説明

炎症性疾患治療のための大環状ラクトン誘導体の使用

本発明は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、式(1)で表される化合物(式中、R1、R2、R3、及びR4は、明細書中に記載の通りである)、全ての式(1)で表される化合物の立体異性体及び互変異性体、及び全ての比率のこれらの混合物、及びそれらの薬理学的に許容される塩、薬理学的に許容される溶媒和物、薬理学的に許容される多形体及びプロドラッグ、及びこれらを含有する医薬組成物の使用を提供する。また、本発明は、炎症性疾患の治療での使用に適した医薬組成物に関する。本発明は更に、式(1)の化合物又は該医薬組成物の治療有効量を、それを必要とする哺乳類に投与することによる、炎症性疾患の治療方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本出願と同じ日付で出願された「癌治療のための大環状ラクトン誘導体(MACROCYCLIC LACTONE DERIVATIVES FOR THE TREATMENT OF CANCER)」と題された本出願人の同時係属中であるPCT出願に関する。
(発明の分野)
本発明は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、大環状ラクトン誘導体、及び大環状ラクトン誘導体を含有する医薬組成物の使用に関する。
(発明の背景)
炎症は、感染又は組織損傷に対する身体の生物学的反応である。炎症は、生理学的条件下において、身体が侵入する病原体を排除し損傷した組織を治癒するための主要な手段である。異常炎症反応は、組織の損傷、及び破壊をもたらす可能性がある。慢性の制御されない炎症は、関節リウマチ、変形性関節症、乾癬、アテローム性動脈硬化症、ぜんそく、及び(潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む)炎症性腸疾患などの疾病をもたらす可能性がある。
【0002】
自己免疫疾患である関節リウマチ(RA)は、慢性の全身性関節炎疾患である。炎症過程を原因とする関節の腫れ及び痛みに加え、RAの最終的な顕著な特徴は関節の破壊である。実際に、RAでは、正常では薄い関節の滑膜被覆は、軟骨と骨の両方に対して破壊的である炎症性の高度に血管新生化した浸潤性フィブロコラゲナーゼ組織(パンヌス)に置き換えられる。RAの顕著な症状は、滑膜関節に生じる。RAにおける軟骨破壊は、炎症誘発性サイトカイン[腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)、及びその他のインターロイキン(IL−1β、及びIL−8)を含む]の異常産生、及び患部関節における成長因子の発現と関係している。
【0003】
乾癬は、自己免疫性/炎症性疾患であり、乾癬の病因は依然として未知のままであり、乾癬においてT細胞が破壊的役割を果たしていることが確立されている。皮膚に流れるリンパ節内で抗原提示細胞によって活性化されると、T細胞は、皮膚内に移動する。乾癬性病変において、T細胞は1型サイトカイン[例えば、インターロイキン−2(IL−2)、及びインターフェロン−γ(IFN−α)]を放出し、近辺の白血球を刺激する。分泌された炎症誘発性メディエータ(例えば、TNF−α)は、ケラチノサイトの過剰増殖を促し、ケラチノサイトの過剰増殖によって乾癬プラークにおける炎症性損傷を増大させる。
【0004】
炎症性腸疾患(IBD)は、腸の炎症を引き起こす一群の疾患である。炎症は、長期間続き、通常は再発する。IBDの2つ主要な型は、クローン病と潰瘍性大腸炎である。クローン病は、腸の内膜及び壁が炎症を起こし、その結果潰瘍が生じるときに発症する。クローン病は消化器系のいずれの部分にも生じ得るが、多くの場合、結腸につながる小腸の下方部分に生じる。潰瘍性大腸炎は、大腸を侵す病因不明の慢性の自己免疫性/炎症性疾患である。大腸炎をもたらし且つ持続させる初期事象も、および一連の伝播事象も、まだ完全には解明されていない。しかしながら、正常の胃腸グラム−陰性菌の構成成分が関与する免疫反応の機能不全、及び炎症性サイトカイン、ケモカイン、内皮細胞接着分子(ECAM)の発現の増加、及び結腸間質への白血球浸潤の拡大が、大腸炎の発症に重要な役割を果たしていることが確立されている。本疾病の経過は、連続的又は再発性、軽症又は
重症であり得る。本疾病の兆候及び症状は、筋けいれん、下腹痛、直腸出血、及び少量の糞便粒子と供に主として血液、膿汁、及び粘液からなる頻繁な緩い排泄物を含む。
【0005】
炎症性疾患の治療の第一方針は、イブプロフェン、ナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を使用して、痛みなどの症状を和らげることを含む。しかし、NSAIDは胃びらんの原因となることが知られているため、NSAIDの使用が広まっているにも拘わらず、多くの人々が疾患を治療するために必要な投与量に長期にわたって耐えることができない。その上、NSAIDは疾患の症状を治療するだけで、原因を治療しない。患者がNSAIDに反応しない場合、メトトレキサート、金塩類、D−ペニシラミン、及びコルチコステロイドなどのその他の薬物を使用する。これらの薬物もまた、顕著な毒性効果を有する。
【0006】
炎症性疾患をもたらす分子事象の理解の深まりは、病因を標的とした新しい手法をもたらした。種々の炎症性疾患をもたらし及び持続させる全体的な一連の発症事象はまだ完全に明らかにされていないが、炎症誘発性サイトカイン(例えば、TNF−α、IL−6、及びIL−1β)の環境が、関節リウマチ、変形性関節症、乾癬、アテローム性動脈硬化症、ぜんそく、及び(潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む)炎症性腸疾患などの炎症性疾患の発症において重要な役割を果たしていることが確立されている。実際に、炎症(例えば、RA/大腸炎/乾癬)の動物モデルを使用した幾つかの研究、及びより重要には、活動性のRA/大腸炎/乾癬に罹患した患者を対象とした臨床関連の研究で、例えば、TNF−α、IL−6、及びIL−1βなどのサイトカインは、患者の炎症組織並びに末梢血の両方において高レベルで発現することが示された。例えば、TNF−α、IL−6、及びIL−1βなどの炎症誘発性媒介物質は、微少血管内皮に接着分子の発現を誘導し/上方制御し、炎症性白血球の補充及び浸潤をもたらす。さらに、RAの状態では、例えば、TNF−α、IL−6、及びIL−1βなどのサイトカインは、活性化破骨細胞のおかげで、炎症の永続化に関与し、最終的には軟骨分解及び骨侵食をもたらす。
【0007】
多面発現性サイトカインであるTNF−αは、主としてマクロファージにより生成される。TNF−αは、有益な活性並びに病理学的活性を示す。TNF−αは、自己制御を行う他、成長刺激効果及び成長抑制特性の両方を有する。TNF−αは、種々の自己免疫性/炎症性疾患に寄与する種々の遺伝子の発現を誘導する。
【0008】
TNF−αは、先天性及び後天性の免疫反応において重要な役割を果たすが、TNF−αの産生の増加は、慢性炎症、及び組織損傷をもたらす病理学的変化を引き起こすことができる。TNF−αは、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、冠状動脈性心疾患、血管炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、成人呼吸窮迫症候群、糖尿病、乾癬、皮膚遅延型過敏症疾患、及びアルツハイマー病などの多くの慢性炎症性疾患の発症に非常に重要な役割を果たすことが示されている。具体的な実施例として、TNF−αはRAにおける炎症誘発性サイトカイン・ネットワークの頂点にあることが十分に認識されている。実際に、TNF−αは、その他のサイトカインの産生を制御し、滑膜における炎症/免疫反応を編成する。TNF−αが、その他のサイトカインの産生を制御し、滑膜における炎症/免疫反応を編成することと一致して、脱調節化TNF遺伝子を有するトランスジェニックマウスは、慢性炎症性関節炎を自然発症し、TNF−αの中和はRAの動物モデルにおける炎症性関節炎の発症及び重症度を低減する。これらの研究や幾つかのその他の研究は、RA(さらに乾癬及びIBDなどのその他の疾病)における異常免疫/炎症反応を制御することにおいて、TNF−αが魅力的な治療標的であることを示した。最も重要には、活動性のRA、乾癬、及びIBDを治療するための臨床的に承認された治療法は、TNF−α阻害物質[エタネルセプト(エンブレル(Enbrel))、インフリキシマブ(レミケード(Remicade))、及びアダリムマブ(ヒュミラ(Humira)
)]を含む。これらのTNF−α阻害物質の使用が広まっているにも拘わらず、TNF遮断剤で治療を受けた患者の50%以下で、病状の著しい改善が見られない。さらに、(RA患者における)この治療法の目的は、病気の寛解を達成し関節破壊を止めることであるが、TNF−αを標的とした従来の生物学的製剤は、一定割合のRA患者では病気の進行を止めるが、全てのRA患者の病気の進行を止めないことが示されている。
【0009】
インターロイキン−6(IL−6)は、概説されているように(Blood,74(1),1−10,(1989))、宿主防御に伴う免疫反応、炎症、造血、発癌を調節する多面発現性サイトカインである。
【0010】
IL−6は、炎症性疾患、多発性骨髄腫、形質細胞腫、キャッスルマン病、多クローン性B細胞活性化、T細胞増殖、自己免疫疾患、AIDS、成人呼吸窮迫症候群、癌、糖尿病、虚血−再潅流傷害、多発性硬化症、関節リウマチ、及びSLEにおける媒介物質として関係づけられている(Blood,74(1),1−10,(1989))。近年、IL−6の過剰産生はRAの発症に深く関与することが蓄積されている。従って、このサイトカインの機能の調節が、RA、及びその他の慢性の難治性自己免疫/炎症性疾患に対して有効である可能性があり得る。実際に、抗インターロイキン6受容体抗体治療は、IL−6トランスジェニックマウスおいて、及びDBA/1Jマウスのコラーゲン誘導関節炎(CIA)において、顕著な有効性を示している(Annals of the Rheumatic Diseases,59(suppl 1),i21−i27(2000))。
【0011】
TNF−αに対する生物学的阻害物質の治療における成功は、その他の標的の生物学的修飾物質の開発を推進した。近年、可溶性IL−6受容体及び膜結合IL−6受容体の両方に結合するヒト化抗体であるトシリズマブは、関節リウマチの臨床試験において並外れた治療有効性を示している。トシリズマブは、日本では活動性RA患者の治療用として認可されおり、またFDAの諮問委員会の認可も得ている。このデータに基づいて、インターロイキン−6は、新しい治療標的として推薦される(Arthritis Research and Therapy,8(suppl 2),S5,(2006))。トシリズマブとは別に、トシリズマブのような生物学的薬剤の使用は、重要な制限(例えば、非経口の投与経路、高額な治療費用、日和見感染症のリスク、アレルギー反応の誘発、潜伏結核の活性化、癌リスクの上昇、欝血性心臓疾患を悪化させるリスク)と関連する。したがって、生物学的薬剤と同じ効果を有するが望ましくない副作用は伴わない、IL−6/TNF−αの低分子阻害物質の必要性は満たされていない。
【0012】
IL−6産生のブロッキング及び/又はIL−6の中和により、IL−6の生物活性への介在を達成することができる(Annals of the Rheumatic Diseases,59(suppl 1),i21−i27(2000))。
【0013】
関節リウマチ、炎症性疾患、及びその他の炎症状態の病因は、無阻害のT−細胞増殖によっても特徴づけられる(Arthritis&Rheumatism,35:729−735,(1992))。注目を集めている1つの部類の化合物は、T−細胞増殖を阻害する化合物である。T細胞活性化が抑制されると、T細胞増殖、並びにリウマチ又は滑膜環境における単核細胞マクロファージ系の活性化に関係づけられるTh1サイトカインの産生が制限される(Arthritis Research,4(suppl 3):S197−S211,(2002))。
【0014】
T細胞活性化は、その効果又は機能を支援する特定のタンパク質の発現を特徴とする。発現する第1タンパク質の中に、インターロイキン−2(IL−2)とIL−2受容体αのサブユニットがある。IL−2は、T細胞増殖のために必要とされる強力なT細胞分裂
促進因子である。IL−2シグナル伝達は、T細胞にとって免疫反応を開始するために必要とされる。IL−2は、T細胞活性化において、抗原に刺激されたばかりのT細胞の成長、増殖、及び分化を促進するために、自己分泌に作用する強力なT細胞成長サイトカインである。実際に、不適切なシグナル伝達を受容するT細胞は、反応不顕性、即ち、不活性となる。これは、T細胞がIL−2を合成できないようにすることにより達成される。T細胞がIL−2を合成できないようにすることにより、T細胞を将来受容し得るいかなる抗原刺激に対しても潜在的に不活性な状態にする。臨床的に、シクロスポリン、FK506、及びラパマイシンなどの化合物は、異なる経路を介してこのIL−2シグナル伝達をブロッキングすることにより連続的な抗原刺激に対してアネルギーを生じさせることが知られている。
【0015】
T細胞上に発現する主要組織適合遺伝子複合体(MHC)対立遺伝子と滑膜マクロファージとの間の強力な連携が、関節リウマチの進行を決定する。このようなT細胞エフェクター応答は、滑膜細胞マクロファージ及び樹枝状細胞上の抗原発現によって起こる。接触媒介T細胞の単核細胞相互作用により、滑膜細胞の接合部で炎症誘導性サイトカインカスケードの刺激が起こる(Arthritis Research,4(suppl 3):S169−S176,(2002))。T細胞はさらに、刺激の種類に基づいて、1型ヘルパーT細胞(Th1)と2型ヘルパーT細胞(Th2)に分化する。1型ヘルパーT細胞(Th1)と2型ヘルパーT細胞(Th2)は、それらのサイトカイン発現プロファイルに基づいて特徴づけられる。Th1細胞はIFN−γ及びTNF−αを分泌し、これに対して、Th2細胞はIL−4、IL−5、及びIL−10を分泌する(Nature
Immunology,7(3):247−255,(2006))。
【0016】
Th1細胞は、マクロファージ活性化を高め、炎症細胞カスケードの更なる活性化を起こす。このシグナル伝達は、両方の細胞型の細胞表面上に発現する共刺激分子(B7.1、B7.2、B7.3)間の相互作用によって高められる。これらの相互作用は、IFN−γ及びTNF−αの分泌を伴う(Nature Immunology,2(3):269−274,(2001))。全ての増殖T細胞は構成的にIL−2を発現し、従って、これらのサイトカインを阻害することにより、任意の炎症状態の進行に対する推定上の負のシグナルが提供される。
【0017】
従って、T細胞増殖をブロッキングする化合物は、炎症性疾患を抑制する可能性が高い。T細胞増殖をブロッキングするような化合物は、免疫抑制特性も示し得る。FK506(タクロリムス)は、具体的にはT細胞活性化を抑止する免疫抑制剤である。FK506は、FK506結合タンパク質(FKBP)と称される細胞内タンパク質に結合した後、該免疫抑制効果を発揮する(J.Antibiotics,40,1256−1265,(1987)、J.mmunology,139,1797−1803,(1987))。FK506はまた、CIAの治療においても効果的であった。場合により、FK506は、T細胞活性化及びその後のTNF−αなどの炎症性サイトカインの産生を阻害することにより、CIAにおける足の腫れを抑止し並びに骨及び軟骨の破壊を防止する。
【0018】
本発明に記載の化合物は、T−細胞増殖を阻害し、サイトカインの産生をブロックする。T−細胞増殖を阻害し、サイトカインの産生をブロックする効果は、治療有効性に貢献し得る。
【0019】
転写コアクチベーターは、真核転写において非常に重要な役割を有する。マクロファージの転写因子を活性化できる因子の1つは、細菌リポ多糖(LPS)である。LPSなどの細菌内毒素は、マクロファージ活性化の誘導因子の1つとして知られている。マクロファージの活性化は、例えば、関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、及びその他の疾病などの、幾つかの炎症状態の増大に関与する。マクロファージのLPS活性化は、Toll
様受容体4(TLR4)を誘発する。TLR4は、ヒトにおいてTLR4遺伝子によってコードされるタンパク質である。TLR4シグナル伝達及びTLRの活性化は、炎症誘導性遺伝子発現の誘発と関連する。
【0020】
また、LPSは、IkBキナーゼ複合体(IKK)を介して転写因子核因子−kB(NF−kB)を活性化する。NF−kBは、炎症及び宿主反応を制御する転写因子である(The Journal of Biological Chemistry Vol.281,No.41,31142−31151,(2006))。核転写因子の大きなファミリーであるNF−kBの他、インターフェロン制御因子(IRF)が、炎症誘導性遺伝子発現をもたらすTLRシグナル伝達に関係づけられている(Journal of Leukocyte Biology,Vol.83,1249−1257,(2008))。IRF−1及びIRF−2は、多くの遺伝子転写活性を逆調節する。従って、IRF−1及びIRF−2誘導シグナル伝達は、cAMP応答配列結合タンパク質(CREB)経路と関連する。コアクチベーターの1つであるCREB結合タンパク質(CBP)は、2つのメカニズムを介して多数の転写因子による遺伝子発現を調節する。1つは、プロモーターへの基本の転写機構の補充である。リウマチ滑膜細胞にCBP複合体が存在することが報告されている(Mod Rheumatol.,14,6−11,(2004))。こうした関連性は、RA患者における増殖及びアポトーシスを調節し得る。また、CREB活性化は、ミトコンドリア機能不全によって誘導され、細胞増殖のシグナル伝達に関係づけられることが過去に報告されている(EMBO Journal,21,Nos.1 and 2,53−63,(2002))。ヒトIL−6のプロモーター領域は、4つの主要な結合部位を有する(FEBS Letters,541,3,33−39,(2003))。CEBPファミリーの2つの構成要素、即ちC/EBPβ及びC/EBPδは、共同でIL−6転写の責任を担い(Cellscience Reviews,Vol.2,No.2,ISSN1742(2005))、CREBのcAMP媒介リン酸化の転写標的である(Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.283:R1140−R1148,(2002))、Int.J.Biochm.Cell Bid.Vol.29 No.(12).1401 1418.(1997))。
【0021】
ヒトIL−6のプロモーター領域は、(TNF−α、IL−1β、及びフォルスコリン結合のための)MRE領域、NF−kB結合領域、AP1結合領域、及びC/EBPb結合領域の、4つの主要な結合部位を有する。
【0022】
マトリックスメタロタンパク質(Matrix metallo proteins(MMP))は、RAで重要な役割を果たし、MMP1、MMP3、MMP13、及びTIMP2のような種々のMMPがRAにおいて過剰発現する(Ann Rheum Dis,69,898−902,(2010),Biochimica Et Biophysica Acta,1502,307−318,(2000))。TLR4依存タンパク質である骨髄細胞分化初期応答遺伝子(88)(MyD88)は、リウマチ滑膜細胞によって構成的に発現されることが知られている(Rheumatology,45,527−532、(2006))。
【0023】
MMP13、グアニル酸結合タンパク質1(GBP−1)、及びMyD88は、RAの炎症性破壊プロセスに貢献し、治療計画の治療指数の決定において重要なシグナル伝達分子である。
(発明の概要)
本発明は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための
大環状ラクトン誘導体の使用に関する。
【0024】
更なる態様によれば、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、(本明細書中で以下に提供する)式(1)の化合物の使用が提供される。
【0025】
本発明の別の態様によれば、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、1種以上の式(1)の化合物を有効成分として含む医薬組成物が提供される。
【0026】
本発明の別の態様によれば、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療方法が提供される。本方法は、1種以上の一般式(1)の化合物の治療有効量を、1種以上の一般式(1)の化合物を必要とする哺乳類へ投与することを含む。
【0027】
本発明の別の態様によれば、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療に有用である1種以上の式(1)の化合物を含む薬剤の製造方法が提供される。
【0028】
本発明のさらに別の態様によれば、BCL2、CEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、cMyc、GBP−1、MMP13、及びMyD88から選択される1つ以上の遺伝子を下方制御することによる炎症性疾患の治療方法が提供される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物で治療された炎症性疾患の患者の薬物反応を監視するための方法が提供され、本監視するための方法は、患者からの試料中におけるCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1つ以上の遺伝子の発現を同定することを含む。
[発明の詳細な説明]
本発明は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、以下の式(1)で表される化合物と、
【0030】
【化1】

式(1)で表される化合物の立体異性体及び互変異性体の全て、並びにこれらの全ての比率の混合物、並びにこれらの薬理学的に許容される塩、薬理学的に許容される溶媒和物、薬理学的に許容される多形体及びプロドラッグを提供する。
式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−O(CO)R13、−SR14、及び−NR1415から選択され、
2は、水素であり、又は
任意にR1は存在せず、R2は=Oであり、
3は、アルキルであり
4は、以下の式から選択され、
【0031】
【化2】

【0032】
【化3】

【0033】
【化4】

【0034】
【化5】

【0035】
【化6】

【0036】
【化7】

【0037】
【化8】

【0038】
【化9】

*は、付着点(接続点)を示す
5は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
6は、水素、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから選択され、
7は、水素、アルキル、及び−(CO)R16から選択され、
8は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
9は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、−O−ヘテロシクリル、−OCH2COOR17、及び−OCH2COR18から選択され、
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
11は、水素、及びハロゲンから選択され、
12は、水素、ハロゲン、及びヒドロキシから選択され、
13は、アルキル、及びアリールから選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、
16は、アルキル、及びアリールから選択され、
17は、水素、及びアルキルから選択され、
18は、アルキル、−NHCH220、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
19は、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、及び、
20は、非置換、又は水素、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
[定義]
明細書及び添付の特許請求の範囲において、個別に又はより大きなグループの一部として使用される用語に、(特定の例において別途制限されない限り)適用される定義を以下に記載する。
【0039】
本発明で使用する場合、「アルキル」という用語は、単独で使用される場合又は置換基の一部として使用される場合に拘わらず、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖を含む飽和脂肪族基を意味する。好適なアルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、及びt−ブチルなど、1〜4個の炭素原子
を含有する。アルキル基は、任意に、1つ以上の同一の又は異なった置換基で置換される。置換アルキル基中に存在する任意の種類の置換基は、置換が不安定な分子をもたらさなければ、任意の所望の位置に存在することが可能である。置換アルキルとは、1個以上の、例えば1、2、3、4、又は5個の水素原子が、例えばハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、又はヘテロシクリル基などの置換基により置き換えられた、アルキル基を意味する。
【0040】
本発明で使用する場合、「アルコキシ」という用語は、酸素が付着したアルキル基を意味し、この場合、アルキルは上記の定義に従う。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及び第三級ブトキシ基を含む。従って、上記の用語は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1つ以上の同一の又は異なった基で置換されたアルコキシ基を含む。
【0041】
本発明で使用する場合、「アリール」という用語は、10個以下の環炭素原子を有する一環式又は二環式の炭化水素基を意味し、この場合、共役π電子系を有する炭素環が少なくとも1個存在する。アリール基の例としては、フェニル及びナフチルを含む。置換アリールとは、1つ以上の置換基によって、例えば、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、及びヘテロシクリル基から成る群から選択される5個以下の同一の又は異なった置換基によって、置換されたアリール基を意味する。アリール基は任意の所望の位置で置換することができる。例えば、一置換フェニル基では、置換基は、2−位、3−位、4−位、又は5−位に配置することができる。フェニル基が2つの置換基を担持する場合、これらの置換基は、2,3−位、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,4−位、又は3,5−位に配置することができる。
【0042】
本発明で使用する場合、「アリールオキシ」という用語は、アリール−O−を意味し、この場合、「アリール」という用語は、上記の定義に従う。例示的なアリールオキシ基としては、フェノキシ及びナフトキシを含むが、これらに限定されない。
【0043】
「へテロ原子」という用語は、窒素、酸素、及び硫黄を意味する。満たされない原子価を有する任意のへテロ原子は、原子価を満たすために水素原子を有するとみなす点に留意すべきである。環ヘテロ原子は、得られる複素環式系が安定である限り、任意の所望の数で、及び各ヘテロ原子が相互に任意の位置に存在することが可能である。
【0044】
「ヘテロシクリル」及び「複素環式」という用語は、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の環原子を含有する、飽和した、部分的に不飽和の、又は芳香族の、一環式系もしくは二環式系を意味する。これらの環原子のうちの1、2、3、又は4個は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される同一の又は異なったヘテロ原子である。ヘテロシクリル基は、例えば、その環内に、1個あるいは2個の酸素原子、及び/又は1個もしくは2個の硫黄原子、及び/又は1〜4個の窒素原子を有してもよい。ヘテロシクリルは、得られた環系が安定的である限り、その環内に任意の二重結合を含有しない飽和複素環系、並びにその環内に1以上5以下の二重結合を含有する不飽和複素環系を含む。不飽和環は、非芳香族又は芳香族であり得る。芳香族ヘテロシクリル基は、「ヘテロアリール」という習慣的用語で呼んでもよい。この用語には、ヘテロシクリルに関する上記及び下記の全ての定義及び説明が適用され得る。単環式ヘテロシクリル基は、3−員環、4−員環、5−員環、6−員環、及び7−員環を含む。このようなヘテロシクリル基の好適な例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピロリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルが挙げられる。二環式ヘテロシクリル基は、2つの縮合環を含み、一方は、5
−、6−又は7−員の複素環であり、他方は、5−、6−、又は7−員の炭素環又は複素環である。例示的な二環式複素環基は、ベンズオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、イソインドリル、及びベンゾフラザニルを含む。
【0045】
置換ヘテロシクリルとは、1つ以上(5つ以下)の同一の又は異なった置換基で置換されたヘテロシクリル基を意味する。環炭素原子、及び環窒素原子の置換基の例は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、及びヘテロシクリル等がある。これらの置換基は、安定した分子が得られる限り、1つ以上の位置で存在することができる。
【0046】
本発明で使用する場合、「アラルキル」という用語は、アリール基又はヘテロアリール基で置換されたアルキル基を意味する。この場合、アルキル、アリール、及びヘテロアリールという用語は、上記の定義に従う。例示的なアラルキル基は、−(CH2p-フェニル、−(CH2p−ピリジルを含み、式中、pは、1〜3の整数である。アラルキル基は、更に、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキル、アリール、又はヘテロアリールで置換され得る。
【0047】
本発明で使用する場合、−O−ヘテロシクリルという用語は、酸素原子に直接付着した複素環を意味し、式中、ヘテロシクリルという用語は、上記に定義される。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0048】
「アミノ」という用語は、非置換、一置換、及び二置換のアミノ基を意味する。本発明で使用する場合、一置換又は二置換のアミノという用語はそれぞれ、同一又は異なり得る1種又は2種の基で置換されたアミノ基を意味する。アミノ基上の置換基は、アルキル、ヒドロキシアルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから独立して選択される。適切な場合、アミノ基上の各部分は、部分自体を置換することが可能であることが当業者には理解されるだろう。
【0049】
「プロドラッグ」という表現は、投与後、化学的又は生理学的プロセスを介して生体内に薬物を放出する薬物前駆体である化合物を意味し、例えば、プロドラッグは、生理学的pHにされる際に、又は酵素作用により、所望の薬物形態へ変換される。
【0050】
「置換」又は「で置換される」は、このような置換は、置換される原子と置換基の許容される原子価に従うと同時に、転位、環化、脱離等によって容易に変換されない安定した化合物をもたらすという暗黙の条件を含むことが理解されるであろう。
【0051】
本発明で使用される「被検者」という用語は、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを意味する。
本明細書で使用される「哺乳類」という用語は、肌を覆う体毛、及びメスの場合子に与えるための乳汁を分泌する乳腺を特徴とする、ヒトを含む哺乳綱の温血脊椎動物を意味する。哺乳類という用語は、ネコ、イヌ、ウサギ、クマ、キツネ、オオカミ、サル、シカ、ネズミ、ブタ、並びにヒトなどの動物を含む。
【0052】
「試験用試料」という用語は、検体を含有することが疑われる生体物質を意味する。試験用試料は、血液、組織液、唾液、接眼レンズ液、脳脊髄液、汗、尿、乳汁、腹水液、粘液、鼻汁、唾、滑液、腹膜液、腟液、経血、羊水、精液、胆汁、脳脊髄液、糞便、胃、又は腸分泌物などを含む生理液などの任意の生物源から取り出し得る。
【0053】
試料の好ましい種類は、血液、及び滑液である。
本発明で使用される「治療すること」、「治療する」、又は「治療」という用語は、既
存の疾病(例えば、関節リウマチ)の緩和、進行の減速、低減、又は治癒を意味する。
【0054】
「薬理学的に許容される」により、担体、希釈剤、賦形剤、及び/又は塩は前記化合物の製剤のその他の成分と適合する必要があり、及び該製剤の受容者に有害ではないことが意味される。
【0055】
本発明で使用される「薬理学的に許容される担体」という用語は、任意の種類の無害、不活性、固体、半固体、希釈のカプセル封入材料又は製剤補助剤を意味する。薬理学的に許容される担体として機能することができる材料のいくつかの例は、乳糖、ブドウ糖、及びショ糖などの糖類;トウモロコシデンプン、及びバレイショデンプンなどのデンプン類;セルロース、並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;麦芽;ゼラチン;タルク;並びにラウリル硫酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムなどのその他の無害の適合性のある潤滑剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香味剤、及び芳香剤である;防腐剤及び酸化防止剤も、配合者の判断により組成物内に存在することが可能である。
【0056】
本発明で使用される「治療有効量」という用語は、健全な医学的判断の範囲内において、調節または治療すべき状態に正の変化を顕著に生じさせるのに十分であるが、過度の又は重度の副作用を回避するために十分に低い、化合物又は組成物(例えば、式(1)の化合物)の量を意味する。化合物又は組成物の治療有効量は、治療される特定の状態、エンドユーザの年齢及び健康状態、治療/予防される状態の重症度、治療期間、併用治療法の性質、用いられる特定の化合物又は組成物、使用される特定の薬理学的に許容される担体等の要因により変化する。本発明で使用する場合、全ての百分率は、別途記載のない限り、重量に基づく。
【0057】
腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上の炎症性サイトカインとの関連で本発明及び添付の特許請求の範囲で使用される「異常」という用語は、炎症性サイトカインレベルの上昇又は増加を意味する。
[本発明の実施形態]
本発明は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、以下の式(1)で表される化合物と、
【0058】
【化10】

式(1)で表される化合物の立体異性体及び互変異性体の全て、並びに式(1)で表される化合物の全ての比率の混合物、並びに式(1)で表される化合物の薬理学的に許容される塩、薬理学的に許容される溶媒和物、薬理学的に許容される多形体及びプロドラッグを提供し、
式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−O(CO)R13、−SR14、及び−NR1415から選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、以下の式から選択され、
【0059】
【化11】

【0060】
【化12】

【0061】
【化13】

【0062】
【化14】

【0063】
【化15】

【0064】
【化16】

【0065】
【化17】

【0066】
【化18】

*は、付着点を示す
5は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
6は、水素、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから選択され、
7は、水素、アルキル、及び−(CO)R16から選択され、
8は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
9は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、−O−ヘテロシクリル、−OCH2COOR17、及び−OCH2COR18から選択され、
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
11は、水素、及びハロゲンから選択され、
12は、水素、ハロゲン、及びヒドロキシから選択され、
13は、アルキル、及びアリールから選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、
16は、アルキル、及びアリールから選択され、
17は、水素、及びアルキルから選択され、
18は、アルキル、−NHCH220、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
19は、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、及び、
20は、水素、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって非置換又は置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0067】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり
3は、アルキルであり
4は、式(3)であり、
【0068】
【化19】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、
9は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、−OCH2COOR17、及び−OCH2COR18から選択され、
17は、水素、及びアルキルから選択され、
18は、アルキル、−NHCH220、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、及び
20は、水素、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一の
もしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0069】
更なる実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(3)であり、
【0070】
【化20】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、及び
9は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、及びベンジルオキシから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0071】
更なる実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供すし、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(3)であり、
【0072】
【化21】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、且つ
9は、ヒドロキシ、メトキシ、及びベンジルオキシから選択される。
【0073】
更なる実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(3)であり、
【0074】
【化22】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、及び
9は、ヒドロキシである。
【0075】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(3)であり、
【0076】
【化23】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
9は、−OCH2COOR17、及び−OCH2COR18から選択され、
17は、水素、及びアルキルから選択され、
18は、アルキル、ヘテロシクリル、及び−NHCH220から選択され、及び、
20は、水素、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0077】
更なる実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(3)であり、
【0078】
【化24】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、
9は、−OCH2COOR17であり、且つ
17は、水素、及びアルキルから選択される。
【0079】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(3)であり、
【0080】
【化25】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、
9は、−OCH2COR18であり、及び
18は、4−メチルピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、及び1,4’−ビピペリジン−1’−イルから選択される。
【0081】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(3)であり、
【0082】
【化26】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、
9は、−OCH2COR18であり、
18は、−NHCH220であり、及び、
20はアルキル、及びアリールから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0083】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(3)であり、
【0084】
【化27】

*は、付着点を示す
8は、ヒドロキシであり、
9は、−OCH2COR18であり、
18は、−NHCH220であり、及び、
20は、−CH2OH、及び4−フルオロフェニルから選択される。
【0085】
別の実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(6)であり、
【0086】
【化28】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0087】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(6)であり、
【0088】
【化29】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシ、及びアルコキシである。
【0089】
別の実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(7)であり、
【0090】
【化30】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
11は、水素、及びハロゲンから選択され、及び
12は、水素、ハロゲン、及びヒドロキシから選択される。
【0091】
別の実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(7)であり、
【0092】
【化31】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシ、及びアルコキシであり、
11は、水素であり、及び
12は、ヒドロキシである。
【0093】
別の実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(7)であり、
【0094】
【化32】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシ、及びアルコキシであり、
11は、ハロゲンであり、及び
12は、ハロゲンである。
【0095】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(2)であり、
【0096】
【化33】

*は、付着点を示す
5は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
6は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
7は、水素、アルキル、及び−(CO)R16から選択され、及び
16は、アルキル、及びアリールから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0097】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(2)であり、
【0098】
【化34】

*は、付着点を示す
5は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
6は、水素、及びヒドロキシから選択され、
7は、水素、アルキル、及び−(CO)R16から選択され、及び
16は、アルキルであり、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0099】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(2)であり、
【0100】
【化35】

*は、付着点を示す
5は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
6は、水素であり、
7は、水素、及び−(CO)R16から選択され、及び
16は、アルキルである。
【0101】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−O(CO)R13、−SR14、及び−NR1415から選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0102】
【化36】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
13は、アルキル、及びアリールから選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、及び
19は、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0103】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、−SR14であり、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(4)であり、
【0104】
【化37】

*は、付着点を示す
10は、−SR14であり、及び
14は、水素、及びアルキルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0105】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、−NR1415であり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0106】
【化38】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、及び
19は、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0107】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、−NR1415であり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0108】
【化39】

*は、付着点を示す
10は、−NR1415であり、
14は、水素、及びアルキルから選択され、及び
15は、水素、及びアルキルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0109】
一実施形態において、本発明は、式(1)の化合物の使用に関し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0110】
【化40】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシである。
【0111】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ヒドロキシであり、
2は、水素であり、
3は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルから選択され、
4は、式(4)であり、
【0112】
【化41】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシである。
【0113】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、−O(CO)R13であり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0114】
【化42】

*は、付着点を示す
10は、−O(CO)R19であり、
13は、アルキル、及びアリールから選択され、且つ
19は、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0115】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、−O(CO)R13であり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0116】
【化43】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシであり、及び
13は、アルキル、及びアリールから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0117】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、式中、
1は、ハロゲンであり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0118】
【化44】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、及び
19は、アルキル、及びアリールから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0119】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、ハロゲンであり、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0120】
【化45】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲンであり、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0121】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、存在せず、R2は、=Oであり、
3は、アルキルであり、
4は、式(4)であり、
【0122】
【化46】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、及び
19は、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキ
シアルキル、及びアルコキシから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0123】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、存在せず、R2は、=Oであり、
3は、メチルであり、
4は、式(4)であり、
【0124】
【化47】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択される。
【0125】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、存在せず、R2は、=Oであり、
3は、アルキルであり、及び
4は、式(5)である。
【0126】
【化48】

*は、付着点を示す
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、
4は、式(8)であり、
【0127】
【化49】

*は、付着点を示す
10は、ハロゲン、及びヒドロキシから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0128】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、メチルであり、
4は、式(8)であり、
【0129】
【化50】

*は、付着点を示す
10は、ヒドロキシである。
【0130】
一実施形態において、本発明は、式(1)で表される化合物を提供し、
式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり、及び
4は、式(9)であり、
【0131】
【化51】

*は、付着点を示す
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換される。
【0132】
本発明は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、(上記に提示された全ての実施形態で記載された)式(1)の化合物、並びに式(1)の化合物の立体異性体及び互変異性体の全て、並びにこれらの全ての比率の混合物、並びにこれらの薬理学的に許容される塩、薬理学的に許容される溶媒和物、薬理学的に許容される多形体及びプロドラッグを提供する。
【0133】
本発明は、CEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1つ以上の遺伝子によって媒介される炎症性疾患の治療のための、(上記に提示された全ての実施形態で記載された)式(1)の化合物、並びに式(1)の化合物の立体異性体及び互変異性体の全て、並びにこれらの全ての比率の混合物、並びにこれらの薬理学的に許容される塩、薬理学的に許容される溶媒和物、薬理学的に許容される多形体及びプロドラッグを提供する。
【0134】
本発明は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための、
【0135】
【化52】

【0136】
【化53】

【0137】
【化54】

【0138】
【化55】

【0139】
【化56】

【0140】
【化57】

【0141】
【化58】

【0142】
【化59】

【0143】
【化60】

【0144】
【化61】

【0145】
【化62】

【0146】
【化63】

から選択されるがこれらに限定されない式(1)の化合物と、
前記式(1)の化合物の立体異性体及び互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和
物及びプロドラッグ、の使用に関する。
【0147】
本発明の別の更なる態様において、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のために、式(1)の化合物は、
【0148】
【化64】

【0149】
【化65】

【0150】
【化66】

【0151】
【化67】

【0152】
【化68】

、並びに前記式(1)の化合物の立体異性体及び互変異性体、これらの薬理学的に許容される塩、溶媒和物並びにプロドラッグから選択される。
【0153】
本発明のさらに別の更なる態様において、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のために、式(1)の化合物は、
【0154】
【化69】

、その立体異性体及び互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和物及びプロドラッグである。
[スキームの詳細な説明]
本発明の化合物は、更に、上記式(1)の化合物の全ての立体異性体及び混合物、並びにこれらの薬理学的に許容される塩、溶媒和物及び多形体も含む。さらに、本明細書中及び特許請求の範囲に記載の化合物の全てのプロドラッグ及び誘導体は、本発明の主題であ
る。
【0155】
本発明の別の態様によれば、当業者に既知の方法を使用した多数の方法で、式(1)の化合物を調製することができる。本化合物の調製方法の例を以下に説明し、スキーム1〜4で示すが、スキーム1〜4に示す方法に限定されるものではない。本明細書中で記載されるプロセス、採用される合成工程の順番は、様々であってよく、とりわけ特定の基質中に存在する官能基の性質、及び採用される保護基戦略(もしあれば)などの要因によって決まり得ること、さらに合成工程にて使用される試薬の選択にも影響を与え得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【0156】
以下のプロセスにて使用される試薬、反応物質、及び中間体は、微生物の発酵物から分離されるか、市販されているか、又は当該技術分野において公知の標準的な文献手順に従って調製することが可能であるか、又はこれらの組み合わせのいずれかである。本発明の化合物の合成に使用される出発化合物及び中間体は、一般記号(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)、(Q)、(R)、(S)、(T)、及び(U)を用いて示される。プロセスの説明全体を通して、出発化合物及び中間体を表す種々の式における対応する置換基は、詳細な説明に記載されている式(1)の化合物に関するものと同一の意味を有する。
【0157】
本発明の種々のスキームにて使用されるプロセスは、一般記号1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、2a、2b、2c、2d、3a、3b、3c、4a、4b、4c、及び4dを用いて示される。本発明の化合物の調製のためのプロセスは、以下のスキームで説明される。
【0158】
スキーム1
(スキーム1における)粗コンカナマイシンは、培養物(PM0224355)の発酵によって得られる。酢酸エチル、クロロホルム、及びジクロロメタンから選択される溶媒を使用して、全ブロスを抽出する。粗コンカナマイシンは、カラムクロマトグラフィーによって分離され、スペクトル比較により同定される(The Journal of Antibiotics,Vol.45,No.7,1108−1116,(1992))。
【0159】
工程1a
参照文献(Tetrahedron Letters,Vol.22,No.39,3857−60,(1981))に記載されている手順に従い、(スキーム1における)粗コンカナマイシンにアルカリ加水分解を実施し、式(1)の化合物を得る(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである;スキーム1の式(A)に記載されている)。
【0160】
工程1b
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、及びR9はヒドロキシである;スキーム1の式(B)に記載されている)は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、及びアセトニトリルから選択される溶媒を使用して、ピリジン、置換ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、及びN−エチルモルホリンから選択される塩基の存在下で、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、且つR10はヒドロキシである)をヒドロキシルアミン塩酸塩などのアミン塩酸塩と反応させることにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、0℃〜45℃の温度で4時間〜16時間攪
拌される。
【0161】
工程1c
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(6)であり、且つR10は、ヒドロキシである;スキーム1の式(C)に記載されている)は、窒素などの不活性雰囲気中で、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される塩基の存在下で、0℃にて2時間、アセトン、アセトニトリル、及び1,4−ジオキサンから選択される溶媒中の式(B)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、且つR9はヒドロキシである)を塩化トシル又は2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(TCT)と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、2時間〜8時間、25℃〜45℃の温度で更に攪拌することも可能である。
【0162】
工程1d
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、及びR9はメトキシ又はベンジルオキシである;スキーム1の式(D)に記載されている)は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、及びアセトニトリルから選択される溶媒を使用して、ピリジン、置換ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、及びN−エチルモルホリンから選択される塩基の存在下で、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)をメトキシアミン塩酸塩及びベンジルオキシアミン塩酸塩から選択されるアミン塩酸塩と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、0℃〜45℃の温度で4時間〜16時間攪拌される。
【0163】
工程1e
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、及びR3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、R9は−OCH2COOR17であり、及びR17は水素である;スキーム1の式(E)に記載されている)は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、及びアセトニトリルから選択される溶媒を使用して、ピリジン、置換ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、及びN−エチルモルホリンから選択される塩基の存在下で、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)をカルボキシメチルヒドロキシルアミンヘミ塩酸塩などのアミン塩酸塩と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、0℃〜45℃の温度で4時間〜16時間攪拌される。
【0164】
工程1f
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、R9は−OCH2COR18であり、R18はヘテロシクリル、及び−NHCH220から選択され、及びR20は、アルキル、及びアリールから選択される;スキーム1の式(F)に記載されている)は、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、酢酸エチル、及びジメチルホルムアミドから選択される溶媒中に式(E)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、R9は−OCH2COOR17であり、及びR17は水素である)を溶解し、及びジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC HC
l)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、又はO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウラニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)から選択されるカップリング試薬と反応することにより調製される。更に、反応混合物は、N−メチル−ピペラジン、エタノールアミン、ピペリジン、4−ピペリジノ−ピペリジン、及び4−フルオロフェニルアミンなどのアミンで処理される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、25℃〜45℃の温度で4時間〜18時間攪拌される。
【0165】
工程1g
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(7)であり、R10はヒドロキシであり、R11は水素であり、及びR12は、ヒドロキシである;スキーム1の式(G)で記載されている)は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、メタノール、及びエタノールから選択される溶媒中に式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、且つR10はヒドロキシである)を溶解し、及び窒素などの不活性雰囲気中で0℃にて20分間水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、25℃〜45℃の温度で2時間〜8時間更に攪拌される。
【0166】
【化70】

スキーム2
工程2a
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(8)であり、及びR10はヒドロキシである;スキーム2の式(H)で記載されている)は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される塩基の存在下で、窒素などの不活性雰囲気中で0℃にて2時間、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサンから選択される溶媒中に、塩化トシルなどの試薬とともに、式(B)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、及びR9はヒドロキシである;スキーム1の工程1bにより調製される)を溶解することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、25℃〜45℃の温度で2時間〜8時間更に攪拌することができる。
【0167】
工程2b
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルで
あり、及びR4は式(9)である;スキーム2の式(K)で記載されている)は、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、酢酸エチル、及びジメチルホルムアミドから選択される溶媒中に式(E)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、及びR9は−OCH2COOR17であり、R17は水素である;スキーム1の工程1eにより調製される)を溶解し、及びジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC HCl)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)から選択されるカップリング試薬並びに4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの触媒と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、25℃〜45℃の温度で4時間〜18時間攪拌される。
【0168】
工程2c
式(1)の化合物(式中、R1は存在せず、R2は=Oであり、R3はメチルであり、及びR4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである;スキーム2の式(L)で記載されている)は、窒素などの不活性雰囲気中で0℃にて2時間、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフランから選択される溶媒中の式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)を、デス−マーチンペルヨージナン、二クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、及びスワン酸化剤から選択される酸化剤と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気下にて、25℃〜45℃の温度で2時間〜8時間更に攪拌される。
【0169】
工程2d
式(1)の化合物(式中、R1は存在せず、R2は=Oであり、R3はメチルであり、及びR4は式(5)である;スキーム2の式(m)で記載されている)は、窒素などの不活性雰囲気中で0℃にて2時間、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフランから選択される溶媒中の式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)を、デス−マーチンペルヨージナン、二クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、及びスワン酸化剤から選択される酸化剤と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気下にて、25℃〜45℃の温度で2時間〜8時間更に攪拌される。
【0170】
【化71】

スキーム3
工程3a
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10は−OC(O)R19であり、R19はアルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択される;スキーム3の式(N)で記載されている)は、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)をジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、酢酸エチル、及びジメチルホルムアミドから選択される溶媒中に溶解し、及びDMAPなどの触媒の存在下でジシクロヘキシルカルボジイミド又はEDC HCl又はDICから選択されるカップリング試薬と反応することにより調製される。更に、反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で25℃〜45℃の温度にて4時間〜18時間、反応混合物に添加されるR19−COOH(R19は、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択される)で処理される。
【0171】
工程3b
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はエチル、
n−プロピル、n−ブチル、及びn−ペンチルから選択され、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである;スキーム3の式(O)で記載されている)は、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、及びR10はヒドロキシである)をジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、酢酸エチル、及びジメチルホルムアミドから選択される溶媒中に溶解し、パラ−トルエンスルホン酸の存在下でR3−OH(式中、R3はエチル、n−プロピル、n−ブチル、及びn−ペンチルから選択される)と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気下にて、25℃〜45℃の温度で4時間〜18時間攪拌される。
【0172】
工程3c
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(2)であり、R5はヒドロキシであり、R6は水素であり、及びR7は水素又はアルキルから選択される;スキーム3の式(Q)で記載されている)は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、及びN−エチルモルホリンから選択される塩基の存在下で、式(B)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(3)であり、R8はヒドロキシであり、及びR9はヒドロキシである;スキーム1工程1bにより調製される)をジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、酢酸エチル、及びジメチルホルムアミドから選択される溶媒中に溶解し、R7−ハロゲン化物(式中、R7は水素又はアルキルである)と反応することにより調製される。反応混合物は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で、25℃〜45℃の温度で4時間〜18時間攪拌される。
【0173】
【化72】

スキーム4
工程4a
式(1)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(7)であり、R10はヒドロキシであり、R11はハロゲンであり、及びR12はハロゲンである;スキーム4の式(R)で記載されている)は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で0℃〜45℃の温度で2時間〜8時間、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、及びアセトニトリルから選択される溶媒中で、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はアルキルであり、R4は式(4)であり、且つR10はヒドロキシである)を三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)などのハロゲン化剤と反応することにより調製される。
【0174】
工程4b
式(1)の化合物(式中、R1はハロゲンであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はハロゲンである;スキーム4の式(S)で記載されている)は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で0℃〜45℃の温度にて2時間〜8時間、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、及びアセトニトリルから選択される溶媒中で、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)を、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)などのハロゲン化剤と反応することにより調製される。
【0175】
工程4c
式(1)の化合物(式中、R1はアミノであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、R10は−NR1415であり、R14はアルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、及びR15は水素、及びアルキルから選択される;スキーム4の式(T)で記載されている)は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で0℃〜45℃の温度にて2時間〜8時間、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、及びアセトニトリルから選択される溶媒中で、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)を、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウム、並びにR14−NH2及びR14−NH−アルキル(式中、R14はアルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択される)から選択されるアミンと反応することにより調製される。
【0176】
工程4d
式(1)の化合物(式中、R1はSHであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10は−SR14であり、R14はアルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択される;スキーム4の式(U)で記載されている)は、窒素ガスなどの不活性雰囲気中で0℃〜45℃の温度にて2時間〜8時間、溶媒ベンゼン又はトルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、及びアセトニトリルから選択される溶媒の存在下で、式(A)の化合物(式中、R1はヒドロキシであり、R2は水素であり、R3はメチルであり、R4は式(4)であり、及びR10はヒドロキシである)を、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム及びR14−SH(式中、R14はアルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択される)から選択される還元剤と反応することにより調製される。
【0177】
【化73】

上記のスキーム1〜4の全てにおいて、適用可能な場合、化合物は任意に、それらのプロドラッグ及び塩に変換され得る。加えて、化合物は、カラムクロマトグラフィーなどの当該技術分野において周知の技術によって、個々の異性体に分離することができる。
【0178】
本発明の化合物は、本発明の化合物の薬理学的に許容される塩又は溶媒和物の形態で利用することもできることが当業者であれば理解されよう。
式(1)の化合物に関して、本発明は、式(1)の化合物の全ての立体異性体及びそれらの全ての比率の混合物、及びそれらの薬理学的に許容される塩を更に含む。
【0179】
本発明の化合物は、続いて、本発明の化合物の有機塩又は無機塩に変換することができる。
したがって、式(1)で表される本発明の化合物が1つ以上の塩基性基、即ちプロトン化されることができる基を含有する場合、好適な無機酸又は有機酸でさらなる塩を形成することができる。好適な無機酸の例としては、ホウ酸、過塩素酸、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、及びその他の当業者に既知の無機酸が挙げられる。好適な有機酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレ
イン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、ケトグルタル酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、ピクリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、コール酸、パントテン酸、アルギン酸、ナフトエ酸、マンデル酸、タンニン酸、樟脳酸、及びその他の当業者に既知の有機酸が挙げられる。
【0180】
式(1)で表される本発明の化合物は、好適な塩基でさらなる塩を形成可能な1つ以上の酸性基を含有する。例えば、本発明の化合物のこのような塩は、Li塩、Na塩、及びK塩などのアルカリ金属塩、又はCa塩、Mg塩、又はアルミニウム塩のようなアルカリ土類金属塩、又はアンモニアを有する塩、又はリジン、リシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリン、及びトロメタミンなどの有機塩基の塩を含んでもよい。
【0181】
本発明はさらに、式(1)の化合物の溶媒和物、例えば、水を有する水和物、及びアルコール、エーテル、酢酸エチル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、又はアセトンなどの低級アルキルケトン、又はこれらの混合物などのその他の結晶化溶媒で形成された溶媒和物を含む。
【0182】
本発明はさらに、式(1)の化合物の多形体を含む。多形体は、徐冷却又は急冷却に続いて本発明の化合物を加熱又は溶融することにより得られうる。多形体の存在は、IR分光法、固体プローブNMR分光法、示差走査熱量測定法、又は粉末X線回折などの技術により同定し得る。
【0183】
また、本発明は、式(1)の化合物のプロドラッグ、例えばエステル、アミド、及びその他の誘導体も含む。
式(1)で表される本発明の化合物は、TNF−α阻害物質であり、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、敗血症性ショック、内毒素性ショック、アテローム性動脈硬化症、虚血−再潅流傷害、冠状動脈性心疾患、血管炎、アミロイド症、多発性硬化症、敗血症、慢性の再発性ぶどう膜炎、C型肝炎ウイルス感染症、マラリア、潰瘍性大腸炎、悪液質、乾癬、形質細胞腫、子宮内膜症、ベーチェット病、ウェゲナー肉芽腫症、髄膜炎、AIDS、HIV感染症、自己免疫疾患、免疫不全症、分類不能型免疫不全(CVID)、慢性移植片対宿主病、外傷及び移植拒絶反応、成人呼吸窮迫症候群、肺線維症、再発性卵巣癌、リンパ増殖性疾患、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、糖尿病、若年性糖尿病、強直性脊椎炎、皮膚遅延型過敏症疾患、アルツハイマー病、全身性エリテマトーデス、及びアレルギー性喘息を含む、異常TNF−α活性に伴う疾患の治療に使用を見出す。
【0184】
ある種の実施形態において、式(1)で表される本発明の化合物は、インターロイキン(IL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8)阻害物質であり、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患を含む、異常インターロイキン(IL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8)活性に伴う疾患の治療に使用を見出す。
【0185】
ある種の実施形態において、式(1)で表される本発明の化合物は、IFN−γ阻害物質であり、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患を含む、異常インターロイキン(IFN−γ)活性に伴う疾患の治療に使用を見出す。
【0186】
ある種の実施形態において、式(1)で表される本発明の化合物は、BCL2、CEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、cMyc、GBP−1、MMP13、及びMyD88から選択される1つ以上の遺伝子を下方制御し、バーキットリンパ
腫又はポイツ・イエーガー症候群を含む炎症性疾患の治療に使用を見出す。
【0187】
ある実施形態によれば、式(1)で表される本発明の化合物は、滑膜細胞中のIL−1βなどのCREBの転写標的を下方制御し、CREB経路によって媒介される炎症性疾患の治療に有用である。
【0188】
ある実施形態によれば、本発明は、式(I)の化合物で治療される炎症性疾患の患者の薬物反応の監視方法を提供し、監視方法は、治療を受けた患者からの試験用試料中のCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1つ以上の遺伝子の発現を同定することと、同定された遺伝子の発現を式(I)の化合物で治療する前の患者から入手した試験用試料中のCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される同一の1つ以上の遺伝子の発現と、又は未治療の対照と、比較することを含む。
【0189】
別の実施形態において、薬物反応の監視方法において、治療後のCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1つ以上の遺伝子の発現の変化は、薬物反応を示す。
【0190】
別の実施形態において、式(1)の化合物を用いた治療後の薬物反応の監視方法では、CEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1つ以上の遺伝子の発現は下方制御される。
【0191】
ある実施形態によれば、式(1)で表される本発明の化合物は、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、潰瘍性大腸炎、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、乾癬、分類不能型免疫不全(CVID)、皮膚遅延型過敏症疾患、及びアルツハイマー病を含む、炎症性疾患の治療に使用を見出す。
【0192】
ある実施形態によれば、式(1)で表される本発明の化合物は、関節リウマチ及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性疾患の治療に使用を見出す。
ある実施形態によれば、式(1)で表される本発明の化合物は、関節リウマチの治療に使用を見出す。
【0193】
ある実施形態によれば、式(1)で表される本発明の化合物は、潰瘍性大腸炎の治療に使用を見出す。
ある実施形態によれば、式(1)で表される本発明の化合物は、乾癬の治療に使用を見出す。
【0194】
ある実施形態によれば、本発明は、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を必要とする哺乳類へ投与することにより、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患を治療する方法を提供する。
【0195】
ある実施形態によれば、本発明は、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を必要とする哺乳類へ投与することにより、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、敗血症性ショッ
ク、内毒素性ショック、アテローム性動脈硬化症、虚血−再潅流傷害、冠状動脈性心疾患、血管炎、アミロイド症、多発性硬化症、敗血症、慢性の再発性ぶどう膜炎、C型肝炎ウイルス感染症、マラリア、潰瘍性大腸炎、悪液質、乾癬、形質細胞腫、子宮内膜症、ベーチェット病、ウェゲナー肉芽腫症、髄膜炎、AIDS、HIV感染症、自己免疫疾患、免疫不全症、分類不能型免疫不全(CVID)、慢性移植片対宿主病、外傷、及び移植拒絶反応、成人呼吸窮迫症候群、肺線維症、再発性卵巣癌、リンパ増殖性疾患、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、糖尿病、若年性糖尿病、強直性脊椎炎、皮膚遅延型過敏症疾患、アルツハイマー病、全身性エリテマトーデス、及びアレルギー性喘息を含む、異常TNF−α活性に伴う炎症性疾患を治療する方法を提供する。
【0196】
別の実施形態によれば、本発明は、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を必要とする哺乳類へ投与することにより、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患を含む、異常インターロイキン(IL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8)に伴う炎症性疾患を治療する方法を提供する。
【0197】
別の実施形態によれば、本発明は、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を必要とする哺乳類へ投与することにより、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患を含む、異常インターロイキン(IFN−γ)活性に伴う炎症性疾患を治療する方法を提供する。
【0198】
ある実施形態によれば、本発明は、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を必要とする哺乳類へ投与することにより、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、潰瘍性大腸炎、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、乾癬、分類不能型免疫不全(CVID)、皮膚遅延型過敏症疾患、バーキットリンパ腫又はポイツ・イエーガー症候群、及びアルツハイマー病を含む、炎症性疾患を治療する方法を提供する。
【0199】
ある実施形態によれば、本発明は、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を、1種以上の式(1)の化合物の治療有効量を必要とする哺乳類へ投与することにより、関節リウマチ及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性疾患を治療する方法を提供する。
【0200】
本発明の別の態様によれば、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療において有用である、有効成分である1種以上の式(1)の化合物の治療有効量と、薬理学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。
【0201】
本発明の別の態様によれば、本明細書中で上述した上記の組成物を使用して、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患を治療する方法が提供される。
【0202】
本発明の別の態様によれば、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療に有用である、1種以上の式(1)の化合物を含む製剤の製造方法が提供される。
【0203】
本発明の医薬組成物は、調製方法自体既知であり当業者に周知の方法によって調製され
る。薬理学的に許容される不活性の無機及び/又は有機担体及び/又は添加剤は、式(1)の化合物、及び/又は該生理学的に許容範囲内の塩、及び/又は該プロドラッグに加えて使用されることができる。丸剤、錠剤、コーティングされた錠剤、及びゼラチン硬カプセルの製造には、例えば乳糖、トウモロコシデンプン又はトウモロコシデンプンの誘導体、アラビアゴム、マグネシア又はブドウ糖等を使用することが可能である。ゼラチン軟カプセル及び座薬の担体は、例えば脂肪、ワックス、天然油又は硬化油等である。例えば注射液などの溶液の製造又はエマルジョンもしくはシロップ剤の製造に好適な担体は、例えば水、生理食塩液、又は例えばエタノール、プロパノールもしくはグリセロールなどのアルコール類、ブドウ糖液もしくはマンニトール溶液などの糖液、又はこれまでに説明してきた種々の溶媒の混合物である。
【0204】
式(1)の化合物及び/又は該生理学的に許容できる塩及び/又はプロドラッグに含有する有効成分、並びに担体物質に加えて、本医薬組成物は、例えば充填剤、酸化防止剤、分散剤、乳化剤、脱泡剤、芳香剤、防腐剤、可溶化剤、又は着色剤などの添加剤を含有することができる。また、本発明の医薬組成物は、2種以上の式(1)の化合物、及び/又は該生理学的に許容可能な塩、及び/又はそれらのプロドラッグも含有することができる。さらに、少なくとも1種の式(1)の化合物、及び/又は該生理学的に許容可能な塩、及び/又は該プロドラッグに加えて、本医薬組成物は、1つ以上のその他の治療的有効成分又は予防的有効成分も含有することができる。
【0205】
医薬組成物は通常、約1〜99重量%、例えば約5〜70重量%、又は約10〜約30重量%の式(1)の化合物又は、式(1)の化合物の生理学的に許容可能な塩又はそれらのプロドラッグを含有する。本医薬組成物中に含まれる式(1)、及び/又は該生理学的に許容可能な塩、及び/又は該プロドラッグの有効成分の量は、例えば約5〜500mgであることができる。投与されるべき本発明の化合物の投与量は、広範であることができる。一日当たりの投与量は、所望の効果に合わせて選択されるべきである。式(1)の化合物又は式(1)の化合物のプロドラッグの約0.001〜100mg/kg/日の用量は毎日投与され得る。必要であれば、一日当たりの投与量を増減して投与することもできる。
【0206】
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の用量レベルは、特定の患者、組成物、及び投与方法において患者に有毒ではない所望の治療反応を達成するために有効な有効成分の量が得られるように、変化させることができる。
【0207】
選択される用量レベルは、用いられる本発明の特定の化合物の活性、投与経路、投与時期、用いられる特定の化合物の排泄率、治療期間、用いられる特定の化合物と組み合わせて使用されるその他の薬物、化合物及び/又は材料、治療される患者の年齢、性別、体重、体調、全身の健康状態、及び病歴、並びに医学分野で周知の同様の要因などを含む種々の要因に依存するであろう。
【0208】
本発明の医薬組成物は、例えば丸剤、錠剤、コーティングされた錠剤、カプセル剤、顆粒又はエリキシル剤の形態で、経口投与することができる。しかし、例えば座薬の形態で直腸的に投与することもでき、又は滅菌注射液もしくは懸濁液の形態で例えば静脈内、筋肉内、もしくは皮下など非経口的に投与することもでき、又は例えば溶液もしくは貼付剤の形態で局所的に投与することもでき、又は例えばエアゾールもしくは鼻スプレーの形態でその他の方法で投与することもできる。
【0209】
本発明の種々の実施形態の活性に実質的に影響を及ぼさない修正は、本明細書中に開示された発明の範囲に含まれると理解される。
実施例
以下の用語/略称/化学式が実施例で用いられる。
L :リットル
mL :ミリリットル
μL :マイクロリットル
g :グラム
mg :ミリグラム
μg :マイクログラム
ng :ナノグラム
mM :ミリモル
μM :マイクロモル
H :時間
min :分
lpm :リットル/分
rpm :毎分回転数
HPLC :高速液体クロマトグラフィー
TLC :薄層クロマトグラフィー
HOBt :N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
CO2 :二酸化炭素
NaOH :水酸化ナトリウム
KOH :水酸化カリウム
NaHCO3 :炭酸水素ナトリウム
Na2CO3 :炭酸ナトリウム
NaCl :塩化ナトリウム
HCl :塩酸
EtOH :エタノール
DMSO :ジメチルスルホキシド
PEG :ポリエチレングリコール
LPS :リポ多糖体
RPMI :ローズウェル・パーク・メモリアル・インスティテュート
FBS :ウシ胎児血清
PMA :ホルボールミリステートアセテート
ELISA :酵素結合免疫測定法
IC50 :50%阻害濃度
PBS :リン酸緩衝食塩水生理食塩水
DPBS :ダルベッコリン酸緩衝液
NBF :基準緩衝ホルマリン
KRPH緩衝液 :クレブス−リンゲル−リン酸緩衝液
トリス−HCl :2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩酸塩
Th1サイトカイン :Tヘルパー1サイトカイン
μCi :マイクロキュリー
PHA :フィトヘムアグルチニン
CPM :カウント毎分
hPBMC :ヒト末梢血単核球
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
MTS :(3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホニル)−2H−テトラゾリウム)
PMS :フェナジン メトスルホン酸塩
FCS :ウシ胎児血清
RTQ−PCR :リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応
抗−CD3 :抗−分化抗原群3
抗−CD28 :抗−分化抗原群28
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
TBS :トリス−緩衝生理食塩水
HRP :西洋ワサビペルオキシダーゼ
w/v :重量/体積
v/v :(溶質の)体積/(溶媒の)体積
DSS :デキストラン硫酸ナトリウム
MAPK :マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ
ATCC :アメリカ培養細胞コレクション
Hb :ヘモグロビン
CMC :カルボキシメチルセルロース
DAI :疾病活性指数
p.o. :経口投与
s.c. :皮下投与
b.i.d :1日2回
室温 :25±5℃
化合物の調製
実施例1
工程1
培養物No.PM0224355の単離
a)培地(CSPYME寒天)の組成:
ブドウ糖15g、コーンスティープリカー5g、ペプトン7.5g、酵母菌抽出物7.5g、炭酸カルシウム2.0g、塩化ナトリウム5g、脱塩水1.0L、最終pH(25℃)7.0。
b)インドのカルナータカ州BellaryのHosalingpur村近辺の作物畑から黒色土試料を収集し、滅菌プラスチック袋に移した。試料を4〜8℃で維持した。
c)上記土からの放線菌の単離:
土(約1g)を滅菌脱塩水(10mL)に加え、得られた混合物を55℃で6分間加熱し、放線菌胞子を豊富に形成し、真正細菌を制限した。加熱した試料の10-3希釈液100μLを、バルク種子法(bulk seed method)で、トウモロコシデンプンペプトン酵母菌マルツエキス(CSPYME)寒天(アンホテリシンBを含有する、20μg/mL)培地上に蒔いた。168時間後に目に見えるコロニーを採取して純化し、使用するためにCSPYMEスラント上に維持した。この培養物には、培養物No.PM0224355が割り振られた。
【0210】
培養物No.PM0224355は、世界知的所有権機関(WIPO)が承認した国際寄託当局(International Depository Authority(IDA))である微生物工学研究所(Institute of Microbial Technology)(Sector 39−A,Chandigarh−160 036,India)の微生物タイプ培養物コレクション(Microbial Type
Culture Collection)(MTCC)に寄託され、受入番号MTCC
5340が与えられた。
【0211】
工程2
培養物No.PM0224355の維持
a)培地(ISP2)の組成:
酵母菌抽出物4g、マルツエキス10g、ブドウ糖4g、寒天20g、脱塩水1.0L、最終pH(25℃)7.0〜7.2。
b)培養物No.PM0224355は、長期間保存するため、グリセロールバイアル瓶
に−70℃で維持された。定期的に、ISP−2培地を使用して、該生存度を調べた。
【0212】
実施例2
振とうフラスコ内でのPM0224355培養物の発酵
a)種培地の組成:
ブドウ糖15g、コーンスティープリカー5g、大豆粕15g、炭酸カルシウム2g、塩化ナトリウム5g、脱塩水1.0L、最終pH(25℃)6.5〜7.5。
b)種培地(40mL)を三角フラスコ(500mL)中に分散させ、フラスコを121℃で30分間加圧滅菌した。フラスコを室温まで冷却し、各フラスコに、スラント上のループ一杯の成長が良好な産生株(培養物No.PM0224355)を接種し、回転振とう器上で70〜74時間、230〜250rpm、30℃(±1℃)で振とうさせ、種培養物を得た。
c)産生培地の組成:
グリセロール30g、ブドウ糖3g、酵母菌抽出物2g、塩化ナトリウム3g、硝酸ナトリウム1g、炭酸カルシウム3g、ペプトン3g、微量食塩水(trace salt
solution)1mL/L、脱塩水1.0L、最終pH(25℃)6.5〜7.5。
d)産生培地(200mL)を三角フラスコ(1000mL)中に分散させ、フラスコを121℃で30分間加圧滅菌して29℃〜30℃まで冷却し、(実施例2(b)で得られた)種培養物5mLを各フラスコに播種した。
e)発酵パラメーター:
温度29℃〜30℃、攪拌230〜250rpm、及び採取時間46〜50時間。培養ブロスの採取pHは6.0〜7.0であった。
【0213】
実施例3
工程1
酢酸エチルを使った培養ブロスの抽出
酢酸エチル(1L)を使用して、(実施例2で得られた)全ブロス(1L)を抽出した。有機層を分離して濃縮し、粗酢酸エチル抽出物を得た。
【0214】
工程2
粗酢酸エチル抽出物の精製
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム中メタノール)によって、(実施例3工程1で得られた)粗酢酸エチル抽出物を精製した。TLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール 9:1、検出:254nm)により、フラクションを監視した。クロロホルム中3%メタノールを用いて溶出したフラクションを濃縮し、粉末を得た。メタノールを使用して得られた粉末を結晶化し、白色の化合物を得た。
【0215】
1HNMR(DMSO−d6,500MHz):δ6.62(dd,1H),6.26(s,1H),6.12(dd,1H),5.69(br d,1H),5.55(br d,1H),5.31(ddq,1H),5.12(dd,1H),5.11(br d,1H),4.93(s,2H)4.58(dd,1H),4.25(t,1H),4.1(dd,1H)3.90(t,1H),3.88(m,1H)3.82(dd,1H),3.63(m,1H),3.58(dd,1H),3.54(s,3H),3.35(dq,1H),3.32(br d,1H),3.30(s,1H),2.5(m,1H),2.23(m,.1H),.2.21(m,2H),2.08(m,1H)2.07(br3H),1.90(m,1H),1.84(br S,3H),1.62(m,1H),1.60(m,2H),1.59(dq,1H)1.57(d,3H),1.37(d,3H),1.28(m,1H),)1.23(m,2H),1.12(d,3H),1.10(d,3H),1.07(d,3H),1.01(d,3H),0.89(t
,3H),0.82(d,3H);MS:m/e865。
【0216】
プロトンNMRデータを報告されたデータと比較することにより、化合物をコンカナマイシンであると特徴づけた(The Journal of Antibiotics,Vol.45,No.7,1108−1116,(1992))。
【0217】
実施例3で得られた化合物を標準化合物として使用した。
実施例4
発酵槽内での培養物No.PM0224355の培養
工程1
振とうフラスコ内での種培養物の調製
a)培地の組成:
ブドウ糖15g、コーンスティープリカー5g、大豆粕15g、炭酸カルシウム2g、塩化ナトリウム5g、脱塩水1.0L、pH(25℃)6.5〜7.5。
b)種培地(200mL)を三角フラスコ(1000mL)内に分散させ、フラスコを121℃で30分間加圧滅菌した。フラスコを室温まで冷却し、各フラスコに、スラント上のループ一杯の成長が良好な産生株(培養物No.PM0224355)を接種し、回転振とう器上で70〜74時間、230〜250rpm、29℃〜30℃で振とうさせ、種培養物を得た。
【0218】
工程2
発酵
a)産生培地の組成:
グリセロール30g、ブドウ糖3g、酵母菌抽出物2g、塩化ナトリウム3g、硝酸ナトリウム1g、炭酸カルシウム3g、ペプトン3g、微量食塩水1mL/L、脱塩水1.0L、pH(25℃)6.5〜7.5。
b)発酵槽(150L)内において、上記の産生培地(100L)を除泡剤であるデスモフェン(desmophen)(30mL)とともに系内で30分間121℃にて滅菌し、29℃〜30℃まで冷却し、(実施例4の工程1(b)で得られた)種培養物2.5〜3.5Lを播種した。
c)発酵パラメーター:
温度29℃〜30℃、攪拌100rpm、通気60lpm、採取時間46〜50時間。発酵ブロス内でのコンカナマイシンの生成は、TLC(シリカゲル、クロロホルム―メタノール9:1、検出:254nm)で標準化合物のコンカナマイシンAと比較することにより同定された。培養ブロスの採取pHは6.0〜7.0であった。
【0219】
実施例5
培養ブロスPM0224355の単離及び精製
工程1
抽出
酢酸エチル(90L)を使用して、(実施例4の工程2(c)で得られた)全ブロス(90L)を抽出した。有機層を分離して濃縮し、粗酢酸エチル抽出物を得た。収量:12g。
【0220】
工程2
精製
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム中メタノール)によって(実施例5の工程1で得られた)粗酢酸エチル抽出物を精製した。コンカナマイシンを参照基準として使用して、TLC(シリカゲル、クロロホルム−メタノール9:1、検出:254nm)により、フラクションを監視した。クロロホルム中3%メタノールを使って溶出し
たフラクションを濃縮し、コンカナマイシン(5g)を含む濃縮抽出物を得た。コンカナマイシンを含む濃縮抽出物をメタノール中に溶解し、10〜12時間4℃で維持し、濾過して粉末(収量:0.6g)を得た。LCMSにより、この粉末は、コンカナマイシンAとコンカナマイシンCの混合物(分子量865及び822)を含有することが同定された。これは、粗コンカナマイシン原料として参照される。
【0221】
実施例6
(3Z,5E,13E,15E)−18−((6E,10E)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチル−5−オキソドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0222】
【化74】

10℃でNaOHのメタノール溶液(0.03M)を(実施例5工程2で得られた)粉末(100mg)に加え、得られた混合物を20分間攪拌した。HCl(1N)を使用して反応混合物を中和し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中30%酢酸エチル)により粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:55mg。
【0223】
HPLC:95%純度[RP−18(4mm×250mm)カラム、35分間25℃にて水中にアセトニトリル2〜100%勾配、検出:220nm];MS:m/e674;
1H NMR(DMSO−d6,500MHz):δ6.77(dd,1H),6.6(dd,1H),6.27(s,1H),6.12(dd,1H),5.67(br.d,1H),5.64(br.d,1H),5.49(dd,1H),5.38(dd.q,1H),5.12(dd,1H),5.10(dq,1H),3,89(t,1H),3.80(dd,1H),3.64(dd,1H),3.53(s,3H),3.48(t,1H),3.23(s,3H),2.97(br.d,1H),2.92(d,1H),2.58(m,1H),2.43(m,1H),2.31(m,1H),1.99(s,3H),1.9(br.s,3H),1.88(m,1H),1.86(m,2H),1.63(dd,3H),1.45(m,1H),1.23(m,2H),1.15(d,3H),1.01(d,3H),1.00(d,3H)0.92(d,3H),0.91(t,3H),0.89(d,3H)。
【0224】
13CNMR(DMSO−d6,125MHz):δ200.2,162.4,147.4,140.7,140.4,140.2,139.4,131.7,131.5,128.6,126.6,125.5,124.1,121.3,80.9,76.8,73.3,72.9,70.8,70.0,58.3,57.3,44.8,44.1,41.9,40.9,37.8,34.1,33.3,20.8,20.6,19.2,16.1,14.9,13.8,12.7,10.5,9.0,7.9。
【0225】
得られた化合物を、プロトンNMRデータを報告されたデータ(Tetrahedro
n letters,Vol.22,No.39,3857−60,(1981))と比較することにより、
(3Z,5E,13E,15E)−18−((6E,10E)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチル−5−オキソドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オンと特徴づけた。
【0226】
実施例7
(3Z,5E,13E,15E)−18−((5Z,6E,10E)−3,9−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシミノ)−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0227】
【化75】

実施例6の化合物(12mg)を、ピリジン(1mL)とエタノール(1mL)の混合物中に溶解し、窒素下で25℃にて4時間ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.17mg)と反応させた。水を反応混合物に加え、得られた反応混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中40%酢酸エチル)により粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:10mg。HPLC:99.2%純度、保持時間25.2分間[RP−18(4mm×.250mm)カラム、35分間25℃にて水中にアセトニトリル2〜100%勾配、検出:220nm];MS:m/e689;
1H NMR(DMSO−d6,500MHz):δ10.78(s,1H),6.64(dd,1H),6.54(dd,1H),6.27(s,1H),6.05(dd,1H),5.67(b rd,1H),5.62(d,1H),5.49(dd,1H),5.38(ddq,1H),5.25(d,1H),5.09(dq,1H),3,88(t,1H),3.78(dd,1H),3.64(dd,1H),3.48(s,3H),3.48(t,1H),3.42(s,3H),2.97(br d,1H),2.89(d,1H),2.54(m,1H),2.42(m,1H),2.28(m,1H),2.01(s,3H),1.96(m,2H),1.87(m,1H),1.83(br S,3H),1.62(dd,3H),1.47(m,1H),1.23(m,2H),1.07(d,3H),1.01(d,3H),0.99(d,3H),0.94(d,3H),0.91(t,3H),0.85(d,3H)。
【0228】
13C NMR(DMSO−d6,125MHz):δ164.0,157.0,142.3,141.1,140.0,133.7,133.1,130.4,129.5,127.1,125.6,122.9,120.4,118.5,82.9,78.6,75.0,74.7,72.7,72.4,59.4,55.6,43.7,40.4,39.9,39.4,36.1,35.3,33.2,22.7,22.3,17.9,17.8,16.8,16.3,14.4,12.4,11.9,10.7。
【0229】
実施例7A
分析的HPLC[溶出溶媒としてクロロホルム中2%メタノールを使用したシリカゲルカラム(250mm×4mm);流量1mL/分]で、実施例7の化合物のオキシム異性体類を分離した。異性体類は、それぞれ8.9分及び10.2分の保持時間を有する。両方の異性体類は、689の同一の分子量を有する。
【0230】
実施例8
(3Z,5E,13E,15E)−18−((5E,6E,10E)−3,9−ジヒドロキシ−5−(メトキシイミノ)−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0231】
【化76】

実施例6の化合物(10mg)を、ピリジン(500μL)とエタノール(500μL)の混合物中に溶解し、窒素下で25℃にて4時間、メトキシアミン塩酸塩(6.5mg)と反応させた。水を反応混合物に加え、反応混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取HPLC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル―水(1:1無勾配)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:6.5mg;MS:m/e:703。
【0232】
実施例9
(3Z,5E,13E,15E)−18−((5E,6E,10E)−5−(ベンジルオキシイミノ)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0233】
【化77】

実施例6の化合物(10mg)をピリジン(300μL)とエタノール(700μL)の混合物中に溶解し、窒素下で25℃にて4時間ピリジン中ベンジルオキシアミン塩酸塩(8.4mg)と反応させた。水を反応混合物に加え反応混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。分取HP
LC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル−水(1:1無勾配)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:7.2mg;MS:m/e:779。
【0234】
実施例10
((Z)−((6E,10E)−2−((4E,6E,14E,16Z)−11−エチル−10,12−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−7,9,13,15−テトラメチル−18−オキソオキサシクロオクタデカ−4,6,14,16−テトラエン−2−イル)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−5−イリデン)アミノオキシ)酢酸
【0235】
【化78】

実施例6の化合物(10mg)を、窒素下で25℃にて14時間、ピリジン(2mL)及びメタノール(4mL)中でカルボキシメチルヒドロキシルアミンヘミ塩酸塩(4.8mg)と反応させた。水を反応混合物に加え、反応混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。分取HPLC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル−水(1:1無勾配)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:7.8mg;MS:m/e747。
【0236】
実施例11
(3Z,5E,13E,15E)−18−((5Z,6E,10E)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチル−5−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエトキシイミノ)ドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0237】
【化79】

ジクロロメタン(2mL)中に実施例10(10mg)の化合物を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3mg)及びHOBt(2mg)を添加した。20分間後、
N−メチル−ピペラジン(1.5mg)を添加した。反応混合物を18時間窒素雰囲気下にて攪拌した。冷水を反応混合物に加え、有機層を分離した。反応混合物をジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。混合有機層を水(2×5mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取HPLC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル−水(1:1無勾配)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:7.7mg;ESI−MS:m/e830(M+H)+
【0238】
実施例12
2−((Z)−((6E,10E)−2−((4E,6E,14E,16Z)−11−エチル−10,12−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−7,9,13,15−テトラメチル−18−オキソオキサシクロオクタデカ−4,6,14,16−テトラエン−2−イル)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−5−イリデン)アミノオキシ)−N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド
【0239】
【化80】

ジクロロメタン(2mL)中に実施例10の化合物(10mg)を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3mg)及びHOBt(2mg)を添加した。20分後、エタノールアミン(1mg)を添加した。反応混合物を18時間窒素雰囲気下にて攪拌した。冷水を反応混合物に加え、有機層を分離した。反応混合物をジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。混合された有機層を水(2×5mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取HPLC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル−水(1:1無勾配)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:5.8mg;ESI−MS:m/e791(M+H)+
【0240】
実施例13
(3Z,5E,13E,15E)−18−((5Z,6E,10E)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチル−5−(2−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)エトキシイミノ)ドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0241】
【化81】

ジクロロメタン(2mL)中に実施例10の化合物(10mg)を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3mg)及びHOBt(2mg)を添加した。20分後、ピペリジン(1.3mg)を添加した。反応混合物を18時間窒素雰囲気下にて攪拌した。冷水を反応混合物に加え、有機層を分離した。反応混合物をジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。混合された有機層を水(2×5mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取HPLC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル−水(1:1無勾配)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:8.0mg;ESI−MS:m/e815(M+H)+
【0242】
実施例14
(3Z,5E,13E,15E)−18−((5Z,6E,10E)−5−(2−(1,4’−ビピペリジン−1’−イル)−2−オキソエトキシイミノ)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−2−イル)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチルオキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0243】
【化82】

ジクロロメタン(2mL)中に実施例10の化合物(10mg)を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3mg)及びHOBT(2mg)を添加した。20分後、4−ピペリジノ−ピペリジン2.5mg)を添加した。反応混合物を18時間窒素雰囲気下にて攪拌した。冷水を反応混合物に加え、有機層を分離した。反応混合物をジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。混合された有機層を水(2×5mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取HPLC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル−水(1:1無勾配)]
によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:7.5mg;ESI−MS:m/e898(M+H)+
【0244】
実施例15
2−((Z)−((6E,10E)−2−((4E,6E,14E,16Z)−11−エチル−10,12−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−7,9,13,15−テトラメチル−18−オキソオキサシクロオクタデカ−4,6,14,16−テトラエン−2−イル)−3,9−ジヒドロキシ−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−5−イリデン)アミノオキシ)−N−(4−フルオロベンジル)アセトアミド
【0245】
【化83】

ジクロロメタン(2mL)中に実施例10の化合物(10mg)を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3mg)及びHOBt(2mg)を添加した。20分後、4−フルオロベンジルアミン(1.5mg)を添加した。反応混合物を18時間窒素雰囲気下にて攪拌した。冷水を反応混合物に加え、有機層を分離した。反応混合物をジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。混合された有機層を水(2×5mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取HPLC[Eurospere−100、C18カラム(250mm×8mm)、移動相:アセトニトリル−水(1:1無勾配)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:8.8mg;ESI−MS:m/e855(M+H)+
【0246】
実施例16
(2E,6E)−N−(4−((4E,6E,14E,16Z)−11−エチル−10,12−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−7,9,13,15−テトラメチル−18−オキソオキサシクロオクタデカ−4,6,14,16−テトラエン−2−イル)−3−ヒドロキシペンタン−2−イル)−5−ヒドロキシ−4−メチルオクタ−2,6−ジエンアミド
【0247】
【化84】

実施例6の化合物(3mg)をアセトン(1mL)中に溶解させ、窒素下で0℃にて2
時間、KOH(1mg)及び塩化トシル(1.8mg)と反応させた。室温にて1時間攪拌を続けた。冷水を反応混合物に加え、反応混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取TLC[シリカゲル、移動相:酢酸エチル−ヘキサン(1:1)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:0.7mg。MS:m/e:689。
【0248】
実施例17
(3Z,5E,13E,15E)−9−エチル−8,10−ジヒドロキシ−3,17−ジメトキシ−5,7,11,13−テトラメチル−18−((6E,10E)−3,5,9−トリヒドロキシ−4,8−ジメチルドデカ−6,10−ジエン−2−イル)オキサシクロオクタデカ−3,5,13,15−テトラエン−2−オン
【0249】
【化85】

実施例6の化合物(5mg)をテトラヒドロフラン(1mL)中に溶解させ、窒素下で0℃にて20分間水素化ホウ素ナトリウム(0.56mg)及び塩化セリウム(III)(CeCl3)(0.9mg)と反応させ、次に室温にて20分間攪拌した。冷水を反応混合物に加え、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。分取TLC[シリカゲル、移動相:ヘキサン−酢酸エチル(1:1)]によって粗生成物を精製し、表題の化合物を得た。収量:2.7mg;MS:m/e676。
【0250】
薬理学
TNF−α、インターフェロン−γ(IFN−γ)、及びインターロイキン(IL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8)から選択される1つ以上のサイトカインの活性阻害における式(1)の化合物及び製剤の有効性は、当該技術分野において周知の薬理学的分析によって決定され、以下に説明される。
【0251】
実施例18
LPS刺激THP−1細胞のスクリーニング
「Journal of Immunology,151,5631−5638,(1993」)を参照して、THP−1細胞(ATCC番号:TIB202)におけるLPS(Escherchia coli 0127:B8,米国Sigma社)によるIL−6(米国BD Biosciences社)産生を設計し、本参照文献の開示は、本分析の教示のために参照することにより本明細書に含まれる。
【0252】
10%FBS(米国JRH Biosciences社)を含有する、100U/mLペニシリン及び100mg/mLストレプトマイシン(100倍溶液、米国Sigma社)を含有するRPMI1640培地(英国Gibco BRL社)でTHP−1細胞を培養した。96−ウェルプレート(米国Nunc社)に1ウェル当たり25,000個の細胞を接種した。PMA(米国Sigma社、RPMI中100μg/mLストックとして調製し、5ng/mLまで希釈した)を用いて細胞を分化した。試験化合物(DMSO中20mMストックとして調製し、分析では次の終濃度が得られるようにDMSOで希釈し
た:100、10、1、0.1、0.01、0.001、及び0.0001μM)又は溶媒(0.5%DMSO)を細胞に添加し、これらの細胞を30分間37℃にて保温した。終濃度1μg/mLが得られるように、LPS(米国Sigma社、PBS中1mg/mLストックとして調製した)を加えた。37℃にて24時間、5%CO2でプレートを保温した。上清を回収し、製造者(米国BD Biosciences社)の記載に従ってELISAによりTNF−α及びIL−6の分析を行った。対照と比較したサイトカイン放出のパーセント阻害を計算した。非線形回帰法によりIC50値を計算した。得られた結果を表1にまとめた。
【0253】
【表1】

本実験の標準物質として、デキサメタゾンが使用される。
【0254】
結論:本発明の代表的な化合物は、好ましくは、THP−1細胞におけるLPS誘導IL−6産生を阻止した。
実施例19
正常なhPBMCのT−細胞増殖
「The Journal of Immunology,153,1−9,(1994)」、及び「Clinical and Diagnostic Laboratory
Immunology,7,687−692,(2000)」を参照して、本分析方法を設計し、これらの参照文献の開示は、本分析の教示のために参照することにより本明細書に含まれる。
【0255】
工程1
hPBMCの分離
フィコール/ハイパック液(Histopaque−1077,米国Sigma社)でヘパリン化静脈血を遠心分離することにより、健康なドナーからhPBMCを得た。10%FBSを補充したRPMI1640培地中に、分離したhPBMCを懸濁し、50,000細胞/ウェルの密度で96−ウェルプレート(米国Nunc社)に接種した。細胞を37℃にて5%CO2で24時間保温した。これらの細胞を使用して、リンパ球増殖並びにサイトカイン放出の分析を行った。
【0256】
工程2
リンパ球増殖分析
異なる濃度の試験化合物(DMSO中20mMストックとして調製され、分析において次
の終濃度が得られるようにDMSOで希釈した:100、10、1、0.1、0.01、0.001、及び0.0001μM)を、工程1で得られたプレートに蒔いた細胞に処理し、30分間保温した。次に、PMA5ng/mL(米国Sigma社、RPMI中100μg/mLストックとして調製し、5ng/mLまで希釈した)及びPHA5μg/mL(米国Sigma社、RPMI中1mg/mLストックとして調製した)で、細胞を刺激した。プレートを37℃にて5%CO2で48時間保温した。1ウェル当たり0.1μCiのトリチウムチミジン(インドのBARCから入手;1mCi/mLのストックとして調製し、KRPH緩衝液中で10μCi/mLに希釈し、1ウェル当たり20μLを添加し、終濃度0.1μCi/ウェルを得た)で細胞を一晩処理し、48時間後、以下の式を使用して化合物の抗増殖効果を測定した:
【0257】
【数1】

対照は、PHA及びPMAを有する(刺激された)hPBMC、RPMIを有する(刺激されていない)hPBMC、FK506を有するhPBMC(正の対照、米国のSigma社、DMSO中20mMストックとして調製し、分析において次の終濃度が得られるようにDMSOで希釈した:100、10、1、0.1、0.01、0.001、及び0.0001μM)を含む。得られた結果は表2にまとめられる。
【0258】
【表2】

実験を実証するための標準物質として、FK506を使用した。
【0259】
工程3
サイトカイン放出分析
異なる濃度の試験化合物(DMSO中20mMストックとして調製し、分析において次の終濃度が得られるようにDMSOで希釈した:100、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0.00001、及び0.000001μM)を、工程1で得られたプレートに蒔いた細胞に処理し、30分間保温した。次に、PHA(RPMI1640培地中1mg/mLストックとして調製し、5μg/mLの最終濃度にて使用)で細胞を刺激した。標準物質として、FK506を使用した。プレートを37℃にて5%CO2で48時間保温した。ELISAキット(米国BD biosciences社)を使用して、収集した上清中のサイトカインを検出した。分析で評価したサイトカインは、TNF−α、IL−2、IL−6、及びIFN−γであった。得られた結は表3及び表4にまとめられる。
【0260】
【表3】

実験を実証するための標準物質として、FK506を使用した。
【0261】
【表4】

工程4
hPBMCからのコンカナバリン−A−誘導IFN−γ産生
フィコール・ハイパック密度勾配遠心分離(1.077g/mL;シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)社)を使用して、末梢血単核球(hPBMC)を回収した。10%FCS、100U/mLペニシリン(ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル(Sigma Chemical)社)及び100mg/mLストレプトマイシン(ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル(Sigma Chemical)社)を含有するRPMI1640培地(英国PasleyのGibco BRL社)中に、hPBMCを1×106細胞/mLで再懸濁した。試験化合物又は0.5%DMSO(担体対照)を1×105hPBMC/ウェルを37℃にて30分間前処理した。その後コンカナバリンA(ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル(Sigma Chemical)社)1μg/mLで、前処理した細胞を刺激した。37℃にて18時間インキュベーション後、上清を収集し、製造者の記載に従ってELISA(OptiEIA ELISAセット、BD BioSciences社)でヒトIFN−γの分析を行うまで−70℃にて保存した。各実験では、誘導IFN−γ産生を阻害する正の対照としてシクロスポリン(1μM)を使用した。得られた結果を表5にまとめる。
【0262】
【表5】

結論:本発明の代表的な化合物は、Th1サイトカイン、即ちIL−2、IFN−γ、及びTNF−αの産生を著しく阻止し、さらにIL−6産生を阻害した。
【0263】
実施例20
ヒト単核細胞分析
「Physiological Research,52,593−598,(2003)」を参照して本分析を設計し、本文献の開示は、分析の教示のために参照することにより本明細書に含まれる。
【0264】
本分析の目的は、本発明の化合物の媒介による単球性THP−1細胞株からのLPS−誘導サイトカインの阻害が、生理学的に関連するヒト細胞に変換されるか否かを決定することである。従って、新たに分離したヒト単核細胞からのLPS−誘導サイトカイン産生に対する本発明の化合物の効果を確認した。
【0265】
健康なドナーから末梢血を収集し、カリウムEDTAバキュテイナー・チューブ(米国BD BioSciences社)に入れた。密度勾配分離(Histopaque−1077;米国Sigma社)を使用してhPBMCを分離し、分析培地中に懸濁した。本分析培地は、10%熱失活FBS(オーストラリアJRH Biosciences社)、100U/mLペニシリン(米国Sigma社)、及び100mg/mLストレプトマイシン(米国Sigma社)を含有するRPMI培地(米国Sigma社)である。コールターカウンターを使用してhPBMCの単核細胞をカウントし、続いて分析培地1mL当たり2×105単核細胞で細胞を再懸濁した。2×104単核細胞を含有する細胞懸濁液を、96−ウェルプレート(米国Nunc社)の各ウェルに分注した。その後、hPBMCを4〜5時間37℃にて5%CO2でインキュベートした。培養中、96−ウェルプレートの底部に単核細胞が付着した。培養に続いて、非付着リンパ球を洗浄し、付着単核細胞に分析培地を加えた。37℃にて5%CO2で培養を48時間行った後、種々の濃度の試験化合物(DMSO中20mMストックとして調製;0.03、0.1、0.3、1、3、10、30、及び100μMの終濃度が得られるように試験化合物の20倍濃縮液1μLを200μL細胞懸濁液中に溶解させた)又は溶媒(0.5%DMSO)又は10μMデキサメタゾン(標準IL−6及びTNF−α阻害物質、米国Sigma社)を用いて、単核細胞を30分間37℃にて5%CO2で前処理し、1μg/mLのLPS(Escherchia coli 0111:B4,米国Sigma社)で刺激した。次に、37℃にて5時間、5%CO2で細胞を培養し、続いて上清を収集して−70℃で保存し、その後ELISA(OptiEIA ELISAセット、米国BD Biosciences社)でIL−6及びTNF−αの分析を行った。グラフパッド(Graph Pad)ソフトウエア(プリズム(Prism)3.03)を使用して、非線形回帰法によりIC50値を計算した。
【0266】
全ての実験において、試験化合物の毒性を確認するため、平行プレートを実行した。MTSテトラゾリウム塩を含有する細胞増殖分析キット(米国Promega Life Sciences社)を使用して、単核細胞の生存度を評価した。生細胞はMTSを減少させ、有色の生成物を形成する。使用したプロトコルは、製造者の使用説明書に従い、詳細は「Am J Physiol Cell Physiol.,285,C813−C
822,(2003)」に記載されている。MTS/PMS保存溶液は、2mLのMTSを100μLのPMS(米国Sigma社)と混合することによって調製された。MTSの保存溶液は、次の様にして調製した:1gmのMTSをカルシウム及びマグネシウムとともに500mLのDPBS中に溶解した。その後、0.2μMフィルター(米国Nunc社)を使用して溶液を濾過した。アリコートを−20℃で保存した。PMSの保存溶液は、次の様にして調製された:20mLのDPBS中に18.4mgのPMSをカルシウム及びマグネシウムとともに溶解した。その後、0.2μM注射器フィルター(米国ミリポア(Millipore)社)を使用して滅菌した0.2μMフィルターを使用して、溶液を濾過した。アリコートを−20℃で保存した。その後、上述のMTS/PMS溶液40μLを、2×104個の単核細胞(体積200μL中に再懸濁した)を含有する96−ウェルプレートの各ウェルに添加した。37℃にて5%CO2で5時間培養した後、マイクロウェルプレート分光光度計を使用して、各ウェル内の流体の吸光度を490nmで同定した。結果を表6にまとめている。
【0267】
【表6】

結論:本発明の代表的な化合物は、IL−6及びTNF−αのLPS−誘導産生を阻害した。
【0268】
実施例21
滑膜組織分析
新たに分離したヒト滑膜組織細胞からのサイトカインの自然産生を阻害する本発明の化合物の能力は、Lancet,29,244−247,(1989)を参照して設計され、本参照文献の開示は、分析の教示のために参照することにより本明細書に含まれる。
【0269】
滑膜組織は、膝関節置換手術を受ける関節リウマチ患者から入手した。滑膜組織を小試験片に分割し、100U/mLペニシリン−G、100μg/mLストレプトマイシン、50ng/mLアンホテリシンB(米国Gibco社)、1.33mg/mLコラゲナーゼ・タイプII(米国Worthington Biochemical Corporation)、0.5μg/mLのDNAseタイプI(米国Sigma社)、及び8.33U/mLヘパリン(インドBiological E.Limited)を含有するRPMI1640培地(オーストラリアJRH Biosciences社)において、3時間37℃にて5%CO2で消化した。消化した滑膜組織は、膜(メッシュサイズ70ミクロン;米国Sigma社)に通して濾過した。その後、細胞をRPMI1640培地で3回洗浄し、完全培地(5%FBS及び5%ヒト血清−AB+(米国Sigma社)において1×106細胞/mLの濃度で再懸濁した。トリパンブルー染料排除によって滑膜細胞の生存度を同定し、均一に≧98%であった。本実験のために、96−ウェル培養プレート(米国Nunc社)のウェルに100μLの細胞懸濁液を加えた。細胞プレーティ
ングに引き続いて、100μLの培地及び1μLの種々の濃度の試験化合物(試験化合物をDMSO中に溶解させ20mMの保存溶液を得た。分析において0.03、0.1、0.3、1、3、10、30、及び100μMの終濃度が得られるように試験化合物の20倍濃縮液1μLを200μL細胞懸濁液中に溶解した)を細胞に添加した。DMSOの終濃度を0.5%に調節した。対照として溶媒(0.5%DMSO)を使用した。プレートを16時間37℃にて5%CO2でインキュベートした。その後、上清を回収し、−70℃で保存した。OptiEIA ELISAセット(米国BD BioSciences社)を使用して、上清中のTNF−α、IL−6、及びIL−8の量を分析した。製造者の使用説明書に従ったプロトコルを使用した。GraphPadソフトウエア(プリズム(Prism)3.03)を使用して、非線形回帰法によりIC50値を計算した。
【0270】
結果:実施例7の化合物は、関節リウマチ患者から新たに分離した滑膜組織細胞からのIL−6、TNF−α、及びIL−8の自然産生を阻害した。TNF−α、IL−6、及びIL−8阻害のIC50はそれぞれ、19、0.3、及び1.3μMであった。滑膜組織細胞からのTNF−α及びIL−6の阻害についてのIC50は、ヒト単核細胞分析から得られたIC50値と同等であった。
【0271】
実施例22
hPBMC膜−単核細胞接触分析
「Immunology Letters,117,114−118、(2008)」を参照して本分析を設計し、本参照文献の開示は、分析の教示のために参照することにより本明細書に含まれる。
【0272】
炎症性サイトカイン(例えば、TNF−α、IL−6)の産生をもたらす活性化T細胞接触媒介単核細胞活性化は、関節リウマチを含む慢性炎症性疾患の発症に寄与する。本分析の目的は、本発明の化合物が、単核細胞からの抗−CD3/抗−CD28活性化hPBMC媒介TNF−α及びIL−6産生を阻害するか否かを調査することである。
【0273】
工程1
抗−CD3/抗−CD28でコートプレートの調製
6−ウェルプレート(米国Nunc社)をヤギ抗−マウスIgG、Fc(米国Chemicon社)で、コーティング緩衝液(8.4g/mL NaHCO3、3.56g Na2CO3、pH9.5)中16.5μL/mLの濃度でコーティングした。プレートを一晩4℃にて滅菌条件下でインキュベートした。24時間後、プレートを無菌PBS(カルシウム/マグネシウムは含まず)にて1回洗浄し、続いて、無菌PBS中抗−CD3(5μg/mL;米国R&D Systems社)及び抗−CD28(1μg/mL;米国R&D Systems社)カクテルを用いて3時間プレートをインキュベートした。3時間後、プレートをPBSにて1回洗浄し、hPBMC刺激に使用した。
【0274】
工程2
hPBMC膜の調製
「Immunology Letters,15,117(1):114−118,(2008)」に記載されているT−細胞膜の調製に類似の方法によって、hPBMC膜を調製した。
【0275】
末梢血は正常の健康なボランティアから収集され、hPBMCはフィコール・ハイパック密度勾配遠心分離(1.077g/mL;米国Sigma社)を使用して回収された。10%FCS(オーストラリアJRH Biosciences社)、100U/mLペニシリン(米国Sigma社)及び100mg/mLストレプトマイシン(米国Sigma社)を含有するRPMI1640培地(英国Gibco BRL社)中で、hPBMC
を3.33×106細胞/mLで再懸濁した。抗−CD3/抗−CD28でコーティングしていない、又はコーティングした、6−ウェルプレート(米国Nunc社)の各ウェルに、5×106hPBMCを添加した。その後、プレート内のhPBMCを37℃にて5%CO2で24時間インキュベートした。インキュベートに引き続いて、6−ウェルプレートの個々のウェル内のhPBMCを回収し、まとめて貯蔵し、遠心分離にかけた。その後hPBMCの抗−CD3/抗−CD28活性化を確認するサイトカイン産生の分析のために上清を収集して−70℃で保存した。ペレットhPBMCを低温PBSで2回洗浄し、トリス−HCl緩衝液[50mMのトリス−HClを含有するPBS、pH7.4;1mM EDTA;及びプロテアーゼ阻害薬カクテル(米国Roche社)]中に再懸濁した。活性化/不活性化hPBMCは、10,000〜12,000rpmで1分間均質化(Polytron PT 3100ホモジナイザー)することにより分解され、核フラクションは15分間4000xgで遠心分離することにより得られ、上清は45分間48,000xgで遠心分離にかけられた。hPBMC膜のペレットを溶解緩衝液(米国Sigma社)中に再懸濁し、Bradford(米国Sigma社)法よってタンパク質濃度を決定した。
【0276】
工程3
hPBMC膜−単核細胞接触バイオエッセイ:
5x105細胞/mLで1ウェル当たり100μLの単核細胞を96−ウェルプレート(米国Nunc社)に添加し、48時間37℃にて培養した。その後、上清を除去し、非刺激hPBMC膜、又は抗−CD3/抗−CD28刺激hPBMC膜(0.5〜1μg/mL)、又は正の対照であるLPS(LPSの保存溶液(1mg/mL)は、10%FBS、100U/mLペニシリン、及び100mg/mLストレプトマイシンを含有する完全培地のRPMI1640培地中で調製した)のいずれかで、細胞を更に培養した。LPSを完全培地で希釈し、単核細胞を含有する各ウェルにおいてLPSの終濃度が1μg/mLとなるように、LPSの20倍溶液を添加した。本発明の化合物の効果を決定するために、種々の濃度の試験化合物(DMSO中20mMストックとして調製し、分析において0.03、0.1、0.3、1、3、10、30、及び100μMの試験化合物の終濃度が得られるように、試験化合物の20倍濃縮液1μLを200μL細胞懸濁液中に溶解した)又は0.5%DMSO(溶媒対照)を用いて、単核細胞を30分間37℃にて前処理した。次に、刺激hPBMC膜を培養物に加えた。24時間後に上清を収集し、OptiEIA ELISAセット(米国BD BioSciences社)を使用してTNF−α及びIL−6産生を測定した。製造者の使用説明書に従ったプロトコルを使用した。各実験において、hPBMC細胞膜を有さない単核細胞のみの培養液からの上清、又は単核細胞を有さないhPBMC膜も、負の対照として収集した。
【0277】
結果:実施例7の化合物は、活性化hPBMC媒介IL−6産生を、0.3μMで66%、及び0.5μMで100%阻害したが、単核細胞からのTNF−α産生は阻害しなかった。
【0278】
結論:本発明の化合物7は、活性化hPBMC媒介IL−6産生を阻害した。
実施例23
p38MAPK分析
p38MAPK阻害物質は臨床試験において肝毒性を示したので、p38MAPKの非阻害物質を選択するため分析を実施した。「Journal of Lipid Research,40,1911−1919,(1999)」を参照して、p38MAPKの阻害物質を特定する方法を設計し、本参照文献の開示は、分析の教示のために参照することにより本明細書中に含まれる。
【0279】
ヒトジャーカットT細胞(ATCC番号:TIB−152,クローンE6−1,USA
)を培地(10%FBS、100U/mLペニシリン、及び100μg/mLストレプトマイシンを補充したRPMI1640培地)中で、37℃にて5%CO2で培養した。2〜3日ごとに、及び必ず実験前日に、培地を変えた。実験当日、ジャーカット細胞を溶媒又は試験化合物を用いて、ヒト単核細胞分析におけるIL−6阻害のためのIC50値の10倍である3μMで、1時間37℃にて前処理した。その後、アニソマイシン(10μg/mL;米国Sigma社)を用いて30分間細胞を刺激し、SB203580(1μM;米国Sigma社)を標準物質として使用した。試験化合物、アニソマイシン、及びSB203580の試料調製は、次の通りである:試験化合物の保存溶液(20mM)をDMSOで調製した。その後の全ての化合物の希釈は、DMSOを使用して実施した。ウェル内で所望の終濃度が得られるように、適切な濃度の化合物1μLを細胞懸濁液に添加した。
【0280】
刺激に引き続き、細胞を回収し、氷冷PBSで迅速に洗浄し、完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(米国Roche社)及びオルトバナジン酸ナトリウム(米国Sigma社)を補充した低温細胞溶解緩衝液(米国Sigma社)で溶解した。15,000rpmで4℃にて20分間遠心分離を行った後、タンパク質抽出物を得た。クマシープラスタンパク質分析試薬(Coomassie Plus Protein Assay Reagent)(米国Pierce社)を使用して、製造者の使用説明書に従って、得られた抽出物の一定分量において、タンパク質含有量を分析した。全ての実験において、等量のタンパク質(10μg)をSDS/12.5%−ポリアクリルアミド電気泳動ゲル上に載せ、150Vで2時間、緩衝溶液(24.9mMトリス塩基、250mMグリシン、0.1%SDS)中で分解した。電気泳動後、タンパク質は、25Vで45分間、転写緩衝液(47.9mMトリス塩基、38.6mMグリシン、0.037%SDS、20%メタノール;pH9.2〜9.4)中で、ゲルからニトロセルロース膜(米国Sigma社)に転写された。5%脱脂ドライミルク(米国Santa Cruz Biotechnology社)を含有するTBS(20mMトリス塩基、0.9%NaCl;pH7.4)中で、1時間15分室温にてブロットをブロッキングし、TBS(米国Sigma社のトリスを使用して調製されたTBS)中スーパーブロックブロッキング緩衝液中で、4℃にて一晩ゆっくりと揺動しながら調製された一次抗体を用いてインキュベートした。一次抗体は、燐光体−p38MAPK(米国Calbiochem社)及びβ−アクチン(米国Sigma社)に対する抗体を含んだ。インキュベートに引き続いて、膜を洗浄し、次にHRP−共役二次抗体(米国Calbiochem社)でプローブした。化学発光ペルオキシダーゼ基質(米国Sigma社)及びコダックイメージングステーション(Kodak Imaging station)を使用して、バンドを可視化した。ストリッピング(stripping)緩衝液(50mMトリス−HCl pH6.8、1%SDS、及び100mMβ−メルカプトエタノール)を用いて、20分間50℃にてブロットを取り除き、洗浄を行い、ローディングコントロールとしてハウスキーピングタンパク質β−アクチンに対する一次抗体で再プローブした。
【0281】
結果:実施例7の化合物は、p38 MAPキナーゼを阻害しなかった。
結論:本発明の代表的な化合物は、p38 MAPキナーゼを阻害しなかった。
実施例24
RTQ−PCRを使用した遺伝子発現プロファイル
単球性細胞株(THP−1)から刺激された未処理の細胞、ヒト単核細胞、及び関節リウマチ患者からの滑膜細胞における、実施例7の化合物の効果を測定した。THP−1細胞株における化合物の効果は、遺伝子発現を基準にして測定し、薬物処理を施していない細胞刺激対照と比較した倍率変化として表した。
【0282】
実施例7の化合物又は溶媒(0.5%DMSO)を用いて、THP−1細胞、ヒト単核細胞、及び滑膜細胞を処理した。市販のRNA抽出キット(ドイツQiagen Cor
poration)を使用して全RNA単離を行った。Invitrogen Corporation(米国カリフォルニア州)製の第1鎖cDNA合成キットを使用して、全RNAから第1鎖cDNAを合成した。その後、遺伝子特異的プライマーを使用したリアルタイムの定量ポリメラーゼ連鎖反応(RTQ PCR)、及び95℃5分間の初期変性、及び95℃10秒を40サイクル、続いて60℃30秒間の標準的熱プログラムを行った(ドイツEppendorf社製リアルプレックス(Realplex)PCR機器)。PCRサイクル中に行った生成物の定量的測定値をハウスキーピング遺伝子(Actin)に対して正規化し、これを使用して、それぞれの対照と比較した倍率変化としての遺伝子発現を測定した。結果を表7A及び表7Bにまとめている。
【0283】
【表7A】

【0284】
【表7B】

結論:
遺伝子CEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycは、実施例7の化合物を用いた処置に反応して下方制御を示した。
【0285】
In Vivo研究
実験にて使用される動物は、CPCSEA(Committee for the Purpose of Control and Supervision of Experiments on Animals)(インドTamil Nadu)が発行した有効な指針に従って飼育された。実験用動物を使用する手順は、ピラマル・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド(Piramal Life Sciences Limited)(インドのムンバイGoregaon)のIAEC(実験用動物倫理委員会(Institutional Animal Ethics Committee))によって承認された。
【0286】
実施例25
急性大腸炎のDSS誘導マウスモデル
「Laboratory Investigation,80,1541,(2000)」、及び「Faseb Journal,19:792,(2005)」を参照して分析を設計し、これらの参照文献の開示は、分析の教示のために参照することにより本明細書中に含まれる。
【0287】
工程1
大腸炎の誘導:
体重20〜24g、生後8〜10週の、屋内で飼育した正常なメスC57BLマウスを使用した。動物は、個別に換気されたケージに、1ケージ当たり3匹ずつ、全実験期間にわたって入れられた。
【0288】
飲用水を3%(w/v)DSS(分子量36,000〜50,000、米国MP Biomedicals Inc.)溶液と置き換えることにより、マウスにおける実験的大腸炎を誘導した。DSS溶液は、隔日に新たに水で調製され、実験用動物は0日目〜10日目に随時摂取することができた。6匹の非実験用動物群は上記期間中DSSの代わりに水が与えられた。
【0289】
工程2
処置:
毎日動物の体重を計り、体重の記録を保持した。試験化合物の懸濁液は、化合物を湿潤させるために最低限必要な量のTween80と混合した後、0.5%(w/v)CMC中で0.05mg/mLの濃度で調製され、1日1回10mL/kg(投与量=0.5mg/kg)の体積で動物に経口投与された。この処置は6日目に開始され、10日目まで継続された。この期間中、DSS対照動物及び非実験用動物には、(100μLのTween80と同一比率で混合された)CMCが10mL/kgの投与量で1日1回与えられた。
【0290】
工程3
ターミナルサクリファイス:
11日目に、動物を殺し、ヘパリン化チューブに血液を収集し、以下のパラメーターを調査した;
1.直腸の出血/糞便中の血液
2.糞便の粘度
3.結腸中の出血
4.結腸の重さ
5.結腸の長さ
6.0日目から11日目までの体重の変化
7.血中ヘモグロビン濃度
データを定量化可能なパラメーター、記述的パラメーター、及び実際のスコアとして次表(表8、表9、及び表10)に示す。記述的パラメーターは、DAIで表される。DAIは、大腸炎の動物の症状を数値化するために使用される研究用ツールである。DAIは、処置の反応又は病気の寛解を同定するために用いられる。処置の反応又は病気の寛解の同定を達成するため、各種因子が研究される。各種要因の幾つかは定量化可能であり(例えば、実験期間中の体重変化、結腸長さ、血中ヘモグロビン濃度)、従って、処置の有益な効果を評価するために直接使用することができる。その他の因子は単に記述的であり(例えば結腸中血液、直腸出血、糞便粘度)、病気の重症度に従ってスコアがつけられる。DAIは、全ての要因のスコアの合計である。
【0291】
結果を表8、9、及び10にまとめる。
【0292】
【表8】

【0293】
【表9】

【0294】
【表10】

結論:実施例7の化合物は、DSS誘導大腸炎を有する実験用動物(マウス)に0.5mg/kgの投与量で経口投与した場合、大腸炎の重症度を軽減する。
【0295】
工程4
組織病理学
化合物治療(実施例7の化合物、0.5mg/kg、p.O.、b.i.d)の最終日に、動物を人道的に安楽死させ、血液試料を収集し、結腸を摘出した。結腸の前側部分を通常の生理食塩水で洗浄し、糞便物質を除去し、次に10%NBF(中性緩衝ホルマリン)中に固定した。固定してから10日後に、結腸試料を整え、自動組織処理装置を使用して一晩処理した。翌日、試料をパラフィンでブロックし、一晩−18℃にて低温衝撃にさらした。結腸内腔の断面から切片(5μ)を作成し、所定のヘマトキシリン(Hematoxyllin)(米国Sigma社)&エオシン(インドLoba Chemie社)を用いて染色し、恒久的にマウントした。スライドを24時間乾燥させ、次に組織学的に等級化した。得られた結果は組織的スコアとして表された。炎症細胞、びらん、陰窩破壊、浮腫の存在のような種々のパラメーターに基づいて組織学的分析を行い、全体的な構築的変化を0〜3のスコアで等級化した。この場合、0は存在しないことに相当し、1は結腸内腔周囲の25%の変化に相当し、2は50%以下に相当し、3は結腸周囲の50%超が影響を受けたことに相当する。全てのスコアを合計し、各切片の合計組織学的スコアを得た。2つのランダム切片を等級化し、平均を計算した。
【0296】
結果:各グループの平均組織学的スコアは、DSS対照で7.50+0.96、及び実施例7の化合物で処置されたマウスで5.33+0.99であった。
結論:本発明の化合物7は、DSS誘導大腸炎のC57BLオスマウスに投与した場合、組織学的損傷を保護する。
【0297】
実施例26
マウスにおけるコラーゲン誘導関節炎
「J.Experimental Medicine,162,637−646(1985)」を参照して本実験を設計し、本参照文献の開示は、本実験の教示のために参照することにより明細書中に含まれる。
【0298】
生後8〜10週の体重18〜22gのオスDBA/1Jマウスに、フロイント完全アジュバント(米国Sigma社)中タイプIIコラーゲン(米国Elastin products社)200μgと同等のエマルジョンを尾部の付け根に皮内注射し、免疫性を与えた。動物は21日目に、フロイント完全アジュバント(米国Sigma社)で乳化した新たに調製されたタイプIIコラーゲン・エマルジョン200μgで追加免疫を行った。非実験用マウスグループも横に並べて維持された。非実験用動物とは、関節炎の誘導に対する免疫性を与えられず、またいかなる処置も受けていない動物である。このグループは、年齢とともに足の厚さにおいて正常変化に注意しながら維持される。
【0299】
23日目から、関節指数及び足の厚さをパラメーターとして使用し、関節リウマチの兆候についてマウスを1日1回調査した。以下の基準を採用して関節指数スコアリングを行った:
前肢:スケール0〜3
0:発赤又は腫れはない
1:発赤はあるが、腫れはない
2:発赤及び足の腫れがある
3:発赤及び足の重度の腫れがある
後脚:スケール0〜4
0:発赤又は腫れはない
1:発赤及び足の軽度の腫れがある
2:発赤及び足の中度の腫れ、及び/又は少なくとも1つの指の腫れがある
3:発赤及び足の中度/重度の腫れ、足首関節の腫れ、及び/又は1つ以上の指の腫れがある
4:発赤及び足、指、足首関節の重度の腫れがあり、関節硬直を伴う
最低後足スコアが2のマウスは、それが1つの足であっても、研究の対象となった。
【0300】
マウスを種々の研究グループにランダムに分けた。各グループは少なくとも8匹の動物を有し、マウスには溶媒(0.5%CMC、10mL/kg p.o.及びs.c.1日2回)、試験化合物(5mg/kg、p.o.及びs.c.、1日2回)、及び標準成分エンブレル(Enbrel)(英国Wyeth Limited)(3mg/kg、s.c.、1日1回)を投与した。試験化合物は、CMC中懸濁液として投与された。化合物の必要量は正確に計量し、乳鉢を使用して手で粉砕した。化合物を湿潤させるために最低限必要な量のTween80と混合した後、0.5%CMC溶液の必要量を添加し、得られた化合物をCMCとともに、均一の懸濁液が得られるまで粉砕した。標準成分「エンブレル(Enbrel)」は水溶液として使用した。12日間連続して化合物の投薬を行った。
【0301】
以下のパラメーターを毎日観察し記録した。
1.体重
2.関節指数
3.後脚のみの足の厚さ(mm)、無張力ノギスを使用
4.動物の体調に関する任意の有意な観察。
【0302】
13日目の朝、化合物処置の1時間後、動物を殺し、血液を回収し、薬物レベル分析のために血漿を収集した。また、病理組織学的評価のために全ての動物の後脚を保存した。
結果:実施例7の化合物は、投与量5.0mg/kgでCMC懸濁液として1日2回コラーゲン誘導関節炎を有するマウスに12日間連続して皮下投与すると、関節炎の重症度が軽減した。上記の効果は、エンブレル(Enbrel)処置(3mg/kg、s.c.、1日1回)で得られた効果に等しい。
【0303】
組織病理学:実施例7の化合物(5mg/kg、s.c.、n=10)で処置されたマウスの足の切片の化合物の組織学的スコアは3.6+1.54であり、エンブレル(Enbrel)(3mg/kg、s.c.、n=6)処置マウスのスコアは5.8+0.95であり、溶媒対照(n=7)のスコアは15.14+1.0であった。
【0304】
観察結果:溶媒対照グループの動物は、滑膜の重度の過形成及びパンヌス形成を伴う関節構造の完全破壊を示した。実施例7の化合物で処置された動物は、滑膜の過形成は生じず、関節炎の変化に対して保護を示した。
【0305】
実施例27
関節炎のマウスにおける試験化合物の評価:浸透圧ポンプによる投与
実施例26で記載した、コラーゲンエマルジョンの注射により関節炎を発症したDBA/1Jマウスで実験を行った。
【0306】
動物は、対照グループと試験化合物治療グループの、それぞれ6匹の動物を有する2つのグループに分けられた。100%ジメチルスルホキシド(DMSO)で試験化合物の透明溶液を調製し、次に適切な量のエタノール及びポリエチレングリコール400(PEG
400)を添加することにより、DMSO濃度を25%まで下げた。従って、最終溶液中の各溶媒の比率v/vは25:15:60::DMSO:EtOH:PEG−400となった。この調製方法により、40mg/mLの終濃度を有する化合物の完全透明溶液を得た。得られた溶液を0.2μフィルターに通して濾過し、浸透圧ポンプ(Alzet微小浸透圧ポンプモデル1002)に充填した。このポンプモデルの送出量は、毎時0.25μLであり、14日間連続機能する。
【0307】
次に、試験化合物治療グループの動物に上記で得られたポンプを皮下に移植した(240μg/マウス/24時間)。対照グループの動物において、ブランク溶媒を充填したポンプを皮下に移植した。その後、1日1回、対照グループの動物の足の厚さ測定に加えて、足の関節炎指数のスコアを付けた。14日後、ポンプを新たに充填したポンプと置き換え、さらに12日間実験を続けた(合計26日)。
【0308】
結果:本発明の化合物7は、関節炎の動物に浸透圧ポンプを用いて皮下に投与される場合、対照グループの動物と比較して関節炎スコア及び足の厚さを低減することにより、関節炎の重症度を軽減する。
【0309】
結論:本発明の化合物7は、皮下に投与される場合、関節炎の重症度を軽減するのに効果的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性疾患の治療に使用するための式(1)の化合物、
【化1】

であって、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−O(CO)R13、−SR14、及び−NR1415から選択され、
2は、水素であり、又は
任意にR1は存在せず、R2は=Oであり、
3は、アルキルであり
4は、以下の式から選択され、
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

*は、付着点を示す)
5は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
6は、水素、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから選択され、
7は、水素、アルキル、及び−(CO)R16から選択され、
8は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
9は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、−O−ヘテロシクリル、−OCH2COOR17、及び−OCH2COR18から選択され、
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
11は、水素、及びハロゲンから選択され、
12は、水素、ハロゲン、及びヒドロキシから選択され、
13は、アルキル、及びアリールから選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、
16は、アルキル、及びアリールから選択され、
17は、水素、及びアルキルから選択され、
18は、アルキル、−NHCH220、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
19は、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、及び
20は、水素、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換されたもの、
又は、上記化合物の立体異性体、互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
炎症性疾患の治療に使用するための、請求項1に記載の式(1)の化合物、
【化10】

であって、式中、
1は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−O(CO)R13、−SR14、及び−NR1415から選択され、
2は、水素であり、
3は、アルキルであり
4は、以下の式から選択され、
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

*は、付着点を示す)
5は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
6は、水素、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから選択され、
7は、水素、アルキル、及び−(CO)R16から選択され、
8は、ヒドロキシ、及びアルコキシから選択され、
9は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、−O−ヘテロシクリル、−OCH2COOR17、及び−OCH2COR18から選択され、
10は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−SR14、−NR1415、及び−O(CO)R19から選択され、
11は、水素、及びハロゲンから選択され、
12は、水素、ハロゲン、及びヒドロキシから選択され、
13は、アルキル、及びアリールから選択され、
14は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
15は、水素、及びアルキルから選択され、
16は、アルキル、及びアリールから選択され、
17は、水素、及びアルキルから選択され、
18は、アルキル、−NHCH220、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
19は、アルキル、アラルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、及び
20は、水素、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルから選択され、
式中、アルキルは、非置換、又はヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アルコキシは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びヒドロキシアルキルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
アリールは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換され、
ヘテロシクリルは、非置換、又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリール、及びヘテロシクリルから選択される1種又は2種の同一のもしくは異なる基によって置換されたもの、
又は、上記化合物の立体異性体、互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の炎症性疾患の治療に使用するための化合物であって、前記式(1)の化合物は、
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

から選択されたもの、
又は、上記化合物の立体異性体、互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の炎症性疾患の治療に使用するための化合物であって、前記式(1)の化合物は、
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

から選択されたもの、
又は、上記化合物の立体異性体、互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の炎症性疾患の治療に使用するための化合物であって、前記式(1)の化合物は、
【化37】

であるもの、
又は、上記化合物の立体異性体、互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の炎症性疾患の治療に使用するための化合物であって、前記炎症性疾患は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、及びインターロイキン(IL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8)から選択される1つ以上の炎症性サイトカインによって媒介される化合物。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の炎症性疾患の治療に使用するための化合物であって、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)によって媒介される前記炎症性疾患は、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、敗血症性ショック、内毒素性ショック、アテローム性動脈硬化症、虚血−再潅流傷害、冠状動脈性心疾患、血管炎、アミロイド症、多発性硬化症、敗血症、慢性の再発性ぶどう膜炎、C型肝炎ウイルス感染症、マラリア、潰瘍性大腸炎、悪液質、乾癬、形質細胞腫、子宮内膜症、ベーチェット病、ウェゲナー肉芽腫症、髄膜炎、AIDS、HIV感染症、自己免疫疾患、免疫不全症、分類不能型免疫不全(CVID)、慢性移植片対宿主病、外傷及び移植拒絶反応、成人呼吸窮迫症候群、肺線維症、再発性卵巣癌、リンパ増殖性疾患、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、糖尿病、若年性糖尿病、強直性脊椎炎、皮膚遅延型過敏症疾患、アルツハイマー病、全身性エリテマトーデス、及びアレルギー性喘息からなる群
から選択される化合物。
【請求項8】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の炎症性疾患の治療に使用するための化合物であって、インターロイキン(IL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8)によって媒介される前記炎症性疾患は、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患からなる群から選択される化合物。
【請求項9】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の炎症性疾患の治療に使用するための化合物であって、前記インターフェロン−γ(IFN−γ)によって媒介される炎症性疾患は、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患からなる群から選択される化合物。
【請求項10】
請求項6〜請求項9のいずれか一項に記載の使用であって、前記炎症性疾患は、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、潰瘍性大腸炎、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、乾癬、分類不能型免疫不全(CVID)、皮膚遅延型過敏症疾患、及びアルツハイマー病からなる群から選択される使用。
【請求項11】
請求項6〜請求項10のいずれか一項に記載の使用であって、前記炎症性疾患は、関節リウマチである使用。
【請求項12】
請求項6、請求項7、又は請求項10のいずれか一項に記載の使用であって、前記炎症性疾患は、潰瘍性大腸炎である使用。
【請求項13】
腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための方法であって、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の式(1)の化合物の治療有効量を、該治療を必要とする被験者に投与することを含む方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)によって媒介される前記炎症性疾患は、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、敗血症性ショック、内毒素性ショック、アテローム性動脈硬化症、虚血−再潅流傷害、冠状動脈性心疾患、血管炎、アミロイド症、多発性硬化症、敗血症、慢性の再発性ぶどう膜炎、C型肝炎ウイルス感染症、マラリア、潰瘍性大腸炎、悪液質、乾癬、形質細胞腫、子宮内膜症、ベーチェット病、ウェゲナー肉芽腫症、髄膜炎、AIDS、HIV感染症、自己免疫疾患、免疫不全症、分類不能型免疫不全(CVID)、慢性移植片対宿主病、外傷及び移植拒絶反応、成人呼吸窮迫症候群、肺線維症、再発性卵巣癌、リンパ増殖性疾患、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、糖尿病、若年性糖尿病、強直性脊椎炎、皮膚遅延型過敏症疾患、アルツハイマー病、全身性エリテマトーデス、及びアレルギー性喘息からなる群から選択される方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、インターロイキン(IL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8)によって媒介される前記炎症性疾患は、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患からなる群から選択される方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、前記インターフェロン−γ(IFN−γ)によって媒介される炎症性疾患は、関節リウマチ、変形性関節症、及びその他の自己免疫疾患からなる群から選択される方法。
【請求項17】
請求項13〜請求項16のいずれか一項に記載の方法であって、前記炎症性疾患は、炎症性腸疾患、炎症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、難治性関節リウマチ、慢性非関節リウマチ、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、潰瘍性大腸炎、難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、乾癬、分類不能型免疫不全(CVID)、皮膚遅延型過敏症疾患、及びアルツハイマー病から選択される方法。
【請求項18】
請求項13〜請求項17のいずれか一項に記載の方法であって、前記炎症性疾患は、関節リウマチである方法。
【請求項19】
請求項13、請求項14、又は請求項17のいずれか一項に記載の方法であって、前記炎症性疾患は、潰瘍性大腸炎である方法。
【請求項20】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の式(1)の化合物の使用であって、
腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療のための薬剤を製造するための使用。
【請求項21】
腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、並びにIL−1β、IL−2、IL−6、及びIL−8などのインターロイキンから選択される1つ以上のサイトカインによって媒介される炎症性疾患の治療に使用するための医薬組成物であって、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の一種以上の式(1)の化合物又はこれらの立体異性体、互変異性体、もしくは薬理学的に許容される塩もしくは薬理学的に許容される溶媒和物の治療有効量、及び薬理学的に許容される担体又は希釈剤、を含む医薬組成物。
【請求項22】
式(I)の化合物で治療された炎症性疾患患者の薬物反応を監視するための方法であって、前記治療された患者からの試験用試料中のCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1以上の遺伝子の発現を同定すること、及び、これを、前記式(I)の化合物で治療する前に前記患者から入手した試料中の前記遺伝子と同一のCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycの1つ以上の発現と比較すること、を含む方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、治療後のCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1つ以上の遺伝子の発現の変化は、薬物反応を示す方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、治療後のCEBPα、CEBPβ、CEBPδ、IL−1β、IL−6、GBP−1、MMP13、MyD88、BCL2、及びcMycから選択される1つ以上の遺伝子の発現は、下方制御される方法。
【請求項25】
請求項22に記載の方法であって、前記式(1)の化合物は、
【化38】

であるもの、
又は、その立体異性体、互変異性体、薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法であって、前記炎症性疾患は、CREB経路によって媒介される方法。

【公表番号】特表2013−510900(P2013−510900A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539451(P2012−539451)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055162
【国際公開番号】WO2011/061667
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(502435661)ピラマル・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド (15)
【Fターム(参考)】