説明

液晶表示装置及び電子機器

【課題】外光を照明光源とする反射モードと、バックライトを用いる透過モードの両モードでの画像表示を可能とした液晶表示装置を提供することを課題の一とする。
【解決手段】1つの画素において、液晶層を介して入射する光を反射して表示を行う領域(反射領域)と、バックライトからの光を透過して表示を行う領域(透過領域)とを設け、照明光源として、外光を用いる反射モードと、バックライトを用いる透過モードの両モードでの画像表示を可能とする。また、1つの画素にはそれぞれ別の画素電極層に接続された2つのトランジスタが設けられ、2つのトランジスタを別々に動作させることによって、反射領域の表示と、透過領域の表示とを独立して制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トランジスタで構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表される電気光学装置を部品として搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置において、高品位な画像を得るために、画素電極をマトリクス状に配置し、画素電極の各々に接続するスイッチング素子としてトランジスタを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置が注目を集めている。
【0003】
画素電極の各々に接続するスイッチング素子として、金属酸化物をチャネル形成領域とするトランジスタを用いるアクティブマトリクス型液晶表示装置は、既に知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
また、アクティブマトリクス型液晶表示装置には大きく分けて透過型と反射型の二種類のタイプが知られている。
【0005】
透過型の液晶表示装置は、冷陰極蛍光ランプなどのバックライトを用い、液晶の光学変調作用を利用して、バックライトからの光が液晶を透過して液晶表示装置外部に出力される状態と、出力されない状態とを選択し、明と暗の表示を行わせ、さらにそれらを組み合わせることで、画像表示を行うものである。
【0006】
透過型の液晶表示装置は、バックライトを利用するため、屋外などの外光が強い環境では表示を認識することが困難である。
【0007】
また、反射型の液晶表示装置は、液晶の光学変調作用を利用して、外光、即ち入射光が画素電極で反射して装置外部に出力される状態と、入射光が装置外部に出力されない状態とを選択し、明と暗の表示を行わせ、さらにそれらを組み合わせることで、画像表示を行うものである。
【0008】
反射型の液晶表示装置は、透過型の液晶表示装置と比較して、バックライトを使用しないため、消費電力が少ないといった長所を有しており、携帯用の情報端末としての需要が高まっている。
【0009】
反射型の液晶表示装置は、外光を利用するため、屋外などの外光が強い環境での画像表示に向いている。一方、液晶表示装置の周囲が薄暗い、即ち外光が弱い環境では表示を認識することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−123861号公報
【特許文献2】特開2007−96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
液晶表示装置の周囲が薄暗い環境でも画像表示が認識できる液晶表示装置を提供することを課題の一とする。
【0012】
また、外光を照明光源とする反射モードと、バックライトを用いる透過モードの両モードでの画像表示を可能とした液晶表示装置を提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの画素において、液晶層を介して入射する光を反射して表示を行う領域(反射領域)と、バックライトからの光を透過して表示を行う領域(透過領域)とを設け、照明光源として、外光を用いる反射モードと、バックライトを用いる透過モードの両モードでの画像表示を可能とする。また、1つの画素にはそれぞれ別の画素電極層に接続された2つのトランジスタが設けられ、2つのトランジスタを別々に動作させることによって、該接続された画素電極層の表示領域を独立して制御することができる。
【0014】
この液晶表示装置は、外光があり、その明るさが十分である場合は、反射モードとし、さらに静止画を表示することによって消費電力を低減できる。
【0015】
また、外光が弱い、または全くない場合は、透過モードとしてバックライトを点灯し画像表示を可能とする。
【0016】
また、液晶表示装置の周囲の明るさを検知するセンサを設け、そのセンサで得られるデータに応じて、反射モード、透過モード、またはバックライトのオンオフ及び光量調節を行うことが好ましい。
【0017】
バックライトの光源としては、冷陰極蛍光ランプよりも消費電力を低減でき、光の強弱を調節できる発光ダイオード(LED)を複数用いることが好ましい。バックライトにLEDを用いることによって部分的に光の強弱を調節し、コントラストが大きく、色の視認性の高い画像表示を行うことができる。
【0018】
本明細書で開示する本発明の一態様は、表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、を有し、表示パネルは、透光性を有し、第1系統の走査線と第1系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第1系統の画素電極と、第1系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第1系統のサブ画素と、可視光を反射し、第2系統の走査線と第2系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第2系統の画素電極と、第2系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第2系統のサブ画素の対を含む複数の画素と、複数の画素を含む画素部を時間的に制御する第1の駆動回路が設けられ、バックライト部は、複数の発光素子と、複数の発光素子を時間的に制御する第2の駆動回路を有し、画像処理回路は、画像信号を記憶する記憶回路と、記憶回路に記憶された画像信号を比較して差分を演算する比較回路を有し、比較回路が、差分を検出した連続するフレーム期間を動画期間であると判断し、画像処理回路が表示パネルの第1の系統の信号線に動画を含む第1の信号を出力して、画像処理回路がバックライト部に第1の信号と同期する第2の信号を出力する動画モードと、比較回路が、差分が検出されない連続するフレーム期間を静止画期間であると判断し、画像処理回路が静止画期間の静止画を白黒の静止画に変換し、画像処理回路が表示パネルの第2の系統の信号線に白黒の静止画を含む第1の信号を出力して、画像処理回路がバックライト部に信号の出力を停止する静止画モードを有する液晶表示装置である。
【0019】
本明細書で開示する本発明の他の一態様は、表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、測光回路とを有し、表示パネルは、透光性を有し、第1系統の走査線と第1系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第1系統の画素電極と、第1系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第1系統のサブ画素と、可視光を反射し、第2系統の走査線と第2系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第2系統の画素電極と、第2系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第2系統のサブ画素の対を含む複数の画素と、複数の画素を含む画素部を時間的に制御する第1の駆動回路が設けられ、バックライト部は、複数の発光素子と、複数の発光素子を時間的に制御する第2の駆動回路を有し、画像処理回路は、画像信号を記憶する記憶回路と、記憶回路に記憶された画像信号を比較して差分を演算する比較回路を有し、比較回路が、差分を検出した連続するフレーム期間を動画期間であると判断し、画像処理回路が表示パネルの第1の系統の信号線に動画を含む第1の信号を出力して、画像処理回路がバックライト部に第1の信号と同期する第2の信号を出力する動画モードと、比較回路が、差分が検出されない連続するフレーム期間を静止画期間であると判断し、画像処理回路が静止画期間の静止画を白黒の静止画に変換し、画像処理回路が表示パネルの第2の系統の信号線に白黒の静止画を含む第1の信号を出力して、画像処理回路がバックライト部に信号の出力を停止する静止画モードを有し、測光回路で検知した外光の明るさに応じて、静止画モードと動画モードを切り替えたときの明るさをバックライトで調節する液晶表示装置である。
【0020】
本明細書で開示する本発明の他の一態様は、表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、を有し、表示パネルは、透光性を有し、第1系統の走査線と第1系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第1系統の画素電極と、第1系統の画素電極に接続される酸化物半導体層を含むトランジスタと、が設けられた第1系統のサブ画素と、可視光を反射し、第2系統の走査線と第2系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第2系統の画素電極と、第2系統の画素電極に接続される酸化物半導体層を含むトランジスタと、が設けられた第2系統のサブ画素の対を含む複数の画素と、複数の画素を含む画素部を時間的に制御する第1の駆動回路が設けられ、バックライト部は、複数の発光素子と、バックライト部の複数の発光素子を時間的に制御する第2の駆動回路を有し、画像処理回路は、画像信号を記憶する記憶回路と、記憶回路に記憶された画像信号を比較して差分を演算する比較回路を有し、比較回路が、差分を検出した連続するフレーム期間を動画期間であると判断し、画像処理回路が表示パネルの第1の系統の信号線に動画を含む第1の信号を出力して、画像処理回路がバックライト部に第1の信号と同期する第2の信号を出力する動画モードと、比較回路が、差分が検出されない連続するフレーム期間を静止画期間であると判断し、画像処理回路が静止画期間の静止画データを白黒の静止画に変換し、画像処理回路が表示パネルの第2の系統の信号線に白黒の静止画を含む第1の信号を出力して、画像処理回路がバックライト部に信号の出力を停止する静止画示モードを有する液晶表示装置である。
【0021】
上記構成は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0022】
また、一つの画素に、構造体を複数設け、構造体の側面上に反射電極を設け、構造体上部に透明電極を有する画素電極を用いることも本発明の一つである。
【0023】
また、本明細書の開示する液晶表示装置と、さらに太陽電池とを有し、太陽電池と、表示パネルとを開閉自在に装着し、太陽電池からの電力を表示パネル、バックライト部、または画像処理回路に供給する電子機器を提供することができる。
【0024】
なお、本明細書中において半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指して半導体装置ともいい、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置であるといえる。
【発明の効果】
【0025】
外光の明るさが様々な環境に応じて画像表示が可能な液晶表示装置を提供することができる。また、静止画像の表示において低消費電力を実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】液晶表示装置の一形態を説明するブロック図。
【図2】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図3】液晶表示装置の駆動方法の一形態を説明する図。
【図4】液晶表示装置の駆動方法の一形態を説明する図。
【図5】液晶表示装置の駆動方法の一形態を説明する図。
【図6】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図7】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図8】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図9】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図10】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図11】液晶表示装置に適用できるトランジスタの一形態を説明する図。
【図12】液晶表示装置に適用できるトランジスタの作製方法の一形態を説明する図。
【図13】電子機器の一形態を説明する図。
【図14】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図15】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【図16】液晶表示装置の一形態を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態では、静止画モードと動画モードを有する液晶表示装置について図1を用いて説明する。なお、本明細書において、表示装置が表示装置に入力する画像信号を静止画と判断しておこなう動作を静止画モード、動画と判断して行う動作を動画モードというものとする。
【0029】
本実施の形態の液晶表示装置100は、A/D変換回路102、画像処理回路110、表示パネル120、及びバックライト部130を有する(図1参照)。
【0030】
画像処理回路110は、記憶回路111、比較回路112、選択回路115、表示制御回路113、及びフィールドシーケンシャル信号生成回路114を有する。
【0031】
表示パネル120は、駆動回路121、及び画素部122を有する。画素部122は、画素123を有し、画素123は、第1系統の走査線と第1系統の信号線とに接続された第1系統のサブ画素123a、並びに第2系統の走査線と第2系統の信号線とに接続された第2系統のサブ画素123bを有する。また、サブ画素123a、及びサブ画素123bは対になって画素部122にマトリクス状に画素123として複数配置されている。
【0032】
また、サブ画素123aは第1のトランジスタと、該第1のトランジスタに接続された画素電極と、容量素子を有する。該画素電極とそれに対向する対向電極との間に液晶層を挟持して液晶素子が形成されており、該画素電極は透光性を有している。なお、本明細書において、可視光を透過する透光性を有している電極を透過電極、または透明電極ともいう。
【0033】
また、サブ画素123bは第2のトランジスタと、該第2のトランジスタに接続された画素電極と、容量素子を有する。該画素電極とそれに対向する対向電極との間に液晶層を挟持して液晶素子が形成されており、該画素電極は液晶層を介して入射する光を反射する。
【0034】
液晶素子の一例としては、液晶の光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子がある。その素子は一対の電極と液晶層により構造されることが可能である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(即ち、縦方向の電界)によって制御される。なお、具体的には、液晶素子の一例としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型液晶、側鎖型高分子液晶、バナナ型液晶などを挙げることができる。また液晶の駆動方法としては、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。
【0035】
バックライト部130はバックライト制御回路131、及びバックライト132を有する。バックライト132には発光素子133が配置されている。
【0036】
本実施の形態では、バックライト132は、複数の異なる発光色の発光素子133を有する。異なる発光色の組み合わせとしては、例えば、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3種類の発光素子を用いることができる。R、G、及びBの三原色を用いることで、フルカラー画像を表示できる。
【0037】
また、R、G、及びBの発光素子から選んだ複数を同時に光らせて表現する色(例えば、RとGで表す黄(Y)、GとBで表すシアン(C)、BとRで表すマゼンタ(M)など)を発する別の発光素子を、R、G、及びBの発光素子に加えて配置してもよい。
【0038】
また、表示装置の色再現特性をより豊かにするため、三原色以外の光を発する発光素子を加えてもよい。R、G、及びBの発光素子を用いて表現できる色は、色度図上のそれぞれの発光色に対応する3点が描く三角形の内側に示される色に限られる。従って、色度図上の該三角形の外側に配置される発光素子を別途加えることで、表示装置の色再現特性を豊かにすることができる。
【0039】
例えば、色度図の中心から、色度図上の青色の発光素子Bに対応する点に向かって外側に位置するある座標点で表される深い青色(Deep Blue:DB)や、色度図の中心から、赤色の発光素子Rに対応する色度図上の点に向かって外側に位置するある座標点で表されるより深い赤色(Deep Red:DR)を発する発光素子を、バックライト132のR、G、及びBに加えて使用することができる。
【0040】
次に、本実施の形態で例示する表示装置における、信号の流れを説明する。
【0041】
画像信号供給源101から、液晶表示装置100にアナログ画像信号140が入力される。アナログ画像信号には画像信号、例えば赤(R)、緑(G)、及び青(B)に対応する信号が含まれている。
【0042】
A/D変換回路102は、アナログ画像信号をデジタル画像信号141(デジタル画像信号Data)に変換し、画像処理回路110へ出力する。画像信号を予めデジタル信号に変換しておくことで、後に画像信号の差分を検出する際、検出を容易に行うことができ好適である。
【0043】
画像処理回路110は、入力したデジタル画像信号DataからLC画像信号142とバックライト信号143を生成する。LC画像信号142は、表示パネル120を制御する画像信号であり、バックライト信号143はバックライト部130を制御する信号である。
【0044】
画像処理回路110に設けた記憶回路111は、複数のフレームに関する画像信号を記憶するための複数のフレームメモリを有する。記憶回路111が有するフレームメモリの数は特に限定されるものではなく、複数のフレームに関する画像信号を記憶できる素子であればよい。なおフレームメモリは、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の記憶素子を用いて構成すればよい。
【0045】
なおフレームメモリは、フレーム期間毎に画像信号を記憶する構成であればよく、フレームメモリの数について特に限定されるものではない。またフレームメモリの画像信号は、比較回路112及び表示制御回路113により選択的に読み出されるものである。
【0046】
比較回路112は、記憶回路111に記憶された連続するフレーム期間の画像信号を選択的に読み出して、連続するフレーム間での当該画像信号の比較を画素毎に行い、差分を検出するための回路である。
【0047】
なお、差分の検出の有無により、表示制御回路113及び選択回路115での動作が決定されることとなる。当該比較回路112での画像信号の比較により、いずれかの画素で差分が検出された際に当該差分を検出した連続するフレーム期間は、動画期間であると判断する。一方、比較回路112での画像信号の比較により、全ての画素で差分が検出されない際に当該差分を検出しなかった連続するフレーム期間は、静止画期間であると判断する。すなわち比較回路112は、連続するフレーム期間の画像信号を、比較回路112での差分の検出によって、動画を表示するための画像信号であるか、または静止画を表示するための画像信号であるかの判断をするものである。
【0048】
なお、当該比較により得られる差分は、一定のレベルを超えたときに、差分を検出したと判断されるように設定してもよい。なお比較回路112は、差分の大きさにかかわらず、差分の絶対値によって、差分の検出の判断をする設定とすればよい。
【0049】
なお本実施の形態においては、比較回路112により連続するフレーム期間での画像信号の差分を検出することにより動画または静止画の判断を行う構成について示したが、外部から静止画または動画を切り替える信号を供給することにより、その切り替える信号に応じて動画または静止画を表示する構成としてもよい。
【0050】
なお動画は、複数のフレームに時分割した複数の画像を高速に切り替えることで人間の目に動く画像として認識される画像をいう。具体的には、例えば1秒間に60回(60フレーム)以上画像を切り替えることで、人間の目にはちらつきが少なく動画と認識されるものとなる。一方、静止画は、動画と異なり、複数のフレーム期間に時分割した複数の画像を高速に切り替えて動作させるものの、連続するフレーム期間、例えばnフレーム目と、(n+1)フレーム目とで変化しない画像信号のことをいう。
【0051】
選択回路115は、複数のスイッチ、例えばトランジスタで形成されるスイッチを設ける構成とする。比較回路112での差分の演算により差分が検出された際、すなわち連続するフレーム間で表示される画像が動画の際、当該画像信号が記憶された記憶回路111内のフレームメモリより画像信号を選択して表示制御回路113に出力するための回路である。
【0052】
なお選択回路115は、比較回路112で演算により画像信号の差分が検出されない際、すなわち連続するフレーム間で表示される画像は静止画の際、当該画像信号について表示制御回路113に出力しない回路である。静止画の際、選択回路115では、画像信号をフレームメモリより表示制御回路113に出力しない構成とすることにより、消費電力を削減することができる。
【0053】
なお、本実施の形態の表示装置において、比較回路112が静止画と判断しておこなう動作を静止画モード、比較回路112が動画と判断しておこなう動作を動画モードという。
【0054】
また、本実施の形態で例示される画像処理回路は、モード切り替え機能を有していてもよい。モード切り替え機能は、当該表示装置の利用者が手動または外部接続機器を用いて当該表示装置の動作モードを選択することで動画モードまたは静止画モードを切り替える機能である。
【0055】
よって、本実施の形態で例示される表示装置は、モード切り替え回路を有していてもよい。モード切り替え回路は選択回路115と接続されている。モード切り替え回路は、当該表示装置の利用者が手動または外部接続機器を用いて当該表示装置の動作モードを切り替えるための入力手段である。
【0056】
選択回路115はモード切り替え回路から入力される信号に応じて、画像信号を表示制御回路113に出力することもできる。
【0057】
例えば、静止画モードで動作している際に、利用者が動作モードを切り替えて、モード切り替え回路から選択回路115にモード切り替え信号が入力された場合、比較回路112が連続するフレーム期間での画像信号の差分を検出していない場合であっても、選択回路115は入力される画像信号を順次表示制御回路113に出力するモード、すなわち動画モードを実行できる。また、動画モードで動作している際に、利用者が動作モードを切り替えて、モード切り替え回路から選択回路115にモード切り替え信号が入力された場合、比較回路112が連続するフレーム期間での画像信号の差分を検出している場合であっても、選択回路115は選択した1フレームの画像信号の信号のみを出力するモード、すなわち静止画モードを実行できる。そのため、本実施の形態の表示装置は、動画表示モードで動作している際に、複数のフレームに時分割された画像のうち、1フレームが静止画として表示される。
【0058】
表示制御回路113は、比較回路112での差分の検出に応じて選択回路115で選択された画像信号を表示パネル120及びバックライト部130に最適化するための回路である。
【0059】
例えば、デジタル画像信号141がR,G、及びBの信号からなる場合であっても、バックライト132が有するR、G、及びBの発光素子の発光特性に合わせて画像信号を最適化することが好ましい。また、バックライト132に、R、G、及びB以外の発光素子を設けている場合、表示制御回路113は、元の画像信号から該発光素子を駆動する信号を生成し、表示装置の色再現特性を最適化する。
【0060】
例えば、R、G、及びBからなるデジタル画像信号Data(1)を、R、G、B、DR、及びDBの5色の発光素子を設けたバックライト132に適したデジタル画像信号Data(4)に変換する場合、表示制御回路113は、元のデジタル画像信号Data(1)から、発光素子DR、及びDBを用いて表現するデジタル画像信号Data(2)を生成する。同時に、元のデジタル画像信号Data(1)から発光素子DR、及びDBを用いて表現するデジタル画像信号Data(2)を差し引き、デジタル画像信号Data(3)を生成する。次いで、発光素子DR、及びDBを用いて表現するデジタル画像信号Data(2)と、発光素子R、G、及びBを用いて表現するデジタル画像信号Data(3)を含む、R、G、B、DR、及びDBの5色の発光素子を設けたバックライト132に最適化されたデジタル画像信号Data(4)を生成する。
【0061】
また、本実施の形態に例示される表示装置は第1系統の信号線に接続された第1系統のサブ画素123a、並びに第2系統の信号線に接続された第2系統のサブ画素123bを有し、表示制御回路113は画像信号を出力する信号線を決定する。
【0062】
具体的には、表示制御回路113は、比較回路112が動画と判断した場合は、画像信号を第1系統のサブ画素123aに出力し、比較回路112が静止画と判断した場合は、画像信号を第2系統のサブ画素123bに出力する。
【0063】
フィールドシーケンシャル信号生成回路114は、表示制御回路113で生成した画像信号を元に、表示パネル120の駆動回路121、及びバックライト部130のバックライト制御回路131を制御するための回路である。
【0064】
また、フィールドシーケンシャル信号生成回路114は、表示パネル120とバックライト部130を同期するスタートパルスSP、及びクロック信号CK等の制御信号の供給または停止の切り替えを制御するための回路でもある。
【0065】
次に、フィールドシーケンシャル信号生成回路114が、表示パネル120の駆動回路121、及びバックライト部130のバックライト制御回路131を制御する方法について説明する。フィールドシーケンシャル信号生成回路114の動作は比較回路112が動画と判断した場合と、静止画と判断した場合では異なる動作をする。なお、ここでは画像信号はR、G、及びBからなり、バックライト132はR、G、及びBの発光素子(具体的にはLED)を有するものとする。
【0066】
はじめに、比較回路112が動画と判断した場合のフィールドシーケンシャル信号生成回路114の動作について説明する。フィールドシーケンシャル信号生成回路114は、動画を含む画像信号は動画モードで処理をする。具体的には、フィールドシーケンシャル信号生成回路114は、表示制御回路113が最適化した画像信号をそれぞれ、時間軸に対して1/(3n)倍に圧縮する。なお、nは、1フレームをn個のサブフレームに分割する場合に用いているnと同値である。そして、時間軸に対して1/(3n)倍に圧縮されたR、G、Bに対応するフィールドシーケンシャルカラー画像信号(例えば、R1、G1、B1、R2、G2、B2)を、駆動回路121に供給する。
【0067】
また、フィールドシーケンシャル信号生成回路114は、バックライト信号143をバックライト132に供給する。バックライト信号143は、バックライト132に設けたR、G、及びBの発光素子を点灯させる信号であり、R、G、Bに対応するフィールドシーケンシャルカラー画像信号と対をなす信号である。
【0068】
また、表示パネル120とバックライト部130は、フィールドシーケンシャル信号生成回路114が発する同期信号に同期して動作し、動画が表示される。
【0069】
一方、比較回路112が画像信号を静止画と判断した場合、フィールドシーケンシャル信号生成回路114はフィールドシーケンシャルカラー画像信号を生成せず、1フレーム分の静止画データを表示パネル120の駆動回路121に供給する。
【0070】
その後、フィールドシーケンシャル信号生成回路114は、駆動回路121、及びバックライト制御回路131に画像信号、及び各制御信号の供給を停止する。
【0071】
また、実施の形態で例示される表示装置は、測光回路を有していてもよい。測光回路を設けた表示装置は当該表示装置がおかれている環境の明るさを検知できる。その結果、測光回路が接続された表示制御回路113は、測光回路から入力される信号に応じて、表示パネル120の駆動方法を変えることができる。
【0072】
例えば、測光回路が、本実施の形態で例示される表示装置が薄暗い環境で使用されていることを検知すると、表示制御回路113は、比較回路112が静止画と判断した場合であっても、画像信号を第1系統のサブ画素123aに出力し、バックライト132を点灯する。第1系統のサブ画素123aは透光性の画素電極を有するため、バックライトにより視認性の高い静止画像を提供できる。
【0073】
また、例えば、測光回路が、本実施の形態で例示される表示装置が極めて明るい外光下(例えば屋外の直射日光下)で利用されていることを検知すると、表示制御回路113は、比較回路112が動画と判断した場合であっても、画像信号を第2系統のサブ画素123bに出力する。第2系統のサブ画素123bは液晶層を介して入射する光を反射する画素電極を有するため、極めて明るい外光下であっても視認性の高い静止画像および動画を提供できる。
【0074】
本実施の形態の構成による静止画を表示する期間では、頻繁に画像信号の書き込みを行うといった動作を削減することができる。また、バックライトを使うことなく静止画を表示できるため、消費電力が極めて小さい。
【0075】
また、本実施の形態で例示される表示装置は、消費電力を低減して静止画を表示できるだけでなく、カラーフィルタを用いることなく、フルカラー画像の表示、及び動画の表示が可能である。カラーフィルタがバックライトの光を吸収しないため光の利用効率が高く、フルカラー画像の表示、及び動画の表示においても消費電力が抑制されている。
【0076】
また、複数回の画像信号の書き込みによる画像を視認する際、複数回にわたって切り替わる画像を人間の目は視認することとなる。そのため、人間の目には疲労として現れることもあり得る。本実施の形態で説明したように、画像信号の書き込み回数を削減する構成とすることで、目の疲労を減らすといった効果もある。
【0077】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0078】
(実施の形態2)
本実施の形態では、画素接続図、タイミングチャート等を用いて、液晶表示装置の駆動方法について説明する。まず図2には、液晶表示装置の表示パネルの概略図について示している。図2には、画素部151、第1の走査線152(ゲート線ともいう)、第1の信号線153(データ線ともいう)、第2の走査線154、第2の信号線155、画素156、共通電極169(コモン電極ともいう)、容量線170、第1の走査線駆動回路157、第1の信号線駆動回路158、第2の走査線駆動回路159、第2の信号線駆動回路160を有する。
【0079】
画素156は、透過電極部161、反射電極部162に大別される。透過電極部161は、画素トランジスタ163、液晶素子164、容量素子165を有する。画素トランジスタ163はゲートが第1の走査線152に接続され、ソース又はドレインの一方となる第1端子が第1の信号線153に接続され、ソース又はドレインの他方となる第2端子が、液晶素子164の一方の電極及び容量素子165の第1の電極に接続される。なお液晶素子164の他方の電極は、共通電極169に接続されている。なお容量素子165の第2の電極は、容量線170に接続される。
【0080】
また反射電極部162は、画素トランジスタ166、液晶素子167、容量素子168を有する。画素トランジスタ166はゲートが第2の走査線154に接続され、ソース又はドレインの一方となる第1端子が第2の信号線155に接続され、ソース又はドレインの他方となる第2端子が、液晶素子167の一方の電極及び容量素子168の第1の電極に接続される。なお液晶素子167の他方の電極は、共通電極169に接続されている。なお容量素子168の第2の電極は、容量線170に接続される。
【0081】
なお図2において、第1の走査線152及び第2の走査線154は、第1の走査線駆動回路157及び第2の走査線駆動回路159により別々に駆動される。また第1の信号線153及び第2の信号線155は、第1の信号線駆動回路158及び第2の信号線駆動回路160により、別々の画像信号(以下、第1のdata、第2のdataという)が供給される。そして透過電極部161の液晶素子164及び反射電極部162の液晶素子167では、異なる画像信号に基づいた階調の制御がなされることとなる。
【0082】
なお画素トランジスタ163及び画素トランジスタ166は、薄膜の酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタ(以下TFTともいう)で構成することが好ましい。
【0083】
なお、薄膜トランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ドレイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことができる。ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、本書類(明細書、特許請求の範囲又は図面など)においては、ソース及びドレインとして機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを第1の電極、第2の電極と表記する場合がある。あるいは、ソース領域、ドレイン領域と表記する場合がある。
【0084】
なお第1の走査線駆動回路157、第1の信号線駆動回路158、第2の走査線駆動回路159、第2の信号線駆動回路160は、画素部151と同じ基板上に設ける構成とすることが好ましいが、必ずしも画素部151と同一基板上に設ける必要はない。画素部151と同じ基板上に第1の走査線駆動回路157、第1の信号線駆動回路158、第2の走査線駆動回路159、第2の信号線駆動回路160を設けることで、外部との接続端子数を削減することができ、液晶表示装置の小型化を図ることができる。
【0085】
なお、画素156は、マトリクス状に配置(配列)されている。ここで、画素がマトリクスに配置(配列)されているとは、縦方向もしくは横方向において、画素が直線上に並んで配置されている場合や、ギザギザな線上に配置されている場合を含む。
【0086】
なお、AとBとが接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接続されている場合と、AとBとが機能的に接続されている場合と、AとBとが直接接続されている場合とを含むものとする。
【0087】
次いで、表示パネルの動作についてバックライトの動作とともに併せて、図3(A)で説明する。上記実施の形態でも説明したように、表示パネルの動作は大きくわけて、動画表示期間301と静止画表示期間302に大別される。
【0088】
なお、動画表示期間301において1フレーム期間の周期(またはフレーム周波数)は、1/60秒以下(60Hz以上)であることが望ましい。フレーム周波数を高くすることで、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないようにすることができる。また静止画表示期間302において、1フレーム期間の周期を極端に長く、例えば1分以上(0.017Hz以下)とすることで、複数回にわたって同じ画像を切り替える場合と比較して眼精疲労を低減しうるといったことも可能である。
【0089】
なお画素トランジスタ163及び画素トランジスタ166の半導体層として酸化物半導体を用いた際には、オフ電流を少なくすることができる。よって、画素においては画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、書き込み間隔も長く設定できる。よって1フレーム期間の周期を長くすることができ、静止画表示期間302でのリフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、より消費電力を抑制する効果を高くできる。
【0090】
図3(A)に示す動画表示期間301では、上記実施の形態で説明したように、フィールドシーケンシャル駆動により動画を表示するための駆動回路制御信号が第1の走査線駆動回路157及び第1の信号線駆動回路158(以下、第1の駆動回路という)に供給され、各画素に黒の表示をするための駆動回路制御信号が第2の走査線駆動回路159及び第2の信号線駆動回路160(以下、第2の駆動回路という)に供給され、第1の駆動回路及び第2の駆動回路が動作する。また図3(A)に示す動画表示期間301では、フィールドシーケンシャル駆動によりカラー表示をおこなうためのバックライト信号143がバックライトに供給され、バックライトが動作する。そして、表示パネルはカラー表示の動画表示を行うことができる。
【0091】
図3(A)に示す静止画表示期間302では、上記実施の形態で説明したように、反射光の透過または非透過により白黒の階調(図中、BK/Wと表記)が表現されるため、静止画の画像信号を書き込むための駆動回路制御信号が第2の駆動回路に供給され、第2の駆動回路が動作する。なお第2の駆動回路に、画像信号を書き込む以外の期間での駆動回路制御信号を非動作とすることで低消費電力化を図ることができる。また図3(A)に示す静止画表示期間302では、外光の反射光を利用して表示を視認する構成とするため、バックライト制御信号によりバックライトが非動作となる。そして、表示パネルは白黒の階調の静止画表示を行うことができる。
【0092】
次いで、図3(A)の動画表示期間301について図3(B)に、静止画表示期間302について図3(C)に、その詳細をタイミングチャートにて説明する。なお図3(B)及び図3(C)に示すタイミングチャートは、説明のために誇張して表記したものであり、特に明記する場合を除き、各信号が同期して動作するものではないことを付記する。
【0093】
まず図3(B)について説明する。図3(B)では、一例として動画表示期間301における第1の走査線駆動回路157及び第2の走査線駆動回路159に供給するクロック信号GCK(図中、GCK1,2)、及びスタートパルスGSP(図中、GSP1,2)、第1の信号線駆動回路158及び第2の信号線駆動回路160に供給するクロック信号SCK(図中、SCK1,2)、及びスタートパルスSSP(図中、SSP1,2)、第1のdata、第2のdata、バックライトの点灯状態について示したものである。なおバックライトとしては、複数の発光素子の一例として、RGBの3色を順次点灯する構成について説明することにする。なおバックライトとしては、LEDを用いることで低消費電力化及び長寿命化を図ることができる。
【0094】
動画表示期間301において、クロック信号GCK1,2は常時供給されるクロック信号となる。またスタートパルスGSP1,2は、垂直同期周波数に応じたパルスとなる。またクロック信号SCK1,2は常時供給されるクロック信号となる。またスタートパルスSSP1,2は、1ゲート選択期間に応じたパルスとなる。なお動画表示期間301では、フィールドシーケンシャルで動画を表示するため、画像信号はまずR(赤)の表示について各画素への書き込み、次いでRのバックライトの点灯、次いでG(緑)の表示について各画素への書き込み、次いでGのバックライトの点灯、次いでB(青)の表示について各画素への書き込み、次いでBのバックライトの点灯、を繰り返して画像信号を可変させることで、視認者は動画でのカラー表示を視認することができる。また、動画表示期間301では、第2のdataはBK(黒)の階調を表示するための画像信号であり、画素156の反射電極部162に書き込んでいく。第2のdataとして黒を表示するための画像信号とすることで、反射電極部162に外光が照射される。これにより、光漏れが生じ視認性が低下するという、透過電極部161の動画の視認性の問題の改善を図ることができる。
【0095】
次いで図3(C)について説明する。図3(C)では、静止画表示期間302について、静止画書き込み期間303、静止画保持期間304に分けて説明を行う。
【0096】
静止画書き込み期間303においては、第2の走査線駆動回路159に供給するクロック信号GCK2は一画面書き込むためのクロック信号となる。また第2の走査線駆動回路159に供給するスタートパルスGSP2は、一画面書き込むためのパルスとなる。また第2の信号線駆動回路160に供給するクロック信号SCK2は一画面書き込むためのクロック信号となる。また第2の信号線駆動回路160に供給するスタートパルスSSP2、一画面書き込むためのパルスとなる。なお静止画書き込み期間303では、反射光を利用して白黒の階調を表示するための画像信号BK/Wにより静止画を表示するため、カラー表示とするためのバックライトが非点灯となる。
【0097】
静止画保持期間304においては、第1の駆動回路及び第2の駆動回路を駆動するためのクロック信号GCK1,2、スタートパルスGSP1,2、クロック信号SCK1,2、スタートパルスSSP1,2は、供給が停止されることとなる。そのため静止画保持期間304では電力消費を低減することができ、低消費電力化を図ることができる。なお静止画保持期間304では、静止画書き込み期間303に画素に書き込んだ画像信号が、オフ電流が極端に小さい画素トランジスタにより保持されるため、カラー表示の静止画を1分以上の期間保持することができる。また、静止画保持期間304はキャパシタに保持される画像信号が一定の期間の経過により変化する前に、新たに静止画書き込み期間303を設けて先の期間の画像信号と同じ画像信号を書き込み(リフレッシュ動作)、再度静止画保持期間304とすればよい。
【0098】
本実施の形態において述べた液晶表示装置は、静止画表示を行う際、低消費電力化を図ることができる。
【0099】
本実施の形態は、実施の形態1に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0100】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態2で説明した液晶表示装置の駆動方法とは異なる構成について、タイミングチャート等を用いて説明する。まず図4(A)に、上記実施の形態2で説明した動画表示期間301でのバックライトの駆動方法についてタイミングチャートを示し説明する。
【0101】
図4(A)のタイミングチャートが図3(B)と異なる点は、画像信号の書き込みに続いた、バックライトの点灯の後に、バックライトの消灯期間(図4(A)のBL)を設けた点にある。次の画像信号の書き込みを行う前にバックライトを消灯する期間を設けることで、色のちらつき等を低減し、視認性の向上を図ることができる。
【0102】
また図4(A)と異なる構成について図4(B)に示す。図4(B)のタイミングチャートが図4(A)と異なる点は、バックライトの消灯期間BLの代わりにB(青)の発光期間を設けた点にある。次の画像信号の書き込みを行う前に青色の発光期間を設けることで消灯期間を設けた場合と同様に、色のちらつき等を低減し、視認性の向上を図ることができる。
【0103】
また上記実施の形態2では、バックライトに用いる複数の発光素子の一例として、RGBの3色を用いる例について説明したが、他の構成としてもよい。一例として、図5(A)に示すように5色の発光素子311を用いてバックライトの制御を行う構成としてもよい。
【0104】
図5(A)に示す発光素子311には、一例として第1の赤色発光素子R1、第2の赤色発光素子R2、緑色発光素子G、第1の青色発光素子B1、第2の青色発光素子B2について示している。次いで図5(B)において、図4(A)、(B)と同様にして、上記実施の形態2で説明した動画表示期間301での図5(A)に示すバックライトの点灯時の制御について説明する。
【0105】
図5(B)では、Rの画像信号の書き込みに続いた、バックライトの点灯として第1の赤色発光素子R1及び第1の青色発光素子B1の点灯を行う。また、Gの画像信号の書き込みに続いた、バックライトの点灯として緑色発光素子G及び第2の青色発光素子B2の点灯を行う。また、Bの画像信号の書き込みに続いた、バックライトの点灯として第1の青色発光素子B1及び第2の青色発光素子B2の点灯を行う。次いで、Rの画像信号の書き込みに続いた、バックライトの点灯として第2の赤色発光素子R2及び第2の青色発光素子B2の点灯を行う。また、Gの画像信号の書き込みに続いた、バックライトの点灯として緑色発光素子G及び第1の青色発光素子B1の点灯を行う。また、Bの画像信号の書き込みに続いた、バックライトの点灯として第2の青色発光素子B2及び第1の青色発光素子B1の点灯を行う。
【0106】
図5(B)の構成とすることにより、RGBの色要素が切り替わる期間に青色の発光期間を設けることができるため、図4(B)と同様の効果が得られる。また、第1の赤色発光素子R1と第2の赤色発光素子R2、第1の青色発光素子B1と第2の青色発光素子B2、で異なる色座標の材料による発光素子を用いることも可能となり、カラー表示における色表現範囲を広げることができる。
【0107】
本実施の形態において述べた液晶表示装置は、静止画表示を行う際、低消費電力化を図ることができる。
【0108】
本実施の形態は、実施の形態1に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0109】
(実施の形態4)
図6に液晶表示モジュール190の構成を示す。液晶表示モジュール190はバックライト部130と、液晶素子がマトリクス状に設けられた表示パネル120と、表示パネル120を挟む偏光板125a、及び偏光板125bを有する。バックライト部130には発光素子、例えば三原色のLED(133R、133G、及び133B)をマトリクス状に配置し、また表示パネル120と発光素子の間に拡散板134を配置したものをバックライト部130として用いることができる。また、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)126は表示パネル120に設けた端子部と電気的に接続されている。
【0110】
図6には、3色の光135が矢印(R、G、及びB)で模式的に示してある。バックライト部130から逐次発せられるパルス状の異なる色の光が、バックライト部130と同期して動作する表示パネル120の液晶素子により変調され、液晶表示モジュール190から観察者に達する。観察者は逐次的に発せられる光を映像として捉える。
【0111】
また、図6には、外光139が表示パネル120上の液晶素子を透過してその下部電極で反射される様子も、模式的に示してある。液晶素子を透過する光の強度は、画像信号により変調されるため、観察者は外光139の反射光によっても、映像を捉えることができる。
【0112】
図7(A)は表示領域の平面図、図7(B)は等価回路であり、1画素分の画素を示している。図8は図7(A)の線V1−V2、線W1−W2、及び線X1−X2における断面図である。
【0113】
図7において、複数のソース配線層(ソース電極層又はドレイン電極層555b、565bを含む)が互いに平行(図中上下方向に延伸)かつ互いに離間した状態で配置されている。複数のゲート配線層(ゲート電極層551を含む)は、ソース配線層に略直交する方向(図中左右方向)に延伸し、かつ互いに離間するように配置されている。容量配線層は、複数のゲート配線層それぞれに隣接する位置に配置されており、ゲート配線層に概略平行な方向、つまり、ソース配線層に概略直交する方向(図中左右方向)に延伸している。
【0114】
図7及び図8の液晶表示装置は、半透過型液晶表示装置であり、画素領域は反射領域498及び透過領域499で構成されている。反射領域498では画素電極層として反射電極層577が形成され、透過領域499では画素電極層として透明電極層576が形成されている。図7及び図8のように、透明電極層576と反射電極層577とは絶縁膜571を介して端部が重なるように積層されていると、画素領域において効率的に表示領域を設けることができる。なお、図8では、層間膜413上に、透明電極層576、絶縁膜571、反射電極層577の順に積層する例を示したが、層間膜413上に、反射電極層577、絶縁膜571、透明電極層576の順に積層する構造であってもよい。
【0115】
図7(B)は等価回路に示すように、一画素内に反射電極層577及びソース電極層又はドレイン電極層565bと電気的に接続するトランジスタ560と、透明電極層576及びソース電極層又はドレイン電極層555bと電気的に接続するトランジスタ550とを有している。トランジスタ560は反射領域のオンオフを制御する反射領域用トランジスタであり、トランジスタ550は透過領域のオンオフを制御する透過領域用トランジスタである。
【0116】
トランジスタ550、560上には絶縁膜407、409、及び層間膜413が設けられ、絶縁膜407、409、及び層間膜413に形成された各開口(コンタクトホール)において、トランジスタ550は透明電極層576と、トランジスタ560は反射電極層577とそれぞれ電気的に接続されている。
【0117】
図8に示すように、第2の基板442には共通電極層(対向電極層ともいう)448が形成され、第1の基板441上の透明電極層576及び反射電極層577と、液晶層444を介して対向している。なお、図7及び図8の液晶表示装置では、透明電極層576及び反射電極層577と液晶層444との間に配向膜460aが設けられ、共通電極層448と液晶層444との間には配向膜460bが設けられている。配向膜460a、460bは、液晶の配向を制御する機能を有する絶縁層であり、液晶材料によっては設けなくてもよい。
【0118】
トランジスタ550、560は、ボトムゲート構造の逆スタガ型トランジスタの例であり、トランジスタ550は、ゲート電極層551、ゲート絶縁層402、半導体層553、ソース電極層又はドレイン電極層555a、及びソース電極層又はドレイン電極層555bを含み、トランジスタ560は、ゲート電極層551、ゲート絶縁層402、半導体層563、ソース電極層又はドレイン電極層565a、及びソース電極層又はドレイン電極層565bを含む。また、トランジスタ550、560はそれぞれ容量を有しており、図8に示すように、反射領域498においてはゲート電極層551と同工程で形成された容量配線層558、ゲート絶縁層402、及びソース電極層又はドレイン電極層555a、555b、565a、565bと同工程で形成された導電層579が積層し、容量を形成している。なお、容量配線層558を覆うように、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの反射導電膜で形成される反射電極層577と同工程で形成される配線層580を形成することが好ましい。
【0119】
本実施の形態における半透過型液晶表示装置は、トランジスタ550のオンオフ制御によって透過領域499において動画のカラー表示を行い、トランジスタ560のオンオフ制御によって反射領域498において静止画のモノクロ(白黒)表示をそれぞれ行う。トランジスタ550とトランジスタ560とを別々に動作させることによって、反射領域498の表示と、透過領域499の表示とをそれぞれ独立して制御することができる。
【0120】
透過領域499においては、第1の基板441側に設けられたバックライトからの入射光によって表示を行う。バックライトにRGBの発光ダイオード(LED)を用いることでカラー表示を行うことができる。さらに、本実施の形態では、発光ダイオード(LED)を用いて、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用する。
【0121】
一方、反射領域498においては、第2の基板442側から入射した外光を反射電極層577によって反射することで表示を行う。
【0122】
液晶表示装置において、反射電極層577に凹凸を形成する例を図9及び図10に示す。図9は、反射領域498において、層間膜413表面を凹凸形状とすることで反射電極層577に凹凸形状を形成する例である。層間膜413表面の凹凸形状は、選択的にエッチング加工を行うことで形成すればよい。例えば感光性の有機樹脂にフォトリソグラフィ工程を行って凹凸形状を有する層間膜413を形成することができる。また、図10は、反射領域498において、層間膜413上に凸形状の構造体を設けて、反射電極層577に凹凸形状を形成する例である。なお、図10は、絶縁層480及び絶縁層482の積層によって凸形状の構造体を形成している。例えば絶縁層480として酸化シリコン、窒化シリコン等の無機絶縁層、絶縁層482としてポリイミド樹脂、アクリル樹脂などの有機樹脂を用いることができる。まず、スパッタリング法により酸化シリコン膜を層間膜413上に形成し、酸化シリコン膜上に塗布法によりポリイミド樹脂膜を形成する。酸化シリコン膜をエッチングストッパーとして用い、ポリイミド樹脂膜をエッチング加工する。加工されたポリイミド樹脂層をマスクとして酸化シリコン膜をエッチング加工することで、図10に示すような絶縁層480及び絶縁層482の積層からなる凸状の構造体を形成することができる。
【0123】
図9及び図10に示すように、反射電極層577表面に凹凸を有すると、入射した外光を乱反射させ、より良好な表示を行うことができる。よって、表示における視認性が向上する。
【0124】
本実施の形態は、実施の形態1乃至3とそれぞれ自由に組み合わせができる。
【0125】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの例を示す。本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの構造は特に限定されず、例えばトップゲート構造、又はボトムゲート構造のスタガ型及びプレーナ型などを用いることができる。また、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、チャネル領域の上下にゲート絶縁層を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型でもよい。なお、図11(A)乃至図11(D)にトランジスタの断面構造の一例を以下に示す。図11(A)乃至図11(D)に示すトランジスタは、半導体として酸化物半導体を用いるものである。酸化物半導体を用いることのメリットは、比較的簡単かつ低温のプロセスで高い移動度と低いオフ電流が得られることであるが、もちろん、他の半導体を用いてもよい。
【0126】
図11(A)に示すトランジスタ410は、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの一つであり、逆スタガ型薄膜トランジスタともいう。
【0127】
トランジスタ410は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、酸化物半導体層403、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405bを含む。また、トランジスタ410を覆い、酸化物半導体層403に積層する絶縁膜407が設けられている。絶縁膜407上にはさらに絶縁膜409が形成されている。
【0128】
図11(B)に示すトランジスタ420は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともいう)と呼ばれるボトムゲート構造の一つであり逆スタガ型薄膜トランジスタともいう。
【0129】
トランジスタ420は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、酸化物半導体層403、酸化物半導体層403のチャネル形成領域を覆うチャネル保護層として機能する絶縁層427、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405bを含む。また、トランジスタ420を覆い、絶縁膜409が形成されている。
【0130】
図11(C)示すトランジスタ430はボトムゲート型の薄膜トランジスタであり、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b、及び酸化物半導体層403を含む。また、トランジスタ430を覆い、酸化物半導体層403に接する絶縁膜407が設けられている。絶縁膜407上にはさらに絶縁膜409が形成されている。
【0131】
トランジスタ430においては、ゲート絶縁層402は基板400及びゲート電極層401上に接して設けられ、ゲート絶縁層402上にソース電極層405a、ドレイン電極層405bが接して設けられている。そして、ゲート絶縁層402、及びソース電極層405a、ドレイン電極層405b上に酸化物半導体層403が設けられている。
【0132】
図11(D)に示すトランジスタ440は、トップゲート構造の薄膜トランジスタの一つである。トランジスタ440は、絶縁表面を有する基板400上に、絶縁層437、酸化物半導体層403、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405b、ゲート絶縁層402、ゲート電極層401を含み、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bにそれぞれ配線層436a、配線層436bが接して設けられ電気的に接続している。
【0133】
本実施の形態では、上述のとおり、半導体層として酸化物半導体層403を用いる。酸化物半導体層403に用いる酸化物半導体としては、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn−O系、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、Zn−Mg−O系、Sn−Mg−O系、In−Mg−O系や、In−O系、Sn−O系、Zn−O系などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiO2を含んでもよい。ここで、例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、少なくともInとGaとZnを含む酸化物であり、その組成比に特に制限はない。また、InとGaとZn以外の元素を含んでもよい。
【0134】
また、酸化物半導体層403は、化学式InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。
【0135】
酸化物半導体層403を用いたトランジスタ410、420、430、440は、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像イメージデータ等の電気信号の保持時間を長くすることができ、書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
【0136】
また、酸化物半導体層403を用いたトランジスタ410、420、430、440は、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、液晶表示装置の画素部に該トランジスタを用いることで、色分離を抑制することができ、高画質な画像を提供することができる。また、該トランジスタは、同一基板上に駆動回路部または画素部に作り分けて作製することができるため、液晶表示装置の部品点数を削減することができる。
【0137】
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いる。
【0138】
ボトムゲート構造のトランジスタ410、420、430において、下地膜となる絶縁膜を基板とゲート電極層の間に設けてもよい。下地膜は、基板からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0139】
ゲート電極層401の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
【0140】
ゲート絶縁層402は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。例えば、第1のゲート絶縁層としてプラズマCVD法により膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン層(SiNy(y>0))を形成し、第1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層として膜厚5nm以上300nm以下の酸化シリコン層(SiOx(x>0))を積層して、合計膜厚200nmのゲート絶縁層とする。
【0141】
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金膜か、上述した元素を組み合わせた合金膜等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属層の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属層を積層させた構成としても良い。また、Al膜に生ずるヒロックやウィスカーの発生を防止する元素(Si、Nd、Scなど)が添加されているAl材料を用いることで耐熱性を向上させることが可能となる。
【0142】
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに接続する配線層436a、配線層436bのような導電膜も、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bと同様な材料を用いることができる。
【0143】
また、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b(これと同じ層で形成される配線層を含む)となる導電膜としては導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0144】
絶縁膜407、絶縁層427、437は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0145】
絶縁膜409は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0146】
また、絶縁膜409上にトランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0147】
このように、本実施の形態において、酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることにより、高機能な液晶表示装置を提供することができる。
【0148】
(実施の形態6)
本実施の形態は、酸化物半導体層を含むトランジスタ、及び作製方法の一例を図12を用いて詳細に説明する。上記実施の形態と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程は、上記実施の形態と同様に行うことができ、繰り返しの説明は省略する。また同じ箇所の詳細な説明は省略する。
【0149】
図12(A)乃至図12(E)にトランジスタの断面構造の一例を示す。図12(A)乃至図12(E)に示すトランジスタ510は、図11(A)に示すトランジスタ410と同様なボトムゲート構造の逆スタガ型薄膜トランジスタである。
【0150】
本実施の形態の半導体層に用いる酸化物半導体は、n型不純物である水素を酸化物半導体から除去し、酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することによりi型(真性)の酸化物半導体、又はi型(真性)に限りなく近い酸化物半導体としたものである。すなわち、不純物を添加してi型化するのでなく、水素や水等の不純物を極力除去したことにより、高純度化されたi型(真性半導体)又はそれに近づけることを特徴としている。従って、トランジスタ510が有する酸化物半導体層は、高純度化及び電気的にi型(真性)化された酸化物半導体層である。
【0151】
また、高純度化された酸化物半導体中にはキャリアが極めて少なく(ゼロに近い)、キャリア濃度は1×1014/cm3未満、好ましくは1×1012/cm3未満、さらに好ましくは1×1011/cm3未満である。
【0152】
酸化物半導体中にキャリアが極めて少ないため、トランジスタ510のオフ電流を低くすることができる。オフ電流は少なければ少ないほど好ましい。
【0153】
具体的には、上述の酸化物半導体層を具備する薄膜トランジスタは、チャネル幅1μmあたりのオフ電流密度を室温下において、10aA/μm(1×10−17A/μm)以下にすること、さらには1aA/μm(1×10−18A/μm)以下、さらには10zA/μm(1×10−20A/μm)以下にすることが可能である。
【0154】
オフ状態における電流値(オフ電流値)が極めて小さいトランジスタを実施の形態1の画素部におけるトランジスタとして用いることにより、静止画領域におけるリフレッシュ動作の書き込み回数を少なくすることができる。
【0155】
また、上述の酸化物半導体層を具備するトランジスタ510はオン電流の温度依存性がほとんど見られず、オフ電流も非常に小さいままである。
【0156】
以下、図12(A)乃至図12(E)を用い、基板505上にトランジスタ510を作製する工程を説明する。
【0157】
まず、絶縁表面を有する基板505上に導電膜を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程によりゲート電極層511を形成する。なお、レジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0158】
絶縁表面を有する基板505は、実施の形態5に示した基板400と同様な基板を用いることができる。本実施の形態では基板505としてガラス基板を用いる。
【0159】
下地膜となる絶縁膜を基板505とゲート電極層511との間に設けてもよい。下地膜は、基板505からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0160】
また、ゲート電極層511の材料は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。
【0161】
次いで、ゲート電極層511上にゲート絶縁層507を形成する。ゲート絶縁層507は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。
【0162】
本実施の形態の酸化物半導体は、不純物を除去され、i型化又は実質的にi型化された酸化物半導体を用いる。このような高純度化された酸化物半導体は界面準位、界面電荷に対して極めて敏感であるため、酸化物半導体層とゲート絶縁層との界面は重要である。そのため高純度化された酸化物半導体に接するゲート絶縁層は、高品質化が要求される。
【0163】
例えば、μ波(例えば周波数2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVDは、緻密で絶縁耐圧の高い高品質な絶縁層を形成できるので好ましい。高純度化された酸化物半導体と高品質ゲート絶縁層とが密接することにより、界面準位を低減して界面特性を良好なものとすることができるからである。
【0164】
もちろん、ゲート絶縁層として良質な絶縁層を形成できるものであれば、スパッタリング法やプラズマCVD法など他の成膜方法を適用することができる。また、成膜後の熱処理によってゲート絶縁層の膜質、酸化物半導体との界面特性が改質される絶縁層であっても良い。いずれにしても、ゲート絶縁層としての膜質が良好であることは勿論のこと、酸化物半導体との界面準位密度を低減し、良好な界面を形成できるものであれば良い。
【0165】
また、ゲート絶縁層507、酸化物半導体膜530に水素、水酸基及び水分がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体膜530の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート電極層511が形成された基板505、又はゲート絶縁層507までが形成された基板505を予備加熱し、基板505に吸着した水素、水分などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。またこの予備加熱は、絶縁層516の成膜前に、ソース電極層515a及びドレイン電極層515bまで形成した基板505にも同様に行ってもよい。
【0166】
次いで、ゲート絶縁層507上に、膜厚2nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下の酸化物半導体膜530を形成する(図12(A)参照)。
【0167】
なお、酸化物半導体膜530をスパッタリング法により成膜する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁層507の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することが好ましい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。
【0168】
酸化物半導体膜530に用いる酸化物半導体は、実施の形態5に示した四元系金属の酸化物や、三元系金属の酸化物や、二元系金属の酸化物や、In−O系、Sn−O系、Zn−O系などの酸化物半導体を用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiO2を含んでもよい。本実施の形態では、酸化物半導体膜530としてIn−Ga−Zn−O系酸化物ターゲットを用いてスパッタリング法により成膜する。この段階での断面図が図12(A)に相当する。また、酸化物半導体膜530は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガスと酸素の混合雰囲気下においてスパッタリング法により形成することができる。
【0169】
酸化物半導体膜530をスパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、例えば、組成比として、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:1[mol数比]を用いることができる。また、他にも、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:2[mol数比]、又はIn2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:4[mol数比]の組成比を有するターゲットを用いてもよい。酸化物半導体成膜用ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%である。充填率の高い酸化物半導体成膜用ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。
【0170】
酸化物半導体膜530を、成膜する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基又は水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0171】
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持し、基板温度を100℃以上600℃以下好ましくは200℃以上400℃以下とする。基板を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減される。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて基板505上に酸化物半導体膜530を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(H2O)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0172】
成膜条件の一例としては、基板とターゲットとの間の距離を100mm、圧力0.6Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下の条件が適用される。なお、パルス直流電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、ごみともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。
【0173】
次いで、酸化物半導体膜530を第2のフォトリソグラフィ工程により島状の酸化物半導体層に加工する。また、島状の酸化物半導体層を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0174】
また、ゲート絶縁層507にコンタクトホールを形成する場合、その工程は酸化物半導体膜530の加工時に同時に行うことができる。
【0175】
なお、ここでの酸化物半導体膜530のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体膜530のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0176】
次いで、酸化物半導体層に第1の加熱処理を行う。この第1の加熱処理によって酸化物半導体層の脱水化または脱水素化を行うことができる。第1の加熱処理の温度は、400℃以上750℃以下、または400℃以上基板の歪み点未満とする。ここでは、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行った後、大気に触れることなく、酸化物半導体層への水や水素の再混入を防ぎ、酸化物半導体層531を得る(図12(B)参照)。
【0177】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
【0178】
例えば、第1の加熱処理として、650℃以上700℃以下の高温に加熱した不活性ガス中に基板を移動させて入れ、数分間加熱した後、基板を移動させて高温に加熱した不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
【0179】
なお、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0180】
また、第1の加熱処理で酸化物半導体層を加熱した後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度のN2Oガス、又は超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以下)を導入してもよい。酸素ガスまたはN2Oガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する酸素ガスまたはN2Oガスの純度を、6N以上、好ましくは7N以上、(即ち、酸素ガスまたはN2Oガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガス又はN2Oガスの作用により、脱水化または脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまった酸素を供給することによって、酸化物半導体層を高純度化及び電気的にi型(真性)化する。
【0181】
また、酸化物半導体層の第1の加熱処理は、島状の酸化物半導体層に加工する前の酸化物半導体膜530に行うこともできる。その場合には、第1の加熱処理後に、加熱装置から基板を取り出し、フォトリソグラフィ工程を行う。
【0182】
なお、第1の加熱処理は、上記以外にも、酸化物半導体層成膜後であれば、酸化物半導体層上にソース電極層及びドレイン電極層を積層させた後、あるいは、ソース電極層及びドレイン電極層上に絶縁層を形成した後、のいずれで行っても良い。
【0183】
また、ゲート絶縁層507にコンタクトホールを形成する場合、その工程は酸化物半導体膜530に第1の加熱処理を行う前でも行った後でもよい。
【0184】
また、酸化物半導体層を2回に分けて成膜し、2回に分けて加熱処理を行うことで、下地部材の材料が、酸化物、窒化物、金属など材料を問わず、膜厚の厚い結晶領域(単結晶領域)、即ち、膜表面に垂直にc軸配向した結晶領域を有する酸化物半導体層を形成してもよい。例えば、3nm以上15nm以下の第1の酸化物半導体膜を成膜し、窒素、酸素、希ガス、または乾燥空気の雰囲気下で450℃以上850℃以下、好ましくは550℃以上750℃以下の第1の加熱処理を行い、表面を含む領域に結晶領域(板状結晶を含む)を有する第1の酸化物半導体膜を形成する。そして、第1の酸化物半導体膜よりも厚い第2の酸化物半導体膜を形成し、450℃以上850℃以下、好ましくは600℃以上700℃以下の第2の加熱処理を行い、第1の酸化物半導体膜を結晶成長の種として、上方に結晶成長させ、第2の酸化物半導体膜の全体を結晶化させ、結果として膜厚の厚い結晶領域を有する酸化物半導体層を形成してもよい。
【0185】
次いで、ゲート絶縁層507、及び酸化物半導体層531上に、ソース電極層及びドレイン電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成する。ソース電極層、及びドレイン電極層に用いる導電膜としては、実施の形態5に示したソース電極層405a、ドレイン電極層405bに用いる材料を適用することができる。
【0186】
第3のフォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行ってソース電極層515a、ドレイン電極層515bを形成した後、レジストマスクを除去する(図12(C)参照)。
【0187】
第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光には、紫外線やKrFレーザ光やArFレーザ光を用いるとよい。酸化物半導体層531上で隣り合うソース電極層の下端部とドレイン電極層の下端部との間隔幅によって後に形成されるトランジスタのチャネル長Lが決定される。なお、チャネル長Lが25nm未満の露光を行う場合には、数nm以上数10nm以下と極めて波長が短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いて第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光を行うとよい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。従って、後に形成されるトランジスタのチャネル長Lを10nm以上1000nm以下とすることも可能であり、回路の動作速度を高速化でき、さらにオフ電流値が極めて小さいため、低消費電力化も図ることができる。
【0188】
また、フォトリソグラフィ工程で用いるフォトマスク数及び工程数を削減するため、透過した光が複数の強度となる露光マスクである多階調マスクによって形成されたレジストマスクを用いてエッチング工程を行ってもよい。多階調マスクを用いて形成したレジストマスクは複数の膜厚を有する形状となり、エッチングを行うことでさらに形状を変形することができるため、異なるパターンに加工する複数のエッチング工程に用いることができる。よって、一枚の多階調マスクによって、少なくとも二種類以上の異なるパターンに対応するレジストマスクを形成することができる。よって露光マスク数を削減することができ、対応するフォトリソグラフィ工程も削減できるため、工程の簡略化が可能となる。
【0189】
なお、導電膜のエッチングの際に、酸化物半導体層531がエッチングされ、分断することがないようにエッチング条件を最適化することが望まれる。しかしながら、導電膜のみをエッチングし、酸化物半導体層531を全くエッチングしないという条件を得ることは難しく、導電膜のエッチングの際に酸化物半導体層531は一部のみがエッチングされ、溝部(凹部)を有する酸化物半導体層となることもある。
【0190】
本実施の形態では、導電膜としてTi膜を用い、酸化物半導体層531にはIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いたので、導電膜のエッチャントとしてアンモニア過水(アンモニア水、水、過酸化水素水の混合液)を用いる。
【0191】
次いで、N2O、N2、またはArなどのガスを用いたプラズマ処理を行い、露出している酸化物半導体層の表面に付着した吸着水などを除去してもよい。プラズマ処理を行った場合、大気に触れることなく、酸化物半導体層の一部に接する保護絶縁膜となる絶縁層516を形成する。
【0192】
絶縁層516は、少なくとも1nm以上の膜厚とし、スパッタリング法など、絶縁層516に水、水素等の不純物を混入させない方法を適宜用いて形成することができる。絶縁層516に水素が含まれると、その水素の酸化物半導体層への侵入、又は水素が酸化物半導体層中の酸素を引き抜き、が生じ酸化物半導体層のバックチャネルが低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、絶縁層516はできるだけ水素を含まない膜になるように、成膜方法に水素を用いないことが重要である。
【0193】
本実施の形態では、絶縁層516として膜厚200nmの酸化シリコン膜をスパッタリング法を用いて成膜する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよく、本実施の形態では100℃とする。酸化シリコン膜のスパッタリング法による成膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガスと酸素の混合雰囲気下において行うことができる。また、ターゲットとして酸化シリコンターゲットまたはシリコンターゲットを用いることができる。例えば、シリコンターゲットを用いて、酸素を含む雰囲気下でスパッタリング法により酸化シリコンを形成することができる。酸化物半導体層に接して形成する絶縁層516は、水分や、水素イオンや、OH−などの不純物を含まず、これらが外部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いることができる。
【0194】
酸化物半導体膜530の成膜時と同様に、絶縁層516の成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ(クライオポンプなど)を用いることが好ましい。クライオポンプを用いて排気した成膜室で成膜した絶縁層516に含まれる不純物の濃度を低減できる。また、絶縁層516の成膜室内の残留水分を除去するための排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。
【0195】
絶縁層516を、成膜する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基又は水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0196】
次いで、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下で第2の加熱処理(好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行う。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理を行うと、酸化物半導体層の一部(チャネル形成領域)が絶縁層516と接した状態で加熱される。
【0197】
以上の工程を経ることによって、酸化物半導体膜に対して第1の加熱処理を行って水素、水分、水酸基又は水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を酸化物半導体層より意図的に排除し、かつ不純物の排除工程によって同時に減少してしまう酸素を供給することができる。よって、酸化物半導体層は高純度化及び電気的にi型(真性)化する。
【0198】
以上の工程でトランジスタ510が形成される(図12(D)参照)。
【0199】
また、酸化物絶縁層に欠陥を多く含む酸化シリコン層を用いると、酸化シリコン層形成後の加熱処理によって酸化物半導体層中に含まれる水素、水分、水酸基又は水素化物などの不純物を酸化物絶縁層に拡散させ、酸化物半導体層中に含まれる該不純物をより低減させる効果を奏する。
【0200】
絶縁層516上にさらに保護絶縁層506を形成してもよい。例えば、RFスパッタリング法を用いて窒化シリコン膜を形成する。RFスパッタリング法は、量産性がよいため、保護絶縁層の成膜方法として好ましい。保護絶縁層506は、水分などの不純物を含まず、これらが外部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。本実施の形態では、保護絶縁層506を、窒化シリコン膜を用いて形成する(図12(E)参照)。
【0201】
本実施の形態では、保護絶縁層506として、絶縁層516まで形成された基板505を100℃以上400℃以下の温度に加熱し、水素及び水分が除去された高純度窒素を含むスパッタガスを導入し、シリコン半導体のターゲットを用いて窒化シリコン膜を成膜する。この場合においても、絶縁層516と同様に、処理室内の残留水分を除去しつつ保護絶縁層506を成膜することが好ましい。
【0202】
保護絶縁層506の形成後、さらに大気雰囲気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以下での加熱処理を行ってもよい。この加熱処理は一定の加熱温度を保持して加熱してもよいし、室温から、100℃以上200℃以下の加熱温度への昇温と、加熱温度から室温までの降温を複数回くりかえして行ってもよい。
【0203】
このように、本実施の形態を用いて作製した、高純度化された酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることにより、オフ状態における電流値(オフ電流値)をより低くすることができる。よって、画像イメージデータ等の電気信号の保持時間を長くすることができ、書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度をより少なくすることができるため、消費電力を低減することができる。
【0204】
また、高純度化された酸化物半導体層を含むトランジスタは、高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、液晶表示装置の画素部に該トランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。また、該トランジスタは、同一基板上に駆動回路部または画素部に作り分けて作製することができるため、液晶表示装置の部品点数を削減することができる。
【0205】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0206】
(実施の形態7)
本実施の形態では、半透過型液晶表示装置の1画素当たりの反射光量と透過光量を向上せしめる画素構成について、図14、図15、及び図16を用いて説明する。
【0207】
図14は、本実施の形態で示す画素の平面構成を説明するための図である。図15は、図14における一点破線で示したS1−S2部、T1−T2部、及びU1−U2部の断面構成を示している。本実施の形態で説明する画素は、基板800上に、画素電極として透明電極823と反射電極825が、絶縁層824を間に挟んで積層されている。
【0208】
透明電極823は、絶縁膜827、絶縁膜828、及び有機樹脂膜822に設けられたコンタクトホール855を介して、トランジスタ851のドレイン電極857に接続されている。ドレイン電極857は、ゲート絶縁層を介して容量配線853と重畳し、保持容量871を構成している(図15(A)参照)。
【0209】
また、トランジスタ851のゲート電極858は、配線852に接続されており、ソース電極856は、配線854に接続されている。トランジスタ851は、他の実施の形態で説明したトランジスタを用いることができる(図14参照)。
【0210】
反射電極825は、絶縁膜827、絶縁膜828、及び有機樹脂膜822に設けられたコンタクトホール865を介して、トランジスタ861のドレイン電極867に接続されている(図15(E)参照)。ドレイン電極867は、ゲート絶縁層を介して容量配線863と重畳し、保持容量872を構成している。
【0211】
トランジスタ861のゲート電極868は、配線862に接続されており、ソース電極866は、配線864に接続されている。トランジスタ861は、他の実施の形態で説明したトランジスタを用いることができる(図14参照)。
【0212】
反射電極825により外光を反射することで、画素電極を反射型液晶表示装置の画素電極として機能させることができる。反射電極825には複数の開口部826が設けられている。開口部826には反射電極825が存在せず、構造体820及び透明電極823が突出している(図15(B)参照)。開口部826から、バックライトの光を透過させることで、画素電極を透過型液晶表示装置の画素電極として機能させることができる。
【0213】
本実施の形態に示す半透過型液晶表示装置は、反射電極825と透明電極823が、絶縁層824で電気的に分離されている。また、透明電極823に与える電位をトランジスタ851で制御し、反射電極825に与える電位をトランジスタ861で制御できるため、反射電極825と透明電極823の電位をそれぞれ独立して制御することができる。このため、半透過型液晶表示装置を透過型として機能させている場合に、反射電極825上の液晶表示を黒表示となるようにすることができる。
【0214】
また、図16は、図15(B)とは異なる例を示す断面図であり、開口部826において、構造体820及び透明電極823が突出していない構造を有する本発明の一実施形態である。図15(B)では、バックライト射出光口841と開口部826はほぼ同一サイズであるのに対して、図16では、バックライト射出光口841のサイズと開口部826のサイズが異なり、バックライト入射光口842からの距離も異なる。従って、図16と比較して図15(B)のほうが透過光量を大きくすることができ、好ましい断面形状と言える。
【0215】
開口部826には、開口部826と重畳して構造体820が形成されている。図15(B)は、図14におけるT1−T2部の断面図であり、画素電極と構造体820の構成を示している。図15(C)は、部位880の拡大図であり、図15(D)は、部位881の拡大図である。
【0216】
反射光832は、反射電極825で反射された外光を示している。有機樹脂膜822は、上面に凹凸状の湾曲面を有している。反射電極825にその凹凸形状の湾曲面を反映させることで、反射領域の面積を増やし、また、表示映像以外の写り込みが軽減されるため、表示映像の視認性を高めることができる。断面形状において湾曲面を有する反射電極825の最も屈曲している点から、相対向する2つの傾斜面がなす角度θRは、90°以上、好ましくは100°以上120°以下とするとよい(図15(D)参照)。
【0217】
構造体820は、開口部826側にバックライト射出光口841を有し、バックライト(図示せず)側にバックライト入射光口842を有している。また、構造体820の上部は、反射電極825の表面よりも上方に位置し、反射電極の上端部よりも突出した形状、即ち、構造体820の上端部と反射電極の上端部との距離Hが0.1μm以上3μm以下、好ましくは0.3μm以上2μm以下である。また、バックライト射出光口841の面積よりも、バックライト入射光口842の面積が大きく形成されている。構造体820の側面(バックライト射出光口841とバックライト入射光口842以外の面)には、反射層821が形成されている。構造体820は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなどの、透光性を有する材料を用いることができる。反射層821は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの、光の反射率が高い材料を用いることができる。
【0218】
バックライトから発せられた透過光831は、バックライト入射光口842を通って構造体820に入射する。入射した透過光831の一部はそのままバックライト射出光口841から射出されるが、一部は反射層821によりバックライト射出光口841に向かって反射され、一部はさらに反射して、バックライト入射光口842へ戻ってしまう。
【0219】
この時、構造体820のバックライト射出光口841とバックライト入射光口842を通る構造体820の断面形状を見ると、左右に相対向する側面は傾斜面となっている。それぞれの側面のなす角度θTを、90°未満、好ましくは10°以上60°以下とすることで、バックライト入射光口842から入射した透過光831を効率よくバックライト射出光口841へ導くことができる(図15(C)参照)。
【0220】
例えば、1つの画素において、画素電極の面積を100%とし、また、反射電極として機能する電極面積をSR、透過電極として機能する電極面積(開口部826の面積)をSTとする。その場合、従来の半透過型液晶表示装置では、反射電極として機能する電極面積SRと透過電極として機能する電極面積STとの合計面積が、画素電極の面積100%に相当する。本実施の形態で示した画素構成を有する半透過型液晶表示装置では、透過電極として機能する電極面積STがバックライト入射光口842の面積に相当するため、開口部826の面積STを大きくすることができる。また、透過電極として機能する電極面積STがバックライト入射光口842の面積に相当するため、バックライトの輝度を上げることなく透過光量を向上させることができる。これにより、反射電極として機能する電極面積SRと透過電極として機能する電極面積STの合計面積を100%以上とすることができる。つまり、見かけ上の画素電極の面積を100%以上とすることができる。
【0221】
本実施の形態を用いることで、消費電力を増やさずにより明るく表示品位の良い半透過型液晶表示装置を得ることができる。
【0222】
(実施の形態8)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明した液晶表示装置を具備する電子機器の例について説明する。
【0223】
図13(A)は電子書籍(E−bookともいう)であり、筐体9630、表示部9631、操作キー9632、太陽電池9633、充放電制御回路9634を有することができる。図13(A)に示した電子書籍は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。なお、図13(A)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ(以下、コンバータ9636と略記)を有する構成について示している。
【0224】
図13(A)に示す構成とすることにより、表示部9631として半透過型の液晶表示装置を用いる場合、比較的明るい状況下での使用も予想され、太陽電池9633による発電、及びバッテリー9635での充電を効率よく行うことができ、好適である。なお太陽電池9633は、筐体9630の表面及び裏面に効率的なバッテリー9635の充電を行う構成とすることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0225】
また図13(A)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図13(B)にブロック図を示し説明する。図13(B)には、太陽電池9633、バッテリー9635、コンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、コンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
【0226】
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
【0227】
次いで外光により太陽電池9633により発電がされない場合の動作の例について説明する。バッテリー9635に蓄電された電力は、スイッチSW3をオンにすることでコンバータ9637により昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作にバッテリー9635からの電力が用いられることとなる。
【0228】
なお太陽電池9633については、充電手段の一例として示したが、他の手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
【0229】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0230】
100 液晶表示装置
101 画像信号供給源
102 A/D変換回路
110 画像処理回路
111 記憶回路
112 比較回路
113 表示制御回路
114 フィールドシーケンシャル信号生成回路
115 選択回路
120 表示パネル
121 駆動回路
122 画素部
123 画素部
123a サブ画素
123b サブ画素
125a 偏光板
125b 偏光板
126 FPC
130 バックライト部
131 バックライト制御回路
132 バックライト
133 発光素子
133R LED
133G LED
133B LED
134 拡散板
135 光
139 外光
140 アナログ画像信号
141 デジタル画像信号
142 LC画像信号
143 バックライト信号
151 画素部
152 第1の走査線
153 第1の信号線
154 第2の走査線
155 第2の信号線
156 画素
157 第1の走査線駆動回路
158 第1の信号線駆動回路
159 第2の走査線駆動回路
160 第2の信号線駆動回路
161 透過電極部
162 反射電極部
163 画素トランジスタ
164 液晶素子
165 容量素子
166 画素トランジスタ
167 液晶素子
168 容量素子
169 共通電極
170 容量線
190 液晶表示モジュール
301 動画表示期間
302 静止画表示期間
303 静止画書き込み期間
304 静止画保持期間
311 発光素子
400 基板
401 ゲート電極層
402 ゲート絶縁層
403 酸化物半導体層
405a ソース電極層
405b ドレイン電極層
407 絶縁膜
409 絶縁膜
410 トランジスタ
413 層間膜
420 トランジスタ
427 絶縁層
430 トランジスタ
436a 配線層
436b 配線層
437 絶縁層
440 トランジスタ
441 基板
442 基板
444 液晶層
448 共通電極層
460a 配向膜
460b 配向膜
480 絶縁層
482 絶縁層
498 反射領域
499 透過領域
505 基板
506 保護絶縁層
507 ゲート絶縁層
510 トランジスタ
511 ゲート電極層
515a ソース電極層
515b ドレイン電極層
516 絶縁層
530 酸化物半導体膜
531 酸化物半導体層
550 トランジスタ
551 ゲート電極層
553 半導体層
555a ソース電極層又はドレイン電極層
555b ソース電極層又はドレイン電極層
558 容量配線層
560 トランジスタ
563 半導体層
565a ソース電極層又はドレイン電極層
565b ソース電極層又はドレイン電極層
571 絶縁膜
576 透明電極層
577 反射電極層
579 導電層
580 配線層
800 基板
820 構造体
821 反射層
822 有機樹脂膜
823 透明電極
824 絶縁層
825 反射電極
826 開口部
827 絶縁膜
828 絶縁膜
831 透過光
832 反射光
841 バックライト射出光口
842 バックライト入射光口
851 トランジスタ
852 配線
853 容量配線
854 配線
855 コンタクトホール
856 ソース電極
857 ドレイン電極
858 ゲート電極
861 トランジスタ
862 配線
863 容量配線
864 配線
865 コンタクトホール
866 ソース電極
867 ドレイン電極
868 ゲート電極
871 保持容量
872 保持容量
880 部位
881 部位
9630 筐体
9631 表示部
9632 操作キー
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 コンバータ
9637 コンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、を有し、
前記表示パネルは、
透光性を有し、走査線と第1系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第1系統の画素電極と、
前記第1系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第1系統のサブ画素と、
可視光を反射し、走査線と第2系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第2系統の画素電極と、
前記第2系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第2系統のサブ画素の対を含む画素が、複数設けられ、
バックライト部は、
複数の発光素子を有し、
前記画像処理回路は、
画像信号を記憶する記憶回路と、
前記記憶回路に記憶された前記画像信号と動画を含む第1の信号を比較して差分を演算する比較回路と、
前記表示パネルを時間的に制御する第1の駆動回路と、
前記バックライト部の複数の発光素子を時間的に制御する第2の駆動回路と、を有し、
前記比較回路が、前記差分を検出した連続するフレーム期間を動画期間であると判断し、
前記画像処理回路が前記表示パネルの第1の系統の信号線に前記動画を含む第1の信号を出力して、前記第1の駆動回路により前記表示パネルを駆動し、
前記画像処理回路が前記バックライト部に前記第1の信号と同期する第2の信号を出力して、前記第2の駆動回路により前記バックライト部を駆動する、動画表示モードと、
前記比較回路が、前記差分が検出されない連続するフレーム期間を静止画期間であると判断し、
前記画像処理回路が前記静止画期間の静止画データを白黒の静止画に変換し、
前記画像処理回路が前記表示パネルの第2の系統の信号線に前記白黒の静止画を含む前記第1の信号を出力して、前記第1の駆動回路により前記表示パネルを駆動し、
前記画像処理回路が前記バックライト部に信号の出力を停止する、静止画表示モードと、を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、測光回路とを有し、
前記表示パネルは、
透光性を有し、走査線と第1系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第1系統の画素電極と、
前記第1系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第1系統のサブ画素と、
可視光を反射し、走査線と第2系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第2系統の画素電極と、
前記第2系統の画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた第2系統のサブ画素の対を含む画素が、複数設けられ、
バックライト部は、
複数の発光素子を有し、
前記画像処理回路は、
画像信号を記憶する記憶回路と、
前記記憶回路に記憶された前記画像信号と動画を含む第1の信号を比較して差分を演算する比較回路と、
前記表示パネルを時間的に制御する第1の駆動回路と、
前記バックライト部の複数の発光素子を時間的に制御する第2の駆動回路と、を有し、
前記比較回路が、前記差分を検出した連続するフレーム期間を動画期間であると判断し、
前記画像処理回路が前記表示パネルの第1の系統の信号線に前記動画を含む第1の信号を出力して、前記第1の駆動回路により前記表示パネルを駆動し、
前記画像処理回路が前記バックライト部に前記第1の信号と同期する第2の信号を出力して、前記第2の駆動回路により前記バックライト部を駆動する、動画表示モードと、
前記比較回路が、前記差分が検出されない連続するフレーム期間を静止画期間であると判断し、
前記画像処理回路が前記静止画期間の静止画データを白黒の静止画に変換し、
前記画像処理回路が前記表示パネルの第2の系統の信号線に前記白黒の静止画を含む前記第1の信号を出力して、前記第1の駆動回路により前記表示パネルを駆動し、
前記画像処理回路が前記バックライト部に信号の出力を停止する、静止画表示モードと、を有し、
前記測光回路が検知することにより外光の明るさに応じて、前記静止画表示モードと前記動画表示モードを切り替えたときの明るさを利用してバックライトを調節することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、を有し、
前記表示パネルは、
透光性を有し、走査線と第1系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第1系統の画素電極と、
前記第1系統の画素電極に接続される酸化物半導体層を含むトランジスタと、が設けられた第1系統のサブ画素と、
可視光を反射し、走査線と第2系統の信号線とに接続され、液晶の配向状態を制御する第2系統の画素電極と、
前記第2系統の画素電極に接続される酸化物半導体層を含むトランジスタと、が設けられた第2系統のサブ画素の対を含む画素が、複数設けられ、
バックライト部は、
複数の発光素子を有し、
前記画像処理回路は、
画像信号を記憶する記憶回路と、
前記記憶回路に記憶された前記画像信号と動画を含む第1の信号を比較して差分を演算する比較回路と、
前記表示パネルを時間的に制御する第1の駆動回路と、
前記バックライト部の複数の発光素子を時間的に制御する第2の駆動回路と、を有し、
前記比較回路が、前記差分を検出した連続するフレーム期間を動画期間であると判断し、
前記画像処理回路が前記表示パネルの第1の系統の信号線に前記動画を含む第1の信号を出力して、前記第1の駆動回路により前記表示パネルを駆動し、
前記画像処理回路が前記バックライト部に前記第1の信号と同期する第2の信号を出力して、前記第2の駆動回路により前記バックライト部を駆動する、動画表示モードと、
前記比較回路が、前記差分が検出されない連続するフレーム期間を静止画期間であると判断し、
前記画像処理回路が前記静止画期間の静止画データを白黒の静止画に変換し、
前記画像処理回路が前記表示パネルの第2の系統の信号線に前記白黒の静止画を含む前記第1の信号を出力して、前記第1の駆動回路により前記表示パネルを駆動し、
前記画像処理回路が前記バックライト部に信号の出力を停止する、静止画表示モードと、を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記第1系統の画素電極と前記第2系統の画素電極とは絶縁膜を介して一部重なることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶表示装置と、さらに太陽電池とを有し、
前記太陽電池と、前記表示パネルとを開閉自在に装着し、前記太陽電池からの電力を前記表示パネル、前記バックライト部、または前記画像処理回路に供給することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−154356(P2011−154356A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286827(P2010−286827)
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】