説明

消化管又は尿路の疾患を処置するための薬物を含有する、頬側の、極性及び非極性スプレイ又はカプセル

【解決手段】極性及び非極性溶媒を用いる頬側エアロゾルスプレイ又はカプセルを今回開発したが、これは、生物学的に活性な化合物に、口腔粘膜を介する急速な吸収を提供し、効果の迅速な発現をもたらす。本発明の頬側の極性組成物は、調剤物I:水性極性溶媒、活性化合物、及び随意の香料性薬剤;調剤物II:水性極性溶媒、活性化合物、随意の香料性薬剤、及び推進剤;調剤物III:非極性溶媒、活性化合物、及び香料性薬剤;及び調剤物IV:非極性溶媒、活性化合物、随意の香料性薬剤、及び推進剤から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、1997年10月1日付けのPCT/US97/17899の米国国内段階指定の一部継続出願である2000年3月29日付け出願第09/537,118号の一部継続出願であり、それらの開示を、それらの全体の参照によって本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
一定の生物学的に活性な化合物が、口腔粘膜によって、胃又は腸を介してのような、他の投与経路を介してよりも良好に吸収されることが知られている。しかし、これらの後者の経路によるかかる投与のために適切な調剤物は、それらの独自の問題を提示する。例えば、生物学的に活性な化合物は、推進剤(propellant)、溶媒、等のような組成物の他の成分と適合性がなければならない。多くのかかる調剤物が提案されている。例えば、U. S. P.(米国特許)第4,689,233号、Dvorsky(ドボルスキ)等は、ポリエーテルアルコールの混合物において溶解する坑-心臓発作(anti-coronary)の薬物ニフェジピンの投与のためのソフトゼラチンカプセルを記述する。U. S. P.第4,755,389号、Jones(ジョーンズ)等は、ニフェジピンを含有するハードゼラチンのチュアブルカプセルを記述する。薬物の溶液又は分散物を含有するチュアブルゼラチンカプセルは、U. S. P.第4,935,243号、Borkan(ボルカン)等において記述され、U. S. P.第4,919,919号、Aouda(オウダ)等及びU. S. P.第5,370,862号、Klokkers-Bethke(クロッカーズ-ベスケ)は、口腔粘膜に投与するための、ニトログリセリン、エタノール、及び他の成分を含有するニトログリセリンスプレイを記述する。経口投与されるポンプスプレイは、Cholcha(コルカ)によってU. S. P.第5,186,925号において記述される。炭化水素の推進剤及び薬物を含有する、粘膜の表面に投与するためのエアロゾル組成物は、U. K.(英国特許)第2,082,457号、Su(スー)、U. S. P.第3,155,574号、Silson(シルソン)等、U. S. P.第5,011,678号、Wang(ワン)等において、及びU. S. P.第5,128,132号におけるPamell(パメル)によって記述される。これらの参考文献が、それらが投与される膜を介してよりもむしろ、吸入によっての溶液の生物学的利用能(bioavailability)を論議することに注目すべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(発明の概要)
生物学的に活性な化合物に、口腔粘膜を介しての急速な吸収を提供する、極性又は非極性の溶媒を用いる、頬側のエアロゾルスプレイ又はソフトバイトゼラチンカプセルを、今回開発し、効果の迅速な発現をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の頬側のエアロゾルスプレイ組成物は、薬理学的に許容可能な非極性溶媒において可溶な薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のために、総組成物の重量%において:薬学的に許容可能な推進剤5-80%、非極性溶媒19-85%、活性化合物0.05-50%を含み、適切には付加的に、総組成物の重量によって、香料性薬剤(flavoring agent)0.01-10%を含む。好ましくは、組成物は:推進剤10-70%、非極性溶媒25-89.9%、活性化合物0.01-40%、香料性薬剤1-8%;最も適切には、推進剤20-70%、非極性溶媒25-74.75%、活性化合物0.25-35%、香料性薬剤2-7.5%を含む。
【0005】
本発明の頬側の極性エアロゾルスプレイ組成物は、薬理学的に許容可能な極性溶媒において可溶な薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のために、また、推進剤によって導かれるエアロゾルの形態において投与可能である。この場合、組成物は、総組成物の重量%において:水性極性溶媒10-97%、活性化合物0.1-25%を含み、適切には付加的に、総組成物の重量によって、香料性薬剤0.05-10%及び推進剤:2-10%を含む。好ましくは、組成物は:極性溶媒20-97%、活性化合物0.1-15%、香料性薬剤0.1-5%及び推進剤2-5%;最も適切には、極性溶媒25-97%、活性化合物0.2-25%、香料性薬剤0.1-2.5%及び推進剤2-4%を含む。
【0006】
本発明の頬側のポンプスプレイ組成物、すなわち、推進剤を含まない組成で、薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のためのもので、そこでは、前記活性化合物が薬理学的に許容可能な非極性溶媒において可溶であり、総組成物の重量%において:非極性溶媒30-99.69%、活性化合物0.005-55%、及び適切には付加的に、香料性薬剤0.1-10%を含む。
【0007】
本発明の頬側の極性ポンプスプレイ組成物は、すなわち、推進剤を含まない組成で、薬理学的に許容可能な極性溶媒において可溶な薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のために、総組成物の重量%において:水性極性溶媒30-99.69%、活性化合物0.001-60%を含み、適切には付加的に、総組成物の重量によって、香料性薬剤0.1-10%を含む。好ましくは、組成物は:極性溶媒37-98.58%、活性化合物0.005-55%、香料性薬剤0.5-8%;最も適切には、極性溶媒60.9-97.06%、活性化合物0.01-40%、香料性薬剤0.75-7.5%を含む。
【0008】
薬理学的に活性な化合物で、少なくとも薬理学的に許容可能な非極性溶媒において部分的に可溶で、それに充填物組成(fill composition)を負荷されるものの、貫粘膜投与のための本発明にかかるソフトバイトゼラチンカプセルは、総組成物の重量%において:前記充填物組成が10%未満の水しか含まなければ、非極性溶媒4-99.99%、乳化剤0-20%、活性化合物0.01-80%を含み、適切には付加的に、組成物の重量によって:香料性薬剤0.01-10%を含む。好ましくは、ソフトバイトゼラチンカプセルは:非極性溶媒21.5-99.975%、乳化剤0-15%、活性化合物0.025-70%、香料性薬剤1-8%;最も適切には:非極性溶媒28.5-97.9%、乳化剤0-10%、活性化合物0.1-65.0%、香料性薬剤2-6%を含む。
【0009】
薬理学的に活性な化合物で、少なくとも薬理学的に許容可能な極性溶媒において部分的に可溶で、それに組成を負荷されるものの、貫粘膜投与のための本発明にかかるソフトバイト極性ゼラチンカプセルは、総組成物の重量%において:前記組成が10%未満の水しか含まなければ、極性溶媒25-99.89%、乳化剤0-20%、活性化合物0.01-65%を含み、適切には付加的に、組成物の重量によって:香料性薬剤01-10%を含む。好ましくは、ソフトバイトゼラチンカプセルは:極性溶媒37-99.95%、乳化剤0-15%、活性化合物0.025-55%、香料性薬剤1-8%;最も適切には:極性溶媒44-96.925%、乳化剤0-10%、活性化合物0.075-50%、香料性薬剤2-6%を含む。
【0010】
本発明の目的は、粘膜の膜を、活性化合物を含む極めて微細な液滴のスプレイ、又はバイトカプセルからのその溶液又はペーストのいずれかを用いて被覆することである。
【0011】
本発明の目的は、また、同じものを必要とする哺乳類の、好ましくは、ヒトの口腔粘膜に対し、予め定める量の本発明にかかる方法による生物学的に活性な化合物を、スプレイ又はバイトカプセルによって、又はソフトゼラチンカプセルから投与することである。
【0012】
更なる目的は、非極性又は極性エアロゾルスプレイ調剤物を含む密閉されたエアロゾルスプレイ容器、及び前記容器から予め定める量の前記組成物を開放するのに適切な定量弁(metered valve)である。
【0013】
推進剤がエアロゾル弁の起動(activation)後に蒸発するとき、溶媒及び活性化合物を含む微細な液滴の霧が形成される。
【0014】
推進剤はノンフレオン物質、好ましくは、線状又は分枝状の配置のC3-8の炭化水素である。推進剤は実質的に非水系であるべきである。推進剤は、期待される通常の使用下で、弁を起動させるとき、それが溶媒を容器から放出させるのに十分であるが、容器又は弁のシールを損なうような過剰な圧力でない圧力を生成するように、エアロゾル容器において圧力を生じさせる。
【0015】
非極性の溶媒は、非極性の炭化水素、好ましくは、線状又は分枝状の配置のC7-18の炭化水素、脂肪酸エステル、及びミグリオル(miglyol)のようなトリグリセリドである。溶媒は活性化合物を溶解し、推進剤、すなわち、溶媒と混和性でなければならず、及び推進剤は0-40℃の温度で1-3atm(気圧)の間の圧力範囲で単一相を形成しなければならない。
【0016】
本発明にかかる極性及び非極性のエアロゾルスプレイ組成物は、密閉された、加圧容器から投与されるように意図されている。ポンプスプレイとは違って、それは、あらゆる起動後に、容器中への空気のエントリーを可能にするが、本発明にかかるエアロゾル容器は製造の時に密閉される。容器の内容は定量弁の起動によって開放され、それは各起動での大気ガスのエントリーを許さない。かかる容器は商業的に入手できる。
【0017】
更なる目的は、ポンプスプレイ調剤物の組成物を含むポンプスプレイ容器、及び前記容器から予め定める量の前記組成物を開放するのに適切な定量弁である。
【0018】
更なる目的は、上述の組成物を含むソフトゼラチンバイトカプセルである。調剤物は活性化合物を含む粘性溶液又はペーストの形態であってよい。好ましくは溶液であるが、ペーストの充填物もまた用いることができ、これは活性化合物を選択した溶媒において溶解しないか、又は部分的にしか溶解しない。水が用いられ、ペースト組成物の一部分を形成する場合、それはその10%を超過するべきでない。(他に示さない限り、本明細書でのすべてのパーセントは重量によるものである。)
【0019】
極性又は非極性の溶媒はゼラチンのシェル及び活性化合物に適合するように選ばれる。溶媒は、好ましくは、活性化合物を溶解する。しかし、活性化合物が溶けないか、又はほんの少しだけしか溶けない他の成分を用いることができ、及びペーストの充填物を形成する。
【0020】
ソフトゼラチンカプセルはこの技術において良く知られている。例えば、U. S. P.第4,935,243号、Borkan等を、かかるカプセルのその教示について参照。本発明にかかるカプセルは、その中の低い粘度の溶液又はペーストを開放し、次いで、それが頬側の粘膜を活性化合物で被覆するように、咬まれることが意図されている。典型的なカプセルは、それは全体を飲み込むか、又は咬んで、及び次いで飲み込んで、活性化合物を胃まで送達させ、これは、最大の血中レベルが達成されるか、又は化合物が大きな初回通過効果を受ける前に、十分な遅延時間をもたらす。化合物の口腔粘膜を介する高められた吸収、及び初回通過効果の機会がないために、本発明にかかるバイトカプセルの使用は、著しい遅延時間を排除し、生物学的な効果の早期の発現をもたらす。本発明にかかるソフトゼラチンカプセルのシェルは、例えば:ゼラチン:50-75%、グリセリン20-30%、顔料0.5-1.5%、水5-10%及びソルビトール2-10%を含むことができる。
【0021】
活性化合物には、生物学的に活性なペプチド、中枢神経系活性アミン、スルホニル尿素、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、睡眠誘導性物質、抗喘息剤、気管支拡張物質、制吐剤、ヒスタミンH-2受容体アンタゴニスト、バルビツール酸塩、プロスタグランジン及び栄養補助食品が包含される。
【0022】
活性化合物には、また、抗ヒスタミン剤、アルカロイド、ホルモン、ベンゾジアゼピン及び麻薬性鎮痛薬が包含される。制限されないが、これらの活性化合物は、非極性ポンプスプレイの調剤物及び適用のために特に適する。
【0023】
活性化合物にはまた、抗利尿剤、抗筋痙攣性薬剤(anti-muscle spasm agents)、鎮痙剤、尿失禁処置用薬剤、止瀉性薬剤、悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤、平滑筋収縮性薬剤、抗分泌性薬剤、酵素、抗利尿剤(anti-diuretics)、抗潰瘍剤(anti-ulcerants)、胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化(gallstone solubilizing)薬物、又はそれらの混合物が包含される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(図面の簡潔な説明)
図1は薬理学的に活性な物質の哺乳類系における吸収及び処理の経路を示す概略図である。
【0025】
(好適例の記載)
本発明にかかる好ましい活性化合物はイオン化された、塩の形態におけるか、又はその薬学的に許容可能な塩の遊離塩基としてものである(但し、エアロゾル又はポンプスプレイ組成物については、それらはスプレイ溶媒において可溶である)。これらの化合物は、本発明にかかる非極性溶媒において有用な濃度で可溶であるか、又は有用な濃度でのペーストとして調製することができる。これらの濃度は、化合物の口腔粘膜を介する高められた吸収があるので、これらの化合物のための標準的な受け入れられる投与量よりも少なくてよい。本発明のこの局面は、大きな(40-99.99%の)初回通過効果があるとき特に重要である。
【0026】
非極性スプレイのための推進剤として、プロパン、N-ブタン、イソ-ブタン、N-ペンタン、イソ-ペンタン、及びネオ-ペンタン、及びそれらの混合物を用いることができる。N-ブタン及びイソ-ブタンは、単一のガスとして、好ましい推進剤である。推進剤として、0.2%以下の、典型的に0.1-0.2%の水分を持つことが許される。他に示さない限り、本明細書におけるすべてのパーセントは重量によるものである。また、好ましくは、推進剤を合成によって生産し、活性化合物に対して有害な混入物の存在を最小にする。これらの混入物には、酸化剤、還元剤、ルイス酸又は塩基、及び水が包含される。これらのものの各濃度は、水が0.2%まで高くてよいことを除き、0.1%未満であるべきである。
【0027】
カプセル及び非極性スプレイのための適切な非極性溶媒には、(C2-C24)脂肪酸の(C2-C6)エステル、C7-C18炭化水素、C2-C6アルカノイルエステル、及び対応する酸のトリグリセリドが包含される。カプセルの充填物がペーストであるとき、他の液体成分を上記低分子量溶媒の代わりに用いることができる。これらには、ダイズ油、コーン油、他の植物油が包含される。
【0028】
極性のカプセル又はスプレイのための溶媒として、400-1000Mw(好ましくは、400-600)の低分子量ポリエチレングリコール(PEG)、低分子量(C2-C8)モノ及びポリオール及びC7-C18の線状又は分枝状鎖の炭化水素のアルコールを用いることができ、また、グリセリンが存在することができ、及びまた、水をスプレイにおいて用いることができるが、カプセルにおいては限られた量においてだけ用いられる。
【0029】
ゼラチンのシェルを作製するのに用いるいくつかのグリセリン及び水が、シェルの硬化中にシェルから充填物に移動することが予期される。同様に、硬化の間及びカプセルの有効期間中でさえ、充填物からシェルへの成分のいくらかの移動があり得る。
【0030】
したがって、本明細書に与える値は、調製されるときの組成物についてのものであり、重要でない変形が行われることは、本発明の範囲内である。
【0031】
好ましい香料性薬剤は、ペパーミントの合成又は天然油、スペアミントの油、柑橘類油、果物フレイバー、甘味料(糖、アスパルテーム、サッカリン、等)、及びそれらの組合せである。
【0032】
活性物質には、シクロスポリン、セルモレリン(sermorelin)、酢酸オクトレオチド、カルシトニン-サケ、インスリンリスプロ(lispro)、コハク酸スマトリプタン、クロザピン(clozepine, clozapine)、シクロベンザプリン、塩酸デキシフェンフルラミン(dexfenfluramine)、グリブリド、ジドブジン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、塩酸オンダンセトロン、ジメンヒドリナート、塩酸シメチジン、ファモチジン、フェニトインナトリウム、フェニトイン、カルボプロストトロメタミン(thromethamine, tromethamine)、カルボプロスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソプロテレノール、硫酸テルブタリン、テルブタリン、テオフィリン、硫酸アルブテロール及び栄養補助食品、すなわち、制限されないが、カルニチン、カノコソウ、エキナセア、及び同種のもののような薬理学的作用を有する栄養素からなる群より選ばれる活性化合物が包含される。
【0033】
別の具体例において、活性化合物は、抗利尿剤、抗筋痙攣性薬剤、鎮痙剤、尿失禁処置用薬剤、止瀉性薬剤、悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤、平滑筋収縮性薬剤、抗分泌性薬剤、酵素、抗潰瘍剤、胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物、又はそれらの混合物である。
【0034】
1具体例において、活性化合物は抗利尿剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な抗利尿剤には、制限されないが、アセタゾラミド、ベンズチアジド、ベンドロフルメチアジド(bendroflumethazide, bendroflumethiazide)、ブメタニド、クロルサリドン、クロロチアジド、エタクリン酸、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、キネタゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン、トルセミド(torsemide)、トリクロルメチアジド(trichlomethiazide, trichlormethiazide)、及びそれらの混合物が包含される。
【0035】
1具体例では、活性化合物は抗筋痙攣性薬剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な抗筋痙攣性薬剤には、制限されないが、バクロフェン、ボツリヌス毒素、カリソプロドール、クロルフェネシン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、ジアゼパム、メタキサロン、メトカルバモール、オルフェナドリン、チザニジン、及びそれらの混合物が包含される。
【0036】
1具体例では、活性化合物は鎮痙剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な鎮痙剤には、制限されないが、アトロピン、バクロフェン、ジサイクロミン、ヒヨスチン、プロパンテリン(propatheline, propantheline)、オキシブチニン、S-オキシブチニン、チザニジン、及びそれらの混合物が包含される。
【0037】
1具体例では、活性化合物は尿失禁処置用薬剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な尿失禁処置用薬剤には、制限されないが、ダリフェナシン(darifenacin)、バミカミド、デトロール(detrol)、ジトロパン(ditropan)、イミプラミン、及びそれらの混合物が包含される。
【0038】
1具体例では、活性化合物は止瀉性薬剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な止瀉性薬剤には、制限されないが、オンダンセトロン、パルノセトロン(palnosetron)、トロピセトロン(tropisetron)、アタパルガイト、アトロピン、ビスマス、ジフェノキシレート、ロペラミド、及びそれらの混合物が包含される。
【0039】
1具体例では、活性化合物は悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤には、制限されないが、アロセトロン(alosetron)、ドラセトロン(dolasetron)、グラニセトロン、メクリジン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、パルノセトロン、プロクロルペラジン(prochloperazine, prochlorperazine)、プロメタジン、トリメトベンズアミド(trimethobenzamiode, trimethobenzamide)、トロピセトロン、及びそれらの混合物が包含される。
【0040】
1具体例では、活性化合物は平滑筋収縮性薬剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な平滑筋収縮性薬剤には、制限されないが、ヒヨスチンが包含される。
【0041】
1具体例では、活性化合物は抗分泌性薬剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な抗分泌性薬剤には、制限されないが、エソメプラゾール(esomeprazole)、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール(pantoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)、テネトプラゾール(tenetoprazole)、エカベト、ミソプロプストール、テプレノン、及びそれらの混合物が包含される。
【0042】
1具体例では、活性化合物は酵素である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な酵素には、制限されないが、アルファ-ガラクトシダーゼ、アルファ-L-イズロニダーゼ、イミグルセラーゼ(imiglucerase)/アルグルセラーゼ(alglucerase)、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、パンクレアチン、オルサラジン、及びそれらの混合物が包含される。
【0043】
1具体例では、活性化合物は抗利尿剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な抗利尿剤には、制限されないが、デスモプレシン、オキシトシン、及びそれらの混合物が包含される。
【0044】
1具体例では、活性化合物は抗潰瘍剤である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な抗潰瘍剤には、制限されないが、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ミソプロストール、スクラルファート、パントプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、及びそれらの混合物が包含される。
【0045】
1具体例では、活性化合物は胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物である。本発明にかかる頬側スプレイにおける使用のための適切な胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物には、制限されないが、ウルソジオールが包含される。
【0046】
本発明の調剤物は、活性化合物又は薬学的に許容可能なそれらの塩を含む。用語“薬学的に許容可能な塩”は、有機性及び無機性の酸又は塩基を含む薬学的に許容可能な無毒性の酸又は塩基から調製される塩を示す。
【0047】
本発明にかかる活性化合物が酸性のとき、塩は薬学的に許容可能で無毒性の塩基から調製することができる。無機塩基のすべての安定した形態から導かれる塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛、等が包含される。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウムの塩である。薬学的に許容可能な有機性の無毒性な塩基から導かれる塩には、一級、二級、及び三級アミン、天然に生じる置換アミンを包含する置換されたアミン、環状アミン、及びアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,Nジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチル-アミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルフォリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リジン、メチル-グルコサミン、モルフォリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、等のような塩基性イオン交換樹脂の塩が包含される。
【0048】
本発明にかかる活性化合物が塩基性であるとき、塩は薬学的に許容可能な無毒性の酸から調製することができる。かかる酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタン-スルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、等が包含される。特に好ましくは、クエン酸、臭化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、及び酒石酸である。
【0049】
本明細書における処置の方法の議論において、活性化合物への言及は、また、薬学的に許容可能なそれらの塩が包含されることを意味する。一定の調剤物を本明細書において説明するが、同じものを必要とする哺乳類又はヒトに投与すべき実際の量は、処置する医師によって定められるべきである。
【0050】
さらに、本発明を次の例を参照して明確にするが、これらの例は、説明に役立つものであり、及び制限するものではない。
【0051】
次のものは一定のクラスの例である。すべての値は、他に定めのない限り、重量パーセントにおけるものである。
【実施例】
【0052】
ペプチドホルモンを包含する生物学的に活性なペプチド
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
【表3】

【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

【0058】
【表7】

【0059】
【表8】


HCl又はNaOHを用いてpHを7.0-7.8に調整
【0060】
例2
CNS活性アミン及びそれらの塩:制限されないが、三環系アミン、GABA類似体、チアジド、フェノチアジン誘導体、セロトニンアンタゴニスト及びセロトニン再取り込み抑制剤を包含する。
【表9】

【0061】
【表10】

【0062】
【表11】

【0063】
【表12】

【0064】
【表13】

【0065】
【表14】

【0066】
【表15】

【0067】
例3
【表16】

【0068】
【表17】

【0069】
例4
抗生物質、抗真菌剤及び抗ウイルス剤
【表18】

【0070】
【表19】

【0071】
【表20】

【0072】
【表21】

【0073】
例5
制吐剤
【表22】

【0074】
【表23】

【0075】
【表24】

【0076】
例6
ヒスタミンH-2受容体アンタゴニスト
【表25】

【0077】
【表26】

【0078】
【表27】

【0079】
例7
バルビツール酸塩
【表28】

【0080】
【表29】

【0081】
例8
プロスタグランジン
【表30】


水酸化ナトリウム及び/又は塩酸を用いてpHを調整する
【0082】
【表31】

【0083】
例9
栄養補助食品
【表32】

【0084】
【表33】

【0085】
【表34】

【0086】
【表35】

【0087】
例10
睡眠誘導物質(また、CNS活性アミン)
【表36】

【0088】
例11
抗喘息剤-気管支拡張剤
【表37】

【0089】
【表38】

【0090】
【表39】

【0091】
【表40】

【0092】
【表41】

【0093】
例12
推進剤を用いる極性溶媒調剤物:
【表42】

【0094】
【表43】

【0095】
【表44】

【0096】
【表45】

【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】薬理学的に活性な物質の哺乳類系における吸収及び処理の経路を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進剤を含まない、薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のための頬側スプレイ組成物であって:抗利尿剤、鎮痙剤、尿失禁処置用薬剤、止瀉性薬剤、悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤、平滑筋収縮性薬剤、抗分泌性薬剤、酵素、抗潰瘍剤、胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、総組成物の0.001及び60重量%の間の量の活性化合物、及び総組成物の30及び99重量%の間の量の極性溶媒を含有する、頬側スプレイ組成物。
【請求項2】
薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のための頬側スプレイ組成物であって:抗利尿剤、鎮痙剤、尿失禁処置用薬剤、止瀉性薬剤、悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤、平滑筋収縮性薬剤、抗分泌性薬剤、酵素、抗潰瘍剤、胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、総組成物の0.1及び25重量%の間の量の活性化合物;総組成物の10及び97重量%の間の量の極性溶媒;及び総組成物の2及び10重量%の間の量の推進剤を含有し、前記推進剤が線状又は分枝状の配置のCからCまでの炭化水素である、頬側スプレイ組成物。
【請求項3】
推進剤を含まない、薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のための頬側スプレイ組成物であって:抗利尿剤、鎮痙剤、尿失禁処置用薬剤、止瀉性薬剤、悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤、平滑筋収縮性薬剤、抗分泌性薬剤、酵素、抗潰瘍剤、胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、総組成物の0.005及び55重量%の間の量の活性化合物;及び総組成物の30及び99重量%の間の量の非極性溶媒を含有する、頬側スプレイ組成物。
【請求項4】
薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のための頬側スプレイ組成物であって:抗利尿剤、鎮痙剤、尿失禁処置用薬剤、止瀉性薬剤、悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤、平滑筋収縮性薬剤、抗分泌性薬剤、酵素、抗潰瘍剤、胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、総組成物の0.05及び50重量%の間の量の活性化合物;及び総組成物の19及び85重量%の間の量の非極性溶媒;及び総組成物の5及び80重量%の間の量の推進剤を含有し、前記推進剤が線状又は分枝状の配置のCからCまでの炭化水素である、頬側スプレイ組成物。
【請求項5】
薬理学的に活性な化合物の貫粘膜投与のための頬側スプレイ組成物であって:抗利尿剤、鎮痙剤、尿失禁処置用薬剤、止瀉性薬剤、悪心及び/又は嘔吐処置用薬剤、平滑筋収縮性薬剤、抗分泌性薬剤、酵素、抗潰瘍剤、胆汁酸置換及び/又は胆石可溶化薬物、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、総組成物の0.01及び40重量%の間の量の活性化合物;及び総組成物の25及び89重量%の間の量の非極性溶媒;総組成物の10及び70重量%の間の量の推進剤で、線状又は分枝状の配置のCからCまでの炭化水素である前記推進剤;及び総組成物の1及び8重量%の間の量で存在する香料性薬剤を含有する、頬側スプレイ組成物。
【請求項6】
さらに、総組成物の0.1及び10重量%の間の量の香料性薬剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物。
【請求項7】
極性溶媒が、400及び1000の間の分子量を持つポリエチレングリコール、CからCまでのモノ‐及びポリ‐アルコール、及び線状又は分枝状の配置のCからC18までのアルコールからなる群より選ばれる、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項8】
推進剤が、プロパン、N‐ブタン、イソ‐ブタン、N‐ペンタン、イソ‐ペンタン、ネオ‐ペンタン、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項2、4又は5記載の組成物。
【請求項9】
溶媒が、(C−C24)脂肪酸(C−C)エステル、線状又は分枝状の配置のC−C18炭化水素、C−Cアルカノイルエステル、及びC−Cカルボン酸のトリグリセリドからなる群より選ばれる、請求項3〜5のいずれか一項記載の組成物。
【請求項10】
活性化合物が、アロセトロン、ドラセトロン、グラニセトロン、メクリジン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、パルノセトロン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トリメトベンズアミド、トロピセトロン、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる悪心又は嘔吐処置用薬剤である、請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項記載の組成物の使用であって、薬理学的に活性な化合物を哺乳類の口腔粘膜に対して噴霧することを含む、使用。

【図1】
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【公表番号】特表2006−506342(P2006−506342A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−531570(P2004−531570)
【出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/026854
【国際公開番号】WO2004/019910
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(505073107)ノヴァデル ファーマ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】