説明

消耗品不正使用防止システム

【課題】プリンタや消耗品の品質維持のため、海賊版消耗品の使用や不正にトナーの詰め替えがされた消耗品の使用を防止する方法を提供する。
【解決手段】トナーセットにRFIDシートを貼り付け、プリンタ制御基盤側にアンテナとRFID制御回路を持ち、RFIDのデータ領域に複数バイトの乱数を書き込み、その乱数から予め決められたパターンによって作成された暗号データも書き込んでおき、プリンタ起動時及び消耗品交換作業用開閉扉クローズ時に乱数と暗号データの整合が正しく取れているか確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタやコピー機等の画像形成装置に使用される着脱交換式トナーカートリッジ等の消耗品の不正使用を防止するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータに代表されるコンピュータの普及に伴い、プリンタの需要や使用頻度も増加している。また、近年の情報の増加に伴い、コピー機、ファクシミリ機等の需要も増している。これらプリンタやコピー機、ファクシミリ機に代表される画像形成装置は、主にトナー(炭素の粉末)を用紙に転写し、定着させることで印刷または複写を行う。したがって、このトナーは使用される毎に消費され、トナー補給を行う必要がある。
【0003】
そこで、容易にトナー補給を行う為、トナーを収納する現像容器を含めたユニット(以下、トナーセットで示す)を使用し、トナーが無くなると新しいトナーセットと交換し、交換後の使用済みのトナーセットは販売元業者等の正規の回収業者に引き取られる。また、引き取られたトナーセットは、トナーの詰め替えがなされた後、ユーザに再使用される。
【0004】
図20は、例えばプリンタに用いられる消耗品のリサイクル工程を示す。プリンタの再生部品(消耗品)として、トナーセットやドラムセット(感光体ドラム及び感光体ドラムの周辺機器を含めたユニット)等のカートリッジがある。トナーセットやドラムセットは、その使用限度枚数等が決められており、印刷カウンタなどの管理制御によって、交換時期がユーザに知らされ、それに応じて、ユーザは新しいトナーセットやドラムセットに交換する。
【0005】
交換された使用済みのトナーセットやドラムセットは、資源の有効利用のために、以下のようなルートで再生処理が行われ、再利用される。先ず、ユーザAはプリンタメーカーのリサイクル受付センターBに連絡し、使用済みのトナーセットまたはドラムセット等の消耗品の回収を依頼する。リサイクル受付センターBは、回収運送業者受注センターCに回収指示をする。回収運送業者受注センターCは、ユーザAの最寄りの営業所Dに回収作業の指示をする。
【0006】
営業所Dでは、回収担当者を派遣し、ユーザAから消耗品を回収し、それを純正再生工場Eへ運搬する。純正再生工場Eでは、回収したトナーセットまたはドラムセットを分解、部品交換、清掃、トナー等の再充填、検査等により再生処理を施す。
【0007】
尚、再生できないものについては、再資源化処理Fにより多方面で有効な資源として利用される。そして、再生されたトナーセットまたはドラムセットは、再び市場を流通し、不特定のユーザAのもとへ供給される。
上記のように、通常、消耗品は純正の再生工場で再生処理を行うのが正しい利用方法である。ところが、トナーセットに代表される画像形成装置等で使用される交換部品は、消耗品であるがゆえに、純正品ではないメーカー製でしばしば安価であるが一般には劣悪な品質(以下、海賊版で示す)のものが流通し、それらが使用される。このような海賊版が画像形成装置本体に使用されると、本体機器の故障や動作不良、印刷物の印刷状況が悪い等の弊害を招く恐れがある。
【0008】
そこで、このような海賊版の消耗品を防止するため、現在までに様々な技術が考案されている。例えば、特開平10−254305(特許文献1)、特開平11−75052(特許文献2)、特開平10−239960(特許文献3)で示されている引例では、トナーセットにEEPROMを搭載し、そのEEPROMに印字枚数や販売情報などを書き込み、稼動履歴データとして蓄積・活用する等で、不正なトナーセット(非純正品)を識別している。
【0009】
また、他の不正使用防止方法として、タグトランシーバーの利用が知られている。消耗品にタグトランシーバーを取り付け、そのタグトランシーバーに記憶されているデータをレシーバーで読み込むことで消耗品の真偽判定を行い、これによって不正な消耗品を認識することができる。
【特許文献1】特開平10−254305号公報
【特許文献2】特開平11−75052号公報
【特許文献3】特開平10−239960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の方法では、EEPROMを消耗品に取り付け、その消耗品をプリンタにセットした時、そのEEPROMに記憶されている情報を読み書きするためにプリンタ内の読み出し装置とEEPROMが電気的に接続されていなければならないという所謂接触型を使用していた為、機構が複雑になり、高い製造コストがかかる。
【0011】
また、EEPROMに記憶された情報が暗号化されていない為、解読が容易であった。また、EEPROMに暗号化して情報を記憶させた装置も存在したが、例えば暗号化に乱数を用いていない等により、解読が容易であった。
また、正規の消耗品のEEPROMから情報を不正な消耗品のEEPROMへコピーし、不正な消耗品を純正品として使用される場合もあった。
【0012】
また、従来バーコードのようなラベルを用いて不正な消耗品か否かの識別をする方法もあるが、この方式ではセキュリティーが不充分であり、不正なリサイクル業者が容易にトナーの詰め替えを行うことが可能であった。
さらに、トナーセットのトナーが空になった場合、トナーの補充ができない仕組みを備えていたとしても、トナーが空になる前にトナーの補充をすると問題なく使用することが可能であった。
【0013】
そこで、上記の課題に鑑み、本発明では、プリンタや消耗品の品質維持のため、海賊版の使用や不正にトナーの詰め替えがされた消耗品の使用を防止する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、請求項1記載の発明によれば、装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置の前記消耗品の不正使用を防止する消耗品不正使用防止システムにおいて、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記画像形成装置により印字された印字枚数の情報を所定の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化する枚数情報暗号化手段と、前記枚数情報暗号化手段により暗号化した暗号化情報を前記RFIDタグの所定の記憶領域に格納する格納手段と、前記格納手段に格納された暗号化情報を取得する暗号化情報取得手段と、前記暗号化情報取得手段により取得した暗号化情報を復号化する復号化手段と、前記復号化手段により復号化された枚数情報と所定値とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、前記消耗品の再使用処理の場合、前記枚数情報を初期化し、前記初期化した枚数情報を前記所定の記憶領域に格納する初期化枚数情報格納手段と、を備えることを特徴とする消耗品不正使用防止システムを提供することによって達成できる。
【0015】
このように構成することにより、トナー無しが発生する前にトナー補充する場合に、カウンタデータによって印字可能枚数を大幅に越えているかどうかのチェックを加えることによって、不正にトナーの補充がされたトナーセットを認識して、使用不可とすることが可能になる。
【0016】
また、カウンタデータは暗号化されて記憶されているので、これを不正に操作するということも防ぐことができる。
上記課題は、請求項2記載の発明によれば、装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記画像形成装置により印字された枚数情報を所定の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化する枚数情報暗号化手段と、前記枚数情報暗号化手段により暗号化した暗号化情報を前記RFIDタグの所定の記憶領域に格納する格納手段と、前記格納手段に格納された暗号化情報を取得する暗号化情報取得手段と、前記暗号化情報取得手段により取得した暗号化情報を復号化する復号化手段と、前記復号化手段により復号化された枚数情報と所定値とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0017】
このように構成することにより、トナー無しが発生する前にトナー補充する場合に、カウンタデータによって印字可能枚数を大幅に越えているかどうかのチェックを加えることによって、不正に補充されたトナーカートリッジを認識して、使用不可とすることが可能になる。
【0018】
また、カウンタデータは暗号化されて記憶されているので、これを不正に操作するということも防ぐことができる。
上記課題は、請求項3記載の発明によれば、装着・脱着可能な画像形成装置の消耗品の再使用処理方法において、前記消耗品はRFIDタグを備え、RFIDタグの記憶領域に格納されている印字枚数情報を初期化し、前記初期化した枚数情報を前記記憶領域に格納する初期化枚数情報格納処理と、を備えることを特徴とする消耗品の再使用処理方法を提供することによって達成できる。
【0019】
このように構成することにより、正規に再使用処理されたトナーセットの枚数情報を初期化することができる。
上記課題は、請求項4記載の発明によれば、情報を格納するための記憶手段と装着・脱着可能な消耗品とを備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記RFIDタグの記憶領域に格納されているRFID情報を読み出すRFID読み出し手段と、前記RFID読み出し手段により取得したRFID情報のうち暗号化された印字枚数情報を除いたRFID情報と前記記憶手段に格納されている管理情報とを照合する管理情報照合手段と、前記RFID情報に含まれる乱数情報を用いて、前記暗号化された印字枚数情報を復号化する復号化手段と、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記復号化手段により復号化された印字枚数情報と前記管理情報にかかる印字枚数情報とを照合する印字枚数情報照合手段と、前記印字枚数情報照合手段の照合結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0020】
このように構成することにより、トナーセットのトナー満杯時の暗号化されたカウンタデータをコピーし、トナー充填後にそのコピーしたカウンタデータを再度そのトナーセットに格納した場合においても、プリンタ本体側にも独立してカウンタデータを持ち、トナーセット毎にテーブル管理をして、使用しているトナーセットの整合性を確認することによって、不正なトナーの詰め替えによるトナーセットの再使用を防止することができる。
【0021】
上記課題は、請求項5記載の発明によれば、装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記画像形成装置は、消耗品の充填物の残量を検出する消耗品残量検知手段を備え、印字対象となる画像から前記消耗品の消耗量を推測する消耗量推測手段と、前記RFIDタグの記憶領域に格納されている暗号化された消耗品の充填物の残量を復号化する残量復号化手段と、前記残量復号化手段により復号化した残量から前記消耗量推測手段により推測した消耗量を差し引く残量算出手段と、前記残量算出手段により算出された残量を暗号化する残量暗号化手段と、前記暗号化手段により暗号化された残量を前記RFIDタグの記憶領域に格納する手段と、前記残量復号化手段により復号化した消耗品の残量と前記消耗品残量検知手段により検出した残量とを比較する残量比較手段と、前記残量比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0022】
このように構成することにより、プリンタ本体にあるトナー残量検知機構と、印字画像から推測、もしくは定期的にトナー残量検知機構から読み出した情報から、トナーセットそのものに記憶させる残トナー量の情報とを比較することで、不正に補充されたトナーセットを検出することができる。残トナー量は暗号化されているので、これを正しく改ざんすることは難しく、不正なトナーセットを検出・排除することが可能になる。
【0023】
上記課題は、請求項6記載の発明によれば、装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記画像形成装置は、消耗品の充填物の残量を検出する消耗品残量検知手段を備え、消耗品残量検知手段から定期的に前記充填物残量を取得する残量取得手段と、前記残量取得手段により取得した残量を暗号化する残量暗号化手段と、前記暗号化手段により暗号化された残量を前記RFIDタグの記憶領域に格納する手段と、前記RFIDタグの記憶領域に格納されている前記暗号化された残量を復号化する残量復号化手段と、前記残量復号化手段により復号化した残量と前記消耗品残量検知手段により検出した残量とを比較する残量比較手段と、前記残量比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0024】
このように構成することにより、プリンタ本体にあるトナー残量検知機構と、印字画像から推測、もしくは定期的にトナー残量検知機構から読み出した情報から、トナーセットそのものに記憶させる残トナー量の情報とを比較することで、不正に補充されたトナーセットを検出することができる。残トナー量は暗号化されているので、これを正しく改ざんすることは難しく、不正なトナーセットを検出・排除することが可能になる。
【0025】
上記課題は、請求項7記載の発明によれば、情報を格納するための記憶手段と装着・脱着可能な消耗品とを備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記RFIDタグの記憶領域に格納されているRFID情報を読み出すRFID読み出し手段と、前記記憶手段に格納されている暗号化するための変換情報を用いて、前記RFID読み出し手段により読み出されたRFID情報のうち所定の情報を暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を前記RFIDタグの記憶領域に格納する格納手段と、前記RFID情報のうち、暗号化情報の内容と暗号化情報以外の非暗号化情報であって暗号化の対象となる情報の内容とを照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0026】
このように構成することにより、消耗品の不正使用を防ぐことができるので、消耗品の再使用をより促進することができる。
請求項8記載の記載は、上記請求項7の発明において、前記暗号化情報は、前記RFIDタグの固有情報と、前記消耗品の固有情報と、前記消耗品の充填物残量に基づく情報とを備える構成である。
【0027】
このように構成することにより、消耗品の不正使用を防止するための暗号化データを作成することができる。
請求項9の記載は、上記請求項7又は8において、前記画像形成装置は、前記画像形成装置の故障情報を前記RFIDタグの記憶領域に格納する構成である。
【0028】
このように構成することにより、プリンタが故障し場合、その故障原因をプリンタ本体を介して確認できない状況下であっても、治具によりRFID内の故障履歴を読み込むことで故障個所の特定・故障修復が可能となる。
請求項10の記載は、上記請求項7、8、又は9において、記載の発明によれば、前記画像形成装置は、前記消耗品のRFIDを認識する認識手段を備える構成である。
【0029】
このように構成することにより、従来消耗品の有無検知には必要であった専用のセンサ等が不要となり、コストダウンができる。
請求項11の記載は、上記請求項7、8、9、又は10において、発明によれば、前記画像形成装置は、前記消耗品の固有情報と充填物残量とを前記RFIDタグの記憶領域に格納する構成である。
【0030】
このように構成することにより、プリンタの制御ソフトは消耗品の寿命カウンタをその消耗品から直に読み込むことで、ユーザが2つ以上の消耗品を交換しながらプリンタを使用したり、2台以上のプリンタで同一の消耗品を使用する際にも交換時期等の正確な管理が可能となる。
【0031】
また、消耗品のリサイクル時においては、消耗品番号を読み込むことで過去にリサイクルされたユニットなのか否かを判定でき、また、カウンタを読み込むことで、その消耗度合いを認識できるので、リユース部品の個々の設計寿命と使用状況に応じ最適な部品交換が可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の第1の実施形態の効果としては、RFIDによってトナーセットの正当性をチェックすることによって、不正に作られたトナーセットを識別して使用不可とすることが可能になる。
【0033】
また、トナー無しになった場合、RFIDのデータを使用不可になるように加工しておく。そして、トナーを補充する際に、正当性のチェックをパスできるような値を算出するアルゴリズムを知っていて、それをRFIDに追記することができた場合のみ、補充後のトナーセットが使えるようになる為、不正にトナーを補充されたトナーセットを識別して使用不可とすることも可能になる。
【0034】
本発明の第2の実施形態の効果としては、トナー無しが発生する前にトナー補充することによって、第1の実施形態のチェックを逃れるという不正な行為に対しても、第1の実施形態に、カウンタデータによって印字可能枚数を大幅に越えているかどうかのチェックを加えることによって、不正に補充されたトナーカートリッジを認識して、使用不可とすることが可能になる。
【0035】
また、カウンタデータは暗号化されて記憶されているので、これを不正に操作するということも防ぐことができる。
本発明の第3の実施形態の効果としては、トナー満杯時の暗号化されたカウンタデータをコピーし、第2の実施形態のチェックを逃れるといった行為に対しても、プリンタ本体側にも独立してカウンタデータを持ち、トナーセット毎にテーブル管理をして、使用しているトナーセットの整合性を確認することによって、不正なトナーの詰め替えによるトナーセットの再使用を防止することができる。
【0036】
本発明の第4の実施形態の効果としては、プリンタ本体にあるトナー残量検知機構と、印字画像から推測、もしくは定期的にトナー残量検知機構から読み出した情報から、トナーセットそのものに記憶させる残トナー量の情報とを比較することで、不正に補充されたトナーセットを検出することができる。残トナー量は暗号化されているので、これを正しく改ざんすることは難しく、不正なトナーセットを検出・排除することが可能になる。
【0037】
本発明の第5の実施形態の効果としては、環境問題上、リサイクル可能な消耗品を作ることは重要であり、また、消耗品の偽造により起こりうるプリンタのトラブルを防ぐことも重要である。本発明は、それら両方を満たすものである。
本発明の第6の実施形態の効果としては、従来はプリンタ内部のメモリーに故障履歴を記録しておき、サービスマンが故障個所の特定・故障修復を行っていたが、故障履歴自体を記録しているメモリーの故障、表示デバイスの故障、プリンタ電源の故障などの際はプリンタ内部のメモリーの故障履歴が役に立たなかった。本発明により、この様な状況に置いても、治具によりRFID内の故障履歴を読み込むことで故障個所の特定・故障修復が可能となる。
【0038】
本発明の第7の実施形態の効果としては、従来消耗品の有無検知には専用のセンサ等が必要であったが、それが不要となり、コストダウンが可能である。
本発明の第8の実施形態の効果としては、プリンタの制御ソフトは消耗品の寿命カウンタをその消耗品から直に読み込むことで、ユーザが2つ以上の消耗品を交換しながらプリンタを使用したり、2台以上のプリンタで同一の消耗品を使用する際にも交換時期等の正確な管理が可能となる。
【0039】
また、消耗品のリサイクル時においては、消耗品番号を読み込むことで過去にリサイクルされたユニットなのか否かを判定でき、また、カウンタを読み込むことで、その消耗度合いを認識できるので、リユース部品の個々の設計寿命と使用状況に応じ最適な部品交換が可能となる。
【0040】
本発明の第9の実施形態の効果としては、トナーセットに書き込むプリンタのIDの登録方式をRFIDを用いて非接触式にしたことにより、容易にデータの読み込み/書き込みが可能である。さらに、トナーセットのトナーの再充填ごとにIDをRFIDタグに再登録し、そのIDと別途プリンタに登録したIDとを照合させることにより、照合結果が一致しなければプリンタを使用不可にするので、海賊版のリサイクル品を使えなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明では、RFID(Radio Frequency Identification:無線自動認識)を用いて消耗品の不正利用の防止を実現するものである。尚、RFIDは、カード或いはタグ状の媒体に、電波によりデータの書き込み、読み出しを実行可能な技術であり、対象物にICチップとアンテナを組み込み、無線通信で認証・情報管理を行うものである。情報を読み取って管理する方式として、従来バーコードの技術が存在するが、RFIDはバーコードと比べると蓄積できる情報量がはるかに多く、汚れなどによる読み取りミスも少ない。
【0042】
また、詳しく後述する本発明の第1の実施形態は、トナーセットにRFIDシートを貼り付け、プリンタ制御基盤側にアンテナとRFID制御回路を持ち、RFIDのデータ領域に複数バイトの乱数を書き込み、その乱数から予め決められたパターンによって作成された暗号データも書き込み、プリンタ起動時及び消耗品交換作業用開閉扉クローズ時に乱数と暗号データの整合が正しく取れているか確認するものである。
【0043】
これによって、装着されているトナーセットに不正なトナーが補充され、又はカートリッジ自身が不正に作成されたものではないことをチェックできる。
正式なトナー補充時には、新たに暗号データを書き加えることにより、暗号データを作成するアルゴリズムが分からない限り、不正にトナーを補充することはできない。
【0044】
また、本発明の第2の実施形態は、上記実施形態に加えて印字枚数をRFIDシートに記憶することである。これにより、不正に印字枚数が多いトナーセットについても、何らかの手が不正に加えられたものとしてチェックすることができるようになり、チェックの精度が更に向上する。
【0045】
この際、記憶する印字枚数は暗号化して記憶するため、解読されにくく、記憶された印字枚数を不正に操作することも困難にすることができる。
また、本発明の第3の実施形態は、上記実施形態に加えて画像形成装置本体側でも独立して印字枚数を持ち、本体側で管理している印字枚数と、RFIDシートから読み出した印字枚数のデータとを比較することである。これにより、RFIDシートから読み出した印字枚数のデータが異なる場合、RFIDシートに記憶された印字枚数が不正に操作されたと判断し、不正なトナーセットを識別することができる。
【0046】
このときRFIDシートの全データの一致/不一致によってトナーセットを見分けるテーブルを作成し、正当にトナーセットが交換されたときにも対応できるようにする。
また、本発明の第4の実施形態は、トナー残量検知機構を持つ画像形成装置において、上記実施形態に加えて予測トナー残量、またはトナー残量検知機構から定期的に読み出したトナー残量をRFIDシートに書き込み、その情報とトナー残量検知機構による情報が著しく異なる場合に、不正にトナーが補充されたものと見なすことである。これにより、不正なトナーセットを検出することができる。
【0047】
予測トナー残量を使用する場合は、印字画像から各色のトナー消費量を予測し、これをもとに各色の予測トナー残量を算出する。
また、本発明の第5の実施形態は、画像形成装置の消耗品偽造防止策として消耗品に内蔵されたRFIDタグを用い、消耗品が不正な物でないかの判定を行う画像形成装置において、画像形成装置本体はRFIDタグと双方向の通信を行い、RFIDタグ内のメモリーに消耗品の消耗度合いを示すカウンタと暗号化されたデータを格納し、そのデータを読み込み真偽判定を行う。このとき、暗号化するデータは、RFIDタグ製造業者が格納するRFIDタグ個々に異なるデータと、画像形成装置製造業者が格納する個々の消耗品固有データと、画像形成装置本体制御ソフトが書き込む消耗品の消耗具合によって異なるデータとの各2個以上から決定されるデータとする。
【0048】
また、本発明の第6の実施形態は、画像形成装置の消耗品偽造防止策として消耗品に内蔵されたRFIDタグを用い、消耗品が不正な物でないかの判定を行うプリンタにおいて、RFIDタグ内に故障履歴を記録しておき、画像形成装置本体とは別の装置にて読み込み故障管理を行う。
【0049】
また、本発明の第7の実施形態は、画像形成装置の消耗品偽造防止策として消耗品に内蔵されたRFIDタグを用い、消耗品が不正な物でないかの判定を行うプリンタにおいて、そのRFIDタグとの通信が可能で有れば、その消耗品は正規の位置に装着されたことを示す。よって、消耗品の装着の有無が検知できる。
【0050】
また、本発明の第8の実施形態は、電子写真装置の消耗品偽造防止策として消耗品に内蔵されたRFIDタグを用い、消耗品が不正な物でないかの判定を行うプリンタにおいて、RFIDタグ内に消耗品の寿命カウンタを格納しておき、消耗品管理を行う。これにより、消耗品の正確な管理が可能となる。
【0051】
さらに、本発明の第9の実施形態は、プリンタのトナーセットにおいて、予めRFIDタグを取り付けておく。そして、プリンタにそのトナーセットを装着したとき、IDやその他の情報を読み込み/書き込みすることができる。
また、このRFIDは非接触方式であるので、トナーセットが梱包状態であっても、RFIDタグ情報を読み込み/書き込みすることができる。また、プリンタのトナーセットにおいて、IDとして登録したデータをリサイクルごとに新しいデータに書き換えることもできる。
【0052】
次に、各実施形態で用いる画像形成装置の説明をする。図1は以下の実施形態で使用するタンデム方式のプリンタ装置(画像形成装置)の例である。
同図において、プリンタ装置1は、画像形成部2、両面印刷用搬送ユニット3、及び給紙部4で構成されている。ここで、画像形成部2は4個の画像形成ユニット5〜8を並設した構成であり、同図の紙面右側から左側に向かってマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に配設されている。また、この中のマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の画像形成ユニット5〜7は減法混色によりカラー印刷を行う際に用いるものであり、ブラック(K)の画像形成ユニット8は上記カラー印刷時に用いると共に、単独で用いることでモノクロ印刷に使用する。
【0053】
ここで、上記各画像形成ユニット5〜8はそれぞれドラムセットC1とトナーセットC2で構成され、現像容器に収納された現像剤(の色)を除き同じ構成である。そこで、例えばイエロー(Y)用の画像形成ユニット7を例にして構成を説明する。ドラムセットC1には感光体ドラム、帯電器、クリーナが収納され、トナーセットC2には現像ロールやトナーが収納されている。
【0054】
感光体ドラム9は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成され、感光体ドラム9の周面近傍には、帯電器10a、印字ヘッド10b、現像ロール10c、転写器10d、クリーナ10eが順次配設されている。
感光体ドラム9は矢印方向に回動し、先ず帯電器10aからの電荷付与により、感光体ドラム9の周面を一様に帯電する。そして、印字ヘッド10bからの印字情報に基づく光書き込みにより、感光体ドラム9の周面に静電潜像を形成し、現像ロール10cによる現像処理によりトナー像を形成する。この時、感光体ドラム9の周面に形成されるトナー像は、現像容器10cに収納したイエロー(Y)色のトナーによる。このようにして感光体ドラム9の周面に形成されるトナー像は、感光体ドラム9の矢印方向の回動に伴って転写器10dの位置に達し、感光体ドラム9の直下を矢印方向に移動する用紙に転写される。
【0055】
一方、用紙の搬送は、前述の給紙部4を構成する給紙カセット11、待機ロール12、搬送ベルト13、駆動ロール14等で構成され、給紙コロ28の回動によって給紙カセット11から搬出された用紙は、待機ロール12まで送られ、更にトナー像に一致するタイミングで搬送ベルト13上に送られ、転写器10dに達する。そして、転写器10dにおいてトナー像が転写され、トナー像が転写された用紙は搬送ベルト13の移動に従って、搬送ベルト13上を矢印方向に移動し、定着ユニット15において熱定着処理が施される。
【0056】
また、用紙の上面には、上記イエロー(Y)のトナー像のみならず、他の色のドラムセットC1及びトナーセットC2によって転写されたマゼンダ(M)や、シアン(C)のトナー像も転写され、前述の減法混色に従った色の印刷が行われる。
【0057】
尚、上述の用紙は給紙カセット11から搬出される用紙のみならず、MPFトレイ16から供給される用紙も含まれ、この場合には用紙は給紙コロ16aによって搬入され、前述の経路によって印刷処理が行われる。
また、上記定着ユニット15は熱ロール15a、15b、及びクリーナ15cで構成され、用紙Pが上述の熱ロール15aと15b間を挟持搬送される間、用紙に転写された例えば複数色のトナー像は溶融して用紙Pに熱定着する。また、クリーナ15cは熱ロール15aに残るトナーを除去する機能を有する。尚、定着ユニット15によってトナー像が定着された用紙は切換板17を介して上方、又は紙面左方向に搬送される。
【0058】
一方、両面印刷用搬送ユニット3は装置本体に対して着脱自在に構成され、本例のプリンタ装置1によって両面印刷を行う際装着するユニットであり、内部に複数の搬送ロール18a〜18eが配設されている。両面印刷の場合には、上記切換板17によって一旦上方に用紙が送られ、例えば用紙の後端が搬送ロール19に達した時、用紙の搬送を停止し、更に用紙を逆方向に搬送する。この制御によって、用紙は点線で示す位置に設定された切換部17の左側を下方に搬送され、両面印刷用搬送ユニット3の用紙搬送路に搬入され、搬送ロール18a〜18eによって用紙が送られ、待機ロール12に達し、前述と同様トナー像と一致するタイミングで転写器に送られ、トナー像が用紙の裏面に転写される。
【0059】
次に、図2にプリンタ1の外観の概要を説明する。プリンタ上部には、排紙ローラ20があり、ここから印刷物が出力され、排紙スタッカ21に印刷物が溜まる。その他にもフロントカバー22、MPFトレイ16、サイドカバー23、給紙トレイ4よりなる。また、プリンタ上方部には、操作パネル24を具備し、その操作パネルは複数のキーからなる操作部24a、操作メニュー等を表示する表示部24bより構成される。
【0060】
また、図4はトナーセットをプリンタから取り外す様子を示したものである。この図では、フロントカバー24を開けて、トナーセットC2を取り外している。
<第1の実施形態>
(実施例1)
トナーセットとプリンタ制御基板の実装図を図4に示す。
【0061】
図4に示すように、トナーセットC2(着脱自在)上にRFIDシート33を貼り、プリンタ制御基板32(プリンタ1本体側)上のアンテナ31と一定の距離になるように、両方を固定する。実際のプリンタ1では、プリンタ制御基板32は筐体に固定され、トナーセットC2も筐体に挿入、固定されることになる。
【0062】
RFIDシート33とRFID制御回路30は、アンテナ31を通して、非接触にて通信を行う。
ここでは、図5に示すように64byteのデータを格納できるRFIDシートを例に上げて説明する。各バイトデータ(8ビットデータ)には、それぞれロックビット40が用意され、このロックビット40がセットされている領域については、消去も書き換えもできない。また、ロックビット40を解除することもできない。
【0063】
トナーセットC2生産時の初期状態では、RFIDシート33には図5に示す情報(以下、RFIDデータで示す)を書き込んでおく。
ユーザID41は、RFIDシート33を供給するメーカーが供給先の顧客ごとにユニークになるように決められたコードであり、供給元のメーカーが納入時に書き込みロックビットを立てて書き換え、消去不可にしておく。
【0064】
乱数データ42と乱数データ43は、トナーセットC2を生産する際に、日時の情報等から作りだした乱数である。これらの乱数データも書き込んだ後は書き換えられないようにロックビットを立ててロックしておく。
暗号データ44は、乱数データ42と乱数データ43から特定のパターンで算出した暗号データである。これは書き込んだ後にロックビットを立てずにそのままにしておく。暗号の算出パターンは、例えば暗号テーブルを用意しておき、それぞれの乱数が指す暗号テーブル上のデータを加算したもの等、容易には推測できないようなパターンを決めておく。
【0065】
以下、図6のフローチャートに従ってRFID制御回路30によるチェック方法を説明する。電源投入時、また消耗品交換作業用開閉扉クローズ時には、トナーセットC2が交換された可能性があるため、このフローチャートに従ってチェックを行う。
【0066】
先ず、RFID制御回路30はRFIDシート33と通信を行い、最上位のデータ41が正常なベンダーIDであることを確認する(ステップ(以下、Sで示す)1)。正常なユーザID41でない場合、プリンタはエラーメッセージを表示部24bに表示して、停止する(S5)。これによって、まったく異なるトナーセットが挿入されたか、あるいはトナーセット自身がないということも、判別できる。
【0067】
RFIDシート33に記憶されているデータを上から順にスキャンし、ロックビットが立っていない場所を見つける。図5では暗号データ44のエリアに、ロックビットが立っていない。ここで、この暗号データ44を「データA」とする。その上の乱数データ43と更にその上の乱数データ42から、定められたパターンに従って暗号データを算出する。このデータを「暗号データB」とする(S2)。
【0068】
次に、読み出した「データA」と算出した「暗号データB」とが同一か否かを比較する(S3)。2つのデータが同一であれば、トナーセットC2は正規のものであると判断し、印字待機状態になる(S4)。同一でなければ、プリンタ1はエラーメッセージを表示部24bに表示して、停止する(S5)。これによって、不正に改造されたトナーセットを検出できる。
【0069】
次に、トナー無しか否かの判断を行い(S6)、暗号データ44のエリアにロックビットをセットし、プリンタ1はトナー無しを表示部24bに表示して停止する(S7)。これによって、ロックビットが立っていない最初のデータは暗号データ44の次のデータとなる。しかし、この領域には何も書かれていないため、再度この処理フローを行うと、判断(S3)の処理でエラーとなる。したがって、トナー無しになったトナーセットC2は使えなくなる。
【0070】
トナー無しになったトナーセットC2を再び使用できるようにするためには、トナーを詰め替えた後、今度は乱数データ43と暗号データ44から、特定のパターンで暗号データ50を算出し、この暗号データ50を暗号データ44の後に書き込み、図7に示すように暗号データ50のロックビットは立てないでおく。
【0071】
これによって、判断(S3)がYES(イエス)となり、トナーセットC2は再び使用可能となる。
以上のように、本例によれば暗号データを作成するための特定パターンを知らない限り、トナーを補充してもそのトナーセットは不正なものであるとして、使用不可とすることができる。
(実施例2)
上記実施例1では、乱数および暗号テーブルから暗号データを作成したが、例えばビット単位のXOR(排他的論理和)やAND(論理積)等の演算を組み合わせる等の容易に推測できないアルゴリズムであれば、どのような手法を用いて暗号データを作成しても良い。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、トナー無しが発生する前にトナーを不正に補充されると最新の暗号データのロックビットが立たないので、その暗号データは使用不可にならず、いつまでも正当なトナーセットであると誤認識されてしまう。
【0072】
そこで第1の実施形態に加えて、図8に示すように、印字枚数をカウントするカウンタデータ60をRFIDシート33の記憶領域の最後尾に記憶する。この時、カウンタデータ60のロックビットは立てないでおく。このカウンタデータ60は、一枚印字するごとにカウントアップさせる。記憶する際には、第1の実施形態での暗号データ44を作成したものと同じアルゴリズムで、カウンタデータ60も暗号化しておく。読み出す際には、暗号化のアルゴリズムを逆に辿り復号して使用する。
【0073】
カウンタデータ60が、推定される印字可能枚数(例えば4000枚等)を大幅に超えて印字が継続している場合、不正なトナー補充がなされていると判断し、プリンタはエラーメッセージを表示部24bに表示して、停止する。
正当にトナーを補充した際には、最新の暗号データを追記すると共に、カウンタデータ60も「0」を暗号化して書き込んでおく。
【0074】
この手法により、トナー無しが発生する前の不正なトナー補充に対しても、不正なトナーセットであることを識別して、プリンタを使用不可とすることが可能になる。
<第3の実施形態>
上記第2の実施形態でも、トナーを補充する前(満杯時)の暗号化されたカウンタデータ60を読み出しておいて、トナー補充後にこのデータに書き戻された場合、トナーセットの不正な使用を防止することはできない。
【0075】
そこで、プリンタ1本体側でも独自にカウンタデータを記憶し、1枚プリントするごとにカウントアップして記憶する。このカウンタデータと、RFIDシート33から読み出したカウンタデータ60が異なった場合には、カウンタデータ60が不正に書き換えられたものとして、メッセージを表示部24bに表示して、プリンタを停止させる。
【0076】
但し、単にトナーセットC2を別の正当なトナーセットと差し替えて使用するといった使用法は十分に考えられるので、RFIDデータが乱数によって作られることを利用して、複数のトナーセットに対応して、カウンタデータを管理しなければならない。
【0077】
その為、図9に示すような複数の管理テーブルをプリンタ1本体側で作成し、図10に示すフローチャートによりプリンタ1本体側で管理する。ここで、作成した複数の管理テーブルは、プリンタ1に内蔵されている記憶装置に記憶されるものとする。
【0078】
まず、プリンタの電源投入時、もしくは消耗品交換作業用開閉扉クローズ時に、RFID制御回路30は装着されたトナーセットC2のRFIDデータをすべて読み出し(S10)、その読み出したRFIDデータとカウンタデータ以外の部分が同一である管理テーブルを、プリンタ1に内蔵されている記憶装置に格納されている管理テーブル群から検索する(S11)。
【0079】
次に、判断(S11)において一致するテーブルがなかった場合、新たにその読み出したRFIDデータで管理テーブルを作成し(S13)、カウンタデータの管理を行う。一方、判断(S11)において一致するテーブルがあった場合、該当する管理テーブルにあるカウンタデータを読み出し、RFIDデータのカウンタデータと比較する(S12)。
【0080】
S12での比較処理において、該当する管理テーブルにあるカウンタデータとRFIDデータのカウンタデータとが一致した場合(S14)、通常にプリントを行い、1枚印字毎にカウンタデータを更新する(S15)。判断(S14)において一致しなかった場合、不正なトナーセットと判断し、プリンタを停止する(S16)。
【0081】
このように、判断(S11)において、一致するテーブルがあった場合、その管理テーブルに対応するトナーセットが装着されているものとして、その管理テーブルのカウンタデータで管理を行う。
以上、本例によってRFIDデータのカウンタデータを不正にコピーし、トナーセットを不正に使用し続けるといった行為に対しても、これを識別して、トナーセットを使用不可とすることが可能になる。
<第4の実施形態>
前述の第1の実施形態に加えて、本実施形態では、トナー残量検知機構をもつプリンタ1において、RFIDシート33に残トナー量を記憶する。残トナー量は、印字画像からどの色のトナーがどの程度使用されるかを推測し、その分を差し引いた値に常に更新し、暗号化してRFIDシート33に書き戻す。
【0082】
この暗号化した残トナー量が、トナー残量検知機構が示すトナー残量よりも著しく少ない場合、不正にトナーが補充された疑いがあるとして、エラーメッセージを表示部24bに表示し、プリンタは停止する。
上記RFIDシート33に記憶する残トナー量は、単純にトナー残量検知機構が示す値を定期的に読み取るものであっても良い。
<第5の実施形態>
(実施例1)
図11はRFIDタグ内のメモリマップ70である。メモリマップ70内のファクトリーブロック71はRFIDタグ製造者が格納するRFIDタグ個々に異なる固有のデータである(図11では、このRFIDタグが1234h(「h」は、16進数表示であることを示し、以下についても同様である)、つまり4660個目に作られたことを表す)。尚、ユーザIDとはRFIDタグ製造者が予め書き込む出荷先(出荷先のプリンタ製造者等)固有の番号である(図11では、出荷先のプリンタ製造者に5678hが与えられている)。
【0083】
ファクトリーブロック71とユーザID72とは読み込み専用のエリアであり、書き換えは不可能である。また、ユーザエリア76は読み込み及び書き換え可能なエリアである。ユーザエリア76内のトナーセット番号73はプリンタ製造者が格納する製品番号で、例えば1から順番に加算した番号を振ってある(図11では、9ABCh、つまり39612個目に作られたトナーセットであることを示す)。
【0084】
トナーレベル74はプリンタ本体制御ファームが書き込むデータであり、トナーの消耗度合いによって随時更新していく(図11では、トナー充填量を0〜9の10段階で格納し、トナーセット生産時は最大充填量であるレベル9を格納しておく、また、このレベル値を以下トナーレベル値という)。
【0085】
暗号エリア75はトナーセットの生産時(リサイクル時も含む)、及びプリンタ使用時にプリンタ制御ファームが書き込むエリアである。以下、暗号エリア75に書き込むデータ(以下、暗号データという)の簡単な暗号化の例を示す。この例では暗号の書き込みは図12のテーブルデータを用いる。
【0086】
暗号は16進数の2桁で表現されるものとする。暗号の上位桁は、図12に示す暗号テーブルを用いてファクトリーブロック71の最下位桁を変換した値、すなわち「4」を変換し「9」を得る。次に、この「9」にトナーレベル値「9」を加算する(16進数の足し算)と「12h」であり、この下1桁目の2で再度変換し「3」を得る。
【0087】
暗号の下位桁を算出する場合も同様に、トナーセット番号73に格納されているデータ「9ABCh」の最下位桁値「C」を変換して「6」を得て、この「6」からトナーレベル値「9」を差し引く(16進数の引き算)と「FDh」であり、この下1桁目の「D」で再度変換し「0」を得る。上記より算出した値「30」を暗号データとする。
【0088】
このように、この暗号データはトナーレベル値に依存しており、トナーの消費に従ってトナーレベル値が減少するので、トナーセット製造時には「30」であった暗号データが30→58→EA→AE→85→03→6D→B9→4F→C7と変化していく。
【0089】
以上より、RFIDタグ製造者が書き込むRFIDタグ個々のデータと、プリンタ本体製造者が書き込む個々の消耗品固有のデータと、プリンタ本体制御ソフトが書き込む消耗品の消耗具合によって異なるデータとを用いて暗号化を行った場合、その暗号の解読は非常に難しくなる。
【0090】
さて、上記では、メモリマップ70内の各領域について説明をしたが、次は、プリンタ動作時のメモリマップ70の使用方法について説明する。
プリンタ動作時、プリンタに内蔵されているRFIDリーダがトナーセットに取り付けられているRFIDタグのメモリマップ70内のデータを読み込んで、RFIDデータのチェックを行い、もしデータ内容に不具合があれば、プリンタの動作を停止する。不具合とはファクトリーブロック71、ユーザID72が本来書かれているはずのデータと違う場合、および暗号データがその他のデータから導かれる内容と不一致の場合である。
【0091】
尚、トナーの残量検知はトナーの偏り等の条件により変動する場合があるので残量検知したトナーレベル値に対し、トナーレベル74に格納されているトナーレベル値がその前後の値であっても動作を可能とし、新たに暗号データの更新を行う。図12の場合ではトナーレベル値「9」、暗号エリア75に記憶されている暗号データ値「30」に対し、トナーレベル値「8」を検知した場合、トナーレベル値を「8」に書き換えると共に、暗号データ値を「58」に書き換える。
【0092】
また、データ書き換え中にプリンタ電源を落とした場合を想定して、暗号データから逆算されるトナーレベル値に対し、記憶されているトナーレベル値が「±1」レベルずれている時も同様に動作を許可し、その時のトナー残量検知レベルに合わせ、トナーレベル値と暗号データを書き換える。
(実施例2)
上記実施例1において用いた暗号化の例は非常に単純なものであり、暗号化の1例にすぎない。
【0093】
また、実施例1においてトナーセットを例にして説明したが、ドラムセットなどの他の消耗品でも同様に応用可能である。
(実施例3)
ここでは、RFIDタグのメモリマップについて実施例1の説明を補完する。このRFIDタグのメモリーは、主にファクトリーブロック71、ユーザID72、ユーザエリアの3つの領域が備えられている。
【0094】
ファクトリーブロック71に格納されるデータは、RFIDタグ製造メーカーが供給先メーカー(プリンタ製造メーカー等)に供給するための管理コードが格納される。このコードは、RFIDタグ個々に異なる固有のデータである。このファクトリーブロック71は書き換え不可能になっている。
【0095】
ユーザID72に格納されるデータは、RFIDタグ製造メーカーが供給先メーカー(プリンタ製造メーカー等)に対し、当該供給先メーカーのユーザコードをRFIDタグのユーザID72に書き込み、当該供給先メーカーに供給する。このユーザID72は書き換え不可能になっている。このユーザID格納領域を1つ目の保護ブロックとする。
【0096】
ユーザエリア76には、約2Kビットの記憶容量がある。このエリアには、64個のブロックがあり、自由な定義が可能である。第2個目の保護ブロックは、このエリアの5〜Xブロックを利用して独自の暗号コード化を行う。この解析をするには、32ビット×(5〜X)ブロックあるため不可能である。第3の保護ブロックは、このユーザエリア76には32ビット単位で64ブロックがあり、この各ブロックでファクトリーロックがかかる。このロックを1度設定してしまうと、書き換えは不可能になる。このフラグで書き換えが不可能になることの利用と、このブロックに供給先メーカーでトナーを詰めた場合の上記暗号コードから計算した数値を入れなければ正常動作ができないということもできる。
【0097】
以上、3つの保護ブロックの制御により、完全にコピーブロックができる。
<第6の実施形態>
消耗品に内蔵されたRFIDタグを用い、不正な消耗品か否かの判定を行うプリンタにおいて、図13に示すユーザエリア76内にプリンタの故障履歴を記憶させておくことで、サービス性を向上させることが可能である。
【0098】
プリンタの制御ソフトは何らかの故障が発生した際に、プリンタの表示部24bに故障コードを表示すると共に、プリンタ内部のメモリー、RFIDのユーザエリア内の双方にプリンタの故障履歴を記憶しておく。
以下、図14を参照しながら本例を説明する。先ず、故障が発生すると、エンジンコントロールユニット82がRFIDタグ81へ故障履歴情報を書き込む。次に、RFIDタグ81に記憶させている情報をプリンタ1本体を経由せずに、直接消耗品から読み出すことができるサービス治具80を用いて、RFIDタグ81から故障履歴情報を直接読み出すことができる。
【0099】
<第7の実施形態>
消耗品に内蔵されたRFIDタグを用い、不正な消耗品か否かの判定を行うプリンタにおいて、RFIDタグとそのRFIDタグ情報を読み出すためのアンテナの受信ユニットとの交信可能距離は数cmである。このため、各消耗品に内蔵されたRFIDタグを認識することが可能な場合、各消耗品が正規の位置に装着されたとみなすことで消耗品の有無の検知が可能となる。
【0100】
<第8の実施形態>
消耗品に内蔵されたRFIDを用い、不正な消耗品か否かの判定を行うプリンタにおいて、消耗品ごとに割り振られた番号(消耗品番号)と消耗品の寿命カウンタを消耗品に内蔵されたRFIDのユーザエリア内に記録しておくことで、消耗品の正確な管理が可能である。
【0101】
<第9の実施形態>
(実施例1)
図15は、トナーセットC2にRFIDタグ90を取り付けた例である。RFIDタグ90は、IC93とアンテナ94からなる。また、RFIDタグ90には、アンテナ94がコイル状の小型のものもあるが、同図では、アンテナ94がループ状の長いタイプを使う。このアンテナ94をトナーセットC2の側面に取り付けておく。
【0102】
次にRFIDモジュール91について説明する。このRFIDモジュール91には、コントロール回路92が接続されており、このコントロール回路92によりRFIDモジュール91を制御する。
読み取り側のRFIDモジュール91をRFIDタグ90のアンテナ94に近づけると、RFIDモジュール91からRFIDタグ90に電波が発射され、それによりRFIDタグ90からデータが出力され、その出力データをRFIDモジュール91で読み取る。
【0103】
RFIDタグ90に書き込むデータとしては、初期データとして、正規のトナーセットであることを示すID、トナーセットの仕向先情報(OEM(original equipment manufacturer)、他社メーカのブランドで販売されるハードウェアを製造する会社の情報)を書き込む。また、RFIDモジュール91からRFIDタグ90に対して、データも書き込めるので、トナー残量等も書き込むことが可能である。
【0104】
また、このRFIDタグ90には、ハンディータイプのリーダ/ライタによっても読み込み/書き込み可能で、実際のプリンタ内での配置は図16に示す。同図はタンデム型カラープリンタの場合であり、トナーセットはブラック(K)100、イエロー(Y)101、シアン(C)102、マゼンダ(M)103の4色が並んでおり、RFIDリーダ(RFIDモジュール)104は中央に1箇所のみ設置されている。尚、この構成はRFIDリーダを4つ使用するとコストがかさみ、又プリンタ内のスペースを余分に取るためである。また、RFIDリーダ104は、プリンタコントローラ105に接続されている。
【0105】
各トナーセットともRFIDタグを持っているが、両端の2個は、RFIDタグのついている面を斜めにすることにより、RFIDリーダの当該RFIDタグに対する読み取り面積が広くなるので、RFIDタグの読み取り精度を向上させる。
【0106】
一方、図17はモノクロプリンタの場合であり、ブラック(K)のトナーセット100のみ設置されている。この場合、RFIDタグとRFIDリーダとが1対1の関係であり、RFIDリーダによってRFIDタグ情報を読み取るのは容易である。したがって、カラープリンタに比べてモノクロプリンタは単純構造となっている。
【0107】
上記例では、トナーセットの側面にRFIDタグを取り付けたが、プリンタ本体とトナーセットの位置によってはRFIDタグを上面または下面に取り付けても良い。
また、本実施例はRFIDタグを使用している為、EEPROM等と異なり、所謂エンジン部が無くてもキット単独で読み込み/書き込みが可能である。したがって、トナーセットが袋に封止された状態や、梱包された状態でRFIDタグ情報の書き換えが可能である。
【0108】
図18にRFIDタグに書き込まれるデータの例を示す。先ず、初期状態時の書き込みデータは、海賊版防止のためのIDやトナーセットの固有情報(色、OEM向けかどうかの客先情報等)等である。また、トナーセットをプリンタに装着後に書き込まれるデータは、プリンタ情報やユーザ情報等である。また、正規のトナー詰め替え後、書き込まれるデータは、海賊版防止のためのID等である。
【0109】
図19に海賊版トナーセットの不正使用防止のためのフローチャートを示す。まず、トナーセットのトナーが無くなった場合(S20)、トナーセットに取り付けられているRFIDタグに格納されている現在のIDを消去する(S21)。次に、そのトナーセットを正規の製造メーカーまたは正規のリサイクル業者に返送する(S22)。次に、返送されたトナーセットにトナーを充填する(S23)。その再充填されたトナーセットのRFIDタグに新しいIDを書き込む(S24)。
【0110】
トナーセットをユーザへ返し(S25)、ユーザはそのトナーセットをプリンタに装着する(S26)。このとき、トナーセットとは別にそのユーザに対してIDを送る(S27)。ユーザは、パーソナルコンピュータ等を用いて、S27で送られたIDをプリンタに登録する(S28)。
【0111】
プリンタでは、装着されたトナーセットに取り付けられているRFIDタグに格納されているIDと、S28でユーザが登録したIDとを比較する(S29)。比較したIDが一致すれば、プリンタは使用可能となり、印刷することができる(S30)が、一致しなければ、プリンタは使用不可となる(S31)。
【0112】
上記のように正規のメーカーでトナーを詰め替えた場合、IDを再発行してRFIDタグのIDと別途プリンタに登録したIDとが合致しないと、プリンタが使えないようにすることで不正業者によるリサイクルされたトナーセットは使えないようにする。
【0113】
尚、プリンタへのトナーセットの装着後にRFIDタグに書き込まれるユーザ情報について、どのプリンタで使われているかをサービス等で管理することによりプリンタ/トナーセット一体となった保守サポートが可能である。
(実施例2)
上記実施例1ではトナーセットを用いたが、IDによる認識という点ではドラムセット、その他の消耗品でも良い。また、このカートリッジは、レーザ等の電子写真プリンタだけでなく、インクジェット等の消耗品にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】プリンタの側断面図である。
【図2】プリンタの外観斜視図である。
【図3】トナーセットをプリンタから取り外す様子を示した図である。
【図4】トナーセットとプリンタ制御基板の実装図である。
【図5】RFIDシートに記憶されるデータ(RFIDデータ)を示す図である。
【図6】第1の実施形態におけるRFID制御回路によるチェックフローを示す図である。
【図7】トナー無しになったトナーセットを再び使用できるようにするために暗号データが追記されたRFIDデータを示す図である。
【図8】第2の実施形態におけるRFIDデータの記憶領域の最後尾に記憶されたカウンタデータを示す図である。
【図9】第3の実施形態における複数の管理テーブルを示す図である。
【図10】第3の実施形態におけるRFID制御回路によるチェックフローを示す図である。
【図11】第5の実施形態におけるRFID内のメモリマップを示す図である。
【図12】第5の実施形態における暗号テーブルである。
【図13】第6の実施形態を説明する図である。
【図14】第6の実施形態における媒体間を遷移する故障履歴情報のイメージ図である。
【図15】第9の実施形態におけるトナーセットに取り付けたRFIDタグと、その情報を読み出すRFIDモジュールを示す図である。
【図16】第9の実施形態におけるタンデム型カラープリンタでの、RFIDタグとRFIDリーダとの配置関係を示す図である。
【図17】第9の実施形態におけるモノクロプリンタでの、RFIDタグとRFIDリーダとの配置関係を示す図である。
【図18】第9の実施形態におけるRFIDタグに書き込まれるデータの1例を示す図である。
【図19】第9の実施形態における、海賊版トナーセットの不正使用防止のためのフローチャートである。
【図20】プリンタに用いられる消耗品のリサイクル工程を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
A プリンタユーザ
B プリンタメーカーリサイクル受付センター
C 回収運送業者受注センター
D 最寄営業所
E 純正再生工場
F 再資源化処理
1 プリンタ装置
2 画像形成部
3 両面印刷用搬送ユニット
4 給紙部
5 画像形成ユニット(マゼンダ)
6 画像形成ユニット(シアン)
7 画像形成ユニット(イエロー)
8 画像形成ユニット(ブラック)
9 感光体ドラム
10a 帯電器
10b 印字ヘッド
10c 現像ロール
10d 転写器
10e クリーナ
11 給紙カセット
12 待機ロール
13 搬送ベルト
14 駆動ロール
15 定着ユニット
15a 熱ロール
15b 熱ロール
15c クリーナ
16 MPFトレイ
16a 給紙コロ
17 切換板
18a 搬送ロール
18b 搬送ロール
18c 搬送ロール
18d 搬送ロール
18e 搬送ロール
19 搬送ロール
20 排紙ローラ
21 排紙スタッカ
22 フロントカバー
23 サイドカバー
24 操作パネル
24a 操作部
24b 表示部
30 RFID制御回路
31 アンテナ
32 プリンタ制御基盤
33 RFIDシート
40 ロックビット
41 ベンダーID
42 乱数データ
43 乱数データ
44 暗号データ
50 暗号データ
60 カウンタデータ
70 メモリマップ
71 ファクトリーブロック
72 ユーザID
73 トナーセット番号
74 トナーレベル
75 暗号エリア
76 ユーザエリア
80 サービス治具
81 RFIDタグ
82 エンジンコントロールユニット
90 RFIDタグ
91 RFIDモジュール
92 コントロール回路
93 IC
94 アンテナ
100 トナーセット(ブラック(K))
101 トナーセット(イエロー(Y))
102 トナーセット(シアン(C))
103 トナーセット(マゼンダ(M))
104 RFIDリーダ
105 プリンタコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置の前記消耗品の不正使用を防止する消耗品不正使用防止システムにおいて、
前記消耗品はRFIDタグを備え、
前記画像形成装置により印字された印字枚数の情報を所定の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化する枚数情報暗号化手段と、
前記枚数情報暗号化手段により暗号化した暗号化情報を前記RFIDタグの所定の記憶領域に格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された暗号化情報を取得する暗号化情報取得手段と、
前記暗号化情報取得手段により取得した暗号化情報を復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化された枚数情報と所定値とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、
前記消耗品の再使用処理の場合、前記枚数情報を初期化し、前記初期化した枚数情報を前記所定の記憶領域に格納する初期化枚数情報格納手段と、
を備えることを特徴とする消耗品不正使用防止システム。
【請求項2】
装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、
前記画像形成装置により印字された枚数情報を所定の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化する枚数情報暗号化手段と、
前記枚数情報暗号化手段により暗号化した暗号化情報を前記RFIDタグの所定の記憶領域に格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された暗号化情報を取得する暗号化情報取得手段と、
前記暗号化情報取得手段により取得した暗号化情報を復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化された枚数情報と所定値とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
装着・脱着可能な画像形成装置の消耗品の再使用処理方法において、前記消耗品はRFIDタグを備え、
RFIDタグの記憶領域に格納されている印字枚数情報を初期化し、前記初期化した枚数情報を前記記憶領域に格納する初期化枚数情報格納処理と、
を行うことを特徴とする消耗品の再使用処理方法。
【請求項4】
情報を格納するための記憶手段と装着・脱着可能な消耗品とを備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、
前記RFIDタグの記憶領域に格納されているRFID情報を読み出すRFID読み出し手段と、
前記RFID読み出し手段により取得したRFID情報のうち暗号化された印字枚数情報を除いたRFID情報と前記記憶手段に格納されている管理情報とを照合する管理情報照合手段と、
前記RFID情報に含まれる乱数情報を用いて、前記暗号化された印字枚数情報を復号化する復号化手段と、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記復号化手段により復号化された印字枚数情報と前記管理情報にかかる印字枚数情報とを照合する印字枚数情報照合手段と、
前記印字枚数情報照合手段の照合結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記画像形成装置は、消耗品の充填物の残量を検出する消耗品残量検知手段を備え、
印字対象となる画像から前記消耗品の消耗量を推測する消耗量推測手段と、
前記RFIDタグの記憶領域に格納されている暗号化された消耗品の充填物の残量を復号化する残量復号化手段と、
前記残量復号化手段により復号化した残量から前記消耗量推測手段により推測した消耗量を差し引く残量算出手段と、
前記残量算出手段により算出された残量を暗号化する残量暗号化手段と、
前記暗号化手段により暗号化された残量を前記RFIDタグの記憶領域に格納する手段と、
前記残量復号化手段により復号化した消耗品の残量と前記消耗品残量検知手段により検出した残量とを比較する残量比較手段と、
前記残量比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
装着・脱着可能な消耗品を備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、前記画像形成装置は、消耗品の充填物の残量を検出する消耗品残量検知手段を備え、
消耗品残量検知手段から定期的に前記充填物残量を取得する残量取得手段と、
前記残量取得手段により取得した残量を暗号化する残量暗号化手段と、
前記暗号化手段により暗号化された残量を前記RFIDタグの記憶領域に格納する手段と、
前記RFIDタグの記憶領域に格納されている前記暗号化された残量を復号化する残量復号化手段と、
前記残量復号化手段により復号化した残量と前記消耗品残量検知手段により検出した残量とを比較する残量比較手段と、
前記残量比較手段の比較結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
情報を格納するための記憶手段と装着・脱着可能な消耗品とを備える画像形成装置において、前記消耗品はRFIDタグを備え、
前記RFIDタグの記憶領域に格納されているRFID情報を読み出すRFID読み出し手段と、
前記記憶手段に格納されている暗号化するための変換情報を用いて、前記RFID読み出し手段により読み出されたRFID情報のうち所定の情報を暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を前記RFIDタグの記憶領域に格納する格納手段と、
前記RFID情報のうち、暗号化情報の内容と暗号化情報以外の非暗号化情報であって暗号化の対象となる情報の内容とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記暗号化情報は、
前記RFIDタグの固有情報と、前記消耗品の固有情報と、前記消耗品の充填物残量に基づく情報と、
を備えることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記画像形成装置の故障情報を前記RFIDタグの記憶領域に格納することを特徴とする請求項7、又は8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置は、前記消耗品のRFIDを認識する認識手段を備えることを特徴とする請求項7、8、又は9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は、前記消耗品の固有情報と充填物残量とを前記RFIDタグの記憶領域に格納することを特徴とする請求項7、8、9、又は10記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−176345(P2008−176345A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103007(P2008−103007)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【分割の表示】特願2002−251880(P2002−251880)の分割
【原出願日】平成14年8月29日(2002.8.29)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】