説明

温度検知用ICタグと温度検知システム

【課題】データ伝送用の配線を布設する必要がなく、任意に増設したり配置を変更することができる温度検出機能を備えた温度検知用ICタグと温度検知システムを提供する。
【解決手段】温度監視場所12の任意の箇所に任意の数だけ固定されるものであって、火災発生時の熱で溶断するアンテナ14と、自他を区別できる識別情報18を記録した記憶装置20と、記憶装置20に記憶された識別情報18を含む応答信号22を、監視装置24から発信される問合せ信号26を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、アンテナ14を励振して、監視装置24に対して発信する通信機28とを備えている。各ICタグ10に他のICタグ10と区別できる情報を記録しておくと、取り付け場所毎に異なる識別情報18の応答が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災報知器や各種の温度監視システム等の用途に使用される温度検知用ICタグと温度検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
消防法で建物等に設置を義務付けられた火災検知器は、煙や熱あるいはその両方を感知する。熱感知用の温度センサには、差動式と定温式のものがある。差動式の温度センサは急激な温度上昇を感知し、定温式の温度センサは一定温度に達したときにその状態を検知する。定温式のスポット型熱感知器の感熱部には、バイメタルによる電気スイッチが使用される。バイメタルは摂氏75度程度に設定され、その設定温度を検知するとスイッチがオンする。定温式の感知線型熱感知器は、長く張り巡らせた感知線が一定温度以上になるとその状態を検知する。この感知線は、一対の絶縁線を撚り合わせたもので、温度が上昇すると絶縁被覆が剥がれて一対の導体がスイッチのように短絡する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−283343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、従来の温度検知システムには、次のような解決すべき課題があった。
上記のような従来の温度センサは、いずれも構造が複雑で、データ伝送用の配線を必要とする。また、感知器の台数を増やそうとすると設置工事に時間と多額の費用がかかるという問題点があった。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、データ伝送用の配線を布設する必要がなく、任意に増設したり配置を変更することができる温度検出機能を備えた温度検知用ICタグと温度検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の各実施例においては、それぞれ次のような構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、所定の温度で電波発射機能を喪失するアンテナと、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、上記記憶装置に記憶された上記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、上記アンテナを励振して、上記監視装置に対して発信する通信機とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【0005】
複数のICタグの各記憶装置には、ICタグ毎に、他のICタグと区別できる識別情報がそれぞれ記録されている。このICタグは、例えば、建物の天井等へ、火災報知器と同様にして取り付けられる。データ通信用の通信線は不要である。電源も不要である。受信電力により充電をして応答できる。各ICタグに他のICタグと区別できる情報を記録しておくと、取り付け場所毎に異なる識別情報の応答が得られる。例えば、どこかで火災が発生すると、アンテナは火災発生時の熱で溶断し電波発射機能を喪失する。このとき、該当するICタグからの応答電波が監視装置に届かなくなる。監視装置は問合せ信号を送信して該当するICタグを検出し、火災報知をする。
【0006】
〈構成2〉
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、アンテナと、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、上記記憶装置に記憶された上記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、上記アンテナを励振して、上記監視装置に対して発信する通信機と、上記アンテナと上記通信機とを電気接続し、所定の温度で溶断するリード線とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【0007】
複数のICタグの各記憶装置には、ICタグ毎に、他のICタグと区別できる識別情報がそれぞれ記録されている。アンテナと送信機とを接続するリード線が溶断しても、アンテナの電波発射機能を喪失させる作用がある。
【0008】
〈構成3〉
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、アンテナと、上記アンテナを支持し、所定の温度で溶解する裏打ちシートと、上記裏打ちシートと共に上記温度監視場所に取り付けられるものであって、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、上記記憶装置に記憶された上記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、上記アンテナを励振して、上記監視装置に対して発信する通信機とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【0009】
複数のICタグの各記憶装置には、ICタグ毎に、他のICタグと区別できる識別情報がそれぞれ記録されている。アンテナを支持するように裏打ちされたシートが、高分子樹脂のようなものの場合、破壊されるとアンテナの形状が保持できない。この裏打ちシートが熱で溶解するものであれば、アンテナの電波発射機能を喪失させる作用がある。
【0010】
〈構成4〉
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、アンテナと、所定の温度で溶解する保護ケースと、上記保護ケースに収容されるものであって、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、上記記憶装置に記憶された上記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、上記アンテナを励振して、上記監視装置に対して発信する通信機とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【0011】
複数のICタグの各記憶装置には、ICタグ毎に、他のICタグと区別できる識別情報がそれぞれ記録されている。保護ケースが破壊されると、ICタグの機能が停止する。保護ケースが熱で溶解するものであれば、構成3と同様の作用がある。
【0012】
〈構成5〉
構成1又は2に記載の温度検知用ICタグにおいて、上記アンテナ又はリード線の材料は、低融点金属であることを特徴とする温度検知用ICタグ。
【0013】
この低融点金属は、ICチップの熱破壊温度より低い融点を持つもので、2種、3種又はそれ以上の合金を含む。
所定温度に達したときの熱で溶断するアンテナやリード線は、それ自体が熱で溶ける材料であることが好ましい。
【0014】
〈構成6〉
構成3又は4に記載の温度検知用ICタグにおいて、上記裏打ちシート又は上記保護ケースの材料は、熱可塑性樹脂であって、酢酸セルロース、ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(超高分子量)、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、ナイロン6、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリピロメリットイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂(ノボラック)、不飽和ポリエステル樹脂のいずれかから選択されたものであることを特徴とする温度検知用ICタグ。
【0015】
裏打ちシート又は保護ケースの材料として、比較的熱変形温度の低い熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0016】
〈構成7〉
構成1に記載の温度検知用ICタグにおいて、アンテナは、導電性非金属体からなることを特徴とする温度検知用ICタグ。
【0017】
アンテナは、導電性高分子等の導電性非金属体であれば、火災時の熱で容易に溶断し電波発射機能を喪失する。
【0018】
〈構成8〉
アンテナと、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、上記記憶装置に記憶された上記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、上記アンテナを励振して、上記監視装置に対して発信する通信機とを有し、温度監視場所の、それぞれ条件の異なる複数の箇所に取り付けられ、所定温度に達したときの熱でその機能を停止する複数のICタグと、上記各ICタグの応答信号を受信して、各ICタグの配置と各ICタグの動作状態との関係を表示する解析装置とを備えたことを特徴とする温度検知システム。
【0019】
複数のICタグの各記憶装置には、ICタグ毎に、他のICタグと区別できる識別情報がそれぞれ記録されている。
部屋の天井や床や壁等の各所にICタグを取り付けることにより、火災発生時の部屋の状態も検知でき、例えば、火災発生源も特定できる。屋内の多数の場所に設置したICタグの状態をコンピュータに取り込んで3次元解析をすると、部屋の状態を3次元表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1の温度検知システムを示すブロック図である。
図1に示す温度検知システムは、一般住宅、学校、集合住宅、オフィスその他、火災検知や温度監視の必要な各種施設の温度監視場所12内に設置される。例えば、図1に示すように、温度監視場所12内の天井や壁面に、複数のICタグ10A、10B、10Cが取り付け固定されている。これらのICタグ10A、10B、10Cの各々が火災等で発生する高熱の温度を検知する。この火災等の発生監視のために、各ICタグから離れた適当な場所に監視装置24が設けられている。
【0022】
図2は、図1に示したICタグの説明図である。
ICタグ10の構造は、図2に示すように、ICチップ16とアンテナ14とをリード線30で接続した構成になっている。
アンテナ14あるいはリード線30は、火災等で受ける所定の温度で溶断することにより、電波発射機能を喪失するように構成されている。
【0023】
アンテナ14は、所定の温度で電波発射機能を喪失するものであるが、銅、アルミニウム、銀、金等の導電性と機械的強度に優れた金属又は合金により、コイル状、平板形状等、電波の送受信に優れた形状に形成されている。また、アンテナ14あるいはリード線30は、導電性を有するものであれば、導電性高分子、導電性セラミック等非金属により構成されてもよい。
【0024】
ICタグ10は、図2の下方に示されたように、通信機28と記憶装置20とを備えている。通信機28にはアンテナ14に接続された受信部31と送信部32とが設けられている。記憶装置20には、他のICタグと区別できる識別情報18が記憶されている。ICタグ10は、データ通信用の通信線や電源は不要であり、受信電力により充電をして応答できる。
【0025】
図1に示すように、温度監視場所12内の各所に取り付けられたICタグ10A、10B、10Cに対して、監視装置24が定期的に問合せ信号26を送信すると、各ICタグ10A、10B、10Cは、それぞれ固有の識別情報18を含む応答信号22を監視装置24に対して送信する。すなわち、通信機28は、識別情報18を含む応答信号22を、監視装置24から発信される問合せ信号26を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、アンテナ14を励振して、監視装置24に対して発信する。
【0026】
例えば、どこかで火災が発生すると、アンテナ14が火災発生時の熱で溶断し電波発射機能を喪失する。従って、該当するICタグからの応答電波が監視装置に届かなくなる。監視装置24は問合せ信号を送信して、該当するICタグを検出し、火災報知をする。すなわち、取り付けられた全てのICタグのうち、少なくとも1つのICタグからの応答信号22が途絶えたとき、当該ICタグがその付近で火災等が起きて熱で電波発射機能を喪失してしまったものと判断することができる。
【0027】
図3の(a)〜(d)は、それぞれICタグの変形例を示す。
図3(a)に示すICタグは、ICチップ16に対して、熱で溶断し易いアンテナ14を接続したものである。このアンテナ14は、例えば、導電性高分子等の導電性非金属体あるいは低融点金属により構成される。
【0028】
図3(b)に示すICタグは、すでに説明したように、ICチップ16とアンテナ14とを熱で溶断し易いリード線30で接続したものである。リード線30は所定温度に達したときの熱で溶断する低融点金属により構成される。
【0029】
また、図3(c)に示すICタグは、ICチップ16とアンテナ14とを支持する裏打ちシート33を熱で溶融し易いシート等により構成したものである。この裏打ちされたシート33が、高分子樹脂のようなものの場合、熱で溶解されるとアンテナ14の形状を保持できなくなり、ICタグ10の送発信機能を停止させる。
【0030】
さらに、図3(d)に示すICタグは、ICチップ16とアンテナ14とを熱で溶融し易い保護ケース34に収納したものである。保護ケース34が熱で溶解されるとICタグ10の送発信機能が停止する。
【0031】
裏打ちシート33あるいは保護ケース34の材料としては、熱変形温度が比較的低い、酢酸セルロース、ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(超高分子量)、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、ナイロン6、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリピロメリットイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂(ノボラック)、不飽和ポリエステル樹脂のいずれかから選択されることが好ましい。しかし、これら以外の樹脂でもかまわない。
【0032】
本発明は、上記したICタグを用いて構成された温度検知システムを含む。屋内の多数の場所に設置したICタグ10の状態をコンピュータに取り込んで3次元解析をすると、部屋の状態を3次元表示できる。この具体例を、以下、図4と図5により説明する。
【0033】
図4は、図1に示した監視装置24の具体例を示すブロック図である。
図4において、監視装置24は、送信部40と問合せ信号生成部42と受信部44と記憶装置46と解析装置48を備える。送信部40は問合せ信号生成部42で生成した問合せ信号26をアンテナ41を利用して送信する機能を持つ。記憶装置46には、施設に取り付けられた全てのICタグの識別情報がデータベースとして記憶されている。
【0034】
問合せ信号生成部42はデータベースから順番に各識別情報を読み出して問合せ信号26に含める。各ICタグはこの問合せ信号26を受信して、その識別情報と自己の記憶装置に記憶した識別情報が一致するときに、応答信号22を、監視装置24に向けて送信する。受信部44はこれを受信し、解析装置48において、監視装置24は全てのICタグについて、応答信号22を受信したかどうかの判定をする。
【0035】
図5は、図4に示した解析装置48の具体的な動作を説明するブロック図である。
図5において、ディスプレイ52は、解析処理を実行するパーソナルコンピュータ等であり、解析処理した結果を画像で表示するものである。記憶装置51には受信部44で受信した識別情報から、どのICタグが動作しているかどうかを示す情報テーブルが記憶される。この情報テーブルは、設置場所58と動作状態情報60と温度情報62との関係を示すものである。
【0036】
解析装置48は、上記の情報テーブルを生成すると共に、その結果を分かり易く図解表示する機能を持つ。具体的には、図5に示すように、建物の各階毎の温度分布を示す解析結果56を表示する。そして、その中に、建物の各階の部屋の縦断面図64や平面図66を表示し、各図に対応する温度分布図68、68をそれぞれ表示する(図5には2階を表示している。)。温度分布図68、68の横軸は各階の部屋の長さ、縦軸は同部屋の温度をそれぞれ示している。
【0037】
各階毎の縦断面図64や平面図66に対応する温度分布図68、70を見れば、温度上昇の異常な場所が容易に検知できる。これで、建物全体の温度管理ができる。もちろん、一定の閾値を設けておいて、温度がその閾値を超えたときは警報を発するようにしてもよい。
【0038】
施設の各所に同一の温度で送信を停止するICタグを配置すると、施設の各部でその動作停止温度を超えたかどうかの監視ができる。また、同じ箇所にそれぞれ動作停止温度の異なるICタグをいくつか固定しておけば、動作停止時刻と温度の関係から、その場所の温度上昇速度がわかる。これは、火事の火元発見に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1の温度検知システムを示すブロック図である。
【図2】実施例1で使用するICタグの説明図である。
【図3】本発明に係わるICタグの変形例を示す図で、(a)は熱で溶断し易いアンテナを有するICタグを示す説明図、(b)はICチップとアンテナとを熱で溶断し易いリード線で接続したICタグを示す説明図、(c)は、ICチップとアンテナとを支持する裏打ちシートを熱で溶融し易いシート等により構成したICタグを示す説明図、(d)は、ICチップとアンテナとを熱で溶融し易い保護ケースに収納したICタグを示す説明図である。
【図4】本発明に係わる監視装置の具体例を示すブロック図である。
【図5】図4に示す解析装置の具体的な動作を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
10、10A、10B、10C ICタグ
12 温度監視場所
14 アンテナ
16 ICチップ
18 識別情報
20 記憶装置
22 応答信号
24 監視装置
26 問合せ信号
28 通信機
30 リード線
31 受信部
32 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、
所定の温度で電波発射機能を喪失するアンテナと、
自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、前記アンテナを励振して、前記監視装置に対して発信する通信機とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【請求項2】
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、
アンテナと、
自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、前記アンテナを励振して、前記監視装置に対して発信する通信機と、
前記アンテナと前記通信機とを電気接続し、所定の温度で溶断するリード線とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【請求項3】
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、
アンテナと、
前記アンテナを支持し、所定の温度で溶解する裏打ちシートと、
前記裏打ちシートと共に前記温度監視場所に取り付けられるものであって、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、前記アンテナを励振して、前記監視装置に対して発信する通信機とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【請求項4】
温度監視場所の任意の箇所に任意の数だけ取り付けられるものであって、
アンテナと、
所定の温度で溶解する保護ケースと、
前記保護ケースに収容されるものであって、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、前記アンテナを励振して、前記監視装置に対して発信する通信機とを備えたことを特徴とする温度検知用ICタグ。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の温度検知用ICタグにおいて、
前記アンテナ又はリード線の材料は、低融点金属であることを特徴とする温度検知用ICタグ。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の温度検知用ICタグにおいて、
前記裏打ちシート又は前記保護ケースの材料は、熱可塑性樹脂であって、酢酸セルロース、ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(超高分子量)、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、ナイロン6、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリピロメリットイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂(ノボラック)、不飽和ポリエステル樹脂のいずれかから選択されたものであることを特徴とする温度検知用ICタグ。
【請求項7】
請求項1に記載の温度検知用ICタグにおいて、
アンテナは、導電性非金属体からなることを特徴とする温度検知用ICタグ。
【請求項8】
アンテナと、自他を区別できる識別情報を記録した記憶装置と、前記記憶装置に記憶された前記識別情報を含む応答信号を、監視装置から発信される問合せ信号を受信したタイミングで、もしくは所定のタイミングで、前記アンテナを励振して、前記監視装置に対して発信する通信機とを有し、温度監視場所の、それぞれ条件の異なる複数の箇所に取り付けられ、所定温度に達したときの熱でその機能を停止する複数のICタグと、
前記各ICタグの応答信号を受信して、各ICタグの配置と各ICタグの動作状態との関係を表示する解析装置とを備えたことを特徴とする温度検知システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−4027(P2006−4027A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177726(P2004−177726)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000002255)昭和電線電纜株式会社 (71)
【Fターム(参考)】