説明

液晶表示セル

【課題】 OCB液晶表示装置の黒表示時の青味を低減する。
【解決手段】 対向電極Ecomを配置した対向基板130および画素電極Dpixを配置したアレイ基板120間にベンド配列される液晶層140を挟持し、前記基板の一方に赤、緑、青の各色フィルタ層を備える液晶表示セル11において、対向電極は青色フィルタ層に対応する部分Ecom(B)の膜厚tBが正面反射率の分光スペクトルにおける最小値が380nm〜480nm内になるように、かつ、 100nm<tB≦140nmに設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置に係り、広視野角と高速応答の実現が可能なOCB(Optically Compensated Birefringence)技術を用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力の特徴を生かして、各種用途に適用されている。
【0003】
現在、市場で広く利用されているツイステッド・ネマチック(TN)型液晶表示装置は、光学的に正の屈折率異方性を有する液晶材料が、基板間に略90°捩れ配列されて構成され、その捩れ配列の制御により入射光の旋光性を調節している。このTN型液晶表示装置は、比較的、容易に製造できるものの、その視野角は狭く、また応答速度が遅いため、特にTV画像等の動画表示には不向きであった。
【0004】
一方、視野角及び応答速度を改善するものとしてOCB型液晶表示装置が注目されている。OCB型液晶表示装置は、基板間にベンド配列が可能な液晶材料が封入されてなるもので、TN型液晶表示装置に比して応答速度は一桁改善され、更に液晶材料の配列状態から光学的に自己補償されるため視野角が広いと言う利点がある。そして、このようなOCB型液晶表示装置を用いて画像表示を行う場合、複屈折性を制御し偏光板との組合せによって、例えば高電圧印加状態で光を遮断(黒表示)し、低電圧印加状態で光を透過(白表示)させることが考えられる。
【0005】
しかしながら、黒表示状態では、液晶分子は高電圧印加により電界方向に沿って配列(基板に対して法線方向に配列)するが、基板近傍の液晶分子は配向膜との相互作用で法線方向に配列されず、光は所定方向に位相差の影響を受ける。このため、基板法線方向から観察した場合、黒表示時の透過率を十分に低減させることができず、コントラストの低下を招く。そこで、例えば一軸性の位相差板を組み合せることで、黒表示時の液晶層の位相差を補償し、透過率を十分に低減させることが知られている。また、斜め方向からの観察に対しても十分に黒表示、あるいは階調特性を補償する手法として、例えば特許文献1に開示されるように、ハイブリッド配列した光学負の位相差板を組み合せることも知られている。さらに、特許文献2に一般的な液晶表示装置において、短波長側(380nm〜480nm)の透過率を高めるために、電極の厚さを80nm〜100nmにすることが開示されている。
【特許文献1】特開平10−197862号公報
【特許文献2】特開2003−195277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、カラー液晶表示装置は自然光や演色性の高いバックライト等の入射光を反射または透過させて各色フィルタを通して表示するものであり、全可視光波長領域にわたる光を各フィルタの波長通過帯域で選択している。
【0007】
TN型液晶表示装置では表示に旋光性を用いるため、基板間で光が内部反射しても表示に与える影響はほとんどない。しかし、OCB液晶表示装置にあっては、内部反射の回数によって液晶層を通過する入射光が受けるリタデーションと位相差板のリタデーションとがずれ、これにより色味のバランスが崩れるという問題が生じる。更に、内部反射する反射光も波長分散を持つため、色味のバランスの崩れはより一層大きくなってしまう。特に青フィルタCF(B)は400〜550nmを通過特性としている。すなわち青フィルタCF(B)の通過領域に、ランプの発光スペクトルの435nmの鋭いピーク、450nmの低い幅広のピークおよび490nmの低い鋭いピークが含まれるので、黒表示時に画像が青味を帯びるおそれがある。特許文献2は青色領域(380nm〜480nm)の透過率が最大になるように電極厚さを80nm〜100nmにしている。しかし、この電極厚さをOCB構造に適用しても、黒表示時の青味の発生を十分に抑えることができないことが見出された。
【0008】
この発明は、高い応答速度と共に、色味のバランスに優れた液晶表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、液晶表示セルを通過する光成分のうち、特に青色光成分のセル内部反射を低減し、青色フィルタから漏れる不要な光を減衰することにより、色バランスを調節する。すなわち液晶表示セル内の対向基板に配置した透明対向電極の膜厚を380nm〜480nmの波長光の範囲で正面反射率が最小になるように設定し、前記対向電極の前記青色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtBとすると、
100nm<tB<≦140nm
とする。
【0010】
ここに前記カラーフィルタが対向基板と前記対向電極間に配置されていることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明は、複数の画素電極と各画素電極に接続されたスイッチング素子とを主面にマトリクス状に配置したアレイ基板と、
前記アレイ基板との間に間隙を設けて対向配置され対向電極を配置した対向基板と、
前記基板の一方に、前記画素電極に対応して形成された赤、緑および青色フィルタ層からカラーフィルタと、
前記アレイ基板と対向基板の間隙に挟持されたベンド配列される液晶層とを具備してなる液晶表示セルにおいて、
前記青色フィルタ層に対応する前記対向電極の部分の正面反射率の分光スペクトルにおける最小値が380nm〜480nm内にあり、かつ前記対向電極の前記赤色および緑色フィルタ層に対応する部分の膜厚は前記青色フィルタ層の膜厚よりも厚いことを特徴とする液晶表示セルにある。
【0012】
ここに、前記対向電極の屈折率をn、前記対向電極が前記青色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtB、前記緑色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtG、前記赤色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtRとすると、
ntB<ntG≦ntR
であることが好ましい。
【0013】
さらに、前記対向電極の屈折率をn、前記対向電極が前記青色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtB、前記緑色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtG、前記赤色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtRとすると、
190nm<ntB<240nm
250nm<ntG<280nm
290nm<ntR<350nm
であることが好ましい。
【0014】
また、前記対向電極が酸化インジウム錫(ITO)膜であることが好ましい。
【0015】
また、前記液晶表示セルの少なくとも一方に配置される位相差板と、
前記液晶表示セルの少なくとも一方に配置され前記液晶表示セルとの間に前記位相差板を挟んで配置される偏光板とを具備することが好ましい。
【0016】
OCBモードの液晶表示セルの一態様は、アレイ基板面上にマトリクス配線、TFTのスイッチング素子、層間絶縁膜、画素電極および配向膜を多層に積層し、対向基板面上にカラーフィルタ、ブラックマトリクス(BM)、対向電極および配向膜を多層に積層し、基板間に液晶層を配置した構造を有しており、セルを光が通過する間に各層による内部反射、内部散乱および液晶層による光分散の影響を受ける。
【0017】
OCBモードのセルは位相差板と組合わせ、液晶層の複屈折率の制御、すなわち液晶層のリタデーションを制御して、位相差板のリタデーションとの加算値の変化により偏光光の位相制御を行うものであるから、液晶層の層厚が一定であることが一要素である。液晶層のリタデーションをRDとすると、
RD=(nz−nx)d
ここにnxは液晶層の面に対して垂直な配向方向すなわちz軸の屈折率、nxは液晶層の面内のx,y軸方向の屈折率、dは液晶層の層厚を示す。
【0018】
位相差板のリタデーションをRD(WV)、黒表示時の液晶層のリタデーションをRD0とすると、黒表示時の表示装置全体のリタデーションは
RD(WV)+RD0=0である。
【0019】
図14は液晶表示セルの主要素であるアレイ基板GLS1、画素電極Dpix,層厚dの液晶層140、対向電極Ecom、カラーフィルタCF、対向基板GLS2を示している。このセル内を反射せずに透過する光L1の場合は、上記式に合致して光制御が行われるが、液晶層140内で一度反射してから透過する光L2の場合、液晶層140を3度通過することになり、この場合の表示装置全体のリタデーションは
RD(WV)+3RD0≠0
であり零にならず、光制御から外れる。
【0020】
このように反射を繰り返してフィルタCFから出射する光はリタデーション補償からずれ、画像の黒表示の黒輝度を押し上げ、黒に特定の色味がつく一因となる。特に青フィルタCF(B)は400〜550nmを通過特性としている。、すなわち青フィルタCF(B)の通過領域に、ランプの発光スペクトルの435nmの鋭いピーク、450nmの低い幅広のピークおよび490nmの低い鋭いピークが含まれるので制御外の波長光を透過しやすく、画像に青味が生じることが多い。
【0021】
本発明は電極膜に注目し、電極膜の少なくとも一部の正面反射率の分光スペクトルにおける最小値を380〜480nmの青色領域におくことにより、液晶層の内部反射を低減するものである。ここに正面反射率とは膜面に垂直方向から光が入射したときの反射率をいう。
【発明の効果】
【0022】
本発明は液晶表示セルの対向電極の正面反射率を分光スペクトルの380nm〜480nm内で最小値になるようにすることにより、少なくとも青色光成分の内部反射を低減するので、青色光のリタデーション制御を容易にし、青色光の光漏れを防ぎ、黒表示時に生じる画像の青味を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態の液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1は、本実施形態のOCBモード方式による液晶表示装置の概略構成図である。
【0025】
この液晶表示装置1は、アスペクト比16:9、対角22型であって、光透過型のアクティブマトリクスタイプの液晶パネル100と、複数本の管状光源310(図11参照)が並置配列されて構成され液晶パネル背面に配置されるバックライト300と、液晶パネル100内に内蔵され走査線Yjに走査信号Vgを供給する走査線駆動回路Ydr1,Ydr2(図4参照)と、信号線Xi(図4参照)に信号電圧Vsigを供給するTCP(Tape Carrier Package)から構成される信号線駆動回路500と、対向電極Ecom(図2、3参照)に対向電極電圧Vcomを供給する共通電極駆動回路700と、走査線駆動回路Ydr1,Ydr2、信号線駆動回路500及び共通電極駆動回路700を制御すると制御回路900とを備え、液晶パネル100がバックライト300と額縁状のベゼル1000とに挟持されて構成されている。
【0026】
液晶パネル100は、図3に示すように、液晶表示セル110と、前面ハイブリッド位相差板200a、前面2軸位相差板210a、前面偏光板220a、後面ハイブリッド位相差板200b、後面2軸位相差板210b、後面偏光板220bから構成されている。尚、前面ハイブリッド位相差板200a、前面2軸位相差板210a及び前面偏光板220aは一体的に構成され、同様に後面ハイブリッド位相差板200b、後面2軸位相差板210b及び後面偏光板220bも一体的に構成され、液晶表示セル110の主表面にそれぞれ貼り付けられている。
【0027】
図2に示すように液晶表示セル110は、表示用画素電極Dpixをもつアレイ基板120、このアレイ基板の表示用画素電極に対向電極Ecomを対向させて配置された対向基板130、及びアレイ基板120と対向基板130との間にそれぞれ配向膜151、153を介して挟持された液晶層140とから構成されている。対向基板130にはさらに青色フィルタ層CF(B)、緑色フィルタ層CF(G)、赤色フィルタ層CF(R)からなるカラーフィルタCFおよび光遮光膜BMが設けられている。後述するように各色フィルタ層に対応する位置にある対向電極Ecomの膜厚はフィルタ層の色別に異なる厚さにされている。すなわち青色フィルタ層に対応する膜厚をtB、緑色フィルタ層に対応する膜厚をtG、赤色フィルタ層に対応する膜厚をtRとすると、
tB<tG≦tR
になっている。
【0028】
<アレイ基板の構成>
アレイ基板120について、図2乃至図9を参照して説明する。
【0029】
アレイ基板120は、透明なガラス基板GLS1上に、複数本のアルミニウム(Al)から構成される信号線Xiと複数本のモリブデン・タングステン合金(MoW)から構成される走査線Yjとが酸化シリコン(SiO)膜からなる層間絶縁膜INS2を介してマトリクス状に配置されている。また、走査線Yjと並行して走査線Yjと同一工程で作成される補助容量線Cjが配置されている。
【0030】
信号線Xiと走査線Yjとの交点近傍には、スイッチング素子として多結晶シリコン(p−Si)膜を活性層としたトップゲート構造の薄膜トランジスタTFT上に、パッシベーション膜INS3を介して透明電極としてITO(Indium Tin Oxide)からなる表示用画素電極Dpixが配置されている。より詳しくは、このTFTは、オフリーク電流を低減するためにダブルゲート構造に構成され、P型のソース・ドレイン領域p−Si(s),p−Si(d)、チャネル領域p−Si(c1),p−Si(c2)、チャネル領域p−Si(c1),p−Si(c2)間に配置される接続領域p−Si(i)をp−Si膜中に含み、ドレイン領域p−Si(d)はコンタクトホールCH1を介して信号線Xiに接続され、ソース領域p−Si(s)はコンタクトホールCH2を介してAlからなるソース配線EXTによって引き回され、コンタクトホールCH3を介して表示用画素電極Dpixに接続されている。
【0031】
p−Si膜上には、TEOSからなるゲート絶縁膜INS1が配置され、この上に走査線Yjから延在した第1ゲート電極G1が配置され、また走査線Yjの一部が第2のゲート電極G2として配線されている。そして、第1ゲート電極G1が第1チャネル領域p−Si(c1)に対応し、第2ゲート電極G2が第2チャネル領域p−Si(c2)に対応している。
【0032】
また、このTFTのソース領域p−Si(s)はソース領域延在部p−Si(se)(図6)を含み、補助容量線Cjから伸び補助容量線Cjと同一工程で作成されるMoWからなる第1補助容量電極EC1上に層間絶縁膜INS2を介して配置される第2補助容量電極EC2にコンタクトホールCH4を介して電気的に接続している。この第2補助容量電極EC2は信号線Xiと同一工程で作成されるAlから構成されている。更に、この第2補助容量電極EC2上にパッシベーション膜INS3を介して表示用画素電極Dpixと同一工程で作成される相転移用画素電極Tpixが配置され、この相転移用画素電極TpixはコンタクトホールCH5を介して第2補助容量電極EC2と電気的に接続している。
【0033】
このような構成により、第1補助容量電極EC1と第2補助容量電極EC2との間で保持容量Cs(図4)が形成され、この保持容量Cs上に相転移用画素電極Tpixが配置されるため、開口率を損なうことなく効果的に大きな保持容量Csを確保することが可能となる。
【0034】
更に、この実施形態では、表示用画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとは走査線Yjを跨いで配置され、TFTのソース領域p−Si(s)から独立したソース領域延在部p−Si(se)により接続されるため、仮に保持容量Csに短絡等があったとしても、ソース領域延在部p−Si(se)をレーザ照射等の手段で電気的に切り離すことで、容易に救済することができる。
【0035】
また、補助容量線Cj上で隣接する次水平ラインの表示用画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとは、対向する端辺が互いに噛合う櫛歯状に構成されている。これは、表示用画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとの間に捩れた横方向電界を印加する事により均一にベンドの核形成をすることが可能となり、初期のスプレイ配列状態から均一にベンド配列状態に導くことが可能とするものである。この櫛歯ピッチは、例えば50μmよりも小さくすることにより低電圧で均一な配列に導くことを可能にする。
【0036】
ところで、図4に示すように、走査線Yjの両端は、それぞれガラス基板GLS1上に一体的に構成された走査線駆動回路Ydr1,Ydr2に電気的に接続されている。そして、走査線駆動回路Ydr1,Ydr2には、それぞれ垂直走査クロック信号YCK、垂直スタート信号YSTが入力される。補助容量線Cjは、それぞれ両端で接続配線Ccsに接続され、接続配線Ccsを介して補助容量電圧Vcsが入力される。信号線Xiは、選択スイッチSELを介して信号入力線xk(k=i/2)に接続されている。詳しくは、信号線Xiは奇数信号線Xi(i=1,3,5,・・・)と偶数信号線Xi(i=2,4,6,・・・)とに区分され、隣接する一対の奇数信号線Xi,Xi+2が選択スイッチSEL1,SEL3を介して同一の信号入力線xkに接続され、隣接する一対の偶数信号線Xi+1,Xi+3が選択スイッチSEL2,SEL4を介して同一の信号入力線xk+1に接続されている。そして、奇数信号線対の一方に接続される選択スイッチSEL1と偶数信号線対の一方に接続される選択スイッチSEL4とが第1選択信号Vsel1で選択され、奇数信号線対の他方に接続される選択スイッチSEL3と偶数信号線対の他方に接続される選択スイッチSEL2とが第2選択信号Vsel2で選択されるよう配線されている。
【0037】
例えば、図8(a)に示すように、例えば第1走査線Y1の一水平走査期間(1H)の前半で信号線X1に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig1が、信号線X4に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig4が書き込まれる。そして、一水平走査期間(1H)の後半で信号線X2に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig2が、信号線X3に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig3が書き込まれる。また、図8(b)に示すように、次フレームの第1走査線Y1の一水平走査期間(1H)の前半で信号線X1に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig1が、信号線X4に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig4が書き込まれる。そして、一水平走査期間(1H)の後半で信号線X2に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig2が、信号線X3に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig3が書き込まれる。
【0038】
このようにして、フレーム反転駆動及びドット反転駆動が行われ、これにより不所望な直流電圧の印加の防止と共に、フリッカの発生が効果的に防止される。更に、信号線駆動回路500と液晶パネル100との接続数は、信号線Xiの本数iに対してi/2に軽減されるため、接続工程が大幅に軽減されると共に、接続個所数が少ない事により製造歩留りの改善、耐衝撃性の向上等が達成される。また、高精細化に伴う接続ピッチ限界を広げることができ、例えば80μm以下の高精彩化も達成できる。
【0039】
ところで、上記実施形態では、一水平走査期間(1H)内に、ある信号入力線xkから入力される信号電圧Vsigを一つ置きの2本の信号線Xi,Xi+2にシリアルに振り分けるものとしたが、3本の信号線、あるいは4本の信号線に振り分けることも可能であり、このようにすることで接続数を更に低減することができる。しかしながら、この振り分け数を増大させる事は、各書き込み時間を短縮する事になるため、TFTの能力等に応じて適宜設計する必要がある。
【0040】
<対向基板の構成>
対向基板130は、ガラス基板GLS2上に不所望な漏れ光を阻止するマトリクス状の遮光膜BM、カラー表示のために各表示画素電極Dpixに対応して設けられた赤R、緑G、青B各色のカラーフィルタCF(R),CF(G),CF(B)および酸化インジウム錫膜ITOからなる透明な対向電極Ecomが設けられて構成されている。CF(R)、CF(G)、CF(B)は順次隣接して配列される。
【0041】
また、図示しないが、対向電極Ecom上には樹脂性の柱スペーサが配置され、これによりアレイ基板110との間隙を維持するよう、複数画素に対して1つの割合で規則的に配置されている。アレイ基板上のスペーサ対応位置は図5に示す信号線上の幅広エリアXaである。
【0042】
図2に示すように、対向電極Ecomは隣接フィルタ層の色別に対応して膜厚が異なっている。各膜厚tB、tG、tRは本実施形態において
tB<tG<tR
であり、
膜の屈折率をnとすると、
190nm<ntB<240nm
250nm<ntG<280nm
290nm<ntR<350nm
とする。
【0043】
これにより青色フィルタ層に対応する対向電極Ecomの膜厚tBは正面反射率の分光スペクトルにおける最小値が青色領域380nm〜480nmになるように設定される。さらに、緑色フィルタ層対応部分の膜厚tGは反射率の最小値が500〜560nm、赤色フィルタ層対応部分の膜厚tRは反射率の最小値が580〜700nmになるように設定される。さらに緑、赤色の両フィルタ層に対応する対向電力領域の膜厚の範囲を上記に限定せずに余裕を持たせる場合には、青色フィルタ層に対応する対向電極Ecomの膜厚tBを、100nm<tB≦140nmになるように選ぶのがよい。
【0044】
これにより、各色フィルタ層下の対向電極膜厚画各色光に対して反射が最小になる値となり、液晶層内に入射した光の多重内部反射を低減することができ、漏れ光を減らすことができる。このため、黒表示時の黒輝度の上昇や色味を抑えることが可能である。
【0045】
特に黒表示が青味を帯びることが観察される場合、青色フィルタ層対応の対向電極部Ecom(B)の正面反射率を分光スペクトルにおける380〜480nmの範囲内で最小に設定することが必要である。図15の曲線AはEcom(B)の最小反射率を440nmに設定したとこの特性であり、比較例として最小値を可視光スペクトルの中心の約450nmに設定したときの特性Bに比べて青色領域の反射率が低減していることを示している。
【0046】
液晶表示セルの各部の屈折率はガラス基板1.5、ITO電極膜1.9〜2.0、液晶層、配向膜その他の層は約1.5〜1.8程度であるから、ITOの電極膜の屈折率が大きく、光反射に対する影響が大きい。本実施形態により対向電極の反射率を低減することによって液晶層内の反射をかなり減らせることができる。なお、対向電極膜をITOで形成したときに、分光スペクトルの440nmで最小反射率を得る青色フィルタ層対応の対向電極部Ecom(B)の膜厚tBは116nmである。
【0047】
なお、黒表示時に画像が青味づく場合、膜厚tBを上記のように設定すれば、他色フィルタ層対応の対向電極部の膜厚は緑と赤とで同じ膜厚にしてもよい。対向電極Ecomの膜厚を薄くすると、電気抵抗が増大し、電流供給能力が低下するが、緑、赤色フィルタ層対応部分の膜厚を厚めにすることによって電流供給に対して余裕のある膜を得ることができる利点がある。
【0048】
<液晶パネルの構成>
次に、この液晶パネル100の構成について更に説明する。
【0049】
図3に示すように、各アレイ及び対向基板120,130のそれぞれの主面に配置される配向膜151,153はラビング方向Ra、Rb(図9、図10参照)が基板120,130で画面上下方向に、互いに略並行方向にかつ同方向になるようにラビング処理が施されている。そして、プレチルト角(θ)はほぼ10°に設定されている。そして、これらの両基板120,130間に液晶層140が挟持されている。液晶層140には、表示画素電極Dpixと対向電極Ecomに所定の電圧が印加された状態で、その液晶分子がベンド配列になる誘電率異方性が正のp形ネマティック液晶が用いられる。
【0050】
ところで、図10(a)に示すように、表示画素電極Dpixと対向電極Ecom間に電圧が無印加の状態では液晶層140の液晶分子140aはスプレイ配列状態をとる。このため、電源投入時に、表示画素電極Dpixと対向電極Ecomとの間に数十V程度の高電圧を印加することでベンド配列状態に移行させる。この相転移を確実に行うため、高電圧印加に際し、隣接する水平画素ライン毎に逆極性の電圧を順次書き込むことにより、隣接する表示画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとの間に横方向のねじれ電位差を与えることで核形成を行い、この核を中心に相転移を行う。このような動作を略1秒間程度行う事によりスプレイ配列状態からベンド配列状態に移行させ、更に表示画素電極Dpixと対向電極Ecomとの間の電位差を同電位とすることで不所望な履歴を一度消去する。
【0051】
このようにしてベンド配列状態とした後、動作中は図10(b)のように液晶分子140aにベンド配列状態が維持される低いオフ電圧Voff以上の電圧が印加される。このオフ電圧とこれよりも高い電圧のオン電圧Vonと間で電圧を変化させることにより、同図(b)から(c)の間で配列状態を変化させ、液晶層140のリタデーション値をλ/2変化させ透過率を制御する。
【0052】
このような動作を達成するために、図9に示すように、オン電圧Voff印加時に黒表示となるように一対の偏光板220a,220bの吸収軸Aa,Abを互いに直交させ、ラビング方向Ra,Rbとπ/4ずらした配列とする。
【0053】
また、アレイ基板120及び対向基板130の外表面と偏光板220a,220bとの間に貼り付けられる前面ハイブリッド位相差板200aと後面ハイブリッド位相差板200bは、オン電圧時(黒表示時)の液晶層140のリタデーション値RLCon例えば80nmを補償するもので、更に黒表示時の正面及び斜め方向からの不所望な光漏れを防止するものである。即ち、このハイブリッド位相差板200a,200bを構成するディスコティック液晶は、屈折率nxとnyとが等しく、光軸方向の屈折率nzがnx,nyよりも小さい光学負の材料であって、図3および図9に示すように分子光軸Doptが液晶層140の液晶分子140aの光軸の傾斜方向とはそれぞれ逆方向に傾斜し、その傾斜角が膜厚方向に徐々に変化して構成されるものであって、リタデーション値RDはそれぞれ−40nmで構成されている。従って、黒表示時の液晶層140のリタデーションRLConが80nmであることから、黒表示時の位相差は相殺され、これにより不所望な光漏れが防止される。
【0054】
更にハイブリッド位相差板200a,200bと偏光板220a,220bとの間には、2軸位相差板210a,210bがそれぞれ配置されている。この2軸位相差板210a,210bは、斜め方向における液晶層140の旋光性に起因した光漏れを防止するものであって、それぞれ偏光板220a,220bの吸収軸Aa,Abに遅相軸Adを一致させている。従って、偏光板220a,220bとの組合せによって正面方向からの位相差はほぼ零にすることができ、実質的に斜め方向の波長分散のみを選択的に改善することができる。
【0055】
<バックライトの構成>
背面の偏光板220bに面して配置されるバックライト300について図11を参照して説明する。
【0056】
このバックライト300は、例えば同図(a)に示すように並置配列された複数本の管状光源310と、この管状光源310からの光を効率よく前面に出射すると共に管状光源310を収納する樹脂製のリフレクタ320と、偏光板220b(図2参照)と管状光源310との間に配置される光学シートとを備えて構成されている。
【0057】
光学シートは、例えば輝度均一性を確保するための旭化成社製TDX等の拡散板340、管状光源310から出射される光源光を集光する複数のプリズム列が配列された例えば3M社製BEFIII等のプリズムシート350,360から構成される。
【0058】
管状光源310としては、3波長冷陰極蛍光管を代表とする高演色性ランプで構成され、一例として図17の曲線Aに示すような発光スペクトルを有しており、610nmにピークのある赤色光領域、540nmにピークをもつ緑色光領域、435nmにピークをもつ青色光領域を有している。ランプの放電ガスにキセノンガスを用いた場合の147nm紫外線に励起される発光蛍光体として、赤色用にY:Eu蛍光体、緑色用にLaPO:Ce,Tb蛍光体、青用にBAM螢光体が使用されるが、他の蛍光体が用いられることも多く、高演色性を得るための発光スペクトルとしては大差がない。
【0059】
液晶表示セルの各色フィルタ層CF(R),CF(G),CF(B)はこれらの光波長を分担する通過特性を有し、赤フィルタCF(R)は580nm以上、緑フィルタCF(G)は510〜580nm、青フィルタCF(B)は400〜550nmを通過特性としている。、すなわち青フィルタCF(B)の通過領域に、ランプの発光スペクトルの435nmの鋭いピーク、450nmの低い幅広のピークおよび490nmの低い鋭いピークが含まれる。
【0060】
図11(b)は本実施形態の変形例で、バックライトとしてサイドライト型の面光源を用いた場合であって、アクリル樹脂等からなる導光板370、導光板370の側面に配置される管状光源310、管状光源310からの光源光を効率よく導光板370に導くリフレクタ380、更に導光板310の出射面上に配置される青緑光吸収体330、この上に配置される拡散板340、更にこの上に配置されるプリズムシート350,360とから構成されている。
【0061】
本実施形態の対向電極の反射率の低減に加えて、バックライトに青緑光吸収体330を配置するもので、青緑光吸収体330はこの青緑の少なくとも一部の分光領域を吸収する。図16の曲線Bに示すように、吸収特性は波長450〜470nmで30%以上の吸収率を示しており、吸収率が高いほど、不所望な光漏れを阻止することができる。なお、曲線Cは液晶パネル100の色フィルタの特性であり、赤CR、緑CG、青CBのフィルタ特性を有する。
【0062】
図17に示すように、黒表示時の分光放射輝度は吸収体を青緑光吸収ガラス板で形成したときの特性を示しており、吸収ガラスがある場合に、この領域で著しく低下することがわかる。ここにDは吸収ガラスがある場合、Aは吸収ガラスがない場合の特性を示している。この吸収体による青緑色領域の光の吸収により、黒表示時の青味づきを更に軽減することができる。
【0063】
図11(c)は本実施形態の他の変形例で、同図(b)とは青緑光吸収体330の配置位置が、管状光源310と導光板370との間に変更されている他は同様の構成を要している。このような構成とする事により、上記の実施例および変形例に比べて小型に形成できる利点がある。
【0064】
また、上記の実施例および変形例に代えて管状光源310を構成するランプ外囲器自体を青緑光吸収ガラスで形成することもできる。
【0065】
<表示動作>
上記の構成により、図9に示すように管状光源310から出射される光は光通路L上の偏光板220bを透過する。ここで、偏光板220bの吸収軸Aa,Abと直交する透過軸を通過した偏光光のみが出射され、後面2軸位相差板210b及び後面ハイブリッド位相差板200bを経て液晶表示セル110に入射される。
【0066】
法線方向におけるオン電圧時の液晶層140と全位相差板の合計のリタデーションは略零なので、偏光光はそのまま通過し、前面側の偏光板220aに至る。偏光板220a,220bはクロスニコル配置であるから、偏光光は前面偏光板220aにより吸収され遮断され黒表示が得られる。
【0067】
オン電圧とオフ電圧間の電圧印加状態に応じ液晶層140のリタデーションが変化し全位相差板のリタデーションとの差が変化するため、前面2軸位相差板210aから出射される入射光は楕円偏光となって前面偏光板220aに達し、偏光状態に対応して光が透過する。このように印加電圧可変することにより、諧調表示が可能になる。
【0068】
対向電極の反射が低減され液晶層の多重内部反射による光が少なくなり、液晶表示セルの設定リタデーション値から外れる光が減り結果として黒表示時に目立つ青味が軽減される。
【0069】
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2の液晶表示セル110を示しており、図2で説明した対向電極Ecomの構成が異なる他は、同様の構成を有しており、同一符号の部分は同様な部分を示しており、これらの説明を省略する。
【0070】
本実施形態の対向電極Ecomは各色フィルタ層に関係なく一様な均一膜厚を有しており、分光スペクトルの青色領域である380〜480nmに正面反射率が最小値をもつ膜厚に設定される。青味の低減という点からは青画素に対応した場所で最適値を設計するのが良いのは言うまでもないが、対向電極の厚みを均一な膜厚にする場合緑画素や赤画素においてもコントラスト低下のような不具合が発生しないような膜厚に設定する必要がある。
【0071】
具体的には、屈折率1.9の酸化インジウム錫膜の場合の膜厚はスペクトル440nmに於ける正面反射率を最小値としたとき、116nmに設定することになる。反射率の最小値のスペクトルを短波長側にシフトさせるためには、膜厚はより薄い設定とする必要があり、これによって膜の電気抵抗率は増大する傾向にある。しかしながら、本実施例の青色領域に適した厚み程度ならば実用上支障はない。均一な膜厚の膜を形成するために製造が簡単になる利点がある。
【0072】
対向電極の屈折率をn、その青色領域の膜厚をtBとすると、
100nm<tB≦140nm
に設定することが望ましい。100nm以下では赤、緑色領域の光漏れが増大して、コントラスト低下の不具合を発生させ、140nmより大きくすると青色領域の光漏れが増大して、黒色表示時の青味が増大する。さらに望ましくは100nm<tB<130nmの範囲に設定すると、より黒表示時の青味を軽減できるのでよい。
【0073】
(実施形態3)
図13はOCBモードの反射型液晶表示装置の実施形態を示す。なお、図9と同符号の部分は同様部分を示し、説明を省略する。なお、液晶表示セル110のリタデーションは反射型である事を考慮して上記実施形態の1/2となるよう液晶材料の複屈折異方性あるいはセルギャップが調整されている。
【0074】
この反射型液晶表示装置2は、偏光板としては前面側に1枚の偏光板220aを配置すればよく、一方、液晶表示セル110の背面側に反射板160を配置する。偏光板220aに入射した自然光は偏光板220aの透過軸Taの成分の直線偏光となり、2軸位相差板210a、前面ハイブリッド位相差板200a、液晶表示セル110を通過し、反射板160で反射し、位相を反転して90°ずれて復路を戻り、再び偏光板220aに至る。この間、各素子により位相差を受けない場合は、直線偏光は偏光板220aで吸収され黒表示となる。液晶表示セル110のリタデーション可変により、位相差の影響を受け楕円偏光になると、戻り光の一部が偏光板220aを透過し、諧調表示が可能となる。なお、各素子を光が2回通過するので、それに合わせて厚み、リタデーションなどを調整する必要があることは上記した通りである。
【0075】
対向基板130の内面に形成する対向電極Ecomは実施形態1と同様の構成を有し、各色フィルタ層ごとに膜厚を異なるようにしている。これにより液晶表示セル内での内部反射が低減し黒表示時の青味画像の発生を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1の液晶表示装置の概略構成図。
【図2】本発明の実施形態1の一部断面略図。
【図3】実施形態1の液晶表示セルの一部拡大略断面図。
【図4】実施形態1の液晶表示セルの概略等価回路図。
【図5】実施形態1のアレイ基板の一部概略正面図。
【図6】実施形態1のアレイ基板の一部概略正面図。
【図7】(a)は図6中B−B線に沿って切断したアレイ基板の一部概略断面図であり、(b)はC−C線に沿って切断したアレイ基板の一部概略断面図。
【図8】一実施形態の表示状態を説明するための図。
【図9】一実施形態の液晶表示セルの概略構成図。
【図10】(a)、(b)、(c)は一実施形態の動作を説明する略図。
【図11】(a)、(b)、(c)は実施形態1のバックライトの略断面図。
【図12】本発明の実施形態2の一部略断面図。
【図13】本発明の実施形態3の液晶表示セルの概略構成図。
【図14】本発明の動作を説明するための略図。
【図15】実施形態1の対向電極の正面反射率を説明する曲線図。
【図16】バックライトのランプの分光放射輝度特性、青緑光吸収体の吸収特性および赤、緑、青色フィルタの通過特性を示す曲線図。
【図17】黒表示時の分光放射輝度特性を示す曲線図。
【符号の説明】
【0077】
110:液晶表示セル
120:アレイ基板
130:対向基板
CF(R),CF(G),CF(B):赤、緑、青色フィルタ層
140:液晶層
200a,200b:ハイブリッド位相差板
210a,210b:2軸位相差板
220a,220b:偏光板
300:バックライト
Ecom:対向電極
TFT:スイッチング素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素電極と各画素電極に接続されたスイッチング素子とを主面にマトリクス状に配置したアレイ基板と、
前記アレイ基板との間に間隙を設けて対向配置されて対向電極を配置した対向基板と、
前記基板の一方に、前記画素電極に対応して形成された赤、緑および青色フィルタ層からカラーフィルタと、
前記アレイ基板と対向基板の間隙に挟持されたベンド配列される液晶層とを具備してなる液晶表示セルにおいて、
前記対向電極の少なくとも前記青色フィルタ層に対応する部分の正面反射率の分光スペクトルにおける最小値が380nm〜480nm内にあり、前記対向電極の前記青色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtBとすると、
100nm<tB≦140nm
であることを特徴とする液晶表示セル。
【請求項2】
前記カラーフィルタが対向基板と前記対向電極間に配置されている請求項1記載の液晶表示セル。
【請求項3】
複数の画素電極と各画素電極に接続されたスイッチング素子とを主面にマトリクス状に配置したアレイ基板と、
前記アレイ基板との間に間隙を設けて対向配置され対向電極を配置した対向基板と、
前記基板の一方に、前記画素電極に対応して形成された赤、緑および青色フィルタ層からカラーフィルタと、
前記アレイ基板と対向基板の間隙に挟持されたベンド配列される液晶層とを具備してなる液晶表示セルにおいて、
前記青色フィルタ層に対応する前記対向電極の部分の正面反射率の分光スペクトルにおける最小値が380nm〜480nm内にあり、かつ前記対向電極の前記赤色および緑色フィルタ層に対応する部分の膜厚は前記青色フィルタ層の膜厚よりも厚いことを特徴とする液晶表示セル。
【請求項4】
前記対向電極の屈折率をn、前記対向電極が前記青色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtB、前記緑色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtG、前記赤色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtRとすると、
ntB<ntG≦ntR
であることを特徴とする請求項3記載の液晶表示セル。
【請求項5】
前記対向電極の屈折率をn、前記対向電極が前記青色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtB、前記緑色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtG、前記赤色フィルタ層に対応する部分の膜厚をtRとすると、
190nm<ntB<240nm、250nm<ntG<280nm、290nm<ntR<350nm
であることを特徴とする請求項4記載の液晶表示セル。
【請求項6】
前記対向電極が酸化インジウム錫膜である請求項1に記載の液晶表示セル。
【請求項7】
前記対向電極が酸化インジウム錫膜である請求項5に記載の液晶表示セル。
【請求項8】
前記液晶表示セルの少なくとも一方に配置される位相差板と、
前記液晶表示セルの少なくとも一方に配置され前記液晶表示セルとの間に前記位相差板を挟んで配置される偏光板とを具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の液晶表示セル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【国際公開番号】WO2005/038520
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【発行日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514854(P2005−514854)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015585
【国際出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】