透圧測定、時刻、高度、水分補給の状態(主動的か、受動的か)、心臓波形、左心室駆出分画率、血中酸素濃度、分泌カリウムまたはナトリウムイオンのレベル、皮膚表面温度、周囲温度、コア体温、活動/運動評価、湿度及び他のバイオパラメータを含む。
【0143】
将来の水分補給状態の傾向分析及び予測をもとに、深刻な水分補給問題の発生に先立って被検者及び/又はケア提供者に治療または介入の推薦を提供することによって深刻な水分補給問題が生じるのを防ぐことが可能である。移動可能の健康な被検者については、選択された期間における水分補給の下降傾向を検知して、推奨される水分摂取量を自動的に提示することができる。推奨のタイミング及び性質も、年齢、性別、あるいは他の関連要因に少なくとも部分的に基くことができる。肺水腫の発症期間中に液体が肺組織に蓄積している予測のような一部の状況では、推奨される摂取量の医薬剤は自動的に提供されることができる。
【0144】
水分補給モニタリングは種々の異なる疾病状態をモニタするために様々な異なる手続きを使用して、様々な異なる環境の中で進行することができる。例えば、一実施例で、水分補給が肺水腫の徴候を得るためにモニタされる場合、モニタリングはその人が肺水腫のリスクを有すると識別された後に始まることができる。例えば、そのような人は、肺水腫の治療用のケア施設に既に受け入れられうる。水分補給は、その人が“乾いてきており”、胸領域にある過度の流体負荷が減少されるときに、モニタされることができる。その人が“乾いた”後も、水分補給モニタリングは継続することができる。例えば、そのような人がケア施設から解放され、且つ日常活動を行うように戻った後でも、水分補給モニタリングは継続することができる。このような期間の全部あるいはその一部において、水分補給モニタリングは、人によって固定箇所から移動されても相変わらず少なくとも一部の出力信号生成を行うことができるポータブルプローブに依存し、継続して行われることができる。そのような水分補給モニタリングの結果の分析は、モニタされている患者及びモニタされている患者を含むある集団グループの、肺水腫の再発症及び/又は進行に関する情報を集めるために使用されることができる。
【0145】
水分補給モニタリングは、1つ以上の急性あるいは慢性疾病状態を示す、生命体中の水分のレベル及び分布の識別を含む様々な異なる目的を達成するために行われることができる。そのようなモニタリングの例が以下に続く。
例1: 個人の脱水をモニタする移動可能な生体電気インピーダンスモニタリング
多くの人は、自分が脱水につながる活動や環境の中にいることに気づく。そのような活動は、競技運動、オフィサー/消防士によって行われた公安活動、戦闘、及び身体運動を要求する他の活動を含みうる。そのような環境は熱くて湿度の高い現場を含む。
【0146】
これらの場合において、そのような人の水分補給を絶えずモニタするためには、1つ以上のストラッププローブをそのような人の大腿に沿って配置することができる。代替的に、プローブは、図9A及び9Bの中で示されたズボン及びソックスのような衣類に組み入れられることができる。
【0147】
水分補給モニタリングの初期設定中に、水分補給モニタリング結果、及び他のバイオパラメータをモニタする結果を含むある範囲のデータは、分析操作を行う1つ以上のデータ処理デバイスに送信されることができる。そのようなデバイスは送信されたデータを使用して、水分補給における相対変化を決定することができる基準を確立することができる。送信されたデータは、例えば、尿比重、血液浸透圧、及び/又は例えば部位サイズ、年齢、身長、体重及び全般的な健康レベルのような人体計測データを含む、水分補給状態を示す他のパラメータを含むことができる。
【0148】
確立された基準はプローブに戻され、プローブによって使用されて、脱水を示す水分補給モニタリング結果が得られる場合に即時のアラームを提供することができる。さらに、プローブによって生成された水分補給モニタリング結果は、分析及びアーカイブ保管のためにデータ収集装置及び/又はデータ管理システムに送信されることができる。
【0149】
データ収集装置及び/又はデータ管理システムは、さらに脱水を示す水分補給モニタリング結果を識別することができる。例えば、水分補給がある限界量(例えば、3%)だけ減少した場合、データ収集装置及び/又はデータ管理システムは、この減少を記録し、そして、プローブ及び/又はデータ収集装置に警告信号を引き起こさせることができる。例えば、脱水の度合いは、推奨される流体置換量及び推奨される回復時間と共に表示されることができる。さらに、警告は、スポーツ選手のコーチ、スーパバイザあるいは医療関係者のような第三者に中継されることができる。
【0150】
ある期間のモニタリングの後、モニタされた人はプローブを外し交換することができる。新しいプローブはデータ収集装置に同期され、新しいベースラインインピーダンス測定を提供されることができる。
例2: 別の装備内に組み込まれたデータ収集装置を用いた、人の移動可能な生体電気インピーダンスモニタリング
自身が脱水につながる活動あるいは環境の中にいることに気付く人が一般に使用するデバイスに、データ収集装置は、組み込まれることができる。例えば、データ収集装置は、安全装置、自転車のハンドル、ヘルメットあるいはグローブに組み込まれることができる。脱水のような疾病状態を示す水分補給モニタリング結果が得られる場合、データ収集装置はその人、及び/又はその人の近辺の他の人に結果を警報することができる。例えば、フットボール選手のヘルメットの外側のライトがフラッシュし、選手の水分補給モニタリング結果をチームメイト及びコーチに警告することができる。これらの警告は、水分補給モニタリング結果の深刻度で格付されることができる。よって、例えば5%以上の脱水のような重大な水分補給限界を超えることに先立って、選手とチームメイトは適時の警告を有することができる。
例3: 自動車両を運転する人の移動可能な生体電気インピーダンスモニタリング
多くの人は自動車両を運転し、移動が可能ではあるが、長時間車両内に閉じ込められているため、かれらの移動度が制限されている。そのような車両は車、飛行機、タンク、船及び他の輸送デバイスを含む。
【0151】
そのような人の水分補給をモニタするプローブは、運転する人と絶えずあるいは断続的にコンタクトする例えばハンドル、ジョイスティックあるいは他の表面上で自動車両に組み入れられることができる。断続的コンタクトは、データ解析を、プローブ及びモニタされた生命体間の良好なコンタクトの期間に得られたデータに制限することにより調整されることができる。
【0152】
そのような車両はさらにデータ収集装置を備えることができる。一部の実施例では、データ収集装置は、車両と一般的なコンポーネントを共有して様々な操作を行うことができる。そのようなコンポーネントは車両表示システム及びデータ通信デバイスを含む。
【0153】
脱水のような疾病状態を示す水分補給モニタリング結果が得られる場合、データ収集装置は、その人、及び/又はその人の近辺の他の人に結果を警報することができる。例えば、ピットクルーは、ドライバが脱水するようになっていると通知されることができる。あるいは、部隊指揮官は、指揮下の兵士が脱水状態になりつつあると通知されることができる。
【0154】
多くの実施例は既に説明されたが、変更が行われうる。例えば、絆創膏プローブは衣類に組み入れられることができる。プローブ100は有線データリンクによってデータ収集装置1105と通信することができる。プローブ100及びデータ収集装置1105の両方は、車両、ラジオユニット、靴、フットボール器具、消防器具、グローブ、水分補給システム、自転車ハンドル及び他のデバイスのような、別のアイテムあるいは器具に組み入れられることができる。データリンク1125に沿ったデータ通信は非同期であることができる。よって、同期操作モードはデータ収集装置1105から除去されることができる。
【0155】
図16に示すように、生命体の水分補給をモニタするために、複数のプローブ(即ち、プローブ500及び500’)は生命体405の異なる箇所に配置されることができる。特に、ストラッププローブ500’は人405の大腿を包囲する寸法を有し、人405の大腿の伝導率を調査するために配置されるが、ストラッププローブ500は、人405の下腿を包囲する寸法を有し、人405の下腿の伝導率を調査するために配置される。
【0156】
プローブ500、500’からの測定結果は、較正及びエラー最小化のために比較され関連させられることができる。例えば、プローブ500は、水分が下腿に蓄積するうっ血性心不全のような疾病を識別するために使用される水分補給測定結果を提供し、プローブ500’は、プローブ500を用いて得られた水分補給測定結果を較正するために使用される水分補給測定結果を提供することができる。そのよう較正は、水分補給モニタリング結果における心不全と無関係な変動を調整する差分測定をすることを含むことができる。
【0157】
図17は、生命体の水分補給をモニタするために複数のプローブを使用するシステムの一実施例、すなわちシステム1700を示す。1つ以上のデータ収集装置1105、データ管理システム1110、I/Oデバイス1115及びデータ記憶デバイス1120に加えて、システム1700はプローブ500、500’を備える。プローブ500、500’は、図16に示すように単一の生命体405上に配置されることができる。プローブ500、500’は両方ともデータ収集装置1105と共に、水分補給モニタリングの中で使用される情報を通信するために無線データリンク1125を確立することができる。
【0158】
従って、他の実施例が特許請求の範囲内に属する。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】生命体の水分補給をモニタするプローブの構成を示す図である。
【図2】生命体の水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブの構成を示す図である。
【図3】絆創膏生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図4A】水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブ及び絆創膏プローブの配置例を示す図である。
【図4B】水分補給をモニタする生体電気インピーダンス分光プローブ及び絆創膏プローブの配置例を示す図である。
【図5】ポータブルストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図6】ポータブルストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図7】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図8A】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図8B】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図8C】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図9A】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図9B】水分補給をモニタするストラッププローブの配置例を示す図である。
【図10A】別のストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図10B】別のストラップ生体電気インピーダンス分光プローブを示す図である。
【図10C】生体電気インピーダンスモニター及び皮膚温度計を使用して得ることができる水分補給モニタリング結果の例を示すグラフである。
【図11】生命体の水分補給をモニタするシステムの構成を示す図である。
【図12】生命体の水分補給をモニタするシステムにおいて使用可能なデータ収集装置を示す図である。
【図13】生命体の水分補給をモニタする別のシステムの構成を示す図である。
【図14】生命体の水分補給をモニタする別のシステムの構成を示す図である。
【図15】生命体の水分補給をモニタするのに使用可能なモデル等価回路の一例を示す図である。
【図16】水分補給をモニタする複数のストラッププローブの配置例を示す図である。
【図17】生命体の水分補給をモニタする別のシステムの構成を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生命体に連続的に取り付けできる寸法を有するポータブルプローブを使用して、移動可能な生命体の一部の局部生体電気インピーダンスをモニタするステップと、
前記ポータブルプローブから水分補給モニタリングの結果を表すデータを受信するように構成された遠隔の装置に、前記水分補給モニタリングの結果を表す前記データを無線で通信するステップと、を含み、
前記局部生体電気インピーダンスをモニタする前記ステップにおいて、
前記ポータブルプローブが取り付けされながら、前記生命体の一部と電気エネルギーを交換して、前記水分補給モニタリングの結果を表す前記データを生成する水分補給モニタリング方法。
【請求項2】
前記ポータブルプローブが、実質的に連続的に前記生命体の一部と電気エネルギーを交換して、前記水分補給モニタリングの結果を生成する請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項3】
プローブ識別子を前記遠隔の装置に送信するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項4】
電極識別子を前記遠隔の装置に送信するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項5】
温度を検出するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項6】
血管拡張を検出するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項7】
前記プローブを被検者の大腿の上に配置するステップを含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項8】
前記プローブを被検者の胸の上に配置するステップを含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項9】
前記データを使用して、肺水腫を診断するステップをさらに含む請求項8に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項10】
前記生体電気インピーダンスをモニタする前記ステップは、
経時的な水分補給傾向を識別するのに十分な期間の生体電気インピーダンスをモニタする請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項11】
水分補給状況を緩和する介入のための推薦を自動的に提供するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項12】
生命体に連続的に取り付けできる寸法を有するポータブル水分補給モニタリングプローブを備え、
前記プローブは、
電力の供給源と、
前記供給源からの電気エネルギーを、前記プローブを取り付けている前記生命体の局部と交換する少なくとも1つの電極と、
前記電極での電気エネルギーの交換に基いて局部生体電気インピーダンスを反映する、前記水分補給モニタリングの結果を表すデータを生成するコントローラと、
前記水分補給モニタリングの結果を表す前記データを無線で遠隔の装置に通信するように構成されたデータ通信デバイスと、を備える水分補給モニタリングデバイス。
【請求項13】
前記ポータブル水分補給モニタリングプローブが、パッチプローブとして構成される請求項12に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項14】
温度センサーをさらに備える請求項12に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項15】
複数の前記電極を備える請求項12に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項16】
前記電極がそれぞれ、互いに2.5mm〜25cmの距離離れている請求項15に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項17】
前記電極が、被検者の皮膚に適用されるように構成された粘着性のパッチに付着される請求項16に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項1】
生命体に連続的に取り付けできる寸法を有するポータブルプローブを使用して、移動可能な生命体の一部の局部生体電気インピーダンスをモニタするステップと、
前記ポータブルプローブから水分補給モニタリングの結果を表すデータを受信するように構成された遠隔の装置に、前記水分補給モニタリングの結果を表す前記データを無線で通信するステップと、を含み、
前記局部生体電気インピーダンスをモニタする前記ステップにおいて、
前記ポータブルプローブが取り付けされながら、前記生命体の一部と電気エネルギーを交換して、前記水分補給モニタリングの結果を表す前記データを生成する水分補給モニタリング方法。
【請求項2】
前記ポータブルプローブが、実質的に連続的に前記生命体の一部と電気エネルギーを交換して、前記水分補給モニタリングの結果を生成する請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項3】
プローブ識別子を前記遠隔の装置に送信するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項4】
電極識別子を前記遠隔の装置に送信するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項5】
温度を検出するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項6】
血管拡張を検出するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項7】
前記プローブを被検者の大腿の上に配置するステップを含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項8】
前記プローブを被検者の胸の上に配置するステップを含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項9】
前記データを使用して、肺水腫を診断するステップをさらに含む請求項8に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項10】
前記生体電気インピーダンスをモニタする前記ステップは、
経時的な水分補給傾向を識別するのに十分な期間の生体電気インピーダンスをモニタする請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項11】
水分補給状況を緩和する介入のための推薦を自動的に提供するステップをさらに含む請求項1に記載の水分補給モニタリング方法。
【請求項12】
生命体に連続的に取り付けできる寸法を有するポータブル水分補給モニタリングプローブを備え、
前記プローブは、
電力の供給源と、
前記供給源からの電気エネルギーを、前記プローブを取り付けている前記生命体の局部と交換する少なくとも1つの電極と、
前記電極での電気エネルギーの交換に基いて局部生体電気インピーダンスを反映する、前記水分補給モニタリングの結果を表すデータを生成するコントローラと、
前記水分補給モニタリングの結果を表す前記データを無線で遠隔の装置に通信するように構成されたデータ通信デバイスと、を備える水分補給モニタリングデバイス。
【請求項13】
前記ポータブル水分補給モニタリングプローブが、パッチプローブとして構成される請求項12に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項14】
温度センサーをさらに備える請求項12に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項15】
複数の前記電極を備える請求項12に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項16】
前記電極がそれぞれ、互いに2.5mm〜25cmの距離離れている請求項15に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【請求項17】
前記電極が、被検者の皮膚に適用されるように構成された粘着性のパッチに付着される請求項16に記載の水分補給モニタリングデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2007−502675(P2007−502675A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524077(P2006−524077)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027106
【国際公開番号】WO2005/018432
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504003673)フィロメトロン,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027106
【国際公開番号】WO2005/018432
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504003673)フィロメトロン,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】
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