説明

無線制御装置、無線通信システム、制御プログラムおよび集積回路

【課題】SORM(Spectrum-Overlapped Resource Allocation)において、移動局装置の送信電力の増大に伴う他セルへの干渉を抑制する。
【解決手段】複数の無線端末装置がシステム帯域中の一部の周波数に送信信号を重複して配置することを許容する無線制御装置であって、システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する。また、各無線端末装置に割り当てる周波数帯域の合計が、システム帯域以下となるように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
第3.9世代の携帯電話の無線通信システムであるLTE(Long Term Evolution)システムの標準化がほぼ完了し、最近ではLTEシステムをより発展させたLTE-A(LTE-Advanced)が、第4世代の無線通信システム(IMT-Aなどとも称する。)の一つとして標準化が行なわれている。
【0003】
一般的に、移動通信システムの上り回線(移動局装置から基地局装置への通信)では、移動局装置が送信局となるため、限られた送信電力で増幅器の電力利用効率を高く維持でき、ピーク電力の低いシングルキャリア方式(LTEではSC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式が採用されている)が有効とされている。なお、SC-FDMAはDFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing)やDFT-precoded OFDMなどとも呼ばれる。
【0004】
LTE-Aでは、さらに周波数利用効率を改善させるために、送信電力に余裕のある移動局装置については、SC-FDMAスペクトルを複数のサブキャリアから構成されるクラスタに分割し、各クラスタを周波数軸の任意の周波数に配置するClustered DFT-S-OFDM(ダイナミックスペクトル制御(DSC:Dynamic Spectrum Control)、SC-ASA(Single Carrier Adaptive Spectrum Allocation)などとも称される。)と呼ばれるアクセス方式を新たにサポートすることが決定されている。
【0005】
さらに、受信処理にターボ等化を用いることを前提に、各移動局装置のスペクトル割当の際に周波数分割多重ではなく、伝搬路特性を優先して受信側で重複することを許容するスペクトル重複リソースマネジメント(SORM:Spectrum-Overlapped Resource Allocation)が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0006】
SORMでは、各移動局装置に対して、伝搬路特性を優先して周波数リソースを割り当てる。このため、異なる移動局装置の信号は基地局装置では部分的に重畳して受信される。これに対し、各移動局装置の送信データを全て検出できる基地局装置では、接続する全ての移動局装置の検出結果(軟推定)を用いて徐々に検出することができる。
【0007】
さらに、非特許文献1では、基地局装置が一部の周波数リソースを重畳させることにより、システム帯域全体の周波数リソースを節約できる技術が開示されている。これにより、基地局装置がさらに多くの周波数リソースを割り当てて全体の周波数利用効率を高めることができることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2009/022709号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】高橋他、RCS2009-24、2009年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上り回線の通信では、各移動局装置がデータを送信する際、基地局で所定の受信レベルで受信できるよう送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)が適用される。この送信電力制御は、隣接セルへの干渉レベルの量を調節する役割も果たしており、干渉波のレベルはIoT(Interference over Thermal noise)として制御されている。したがって、非特許文献1の方法をそのまま採用すると、従来の方式より無線リソースを多く割り当てているため、その分、移動局装置の送信電力が高くなり、その結果、他セル(セクタ)への干渉も大きくなる。この場合、他セル(セクタ)では、移動局装置の所要品質を満たすため送信電力をさらに高くするという制御が起こり、各々のセル(セクタ)が互いに所望の受信レベルを高くする競合が起こり、システムが不安定になる問題があった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、SORMにおいて、移動局装置の送信電力の増大に伴う他セルへの干渉を抑制することができる無線制御装置、無線通信システム、制御プログラムおよび集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の無線制御装置は、複数の無線端末装置がシステム帯域中の一部の周波数に送信信号を重複して配置することを許容する無線制御装置であって、前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定することを特徴としている。
【0013】
このように、システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定するので、無線制御装置は、システムを安定化させることができる。
【0014】
(2)また、本発明の無線制御装置において、前記各無線端末装置に割り当てる周波数帯域の合計が、前記システム帯域以下となるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定することを特徴としている。
【0015】
このように、無線制御装置は、各無線端末装置に割り当てる周波数帯域の合計が、システム帯域以下となるように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定するので、システムを安定化させることができる。
【0016】
(3)また、本発明の無線制御装置において、前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下となる受信電力値、および前記システム帯域中で送信信号が重複して配置される周波数の重複率を用いて自装置における目標受信電力値を算出し、前記目標受信電力値に基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定することを特徴としている。
【0017】
このように、無線制御装置は、システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下となる受信電力値、およびシステム帯域中で送信信号が重複して配置される周波数の重複率を用いて自装置における目標受信電力値を算出するので、SORMを適用したシステムを安定化させることができる。
【0018】
(4)また、本発明の無線制御装置において、前記目標受信電力値と、自装置が制御するセル固有のパラメータとに基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定することを特徴としている。
【0019】
このように、無線制御装置は、目標受信電力値と、自装置が制御するセル固有のパラメータとに基づいて、各無線端末装置の送信電力を決定するので、システムを安定化させることができる。
【0020】
(5)また、本発明の無線制御装置において、前記干渉レベルは、IoT(Interference over Thermal noise power ratio)で示されることを特徴としている。
【0021】
このように、干渉レベルが、IoT(Interference over Thermal noise power ratio)で示されるので、無線端末装置は、送信電力制御により、隣接セルへの干渉レベルの量を調節することができる。
【0022】
(6)また、本発明の無線制御装置において、前記IoTは、前記無線端末装置で行なわれる送信電力制御のパラメータにより決定されることを特徴としている。
【0023】
このように、IoTは、無線端末装置で行なわれる送信電力制御のパラメータにより決定されるので、無線端末装置は、送信電力制御により、隣接セルへの干渉レベルの量を調節することができる。
【0024】
(7)また、本発明の無線制御装置において、前記送信電力制御は、フラクショナル送信電力制御(Fractional Transmission Power Control)であることを特徴としている。
【0025】
このように、送信電力制御が、フラクショナル送信電力制御(Fractional Transmission Power Control)であるので、無線制御装置は、第2の通信装置付近の第1の通信装置の受信品質を低下させることなく、隣接セルへの干渉量(隣接セルの第2の通信装置において測定されるIoT)を一定に保つことができる。
【0026】
(8)また、本発明の無線制御装置において、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する際に、前記IoTに基づいて、送信信号を重複して配置する無線リソース量および使用しない無線リソース量を決定することを特徴としている。
【0027】
このように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する際に、IoTに基づいて、送信信号を重複して配置する無線リソース量および使用しない無線リソース量を決定するので、無線制御装置は、システム帯域全体の干渉レベルの変動を抑えるよう制御することができ、システムを安定化させることができる。
【0028】
(9)また、本発明の無線通信システムは、上記(1)から(8)のいずれかに記載の無線制御装置と、複数の無線端末装置と、から構成されることを特徴としている。
【0029】
このように、無線通信システムは、上記(1)から(8)のいずれかに記載の無線制御装置と、複数の無線端末装置と、から構成されるので、システムを安定化させることができる。
【0030】
(10)また、本発明の制御プログラムは、複数の無線端末装置がシステム帯域中の一部の周波数に送信信号を重複して配置することを許容する無線制御装置の制御プログラムであって、前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する処理を、コンピュータに実行させることを特徴としている。
【0031】
このように、無線制御装置は、システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定するので、システムを安定化させることができる。
【0032】
(11)また、本発明の制御プログラムにおいて、前記各無線端末装置に割り当てる周波数帯域の合計が、前記システム帯域以下となるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する処理を更に含むことを特徴としている。
【0033】
このように、無線制御装置は、各無線端末装置に割り当てる周波数帯域の合計が、システム帯域以下となるように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定するので、システムを安定化させることができる。
【0034】
(12)また、本発明の制御プログラムにおいて、前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下となる受信電力値、および前記システム帯域中で送信信号が重複して配置される周波数の重複率を用いて自装置における目標受信電力値を算出する処理と、前記目標受信電力値に基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定する処理を更に含むことを特徴としている。
【0035】
このように、無線制御装置は、システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下となる受信電力値、およびシステム帯域中で送信信号が重複して配置される周波数の重複率を用いて自装置における目標受信電力値を算出するので、SORMを適用したシステムを安定化させることができる。
【0036】
(13)また、本発明の制御プログラムにおいて、前記目標受信電力値と、自装置が制御するセル固有のパラメータとに基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定する処理を更に含むことを特徴としている。
【0037】
このように、無線制御装置は、目標受信電力値と、自装置が制御するセル固有のパラメータとに基づいて、各無線端末装置の送信電力を決定するので、システムを安定化させることができる。
【0038】
(14)また、本発明の集積回路は、無線制御装置に実装されることにより、前記無線制御装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、複数の無線端末装置がシステム帯域中の一部の周波数に送信信号を重複して配置することを許容して、前記各無線端末装置と無線通信を行なう機能と、前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する機能と、の一連の機能を、前記無線制御装置に発揮させることを特徴としている。
【0039】
このように、無線制御装置は、システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定するので、システムを安定化させることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明により、SORMを適用した無線通信システムが安定化する。すなわち、本発明を適用することで、重複により送信電力がセル全体で増えることを想定した場合でも、基地局装置は、システムを安定化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置2の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るスケジューリング部213の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る第1の移動局装置1-1、第2の移動局装置1-2の送信周波数信号と第1の基地局装置2-1における受信周波数信号を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置2の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る移動局装置1の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る基地局装置2の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るスケジューリング部505の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る基地局装置2の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態において、αを変えた場合のPLに対する基地局装置2の受信電力の関係を示すグラフである。
【図11】本発明の無線通信システムの概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、SORMを前提として説明をするが、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)など、同一時刻に少なくとも一部の同一周波数を用いて信号を重複させて通信を行なう方法であれば本発明を適用できる。
【0043】
[第1の実施形態]
図11は、本発明の無線通信システムの概念を示す図である。同図は、第1の基地局装置(無線制御装置)2-1と第1の移動局装置(無線端末装置)1-1、第2の移動局装置1-2が接続し、第2の基地局装置2-2と第3の移動局装置1-3、第4の移動局装置1-4が接続しているものとする。以下、第1の移動局装置1-1〜第4の移動局装置1-4を合わせて移動局装置1と表し、第1の基地局装置2-1と第2の基地局装置2-2を合わせて基地局装置2と表す。このとき、同図に示されるように、第1の移動局装置1-1、第2の移動局装置1-2は第2の基地局装置2-2における干渉となり、同様に第3の移動局装置1-3、第4の移動局装置1-4は第1の基地局装置2-1における干渉となる。
【0044】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1の構成を示すブロック図である。アンテナ101で受信した基地局装置2からの制御信号は、無線受信部103においてダウンコンバージョン、A/D(Analog to Digital)変換された後、制御信号検出部105に入力される。制御信号検出部105では、変調方式や情報ビット数(トランスポートブロックサイズと定義されることもある)、または符号化率など符号化や変調に必要な情報を示すMCS(Modulation and Coding Schemes)、復調用の参照信号の系列を示す情報(CSI(Cyclic Shift Index)なども含む)、基地局装置2におけるスケジューリング結果を示す周波数割当情報など、データ送信に必要な制御情報を検出する。検出されたMCSなどの変調や符号化あるいは再送に関する制御情報は、データ信号生成部107に入力され、誤り訂正符号化がなされ、四相位相変調(QPSK:Quaternary Phase Shift Keying)や16値直交変調(16QAM:16-ary Quadrature Amplitude Modulation)などの変調が行なわれる。
【0045】
その後、DFT(Discrete Fourier Transform)部109において、周波数信号に変換される。復調用参照信号生成部111では制御信号検出部105より入力される参照信号の系列に関する情報に基づいて復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)が生成され、復調用参照信号多重部113においてデータ信号と時間多重される。DMRSが多重されたデータ信号は、周波数割当情報に基づいて周波数割当部115において、システム帯域内にデータ信号が配置される。
【0046】
次に、サウンディング参照信号生成部117において、基地局装置2がスケジューリングをするためにシステム帯域全体あるいは一部の伝搬路状態を把握するためのサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)を生成し、サウンディング参照信号多重部119において周波数割当がなされたデータ信号に多重する。その後、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部121において時間信号に変換され、CP(Cyclic Prefix)挿入部123において時間の後方の波形を前方にコピーしたサイクリックプレフィックス(CP)を挿入され、無線送信部125において、D/A(Digital to Analog)変換およびアップコンバージョンされ、アンテナ101から送信される。
【0047】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置2の構成を示すブロック図である。アンテナ201で受信した受信信号は、無線受信部203により、ダウンコンバージョン、A/D変換がなされ、CP除去部205によりCPを除去される。CPが除去された受信信号は、FFT部207により周波数領域の受信信号に変換される。次に、周波数領域の受信信号は、サウンディング参照信号分離部209により、周波数領域の受信信号からSRSが分離され、分離されたSRSは伝送可能な周波数帯域のチャネルの状態(伝搬路利得、受信SINR)を把握するサウンディング部211-1〜211-Uに入力する。ここで、サウンディングは移動局装置1毎に行なうものとしているため、便宜上、サウンディング部211は接続している移動局装置数Uだけ存在するものとしている。ただし、各移動局装置1からのSRSを順番にサウンディングする場合には1つのブロックとしてよい。
【0048】
得られた各移動局装置1から基地局装置2までのサウンディング結果(チャネル状態)は、スケジューリング部213に入力され、スケジューリング部213では各移動局装置1の周波数割当を決定し、さらに通信に必要なその他制御情報を生成する。このとき、スケジューリング部213が設定する周波数割当は式(1)を満たすように決定される。得られた各移動局装置1の制御情報は制御情報生成部215-1〜215-Uにおいて所定のフォーマット(各種無線通信システム、LTEやWiMAXなどで定義されているフォーマット(例えば、LTEではDCI(Downlink Control Information)フォーマット))に変換され、無線送信部217において無線信号に変換され、アンテナ201から送信される。一方、サウンディング参照信号分離部209から出力された受信信号は、復調用参照信号分離部219においてDMRSを分離され、分離されたDMRSは伝搬路推定部221-1〜221-Uにおいて伝送した周波数における伝搬路特性の推定に用いられる。データ検出部223では、DMRSが分離された受信信号と推定された伝搬路特性を用いて非線形繰り返し等化などにより送信ビットを復号し、各移動局装置1の復号ビット列を得る。
【0049】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るスケジューリング部213の構成を示すブロック図である。スケジューリング部213内では、リソース決定部301において各移動局装置1が伝送に用いるリソースブロックを決定し、リソース判定部303に入力される。リソース判定部303は、スケジューリングによって全移動局装置1に割り当てられたRB数の合計とシステム帯域に含まれるRB数を式(1)により比較し、例えばRB数の超過分を算出し、リソース調整部305に出力する。リソース調整部305では、RB数が多く割り当てられた場合には、RB数を減らすよう調節を行なう。このとき、RB数を減らす方法はどのような方法でもよい。例えば、割り当てられているRBの中で、サウンディングにより得られた伝搬路のゲインの最も小さいRBが割り当てられている移動局装置1のRBから減らす方法などが考えられる。また、重複した割り当ての中で利得の低いRBを削除する方法としてもよい。
【0050】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る第1の移動局装置1-1、第2の移動局装置1-2の送信周波数信号と第1の基地局装置2-1における受信周波数信号を示す図である。横軸は周波数、縦軸は周波数信号の電力密度を表す。ここで、RB1〜RB6は、周波数リソースの最小単位であるリソースブロック(RB:Resource Block)であり、例えばLTEでは12サブキャリア(離散周波数、リソースエレメント)から構成される。図4では、第1の移動局装置1-1の周波数信号F1-1、第2の移動局装置1-2の周波数信号F1-2を表している。また、第1の移動局装置1-1にRB1、RB2、RB5が割り当てられ、第2の移動局装置1-2にRB4、RB5、RB6が割り当てられているものとしている。このとき、これら割り当てられた信号は基地局装置2において周波数信号F2-1のように受信され、重複部分O2-1は第1および第2の移動局装置1が送信した信号が重複して受信されていることを表している。
【0051】
次に、隣接セルへ与える干渉について考える。通常、無線リソースに空きがあり、かつ送信すべきデータがバッファに存在すれば、無線リソースの割当を決定するスケジューリングにおいて、任意の移動局装置1に無線リソースを割り当てることになる。図4の場合、通常バッファがある移動局装置1があれば、RB3は第1の移動局装置1-1あるいは第2の移動局装置1-2に割り当てられることになる。
【0052】
しかしながら、この場合、すなわち、RB3にも割り当てた場合、全移動局装置1のRB数の合計は、RB5が両方の移動局装置1に割り当てられているため、7RB割り当てられていることになる。その結果、6RBのシステム帯域に対して7RB分の干渉が隣接セルへ届くことになる。そのため、図4に示されるように、RB3はバッファに関わらず割り当てない、つまり全移動局装置1の合計がシステム帯域以下となるよう制御することで、システムの不安定化を防ぐ。
【0053】
一般的に言えば、移動局装置1の数をU、システム帯域に含まれるRB数をMとすれば、各移動局装置1に割り当てられたRB数の合計が、Mを含むMより小さい値となるよう制御する。これは、式(1)で評価する。
【数1】

【0054】
式(1)において、N(u)は、u番目の移動局装置1に割り当てられたRB数である。このような制御を導入することで、システムが安定する。
【0055】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置2の動作を示すフローチャートである。まず、基地局装置2は、各移動局装置1にRBを割り当てる(ステップS1)。このとき、システムが定める最大重複率などに応じて品質の良いRBを割り当てる方法などを用いてよい。次に、基地局装置2は、割り当てたRB数の合計を計算する(ステップS2)。次に、基地局装置2は、割り当てたRB数の合計がシステム内のRB数より多いかどうかを判定し(ステップS3)、もしRB数の合計がシステム内のRB数より多ければ(ステップS3:Yes)、全移動局装置1に割り当てられたRBの中から、受信品質(例えば、SINR)や割当の優先度の最も低いRBを削除し(ステップS4)、再びステップS3に戻る。もし、割当RB数がシステム内のRB数より多くなければ(ステップS3:No)、基地局装置2は、割当を決定する。
【0056】
このように、本実施形態では、全移動局装置1に割り当てられるRBの数をシステム帯域に含まれるRB以下に調整する。即ち、基地局装置2が、重複を許容して周波数割当を決定した際に重複による干渉レベルの変動を抑えるよう制御することで、システムを安定させることができる。
【0057】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、第1の実施形態のように使用するRBの数を減らすのではなく、送信電力制御における制御値を変更することで干渉量を制御する。例えば、LTEシステムでは、上り回線における各移動局装置1の送信電力を式(2)のように定義している。
【数2】

【0058】
式(2)において、PPUSCH(i)はi番目のサブフレーム(時間領域の伝送単位)における移動局装置1の送信電力、PCMAXは移動局装置1の最大送信電力、MPUSCH(i)はi番目のサブフレームで割り当てられたRB数、PO_PUSCH(j)は1RBあたりの目標受信電力であり、伝送方法jにおけるセル固有の目標受信レベルPO_PUSCH_NOMINAL(j)と移動局装置固有の目標受信電力PO_UE_PUSCH(j)の和を表す。また、α(j)は伝送方法jにおけるセル固有のパラメータであり0から1の間の実数、PLは基地局装置2から移動局装置1の間のパスロス、ΔTF(i)はi番目のサブフレームで適用された変調方式により決まるパラメータ、f(i)はi番目のサブフレームにおける移動局装置1から通知される閉ループ送信電力制御のための補正項を表している。つまり、式(2)は目標受信電力を達成するために必要な送信電力を、移動局装置1で許容できる最大送信電力より高くならないように設定することを意味している。
【0059】
次に、伝送方法jについて説明する。ここで説明する伝送方法jは、送信するチャネルあるいはスケジューリング方法により番号が振られており、j=0は、音声通話(VoIP(Voice over IP))などに対するリソース割当において伝搬路状況に依らないスケジューリングを行なうSPS(Semi-Persistent Scheduling)、j=1は、主にパケットデータ通信で用いられる伝搬路状況に応じてスケジューリングするダイナミックスケジューリング、j=2は、移動局装置1の信号送信のタイミングの変更や上り回線における信号の同期のために送信されるランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel、特に、初期接続時など他の移動局装置1のRACHとの衝突が起こりうる場合に送信するRACH(Contention based Random Access Procedureと呼ばれる動作を伴う))を表わす。なお、α(j)に関しては、式(3)のように定義されている。
【数3】

【0060】
これは、基地局装置2からの距離が近いほど受信電力レベルを高くするために設定されるパラメータであり、例えば、α(j)=1の場合は、パスロスを完全に補償すること(伝搬距離、シャドウィングによる減衰を、送信電力を高くすることで補償する)を意味する。送信電力制御は隣接セルのIoTに影響を与える。したがって、SORMで全移動局装置1に割り当てたRB数がシステム帯域に含まれるRB数より多くなったとしても、送信電力制御の目標受信電力を低く設定すれば、隣接セルへの干渉レベルを高くすることなくSORMを適用することができる。したがって、本実施形態では、PO_PUSCHの値をシステムの許容する最大重複率に応じて設定する方法を記載する。
【0061】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る移動局装置1の構成を示すブロック図である。同図は、同一の符号は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。図6では、明示的に送信電力制御部401を記載している。本実施形態では、上述したように送信電力の目標受信レベルにおけるPO_PUSCHの値を調節することで、第1の実施形態に比べると、比較的各移動局装置1に対して他の移動局装置1との兼ね合いを考慮しなくてよい。送信電力制御部401では、上位レイヤ403から通知されるPO_PUSCHに基づいて式(2)で計算された送信電力となるよう送信電力制御を行なっている。ただし、PO_PUSCHの通知は上位レイヤ403による通知に限定されるものでなく、物理層の制御信号で通知されても良い。また、本発明ではPO_PUSCHを制御するように記述しているが、送信電力が最終的に調整されればいいことを考慮すると、PO_PUSCHではなく式(2)のf(i)を用いてもよい。勿論、これは送信電力制御により制御する場合には、本明細書の他の実施形態でも適用できる。
【0062】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る基地局装置2の構成を示すブロック図である。同図は図2を基本とした構成となっており、同一の符号は図2と同一の機能・手段を具備する。最大重複率設定部501は、最大のRB数または最大の重複率を設定する。最大のRB数の割り当てとは、システム帯域幅に含まれるRB数に対して、全移動局装置1に割り当てることであり、この値はRB数でもシステム帯域に含まれるRB数に対する割合でもよい。また、この値はシミュレーションなどで取得した最適な値などを予め設定しておいてもよい。例えば、最大の重複率を20%と設定し、システム帯域に含まれるRB数を50とすると、50+50×0.2=60RBを全移動局装置1に割り当ててもよいことを意味する。
【0063】
次に、目標受信レベル設定部503は、上述の最大重複率に応じて、目標受信レベルを設定する手段を有する。例えば、上述の例では、60RBを接続している全移動局装置1に割り当ててもよいことから、50/60=0.83倍=−0.8(dB)デシベルだけPO_PUSCHの値を低くすればよい。
【0064】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るスケジューリング部505の構成を示すブロック図である。スケジューリング部505では、図3と同様、リソース決定部301において周波数割当をサウンディング結果から決定し、リソース判定部601において、周波数割当と最大重複率からRB数が多いかどうかを判定し、多い場合にどのぐらいRB数が多いかを出力する。その後、リソース調整部305においてRB数を調整、各移動局装置1の割当情報を確定する。
【0065】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る基地局装置2の動作を示すフローチャートである。ステップS1からS3までは第1の実施形態で示した図5と同一である。本実施形態では、基地局装置2は、RB数の合計がシステム内のRB数より多ければ(ステップS3:Yes)、RB数の合計がシステム帯域内のRB数よりいくつ多いかを計算する(ステップS101)。例えば、接続している全移動局装置1のRB数の合計が20、システム帯域内に含まれるRB数が16であるとすると、この場合は20−16=4という値を算出する。次に、基地局装置2は、送信電力制御における目標受信レベルを上記計算されたRB数分だけ低く設定する(ステップS12)。例えば、この例では4RB多く割り当てられているので、4RB分送信電力を低くしなければならない。つまり、重複を許容して全ての移動局装置1に対して20RBを割り当てる場合、基地局装置2は、移動局装置1の送信電力を、重複を許容しない場合に16RBに割り当てていた送信電力と同一にすることを意味する。即ち、基地局装置2は、16/20=4/5倍に各RBの送信電力を低くするよう設定する。これをデシベルで表現すると、10×log10(4/5)=−0.97dBとなり、0.97デシベル目標受信レベルを下げるよう設定する。
【0066】
このように、基地局装置2が、隣接セルへ与える干渉(各々の基地局装置2で推定されるIoT)に基づいて、PO_PUSCHを決定することで、SORMを適用したシステムを安定化させることができる。
【0067】
[第3の実施形態]
ここでは、第3の実施形態として、第2の実施形態と同様の考え方に基づいて、PO_PUSCHとαの両方を制御する方法について説明する。
【0068】
図10は、本発明の第3の実施形態において、αを変えた場合のPLに対する基地局装置2の受信電力の関係を示すグラフである。同図において横軸は式(2)におけるPL(デシベル)、縦軸は受信電力を示している。α=1とした場合の線701は、PLの値に依らず一定の受信電力になるよう制御することを表わしており、αを1より小さい値とした場合の線702は、PLの値が小さい、即ち基地局装置2からの距離が近いほど受信電力が高くなるよう設定される。このような送信電力制御の方法はフラクショナル送信電力制御(FTPC:Fractional Transmission Power Control)と称され、LTEシステムなど最近の無線通信システムに導入されている。一般に、上り回線では基地局装置2から遠い移動局装置1ほど隣接セルへの強い干渉源になる傾向があるため、PO_PUSCHとαを適切に制御すれば、基地局装置2付近の移動局装置1の受信品質を低下させることなく、隣接セルへの干渉量(隣接セルの基地局装置2において測定されるIoT)を一定に保つことができる。
【0069】
例えば、移動局装置1間で周波数リソースが重複して送信しないよう基地局装置2に送信するFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式を前提とした場合、基地局間距離500m、3セクタ、PO_PUSCH=−106dBm、α=1のときに、平均IoTがおおよそ7dBであれば、同程度のIoTを達成する条件は、PO_PUSCH=−85dBm、α=0.8である。この考えに基づけば、最大重複率を20%とした場合には−0.8dB送信電力を下げる必要があったが、第3の実施形態では、これと同等の効果を実現する方法として、PO_PUSCHとαの値を制御する。具体的には、PO_PUSCH=−76dBm、α=0.7とした場合、1RBあたりの送信電力はおおよそ1dB低減される。PO_PUSCHとαの値に関しては、シミュレーションで決定してもよいし、実際に測定してもよい。これを実現する基地局装置2の構成は図7と同様であり、目標受信レベル設定部503がPO_PUSCHとαの値を設定する。
【0070】
このように、本発明を適用することで重複により送信電力がセル全体で増えることを想定した場合でも、システムを安定化させることができる。
【0071】
以上、第1から第3の実施形態については、互いに組み合わせて適用してもよく、先にPO_PUSCHとαの少なくともいずれか一方を決定し、最大重複率を設定するような方法でも本質的に同一である。また、IoTを基地局装置2間で制御するために、基地局装置2間の有線のインターフェースであるX2インターフェースを用いてOI(Overload Indicator)やHII(High Interference Indicator)として通知してもよい。また、本発明は干渉レベルを制御する上で、セル半径の異なるヘテロジーニアスネットワークやピコセル、フェムトセル、セル内に中継局を設置するリレーなどにも適用可能である。
【0072】
本発明に関わる移動局装置1および基地局装置2で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0073】
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置1および基地局装置2の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置1および基地局装置2の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0074】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。本発明は、携帯電話装置を移動局装置1とする移動体通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0075】
1、1-1、1-2、1-3、1-4 移動局装置
2、2-1、2-2 基地局装置
101 アンテナ
103 無線受信部
105 制御信号検出部
107 データ信号生成部
109 DFT部
111 復調用参照信号生成部
113 復調用参照信号多重部
115 周波数割当部
117 サウンディング参照信号生成部
119 サウンディング参照信号多重部
121 IFFT部
123 CP挿入部
125 無線送信部
201 アンテナ
203 無線受信部
205 CP除去部
207 FFT部
209 サウンディング参照信号分離部
211-1〜211-U サウンディング部
213 スケジューリング部
215-1〜215-U 制御情報生成部
217 無線送信部
219 復調用参照信号分離部
221-1〜221-U 伝搬路推定部
223 データ検出部
301 リソース決定部
303 リソース判定部
305 リソース調整部
401 送信電力制御部
403 上位レイヤ
501 最大重複率設定部
503 目標受信レベル設定部
505 スケジューリング部
601 リソース判定部
701 α=1とした場合の線
702 αを1より小さい値とした場合の線
F1-1、F1-2、F2-1 周波数信号
O2-1 重複部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線端末装置がシステム帯域中の一部の周波数に送信信号を重複して配置することを許容する無線制御装置であって、
前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定することを特徴とする無線制御装置。
【請求項2】
前記各無線端末装置に割り当てる周波数帯域の合計が、前記システム帯域以下となるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定することを特徴とする請求項1記載の無線制御装置。
【請求項3】
前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下となる受信電力値、および前記システム帯域中で送信信号が重複して配置される周波数の重複率を用いて自装置における目標受信電力値を算出し、前記目標受信電力値に基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定することを特徴とする請求項1記載の無線制御装置。
【請求項4】
前記目標受信電力値と、自装置が制御するセル固有のパラメータとに基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定することを特徴とする請求項3記載の無線制御装置。
【請求項5】
前記干渉レベルは、IoT(Interference over Thermal noise power ratio)で示されることを特徴とする請求項1記載の無線制御装置。
【請求項6】
前記IoTは、前記無線端末装置で行なわれる送信電力制御のパラメータにより決定されることを特徴とする請求項5記載の無線制御装置。
【請求項7】
前記送信電力制御は、フラクショナル送信電力制御(Fractional Transmission Power Control)であることを特徴とする請求項6記載の無線制御装置。
【請求項8】
前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する際に、前記IoTに基づいて、送信信号を重複して配置する無線リソース量および使用しない無線リソース量を決定することを特徴とする請求項5記載の無線制御装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の無線制御装置と、
複数の無線端末装置と、から構成されることを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
複数の無線端末装置がシステム帯域中の一部の周波数に送信信号を重複して配置することを許容する無線制御装置の制御プログラムであって、
前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項11】
前記各無線端末装置に割り当てる周波数帯域の合計が、前記システム帯域以下となるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する処理を更に含むことを特徴とする請求項10記載の制御プログラム。
【請求項12】
前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下となる受信電力値、および前記システム帯域中で送信信号が重複して配置される周波数の重複率を用いて自装置における目標受信電力値を算出する処理と、
前記目標受信電力値に基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定する処理を更に含むことを特徴とする請求項10記載の制御プログラム。
【請求項13】
前記目標受信電力値と、自装置が制御するセル固有のパラメータとに基づいて、前記各無線端末装置の送信電力を決定する処理を更に含むことを特徴とする請求項12記載の制御プログラム。
【請求項14】
無線制御装置に実装されることにより、前記無線制御装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
複数の無線端末装置がシステム帯域中の一部の周波数に送信信号を重複して配置することを許容して、前記各無線端末装置と無線通信を行なう機能と、
前記システム帯域全体の干渉レベルが一定値以下に抑制されるように、前記各無線端末装置が送信信号を配置する周波数を決定する機能と、の一連の機能を、前記無線制御装置に発揮させることを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−169848(P2012−169848A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28977(P2011−28977)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】