説明

洗浄剤組成物

本発明の洗浄剤組成物は、(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤及び(B)N−アシルアラニンまたはその塩とともに、(C)両性界面活性剤、(D)カチオン性高分子、(E)シリコーン化合物及び(F)油性原料からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を配合し、(A)と(B)の配合比率を(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%)とし、かつ、組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)もしくは(C)の濃度を最も高い組成にした組成物からなる。 本発明の洗浄剤組成物は、皮膚または毛髪用洗浄剤として好適であり、洗浄時における泡の立ち上がりが早く、泡量、泡の伸び、泡保持に優れ、しかも、すすぎ時における感触は、皮膚ならびに毛髪に対して残留感、きしみ感を与えず、且つ、乾燥後の感触が、皮膚に対してはシットリかつサッパリとした使用感を与え、毛髪に対しては、シットリ感と同時に柔らかさと軽さを付与し得るという効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、硫酸塩型アニオン界面活性剤と、N−アシル−α−アラニン又はその塩と、両性界面活性剤、カチオン性高分子、シリコーン化合物及び油性原料からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とを必須成分として含有する洗浄剤組成物に関し、詳しくは、洗浄時における泡の立ち上がりが早く、泡量、泡の伸び、泡保持に優れ、すすぎ時における感触は、皮膚ならびに毛髪に対して残留感、きしみ感を与えず、乾燥後における感触は、皮膚に対してはシットリかつサッパリとした使用感を与え、毛髪に対しては、シットリ感を与えると同時に柔らかさと軽さを付与し得る皮膚または毛髪用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
従来より、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸石鹸に代表されるアニオン界面活性剤や、ベタイン型両性界面活性剤が、その泡量、洗浄力の高さから、これらを主たる洗浄成分(洗浄剤成分)とする皮膚または毛髪用の洗浄剤(洗浄剤組成物)が使用されている。しかしながら、かかる洗浄剤(洗浄剤組成物)においては、皮膚に対しては、すすぎ時において残留感があり、且つきしみ感が強く、乾燥時においてはカサツキ感を与えるといった欠点があり、毛髪に対しては、すすぎ時において残留感があり、且つきしみ感が強く、乾燥時においてはパサツキ感が強く、髪がまとまりにくくなるなどといった欠点があった。
すすぎ時のきしみ緩和、帯電防止等の目的で、カチオン化セルロースのようなカチオン性高分子コンディショニング剤が皮膚または毛髪用の液体洗浄剤(洗浄剤組成物)に使用されているが、カチオン化セルロースは、十分な効果を出すために、大量に配合すると、泡質を劣化させ、またすすぎ時および乾燥後に残留感を感じさせるという問題があった。
シリコーン化合物は髪に光沢を付与し、滑りを良くするなどの目的でシャンプーに使用されているが、シリコーン化合物は十分な効果を出すために、大量に配合すると泡質、洗浄時の水すすぎ性を低下させ、さらに乾燥後、毛髪はパサツキ感が強く、広がりやすくなるという問題点があった。
皮膚や毛髪に対し、特に乾燥後のシットリ感を付与するために、洗浄剤(洗浄剤組成物)に様々な油脂が配合使用されるが、その多くの部分が洗浄時に洗い流され、乾燥後の皮膚や髪にシットリ感を効果的に付与するのは難しく、十分な効果を出すために、大量に配合すると泡質を劣化させるという問題点があった。
またグリセリン、プロピレングリコール、乳酸ソーダ等は保湿剤として知られているが、これらの保湿剤を単に洗浄剤に組み合わせただけの洗浄剤組成物では皮膚や髪のシットリ感を十分に向上させることはできない。
特表平09−506351号公報では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩と両性界面活性剤とN−アシルザルコシン塩とカチオン化セルロースを配合する洗浄剤組成物が開示されている。しかし、該洗浄剤組成物は皮膚や毛髪に対し、すすぎ時に残留感があり、また乾燥時のシットリ感が得られないという問題点があった。また、米国特許5866110号明細書及び米国特許5908617号明細書においては、上記の特表平09−506351号公報に開示された組成物にさらに高級アルコールを添加した洗浄剤組成物が開示されているが、すすぎ時の残留感は改善されず、乾燥時のシットリ感は幾分向上されるものの、サッパリ感に劣り、毛髪においては柔らかさと軽さを付与し難いという問題点があった。
また特開平11−189515号公報や特開平11−29446号公報では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩と、両性界面活性剤と、N−アシルザルコシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩及びN−アシルグルタミン酸塩等から選ばれる化合物と、メチルポリシロキサンとを配合するシャンプー組成物が開示されているが、該組成物は、毛髪において、すすぎ時のきしみ感や、乾燥後の柔らかさ及び軽さの点で劣るという問題点があった。
上記事情に鑑み、本発明は、洗浄時における泡の立ち上がりが早く、泡量、泡の伸び、泡保持に優れ、しかも、すすぎ時における感触は、皮膚ならびに毛髪に対して残留感、きしみ感を与えず、且つ、乾燥後の感触が、皮膚に対してはシットリかつサッパリとした使用感を与え、毛髪に対しては、シットリ感と同時に柔らかさと軽さを付与し得る皮膚または毛髪用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤及び(B)N−アシル−α−アラニンまたはその塩とともに、(C)両性界面活性剤、(D)カチオン性高分子、(E)シリコーン化合物及び(F)油性原料からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を配合し、これらの配合量比を特定の範囲に調整することで、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)下記(A)、(B)及び(C)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)もしくは(C)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物、
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(C)両性界面活性剤
(2)下記(A)、(B)及び(D)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物、
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(D)カチオン性高分子
(3)下記(A)、(B)及び(E)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物、
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(E)シリコーン化合物
(4)下記(A)、(B)及び(F)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物、
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(F)油性原料
(5)下記(A)及び(B)と、下記(C)、(D)、(E)及び(F)から選ばれる2種以上を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)もしくは(C)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物、
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(C)両性界面活性剤
(D)カチオン性高分子
(E)シリコーン化合物
(F)油性原料
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の洗浄剤組成物に、さらに(G)脂肪酸またはその塩を配合してなる、皮膚または毛髪用洗浄剤組成物、
(7)(B)N−アシル−α−アラニンまたはその塩が、N−アシル−L−アラニンまたはその塩であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の洗浄剤組成物、
(8)液体洗浄剤組成物であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の洗浄剤組成物、及び
(9)上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の洗浄剤組成物を含有する皮膚または毛髪用洗浄剤、に関する。
発明の詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の洗浄剤組成物に使用される成分(A)の硫酸塩型アニオン界面活性剤としては、公知の硫酸塩型アニオン界面活性剤を制限なく使用できるが、中でも、アルキル硫酸塩、エーテル硫酸塩型アニオン界面活性剤等が好ましい。
上記アルキル硫酸塩型アニオン界面活性剤は、炭素原子数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の高級アルコールと硫酸とのエステルの塩であり、例えば、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩、オレイル硫酸塩などが挙げられる。
また、上記エーテル硫酸塩型アニオン界面活性剤は、前記アルキル硫酸塩のアルキレンオキサイド付加型であり、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンオレオイルエーテル硫酸塩などが挙げられる。
これらのアニオン界面活性剤における塩基成分としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等のアミノアルコール、リジン、オルニチン、アルギニン等の塩基性アミノ酸等の有機アミン;及びアンモニアなどの無機アミン等が挙げられ、これら塩基成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、当該成分(A)の硫酸塩型アニオン界面活性剤は1種または2種以上を併用してもよく、また、その配合量は目的とする製品(すなわち、洗浄剤組成物の具体的用途)により適宜決定されるが、泡の立ち上がりや泡量といった観点から、組成物全体の通常1〜60重量%、好ましくは3〜15重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
本発明で使用する成分(B)のN−アシル−α−アラニンまたはその塩は、前記一般式(I)で表される化合物または塩からなり、N−アシル−D−アラニン、N−アシル−L−アラニン、N−アシル−DL−アラニン及びこれらから選ばれる2種以上の混合体を包含する。
式(I)中Rで示される炭素原子数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基は分岐でも直鎖でもよく、例えば、カプリロイル基、カプリノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基等が挙げられる。
本発明において、当該式(I)の化合物は、式中Rで表されるアシル基が同一である単一化合物であっても、該アシル基が異なる化合物の混合物であってもよい。かかる混合物としては、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油、パーム油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸(分岐鎖脂肪酸を含む)由来のアシル基を有する化合物等が挙げられる。当該式(I)の化合物は、好ましくは式中Rは混合脂肪酸由来のアシル基であり、その場合、アシル基(すなわちR)の平均炭素原子数は8〜26、好ましくは8〜18であり、特に好ましい混合脂肪酸由来のアシル基はヤシ油脂肪酸由来のアシル基である。
式(I)の化合物の塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム等)、有機アミン等を塩基成分とする塩が挙げられ、ここで、有機アミンは、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等のアミノアルコール、リジン、オルニチン、アルギニン等の塩基性アミノ酸類等が挙げられる。当該塩(塩基成分)は製品形態の安定性、溶解性の高さ、またそれらの入手のし易さから、アルカリ金属塩、アルカノールアミン、塩基性アミノ酸類等が好ましく、製品形態の安定性などからアルカリ金属塩がより好ましく、泡の伸びや泡保持といった観点からナトリウム塩が最も好ましい。
式(1)の化合物またはその塩の好ましい具体例としては、例えば、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニンナトリウム塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンナトリウム塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニンカリウム塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンカリウム塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニントリエタノールアミン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニンリジン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンリジン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニンアルギニン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンアルギニン塩、N−ラウロイル−DL−アラニンナトリウム塩、N−ラウロイル−L−アラニンナトリウム塩、N−ラウロイル−DL−アラニンカリウム塩、N−ラウロイル−L−アラニンカリウム塩、N−ラウロイル−DL−アラニントリエタノールアミン塩、N−ラウロイル−L−アラニントリエタノールアミン塩、N−ミリストイル−DL−アラニンナトリウム塩、N−ミリストイル−L−アラニンナトリウム塩、N−ミリストイル−DL−アラニンカリウム塩、N−ミリストイル−L−アラニンカリウム塩、N−ミリストイル−DL−アラニントリエタノールアミン塩、N−ミリストイル−L−アラニントリエタノールアミン塩、N−ステアロイル−DL−アラニンナトリウム塩、N−ステアロイル−L−アラニンナトリウム塩、N−ステアロイル−DL−アラニンカリウム塩、N−ステアロイル−L−アラニンカリウム塩、N−ステアロイル−DL−アラニントリエタノールアミン塩、N−ステアロイル−L−アラニントリエタノールアミン塩が挙げられる。
本発明において、成分(B)のN−アシル−α−アラニンまたはその塩は、その入手のしやすさからN−アシル−DL−アラニンまたはその塩、N−アシル−L−アラニンまたはその塩が好ましく、洗浄剤のすすぎ時の残留感の少なさ等の観点から、N−アシル−L−アラニンまたはその塩を使用するのが特に好ましい。
以上より、本発明における最も好ましいN−アシル−α−アラニンまたはその塩(成分(B))は、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンNa塩である。
本発明において、成分(B)のN−アシル−α−アラニンまたはその塩は、1種を用いても2種以上を併用してもよく、その配合量は目的とする製品(すなわち、洗浄剤組成物の具体的用途)により適宜決定され、特に制限されないが、組成物全体当たり通常0.03〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明の洗浄剤組成物においては、成分(A)の硫酸塩型アニオン界面活性剤と成分(B)のN−アシル−α−アラニンまたはその塩との配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であることが重要である。この配合比率を離れて成分(A)の量が多過ぎる(成分(B)の量が少なすぎる)場合、すすぎ時や乾燥時における、皮膚や毛髪に対する感触が劣悪となり、一方、成分(A)の量が少な過ぎる(成分(B)の量が多すぎる)場合、泡量、泡保持の観点で洗浄剤の基本性能に劣り、かつ乾燥時における、皮膚に対する感触も劣悪になってしまう。本発明において、成分(A)と成分(B)の配合比率((A)/(B))は好ましくは99/1〜80/20(重量%比)、より好ましくは95/5〜80/20(重量%比)である。
本発明で使用される成分(C)の両性界面活性剤は、特に制限されず公知の両性界面活性剤を使用できるが、中でも、カルボベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、ヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ホスホベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤等が好ましく、特に好ましくはアミドベタイン型両性界面活性剤である。これらの具体例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(ココアミドプロピルベタイン)液、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン液、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、パーム核油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ウンデシル−N−カルボキシメチルイミダリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体等が挙げられる。
本発明おいて、成分(A)及び成分(B)とともに、成分(C)が併用されることにより、かかる成分(A)、(B)及び(C)を含有する洗浄剤組成物(第1の態様の洗浄剤組成物)は、皮膚においてはすすぎ時の残留感と乾燥後のサッパリ感において好ましい結果が得られ、また毛髪においてはすすぎ時の残留感と乾燥後の柔らかさ及び軽さ(柔らかさと軽さ)において好ましい結果が得られる洗浄剤組成物となる。
なお、成分(C)の両性界面活性剤は1種を用いても2種以上を併用してもよく、その配合量は目的とする製品(すなわち、洗浄剤組成物の具体的用途)により適宜決定され、特に制限されないが、組成物全体当たり通常0.5〜15重量%、好ましくは2〜10重量%である。
また、当該組成物(第1の態様の洗浄剤組成物)においては、泡量、泡保持といった洗浄剤の基本性能の観点から、組成物中の全界面活性剤成分の中で成分(A)もしくは成分(C)の濃度が最も高くなる組成比率とするのが好ましい。
本発明で使用される、成分(D)のカチオン性高分子は特に制限されず公知のカチオン性高分子を使用できるが、中でも、キトサン、部分加水分解キチン、キトサン・dl−ピロリドンカルボン酸塩、サクシニルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン等のキチン誘導体;塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体;塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化セルロース;塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガム等のカチオン化グァーガム;メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩等のメタクリル酸誘導体;ビニルイミダゾリニウムメタクロライド・ビニルピロリドン共重合体等が好ましく、特に好ましくはカチオン化セルロース、カチオン化グァーガム等である。
本発明において、成分(A)及び成分(B)とともに、成分(D)が併用されることにより、かかる成分(A)、(B)及び(D)を含有する洗浄剤組成物(第2の態様の洗浄剤組成物)は、特に皮膚においてはすすぎ時のきしみ感と乾燥後のシットリ感において好ましい結果が得られ、また毛髪においてはすすぎ時のきしみ感と乾燥後のシットリ感と柔らかさ及び軽さ(柔らかさと軽さ)において好ましい結果が得られる洗浄剤組成物となる。
なお、成分(D)のカチオン性高分子は1種を用いても2種以上を併用してもよく、その配合量は目的とする製品(すなわち、洗浄剤組成物の具体的用途)により適宜決定され、特に制限されないが、組成物全体当たり通常0.01〜2重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。
なお、かかる成分(A)、(B)及び(D)を含有する洗浄剤組成物(第2の態様の洗浄剤組成物)においても、成分(A)と成分(B)の配合比率((A)/(B))は前記と同様の観点から前記の規定範囲内とすることが重要であり、また、組成物はその全界面活性剤成分の中で成分(A)の濃度が最も高くなる組成とするのが、泡量、泡保持といった洗浄剤の基本性能の観点から重要である。また、当該組成物においては、前記の成分(C)をさらに含有しているのが好ましく、この場合には、前記と同様の観点から、組成物はその全界面活性剤成分の中で成分(A)もしくは成分(C)の濃度が最も高くなる組成とするのがより好ましい。
本発明において「界面活性剤」とは一般的に界面活性能を有する物質のことを指す。従って、成分(A)、成分(C)は当然のこと、成分(B)も本発明でいう界面活性剤であり、また、後述する成分(G)の脂肪酸またはその塩(高級脂肪酸石鹸類)も界面活性剤である。また、本発明の組成物においては、これらの界面活性剤(成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(G))以外に、アシルアミノ酸塩類(但し、成分(A)の「N−アシル−α−アラニン塩」を除く。)、アルキルエーテルリン酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、ポリオキシエチレン型、多価アルコールエステル型、糖エステル型糖の非イオン界面活性剤、その他の高分子界面活性剤や天然界面活性剤等の界面活性剤が配合されていてもよい。
本発明において、「組成物中の全界面活性剤成分の中で成分(A)(もしくは成分(C))の濃度が最も高くなる」とは、上記任意の界面活性剤を含む場合においても、組成物中の全界面活性剤成分の中で成分(A)(もしくは成分(C))の濃度が最も高い(含有量が多い)ことを意味する。
本発明で使用される成分(E)のシリコーン化合物は、特に制限されず公知のシリコーン化合物を使用できるが、中でも、シリコーン樹脂、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルステアリキシシロキサン共重合体、メチルポリシロキサンエマルジョン、オクタメチルトリシロキサン、環状シリコーン樹脂、高重合メチルポリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキルポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルラノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が好ましく、特に好ましくはメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、アモジメチコーンである。
本発明において、成分(A)及び成分(B)とともに、成分(E)が併用されることにより、かかる成分(A)、(B)及び(E)を含有する洗浄剤組成物(第3の態様の洗浄剤組成物)は、特に皮膚においてはすすぎ時のきしみ感と残留感において好ましい結果が得られ、また毛髪においてはすすぎ時のきしみ感と乾燥後の柔らかさ及び軽さ(柔らかさと軽さ)において好ましい結果が得られる。
成分(E)のシリコーン化合物は1種を用いても2種以上を併用してもよく、その配合量は目的とする製品(すなわち、洗浄剤組成物の具体的用途)により適宜決定され、特に制限されないが、通常組成物全体当たり0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。
なお、かかる成分(A)、(B)及び(E)を含有する洗浄剤組成物(第3の態様の洗浄剤組成物)においても、成分(A)と成分(B)の配合比率((A)/(B))は前記と同様の観点から前記の規定範囲内とすることが重要であり、また、組成物はその全界面活性剤成分の中で成分(A)の濃度が最も高くなる組成とするのが、前記と同様の観点から重要である。また、当該組成物においては、前記の成分(C)をさらに含有しているのが好ましく、この場合には、前記と同様の観点から、組成物はその全界面活性剤成分の中で成分(A)もしくは成分(C)の濃度が最も高くなる組成とするのがより好ましい。
本発明において使用される成分(F)の油性原料とは、前記成分(E)のシリコーン化合物を除く油性化合物であり、例えば、オリーブ油、ヒマシ油といったトリグリセリドを主成分とする油脂類、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油といったロウ類、流動パラフィン、ワセリン、スクワレンといった炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸といった高級脂肪酸類、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールといった高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチルといったエステル油類等が挙げられ、これらの中でも、高級アルコール類等が好ましい。
本発明において、成分(A)及び成分(B)とともに、成分(F)が併用されることにより、かかる成分(A)、(B)及び(F)を含有する洗浄剤組成物(第4の態様の洗浄剤組成物)は、特に皮膚においてはすすぎ時の残留感と乾燥後のシットリ感おいて好ましい結果が得られ、また毛髪においてはすすぎ時の残留感ときしみ感、乾燥後のシットリ感において好ましい結果が得られる。
成分(F)の油性原料は1種を用いても2種以上を併用してもよく、その配合量は目的とする製品(すなわち、洗浄剤組成物の具体的用途)により適宜決定され、特に制限されないが、通常組成物全体当たり0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。
なお、かかる成分(A)、(B)及び(F)を含有する洗浄剤組成物(第4の態様の洗浄剤組成物)においても、成分(A)と成分(B)の配合比率((A)/(B))は前記と同様の観点から前記の規定範囲内とすることが重要であり、また、組成物はその全界面活性剤成分の中で成分(A)の濃度が最も高くなる組成とするのが、前記と同様の観点から重要である。また、当該組成物においては、前記の成分(C)をさらに含有しているのが好ましく、この場合には、前記と同様の観点から、組成物はその全界面活性剤成分の中で成分(A)もしくは成分(C)の濃度が最も高くなる組成とするのがより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、前記第1〜第4の態様の組成物の構成(組成)のうちの少なくも2つ以上を複合した構成(組成)の組成物とするのがより好ましく、そのような組成物とすることで、さらに好ましい結果が得られる。
また、本発明の洗浄剤組成物においては、泡の立ち上がり、泡保持といった洗浄剤の基本性能の一層の向上と、皮膚や毛髪におけるすすぎ時の残留感の更なる低減を目的に、脂肪酸塩またはその塩(高級脂肪酸石鹸類)(=成分(G))をさらに配合してもよい。
かかる成分(G)の脂肪酸またはその塩とは、直鎖または分岐鎖状の飽和または不飽和の肪酸酸またはその塩であって、炭素数が同一の単一化合物または炭素数が異なる化合物の混合物よりなる。塩の場合の塩基成分としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどの有機アミン、アンモニアなどの無機アミン、リジン、オルニチン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸等を挙げることができ、中でも、アルカリ金属が好ましい。当該脂肪酸またはその塩は炭素数(混合物である場合の平均炭素数)が8〜26が好ましく、特に好ましくは8〜18であり、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等やこれらの塩が挙げられ、中でもラウリン酸(塩)、ミリスチン酸(塩)、パルミチン酸(塩)、ヤシ油脂肪酸(塩)が好ましい。
該成分(G)の脂肪酸またはその塩(高級脂肪酸石鹸類)は1種を用いても2種以上を併用してもよく、その配合量は目的とする製品(すなわち、洗浄剤組成物の具体的用途)により適宜決定され、特に制限されないが、通常、組成物全体当たり0.001〜2重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。
なお、かかる成分(G)をさらに配合した態様の洗浄剤組成物においても、その全界面活性剤成分(成分(G)を含む)の中で成分(A)の濃度が最も高くなる組成とするのが、前記と同様の観点から重要であり、また、成分(A)とともに成分(C)を含有している組成物とするのが好ましく、この場合には、前記と同様の観点から、組成物はその全界面活性剤成分(成分(G)を含む)の中で成分(A)もしくは成分(C)の濃度が最も高くなる組成とするのがより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の目的(効果)を阻害しない範囲内において通常化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、樹脂、粘剤、高分子、防腐剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、多価アルコール、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、抗菌剤、制汗剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を同時に配合することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、弱酸性から弱アルカリ性までの広範囲の組成物に調整して使用できるが、皮膚および毛髪への刺激を低くする等の観点から、pH5.0〜6.8の弱酸性の組成物とするのが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物の剤型(形態)は、特に制限はなく、液体状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等に任意の剤型(形態)とすることができるが、泡立ちの速さ等の観点から、液体状であるのが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、シャンプー、コンディショニングシャンプー等の各種毛髪洗浄剤及び洗顔料、メイク落とし、クレンジングクリーム、ボディシャンプー、ハンドソープ、固形石鹸、シェービングフォーム、ひげ剃り用クリーム等の各種皮膚洗浄剤として使用でき、また、歯磨き等としても使用できる。
【実施例】
以下、実施例と比較例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下に記載の実施例によって限定されるものでない。
製造例1(N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンナトリウム塩の合成)
L−アラニン30.0gに水167gを加え、pH10.98〜11.02、反応温度33〜37℃を保持しながら、ヤシ油脂肪酸クロライド73.68gと27重量%NaOH水溶液を攪拌しながら1時間かけて同時に滴下した。1時間熟成後、反応液を昇温し、75重量%硫酸を添加してpHを2.0に調整した。さらに80℃まで昇温し、約10分間攪拌したのち、10分間静置したところ有機層と水層とに分層したので、水層約200gを容器の下部より除去した。残った有機層に熱水を加え、再び80℃とした後、10分攪拌し、10分間静置し、分層した水層を除去して有機層を得た。有機層に27%水酸化ナトリウム水溶液および水を加え、pH6.8となるように調整し、目的物(N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アラニンナトリウム塩)を得た。
製造例2(N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニンナトリウム塩の合成)
L−アラニンの代わりに、DL−アラニンを使用した以外は、上記製造例1と同様にして、目的物(N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニンナトリウム塩)を得た。
下記の表1に示す組成の洗浄剤組成物(実施例1〜10、比較例1〜12)を調製し、以下の評価試験を行った。なお、各組成物における表記載の配合成分以外の残余の成分は蒸留水であり、表記載の各配合成分の量(表中の数値)は組成物全体を100とした時の重量分率(%)である。
[評価試験]
▲1▼泡の立ち上がり、泡量、泡の伸び及び泡保持等の洗浄剤としての基本性能の評価
5名の専門パネラーによる手洗い評価で行った。評価は下記採点表から換算される平均点が4.1以上の場合を◎、3.5〜4.0を○、3.0〜3.4を△、2.9以下を×とした。
(泡の立ち上がり)
5:早い
4:やや早い
3:普通
2:やや遅い
1:遅い
(泡量)
5:豊富
4:やや豊富
3:普通
2:やや不足
1:不足
(泡の伸び)
5:良好
4:やや良好
3:普通
2:やや好ましくない
1:好ましくない
(泡保持)
5:良好
4:やや良好
3:普通
2:やや好ましくない
1:好ましくない
▲2▼手洗い試験及び毛髪洗浄試験による官能評価
手洗い試験では、すすぎ時の残留感ときしみ感、乾燥後のシットリ感とサッパリ感を評価した。
毛髪洗浄試験では、すすぎ時の残留感ときしみ感、乾燥後のシットリ感並びに柔らかさ及び軽さ(柔らかさと軽さ)を5名の専門パネラーが評価した。
評価は1点(悪い)〜5点(良好)の5段階で評価し、5名の平均点を算出して、平均点が4.1以上を◎、3.5〜4.0を○、3.0〜3.4を▲、2.9以下を×として評価した。


表1からわかるように、実施例の洗浄剤組成物は比較例の組成物に比べて、洗浄時における泡の立ち上がりが早く、泡量、泡の伸び、泡保持に優れ、すすぎ時における感触は、皮膚ならびに毛髪に対して残留感、きしみ感を与えず、乾燥後における感触は、皮膚に対してはシットリかつサッパリとした使用感を与え、毛髪に対しては、シットリ感を与えると同時に柔らかさと軽さを与えることが分かる。
【実施例11〜実施例14】
下記の表に示す処方で常法に従って得られる液体ハンドソープ(実施例11)、コンディショニングシャンプー(実施例12)、ボディシャンプー(実施例13)及びシャンプー(実施例14)は、いずれも泡の立ち上がり、泡量、泡の伸び及び泡保持からなる基本性能は良好で、しかも、使用感においても優れるものである。なお、各表に記載の各配合成分の量(表中の数値)は組成物全体を100とした時の重量分率(%)である。




【産業上の利用の可能性】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、洗浄時における泡の立ち上がりが早く、泡量、泡の伸び、泡保持に優れ、しかも、すすぎ時における感触は、皮膚ならびに毛髪に対して残留感、きしみ感を与えず、かつ、乾燥後における感触は、皮膚に対してはシットリかつサッパリとした使用感を与え、毛髪に対してはシットリ感を与えると同時に柔らかさと軽さを与え得る洗浄剤組成物を得ることができる。
本出願は日本で出願された特願2003−129539を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)、(B)及び(C)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)もしくは(C)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(C)両性界面活性剤
【請求項2】
下記(A)、(B)及び(D)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(D)カチオン性高分子
【請求項3】
下記(A)、(B)及び(E)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(E)シリコーン化合物
【請求項4】
下記(A)、(B)及び(F)を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(F)油性原料
【請求項5】
下記(A)及び(B)と、下記(C)、(D)、(E)及び(F)から選ばれる2種以上を含有する洗浄剤組成物であって、(A)と(B)の配合比率が(A)/(B)=99/1〜70/30(重量%比)であり、かつ、当該組成物中の全界面活性剤成分の中で(A)もしくは(C)の濃度が最も高いことを特徴とする皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
(A)硫酸塩型アニオン界面活性剤
(B)一般式(I):

(式中Rは、炭素数が8〜26の飽和または不飽和のアシル基を表す。)
で表されるN−アシル−α−アラニンまたはその塩
(C)両性界面活性剤
(D)カチオン性高分子
(E)シリコーン化合物
(F)油性原料
【請求項6】
請求の範囲第1〜5項のいずれか一項記載の洗浄剤組成物に、さらに(G)脂肪酸またはその塩を配合してなる、皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項7】
(B)N−アシル−α−アラニンまたはその塩が、N−アシル−L−アラニンまたはその塩であることを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか一項記載の皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項8】
液体洗浄剤組成物であることを特徴とする請求の範囲第1〜7項のいずれか一項記載の皮膚または毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項9】
請求の範囲第1〜7項のいずれか一項記載の洗浄剤組成物を含有する皮膚または毛髪用洗浄剤。

【国際公開番号】WO2004/098549
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−505995(P2005−505995)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006116
【国際出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】