説明

焼結セラミック及び他の硬質及び/又は厚肉材料のレーザ加工

【課題】焼結セラミック及び他の硬質及び/又は厚肉材料をレーザ加工する方法を提供する。
【解決手段】この方法は、被加工部材をレーザビームで、前記被加工部材の切り出し領域内の平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする工程を含む。前記スクライブする工程では、前記レーザビームが前記シーケンスに沿って進むにつれて広くなる切断溝を前記切り出し領域に形成する。前記シーケンスは、屑を前記レーザ経路群から離れるように誘導してスループットを向上させ、そして高品質開口部が前記被加工部材に形成されるように、前記切り出し領域の内側部分から始まり、そして前記切り出し領域の外側端面で終わる。高品質構造体を前記被加工部材から切り出すこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はレーザ加工に関するものであり、特に焼結セラミック及び他の硬質及び/又は厚肉材料をレーザ加工する場合のスループット及び品質を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、焼結セラミック及び他の硬質及び/又は厚肉材料は、レーザを用いて加工することができる。研磨または化学エッチングのような他の加工プロセスを使用することもできる。しかしながら、研磨プロセス及び他の機械的プロセスは、加工精度に限界がある。更に、焼結セラミックのような硬質研磨材は、加工プロセス中に使用される機械装置を摩耗させる。
【0003】
セラミックの他に、他の硬質材料として、これらには制限されないが、単結晶シリコン、多結晶シリコン、金属、ガラス、サファイア、及びジルコニウムを挙げることができる。焼結セラミックを含むこのような材料を加工する場合、通常、スループット及び品質を向上させることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セラミックは普通、半焼結状態または焼結状態のいずれかの状態で処理される。半焼結状態では、すなわちセラミックを加熱してしまう前では、またはセラミックをベークしてしまう前では、当該セラミックは比較的柔軟度が高く、かつ処理し易い。しかしながら、セラミックを焼結するプロセスでは、初めに半焼結状態のセラミックに加工している形状部の寸法が変化し易い、またはずれ易い。従って、正確な寸法及び幾何学構造が最終製品に望まれる場合、半焼結状態のセラミックを、当該セラミックを焼結する前に処理すると、十分な品質を提供することができない虞がある。しかしながら、焼結セラミックは半焼結状態のセラミックよりも硬度がはるかに高く、かつ加工が非常に難しくなる。従って、スループットは普通、焼結セラミックを加工する場合には、半焼結状態のセラミックと比べて低い。
【0005】
レーザを用いて焼結セラミックを加工する場合、より高いレーザパワーを使用して、より高速の処理を行なう必要がある。しかしながら、レーザパワーを高くすると、最終製品が適正な品質よりも劣る品質を持つようになる虞がある。公知のレーザ技術では、過剰な熱及び屑が発生し、これによって、例えば端面にデコボコが現われ、そして熱ダメージが生じる虞がある。
【0006】
材料厚さ、及びレーザの焦点深度が大きくなると、普通、所望のスループット及び品質を達成することが一層難しくなる。レーザ加工プロセスから出る屑によって通常、スループット及び品質が制限される。例えば、従来のレーザ切断形状には、レーザで掘り出された材料がトレンチを埋め戻してしまうという問題が生じる虞がある。材料厚さが厚くなると、この埋め戻しが更に顕著になって、加工効率を低下させる。更に、幾つかの材料が多くのプロセス条件で処理される場合、掘り出された埋め戻し材料は、目的とする元々の材料よりも後続のレーザ通過時に除去することが一層難しくなる。従って、材料にダメージを与え得る低品質の切断部が形成され、そしてこれらの切断部は、追加クリーニングを必要とする。
【0007】
レーザパワーを低くして品質を向上させる必要がある。しかしながら、低いレーザパワーを使用すると、スループットが低下する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示する種々の実施形態によって、焼結セラミック及び他の硬質及び/又は厚肉材料をレーザ加工する場合のスループット及び品質が向上する。1つの実施形態では、焼結セラミックまたは他の硬質材料をレーザ加工する方法は、被加工部材をレーザビームで、前記被加工部材の切り出し領域内の平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする工程を含む。前記スクライブする工程では、前記シーケンスの第1レーザ経路から第2レーザ経路に前記レーザビームが進むにつれて広くなる切断溝が前記切り出し領域に形成される。前記方法は更に、高流速ガス流を前記レーザビームと前記被加工部材との境界に誘導する工程を含む。前記ガス流によって屑(前記被加工部材との前記レーザビームの相互作用によって発生する)を前記平行レーザ経路のシーケンスの未処理部分から離れるように誘導する工程を含む。
【0009】
前記方法は更に、前記レーザビームの第1焦点深度を設定する工程と、第1回目通過の前記レーザビームを前記平行レーザ経路群のうちの1つ以上の平行レーザ経路に沿って誘導して、前記被加工部材のうち、前記第1焦点深度に対応する第1部分を除去する工程と、前記レーザビームの第2焦点深度を設定する工程と、そして第2回目通過の前記レーザビームを前記1つ以上の平行レーザ経路に沿って誘導して、前記被加工部材のうち、前記第2焦点深度に対応する第2部分を除去する工程と、を含む。
【0010】
特定の実施形態では、前記シーケンスは前記切り出し領域の内側部分から始まり、そして前記切り出し領域の外側端面で終わる。従って、前記被加工部材を前記平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする工程では、前記切り出し領域の前記内側部分から前記切り出し領域の前記外側端面に向かって下がっていく連続平行階段を前記切断溝内に切断形成する。前記方法では更に、前記被加工部材を前記レーザビームで前記外側端面に沿ってスルーカットして前記切り出し領域を前記被加工部材から除去し、前記屑を前記平行レーザ経路のシーケンスから離れるように誘導することにより、前記外側端面をほぼ平滑にすることができ、かつ前記外側端面が前記屑の影響を受けることがないようにすることができる。
【0011】
他の実施形態では、前記シーケンスは前記切り出し領域の外側端面から始まり、そして前記切り出し領域の内側部分に向かって移動する。このような実施形態では、前記被加工部材を前記レーザビームでスルーカットする工程において、構造体を前記被加工部材の前記内側部分から取り出すことができる。前記屑を前記平行レーザ経路のシーケンスから離れるように誘導することにより、前記構造体をほぼ平滑にすることができ、かつ前記構造体が前記屑の影響を受けることがないようにすることができる。前記方法は、前記被加工部材を前記平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブして、前記切り出し領域の前記外側端面から前記切り出し領域から切り出される前記構造体に向かって下がっていく連続平行階段を前記切断溝内に切断形成する工程を含む。
【0012】
特定の実施形態では、前記高流速ガス流を前記境界に誘導する工程は、前記ガス流をノズルを通って超音波速度で吹き付ける工程を含む。前記ノズルは、例えば前記境界の20mm以内に配置することができるので、前記ガス流は、該ガス流が前記被加工部材の表面に達するときに依然として非常に高い流速を保持する。幾つかの実施形態では、前記ガスは、例えば空気、酸素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、または窒素とすることができる。
【0013】
1つの実施形態では、焼結セラミックまたは他の硬質材料を加工するレーザ処理システムは、レーザビームを生成するレーザを含む。前記レーザビームは、被加工部材を前記被加工部材の切り出し領域内の平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブするように設定される。前記システムは更に、高流速ガス流を前記レーザビームと前記被加工部材との境界に誘導するノズルを含む。特定の実施形態では、前記システムは更に、前記レーザビームを第1焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの1つ以上のレーザ経路に沿った第1回目通過時に、そして第2焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの前記1つ以上のレーザ経路に沿った第2回目通過時に集光する光学系を含む。前記ノズルは、前記ガス流を超音波速度で吹き付けることができるラバール(Laval)ノズルのような収束−発散ノズルを含む。
【0014】
1つの実施形態では、焼結セラミックまたは他の硬質材料を加工するレーザ処理システムは、被加工部材を前記被加工部材の切り出し領域内の平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする手段と、そして高流速ガス流を前記レーザビームと前記被加工部材との境界に誘導する手段と、を含む。前記システムは更に、前記レーザビームを第1焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの1つ以上のレーザ経路に沿った第1回目通過時に、そして第2焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの前記1つ以上のレーザ経路に沿った第2回目通過時に集光する手段を含む。
【0015】
更に別の態様及び利点は、添付の図面を参照しながら進める好適な実施形態に関する以下の詳細な記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】特定の実施形態による被加工部材をスルーカットして穴を開けるための複数の平行レーザ経路を示す模式図である。
【図1B】特定の実施形態による被加工部材をスルーカットして穴を開けるための複数の平行レーザ経路を示す模式図である。
【図1C】特定の実施形態による被加工部材をスルーカットして穴を開けるための複数の平行レーザ経路を示す模式図である。
【図2A】1つの実施形態によるレーザビームで切り出し領域内の切断溝を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。
【図2B】1つの実施形態によるレーザビームで切り出し領域内の切断溝を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。
【図2C】1つの実施形態によるレーザビームで切り出し領域内の切断溝を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。
【図2D】1つの実施形態によるレーザビームで切り出し領域内の切断溝を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。
【図2E】1つの実施形態によるレーザビームで切り出し領域内の切断溝を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。
【図2F】1つの実施形態によるレーザビームで切り出し領域内の切断溝を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。
【図2G】1つの実施形態によるレーザビームで切り出し領域内の切断溝を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。
【図3】1つの実施形態による切り出し領域の中心に向かって順次移行するレーザ経路群を使用してレーザ処理される被加工部材の側部断面図を示す模式図である。
【図4】1つの実施形態による焼結セラミックまたは他の硬質及び/又は厚肉材料を切断して開口部を開ける方法のフロー図である。
【図5】1つの実施形態による焼結セラミックまたは他の硬質及び/又は厚肉材料をレーザ加工するシステムのブロック図である。
【図6】1つの実施形態による焼結セラミック材料に形成される切断部の走査電子顕微鏡像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
特定の実施形態による焼結セラミックまたは他の硬質及び/又は厚肉材料をレーザ加工する方法では、レーザビーム経路を選択して、レーザで被加工部材に切り込みを入れる、または被加工部材を切り抜く(スルーカットする)ときに屑の逃げ部を設けることができるようにする。1つの実施形態では、平行レーザ切断のシーケンスが切り出し領域の内部から始まり、そして切り出し領域の外側端面に向かって移動する。平行レーザ切断のシーケンスによって、切り出し領域の外側端面をよりクリーンに、かつより深くすることができる。
【0018】
更に、または他の実施形態では、当該方法において、空気または他のガスを高い流速で、被加工部材がレーザビームで処理されている領域に誘導する。高流速空気またはガスは、屑ではなく未処理材料へのレーザの集光を可能にすることにより端面品質を向上させ、そしてスループットを高めるように作用する。高流速ガスをプロセス領域に向けて吹き付けることにより、レーザアブレーションにより発生する散乱屑片を除去することができる。高流速ガスで、レーザビーム相互作用領域近傍の残留材料を冷却して、熱影響ゾーン(HAZ)のような副次的な悪影響を小さくし、そして溶融材料がレーザビームによって形成された切断溝に逆流する現象を抑制することもできる。特定の実施形態では、選択した特定ガスを使用してレーザ/被加工部材の境界領域を制御する。
【0019】
複数回のレーザ通過が、厚い被加工部材をスルーカットするために必要になる。従って、幾つかの実施形態では、当該方法において更に、レーザ集光位置を調整することにより、後続の各レーザ通過時の被加工部材の新表面に一致させてスループットを高くする。被加工部材をスルーカットした後、またはほぼ被加工部材の厚さ分だけ切断した後、外側ラインを切断してクリーンな端面を切り出し領域の入口及び出口(例えば、上部及び下部)に形成する。
【0020】
次に、同様の参照番号が同様の構成要素を指す図を参照する。図を分かり易くするために、参照番号の第1桁は、該当する構成要素が初めて使用される図形番号を指している。以下の記述では、多くの特定の詳細を提示して、本明細書に開示する実施形態を完全に理解することができるようにしている。しかしながら、この技術分野の当業者であれば、これらの実施形態は、これらの特定の詳細のうちの1つ以上の詳細を用いることなく実施することができる、または他の方法、構成要素、または材料を用いて実施することができることを理解できるであろう。更に、幾つかの場合においては、公知の構造、材料、または動作は、これらの実施形態の態様が不明瞭になることを避けるために詳細には示されていない、または記載されていない。更に、記載される機能、構造、または特徴は、いかなる適切な態様でも、1つ以上の実施形態において組み合わせることができる。
【0021】
図1Aは、1つの実施形態による被加工部材112をスルーカットして穴を開けるための複数の平行レーザ経路110a,110b,110c,110d,110e,110f,110g(一括してレーザ経路群110と表記する)を示す模式図である。被加工部材112は、焼結セラミックまたは他の硬質及び/又は厚肉材料を含むことができる。これらのレーザ経路110は、外側端面116(破線で示す)を含む1つの切り出し領域114を定義する。この例示的な実施形態では、切り出し領域114内の材料を被加工部材112から除去して、開口部を当該被加工部材112内に形成する。
【0022】
レーザビーム(図示せず)は、レーザ経路群110に切り出し領域114内の最も内側のレーザ経路110aから切り出し領域114の外側端面116に向かって順次追従するように設定される。別の表現をすると、レーザビームは平行レーザ経路110a,110b,110c,110d,110e,110f,及び110gに順次追従する。以下に説明するように、レーザビームによって形成される切断溝は、レーザビームがレーザ経路群110に沿って通過するたびに広く、かつ深くなって、レーザビームで被加工部材112を、切り出し領域114の外側端面で、または外側端面の近傍でスルーカットするようになる。従って、切り出し領域114の内側部分を廃棄して、クリーンな外側端面116を残すことができる。
【0023】
図1Aでは、切り出し領域114は、矩形領域を被加工部材112の端面118に含む。しかしながら、当業者であれば、本明細書の開示内容から、穴または他の構造はいずれの形状に従って加工することもでき、そして被加工部材112のいずれの場所にも設けることができることが理解できるであろう。例えば、図1Bは、被加工部材112内に設けられる円形切り出し領域114を示している。この例示的な実施形態では、平行レーザ経路群110は、切り出し領域114の中心点を中心とする同心円群である。図示しないが、他の実施形態では、レーザ経路群110は、例えば切り出し領域114の内部から切り出し領域114の外側端面116に向かって渦巻く連続経路とすることができる。
【0024】
図1Cは、別の例示的な実施形態を示しており、この実施形態では、矩形の切り出し領域114が、被加工部材112の端面118に隣接する(図1Aに示すように)ことがない。この実施形態では、各レーザ経路110は離散し、矩形であり、そして切り出し領域114の外側端面116と相似形になっている。しかしながら、図1Bに示す円形切り出し領域114を形成するための渦巻き経路の場合と同じように、図1Cに示す矩形切り出し領域114に対応するレーザ経路は、切り出し領域114の内部から外側端面116に向かって矩形が大きくなるパターンとして(例えば、矩形の渦巻き状に)連続的に設けることもできる。レーザ経路110のシーケンスの周りを移動する(例えば、時計回りに)ことにより、空洞が形成され、そして屑を切り出し領域114の中心に向かって、かつ外側端面116から離れるように、そして/またはレーザ経路群110から離れるように流動させることができる。
【0025】
1つの実施形態では、レーザビームは、各レーザ経路に沿った複数回の通過を行なうことにより、被加工部材112をスルーカットすることができる。図1Aによれば、例えば1つの実施形態によるレーザビームは、平行レーザ経路群110の各レーザ経路に沿った複数回の通過を行なう。例えば、第1焦点深度の第1回目の通過を行なう場合、レーザビームを、平行レーザ経路110a,110b,110c,110d,110e,110f,及び110gに順次追従させることができる。第2焦点深度の第2回目の通過を行なう場合、レーザビームをこの場合も同じように、平行レーザ経路110a,110b,110c,110d,110e,110f,及び110gに順次追従させることができる。このプロセスを必要に応じて繰り返すことにより、特定の被加工部材112を処理することができる。
【0026】
別の実施形態では、レーザビームの通過回数を異なる経路110に沿って異ならせることができる。例えば、図2A,図2B,図2C,図2D,図2E,図2F,及び図2Gは、レーザビーム(図示せず)で、1つの実施形態による切り出し領域114の切断溝210を順次深くし、そして広くするときの異なる処理段階における被加工部材112の側部断面図をそれぞれ示す模式図である。上に説明したように、レーザビームをレーザ経路のシーケンスに追従させて、材料を切断溝210から除去する。図2Aでは、レーザビームを第1レーザ経路(例えば、図1Aのレーザ経路110a)に追従させて、材料の一部分を除去して深さ「d」の切断溝210を形成する。材料の中心部分212は、少なくとも部分的に、切断溝210によって取り囲まれた状態になっている。図2Bでは、レーザビームを第2レーザ経路(例えば、図1Aのレーザ経路110b)に追従させて、材料の更に別の部分を除去して切断溝210を広くし、かつ深くする。図2Cでは、レーザビームを第3レーザ経路(例えば、図1Aのレーザ経路110c)に追従させる。図2Dでは、レーザビームを第4レーザ経路(例えば、図1Aのレーザ経路110d)に追従させる。図2Eでは、レーザビームを第5レーザ経路(例えば、図1Aのレーザ経路110e)に追従させる。図2Fでは、レーザビームを第6レーザ経路(例えば、図1Aのレーザ経路110f)に追従させる。図2Gでは、レーザビームを第7レーザ経路(例えば、図1Aのレーザ経路110g)に追従させる。
【0027】
レーザビームによって切断溝210は、被加工部材112をスルーカットして切断溝210が形成されるまで(例えば、図2Gに示すように)当該レーザビームをレーザ経路群に順次追従させると広く、かつ深くなる。幾つかの実施形態では、切断溝210は、レーザビームスポット群の一部がレーザビーム経路群の間で重なり合うようにすることにより、順次深くなる。更に、または他の実施形態では、レーザビームを、経路群のうちの1つ以上の経路を複数回通過させることにより、切断溝210の深さを深くすることができる。例えば、レーザビームを、第1レーザ経路110aを1回通過させる、第2レーザ経路110bを2回通過させる、第3レーザ経路110cを3回通過させるなど、他のレーザ経路を同じようにして複数回通過させることができる。幾つかの実施形態では、レーザ集光位置を調整して材料の新表面の深さに、レーザビームが連続的に通過するたびに一致させる。例えば、被加工部材112が焦点フィールドよりも厚い場合、焦点深度を、切断溝210の深さ「d」が深くなるに応じて調整することができる。
【0028】
切断溝210が広く、かつ深くなると、当該切断溝によって空洞、及び屑の逃げ部が設けられる。従って、レーザ経路群に順次追従させることにより、屑が、レーザ/材料の境界、及び/又はレーザ経路のうちレーザビームによって未だ処理されていない部分から離れるように流動する。被加工部材112をスルーカットした後、切り出し領域114の外側端面116はクリーンかつ明瞭になる。次に、切り出し領域114内の残留材料212を廃棄することができる。
【0029】
図3は、1つの実施形態による切り出し領域114の中心に向かって順次移行するレーザ経路群を使用してレーザ処理される被加工部材112の側部断面図を示す模式図である。当業者であれば、本明細書の開示内容から、特定の用途では、切り出し領域114の内部から外側端面116に向かって、上に説明したように、経路のシーケンスに追従させることが望ましいことが理解できるであろう。このシーケンスは、例えば被加工部材112を切断して穴を開け、そして切り出し領域114から除去される材料を廃棄する場合に望ましい。しかしながら、当業者であればまた、他の用途では、レーザ経路のシーケンスが外側端面116から始まり、そして切断溝210が深くなるにつれて切り出し領域114の中心に向かって移動することが望ましいことを理解できるであろう。このシーケンスは、例えば高品質部品または高品質構造310を被加工部材112から切り出す場合に望ましい。
【0030】
図3に示すように、レーザ経路を外側端面116からスタートさせると、切断溝210が深くなり、且つ、被加工部材112から切り出される構造310に向かって移動するにつれて、被加工部材112の一部を残留させる傾斜表面または階段状表面が形成される。この階段状表面に、レーザビーム/材料の相互作用により発生する屑が集まる。しかしながら、被加工部材112から切り出される構造310は、比較的平滑かつクリーンな切断面312を有する。
【0031】
図4は、1つの実施形態による焼結セラミックまたは他の硬質及び/又は厚肉材料を切断して開口部を形成する方法400のフロー図である。当該方法400は、高流速ガス流をレーザビームと被加工部材との境界に誘導する工程410を含む。ガス流は、ヘリウム、アルゴン、または窒素のような中性ガスとすることができる。他の実施形態では、ガス流は酸素とすることができる、またはそれぞれ或る程度の酸化を引き起こす可能性のある大気(例えば、窒素及び酸素の混合物)または二酸化炭素のような酸素含有ガスとすることができる。他の実施形態では、ガス流は、特定の用途に選択されてレーザ/材料の境界領域を制御する更に活性なガスとすることができる。
【0032】
集中ガス流を高流速(例えば、超音波速度に近い速度)で移動させて、レーザ加工プロセスを、レーザビームと被加工部材との境界でのレーザ処理条件を変化させることにより変更する。例えば、幾つかの実施形態では、ガス流によって被加工部材の表面における衝撃波と同様の効果を発生させることができる。高流速ガス流によって、レーザ加工プロセスによって発生する散乱屑片を機械的に除去する。ガス流によって更に、レーザビームと被加工部材との境界の近傍の残留材料を冷却する。
【0033】
当該方法400は更に、被加工部材の切り出し領域内にて、平行レーザ経路のシーケンスに沿って、レーザビームにより被加工部材をスクライブする工程412を含む。当該スクライブ工程では切り出し領域にて切断溝を形成する。この切断溝は、レーザビームが平行レーザ経路のシーケンスに沿って移動すると、深くなり、また、屑の少なくとも一部の方向を変える。上に説明したように、1つの実施形態では、平行レーザ経路のシーケンスは切り出し領域の内側部分から始まり、そして切り出し領域の外側端面で終わる。別の実施形態では、レーザ経路のシーケンスは切り出し領域の外側端面から始まり、そして切り出し領域の内側部分に向かって移動する。
【0034】
1つの実施形態では、当該方法400は更に、レーザビームの焦点深度を、切断溝の深さが被加工部材内に向かって深くなるにつれて調整する工程414を含む。従って、レーザビームは材料を切り出し領域から、切断溝が深くなるにつれて効率的に除去し続ける。
【0035】
従って、当該方法400を使用して、被加工部材からレーザ処理を使用して切り出される部品または構造の品質を向上させ、被加工部材にレーザ処理中に形成される深い開口部の品質を向上させ、そしてレーザ処理のスループットを、比較的高出力のレーザの使用を可能にしてレーザ処理品質を維持しながら材料除去速度を高めることにより向上させることができる。幾つかの実施形態では、本明細書に説明される実施形態を使用するスループットは、従来のレーザ加工プロセスによるスループットの3〜10倍という高い倍率で向上した。
【0036】
図5は、1つの実施形態による焼結セラミックまたは他の硬質及び/又は厚肉材料をレーザ加工するシステム500のブロック図である。当該システム500は、レーザビーム510を生成するレーザ(図示せず)と、レーザビーム510を、被加工材料514(被加工部材514とも表記される)に対して所望の深さに集光させる光学系512と、そして高流速円錐状エアジェット518またはガス流を、レーザビーム510と被加工部材514との境界520に誘導する高流速ガス吹き付けノズル516と、を含む。当業者であれば、本明細書の開示内容から、焦点深度は、被加工部材514をレーザ及び/又は光学系512に対して移動させることにより調整することもできることが理解できるであろう。
【0037】
当該システム500は、焼結セラミック及び他の硬質及び/又は厚肉材料を切断する場合のスループット及び品質の両方を向上させるように構成される。これらの材料を処理するためのレーザ選択は、この技術分野の当業者により行なうことができる。このレーザ選択は通常、レーザの波長、及び被加工材料514の吸収特性に基づいて行なわれる。1つの例示的な実施形態では、レーザは、可視波長または紫外波長で動作するQスイッチパルスレーザを含む。特定のこのような実施形態では、レーザは、約1kHzよりも高いパルス繰り返しレートで、かつ約500nsよりも短いレーザパルス幅で動作させる。
【0038】
1つの実施形態では、ノズル516は、ラバールノズル、または非常に高いガス流速度(超音波速度を含む)をノズルの開口部で発生させるために収束−発散構造を有する他のガス吹き付けノズルを含む。例えば、エア速度は約200m/秒またはそれよりも速い速度とすることができる。特定のこのような実施形態では、高速ノズルは、被加工部材514上の境界520から約1mm〜約100mmの距離に設けられる。図5には示していないが、幾つかの実施形態では、ノーズ部材をノズル516に取り付けて、円錐状エアジェット518を、特定の用途に有用になるように、更に集中的に噴出させ、そして誘導することができる。
【0039】
1つの例示的な実施形態においては、システム500では、レーザパルス幅が約40ns、パルス繰り返しレートが約20kHz、そして平均パワーが約7WのQスイッチNd−Yag(ネオジウム−ヤグ)レーザの第3高調波を用いる。1つのこのような実施形態では、ノズル516は、インディアナ州ポーテジにオフィスを構えるシルベントノースアメリカ社製のステンレス鋼製ラバールノズルを含む。ラバールノズル516は、境界から約20mmの距離に配置され、そしてガスを当該境界に、被加工部材514の表面の法線から約30度の角度で誘導する。しかしながら、当業者であれば、ラバールノズル516と被加工部材514の表面との間の他の角度を用いることができることが理解できるであろう。例えば、ラバールノズル516は、レーザビームと同軸に配置することができる。1つの実施形態では、集光スポット形状はガウス分布形であり、そしてレーザ経路は図1に示すように設定される。
【0040】
図6は、上に説明した例示的な実施形態による焼結セラミック材料612に形成された切断部610の走査電子顕微鏡像である。図6に示すように、切断部610の端面は平滑かつクリーンである。
【0041】
上に説明したように、本明細書に開示する実施形態を使用して焼結セラミック及び他の硬質及び/又は厚肉材料を加工することができる。セラミックは、酸化物(例えば、アルミナ及びジルコニア)、非酸化物(例えば、炭化物、ホウ化物、窒化物、及びシリサイド)、及び複合物(例えば、酸化物及び非酸化物の粒子強化複合材料)を含む異なる材料カテゴリーに分類することができる。例えば、酸化アルミニウムは、化学式Alで表わされるアルミニウム及び酸素の化合物である。この酸化アルミニウムはまた、採掘業界、セラミック業界、及び材料科学業界においてアルミナと一般的に表記される。例示的な炭化物として、炭化ナトリウム(Na)、炭化珪素(SiC)、炭化タングステン(WC、単にカーバイドと表記される場合が多い)、及びセメンタイト(FeC、炭化鉄とも表記される)を挙げることができる。
【0042】
チタン酸バリウム(チタン酸ストロンチウムと混合される場合が多い)は、強誘電性を示すセラミックであり、当該チタン酸バリウムの機械的応答、電気的応答、及び熱的応答が互いに結び付けられ、そして履歴によっても変わることを意味している。当該チタン酸バリウムは、電気機械トランスデューサ、セラミックキャパシタ、及びデータ記憶素子に広く使用されている。チタン酸バリウムの粒界状態によって、正の温度係数(PTC)効果が加熱素子に現われる。
【0043】
ジルコニアは別のセラミックであり、純粋ジルコニアとして、多くの相転移を、室温と実際の焼結温度との間の温度で起こす。ジルコニアは、幾つかの異なる相で化学的に「安定化させる」ことができる。当該ジルコニアの酸素イオン伝導率が高いので、当該ジルコニアを燃料電池に使用することが推奨されている。別の変形例では、準安定構造は、機械用途向けに耐変質強化することができる。ほとんどのセラミック製ナイフの刃はジルコニアから作製される。
【0044】
以下の例示的なセラミック材料は、本明細書に開示した方法を使用して加工することもできる:高温超電導体であるビスマスストロンチウムカルシウム銅酸化物;幾つかの個人用ヘリコプター及び戦車に使用される炭化ホウ素(BC);構造的に炭素と同数の電子を持ち、かつ同様の物理構造(潤滑剤として使用されるグラファイト状構造及び研磨剤として使用されるダイヤモンド状構造)をしている窒化ホウ素;建設に用いる煉瓦(ほとんどがケイ酸アルミニウム);粘土、石英、及び長石から作製される場合が多い陶器;強磁性であり、かつ変圧器のコア、及び磁気コアメモリに使用されるフェライト(Fe);強誘電体材料であるジルコン酸チタン酸鉛;革新的な超電導体である二ホウ化マグネシウム(MgB);普通、カオリナイト粘土鉱物を含む磁器;マイクロ波炉のサセプターとして、普通に用いられる研磨剤として、そして高融点金属として使用される炭化珪素(SiC);研磨剤粉末として使用される窒化珪素(Si);電気絶縁体として使用されるステアタイト;原子炉の燃料として使用される酸化ウラン(UO);別の高温超電導体であるイットリウムバリウム銅酸化物(YBaCu7−X);及び半導体であり、かつバリスタの作製に使用される酸化亜鉛(ZnO)。
【0045】
当業者であれば、本明細書の開示内容から、多くの他のタイプのセラミックを本明細書に開示した実施形態を使用して加工することができることが理解できるであろう。更に、上に説明したように、単結晶シリコン、多結晶シリコン、金属、ガラス、及びサファイア(これらの材料に制限されない)のような他の硬質材料は、本明細書に開示した実施形態を使用して加工することができる。
【0046】
この技術分野の当業者によって、多くの変更を、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、上に記載の実施形態の詳細に加え得ることが理解されるであろう。従って、本発明の範囲は以下の請求項によってのみ規定されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
110…レーザ経路群、112…被加工部材、114…切り出し領域、116…外側端面、118…端面、210…切断溝、212…材料の中心部分、310…切り出される構造、312…切断面、500…レーザ加工するシステム、510…レーザビーム、512…光学系、514…被加工部材、516…ノズル、518…エアジェットまたはガス流、520…境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結セラミックまたは他の硬質材料をレーザ加工する方法であって、前記方法は:
被加工部材をレーザビームで、前記被加工部材の切り出し領域内の平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする工程であって、前記スクライブする工程において、前記シーケンスの第1レーザ経路から第2レーザ経路に前記レーザビームが進むにつれて広くなる切断溝を前記切り出し領域に形成して屑の逃げ部を設ける、前記スクライブする工程と;
高流速ガス流を前記レーザビームと前記被加工部材との境界に誘導する工程と、を含み、前記ガス流によって前記屑を前記平行レーザ経路のシーケンスから離れるように誘導し、そして前記屑が前記被加工部材との前記レーザビームの相互作用により生成される、
方法。
【請求項2】
更に:
前記レーザビームの第1焦点深度を設定する工程と;
第1回目通過の前記レーザビームを前記平行レーザ経路群のうちの1つ以上の平行レーザ経路に沿って誘導して、前記被加工部材のうち、前記第1焦点深度に対応する第1部分を除去する工程と;
前記レーザビームの第2焦点深度を設定する工程と;
第2回目通過の前記レーザビームを前記1つ以上の平行レーザ経路に沿って誘導して、前記被加工部材のうち、前記第2焦点深度に対応する第2部分を除去する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シーケンスは前記切り出し領域の内側部分から始まり、そして前記切り出し領域の外側端面で終わる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記被加工部材を前記平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする工程では、前記切り出し領域の前記内側部分から前記切り出し領域の前記外側端面に向かって下がっていく連続平行階段を前記切断溝内に切断形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、前記被加工部材を前記レーザビームで前記外側端面に沿ってスルーカットして、前記切り出し領域を前記被加工部材から取り出す工程を含み、前記屑を前記平行レーザ経路のシーケンスから離れるように誘導することにより、前記外側端面をほぼ平滑にすることができ、かつ前記外側端面が前記屑の影響を受けることがないようにすることができる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記シーケンスは前記切り出し領域の外側端面から始まり、そして前記切り出し領域の内側部分に向かって移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に、前記被加工部材を前記レーザビームでスルーカットして構造体を、前記構造体が前記切り出し領域の前記内側部分を含むように前記被加工部材から取り出す工程を含み、前記屑を前記平行レーザ経路のシーケンスから離れるように誘導することにより、前記構造体をほぼ平滑にすることができ、かつ前記構造体が前記屑の影響を受けることがないようにすることができる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記被加工部材を前記平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする工程では、前記切り出し領域の前記外側端面から前記切り出し領域から切り出される前記構造体に向かって下がっていく連続平行階段を前記切断溝内に切断形成する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記高流速ガス流を前記境界に誘導する工程は、前記ガス流を、ノズルを通って超音波速度で吹き付ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
更に、前記ノズルを前記境界の20mm以内に配置する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ガスは、空気、酸素、及び二酸化炭素を含むグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ガスは、アルゴン、ヘリウム、及び窒素を含むグループから選択される中性ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
焼結セラミックまたは他の硬質材料を加工するレーザ処理システムであって、前記システムは:
レーザビームを生成するレーザであって、前記レーザビームが、被加工部材を前記被加工部材の切り出し領域内の平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブするように設定される、前記レーザと;
高流速ガス流を前記レーザビームと前記被加工部材との境界に誘導するノズルと、
を備える、レーザ処理システム。
【請求項14】
更に、前記レーザビームを第1焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの1つ以上のレーザ経路に沿った第1回目通過時に、そして第2焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの前記1つ以上のレーザ経路に沿った第2回目通過時に集光する光学系を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ノズルは、前記ガス流を超音波速度で吹き付けることができる収束−発散ノズルを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記収束−発散ノズルはラバール(Laval)ノズルを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記平行レーザ経路のシーケンスは前記切り出し領域の内側部分から始まり、そして前記切り出し領域の外側端面で終わる、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記平行レーザ経路のシーケンスは前記切り出し領域の外側端面から始まり、そして前記切り出し領域の内側部分に向かって移動する、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記ノズルは、前記被加工部材の20mm以内に配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記ガスは、空気、酸素、及び二酸化炭素を含むグループから選択される、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記ガスは、アルゴン、ヘリウム、及び窒素を含むグループから選択される中性ガスを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
焼結セラミックまたは他の硬質材料を加工するレーザ処理システムであって、前記システムは:
被加工部材を前記被加工部材の切り出し領域内の平行レーザ経路のシーケンスに沿ってスクライブする手段と;
高流速ガス流を前記レーザビームと前記被加工部材との境界に誘導する手段と、
を備える、レーザ処理システム。
【請求項23】
更に、前記レーザビームを第1焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの1つ以上のレーザ経路に沿った第1回目通過時に、そして第2焦点深度に、前記レーザ経路群のうちの前記1つ以上のレーザ経路に沿った第2回目通過時に集光する手段を備える、請求項22に記載のシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−517624(P2011−517624A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502036(P2011−502036)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/038319
【国際公開番号】WO2009/123902
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(593141632)エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド (161)
【Fターム(参考)】