説明

注意欠陥多動性障害及び高フェニルアラニン血症の治療のための方法及び組成物

制御放出医薬品中にテトラヒドロビオプテリンを含む組成物を開示する。更に又、制御放出医薬品中にテトラヒドロビオプテリンを含む組成物をフェニルケトン尿症を有する患者に投与することを包含するその患者の治療方法を開示する。更に又、ADHDを有する患者にテトラヒドロプテリンを投与することを含むその患者の治療方法を開示する。ADHDの治療のための組成物も記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2004年6月25日に出願された米国仮出願第60/583,089号及び2004年7月21日に出願された米国仮出願第60/589,710号の利益を請求し、これらの仮出願の各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は米国国立衛生研究所の認可番号40898−01の支援により行われた。連邦政府は本発明における特定の権利を有することができる。
【0003】
発明の分野
本発明は一般的に注意欠陥多動性障害及び高フェニルアラニン血症の治療のための方法及び組成物、特に注意欠陥多動性障害の治療のための方法及び組成物におけるテトラヒドロビオプテリンの使用、及びテトラヒドロビオプテリンの制御、持続又は時限放出の製剤を用いた高フェニルアラニン血症の治療のための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
テトラヒドロビオプテリン
テトラヒドロビオプテリン(「BH4」)は酵素フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ及びトリプトファンヒドロキシラーゼの補助因子である。6R−立体異性体はBH4補助因子の活性型であると考えられている。チロシンヒドロキシラーゼ及びトリプトファンヒドロキシラーゼ酵素はドーパミン及びセロトニンのような神経伝達物質の生合成における律速酵素である。BH4は各ヒドロキシラーゼの概ねのKm値となる量においてのみ神経末端に含有されるため、BH4はこれらの神経伝達物質アミンの生合成における調節因子であると考えられており;GTPからのこの補助因子の生合成に関与する酵素が不足又は低減されると神経伝達物質アミンの減少が起こり、種々の神経精神疾患がもたらされ;研究者等(参照により本明細書に組み込まれるWatanabe et al.,への米国特許第5,606,020号)は6R−BH4がドーパミン(「DA」)、ノルエピネフリン及びセロトニンのような神経伝達物質アミンの放出及び遊離を増強すること、及び、DAを介したグルタミン酸、アスパラギン酸又はγアミノ酪酸(「GABA」)の遊離及びセロトニンを介したアセチルコリンの放出も増強することが既知である。一方、内因性のBH4の量がBH4の生合成抑制により低下すると、DAの量自体は大きく変化しないのに対し、DAの放出は50倍抑制されるか、又は、それより低値となることも明らかにされる。後者の所見は内因性BH4がDA放出の機序の何らかの変化をトリガーすることを示唆している。
【0005】
DA放出の分子機序に関する別の研究(参照により本明細書に組み込まれるWatanabe et al.への米国特許第5,606,020号)では、BH4に対する高い親和性と高い特異性の両方を有し、そして、DA放出機序における調節部位である可能性がある6R−BH4で飽和した受容体部位が脳の膜画分中において単離されている。更に又その特異性のために、6R−BH4受容体はテトラヒドロビオプテリンの6R−及び6S光学異性体を厳密に判別することができ、これにより補助因子の活性型と考えられている6R異性体を選択的に認識できることがわかっている。
【0006】
フェニルケトン尿症の研究によればこの疾患の起因要素として酵素フェニルアラニンヒドロキシラーゼの不全(古典的PKU)及び/又はそのBH4補助因子の不全(非典型的PKU)のいずれかが関係している(Schaub et al.,「Tetrahydrobiopterin Therapy of Atypical Phenylketonuria Due to Defective Dihydrobiopterin Biosynthesis」,Arch.Dis.Child.,53(8):674−676(1978);Matalon et al.,「Screening for Biopterin Defects in Newborns with Phenylketonuria and Other Hyperphenylalaninemias」,Ann.Clin.Lab.Sci.,12(5):411−414(1982);Kaufman et al.,「Use of Tetrahydropterins in the Treatment of Hyperphenylalaninemia Due to Defective Synthesis of Tetrahydrobiopterin:Evidence That Peripherally Administered Tetrahydropterins Enter the Brain」,Pediatrics,70(3):376−380(1982)、これらは参照により本明細書に組み込まれる)。パーキンソン病を有する患者の剖検脳の標本及び脳脊髄液(Moore et al.,「Biopterin in Parkinson’s Disease」,J.Neurol.Neurosurg.Phychiatry,50(1):85−87(1987);Nagatsu et al.,「Biosynthesis of Tetrahydrobiopterin in Parkinsonian Human Brain」,Adv.Neurol.,45:223−226(1987);参照により本明細書に組み込まれる)、アルツハイマー認知症(Barford et al.,「Tetrahydrobiopterin Metabolism in the Temporal Lobe of Patients Dying with Senile Dementia of Alzheimer Type」,J.Neurol.Neurosurg.Psychiatry,47(7):736−738(1984),参照により本明細書に組み込まれる)、及び小児自閉症(Tani et al.,「Decrease in 6r−5,6,7,8−tetrahydrobiopterin Content in Cerebrospinal Fluid of Autistic Patients」,Neurosci.Lett.,181(1−2):169−172(1994)、参照により本明細書に組み込まれる)はBH4含量の低下を示している。BH4による補給療法が小規模で試験されており、そしてフェニルケトン尿症(上記文献参照)、パーキンソン病(Curtius et al.,「Therapeutic Efficacy of Tetrahydrobiopterin in Parkinson’s Disease」,Adv.Neurol.,40:463−466(1984)、参照により本明細書に組み込まれる)、アルツハイマー病(Aziz et al.,「Tetrahydrobiopterin Metabolism in Senile Dementia of Alzheimer Type」,J.Neurol.Neurosurg.Psychiatry,46(5):410−413(1983)、参照により本明細書に組み込まれる)、うつ病(Curtius et al.,「Successful Treatment of Depression with Tetrahydrobiopterin」,Lancet,1(8325):657−658(1983)及び小児自閉症(Fernell et al.,「Possible Effects of Tetrahydrobiopterin Treatment in Six Children with Autism−−Clinical and Positron Emission Tomography Data:A Pilot Study」,Dev.Med.Child Neurol.,39(5):313−318(1997)、参照により本明細書に組み込まれる)の治療のために提案されている。これらの提案に基づけば、1997年において、100超のBH4誘導体がスイス、米国及び日本において薬剤として設計されており、そしてBH4と類似のその補助因子作用についてスクリーニングされている。これらの誘導体の何れもBH4より優れた活性を示していない(参照により本明細書に組み込まれるWatanabe et al.への米国特許第5,606,020号)。
【0007】
BH4の治療効果の程度が不充分であることは血液脳関門の通過が低値であるためと考えられ、そしてより親油性の6−メチルBH4(Kaufman et al.,「Tetrahydropterin Therapy for Hyperphenylalaninemia Caused by Defective Synthesis of Tetrabydrobiopterin」,Ann.Neurol.,14(3):308−315(1983)、参照により本明細書に組み込まれる)は血液脳関門の通過を増大させることによりBH4の治療効果を向上させると示唆されている。BH4はカテコールアミン及びセロトニンを形成するために必要な補助因子であるため、PKU又はPKU変異体とは未関連のその新しい用途を発見することが可能である。
【0008】
注意欠陥多動性障害
注意欠陥多動性障害(「ADHD」)は特定の年齢に対して不適切である低下した注意持続時間、活動亢進および/または衝動を特徴とする状態である。典型的には未熟を示す経度の神経学的兆候として知られるものを幼弱な小児が有している。これらは、小児が身体の別の部分で随意運動を行っている最中に生じる、身体のある一部の不随意運動である。これは共同運動又はオーバーフロー運動と称される。これらのオーバーフロー運動は正常な発達の間に消失し、そして通常は10歳までに消滅する。しかしながら、ADHDを有する小児はこれらのオーバーフロー運動がより強化され、10歳以降も長期持続する。このことにより、研究者等はADHDを有する小児においては運動活動に関わる脳領域の成熟及び発達において異常が存在すると考えている。
【0009】
経頭蓋磁気刺激(「TMS」)は脳の機能に関する情報を与える非侵襲的な手法であり、運動活動に関連する神経系の領域(運動皮質、皮質脊髄路及び脳梁)を試験する場合に極めて有用である。患者の頭部に接近させて保持した特殊な機器から生じる磁気信号が数個の筋肉(例えば1本の指を制御する筋肉)を制御する脳の小領域を刺激する。医師は電極(身体の領域にテープにより貼り付ける金属小片)を筋肉上に設置し、筋肉が運動する際にそれが発生する電気的活性を測定する。磁気信号がこれらの筋肉を活性化すると、磁気信号に応答して筋肉が起こす運動の電気的活性を電極が感知して記録する。研究者等は現在ADHDの臨床的異常が運動活動に関与する神経系(運動皮質及び皮質脊髄路)の領域の成熟の遅延又は異常に関連するかどうか調べるためにTMSを用いて正常な小児及びADHDと診断された小児を研究している。
【0010】
ADHDの原因の完全な理解にもかかわらず、特定の薬理学的物質が状態の制御において有効であることが解っている。特に、ADHDはカテコールアミン又はセロトニンを模倣する薬理学的物質(例えば精神刺激剤、例えばメチルフェニデート(RITALIN(商標)とも称する))により治療されている。小児におけるADHDを治療するために単独又は組み合わせて使用される場合いずれかの2種の医薬、クロニジン及びメチルフェニデートの利点と副作用とを評価するために臨床第III相治験が現在実施されている。ADHDの現時点での医薬品治療薬は精神刺激剤、例えばRITALIN(商標);McNeil Consumer and Specialty Pharmaceuticals Inc.から販売されている時限放出のメチルフェニデート(CONCERTA(商標));Richwood Pharmaceutical Co.Inc.から販売されているADDERALL(商標)(アンフェタミン);CYLERT(商標)(ペモリン、2−アミノ−5−フェニル−2−オキサゾリン−4−オン);Abbott Laboratoriesから販売されているDESOXYN(商標)(メタンフェタミン);及びBoehringer−Ingelheimから販売されているCATAPRES(商標)(クロニジン、2−(2,6−ジクロロフェニルイミノ)イミダゾリジン)等がある。
【0011】
ADHDを治療するための方法及び組成物が必要とされており、そして本発明は部分的にはこの必要性を対象としている。
【0012】
高フェニルアラニン血症
高フェニルアラニン血症(「HPA」)は脳の損傷および他の病的状態をもたらす可能性のある血中のフェニルアラニンの上昇した濃度の存在である。HPAは典型的にはBH4合成経路又はフェニルアラニン代謝経路のいずれかにおける欠損により生じる。フェニルアラニン代謝経路における重要な酵素は酵素フェニルアラニン−4−ヒドロキシラーゼ(「PAH」)である。PAHの欠損は代謝障害フェニルケトン尿症(「PKU」)をもたらし、これはHPAに関連している。神経科学の進歩は急速で広範な基盤を有するが、HPAの治療に関しては小児科医には殆ど恩恵を施していない。
【0013】
フェニルケトン尿症はフェニルアラニンをチロシンに変換するPAHの活性の欠損により誘発される代謝疾患である。フェニルアラニン及びその神経毒性の代謝産物の蓄積はPKU患者において脳の損傷を引き起こし、精神遅滞をもたらし得る。種々の重症度の症候群をもたらすPAHの約400種の既知突然変異が存在する。症例の約1%においてはPAHの欠損は、PAHの必要な補助因子(BH4)の生産に関与するジヒドロプテリジン還元酵素(「DHPR」)のような酵素をコードする遺伝子における突然変異に起因する。
【0014】
低フェニルアラニン食餌は未治療のPKUに伴う重度の遅滞を軽減できるが、PKU患者が青年期に到達するに従い食餌遵守は問題となり、血中フェニルアラニン濃度の上昇及び知性消失及び脳内白質の変化をもたらす。約2〜6mg/dLの範囲である安全な血中フェニルアラニン濃度を達成するために典型的には考案されるフェニルアラニン制限食餌に起因して栄養不全が生じる場合がある。更に又、出産適齢期のPKU女性は小頭症、精神遅滞及び重篤な先天性心臓欠陥を特徴とする母性PKU症候群を有する小児を妊娠する可能性がある。食餌ではないPKU治療のより好都合な様式を検討することが必要である。
【0015】
1980年において、参照により本明細書に組み込まれるHoskins et al.,「Enzymatic Control of Phenylalanine Intake in Phenylketonuria」,Lancet,1(8165):392−394(1980)は、フェニルアラニンをケイ皮酸及びアンモニアに変換し、PAHとは異なり補助因子を必要としない酵母産生酵素、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(「PAL」)の投与を介したPKUの治療を提案している。しかしながら、ヒトにおける限定された試験によれば、応答は変動的で予測不能であり、治療は経費効率的ではなかった。PAL療法の研究はSarkissian et al.,「A Different Approach to Treatment of Phenylketonuria: Phenylalanine Degradation with Recombinant Phenylalanine Ammonia Lyase」,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA.,96(5):2339−2344(1999)において再検討されており、そこでは組み換えPALがPAH活性を有さないPKUノックアウトマウスにおいて血中フェニルアラニン濃度を低下させたことが明らかにされた。
【0016】
PKUに関する別の治療方法は残存又は低PAH活性又は欠損性BH4合成を有する患者におけるBH4負荷である。参照により本明細書に組み込まれるKure et al.,「Tetrahydrobiopterin−Responsive Phenylalanine Hydroxylase Deficiency」,J.Pediatr.,135(3):375−378(1999)はBH4補助因子の経口投与への4人のPKU患者の良好な応答を報告した。更に又、参照により本明細書に組み込まれるTrefz et al.,「Successful Treatment of Phenylketonuria with Tetrahydrobiopterin」,Eur.J.Pediatr.,160(5):315(2001)及びSpaapen et al.,「Tetrahydrobiopterin−Responsive Phenylalanine Hydroxylase Deficiency in Dutch Neonates」,J.Inherit.Metab.Dis.,24(3):352−358(2001)はドイツ及びオランダにおけるそれぞれ1人及び5人のPKU患者で同様な成功例を報告している。これらの研究におけるPKU患者は全て、治療前に正常な水準のBH4を有しており、PKU突然変異については二重ヘテロ接合であり、1つの突然変異は「非典型」(この意味において「非典型」とは血中フェニルアラニン濃度6〜20mg/dLをさす)とみなされ、BH4経口投与に応答し、低フェニルアラニン食餌の必要なく血中フェニルアラニン濃度が正常化した。
【0017】
PAH又は他の酵素の投与を介したPKUの治療はプロテアーゼ分解及び胃腸管からのフェニルアラニン代謝酵素の急速なクリアランスにより限界があった。更に又、経口BH4負荷は消化管内でのBH4の酸化的分解及び毎日複数回投薬の用法へのコンプライアンスの潜在的必要性により限界がある。
【0018】
HPA、特にPKUの治療のための方法の何れも完全に満足できるものではない。従って、HPAを治療するための方法及び組成物が必要とされており、そして本発明は部分的にはこの必要性を対象としている。
【発明の開示】
【0019】
本発明は制御放出医薬品中にテトラヒドロビオプテリンを含有する組成物に関する。
【0020】
本発明はまた、フェニルケトン尿症を有する患者を治療する方法に関する。本方法は制御放出医薬品中にテトラヒドロビオプテリンを含有する組成物を患者に投与することを含有する。
【0021】
本発明はまた、ADHDを有する患者を治療する方法に関する。本方法は患者にテトラヒドロプテリンを投与することを含有する。
【0022】
本発明はまたADHDの治療のための組成物に関し、ここで該組成物はテトラヒドロプテリンを含む。
【0023】
本発明はまた(i)テトラヒドロプテリン及び(ii)メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン及びペモリンからなる群より選択される1つ以上の化合物を含む医薬組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本出願の請求項及び/または明細書において「含む(comprising)」という用語と関連して使用する際、「a」または「an」の用語の使用は、「one」を意味することができるが、「one or more」、「at least one」、及び「one or more than one」の意味とも一致する。
【0025】
本明細書においては、「治療する」とは状態の直接又は間接的な原因の治療;状態の症状の治療;または両方を指すことを意味する。
【0026】
「対象」とは本明細書においては、何れかの動物、例えば何れかの哺乳類、例えばマウス、ラット、ネコ、ウサギ、イヌ、ブタ、ウマ、ウシ及び霊長類、例えばヒトを指すことを意味する。例示すれば、「対象とは」本明細書においては、ヒト幼児、ヒト小児、ヒト青年、ヒト成人、雄性ヒト、雌性ヒト、約2歳未満のヒト、約2歳〜5歳のヒト、約5〜約10歳のヒト、約10〜約18歳のヒト、約18〜約30歳のヒト、約30〜約40歳のヒト、約40〜約50歳のヒト、約50〜約60歳のヒト、約60歳より高齢のヒト、ADHDに罹患したヒト、ADHDに罹患しないヒト、フェニルケトン尿症に罹患したヒト、フェニルケトン尿症に罹患していないヒト、古典的フェニルケトン尿症に罹患したヒト、古典的伝統的フェニルケトン尿症に罹患していないヒト、非典型的フェニルケトン尿症に罹患したヒト、非典型的フェニルケトン尿症に罹患していないヒト、パーキンソン病に罹患したヒト、パーキンソン病に罹患していないヒト、アルツハイマー病に罹患したヒト、アルツハイマー病に罹患していないヒト、うつ病に罹患したヒト、うつ病に罹患していないヒト、幼児自閉症に罹患したヒト及び/又は幼児自閉症に罹患していないヒトを包含することを意味する。
【0027】
本発明の1つの態様は高フェニルアラニン血症(HPA)を治療するための組成物及び方法に関する。特定の実施形態は制御放出医薬品中にテトラヒドロビオプテリン(BH4)を含む組成物を包含する。
【0028】
本発明によれば、制御放出医薬品は延長された時間に渡るBH4の放出を達成することにより、治療作用及び/又は効用の持続時間を従来の送達により達成されるものよりも延長することができるものである。延長された時間とは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48時間以上であり、そして、対象への投与後数分内に全てではないが典型的には大部分の治療薬を供給する即時放出処方とは対照的なものである。時限放出及び本発明の組成物の投与に関連する他の特徴は、時限放出、用量及び他の物理的特性が概算近似のものであってよいように、対象毎に変動してよい。「制御放出医薬品」とは本明細書においては、持続放出製剤並びに時限放出製剤を包含することを意味するものとする。
【0029】
特定の実施形態においては、組成物は種々の調製又は製剤、例えばカプセル、錠剤、丸薬、マトリックス、蓄積剤又はゲルにおいて提供してよい。テトラヒドロビオプテリンの量は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100mg以上及びこれらの中間値又は中間域の概算量において提供してよい。テトラヒドロビオプテリンは最短又は最長で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48時間以上の概ねの持続時間に渡り放出されてよい。組成物は経口、注射、蓄積剤又は他の経路により投与してよい。
【0030】
一部の実施形態においては、組成物は種々の速度でテトラヒドロビオプテリンを放出する多くの領域、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30以上の領域を含んでよい。このような組成物は、第2の領域と比較して、より迅速にテトラヒドロビオプテリンを放出する1つの領域、例えば胃腸、血管又は他の身体環境への曝露によりその領域に含有される治療薬の大部分を放出する即時放出領域を有してよい。更に又、第2の領域は上記した通り適切な時間テトラヒドロビオプテリンを放出する制御放出領域であってよい。
【0031】
本発明は本明細書に記載した組成物を投与することによる高フェニルアラニン血症を有する患者を治療する方法を包含する。特定の実施形態においては、患者には0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9mg/kg体重〜10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20mg/kg体重の概算域のテトラヒドロビオプテリンの用量を投与してよい。
【0032】
本発明の他の目的、特徴及び利点は後述する詳細な説明から明らかにされる。しかしながら、本発明の精神及び範囲内の種々の変更又は改変は本明細書の詳細な説明から当業者には明らかであるため、本発明の特定の実施形態を示す詳細な説明及び「実施例」のセクションに示した特定の実施例は説明を目的とするのみである。
【0033】
上記した通り、本発明はBH4を含む制御、持続及び/又は時限放出の製剤を用いたHPAの治療のための組成物及び方法を包含する。本発明の製剤は治療薬の低頻度及び/又は低用量の投与を可能にするため、HPA治療のコンプライアンス及び効果を向上させ、更に副作用又は毒性を低減する。
【0034】
HPAの種々の例において、患者はPAHの突然変異に関してヘテロ接合であってよく;即ち、2つのPAH対立遺伝子の各々に1つを含む、2つの異なる突然変異を有してよい。このようなヘテロ接合または「非典型的な」PKU患者は通常は「古典的な」重症例よりも疾患のより軽度の形態を有しているが;ただし、これらの「非典型」個体はなお、フェニルアラニン制限食餌を必要とし、そして、母性PKU症候群を有する子を妊娠する危険性を有する。
【0035】
典型的には「非典型」PKU患者はBH4療法に応答し、「古典的」PKU患者(フェニルアラニン血中濃度>20mg/dl)はBH4療法に応答しない。PKU突然変異の40%がある程度の残存PAH活性を有し、そしてこれによりBH4療法の候補となり得ると推定される。
【0036】
BH4負荷の現在の治療は典型的にはフェニルアラニン制限食餌よりも遵守が容易である。しかしながら、BH4の薬物動態、胃腸管内におけるBH4の酸化的分解は、対象がフェニルアラニンを1日に数回摂取するという事実に加えて、最適補助因子の送達が一日当たり複数回の投薬を要することを示唆している。制御、持続又は時限放出のBH4製剤はBH4投与の用法へのコンプライアンスの観点から好都合であると考えられる。本発明の実施に有用なBH4製剤は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30mgのBH4を含有してよい。本発明の組成物は種々の調製又は製剤、例えばカプセル、錠剤、丸薬、マトリックス、蓄積剤又はゲルとして提供してよい。本発明の組成物は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48時間以上の持続時間に渡り患者の体内にBH4を放出してよい。組成物は本明細書に記載する種々の経路により投与してよい。
【0037】
本発明の特定の実施形態においては、BH4の持続、時限又は他の態様の制御放出の製剤を単独、又は、HPA、特にPKU治療のための他の活性成分と組み合わせて使用できる。BH4単独又は他の活性成分との組み合わせは、そのような治療薬ビヒクル製造において当業者により決定され、製造してよい制御、持続又は時限放出の動態を有する単回用製剤又は多数回製剤用として投与してよい(例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences 16th Ed.,Mack Publishing Company 1980,Ed.A.Osol及びTailored Polymeric Materials for Controlled Delivery Systems,ACS Symposium Series,No.709,Eds.McCulloch and Shalaby参照)。
【0038】
本発明の他の実施形態においては、持続、時限又は他の態様の制御放出の製剤は、送達ビヒクル中に、異なる速度で治療薬を放出できるようにする複数の領域又は「コンパートメント」、例えば、制御、持続又は時限放出の領域と組み合わせた即時放出の領域を含んでよい。異なる放出速度は単一の薬剤送達ビヒクル又は複数の薬剤送達ビヒクル中に組み込んでよい。薬剤送達ビヒクルはBH4及び他の成分、例えば保護化合物(例えば抗酸化剤)を含有してよい。持続、時限又は他の態様の制御放出の薬剤送達ビヒクル又は製剤を用いたHPA及びPKUの治療方法が意図される。
【0039】
本発明の考えられる利点は、BH4負荷療法を用いた患者のコンプライアンスの向上及び/又はフェニルアラニン制限食餌の低減又は排除を包含する。しかしながら、このような利点は本発明の範囲に対して限定的ではないものとする。
【0040】
BH4は上記した通りPAHの補助因子である。一部の場合において、PAH活性の不全はBH4の投与により補償される場合がある。BH4供給の増大は臨床的に許容される範囲内にフェニルアラニンの血中濃度を維持するために充分なPAH活性の増大をもたらす場合がある。BH4はビオプテリンの誘導体であり、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンのヒドロキシラーゼを包含する多くの酵素に対する補助因子である。分子は身体内で容易に合成される。稀な例において、患者はビオプテリンを合成不能となり、それがHPAの変異体型を形成する。
【0041】
BH4は少なくとも4つの酵素的工程における3種の異なる酵素の作用によりグアノシントリホスフェート(GTP)から合成される(参照により本明細書に組み込まれるThony et al.,「Tetrahydrobiopterin Biosynthesis,Regeneration and Functions(テトラヒドロビオプテリンの生合成、再生及び機能)」、Biochem J.,347(Part 1):1−16(2000)参照)。BH4生合成における第1の酵素であるGTPシクロヒドラーゼI(GTPCH)はGTPからの7,8−ジヒドロネオプテリントリホスフェートの形成を触媒する。次の生合成工程は6−ピルボイルテトラヒドロプテリンシンターゼ(PTPS)による7,8−ジヒドロネオプテリントリホスフェートから6−ピルボイル−テトラヒドロプテリンへの変換である。PTPSは少なくともヒト肝臓においてBH4生合成に関する律速酵素であることが示唆されている。ジケト中間体6−ピルボイル−テトラヒドロプテリンからBH4への最終2工程還元はNADPH酸化還元酵素であることがわかっているセピアプテリン還元酵素(SR)により行われる。
【0042】
芳香族アミノ酸の酵素的加水分解の間、分子酸素が消費され、テトラヒドロビオプテリンが過酸化及び酸化される。プテリン中間体はその後、複雑なリサイクリング反応において2種の酵素及び還元型ピリジンヌクレオチド(NADH)により還元されてBH4に戻る。
【0043】
上記した通り、血中のフェニルアラニン濃度を低減するための現在の治療、特にPKUの治療は主にフェニルアラニン制限食餌を介したものである。一部の最近の報告はBH4の食餌投与によるPKUの一部の形態の治療を記載している。本発明はHPAと診断された患者に時限放出の様式においてBH4(単独又は他の物質との組み合わせ)を投与することを含む方法を包含する。時限放出の様式における治療薬の投与は典型的には延長された時間に渡り薬剤の治療濃度を維持する。
【0044】
本発明の特定の実施形態においては、BH4は持続、時限又は他の態様の制御放出の組成物中で投与することにより、延長された時間に渡りBH4の有効用量を与えてよい。BH4及び他の治療薬の用量は約2mg/kg体重〜約20mg/kg体重の好ましい概ねの範囲にあってよく、そして、それらは約8時間〜約24時間の期間連続して放出されることができ、これにより治療上意味のある、実質的で有効又は効果的な濃度(例えばターゲティングされた体外の体腔部、又は体内の体腔部、コンパートメント空間、組織又は細胞外の体液内でのPAHの活性に対して作用を有するBH4の濃度)のBH4を達成してよい。BH4の用量は約0.1(好ましくは0.5超、より好ましくは1超、更に好ましくは2超、最も好ましくは6超)〜7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20mg/kg体重の範囲であってよい。治療薬は例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48時間以上の期間に渡り放出されてよい。
【0045】
後により詳細に記載する通り、小分子の持続放出は従来の医薬組成物をカプセル化法、好ましくは均一な孔径及び間隔を有する膜を含む微細加工バイオカプセルと組み合わせることにより向上させてよい。当業者の知る通り、このようなバイオカプセルからの小分子の持続拡散の制御は細孔の半径及び表面密度及びカプセルの全体的形状を制御することにより達成してよい。BH4の持続放出は持続放出、カプセル化又はその組み合わせに関する従来の製剤により得てよい。光リソグラフ法、犠牲層法、及びこれらの組み合わせを包含する微細加工法により得られる最小の孔径は約10ナノメートル未満、更には約5ナノメートル未満、並びに約2ナノメートル又はナノメートルのオーダーの最小寸法を有することができる。
【0046】
補助因子BH4のような小分子の持続放出を得るためにカプセル化を採用する場合は、所望の持続放出特性が得られるように拡散の動態を制御できるように孔径及び密度を使用してよい。粒子のための細孔拡散路長は拡散動態を更に制御できるようにするための犠牲層法により制御してもよい。幾何学的要因、例えば表面積の体積に対する比もまた操作してよい。即ち、BH4の持続放出のための微細加工カプセルとして具現化された本発明の実施形態は、小さい孔径又は細孔寸法と組み合わせた低細孔密度及びカプセルからBH4粒子が退出する長い路長を使用してよい。標的の腔部又はコンパートメントに対して適切となるように、表面積の体積に対する比を低減するためにカプセルを大きくしてもよい。即ち、持続放出時間、即ち結果的には標的の体内又は体外のコンパートメント又は腔部において得られるBH4の治療有効濃度の持続時間の増大は表面積の体積に対する比が低減するようにカプセルを大きくすることにより調節してよい。当業者の知る通り、特定の標的の腔部、コンパートメント又は組織が最大カプセルサイズを決定する。
【0047】
本発明の医薬組成物は医薬上許容し得る担体に溶解又は分散させたBH4の有効量を含む。本発明の医薬組成物はBH4を含有し、他の活性成分は含有しないか、又は、BH4及び他の活性成分1つ以上を含有できる。「医薬的又は薬理学的に許容される」という表現は適宜、ヒトのような動物に投与した場合に有害、アレルギー性又は他の望ましくない反応をもたらさない分子実体及び組成物を指す。BH4を含有する医薬組成物は参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences 18th Edition,Mack Publishing Company 1990に例示されている通り、本願出願当時の開示を鑑みれば当業者が知り得るものである。更に又、動物(例えばヒト)投与のためには、調製は例えばFDA事務局の生物学的基準により要求される通り、滅菌性、発熱試験、全般的安全性及び純度の基準を満足しなければならない。
【0048】
本発明の特定の実施形態においては、治療用組成物は制御放出(例えば持続放出及び/又は時限放出)製剤において提供してよい。本発明の制御放出(例えば持続放出及び/又は時限放出)調製は延長された時間に渡り薬剤の緩徐な放出を達成するものであり、これにより従来の送達により達成されるものよりも薬剤の作用の持続時間が延長される。好ましくはこのような調製は血液または消化管中の薬剤濃度を12時間以上治療範囲内に維持する。BH4の取り込みに適する調製の例は例えば参照により本明細書に組み込まれるSustained Release Medications(制御放出医薬)、 Chemical Technology Review No.177,Ed.J.C.Johnson,Noyes Data Corporation 1980及びControlled Drug Delivery,Fundamentals and Applications(制御薬剤送達、基礎と応用)、2nd Edition.Eds.J.R.Robinson,V.H.L.Lee.Marcel Dekker Inc.New York 1987に記載されている。BH4の取り込みに適する制御放出調製の例(単独または他の活性成分1つ以上と組み合わせ)は参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,355,272号;第6,335,270号;第6,342,250号;第6,335,029号;第6,326,027号;第6,319,521号;第6,319,520号;第6,306,428号;第5,676,972号及び第5,102,666号に記載されている。
【0049】
種々の製剤は例えば腸溶性コーティングされた錠剤又はカプセル、ワックス又は重合体コーティングされた錠剤又はカプセル又は時限放出マトリックス又はその組み合わせを包含してよい。本明細書においては、「医薬上許容し得る担体」とは当分野で知られた全ての如何なる溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存料(例えば抗細菌剤、抗カビ剤)、等張性物質、吸収遅延剤、塩類、保存料、薬剤、薬剤安定化剤、ゲル、バインダー、賦形剤、錠剤崩壊剤、潤滑剤、甘味料、フレーバー剤、染料等の物質及びこれらの組み合わせを包含する(例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences 18th Ed.Mack Printing Company,1990,pp.1289−1329を参照)。如何なる従来の担体も活性成分と不適合ではない限り、治療用又は医薬組成物中におけるその使用も意図される。
【0050】
BH4を含む組成物はその意図する投与経路に応じて種々の型の担体を含んでよい(例えば固体、液体又はエアロゾル形態で投与するか、又は、注射のような投与経路のために滅菌を必要とするかによる)。本発明の組成物は静脈内、皮内、動脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経口、注射、注入、連続注入、液体組成物(例えばリポソーム)、又は当分野で知られた他の方法又は上記の組み合わせにより投与することができる(例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences 18th Ed.,Mack Printing Company 1990参照)。本発明の意図する、又は包含する組成物は従来の医薬品製剤、例えばマトリックスが標的コンパートメント、腔部、管又は組織中の流体、及び薬剤送達用のミクロデバイス型のビヒクル、例えばケイ素微細加工カプセル中で可溶性又は不溶性であるもの、又は他の方法のいずれかによるもの、又は当分野で知られた上記の何れかの組み合わせを包含する(例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences 18th Ed.,Mack Printing Company 1990参照)。
【0051】
対象に投与すべき本発明の組成物の実際の用量は、身体的及び生理学的な要因、例えば体重、状態の重症度、治療すべき疾患の種類、以前又は同時に行う治療介入、患者の特発性及び投与経路により決定することができる。投与の責任者である施術者は何れにせよ、組成物中の活性成分の濃度、及び、個体対象に対する適切な用量を決定する。
【0052】
特定の実施形態においては、医薬組成物は例えば活性化合物の少なくとも約0.1%を含んでよい。別の実施形態においては、活性化合物は例えば、単位重量の約2%〜約75%、又は約25%〜約60%、及びその中で導出される何れかの範囲を含んでよい。他の非限定的な例においては、用量は投薬当たり、約1マイクログラム/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重、約10マイクログラム/kg/体重、約50マイクログラム/kg/体重、約100マイクログラム/kg/体重、約200マイクログラム/kg/体重、約350マイクログラム/kg/体重、約500マイクログラム/kg/体重、約1ミリグラム/kg/体重、約5ミリグラム/kg/体重、約10ミリグラム/kg/体重、約50ミリグラム/kg/体重、約100ミリグラム/kg/体重、約200ミリグラム/kg/体重、約350ミリグラム/kg/体重、約500ミリグラム/kg/体重、さらには約1000ミリグラム/kg/体重以上まで、及びその中で導出される何れかの範囲を含んでよい。本明細書に列挙した数から誘導される範囲の非限定的な例において、約5ミリグラム/kg/体重〜約100ミリグラム/kg/体重、約5ミリグラム/kg/体重〜約500ミリグラム/kg/体重等の範囲を上記した数に基づいて投与できる。
【0053】
いずれの場合においても、組成物は種々の抗酸化剤を含むことにより成分1つ以上の酸化を遅延させてよい。更に又、微生物の作用の予防は、パラベン(例えばメチルパラベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール又はこれらの組み合わせを包むがこれらに限定されない、種々の抗細菌剤及び抗カビ剤のような保存料により行うこともできる。
【0054】
本発明の治療用組成物は遊離の塩基、中性又は塩の形態において組成物中に製剤してよい。医薬上許容し得る塩は酸付加塩、例えばタンパク性組成物の遊離のアミノ基と形成したもの、又は無機酸、例えば塩酸またはリン酸、又は有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、酒石酸又はマンデル酸と形成したものを包含する。遊離のカルボキシル基と形成した塩もまた、無機の塩基、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム又は鉄の水酸化物;又は有機の塩基、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン又はプロカインから誘導することもできる。
【0055】
特定の実施形態においては、本発明の治療用組成物は典型的には経口摂取としての経路により投与するために調製される。これらの実施形態においては、固体組成物は、例えば溶液、懸濁液、乳液、錠剤、丸薬、カプセル(例えばハード又はソフトシェルのゼラチンカプセル)、持続放出製剤、舌下用組成物、トローチ、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース又はこれらの組み合わせを含んでよい。経口用組成物は食餌の食品に直接配合してよい。経口投与用の好ましい担体は不活性希釈剤、同化可能な食用担体又はこれらの組み合わせを含む。本発明の別の態様においては、経口用組成物はシロップ又はエリキシルとして調製してよい。シロップ又はエリキシルは例えば少なくとも1つの活性物質、甘味剤、保存料、フレーバー剤、染料、保存料又はこれらの組み合わせを含んでよい。特定の好ましい実施形態においては、経口用組成物は1つ以上のバインダー、賦形剤、錠剤崩壊剤、潤滑剤、フレーバー剤及びこれらの組み合わせを含んでよい。特定の実施形態においては、組成物は以下の物質、即ちバインダー、例えばトラガカントガム、アカシア、コーンスターチ、ゼラチン又はこれらの組み合わせ;賦形剤、例えばリン酸2カルシウム、マンニトール、乳糖、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム又はこれらの組み合わせ;錠剤崩壊剤、例えばコーンスターチ、ジャガイモ澱粉、アルギン酸又はこれらの組み合わせ;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;甘味料、例えばスクロース、乳糖、サッカリン又はこれらの組み合わせ;フレーバー剤、例えばペパーミント、ウインターグリーンオイル、チェリーフレーバー、オレンジフレーバー等;又は上記の組み合わせの1つ以上を含んでよい。単一投与形態がカプセルである場合は、それは上記種類の物質に加えて液体担体のような担体を含有してよい。種々の他の物質がコーティングとして、又は、他の態様において投与単位の物理的形態を改変するために存在してよい。例えば錠剤、丸薬又はカプセルをシェラック、糖類又は両方でコーティングしてよい。
【0056】
滅菌注射用溶液は必要に応じて上に列挙した他の成分の種々のものと共に適切な溶媒中に所要量の活性化合物を配合し、その後濾過滅菌することにより調製できる。一般的に分散液は分散媒体及び/又は他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に種々の安定化された活性成分を配合することにより調製する。滅菌注射用溶液、懸濁液又は乳液の調製のための滅菌粉末の場合は、好ましい調製方法は活性成分及び予め滅菌濾過されたその液体媒体に由来する何れかの別の所望成分の粉末を与える真空乾燥又は凍結乾燥の手法である。液体媒体は必要に応じて緩衝性を付与されるべきであり、そして液体希釈剤は充分な塩類又はグルコースを用いて注射前にまず等張性付与されなければならない。直接注射のための高濃縮組成物の調製もまた意図され、その場合、溶媒としてのDMSOの使用が想定され、これにより、極めて急速な浸透が可能となり、少領域に対して高濃度の活性物質が送達される。
【0057】
組成物は製造及び保存の条件下に安定であり、そして細菌及びカビのような微生物の汚染作用に対抗して保存されなければならない。内毒素汚染は例えば0.5ng/mgタンパク質未満の安全水準に最小限維持しなければならない。
【0058】
特定の実施形態においては、注射用組成物の長時間吸収は、例えば従来の製薬用担体、例えばモノステアリン酸アルミニウム、ゼラチン又はそれらの組み合わせのような吸収を遅延する物質の組成物中の使用、または、カプセルからのBH4及び他の活性成分(存在する場合)の拡散動態の厳密な制御を可能にする均一で制御可能な細孔の寸法、細孔の表面密度及び間隔を有する膜のような拡散制御膜を含む微細加工カプセルにより達成することができる。
【0059】
微細加工カプセルが望まれる場合の微細加工は、何れかの適当な方法、例えば半導体製造のために一般的に使用されている微細加工手法、最も明確にはマスキングの光リソグラフ方法、及びその後の単結晶及び多結晶性のケイ素、ガリウム砒素及び他の結晶性半導体物質、Pyrex(商標)等のガラス、プラスチックのような重合体物質、例えば種々の密度のポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエステル及びポリスチレン及びTeflon(商標)を包含する種々の物質のエッチングにより得てよい。結晶性物質を用いる場合、犠牲層を用いる方法は、分子ビーム又は化学蒸着等を解して達成されるエピタキシャルな成長により寸法の厳密な制御を可能にする場合が多い。このような微細加工手法は、膜形成に適用した場合、制御可能な孔径及び表面密度を有する膜の加工を可能にし、孔径、間隔及び密度は実質的に均一となり、拡散動態の厳密な制御を可能にする。ケイ素基盤及び犠牲層を光リソグラフ法と組み合わせて使用する微細加工手法の解説は参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,044,981号;第6,105,599号;第5,938,923号で見出される。
【0060】
以下の参考文献、即ち、米国特許第4,554,101号;米国特許第6,057,292号;米国特許第6,355,272号;米国特許第6,355,270号;米国特許第6,342,250号;米国特許第6,335,029号;米国特許第6,326,027号;米国特許第6,319,521号;米国特許第6,319,520号;米国特許第6,306,428号;米国特許第5,676,972号;米国特許第5,102,666号;Bird et al.,4th Meeting of the International Society for Neonatal Screening,Stockholm,Sweden,1999;Chace et al.,「Use of Phenylalanine−to−Tyrosine Ratio Determined by Tandem Mass Spectrometry to Improve Newborn Screening for Phenylketonuria of Early Discharge Specimens Collected in the First 24 Hours」,Clin.Chem.,44(12):2405−2409(1988),Chen et al/.「Biophysical Characterization of the Stability of the 150−kilodalton Botulinum Toxin,the Nontoxic Component,and the 900−Kilodalton Botulinum Toxin Complex Species」,Infect.Immun.,66(6):2420−2425(1988);Crameri et al.,「Improved Green Fluorescent Protein by Molecular Evolution Using DNA Shuffling」,Nat.Biotechnol.,14(3):315−319(1996);Crameri et al.,「Molecular Evolution of an Arsenate Detoxification Pathway by DNA shuffling」,Nat.Biotechnol.,15(5):436−438(1997);Crameri et al.,「DNA Shuffling of a Family of Genes from Diverse Species Accelerates Directed Evolution」,Nature,391(6664):288−291(1998);Hoskins et al.,「Enzymatic Control of Phenylalanine Intake in Phenylketonuria」,Lancet,1(8165):392−394(1980);Kure et al.,「Tetrahydrobiopterin−Responsive Phenylalanine Hydroxylase Deficiency」,J.Pediatr.,135(3):375−378(1999); Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th Ed.,Mack Publishing Company 1980;Sarkissian et al.,「A Different Approach to Treatment of Phenylketonuria:Phenylalanine Degradation with Recombinant Phenylalanine Ammonia Lyase」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96(5):2339−44(1999);Spaapen et al.,Tetrahydrobiopterin−Responsive Phenylalanine Hydroxylase Deficiency in Dutch Neonates」,J.Inherit.Metab.Dis.,24(3):352−358(2001);Trefz et al.,「Successful Treatment of Phenylketonuria with Tetrahydrobiopterin」,Eur.J.Pediatr.,160(5):315(2001);Yano et al.,「Directed Evolution of an Aspartate Aminotransferase with New Substrate Specificities」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,95(10):5511−5515(1998);及びZhang et al.,「Directed Evolution of a Fucosidase from a Galactosidase by DNA Shuffling and Screening」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,94(9):4504−4509(1997)は、本明細書の記載に追加して例示される操作法又は他の詳細をそれらが呈示する範囲において、参照により特に本明細書に組み込まれる。
【0061】
本発明はその別の態様においてADHDを有する患者の治療方法に関する。本方法は患者にテトラヒドロプテリンを投与することを包含する。
【0062】
適当な患者の例はADHDと診断される対象並びにADHDを発症する素因のある者を包含する。患者は例えばヒト小児、ヒト青年及びヒト成人であることができる。
【0063】
「ADHD」とは本明細書においては、例えば一般的に「注意欠陥障害」、「活動亢進性障害」、「注意欠陥多動性障害」及び「注意欠陥/活動亢進性障害」と称されている注意欠陥及び/又は活動亢進性の関与する障害及び状態の集合を指すことを意味する。
【0064】
本明細書においては、「テトラヒドロプテリン」とは例えばテトラヒドロビオプテリン及び−CH(OH)−CH(OH)−CH3基で6位において置換された他のテトラヒドロプテリン;親油性部テトラヒドロプテリン;親油性基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;置換又は未置換の分枝鎖又は未分枝鎖の環状又は非環状の脂肪族又は芳香族の炭化水素、ハロゲン化物、オキシエーテル、チオエーテル又は無水物部分で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;置換又は未置換の分枝鎖又は未分枝鎖の脂肪族の炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;置換された分枝鎖の脂肪族炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換の分枝鎖の脂肪族炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換の分枝鎖の脂肪族炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換の未分枝鎖の脂肪族炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換のアルキル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換の低級アルキル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換のC1−C20アルキル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換のC1−C20未分枝鎖アルキル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換のC1−C6アルキル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;未置換のC1−C6未分枝鎖アルキル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリン;及び/又はドデシル、ウンデシル、デシル、ノニル、オクチル、ヘプチル、ヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、エチル又はメチル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンを包含することを意味する。当業者の知るとおり、投与される化合物(例えばテトラヒドロビオプテリン、6−メチル−テトラヒドロプテリン、置換又は未置換の分枝鎖又は未分枝鎖の環状又は非環状の脂肪族又は芳香族の炭化水素、ハロゲン化物、オキシエーテル、チオエーテル又は無水物部分で6位において置換された他のテトラヒドロプテリン)は分解されることができ、そしてそのような分解は血液脳関門の通過の前後何れかで起こり得る。
【0065】
1つの実施形態において、本発明の方法は更に、メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン(例えばメタアンフェタミン、デキストロアンフェタミンサッカレート、デキストロアンフェタミンスルフェート、アンフェタミンサッカレート及びアンフェタミンスルフェート)、ペモリン及びこれらの組み合わせから選択される化合物を対象に投与することを包含する。上記した1つ以上の化合物を更に本発明の方法の部分として投与する場合は、そのような化合物は、例えばテトラヒドロプテリンと化合物を単一の投与形態で投与する場合のように、テトラヒドロプテリンと同時投与することができる。
【0066】
本明細書においては、「同時投与する」とは、両方の物質が対象内に同じ時間において存在するように物質を投与することを意味する。物質は、共に投与してよく(例えばテトラヒドロプテリン及び化合物を単一の錠剤又は他の単一の投与形態において同時投与する場合);物質は個別(例えば2個の別個の錠剤中)に同時に投与することができ;又は第1投与物質の一部(例えば約5%超、例えば約10%超、約15%超、約20%超、約25%超及び/又は約30%超)が第2投与物質が投与される時点で対象内に存在しているような半減期を第1投与物質が有する限りそれらを個別に異なる時点において投与することができる。
【0067】
別の実施形態において、本発明の方法はメチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン(例えばメタアンフェタミン、デキストロアンフェタミンサッカレート、デキストロアンフェタミンスルフェート、アンフェタミンサッカレート及びアンフェタミンスルフェート)及び/又はペモリンを同時投与することを包含しないように実施される。
【0068】
更に別の実施形態において、本発明の方法は更にカテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を対象に投与することを包含する。カテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物も本発明の方法の部分として投与する場合、そのような化合物はテトラヒドロプテリンとカテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物が単一の投与形態において投与される場合のように、テトラヒドロプテリンと同時投与することができる。
【0069】
更に別の実施形態においては、本発明の方法はカテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を同時投与することを包含しないように実施される。
【0070】
更に別の実施形態において、本発明の方法はN−アセチルチロシン、ピリドキサール5−ホスフェート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を対象に投与することを包含する。N−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートも本発明の方法の部分として投与する場合、N−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートはテトラヒドロプテリンとN−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートが単一の投与形態において投与される場合のように、テトラヒドロプテリンと同時投与することができる。
【0071】
更に別の実施形態においては、本発明の方法はN−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを同時投与することを包含しないように実施される。
【0072】
更に別の実施形態において、本発明の方法はアセチルカルニチン、ピリドキサール5−ホスフェート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を対象に投与することを包含する。アセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートも本発明の方法の部分として投与する場合、アセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートはテトラヒドロプテリンとアセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートが単一の投与形態において投与される場合のように、テトラヒドロプテリンと同時投与することができる。
【0073】
更に別の実施形態においては、本発明の方法はアセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを同時投与することを包含しないように実施される。
【0074】
更に別の実施形態においては、本発明の方法は更にNorivalの非BH4成分の厳密に1つ、少なくとも1つ、又は1つより多くを対象に投与することを包含する。Norivalの非BH4成分の厳密に1つ、少なくとも1つ、又は1つより多くを本発明の方法の部分として投与する場合、そのような成分はテトラヒドロプテリンと成分が単一の投与形態において投与される場合のように、テトラヒドロプテリンと同時投与することができる。
【0075】
更に別の実施形態においては、本発明の方法はNorivalの非BH4成分の厳密に1つ、少なくとも1つ、又は1つより多くを同時投与することを包含しないように実施される。
【0076】
本発明の方法は本発明がやはり関連するADHDの治療のための組成物を用いて実施することができる。より詳細には、本発明はADHDの治療のための組成物に関し、ここで組成物はテトラヒドロプテリンを含む。
【0077】
1つの実施形態において、ADHDを治療するための組成物はテトラヒドロビオプテリンを含む。別の実施形態においては、ADHDを治療するための組成物は−CH(OH)−CH(OH)−CH3基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は、親油性のテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において親油性基で置換されているテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖、環状又は非環状、脂肪族又は芳香族の炭化水素、ハロゲン化物、オキシエーテル、チオエーテル、又は無水物部分で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖の脂肪族炭化水素基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、置換された分枝鎖の脂肪族炭化水素基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換の分枝鎖の脂肪族炭化水素基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。また更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換の分枝鎖の脂肪族炭化水素基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換の未分枝鎖の脂肪族炭化水素基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。また更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換のアルキル基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換の低級アルキル基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。また更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換のC1−C20アルキル基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換のC1−C20未分枝鎖アルキル基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。また更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換のC1−C6アルキル基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、未置換のC1−C6未分枝鎖アルキル基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。また更に別の実施形態においてはADHDを治療するための組成物は6位において、ドデシル、ウンデシル、デシル、ノニル、オクチル、ヘプチル、ヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、エチル又はメチル基で置換されたテトラヒドロプテリンを含む。
【0078】
上記したテトラヒドロプテリンは何れかの従来の経路により患者に投与できる。本明細書に記載した組成物は所望の用途のために適切な何れかの適当な形態に作成してよい。適当な剤型の例は経口投与形態、非経腸投与形態又は局所投与形態を包含する。
【0079】
例示すれば、経口用途のための適当な剤型は錠剤、分散性粉末、顆粒、カプセル、懸濁液、シロップ及びエリキシルを包含する。錠剤用の不活性の希釈剤及び担体は例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖及びタルクを包含する。錠剤は又、顆粒化剤及び錠剤崩壊剤、例えば澱粉及びアルギン酸;結合剤、例えば澱粉、ゼラチン及びアカシア;及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクを含有してよい。錠剤は未コーティングであってよく、又は知られた方法によりコーティングすることにより崩壊及び吸収を遅延させてよい。カプセル中で使用してよい不活性の希釈剤及び担体は例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及びカオリンを包含する。懸濁液、シロップ及びエリキシルは従来の賦形剤、例えばメチルセルロース、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、水和剤、例えばレシチン及びポリオキシエチレンステアレート;及び保存料、例えばエチル−p−ヒドロキシベンゾエートを含有してよい。
【0080】
非経腸投与に適する剤型は溶液、懸濁液、分散液、乳液等を包含する。それらは又使用直前に滅菌注射用媒体中に溶解又は懸濁することができる固体組成物の形態で製造してよい。それらは当分野で知られた懸濁剤又は分散剤を含有してよい。非経腸投与の例は脳室内投与、脳内投与、筋肉内投与、静脈内投与、腹腔内投与、直腸投与及び皮下投与である。
【0081】
上記した処方の上記の一般的には非活性な成分の他に、これらの製剤は他の活性物質、例えばADHDの治療において、又は、それに関連する症状の緩解において有用なものとして識別される活性物質を含むことができる。例示すれば、組成物は更に(即ち上記したテトラヒドロプテリン1つ以上に加えて)メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン(例えばメタアンフェタミン、デキストロアンフェタミンサッカレート、デキストロアンフェタミンスルフェート、アンフェタミンサッカレート及びアンフェタミンスルフェート)、ペモリン及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を含むことができる。
更に、或いは代替例として、組成物はメチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン(例えばメタアンフェタミン、デキストロアンフェタミンサッカレート、デキストロアンフェタミンスルフェート、アンフェタミンサッカレート及びアンフェタミンスルフェート)及び/又はペモリンを実質的に非含有とすることができる。
また更に、或いは代替例として、組成物はカテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を更に含有することができ;或いは、組成物はカテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を実質的に非含有とすることができる。
また更に、或いは代替例として、組成物はN−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを更に含有することができる。
また更に、或いは代替例として、組成物はN−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを実質的に非含有とすることができる。
また更に、或いは代替例として、組成物はアセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを更に含むことができる。
また更に、或いは代替例として、組成物はアセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを実質的に非含有とすることができる。
また更に、或いは代替例として、組成物はNorivalの非BH4成分の厳密に1つ、少なくとも1つ、又は1つより多くを更に含むことができる。
また更に、或いは代替例として、組成物はNorivalの非BH4成分の厳密に1つ、少なくとも1つ、又は1つより多くを実質的に非含有とすることができる。
【0082】
本明細書においては、組成物は、組成物中の活性成分Xの濃度が測定可能な効果を有する水準より低値である場合、及び/又は、組成物中の活性成分Xの濃度が組成物の全活性物質の総重量と相対比較して25重量%未満(例えば約15重量%未満、約10重量%未満、約8重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、8重量%未満、5重量%未満、3重量%未満及び/又は1重量%未満)である場合、活性成分Xを「実質的に非含有」であるとする。
【0083】
本発明に沿って投与されるべきテトラヒドロプテリン(及び使用する場合は他の活性成分)の実際の好ましい量は、特定のテトラヒドロプテリン、製剤する特定の組成物及び投与様式により変動する。化合物の作用を改変する可能性がある多くの要因(例えば体重、性別、食餌、投与時間、投与経路、排出速度、対象の状態、薬剤の組み合わせ、及び、反応の感受性及び重症度)を当業者は考慮することができる。投与は最大耐容性用量の範囲内で連続的又は周期的に実施できる。所与の組み合わせの条件に対する最適投与速度は従来の投薬試験を用いて当業者により確認できる。適当な投与速度は例えば1mg/kg/日〜100mg/kg/日、例えば約1.5mg/kg/日〜約80mg/kg/日、1.5mg/kg/日〜80mg/kg/日、約2mg/kg/日〜約60mg/kg/日、1,5mg/kg/日〜60mg/kg/日、約2.5mg/kg/日〜約40mg/kg/日、2.5mg/kg/日〜40mg/kg/日、約3mg/kg/日〜約20mg/kg/日、3mg/kg/日〜20mg/kg/日、約3.5mg/kg/日〜約10mg/kg/日、3.5mg/kg/日〜10mg/kg/日。約4mg/kg/日〜約6mg/kg/日、4mg/kg/日〜6mg/kg/日。約4.5mg/kg/日〜約5.5mg/kg/日、4.5mg/kg/日〜5.5mg/kg/日、及び/又は、約5mg/kg/日を包含する。
【0084】
本発明を更に以下の実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0085】
実施例1 BH4療法へのPKU患者の応答
PKU患者に10mg/kgBH4の単回経口用量を投与し、Phe及びチロシンの血中濃度を投与後0、4、8、24時間にモニタリングした。この点に関し、これは以前の研究者等により投与された用量の半量であったことに留意しなければならない。24時間以内の25%以上のチロシン濃度の増大を伴った25%以上のフェニルアラニン濃度の低下は「応答している」と見なされた。結果を表1に示す。
【0086】
【表1】

【0087】
実施例2 フェニルケトン尿症を有する患者におけるテトラヒドロビオプテリン応答性フェニルアラニンヒドロキシラーゼ欠損
本試験ではPKUを有する男性15人及び女性10人を対象とした。「古典的」PKU(20mg/dL超の血中Phe濃度に基づく)は13人、「非典型」PKU(6.0〜20mg/dL超の血中Phe)は12人であった。対象の平均年齢は16.6歳、年齢範囲は6ヶ月〜43歳であった。食餌療法を中断した非典型PKUを有する4対象を除き、全対象はPhe制限食餌とした。対象は全て正常な尿中プテリン特性及び血清中ジヒドロプテリジン還元酵素(「DHPT」)活性を有していた。
【0088】
テトラヒドロビオプテリン(BH4)はSchircks Laboratories,Jena,Switzerlandより入手した。対象にはベースラインの血中Phe及びチロシンを記録した後に10mg/kg又は20mg/kgのBH4を経口投与した。血中Phe及びチロシンは4、8及び24時間に採取し、タンデムMS/MS(Neogen)を用いて測定した。
【0089】
15対象(60%)はベースライン濃度と比較して血中フェニルアラニンが低下する応答を示した。BH4投与前の平均血中Phe濃度は12.2mg/dL(732ミリモル/L)であり、BH4負荷後は平均濃度は6.6mg/dL(396ミリモル/L)であった(表3)。血中Pheの平均低下は53.7%であった。
血中チロシン濃度はBH4負荷後に有意に変化しなかった(表4)。
15対象中13人は24時間において血中Pheの最大低下を示した。表2は高フェニルアラニン血症を有する対象の遺伝子型及びBH4負荷に対するその応答を示す。古典的PKUを有すると考えられる対象は13人であり、うち6人がBH4に応答した。
【0090】
10人の患者はBH4負荷10mg/kgに応答せず、うち3人はR261Q又はY414C対立遺伝子のいずれかを有していた。これらの突然変異はBH4に応答すると報告されている。R261Q対立遺伝子を有する患者に再度20mg/kgのBH4を使用したところ、血中Phe濃度の低下は僅か10%であったが、1人は血中チロシンが上昇した。
【0091】
BH4に応答する突然変異は触媒性の調節及びBH4結合ドメイン上に存在した。5種の新しい突然変異F39L、R68S、H170D、E178G及びL308Fが発見されている。
【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
実施例3 BH4及び6−メチルBH4のCNS作用に関する検討
BH4及びメチルBH4のCNS作用を比較検討するために、本発明者等はPKUを有する、及び有さないマウスを使用した。各化合物の単回用量は、PKU罹患及び正常マウスに対してIMで100mg/kg投与され、対照群には緩衝液のみを投与した。脳の化学的変化を観察するのに充分な時間である1時間の後、マウスを屠殺し、脳を摘出して3−O−メチルドパ(「3OMD」)、5−ヒドロキシトリプタミン(「5HT」)(セロトニン)、ジヒドロキシ安息香酸(「DHBA」)、ドーパミン(「DA」)、ジヒドロキシフェニル酢酸(「DOPAC」)、ヒドロキシインドール酢酸(「HIAA」)、ホモバニリン酸(「HVA」)及びメトキシヒドロキシフェニルグリコール(「MPHG」)の濃度の分析に付した。
【0096】
表5及び表6に総括したデータは両方の化合物が脳に進入でき、カテコールアミン及びセロトニンの濃度を上昇させたことを示している。PKUマウスにおいても、これらの代謝産物の脳内濃度は正常化する。これらのデータは全体としてCNS化学に対するより大きい作用は6−メチルBH4の投与により得られ、BH4と比較して6−メチルBH4が血液脳関門を通過する能力がより良好であることを示している。以上のことは現在のADHDの薬剤療法がBH4及び他のテトラヒドロプテリンで置き換えることができるという結論を裏付けるものである。
【0097】
【表5A】

【表5B】

【0098】
【表6A】

【表6B】

【0099】
実施例4 ADHDを有するヒトに対するBH4の作用
BH4がADHDに罹患した16歳の男性ヒト患者1人に与えられた。患者は1週間毎朝単回用量として5mg/kg/日を使用した。両親に以下のパラメーター、即ち挙動、注意集中力及び忘れやすさについて評価を依頼した。両親と患者は全てのパラメーターに関して患者がBH4投与を受けた後に改善されたことを示した。BH4投与を受ける前は、患者は注意力の問題を発見し、治療効果を測定するために一般的に使用されている客観的なコンピューター化されたテストであるConnors’ Continuous Performance Test‐‐2nd Ed(「CPT2」)を受けていた。BH4治験終了時に患者は再度CPT2を受けた。二回目のCPT2に関する患者の評点は一回目のCPT2と比較して大きく改善されていた。
【0100】
好ましい実施形態を本明細書において詳細に記述説明したが、種々の改変、付加、置換等が本発明の精神を外れることなく実施できることは当業者の知る通りであり、従ってこれらは添付する請求項において定義する本発明の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御放出医薬品中にテトラヒドロビオプテリンを含む組成物。
【請求項2】
更にカプセル、錠剤、丸薬、マトリックス又はゲルとして定義される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記テトラヒドロビオプテリンが、テトラヒドロビオプテリンの拡散を制御するための膜を有する水不溶性拡散カプセル内にカプセル化される請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記膜が、実質的に制御された寸法の細孔を有する固体又はガラス状の物質を含み、前記細孔は均一な間隔を有し、均一で制御可能な表面密度を有する請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記物質が、単結晶性又は多結晶性の半導体物質及び半導体元素酸化物を含む結晶性又はガラス状の物質からなる群より選択される請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記物質が、単結晶性又は多結晶性の珪素及び結晶性又はガラス状のSiO2からなる群より選択される請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
経口投与用の複数の拡散カプセルを含む水溶性カプセルを含む請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
非経口投与用の水性担体中の複数の拡散カプセルを含む水性懸濁液を含む請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
テトラヒドロビオプテリン約2mg〜100mgが存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
テトラヒドロビオプテリン約5mg〜75mgが存在する請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
テトラヒドロビオプテリン約10mg〜50mgが存在する請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記テトラヒドロビオプテリンが、使用中0.5時間より長い時間に渡り放出される請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記テトラヒドロビオプテリンが、使用中約6時間に渡り放出される請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
テトラヒドロビオプテリンが、標的の腔部、コンパートメント又は組織に送達され、そして、約5時間、標的におけるテトラヒドロビオプテリン要求性酵素のテトラヒドロビオプテリン要求性を充足するために有効な閾値水準以上に標的内の水準を維持する請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
テトラヒドロビオプテリンが、使用中約12時間に渡り放出される請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
テトラヒドロビオプテリンが、使用中約24時間に渡り放出される請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
経口用製剤として更に定義される請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
注射用製剤として更に定義される請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
持続性製剤として更に定義される請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
使用中、異なる速度でテトラヒドロビオプテリンを放出する複数の領域を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
第1の領域が、第2の領域よりも速い速度でテトラヒドロビオプテリンを放出する請求項25に記載の組成物。
【請求項22】
第2の領域が、使用中、6時間より長時間に渡りテトラヒドロビオプテリンを放出する請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
第2の領域が使用中、12時間より長時間に渡りテトラヒドロビオプテリンを放出する請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
制御放出医薬品中にテトラヒドロビオプテリンを含む組成物を患者に投与することを含むフェニルケトン尿症を有する患者を治療する方法。
【請求項25】
概ね0.1mg/kg体重〜20mg/kg体重の範囲のテトラヒドロビオプテリンの用量を前記患者が投与される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
概ね0.5mg/kg体重〜15mg/kg体重の範囲のテトラヒドロビオプテリンの用量を前記患者が投与される請求項24に記載の方法。
【請求項27】
概ね1mg/kg体重〜10mg/kg体重の範囲のテトラヒドロビオプテリンの用量を前記患者が投与される請求項24に記載の方法。
【請求項28】
テトラヒドロビオプテリンが、使用中約6時間放出される請求項24に記載の方法。
【請求項29】
テトラヒドロビオプテリンが、使用中約12時間放出される請求項24に記載の方法。
【請求項30】
テトラヒドロビオプテリンが、使用中約24時間放出される請求項24に記載の方法。
【請求項31】
患者にテトラヒドロプテリンを投与することを含むADHDを有する患者を治療する方法。
【請求項32】
メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン、ペモリン及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を投与すること、
を更に含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを同時投与する請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを単一の投与形態で同時投与する請求項32に記載の方法。
【請求項35】
メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン、及び/又は、ペモリンを同時投与することを包含しない請求項31に記載の方法。
【請求項36】
カテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を投与すること、
を更に含む請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを同時投与する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを単一の投与形態で同時投与する請求項36に記載の方法。
【請求項39】
カテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を同時投与することを包含しない請求項31に記載の方法。
【請求項40】
N−アセチルチロシン、ピリドキサール−5−ホスフェート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を投与すること、
を更に含む請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを同時投与する請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを単一の投与形態で同時投与する請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記方法が、N−アセチルチロシン、及び/又は、ピリドキサール5−ホスフェートを同時投与することを包含しない請求項31に記載の方法。
【請求項44】
アセチルカルニチン、ピリドキサール5−ホスフェート、及び、これらの組み合わせからなる群より選択される化合物を投与すること、
を更に含む請求項31に記載の方法。
【請求項45】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを同時投与する請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記テトラヒドロプテリンと前記化合物とを単一の投与形態で同時投与する請求項44に記載の方法。
【請求項47】
アセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを同時投与することを包含しない請求項31に記載の方法。
【請求項48】
前記テトラヒドロプテリンが、−CH(OH)−CH(OH)−CH3基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項31に記載の方法。
【請求項49】
前記テトラヒドロプテリンが、テトラヒドロビオプテリンである請求項31に記載の方法。
【請求項50】
前記テトラヒドロプテリンが、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖、環状又は非環状、脂肪族又は芳香族の炭化水素、ハロゲン化物、オキシエーテル、チオエーテル、又は無水物部分で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項31に記載の方法。
【請求項51】
前記テトラヒドロプテリンが、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖の脂肪族炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項31に記載の方法。
【請求項52】
前記テトラヒドロプテリンが、メチル基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項31に記載の方法。
【請求項53】
前記組成物が、テトラヒドロプテリンを含むADHDの治療のための組成物。
【請求項54】
メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン、ペモリン及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を更に含む請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン、及び/又は、ペモリンを実質的に含有しない請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
カテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を更に含む請求項53に記載の組成物。
【請求項57】
カテコールアミン及び/又はセロトニンを模倣する化合物を実質的に含有しない請求項53に記載の組成物。
【請求項58】
N−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを更に含む請求項53に記載の組成物。
【請求項59】
N−アセチルチロシン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを実質的に含有しない請求項53に記載の組成物。
【請求項60】
アセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを更に含む請求項53に記載の組成物。
【請求項61】
アセチルカルニチン及び/又はピリドキサール5−ホスフェートを実質的に含有しない請求項53に記載の組成物。
【請求項62】
前記テトラヒドロプテリンが、−CH(OH)−CH(OH)−CH3基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項53に記載の組成物。
【請求項63】
前記テトラヒドロプテリンが、テトラヒドロビオプテリンである請求項53に記載の組成物。
【請求項64】
前記テトラヒドロプテリンが、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖、環状又は非環状、脂肪族又は芳香族の炭化水素、ハロゲン化物、オキシエーテル、チオエーテル又は無水物部分で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項53に記載の組成物。
【請求項65】
前記テトラヒドロプテリンが、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖の脂肪族炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項53に記載の組成物。
【請求項66】
前記テトラヒドロプテリンが、6位においてメチル基で置換されたテトラヒドロプテリンである請求項53に記載の組成物。
【請求項67】
テトラヒドロプテリン;及び、
メチルフェニデート、クロニジン、アンフェタミン、及び、ペモリンからなる群より選択される1つ以上の化合物;
を含む医薬組成物。
【請求項68】
N−アセチルチロシンを実質的に含有しない請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項69】
アセチルカルニチンを実質的に含有しない請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項70】
ピリドキサール5−ホスフェートを実質的に含有しない請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項71】
前記テトラヒドロプテリンが、−CH(OH)−CH(OH)−CH3基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項72】
前記テトラヒドロプテリンが、テトラヒドロビオプテリンである請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項73】
前記テトラヒドロプテリンが、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖、環状又は非環状、脂肪族又は芳香族の炭化水素、ハロゲン化物、オキシエーテル、チオエーテル又は無水物部分で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項74】
前記テトラヒドロプテリンが、置換又は未置換、分枝鎖又は未分枝鎖の脂肪族炭化水素基で6位において置換されたテトラヒドロプテリンである請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項75】
前記テトラヒドロプテリンが、6位においてメチル基で置換されたテトラヒドロプテリンである請求項67に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2008−504295(P2008−504295A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518363(P2007−518363)
【出願日】平成17年6月25日(2005.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/022866
【国際公開番号】WO2006/004719
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(591217403)ボード オブ リージェンツ, ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム (49)
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【Fターム(参考)】