説明

液体中の物質を増大及び/又は減少させるための装置

本発明は、液体中の物質を増大及び/又は減少させるための装置に関する。前記装置は前記液体を進めるためのポンプを含み、該ポンプは前記液体を輸送する置換可能な輸送要素(1)を含む。前記装置は、それが挿入可能かつ格納式輸送及び駆動ユニットを含む点で有利であり、フロー誘導要素が液体中の物質を効果的に増大及び減少させる点で特に有利である。また、本発明は、輸送要素を取り付けるための流体回転子軸受に関する。同心接続モジュールを用いて二管式カニューレを接続することも可能である。前記装置に起因して、集積された再利用可能な血液ポンプに基づいた小型酸素生成システムが製造され、血液において使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液中の物質を増大及び/又は減少させるための装置、並びに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、以下のそれぞれの構成要素、すなわち、酸素供給器(人工肺)、熱交換器、血液フィルタ及び血液リザーバからなり、それらの全てが、血液を輸送するためのチューブを介して互いに接続されているシステムが開示されている。
【0003】
同様に、特許文献2に開示されるように、一体型膜要素及び一体型熱交換器を有する膜型人工肺であって、熱交換器要素が膜型人工肺内に強固に取付けられた膜型人工肺が、最新技術において見られることができる。
【0004】
特許文献3には、酸素供給器(人工肺)の他の実施形態が開示されている。本特許文献には、交換式の熱交換器要素を有するモジュール構造を持つ一体型使い捨て血液酸素供給器(人工肺)が記載されている。
【0005】
特許文献4及び特許文献5において開示された、液体、特に血液を処理するための装置は、例えば、チューブで構成された幾つかのチャンバからなる。とりわけ、サイクロンがチューブ内に部分的に配置されている点で、小型構造が達成されている。
【0006】
同様に、血液を輸送する働きをする多数の遠心ポンプが、最新技術から知られている。
【0007】
例えば、特許文献6には、羽根車が電気的に制御された磁器軸受によって、非接触支持された血液ポンプが示されている。駆動エネルギーに加えて、回転子の非接触軸受のために、さらなるエネルギーが必要である。
【0008】
特許文献7には、回転子が、羽根車及びポンプ室内に収容された複数の磁石によって支持されたポンプが開示されている。
【0009】
さらに、特許文献8には、回転子を安定化させる目的のために、損傷を受けやすい2つの機械式滑り軸受を使用する羽根車を有する血液ポンプが開示されている。軸方向の回転子安定化のために、これらの回転子軸受の一つは、羽根車の後部に自在玉継ぎ軸受を含む。とりわけ、磁気連結装置からの引力は、第一軸受によって吸収される。第二の回転子軸受は、回転子を半径方向に安定化させるため及び磁気連結装置から生じる傾動力を吸収するためのシャフト軸受を含む。
【特許文献1】独国特許第4238884号明細書
【特許文献2】欧州特許第0507722号明細書
【特許文献3】独国特許第69317763号明細書
【特許文献4】欧州特許第0765683号明細書
【特許文献5】米国特許第5817279号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10108810号明細書
【特許文献7】米国特許第5840070号明細書
【特許文献8】米国特許第6116862号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、できるだけ少量の充填容積を有し、外部と接触する表面積が最小となる可動性で、小型で、体外の酸素供給システムを提供する目的に基づいている。さらに、このシステムは、扱いやすく、取り付けが容易で、血液に優しく、かつ再利用可能であるべきである。
【0011】
本発明によれば、この目的は、独立請求項1の特徴を有する装置によって達成される。装置の有利な実施形態は、従属請求項2ないし45から生じる。
【0012】
本発明のさらなる利点、特殊機能及び実質的な改良点は、従属請求項及び図面を参照する好ましい実施形態の下記の提示から生じる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、液体中の物質を増大及び/又は減少させるための装置が、実質的に同心要素からなり、液体を増大及び/又は減少させるための分離要素を有して、それによって減少及び増大されるべき物質が、分離要素の内部に輸送される一方で、液体が分離要素の外部に輸送される膜モジュールとともに提供される。
【0014】
実質的に、本発明の特に好ましい実施形態は、低充填容積、最小化された膜表面及び一体型で、流体力学的に実装された、交換式かつ必要に応じて再利用可能な血液ポンプ、並びに患者の体内又は体外酸化のために最適化されたガス供給を有する小型の、可動式酸素供給システムを含む。
【0015】
装置は、それが患者の少なくとも一つの血管に接続された場合であっても、交換可能である。このことは、駆動ユニットが置換された場合、装置の作動が極めて少しの期間の間のみ、例えば、1秒と30秒との間、好ましくは、最大20秒の間、中断されることを意味する。生理学的効果に関して、このことは装置が作動中に置換されることができることを意味する。
【0016】
装置は、液体を輸送する輸送要素を駆動するための駆動ユニットを含む駆動モジュールを包含する。
【0017】
装置の特に好ましい実施形態において、輸送要素は回転子である。
【0018】
装置は、駆動モジュールが液密閉鎖構造を有する膜モジュール内に挿入され、そして膜モジュールから除去されることができる。
【0019】
その結果、駆動モジュールは、作動中に膜モジュール内に挿入され、そして膜モジュールから除去されることができる。
【0020】
駆動モジュールの軸方向延長において液体を輸送するための輸送モジュールを配置することが実用的である。
【0021】
このことは、輸送モジュールから駆動モジュールを分離しやすいという利点を有する。
【0022】
さらに、輸送要素およびそれを取り囲むハウジング、好ましくは、回転子ハウジングを、それらが互いから分離され得るように配置することが実用的である。
【0023】
この場合において、輸送要素、好ましくは、回転子は、駆動モジュールが置換されている間、液体中にある、
【0024】
輸送要素、好ましくは、回転子が、液体に対する導入線及び/又は液体に対する排出線に関して液密であるように密封される場合、輸送要素もまた、置換可能である。
【0025】
駆動ユニットが液体中に配置されているために、液体が暖められることができる。
【0026】
この液体が駆動装置と直接接しておらず、追加の仕切りを用いて駆動装置から離れていることが好ましい。
【0027】
要素は、それらが同心円状に配置されていれば、任意の望ましい幾何学的構造であり得る。空間要求を低減するために、放射対称性の形状、とりわけ、球体、楕円又は円筒形状を有する構造であることが好ましい。
【0028】
分離要素は、それが液体を増大及び/又は減少させる目的で、半透過性物質からなる中空繊維を有するように構成されることが実用的である。
【0029】
半透過性物質からなる中空繊維の使用が有利である。これらの繊維は、拡散によるとりわけ効率的な分離工程を許容する。
【0030】
本発明の好ましい実施形態は、少なくとも一つの半透過性膜の使用を提案する。本明細書中で、用語「半透過性」は、第一物質、好ましくは、酸素及び/又は二酸化炭素が通過することを許容される一方で、他の物質、好ましくは、水が通過することができない膜の構造を指す。
【0031】
液体を増大及び/又は減少させる目的で、分離要素が半透過性物質と一緒に提供されることが同様に有利である。
【0032】
半透過性物質が繊維膜を含み、それによって減少されるべき物質が繊維の間に配置され、増大されるべき物質が中空繊維中に配置されることが好ましい。
【0033】
これにより、分離効果に使用可能な表面積が増加する。
【0034】
繊維の傾斜配置は、液体中、とりわけ血液中に乱流を産生する。その結果、物質移動そしてそれによる分離効果が増大される。
【0035】
置換能を向上させるために、駆動モジュールが少なくとも一つのその末端上に着脱容易な密閉構造を有することが実用的である。
【0036】
着脱容易な密閉構造が酸素供給システムの基本要素上に配置されることが好ましい。
【0037】
特別な実施形態において、信頼性のあるラッチを確保しつつ偶発的な開放を防止するために、着脱容易な密閉構造がバイオネット係合であり得る。
【0038】
適切な着脱容易な密閉構造の他の実施形態は、ネジ式密閉構造及びクランプ式密閉構造である。
【0039】
磁気密閉構造もまた実用的である。
【0040】
密閉構造は要素の一端に配置されることが好ましい。その結果、装置の作動中、駆動要素が確実に取り付けられることができる。
【0041】
駆動要素はモータ又はタービンであることが好ましい。用語「モータ」は、輸送要素にトルクを移動させるのに適切な全てのドライブを指す。電動モータの使用が特に好ましい。タービンは空気圧で駆動されることが好ましい。
【0042】
ショック吸収要素が駆動ユニットと回転子ユニットとの間に配置されることが有利である。
【0043】
ショック吸収要素は、駆動要素が挿入されている場合、それが衝撃を低減させるように構成されることが有利である。
【0044】
ショック吸収要素は、空気用の一つ又はそれ以上の小さい排出口に接続された空気で充填された空洞からなることが好ましい。
【0045】
ここで、空気用の排出口は、駆動要素の挿入が少なくとも0.5秒、好ましくは、1秒と10秒との間、遅延されるように配置される。
【0046】
移動されるべき空気の特に好ましい容量、特に約10ミリリットルと約500ミリリットルとの間、好ましくは、最大で200ミリリットルの場合、望ましい遅延を獲得するために設定されるべき送出空気の流量は、1秒当たり1ミリリットルと1秒当たり500ミリリットルとの間である。10ミリリットルと200ミリリットルとの間の特に有利な空気容積及び2秒と10秒との間の望ましい最小遅延の場合、設定されるべき送出空気の流量は、1秒当たり5ミリリットルと1秒当たり100ミリリットルとの間である。
【0047】
本発明は現在知られているECMOシステムより優れた幾つかの利点を有する。
【0048】
本発明の特に好ましい実施形態は、以下によって特徴付けられている。すなわち、易操作性及びシステムの低重量に起因して、静止状態で使用されるのみならず、移動式ユニットとして、救急車、救急医輸送手段又はヘリコプターにおいて、事故現場まで直接輸送されることができる。装置は一人の人によって容易に運ばれて操作されることができ、その小型設計によって、医療用鞄に入れることができる。
【0049】
再利用可能な血液ポンプ駆動モジュールへの好ましい分解、すなわち駆動ユニット、及び使い捨てユニットへの分解、すなわち駆動ユニットを囲むモジュール、好ましくは、膜モジュールは、本発明にかかる装置の多目的利用を許容する。
【0050】
血液ポンプが酸素供給器(人工肺)内に直接集積された場合、それは同時に血液の温度制御に寄与する。
【0051】
このことは、外部熱交換集合体に対する必要性をなくす。それでもなお、同様に、血液をさらに暖めるためにそのような熱交換集合体を使用することが可能であるが、追加の熱交換集合体を有さない実施形態は、それらがより小型であるために、より有利である。要素同士を連結するために、チューブ連結及び連結装置を必要としない。安全性を高め、さらに外部及び充填容積(すなわち、システムから空気を移動させるために、システムが外部血液又は血液代替液体で充填されなければならず、これによって塞栓症を予防する容積)と接触する表面積を減少させる。集積された血液ポンプの駆動は、動作中であっても、迅速かつ容易に除去されることができ、そしてそれが血液と接触しないために再利用されることができる。また、少量の充填容積に起因して、本発明は子供における使用のためにも、とりわけ適切である。
【0052】
さらに、少なくとも一つのセンサーを使用することが実用的である。特に実用的な例は、血液の温度、血液及び/又は血液ガスの流量を測定するためのセンサーである。
【0053】
さらに、少なくとも一つの圧力センサーを使用することが実用的である。圧力センサーの使用は、実際の圧力と予め定義可能な目標圧力との間の同等化を許容する。要素の近く又は要素の一つの内側において、少なくとも一つのセンサーを使用することが特に有利である。さらに、カバーの近くにおいて少なくとも一つのセンサーを配置することが有利である。
【0054】
本発明の膜モジュールは少なくとも二つの要素を有する。
【0055】
例えば、要素は互いに対して同心円状に配置されたシリンダであって、
・ 中空の、微小孔性膜が、シリンダの間に配置され、シリンダの間のスペースが液密となるように端部で密閉され、
・ 三つのシリンダの再深部は、輸送モジュールから反対側に、着脱容易な密閉構造の付いたカバーを有する。
【0056】
安全面を考慮して充填容積を減少させるために、輸送モジュールの実用的な実施形態は、それが少なくとも二つの要素の最深部の内側に配置され、動作中に挿入及び除去されることができるように、幾何学的に構成されている。
【0057】
輸送モジュールの特に好ましい実施形態は、その径方向外径が最深部のシリンダの内径より小さくなるように構成されている。
【0058】
輸送モジュールの実用的な実施形態は、それが装置の組み立ての間、最深部のシリンダの内部に挿入されることができることを特徴とする。
【0059】
二管式カテーテルの接続を許容するために、本発明にかかるシリンダの一つの一端部上にキャップを配置することが有利であり、該キャップは、液体を供給及び排出するために互いに同軸上に配置された給水線及び排出線を有する。
【0060】
ガス輸送を最適化するために、とりわけ二酸化炭素を除去するために、第一要素と第二要素との間、及び/又は第二要素と第三要素との間に配置された微小孔性膜のそれぞれが、物質供給線及び物質排出線とともに供給されることが実用的である。
【0061】
要素が回転対称、特に球体、楕円又は円筒形である場合、そのような実施形態がとりわけ有利である。
【0062】
このような理由のために、好ましい実施形態において、第一要素と第二要素との間に配置された膜、及び/又は第二要素と第三要素との間に配置された膜のガス供給線が、シリンダの反対端に配置されている。
【0063】
血液疾患及び血液凝固を最小限にするとともに、モジュール方式を確保するために、液体中の物質を増大及び/又は減少させるための装置が、それが駆動ユニットの力及び/又はトルクを、非接触な輸送要素に移動させるように液体を輸送する輸送要素を駆動するための駆動ユニットと一緒に構成されることが実用的である。
【0064】
特に好ましい実施形態において、液体」中の物質を増大及び/又は減少させるための装置が、それが駆動ユニットの力及び/又はトルクを、磁気連結によって輸送要素に移動させるように液体を輸送する輸送要素を駆動するための駆動ユニットと一緒に構成されるという点で、このことが達成される。
【0065】
装置の実用的な実施形態は、実質的に円筒形状の容器内に駆動ユニットを収容し、該駆動ユニットは動作中に熱を発生することを提案する。
【0066】
装置の実用的な実施形態は、実質的に円筒形状の容器内に駆動ユニットを収容し、該駆動ユニットは電動モータであることを提案する。
【0067】
装置の実用的な実施形態は、実質的に円筒形状の容器内に駆動ユニットを収容し、該駆動ユニットはタービンであることを提案する。
【0068】
本発明の実用的な実施形態は、実質的に円筒形状の容器内に駆動ユニットを収容し、該駆動ユニットは、外部の液体が輸送される円筒形状の容器と熱伝導接触していることを提案する。
【0069】
輸送要素とその周囲のハウシングとの間のスペースにおける第一輸送流に逆行する第二流によってもたらされる流体機構の軸受及び/又は磁気軸受とともに径方向に取り付けられる輸送要素を、装置が有することが有利である。
【0070】
そのような軸受の利点は、流体軸受の簡素な構造及び様式である。特に好ましい実施形態において、従来の水力学軸受(約10マイクロメートルから100マイクロメートル)と比較して、その軸受クリアランス(約100マイクロメートルから1000マイクロメートル)を有する輸送要素が、より大きな軸受クリアランスにおいてさえも動作されることができるように、流体軸受が構成されている。特に、このことは、本発明において、血液細胞に対する損傷が従来の水力学軸受よりもかなり小さく、その結果、本発明に記載された酸素供給システムが、はるかに患者に優しく動作されることができるという利点を伴う。
【0071】
装置が、駆動モジュールに面する側において固体軸方向軸受内に取り付けられた輸送要素を有することが有利である。
【0072】
装置の特に好ましい実施形態は、酸素供給器を含む。また、装置自体が酸素供給器となることが可能である。
【0073】
装置を、その内部において、それが径方向に流体力学的に安定化された血液ポンプを取り囲むように構成されることが有利である。
【0074】
装置の特に好ましい実施形態は、それが軸方向、半径方向又は斜め方向に遠心分離式の血液ポンプを有することを特徴とする。
【0075】
本発明にかかる酸素供給器を、それが外側繊維束及び内側繊維束を有し、それによって電磁気駆動ユニットが外側繊維束と内側繊維束との間に集積され、該駆動ユニットが内側上に配置された中心羽根車に対する径方向の磁気連結を有するように構成することが実用的である。
【0076】
また、酸素供給器が、外側繊維束及び内側繊維束を有し、それによって電磁気駆動ユニットが外側繊維束と内側繊維束との間に集積され、該駆動ユニットが内側に配置された中心羽根車に対する径方向の磁気連結を産生することも有利である。
【0077】
装置の特に好ましい実施形態は、磁気連結に作用する磁力がポンプ室内の羽根車を安定化することを特徴とする。
【0078】
また、本発明にかかる酸素供給器を、それが外側繊維束及び内側繊維束を有し、それによって電磁気駆動ユニットが外側繊維束と内側繊維束との間に集積され、該駆動ユニットが外側繊維束及び内側繊維束を暖めるように構成することも有利である。
【0079】
少なくとも二つの駆動モジュールを用いて本発明にかかる装置を構成することが有利である。
【0080】
二つの連続的に結合された駆動モジュールの配置が、より小さくかつより小型の駆動モジュールの使用を許容する。
【0081】
二つの駆動モジュールを平行に連結されるように配置することが特に有利である。この場合、一方の駆動モジュールが運転休止中であるのに対して、他方の駆動モジュールが運転され続けることができる。また、一方の駆動モジュールが望ましい駆動力を伝達している間に、他方の駆動モジュールに置換することが可能である。
【0082】
発明のさらなる利点、特徴及び好ましい改良点は、従属請求項及び図面に言及する好ましい実施形態以下の開示の主題である。これらは以下の図面に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0083】
本発明を、実施形態に基づいて以下により詳細に説明する。
実質的に、装置は流体がシステム内に供給されるとともにシステムから排出されることを許容する手段を有する。例えば、これらは導入流路及び排出流路を意味する。しかし、また、幾つかの吸気流路及び/又は排気流路が供給されることができる。
【0084】
血液が血液流入口を通って酸素供給器内に流入して、まず集積された血液ポンプを通って輸送される。その後、血液はチャンバ内に流入して、そこから血液は血液排出口を通って、システム外に流出する。
【0085】
酸素供給システムの血液流入口及び血液排出口が、同軸上に構成されることができ、その結果、二管式カテーテルが、アダプタを用いることなく、直接接続されることができる。このことは、チューブシステムにおける重複が避けられるという利点を有する。その結果、フロー分離、死水域又は血栓形成が防止される、また、このことは、酸素供給システムが使える状態になるまでに必要な時間を短縮する。
【0086】
これは、特に危機的状況の間、決定的な優位性である。
【0087】
図1は、集積された血液ポンプを有し、その長手方向軸の周りに実質的に回転対称である酸素供給システムの断面図を示す。システムは、実質的に酸素供給器及びその内部に配置された血液ポンプからなる。酸素供給器は、シリンダ250,260及び270、並びにそれらの内部に含まれる繊維330及び340、そしてその端部上のカバー要素230及び240から構成される膜モジュールからなる。血液ポンプは、輸送モジュール10〜60及び駆動モジュール70〜150から構成される。組み立ての目的のために、輸送モジュールが酸素供給器の最深部のシリンダ250内に挿入される。輸送モジュールは、カバー230の開口部上の肩形成及びナット170によって取り付けられる。駆動モジュールは、本実施形態の場合、押しボタン100、コネクタ120を取り付けるコネクタホルダ110、リング要素130、バネ140及び戻しピン150からなるバイオネット係合として構成されている。ユニットが酸素供給システム内に挿入された場合、その係合がこの目的のためにカバー240内に提供された溝400内に掛け金をかける。バネが回転子モジュールに対して駆動モジュールを押圧し、それによって駆動モジュールを軸方向に取り付ける。バイオネット係合を回転させる間にボタンを押し下げることによって、駆動モジュールが再び掛け金が外れる。バネによって、押しボタン100が酸素供給器ハウジングから外れ、その結果、駆動ユニットが酸素供給器から容易かつ迅速に除去されることができる。
【0088】
羽根車10は、磁気連結40,70を用いてモータ90によって駆動される。支持軸受20は、磁気連結40,70から引力を吸収し、羽根車10の軸方向軸受としての機能を果たす。羽根車10の径方向安定化は、流体力学軸受30を用いて非接触で生じさせられ、流体力学軸受30は磁気連結40,70から偏向力を吸収する。
【0089】
図2は、磁気連結70、八極ケーブル及びコネクタ120を有するモータ95からなる駆動モジュールを示す。モータカバー80がネジ留めされている場合、磁気連結装置を有するモータは、モータハウジング90によって完全に囲まれている。コネクタを有するケーブルはハウジングから出ている。電源の嵌め合わせコネクタへの直接接続が外側から可能となるように、コネクタが二つのネジ370によって多部品装置100〜150において取り付けられている。三部コネクタホルダの中央構成要素は、バイオネット係合のための二つの位置決めピン380が挿入される二つの穴を有するリング130である。コネクタホルダ150の最大構成要素は、コネクタから外方に向く側の三つのフック150に取り付けられる。これらのフック150は、モータハウジング内でスリット390と係合し、それによって、駆動モジュールを集積させているが、それでもなお、モータハウジング90に対して軸方向運動を許容する。取り付けられた状態において、駆動モジュール内部のバネ140がシリンダ250内のモータハウジング90の遊動自在な軸方向位置決めを確保する。バイオネット係合が開放された場合、バネが内部シリンダ250からコネクタ及びホルダを押圧する一方で、駆動モジュールの他の構成要素は、初めは変化せず、磁気連結の引力によって酸素供給ユニット内に保持される。システムの操作者は、コネクタホルダを握って酸素供給器から駆動モジュールを除去することができる。モータは、モータトルクに起因して、回転に対して二重保護を有する。トルクは、モータがモータカバーによって固定されるモータハウジングによって直接吸収される。モータハウジングは、回転に対してバイオネット係合によって順に固定され、トルクは溝及びピンからなる要素対によって吸収される。
【0090】
図3は、二部分からなるコネクタ側のカバーを示す。すなわち、バイオネット溝400が分離シリンダ410内に提供され、製造をかなり簡素化させている。シリンダはネジを用いてカバー230に接続されている。
【0091】
図4は、羽根車の領域及び流体力学軸受30におけるフロー誘導を示す。羽根車10によって輸送されるフローは、次に第一シリンダ250と第二シリンダ260との間のフロー流路内部に主として供給される。羽根車10を離れた後、このフローの一部は、羽根車10とその周囲のハウジングとの間のリング流路内に分岐される。この逆方向のフローは、羽根車10の径方向安定化をもたらす。
【0092】
図5は、血流(実線)及びガス流(破線)が互いに関して逆流で二回運ばれる様子を示す。血液は流入口160を通って酸素供給器内部に流入する。矢印で示すように、血液は初めに第一シリンダ250内の開口部290を通って、接着ボンド350によってその端部で閉じられる第一チャンバ310内部を流れ、次に、半透過性の中空繊維膜330を流れ出す。その後、血液が第二シリンダ260内の凹部300を通過した後、同様にその端部で接着された第二チャンバ320内を反対方向に流れる。血液は第三シリンダ270内の通路280を通って血液カバー230内部を流れ、血液排出口180を通ってシステムを離れる。酸素が初めにガス流入口190を通ってシステムに入り、その後第一シリンダ250と第二シリンダ260との間に配置された膜を通ってチャンバ310内部を流れるという点で、二重逆流酸化が可能である。このガス流は、排出口200を通って酸素供給システムを離れる。第二ガス流210は、膜を通って第二シリンダ260と第三シリンダ270との間のチャンバ320内部に同時に運ばれ、次に、第二ガス排出口220を通って再び流出する。
【0093】
数回の新鮮な酸素の供給が、効果的なガス移動を確保する。とりわけ、本発明のこの好ましい実施形態は、二酸化炭素の移動を促進し、その消失は極めて重要である。本実施形態において、酸素又は空気混合は、二箇所での逆流においてシステム内部に供給される。この配置のさらなる利点は、ガス供給のより柔軟性のある測定、制御及び調整である。したがって、臨床像に依存して、まず第一に、例えば、二酸化炭素の除去を制御するために、純酸素が第一チャンバ内部に供給され、次に所定の空気混合が第二チャンバ内部に供給されることができる。他の考えられるアプローチは、第一チャンバ内部への酸素の供給と、第二チャンバ内部へのガス麻酔薬との組み合わせ供給である。同様に、初めに人工呼吸が行われ、その後、肺不全の考えられる原因である有害物質が、第二チャンバ内に除去されることができる。例えば、これは、血流の透析を実行することによって行われる。
【0094】
実質的に、装置はシステム内部への流体の供給及びシステムからの流体の排出を許容する手段を有する。例えば、これらはコネクタまたは開口部である。特別な実施形態において、本発明は、二重の直接逆流原理によってガス流と血流との間の物質移動を許容する酸素及び二酸化炭素のための特別なフロー誘導を有する。この目的のために、酸素は、チャンバ310及び320内に配置された半透過性の中空の繊維膜330及び340(それぞれの場合、一つの膜が一例として示される)の内部に運ばれて、酸素がそれらを満たす。集積された血液ポンプが、特に迅速な取り付け及び取り外しを許容する手段で取り付けられ、シリンダ250と熱伝導接触し、血液がシリンダ250によって流れ出す際に熱が血液に与えられるために、これにより、温度が制御されるので、このことが可能である。さらなる温度制御が可能であるが、特に好ましい実施形態においては必要ではない。
【0095】
したがって、特別な実施形態において、内部チャンバ310の繊維材料は、酸素供給用及びとりわけ二酸化炭素の除去用に使用されることができる。二酸化炭素の除去は、まさに肺疾患患者の場合に特に重要である。除去は、より高いガス流速によって増加されることができる。流速の大きさは、酸素供給器内で使用される圧力条件(塞栓症の危険性)によって制限される。本発明の配置によって、従来の酸素供給器と比較して、より多くの二酸化炭素が流出されることができる。
【0096】
集積された血液ポンプは、ポンプが動作中であっても、いつでも迅速に置換されるような手段を用いて提供される。典型的な実施形態において、この手段はクランプ式密閉構造またはネジ留め密閉機構であり得る。特に好ましい実施形態において、本発明にかかる装置は、着脱容易な密閉構造を有する。
【0097】
特に実用的な実施形態において、着脱容易な密閉構造は、反跳力、例えば、弾性的に変形した材料、すなわちバネを生成する手段を有する。
【0098】
特に好ましい実施形態において、着脱容易な密閉構造は、バネ要素を有する。バネ要素は、磁気連結を有するモータが回転子モジュールに対して押圧され得、連結が開放されている場合であっても、駆動集合体がその位置を維持するように、駆動集合体が取り付けられていることを保証する。
【0099】
掛け金の目的のために、着脱容易な密閉構造は、迅速かつ確実な挿入及び迅速除去を許容する手段を有する。例えば、バネ要素は駆動要素の除去を促進する。
【0100】
特別な実施形態において、着脱容易な密閉構造は、バイオネット係合である。駆動ユニットが開放された場合、バネ要素によって、バイオネット係合が外れ、その結果、緊急事態において、動作中であっても、駆動ユニットが迅速に除去されることができる。これにより、患者の安全性が保証される。
【0101】
酸素供給器内部への血液流入口160を通る血流は、まず集積された血液ポンプによって、最深部のシリンダ250内の凹部290を通って、シリンダ250とシリンダ260との間のチャンバ310内部へ運ばれる。その後、血液はシリンダ260内の流路300を通って、シリンダ260及びシリンダ270からなるチャンバ320内に流入し、そしてそこからシリンダ270内の開口部280を通り、血液排出口180を介してシステム外に流出する。チャンバは半透過性の繊維材料330及び340でほとんど完全に充填されているため、血流が膜を通過して、拡散によって物質移動が行われ得る。上述の特別な配置のために、濃度勾配が上昇されて、物質移動又はガス移動が改善され、そのことは、とりわけ小型化された、コンパクトな酸素供給システムの実施形態にとって、極めて重要である。
【0102】
酸素供給システムの血液流入口及び血液排出口は、同軸上に構成され、その結果、二管式カテーテルが、アダプタを必要とせず、直接結合されることができる。このことは、チューブシステムにおける重複が避けられ、酸素供給システムが使える状態までに必要な時間が短縮されるという利点を有する。これは特に危機的状況の間、決定的な優位性である。
【0103】
図6は、二管式カテーテル用の同軸接続を示す。特別に設計されたカバー280は、血液流入口160の上に配置されている。このカバー26は、必要に応じて使用されることができる。
【0104】
図7は、集積された血液ポンプを有する酸素供給システムにおける他の実施形態の断面図を示す。実質的に、システムは酸素供給器及びその内部に配置された血液ポンプからなる。酸素供給器は、シリンダ250,260及び270、並びにその端部にカバー要素230及び240からなる膜モジュールから構成されている。血液ポンプは、輸送モジュール10〜60及び駆動モジュール70〜150からなる。
【0105】
組み立ての目的のために、輸送モジュールが酸素供給器の最深部のシリンダ250内部に挿入される。輸送モジュールは、カバー230の開口部上の肩形成及びナット170によって取り付けられている。
【0106】
駆動モジュールは、この場合は、コネクタ120を取り付けるコネクタホルダ110と、リング要素130と、バネ140と、戻しピン150からなるバイオネット系合として構成された着脱容易な密閉構造を有する。ユニットが酸素供給システム内部に挿入された場合、係合はカバー240に接続されたシリンダ要素410内にこの目的のために提供された溝400内部に掛け金をかける。バネは回転子モジュールに対して駆動モジュールを押圧し、それによって駆動モジュールを軸方向に取り付ける。バイオネット係合を回転させている間にボタンを押し下げることによって、駆動モジュールが再び掛け金が外れる。バネによって、要素110〜150からなる押しボタン100が酸素供給器ハウジングから外れ、その結果、駆動ユニットが、酸素供給器から容易にかつ迅速に取り外されることができる。
【0107】
羽根車10は、磁気連結40,70を用いてモータ90によって駆動される。支持軸受20は、磁気連結40,70から引力を吸収して、羽根車10の軸方向軸受としての機能を果たす。羽根車10の径方向安定化は、流体力学軸受30を用いて非接触で生じさせられ、流体力学軸受30は磁気連結40,70から偏向力を吸収する。
【0108】
駆動モジュールは、磁気連結70有するモータ95、八極ケーブル及びコネクタ120をから構成される。磁気連結を有するモータは、モータカバー80がネジ留めされている場合、モータハウジング90によって完全に囲まれている。コネクタを有するケーブルがハウジングから出ている。電源の嵌め合わせコネクタへの直接接続が外側から可能となるように、コネクタが二つのネジ370によって多部品装置110〜150において取り付けられている。三部コネクタホルダの中央構成要素は、バイオネット係合のための二つの位置決めピンが挿入される二つの穴を有するリング要素130である。コネクタホルダ150の最大構成要素は、コネクタから外方に向く側の三つのフック150に取り付けられる。これらのフック150は、モータハウジング内でスリット390と係合し、それによって、駆動モジュールを集積させているが、それでもなお、モータハウジング90に対して軸方向運動を許容する。取り付けられた状態において、駆動モジュール内部のバネ140がシリンダ250内のモータハウジング90の遊動自在な軸方向位置決めを確保する。バイオネット係合が開放された場合、バネが内部シリンダ250からコネクタ及びホルダを押圧する一方で、駆動モジュールの他の構成要素は、初めは変化せず、磁気連結の引力によって酸素供給ユニット内に保持される。システムの操作者は、コネクタホルダを握って酸素供給器から駆動モジュールを取り外すことができる。モータは、モータトルクに起因して、回転に対して二重保護を有する。トルクは、モータがモータカバーによって固定されるモータハウジングによって直接吸収される。モータハウジングは、回転に対してバイオネット係合によって順に固定され、トルクは溝及びピンからなる要素対によって吸収される。
【0109】
カバーは二つの部分からなり、コネクタ側に配置されている。バイオネット溝400が、分離シリンダ410内に提供され、製造をかなり簡素化させている。シリンダはネジを用いてカバー230に接続されている。
【0110】
フロー誘導は、流体力学軸受30によってもたらされる。次に、羽根車10によって輸送されたフローは、次に第一シリンダ250と第二シリンダ260との間のフロー流路内部に主として供給される。羽根車10を離れた後、このフローの一部は、羽根車10とその周囲のハウジングとの間のリング流路内に分岐される。この逆方向のフローは、羽根車10の径方向安定化をもたらす。
【0111】
輸送モジュールは、輸送要素10、軸受20,30、磁石40、自在玉継ぎ軸受50、基板60、流入口60及びリング要素65からなる。駆動モジュールと同様に、輸送モジュールは膜モジュール内部に挿入され、必要な場合再び除去されることができる。
【0112】
上述の実施形態において、カバーが他の部分と一緒にネジ留めされる。装置の部分同士をネジ留めすることは基本的に可能である。このことは、カバーが分解しやすいという利点を有する。
【0113】
しかしながら、任意の望ましい方法で、装置の部分同士を接続することが同様に可能である。そのような可能性は、例えば、圧着接続又は能動接続などの取り外し可能な接続、並びに、例えば、射出成形品の成型、接着、又は溶接などの分離不能の接続を含む。
【0114】
図8は、輸送要素10、軸受20,30、磁石40、自在玉継ぎ軸受50、基板60、流入口60及びリング要素65からなる輸送モジュールを示す。駆動モジュールと同様に、輸送モジュールは膜モジュール内部に挿入され、必要な場合再び除去されることができる。
【0115】
図9における矢印は、駆動モジュール500及び輸送ユニット510が、膜モジュール520及び二つのカバー230,240からなる酸素供給器内部に挿入される好ましい方向を示す。
【0116】
図10は、血流及びガス流に対する好ましい方向を示す。静脈血は、血液ポンプによって引き込まれ、流入口60で酸素供給システムに入る。酸素が増大された血流は、排出口180でシステムを離れる。酸素又は外気は、接続部190及び210でシステム内に流入し、二酸化炭素が増大されたガス流は、開口部200及び220でシステムを離れる。
【0117】
血流及びガス流は、互いに関して逆流で二回運ばれる。血液は流入口60を通って酸素供給器内部を流れる。矢印で示すように、血液は初めに第一シリンダ250内の開口部290を通って、適切な接着ボンドによってその端部で閉じられる第一チャンバ310内部を流れ、次に、血液は半透過性の中空繊維膜330を流れ出す。その後、血液が第二シリンダ260内の凹部300を通過した後、同様にその端部で接着された第二チャンバ320内を反対方向に流れる。血液は第三シリンダ270内の通路280を通って血液カバー内部を流れ、血液排出口180を通ってシステムを離れる。酸素が初めにガス流入口190を通ってシステムに入り、その後第一シリンダ250と第二シリンダ260との間に配置された膜330を通ってチャンバ310内部を流れるという点で、二重逆流酸素添加が可能である。このガス流は、排出口200を通って酸素供給システムを離れる。第二ガス流210は、膜340を通って第二シリンダ260と第三シリンダ270との間のチャンバ320内部に同時に運ばれ、次に、第二ガス排出口220を通って再び流出する。
【0118】
装置の特に好ましい実施形態は、極めて小型でかつモジュール構造に基づき、適切な酸素供給を提供することおよび二酸化炭素を除去することによって、肺(及び/又は心臓)を補助することが可能な技術的特徴を含む。本発明にかかる酸素供給システムは、易操作性及び再利用性可能性に配慮して開発された。輸送モジュール及び駆動モジュールからなる血液ポンプがシステム内部に完全に挿入されて取り付けられて、着脱容易な密閉構造によって適切な位置に固定される。モータユニットが、磁気連結を用いて、非接触で回転子上にトルクを移動させる。ポンプの回転子は、流体力学的に軸支され、その結果、回転子はとりわけ血液に優しく、長期使用に適している。さらに、このタイプの軸受は、システムのモジュール構造を許容し、その結果、血液ポンプユニットが容易に組み立てられ、再利用される。血液温度は、モータから放出される熱によって制御され、熱交換器を使用しないことが可能である。二管式カテーテルは、低侵襲使用の目的で特別な同軸接続に接続されることができる。
【0119】
特に好ましい実施形態は、システムのモジュール構造を許容する手段を有する。とりわけ時間節約の組み立てのために、回転子が組み立ての目的で酸素供給モジュール内部に容易に挿入されることができるハウジング内に配置されるように、回転子領域が構成されている。
【0120】
図9は、手順の特に好ましい実施形態を示す。他の考えられる実施形態は、システムの残りを変えることなく、所定の用途に依存して、代替として使用されることができる、異なるタイプの回転子又は軸受の実施形態である。
【0121】
回転子かごと同様に、駆動集合体もまた、置換されることができる。具体的には、駆動集合体動作中に迅速に置換されることができる。これは着脱容易な密閉構造によって可能となる。とりわけ早い動作が必要な危機的状況において、欠陥のある駆動集合体が新しい駆動集合体によって迅速に置換されることができることを保証されなければならない。また、本実施形態のモジュール設計は、異なる駆動集合体の使用を許容する。したがって、例えば、特別な実施形態において、駆動集合体は、ドライブとして酸素タンクからガス流を使用し、電源又はバッテリパックに依存することのないタービンであり得る。
【0122】
より低い転がり軸受(機械軸受)に対比して、回転子の非接触流体軸受が、血液ポンプの流入口領域内に存在し、それが軸方向において羽根車を安定化させる。非接触ラジアル軸受の利点は、損傷の最小化を除いて、特にまた、血小板凝集の危険性及び血液に対する損傷の低減である。さらに、ポンプ及び酸素供給システムの全体構造がそのような軸受によってかなり簡素化されているために、製造努力および生産コストもまた、それに応じて低下される。
【0123】
非接触ラジアル軸受に基づいて、ラジアル軸受の設置公差が極めて大きくなるように選択されることができるため、ポンプが酸素供給器に迅速かつ容易に取り付けられることができる。さらに、ポンプ部の数が減少され、同様に、製造努力の低減に寄与する。
【0124】
血液ポンプは、ポンプの排出口がガス移動手段の流入口内部に直接開口するように、ハウジング内部に集積されている。この小型構造のために、駆動システムと酸素供給器との間のチューブ結合の必要性が避けられる。これによりシステムの充填量が減少される。
【0125】
モジュール構造を持つ集積された回転式血液ポンプの磁気連結を含む輸送モジュール及び駆動モジュールは、この目的のためにベースカバー内に備えられた開口部を通って容易に挿入されることができる。駆動ユニットは適切な位置に確実に固定されて、着脱容易な
密閉構造を用いて取り付けられる。特別な実施形態において、着脱容易な密閉構造は、バイオネット係合であり得る。使用後又は危機的状況(例えば、ポンプの故障)において、安全機構が迅速に留め金を外されて、駆動ユニットが急速に置換されることができる。耐久性のある血液ポンプユニットの再利用可能性は、資源を節約して環境面で極めて有利である。
【0126】
好ましい実施形態において、集積された血液ポンプのモータからの熱が、首尾よくかつ制御ユニットを使用を必要とせずに、大小の血流速度の場合に酸素供給器表面を介して発生する血流の熱損失を自動的に補い、生理学的体温が血液において維持されるために、熱交換器を使用しないことが可能である。さらに、このことによって、外部と接触する酸素供給器の充填容量及び表面積が低減される。それ故に、患者の大量出血並びに全身性、炎症性反応及び感染の危険性が軽減される。
【0127】
図11は、集積された血液ポンプ1000,1010,1020,1030,1050,1070,1310,1350及び集積された駆動ユニット1230を有する酸素供給器を示し、それによって、永久磁石軸方向連結1300,1320を用いて非接触で、トルクが駆動ユニット1230から羽根車に伝達される。
【0128】
血流1040は、ポンプ流入口1050を介してポンプ内部に供給され、その後、血流は羽根車1000の羽根領域1010を通って主流1100として流れる。ポンプ内で増強された圧力に起因して、主流1100を除いて、血液が耐えられるようにポンプが動作することが極めて重要であるさらなる第二流1090,1110が生じる。羽根車の排出口におけるより高い圧力によって、主流1100の一部がフラッシング流1110として羽根車の排出口で分岐されて、羽根車1000の後ろと反対側のポンプカバーとの間の軸方向すき間を通って流れる。圧力勾配に起因して、このフラッシング流1110は、内側に向かって放射状に配向されるとともに、羽根車本体1000内で機械加工されたフラッシング流路1340を通って羽根車の前に再び運ばれる。
【0129】
このように、フローが羽根車の後ろを通って効果的に流れ、このことは血栓沈降の場合重大であり、それによってその領域を流れのよどみから守っており、またフローが効率的に勢いよく流れ、そしてこの領域内に配置された羽根車の旋回軸受1120、1125を冷却する。最終的に、これにより血液に優しい羽根車の後ろでのフロー誘導が生じる。
【0130】
同様にして、主流1100の他の部分は、羽根車における圧力分布の結果としての漏れ流れとして分岐され、そこから他の部分が、羽根車の羽根及び/又は羽根車の他の部分、並びに、必要に応じて反対側のポンプハウジング1030に強固に結合されたカバーディスク1020の間の径方向すき間を通って流れる。
【0131】
特に好ましい実施形態において、この漏れ流れ1090は、羽根車1000を径方向に安定化するために効果的に利用され、安定化はすき間内に広がる流体力に起因する。このラジアル軸受の動作モードは、主に、「Lomakin効果」に基づいている。
【0132】
羽根車1000が、ポンプハウジング1030内で同心位置にある場合、定常静圧が軸受すき間1090内でその外周に沿って広がる。しかしながら、羽根車が横方向に偏向された場合、軸受すき間は偏向された側に狭くなり、それに応じてすき間の正反対側に拡大される。より狭いすき間領域における圧力が異なる流動抵抗のために正反対側における圧力に対して上昇するために、カバーディスク1020及び羽根車1000上の効果は、ポンプハウジング1030内の同軸位置に再び羽根車1000を移動させる径方向の回復力である。その結果、旋回軸受、すなわち、転がり軸受1120,1125と一緒になって、これら二つの構成要素間で生じる任意の機械的接触の必要なく、ポンプハウジング1030内に羽根車1000の完全な回転子軸受を生成する径方向に効果的な軸受が存在する。本実施形態において、羽根車の駆動は、旋回面連結のように機能する永久磁石軸方向連結1300,1320に基づいている。駆動側の磁石1300と駆動される側の磁石1320との間の軸方向磁気引力に起因して、電動モータ1230によって付与されたトルクが非接触で羽根車1000に伝達される。駆動側の磁石及び駆動される側の磁石はそれぞれ、偶数個の相互に分極した永久磁石(例えば、NdFeB、SmCOなど)からなる。駆動される側の荷重モーメントの存在によって、磁気の空隙モーメントが荷重モーメントと等しくなるまで、駆動側の磁石1300が、駆動される側の磁石1320に対して回転し続ける。
【0133】
この工程において、軸方向の引力は、旋回軸受1120,1125によって吸収され、それによって、羽根車1000がポンプカバー1310に衝突することを防止できる。しかしながら、羽根車1000は、ポンプハウジング1030内の横方向の傾斜に対して不安定に、旋回軸受1120,1125内に取り付けられているために、「Lomakin効果」に従って、上述の流体軸受1090を構成する他のラジアル軸受が必要となる。
【0134】
図12は、ポンプユニットの容易な取り付け及び取り外しを示す図11の酸素供給器を示す。例えば、図12に示すように、モジュールポンプユニットの取り付け及び取り外しは、ポンプハウジング1030と近隣に固定された酸素供給器要素1080との間に配置されたネジ装置1070によって可能である。
【0135】
ポンプユニットが取り付け及び取り外しされることができるというこの事実は、技術的問題(例えば、血液ポンプの高動作出力に起因する軸受磨耗の増加)又は臨床使用の間、特に長期間の使用の間(例えば、ECMO)のポンプ領域における血液学的問題(例えば、血液ポンプ内の血栓沈降)の場合、酸素供給器がポンプユニットを容易に置換することによって使用され続けることができるという決定的な利点を提供し、その結果、患者は他の酸素供給処置を経験する必要がなく、そしてこのことは、さらなる外科的処置の必要がないことを意味し、そしてECMO処置は、患者に対して全く簡単な方法で行われることができる。
【0136】
図13は、ポンプユニットの容易な取り付け及び取り外し1370を示す図11の酸素供給器を示す。モジュール駆動ユニットの取り付け及び取り外しは、適切な着脱容易な密閉構造によって補助される。ポンプユニットが取り付け及び取り外しできるという事実は、駆動モジュール1170、1230,1280、1290及び1300が、その製造は技術的要求が厳しいが、酸素供給モジュールが一度使用されたとしても、さらなる配置のために常に使用されることができ、その結果、酸素供給器がより効率の良い方法で使用されることができるという決定的優位性を提供する。この集積された駆動コンセプトの実質的な特徴は、その環境内に放出されるジュール熱損失が、酸素供給モジュールにおける血液の温度を制御するために効果的に使用されることができることである。さらなる熱交換器は、現在のところ血液酸素供給システムとともに必要であるが、酸素供給器の本実施形態において回避されることができ、その結果、酸素供給システムは全体としてより小型であり、それに応じてより易操作性である。
【0137】
図14は、集積された血液ポンプ1500,1510,1520,1530,1550,1570,1810及び1850並びに集積された駆動ユニット1230,1730,1790及び1800を有する酸素供給器を示し、これによって、トルクが電磁気径方向結1800及び1820を用いて非接触で、駆動ユニット1800から羽根車1500に伝達される。この磁気径方向連結の構造及び動作モードは、駆動される側の磁石1820が軸方向ではなく径方向において帯磁されるという実質的な相違を有して、図11に示す軸方向磁気連結の構造及び動作モードに相当する。ここで、同様に、偶数個の永久磁石部分は、駆動側及び駆動される側で互いに対向しており、荷重モーメントが回転下で作用され場合に効果的となる非接触トルク伝達を生じる。
【0138】
図14における構成にかかる酸素供給器の実質的な利点は、同様に、磁気径方向連結が、とりわけ旋回軸受上の機械的荷重を低減させる安定した軸方向軸受を提供するという事実にある。
【0139】
同様に、酸素供給器における血液及びガスの温度を制御するためのジュール熱の使用は、図11とともに上述した利点をもたらす。
【0140】
また、図14にかかる酸素供給器の構成において、ポンプユニット及び駆動ユニットの容易な取り付け及び取り外しは、図15及び16における実施例によって示されるように、保証される。
【0141】
図17は、集積された血液ポンプ2000,2010,2020,2030,2050,2070,2310及び2350並びに集積された駆動ユニット2230,2260,2280,2290及び2300を有する酸素供給器を示し、これによって、トルクが電磁気径方向連結1800,1820を用いて非接触で、駆動ユニット2300から羽根車1500に伝達される。この磁気径方向連結の構造及び動作モードは、駆動ユニットの固定子ユニット2230,2290,2300が、その中に発生されたジュール熱を、酸素供給モジュール2180及び2190に、片側のみではなく、図11及び14に示すように両側に放出するという実質的な相違を有して、図14に示す径方向磁気連結の構造及び動作モードに相当する。このことは、二つの酸素供給モジュール2180と2190との間の固定子ユニット2230,2290及び2300の同心配置によって可能となり、それによって、内側に軸方向に配置された酸素供給モジュール2190の場合、前記固定子ユニットは、その円筒形状の外周面を介してジュール熱を吸収し、外側に軸方向に配置された酸素供給モジュール2180の場合、前記固定子ユニットはその円筒形状の内周面を介してジュール熱を吸収する。
【0142】
その結果、(さらなる熱交換器を用いることなく)体外循環において冷却にさらされる血液の温度制御がはるかに効率的に行われることができるという実質的な利点が存在する。そのような径方向磁気連結の他の利点は、とりわけその軸受及び安定化機能の観点から、図14に関する詳述から得られることができる。
【0143】
酸素供給システムのモジュール構造は、使い捨て部分(繊維、膜など)及び置換可能な又は再利用可能なモジュール(ポンプユニット、駆動ユニット)からなり、同様に図17にかかる酸素供給器の実施形態の場合に存在する。したがって、図17にかかる酸素供給器のためのモジュール構造の利点は、図11及び14に関する利点から直接得られることができる。
【0144】
例えば、装置の特に好ましい実施形態は、急性肺不全(急性呼吸窮迫症候群、すなわちARDS)患者に適する。そのような場合、膜型人工肺(ECMO)が適切な補助を提供する。この処置とともに、ローラポンプ又は遠心ポンプが、膜型人工肺を通って血液を輸送するために使用される。血液は酸素増大され二酸化炭素は半透過性膜を介して減少される。熱交換器は、血液の温度を制御するために使用される。これらの装置は、もっぱら静的に操作される。
【0145】
易操作性並びに頑丈な小型設計のために、本発明にかかる装置はまた、輸送しやすく、例えば、患部に直接使用されることができる。このことは、極めて重篤な肺障害患者の生存の可能性を増加させ、肺に治癒するために必要な休息を与える。
【0146】
低充填容積及び外側と接触する高充填容積の表面積の減少に起因して、本発明にかかる装置は、それが必要に応じて抗凝固剤ヘパリンの投与を許容するために、感染、赤血球及び血小板凝集に対する損傷などの可能性、並びに大量出血の可能性を低減させる。好ましい実施形態のモジュール構造のために、血液と接触する使い捨てユニット、すなわち膜モジュールから再利用可能な血液ポンプユニットを明確に分離するので、本発明はその製造及び操作の両方の観点から効果的かつ効率的であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】血液ポンプの流体軸受及び着脱容易な密閉構造を示す、本発明にかかる酸素供給システムの断面図。
【図2】縦断面における着脱容易な密閉構造を有する駆動モジュールの詳細図。
【図3】凹部及び溝を有するカバーの図。
【図4】流体軸受の断面を示す詳細図。
【図5】二重逆流において供給される血液流路及びガス流の流路を示す線を有する酸素供給システムの断面図。
【図6】二管式カテーテルを用いて患者に連結されるための酸素供給システムの連結を示す断面図。
【図7】血液ポンプの流体軸受及び着脱容易な密閉構造を示す、本発明にかかる他の酸素供給システムの三次元図。
【図8】輸送モジュールの断面図。
【図9】モジュールを示す、図7の酸素供給システムの断面図。
【図10】動作モード並びに血流及びガス流の概略図。
【図11】フロー誘導及びガス誘導を含む、酸素供給器のポンプユニット、永久磁石軸方向連結を用いて集積された電動モータを使用する駆動ユニット。
【図12】軸方向に移動可能なポンプユニットを有する、図11にかかる酸素供給器の実施形態。
【図13】軸方向に移動可能な駆動ユニットを有する、図11にかかる酸素供給器の実施形態。
【図14】フロー誘導及びガス誘導を含む、酸素供給器のポンプユニット、電磁石径方向連結を用いて集積された電動モータを使用する駆動ユニット。
【図15】軸方向に移動可能なポンプユニットを有する、図14にかかる酸素供給器の実施形態。
【図16】軸方向に移動可能な駆動ユニットを有する、図14にかかる酸素供給器の実施形態。
【図17】フロー誘導及びガス誘導を含む、酸素供給器のポンプユニット、電磁石径方向連結を用いて集積された電動モータを使用する駆動ユニットであって、駆動の固定子ユニットが両側の酸素供給器の繊維によって囲まれている。
【図18】軸方向に移動可能なポンプユニットを有する、図17にかかる酸素供給器の実施形態。
【図19】軸方向に移動可能な駆動ユニットを有する、図17にかかる酸素供給器の実施形態。
【符号の説明】
【0148】
10 羽根車
20 支持軸受
30 流体力学軸受
40 永久磁石
50 自在玉継軸受
60 輸送モジュールの基板
65 リング要素
70 磁気連結
80 モータカバー
90 モータハウジング
95 駆動集合体
100 押しボタン
110 コネクタホルダ
120 コネクタ
130 穴つきリング要素
140 バネ要素
150 コネクタホルダ
155 戻しフック
160 血液吸入口
170 ネジ
180 血液排出口
190 ガス流入口
200 ガス排出口
210 ガス流入口
220 ガス排出口
230 カバー
240 カバー(基部)
250 シリンダ
260 シリンダ
270 シリンダ
280 開口部
290 開口部
300 開口部
310 チャンバ
320 チャンバ
330 繊維材料
340 繊維材料
350 接着ボンド
360 接着ボンド
370 ネジ
380 位置決めピン
390 スリット
400 バイオネット溝
410 シリンダ要素
500 駆動モジュール
510 輸送モジュール
520 膜モジュール
1000 羽根車
1010 羽根車の羽根
1020 カバーディスク
1030 ポンプハウジング
1040 血液ポンプ又は酸素供給器への流入
1050 ポンプ流入口
1060 ガスケット(例えば、O−リングガスケット)
1070 ネジ
1080 静的酸素供給要素
1090 漏れ流れ又は流体軸受
1100 主流
1110 フラッシング流
1120 軸受球(旋回軸受)
1125 自在玉継ぎ軸受
1130 ガスケット(例えば、O−リングガスケット)
1140 酸素供給繊維又は膜の間の分離要素
1150 外側繊維束内の血流
1160 外側繊維束内のガス流
1170 モータ軸
1180 外側繊維束
1190 内側繊維束
1200 内側繊維束内のガス流
1210 内側繊維束内の血流
1220 電動モータから酸素供給器への熱流
1230 電動モータ
1240 回転軸
1250 モータケーブルの出口
1260 モータカバー
1270 モータと酸素供給器との間の分離としての中空シリンダ
1275 駆動ユニットと近接の静的酸素供給要素との間の摺動面
1280 モータハウジング
1290 磁気連結の磁極片
1300 駆動磁石
1310 ポンプカバー
1320 駆動される磁石
1330 血液ポンプに通じる排出口装置内への流路
1340 フラッシング流路
1350 かご型排出口装置
1360 ポンプユニットと近隣の静的酸素供給要素との間の摺動面
1370 ポンプユニットの取り付け及び取り外しの間の運動方向
1380 駆動ユニットの取り付け及び取り外しの間の運動方向
1500 羽根車
1505 ポンプユニットの取り付け及び取り外しの間の運動方向
1506 駆動ユニットの取り付け及び取り外しの間の運動方向
1510 羽根車の羽根
1520 カバーディスク
1530 ポンプハウジング
1535 ポンプユニットと近隣の静的酸素供給要素との間の摺動面
1540 血液ポンプ又は酸素供給器への流入
1550 ポンプ吸入口
1560 ガスケット(例えば、O−リングガスケット)
1570 ネジ
1580 静的酸素供給要素
1590 漏れ流れ又は流体軸受
1600 主流
1610 フラッシング流
1620 軸受球(旋回軸受)
1625 自在玉継ぎ軸受
1630 ガスケット(例えば、O−リングガスケット)
1640 酸素供給繊維又は膜の間の分離要素
1650 外側繊維束内の血流
1660 外側繊維束内のガス流
1680 外側繊維束
1690 内側繊維束
1700 内側繊維束内のガス流
1710 内側繊維束内の血流
1720 電動モータから酸素供給器への熱流
1730 電磁気駆動巻き線(固定子コイル)
1740 回転軸
1750 モータケーブルの出口
1760 モータカバー
1770 駆動ユニットを酸素供給器から分離するための静的装置
1776 駆動ユニットと近接の静的酸素供給要素との間の摺動面
1780 モータハウジング
1790 電磁気駆動の固定子磁石
1800 駆動される磁石と反対の固定子磁石
1810 ポンプカバー
1820 駆動される磁石
1830 血液ポンプに通じる排出口装置内の流路
1840 フラッシング流路
1850 かご型排出口装置
2000 羽根車
2005 ポンプユニットの取り付け及び取り外しの間の運動方向
2006 駆動ユニットの取り付け及び取り外しの間の運動方向
2007 単一部分として軸方向に移動可能な駆動ユニットを有する酸素供給器内の装置
2010 羽根車の羽根
2020 カバーディスク
2030 ポンプハウジング
2035 ポンプユニットと近隣の静的酸素供給要素との間の摺動面
2040 血液ポンプ又は酸素供給器への流入
2050 ポンプ吸入口
2060 ガスケット(例えば、O−リングガスケット)
2070 ネジ
2080 静的酸素供給要素
2090 漏れ流れ又は流体軸受
2100 主流
2110 フラッシング流
2120 軸受球(旋回軸受)
2125 自在玉継ぎ軸受
2130 ガスケット(例えば、O−リングガスケット)
2140 酸素供給繊維又は酸素供給膜の間の分離要素
2145 酸素供給繊維及び酸素供給膜の限界
2150 外側繊維束内の血流
2160 外側繊維束内のガス流
2180 外側繊維束
2190 内側繊維束
2200 内側繊維束内のガス流
2210 内側繊維束内の血流
2220 電動モータから外側酸素供給束への熱流
2225 電動モータから内側酸素供給束への熱流
2230 電磁気駆動巻き線(固定子コイル)
2240 回転軸
2250 モータケーブルの出口
2260 モータカバー
2270 酸素供給器から駆動ユニットを分離するための静的装置
2276 駆動ユニットと近隣の静的酸素供給要素との間の摺動面
2280 モータハウジング
2290 電磁気駆動の固定子磁石
2300 駆動される磁石と反対の固定子磁石
2310 ポンプカバー
2320 駆動される磁石
2330 血液ポンプに通じる排出口装置内の流路
2340 フラッシング流路
2350 かご式排出口装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中の物質を増大及び/又は減少させるための装置であって、
実質的に同心要素からなり、前記増大及び/又は減少されるべき前記物質が輸送される分離要素を有し、前記液体が前記分離要素の外に輸送される膜モジュールと、
前記液体を輸送する輸送要素(10)を駆動するための駆動ユニット(90,95)を含む駆動モジュールと、
前記輸送要素(10)を有し、前記装置を通って前記液体を輸送するための輸送モジュールとを備え、
前記駆動モジュールは、液密の密閉構造を有する前記膜モジュール内に挿入及び膜モジュールから除去されることができることを特徴とする液体中の物質を増大及び/又は減少させるための装置。
【請求項2】
前記分離要素は、前記液体を増大及び/又は減少させる目的のための半透過性材料からなる中空繊維(330,340)を有し、前記減少及び/又は増大されるべき前記物質が前記繊維内に輸送されるとともに、前記液体が前記繊維の外に輸送されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記液体を輸送するための前記輸送モジュールは前記駆動モジュールの軸方向延長において配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記輸送要素及び前記輸送要素を取り囲むハウジング(回転子ハウジング)は、それらが互いから分離されることができるように配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記輸送要素が前記液体のための給水線及び/又は前記液体のための排出線に関して液密となるように密閉された場合、前記回転子は交換可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記駆動ユニットは、前記液体によって少なくとも部分的に囲まれるように配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記駆動ユニットは、少なくとも一つの仕切りによって前記液体から分離されるように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動ユニットは、少なくとも一端に着脱容易な密閉構造(100,110,120,130,140,150)を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記駆動ユニットの一端は前記着脱容易な密閉構造(100,110,120,130,140,150)を有することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記着脱容易な密閉構造(100,110,120,130,140,150)はバイオネット係合であることを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記着脱容易な密閉構造(100,110,120,130,140,150)はネジ式密閉構造であることを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記着脱容易な密閉構造(100,110,120,130,140,150)はクランプ式密閉構造であることを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記着脱容易な密閉構造(100,110,120,130,140,150)は磁気密閉構造であることを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
ショック吸収要素は、前記駆動ユニットと回転子ユニットとの間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記膜モジュールは、互いに関して同軸に配置された少なくとも二つの要素(250,260,270)を有し、前記分離要素(330,340)が第一要素(250)と第二要素(260)との間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記膜モジュールは、互いに関して同軸に配置された少なくとも三つの要素(250,260,270)を有し、前記分離要素(330,340)が前記第一要素(250)と前記第二要素(260)との間に配置され、他の分離要素(330,340)が前記第二要素(260)と前記第三要素(270)との間に配置されていることを特徴するとする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記要素(250,260,270)の間のスペースは液密となるように端部で密閉されていることを特徴とする請求項15又は16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記輸送モジュールは、前記三つの要素(250,260,270)の最深部の内部に配置及び内部に挿入でき、さらに取り外しできるように構成されていることを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記膜モジュールの前記三つの要素(250)の前記最深部は、前記輸送モジュールから反対側に着脱容易な密閉構造を有するカバー(100)を有することを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記輸送モジュールの径方向外径は、前記最深部要素(250)の内部の半径より小さいことを特徴とする請求項1ないし19のいずかに記載の装置。
【請求項21】
前記輸送モジュールは、前記装置の組み立ての間、前記最深部要素(250)の内部に挿入可能であることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記シリンダの一つの一端上にキャップが配置されることができ、該キャップは、前記液体を供給及び排出するために互いに同軸上に配置された給水線(160)及び排出線を有することを特徴とする請求項1ないし21のいずかに記載の装置。
【請求項23】
前記第一シリンダと前記第二シリンダとの間及び前記第二シリンダと前記第三シリンダ
との間に配置された前記中空繊維はそれぞれ、物質供給線及び物質排出線を有することを特徴とする請求項1ないし22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記第一要素と前記第二要素との間に配置された前記中空繊維のガス供給線(190)は、前記要素の一端に配置され、前記第二要素と前記第三要素の間に配置された前記繊維のガス供給線(210)は、前記要素の反対端に配置されていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
液体中の物質を増大及び/又は減少させるための装置であって、前記液体を輸送する輸送要素(10)を駆動するための駆動ユニット(90,95)を備え、
前記駆動ユニット(90,95)から前記輸送要素(10)への力の伝達が非接触であることを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記駆動ユニット(90,95)から前記輸送要素(10)への前記力の伝達が、磁気連結(40,70)によって起こることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記装置は前記駆動ユニット(90,95)を収納するための略円筒形状の容器(250)を有することを特徴とする請求項1ないし26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
前記駆動ユニット(90,95)は動作中に熱を放出することを特徴とする請求項1ないし27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記駆動ユニット(90,95)はモータであることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記駆動ユニット(90,95)は前記略円筒形状の容器(250)と熱伝導接触していることを特徴とする請求項1ないし29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
前記液体は前記略円筒形状の容器(250)の外側に沿って輸送されることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記輸送要素(10)は、径方向に流体力学軸受を有することを特徴とする請求項1ないし31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
前記流体力学軸受は、前記輸送要素(10)と前記その周囲のハウジングとの間のスペース内の第一輸送流に逆行する第二流によって行われることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記輸送要素(10)は前記駆動モジュールに面する側に固体軸方向軸受に取り付けられていることを特徴とする請求項32及び33のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
前記装置は酸素供給器を含むことを特徴とする請求項1ないし34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
前記装置は酸素供給器であることを特徴とする請求項1ないし35のいずれかに記載の装置。
【請求項37】
前記装置はその内部において径方向に流体力学的に安定化された血液ポンプを囲むことを特徴とする請求項1ないし36のいずれかに記載の装置。
【請求項38】
前記装置は軸方向、径方向又は斜め方向の遠心血液ポンプを有することを特徴とする請求項1ないし37のいずれかに記載の装置。
【請求項39】
前記酸素供給器は、外側繊維束及び内側繊維束を有し、電磁気駆動ユニットが前記外側繊維束と前記内側繊維束との間に集積されており、前記駆動ユニットは内側に配置された中心羽根車のための径方向磁気連結を有することを特徴とする請求項35ないし38のいずれかに記載の装置。
【請求項40】
前記酸素供給器は、前記外側繊維束及び内側繊維束を有し、前記電磁気駆動ユニットが前記外側繊維束と前記内側繊維束との間に集積されており、前記駆動ユニットは内側に配置された前記中心羽根車のための前記径方向磁気連結を生成することを特徴とする請求項35ないし39のいずれかに記載の装置。
【請求項41】
前記磁気連結に作用する磁力は、前記ポンプハウジングにおける羽根車の安定化をもたらすことを特徴とする請求項26ないし40のいずれかに記載の装置。
【請求項42】
前記酸素供給器は、前記外側繊維束及び内側繊維束を有し、前記電磁気駆動ユニットが前記外側繊維束と前記内側繊維束との間に集積されており、前記駆動ユニットは前記外側繊維束及び内側繊維束を暖めることを特徴とする請求項36ないし41のいずれかに記載の装置。
【請求項43】
前記装置は少なくとも二つの駆動モジュールを有することを特徴とする請求項1ないし42のいずれかに記載の装置。
【請求項44】
前記二つの駆動モジュールは直列接続で配置されていることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記二つの駆動モジュールは平行に接続されるように配置されていることを特徴とする請求項43又は44に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2009−504290(P2009−504290A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526453(P2008−526453)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008178
【国際公開番号】WO2007/020106
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(508048643)イーリアス−メディカル ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】