液処理装置、液処理方法及び記憶媒体
【課題】
液処理モジュール2に載置されたウエハWに対して処理液ノズル11から処理液を供給して液処理を行うにあたって、処理液の供給量を安定させ、これによりウエハWの間における塗布の均一性を図ること。
【解決手段】
ノズル11がノズルバス15に待機しているときに一定量だけサックバックバルブ52によりサックバックを行ってノズル11の先端部のレジスト液の液面を引き上げる。ノズル11を液処理モジュール2の上方に移動させた後、ノズル11を支持するアーム13に設けられたカメラ16により、当該ノズル11の先端部を撮像し、画像データを取得する。この画像データに基づいて、液面レベルを検出し、その検出結果に応じて液面レベルが予め設定した基準レベルになるようにサックバックバルブ52を制御する。このためレジスト吐出前の液面レベルが一定化し、処理液の吐出量が一定化する。
液処理モジュール2に載置されたウエハWに対して処理液ノズル11から処理液を供給して液処理を行うにあたって、処理液の供給量を安定させ、これによりウエハWの間における塗布の均一性を図ること。
【解決手段】
ノズル11がノズルバス15に待機しているときに一定量だけサックバックバルブ52によりサックバックを行ってノズル11の先端部のレジスト液の液面を引き上げる。ノズル11を液処理モジュール2の上方に移動させた後、ノズル11を支持するアーム13に設けられたカメラ16により、当該ノズル11の先端部を撮像し、画像データを取得する。この画像データに基づいて、液面レベルを検出し、その検出結果に応じて液面レベルが予め設定した基準レベルになるようにサックバックバルブ52を制御する。このためレジスト吐出前の液面レベルが一定化し、処理液の吐出量が一定化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置、液処理方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程において用いられるレジスト液や、反射防止膜用の薬液を塗布する塗布処理ユニットとしては、装置構成を簡素化するために、カップ体及びスピンチャックを含む液処理モジュールを共通の筐体内に複数例えば3個一列に並べ、給液用のノズルをこれら複数個の液処理モジュールに対して共通化された液処理装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
ノズルとしては基板の種別に応じた薬液、例えばレジスト液毎にレジストを用意し、これらノズルを集合させて集合ノズルであるノズルユニットを構成し、このノズルユニットを各液処理モジュールに対して共通に用いている。具体的にはノズルユニットは液処理モジュールの配列方向に移動できるように構成され、ノズルの処理液供給路はレジスト液の供給源から引き回されて基台に固定され、その固定点よりも先端側(下流側)の部位を、ノズルユニットの移動に追従して屈曲できるように自由端部位として構成されている。しかしながらノズルが各液処理モジュールを移動した際に処理液供給路の自由端部位の屈曲や、捩れなどにより、処理液供給路内の内圧の変化が生じることがあり、このためレジスト吐出ノズルの先端部の液面レベルが変動することがある。しかも処理液供給路の状態はノズルがどの液処理モジュールの上に停止するかによって変わってくるため、液処理モジュール間でノズルの先端部の液面レベルが変わってしまい液処理モジュール間でレジストの吐出量が一定ではなくなる。レジスト液は高価なものであることから省レジスト対応が進んでおり、このためレジストの使用量が減少していくに従い、前述したノズル先端部の液面変動が生じた場合におけるレジスト液の供給される量の変動率が大きくなり、基板間あるいはロット間の塗布処理の均一性が落ちることが懸念される。
【0004】
特許文献1ではカメラによりノズルの先端部内を撮像し、液垂れまたは滴下の発生により、ダミーディスペンスや液処理停止の処理を取るよう制御しているが本発明のような移動により発生するノズルの先端部の液面レベルの変化による吐出量の変動を抑制するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−135679
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、液処理モジュールに載置された基板に対して処理液ノズルから処理液を供給して液処理を行うにあたって、処理液ノズル内における吐出前の処理液の液面レベルの一定化を図ることにより処理液の供給量を安定させ、これにより基板の間における塗布の均一性を図ることの技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液処理装置は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記処理液ノズルが前記液処理モジュールの上方に位置しているときに当該処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する液面検出部と、
この液面検出部にて検出された検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明の液処理装置は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記使用順序により決められた液処理モジュールの順番毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部と、
この記憶部から液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出してこの吸引量に対応する動作を行うように前記吸引機構に制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0009】
本発明の液処理方法は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
前記処理液ノズルが液処理モジュールの上方位置に移動する前に吸引機構により処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
次いで前記処理液ノズルを前記液処理モジュールの上方に移動させる工程と、
続いて前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する工程と、
液面レベルの検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する工程と、
前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明の液処理方法は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
予め決められた液処理モジュールの使用順序毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部から、液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出す工程と、
読み出した吸引量に対応する動作を行うように吸引機構に制御信号を出力して、
処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引し、前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
前記基板保持部に保持された基板に対して、処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出して液処理を行う工程と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の記憶媒体は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の液処理方法を実行するようにステップ群が組み込まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、液処理モジュールに載置された基板に対して処理液ノズルから処理液を供給して液処理を行うにあたって、処理液ノズルが液処理モジュールの上方に位置しているときに当該処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出し、その検出結果に応じて液面レベルが予め設定した基準位置になるように吸引機構を制御するようにしている。このため処理液吐出前の液面レベルが一定化し、処理液の吐出量が一定化するので、基板の間における塗布の均一性を図ることができる。また他の発明は、横方向に複数配列された液処理モジュールと、複数の液処理モジュールに対して共通化された処理液ノズルとを備えた液処理装置において、各液処理モジュール毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に吸引機構により処理液の吸引量を予め決めているため、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る液処理装置の概視を示す斜視図である。
【図2】前記液処理装置の液処理モジュール及び処理液ノズルの処理液供給路系の構成図である。
【図3】処理液ノズルを含むノズルユニット及び支持アームを裏側から見た斜視図である。
【図4】本発明に係るサックバックバルブの構造及び動作状態を示す説明図である。
【図5】前記ノズル先端部内を照らす光源を説明する(a)斜視図及び(b)平面図である。
【図6】前記塗布処理部の制御部を示す構成図である。
【図7】ノズル先端部内を示す縦断面図である。
【図8】測定された液面の高さと当該液面時のレジストの補正量を示す特性図である。
【図9】ノズルバスに待機しているときのノズル先端部の状態を示す説明図である。
【図10】本発明に係るノズルバスから液処理モジュール2Aに移動した場合を示す説明図である。
【図11】本発明の塗布、現像処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明に係るノズルバスから液処理モジュール2Aに移動した場合の液面レベルの変動と液面レベルの補正を示す説明図である。
【図13】他の実施の形態に係るノズル先端部の液面レベルの検出方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
本発明の液処理装置をレジスト塗布装置に適用した実施形態の全体構成について説明する。この液処理装置は図1に示すように横一列に配列された複数例えば3個の液処理モジュール2と、ノズルユニット1と、ノズルユニット1のノズルを待機させるためのノズルバス15と、基板である半導体ウエハ(以下ウエハという)に塗布されたレジスト膜の周縁を除去するためのエッジリムーバ61と、を備えている。
【0015】
各液処理モジュール2A〜2Cは各々同様に構成されており、液処理モジュール2Aを代表して説明する。液処理モジュール2Aは図2に示すようにウエハWの裏面中央部を吸着して水平に保持する基板保持部であるスピンチャック22Aを備え、スピンチャック22Aは回転軸20を介して回転駆動機構29と接続されている。スピンチャック22Aは回転駆動機構29及び回転軸20を介してウエハWを保持した状態で鉛直軸回りに回転自在に構成されており、その回転軸20上にウエハWの中心が位置するように設定されている。ウエハWは液処理装置の外部の基板搬送手段により昇降機構28により昇降される昇降ピン27を介して受け渡される。
【0016】
スピンチャック22Aの周囲にはスピンチャック22A上のウエハWを囲むようにして上方側に開口部を備えたカップ体21Aが設けられており、カップ体21Aの側周面上端側は内側に傾斜した傾斜部を形成している。カップ体21Aの底部側には例えば凹部をなす液受け部23が設けられている。なお液処理モジュール2の各部の符号についてはスピンチャック及びカップ体についてだけ、液処理モジュール2を区別するためのアルファベット(A〜C)を付している。液受け部23は隔壁24によりウエハWの周縁下方側に全周に亘って外側領域と内側領域とに区画されている。外側領域の底部にはドレインを排出するための排液口25が設けられ、内側領域の底部には処理雰囲気を排気するための排気口26が設けられている。
【0017】
ノズルユニット1は濃度や成分の異なる複数種類、例えば10種類のレジストを夫々供給する10本の処理液ノズルであるレジスト液ノズル11とウエハW上でレジストを広がり易くするためのプリウェット処理を行うシンナーを供給するシンナーノズル12と、を備えている。図2及び図3に示すように各ノズル11、12はアーム13による移動方向に沿って並行に配列されており、各々鉛直方向に流路が形成され、下端が処理液の吐出口として開口している。ノズルユニット1は支持部であるアーム13により支持されており、このアーム13は移動体19に図示しない昇降機構により昇降されるように設けられている。この移動体19は液処理モジュール2の並びに沿って、基台99上にY軸方向に伸びるガイドレール57にガイドされるように構成されている。移動体19は図示しないボールネジ機構などによりガイドレール57にガイドされるように移動し、これによりノズルユニット1は各液処理モジュール2A〜2Cの上方領域の間を移動する。
【0018】
各ノズル11、12はノズルユニット1の移動により、各スピンチャック22A〜22Cの中心部の上方に位置するように設定されている。即ちこれらノズル11、12は各液処理モジュール2A〜2Cに対して共通化されている。ノズルバス15は、ノズルユニット1が移動するY方向の一端側に設けられており、上側が開口したカップ状に形成されている。ノズルユニット1はウエハWに処理を行わないときにはこのノズルバス15に収納されて待機する。
【0019】
各ノズル11、12は夫々に処理液供給路55が接続されており、ノズルユニット1より外部に引き回される。処理液供給路55は例えば5本の処理液供給路55が一まとめにされ外管54に被覆され、例えば2本の外管54にまとめられた状態で伸びている。外管54は夫々の処理液供給路55の動きを規制し、絡まりや、液処理装置に引っかかるのを防ぐために設けられる。外管54の内径は例えば12mm〜15mmであり、処理液供給路55は3mm〜4mmである。処理液供給路55は外管54内で外管54に密着しているのではなく、外管54と処理液供給路55の間には隙間があり、移動体19の移動を妨げないようになっており、移動体19が移動したときに、処理液供給路55は外管54内をその径方向に移動できる。
【0020】
ノズルユニット1からアームの伸びる方向に引き回された外管54は移動体19側面に設置された外管規制部14に向かって伸ばされ、当該外管規制部14にて屈曲され、基台99の上を液処理モジュール2A〜2Cの配列方向に向かって伸ばされ、固定部56にて固定されている。固定部56はガイドレール57を長さ方向に二分する位置に、ガイドレール57の両端までの距離が等しくなるように設けられている。外管54の固定部56より下流の部分は十分に長く取られ、自由に屈曲変形するように構成されており、ノズルユニット1は液処理モジュール2A〜2C及びノズルバス15の間を自在に移動できるように構成されている。
【0021】
図1及び図2に示すようにこの処理液供給路55には、上述した固定部56よりも上流部側に処理液の供給調整を行う部位が設けられており、上流から順番に各レジスト液の種別毎に設けられたレジスト液タンク41及びシンナータンク42を備える供給ユニット4、ポンプ53、開閉バルブ51、サックバックバルブ52が設置されている。図2中、符号5で示す部分はポンプ53等をまとめて供給制御機器群として示したものである。
【0022】
吸引機構であるサックバックバルブ52は、図4に示すように、筐体70の内部に仕切り壁71が設けられると共に、仕切り壁71の下部側にダイヤフラム72が設置されており、仕切り壁71とダイヤフラム72とにより囲まれる気圧調整空間78が形成されている。この気圧調整空間78には筐体70外部より加圧空気を供給する加圧配管74と気圧調整空間78内を吸引する吸引管75が接続されている。加圧配管74における筐体70と接続される部位には、オリフィス79が設けられ、加圧空気の供給速度を抑えるように構成されている。
【0023】
加圧配管74、吸引管75は工場内の加圧用の配管及び減圧用の配管に夫々接続されている。加圧配管74、吸引管75の途中には夫々電磁弁76、77が設けられ、制御部3からの制御信号により開閉時間が制御されることで気圧調整空間78の圧力調整が行われるようになっている。ダイヤフラム72の下部側は処理液供給路55と連通するようにベローズ体73により囲まれており、気圧調整空間78の加圧あるいは吸引による容積の変化によって、ベローズ体73が伸縮し、それによって処理液供給路55より処理液のサックバックあるいは押し出しが行われるように構成されている。
【0024】
サックバックバルブ52はノズルユニット1が移動する際にノズル11、12の先端部より液垂れが起こるのを防止するために一定量のサックバックを行い、レジスト液あるいはシンナーの液面がノズル11の先端からわずかに上昇した基準レベルに設定する役割を果たす。図1中に戻って液処理モジュール2A〜2Cには夫々エッジリムーバ61が設けられる。これらエッジリムーバ61はウエハWに形成されたレジスト膜の周縁部を除去するために、シンナーを供給するノズルを備えている。図1中の62はノズルが待機するノズルバスである。
【0025】
ノズルユニット1の説明に戻ると図3はノズルユニット1及びアーム13の下面を示しており、当該アーム13の裏面側にはノズル11、12の先端部の画像を取得するためのイメージセンサ(撮像部)であるCCDカメラやCMOSカメラなどのカメラ16、がノズル11の配列方向と略直交する方角からこれらノズルの先端部内を撮像するようになっており、ノズル11の液面の高さは前記カメラ16による撮像により判定する。図5(a)に示すように、ノズル11よりアーム13方向(こちらをノズル11の後方部とする)に光源17を設置し、ノズルユニット1の正面と左右前方の斜め下方部に光源18を設置する。図5(b)に示すように光源17によりノズル11を後方より照らすと共に、光源18により正面と左右前方部より斜方向にノズル11を照らすことで、ノズル11の先端部内にレジストが入っていない場合は、空気層の側面が反射するため、液面の判定が容易になる。
【0026】
本実施の形態の液処理装置は図6に示すようにコンピュータからなる制御部3を備えている。図6中の30はバス、31はCPUである。33は処理レシピであり、この処理レシピ33はレジスト液の塗布処理を実行するための手順、処理パラメーターが書き込まれたステップ群である。36は第1のメモリであり、この第1のメモリ36にはカメラ16により撮像されて得られた、図7に示すような画像データが格納される。解析プログラム34は、ノズル11の先端部の画像データに基づいて液面レベルの判定をする判定部として機能すると共に、液面の高さの変動時に対処処理を行うためのものであり、撮像部であるカメラ16及び、判定部である解析プログラム34により液面検出部が構成される。
【0027】
第2のメモリ37には図8にイメージで示すように、検出されたノズル11の先端部の液面レベル(高さ)と、液面レベルに対応する処理液の吸引量あるいは押し出し量との関係を規定したデータテーブルが記憶されている。データテーブルのイメージ化したグラフは横軸に液面レベル、縦軸にサックバックバルブ52によるサックバック量(正方向に吸引量、負方向に押し出し量)を夫々とったグラフであり、液面が基準レベル(h0)の時に補正量は0になっている。また液面レベルが下降してh0より低い値、例えばh1と検出された場合サックバックが行われ、検出された液面レベルが下がるにつれてサックバック量が増加する。一方液面レベルがh0より高い値、例えばh2と検出された場合は押し出しが行われ、検出された液面レベルが上がるにつれて押し出し量が増加するように設定されている。
【0028】
解析プログラム34は第1のメモリ36に格納されている画像データ(図7)に基づいて、ノズル11の先端部から液面までの高さh1を検出し、検出値h1を基に前記第2のメモリ37のデータテーブルより補正量v1を読み出すステップ、サックバックバルブ52に設置された電磁弁76、77の開閉時間を調整することにより、サックバックバルブ52の気圧調整空間78の容積を変化させ処理液のサックバックあるいは、押し出しの量を調整するステップを備えている。即ち、解析プログラム34には上述した撮像から補正量出力までのステップ群が組み込まれている。前記処理レシピ33及び、解析プログラム34は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体により格納されて制御部3にインストールされる。
【0029】
次に上述実施の形態の作用について説明する。液処理装置へのウエハWの搬入については、外部の搬送手段により、ロットの1番目のウエハWから順に第1の液処理モジュール2A→第2の液処理モジュール2B→第3の液処理モジュール2Cの順序で各液処理モジュールに繰り返して搬入され、昇降ピン27を介してスピンチャック22に受け渡される。一方液処理装置の運転開始時あるいはロットの切り替わり時にはノズルユニット1はノズルバス15に待機している。このとき処理液ノズル11の先端部には図9に示すように、先端側から上流側に向かって空気層81、シンナー層82、空気層83が形成され、この空気層83の上流側に処理液84が存在する。このような層構造は図10(a)に示すようにノズルユニット1がノズルバス15に待機しているときに形成される。
【0030】
以下の動作については図10〜図12を参照しながら説明する。ロットの先頭のウエハWが液処理モジュール2Aに搬入されると、ノズルユニット1はノズルバス15にて当該ロットに使用するレジスト液を吐出するノズル11のダミーディスペンスを行い(図10(a)、図11のステップS1及び図12(a))、その後、液垂れを防止するためにサックバックバルブ52により一定量サックバックを行って、ノズル11の先端部内の液面を予め設定した基準レベルh0に引き上げる(ステップS2及び図12(b))。
【0031】
次にノズルユニット1は図10(b)に示すように液処理モジュール2Aの上方に移動し、シンナーノズル12をスピンチャック22Aの中心部の上方に位置させる(ステップS3)。ノズル11の外管54はノズルユニット1が移動することにより、固定部56よりも下流側部位の変形状態が変わるため、処理液供給路55の内圧が変化し、これによりノズル11の先端部の液面レベルが変動する。この例の場合にはノズルユニット1がノズルバス15に位置しているときには、外管54における固定部56の下流側部位はノズルユニット1が液処理モジュール2A〜2C上に位置しているときよりも伸び切っている状態にある。このためノズルユニット1が液処理モジュール2A上に移動すると外管54の屈曲部位が固定部56側に移動するので処理液供給路55の内圧が高まり、この結果ノズル11の先端部の液面が図12(c)に示すようにh0からh1まで下がる。
【0032】
そこでレジスト液のノズル11をカメラ16により撮像し(ステップS4)、撮像した画像データを制御部3の第2のメモリ37に格納する。解析プログラム34はこの画像データに基づいてノズル11の先端部の液面の高さ(ここではh1)を求め、第2のメモリ37内のデータ(図8)を参照してh1に対応するサックバック量v1が求められる(ステップS5)。ところでこの時点の前にサックバックバルブ52に吸引動作をさせて一定量だけノズル11の先端部の液面を引き上げており、このため図4に示すダイヤフラム72が少し引き上げられた状態となっている。既述のように液の吸引量はこの例では電磁弁77を開いている時間に対応しているため、第2のメモリ37内の前記補正データの縦軸(図8参照)は電磁弁77(あるいは電磁弁76)を開いている時間に相当する値である。
【0033】
そして外管54の固定部56の位置や外管54の引き回しの手法などによって、前記液面レベルが基準レベルh0よりも高いのか低いのかが決まってくるので、液面レベルの補正を行うためには、サックバックバルブ52の加圧管74の電磁弁76を開くのか吸引管75の電磁弁77を開くのかが決まってくる。従って、加圧動作(負の吸引)が作用される場合には、補正データにおけるサックバック量についても正、負が割り当てられ、この正負の符号とサックバック量とにより、開くべき電磁弁と開時間とが決定されることになる。
【0034】
図1に記載した外管54の引き回しにおいてはノズルバス15にてノズル11について一定量のサックバックを行っているので、ノズル11が各液処理モジュール2A〜2Cの上方に位置したときには、液面は基準レベルh0よりも低くなっており、サックバックバルブ52が行う補正動作は吸引動作となる。なお図8に示した補正データの縦軸は、液面レベルの高さ位置を示しているが、液面レベルと基準レベルとの差分を表示しても同じことである。
【0035】
図11に示すフローチャートに戻って第2のメモリ37からサックバック量v1が読み出されると、サックバックバルブ52の電磁弁77に制御信号が送られ対応する時間だけ電磁弁77が開かれて、レジスト液が引き上げられ、ノズル11の先端部内の液面のレベルは基準レベルh0に補正される(ステップS6及び図12(d))。
【0036】
続いてステップS7及び図12(e)のレジストの塗布処理を行う。例えばアーム13の下降及び液面補正と並行して、スピンチャック22は回転を開始し、回転中のウエハWの中心部にシンナーを吐出してウエハWの表面全体をプリウェットし、その後、当該液処理に用いるノズル11がウエハWの中央部上に位置し、ポンプ53によりノズル11からレジスト液が押し出されてウエハW上に吐出され、スピンコーティングによりウエハWの表面全体に当該レジストが展伸される。レジストの供給後ウエハWの回転数を低下させ、レジストの厚さを均一にした後、再びウエハWの回転数を上げ、塗布したレジストの振り切り乾燥を行い、レジスト膜を形成する。
【0037】
振り切り乾燥の完了したウエハWに対しては、レジスト膜の周縁部を除去するため、そのウエハWが回転した状態でエッジリムーバ61からシンナーが供給される。ウエハW周縁部に塗布されたレジスト膜が除去され、然る後、レジスト膜の場合と同様にシンナーの振り切り乾燥を行って一連の液処理が完了し、エッジリムーバ61をエッジリムーバのノズルバス62まで退避させたあと、ウエハWは昇降機構28により昇降される昇降ピン27を介して液処理装置の外部の基板搬送手段に受け渡され、塗布処理部9から搬出される。ノズルユニット1では、レジスト吐出後、次いで一定量のサックバックが行われる。
【0038】
一方ノズルユニット1ではノズル11がレジスト液をウエハWに吐出した後、例えばその位置でノズル11内のレジスト液に対してサックバックバルブ52により一定量サックバックが行われる。その後ノズルユニット1は例えばノズルバス15にて待機する。ノズルユニット1の待機中に液処理モジュール2A上のウエハWに対して既述の振り切り乾燥が行われると共に、当該ノズルユニット1は液処理モジュール2B上に移動し、同様にしてノズル11の先端部の撮像をした後、レジストの液面の補正が行われた後、ノズル11からレジスト液を吐出してウエハWに対して、塗布処理が行われる。その後同様にして液処理モジュール2Cに次のウエハWが搬入された後、作業が行われ、以下後続のウエハWは液処理モジュール2A、液処理モジュール2B、液処理モジュール2Cの順番で搬入される。なお、レジスト液を吐出し、一定量のサックバックが行われた後のノズルユニット1は例えば液処理モジュール2A、液処理モジュール2B間あるいは液処理モジュール2B、液処理モジュール2Cに設けられたノズルバスにて待機するようにしてもよい。
【0039】
上述の実施の形態によれば液処理モジュール2A(2B、2C)に載置されたウエハWに対してノズル11から処理液を供給して液処理を行うにあたって、ノズル11が液処理モジュール2A(2B、2C)の上方に位置しているときに当該ノズル11の先端部の液面レベルを検出し、その検出結果に応じて液面レベルが予め設定した基準位置になるようにサックバックバルブ52を制御するようにしている。このため処理液吐出前の液面レベルが液処理モジュール2A(2B、2C)一定化し、処理液の吐出量が一定化するので、基板の間における塗布の均一性を図ることができる。
【0040】
また上述の例では、使用するノズル11以外の待機している他のノズル11については、図9に示したように層構造が形成されているが、ノズル11の側方から光を当てることにより、空気層と液の屈折率の違いにより画像データ上で空気層とシンナー層とを区別することができる。このためノズル11の先端部から空気層81、シンナー層82、空気層83が形成されているか否かを判定することができ、例えば先端の空気層81が存在せずにシンナーで満たされている状態をトラブルとして検出することができる。
【0041】
[第2の実施の形態]
この第2の実施の形態は、液処理モジュール2A〜2C間をノズル11が移動することによるノズル11の先端部の液面の高さの変動値を、予め装置を稼動することにより測定し、この測定結果に基づいて、夫々の移動時における液面のレベルが、基準の高さレベルとなるようにサックバック量を決めておく手法である。
【0042】
液処理モジュール2A〜2Cの使用順序は予め決められており、例えば液処理モジュール2A→液処理モジュール2B→液処理モジュール2C→液処理モジュール2A→液処理モジュール2B→液処理モジュール2C…というように所定の順番が繰り返される。このため同じロットに属する例えば15枚のウエハWに対してレジスト液の塗布処理を行う場合には、ノズル11はノズルバス15→液処理モジュール2A→ノズルバス15→液処理モジュール2B→ノズルバス15→液処理モジュール2C→ノズルバス15→液処理モジュール2A…の順に移動する。そしてロットの1枚目のウエハWに対して処理を行う前にノズル11はノズルバス15にてダミーディスペンスを行い、続いて一定量のサックバックを行うが、その後はウエハWに対してレジスト液を吐出した後に一定量のサックバックを行う。従って1枚目のウエハWに対して処理を行う前においてノズル11が液処理モジュール2A上に位置するときの液面レベルと、4枚目のウエハWに対して処理を行う前においてノズル11が液処理モジュール2A上に位置するときの液面レベルは異なる。
【0043】
従ってこの場合には、事前に前記液面レベルの変動を調べるにあたって、1枚目から4枚目のウエハWごとに、各ウエハWを処理する前に一定量をサックバックして液面レベルを基準レベルまで引き上げ、その後、対応する液処理モジュール2A〜2C上に移動したときの液面レベルの変動を把握する必要がある。この液面レベルの変動量から逆算してノズル11が対応する液処理モジュール2A〜2Cに移動する前のサックバック量を求めておく。5枚目のウエハWを処理する前のサックバック量(4枚目のウエハWに対してレジスト液の吐出を行った後のサックバック量)は2枚目のウエハWを処理する前のサックバック量と同じになり、6枚目、7枚目のウエハWを処理する前のサックバック量は夫々3枚目、4枚目のウエハWを処理する時のサックバック量となる、以下同様にして例えば1枚目から15枚目までのウエハWを処理するときのサックバック量が決まる。従ってそれらの値をメモリ内に格納しておき、実処理を行うときにメモリ内からサックバック量を読み出してサックバックバルブの動作を制御することにより、ノズル11の先端部の液面レベルの一定化を図ることができる。
【0044】
制御部3の処理レシピ33には、上述したレジスト液の塗布処理を実行するための手順、処理パラメーターが書き込まれたステップ群が組み込まれている。前記処理レシピ33は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体により格納されて制御部3にインストールされる。ここで一例を挙げておくと例えば図8のようにノズルバスからカップ体21Aの移動に伴いノズル先端部内の液面はh1に下がるため、図9のステップS2において、一定量サックバックの量(v0)に前記液面の高さ(h1)の場合に補正に必要な量に相当する量(v1)を加えた量(v0+v1)をサックバックするようにプログラムを変更することでカップ体21Aに移動後の液面の高さをh0にすることができる。
【0045】
なお既述のようにノズル11の移動パターンは、例えば互いに隣接する液処理モジュール(2A、2B)、(2B、2C)間に中間ノズルを設けておき、ロットの処理開始時を除いて図1に示すノズルバス15にノズル11を戻す代わりにこの中間ノズルバスに待機させる場合にも第2の実施の形態の手法が適用できる。また第2の実施の形態においては、前述したサックバック量の調整に加え、移動後レジスト液の吐出直前のノズル11をカメラ16で撮像し、画像解析により高さを、液面レベルの測定結果を制御部3にフィードバックし、第1の実施の形態に示した液面の高さの制御を行うようにしてもよい。
【0046】
[他の実施の形態]
液面検出部としては、液面を撮像するカメラ16に限定されるものではなく、図13示すように電気的に検出するものであってもよい。この例では、ノズル内の流路を挟んで互いに対向する電極E1、E2の組を流路に沿って複数組配列し、また高周波回路を設けている。この高周波回路は、高周波電源101と電流検出部100とスイッチ部102とを備えており、スイッチ部SWの切り替え接点を順次変えることにより、各組の電極E1、E2を順次スイッチ部SWを介して高周波回路に接続するようにしている。電極E1、E2の間の容量が処理液の有無により変わり、このため電流値が変わることを利用し、各電極E1、E2の間に順次高周波を流して各電流値を求めることにより、制御部側ではどの組の電極E1、E2まで液が存在するかが分かる。なお電極E1、E2からの配線は例えばノズルの外面に引き出し、シールド線により引き回される。
【符号の説明】
【0047】
1 ノズルユニット
11 処理液吐出ノズル
12 シンナー吐出ノズル
13 アーム
15 ノズルバス
16 カメラ
17、18 光源
19 移動体
2 液処理モジュール
21A〜21C カップ体
22A〜22C スピンチャック
3 制御部
4 供給ユニット
51 開閉バルブ
52 サックバックバルブ
53 ポンプ
54 外管
55 処理液供給路
【技術分野】
【0001】
本発明は基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置、液処理方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程において用いられるレジスト液や、反射防止膜用の薬液を塗布する塗布処理ユニットとしては、装置構成を簡素化するために、カップ体及びスピンチャックを含む液処理モジュールを共通の筐体内に複数例えば3個一列に並べ、給液用のノズルをこれら複数個の液処理モジュールに対して共通化された液処理装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
ノズルとしては基板の種別に応じた薬液、例えばレジスト液毎にレジストを用意し、これらノズルを集合させて集合ノズルであるノズルユニットを構成し、このノズルユニットを各液処理モジュールに対して共通に用いている。具体的にはノズルユニットは液処理モジュールの配列方向に移動できるように構成され、ノズルの処理液供給路はレジスト液の供給源から引き回されて基台に固定され、その固定点よりも先端側(下流側)の部位を、ノズルユニットの移動に追従して屈曲できるように自由端部位として構成されている。しかしながらノズルが各液処理モジュールを移動した際に処理液供給路の自由端部位の屈曲や、捩れなどにより、処理液供給路内の内圧の変化が生じることがあり、このためレジスト吐出ノズルの先端部の液面レベルが変動することがある。しかも処理液供給路の状態はノズルがどの液処理モジュールの上に停止するかによって変わってくるため、液処理モジュール間でノズルの先端部の液面レベルが変わってしまい液処理モジュール間でレジストの吐出量が一定ではなくなる。レジスト液は高価なものであることから省レジスト対応が進んでおり、このためレジストの使用量が減少していくに従い、前述したノズル先端部の液面変動が生じた場合におけるレジスト液の供給される量の変動率が大きくなり、基板間あるいはロット間の塗布処理の均一性が落ちることが懸念される。
【0004】
特許文献1ではカメラによりノズルの先端部内を撮像し、液垂れまたは滴下の発生により、ダミーディスペンスや液処理停止の処理を取るよう制御しているが本発明のような移動により発生するノズルの先端部の液面レベルの変化による吐出量の変動を抑制するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−135679
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、液処理モジュールに載置された基板に対して処理液ノズルから処理液を供給して液処理を行うにあたって、処理液ノズル内における吐出前の処理液の液面レベルの一定化を図ることにより処理液の供給量を安定させ、これにより基板の間における塗布の均一性を図ることの技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液処理装置は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記処理液ノズルが前記液処理モジュールの上方に位置しているときに当該処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する液面検出部と、
この液面検出部にて検出された検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明の液処理装置は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記使用順序により決められた液処理モジュールの順番毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部と、
この記憶部から液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出してこの吸引量に対応する動作を行うように前記吸引機構に制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0009】
本発明の液処理方法は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
前記処理液ノズルが液処理モジュールの上方位置に移動する前に吸引機構により処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
次いで前記処理液ノズルを前記液処理モジュールの上方に移動させる工程と、
続いて前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する工程と、
液面レベルの検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する工程と、
前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明の液処理方法は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
予め決められた液処理モジュールの使用順序毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部から、液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出す工程と、
読み出した吸引量に対応する動作を行うように吸引機構に制御信号を出力して、
処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引し、前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
前記基板保持部に保持された基板に対して、処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出して液処理を行う工程と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の記憶媒体は、
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の液処理方法を実行するようにステップ群が組み込まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、液処理モジュールに載置された基板に対して処理液ノズルから処理液を供給して液処理を行うにあたって、処理液ノズルが液処理モジュールの上方に位置しているときに当該処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出し、その検出結果に応じて液面レベルが予め設定した基準位置になるように吸引機構を制御するようにしている。このため処理液吐出前の液面レベルが一定化し、処理液の吐出量が一定化するので、基板の間における塗布の均一性を図ることができる。また他の発明は、横方向に複数配列された液処理モジュールと、複数の液処理モジュールに対して共通化された処理液ノズルとを備えた液処理装置において、各液処理モジュール毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に吸引機構により処理液の吸引量を予め決めているため、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る液処理装置の概視を示す斜視図である。
【図2】前記液処理装置の液処理モジュール及び処理液ノズルの処理液供給路系の構成図である。
【図3】処理液ノズルを含むノズルユニット及び支持アームを裏側から見た斜視図である。
【図4】本発明に係るサックバックバルブの構造及び動作状態を示す説明図である。
【図5】前記ノズル先端部内を照らす光源を説明する(a)斜視図及び(b)平面図である。
【図6】前記塗布処理部の制御部を示す構成図である。
【図7】ノズル先端部内を示す縦断面図である。
【図8】測定された液面の高さと当該液面時のレジストの補正量を示す特性図である。
【図9】ノズルバスに待機しているときのノズル先端部の状態を示す説明図である。
【図10】本発明に係るノズルバスから液処理モジュール2Aに移動した場合を示す説明図である。
【図11】本発明の塗布、現像処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明に係るノズルバスから液処理モジュール2Aに移動した場合の液面レベルの変動と液面レベルの補正を示す説明図である。
【図13】他の実施の形態に係るノズル先端部の液面レベルの検出方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
本発明の液処理装置をレジスト塗布装置に適用した実施形態の全体構成について説明する。この液処理装置は図1に示すように横一列に配列された複数例えば3個の液処理モジュール2と、ノズルユニット1と、ノズルユニット1のノズルを待機させるためのノズルバス15と、基板である半導体ウエハ(以下ウエハという)に塗布されたレジスト膜の周縁を除去するためのエッジリムーバ61と、を備えている。
【0015】
各液処理モジュール2A〜2Cは各々同様に構成されており、液処理モジュール2Aを代表して説明する。液処理モジュール2Aは図2に示すようにウエハWの裏面中央部を吸着して水平に保持する基板保持部であるスピンチャック22Aを備え、スピンチャック22Aは回転軸20を介して回転駆動機構29と接続されている。スピンチャック22Aは回転駆動機構29及び回転軸20を介してウエハWを保持した状態で鉛直軸回りに回転自在に構成されており、その回転軸20上にウエハWの中心が位置するように設定されている。ウエハWは液処理装置の外部の基板搬送手段により昇降機構28により昇降される昇降ピン27を介して受け渡される。
【0016】
スピンチャック22Aの周囲にはスピンチャック22A上のウエハWを囲むようにして上方側に開口部を備えたカップ体21Aが設けられており、カップ体21Aの側周面上端側は内側に傾斜した傾斜部を形成している。カップ体21Aの底部側には例えば凹部をなす液受け部23が設けられている。なお液処理モジュール2の各部の符号についてはスピンチャック及びカップ体についてだけ、液処理モジュール2を区別するためのアルファベット(A〜C)を付している。液受け部23は隔壁24によりウエハWの周縁下方側に全周に亘って外側領域と内側領域とに区画されている。外側領域の底部にはドレインを排出するための排液口25が設けられ、内側領域の底部には処理雰囲気を排気するための排気口26が設けられている。
【0017】
ノズルユニット1は濃度や成分の異なる複数種類、例えば10種類のレジストを夫々供給する10本の処理液ノズルであるレジスト液ノズル11とウエハW上でレジストを広がり易くするためのプリウェット処理を行うシンナーを供給するシンナーノズル12と、を備えている。図2及び図3に示すように各ノズル11、12はアーム13による移動方向に沿って並行に配列されており、各々鉛直方向に流路が形成され、下端が処理液の吐出口として開口している。ノズルユニット1は支持部であるアーム13により支持されており、このアーム13は移動体19に図示しない昇降機構により昇降されるように設けられている。この移動体19は液処理モジュール2の並びに沿って、基台99上にY軸方向に伸びるガイドレール57にガイドされるように構成されている。移動体19は図示しないボールネジ機構などによりガイドレール57にガイドされるように移動し、これによりノズルユニット1は各液処理モジュール2A〜2Cの上方領域の間を移動する。
【0018】
各ノズル11、12はノズルユニット1の移動により、各スピンチャック22A〜22Cの中心部の上方に位置するように設定されている。即ちこれらノズル11、12は各液処理モジュール2A〜2Cに対して共通化されている。ノズルバス15は、ノズルユニット1が移動するY方向の一端側に設けられており、上側が開口したカップ状に形成されている。ノズルユニット1はウエハWに処理を行わないときにはこのノズルバス15に収納されて待機する。
【0019】
各ノズル11、12は夫々に処理液供給路55が接続されており、ノズルユニット1より外部に引き回される。処理液供給路55は例えば5本の処理液供給路55が一まとめにされ外管54に被覆され、例えば2本の外管54にまとめられた状態で伸びている。外管54は夫々の処理液供給路55の動きを規制し、絡まりや、液処理装置に引っかかるのを防ぐために設けられる。外管54の内径は例えば12mm〜15mmであり、処理液供給路55は3mm〜4mmである。処理液供給路55は外管54内で外管54に密着しているのではなく、外管54と処理液供給路55の間には隙間があり、移動体19の移動を妨げないようになっており、移動体19が移動したときに、処理液供給路55は外管54内をその径方向に移動できる。
【0020】
ノズルユニット1からアームの伸びる方向に引き回された外管54は移動体19側面に設置された外管規制部14に向かって伸ばされ、当該外管規制部14にて屈曲され、基台99の上を液処理モジュール2A〜2Cの配列方向に向かって伸ばされ、固定部56にて固定されている。固定部56はガイドレール57を長さ方向に二分する位置に、ガイドレール57の両端までの距離が等しくなるように設けられている。外管54の固定部56より下流の部分は十分に長く取られ、自由に屈曲変形するように構成されており、ノズルユニット1は液処理モジュール2A〜2C及びノズルバス15の間を自在に移動できるように構成されている。
【0021】
図1及び図2に示すようにこの処理液供給路55には、上述した固定部56よりも上流部側に処理液の供給調整を行う部位が設けられており、上流から順番に各レジスト液の種別毎に設けられたレジスト液タンク41及びシンナータンク42を備える供給ユニット4、ポンプ53、開閉バルブ51、サックバックバルブ52が設置されている。図2中、符号5で示す部分はポンプ53等をまとめて供給制御機器群として示したものである。
【0022】
吸引機構であるサックバックバルブ52は、図4に示すように、筐体70の内部に仕切り壁71が設けられると共に、仕切り壁71の下部側にダイヤフラム72が設置されており、仕切り壁71とダイヤフラム72とにより囲まれる気圧調整空間78が形成されている。この気圧調整空間78には筐体70外部より加圧空気を供給する加圧配管74と気圧調整空間78内を吸引する吸引管75が接続されている。加圧配管74における筐体70と接続される部位には、オリフィス79が設けられ、加圧空気の供給速度を抑えるように構成されている。
【0023】
加圧配管74、吸引管75は工場内の加圧用の配管及び減圧用の配管に夫々接続されている。加圧配管74、吸引管75の途中には夫々電磁弁76、77が設けられ、制御部3からの制御信号により開閉時間が制御されることで気圧調整空間78の圧力調整が行われるようになっている。ダイヤフラム72の下部側は処理液供給路55と連通するようにベローズ体73により囲まれており、気圧調整空間78の加圧あるいは吸引による容積の変化によって、ベローズ体73が伸縮し、それによって処理液供給路55より処理液のサックバックあるいは押し出しが行われるように構成されている。
【0024】
サックバックバルブ52はノズルユニット1が移動する際にノズル11、12の先端部より液垂れが起こるのを防止するために一定量のサックバックを行い、レジスト液あるいはシンナーの液面がノズル11の先端からわずかに上昇した基準レベルに設定する役割を果たす。図1中に戻って液処理モジュール2A〜2Cには夫々エッジリムーバ61が設けられる。これらエッジリムーバ61はウエハWに形成されたレジスト膜の周縁部を除去するために、シンナーを供給するノズルを備えている。図1中の62はノズルが待機するノズルバスである。
【0025】
ノズルユニット1の説明に戻ると図3はノズルユニット1及びアーム13の下面を示しており、当該アーム13の裏面側にはノズル11、12の先端部の画像を取得するためのイメージセンサ(撮像部)であるCCDカメラやCMOSカメラなどのカメラ16、がノズル11の配列方向と略直交する方角からこれらノズルの先端部内を撮像するようになっており、ノズル11の液面の高さは前記カメラ16による撮像により判定する。図5(a)に示すように、ノズル11よりアーム13方向(こちらをノズル11の後方部とする)に光源17を設置し、ノズルユニット1の正面と左右前方の斜め下方部に光源18を設置する。図5(b)に示すように光源17によりノズル11を後方より照らすと共に、光源18により正面と左右前方部より斜方向にノズル11を照らすことで、ノズル11の先端部内にレジストが入っていない場合は、空気層の側面が反射するため、液面の判定が容易になる。
【0026】
本実施の形態の液処理装置は図6に示すようにコンピュータからなる制御部3を備えている。図6中の30はバス、31はCPUである。33は処理レシピであり、この処理レシピ33はレジスト液の塗布処理を実行するための手順、処理パラメーターが書き込まれたステップ群である。36は第1のメモリであり、この第1のメモリ36にはカメラ16により撮像されて得られた、図7に示すような画像データが格納される。解析プログラム34は、ノズル11の先端部の画像データに基づいて液面レベルの判定をする判定部として機能すると共に、液面の高さの変動時に対処処理を行うためのものであり、撮像部であるカメラ16及び、判定部である解析プログラム34により液面検出部が構成される。
【0027】
第2のメモリ37には図8にイメージで示すように、検出されたノズル11の先端部の液面レベル(高さ)と、液面レベルに対応する処理液の吸引量あるいは押し出し量との関係を規定したデータテーブルが記憶されている。データテーブルのイメージ化したグラフは横軸に液面レベル、縦軸にサックバックバルブ52によるサックバック量(正方向に吸引量、負方向に押し出し量)を夫々とったグラフであり、液面が基準レベル(h0)の時に補正量は0になっている。また液面レベルが下降してh0より低い値、例えばh1と検出された場合サックバックが行われ、検出された液面レベルが下がるにつれてサックバック量が増加する。一方液面レベルがh0より高い値、例えばh2と検出された場合は押し出しが行われ、検出された液面レベルが上がるにつれて押し出し量が増加するように設定されている。
【0028】
解析プログラム34は第1のメモリ36に格納されている画像データ(図7)に基づいて、ノズル11の先端部から液面までの高さh1を検出し、検出値h1を基に前記第2のメモリ37のデータテーブルより補正量v1を読み出すステップ、サックバックバルブ52に設置された電磁弁76、77の開閉時間を調整することにより、サックバックバルブ52の気圧調整空間78の容積を変化させ処理液のサックバックあるいは、押し出しの量を調整するステップを備えている。即ち、解析プログラム34には上述した撮像から補正量出力までのステップ群が組み込まれている。前記処理レシピ33及び、解析プログラム34は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体により格納されて制御部3にインストールされる。
【0029】
次に上述実施の形態の作用について説明する。液処理装置へのウエハWの搬入については、外部の搬送手段により、ロットの1番目のウエハWから順に第1の液処理モジュール2A→第2の液処理モジュール2B→第3の液処理モジュール2Cの順序で各液処理モジュールに繰り返して搬入され、昇降ピン27を介してスピンチャック22に受け渡される。一方液処理装置の運転開始時あるいはロットの切り替わり時にはノズルユニット1はノズルバス15に待機している。このとき処理液ノズル11の先端部には図9に示すように、先端側から上流側に向かって空気層81、シンナー層82、空気層83が形成され、この空気層83の上流側に処理液84が存在する。このような層構造は図10(a)に示すようにノズルユニット1がノズルバス15に待機しているときに形成される。
【0030】
以下の動作については図10〜図12を参照しながら説明する。ロットの先頭のウエハWが液処理モジュール2Aに搬入されると、ノズルユニット1はノズルバス15にて当該ロットに使用するレジスト液を吐出するノズル11のダミーディスペンスを行い(図10(a)、図11のステップS1及び図12(a))、その後、液垂れを防止するためにサックバックバルブ52により一定量サックバックを行って、ノズル11の先端部内の液面を予め設定した基準レベルh0に引き上げる(ステップS2及び図12(b))。
【0031】
次にノズルユニット1は図10(b)に示すように液処理モジュール2Aの上方に移動し、シンナーノズル12をスピンチャック22Aの中心部の上方に位置させる(ステップS3)。ノズル11の外管54はノズルユニット1が移動することにより、固定部56よりも下流側部位の変形状態が変わるため、処理液供給路55の内圧が変化し、これによりノズル11の先端部の液面レベルが変動する。この例の場合にはノズルユニット1がノズルバス15に位置しているときには、外管54における固定部56の下流側部位はノズルユニット1が液処理モジュール2A〜2C上に位置しているときよりも伸び切っている状態にある。このためノズルユニット1が液処理モジュール2A上に移動すると外管54の屈曲部位が固定部56側に移動するので処理液供給路55の内圧が高まり、この結果ノズル11の先端部の液面が図12(c)に示すようにh0からh1まで下がる。
【0032】
そこでレジスト液のノズル11をカメラ16により撮像し(ステップS4)、撮像した画像データを制御部3の第2のメモリ37に格納する。解析プログラム34はこの画像データに基づいてノズル11の先端部の液面の高さ(ここではh1)を求め、第2のメモリ37内のデータ(図8)を参照してh1に対応するサックバック量v1が求められる(ステップS5)。ところでこの時点の前にサックバックバルブ52に吸引動作をさせて一定量だけノズル11の先端部の液面を引き上げており、このため図4に示すダイヤフラム72が少し引き上げられた状態となっている。既述のように液の吸引量はこの例では電磁弁77を開いている時間に対応しているため、第2のメモリ37内の前記補正データの縦軸(図8参照)は電磁弁77(あるいは電磁弁76)を開いている時間に相当する値である。
【0033】
そして外管54の固定部56の位置や外管54の引き回しの手法などによって、前記液面レベルが基準レベルh0よりも高いのか低いのかが決まってくるので、液面レベルの補正を行うためには、サックバックバルブ52の加圧管74の電磁弁76を開くのか吸引管75の電磁弁77を開くのかが決まってくる。従って、加圧動作(負の吸引)が作用される場合には、補正データにおけるサックバック量についても正、負が割り当てられ、この正負の符号とサックバック量とにより、開くべき電磁弁と開時間とが決定されることになる。
【0034】
図1に記載した外管54の引き回しにおいてはノズルバス15にてノズル11について一定量のサックバックを行っているので、ノズル11が各液処理モジュール2A〜2Cの上方に位置したときには、液面は基準レベルh0よりも低くなっており、サックバックバルブ52が行う補正動作は吸引動作となる。なお図8に示した補正データの縦軸は、液面レベルの高さ位置を示しているが、液面レベルと基準レベルとの差分を表示しても同じことである。
【0035】
図11に示すフローチャートに戻って第2のメモリ37からサックバック量v1が読み出されると、サックバックバルブ52の電磁弁77に制御信号が送られ対応する時間だけ電磁弁77が開かれて、レジスト液が引き上げられ、ノズル11の先端部内の液面のレベルは基準レベルh0に補正される(ステップS6及び図12(d))。
【0036】
続いてステップS7及び図12(e)のレジストの塗布処理を行う。例えばアーム13の下降及び液面補正と並行して、スピンチャック22は回転を開始し、回転中のウエハWの中心部にシンナーを吐出してウエハWの表面全体をプリウェットし、その後、当該液処理に用いるノズル11がウエハWの中央部上に位置し、ポンプ53によりノズル11からレジスト液が押し出されてウエハW上に吐出され、スピンコーティングによりウエハWの表面全体に当該レジストが展伸される。レジストの供給後ウエハWの回転数を低下させ、レジストの厚さを均一にした後、再びウエハWの回転数を上げ、塗布したレジストの振り切り乾燥を行い、レジスト膜を形成する。
【0037】
振り切り乾燥の完了したウエハWに対しては、レジスト膜の周縁部を除去するため、そのウエハWが回転した状態でエッジリムーバ61からシンナーが供給される。ウエハW周縁部に塗布されたレジスト膜が除去され、然る後、レジスト膜の場合と同様にシンナーの振り切り乾燥を行って一連の液処理が完了し、エッジリムーバ61をエッジリムーバのノズルバス62まで退避させたあと、ウエハWは昇降機構28により昇降される昇降ピン27を介して液処理装置の外部の基板搬送手段に受け渡され、塗布処理部9から搬出される。ノズルユニット1では、レジスト吐出後、次いで一定量のサックバックが行われる。
【0038】
一方ノズルユニット1ではノズル11がレジスト液をウエハWに吐出した後、例えばその位置でノズル11内のレジスト液に対してサックバックバルブ52により一定量サックバックが行われる。その後ノズルユニット1は例えばノズルバス15にて待機する。ノズルユニット1の待機中に液処理モジュール2A上のウエハWに対して既述の振り切り乾燥が行われると共に、当該ノズルユニット1は液処理モジュール2B上に移動し、同様にしてノズル11の先端部の撮像をした後、レジストの液面の補正が行われた後、ノズル11からレジスト液を吐出してウエハWに対して、塗布処理が行われる。その後同様にして液処理モジュール2Cに次のウエハWが搬入された後、作業が行われ、以下後続のウエハWは液処理モジュール2A、液処理モジュール2B、液処理モジュール2Cの順番で搬入される。なお、レジスト液を吐出し、一定量のサックバックが行われた後のノズルユニット1は例えば液処理モジュール2A、液処理モジュール2B間あるいは液処理モジュール2B、液処理モジュール2Cに設けられたノズルバスにて待機するようにしてもよい。
【0039】
上述の実施の形態によれば液処理モジュール2A(2B、2C)に載置されたウエハWに対してノズル11から処理液を供給して液処理を行うにあたって、ノズル11が液処理モジュール2A(2B、2C)の上方に位置しているときに当該ノズル11の先端部の液面レベルを検出し、その検出結果に応じて液面レベルが予め設定した基準位置になるようにサックバックバルブ52を制御するようにしている。このため処理液吐出前の液面レベルが液処理モジュール2A(2B、2C)一定化し、処理液の吐出量が一定化するので、基板の間における塗布の均一性を図ることができる。
【0040】
また上述の例では、使用するノズル11以外の待機している他のノズル11については、図9に示したように層構造が形成されているが、ノズル11の側方から光を当てることにより、空気層と液の屈折率の違いにより画像データ上で空気層とシンナー層とを区別することができる。このためノズル11の先端部から空気層81、シンナー層82、空気層83が形成されているか否かを判定することができ、例えば先端の空気層81が存在せずにシンナーで満たされている状態をトラブルとして検出することができる。
【0041】
[第2の実施の形態]
この第2の実施の形態は、液処理モジュール2A〜2C間をノズル11が移動することによるノズル11の先端部の液面の高さの変動値を、予め装置を稼動することにより測定し、この測定結果に基づいて、夫々の移動時における液面のレベルが、基準の高さレベルとなるようにサックバック量を決めておく手法である。
【0042】
液処理モジュール2A〜2Cの使用順序は予め決められており、例えば液処理モジュール2A→液処理モジュール2B→液処理モジュール2C→液処理モジュール2A→液処理モジュール2B→液処理モジュール2C…というように所定の順番が繰り返される。このため同じロットに属する例えば15枚のウエハWに対してレジスト液の塗布処理を行う場合には、ノズル11はノズルバス15→液処理モジュール2A→ノズルバス15→液処理モジュール2B→ノズルバス15→液処理モジュール2C→ノズルバス15→液処理モジュール2A…の順に移動する。そしてロットの1枚目のウエハWに対して処理を行う前にノズル11はノズルバス15にてダミーディスペンスを行い、続いて一定量のサックバックを行うが、その後はウエハWに対してレジスト液を吐出した後に一定量のサックバックを行う。従って1枚目のウエハWに対して処理を行う前においてノズル11が液処理モジュール2A上に位置するときの液面レベルと、4枚目のウエハWに対して処理を行う前においてノズル11が液処理モジュール2A上に位置するときの液面レベルは異なる。
【0043】
従ってこの場合には、事前に前記液面レベルの変動を調べるにあたって、1枚目から4枚目のウエハWごとに、各ウエハWを処理する前に一定量をサックバックして液面レベルを基準レベルまで引き上げ、その後、対応する液処理モジュール2A〜2C上に移動したときの液面レベルの変動を把握する必要がある。この液面レベルの変動量から逆算してノズル11が対応する液処理モジュール2A〜2Cに移動する前のサックバック量を求めておく。5枚目のウエハWを処理する前のサックバック量(4枚目のウエハWに対してレジスト液の吐出を行った後のサックバック量)は2枚目のウエハWを処理する前のサックバック量と同じになり、6枚目、7枚目のウエハWを処理する前のサックバック量は夫々3枚目、4枚目のウエハWを処理する時のサックバック量となる、以下同様にして例えば1枚目から15枚目までのウエハWを処理するときのサックバック量が決まる。従ってそれらの値をメモリ内に格納しておき、実処理を行うときにメモリ内からサックバック量を読み出してサックバックバルブの動作を制御することにより、ノズル11の先端部の液面レベルの一定化を図ることができる。
【0044】
制御部3の処理レシピ33には、上述したレジスト液の塗布処理を実行するための手順、処理パラメーターが書き込まれたステップ群が組み込まれている。前記処理レシピ33は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体により格納されて制御部3にインストールされる。ここで一例を挙げておくと例えば図8のようにノズルバスからカップ体21Aの移動に伴いノズル先端部内の液面はh1に下がるため、図9のステップS2において、一定量サックバックの量(v0)に前記液面の高さ(h1)の場合に補正に必要な量に相当する量(v1)を加えた量(v0+v1)をサックバックするようにプログラムを変更することでカップ体21Aに移動後の液面の高さをh0にすることができる。
【0045】
なお既述のようにノズル11の移動パターンは、例えば互いに隣接する液処理モジュール(2A、2B)、(2B、2C)間に中間ノズルを設けておき、ロットの処理開始時を除いて図1に示すノズルバス15にノズル11を戻す代わりにこの中間ノズルバスに待機させる場合にも第2の実施の形態の手法が適用できる。また第2の実施の形態においては、前述したサックバック量の調整に加え、移動後レジスト液の吐出直前のノズル11をカメラ16で撮像し、画像解析により高さを、液面レベルの測定結果を制御部3にフィードバックし、第1の実施の形態に示した液面の高さの制御を行うようにしてもよい。
【0046】
[他の実施の形態]
液面検出部としては、液面を撮像するカメラ16に限定されるものではなく、図13示すように電気的に検出するものであってもよい。この例では、ノズル内の流路を挟んで互いに対向する電極E1、E2の組を流路に沿って複数組配列し、また高周波回路を設けている。この高周波回路は、高周波電源101と電流検出部100とスイッチ部102とを備えており、スイッチ部SWの切り替え接点を順次変えることにより、各組の電極E1、E2を順次スイッチ部SWを介して高周波回路に接続するようにしている。電極E1、E2の間の容量が処理液の有無により変わり、このため電流値が変わることを利用し、各電極E1、E2の間に順次高周波を流して各電流値を求めることにより、制御部側ではどの組の電極E1、E2まで液が存在するかが分かる。なお電極E1、E2からの配線は例えばノズルの外面に引き出し、シールド線により引き回される。
【符号の説明】
【0047】
1 ノズルユニット
11 処理液吐出ノズル
12 シンナー吐出ノズル
13 アーム
15 ノズルバス
16 カメラ
17、18 光源
19 移動体
2 液処理モジュール
21A〜21C カップ体
22A〜22C スピンチャック
3 制御部
4 供給ユニット
51 開閉バルブ
52 サックバックバルブ
53 ポンプ
54 外管
55 処理液供給路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記処理液ノズルが前記液処理モジュールの上方に位置しているときに当該処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する液面検出部と、
この液面検出部にて検出された検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記液面検出部は、前記処理液ノズルの先端部を撮像する撮像部と、この撮像部にて撮像された撮像結果に基づいて前記液面レベルを判定する判定部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項3】
前記液面検出部は、処理液ノズルを支持しかつ当該処理液ノズルと一緒に移動する部位に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の液処理装置。
【請求項4】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記使用順序により決められた液処理モジュールの順番毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部と、
この記憶部から液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出してこの吸引量に対応する動作を行うように前記吸引機構に制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項5】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
前記処理液ノズルが液処理モジュールの上方位置に移動する前に吸引機構により処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
次いで前記処理液ノズルを前記液処理モジュールの上方に移動させる工程と、
続いて前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する工程と、
液面レベルの検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する工程と、
前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出する工程と、を備えたことを特徴とする液処理方法。
【請求項6】
液面レベルを検出する工程は、前記処理液ノズルの先端部を撮像する工程と、この撮像された撮像結果に基づいて前記液面レベルを判定する工程と、を備えたことを特徴とする請求項5記載の液処理方法。
【請求項7】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
予め決められた液処理モジュールの使用順序毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部から、液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出す工程と、
読み出した吸引量に対応する動作を行うように吸引機構に制御信号を出力して、
処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引し、前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
前記基板保持部に保持された基板に対して、処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出して液処理を行う工程と、を備えたことを特徴とする液処理方法。
【請求項8】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項5ないし7のいずれか一項に記載された液処理方法を実行するようにステップ群が組み込まれていることを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記処理液ノズルが前記液処理モジュールの上方に位置しているときに当該処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する液面検出部と、
この液面検出部にて検出された検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記液面検出部は、前記処理液ノズルの先端部を撮像する撮像部と、この撮像部にて撮像された撮像結果に基づいて前記液面レベルを判定する判定部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項3】
前記液面検出部は、処理液ノズルを支持しかつ当該処理液ノズルと一緒に移動する部位に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の液処理装置。
【請求項4】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、
前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、
この処理液ノズルに処理液供給路を介して処理液を予め設定した量だけ吐出するためのポンプと、
前記処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げるための吸引機構と、
前記使用順序により決められた液処理モジュールの順番毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部と、
この記憶部から液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出してこの吸引量に対応する動作を行うように前記吸引機構に制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項5】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
前記処理液ノズルが液処理モジュールの上方位置に移動する前に吸引機構により処理液を吸引して前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
次いで前記処理液ノズルを前記液処理モジュールの上方に移動させる工程と、
続いて前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを検出する工程と、
液面レベルの検出結果に基づいて、前記液面レベルが予め設定した基準位置になるように前記吸引機構を制御する工程と、
前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出する工程と、を備えたことを特徴とする液処理方法。
【請求項6】
液面レベルを検出する工程は、前記処理液ノズルの先端部を撮像する工程と、この撮像された撮像結果に基づいて前記液面レベルを判定する工程と、を備えたことを特徴とする請求項5記載の液処理方法。
【請求項7】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置を用い、
予め決められた液処理モジュールの使用順序毎に、処理液ノズルが処理液を吐出する前に処理液を吸引するための吸引量を予め記憶した記憶部から、液処理モジュールの順番に対応する吸引量を読み出す工程と、
読み出した吸引量に対応する動作を行うように吸引機構に制御信号を出力して、
処理液供給路における前記処理液ノズルとポンプとの間の処理液を吸引し、前記処理液ノズルの先端部の液面レベルを引き上げる工程と、
前記基板保持部に保持された基板に対して、処理液ノズルから処理液を予め設定した量だけ吐出して液処理を行う工程と、を備えたことを特徴とする液処理方法。
【請求項8】
カップ体の中に、基板を水平に保持する基板保持部を設けて構成され、横方向に複数配列された液処理モジュールと、前記複数の液処理モジュールに対して共通化され、予め決められた液処理モジュールの使用順序に従って、ノズル移動機構により複数の液処理モジュールの間を移動し、前記基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルと、を備えた液処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項5ないし7のいずれか一項に記載された液処理方法を実行するようにステップ群が組み込まれていることを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−62330(P2013−62330A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198938(P2011−198938)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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