説明

無人搬送車

【課題】光軸調整を容易に行うこと。
【解決手段】複数の反射部17a〜17eを左右方向に段状に配置してなる検査用の反射板17に対して発光させる。そして、反射光を受光することにより、何れの反射部17a〜17eからの反射光であるかを特定する。そして、その結果を、発光部の光軸を調整するための指標となる光軸調整情報として表示部16aに表示させる。表示部16aには、反射した反射部17a〜17eに対応するシンボルHa〜Heが点灯した状態で表示されるので、その表示内容から光軸調整の有無及び調整量を認識できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進行方向前方における障害物の有無を検知する障害物検知手段を備えた無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
無人搬送車は、例えば、埠頭内において、船から降ろされた大型のコンテナを所望の位置に搬送する手段として利用されている。そして、無人搬送車には、進行方向前方における障害物の有無を検知するための障害物検知手段が設けられている。この障害物検知手段は、レーザ光を発する発光部と、障害物に当たって反射した反射光を受光する受光部とから構成されている。この種の障害物検知手段は、正確な検知を行うために発光部の光軸を調整する必要がある。障害物検知手段の光軸調整方法としては、例えば、特許文献1で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−196720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、障害物検知手段は、前方の障害物の有無を検知する構成であるから、その検知結果として、例えば、モニター画面上に「ON(有)」又は「OFF(無)」を表示させている。このため、作業者は、上記の検知結果から、光軸が障害物に当たっているか否かの判別はできるが、前方に障害物が存在しているにも拘わらず、当たっていないとの結果がなされた場合、光軸が何れの方向に、かつどの程度ずれているか判別できなかった。このため、光軸調整は、作業者の感覚によって行うことになり、調整に時間が必要であった。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、障害物検知手段を構成する発光部の光軸調整を容易に行うことができる無人搬送車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、進行方向前方における障害物の有無を検知する障害物検知手段を備え、予め定めた走行経路に沿った無人走行中に、前記障害物検知手段によって前記障害物が検知された場合には車両の走行に制限を加える無人搬送車において、前記障害物検知手段には、進行方向前方に発光する発光部と前記障害物に当たって反射した反射光を受光する受光部を含み、前記発光部の光軸を調整するための指標となる光軸調整情報を表示装置に表示させる表示制御手段を備えたことを要旨とする。
【0007】
これによれば、光軸を調整するための指標となる光軸調整情報が表示装置に表示されることから、その表示内容をもとに光軸調整の必要性や調整する場合の調整量を把握できる。したがって、障害物検知手段を構成する発光部の光軸調整を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、障害物検知手段を構成する発光部の光軸調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は無人搬送車の側面図、(b)は無人搬送車の正面図。
【図2】無人搬送車の制御構成を示す模式図。
【図3】光軸検査に用いる反射板の正面図。
【図4】表示装置の表示内容を示す模式図。
【図5】(a)〜(c)は、光軸検査の結果と表示装置の表示内容を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、無人搬送車10の車体10aの上部には、荷Wを積載する荷台11が設けられている。また、車体10aの前後には、施設内に敷設された走行経路Lに沿って走行する際に、進行方向前方の障害物を検知する障害物検知手段としての前センサユニット13と後センサユニット14が設けられている。
【0011】
前センサユニット13は、検出用光を発光するとともに反射光を受光するセンサ部13A(図2に示す)と、前センサユニット13の位置調整を行う調整機構13B(図2に示す)と、からなる。センサ部13Aは、検出用光としてのレーザ光を発光する発光部13Aaと、障害物に当たって反射した反射光を受光する受光部13Abと、を有する。また、調整機構13Bは、発光部13Aaの光軸を調整するための機構とされているとともに、本実施形態では光軸の上下方向の位置を調整可能に構成されている。
【0012】
後センサユニット14は、前センサユニット13と同一構成とされている。すなわち、後センサユニット14は、検出用光を発光するとともに反射光を受光するセンサ部14A(図2に示す)と、後センサユニット14の位置調整を行う調整機構14B(図2に示す)と、からなる。センサ部14Aは、検出用光としてのレーザ光を発光する発光部(図示しない)と、障害物に当たって反射した反射光を受光する受光部(図示しない)と、を有する。また、調整機構14Bは、発光部の光軸を調整するための機構とされているとともに、本実施形態では光軸の上下方向の位置を調整可能に構成されている。
【0013】
本実施形態の無人搬送車10は、例えば、埠頭内において船から降ろされたコンテナを搬送する車両として利用される。そして、荷台11には、荷Wとして、鉄道やトラックなどの貨物輸送に用いる大型のコンテナが積載される。つまり、本実施形態の無人搬送車10は、工場内で利用される無人搬送車に比して全長及び全幅が大きく設計された大型の無人搬送車とされている。そして、無人搬送車10は、所定の誘導方式により、走行経路L上を、所定の車速で走行するように制御される。
【0014】
本実施形態の無人搬送車10を走行させる施設内には、無人搬送車10の走行経路Lとともに、コンテナを搬送する車両(トラック)の走行レーンが区画形成されている。そして、無人搬送車10の走行経路Lと車両の走行レーンの交差区域には、車両が交差区域を通行中に無人搬送車10の通行を遮断する遮断機が配設されている。このため、本実施形態の無人搬送車10の各センサ部13A,14Aは、主に、遮断機の動作状態(開閉状態)を検知する手段として用いられるようになっており、遮断機に設けた検知対象物(反射板)を検知する。検知対象物は、遮断機の閉動作(無人搬送車10の通行を禁止する際の動作)時に、無人搬送車10のセンサ部13A(又はセンサ部14A)からの検出用光が当たるように設けられている。そして、無人搬送車10は、遮断機の検知対象物を検知することにより、通行が遮断されていることを判断するとともに、所望の位置で停止するように制御される(走行の制限)。なお、無人搬送車10は、遮断機の検知対象物を検知しない場合、交差区域への通行が許可されていることから、交差区域を通過するように走行が制御される。
【0015】
図2は、無人搬送車10の制御構成を示す。
無人搬送車10には、車両の走行を含む各種制御を実行する制御装置15が搭載されている。制御装置15は、各種の演算処理を行う演算部15aと、走行ルートの情報や演算用の各種情報を記憶する記憶部15bを有する。また、制御装置15には、前センサユニット13のセンサ部13A(発光部13Aa及び受光部13Ab)と、後センサユニット14のセンサ部14A(発光部及び受光部)が接続されている。また、制御装置15には、制御装置15に対して操作ユニット(表示装置)16を外部から有線接続するためのコネクタ(図示しない)が設けられている。操作ユニット16には、タッチパネル式の表示部16aが設けられている。そして、無人搬送車10は、制御装置15に操作ユニット16を接続することにより、操作ユニット16からの指示によって手動運転可能とされている。
【0016】
以下、本実施形態の無人搬送車10における光軸検査手順を説明する。
以下の説明では、前センサユニット13のセンサ部13Aを構成する発光部13Aaの光軸検査手順を例に挙げて説明する。なお、後センサユニット14のセンサ部14Aを構成する発光部の光軸検査手順は、発光部13Aaの光軸検査手順と同じである。
【0017】
停車させた無人搬送車10の前方(検査対象とするセンサ部13Aの前方)に、検査用の検知対象物となる反射板17を設置する。反射板17は、無人搬送車10に対して数十メートル(例えば、50メートル)前方に設置する。そして、発光部13Aaから検出用光を発光させるとともに、反射板17からの反射光を受光部13Abに受光させることにより、光軸検査を行う。
【0018】
図3は、本実施形態の光軸検査で使用する検査用の反射板17を示す。
反射板17は、複数(本実施形態では5つ)の正面視長方形をなす板状の反射部17a,17b,17c,17d,17eを、正面視左右方向に沿って段状(右上がり)に配置した構成とされている。各反射部17a〜17eは、同一の大きさで形成されているとともに、発光部13Aaから発光される検出用光に対して同一の反射面積を有する。また、各反射部17a〜17eは、高さXに設定されているとともに、高さX間隔で左右方向に位置をずらして接続されている。そして、各反射部17a〜17eは、その高さX分が、発光部13Aaから発光される検出用光の上下方向の反射範囲に設定されている。各反射部17a〜17eに設定される高さXは、発光部13Aaから発光される検出用光による検知幅に応じて設定されている。なお、反射板17の左右方向は、幅Yに設定されている。
【0019】
本実施形態では、発光部13Aaから発光される検出用光が、反射部17cに当たる位置を、正規の光軸位置としている。このため、反射板17は、反射部17cを中央に配置するとともに、反射部17cの上下に各2つの反射部(下側:反射部17a,17b、上側:反射部17d,17e)を配置した構成となっている。すなわち、反射板17は、反射部17cの中心Cを基準とした対称構造となっている。なお、本実施形態の反射板17は、反射部17cの設置高さ位置が、無人搬送車10の走行時(稼働時)の検知対象物の位置に整合するように設置される。
【0020】
上記のように構成するとともに設置した反射板17を用いた場合、発光部13Aaから発光される検出用光は、通常、反射部17cに当り、その反射部17cから反射した反射光を受光部13Abが受光することになる。しかし、発光部13Aaの光軸に位置ずれが生じている場合、検出用光は、反射部17cを除く他の反射部に当り、その反射部から反射した反射光を受光部13Abが受光することになる。具体的に言えば、光軸が上方向に位置ずれしている場合、検出用光は、反射部17d又は反射部17eの何れかに当り、その反射光を受光部13Abが受光することになる。一方、光軸が下方向に位置ずれしている場合、検出用光は、反射部17a又は反射部17bの何れかに当り、その反射光を受光部13Abが受光することになる。なお、本実施形態の反射板17は、各反射部17a〜17eを左右方向に沿って段状に配置している。このため、検出用光は、各反射部17a〜17eのうち、何れか1つの反射部に当たることになる。また、検出用光が何れの反射部17a〜17eにも当たらなかった場合(受光部13Abが何れの反射部17a〜17eからも反射光を受光しなかった場合)は、光軸のずれ量が極めて大きい状態となっている。
【0021】
光軸検査手順の説明に戻ると、制御装置15は、センサ部13Aの受光部13Abから、反射板17に当たって反射した反射光の受光結果を受け取る。そして、制御装置15は、受け取った受光結果から検出用光が当たった位置(反射部17a〜17eの何れかの位置)を特定するとともに、その特定結果を光軸検査の結果として操作ユニット16の表示部16aに表示させる。本実施形態では、光軸検査の結果が、光軸を調整するための指標となる光軸調整情報となる。また、本実施形態では、制御装置15(演算部15aと記憶部15b)が、表示制御手段となる。
【0022】
図4は、表示部16aに表示される光軸検査の結果を記した検査結果画面Gを示す。
検査結果画面Gには、反射板17の各反射部17a〜17eに対応するシンボルHa,Hb,Hc,Hd,Heが表示される。シンボルHaは反射部17aに対応するとともに、シンボルHbは反射部17bに対応し、さらにシンボルHcは反射部17cに対応する。また、シンボルHdは反射部17dに対応するとともに、シンボルHeは反射部17eに対応する。各シンボルHa〜Heは、反射板17の反射部17a〜17eの配置と同様に、左右方向に沿って段状に配置されている。
【0023】
また、各シンボルHa〜Heは、光軸の調整方向を直感的(視覚的)に把握し得る形状とされている。具体的に言えば、正規の光軸位置に設置される反射部17cに対応するシンボルHcは「+(プラス)」形状とされている。一方、反射部17cに対して下側に設置される反射部17a,17bに対応するシンボルHa,Hbは、「上向き矢印」形状とされている。すなわち、シンボルHa,Hbは、光軸が下方向にずれていることに伴って、調整方向が上方向であることを示す形状とされている。また、反射部17cに対して上側に設置される反射部17d,17eに対応するシンボルHd,Heは、「下向き矢印」形状とされている。すなわち、シンボルHd,Heは、光軸が上方向にずれていることに伴って、調整方向が下方向であることを示す形状とされている。
【0024】
図5(a)〜(c)は、制御装置15の制御により、光軸検査の結果が、操作ユニット16の表示部16aに表示されている様子を示す。なお、本実施形態において発光部13Aaから発光される検出用光の左右方向の幅は、図5(a)〜(c)に示すように、反射板17の左右方向の幅Y以上の広がりをもっている。図5(a)〜(c)では、検出用光に「Z」の符号を付すとともに、右下がり斜線を付している。
【0025】
図5(a)に示すように、光軸検査の結果、検出用光の光軸が反射板17の反射部17cに当たっている場合、表示部16aには、反射部17cに対応するシンボルHcが点灯した状態で表示される。なお、他のシンボルHa,Hb,Hd,Heは、非点灯の状態で表示される。これにより、作業者は、検出用光の光軸が、正規の光軸位置に設定されていることを認識するとともに、光軸の調整が必要ないことを判断する。
【0026】
また、図5(b)に示すように、光軸検査の結果、検出用光の光軸が反射板17の反射部17eに当たっている場合、表示部16aには、反射部17eに対応するシンボルHeが点灯した状態で表示される。なお、他のシンボルHa〜Hdは、非点灯の状態で表示される。これにより、作業者は、検出用光の光軸が、正規の光軸位置に対してずれていることを認識するとともに、光軸の調整が必要であることを判断する。
【0027】
このとき、本実施形態では、反射板17の反射部17a〜17eに対応するシンボルHa〜Heを点灯した状態で表示する表示形態を採用していることから、正規の光軸位置に対して現在の光軸位置がどの程度ずれているか、及びどの程度の調整が必要であるかを直感的に把握することが可能とされる。つまり、図5(b)の状態では、現在の光軸位置が、光軸検査で用いた反射板17の反射部17cを基準として、2つの反射部17d,17e分となる「2X」分だけ、上方向にずれていることを把握できる。また、光軸の調整量については、光軸検査で用いた反射板17において光軸位置が「2X」分だけ下がる量であることを把握できる。
【0028】
また、図5(c)に示すように、光軸検査の結果、検出用光の光軸が反射板17の反射部17a,17bの両方に当たっている場合、表示部16aには、反射部17aに対応するシンボルHaと反射部17bに対応するシンボルHbの両方が点灯した状態で表示される。なお、他のシンボルHc〜Heは、非点灯の状態で表示される。これにより、作業者は、検出用光の光軸が、正規の光軸位置に対してずれていることを認識するとともに、光軸の調整が必要であることを判断する。そして、作業者は、図5(c)の状態では、現在の光軸位置が、光軸検査で用いた反射板17の反射部17cを基準として、1つの反射部17b分以上、2つの反射部17a,b分以下となる「1X以上、2X以下」分だけ、下方向にずれていることを把握できる。また、光軸の調整量については、光軸検査で用いた反射板17において光軸位置が「1X以上、2X以下」分だけ上がる量であることを把握できる。
【0029】
そして、作業者は、光軸の調整が必要であると判断した場合、表示部16aに表示された光軸検査の結果をもとに、調整機構13Bを用いて光軸位置を上方向又は下方向に必要量だけ調整する。
【0030】
本実施形態の調整機構13B,14Bは、センサ部13A,14Aを支持する支持部(図示しない)を上下動させることにより、センサ部13A,14Aを上下動させる構成とされている。具体的に言えば、支持部はボルトであって、センサ部13A,14Aを下から支持する構成となっている。そして、ボルトを、締付方向又は非締付方向へ進退動作させることにより、センサ部13A,14Aを上下動させる構成となっている。すなわち、ボルトを締付方向へ操作した場合には、ボルトによって支持されるセンサ部13A,14Aが、ボルトの移動量(ピッチに依存する量)に応じた分だけ上方向へ移動する。一方、ボルトを非締付方向へ操作した場合には、ボルトによって支持されるセンサ部13A,14Aが、ボルトの移動量(ピッチに依存する量)に応じた分だけ下方向へ移動する。
【0031】
例えば、図5(b)に示す検査結果を得た場合、作業者は、反射板17において光軸位置が「2X」分、上方向にずれていることから、そのずれ量分だけ光軸位置を下げるために必要な操作量で調整機構13B(支持部としてのボルト)を操作する。これにより、光軸位置は、下方に移動して正規の光軸位置に一致することになる。また、図5(c)に示す検査結果を得た場合、作業者は、反射板17において光軸位置が「X」分、下方向にずれていることから、そのずれ量分だけ光軸位置を上げるために必要な操作量で調整機構13B(支持部としてのボルト)を操作する。これにより、光軸位置は、上方に移動して正規の光軸位置に一致することになる。
【0032】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)光軸検査の結果を操作ユニット16の表示部16aに表示させることにより、光軸調整が必要であるか否か、及び光軸調整が必要である場合の光軸の調整量を感覚的(視覚的)に捉えることができる。このため、表示部16aの表示内容をもとに光軸調整を行うことで、光軸調整を容易に行うことができる。
【0033】
(2)検査結果画面Gを、反射板17の構成に対応させて各反射部17a〜17eに対応するシンボルHa〜Heを段状に配置して構成した。このため、光軸検査の結果を把握し易くすることができる。
【0034】
(3)反射部17a〜17eを段状に配置することによって反射板17を構成した。これにより、各反射部17a〜17eは、高さX分ずつ上下方向にずれるとともに、左右方向にも反射部の幅分、ずれることになる。その結果、特定の高さ位置に対しては、1つの反射部のみが存在することになる。したがって、光軸検査において複数の反射部を同時に検知してしまうことが回避されるので、精度の良い検査結果を得ることができる。また、光軸調整の時間短縮に繋がる。
【0035】
(4)また、反射板17を複数の反射部17a〜17eで構成することにより、正規の光軸位置を変更する場合、容易に対応することができる。例えば、反射部17dの設置高さを正規の光軸位置に変更して光軸検査を行うこともできる。
【0036】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、光軸検査の結果を表示する検査結果画面Gに、光軸位置を正規の光軸位置に一致させるために必要な調整機構13B,14Bの操作量を表示させても良い。この操作量は、光軸検査の結果をもとに制御装置15で演算する。すなわち、制御装置15は、反射板17におけるずれ量を、センサ部13A(センサ部14A)を上下動作させる距離に変換し、その距離から操作量を算出すれば良い。例えば、実施形態で説明した調整機構13B(調整機構14B)であれば、操作量の表示内容としては、「締付方向に1回転」や「非締付方向に2分の1回転」などが考えられる。
【0037】
○ 実施形態において、反射板17を構成する反射部17a〜17eの数を変更しても良い。また、各反射部17a〜17eの高さを変更しても良い。
○ 実施形態において、光軸検査の結果(検査結果画面G)を表示する表示装置を、無人搬送車10に固定的に設置しても良い。
【0038】
○ 実施形態において、検査結果画面Gの構成(レイアウトやシンボル)を変更しても良い。
○ 実施形態において、障害物を検知した場合の無人搬送車10の走行制限を変更しても良い。例えば、走行制限としては、低速度で運転させることでも良い。
【0039】
○ 実施形態において、検出用光の左右方向の幅を、反射板17の左右方向の幅Yよりも狭くしても良い。例えば、検出用光の左右方向の幅を、反射部17a〜17cにおける1枚分の幅や2枚分の幅としても良い。この場合、光軸検査においては、検出用光の発光位置を左右方向に所定量ずつずらしながら検査を行う。
【0040】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)無人搬送車の進行方向前方に発光するとともに障害物に当たって反射した反射光を受光することにより、進行方向前方における障害物の有無を検知する障害物検知手段の光軸検査方法において、複数の反射部を左右方向に沿って段状に配置してなる検査用の反射板を前記無人搬送車の前方に所定の距離をあけて配置するとともに、前記反射板に当たって反射した反射光を受光することで反射した反射部を特定し、その特定した結果をもとに光軸を調整するための指標となる光軸調整情報を表示装置に表示させることを特徴とした光軸検査方法。
【符号の説明】
【0041】
10…無人搬送車、13…前センサユニット、13A…センサ部、13Aa…発光部、13Ab…受光部、13B…調整機構、14…後センサユニット、14A…センサ部、14B…調整機構、15…制御装置、16…操作ユニット、L…走行経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方向前方における障害物の有無を検知する障害物検知手段を備え、予め定めた走行経路に沿った無人走行中に、前記障害物検知手段によって前記障害物が検知された場合には車両の走行に制限を加える無人搬送車において、
前記障害物検知手段には、進行方向前方に発光する発光部と前記障害物に当たって反射した反射光を受光する受光部を含み、
前記発光部の光軸を調整するための指標となる光軸調整情報を表示装置に表示させる表示制御手段を備えたことを特徴とする無人搬送車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−180640(P2011−180640A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41556(P2010−41556)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】